JP2004500311A5 - - Google Patents

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【書類名】明細書
【発明の名称】雌性の性的機能障害の処置方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】雌性の性的機能障害の処置又は雌性の性的増強の方法であって、血管拡張作用を有するプロスタノイド化合物を医薬として許容される賦形剤中に含んで成る組成物を、膣に投与することを含んで成る方法(ここで、投与されるプロスタノイド化合物の量は、約0.05mg〜約3mgの範囲である)。
【請求項2】投与されるプロスタノイド化合物の量が、約0.05mg〜約2mgの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】投与されるプロスタノイド化合物の量が、約0.125mg〜約1mgの範囲にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】前記プロスタノイド化合物が凍結乾燥される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】前記プロスタノイド化合物が、リポソームに包まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】前記リポソームが凍結乾燥される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】前記の医薬として許容される賦形剤がメチルセルロースである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】前記組成物が膣内に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】前記組成物が膣外に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】前記プロスタノイド化合物が、プロスタグランジンE−1である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】投与されるプロスタノイド化合物の量が、約0.05mg〜約2mgの範囲にある、請求項10に記載の方法。
【請求項12】投与されるプロスタノイド化合物の量が、約0.125mg〜約1mgの範囲にある、請求項10に記載の方法。
【請求項13】前記プロスタノイド化合物が、リポソームに包まれる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】前記リポソームが凍結乾燥される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】前記の医薬として許容される賦形剤がメチルセルロースである、請求項10に記載の方法。
【請求項16】前記組成物が更に、前記プロスタノイド化合物の生物学的利用能を増強することができる界面活性剤を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項17】雌性の性的機能障害の処置又は雌性の性的増強の方法であって、凍結乾燥したリポソームのプロスタグランジンE−1をメチルセルロース中に含んで成る組成物を、膣に投与することを含んで成る方法(ここで、投与されるプロスタグランジンE−1の量が、約0.125mg〜約1mgの範囲にある)。
【請求項18】患者の膣の血流を増強する方法であって、血管拡張作用を有するプロスタノイド化合物を医薬として許容される賦形剤中に含んで成る組成物を、膣に投与することを含んで成る方法(ここで、投与されるプロスタノイド化合物の量は、約0.05mg〜約3mgの範囲にある)。
【請求項19】投与されるプロスタノイド化合物の量が、約0.05mg〜約2mgの範囲にある、請求項18に記載の方法。
【請求項20】投与されるプロスタノイド化合物の量が、約0.125mg〜約1mgの範囲にある、請求項18に記載の方法。
【請求項21】前記プロスタノイド化合物がプロスタグランジンE−1である、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
この発明は、雌性の性的機能障害の処置又は雌性の性的増強の方法、及び更に特別に、雌性の膣内又は膣外へのプロスタノイド化合物の投与に関する。
【0002】
発明の背景
