JP2004361807A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて簡便な方法により、液晶の吐出痕や配向の変化、画素の横方向の電界や光の影響が生じ難い、かつ製造工程の短縮や製造材料を削減したカラーフィルタを有する液晶装置、また、可撓性を有する基板の曲げに対してより信頼性の高い液晶装置、を提供する。
【解決手段】一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、一対の基板にマトリックス状に形成された画素領域と、画素領域に対応して特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有し、一対の基板上に配置され、画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び走査線が樹脂を含む導電性材料で形成され、一対の基板の一方の基板上で、カラーフィルタの異なる色に対応する画素領域間に隔壁が少なくとも形成され、隔壁で形成される凹部内にカラーフィルタ層と画素電極層と液晶材料層とが一方の基板側から順次配置される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶装置および液晶装置の製造方法として、下記特許文献1及び特許文献2に記載されているような方法が知られている。
【0003】
特許文献1では、スイッチング素子に電気的に接続される画素電極の形成領域に、色材と導電性材料が混合されたインクをインクジェット方式で吐出する工程により、導電性のカラーフィルタを形成するアクティブマトリクス基板の製造方法が開示されている。この方法によって、製造工程が簡略で、製造歩留まりの高い液晶表示装置が得られることが記載されている。
【0004】
特許文献2では、一対の電極基板間に形成された規則的なパターンの高分子材料からなる堰に液晶が分割され独立して封入された構成で、異なる色のカラー液晶をインクジェット方法により該堰に囲まれたセルに充填して封入されるカラー液晶表示素子の製造方法が開示されている。この方法によって、高価なカラーフィルタを使用せずに、経済的に画質の優れたフルカラー液晶表示素子が製造できることが記載されている。また、フレキシブルな基板を用いた場合にも液晶層の厚みを均一、かつ一定に保持できることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−214425号公報
【特許文献2】
特開平11−142829号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の液晶装置では、遮光層であるブラックマトリクスの凹部、もしくはブラックマトリクス上に絶縁層を形成し、その凹部に溶媒と色材及び導電性材料を混合した液滴を吐出し、その後、乾燥、硬化が行われて導電性カラーフィルタが形成される。この導電性カラーフィルタの製造方法では、乾燥によって溶媒がなくなり導電性カラーフィルタの体積が減少し、その結果、導電性カラーフィルタと遮光層、もしくは導電性カラーフィルタと遮光層及びその上部の絶縁層の間に段差ができてしまうことになる。この状態で液晶を注入すると、この段差により液晶層の配向が変化してしまい、画質を低下させてしまうことになる。また、平坦化膜などを形成するか、あるいは液晶に接する配向膜にてこの段差の平坦化を行う場合、画素電極である導電性カラーフィルタと液晶間の膜厚が厚くなり、液晶に印加される電圧が減少し、画質低下の原因となってしまう。
【0007】
さらに、上記特許文献1では、アクティブマトリクス基板に対向基板を張り合わせ、液晶が封入されて液晶装置が形成されることになるが、一対の基板を張り合わせた後、基板を貼り合せるシール材の一部などに設けられた注入口から液晶を注入する方法では、注入口から基板内部に液晶が広がっていく円弧状の吐出痕が残ってしまう。また、基板を張り合わせる前に、基板を貼り合せるシール材の内側に液晶を吐出する方法で、ディスペンサー法などにより基板の中央に吐出して基板全面に広げる場合であっても、吐出した後、円弧状に液晶が広がる吐出痕が残ってしまう。さらに、インクジェット装置などの液滴吐出装置で液晶を注入する場合においては、ライン状にインクジェットヘッドを移動させながら液晶を吐出することになり、その後、ライン状に吐出された液晶がライン間で移動して表面が均一な高さとなって液晶層を形成するが、この場合でもライン状の吐出痕が残ってしまう。その結果、吐出痕により液晶装置の画質を低下させてしまうことになる。
【0008】
一方、特許文献2に記載のカラー液晶表示素子では、異なるカラー液晶は独立して封入される必要があり、一対の基板を封止する際、空気の混入をさけるため、堰内に基準量、すなわち堰の体積と同じ体積のカラー液晶を注入することになり、異なるカラー液晶間の混入の可能性を高くしてしまう。カラー液晶の混入の結果、液晶表示素子の画質を低下させてしまうことになる。
【0009】
