JP2004363025A - 冷陰極表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子の通過孔となる開口部の開口径の面内均一性を確保することができる冷陰極表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板4上にカソード電極5を配設し、当該カソード電極5の所定の位置(後に電子放出材料13が形成される位置)に犠牲層15を形成する。次に、当該犠牲層15を覆うように、絶縁膜6およびゲート電極7を形成し、その後、犠牲層15を除去することにより、絶縁膜6に貫通孔12を形成するとともに、ゲート電極7に開口部8を形成する。
【選択図】 図4
【解決手段】基板4上にカソード電極5を配設し、当該カソード電極5の所定の位置(後に電子放出材料13が形成される位置)に犠牲層15を形成する。次に、当該犠牲層15を覆うように、絶縁膜6およびゲート電極7を形成し、その後、犠牲層15を除去することにより、絶縁膜6に貫通孔12を形成するとともに、ゲート電極7に開口部8を形成する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷陰極表示装置の製造方法に係る発明であって、例えば、三極管構造の電界放出アレイの製造方法に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーボンナノチューブ等の微細構造物質を電子放出材料として利用した冷陰極表示装置の製造方法として、例えば、製造工程中で形成された薄膜層自体をマスク層として使用することによって、三極管構造のカーボンナノチューブ電界放出アレイを製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る製造方法では、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などを利用して非晶質シリコン層を成膜し、当該非晶質シリコン層上に酸化層を形成し、当該酸化層上にゲート電極層を形成する。
【0004】
その後、リソグラフィ工程により、ゲート電極層に開口部を形成した後、当該ゲート電極層をマスクとしてエッチング処理を施すことにより、酸化層に開口部を形成する。
【0005】
次に、エッチング条件を変更し(例えば、前段のエッチング液と異なるエッチング液を使用する等)、酸化層をマスクとして非晶質シリコン層に開口部を形成する。
【0006】
最後に、ゲート電極層に対してライン状のパターニングを施した後、前記開口部を充填するように、ネガ型(紫外線に曝された部分が現像工程で残る)の感光性カーボンナノチューブペーストをスクリーン印刷法等により形成し、基板の背面から露光処理を行いカーボンナノチューブ層を透明電極上に形成するものであった。
【0007】
上記製造方法では、工程途中に形成された非晶質シリコン層をマスクとして、感光性カーボンナノチューブペーストの露光処理が行われているので、別途マスクを要する必要が無く、少数のマスク層の使用により、三極管構造のカーボンナノチューブ電界放出アレイを製造することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−245928号公報(第9,10,11,12図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記製造方法では、電子の通過孔となる開口部を形成するために、ゲート電極層に対するエッチング処理、酸化層に対するエッチング処理、および非晶質シリコン層に対するエッチング処理というように、複数のエッチング工程を踏まえなければならず、各エッチング工程毎に、酸性のエッチング液を交換する必要があった。
【0010】
成膜された絶縁層と電極層とに対する、開口部を形成するための当該複数回に渡るエッチング液の交換工程は、前回のエッチング液を完全に除去した後に新たなエッチング液を導入する必要があり、製造工程を複雑化していた。
【0011】
もし、全ての開口部においてエッチング液の交換が完全に行わず、一部の開口部において前回のエッチング液が完全に取り除かれない状態で、次のエッチング液を導入したなら、エッチング残渣等の問題が発生し、開口径の大きさが各開口部毎に異なって形成され、各開口部における面内均一性を保つことができなかった。
【0012】
このように、各開口部に対する開口径の面内均一性が低下すると、開口部に内に形成される、カーボンナノチューブ等からなる電子放出材料と透明カソード電極間との接続性が劣化し、表示発光の均一性に悪影響を及ぼすこともある。
【0013】
そこで、この発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡略な製造方法により、電子の通過孔となる開口部の開口径の面内均一性を確保することができる、冷陰極表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(a)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(b)前記カソード電極上の前記第一の開口部に対応する位置に第一の犠牲層を形成する工程と、(c)前記カソード電極および前記第一の犠牲層上に、絶縁膜および前記ゲート電極を当該順で形成する工程と、(d)前記第一の犠牲層を除去することにより、前記絶縁膜に貫通孔を形成するとともに、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えている。
【0015】
また、本発明に係る請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(A)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(B)前記カソード電極を覆うように、感光性を有する第一の絶縁膜を形成する工程と、(C)前記一の絶縁膜上に、感光性を有する前記ゲート電極を形成する工程と、(D)前記一の絶縁膜および前記ゲート電極に対して、所定の形状のマスクを用いて露光処理を行い、一の現像液を用いて現像処理を行うことにより、前記第一の開口部に対応する位置の前記第一の絶縁膜を除去すると共に、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えているものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、はじめに、本発明に係る製造方法を適用されることにより形成される、冷陰極表示装置の構成を図1に基づいて説明する。ここで、図1は、当該冷陰極表示装置の分解斜視図を示している。
【0017】
図1に示すように、冷陰極表示装置は、電子源(電子放出材料)アレイを作製したカソード基板1と、電子放出材料の位置に合わせてストライプ状あるいはドット状に形成された蛍光体を有する蛍光体表示板2と、当該カソード基板1と蛍光体表示板2とを一定間隔に保持・固定するための枠ガラス3とにより、構成される。
【0018】
なお、図中には示していないが、画面サイズが大きくなると枠ガラス3内部にも、カソード基板1と蛍光表示板2とを一定間隔に保つためのスペーサが必要となる。
【0019】
カソード基板1は、透明性を有する基板4と、基板4上にストライプ状に形成され透明性を有するカソード電極5と、当該基板4および当該カソード電極5を覆うように形成される絶縁膜6と、当該絶縁膜6上において、カソード電極5の配設方向と垂直な方向にストライプ状に形成されるゲート電極7とで構成されている。
【0020】
なお、図1には簡略化のために、各電極5,7は少数本しか図示していないが、本来これ以上の本数の電極5,7が配設されている。
【0021】
図2に、前述した構成のカソード基板1を上方から見た時の拡大平面図を示す。なお、カソード電極5は、絶縁膜6の下方に形成されるため、点線にて図示している。
【0022】
ここで、図1,2から分かるように、カソード電極5と重複するゲート電極7の部分には、開口部8が形成されており、当該開口部8と対応する位置の絶縁膜6には貫通孔が形成されている。また、開口部8、貫通孔から露出しているカソード電極5上には、図示していないが、電子放出材料が形成されている。
【0023】
上記のように構成された冷陰極表示装置において、カソード電極5に走査信号を入力し、ゲート電極7に画像信号を入力させ、カソード電極5と蛍光表示板2に設けたアノード電極(図示せず)の間に加速電圧を印加することにより、電子放出材料から電子が放出され、貫通孔および開口部8を通過して蛍光体に電子が衝突し、当該衝突により画像を表示させることができる。
【0024】
以下、この発明に係る冷陰極表示装置の製造方法を、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】
<実施の形態1>
本実施の形態1に係る冷陰極表示装置の製造方法は、ゲート電極7に形成される開口部8に対応する位置のカソード電極5上に犠牲層15を形成し、その後、当該犠牲層15の側面部を覆うように、絶縁膜6とゲート電極7とを当該順にカソード電極5上に形成する。その後、リフトオフ処理により犠牲層15を除去することにより、絶縁膜6およびゲート電極7に電子の通過孔となる貫通孔12と開口部8とを各々形成する、ことが特徴である。
【0026】
図3に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図3(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図3(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0027】
図3から分かるように、透明性を有する基板4上には、ゲート電極7が有する開口部8に対応する位置に開口部10aを有する、遮光性のマスク層10が形成されている。そして、当該開口部10aを充填するように、透明性を有するカソード電極5がストライプ上に形成されている。
【0028】
また、カソード電極5とマスク層10を覆うように、貫通孔12を有する透明性の絶縁膜6が形成され、当該絶縁膜6上には、開口部8を有するゲート電極7がストライプ状に配設されている。さらに、開口部8から露出しているカソード電極5上には、カーボンナノチューブ等からなる電子放出材料13が形成されている。
【0029】
次に、図4に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図3に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0030】
はじめに、図5に示すように、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に遮光性を有するマスク層10を形成する(ステップS1)。
【0031】
ここで、遮光性のマスク層10としては、例えば黒色顔料を樹脂に分散させた感光性を有するペースト(感光性ガラスペースト)材料を用いることができ、この場合、感光性ガラスペースト材料を印刷し、乾燥させることにより、マスク層10が形成される。また、マスク層10の厚さは、次のカソード電極5の加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0032】
次に、マスク層10に対して露光・現像・焼成処理等を施すことにより、図6に示すように、当該マスク層10に開口部10aをパターニングする(ステップS2)。
【0033】
ここで、マスク層10に形成される開口部10aの外形は円形であり、当該開口部10aの形成される位置は、後に形成されるゲート電極7が有する開口部8に対応する位置である。
【0034】
次に、図7に示すように、マスク層10に形成された開口部10aを充填するように、マスク層10上にカソード電極5がストライプ状に配設される(ステップS3)。ここで、カソード電極5の形成は、例えば通常のフォトリソグラフィ工程により行われる。また、カソード電極5は、ITO(Indium TinOxide)膜等の透明性を有する電極である。
【0035】
次に、図8に示すように、カソード電極5およびマスク層10を覆うように、犠牲層15を形成する。ここで、犠牲層15として、ネガ型のフォトレジストを採用する。その後、開口部10aを有するマスク層10をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)より露光処理を施す(ステップS4)。
【0036】
次に、露光済みの犠牲層15をアルカリ性現像液を用いて現像することにより、図9に示すように、開口部10aの上方(つまり、ゲート電極7が有する開口部8に対応する位置)のカソード電極5上に、犠牲層15を残存させる(ステップS5)。
【0037】
次に、図10に示すように、カソード電極5、マスク層10および犠牲層15の側面部の一部を覆うように、透明性を有する絶縁膜6を形成し(ステップS6)、その後、図11に示すように、絶縁膜6および犠牲層15の側面部の残りの一部分を覆うように、ゲート電極7を形成する(ステップS7)。
【0038】
ここで、図10,11には示されていないが、犠牲層15の上部にも絶縁膜6およびゲート電極7が形成される。
【0039】
次に、犠牲層15のリフトオフ処理(犠牲層15の剥離処理)を施すことにより、図12に示すように、絶縁膜6に貫通孔12を形成すると共に、ゲート電極7に開口部8を形成する(ステップS8)。ここで、開口部8からはカソード電極5が露出される。
【0040】
ここで、当該犠牲層15の除去処理は、例えば、犠牲層15がドライフィルムレジストであれば、モノエタノールアミン有機溶剤や強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。また、犠牲層15が液状レジストであれば、アセトンや強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。
【0041】
上記のようなリフトオフ処理を施すことから、犠牲層15の厚さは、絶縁層6の厚さとゲート電極7の厚さとの和より大きいことが好ましい。
【0042】
次に、ゲート電極7をストライプ状にパターニングするために、図13に示すように、貫通孔12、開口部8を充填するように、ポジ型のフォトレジスト16をゲート電極7上に形成し、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、フォトレジスト16を所定の形状(つまり、ゲート電極7のストライプ状の配設パターン)にパターニングする(ステップS9)。
【0043】
次に、上記でパターニングされたフォトレジスト16をマスクとしてエッチング処理を施すことにより、ゲート電極7をカソード電極5の配設方向と垂直な方向に、ストライプ状にパターニングする(ステップS10)。その後、フォトレジスト16を除去した様子を図14に示す。
【0044】
次に、貫通孔12、開口部8を充填するように、基板4の加工面側(具体的に、絶縁膜6およびゲート電極7上)に犠牲層17を形成する。その後、開口部10aを有するマスク層10をマスクとして、基板4の下面側より露光処理を施し、現像することにより、図15に示すように、貫通孔12、開口部8に充填されていた犠牲層17を除去する(ステップS11)。
【0045】
ここで、ゲート電極7および絶縁膜6上には、犠牲層17が残存する。また、開口部8からは、カソード電極5が露出されている。
【0046】
次に、図16に示すように、カーボンナノチューブ等の導電性材料を含む電子放出材料13を、基板4の加工面側に対して形成する(ステップS12)。当該工程により、図16から分かるように、開口部8から露出していたカソード電極5上に電子放出材料13が形成されると共に、犠牲層17上にも電子放出材料13は形成される。
【0047】
次に、リフトオフ処理によって、犠牲層17を除去するとともに当該犠牲層17上に形成されている電子放出材料13を除去することにより、開口部8から露出していたカソード電極5上に電子放出材料13を残存させる(ステップS13)。
【0048】
以上の工程により、図3に示したカソード基板1が作成される。
【0049】
このように、本実施の形態に係る製造方法では、カソード電極5上の開口部8に対応する位置に犠牲層15を形成し、当該犠牲層15を覆うように絶縁膜6、ゲート電極7とを形成し、その後に、リフトオフ処理を施しているので、複数のエッチング液を使用する必要が無くなり、貫通孔12と開口部8とから構成される電子通過孔の径の大きさを、全電子通過孔に対して均一に作成することができる。また、貫通孔12と開口部8との位置ずれを防止することもできる。
【0050】
