JP2004363678A - 光信号受信装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広くするとともに、コストを抑えるようにする。
【解決手段】比較器172は、トランスインピーダンスアンプ110Aに設けられたピークホールド回路160から出力されたピークホールド電圧Vphが閾値電圧Vthより大きい場合、比較器出力電圧VcoをONとして、トランジスタ152のベースに印加する。これにより、トランジスタ152のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。また、ピークホールド電圧Vphに基づいて、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。これらに基づいて、トランスインピーダンスアンプ110A内のインピーダンスが調整され、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得が制御される。本発明は光信号受信装置に適用できる。
【選択図】 図10
【解決手段】比較器172は、トランスインピーダンスアンプ110Aに設けられたピークホールド回路160から出力されたピークホールド電圧Vphが閾値電圧Vthより大きい場合、比較器出力電圧VcoをONとして、トランジスタ152のベースに印加する。これにより、トランジスタ152のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。また、ピークホールド電圧Vphに基づいて、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。これらに基づいて、トランスインピーダンスアンプ110A内のインピーダンスが調整され、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得が制御される。本発明は光信号受信装置に適用できる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号受信装置および方法に関し、特に、光信号を正確に受信し、検出できるようにした光信号受信装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特許文献1には、帰還抵抗型のプリアンプの帰還抵抗に並列に接続したFETをフィードフォワード制御する光受信回路が開示されている。この方法によれば、ダイナミックレンジを確保することができる。
【0003】
また、例えば、受光素子により受光された光信号に基づく電流信号を電圧信号に変換するときの増幅率を、AGC回路により調整する光信号受信装置が提案されている。
【0004】
図1は、このような従来の光信号受信装置の構成例を示すブロック図である。
【0005】
光信号受信装置1は、トランスインピーダンスアンプ10、フォトダイオード(PD(Photo Diode))11、およびポストアンプ12により構成される。
【0006】
受光素子としてのフォトダイオード11は、入射された光信号を電流信号に変換し、トランスインピーダンスアンプ10は、フォトダイオード11が出力する電流信号を電圧信号に変換する。ポストアンプ12は、トランスインピーダンスアンプ10から出力される電圧信号をバッファし、電圧信号のレベルに対応するデジタル信号と信号の有無を表わすSD信号を出力する。
【0007】
トランスインピーダンスアンプ10には、信号強度検出部21、AGC(Automatic Gain Control)回路22、トランスインピーダンス23、アンプ24、およびアンプ25が設けられる。
【0008】
信号強度検出部21は、アンプ25が出力する信号の信号強度(電圧)を検出し、これに基づきAGC機能制御信号を生成して、AGC回路22に出力する。AGC回路22は、AGC機能制御信号に基づいて、トランスインピーダンス23の大きさを調整する。これにより、アンプ24の増幅率が調整される。アンプ25は、アンプ24により増幅された電圧を差動電圧として出力する。AGC回路22によるトランスインピーダンス23の調整により、トランスインピーダンス23にかかる電圧レベルが変化するので、結果的に、出力する電圧レベルが調整される。すなわち、トランスインピーダンスアンプ10の利得を調整することができる。
【0009】
このような光信号受信装置1において、フォトダイオード11が微少な光信号を受光した場合、それにより生成される電流信号も微少となる。この微少な電流信号から十分な大きさの電圧信号を得る為には、トランスインピーダンスアンプ10の利得(増幅度)を大きくする必要がある。
【0010】
トランスインピーダンスアンプ10の利得を単に大きくしただけだと、標準的な大きさの(より高輝度の)光信号がフォトダイオード11に入射された場合、より大きな電流信号がトランスインピーダンスアンプ10に入力され、結果として、出力電圧が飽和して歪むという課題が生じる。しかしながら、図1に示されるように、信号強度検出部21によるAGC機能制御信号の生成により、AGC回路22がトランスインピーダンスアンプ10の利得を調整することにより、図2に示されるように、フォトダイオード11への入射光量が所定の閾値Lagcを超えた場合、AGC回路22のAGC機能がオンすることとなり、利得を抑えることができる。
【0011】
図2において、横軸はフォトダイオード(PD)11への入射光量を表わし、縦軸は、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧を表わす。フォトダイオード11への入射光量が光量L1である場合、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧は、電圧V1であり、その利得は利得G1である。すなわち、光量L1においては、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧V1と利得G1が、式(1)に示されるような関係を満たしている。
V1=L1×G1・・・(1)
【0012】
AGC機能を有していない光信号受信装置(AGC機能がOFFとされた状態の光信号受信装置1)では、利得は直線31に沿って変化するため(出力電圧は入射光量に比例しているため)、フォトダイオード11への入射光量が光量L2になると、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧はV2となる。このとき、光量L2では、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧V2と利得G2が、式(2)に示されるような関係が満たされる。
V2=L2×G2・・・(2)
【0013】
その結果、ダイナミックレンジの飽和を引き起こす危険が生じるとともに、これを防ぐには広いダイナミックレンジが必要となる。
【0014】
逆に、AGC機能を有する光信号受信装置1では、予め設定されている閾値としての光量Lagc(Lagc>L1)でAGC機能がオンされ、フォトダイオード11への入射光量に対するトランスインピーダンスアンプ10の出力電圧は、曲線32に示されるように、出力電圧の変化率は入射光量が大きくなるに連れて、次第に小さくなるように変化する(比例してはいない)。フォトダイオード11への入射光量への入射光量が光量L2になると、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧はV2’となる。具体的には、光量L2(L2>Lagc)では、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧V2’と利得G2’が、式(3)に示されるような関係が満たされる。
V2’=L2×G2’・・・(3)
【0015】
なお、式(1)乃至式(3)においては、図2からも明らかなように、式(4)に示される関係が満たされる。
G1=G2>G2’・・・(4)
【0016】
その結果、ダイナミックレンジの広さを抑えつつ、出力電圧の飽和を防ぐこともできる。
【0017】
図2の曲線32に示されるように、光量Lagc(そのときの対応する出力電圧Vagc)において、AGC機能をオンさせるように利得を制御することにより、出力電圧の飽和を防ぐことができる。
【0018】
トランスインピーダンスアンプ10から出力された電圧は、ポストアンプ12に入力される。ポストアンプ12には、入力される電圧信号の振幅に応じて、受信信号の有無を判別する機能が備えられており、ポストアンプ12は、予め設定された第1の基準値以上の振幅の信号が入力されてきた場合、SD(Signal Detect)をオンし(HIGHレベルのSD信号を出力し)、逆に予め設定された第2の基準値以上の振幅の信号が入力されてこない場合(第2の基準値以下の振幅の信号が入力されてきた場合)、SDをオフする(LOWレベルのSD信号を出力する)。すなわち、ポストアンプ12は、入力された電圧信号の振幅に対応するSD信号を出力する。また、ポストアンプ12は、入力された電圧信号をディジタル信号に変換して出力する。
【0019】
SDをオフからオンに切り換える第1の基準値の電圧レベルを、アサート(Assert)レベルVasと称し、SDをオンからオフに切り換える第2の基準値の電圧レベルを、デアサート(De−Assert)レベルVdasと称する。アサートレベルとデアサートレベルの間には、図3に示されるようにヒステリシスが設けられており、これにより、ノイズによるSD信号の誤動作が抑えられている。
【0020】
図3に示されるように、入力電圧がアサートレベルVas以上である場合、SD信号はオン(HIGH)であるが、入力電圧が段々下がってきて、デアサートレベルVdasとなったとき、SD信号はオフ(LOW)となる。また、入力電圧がデアサートレベルVdas以下である場合、SD信号はオフであるが、入力電圧が段々大きくなってきて、アサートレベルVas以上となったとき、SD信号はオンとなる。このように、デアサートレベルVdasとアサートレベルVasの間にヒステリシスが設けられる。
【0021】
AGC機能が備えられていないトランスインピーダンスアンプにおける、入射光量に対する出力電圧は、図4に示される直線に沿って変化する。図4において、入射光量Ln1,Ldas1,Las1,およびLs1に対応するトランスインピーダンスアンプの出力電圧は、それぞれ電圧Vn1,Vdas1,Vas1,およびVs1であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn1,Gdas1,Gas1,およびGs1である。すなわち、式(5)乃至式(8)に示される関係が成立する。
Vn1=Ln1×Gn1・・・(5)
Vdas1=Ldas1×Gdas1・・・(6)
Vas1=Las1×Gas1・・・(7)
Vs1=Ls1×Gs1・・・(8)
【0022】
入射光量と電流量は線形的に変化し(比例関係にあり)、電流量と電圧量は線形的に変化するので、電圧は光量に比例した値となる。この場合、トランスインピーダンスアンプの利得が入射光量に依存せず一定(Gas1=Gdas1)であるので、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas1/Vdas1)とそれらのレベルに相当する光量ヒステリシス(Las1/Ldas1)とが、式(9)に示されるような関係を満たす。
【数1】
【0023】
具体的には、トランスインピーダンスアンプの利得が入射光量に依存せず一定である、すなわち、Gas1=Gdas1であるので、10log(Gas1/Gdas1)の演算結果は0となる。そのため、式(9)が成立する。
【0024】
また、AGC機能が備えられている図1の光信号受信装置1における入射光量に対する出力電圧の特性は、図5に実線Ln2,Ldas2,Las2,およびLs2で示されるようになる。図5において、入射光量に対応するトランスインピーダンスアンプの出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vas2,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn2,Gdas2,Gas2,およびGs2である。すなわち、式(10)乃至式(13)に示される関係が成立する。
Vn2=Ln2×Gn2・・・(10)
Vdas2=Ldas2×Gdas2・・・(11)
Vas2=Las2×Gas2・・・(12)
Vs2=Ls2×Gs2・・・(13)
【0025】
また、光量Lagcは、AGC機能がオンからオフ、またはオフからオンに切り替わる光量であり、それに対応するトランスインピーダンスアンプの出力電圧はVagcである。入射光量と電流量は、AGCの機能がオフの範囲(入射光量がLagc以下)では線形的に変化するが、AGCの機能がオンの範囲(入射光量がLagcより大きい)では、非線形的に変化する。すなわち、トランスインピーダンスアンプの利得は、式(14)の関係を満たしている。
Gn2=Gdas2>Gas2≧Gs2・・・(14)
【0026】
式(14)が満たされることにより、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas2/Vdas2)と、それらのレベルに相当する光量ヒステリシス(Las2/Ldas2)とが、式(15)に示されるような関係を満たす。すなわち、式(9)とは異なり、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas2/Vdas2)と、それらのレベルに相当する光量ヒステリシス(Las2/Ldas2)とは一致しない。
【数2】
【0027】
図5から分かるように、Gdas2>Gas2であるので、10log(Gas2/Gdas2)の演算結果は負となる(0より小さくなる)。そのため、式(15)が成立する。