また、特許文献2に記載の液晶表示素子では、基板に形成される電極はインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)で形成されており、フレキシブルな一対の基板を用いた場合、基板の撓みの繰り返しによって、フレキシブル基板から電極がはがれたり、延在する電極が断線するなどによって表示画質の信頼性を低下してしまうことになる。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、極めて簡便な方法により、吐出痕が発生せず、かつ隔壁間の液晶材料の混入による問題を発生させることなく、画質の安定したカラーフィルタを含む液晶装置、また、可撓性を有する基板の曲げに対して、より信頼性の高い液晶装置と、容易な液晶装置の製造方法、及び該液晶装置を備えた電子機器とを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の液晶装置は、一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置であって、前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線が樹脂を含む導電性材料で形成され、前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁が少なくとも形成され、前記隔壁で形成される凹部内に、カラーフィルタ層と画素電極層と液晶材料層と、が前記一方の基板側から順次配置されることを特徴とする。
【0012】
ここで、本発明の液晶装置は、一方の基板にデータ線と走査線で構成され、その交点である画素領域のスイッチング素子、例えばトランジスタで形成されるTFT(Thin Film Transistor)素子やTFD(Thin Film Diode)素子などによって選択的、タイミング的に画素電極にデータ線が接続され、他方の基板に共通電極が形成されるアクティブ型の液晶装置を構成することが可能である。また、一方の基板にデータ線が形成され、他方の基板で前記データ線と直交する方向に配置された走査線が形成され、その交点を画素領域として形成されるパッシブ型の液晶装置であっても同様に構成することが可能である。
【0013】
本発明の液晶装置は、カラーフィルタの隣接画素の異なる色に対応して前期画素領域間に隔壁が形成されているが、液晶装置の画素領域の大きさは50−500μm平方程度であり、1辺の長さが100μm以下程度の大きさとなっている。この画素領域の複数にわたって隔壁が形成されていることになるが、この隔壁で形成される凹部の大きさは、液晶装置の表示領域全体からすると非常に小さい領域に区画されていることになる。ここで、この凹部内に液晶を注入する場合、非常に小さい隔壁の凹部内の全面にわたるよう、凹部体積と同じ体積の液晶を注入することは容易に可能である。
【0014】
このような液晶装置によると、一方の基板の隔壁で形成される凹部内にカラーフィルタ層、画素電極層、液晶材料層を順次配置することから、カラーフィルタ層は境界のない状態となり段差が発生することがない。複数の画素領域が隔壁で形成される凹部内に形成される場合は、前述のようにカラーフィルタ層は境界がなく、画素電極層のみに境界が発生し、段差が生じることになる。しかし、画素電極層は50−500μm平方程度の略矩形で形成されており、その比抵抗は動作上それほど問題にならず、層厚を薄くすることが可能である。従って、段差の平坦化膜を形成しても、平坦化膜による影響を最小限にすることが可能である。
【0015】
画素領域に対応して隔壁を形成する方法はさらに好ましく、画素電極層とカラーフィルタ層には段差が発生せず、平坦化膜などを形成する必要がない。画素電極層上には直接液晶材料層が形成されるか、もしくは液晶材料層の配向を制御する配向膜だけとなり、画素電極への印加電圧の低下を最小限に液晶材料層に電圧を印加することができ、画質を悪化させることがない。
【0016】
また、パッシブ型の液晶装置のように一方の基板にデータ線、他方の基板に走査線である走査電極が配置される構成では、一方の基板の隔壁で形成される凹部内にデータ線と接続される画素電極層と液晶材料層とが配置されており、下側基板と上側基板の合わせずれが発生した場合であっても、液晶材料層への他画素からの横方向の電界は、隔壁を介して液晶材料層に印加されることになり、合わせずれによる影響を小さくすることが可能である。
【0017】
さらに、隔壁で形成される凹部内に液晶材料層を形成することにより、液晶材料が注入されてから広がる事がなく吐出痕を発生させることがない。また、吐出痕が発生したとしても隔壁との境界であり、表示状態では隔壁に隠れてしまい、液晶装置の画質を低下させることがない。
加えて、液晶装置が完成した後、可撓性を有する基板であっても、隔壁で形成される凹部内に液晶材料層が形成されているため、液晶装置に加えられた圧力などによって基板が撓んだ場合でも液晶材料が移動することがなく、その結果、液晶材料の移動による液晶材料の配向が変化することなく、画質の良い、信頼性の高い液晶装置が得られる。
【0018】
さらに、一対の基板に配置され延在している複数のデータ線及び複数の走査線は樹脂を含む導電性材料で形成され、また一方の基板に形成された隔壁が樹脂を含んでいるため、基板の撓みなどのストレスが樹脂材料により緩和されることになり、データ線、走査線及び隔壁の基板からのはがれ、あるいは亀裂や断線などの発生し難い液晶装置が得られる。この場合、カラーフィルタ層と画素電極層は隔壁の凹部内に形成されており、その大きさは画素領域50−500μmの数倍程度以下であり、液晶装置の表示領域全体からすると非常に小さく、基板の撓みなどのストレスに対して加わる応力は小さく、その影響を受けにくい。
【0019】
本発明によれば、隔壁で形成される凹部内に液晶材料が注入されるが、それぞれの凹部内に注入される液晶材料は同じであり、混入による問題は発生しない。従って、隔壁で形成される凹部の体積と同じ体積の液晶を注入しても画質を悪化させる問題は発生せず、容易に一対の基板を貼り合せることが可能である。
また、隔壁が樹脂材料で形成されており、一対の基板の張り合わせ時の圧力などで隔壁が極わずか変形することも想定されるが、液晶材料が隔壁で形成される凹部内からあふれる場合であって、それぞれの凹部間で液晶の移動が生じても、同じ液晶材料であり画質に影響を与えることがない。
【0020】