したがって、表示性能を左右する電子通過孔の形状が、大面積の範囲においても均一に形成することができ、大画面表示装置においても均一な表示画面を提供することができる。
【0051】
また、犠牲層15をカソード電極5上に残存させるために、犠牲層15を所定の形状にパターニングする必要があり、この際、所定の形状のマスクを形成するために、犠牲層15上にフォトレジスト等の別の感光性材料を形成することも考えられる。
【0052】
しかし、感光性を有する犠牲層15上に、別の感光性材料を形成することは非常に困難であり、正確な形状のマスクを形成することができない。
【0053】
そこで、基板4上に開口部10aを有するマスク層10を形成し、当該マスク層10をマスクとした基板1の下面側からの露光処理を施し、その後に現像処理を施すことにより、簡単な工程で、カソード電極5上に犠牲層15を正確な位置・大きさで残存させることができる。
【0054】
また、基板4上にマスク層10を形成し、当該マスク層10上に透明性を有するカソード電極5を形成しているので、透明性を有する基板4から入射する光を光をある程度遮断することができ、カソード電極5の視認性が向上する。したがって、例えばカソード電極5と駆動回路との結線を行い易くなる。
【0055】
さらに、電子放出材料13をカソード電極5上に形成する前に、犠牲層17をカソード基板1全面に形成し、その後の(マスク10を用いた)露光・現像処理により開口部8、貫通孔12以外の領域に犠牲層17を残存させているので、リフトオフ処理を採用することにより、カソード電極5とゲート電極7との間にショート経路が作成されずに、開口部8の下方のカソード電極5上にのみ、電子放出材料13を精度良く形成することができる。
【0056】
<実施の形態2>
本実施の形態2に係る冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極5の所定の位置に犠牲層15を形成し、その後に、犠牲層15を覆うように絶縁膜6とゲート電極7とを形成し、リフトオフ処理により犠牲層15を除去することにより、絶縁膜6およびゲート電極7に電子の通過孔となる貫通孔12と開口部8とを各々形成する点は、実施の形態1と同様である。
【0057】
しかし、本実施の形態では、図17で示すように、カソード電極5を覆うようにマスク層10が形成されている点において異なる。ここで、図17(a)は、本実施の形態に係る製造方法により作成された冷陰極表示装置を図2のA−A断面で切断した時の断面図であり、図17(b)は、図2のB−B断面で切断した時の断面図である。
【0058】
次に、工程断面図に基づいて、図17に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0059】
はじめに、図18に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に、透明性を有するカソード電極5をストライプ状に配設する。
【0060】
次に、実施の形態1と同様の方法により、カソード電極5を覆うように基板4上に、遮光性を有するマスク層10を形成し、当該マスク層10に開口部10aを形成する。これを図19に示す。ここで、マスク層10に形成される開口部10aの位置は、後に形成されるゲート電極7が有する開口部8に対応する位置である。
【0061】
その後の所定の形状の犠牲層15の形成(図20)、当該犠牲層15覆うような絶縁膜6・ゲート電極7の形成(図21)、およびリフトオフ処理による開口部8・貫通孔12の形成(図22)は、実施の形態1と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0062】
さらに、ゲート電極7のパターニング(図23)、犠牲層17の形成(図24)、電子放出材料13の形成(図25)、およびリフトオフ処理により開口部8から露出していたカソード電極5にのみ電子放出材料13を残存させる工程においても、実施の形態1と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0063】
以上の工程により、図17に示した構造のカソード基板1を形成することができる。
【0064】
このように、本実施の形態に係る製造方法では、カソード電極5を覆うようにマスク層10が形成されているので、カソード電極5とゲート電極7との間における絶縁耐圧が高くなる。
【0065】
なお、その他の製造方法は実施の形態1と同様なので、電子通過孔の大きさの均一性等の効果も有することは言うまでも無い。
【0066】
<実施の形態3>
本実施の形態3に係る冷陰極表示装置の製造方法は、ゲート電極23に形成される開口部8に対応する位置を遮光する第一のマスク層20と、カソード電極5とを有する基板4上に、感光性および透明性を有する絶縁膜22と感光性を有するゲート電極23とを当該順に形成し、第一のマスク層20をマスクとした露光処理を絶縁膜22、ゲート電極23に対して施した後に、一の現像液を用いた現像処理により、電子の通過孔となる貫通孔12と開口部8とを同時に形成する、ことが特徴である。
【0067】
図26に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図26(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図26(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0068】
図26から分かるように、透明性を有する基板4上には、ゲート電極23が有する開口部8に対応する位置を遮光する、第一のマスク層20が形成されている。そして、当該第一のマスク層20を覆うように、透明性を有するカソード電極5が基板4上に、ストライプ状に形成されている。
【0069】
また、ストライプ状に形成されるゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光する、第二のマスク層21が基板4上に形成されている。さらに、ゲート電極23が形成される位置に対応する基板4上には、カソード電極5の一部を覆うように、貫通孔12を有する絶縁膜22が形成され、当該絶縁膜22上には、開口部8を有するゲート電極23がストライプ状に配設されている。
【0070】
さらに、開口部8の下方のカソード電極5上には、カーボンナノチューブ等の電子放出材料13が形成されている。
【0071】
ここで、絶縁膜22およびゲート電極23は、共に感光性を有する材料が適用されており、かつ、絶縁膜22に関しては透明性も有している。
【0072】
次に、図27に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図26に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0073】
はじめに、図28に示すように、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に遮光性を有する第一のマスク層20を形成する(ステップS31)。
【0074】
ここで、遮光性の第一のマスク層20としては、実施の形態1と同様な材料を採用することができる。また、実施の形態1でも説明したように、第一のマスク層20の厚さは、次のカソード電極5の加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0075】
次に、ステップS31で形成された第一のマスク層20に対して、露光・現像・焼成処理等を施すことにより、図29に示すように、当該第一のマスク層20をパターニングする(ステップS32)。
【0076】
具体的に、第一のマスク層20のパターニングは、後に形成されるゲート電極23が有する開口部8に対応する位置を遮光することができるように、当該位置に第一のマスク層20が残存するようにパターニングされる。また、残存している第一のマスク層20の外形は、円形である。
【0077】
次に、図30に示すように、第一のマスク層20を覆うように、基板4上にカソード電極5がストライプ状に配設される(ステップS33)。ここで、カソード電極5の形成は、例えば通常のフォトリソグラフィ工程により行われる。また、カソード電極5は透明性を有している。
【0078】
次に、図31に示すように、カソード電極5を覆うように、基板4上に遮光性を有する第二のマスク層21を形成する(ステップS34)。
【0079】
ここで、第二のマスク層21を構成する材料として、第一のマスク層20を構成する材料と同一のものを使用することができる。また、第二のマスク層21の厚さは、次の絶縁膜22aの加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0080】
次に、図32に示すように、第二のマスク層21に対して、露光・現像・焼成処理等を施すことにより、当該第二のマスク層21をパターニングする(ステップS35)。
【0081】
ここで、当該パターニングは、後にストライプ状に形成されるゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光することができるように、当該位置に第二のマスク層21が残存させるようにパターニングされる。したがって、図32(a)で示した工程断面図には、第二のマスク層21が現れない。
【0082】
次に、図33に示すように、カソード電極5および第二のマスク層21を覆うように、基板4上に感光性および透明性を有する絶縁膜22aを形成する(ステップS36)。
【0083】
ここで、絶縁膜22aとして、ネガ型の感光性ガラスペーストを採用することができ、当該感光性のガラスペーストを採用した場合には、印刷・乾燥処理を施すことにより、絶縁膜22aは形成される。
【0084】
次に、第一のマスク層20および第二のマスク層21をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図34に示すように、第一のマスク層20および第二のマスク層21により遮光された部分の絶縁膜22aが除去される(ステップS37)。
【0085】
また、残存している絶縁膜22aに対して、約450〜550℃の温度で焼成処理を施すことにより、図34に示すように、当該絶縁膜22aは縮小する(ステップS37)。
【0086】
次に、図35で示すように、第二のマスク層21および絶縁膜22aを覆うように、カーボンナノチューブ等の導電性材料を含む電子放出材料13を形成する(ステップS38)。このとき、図35で示すように、第一のマスク層20の上方に存する、絶縁膜22aの開口部から露出しているカソード電極5上にも、電子放出材料13は形成される。
【0087】
次に、ステップS38で形成された電子放出材料13に対して、例えば研磨処理(平坦化処理)等を施すことにより、図36に示すように、第一のマスク層20の上方に存する、絶縁膜22aの開口部にのみ当該電子放出材料13を残存させる(ステップS39)。
【0088】
次に、図37に示すように、絶縁膜22a、電子放出材料13および第二のマスク層21を覆うように、感光性および透明性を有する絶縁膜22bを形成する(ステップS40)。ここで、絶縁膜22bとして、例えばネガ型の感光性ガラスペースト等を用いることができ、当該感光性ガラスペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該絶縁膜22bは形成される。
【0089】
次に、図38に示すように、絶縁膜22b上に感光性を有するゲート電極23を形成する(ステップS41)。ここで、ゲート電極23として、例えばネガ型の感光性銀ペースト等を用いることができ、当該感光性銀ペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該ゲート電極23は形成される。
【0090】
次に、第一のマスク層20および第二のマスク層21をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、一種類の弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図39に示すように、第一のマスク層20および第二のマスク層21により遮光された部分の絶縁膜22bおよびゲート電極23が除去される(ステップS42)。
【0091】
つまり、当該工程により、電子通過孔として、絶縁膜22bに貫通孔12が形成され、またゲート電極23に開口部8が形成される。
【0092】
その後、ステップS42までの工程を経たカソード基板1に対して、約450〜550℃の温度での焼成処理を施すことにより、絶縁膜22が形成される(ステップS43)。
【0093】
以上の工程により、図26で示したカソード基板1が形成される。
【0094】
このように、本実施の形態に係る製造方法では、絶縁膜22およびゲート電極23として感光性を有する材料を採用し、所定のマスクによる露光処理を行い、一の現像液による現像処理を施しているので、従来の技術のように、複数のエッチング液を用いたために発生していた電子通過孔の大きさの不均一性を防止することができる。つまり、簡易な製造方法により、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【0095】
また、第一のマスク層20を基板4上に設け、絶縁膜22として透過性をも有する材料を採用し、当該第一のマスク層20をマスクとした基板4の下面側からの露光処理を施し、その後に現像処理を施すことにより、ゲート電極23に形成される開口部8と絶縁膜22bに形成される貫通孔12とを、位置ずれが生ずること無く、簡単な工程で作成することができる。
【0096】
また、第二のマスク層21を絶縁膜22より下方に設け、所定の露光・現像処理を施すことにより、電子通過孔が作成されると同時に、ゲート電極23をストライプ状にパターニングすることができ、工程数の削減を図ることができる。
【0097】
本実施の形態では、ゲート電極23として感光性の材料のものを採用しているので、実施の形態1のように、当該ゲート電極23上に感光性を有する犠牲層17を形成することが困難である。したがって、その後の電子放出材料13を正確な位置に形成するが不可能となる。
【0098】
そこで、カソード電極5を覆うように絶縁膜22aを形成し、第一のマスク層20を通した露光処理を施し、現像処理を施すことにより、電子放出材料13を所定のカソード電極5上に形成するための開口部を、絶縁膜22aに設ける。その後、電子放出材料13を当該開口部から露出しているカソード電極5上に形成した後に、絶縁膜22bを設け、所定の厚さの絶縁膜22を作成している。
【0099】
したがって、上記のような犠牲層17を要する必要も無くなり、正確に電子放出材料13をカソード電極5上に作成することができる。さらに、当該方法を採用することにより、電子放出材料13を作成したとしても、ゲート電極23とカソード電極5との間に、当該電子放出材料13によるショート経路が形成することを防止することができる。
【0100】
また、基板4上に第一のマスク層20を形成し、当該第一のマスク層20上に透明性を有するカソード電極5を形成しているので、透明性を有する基板4から入射する光をある程度遮断することができ、カソード電極5の視認性が向上する。したがって、例えばカソード電極5と駆動回路との結線を行い易くなる。
【0101】
<実施の形態4>
本実施の形態4に係る冷陰極表示装置の製造方法は、実施の形態3で使われていた第一のマスク層として、電子放出材料を成長させる触媒層を採用し、当該触媒層である第一のマスク層をカソード電極上に形成することが特徴である。
【0102】
図40に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図40(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図40(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0103】
図40から分かるように、ゲート電極23に形成されている開口部8の下方のカソード電極5上には、触媒層である第一のマスク層31が形成されている。また、当該第一のマスク層31上には、カーボンナノチューブ等から成る電子放出材料13が形成されている。その他の構成は実施の形態3と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0104】
次に、図41に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図40に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0105】