【0028】
式(15)より、電圧ヒステリシスは、光量ヒステリシスより小さいことがわかる。すなわち、電圧ヒステリシスを維持するためには、光量ヒステリシスをより広く確保する必要がある。このことは、図6に示されるように、ヒステリシス51Aの幅(例えば、3dB)に対して、ノイズ成分52Aのレベルに対する、信号成分53Aのレベルを表すSNR(SN比(Signal to Noise ratio))(例えば、10dB)が充分に確保されている場合、それほど大きな問題とはならない。
【0029】
【特許文献1】
特開平11−127039号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示されるように、信号成分53Bの最小値のレベルLs2の値が小さく、ノイズ成分52Bのレベルに対する信号成分53Bのレベルを表すSNRが充分に確保されていない場合、アサートレベルLas2が信号成分53BのレベルLs2より大きくなり(Las2>Ls2となり)、信号成分(レベルLs2からアサートレベルLas2の間のレベルの信号成分)が存在するにも拘わらず、SD信号のレベルがオフからオンに切り替わらない(検出されない)可能性が生じるという課題があった。
【0031】
また、図8に示されるように、ノイズ成分52Cの最大値のレベルLn2が大きく、ノイズ成分52Cのレベルに対する信号成分53Cのレベルを表すSNRが充分に確保されていない場合、デアサートレベルLdas2がノイズ成分52CのレベルLn2よりも小さくなり(Ldas2<Ln2となり)、受信信号が存在しないにも拘わらず、デアサートレベルLdas2からレベルLn2までのレベルのノイズによってSD信号が誤動作し、SD信号がオンからオフに切り替わらない可能性が生じるという課題があった。
【0032】
このように、図1の光信号受信装置1に備えられているAGC機能は、出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広く取ることはできるが、ポストアンプにおけるSD信号のヒステリシスを確保するために、光量ヒステリシスをより広く確保する必要が生じる。これを実現するためには、信号成分のレベルを上げたり、ノイズの影響が少ないフォトダイオードを用いたりする方法が考えられる。しかし、前者は消費電力の増加、後者はコストの増加につながるため、手法として望ましくない。
【0033】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広くするとともに、コストを抑えることができるようにするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明の光信号受信装置は、光信号を受光して電流信号に変換する受光手段と、自動利得調整機能を備え、受光手段から供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換手段と、第1の変換手段から出力される電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換手段と、第2の変換手段により出力されたSD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、第1の変換手段の自動利得調整機能を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
【0035】
前記第1の変換手段から出力される電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧を出力するピークホールド手段をさらに備え、調整手段は、ピークホールド電圧と閾値を比較した結果に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、ピークホールド電圧に基づいて、第1の変換手段の利得を調整するようにすることができる。
【0036】
前記第1の変換手段から出力される電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧を出力するピークホールド手段をさらに備え、調整手段は、第2の変換手段により出力されたSD信号に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、ピークホールド電圧に基づいて、第1の変換手段の利得を調整するようにすることができる。
【0037】
本発明の光信号受信方法は、光信号を受光して電流信号に変換する受光ステップと、自動利得調整機能を備え、受光ステップの処理により供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換ステップと、第1の変換ステップの処理により出力される電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換ステップと、第2の変換ステップの処理により出力されたSD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、自動利得調整機能を調整する調整ステップとを含むことを特徴とする。
【0038】
本発明の光信号受信装置および光信号受信方法においては、受光された光信号が電流信号に変換され、電流信号が電圧信号に変換され、変換された電圧信号がSD信号とディジタル信号に変換され、SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、自動利得調整機能が調整される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0040】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0041】
請求項1に記載の光信号受信装置(例えば、図9の光信号受信装置100)は、光信号を受光して電流信号に変換する受光手段(例えば、図9のフォトダイオード111)と、自動利得調整機能を備え、前記受光手段から供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換手段(例えば、図9のトランスインピーダンスアンプ110)と、前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換手段(例えば、図9のポストアンプ112)と、前記第2の変換手段により出力された前記SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、前記第1の変換手段の前記自動利得調整機能を調整する調整手段(例えば、図9のAGC制御部113)とを備えることを特徴とする光信号受信装置。
【0042】
請求項2に記載の光信号受信装置(例えば、図10の光信号受信装置100A)は、前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧(例えば、図10のピークホールド電圧Vph)を出力するピークホールド手段(例えば、図10のピークホールド回路160)をさらに備え、前記調整手段(例えば、図10のAGC制御部113A)は、前記ピークホールド電圧と閾値(例えば、電圧Vth)を比較した結果に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、前記ピークホールド電圧に基づいて、前記第1の変換手段の利得を調整することを特徴とする。
【0043】
請求項3に記載の光信号受信装置(例えば、図14の光信号受信装置100B)は、前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧(例えば、図14のピークホールド電圧Vph)を出力するピークホールド手段(例えば、図14のピークホールド回路160)をさらに備え、前記調整手段(例えば、図14のAGC制御部113B)は、前記第2の変換手段により出力されたSD信号(例えば、図10のSD出力電圧Vsd)に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、前記ピークホールド電圧に基づいて、前記第1の変換手段の利得を調整することを特徴とする。
【0044】
請求項4に記載の光信号受信方法は、光信号を受光して電流信号に変換する受光ステップ(例えば、図9のフォトダイオード111が実行する処理)と、自動利得調整機能を備え、前記受光ステップの処理により供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換ステップ(例えば、図9のトランスインピーダンスアンプ110が実行する処理)と、前記第1の変換ステップの処理により出力される前記電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換ステップ(例えば、図9のポストアンプ112が実行する処理)と、前記第2の変換ステップの処理により出力された前記SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、前記自動利得調整機能を調整する調整ステップ(例えば、図9のAGC制御部113が実行する処理)とを含むことを特徴とする。
【0045】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0046】
図9は、本発明を適用した光信号受信装置100の原理的な構成を示すブロック図である。
【0047】
光信号受信装置100には、トランスインピーダンスアンプ110、フォトダイオード(PD(Photo Diode))111、およびポストアンプ112の他に、トランスインピーダンスアンプ110のAGC機能をトランスインピーダンスアンプ110の外部から制御するAGC制御部113が設けられている。
【0048】
受光素子としてのフォトダイオード111は、入射された光信号を電流信号に変換し、トランスインピーダンスアンプ110は、フォトダイオード111が出力する電流信号を電圧信号に変換する。ポストアンプ112は、トランスインピーダンスアンプ110から出力される電圧信号をバッファし、電圧信号のレベルに対応するデジタル信号と、信号の有無を表わすSD信号を出力する。
【0049】
トランスインピーダンスアンプ110には、AGC回路122、トランスインピーダンス123、アンプ124、およびアンプ125が設けられている。
【0050】
AGC回路122は、トランスインピーダンスアンプ110の外部に設けられているAGC制御部113から供給される制御信号(利得制御信号)に基づいて、トランスインピーダンス123の大きさを調整する。これにより、アンプ124の増幅率を調整することができる。アンプ125は、アンプ124により増幅された電圧を差動電圧として出力する。
【0051】
図1のトランスインピーダンスアンプ10においては、トランスインピーダンスアンプ10の内部で検出された値に基づいて利得が制御されるので、後段のポストアンプ12におけるアサートレベルおよびデアサートレベルを考慮することはできない。そこで、本発明においては、図9に示されるように、AGC機能をトランスインピーダンスアンプ110の外部から制御するAGC制御部113を設けることにより、フォトダイオード111から入力される電流信号の強度に応じて、トランスインピーダンス123の値、すなわち、トランスインピーダンスアンプ110の利得を調整することが可能となる。
【0052】
図9の光信号受信装置100の具体的な構成例である光信号受信装置100Aを、図10を参照して説明する。図中、図9と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0053】
図10の光信号受信装置100Aには、トランスインピーダンスアンプ110A、フォトダイオード111、ポストアンプ112、AGC制御部113A、およびピークホールド回路160が設けられる。
【0054】
トランスインピーダンスアンプ110A、およびAGC制御部113Aは、それぞれ、図9のトランスインピーダンスアンプ110、およびAGC制御部113の具体的な構成例である。
【0055】
トランスインピーダンスアンプ110Aは、トランスインピーダンス151、並びにこれと並列に接続された、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154が直列に接続された回路、並びにピークホールド回路160により構成されている。この例の場合、図10のトランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154が、図9のトランスインピーダンス123に対応している。
【0056】
AGC制御部113Aには、外部から設定可能な任意の閾値(電圧値)Vthを生成する半固定抵抗器171、およびピークホールド回路160からの出力を閾値Vthと比較する比較器172が設けられている。ピークホールド回路160は、アンプ125から出力される差動電圧信号をピークホールドし、ピークホールド電圧Vphを出力する。
【0057】
比較器172は、ピークホールド回路160から供給されるピークホールド電圧Vphと閾値Vth(半固定抵抗器171により生成される閾値電圧)を比較する。その際、ピークホールド電圧Vphが閾値Vthより小さい場合(Vph<Vthである場合)、比較器172から出力される電圧VcoはLOW(ロウ)レベルとなり、ピークホールド電圧Vphが閾値Vth(半固定抵抗器171により生成される閾値電圧)以上の場合(Vph≧Vthである場合)、比較器172から出力される電圧VcoはHIGH(ハイ)レベルとなる。
【0058】
図11は、ピークホールド電圧Vphと比較器172の出力電圧Vcoの関係を示す図である。図11Aおよび図11Bにおいて、縦軸は電圧Vを示し、横軸は時刻tを示す。
【0059】