本発明の他の液晶装置は、一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置であって、前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線が樹脂を含む導電性材料で形成され、前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁が少なくとも形成され、前記隔壁で形成される凹部内に、導電性カラーフィルタ層と液晶材料層と、が前記一方の基板側から順次配置されることを特徴とする。
【0021】
このような液晶装置においても、吐出痕が発生しない、混色の問題がない、撓みの耐性などの本発明の液晶装置と同様の効果を得ることができる。さらに、一方の基板の画素領域には導電性カラーフィルタ層のみ、もしくは導電性カラーフィルタ層と配向膜のみであり、容易にかつ安価に製造できることになる。
【0022】
本発明における液晶装置では、液晶材料層を区画する隔壁が遮光性材料を含むことがより好ましい。このような構成は、従来のカラーフィルタの構成と同じであり、製造工程を増加することなく形成することができる。
この構成によれば、カラーフィルタの隣接画素が異なる色に対応して画素領域間に隔壁が少なくとも形成され、その隔壁で形成される凹部内にカラーフィルタ層、画素電極層が形成されると共に、液晶材料層が隔壁内に区画されて形成されることになり、同じ色表示の画素で独立した構成の液晶装置を実現できることになる。その結果、液晶装置内部において、光の反射、他画素からの電界の影響の受けにくい、画質の安定した液晶装置を得ることができる。同色の画素は同一の隔壁で形成される凹部内に形成されており、その凹部内の他の画素電極からの電界の影響を受けても、表示する色は同じであり、表示画質に影響することはない。
加えて、隔壁を画素領域単位に区画することはさらに好ましく、光と電界に対して画素単位で独立した画素となり、画質の安定した液晶装置を得ることができる。
【0023】
本発明の隔壁の高さは、前記一対の基板間隔と等しく設定されており、別途シール材を配置すること、あるいはスペーサ材を液晶材料層に分散させるなどを行うことなく基板間隔(セルギャップ)を形成し、液晶を封入することが可能であり、製造工程の短縮、材料の削減によって製造コストを安くすることができる。この場合、隔壁による一対の基板の張り合わせは、隔壁全体に接着材を塗布し、一対の基板を貼り合せることで、液晶装置の強度を向上することができる。その結果、基板の厚さを薄くすることができ、軽量かつ薄型の液晶装置を得ることができる。
加えて、各隔壁の凹部内に液晶材料層が封入されることになり、液晶装置を曲げた状態であっても液晶材料層の厚さの変化は小さく、この状態においても表示画質を極端に悪くすることがない。従って、一対の基板の厚さと同程度の薄型の液晶装置の構成が可能であり、円弧状に曲げて表示を行うことも可能になる。
【0024】
本発明における液晶装置では、カラーフィルタ層と画素電極層が樹脂を含む構成がより好ましい。また、本発明の他の液晶装置では、導電性カラーフィルタ層が樹脂を含む構成がより好ましい。この構成では、基板上に延在するデータ線、走査線及び隔壁が樹脂を含む構成であることに加えて、隔壁の凹部内に形成される上記要素も含めて、液晶装置を構成する主要な要素が樹脂を含む構成となる。その結果、液晶装置の撓みなどで加わるストレスを樹脂により緩和することができ、上述の薄型の液晶装置や円弧状に曲げて表示を行う際の信頼性をさらに向上できる。
【0025】
本発明の液晶装置は、パッシブ型の液晶装置である場合に特に有効である。前述のようにパッシブ型の液晶装置では、一方の基板にデータ線、他方の基板に走査線である走査電極が形成されている。また、その場合のデータ線及び走査線は画素領域における画素電極として機能する領域に形成されることになり、画素電極の大きさである10−50μm程度の幅となり、ITO、SnO(酸化錫)などの微粒子材料と樹脂で必要な抵抗値に対して膜厚をあまり厚くすることなく容易に形成可能である。その結果、極薄型や円弧状に曲げて表示を行う液晶装置を、前述のように製造工程、製造材料の削減により安価に実現できる。
【0026】
次に、本発明の液晶装置の製造方法は、一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された複数の画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置の製造方法であって、前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線を樹脂を含む導電性材料で形成する工程と、前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁を少なくとも形成する工程と、前記隔壁で形成される凹部内に、カラーフィルタ層と画素電極層と液晶材料層と、を前記一方の基板側から順次形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、前記隔壁で形成される凹部内に、導電性カラーフィルタ層と液晶材料層と、が前記一方の基板から順次形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0027】
このような液晶装置の製造方法によると、新たな製造工程や材料を用いることなく、前述のように製造工程、材料の削減を達成した液晶装置を製造することができる。
また、本発明の液晶装置の製造方法は、隔壁で形成される凹部内に導電性カラーフィルタ層と液晶材料層とが配置される構成を含み、製造工程のさらに削減された液晶装置を得ることができる。
【0028】