はじめに、図42に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に、透明性を有するカソード電極5をストライプ状に配設する(ステップS41)。
【0106】
次に、カソード電極5を覆うように、基板4上に、触媒層である第一のマスク層31を形成した後に、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、図43に示すように、カソード電極5上に第一のマスク層31を残存させる(ステップS42)。
【0107】
ここで、第一のマスク層31として、例えば鉄系の薄膜材料を採用することができる。また、第一のマスク層31を残存させる位置は、後に形成されるゲート電極23が有する開口部8の位置に対応する位置である。
【0108】
次に、図44に示すように、カソード電極5および第一のマスク層31を覆うように、基板4上に第二のマスク層21を形成する(ステップS43)。
【0109】
次に、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、図45に示すように、後にストライプ状に配設されるゲート電極23の間に存する隙間の位置に対応する位置に、当該第二のマスク層21を残存させるように、第二のマスク層21のパターニングを行う(ステップS44)。ここで、第二のマスク層21は、実施の形態3に記載したものと同じ材質のものを採用することができる。
【0110】
次に、図46に示すように、カソード電極5、第一のマスク層31および第二のマスク層21を覆うように、感光性および透明性を有する絶縁膜22を形成する(ステップS45)。ここで、絶縁膜22として、例えばネガ型の感光性ガラスペースト等を用いることができ、当該感光性ガラスペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該絶縁膜22は形成される。
【0111】
次に、図47に示すように、絶縁膜22上に感光性を有するゲート電極23を形成する(ステップS46)。ここで、ゲート電極23として、例えばネガ型の感光性銀ペースト等を用いることができ、当該感光性銀ペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該ゲート電極23は形成される。
【0112】
次に、第一のマスク層31および第二のマスク層21をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、一種類の弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図48に示すように、第一のマスク層31および第二のマスク層21により遮光された部分の絶縁膜22およびゲート電極23が除去される。そして、当該現像処理を経たカソード基板1に対して、約450〜550℃の温度での焼成処理を施す(ステップS47)。
【0113】
つまり、当該工程により、電子通過孔として、絶縁膜22に貫通孔12が形成され、またゲート電極23に開口部8が形成される。また、開口部8からは、触媒層である第一のマスク層31が露出している。
【0114】
次に、触媒層である第一のマスク層31が露出している、カソード基板1に対して、例えば乾式成膜法等を施すことにより、触媒層である第一のマスク層31上にのみ選択的にカーボンナノチューブ等の電子放出材料13を形成する(ステップS48)。
【0115】
以上までの工程により、図40に示したカソード基板1が完成する。
【0116】
本実施の形態においても、感光性を有する絶縁膜22とゲート電極23とに対して、触媒層である第一のマスク層31をマスクとした露光処理を施し、その後に、一の現像液を用いて絶縁膜22およびゲート電極23の現像処理を施しているので、実施の形態3と同様に、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【0117】
さらに、本実施の形態では、第一のマスク層31として、電子放出材料13を成長させる触媒層を採用しているので、例えば、実施の形態3に示した製造工程よりも簡略な製造工程により、選択的にかつ正確な位置に電子放出材料13を形成することができる。
【0118】
<実施の形態5>
本実施の形態5に係る冷陰極表示装置の製造方法は、所定のリフトオフ処理により、ゲート電極23が有する開口部8に対応する位置に開口部が形成された、透明性を有する絶縁膜23aをカソード電極5上に形成する。そして、当該透明性を有する絶縁膜23a上に犠牲層44を形成し、犠牲層44およびカソード電極5上に電子放出材料13を形成する。その後、犠牲層44を除去することにより、カソード電極5の所定の領域にのみ電子放出材料13を残存させ、当該電子放出材料13および透明性を有する絶縁膜43aを覆うように、透明性および感光性を有する絶縁膜43bを形成することが特徴である。
【0119】
また、実施の形態3で記載した第一のマスク層20と第二のマスク層21とを同一層とし、当該同一層に形成されたマスク層41を覆うようにカソード電極5を形成する点においても特徴を有している。
【0120】
図49に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図49(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図49(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0121】
図49から分かるように、ガラス等からなる透明性を有する基板4上には、ストライプ状に形成されているゲート電極23に形成されている開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間の隙間に対応する位置を遮光するマスク層41が形成されている。また、当該マスク層41を覆うように、ストライプ状に透明性を有するカソード電極5が配設されている。
【0122】
また、マスク層41によって遮光されない領域(つまり、マスク層41の開口部の上方の領域)の基板4上には、カソード電極5を覆うように焼成された絶縁膜43が形成されている。さらに、当該絶縁膜43上にはゲート電極23が形成されており、当該絶縁膜43には貫通孔12が形成されており、ゲート電極23には開口部8が形成されている。
【0123】
ここで、絶縁膜43は、透明性を有する絶縁膜43aと感光性および透明性を有する絶縁膜43bとを当該順に積層し、当該積層状態の絶縁膜43a,43bに対して焼成処理を施すことにより、形成される。また、ゲート電極23は、感光性を有している。
【0124】
さらに、開口部8の下方のカソード電極5上、およびゲート電極23間に存する隙間の下方のカソード電極5上には、例えばカーボンナノチューブ等から成る電子放出材料13が形成されている。
【0125】
次に、図50に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図49に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0126】
はじめに、図51に示すように、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に遮光性を有するマスク層41を形成する(ステップS51)。
【0127】
ここで、マスク層41としては、実施の形態1と同様な材料を採用することができる。また、実施の形態1でも説明したように、マスク層41の厚さは、次のカソード電極5の加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0128】
次に、ステップS51で形成されたマスク層41に対して、露光・現像・焼成処理等を施すことにより、図52に示すように、当該マスク層41をパターニングする(ステップS52)。
【0129】
具体的に、マスク層41のパターニングは、後にストライプ状に形成されるゲート電極23が有する開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光することができるように、当該位置にマスク層41が残存するようにパターニングされる。
【0130】
次に、図53に示すように、マスク層41を覆うように、基板4上にカソード電極5がストライプ状に配設される(ステップS53)。ここで、カソード電極5の形成は、例えば通常のフォトリソグラフィ工程により行われる。また、カソード電極5は透明性を有している。
【0131】
次に、図54に示すように、カソード電極5を覆うように犠牲層42を形成する(ステップS54)。ここで、犠牲層42として、例えば、UV光に曝された部分が現像により溶解する、ポジ型のフォトレジスト等の材料を適用することができる。
【0132】
次に、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)より露光処理を施し、露光済みの犠牲層42をアルカリ性現像液を用いて現像することにより、図55に示すように、マスク層41の上方に形成されている(具体的に、開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間に存する隙間に対応する位置に形成されている)犠牲層42をカソード電極5上に残存させる(ステップS55)。
【0133】
次に、図56に示すように、カソード電極5を覆うように、透明性を有する絶縁膜43aを成膜形成する(ステップS56)。ここで、透明性を有する絶縁膜43aとして、例えば、印刷・焼成タイプのガラス材料等を採用することができる。
【0134】
次に、図57に示すように、犠牲層42を除去することにより、当該犠牲層42上に形成されている絶縁膜43aも同時に除去する(ステップS57)。当該工程により、マスク層41により遮光された部分のカソード電極5は、絶縁膜43aに形成された開口部から露出される。
【0135】
ここで、当該犠牲層42の除去処理は、例えば、犠牲層42がドライフィルムレジストであれば、モノエタノールアミン有機溶剤や強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。また、犠牲層42が液状レジストであれば、アセトンや強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。
【0136】
また、上記のような除去工程を正常に行うためには、犠牲層42の厚さは、絶縁膜43aの厚さよりも厚いことが好ましい。
【0137】
次に、絶縁膜43aおよび当該絶縁膜43aから露出しているカソード電極5を覆うように、ネガ型のフォトレジスト等の犠牲層44を形成する。その後、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)より露光処理を施し、露光済みの犠牲層44をアルカリ性現像液を用いて現像する(ステップS58)。
【0138】
当該工程により、図58に示すように、露光された部分の犠牲層44(つまり、透明性を有する絶縁膜43a上に形成されている犠牲層44)のみが残存する。したがって、現像されて除去された犠牲層44の位置において、再びカソード電極5が露出される。
【0139】
次に、図59に示すように、塗布法やCVD法等により、カソード基板1の加工面(つまり、露出しているカソード電極5上および絶縁膜43a上)に、カーボンナノチューブ等の電子放出材料13を形成する(ステップS59)。
【0140】
次に、図60に示すように、犠牲層44を除去することにより、当該犠牲層44上に形成されている電子放出材料13も同時に除去する(ステップS60)。当該工程(ステップS60)により、所定のカソード電極5上にのみ電子放出材料13が残存する。
【0141】
ここで、当該犠牲層44の除去処理は、上記した剥離液を用いて実施することができる。
【0142】
次に、図61に示すように、透明性を有する絶縁膜43aおよび電子放出材料13を覆うように、ネガ型の感光性および透明性を有する絶縁膜43bを形成する(ステップS61)。ここで、当該感光性および透明性を有する絶縁膜43bとして、例えば、印刷・焼成タイプのガラス材料に感光性を有する材料を加えたものを採用することができる。
【0143】
次に、図62に示すように、絶縁膜43b上に、感光性を有するゲート電極23を形成する(ステップS62)。ここで、ゲート電極23として、例えばネガ型の感光性銀ペースト等を用いることができ、当該感光性銀ペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該ゲート電極23は形成される。
【0144】
次に、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、一種類の弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図63に示すように、マスク層41により遮光された部分の絶縁膜43bおよびゲート電極23が除去される(ステップS63)。
【0145】
つまり、当該工程により、電子通過孔として、絶縁膜43bに貫通孔12が形成され、またゲート電極23に開口部8が形成される。
【0146】
その後、ステップS63までの工程を経たカソード基板1に対して、約450〜550℃の温度での焼成処理を施すことにより絶縁膜43が形成され、図49に示したカソード基板1が完成する(ステップS64)。
【0147】
以上が、本実施の形態に係る冷陰極表示装置が備えるカソード基板1の形成方法である。
【0148】
本実施の形態においても、感光性を有する絶縁膜43bとゲート電極23とに対して、マスク層41をマスクとした露光処理を施し、その後に、一の現像液を用いて絶縁膜43bおよびゲート電極23の現像処理を施しているので、実施の形態3と同様に、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【0149】
また、本実施の形態においても、ゲート電極23として感光性の材料のものを採用しているので、実施の形態1のように、当該ゲート電極23上に感光性を有する犠牲層17を形成することが困難である。したがって、その後の電子放出材料13を正確な位置に形成するが不可能となる。
【0150】
そこで、透明性を有する絶縁膜43aと感光性および透明性を有する絶縁膜43bとにより、絶縁膜43を構成し、開口部8に対応する位置に開口部を有する絶縁膜43aをカソード電極5上に形成した後に、当該絶縁膜43a上に犠牲層44を形成する。その後、絶縁膜43aに形成された開口部を充填するように、犠牲層44上に電子放出材料13を形成し、次に、犠牲層44のリフトオフ処理を施し、カソード電極5上にのみ電子放出材料13を形成する。
【0151】
これにより、感光性を有さない絶縁膜43a上への犠牲層44の形成を容易に行うことができ、正確に電子放出材料13をカソード電極5上の所定の位置に、選択的に作成することができる。
【0152】
さらに、リフトオフ処理後に、感光性・透明性を有する絶縁膜43bを設け、所定の厚さの絶縁膜43を作成しているので、ゲート電極23とカソード電極5との間に、当該電子放出材料13によるショート経路が形成することを防止することができる。
【0153】
また、絶縁膜43aに開口部8を形成するに際し、カソード電極5を覆うように犠牲層42を形成し、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、開口部8に対応する位置に犠牲層42を残存させ、犠牲層42の側面を覆うように、カソード電極5上に絶縁膜43aを形成し、その後、犠牲層42を除去することにより、絶縁膜43aに前記開口部を形成する方法を採用している。
【0154】
これにより、余分なマスクを要することなく、また、簡易な方法で、かつ、正確な位置に開口部を絶縁膜43aに形成することができる。
【0155】
また、絶縁膜43a上に犠牲層44を形成するに際し、絶縁膜43aに形成された開口部を充填するように、当該絶縁膜43a上に犠牲層44を形成し、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、前記開口部に充填されていた犠牲層44を除去し、当該開口部からカソード電極5を露出させると共に、絶縁膜43a上にのみ犠牲層44を残存させる方法を採用している。
【0156】
したがって、余分なマスクを要することなく、簡易な方法により、かつ、正確に絶縁膜43a上にのみ犠牲層44を形成すると共に、絶縁膜43aに形成された開口部からカソード電極5を露出させることができる。
【0157】