近年の研究は、米国の50〜74歳の間の約1,000万人の女性が、22,900万回の性交の時に、潤滑の欠如を報告したことを明らかにした。事実、調査した260人の女性のうち58%以上が、性交の際の痛み又は不快感、膣の潤滑の減少、膣の充血の遅れ、覚醒のための時間の増大、オーガズムに達する能力の減少、あるいは陰核の感覚の減少として定義される様な性的機能障害に影響を受けていることが明らかとなった。
【0003】
この症候群の動物モデルは、Goldstein及びBermanによって開発された(Int.J.Impot. Res. 10 Suppl. 2 : S84−90 ; S98−101, 1998。この開示は、引用によって本明細書に組入れられる)。これらの研究者は、膣及び陰核に対する腸骨−下腹部−外陰部の動脈床の血流力学の完全性を評価する診断的研究、並びに脈管形成的な雌性の性的機能障害を有する患者の膣/陰核の血流を増強するための新規の経口/局所の薬理動態的研究に着手した。彼等は、性的機能障害を有する女性が、一般に生理的異常、例えば脈管形成的な雌性の性的機能障害を持ち、これがそれらの全体の性的な健康問題に寄与しているであろうという増大している一連の証拠を観察した。
【0004】
Park等(Int.J.Impot. Res. 9 : 27−37, 1997 。この開示は、引用によって本明細書に組入れられる)は、雌性の性的機能障害が下腹部−膣/陰核の動脈床の脈管形成的欠陥に一部関係しうることを示した。この理論を、調節した実験環境下で研究するために、彼等は、膣の充血不足及び陰核の勃起不足の動物モデルを開発した。彼等は、骨盤の神経によって刺激される膣の充血及び陰核の勃起を、雌のコントロールの標準的なダイエットのニュージーランド白ウサギにおいて、大動脈−腸骨の動脈のアテローム性動脈硬化症のバルーン損傷を、雌の0.5%コレステロールダイエットニュージーランド白ウサギにおいて達成した。16週後、膣壁及び陰核の血流、膣壁及び陰核の海綿静脈洞内圧、膣の長さ、膣の管腔圧、コレステロール及びトリグリセリドの血液濃度、大動脈−腸骨の血管造影並びに膣壁及び陰核の勃起組織の組織学を含む、新規の血流力学的変化性を、前記の2つのウサギの群において記録した。それらの結果は、骨盤の神経の刺激が、膣の血流力学的変化を誘導し、そしてコントロールのウサギと比較して、アテローム性動脈硬化のウサギにおいて、有意に少ない増大が、血流、壁圧及び長さの変化にあった。陰核の勃起性組織の組織学的検査は、海綿静脈洞の動脈のアテローム性動脈硬化的変化並びに散在性の膣及び陰核の線維症を示した。アテローム性動脈硬化の動物における大動脈−腸骨の血管造影は、散在が厳密なアテローム性動脈硬化症の閉塞に適していることを示した。それらは、膣の充血及び陰核の勃起が血液の流入の増大に依存することを結論づけている。
【0005】
今日、性的な覚醒の疾患を有する女性、特に膣の潤滑の減少及び痛みを伴う挿入があるものの取扱いは、心理学的な、ホルモン及び“人工的な潤滑”の介入に基づいている。膣の充血不足の病態生理学は、部分的に血管の障害に関係しているであろう。
プロスタノイド化合物、例えばプロスタグランジンE−1(PGE−1)は、添加物として使用され、血流を動脈の血管形成方法において向上させてきた。例えば、Advances in Prostaglandin, Thromboxane and Leukotoriene Res., 17 : 266−70, 1987 ; Applied Cardiopulmonary Pathophysiology 2 : 193−98, 1998を参照のこと。この開示は、引用によって本明細書に組入れられる。プロスタノイド化合物はまた、雌性の勃起性機能障害の処置において使用されてきた。例えば、開示が引用によって本明細書に組入れられる、米国特許番号第5,718,917号は、プロスタグランジン含有リポソームを陰茎に投与することを含んで成る、勃起性機能障害の処置方法を開示している。
発明の要約
本発明は、雌性の性的機能障害の処置及び雌性の性的増強の方法を提供する。本発明はまた、患者の膣における血流を増強するための方法を方向づけている。前記方法は、血管拡張作用を有するプロスタノイド化合物を医薬として許容される賦形剤中に含んで成る組成物を、膣に投与することを含んで成る。
【0006】
前記組成物の好ましい投与量は、3mg以下のプロスタノイド化合物、更に好ましくは0.05mg〜約3mg、更に好ましくは0.05mg〜約2mg、及びより更に好ましくは約0.125mg〜約1mgのプロスタノイド化合物を含む。好ましい態様において、前記プロスタノイド化合物は、リポソーム内に含まれ、これは好ましくは凍結乾燥され、前記組成物の安定性を増強する。好ましい態様において、前記プロスタノイド化合物は凍結乾燥される。好ましくは、前記プロスタグランジンはプロスタグランジンE−1(“PGE−1”)である。
