JP2004360669A - 水平軸風車の支承方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水平軸風車において、ブレードよりの駆動体と発電機などの被動体との連結位付近をタワーに支承し、被動体の回転方向を駆動体と逆方向とし、それぞれの角運動量を等しく設定し、風向変動及びタワーや建造物などによる乱流風力の外乱を受けるとき、支承位に関して駆動・被動両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺し、風車ブレードの搖振を防止することとする。
【解決手段】水平軸風車ブレード1を含む駆動体1aより、発電機2の電機子2bなどの被動体2aへ変速機3を介して、逆回転に変速して伝動するとき、予め、駆動体1aの角速度ω1及び慣性モーメントJ1と、被動体2aの角速度ω2ならびに慣性モーメントJ2とに関して、それぞれの角運動量J1ω1とJ2ω2とを等しく設定し、該変速機の直下を支軸4によりタワー5に支承することとする。
【選択図】 図1
【解決手段】水平軸風車ブレード1を含む駆動体1aより、発電機2の電機子2bなどの被動体2aへ変速機3を介して、逆回転に変速して伝動するとき、予め、駆動体1aの角速度ω1及び慣性モーメントJ1と、被動体2aの角速度ω2ならびに慣性モーメントJ2とに関して、それぞれの角運動量J1ω1とJ2ω2とを等しく設定し、該変速機の直下を支軸4によりタワー5に支承することとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タワーに支承する水平軸風車において、風向変動や乱流状風力などの外乱により風車ローター支承位に生じるジャイロモーメントを防止する支承方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水平軸風車として、プロペラ型、多翼型、オランダ風車型及びセールウイング型などがあるが、発電用の主流はプロペラ風車であって、プロペラ型のブレード回転面とタワーとの配置については、同回転面が風向に対して、タワー又は支柱の風上側に配置されるアップウインド型(JIS C 1400−0,123)と、風下側に配置されるダウンウインド型(JIS C 1400−0,124)とがある。
【0003】
アップウインド型においては、タワー後流によるブレードの荷重変動、振動及び騒音への影響がないが、ブレードの回転面を変動する風向の風上に向けて追尾する方位制御、即ち、ヨー制御(JIS C 1400−0,127)として、小型風車においては、自律動作によるフリーヨー(JIS C 1400−0,128)があり、ローター風下の流れに倣って作動する、所謂、風見安定板、即ち、テールベーンによる方式や、風見安定用テールファンにより風向きに対するブレード回転面の傾きを矯正する方式があり、大型風車においては、風見センサーにより検出した風向へローター軸線の方向を一致させるため、強制的に支承部位を駆動して制御を行う、制御ヨー(JIS C 1400−0,129)方式の駆動装置を具備している。
【0004】
ダウンウインド型においては、タワー風下側へのローターの受風抵抗により自律的に風見安定が得られるフリーヨー方式になるが、ブレードは必ずタワー後流の影響を受け、不規則な荷重変動を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたように、アップウインド型のヨー制御として、小型風車においては、フリーヨー方式として、ローター風下側へ長大なテールベーンを片持ち状に延設するする必要があり、また、大型風車においては、上記制御ヨー方式の、強大なヨー駆動装置を具備する必要がある。
【0006】
また、ダウンウインド形式のヨー制御は、自律動作によるフリーヨー方式であるが、ブレードは必ずタワー後流の影響により不規則な荷重変動を受け、振動及び騒音を生じると共に、疲労破壊の要因となっている。
【0007】
さらに、アップウインド及びダウンウインド何れの型式においても、風向変動ないし不規則な地形や建造物などによる乱流風力により、ローターが外乱のモーメントを受けると、高速回転体としてのジャイロ作用により縦揺れ、横揺れ及び偏揺れなどの搖振を生じ、ブレードへの風荷重の変動、繰返し荷重と共に、振動ならびに騒音を誘発し、疲労破壊の要因となり、ことに、アップウインド型においては、上記搖振に対する制御が不備なときは、却って、搖振の振幅を増幅してブレードを破損することがあり、注意を要する。