本発明では、カラーフィルタ層と画素電極層と液晶材料層、または導電性カラーフィルタ層と液晶材料層、のそれぞれの少なくとも1層が液滴吐出装置により材料液を吐出することによって形成されることが含まれている。この場合、隔壁はカラーフィルタ層や画素電極層よりも充分高く、例えばカラーフィルタ層を液滴吐出装置で形成する場合、溶媒を混合することにより体積が増加しても、カラーフィルタ層の液滴の混入が発生せず、注入形成することが可能である。
【0029】
特に、隔壁で形成される凹部内に配置される導電性カラーフィルタ層と液晶材料層が、液滴吐出装置によって形成されることが好ましい。本発明によれば、画素に対応した遮光性材料を含む隔壁を形成した後、導電性カラーフィルタ層及び液晶材料層は、隔壁内に液滴吐出装置によって材料を含む溶液を吐出し形成できることになる。即ち、隔壁内に導電性カラーフィルタ層を表示色に対応して順次、あるいは複数の異なる溶液に接続された吐出ヘッドから同時に決められたカラーフィルタ層配置になるよう吐出形成を行い、乾燥して硬化を行う。次に、液晶材料を異なる液滴吐出装置、もしくは導電性カラーフィルタの形成と同じ装置であって、吐出材料を導電性カラーフィルタ材から液晶材料に変更、あるいは同じ装置であって、他の吐出ヘッドから液晶材料を吐出することによって液晶材料層を形成することになる。その結果、隔壁の形成後は、乾燥装置を含む液滴吐出装置だけで液晶装置を製造できることになる。
加えて、液晶材料層を隔壁内に吐出することで、液晶材料層の層厚が均一に形成され、層厚均一化の時間が不要であり、連続して一対の基板の貼り合わせ工程が可能である。
【0030】
このような本発明による液晶装置を表示装置として用いた場合には、表示画質を一層向上させることが可能となり、また安価な液晶装置を備えた電子機器となる。加えて、一対の基板厚さと同程度で軽量の、さらに可撓性を有する基板の撓みにも表示画質の低下が少なく、基板を曲げた状態での表示も可能な液晶装置を備えた電子機器となる。
【0031】
以上のように本発明によれば、液晶材料層の吐出痕や液晶装置完成後の液晶材料の移動がなく、高画質が信頼性高く得られ、また、可撓性を有する基板の撓みなどに対するストレス耐性の高い極薄型、あるいは円弧状に曲げて表示可能な液晶装置が得られる。さらには、製造工程や材料の削減により容易に製造可能な製造コストの安い液晶装置、液晶装置の製造方法、液晶装置を備えた電子機器を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
[液晶装置]
以下に示す本実施の形態の液晶装置は、下側基板にデータ線を配置し、上側基板に走査線である走査電極を配置したパッシブ型の透過型液晶装置である。図1は、本実施形態の透過型液晶装置であり、データ線、走査電極、画素電極などが形成された相隣接する複数の画素群の構造を示す要部平面図である。図2は図1のA−A’線断面図で、図3は本実施形態の他の構成を示す図1のA−A’線断面図である。図1ないし図3は、画素領域単位に隔壁が形成された本実施形態を示している。また、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせて模式的に示している。
【0033】
図1に基づいて、本実施形態の液晶装置の要部平面構造について説明する。図1に示すように、基板上に矩形状の画素電極9が複数、マトリクス状に設けられている。画素電極9は、隔壁2で形成される凹部内に形成されるため、画素電極9の輪郭は隔壁2と同じ線で示されている。本実施の形態において、データ線6及び走査電極3が交差する領域に画素電極層9などが形成された領域が画素領域であり、マトリクス状に配置された各画素毎に表示を行うことが可能な構造になっている。
画素電極層9は、後述のようにデータ線6と電気的に接続されている。データ線6と走査電極3、実際には画素電極9と走査電極3によって液晶材料層に電圧が印加されて画素表示が行われる。
【0034】
次に、図2に基づいて、本実施の形態の液晶装置の断面構造について説明する。図2は、上述した通り図1のA−A’線断面図であり、画素領域の構成を示す断面図である。本実施の形態の液晶装置100において、下側基板10とこれに対向配置される上側基板30とが、下側基板10上に形成された隔壁2により基板間を一定の間隔に保った状態で配置され、その間に液晶材料層40が挟持されている。
【0035】
下側基板10は、例えばプラスチックなどの可撓性を有する基板本体11と、その液晶材料層40側表面に形成され樹脂を含む導電性材料から成るデータ線6と、スペーサ機能と遮光層機能とを有する隔壁2が形成されている。その隔壁2で形成された凹部内には、それぞれ表示色に対応したカラーフィルタ層22、23、24、画素電極層9及び液晶材料層40を主体として配置されている。上側基板30は、同様にプラスチックなどの可撓性を有する基板本体31と、液晶材料層40側表面に形成され樹脂を含む導電性材料からなる走査電極3を主体として構成されている。
【0036】
データ線6と走査電極3は、透明導電性材料であるITO、SnO(酸化錫)などの微粒子を樹脂に混合し、基板本体11及び31にスピンコート法などによって基板本体全面に塗布し、その後フォトリソグラフィ法などによって所定の形状に形成される。この場合に、樹脂として感光性樹脂を用いることによってフォトリソグラフィ法のレジスト機能を持たせることも可能である。また、ITO、SnO(酸化錫)などの導電性材料と樹脂の混合比は、樹脂の量が多い場合はストレスの緩和効果が大きくなるが、その特性値であるデータ線及び走査電極の抵抗値が高くなる。従って、液晶装置の表示画面の大きさなどによって適切な混合比や膜厚が設定されることになる。
【0037】