詳細な説明
本発明は、雌性の性的機能障害の処置及び雌の性的増強の方法を方向づけている。本明細書で使用される場合、雌性の性的機能障害は、性交の間の痛み又は不快感、膣の潤滑の減少、膣の充血の遅れ、覚醒のための時間の増大、オーガニズムに達する能力の減少、並びに陰核の感覚の減少を含む。本発明はまた、患者の膣における血流の増強のための方法を方向づける。前記方法は、血管拡張作用を有するプロスタノイド化合物を医薬として許容される担体中に含んで成る組成物を、膣外及び/又は膣内に投与することを含んで成る。
【0007】
本明細書で使用する場合、“膣”の語は、子宮から外陰にわたる交接管だけでなく、陰核、前唇、後唇、大陰唇、及び小陰唇を含む性器を言及する。更に具体的に、陰核は雌性の陰茎におけるものに類似している雌性の、血液を供給し、そして神経が支配する勃起組織を含む。前記組成物の陰核への適用は、雌性の陰茎の血管組織の充血と同一の機構による、陰核の充血を行う血液の供給を増大する。雌性の陰核の勃起組織及び感覚組織の神経支配に対する前記組成物の作用は、相対的な雌性の組織に対するその作用に類似している。
【0008】
本発明の使用に適しているプロスタノイド化合物は、PGE−1,PGE−2及びPGE−3を含むプロスタグランジンE(PGE)、PGA−1を含むプロスタグランジンA(PGA)、PGF−2を含むプロスタグランジンF(PGF)、PGD−2を含むプロスタグランジンD(PGD)、プロスタサイクリン、スロンボキサン、ロイコトリエン、6−ケト−PGE−1誘導体、カルバサイクリン誘導体、PGD−2誘導体など、並びにいずれかのプロスタノイド化合物の合成類似体を含む。PGE−1及びPGE−2が好ましく、そしてPGE−1が最も好ましい。適当なプロスタノイド化合物の例は、米国特許番号第4,955,878号に開示されており、この開示は引用によって本明細書に組入れられる。前記プロスタノイド化合物は、好ましくは賦形剤中に結晶、液体又は凍結乾燥形態において提供される。
【0009】
好ましい投与量は、3mg以下のプロスタノイド化合物、更に好ましくは0.05mg〜約3mg、更に好ましくは0.05mg〜約2mg、及びより更に好ましくは約0.125mg〜約1mgのプロスタノイド化合物を含む。プロスタノイド化合物の投与量は、膣組織を通じての前記プロスタノイド化合物の素速い吸収によって起こる前記プロスタノイド化合物の潜在的毒性のため、これらの比較的低い濃度で扱われるべきである。
【0010】
前記の医薬として許容される賦形剤は、前記プロスタノイド化合物の適用を容易にするための化合物である。適当な賦形剤は、例えば、ローション、ゲル及び液体を含む。特に好ましい賦形剤は、KY JELLYの名のもと販売されている様なメチルセルロースである。好ましくは、前記賦形剤は、ほぼ中性のpHを有する。賦形剤の他の例は、水、シリコン、ワックス、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及び糖を含む。前記組成物は、前記担体中で、当業者に知られている方法に従い前記プロスタノイド化合物を均一に混合することによって形成する。
【0011】
好ましい態様において、前記プロスタノイド化合物はリポソーム内に含まれる。本発明のリポソームは、いずれかのリン脂質、糖脂質、誘導脂質などから作製してもよい。適当なリン脂質の例は、ホスファチドコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ジセチルリン酸塩、リソホスファチジルコリン及びそれらの混合物、例えば大豆リン脂質、並びに卵黄リン脂質を含む。適当な糖脂質はセレブロシド、硫黄含有脂質、ガングリオシドなどを含む。適当な誘導脂質は、コール酸、デオキシコール酸などを含む。リポソームを形成するために、本件で好ましい脂質は、卵のホスファチジルコリンである。
【0012】
前記リポソームは、リポソームを形成するための、いずれかの知られている方法によって形成してもよく、そして知られている方法に従い、プロスタグランジンを詰め込んでもよい。リポソームのプロスタグランジン(PG)を形成するための、知られている方法は、例えば共にLiposome Companyによって譲渡されたPCT出願番号PCT/US88/01714及び欧州特許出願番号EP0,512,916A2、並びにGreen Cross Corporationによって譲渡された欧州特許出願番号EP0,416,527A2に記載されており、そしてそれらの出願に開示された参照は、その全てが引用によって本明細書に組入れられる。形成されるものは、リポソームのPGを含んで成るエマルションである。