また、本実施の形態では、ストライプ状に配設される、ゲート電極23が有する開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光するマスク層41は、同一層に形成されているので、2層に分けてマスク層を形成した実施の形態3よりも、製造工程をより削減することができる。
【0158】
さらに、実施の形態3よりもカソード電極5下に形成される第一のマスク層20の遮光面積よりも、本実施の形態においてカソード電極5下に形成されるマスク層41の遮光面積の方が大きいので、透明性を有する基板4から入射する光をより遮断することができ、カソード電極5の視認性がさらに向上する。したがって、例えばカソード電極5と駆動回路との結線を行い易くなる。
【0159】
なお、上記各実施の形態において、図64に示すように、カソード電極5の開口部8に対応する領域以外の領域(つまり、電子放出材料13が形成される領域以外の領域)に、当該カソード電極5よりも低い抵抗率の導電体材料51を形成する工程を加えても良い。
【0160】
ここで、図64は、図49(a)に示したカソード基板1のカソード電極5に、低抵抗率の導電体材料51を形成した時の図である。
【0161】
低抵抗率の導電体材料51として、例えば、クロム、ニッケル、クロム/銅/クロムの積層体およびクロム/アルミニウムの積層体等の薄膜導電体材料を採用することができる。
【0162】
このように、カソード電極5に低抵抗率の導電体材料51を形成する工程をさらに加えることにより、全体として抵抗の低いカソード電極5を提供することができる。したがって、導電体材料51を形成しない場合に比べて、高階調の表示が可能となる。
【0163】
なお、図64では、カソード電極5の短部に導電体材料51を形成する場合について図示したが、当該導電体材料51は、カソード電極5の開口部8に対応する領域以外の領域に形成されるのであれば、どのような配置・形状で形成したもかまわない。
【0164】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(a)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(b)前記カソード電極上の前記第一の開口部に対応する位置に第一の犠牲層を形成する工程と、(c)前記カソード電極および前記第一の犠牲層上に、絶縁膜および前記ゲート電極を当該順で形成する工程と、(d)前記第一の犠牲層を除去することにより、前記絶縁膜に貫通孔を形成するとともに、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えているので、電子通過孔となる貫通孔および第一の開口部を作成するに際し、複数のエッチング液を使用する必要が無くなり、貫通孔と第一の開口部とから構成される電子通過孔の径の大きさを、全通過孔に対して均一に作成することができる。また、貫通孔と第一の開口部との位置ずれを防止することもできる。したがって、表示性能を左右する電子通過孔の形状が、大面積の範囲においても均一に形成することができ、大画面表示装置においても均一な表示画面を提供することができる。
【0165】
本発明の請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(A)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(B)前記カソード電極を覆うように、感光性を有する第一の絶縁膜を形成する工程と、(C)前記一の絶縁膜上に、感光性を有する前記ゲート電極を形成する工程と、(D)前記一の絶縁膜および前記ゲート電極に対して、所定の形状のマスクを用いて露光処理を行い、一の現像液を用いて現像処理を行うことにより、前記第一の開口部に対応する位置の前記第一の絶縁膜を除去すると共に、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えているので、従来の技術のように、複数のエッチング液を用いたために発生していた、電子通過孔の大きさの不均一性を防止することができる。つまり、簡易な製造方法により、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷陰極表示装置の構成の概略を示す分解斜視図である。
【図2】カソード基板を上方から見た拡大平面図である。
【図3】実施の形態1に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図8】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図9】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図10】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図11】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図12】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図13】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図14】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図15】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図16】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図17】実施の形態2に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図18】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図19】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図20】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図21】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図22】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図23】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図24】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図25】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図26】実施の形態3に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図27】実施の形態3に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図29】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図30】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図31】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図32】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図33】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図34】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図35】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図36】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図37】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図38】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図39】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図40】実施の形態4に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図41】実施の形態4に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図42】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図43】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図44】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図45】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図46】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図47】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図48】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図49】実施の形態5に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図50】実施の形態5に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図51】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図52】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図53】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図54】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図55】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図56】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図57】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図58】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図59】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図60】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図61】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図62】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図63】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図64】カソード電極に低抵抗率の導電体材料を形成した様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カソード基板、2 蛍光体表示板、3 枠ガラス、4 基板、5 カソード電極、6,43 絶縁膜、7 ゲート電極、8,10a 開口部、10,41マスク層、12 貫通孔、13 電子放出材料、15,17,42,44 犠牲層、16 フォトレジスト、20 第一のマスク層、21 第二のマスク層、22,22a,22b,43b 感光性および透明性を有する絶縁膜、23 感光性を有するゲート電極、31 触媒層である第一のマスク層、43a 透明性を有する絶縁膜、51 低抵抗率の導電性材料。
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷陰極表示装置の製造方法に係る発明であって、例えば、三極管構造の電界放出アレイの製造方法に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来、カーボンナノチューブ等の微細構造物質を電子放出材料として利用した冷陰極表示装置の製造方法として、例えば、製造工程中で形成された薄膜層自体をマスク層として使用することによって、三極管構造のカーボンナノチューブ電界放出アレイを製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る製造方法では、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などを利用して非晶質シリコン層を成膜し、当該非晶質シリコン層上に酸化層を形成し、当該酸化層上にゲート電極層を形成する。
【0004】
その後、リソグラフィ工程により、ゲート電極層に開口部を形成した後、当該ゲート電極層をマスクとしてエッチング処理を施すことにより、酸化層に開口部を形成する。
【0005】
次に、エッチング条件を変更し(例えば、前段のエッチング液と異なるエッチング液を使用する等)、酸化層をマスクとして非晶質シリコン層に開口部を形成する。
【0006】
最後に、ゲート電極層に対してライン状のパターニングを施した後、前記開口部を充填するように、ネガ型(紫外線に曝された部分が現像工程で残る)の感光性カーボンナノチューブペーストをスクリーン印刷法等により形成し、基板の背面から露光処理を行いカーボンナノチューブ層を透明電極上に形成するものであった。
【0007】
上記製造方法では、工程途中に形成された非晶質シリコン層をマスクとして、感光性カーボンナノチューブペーストの露光処理が行われているので、別途マスクを要する必要が無く、少数のマスク層の使用により、三極管構造のカーボンナノチューブ電界放出アレイを製造することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−245928号公報(第9,10,11,12図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記製造方法では、電子の通過孔となる開口部を形成するために、ゲート電極層に対するエッチング処理、酸化層に対するエッチング処理、および非晶質シリコン層に対するエッチング処理というように、複数のエッチング工程を踏まえなければならず、各エッチング工程毎に、酸性のエッチング液を交換する必要があった。
【0010】
成膜された絶縁層と電極層とに対する、開口部を形成するための当該複数回に渡るエッチング液の交換工程は、前回のエッチング液を完全に除去した後に新たなエッチング液を導入する必要があり、製造工程を複雑化していた。
【0011】
もし、全ての開口部においてエッチング液の交換が完全に行わず、一部の開口部において前回のエッチング液が完全に取り除かれない状態で、次のエッチング液を導入したなら、エッチング残渣等の問題が発生し、開口径の大きさが各開口部毎に異なって形成され、各開口部における面内均一性を保つことができなかった。
【0012】
このように、各開口部に対する開口径の面内均一性が低下すると、開口部に内に形成される、カーボンナノチューブ等からなる電子放出材料と透明カソード電極間との接続性が劣化し、表示発光の均一性に悪影響を及ぼすこともある。
【0013】
そこで、この発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、簡略な製造方法により、電子の通過孔となる開口部の開口径の面内均一性を確保することができる、冷陰極表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(a)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(b)前記カソード電極上の前記第一の開口部に対応する位置に第一の犠牲層を形成する工程と、(c)前記カソード電極および前記第一の犠牲層上に、絶縁膜および前記ゲート電極を当該順で形成する工程と、(d)前記第一の犠牲層を除去することにより、前記絶縁膜に貫通孔を形成するとともに、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えている。