隔壁2は、後述するように例えば、ポリイミドなどの絶縁性の樹脂材料をスピンコート法などにより基板間の間隔、つまり液晶材料層の厚さを決める均一な高さに、下側基板10に塗布し、フォトリソグラフィ法などによって所定の形状に形成する。
【0038】
カラーフィルタ層22、23、24は、例えば表示色に対応して赤色系の表示を行うカラーフィルタ層22、青色系の表示を行うカラーフィルタ層23、緑色系の表示を行うカラーフィルタ層24を示しており、異なる表示色に対応する隔壁2の凹部内に形成されている。
カラーフィルタ層の形成は、後述するように例えば液滴吐出装置などによって、それぞれの表示色に対応する顔料と溶媒の混合液を、隔壁2の凹部内に吐出し、乾燥して硬化することによって形成される。また、カラーフィルタ層22,23,24が樹脂を含む構成は、上記の混合液に樹脂を加え吐出することで同様に形成できる。
【0039】
画素電極層9は、下側基板10上であって、隔壁2の凹部内に形成されるカラーフィルタ22、23、24をそれぞれ貫通するスルーホール26によってデータ線6に電気的に接続されている。スルーホールの形成は一般的なフォトリソグラフィ法などによって形成することが可能であり、隔壁近傍に形成することによって液晶装置の表示画質に影響することなく形成することができる。スルーホール26の形成後、ITO、SnO(酸化錫)などの透明導電性材料の微粒子と溶媒の混合液を液滴吐出装置で隔壁2の凹部内に吐出し、乾燥して硬化することによりスルーホール26内を含めて画素電極層9が形成できる。また、画素電極層9に樹脂を含む構成は、上記混合液に樹脂を混ぜることによって同様に形成できる。
【0040】
図2では、上側基板30に走査電極3の段差の平坦化膜32が形成された例を示している。平坦化膜32は、絶縁性の樹脂をスピンコート法などで所定の膜厚に形成される。この場合、走査電極3の膜厚は0.1μm程度であり、その段差の平坦化膜32の膜厚も0.3μm程度以下に薄くすることが可能である。
実施例では下側基板10及び上側基板30は、それぞれが液晶材料層40に接する面に配向膜を図示していないが、液晶材料に応じて必要な場合には形成されることになる。配向膜としてはポリイミドなどが一般的であり、塗布した後、乾燥して薄膜を形成し、ラビング処理が実施され得られる。また、液滴吐出装置などで、配向膜材料と溶媒の混合液を吐出して形成しても、さらには、SiOあるいはSiOを斜め蒸着するなどの方法で形成可能である。
【0041】
図2に示すように、下側基板10上に形成された隔壁2の凹部内にカラーフィルタ層22、23、24及び画素電極層9が形成されるが、画素電極層9の上、つまり液晶材料層と接する面は、隔壁2の凹部内を区分けする要素が存在せず、平坦な状態となっている。従って、平坦化膜などを必要とせず、その上に液晶材料層40が形成でき、液晶材料層40の配向が変化するなどの影響が発生しない。また、画素電極層9の表面は、液晶材料層40に接することになり、画素電極層9と上側基板30の走査電極3の間に電界が印加されるが、電極間には液晶材料層40と上側基板30の平坦化膜32のみであり、液晶材料層40への印加電圧の低下は平坦化膜32だけによる低下となる。液晶材料層40に接する面に配向膜が必要な場合では、画素電極層9の液晶材料層40側に配向膜と走査電極3の液晶材料層40に接する面に配向膜が形成される。この場合、上側基板30の平坦化膜32は配向膜で兼用することも可能である。その結果、画素電極層9と走査電極3の間には配向膜と液晶材料層40だけとなり、液晶材料層40への印加電圧は最低限の電圧低下となる。
【0042】
また、下側基板10上の隔壁2の凹部内に画素電極層9と液晶材料層40とが配置されており、図2において隣接画素の走査電極3はその間隙が隔壁2に対応した位置にある。例えば、走査電極3が合わせずれにより右方向にずれた場合、ずれ量が隔壁2の幅以内であれば走査電極3の右側の画素に対する横方向の電界は、隔壁を介して液晶材料層に印加されることになり、合わせずれによる影響を小さくすることが可能である。
【0043】
一方、隔壁2の凹部内に形成される液晶材料層40は、液晶装置100内では同一であり、液晶材料の混入などの問題が発生しない。液晶装置100は、50−500μm平方の面積間隔で隔壁2により、下側基板10と上側基板30とを接着封止されており、液晶装置100の強度の向上が可能である。さらに、強度の向上によって、基板本体11と31の厚さを薄くすることが可能であり、プラスチックの基板本体11、31の軽量さに加え、液晶装置100のさらなる軽量かつ薄型化することができる。
【0044】
さらに、本実施形態の液晶装置100は、データ線6及び走査電極3が樹脂を含む導電性材料で形成され、隔壁2がポリイミドなどの樹脂材料からなるため、可撓性を有する基板本体11、31に撓みなどのストレスが加わった場合でも、樹脂によってストレスを緩和し延在する電極や隔壁のはがれ、亀裂及び断線などによる表示不良の発生し難い信頼性の高い液晶装置を得ることが出来る。また、この効果により液晶装置を曲げて表示を行う用途においても使用が可能となる。
画素電極層9、カラーフィルタ層22、23、24が樹脂を含む構成では、液晶装置の主要な要素が樹脂を含む構成となり、可撓性を有する基板でのストレスに対してさらなる信頼性向上が可能となる。
【0045】
加えて、本実施の形態では、隔壁2は遮光性材料を含有することが含まれており、この構成では、図2に示されるように、画素領域は横方向の光に対して隔壁2によって遮光されることになり、光の反射などによる影響がなくなる。
また、隔壁2によって各画素領域が区切られていることから、画素領域の横方向の画素からの横電界による影響もほとんど無視できる程度となる。液晶材料層40は隔壁2の凹部内に配置されており、液晶装置100の完成後も液晶材料層40が移動することなく、配向の変化が発生することがない。