【0013】
本発明において使用されるリポソームは、約20nm〜約1000nm及び好ましくは約100nm〜約200nmの平均直径を有するのが好ましい。約140nmの平均直径が特に好ましい。約1000nm以上のリポソームが好ましくないのは、それらを作製するのが難しいからである。約20nm以下のリポソームは、使用可能であるが、好ましくないのは、それらを作製するのが難しいからである。
【0014】
従って、製造される前記リポソームは、それらのサイズを減少させ、そして均質な集団を製造するために好ましくは処理される。これは、従来技術、例えば好ましくは100〜500nmの孔サイズのフィルターを通して押し出されることによって達成することができ、ここで前記のフィルターは直線の経路又は曲線の経路の型のいずれかである。前記リポソームを均質なサイズ分布へと、サイズを減少させる他の方法は、超音波露出、フランスの加圧技術、流体力学的剪断、例えばコロイドミル又はGaulinホモジェナイザーを用いるホモジェナイゼーション、あるいは微小流動化技術である。微小流動化が現在好ましく、そしてCook等の米国特許番号第4,533,254号に記載されており、この開示は引用によって本明細書に組入れられる。好ましい微小流動化方法において、リポソームのエマルションは高圧で、小さい直径の開口部を通して力をかけられ、壁上にはね、そしてその後回収される。
【0015】
本発明の特に好ましい態様において、前記リポソームは、Microfluidics Corporationによって、約140nmの平均直径を有するリポソームの一般的に均質な集団を達成するために、例えば1インチ当たり14000〜16000ポンドの圧力で製造されたM−110 Series Laboratory Microfluidizerを、1〜10回、及び好ましくは4回通過する。
【0016】
前記プロスタノイド化合物又はリポソームのプロスタノイド化合物の凍結乾燥は当業界で知られているいずれかの方法によって達成することができる。その様な方法は、例えばJanoff等の、米国特許番号第4,880,836号に開示されており、この開示は引用によって本明細書に組入れられる。リポソームの場合において、凍結乾燥方法は、好ましくは乾燥保護剤の、リポソーム懸濁液への添加を含む。前記の乾燥保護剤はリポソームを安定化し、サイズ及び含有量を、乾燥段階の間、及び再水和を通して維持することができる。好ましい乾燥剤は、デキストロース、スクロース、マルトース、マンノース、ガラクトース、ラフィノース、トレハロース、ラクトース、及びトリオースの糖を含む糖類であり、これは好ましくはリポソーム懸濁液の水層の重量当たり、約5%〜約20%及び好ましくは約10%の量で加えられる。デキストロース、スクロース及びマルトースが現在好ましい。マンニトールを、前記の糖のいずれかと一緒に使用してもよい。追加の保存剤、例えばBHT又はEDTA、尿素、アルブミン、デキストランあるいはポリビニルアルコールもまた使用できる。
【0017】
リポソームのPGの場合、プロスタグランジンの所望の量を輸送するために必要なリポソームのPGの量を決定するために、どの位の量のプロスタグランジンが存在するかを決定する必要があった。標準的なプロスタグランジンE−2のELISA試験を用いる解析は、プロスタグランジンを重量当たり20%〜40%程度の量においてリポソームに加えることができることを確立した。しかしながら、プロスタグランジンが重量当たり約2%〜約3%の量において、リポソームに存在することが好ましい。特に好ましい凍結乾燥したリポソームのPG組成物は、44mgの卵のホスファチジルコリン、75mgのマルトース及び1mgのプロスタグランジンE−1を含んで成る。
【0018】
所望ならば、前記組成物は更に界面活性剤を含んで成り、前記プロスタノイド化合物の生物学的利用能を増強することができる。前記の界面活性剤は、前記の医薬として許容される賦形剤と前記プロスタノイド化合物との間の界面張力を減少させ、そしてまた前記プロスタノイド化合物と膣の粘膜との間の界面張力を減少させる。前記プロスタノイド化合物がリポソーム中に包まれているとき、界面活性剤はまた、前記リポソームの消滅を増強することができる。本発明における使用のための適当な界面活性剤調製物は、米国特許番号第5,207,220号に記載されており、この開示は引用によって本明細書に組入れられる。好ましくは、前記界面活性剤は前記組成物中に、重量当たり約0.02%〜約2%にわたる量において存在する。