時刻t0から時刻t1までの時間T1において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T1において)LOWである。時刻t1から時刻t2までの時間T2において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより大きいため、対応する図11Bの比較器出力電圧Vcoも(時間T2において)HIGHである。時刻t2から時刻t3までの時間T3において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T3において)LOWである。時刻t3から時刻t4までの時間T4において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、大きくはなっているが、閾値Vthよりは小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T4において)LOWである。時刻t4から時刻t5までの時間T5において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T5において)LOWである。
【0060】
このように、比較器172は、閾値電圧Vthに対するピークホールド電圧Vphの大きさに基づいて、出力電圧Vcoのレベルを変化する。
【0061】
トランジスタ152は、比較器172から供給された電圧Vcoをベースへの印加電圧としており、電圧VcoがLOWである場合、コレクタ−エミッタ間に電流が流れず、結果として、トランスインピーダンス154へ電流が流れない。したがって、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154からなる総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151と等価となる。
【0062】
また、トランジスタ152のベースへの印加電圧、すなわち、比較器172から出力された電圧VcoがHIGHである場合、コレクタ−エミッタ間に電流が流れ、トランスインピーダンス154への第1の電流パスが開く。
【0063】
ここで、もう1つのトランスインピーダンス154への電流パスとなるトランジスタ153は、ピークホールド回路160から出力されるピークホールド電圧Vphをベースへの印加電圧として動作しているので、入射光量が少なくピークホールド電圧Vphの値が小さい場合、トランジスタ153のベースへの印加電圧が低くなり、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れず、トランスインピーダンス154へは電流が流れない。
【0064】
逆に、入射光量が多くなると、ピークホールド電圧Vphの値が大きくなり、トランジスタ153のベースへの印加電圧が高くなるので、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間にも電流が流れるようになり、これにより、トランスインピーダンス154への2つめの電流パスが開く。その結果、トランスインピーダンス154へ電流が流れる。このとき、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151にトランスインピーダンス154が並列に接続されることになるので、入射光量が多くなるに連れて、インピーダンス151より小さい値に低下し、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得が下がる。
【0065】
このように、図10の光信号受信装置100Aにおいては、ピークホールド電圧Vph<閾値電圧Vthである場合、AGC機能はオフされる。すなわち、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得を外部(トランスインピーダンスアンプ110Aの外部に設けられているAGC制御部113A、およびピークホールド回路160)により調整することができる。
【0066】
トランスインピーダンスアンプ110A(トランスインピーダンスアンプ110Aのアンプ125)から出力される差動信号は、ポストアンプ112に入力される。
【0067】
図12は、図10のポストアンプ112の機能的構成例を示す図である。ポストアンプ112は、リミッティングアンプ部251、信号強度判定部252、およびアサート・デアサートレベル設定部253により構成されている。
【0068】
リミッティングアンプ部251では、入力された差動信号のDC電位が調整される。その結果、入力信号はディジタル信号として再生され、ポストアンプ112の信号として出力される。
【0069】
信号強度判定部252は、ディジタル信号に変換される前の信号を、ピークホールドし、信号の強度を検出する。また、信号強度判定部252は、信号強度を、アサート・デアサートレベル設定部253より供給されるアサートレベルおよびデアサートレベルと比較し、比較した結果に基づく信号を、SD信号(正と負のSD信号)として出力する。
【0070】
このアサートレベルおよびデアサートレベルは、ポストアンプ112内部において予め設定されていてもよいし、外部から、アサート・デアサートレベル設定部253を操作することにより設定されてもよい。
【0071】
このように、ポストアンプ112は、トランスインピーダンスアンプ110Aが出力した差動電圧を、SD信号とディジタル信号として出力する。
【0072】
光信号受信装置100Aを図10に示されるように構成した場合、その入射光量に対する出力電圧は、図13に示されるようになる。
【0073】
図13において、横軸はフォトダイオード(PD)111への入射光量であり、縦軸は、トランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧である。図13において、従来の(図1の)AGC機能が備えられている光信号受信装置1の利得曲線を破線で示し、本発明を適用した(図10の)光信号受信装置100Aの利得曲線を実線で示す。
【0074】
図13において、本発明を適用した光信号受信装置100Aのフォトダイオード111への入射光量Ln2,Ldas2,Las2’,Lagc’およびLs2’に対応するトランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vas2,Vagc’,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn2,Gdas2,Gas2’,Gagc’,およびGs2’である(図13の実線)。この場合、式(16)乃至式(20)に示される関係が成立する。
Vn2=Ln2×Gn2・・・(16)
Vdas2=Ldas2×Gdas2・・・(17)
Vas2=Las2’×Gas2’・・・(18)
Vagc’=Lagc’×Gagc’・・・(19)
Vs2=Ls2’×Gs2’・・・(20)
【0075】
また、従来の光信号受信装置1のフォトダイオード11への入射光量Ln2,Ldas2,Lagc,Las2,およびLs2に対応するトランスインピーダンスアンプ10の出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vagc,Vas2,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれGn2,Gdas2,Gagc,Gas2,およびGs2である(図13の破線)。この場合、上述した式(16)および式(17)に加えて、式(21)乃至式(23)に示される関係が成立する。
Vas2=Las2×Gas2・・・(21)
Vs2=Ls2×Gs2・・・(22)
Vagc=Lagc×Gagc・・・(23)
【0076】
さらに、トランスインピーダンスアンプの利得の関係は、図13に示されるように、以下の式(24)および式(25)を満たす。
Gn2=Gdas2=Gagc>Gas2≧Gs2・・・(24)
Gn2=Gdas2=Gagc’=Gas2’≧Gas2・・・(25)
【0077】
図13の実線に示されるように、トランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧Vas2となるフォトダイオード111への入射光量はLas2’となり、SDのヒステリシス幅は、式(26)に示されるように、電圧でのヒステリシスの幅と一致する。
【数3】
【0078】
図13に実線で示されるように、本発明を適用した図10の光信号受信装置100Aでは、アサートレベル(Las2’)より上で、AGC機能がオンされる。そのため、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス10log(Vas2/Vdas2)のレベルに相当する光量ヒステリシス10log(Las2’/Ldas2)を、図1の(従来の)光信号受信装置1における光量ヒステリシス10log(Las2/Ldas2)より小さくすることができる。また、デアサートレベル以上アサートレベル以下の間においてAGC機能がオンになるのを防ぐことができる。
【0079】
具体的には、外部に設けられた閾値電圧Vthを調整する(トランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧Vas2以上となるように、閾値電圧Vthを設定する)とともに、AGC機能(AGC制御部113A)を、閾値電圧Vthとピークホールド電圧Vphに基づいてオンまたはオフするようにしたので、AGC機能がオンとなるタイミングを、アサートレベル以上に設定することが可能となる。
【0080】
また、ピークホールド電圧Vphに基づいてトランジスタ153のコレクタ−エミッタ間の電流を調整するようにしたので、SDのレベルに応じて、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得を制御(調整)することができる。
【0081】
さらに、アサートレベルおよびヒステリシスの幅が調整されるので、正常なSD動作を実現することができる。
【0082】
また、光信号の有無を正確に判定することができる。
【0083】
なお、AGC機能がオフからオンに切り替わる場合、または、オンからオフに切り替わる場合、非連続となる部分が存在するが、その量は微少であり、実用上、ほとんど無視できる。
【0084】
次に、図9の光信号受信装置100の他の具体的な構成例である光信号受信装置100Bを図14を参照して説明する。図中、図9と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0085】
図14の光信号受信装置100Bには、トランスインピーダンスアンプ110B、フォトダイオード111、ポストアンプ112、AGC制御部113B、およびピークホールド回路160が設けられる。
【0086】
トランスインピーダンスアンプ110B、およびAGC制御部113Bは、それぞれ、図9のトランスインピーダンスアンプ110、およびAGC制御部113の具体的な構成例である。
【0087】
トランスインピーダンスアンプ110Bは、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154により構成されている。この例の場合、図14のトランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154が、図9のトランスインピーダンス123に対応している。
【0088】
なお、図14のトランスインピーダンスアンプ110B、ピークホールド回路160、およびポストアンプ112の構成は、図10のトランスインピーダンスアンプ110A、ピークホールド回路160、およびポストアンプ112の構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0089】
AGC制御部113Bには、トランジスタ401が設けられている。トランジスタ401には、コレクタ側に抵抗402が接続されているとともに、エミッタ側に抵抗403が接続されている。トランジスタ401は、ベースに印加されるSD信号に基づく電圧(SD出力電圧)Vsdが所定の電圧以下(SD=LOW)の場合、コレクタ−エミッタ間には電流を流さず(エミッタ電圧Vagc−biasを下げ)、ベースに印加されるSD出力電圧Vsdが所定の電圧以上(SD=HIGH)の場合、コレクタ−エミッタ間に電流を流す(エミッタ電圧Vagc−biasを上げる)。
【0090】
このSD出力電圧Vsdと制御回路出力電圧Vagc−biasの関係が図15に示されている。図15Aおよび図15Bにおいて、縦軸は電圧Vを示し、横軸は時刻tを示す。
【0091】
図15Aおよび図15Bの時刻t10から時刻t11までの時間T11において、ポストアンプ112から出力されるSD出力電圧VsdがOFF(LOW、すなわち微少信号)である場合、AGC制御部113Bから出力される電圧、すなわち、トランジスタ152のベースに印加される電圧Vagc−biasもLOWレベルとなる。また、時刻t11から時刻t12までの時間T12において、SD出力電圧VsdがON(HIGH、すなわち大信号)である場合、AGC制御部113Bから出力される電圧、すなわち、トランジスタ152のベースに印加される電圧Vagc−biasはHIGHレベルとなる。
【0092】
なお、ポストアンプ112がTTLロジックに基づくものである場合、例えば、HIGHレベルの示す電圧は2.5V(ボルト)とされ、LOWレベルの電圧は0Vとされて出力される。
【0093】
なお、時刻t12から時刻t13までの時間T13、および時刻t14から時刻t15までの時間T15については、時刻T11と同様であり、時刻t13から時刻t14までの時間T14については、時刻T12と同様であるので、その説明は省略する。
【0094】