【0008】
そして、上記のヨー制御におけるフリーヨーないし制御ヨー方式の制御手段は、常時整備保全が必要であるが、何れもタワー高所に装備しており、高所作業として維持管理や故障修理を行う必要がある。
【0009】
本発明は、従来の技術におけるこのような問題点に鑑みてなされものであり、その目的とするところは、水平軸風車において、ブレードよりの駆動体と発電機などの被動体との連結位付近をタワーに支承し、被動体の回転方向を駆動体と逆方向とし、且つ、それぞれの角運動量を等しく設定し、風向変動及びタワー、建造物ならびに地形による乱流風力の外乱を受けるとき、支承位に関して駆動・被動両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺し、風車ブレードの搖振を防止することとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の水平軸風車の支承方法は、水平軸風車ブレードを含む駆動体より、発電機の電機子などの被動体へ、変速機を介して逆回転に変速して伝動するとき、予め、駆動体及び被動体それぞれの角速度ならびに慣性モーメントに関して、角速度と慣性モーメントとの積により定義される駆動体と被動体それぞれの角運動量を等しく設定し、該変速機の直下を支軸によりタワーに支承することとする。
【0011】
そして、ブレードに風向変動及び乱流風力などによる外乱モーメントを受けるとき、支承位に関して駆動・被動両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺し、風車ブレードの搖振を防止することを特徴としている。
【0012】
上記の支承方法は、アップウインド及びダウンウインド何れの型式においても適用される。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1において、水平軸風車ブレード1を含む駆動体1aより、発電機2の電機子2bなどの被動体2aへ、変速機3を介して逆回転に変速して伝動しするとき、予め、駆動体1aの角速度ω1及び慣性モーメントJ1と、被動体2aの角速度ω2ならびに慣性モーメントJ2とに関して、慣性モーメントと角速度との積として定義される駆動体と被動体それぞれの角運動量J1ω1とJ2ω2とを、数1に示すように等しく設定し、該変速機の直下を支軸4によりタワー5に支承することとする。
【0014】
【数1】
J1ω1=J2ω2
【0015】
ここに、通常の与件としてブレード1を含む駆動体1aのJ1、ω1、及び電機子2bを含む被動体2aのJ2が既知であるとき、数2により被動体2aの角速度ω2を設定する。
【0016】
【数2】
ω2=J1ω1/J2
(∵ J1ω1=J2ω2)
【0017】
また、与件として駆動体1aのJ1及び被動体2aのJ2が既知のときは、変速機3の変速比ω1/ω2は、数3により求められ、逆に、同変速比が既知のときは、反比例関係となる被動体と駆動体の慣性モーメント比J2/J1を設定することとなる。
【0018】
【数3】
ω1/ω2=J2/J1
【0019】
そして、与件として、駆動体1aと被動体2aとの、角速度と慣性モーメントの組み合わせが既に設定されているときは、駆動体1a又は被動体2aに、前記数1の条件を満たす慣性モーメントを付加する回転体(図示しない)を軸止して調整を行うこととする。
【0020】
また、図2及び図3において、被動体2aより駆動体1aへの軸線をX軸とし、被動体と駆動体との連結位としての支軸4の軸芯をZ軸とし、X軸4との交点を原点Oとし、該原点においてX軸・Z軸と水平に直交するY軸を設定している。
【0021】
そして、図2において、風向変動及び乱流風力などにより、Y軸まわりに角速度μyの外乱モーメント受けると、X軸の駆動体1aよりZ軸まわりに数4に示すジャイロモーメントを生じると同時に、被動体2aよりZ軸の逆まわりに数5に示すジャイロモーメントを生じ、数1の条件により、数6に示すように、駆動体と被動体両側よりのジャイロモーメントが拮抗して相殺されることを示す。
【0022】
【数4】
J1ω1μy
【数5】
−J2ω2μy
【数6】
J1ω1μy−J2ω2μy=0
(∵J1ω1=J2ω2)
【0023】