【0019】
他の薬剤を本発明の組成物中に含めることができ、限定しないが、これは他の血管拡張剤、アルファーアドレナリン作用の阻害剤、プラゾシン、パパベリン、フェントラミン、血管作用性腸ペプチド(VIP)、エストロゲン及びエストロゲン様化合物、アルファーアドレナリン作用の受容体媒介物、ニトログリセリン化合物などを含む。
例1
凍結乾燥したPGE−1リポソームの製造
本発明に従うリポソームのPGE−1を、以下の手順に従い製造した。
【0020】
1.2250mlの水(2回蒸留)をビーカー(保冷)に加え、そして少なくとも30分間窒素散布にさらす。
2.225gのマルトース(Sigma M5885)を前記の水に加え、そして混合物を溶解するまで混合する。窒素散布を続ける。混合物のpHは4.81である。
【0021】
3.別のビーカーにおいて、10.59gの卵のホスファチジルコリン(EPC)(Sigma)を、8.38mlのエタノール(無水物、Sigma E3884)と合わせ、そして溶解するまで混合する。これに、67.5mgのBHTを加え、そして溶解するまで混合する。この混合物に、2160mgのPGE−1を加え、溶解するまで混合する。計量容器中に残っているあらゆるPGE−1を、前記の混合物中にすすぐために、残っている4.19mlのエタノールを使用する。
【0022】
4.前記のエタノール溶液を10mlのガラスのシリンジに入れ、そして前記のマルトース溶液に、11分以上かけて、窒素散布を続けたまま加える。pHを7.0未満に保つ(pH4.81で微小流動化装置に投入する)。測定:混合物は手でふる。実験は全て1〜5℃で行う。
5.微小流動化装置:微小流動化装置110F:9,000ユニットを4回通過させる。
【0023】
Figure 2004500311
圧力16,000 PSI
警告−酸性を保ち、温度を保つこと(融点115℃)
注意−マルトースの融点は102〜103℃である。
【0024】
* 乗数+10.158
6.最終生成物のうち2.7mlを取り、約1,000の6mlのWheaton eyeの滴瓶で凍結乾燥する。
凍結乾燥は、以下のサイクルに従い達成した:
1.実施前に少なくとも1時間、−45℃以下で放置する。
【0025】
2.生成物を載せ、そして12時間−45℃以下で保つ。
3.50Mまで吸引する。
4.59℃時間、−28℃〜−20℃に保った温度で放置する。
5.続いて210時間、−20℃〜−5℃まで上昇させた温度で放置する。視覚的に、生成物は−20℃での追加の時間を必要とした。
【0026】
6.−22℃に戻して放置し、そして−22℃〜−18℃で36時間保った。
7.+25℃に戻して放置し、そして25℃で48時間保った。
以下の凍結乾燥サイクルが、より短い時間で同様の結果を与えるであろうことが予想される。
1.実施前に、少なくとも1時間−45℃以下で放置する。
【0027】
2.生成物を載せ、−45℃以下で少なくとも6時間保つ。
3.100M以下まで吸引する。
4.−28℃で50時間放置する。
5.+25で40〜50時間放置する。
例2
ウサギでの、KY Jelly中のPGE−1の腔適用
処置用ローションを以下の様に調製した。上述したものと同様の方法で作製されるリポソームのPGE−1を製造した。異なる濃度のPGE−1を有する6組の処置用ローションは、1.5,1.0,0.5,0.25、及び0.125mgに等しいPGE−1の最終量を達成するために、1gのKY Jelly(Ortho Pharmaceutical Corporationから入手可能なメチルセルロース)と、リポソームのPGE−1との組合わせ、及びコントロールとしてリポソームPGE−1無しとの組合わせを作ることによって調製した。処置用ローションは、使用するまで冷蔵した。
【0028】
30匹の10週齢の雌性のウサギをカゴで飼い、そして餌、水を与え、そして毎日観察した。処置用ローションを14日間にわたって、毎日前記のウサギに与え、そして前記のウサギを毎日観察した。前記ウサギを、最後の投与の1時間後にと殺した。
各ウサギは、100mgのキシラジン(Xylazine)及び100mgのケタミンを筋肉内に、3ccのシリンジ及び22ゲージの針を用いて与えられた。一旦、ウサギを麻酔し、胸部及び鼠径部をクリップで止め、そして前記動物を手術室に運んだ。血液を心臓穿刺によって採取し、そして7ccのヘパリンチューブに移した。次に、胸部を開き、そして心臓を素速く、そして痛みの無い死を保証するべく摘出した。3つの切片を膣の領域から採取し、そして2ccのホルマリン中に据えた。手術の完了後、前記血液を10分間遠心し、そして血漿を凍結した。前記の膣の切片を少なくとも24時間固定し、そして次に染色し、そしてスライドに固定した。