このように、ポストアンプ112から出力されるSD出力電圧Vsdに基づいて、AGC制御部113Bは、トランジスタ152に印加する電圧を制御する。
【0095】
具体的には、SD出力電圧VsdがOFF(LOW)である場合、すなわち、AGC制御部113Bのトランジスタ401のベースに印加される電圧Vsdが低い場合、トランジスタ401のコレクタ−エミッタ間に電流は流れない。このため、トランジスタ152のベースに印加される電圧Vagc−biasも低くなり、トランジスタ152のコレクタ−エミッタ間には電流が流れない。その結果、トランスインピーダンス154にも電流が流れないことになる。
【0096】
したがって、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151と等価となる。
【0097】
逆に、SD出力電圧VsdがON(HIGH)である場合、すなわち、AGC制御部113Bのトランジスタ401のベースに印加される電圧Vsdが高い場合、トランジスタ401のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。このため、トランジスタ152に印加される電圧Vagc−biasも高くなり、トランジスタ152のコレクタ−エミッタ間に電流が流れるので、結果として、トランジスタ152による、トランスインピーダンス154への電流パスが開く。
【0098】
ここで、トランスインピーダンス154へのもう1つの電流パスとなるトランジスタ153について説明する。
【0099】
トランジスタ153は、ピークホールド回路160から出力される電圧Vphをベースへの印加電圧としているので、フォトダイオード111への入射光量が少なくピークホールド回路160から出力される電圧Vphが低い場合、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れず、トランスインピーダンス154へは電流が流れない。従って、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151と等価となる。
【0100】
フォトダイオード111への入射光量が次第に多くなると、ピークホールド回路160から出力される電圧Vphが大きくなり(トランジスタ153へのベースへの印加電圧が上昇し)、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れるようになるので、結果として、トランジスタ153による、トランスインピーダンス154への電流パスが開く。従って、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151にトランスインピーダンス154が並列接続されるので、次第にトランスインピーダンス151より小さい値に低下し、トランスインピーダンスアンプ110Bの利得が下がる。
【0101】
このように、図14の光信号受信装置100Bにおいては、SD出力電圧Vsdの大きさに基づいてAGC制御部113Bが制御されるとともに、ピークホールド電圧Vphに基づいて、トランスインピーダンスアンプ110B内の抵抗が制御されるので、結果として、トランスインピーダンスアンプ110Bの利得を外部(トランスインピーダンスアンプ110Bの外部に設けられているAGC制御部113B、およびピークホールド回路160)により調整することができる。
【0102】
光信号受信装置100Bを図14に示されるように構成した場合、その入射光量に対する出力電圧は、図16に示されるようになる。
【0103】
図16において、横軸はフォトダイオード111への入射光量であり、横軸はトランスインピーダンスアンプ110Bの出力電圧である。図16において、従来のAGC機能が備えられている光信号受信装置1の利得曲線を破線で示し、本発明を適用した光信号受信装置100Bの利得曲線を実線で示す。
【0104】
図16において、本発明を適用した光信号受信装置100Bのフォトダイオード111への入射光量Ln2,Ldas2,Las2’,およびLs2’に対応するトランスインピーダンスアンプ110Bの出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vas2,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn2,Gdas2,Gas2’,およびGs2’である(図16の実線)。すなわち、上述した式(16)乃至式(18)、並びに式(20)に示される関係が成立する。なお、図13の入射光量Lagc’は、図16では、Las2’と等しいとされている。AGC機能をオンまたはオフさせる入射光量を光量Lagc’とし、このときの利得をGagcとすると、以下の式(27)を満たす。
Vas2=Las2’×Gas2’=Lagc’×Gagc・・・(27)
【0105】
従来の光信号受信装置1のフォトダイオード11への入射光量に対するトランスインピーダンスアンプ10の出力電圧と利得の関係については、上述した図13と同様であるのでその説明は省略する。
【0106】
また、トランスインピーダンスアンプの利得の関係は、図16に示されるように上述した式(24)および式(25)を満たす。
【0107】
図16に実線で示されるように、本発明を適用した図14の光信号受信装置100Bでは、アサートレベル(Las2’)より上で、AGC機能がオンされる。そのため、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas2/Vdas2)のレベルに相当する光量ヒステリシス(Las2’/Ldas2)を、図1の(従来の)光信号受信装置1における光量ヒステリシス(Las2/Ldas2)より小さくすることができる。また、デアサートレベル以上アサートレベル以下の間においてAGC機能がオンになるのを防ぐことができる。
【0108】
このように、本発明を適用した光信号受信装置100Bでは、図16の実線に示されるように、AGC機能がオンになるタイミングが、ポストアンプ112におけるアサートレベルで決定されることになるので、アサートレベルとデアサートレベルの間でAGC機能がオンとなることがない。すなわち、トランスインピーダンスアンプ110Bの出力電圧がVas2となるフォトダイオード111への入射光量はLas2’となり、光で換算するSDのヒステリシス幅は、上述した式(26)に示されるように電圧でのヒステリシス幅と一致する。
【0109】
また、フォトダイオード111への入射光量が次第に小さくなっていく場合、デアサートレベルまではSD出力電圧VsdはHIGH(ON)になっているため、光量がLas2’より小さくなってもAGC機能はオンのままである(図16の入射光量がLdas2’以上Las2’である2点鎖線の部分)。このため、AGC機能もヒステリシスを持つことになるが、そのヒステリシス内における出力電圧差は微少でありほぼ無視できる。
【0110】
なお、AGC機能がオフからオンに切り替わる場合、および、オンからオフに切り替わる場合、非連続となる部分が存在するが、その量は微少であり、実用上、ほとんど無視できる。
【0111】
図14の光信号受信装置100Bによれば、トランスインピーダンスアンプ110BのAGC機能を制御するAGC制御部113Bをポストアンプ112から出力されるSD出力電圧Vsdに基づいてオンまたはオフするようにしたので、AGC機能がオフからオンとなるタイミングをアサートレベル以上に設定することが可能となる。
【0112】
また、光信号受信装置100Bによれば、ピークホールド電圧Vphに基づいて、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間の電流を調整するようにしたので、SD信号のレベルに応じて利得を調整することができる。
【0113】
換言すると、AGC機能(AGC制御部113B)を、ポストアンプ112から出力されるSD出力電圧Vsdに基づいてオンまたはオフし、アサートレベルより上で(入射光量がLas2’より上で)、ピークホールド電圧Vphに基づいてトランジスタ153のコレクタ−エミッタ間の電流を調整するようにしたので、SDのレベルに応じて、トランスインピーダンスアンプ110Bの利得を制御することができる。
【0114】
さらに、アサートレベルおよびヒステリシスの幅が調整されるので、正常なSD動作を実現することができる。
【0115】
また、光信号を正確に検出することができる。
【0116】
以上のように、本発明によれば、トランスインピーダンスアンプ110のAGC機能をSDのレベルに応じて制御するようにしたので、ポストアンプ112におけるSDのアサートレベルおよびデアサートレベル間のヒステリシスとそれらのレベルに相当する光量ヒステリシスを調整することができ、もって、正常に光信号を受信し、検出することができる。
【0117】
また、例えば、一芯全二重光通信システムや波長分割多重(WDM)システムにおいて、送信信号が受信信号へクロストークとして重畳されて十分にSNRが確保されない場合においても、アサートレベルおよびヒステリシス幅の設定が行われるので、クロストークのレベルに影響されない正常なSD動作を実現することが可能となる。
【0118】
さらに、長距離無中継光通信システムにおいて、受信側における信号強度が弱くてノイズ成分が大きく、十分にSNRが確保されない場合においても、アサートレベルおよびヒステリシス幅の設定が行われるので、信号レベルおよびノイズレベルに影響されない正常なSD動作を実現することが可能となる。
【0119】
また、AGC機能をトランスインピーダンスアンプの外部から制御するようにしたので、従来のAGC機能が有する特徴である、出力電圧の飽和を防ぐことができることとダイナミックレンジを広くすることができるという利点に加えて、ポストアンプ112におけるSDのアサートレベルおよびデアサートレベル間のヒステリシスとそれらのレベルに相当する光量ヒステリシスを一致させることができる。これにより、信号光が弱い、または、ノイズが大きい等の問題を抱える光通信システムにおいても、SDを正常に機能させることが容易となる。
【0120】
従って、受信信号がない間には、送信信号をシャットダウンすることができるようなシステムを構築することができる。
【0121】
また、消費電力を低くすることができるので、コストを抑えることができる。
【0122】
さらに、アイセーフティを実現でき、安全性を高めるシステムを構築することができる。
【0123】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、光信号を正確に受信し、検出することができる。特に、出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広くするとともに、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光信号受信装置の構成例を示す回路図である。
【図2】従来のフォトダイオードの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図3】アサートレベル、デアサートレベル、およびヒステリシスを説明する図である。
【図4】AGC機能が設けられていない光信号受信装置におけるフォトダイオードの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図5】従来のフォトダイオードの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図6】フォトダイオードへの入射光量とヒステリシスの関係を説明する図である。
【図7】フォトダイオードへの入射光量とヒステリシスの関係を説明する他の図である。
【図8】フォトダイオードへの入射光量とヒステリシスの関係を説明するさらに他の図である。
【図9】本発明を適用した光信号受信装置の簡単な構成を説明する図である。
【図10】図9の光信号受信装置の具体的な構成例を示す図である。
【図11】ピークホールド電圧Vphと比較器出力電圧Vcoの関係を説明する図である。
【図12】図10のポストアンプの機能的構成例を示すブロック図である。
【図13】図10のフォトダイオードへの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図14】図9の光信号受信装置の具体的な構成例を示す図である。
【図15】SD出力電圧Vsdに対する電圧Vagc−biasの関係を説明する図である。
【図16】図14のフォトダイオードへの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【符号の説明】
110,110A,110B トランスインピーダンスアンプ, 111 フォトダイオード, 112 ポストアンプ, 113,113A,113B AGC制御部, 151 トランスインピーダンス, 152,153 トランジスタ, 154 トランスインピーダンス, 160 ピークホールド回路, 171 半固定抵抗器, 172 比較器, 401 トランジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号受信装置および方法に関し、特に、光信号を正確に受信し、検出できるようにした光信号受信装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特許文献1には、帰還抵抗型のプリアンプの帰還抵抗に並列に接続したFETをフィードフォワード制御する光受信回路が開示されている。この方法によれば、ダイナミックレンジを確保することができる。
【0003】
また、例えば、受光素子により受光された光信号に基づく電流信号を電圧信号に変換するときの増幅率を、AGC回路により調整する光信号受信装置が提案されている。
【0004】
図1は、このような従来の光信号受信装置の構成例を示すブロック図である。
【0005】