【0015】
また、本発明に係る請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(A)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(B)前記カソード電極を覆うように、感光性を有する第一の絶縁膜を形成する工程と、(C)前記一の絶縁膜上に、感光性を有する前記ゲート電極を形成する工程と、(D)前記一の絶縁膜および前記ゲート電極に対して、所定の形状のマスクを用いて露光処理を行い、一の現像液を用いて現像処理を行うことにより、前記第一の開口部に対応する位置の前記第一の絶縁膜を除去すると共に、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えているものであってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、はじめに、本発明に係る製造方法を適用されることにより形成される、冷陰極表示装置の構成を図1に基づいて説明する。ここで、図1は、当該冷陰極表示装置の分解斜視図を示している。
【0017】
図1に示すように、冷陰極表示装置は、電子源(電子放出材料)アレイを作製したカソード基板1と、電子放出材料の位置に合わせてストライプ状あるいはドット状に形成された蛍光体を有する蛍光体表示板2と、当該カソード基板1と蛍光体表示板2とを一定間隔に保持・固定するための枠ガラス3とにより、構成される。
【0018】
なお、図中には示していないが、画面サイズが大きくなると枠ガラス3内部にも、カソード基板1と蛍光表示板2とを一定間隔に保つためのスペーサが必要となる。
【0019】
カソード基板1は、透明性を有する基板4と、基板4上にストライプ状に形成され透明性を有するカソード電極5と、当該基板4および当該カソード電極5を覆うように形成される絶縁膜6と、当該絶縁膜6上において、カソード電極5の配設方向と垂直な方向にストライプ状に形成されるゲート電極7とで構成されている。
【0020】
なお、図1には簡略化のために、各電極5,7は少数本しか図示していないが、本来これ以上の本数の電極5,7が配設されている。
【0021】
図2に、前述した構成のカソード基板1を上方から見た時の拡大平面図を示す。なお、カソード電極5は、絶縁膜6の下方に形成されるため、点線にて図示している。
【0022】
ここで、図1,2から分かるように、カソード電極5と重複するゲート電極7の部分には、開口部8が形成されており、当該開口部8と対応する位置の絶縁膜6には貫通孔が形成されている。また、開口部8、貫通孔から露出しているカソード電極5上には、図示していないが、電子放出材料が形成されている。
【0023】
上記のように構成された冷陰極表示装置において、カソード電極5に走査信号を入力し、ゲート電極7に画像信号を入力させ、カソード電極5と蛍光表示板2に設けたアノード電極(図示せず)の間に加速電圧を印加することにより、電子放出材料から電子が放出され、貫通孔および開口部8を通過して蛍光体に電子が衝突し、当該衝突により画像を表示させることができる。
【0024】
以下、この発明に係る冷陰極表示装置の製造方法を、その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】
<実施の形態1>
本実施の形態1に係る冷陰極表示装置の製造方法は、ゲート電極7に形成される開口部8に対応する位置のカソード電極5上に犠牲層15を形成し、その後、当該犠牲層15の側面部を覆うように、絶縁膜6とゲート電極7とを当該順にカソード電極5上に形成する。その後、リフトオフ処理により犠牲層15を除去することにより、絶縁膜6およびゲート電極7に電子の通過孔となる貫通孔12と開口部8とを各々形成する、ことが特徴である。
【0026】
図3に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図3(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図3(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0027】
図3から分かるように、透明性を有する基板4上には、ゲート電極7が有する開口部8に対応する位置に開口部10aを有する、遮光性のマスク層10が形成されている。そして、当該開口部10aを充填するように、透明性を有するカソード電極5がストライプ上に形成されている。
【0028】
また、カソード電極5とマスク層10を覆うように、貫通孔12を有する透明性の絶縁膜6が形成され、当該絶縁膜6上には、開口部8を有するゲート電極7がストライプ状に配設されている。さらに、開口部8から露出しているカソード電極5上には、カーボンナノチューブ等からなる電子放出材料13が形成されている。
【0029】
次に、図4に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図3に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0030】
はじめに、図5に示すように、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に遮光性を有するマスク層10を形成する(ステップS1)。
【0031】
ここで、遮光性のマスク層10としては、例えば黒色顔料を樹脂に分散させた感光性を有するペースト(感光性ガラスペースト)材料を用いることができ、この場合、感光性ガラスペースト材料を印刷し、乾燥させることにより、マスク層10が形成される。また、マスク層10の厚さは、次のカソード電極5の加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0032】
次に、マスク層10に対して露光・現像・焼成処理等を施すことにより、図6に示すように、当該マスク層10に開口部10aをパターニングする(ステップS2)。
【0033】
ここで、マスク層10に形成される開口部10aの外形は円形であり、当該開口部10aの形成される位置は、後に形成されるゲート電極7が有する開口部8に対応する位置である。
【0034】
次に、図7に示すように、マスク層10に形成された開口部10aを充填するように、マスク層10上にカソード電極5がストライプ状に配設される(ステップS3)。ここで、カソード電極5の形成は、例えば通常のフォトリソグラフィ工程により行われる。また、カソード電極5は、ITO(Indium TinOxide)膜等の透明性を有する電極である。
【0035】
次に、図8に示すように、カソード電極5およびマスク層10を覆うように、犠牲層15を形成する。ここで、犠牲層15として、ネガ型のフォトレジストを採用する。その後、開口部10aを有するマスク層10をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)より露光処理を施す(ステップS4)。
【0036】
次に、露光済みの犠牲層15をアルカリ性現像液を用いて現像することにより、図9に示すように、開口部10aの上方(つまり、ゲート電極7が有する開口部8に対応する位置)のカソード電極5上に、犠牲層15を残存させる(ステップS5)。
【0037】
次に、図10に示すように、カソード電極5、マスク層10および犠牲層15の側面部の一部を覆うように、透明性を有する絶縁膜6を形成し(ステップS6)、その後、図11に示すように、絶縁膜6および犠牲層15の側面部の残りの一部分を覆うように、ゲート電極7を形成する(ステップS7)。
【0038】
ここで、図10,11には示されていないが、犠牲層15の上部にも絶縁膜6およびゲート電極7が形成される。
【0039】
次に、犠牲層15のリフトオフ処理(犠牲層15の剥離処理)を施すことにより、図12に示すように、絶縁膜6に貫通孔12を形成すると共に、ゲート電極7に開口部8を形成する(ステップS8)。ここで、開口部8からはカソード電極5が露出される。
【0040】
ここで、当該犠牲層15の除去処理は、例えば、犠牲層15がドライフィルムレジストであれば、モノエタノールアミン有機溶剤や強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。また、犠牲層15が液状レジストであれば、アセトンや強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。
【0041】
上記のようなリフトオフ処理を施すことから、犠牲層15の厚さは、絶縁層6の厚さとゲート電極7の厚さとの和より大きいことが好ましい。
【0042】
次に、ゲート電極7をストライプ状にパターニングするために、図13に示すように、貫通孔12、開口部8を充填するように、ポジ型のフォトレジスト16をゲート電極7上に形成し、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、フォトレジスト16を所定の形状(つまり、ゲート電極7のストライプ状の配設パターン)にパターニングする(ステップS9)。
【0043】
次に、上記でパターニングされたフォトレジスト16をマスクとしてエッチング処理を施すことにより、ゲート電極7をカソード電極5の配設方向と垂直な方向に、ストライプ状にパターニングする(ステップS10)。その後、フォトレジスト16を除去した様子を図14に示す。
【0044】
次に、貫通孔12、開口部8を充填するように、基板4の加工面側(具体的に、絶縁膜6およびゲート電極7上)に犠牲層17を形成する。その後、開口部10aを有するマスク層10をマスクとして、基板4の下面側より露光処理を施し、現像することにより、図15に示すように、貫通孔12、開口部8に充填されていた犠牲層17を除去する(ステップS11)。
【0045】
ここで、ゲート電極7および絶縁膜6上には、犠牲層17が残存する。また、開口部8からは、カソード電極5が露出されている。
【0046】
次に、図16に示すように、カーボンナノチューブ等の導電性材料を含む電子放出材料13を、基板4の加工面側に対して形成する(ステップS12)。当該工程により、図16から分かるように、開口部8から露出していたカソード電極5上に電子放出材料13が形成されると共に、犠牲層17上にも電子放出材料13は形成される。
【0047】
次に、リフトオフ処理によって、犠牲層17を除去するとともに当該犠牲層17上に形成されている電子放出材料13を除去することにより、開口部8から露出していたカソード電極5上に電子放出材料13を残存させる(ステップS13)。
【0048】
以上の工程により、図3に示したカソード基板1が作成される。
【0049】
このように、本実施の形態に係る製造方法では、カソード電極5上の開口部8に対応する位置に犠牲層15を形成し、当該犠牲層15を覆うように絶縁膜6、ゲート電極7とを形成し、その後に、リフトオフ処理を施しているので、複数のエッチング液を使用する必要が無くなり、貫通孔12と開口部8とから構成される電子通過孔の径の大きさを、全電子通過孔に対して均一に作成することができる。また、貫通孔12と開口部8との位置ずれを防止することもできる。
【0050】
したがって、表示性能を左右する電子通過孔の形状が、大面積の範囲においても均一に形成することができ、大画面表示装置においても均一な表示画面を提供することができる。
【0051】
また、犠牲層15をカソード電極5上に残存させるために、犠牲層15を所定の形状にパターニングする必要があり、この際、所定の形状のマスクを形成するために、犠牲層15上にフォトレジスト等の別の感光性材料を形成することも考えられる。
【0052】
しかし、感光性を有する犠牲層15上に、別の感光性材料を形成することは非常に困難であり、正確な形状のマスクを形成することができない。
【0053】
そこで、基板4上に開口部10aを有するマスク層10を形成し、当該マスク層10をマスクとした基板1の下面側からの露光処理を施し、その後に現像処理を施すことにより、簡単な工程で、カソード電極5上に犠牲層15を正確な位置・大きさで残存させることができる。
【0054】
また、基板4上にマスク層10を形成し、当該マスク層10上に透明性を有するカソード電極5を形成しているので、透明性を有する基板4から入射する光を光をある程度遮断することができ、カソード電極5の視認性が向上する。したがって、例えばカソード電極5と駆動回路との結線を行い易くなる。
【0055】
さらに、電子放出材料13をカソード電極5上に形成する前に、犠牲層17をカソード基板1全面に形成し、その後の(マスク10を用いた)露光・現像処理により開口部8、貫通孔12以外の領域に犠牲層17を残存させているので、リフトオフ処理を採用することにより、カソード電極5とゲート電極7との間にショート経路が作成されずに、開口部8の下方のカソード電極5上にのみ、電子放出材料13を精度良く形成することができる。
【0056】
<実施の形態2>
本実施の形態2に係る冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極5の所定の位置に犠牲層15を形成し、その後に、犠牲層15を覆うように絶縁膜6とゲート電極7とを形成し、リフトオフ処理により犠牲層15を除去することにより、絶縁膜6およびゲート電極7に電子の通過孔となる貫通孔12と開口部8とを各々形成する点は、実施の形態1と同様である。
【0057】
しかし、本実施の形態では、図17で示すように、カソード電極5を覆うようにマスク層10が形成されている点において異なる。ここで、図17(a)は、本実施の形態に係る製造方法により作成された冷陰極表示装置を図2のA−A断面で切断した時の断面図であり、図17(b)は、図2のB−B断面で切断した時の断面図である。
【0058】
次に、工程断面図に基づいて、図17に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0059】
はじめに、図18に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に、透明性を有するカソード電極5をストライプ状に配設する。
【0060】
次に、実施の形態1と同様の方法により、カソード電極5を覆うように基板4上に、遮光性を有するマスク層10を形成し、当該マスク層10に開口部10aを形成する。これを図19に示す。ここで、マスク層10に形成される開口部10aの位置は、後に形成されるゲート電極7が有する開口部8に対応する位置である。
【0061】
その後の所定の形状の犠牲層15の形成(図20)、当該犠牲層15覆うような絶縁膜6・ゲート電極7の形成(図21)、およびリフトオフ処理による開口部8・貫通孔12の形成(図22)は、実施の形態1と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0062】
さらに、ゲート電極7のパターニング(図23)、犠牲層17の形成(図24)、電子放出材料13の形成(図25)、およびリフトオフ処理により開口部8から露出していたカソード電極5にのみ電子放出材料13を残存させる工程においても、実施の形態1と同様なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0063】
以上の工程により、図17に示した構造のカソード基板1を形成することができる。
【0064】
このように、本実施の形態に係る製造方法では、カソード電極5を覆うようにマスク層10が形成されているので、カソード電極5とゲート電極7との間における絶縁耐圧が高くなる。
【0065】
なお、その他の製造方法は実施の形態1と同様なので、電子通過孔の大きさの均一性等の効果も有することは言うまでも無い。
【0066】
<実施の形態3>
本実施の形態3に係る冷陰極表示装置の製造方法は、ゲート電極23に形成される開口部8に対応する位置を遮光する第一のマスク層20と、カソード電極5とを有する基板4上に、感光性および透明性を有する絶縁膜22と感光性を有するゲート電極23とを当該順に形成し、第一のマスク層20をマスクとした露光処理を絶縁膜22、ゲート電極23に対して施した後に、一の現像液を用いた現像処理により、電子の通過孔となる貫通孔12と開口部8とを同時に形成する、ことが特徴である。
【0067】
図26に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図26(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図26(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0068】