また、図3において、風向変動及び乱風力流などにより、Z軸まわりに角速度μzの外乱モーメント受けると、X軸の駆動体1aよりY軸まわりに数7に示すジャイロモーメントを生じると同時に、被動体2aよりY軸の逆まわりに数8に示すジャイロモーメントを生じ、数1の条件により、数9に示すように、駆動体と被動体両側よりのジャイロモーメントが拮抗して相殺されることを示す。
【0024】
【数7】
J1ω1μz
【数8】
−J2ω2μz
【数9】
J1ω1μz−J2ω2μz=0
(∵J1ω1=J2ω2)
【0025】
さらに、図1及び4に示すように、駆動体1aより被動体2aへ、逆回転方向へ変速する変速機3は、一般に、電機子の定格角速度が大きいため、増速機とすることが多いが、折り返し歯車、遊星歯車や巻掛け伝動機構などを適用し、駆動体1aと被動体2aとの軸芯の配置を、図1に示すように、同一軸芯とするか、また、図4に示すように、段違い状の平行軸芯とするか、駆動体と被動体との構成要素及び実施条件に応じて選択される。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】
本発明の、水平軸風車の支承方法において、水平軸風車ブレード側の駆動体より発電機などの被動体へ、変速機を介して逆回転変速するため、予め、駆動体及び被動体の角運動量を等しく設定しており、ブレードが風向変動及びタワ、建造物及び地形による乱流風力の外乱を受けるとき、支承位において、駆動体と被動体との両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺して風車ブレードの縦揺れ、偏搖れなどの搖振を防止することにより、ブレードへの繰り返し荷重の変動、振動ならびに騒音を低減し、疲労破壊の要因を抑制することができる。
【0028】
上記のように、ジャイロモーメントを相殺してブレードの搖振を防止することにより、アップウインド型風車においては、従来技術のヨー制御手段としての、テールベーンや制御ヨー方式のヨウ駆動装置を縮小化することができる。
【0029】
また、上記のように、ジャイロモーメントを相殺してブレードの搖振を防止することにより、ダウンウインド型風車においては、自律的なフリーヨー方式となり、制御ヨー方式の駆動装置を装備する必要がなく、構成が簡単、且つ低廉となり、高所作業としてのヨー駆動装置の維持管理や故障修理を省くことができる。
【0030】
なお、本発明の水平軸風車の支承方法は、アップウインド型、ダウンウインド型の何れにも適用できるので、両型式相互の組み替えが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平軸風車の支承方法に係る構成概要を示す模式図である。
【図2】水平軸風車の駆動体と被動体が外乱として縦揺れを受けるとき、駆動体及び被動体両側に生じるジャイロモーメントの挙動を示す線図である。
【図3】水平軸風車の駆動体と被動体が外乱として偏揺れを受けるとき、駆動体及び被動体両側に生じるジャイロモーメントの挙動を示す線図である。
【図4】水平軸風車の支承方法に係る他の実施例の構成概要を示す模式図である。
【符号の説明】
1 水平軸風車ブレード
1a 駆動体
2 発電機
2a 被動体
2b 電機子
3 変速機
4 支軸
5 タワー
ω1 角速度(駆動体の)
J1 慣性モーメント(駆動体の)
ω2 角速度(被動体の)
J2 慣性モーメント(被動体の)
μy Y軸周りの外乱モーメントの角速度
μz Z軸周りの外乱モーメントの角速度
【発明の属する技術分野】
本発明は、タワーに支承する水平軸風車において、風向変動や乱流状風力などの外乱により風車ローター支承位に生じるジャイロモーメントを防止する支承方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水平軸風車として、プロペラ型、多翼型、オランダ風車型及びセールウイング型などがあるが、発電用の主流はプロペラ風車であって、プロペラ型のブレード回転面とタワーとの配置については、同回転面が風向に対して、タワー又は支柱の風上側に配置されるアップウインド型(JIS C 1400−0,123)と、風下側に配置されるダウンウインド型(JIS C 1400−0,124)とがある。
【0003】
アップウインド型においては、タワー後流によるブレードの荷重変動、振動及び騒音への影響がないが、ブレードの回転面を変動する風向の風上に向けて追尾する方位制御、即ち、ヨー制御(JIS C 1400−0,127)として、小型風車においては、自律動作によるフリーヨー(JIS C 1400−0,128)があり、ローター風下の流れに倣って作動する、所謂、風見安定板、即ち、テールベーンによる方式や、風見安定用テールファンにより風向きに対するブレード回転面の傾きを矯正する方式があり、大型風車においては、風見センサーにより検出した風向へローター軸線の方向を一致させるため、強制的に支承部位を駆動して制御を行う、制御ヨー(JIS C 1400−0,129)方式の駆動装置を具備している。