これらの結果、液晶材料層の配向の変化、他画素からの影響を受けにくい、画質の安定した、また可撓性を有する基板であっても撓みなどのストレスに対して信頼性の高い良好な液晶装置を得ることができる。
【0046】
次に、図3は、本実施の他の形態の液晶装置の断面構造であって、導電性カラーフィルタを備えた構成であり、図2と異なる部分についてのみ説明する。また、図2と同一の要素については同じ符号を用いて示している。導電性カラーフィルタ層32、33、34は、下側基板10上の隔壁2の凹部内に形成されており、液晶材料層40と接する構成となっている。
【0047】
データ線6と導電性カラーフィルタ層32、33、34は接しており、それぞれの導電性により電気的に接続されている。図3における導電性カラーフィルター層32、33、34は、図2の実施形態と同様に、表示色に対応して赤色系の表示を行う導電性カラーフィルタ層32、青色系の表示を行う導電性カラーフィルタ層33、緑色系の表示を行う導電性カラーフィルタ層34を示しており、異なる表示色に対応する隔壁2の凹部内に形成されている。
【0048】
ここで、導電性カラーフィルタ層32、33、34の電気的な特性は、面積で決まる静電容量値と、抵抗値とで決まる遅延時間が主となる。導電性カラーフィルタ層32、33、34は、50−500μm平方程度の大きさであり、静電容量としては小さいことから、また、その抵抗値は導電性カラーフィルタ層32、33、34の厚さ方向の抵抗値であり、必要な動作速度に対して容易に形成することが可能である。例えば、導電性カラーフィルタ層32、33、34の形成は、透明導電膜の材料となるITO、SnO(酸化錫)などの微粒子をカラーフィルタの材料である顔料などの色素を混ぜ合わせることで形成できる。また、導電性カラーフィルタ層32、33、34が樹脂を含む構成は、上記に樹脂を混ぜることで形成できる。
【0049】
図3で示す本実施形態の構成では、下側基板10上に導電性カラーフィルタ層32、33、34を形成し、液晶材料層40を形成するだけでカラーフィルタを含む液晶装置100を得ることができる。
【0050】
[液晶装置の製造方法]
次に、本実施の形態に示した液晶装置100の製造方法について、その一例を図面を参照しつつ説明する。図4は、本実施の形態の液晶装置100の一製造方法、図5は本実施の他の形態の液晶装置100の一製造方法であり、そのプロセスフローをそれぞれ示す説明図である。図6は、液晶材料の液滴を吐出した状態を説明する図である。
本製造方法は、基板本体11、31上に樹脂を含む導電性材料でデータ線6及び走査電極3を形成し、下側基板10上に隔壁2を形成し、その隔壁2で形成される凹部内にカラーフィルタ層22、23、24、画素電極層9、液晶材料層40を順次配置する工程であることを特徴としている。以下、各フローについて詳細を説明する。
【0051】
まず、図4のステップS1に示すように、可撓性を有する例えばプラスチックの基板本体11、31上にデータ線6及び走査電極3を形成する。データ線6及び走査電極3の形成は、樹脂を含む導電性材料、例えばITO、SnO(酸化錫)などの微粒子の混合液をスピンコート法などによって全面に塗布する。このときの塗布膜の形成条件は、前述のように液晶装置100の表示画面の大きさなどによって、データ線6及び走査電極3の必要とする抵抗値を達成すべく、樹脂と導電性材料の混合比や、形成する膜厚などの条件の設定により決定される。
【0052】
次に、図4のステップS2において、上記下側基板10上に隔壁2を形成する。隔壁2は、例えば、ポリイミドなどの絶縁性の樹脂材料をスピンコート法などにより基板間の間隔、つまり液晶材料層の厚さを決める高さに、下側基板10に塗布し、フォトリソグラフィ法などによって所定の形状に形成する。下側基板10には、データ線6が形成されているだけであり、下側基板10上にその上面が均一の高さで塗布することは容易である。また、遮光性材料を混入させるには、黒色の顔料などを上記樹脂材料と混合して形成することで可能である。
【0053】
次に、図4のステップS3において、隔壁2を形成した下側基板10上で、隔壁2で形成される凹部内に、表示色に対応したカラーフィルタ層22、23、24を形成する。カラーフィルタ層22、23、24は、例えば各色の顔料と溶媒を混合させたインクを液滴吐出装置、例えばインクジェット法などによって各色を順次、あるいは複数のインクジェットヘッドから各色同時に吐出して形成する。隔壁2の凹部内に液滴を吐出した後、乾燥して硬化させることで形成できる。樹脂を含むカラーフィルタ層の形成は、上記混合液に樹脂を混合させたインクを液滴吐出装置で同様に隔壁の凹部内に吐出することにより形成できる。
【0054】
次に、図4のステップS4において、カラーフィルタ層22、23、24にスルーホール26を形成する。下側基板の基板本体11上の走査線6と画素電極層9を接続するスルーホールの形成であり、フォトリソグラフィ法などで走査線6に対応する位置に形成する。この場合、スルーホールは1つでも、また抵抗値低減のため多数のスルーホールを形成することも可能である。
スルーホール26の形成後、同様に隔壁2の凹部内に画素電極層9を形成する。この際、画素電極層9はスルーホール26内にも形成され、データ線6とスルーホール26を介して電気的に接続した状態で、画素電極層9が形成されることになる。
画素電極層9の形成は、例えば、ITOやSnOの微粒子と溶媒の混合液を液滴吐出装置、例えばインクジェット法などによって隔壁2の凹部内に吐出し、その後、乾燥して硬化することによって形成することができる。また、画素電極層9が樹脂を含む構成は、上記混合液に樹脂を加え、その混合液を同様に吐出することにより形成できる。