光信号受信装置1は、トランスインピーダンスアンプ10、フォトダイオード(PD(Photo Diode))11、およびポストアンプ12により構成される。
【0006】
受光素子としてのフォトダイオード11は、入射された光信号を電流信号に変換し、トランスインピーダンスアンプ10は、フォトダイオード11が出力する電流信号を電圧信号に変換する。ポストアンプ12は、トランスインピーダンスアンプ10から出力される電圧信号をバッファし、電圧信号のレベルに対応するデジタル信号と信号の有無を表わすSD信号を出力する。
【0007】
トランスインピーダンスアンプ10には、信号強度検出部21、AGC(Automatic Gain Control)回路22、トランスインピーダンス23、アンプ24、およびアンプ25が設けられる。
【0008】
信号強度検出部21は、アンプ25が出力する信号の信号強度(電圧)を検出し、これに基づきAGC機能制御信号を生成して、AGC回路22に出力する。AGC回路22は、AGC機能制御信号に基づいて、トランスインピーダンス23の大きさを調整する。これにより、アンプ24の増幅率が調整される。アンプ25は、アンプ24により増幅された電圧を差動電圧として出力する。AGC回路22によるトランスインピーダンス23の調整により、トランスインピーダンス23にかかる電圧レベルが変化するので、結果的に、出力する電圧レベルが調整される。すなわち、トランスインピーダンスアンプ10の利得を調整することができる。
【0009】
このような光信号受信装置1において、フォトダイオード11が微少な光信号を受光した場合、それにより生成される電流信号も微少となる。この微少な電流信号から十分な大きさの電圧信号を得る為には、トランスインピーダンスアンプ10の利得(増幅度)を大きくする必要がある。
【0010】
トランスインピーダンスアンプ10の利得を単に大きくしただけだと、標準的な大きさの(より高輝度の)光信号がフォトダイオード11に入射された場合、より大きな電流信号がトランスインピーダンスアンプ10に入力され、結果として、出力電圧が飽和して歪むという課題が生じる。しかしながら、図1に示されるように、信号強度検出部21によるAGC機能制御信号の生成により、AGC回路22がトランスインピーダンスアンプ10の利得を調整することにより、図2に示されるように、フォトダイオード11への入射光量が所定の閾値Lagcを超えた場合、AGC回路22のAGC機能がオンすることとなり、利得を抑えることができる。
【0011】
図2において、横軸はフォトダイオード(PD)11への入射光量を表わし、縦軸は、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧を表わす。フォトダイオード11への入射光量が光量L1である場合、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧は、電圧V1であり、その利得は利得G1である。すなわち、光量L1においては、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧V1と利得G1が、式(1)に示されるような関係を満たしている。
V1=L1×G1・・・(1)
【0012】
AGC機能を有していない光信号受信装置(AGC機能がOFFとされた状態の光信号受信装置1)では、利得は直線31に沿って変化するため(出力電圧は入射光量に比例しているため)、フォトダイオード11への入射光量が光量L2になると、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧はV2となる。このとき、光量L2では、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧V2と利得G2が、式(2)に示されるような関係が満たされる。
V2=L2×G2・・・(2)
【0013】
その結果、ダイナミックレンジの飽和を引き起こす危険が生じるとともに、これを防ぐには広いダイナミックレンジが必要となる。
【0014】
逆に、AGC機能を有する光信号受信装置1では、予め設定されている閾値としての光量Lagc(Lagc>L1)でAGC機能がオンされ、フォトダイオード11への入射光量に対するトランスインピーダンスアンプ10の出力電圧は、曲線32に示されるように、出力電圧の変化率は入射光量が大きくなるに連れて、次第に小さくなるように変化する(比例してはいない)。フォトダイオード11への入射光量への入射光量が光量L2になると、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧はV2’となる。具体的には、光量L2(L2>Lagc)では、トランスインピーダンスアンプ10の出力電圧V2’と利得G2’が、式(3)に示されるような関係が満たされる。
V2’=L2×G2’・・・(3)
【0015】
なお、式(1)乃至式(3)においては、図2からも明らかなように、式(4)に示される関係が満たされる。
G1=G2>G2’・・・(4)
【0016】
その結果、ダイナミックレンジの広さを抑えつつ、出力電圧の飽和を防ぐこともできる。
【0017】
図2の曲線32に示されるように、光量Lagc(そのときの対応する出力電圧Vagc)において、AGC機能をオンさせるように利得を制御することにより、出力電圧の飽和を防ぐことができる。
【0018】
トランスインピーダンスアンプ10から出力された電圧は、ポストアンプ12に入力される。ポストアンプ12には、入力される電圧信号の振幅に応じて、受信信号の有無を判別する機能が備えられており、ポストアンプ12は、予め設定された第1の基準値以上の振幅の信号が入力されてきた場合、SD(Signal Detect)をオンし(HIGHレベルのSD信号を出力し)、逆に予め設定された第2の基準値以上の振幅の信号が入力されてこない場合(第2の基準値以下の振幅の信号が入力されてきた場合)、SDをオフする(LOWレベルのSD信号を出力する)。すなわち、ポストアンプ12は、入力された電圧信号の振幅に対応するSD信号を出力する。また、ポストアンプ12は、入力された電圧信号をディジタル信号に変換して出力する。
【0019】
SDをオフからオンに切り換える第1の基準値の電圧レベルを、アサート(Assert)レベルVasと称し、SDをオンからオフに切り換える第2の基準値の電圧レベルを、デアサート(De−Assert)レベルVdasと称する。アサートレベルとデアサートレベルの間には、図3に示されるようにヒステリシスが設けられており、これにより、ノイズによるSD信号の誤動作が抑えられている。
【0020】
図3に示されるように、入力電圧がアサートレベルVas以上である場合、SD信号はオン(HIGH)であるが、入力電圧が段々下がってきて、デアサートレベルVdasとなったとき、SD信号はオフ(LOW)となる。また、入力電圧がデアサートレベルVdas以下である場合、SD信号はオフであるが、入力電圧が段々大きくなってきて、アサートレベルVas以上となったとき、SD信号はオンとなる。このように、デアサートレベルVdasとアサートレベルVasの間にヒステリシスが設けられる。
【0021】
AGC機能が備えられていないトランスインピーダンスアンプにおける、入射光量に対する出力電圧は、図4に示される直線に沿って変化する。図4において、入射光量Ln1,Ldas1,Las1,およびLs1に対応するトランスインピーダンスアンプの出力電圧は、それぞれ電圧Vn1,Vdas1,Vas1,およびVs1であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn1,Gdas1,Gas1,およびGs1である。すなわち、式(5)乃至式(8)に示される関係が成立する。
Vn1=Ln1×Gn1・・・(5)
Vdas1=Ldas1×Gdas1・・・(6)
Vas1=Las1×Gas1・・・(7)
Vs1=Ls1×Gs1・・・(8)
【0022】
入射光量と電流量は線形的に変化し(比例関係にあり)、電流量と電圧量は線形的に変化するので、電圧は光量に比例した値となる。この場合、トランスインピーダンスアンプの利得が入射光量に依存せず一定(Gas1=Gdas1)であるので、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas1/Vdas1)とそれらのレベルに相当する光量ヒステリシス(Las1/Ldas1)とが、式(9)に示されるような関係を満たす。
【数1】
【0023】
具体的には、トランスインピーダンスアンプの利得が入射光量に依存せず一定である、すなわち、Gas1=Gdas1であるので、10log(Gas1/Gdas1)の演算結果は0となる。そのため、式(9)が成立する。
【0024】
また、AGC機能が備えられている図1の光信号受信装置1における入射光量に対する出力電圧の特性は、図5に実線Ln2,Ldas2,Las2,およびLs2で示されるようになる。図5において、入射光量に対応するトランスインピーダンスアンプの出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vas2,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn2,Gdas2,Gas2,およびGs2である。すなわち、式(10)乃至式(13)に示される関係が成立する。
Vn2=Ln2×Gn2・・・(10)
Vdas2=Ldas2×Gdas2・・・(11)
Vas2=Las2×Gas2・・・(12)
Vs2=Ls2×Gs2・・・(13)
【0025】
また、光量Lagcは、AGC機能がオンからオフ、またはオフからオンに切り替わる光量であり、それに対応するトランスインピーダンスアンプの出力電圧はVagcである。入射光量と電流量は、AGCの機能がオフの範囲(入射光量がLagc以下)では線形的に変化するが、AGCの機能がオンの範囲(入射光量がLagcより大きい)では、非線形的に変化する。すなわち、トランスインピーダンスアンプの利得は、式(14)の関係を満たしている。
Gn2=Gdas2>Gas2≧Gs2・・・(14)
【0026】
式(14)が満たされることにより、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas2/Vdas2)と、それらのレベルに相当する光量ヒステリシス(Las2/Ldas2)とが、式(15)に示されるような関係を満たす。すなわち、式(9)とは異なり、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas2/Vdas2)と、それらのレベルに相当する光量ヒステリシス(Las2/Ldas2)とは一致しない。
【数2】
【0027】
図5から分かるように、Gdas2>Gas2であるので、10log(Gas2/Gdas2)の演算結果は負となる(0より小さくなる)。そのため、式(15)が成立する。
【0028】
式(15)より、電圧ヒステリシスは、光量ヒステリシスより小さいことがわかる。すなわち、電圧ヒステリシスを維持するためには、光量ヒステリシスをより広く確保する必要がある。このことは、図6に示されるように、ヒステリシス51Aの幅(例えば、3dB)に対して、ノイズ成分52Aのレベルに対する、信号成分53Aのレベルを表すSNR(SN比(Signal to Noise ratio))(例えば、10dB)が充分に確保されている場合、それほど大きな問題とはならない。
【0029】
【特許文献1】
特開平11−127039号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示されるように、信号成分53Bの最小値のレベルLs2の値が小さく、ノイズ成分52Bのレベルに対する信号成分53Bのレベルを表すSNRが充分に確保されていない場合、アサートレベルLas2が信号成分53BのレベルLs2より大きくなり(Las2>Ls2となり)、信号成分(レベルLs2からアサートレベルLas2の間のレベルの信号成分)が存在するにも拘わらず、SD信号のレベルがオフからオンに切り替わらない(検出されない)可能性が生じるという課題があった。
【0031】
また、図8に示されるように、ノイズ成分52Cの最大値のレベルLn2が大きく、ノイズ成分52Cのレベルに対する信号成分53Cのレベルを表すSNRが充分に確保されていない場合、デアサートレベルLdas2がノイズ成分52CのレベルLn2よりも小さくなり(Ldas2<Ln2となり)、受信信号が存在しないにも拘わらず、デアサートレベルLdas2からレベルLn2までのレベルのノイズによってSD信号が誤動作し、SD信号がオンからオフに切り替わらない可能性が生じるという課題があった。
【0032】
このように、図1の光信号受信装置1に備えられているAGC機能は、出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広く取ることはできるが、ポストアンプにおけるSD信号のヒステリシスを確保するために、光量ヒステリシスをより広く確保する必要が生じる。これを実現するためには、信号成分のレベルを上げたり、ノイズの影響が少ないフォトダイオードを用いたりする方法が考えられる。しかし、前者は消費電力の増加、後者はコストの増加につながるため、手法として望ましくない。
【0033】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広くするとともに、コストを抑えることができるようにするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明の光信号受信装置は、光信号を受光して電流信号に変換する受光手段と、自動利得調整機能を備え、受光手段から供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換手段と、第1の変換手段から出力される電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換手段と、第2の変換手段により出力されたSD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、第1の変換手段の自動利得調整機能を調整する調整手段とを備えることを特徴とする。