【0004】
ダウンウインド型においては、タワー風下側へのローターの受風抵抗により自律的に風見安定が得られるフリーヨー方式になるが、ブレードは必ずタワー後流の影響を受け、不規則な荷重変動を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で述べたように、アップウインド型のヨー制御として、小型風車においては、フリーヨー方式として、ローター風下側へ長大なテールベーンを片持ち状に延設するする必要があり、また、大型風車においては、上記制御ヨー方式の、強大なヨー駆動装置を具備する必要がある。
【0006】
また、ダウンウインド形式のヨー制御は、自律動作によるフリーヨー方式であるが、ブレードは必ずタワー後流の影響により不規則な荷重変動を受け、振動及び騒音を生じると共に、疲労破壊の要因となっている。
【0007】
さらに、アップウインド及びダウンウインド何れの型式においても、風向変動ないし不規則な地形や建造物などによる乱流風力により、ローターが外乱のモーメントを受けると、高速回転体としてのジャイロ作用により縦揺れ、横揺れ及び偏揺れなどの搖振を生じ、ブレードへの風荷重の変動、繰返し荷重と共に、振動ならびに騒音を誘発し、疲労破壊の要因となり、ことに、アップウインド型においては、上記搖振に対する制御が不備なときは、却って、搖振の振幅を増幅してブレードを破損することがあり、注意を要する。
【0008】
そして、上記のヨー制御におけるフリーヨーないし制御ヨー方式の制御手段は、常時整備保全が必要であるが、何れもタワー高所に装備しており、高所作業として維持管理や故障修理を行う必要がある。
【0009】
本発明は、従来の技術におけるこのような問題点に鑑みてなされものであり、その目的とするところは、水平軸風車において、ブレードよりの駆動体と発電機などの被動体との連結位付近をタワーに支承し、被動体の回転方向を駆動体と逆方向とし、且つ、それぞれの角運動量を等しく設定し、風向変動及びタワー、建造物ならびに地形による乱流風力の外乱を受けるとき、支承位に関して駆動・被動両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺し、風車ブレードの搖振を防止することとする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の水平軸風車の支承方法は、水平軸風車ブレードを含む駆動体より、発電機の電機子などの被動体へ、変速機を介して逆回転に変速して伝動するとき、予め、駆動体及び被動体それぞれの角速度ならびに慣性モーメントに関して、角速度と慣性モーメントとの積により定義される駆動体と被動体それぞれの角運動量を等しく設定し、該変速機の直下を支軸によりタワーに支承することとする。
【0011】
そして、ブレードに風向変動及び乱流風力などによる外乱モーメントを受けるとき、支承位に関して駆動・被動両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺し、風車ブレードの搖振を防止することを特徴としている。
【0012】
上記の支承方法は、アップウインド及びダウンウインド何れの型式においても適用される。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1において、水平軸風車ブレード1を含む駆動体1aより、発電機2の電機子2bなどの被動体2aへ、変速機3を介して逆回転に変速して伝動しするとき、予め、駆動体1aの角速度ω1及び慣性モーメントJ1と、被動体2aの角速度ω2ならびに慣性モーメントJ2とに関して、慣性モーメントと角速度との積として定義される駆動体と被動体それぞれの角運動量J1ω1とJ2ω2とを、数1に示すように等しく設定し、該変速機の直下を支軸4によりタワー5に支承することとする。
【0014】
【数1】
J1ω1=J2ω2
【0015】
ここに、通常の与件としてブレード1を含む駆動体1aのJ1、ω1、及び電機子2bを含む被動体2aのJ2が既知であるとき、数2により被動体2aの角速度ω2を設定する。