図26から分かるように、透明性を有する基板4上には、ゲート電極23が有する開口部8に対応する位置を遮光する、第一のマスク層20が形成されている。そして、当該第一のマスク層20を覆うように、透明性を有するカソード電極5が基板4上に、ストライプ状に形成されている。
【0069】
また、ストライプ状に形成されるゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光する、第二のマスク層21が基板4上に形成されている。さらに、ゲート電極23が形成される位置に対応する基板4上には、カソード電極5の一部を覆うように、貫通孔12を有する絶縁膜22が形成され、当該絶縁膜22上には、開口部8を有するゲート電極23がストライプ状に配設されている。
【0070】
さらに、開口部8の下方のカソード電極5上には、カーボンナノチューブ等の電子放出材料13が形成されている。
【0071】
ここで、絶縁膜22およびゲート電極23は、共に感光性を有する材料が適用されており、かつ、絶縁膜22に関しては透明性も有している。
【0072】
次に、図27に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図26に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0073】
はじめに、図28に示すように、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に遮光性を有する第一のマスク層20を形成する(ステップS31)。
【0074】
ここで、遮光性の第一のマスク層20としては、実施の形態1と同様な材料を採用することができる。また、実施の形態1でも説明したように、第一のマスク層20の厚さは、次のカソード電極5の加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0075】
次に、ステップS31で形成された第一のマスク層20に対して、露光・現像・焼成処理等を施すことにより、図29に示すように、当該第一のマスク層20をパターニングする(ステップS32)。
【0076】
具体的に、第一のマスク層20のパターニングは、後に形成されるゲート電極23が有する開口部8に対応する位置を遮光することができるように、当該位置に第一のマスク層20が残存するようにパターニングされる。また、残存している第一のマスク層20の外形は、円形である。
【0077】
次に、図30に示すように、第一のマスク層20を覆うように、基板4上にカソード電極5がストライプ状に配設される(ステップS33)。ここで、カソード電極5の形成は、例えば通常のフォトリソグラフィ工程により行われる。また、カソード電極5は透明性を有している。
【0078】
次に、図31に示すように、カソード電極5を覆うように、基板4上に遮光性を有する第二のマスク層21を形成する(ステップS34)。
【0079】
ここで、第二のマスク層21を構成する材料として、第一のマスク層20を構成する材料と同一のものを使用することができる。また、第二のマスク層21の厚さは、次の絶縁膜22aの加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0080】
次に、図32に示すように、第二のマスク層21に対して、露光・現像・焼成処理等を施すことにより、当該第二のマスク層21をパターニングする(ステップS35)。
【0081】
ここで、当該パターニングは、後にストライプ状に形成されるゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光することができるように、当該位置に第二のマスク層21が残存させるようにパターニングされる。したがって、図32(a)で示した工程断面図には、第二のマスク層21が現れない。
【0082】
次に、図33に示すように、カソード電極5および第二のマスク層21を覆うように、基板4上に感光性および透明性を有する絶縁膜22aを形成する(ステップS36)。
【0083】
ここで、絶縁膜22aとして、ネガ型の感光性ガラスペーストを採用することができ、当該感光性のガラスペーストを採用した場合には、印刷・乾燥処理を施すことにより、絶縁膜22aは形成される。
【0084】
次に、第一のマスク層20および第二のマスク層21をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図34に示すように、第一のマスク層20および第二のマスク層21により遮光された部分の絶縁膜22aが除去される(ステップS37)。
【0085】
また、残存している絶縁膜22aに対して、約450〜550℃の温度で焼成処理を施すことにより、図34に示すように、当該絶縁膜22aは縮小する(ステップS37)。
【0086】
次に、図35で示すように、第二のマスク層21および絶縁膜22aを覆うように、カーボンナノチューブ等の導電性材料を含む電子放出材料13を形成する(ステップS38)。このとき、図35で示すように、第一のマスク層20の上方に存する、絶縁膜22aの開口部から露出しているカソード電極5上にも、電子放出材料13は形成される。
【0087】
次に、ステップS38で形成された電子放出材料13に対して、例えば研磨処理(平坦化処理)等を施すことにより、図36に示すように、第一のマスク層20の上方に存する、絶縁膜22aの開口部にのみ当該電子放出材料13を残存させる(ステップS39)。
【0088】
次に、図37に示すように、絶縁膜22a、電子放出材料13および第二のマスク層21を覆うように、感光性および透明性を有する絶縁膜22bを形成する(ステップS40)。ここで、絶縁膜22bとして、例えばネガ型の感光性ガラスペースト等を用いることができ、当該感光性ガラスペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該絶縁膜22bは形成される。
【0089】
次に、図38に示すように、絶縁膜22b上に感光性を有するゲート電極23を形成する(ステップS41)。ここで、ゲート電極23として、例えばネガ型の感光性銀ペースト等を用いることができ、当該感光性銀ペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該ゲート電極23は形成される。
【0090】
次に、第一のマスク層20および第二のマスク層21をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、一種類の弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図39に示すように、第一のマスク層20および第二のマスク層21により遮光された部分の絶縁膜22bおよびゲート電極23が除去される(ステップS42)。
【0091】
つまり、当該工程により、電子通過孔として、絶縁膜22bに貫通孔12が形成され、またゲート電極23に開口部8が形成される。
【0092】
その後、ステップS42までの工程を経たカソード基板1に対して、約450〜550℃の温度での焼成処理を施すことにより、絶縁膜22が形成される(ステップS43)。
【0093】
以上の工程により、図26で示したカソード基板1が形成される。
【0094】
このように、本実施の形態に係る製造方法では、絶縁膜22およびゲート電極23として感光性を有する材料を採用し、所定のマスクによる露光処理を行い、一の現像液による現像処理を施しているので、従来の技術のように、複数のエッチング液を用いたために発生していた電子通過孔の大きさの不均一性を防止することができる。つまり、簡易な製造方法により、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【0095】
また、第一のマスク層20を基板4上に設け、絶縁膜22として透過性をも有する材料を採用し、当該第一のマスク層20をマスクとした基板4の下面側からの露光処理を施し、その後に現像処理を施すことにより、ゲート電極23に形成される開口部8と絶縁膜22bに形成される貫通孔12とを、位置ずれが生ずること無く、簡単な工程で作成することができる。
【0096】
また、第二のマスク層21を絶縁膜22より下方に設け、所定の露光・現像処理を施すことにより、電子通過孔が作成されると同時に、ゲート電極23をストライプ状にパターニングすることができ、工程数の削減を図ることができる。
【0097】
本実施の形態では、ゲート電極23として感光性の材料のものを採用しているので、実施の形態1のように、当該ゲート電極23上に感光性を有する犠牲層17を形成することが困難である。したがって、その後の電子放出材料13を正確な位置に形成するが不可能となる。
【0098】
そこで、カソード電極5を覆うように絶縁膜22aを形成し、第一のマスク層20を通した露光処理を施し、現像処理を施すことにより、電子放出材料13を所定のカソード電極5上に形成するための開口部を、絶縁膜22aに設ける。その後、電子放出材料13を当該開口部から露出しているカソード電極5上に形成した後に、絶縁膜22bを設け、所定の厚さの絶縁膜22を作成している。
【0099】
したがって、上記のような犠牲層17を要する必要も無くなり、正確に電子放出材料13をカソード電極5上に作成することができる。さらに、当該方法を採用することにより、電子放出材料13を作成したとしても、ゲート電極23とカソード電極5との間に、当該電子放出材料13によるショート経路が形成することを防止することができる。
【0100】
また、基板4上に第一のマスク層20を形成し、当該第一のマスク層20上に透明性を有するカソード電極5を形成しているので、透明性を有する基板4から入射する光をある程度遮断することができ、カソード電極5の視認性が向上する。したがって、例えばカソード電極5と駆動回路との結線を行い易くなる。
【0101】
<実施の形態4>
本実施の形態4に係る冷陰極表示装置の製造方法は、実施の形態3で使われていた第一のマスク層として、電子放出材料を成長させる触媒層を採用し、当該触媒層である第一のマスク層をカソード電極上に形成することが特徴である。
【0102】
図40に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図40(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図40(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0103】
図40から分かるように、ゲート電極23に形成されている開口部8の下方のカソード電極5上には、触媒層である第一のマスク層31が形成されている。また、当該第一のマスク層31上には、カーボンナノチューブ等から成る電子放出材料13が形成されている。その他の構成は実施の形態3と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0104】
次に、図41に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図40に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0105】
はじめに、図42に示すように、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に、透明性を有するカソード電極5をストライプ状に配設する(ステップS41)。
【0106】
次に、カソード電極5を覆うように、基板4上に、触媒層である第一のマスク層31を形成した後に、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、図43に示すように、カソード電極5上に第一のマスク層31を残存させる(ステップS42)。
【0107】
ここで、第一のマスク層31として、例えば鉄系の薄膜材料を採用することができる。また、第一のマスク層31を残存させる位置は、後に形成されるゲート電極23が有する開口部8の位置に対応する位置である。
【0108】
次に、図44に示すように、カソード電極5および第一のマスク層31を覆うように、基板4上に第二のマスク層21を形成する(ステップS43)。
【0109】
次に、通常のフォトリソグラフィ工程を施すことにより、図45に示すように、後にストライプ状に配設されるゲート電極23の間に存する隙間の位置に対応する位置に、当該第二のマスク層21を残存させるように、第二のマスク層21のパターニングを行う(ステップS44)。ここで、第二のマスク層21は、実施の形態3に記載したものと同じ材質のものを採用することができる。
【0110】
次に、図46に示すように、カソード電極5、第一のマスク層31および第二のマスク層21を覆うように、感光性および透明性を有する絶縁膜22を形成する(ステップS45)。ここで、絶縁膜22として、例えばネガ型の感光性ガラスペースト等を用いることができ、当該感光性ガラスペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該絶縁膜22は形成される。
【0111】
次に、図47に示すように、絶縁膜22上に感光性を有するゲート電極23を形成する(ステップS46)。ここで、ゲート電極23として、例えばネガ型の感光性銀ペースト等を用いることができ、当該感光性銀ペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該ゲート電極23は形成される。
【0112】
次に、第一のマスク層31および第二のマスク層21をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、一種類の弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図48に示すように、第一のマスク層31および第二のマスク層21により遮光された部分の絶縁膜22およびゲート電極23が除去される。そして、当該現像処理を経たカソード基板1に対して、約450〜550℃の温度での焼成処理を施す(ステップS47)。
【0113】
つまり、当該工程により、電子通過孔として、絶縁膜22に貫通孔12が形成され、またゲート電極23に開口部8が形成される。また、開口部8からは、触媒層である第一のマスク層31が露出している。
【0114】
次に、触媒層である第一のマスク層31が露出している、カソード基板1に対して、例えば乾式成膜法等を施すことにより、触媒層である第一のマスク層31上にのみ選択的にカーボンナノチューブ等の電子放出材料13を形成する(ステップS48)。
【0115】
以上までの工程により、図40に示したカソード基板1が完成する。
【0116】
本実施の形態においても、感光性を有する絶縁膜22とゲート電極23とに対して、触媒層である第一のマスク層31をマスクとした露光処理を施し、その後に、一の現像液を用いて絶縁膜22およびゲート電極23の現像処理を施しているので、実施の形態3と同様に、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【0117】
さらに、本実施の形態では、第一のマスク層31として、電子放出材料13を成長させる触媒層を採用しているので、例えば、実施の形態3に示した製造工程よりも簡略な製造工程により、選択的にかつ正確な位置に電子放出材料13を形成することができる。
【0118】
<実施の形態5>
本実施の形態5に係る冷陰極表示装置の製造方法は、所定のリフトオフ処理により、ゲート電極23が有する開口部8に対応する位置に開口部が形成された、透明性を有する絶縁膜23aをカソード電極5上に形成する。そして、当該透明性を有する絶縁膜23a上に犠牲層44を形成し、犠牲層44およびカソード電極5上に電子放出材料13を形成する。その後、犠牲層44を除去することにより、カソード電極5の所定の領域にのみ電子放出材料13を残存させ、当該電子放出材料13および透明性を有する絶縁膜43aを覆うように、透明性および感光性を有する絶縁膜43bを形成することが特徴である。
【0119】
また、実施の形態3で記載した第一のマスク層20と第二のマスク層21とを同一層とし、当該同一層に形成されたマスク層41を覆うようにカソード電極5を形成する点においても特徴を有している。
【0120】
図49に、本実施の形態に係る製造方法により作成されるカソード基板1の拡大断面図を示す。図49(a)は、図2のA−A断面を示す断面図であり、図49(b)は、図2のB−B断面を示す断面図である。
【0121】