【0035】
前記第1の変換手段から出力される電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧を出力するピークホールド手段をさらに備え、調整手段は、ピークホールド電圧と閾値を比較した結果に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、ピークホールド電圧に基づいて、第1の変換手段の利得を調整するようにすることができる。
【0036】
前記第1の変換手段から出力される電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧を出力するピークホールド手段をさらに備え、調整手段は、第2の変換手段により出力されたSD信号に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、ピークホールド電圧に基づいて、第1の変換手段の利得を調整するようにすることができる。
【0037】
本発明の光信号受信方法は、光信号を受光して電流信号に変換する受光ステップと、自動利得調整機能を備え、受光ステップの処理により供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換ステップと、第1の変換ステップの処理により出力される電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換ステップと、第2の変換ステップの処理により出力されたSD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、自動利得調整機能を調整する調整ステップとを含むことを特徴とする。
【0038】
本発明の光信号受信装置および光信号受信方法においては、受光された光信号が電流信号に変換され、電流信号が電圧信号に変換され、変換された電圧信号がSD信号とディジタル信号に変換され、SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、自動利得調整機能が調整される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0040】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0041】
請求項1に記載の光信号受信装置(例えば、図9の光信号受信装置100)は、光信号を受光して電流信号に変換する受光手段(例えば、図9のフォトダイオード111)と、自動利得調整機能を備え、前記受光手段から供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換手段(例えば、図9のトランスインピーダンスアンプ110)と、前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換手段(例えば、図9のポストアンプ112)と、前記第2の変換手段により出力された前記SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、前記第1の変換手段の前記自動利得調整機能を調整する調整手段(例えば、図9のAGC制御部113)とを備えることを特徴とする光信号受信装置。
【0042】
請求項2に記載の光信号受信装置(例えば、図10の光信号受信装置100A)は、前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧(例えば、図10のピークホールド電圧Vph)を出力するピークホールド手段(例えば、図10のピークホールド回路160)をさらに備え、前記調整手段(例えば、図10のAGC制御部113A)は、前記ピークホールド電圧と閾値(例えば、電圧Vth)を比較した結果に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、前記ピークホールド電圧に基づいて、前記第1の変換手段の利得を調整することを特徴とする。
【0043】
請求項3に記載の光信号受信装置(例えば、図14の光信号受信装置100B)は、前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧(例えば、図14のピークホールド電圧Vph)を出力するピークホールド手段(例えば、図14のピークホールド回路160)をさらに備え、前記調整手段(例えば、図14のAGC制御部113B)は、前記第2の変換手段により出力されたSD信号(例えば、図10のSD出力電圧Vsd)に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、前記ピークホールド電圧に基づいて、前記第1の変換手段の利得を調整することを特徴とする。
【0044】
請求項4に記載の光信号受信方法は、光信号を受光して電流信号に変換する受光ステップ(例えば、図9のフォトダイオード111が実行する処理)と、自動利得調整機能を備え、前記受光ステップの処理により供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換ステップ(例えば、図9のトランスインピーダンスアンプ110が実行する処理)と、前記第1の変換ステップの処理により出力される前記電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換ステップ(例えば、図9のポストアンプ112が実行する処理)と、前記第2の変換ステップの処理により出力された前記SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、前記自動利得調整機能を調整する調整ステップ(例えば、図9のAGC制御部113が実行する処理)とを含むことを特徴とする。
【0045】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0046】
図9は、本発明を適用した光信号受信装置100の原理的な構成を示すブロック図である。
【0047】
光信号受信装置100には、トランスインピーダンスアンプ110、フォトダイオード(PD(Photo Diode))111、およびポストアンプ112の他に、トランスインピーダンスアンプ110のAGC機能をトランスインピーダンスアンプ110の外部から制御するAGC制御部113が設けられている。
【0048】
受光素子としてのフォトダイオード111は、入射された光信号を電流信号に変換し、トランスインピーダンスアンプ110は、フォトダイオード111が出力する電流信号を電圧信号に変換する。ポストアンプ112は、トランスインピーダンスアンプ110から出力される電圧信号をバッファし、電圧信号のレベルに対応するデジタル信号と、信号の有無を表わすSD信号を出力する。
【0049】
トランスインピーダンスアンプ110には、AGC回路122、トランスインピーダンス123、アンプ124、およびアンプ125が設けられている。
【0050】
AGC回路122は、トランスインピーダンスアンプ110の外部に設けられているAGC制御部113から供給される制御信号(利得制御信号)に基づいて、トランスインピーダンス123の大きさを調整する。これにより、アンプ124の増幅率を調整することができる。アンプ125は、アンプ124により増幅された電圧を差動電圧として出力する。
【0051】
図1のトランスインピーダンスアンプ10においては、トランスインピーダンスアンプ10の内部で検出された値に基づいて利得が制御されるので、後段のポストアンプ12におけるアサートレベルおよびデアサートレベルを考慮することはできない。そこで、本発明においては、図9に示されるように、AGC機能をトランスインピーダンスアンプ110の外部から制御するAGC制御部113を設けることにより、フォトダイオード111から入力される電流信号の強度に応じて、トランスインピーダンス123の値、すなわち、トランスインピーダンスアンプ110の利得を調整することが可能となる。
【0052】
図9の光信号受信装置100の具体的な構成例である光信号受信装置100Aを、図10を参照して説明する。図中、図9と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0053】
図10の光信号受信装置100Aには、トランスインピーダンスアンプ110A、フォトダイオード111、ポストアンプ112、AGC制御部113A、およびピークホールド回路160が設けられる。
【0054】
トランスインピーダンスアンプ110A、およびAGC制御部113Aは、それぞれ、図9のトランスインピーダンスアンプ110、およびAGC制御部113の具体的な構成例である。
【0055】
トランスインピーダンスアンプ110Aは、トランスインピーダンス151、並びにこれと並列に接続された、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154が直列に接続された回路、並びにピークホールド回路160により構成されている。この例の場合、図10のトランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154が、図9のトランスインピーダンス123に対応している。
【0056】
AGC制御部113Aには、外部から設定可能な任意の閾値(電圧値)Vthを生成する半固定抵抗器171、およびピークホールド回路160からの出力を閾値Vthと比較する比較器172が設けられている。ピークホールド回路160は、アンプ125から出力される差動電圧信号をピークホールドし、ピークホールド電圧Vphを出力する。
【0057】
比較器172は、ピークホールド回路160から供給されるピークホールド電圧Vphと閾値Vth(半固定抵抗器171により生成される閾値電圧)を比較する。その際、ピークホールド電圧Vphが閾値Vthより小さい場合(Vph<Vthである場合)、比較器172から出力される電圧VcoはLOW(ロウ)レベルとなり、ピークホールド電圧Vphが閾値Vth(半固定抵抗器171により生成される閾値電圧)以上の場合(Vph≧Vthである場合)、比較器172から出力される電圧VcoはHIGH(ハイ)レベルとなる。
【0058】
図11は、ピークホールド電圧Vphと比較器172の出力電圧Vcoの関係を示す図である。図11Aおよび図11Bにおいて、縦軸は電圧Vを示し、横軸は時刻tを示す。
【0059】
時刻t0から時刻t1までの時間T1において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T1において)LOWである。時刻t1から時刻t2までの時間T2において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより大きいため、対応する図11Bの比較器出力電圧Vcoも(時間T2において)HIGHである。時刻t2から時刻t3までの時間T3において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T3において)LOWである。時刻t3から時刻t4までの時間T4において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、大きくはなっているが、閾値Vthよりは小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T4において)LOWである。時刻t4から時刻t5までの時間T5において、図11Aのピークホールド電圧Vphは、閾値Vthより小さいため、対応する図11Bの比較器172の出力電圧Vcoも(時間T5において)LOWである。
【0060】
このように、比較器172は、閾値電圧Vthに対するピークホールド電圧Vphの大きさに基づいて、出力電圧Vcoのレベルを変化する。
【0061】
トランジスタ152は、比較器172から供給された電圧Vcoをベースへの印加電圧としており、電圧VcoがLOWである場合、コレクタ−エミッタ間に電流が流れず、結果として、トランスインピーダンス154へ電流が流れない。したがって、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154からなる総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151と等価となる。
【0062】
また、トランジスタ152のベースへの印加電圧、すなわち、比較器172から出力された電圧VcoがHIGHである場合、コレクタ−エミッタ間に電流が流れ、トランスインピーダンス154への第1の電流パスが開く。
【0063】
ここで、もう1つのトランスインピーダンス154への電流パスとなるトランジスタ153は、ピークホールド回路160から出力されるピークホールド電圧Vphをベースへの印加電圧として動作しているので、入射光量が少なくピークホールド電圧Vphの値が小さい場合、トランジスタ153のベースへの印加電圧が低くなり、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れず、トランスインピーダンス154へは電流が流れない。
【0064】