【0016】
【数2】
ω2=J1ω1/J2
(∵ J1ω1=J2ω2)
【0017】
また、与件として駆動体1aのJ1及び被動体2aのJ2が既知のときは、変速機3の変速比ω1/ω2は、数3により求められ、逆に、同変速比が既知のときは、反比例関係となる被動体と駆動体の慣性モーメント比J2/J1を設定することとなる。
【0018】
【数3】
ω1/ω2=J2/J1
【0019】
そして、与件として、駆動体1aと被動体2aとの、角速度と慣性モーメントの組み合わせが既に設定されているときは、駆動体1a又は被動体2aに、前記数1の条件を満たす慣性モーメントを付加する回転体(図示しない)を軸止して調整を行うこととする。
【0020】
また、図2及び図3において、被動体2aより駆動体1aへの軸線をX軸とし、被動体と駆動体との連結位としての支軸4の軸芯をZ軸とし、X軸4との交点を原点Oとし、該原点においてX軸・Z軸と水平に直交するY軸を設定している。
【0021】
そして、図2において、風向変動及び乱流風力などにより、Y軸まわりに角速度μyの外乱モーメント受けると、X軸の駆動体1aよりZ軸まわりに数4に示すジャイロモーメントを生じると同時に、被動体2aよりZ軸の逆まわりに数5に示すジャイロモーメントを生じ、数1の条件により、数6に示すように、駆動体と被動体両側よりのジャイロモーメントが拮抗して相殺されることを示す。
【0022】
【数4】
J1ω1μy
【数5】
−J2ω2μy
【数6】
J1ω1μy−J2ω2μy=0
(∵J1ω1=J2ω2)
【0023】
また、図3において、風向変動及び乱風力流などにより、Z軸まわりに角速度μzの外乱モーメント受けると、X軸の駆動体1aよりY軸まわりに数7に示すジャイロモーメントを生じると同時に、被動体2aよりY軸の逆まわりに数8に示すジャイロモーメントを生じ、数1の条件により、数9に示すように、駆動体と被動体両側よりのジャイロモーメントが拮抗して相殺されることを示す。
【0024】
【数7】
J1ω1μz
【数8】
−J2ω2μz
【数9】
J1ω1μz−J2ω2μz=0
(∵J1ω1=J2ω2)
【0025】
さらに、図1及び4に示すように、駆動体1aより被動体2aへ、逆回転方向へ変速する変速機3は、一般に、電機子の定格角速度が大きいため、増速機とすることが多いが、折り返し歯車、遊星歯車や巻掛け伝動機構などを適用し、駆動体1aと被動体2aとの軸芯の配置を、図1に示すように、同一軸芯とするか、また、図4に示すように、段違い状の平行軸芯とするか、駆動体と被動体との構成要素及び実施条件に応じて選択される。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】
本発明の、水平軸風車の支承方法において、水平軸風車ブレード側の駆動体より発電機などの被動体へ、変速機を介して逆回転変速するため、予め、駆動体及び被動体の角運動量を等しく設定しており、ブレードが風向変動及びタワ、建造物及び地形による乱流風力の外乱を受けるとき、支承位において、駆動体と被動体との両側より拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺して風車ブレードの縦揺れ、偏搖れなどの搖振を防止することにより、ブレードへの繰り返し荷重の変動、振動ならびに騒音を低減し、疲労破壊の要因を抑制することができる。
【0028】
上記のように、ジャイロモーメントを相殺してブレードの搖振を防止することにより、アップウインド型風車においては、従来技術のヨー制御手段としての、テールベーンや制御ヨー方式のヨウ駆動装置を縮小化することができる。
【0029】
また、上記のように、ジャイロモーメントを相殺してブレードの搖振を防止することにより、ダウンウインド型風車においては、自律的なフリーヨー方式となり、制御ヨー方式の駆動装置を装備する必要がなく、構成が簡単、且つ低廉となり、高所作業としてのヨー駆動装置の維持管理や故障修理を省くことができる。
【0030】
なお、本発明の水平軸風車の支承方法は、アップウインド型、ダウンウインド型の何れにも適用できるので、両型式相互の組み替えが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平軸風車の支承方法に係る構成概要を示す模式図である。
【図2】水平軸風車の駆動体と被動体が外乱として縦揺れを受けるとき、駆動体及び被動体両側に生じるジャイロモーメントの挙動を示す線図である。