図49から分かるように、ガラス等からなる透明性を有する基板4上には、ストライプ状に形成されているゲート電極23に形成されている開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間の隙間に対応する位置を遮光するマスク層41が形成されている。また、当該マスク層41を覆うように、ストライプ状に透明性を有するカソード電極5が配設されている。
【0122】
また、マスク層41によって遮光されない領域(つまり、マスク層41の開口部の上方の領域)の基板4上には、カソード電極5を覆うように焼成された絶縁膜43が形成されている。さらに、当該絶縁膜43上にはゲート電極23が形成されており、当該絶縁膜43には貫通孔12が形成されており、ゲート電極23には開口部8が形成されている。
【0123】
ここで、絶縁膜43は、透明性を有する絶縁膜43aと感光性および透明性を有する絶縁膜43bとを当該順に積層し、当該積層状態の絶縁膜43a,43bに対して焼成処理を施すことにより、形成される。また、ゲート電極23は、感光性を有している。
【0124】
さらに、開口部8の下方のカソード電極5上、およびゲート電極23間に存する隙間の下方のカソード電極5上には、例えばカーボンナノチューブ等から成る電子放出材料13が形成されている。
【0125】
次に、図50に示すフローチャートと工程断面図とに基づいて、図49に示したカソード基板1の製造方法について説明する。ここで、各工程断面図の(a)は、図2のA−A断面を示す工程断面図であり、(b)は、図2のB−B断面を示す工程断面図である。
【0126】
はじめに、図51に示すように、ガラス基板等の透明性を有する基板4上に遮光性を有するマスク層41を形成する(ステップS51)。
【0127】
ここで、マスク層41としては、実施の形態1と同様な材料を採用することができる。また、実施の形態1でも説明したように、マスク層41の厚さは、次のカソード電極5の加工性を阻害しないように、遮光性が確保できれば薄いほど好ましい。
【0128】
次に、ステップS51で形成されたマスク層41に対して、露光・現像・焼成処理等を施すことにより、図52に示すように、当該マスク層41をパターニングする(ステップS52)。
【0129】
具体的に、マスク層41のパターニングは、後にストライプ状に形成されるゲート電極23が有する開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光することができるように、当該位置にマスク層41が残存するようにパターニングされる。
【0130】
次に、図53に示すように、マスク層41を覆うように、基板4上にカソード電極5がストライプ状に配設される(ステップS53)。ここで、カソード電極5の形成は、例えば通常のフォトリソグラフィ工程により行われる。また、カソード電極5は透明性を有している。
【0131】
次に、図54に示すように、カソード電極5を覆うように犠牲層42を形成する(ステップS54)。ここで、犠牲層42として、例えば、UV光に曝された部分が現像により溶解する、ポジ型のフォトレジスト等の材料を適用することができる。
【0132】
次に、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)より露光処理を施し、露光済みの犠牲層42をアルカリ性現像液を用いて現像することにより、図55に示すように、マスク層41の上方に形成されている(具体的に、開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間に存する隙間に対応する位置に形成されている)犠牲層42をカソード電極5上に残存させる(ステップS55)。
【0133】
次に、図56に示すように、カソード電極5を覆うように、透明性を有する絶縁膜43aを成膜形成する(ステップS56)。ここで、透明性を有する絶縁膜43aとして、例えば、印刷・焼成タイプのガラス材料等を採用することができる。
【0134】
次に、図57に示すように、犠牲層42を除去することにより、当該犠牲層42上に形成されている絶縁膜43aも同時に除去する(ステップS57)。当該工程により、マスク層41により遮光された部分のカソード電極5は、絶縁膜43aに形成された開口部から露出される。
【0135】
ここで、当該犠牲層42の除去処理は、例えば、犠牲層42がドライフィルムレジストであれば、モノエタノールアミン有機溶剤や強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。また、犠牲層42が液状レジストであれば、アセトンや強アルカリ水酸化ナトリウム水溶液等の剥離液を用いて、実施することができる。
【0136】
また、上記のような除去工程を正常に行うためには、犠牲層42の厚さは、絶縁膜43aの厚さよりも厚いことが好ましい。
【0137】
次に、絶縁膜43aおよび当該絶縁膜43aから露出しているカソード電極5を覆うように、ネガ型のフォトレジスト等の犠牲層44を形成する。その後、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)より露光処理を施し、露光済みの犠牲層44をアルカリ性現像液を用いて現像する(ステップS58)。
【0138】
当該工程により、図58に示すように、露光された部分の犠牲層44(つまり、透明性を有する絶縁膜43a上に形成されている犠牲層44)のみが残存する。したがって、現像されて除去された犠牲層44の位置において、再びカソード電極5が露出される。
【0139】
次に、図59に示すように、塗布法やCVD法等により、カソード基板1の加工面(つまり、露出しているカソード電極5上および絶縁膜43a上)に、カーボンナノチューブ等の電子放出材料13を形成する(ステップS59)。
【0140】
次に、図60に示すように、犠牲層44を除去することにより、当該犠牲層44上に形成されている電子放出材料13も同時に除去する(ステップS60)。当該工程(ステップS60)により、所定のカソード電極5上にのみ電子放出材料13が残存する。
【0141】
ここで、当該犠牲層44の除去処理は、上記した剥離液を用いて実施することができる。
【0142】
次に、図61に示すように、透明性を有する絶縁膜43aおよび電子放出材料13を覆うように、ネガ型の感光性および透明性を有する絶縁膜43bを形成する(ステップS61)。ここで、当該感光性および透明性を有する絶縁膜43bとして、例えば、印刷・焼成タイプのガラス材料に感光性を有する材料を加えたものを採用することができる。
【0143】
次に、図62に示すように、絶縁膜43b上に、感光性を有するゲート電極23を形成する(ステップS62)。ここで、ゲート電極23として、例えばネガ型の感光性銀ペースト等を用いることができ、当該感光性銀ペーストを印刷・乾燥処理することにより、当該ゲート電極23は形成される。
【0144】
次に、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側(非加工面側)から露光処理を施し、その後、一種類の弱アルカリ性の現像液(濃度0.2〜0.4%の炭酸ソーダ)を用いた現像処理を施すことにより、図63に示すように、マスク層41により遮光された部分の絶縁膜43bおよびゲート電極23が除去される(ステップS63)。
【0145】
つまり、当該工程により、電子通過孔として、絶縁膜43bに貫通孔12が形成され、またゲート電極23に開口部8が形成される。
【0146】
その後、ステップS63までの工程を経たカソード基板1に対して、約450〜550℃の温度での焼成処理を施すことにより絶縁膜43が形成され、図49に示したカソード基板1が完成する(ステップS64)。
【0147】
以上が、本実施の形態に係る冷陰極表示装置が備えるカソード基板1の形成方法である。
【0148】
本実施の形態においても、感光性を有する絶縁膜43bとゲート電極23とに対して、マスク層41をマスクとした露光処理を施し、その後に、一の現像液を用いて絶縁膜43bおよびゲート電極23の現像処理を施しているので、実施の形態3と同様に、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【0149】
また、本実施の形態においても、ゲート電極23として感光性の材料のものを採用しているので、実施の形態1のように、当該ゲート電極23上に感光性を有する犠牲層17を形成することが困難である。したがって、その後の電子放出材料13を正確な位置に形成するが不可能となる。
【0150】
そこで、透明性を有する絶縁膜43aと感光性および透明性を有する絶縁膜43bとにより、絶縁膜43を構成し、開口部8に対応する位置に開口部を有する絶縁膜43aをカソード電極5上に形成した後に、当該絶縁膜43a上に犠牲層44を形成する。その後、絶縁膜43aに形成された開口部を充填するように、犠牲層44上に電子放出材料13を形成し、次に、犠牲層44のリフトオフ処理を施し、カソード電極5上にのみ電子放出材料13を形成する。
【0151】
これにより、感光性を有さない絶縁膜43a上への犠牲層44の形成を容易に行うことができ、正確に電子放出材料13をカソード電極5上の所定の位置に、選択的に作成することができる。
【0152】
さらに、リフトオフ処理後に、感光性・透明性を有する絶縁膜43bを設け、所定の厚さの絶縁膜43を作成しているので、ゲート電極23とカソード電極5との間に、当該電子放出材料13によるショート経路が形成することを防止することができる。
【0153】
また、絶縁膜43aに開口部8を形成するに際し、カソード電極5を覆うように犠牲層42を形成し、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、開口部8に対応する位置に犠牲層42を残存させ、犠牲層42の側面を覆うように、カソード電極5上に絶縁膜43aを形成し、その後、犠牲層42を除去することにより、絶縁膜43aに前記開口部を形成する方法を採用している。
【0154】
これにより、余分なマスクを要することなく、また、簡易な方法で、かつ、正確な位置に開口部を絶縁膜43aに形成することができる。
【0155】
また、絶縁膜43a上に犠牲層44を形成するに際し、絶縁膜43aに形成された開口部を充填するように、当該絶縁膜43a上に犠牲層44を形成し、マスク層41をマスクとして、基板4の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、前記開口部に充填されていた犠牲層44を除去し、当該開口部からカソード電極5を露出させると共に、絶縁膜43a上にのみ犠牲層44を残存させる方法を採用している。
【0156】
したがって、余分なマスクを要することなく、簡易な方法により、かつ、正確に絶縁膜43a上にのみ犠牲層44を形成すると共に、絶縁膜43aに形成された開口部からカソード電極5を露出させることができる。
【0157】
また、本実施の形態では、ストライプ状に配設される、ゲート電極23が有する開口部8に対応する位置、および当該ゲート電極23間に存する隙間に対応する位置を遮光するマスク層41は、同一層に形成されているので、2層に分けてマスク層を形成した実施の形態3よりも、製造工程をより削減することができる。
【0158】
さらに、実施の形態3よりもカソード電極5下に形成される第一のマスク層20の遮光面積よりも、本実施の形態においてカソード電極5下に形成されるマスク層41の遮光面積の方が大きいので、透明性を有する基板4から入射する光をより遮断することができ、カソード電極5の視認性がさらに向上する。したがって、例えばカソード電極5と駆動回路との結線を行い易くなる。
【0159】
なお、上記各実施の形態において、図64に示すように、カソード電極5の開口部8に対応する領域以外の領域(つまり、電子放出材料13が形成される領域以外の領域)に、当該カソード電極5よりも低い抵抗率の導電体材料51を形成する工程を加えても良い。
【0160】
ここで、図64は、図49(a)に示したカソード基板1のカソード電極5に、低抵抗率の導電体材料51を形成した時の図である。
【0161】
低抵抗率の導電体材料51として、例えば、クロム、ニッケル、クロム/銅/クロムの積層体およびクロム/アルミニウムの積層体等の薄膜導電体材料を採用することができる。
【0162】
このように、カソード電極5に低抵抗率の導電体材料51を形成する工程をさらに加えることにより、全体として抵抗の低いカソード電極5を提供することができる。したがって、導電体材料51を形成しない場合に比べて、高階調の表示が可能となる。
【0163】
なお、図64では、カソード電極5の短部に導電体材料51を形成する場合について図示したが、当該導電体材料51は、カソード電極5の開口部8に対応する領域以外の領域に形成されるのであれば、どのような配置・形状で形成したもかまわない。
【0164】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(a)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(b)前記カソード電極上の前記第一の開口部に対応する位置に第一の犠牲層を形成する工程と、(c)前記カソード電極および前記第一の犠牲層上に、絶縁膜および前記ゲート電極を当該順で形成する工程と、(d)前記第一の犠牲層を除去することにより、前記絶縁膜に貫通孔を形成するとともに、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えているので、電子通過孔となる貫通孔および第一の開口部を作成するに際し、複数のエッチング液を使用する必要が無くなり、貫通孔と第一の開口部とから構成される電子通過孔の径の大きさを、全通過孔に対して均一に作成することができる。また、貫通孔と第一の開口部との位置ずれを防止することもできる。したがって、表示性能を左右する電子通過孔の形状が、大面積の範囲においても均一に形成することができ、大画面表示装置においても均一な表示画面を提供することができる。
【0165】
本発明の請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、(A)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、(B)前記カソード電極を覆うように、感光性を有する第一の絶縁膜を形成する工程と、(C)前記一の絶縁膜上に、感光性を有する前記ゲート電極を形成する工程と、(D)前記一の絶縁膜および前記ゲート電極に対して、所定の形状のマスクを用いて露光処理を行い、一の現像液を用いて現像処理を行うことにより、前記第一の開口部に対応する位置の前記第一の絶縁膜を除去すると共に、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、備えているので、従来の技術のように、複数のエッチング液を用いたために発生していた、電子通過孔の大きさの不均一性を防止することができる。つまり、簡易な製造方法により、全ての電子通過孔の大きさを均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷陰極表示装置の構成の概略を示す分解斜視図である。
【図2】カソード基板を上方から見た拡大平面図である。