【0029】
PGE−1を含む組成物で処置したウサギにおいて、増大した血管の充血、血管拡張及び充血が、コントロールで処置したウサギと比較して観察された。更に、全身性の作用は、分解生成物の欠如が示す様に、観察されなかった。
例3
局所的なリポソームPGE−1の再構築研究
凍結乾燥したリポソームのPGE−1の1.0mgアリコートを、1.0,2.0,4.0及び8.0gのKY Jellyのアリコートと混合し、KY Jellyの存在下でのPGE−1の安定性を決定した。各調製物を、ボルテックスによって完全に混合した。生じた混合物は、それぞれ1.0mg/ml、0.5mg/ml、0.25mg/ml及び0.125mg/mlのPGE−1を含んだ。各調製物の0.5gアリコートをエッペンドルフの遠心チューブに、0.5mlのアセトニトリルのアリコートと一緒に移した。各調製物をボルテックスによって完全に抽出した。抽出後、各調製物を遠心し、そして液体の上清を、解析のための自動試料解析機の容器に移した。
【0030】
更に、1.0mg/ml及び0.5mg/mlの調製物を、組成物のための2ml及び4mlのアセトニトリルのアリコートを用いて抽出した。異なる調製手順を、活性成分PGE−1の正確な同定及び定量のための、最も均質な混合物を生成するであろう最良の抽出方法を決定するために利用した。
全ての試験用調製物を抽出し、そしてHPLCによって、15,30,60及び120分の間隔で、そして1,2及び5日目に解析した。結果を、PGE−1の正確な同定及び定量、並びに時間外の濃度の減少における傾向のために評価した。
【0031】
以下の表1〜4は、各調製物のために得た個々のアッセイの結果を示し、そして図1〜4は、研究の継続時間に及ぶPGE−1濃度の図的な分布を提供する。前記の結果は、1.0mg/mlの凍結乾燥したリポソームのPGE−1局所用生成物が、K.Y.Jelly中で少なくとも2日間安定であり、そして代謝生成物に分解しないことを示している。
【0032】
【表1】
Figure 2004500311
【0033】
【表2】
Figure 2004500311
【0034】
【表3】
Figure 2004500311
【0035】
【表4】
Figure 2004500311
例4
PGE−1を、多重膜リポソーム中に、上文の例1に記載した方法と同様に包んだ。3つの異なる調製物を作製した:コントロール(リポソームのPGE−1を全く持たない、1gのKY Jelly)、低投与量調製物(1gのKY Jellyと均一に混合した0.25mgのリポソームのPGE−1)、及び高投与量調製物(1gのKY Jellyと均一に混合した2.0mgのリポソームのPGE−1)。
【0036】
雌性のニュージーランドウサギを、動物モデルとして使用した。MRI研究は、前記のウサギが5週齢のときに、基準線研究として前記コントロール調製物(C)を膣に適用して開始した。その時、前記ウサギの平均体重は、1510±486gであった。第2の研究は、一週間後の前記ウサギが6週齢のときに、低投与量調製物(LD)を用いて行った。第2の研究の間の、ウサギの平均体重は、1746±444gであった。第3の研究は2週間後に、前記の基準線研究の後、前記動物が7週齢のときに、高投与量調製物(HD)を適用して行った。最後の研究の間の動物の平均体重は2011±297gであった。各研究において、全体の膣領域を覆うのに十分なクリームの量、約1g(約2〜3ml)を使用した。10匹のウサギを縦方向に3週間、上述した様なコントロール、低い及び高い投与量のものを用いて研究した。
【0037】
動的MRI実験を、全てのウサギで、それらが5,6及び7週齢のときに行った。全ての実験は、GE 1.5T Sigma Scanner上で、GE linear extremity head coilを用いて行った。前記のウサギを、25mg/kg投与量のケタミンを用いて麻酔した後、25ゲージのバタフライニードルを対照薬剤の注射のために耳の静脈に据え、そして次に、ウサギをうつぶせで前記のcoilに据えた。高速スピンエコー(FSE)パルスシークエンス(TR=3s、TE=112ms、8エコートレイン)を、ローカライザーとしてのT2−重みづけイメージ及び解部のイメージを得るために適用した。スピンエコー(SE)パルスシークエンスを、動的T1−重みづけイメージを得るために、ショートボーラスとしてのGd−DTPA(ガドリニウム ジエチレントリアミン五酢酸)(0.1mmol/kg,Magnevis, Berlex Lab. Inc.)の注射前及び後に適用した。前記の動的研究は、リポソームのPGE−1調製物を適用した15分後に開始した。