逆に、入射光量が多くなると、ピークホールド電圧Vphの値が大きくなり、トランジスタ153のベースへの印加電圧が高くなるので、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間にも電流が流れるようになり、これにより、トランスインピーダンス154への2つめの電流パスが開く。その結果、トランスインピーダンス154へ電流が流れる。このとき、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151にトランスインピーダンス154が並列に接続されることになるので、入射光量が多くなるに連れて、インピーダンス151より小さい値に低下し、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得が下がる。
【0065】
このように、図10の光信号受信装置100Aにおいては、ピークホールド電圧Vph<閾値電圧Vthである場合、AGC機能はオフされる。すなわち、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得を外部(トランスインピーダンスアンプ110Aの外部に設けられているAGC制御部113A、およびピークホールド回路160)により調整することができる。
【0066】
トランスインピーダンスアンプ110A(トランスインピーダンスアンプ110Aのアンプ125)から出力される差動信号は、ポストアンプ112に入力される。
【0067】
図12は、図10のポストアンプ112の機能的構成例を示す図である。ポストアンプ112は、リミッティングアンプ部251、信号強度判定部252、およびアサート・デアサートレベル設定部253により構成されている。
【0068】
リミッティングアンプ部251では、入力された差動信号のDC電位が調整される。その結果、入力信号はディジタル信号として再生され、ポストアンプ112の信号として出力される。
【0069】
信号強度判定部252は、ディジタル信号に変換される前の信号を、ピークホールドし、信号の強度を検出する。また、信号強度判定部252は、信号強度を、アサート・デアサートレベル設定部253より供給されるアサートレベルおよびデアサートレベルと比較し、比較した結果に基づく信号を、SD信号(正と負のSD信号)として出力する。
【0070】
このアサートレベルおよびデアサートレベルは、ポストアンプ112内部において予め設定されていてもよいし、外部から、アサート・デアサートレベル設定部253を操作することにより設定されてもよい。
【0071】
このように、ポストアンプ112は、トランスインピーダンスアンプ110Aが出力した差動電圧を、SD信号とディジタル信号として出力する。
【0072】
光信号受信装置100Aを図10に示されるように構成した場合、その入射光量に対する出力電圧は、図13に示されるようになる。
【0073】
図13において、横軸はフォトダイオード(PD)111への入射光量であり、縦軸は、トランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧である。図13において、従来の(図1の)AGC機能が備えられている光信号受信装置1の利得曲線を破線で示し、本発明を適用した(図10の)光信号受信装置100Aの利得曲線を実線で示す。
【0074】
図13において、本発明を適用した光信号受信装置100Aのフォトダイオード111への入射光量Ln2,Ldas2,Las2’,Lagc’およびLs2’に対応するトランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vas2,Vagc’,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn2,Gdas2,Gas2’,Gagc’,およびGs2’である(図13の実線)。この場合、式(16)乃至式(20)に示される関係が成立する。
Vn2=Ln2×Gn2・・・(16)
Vdas2=Ldas2×Gdas2・・・(17)
Vas2=Las2’×Gas2’・・・(18)
Vagc’=Lagc’×Gagc’・・・(19)
Vs2=Ls2’×Gs2’・・・(20)
【0075】
また、従来の光信号受信装置1のフォトダイオード11への入射光量Ln2,Ldas2,Lagc,Las2,およびLs2に対応するトランスインピーダンスアンプ10の出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vagc,Vas2,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれGn2,Gdas2,Gagc,Gas2,およびGs2である(図13の破線)。この場合、上述した式(16)および式(17)に加えて、式(21)乃至式(23)に示される関係が成立する。
Vas2=Las2×Gas2・・・(21)
Vs2=Ls2×Gs2・・・(22)
Vagc=Lagc×Gagc・・・(23)
【0076】
さらに、トランスインピーダンスアンプの利得の関係は、図13に示されるように、以下の式(24)および式(25)を満たす。
Gn2=Gdas2=Gagc>Gas2≧Gs2・・・(24)
Gn2=Gdas2=Gagc’=Gas2’≧Gas2・・・(25)
【0077】
図13の実線に示されるように、トランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧Vas2となるフォトダイオード111への入射光量はLas2’となり、SDのヒステリシス幅は、式(26)に示されるように、電圧でのヒステリシスの幅と一致する。
【数3】
【0078】
図13に実線で示されるように、本発明を適用した図10の光信号受信装置100Aでは、アサートレベル(Las2’)より上で、AGC機能がオンされる。そのため、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス10log(Vas2/Vdas2)のレベルに相当する光量ヒステリシス10log(Las2’/Ldas2)を、図1の(従来の)光信号受信装置1における光量ヒステリシス10log(Las2/Ldas2)より小さくすることができる。また、デアサートレベル以上アサートレベル以下の間においてAGC機能がオンになるのを防ぐことができる。
【0079】
具体的には、外部に設けられた閾値電圧Vthを調整する(トランスインピーダンスアンプ110Aの出力電圧Vas2以上となるように、閾値電圧Vthを設定する)とともに、AGC機能(AGC制御部113A)を、閾値電圧Vthとピークホールド電圧Vphに基づいてオンまたはオフするようにしたので、AGC機能がオンとなるタイミングを、アサートレベル以上に設定することが可能となる。
【0080】
また、ピークホールド電圧Vphに基づいてトランジスタ153のコレクタ−エミッタ間の電流を調整するようにしたので、SDのレベルに応じて、トランスインピーダンスアンプ110Aの利得を制御(調整)することができる。
【0081】
さらに、アサートレベルおよびヒステリシスの幅が調整されるので、正常なSD動作を実現することができる。
【0082】
また、光信号の有無を正確に判定することができる。
【0083】
なお、AGC機能がオフからオンに切り替わる場合、または、オンからオフに切り替わる場合、非連続となる部分が存在するが、その量は微少であり、実用上、ほとんど無視できる。
【0084】
次に、図9の光信号受信装置100の他の具体的な構成例である光信号受信装置100Bを図14を参照して説明する。図中、図9と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0085】
図14の光信号受信装置100Bには、トランスインピーダンスアンプ110B、フォトダイオード111、ポストアンプ112、AGC制御部113B、およびピークホールド回路160が設けられる。
【0086】
トランスインピーダンスアンプ110B、およびAGC制御部113Bは、それぞれ、図9のトランスインピーダンスアンプ110、およびAGC制御部113の具体的な構成例である。
【0087】
トランスインピーダンスアンプ110Bは、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154により構成されている。この例の場合、図14のトランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154が、図9のトランスインピーダンス123に対応している。
【0088】
なお、図14のトランスインピーダンスアンプ110B、ピークホールド回路160、およびポストアンプ112の構成は、図10のトランスインピーダンスアンプ110A、ピークホールド回路160、およびポストアンプ112の構成と同様であるので、その説明は省略する。
【0089】
AGC制御部113Bには、トランジスタ401が設けられている。トランジスタ401には、コレクタ側に抵抗402が接続されているとともに、エミッタ側に抵抗403が接続されている。トランジスタ401は、ベースに印加されるSD信号に基づく電圧(SD出力電圧)Vsdが所定の電圧以下(SD=LOW)の場合、コレクタ−エミッタ間には電流を流さず(エミッタ電圧Vagc−biasを下げ)、ベースに印加されるSD出力電圧Vsdが所定の電圧以上(SD=HIGH)の場合、コレクタ−エミッタ間に電流を流す(エミッタ電圧Vagc−biasを上げる)。
【0090】
このSD出力電圧Vsdと制御回路出力電圧Vagc−biasの関係が図15に示されている。図15Aおよび図15Bにおいて、縦軸は電圧Vを示し、横軸は時刻tを示す。
【0091】
図15Aおよび図15Bの時刻t10から時刻t11までの時間T11において、ポストアンプ112から出力されるSD出力電圧VsdがOFF(LOW、すなわち微少信号)である場合、AGC制御部113Bから出力される電圧、すなわち、トランジスタ152のベースに印加される電圧Vagc−biasもLOWレベルとなる。また、時刻t11から時刻t12までの時間T12において、SD出力電圧VsdがON(HIGH、すなわち大信号)である場合、AGC制御部113Bから出力される電圧、すなわち、トランジスタ152のベースに印加される電圧Vagc−biasはHIGHレベルとなる。
【0092】
なお、ポストアンプ112がTTLロジックに基づくものである場合、例えば、HIGHレベルの示す電圧は2.5V(ボルト)とされ、LOWレベルの電圧は0Vとされて出力される。
【0093】
なお、時刻t12から時刻t13までの時間T13、および時刻t14から時刻t15までの時間T15については、時刻T11と同様であり、時刻t13から時刻t14までの時間T14については、時刻T12と同様であるので、その説明は省略する。
【0094】
このように、ポストアンプ112から出力されるSD出力電圧Vsdに基づいて、AGC制御部113Bは、トランジスタ152に印加する電圧を制御する。
【0095】
具体的には、SD出力電圧VsdがOFF(LOW)である場合、すなわち、AGC制御部113Bのトランジスタ401のベースに印加される電圧Vsdが低い場合、トランジスタ401のコレクタ−エミッタ間に電流は流れない。このため、トランジスタ152のベースに印加される電圧Vagc−biasも低くなり、トランジスタ152のコレクタ−エミッタ間には電流が流れない。その結果、トランスインピーダンス154にも電流が流れないことになる。
【0096】
したがって、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151と等価となる。
【0097】
逆に、SD出力電圧VsdがON(HIGH)である場合、すなわち、AGC制御部113Bのトランジスタ401のベースに印加される電圧Vsdが高い場合、トランジスタ401のコレクタ−エミッタ間に電流が流れる。このため、トランジスタ152に印加される電圧Vagc−biasも高くなり、トランジスタ152のコレクタ−エミッタ間に電流が流れるので、結果として、トランジスタ152による、トランスインピーダンス154への電流パスが開く。
【0098】
ここで、トランスインピーダンス154へのもう1つの電流パスとなるトランジスタ153について説明する。
【0099】
トランジスタ153は、ピークホールド回路160から出力される電圧Vphをベースへの印加電圧としているので、フォトダイオード111への入射光量が少なくピークホールド回路160から出力される電圧Vphが低い場合、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れず、トランスインピーダンス154へは電流が流れない。従って、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151と等価となる。
【0100】
フォトダイオード111への入射光量が次第に多くなると、ピークホールド回路160から出力される電圧Vphが大きくなり(トランジスタ153へのベースへの印加電圧が上昇し)、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間に電流が流れるようになるので、結果として、トランジスタ153による、トランスインピーダンス154への電流パスが開く。従って、図9のトランスインピーダンス123に対応する、トランスインピーダンス151、トランジスタ152、トランジスタ153、およびトランスインピーダンス154による総トランスインピーダンスは、トランスインピーダンス151にトランスインピーダンス154が並列接続されるので、次第にトランスインピーダンス151より小さい値に低下し、トランスインピーダンスアンプ110Bの利得が下がる。
【0101】
このように、図14の光信号受信装置100Bにおいては、SD出力電圧Vsdの大きさに基づいてAGC制御部113Bが制御されるとともに、ピークホールド電圧Vphに基づいて、トランスインピーダンスアンプ110B内の抵抗が制御されるので、結果として、トランスインピーダンスアンプ110Bの利得を外部(トランスインピーダンスアンプ110Bの外部に設けられているAGC制御部113B、およびピークホールド回路160)により調整することができる。