【0055】
次に、図4のステップS5において、隔壁2の凹部内に液晶材料の注入を行い、対向基板30で封止する。
図6により、液晶材料の注入状態を説明する。図6は液滴吐出装置にて液晶材料を注入した例であり、隔壁2の凹部内に液晶材料の液滴の着弾状態70が示されている。隔壁2の各凹部の体積と同じ体積の液晶材料を、隔壁2の形状に応じて吐出する。具体的には、液滴吐出装置から吐出された液滴の大きさが、隔壁2の凹部の一辺の大きさ以下であるように設定される。好ましくは、隔壁2の凹部の一辺の大きさが、液滴吐出装置から吐出された液滴の大きさと、着弾状態の液滴70の大きさとの間の大きさとなるよう、液滴量や吐出条件を設定する。図6では、隔壁2の凹部の一辺の大きさと液晶材料の液滴の着弾形状70が同じ大きさである状態の例を示している。図6は、2滴が吐出された状態であり、隔壁2との間に隙間が発生しており、さらに追加して隔壁2の凹部内に液晶材料が充満するよう、すなわち凹部の体積と同じ体積の液晶材料になるよう、重ねて吐出することになる。このように液滴を吐出することによって、隔壁2の凹部内に液晶材料が充満するよう形成できることになる。
【0056】
このとき、液晶材料の吐出は一滴で隔壁2の凹部内に充満させても、また複数滴にて充満させても、隔壁2の凹部内で液晶材料が移動することは発生しない。これは、液晶材料の粘度が高く、通常のインクジェット法での吐出では、液晶材料が移動する前に吐出が終了してしまうことによる。また、隔壁2の凹部内に複数滴の液晶材料を吐出する場合、同一場所に複数の液晶材料の液滴を吐出しても、あるいは隔壁2の凹部内で吐出場所を変えながら液晶材料の液滴を吐出しても同様に可能である。隔壁2の凹部内の吐出場所を変えながら吐出する場合、隔壁2の凹部内のどの部分から液晶材料滴を吐出してもよく、中央部からでも、隔壁2の角部からでも同様に液晶を移動させることなく可能である。
さらに、隔壁2の凹部の形状は本発明の実施の形態では、矩形の例を示しているが、楕円などいかなる形状であっても同様に可能である。
液晶材料を注入した後、隔壁2の上部に接着材を塗布し、下側基板10と上側基板30を貼り合わせ液晶材料を封入する。
【0057】
本実施の形態で隔壁2は、乾燥して硬化後のカラーフィルタ層22、23、24の高さに対して、液晶材料層40の隔壁ともなるために、充分高くなっている。従って、色材と溶媒の混合液を吐出するために粘度を下げ、すなわち色材の混入比を小さくした場合で、乾燥後においてカラーフィルタ層22、23、24の体積が小さくなるような場合でも、充分隔壁としての機能を果たすことができる。その結果、吐出したカラーフィルタ層の混入などによる画質が低下することなく、容易に製造可能である。
【0058】
また、本実施の形態では、図6に示したように液晶材料層40は吐出後、移動することなく形成されるために、吐出痕の発生がない。吐出痕が発生したとしても、その大きさは画素領域の大きさである50−500μm平方であり、また、発生個所は隔壁2との境目付近の可能性が高く、隔壁2が遮光層材料を含む場合は全く表示画質に影響を与えないことになる。また、液晶材料層40が移動しないことから、液晶材料層40の吐出後、表面が均一になるのを待つ必要がなく、連続して下側基板10と上側基板30の貼り合わせが可能であり、製造時間の短縮ができる。
【0059】
また、本実施の液晶装置の製造方法では、隔壁2の上部に接着材を塗布し、下側基板10と上側基板30を接着封入して製造され、一般的に封入に用いられるシール材やスペーサ材などの必要がなく、製造工程の短縮と製造材料を削減することができる。
【0060】
図5は、本発明の他の液晶装置の製造方法を示すフローである。
図5のステップS11、ステップS12、及びステップS14は、図4におけるステップS1、ステップS2、及びステップS5とそれぞれ同じであり、説明を省略する。ステップ12において、下側基板10上に隔壁2を形成した後、ステップS13において、隔壁2の凹部内に導電性カラーフィルタ層32、33、34を形成する。
導電性カラーフィルタ層32、33、34は、透明電極材料であるITO、SnOなどの微粒子と、顔料などの色材と、溶媒との混合液を液滴吐出装置、例えばインクジェット法などによって隔壁2の凹部内に吐出した後、乾燥し硬化させることによって形成できる。樹脂を含む場合も上記混合液に樹脂を混ぜることにより可能である。
【0061】
次に、ステップ14において、前述のように下側基板10の隔壁2の凹部内に液晶材料を注入して液晶材料層40を形成、対向基板30を接着し、液晶材料を封入することにより液晶装置100を製造することができる。
本実施の液晶装置100の製造方法によれば、下側基板10の上に隔壁2を形成した後、ステップS13の導電性カラーフィルタ層32,33,34とステップS14の液晶材料層40の形成は、乾燥装置を含む液滴吐出装置だけで製造することが可能である。導電性カラーフィルタ材と液晶材料との吐出材料の変更は、吐出ヘッドの液滴の変更、もしくは異なる吐出ヘッドにて吐出し製造することができる。加えて、液晶材料層40の吐出後も表面均一化の時間を要することなく連続して下側基板10と上側基板30の貼りあわせ工程を行うことができる。
【0062】
[電子機器]
次に、上記実施形態で示した液晶装置を備えた電子機器の具体例について説明する。図7は携帯電話の一例を示した斜視図である。図7において、符号500は携帯電話本体を示し、符号501は上記実施の形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。このように、図7に示すそれぞれの電子機器は、上記実施形態の液晶装置のいずれかを備えたものであるので、表示品位に優れた表示部を有し軽量かつ薄型の電子機器となる。