【図3】実施の形態1に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図4】実施の形態1に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図8】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図9】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図10】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図11】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図12】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図13】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図14】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図15】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図16】実施の形態1に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図17】実施の形態2に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図18】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図19】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図20】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図21】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図22】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図23】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図24】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図25】実施の形態2に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図26】実施の形態3に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図27】実施の形態3に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図29】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図30】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図31】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図32】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図33】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図34】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図35】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図36】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図37】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図38】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図39】実施の形態3に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図40】実施の形態4に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図41】実施の形態4に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図42】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図43】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図44】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図45】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図46】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図47】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図48】実施の形態4に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図49】実施の形態5に係る製造方法により作成されたカソード基板の構成を示す断面図である。
【図50】実施の形態5に係る製造方法の工程の順序を示すフローチャートである。
【図51】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図52】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図53】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図54】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図55】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図56】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図57】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図58】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図59】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図60】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図61】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図62】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図63】実施の形態5に係る製造方法を説明するための工程断面図である。
【図64】カソード電極に低抵抗率の導電体材料を形成した様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カソード基板、2 蛍光体表示板、3 枠ガラス、4 基板、5 カソード電極、6,43 絶縁膜、7 ゲート電極、8,10a 開口部、10,41マスク層、12 貫通孔、13 電子放出材料、15,17,42,44 犠牲層、16 フォトレジスト、20 第一のマスク層、21 第二のマスク層、22,22a,22b,43b 感光性および透明性を有する絶縁膜、23 感光性を有するゲート電極、31 触媒層である第一のマスク層、43a 透明性を有する絶縁膜、51 低抵抗率の導電性材料。
Claims (16)
- カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、
(a)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、
(b)前記カソード電極上の前記第一の開口部に対応する位置に第一の犠牲層を形成する工程と、
(c)前記カソード電極および前記第一の犠牲層上に、絶縁膜および前記ゲート電極を当該順で形成する工程と、
(d)前記第一の犠牲層を除去することにより、前記絶縁膜に貫通孔を形成するとともに、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、
備えていることを特徴とする冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(a)は、
透明性を有する前記カソード電極と、前記第一の開口部に対応する位置に第二の開口部を有する遮光性のマスク層とを備える、透明性を有する前記基板を用意する工程であり、
前記工程(b)は、
(b−1)前記カソード電極および前記マスク層を覆うように、感光性を有する前記第一の犠牲層を形成する工程と、
(b−2)前記マスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、現像することにより、前記カソード電極上の前記第一の開口部に対応する位置に前記第一の犠牲層を残存させる工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(a)は、
(a−1)前記基板上に前記マスク層を形成する工程と、
(a−2)前記第二の開口部を充填するように、前記マスク層上に前記カソード電極を配設する工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(a)は、
(a−3)前記基板上に前記カソード電極を配設する工程と、
(a−4)前記第二の開口部から前記カソード電極が露出されるように、前記カソード電極上に、前記マスク層を形成する工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - (f)前記貫通孔および前記第一の開口部を充填するように、前記基板の加工面側に、感光性を有する第二の犠牲層を形成する工程と、
(g)前記マスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、現像することにより、前記貫通孔および前記第一の開口部に充填されている部分の前記第二の犠牲層を除去する工程と、
(h)前記工程(g)の後に、前記基板の加工面側に対して、電子放出材料を形成する工程と、
(i)前記工程(g)で除去されずに残っている、前記第二の犠牲層を除去するとともに、当該第二の犠牲層上に形成されている前記電子放出材料を除去することにより、前記第一の開口部の下方の前記カソード電極上に前記電子放出材料を残存させる工程とを、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - カソード電極と、当該カソード電極の上方に配設され、当該カソード電極と重複する領域に第一の開口部を有するゲート電極とを、有する冷陰極表示装置の製造方法であって、
(A)前記カソード電極が配設された基板を用意する工程と、
(B)前記カソード電極を覆うように、感光性を有する第一の絶縁膜を形成する工程と、
(C)前記一の絶縁膜上に、感光性を有する前記ゲート電極を形成する工程と、
(D)前記一の絶縁膜および前記ゲート電極に対して、所定の形状のマスクを用いて露光処理を行い、一の現像液を用いて現像処理を行うことにより、前記第一の開口部に対応する位置の前記第一の絶縁膜を除去すると共に、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程とを、
備えていることを特徴とする冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(A)は、
透明性を有する前記カソード電極と、前記第一の開口部に対応する位置を遮光する第一のマスク層とを備える、透明性を有する前記基板を用意する工程であり、
前記工程(B)は、
透明性を有する第一の絶縁膜を形成する工程であり、
前記工程(D)は、
前記第一のマスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、前記現像処理を行うことにより、前記第一のマスク層により遮光された部分の前記第一の絶縁膜を除去すると共に、前記ゲート電極に前記第一の開口部を形成する工程である、
ことを特徴とする請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記ゲート電極は、複数配設されており、
前記工程(A)は、
前記ゲート電極間に存する隙間に対応する位置を遮光する第二のマスク層を、さらに備えている前記基板を用意する工程であり、
前記工程(D)は、
前記第二のマスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、前記現像処理を行うことにより、前記第二のマスク層により遮光された部分の前記第一の絶縁膜および前記ゲート電極を除去する工程を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(A)は、
(A−1)前記基板上に前記第一のマスク層を形成する工程と、
(A−2)前記第一のマスク層を覆うように、前記カソード電極を配設する工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(B)は、
(B−1)前記カソード電極を覆うように、感光性および透明性を有する第二の絶縁膜を形成する工程と、
(B−2)前記第一のマスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、前記第二の絶縁膜の前記第一の開口部に対応する位置から前記カソード電極が露出する第二の開口部を、当該第二の絶縁膜に形成する工程と、
(B−3)前記第二の開口部を充填するように、前記第二の絶縁膜上に電子放出材料を形成する工程と、
(B−4)前記第二の絶縁膜上の前記電子放出材料を除去することにより、前記第二の開口部から露出していた前記カソード電極上に、前記電子放出材料を残存させる工程と、
(B−5)前記工程(B−4)の後に、前記第二の絶縁膜および前記電子放出材料を覆うように、前記第一の絶縁膜を形成する工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(A)は、
(A−3)前記基板上にカソード電極を配設する工程と、
(A−4)前記カソード電極上に、電子放出材料の触媒層となる前記第一のマスク層を形成する工程とを、備えており、
(E)前記工程(D)の後に、触媒層である前記第一のマスク層上に電子放出材料を成長させる工程を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(B)は、
(B−a)前記第一の開口部に対応する位置に形成された第二の開口部を有する、透明性を有する第二の絶縁膜を、前記カソード電極上に形成する工程と、
(B−b)前記第二の絶縁膜上に、第一の犠牲層を形成する工程と、
(B−c)前記第二の開口部を充填するように、前記第一の犠牲層上に電子放出材料を形成する工程と、
(B−d)前記第一の犠牲層を除去することにより、前記第二の開口部の下方の前記カソード電極上に前記電子放出材料を残存させる工程と、
(B−e)前記工程(B−d)の後に、前記第二の絶縁膜および前記電子放出材料を覆うように、前記感光性および透明性を有する第一の絶縁膜を形成する工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - (F)前記カソード電極を覆うように、感光性を有する第二の犠牲層を形成し、前記第一のマスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、前記第一の開口部に対応する位置に当該第二の犠牲層を残存させる工程を、さらに備えており、
前記工程(B−a)は、
(B−a−1)前記カソード電極および前記第二の犠牲層上に、前記第二の絶縁膜を形成する工程と、
(B−a−2)前記第二の犠牲層を除去することにより、前記第二の絶縁膜に前記第二の開口部を形成する工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項12に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(B−b)は、
(B−b−1)前記第二の開口部を充填するように、前記第二の絶縁膜上に、感光性を有する前記第一の犠牲層を形成する工程と、
(B−b−2)前記第一のマスク層をマスクとして、前記基板の下面側より露光処理を施し、現像処理を施すことにより、前記第二の開口部に充填されていた前記第一の犠牲層を除去することにより、当該第二の開口部から前記カソード電極を露出させる工程とを、備えている、
ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(A)は、
(A−10)前記基板上に前記第一のマスク層を形成する工程と、
(A−20)前記第一のマスク層を覆うように、前記カソード電極を配設する工程とを、備えており、
前記第一のマスク層と前記第二のマスク層とが同一層となった、マスク層を備える基板を用意する工程である、
ことを特徴とする請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記カソード電極の前記第一の開口部に対応する領域以外の領域上に、当該カソード電極よりも低い抵抗率の導電体材料を形成する工程を、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項1または請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法。
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