【0038】
リポソームのPGE−1の使用に応じての、血流の交代を、動的対照性増強MRI及びコンパートメントモデリングを用いて、一般にSu及びNalciogluによって記述された様に監視した(Magn. Reson. Med. 32 (6) : 714−24, 1994 ; Magn. Res. Med. 34 : 402−11, 1995 ; Magn. Res. Med. 39 : 259−69, 1998 ; Magn. Res. Med. 36 : 868−77, 1996。 これらの開示は、引用によって本明細書に組入れられる。)。この技術は、血管の容積及び組織の透過性に関する空間的に分離した情報を生じる。生理学的なパラメーターは、各ピクセルのためのシグナル強度時間進行曲線を作成し、そして各点から予備対照基準線の値を引くことによって得られ、各ピクセルのためのシグナル増強曲線をもたらす。次にコンパートメントモデルを、シグナルの増強対時間の進行に適した非直線の最小二乗法を用いることによって、血管の容積及び組織の透過性を導くために使用した。方法の詳細は、Su及びNalciogluによる上文の参考文献に記載されている。
【0039】
本研究において、対照薬剤の注射の3分後のシグナル増強は、考慮中の組織からの血流の測定として使用した。対照標準としての膣(VG)及び脚の筋肉(MS)を覆う2つの注目の領域(ROI)を、解析に使用した。あらゆる全身性の応答を排除するために、我々は膣におけるシグナル増強を脚の筋肉のもので割った。これは、筋肉と比較した膣の、相対的な増強、又は血流を我々に与えた。この値は、各ウサギで、そして全3回の投与で計算した。次に、相対的な血流の増強、VG/MSは、各投与量で10匹のウサギにわたって平均化された。
【0040】
MRイメージは解析されて、そしてそれらは前記の血流量が低投与量調製物でより高かったこと、次に全くPGE−1を含まないコントロールであったことを示した。前記の結果を図5に示す。低投与量調製物による膣の血流は、コントロールよりも、p<0.01の統計的有意性で高く、そして高投与量調製物による膣の血流は、p<0.005の統計的有意性でコントロールよりも高かった。膣へのリポソームPGE−1の適用は、0.25mgのリポソームPGE−1を含む調製物で45.9%の増大を、そして2.0mgのリポソームPGE−1を含む調製物で59.5%の増大をもたらした。低投与量調製物と高投与量調製物との間の血流の差異は、統計的に有意ではなかった。更に、脚における血流は、PGE−1を含む調製物を膣に適用したときに、有意に変化しなかった。表5は、脚の筋肉における、各時間点での10匹の全ての群の平均血流を示す。表6は、同一の条件下での脚の筋肉に関する、膣における平均血流を示す。最初の列は、筋肉の血流に関する、KY Jelly単独による基準線での相対的な平均の膣の血流を、低投与量での1週目、及び最終的に高投与量での2週目で与える。第2の列は、各測定における標準誤差を与える。
【0041】
【表5】
Figure 2004500311
【0042】
【表6】
Figure 2004500311
上文の記述は、本発明の現在好ましい態様に関して提示した。当業者及びこの発明に関係する技術をもつ者は、記載の構成における変更及び変化が、この発明の原理、精神及び範囲に反することなく実施することができることを理解するだろう。従って、前記の記述は記載した正確な方法のみに関するとして読むべきではないが、むしろ、請求の範囲に一致し、そして支持するものであるとして読むべきであり、ここで請求の範囲は、それらの最大及び正当な範囲である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、安定性の研究の継続時間にわたる、PGE−1濃度のグラフによる分布を示す表である。
【図2】
図2は、安定性の研究の継続時間にわたる、PGE−1濃度のグラフによる分布を示す表である。
【図3】
図3は、安定性の研究の継続時間にわたる、PGE−1濃度のグラフによる分布を示す表である。
【図4】
図4は、安定性の研究の継続時間にわたる、PGE−1濃度のグラフによる分布を示す表である。
【図5】
図5は、膣へのPGE−1組成物の投与による、脚の筋肉と比較したときの膣の筋肉における相対的血流を示す表である。
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