【図3】水平軸風車の駆動体と被動体が外乱として偏揺れを受けるとき、駆動体及び被動体両側に生じるジャイロモーメントの挙動を示す線図である。
【図4】水平軸風車の支承方法に係る他の実施例の構成概要を示す模式図である。
【符号の説明】
1 水平軸風車ブレード
1a 駆動体
2 発電機
2a 被動体
2b 電機子
3 変速機
4 支軸
5 タワー
ω1 角速度(駆動体の)
J1 慣性モーメント(駆動体の)
ω2 角速度(被動体の)
J2 慣性モーメント(被動体の)
μy Y軸周りの外乱モーメントの角速度
μz Z軸周りの外乱モーメントの角速度
Claims (1)
- 水平軸風車ローターのブレード(1)を含む駆動体(1a)より、発電機(2)の電機子(2b)などの被動体(2a)へ変速機(3)を介して、逆回転に変速して伝動するとき、予め、駆動体(1a)の角速度(ω1)及び慣性モーメント(J1)と、被動体(2a)の角速度(ω2)ならびに慣性モーメント(J2)とに関して、それぞれの角運動量(J1ω1)及び(J2ω2)を等しく設定し、該変速機の直下を支軸(4)によりタワー(5)に支承することとし、駆動体のブレードに風向変動及び乱流風力による外乱を受けるとき、風車ローターの支承位において、駆動体・被動体両側より、拮抗状に生じるジャイロモーメントを相殺して風車ブレードの搖振を防止することを特徴とする水平軸風車の支承方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195387A JP2004360669A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 水平軸風車の支承方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195387A JP2004360669A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 水平軸風車の支承方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=34055748
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003195387A Pending JP2004360669A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | 水平軸風車の支承方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004360669A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010101263A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | 風力発電装置 |
JP2011106274A (ja) * | 2009-11-12 | 2011-06-02 | Fujinoya Kk | 風力発電装置 |
CN109557335A (zh) * | 2018-11-12 | 2019-04-02 | 中国航天空气动力技术研究院 | 一种临近空间风向仪 |
-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003195387A patent/JP2004360669A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010101263A (ja) * | 2008-10-24 | 2010-05-06 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | 風力発電装置 |
JP2011106274A (ja) * | 2009-11-12 | 2011-06-02 | Fujinoya Kk | 風力発電装置 |
CN109557335A (zh) * | 2018-11-12 | 2019-04-02 | 中国航天空气动力技术研究院 | 一种临近空间风向仪 |
CN109557335B (zh) * | 2018-11-12 | 2020-09-18 | 中国航天空气动力技术研究院 | 一种临近空间风向仪 |
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