【0063】
本発明、は各実施例に限るものではなく、本発明の要旨を変えない範囲で実施例を適宜変更して実施することができる。実施例では、パッシブ型の液晶装置について説明を行ったが、アクティブ型の液晶装置であっても同様に構成することが可能であり、透過型、反射型、半透過型のいずれでも可能である。また、実施例では、画素単位に隔壁を形成する構成について説明を行ったが、同じ色表示で複数の画素に対応して隔壁を形成する場合であっても、同様に構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の液晶装置について画素群の構造を示す平面図。
【図2】図1の液晶装置の要部を示す断面図。
【図3】図1の他の実施形態の液晶装置の要部を示す断面図。
【図4】図1の液晶装置の製造方法について一例を示す工程説明図。
【図5】図1の他の実施形態の液晶装置の製造方法について一例を示す工程説明図。
【図6】滴下した液晶材料の具体的態様を示す説明図。
【図7】本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
2…隔壁、3…走査線、6…データ線、9…画素電極層、10…下側基板、22…カラーフィルタ層(赤色系)、23…カラーフィルタ層(青色系)、24…カラーフィルタ層(緑色系)、30…上側基板、40…液晶材料層。

Claims (10)

  1. 一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置であって、
    前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線が樹脂を含む導電性材料で形成され、
    前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁が少なくとも形成され、
    前記隔壁で形成される凹部内に、カラーフィルタ層と画素電極層と液晶材料層と、が前記一方の基板側から順次配置されることを特徴とする液晶装置。
  2. 一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置であって、
    前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線が樹脂を含む導電性材料で形成され、
    前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁が少なくとも形成され、
    前記隔壁で形成される凹部内に、導電性カラーフィルタ層と液晶材料層と、が前記一方の基板側から順次配置されることを特徴とする液晶装置。
  3. 前記隔壁が遮光性材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. 前記隔壁の高さが前記一対の基板間隔と等しく設定され、前記隔壁が他方の基板と接着されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 前記カラーフィルタ層と前記画素電極層と、または前記導電性カラーフィルタ層、が樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の液晶装置。
  6. 前記液晶装置がパッシブ型であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された複数の画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置の製造方法であって、
    前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線を樹脂を含む導電性材料で形成する工程と、
    前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁を少なくとも形成する工程と、
    前記隔壁で形成される凹部内に、カラーフィルタ層と画素電極層と液晶材料層と、を前記一方の基板側から順次形成する工程と、
    を含むことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  8. 一対の可撓性を有する基板間に液晶材料を挟持し、前記一対の基板にマトリックス状に形成された画素領域と、前記画素領域に対応してそれぞれ特定の色表示を行うよう形成されるカラーフィルタとを有する液晶装置の製造方法であって、
    前記一対の基板上に配置され、前記画素領域に選択的に画像データを伝送する複数のデータ線及び複数の走査線を樹脂を含む導電性材料で形成する工程と、
    前記一対の基板の一方の基板上で、前記カラーフィルタの異なる色に対応する前記画素領域間に樹脂を含む隔壁を少なくとも形成する工程と、
    前記隔壁で形成される凹部内に、導電性カラーフィルタ層と液晶材料層と、を前記一方の基板側から順次形成する工程と、
    を含むことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  9. 前記カラーフィルタ層と前記画素電極層と前記液晶材料層、または前記導電性カラーフィルタ層と前記液晶材料層、のそれぞれの積層配置される層のうち少なくとも一層を液滴吐出装置により形成することを特徴とする請求項7または8に記載の液晶装置の製造方法。
  10. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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