【0102】
光信号受信装置100Bを図14に示されるように構成した場合、その入射光量に対する出力電圧は、図16に示されるようになる。
【0103】
図16において、横軸はフォトダイオード111への入射光量であり、横軸はトランスインピーダンスアンプ110Bの出力電圧である。図16において、従来のAGC機能が備えられている光信号受信装置1の利得曲線を破線で示し、本発明を適用した光信号受信装置100Bの利得曲線を実線で示す。
【0104】
図16において、本発明を適用した光信号受信装置100Bのフォトダイオード111への入射光量Ln2,Ldas2,Las2’,およびLs2’に対応するトランスインピーダンスアンプ110Bの出力電圧は、それぞれ電圧Vn2,Vdas2,Vas2,およびVs2であり、さらに、これらに対応するトランスインピーダンスアンプの利得は、それぞれ、Gn2,Gdas2,Gas2’,およびGs2’である(図16の実線)。すなわち、上述した式(16)乃至式(18)、並びに式(20)に示される関係が成立する。なお、図13の入射光量Lagc’は、図16では、Las2’と等しいとされている。AGC機能をオンまたはオフさせる入射光量を光量Lagc’とし、このときの利得をGagcとすると、以下の式(27)を満たす。
Vas2=Las2’×Gas2’=Lagc’×Gagc・・・(27)
【0105】
従来の光信号受信装置1のフォトダイオード11への入射光量に対するトランスインピーダンスアンプ10の出力電圧と利得の関係については、上述した図13と同様であるのでその説明は省略する。
【0106】
また、トランスインピーダンスアンプの利得の関係は、図16に示されるように上述した式(24)および式(25)を満たす。
【0107】
図16に実線で示されるように、本発明を適用した図14の光信号受信装置100Bでは、アサートレベル(Las2’)より上で、AGC機能がオンされる。そのため、アサートレベルとデアサートレベル間の電圧ヒステリシス(Vas2/Vdas2)のレベルに相当する光量ヒステリシス(Las2’/Ldas2)を、図1の(従来の)光信号受信装置1における光量ヒステリシス(Las2/Ldas2)より小さくすることができる。また、デアサートレベル以上アサートレベル以下の間においてAGC機能がオンになるのを防ぐことができる。
【0108】
このように、本発明を適用した光信号受信装置100Bでは、図16の実線に示されるように、AGC機能がオンになるタイミングが、ポストアンプ112におけるアサートレベルで決定されることになるので、アサートレベルとデアサートレベルの間でAGC機能がオンとなることがない。すなわち、トランスインピーダンスアンプ110Bの出力電圧がVas2となるフォトダイオード111への入射光量はLas2’となり、光で換算するSDのヒステリシス幅は、上述した式(26)に示されるように電圧でのヒステリシス幅と一致する。
【0109】
また、フォトダイオード111への入射光量が次第に小さくなっていく場合、デアサートレベルまではSD出力電圧VsdはHIGH(ON)になっているため、光量がLas2’より小さくなってもAGC機能はオンのままである(図16の入射光量がLdas2’以上Las2’である2点鎖線の部分)。このため、AGC機能もヒステリシスを持つことになるが、そのヒステリシス内における出力電圧差は微少でありほぼ無視できる。
【0110】
なお、AGC機能がオフからオンに切り替わる場合、および、オンからオフに切り替わる場合、非連続となる部分が存在するが、その量は微少であり、実用上、ほとんど無視できる。
【0111】
図14の光信号受信装置100Bによれば、トランスインピーダンスアンプ110BのAGC機能を制御するAGC制御部113Bをポストアンプ112から出力されるSD出力電圧Vsdに基づいてオンまたはオフするようにしたので、AGC機能がオフからオンとなるタイミングをアサートレベル以上に設定することが可能となる。
【0112】
また、光信号受信装置100Bによれば、ピークホールド電圧Vphに基づいて、トランジスタ153のコレクタ−エミッタ間の電流を調整するようにしたので、SD信号のレベルに応じて利得を調整することができる。
【0113】
換言すると、AGC機能(AGC制御部113B)を、ポストアンプ112から出力されるSD出力電圧Vsdに基づいてオンまたはオフし、アサートレベルより上で(入射光量がLas2’より上で)、ピークホールド電圧Vphに基づいてトランジスタ153のコレクタ−エミッタ間の電流を調整するようにしたので、SDのレベルに応じて、トランスインピーダンスアンプ110Bの利得を制御することができる。
【0114】
さらに、アサートレベルおよびヒステリシスの幅が調整されるので、正常なSD動作を実現することができる。
【0115】
また、光信号を正確に検出することができる。
【0116】
以上のように、本発明によれば、トランスインピーダンスアンプ110のAGC機能をSDのレベルに応じて制御するようにしたので、ポストアンプ112におけるSDのアサートレベルおよびデアサートレベル間のヒステリシスとそれらのレベルに相当する光量ヒステリシスを調整することができ、もって、正常に光信号を受信し、検出することができる。
【0117】
また、例えば、一芯全二重光通信システムや波長分割多重(WDM)システムにおいて、送信信号が受信信号へクロストークとして重畳されて十分にSNRが確保されない場合においても、アサートレベルおよびヒステリシス幅の設定が行われるので、クロストークのレベルに影響されない正常なSD動作を実現することが可能となる。
【0118】
さらに、長距離無中継光通信システムにおいて、受信側における信号強度が弱くてノイズ成分が大きく、十分にSNRが確保されない場合においても、アサートレベルおよびヒステリシス幅の設定が行われるので、信号レベルおよびノイズレベルに影響されない正常なSD動作を実現することが可能となる。
【0119】
また、AGC機能をトランスインピーダンスアンプの外部から制御するようにしたので、従来のAGC機能が有する特徴である、出力電圧の飽和を防ぐことができることとダイナミックレンジを広くすることができるという利点に加えて、ポストアンプ112におけるSDのアサートレベルおよびデアサートレベル間のヒステリシスとそれらのレベルに相当する光量ヒステリシスを一致させることができる。これにより、信号光が弱い、または、ノイズが大きい等の問題を抱える光通信システムにおいても、SDを正常に機能させることが容易となる。
【0120】
従って、受信信号がない間には、送信信号をシャットダウンすることができるようなシステムを構築することができる。
【0121】
また、消費電力を低くすることができるので、コストを抑えることができる。
【0122】
さらに、アイセーフティを実現でき、安全性を高めるシステムを構築することができる。
【0123】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、光信号を正確に受信し、検出することができる。特に、出力電圧の飽和を防ぎ、ダイナミックレンジを広くするとともに、コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光信号受信装置の構成例を示す回路図である。
【図2】従来のフォトダイオードの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図3】アサートレベル、デアサートレベル、およびヒステリシスを説明する図である。
【図4】AGC機能が設けられていない光信号受信装置におけるフォトダイオードの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図5】従来のフォトダイオードの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図6】フォトダイオードへの入射光量とヒステリシスの関係を説明する図である。
【図7】フォトダイオードへの入射光量とヒステリシスの関係を説明する他の図である。
【図8】フォトダイオードへの入射光量とヒステリシスの関係を説明するさらに他の図である。
【図9】本発明を適用した光信号受信装置の簡単な構成を説明する図である。
【図10】図9の光信号受信装置の具体的な構成例を示す図である。
【図11】ピークホールド電圧Vphと比較器出力電圧Vcoの関係を説明する図である。
【図12】図10のポストアンプの機能的構成例を示すブロック図である。
【図13】図10のフォトダイオードへの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【図14】図9の光信号受信装置の具体的な構成例を示す図である。
【図15】SD出力電圧Vsdに対する電圧Vagc−biasの関係を説明する図である。
【図16】図14のフォトダイオードへの入射光量に対するトランスインピーダンスアンプの出力電圧を説明する図である。
【符号の説明】
110,110A,110B トランスインピーダンスアンプ, 111 フォトダイオード, 112 ポストアンプ, 113,113A,113B AGC制御部, 151 トランスインピーダンス, 152,153 トランジスタ, 154 トランスインピーダンス, 160 ピークホールド回路, 171 半固定抵抗器, 172 比較器, 401 トランジスタ
Claims (4)
- 光信号を受信する光信号受信装置において、
光信号を受光して電流信号に変換する受光手段と、
自動利得調整機能を備え、前記受光手段から供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換手段と、
前記第2の変換手段により出力された前記SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、前記第1の変換手段の前記自動利得調整機能を調整する調整手段と
を備えることを特徴とする光信号受信装置。 - 前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧を出力するピークホールド手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記ピークホールド電圧と閾値を比較した結果に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、前記ピークホールド電圧に基づいて、前記第1の変換手段の利得を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号受信装置。 - 前記第1の変換手段から出力される前記電圧信号の差動電圧をピークホールドし、ピークホールド電圧を出力するピークホールド手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記第2の変換手段により出力されたSD信号に基づいて、自動利得調整機能をオンまたはオフするとともに、前記ピークホールド電圧に基づいて、前記第1の変換手段の利得を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の光信号受信装置。 - 光信号を受信する光信号受信装置の光信号受信方法において、
光信号を受光して電流信号に変換する受光ステップと、
自動利得調整機能を備え、前記受光ステップの処理により供給される電流信号を電圧信号に変換する第1の変換ステップと、
前記第1の変換ステップの処理により出力される前記電圧信号をSD信号とディジタル信号に変換して出力する第2の変換ステップと、
前記第2の変換ステップの処理により出力された前記SD信号のアサートレベルとデアサートレベルに基づいて、前記自動利得調整機能を調整する調整ステップと
を含むことを特徴とする光信号受信方法。
Priority Applications (1)
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JP2003156426A JP2004363678A (ja) | 2003-06-02 | 2003-06-02 | 光信号受信装置および方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100802518B1 (ko) * | 2005-12-08 | 2008-02-12 | 한국전자통신연구원 | 이득 제어 기능을 갖는 트랜스임피던스 전치 증폭기 |
US7868701B2 (en) | 2004-08-03 | 2011-01-11 | Nippon Telephone And Telegraph Corporation | Transimpedance amplifier |
CN110545083A (zh) * | 2018-05-28 | 2019-12-06 | 深圳市芯波微电子有限公司 | 跨阻放大器 |
CN114050794A (zh) * | 2022-01-12 | 2022-02-15 | 微龛(广州)半导体有限公司 | 跨阻放大器电路、光接收机及光通信系统 |
-
2003
- 2003-06-02 JP JP2003156426A patent/JP2004363678A/ja active Pending
Cited By (5)
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CN110545083B (zh) * | 2018-05-28 | 2024-06-11 | 深圳市芯波微电子有限公司 | 跨阻放大器 |
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