JP2004360667A - ダイヤフラムプランジャーポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンポンプやプランジャーポンプは構造上パッキンが必要不可次であるが、パッキンの存在はポンプの維持管理と耐久性に課題を残すだけでなく送液の漏液と送液汚染の原因となることは避けられぬ弱点となっている。そこでシンプルな構造で精度の高い製作しやすい構造のプランジャーポンプの特徴を生かしながら、パッキンを必要としないピストン型ポンプを開発することにより万能的な用途に使用できる耐久性ある経済性的な計量ポンプを提供する。
【解決手段】プランジャーに伸縮自在の円筒袋状ダイヤフラムを被覆して先端に固定し、ダイヤフラムの開口部をシリンダー開口部に固定することにより、プランジャーがシリンダー内でダイヤフラムを介して送液と間接的に接する計量ポンプ機能の優れたダイヤフラムプランジャーポンプ機構を発明してロットパッキンを必要としないプランジャーポンプを提供する。
【選択図】 図3
【解決手段】プランジャーに伸縮自在の円筒袋状ダイヤフラムを被覆して先端に固定し、ダイヤフラムの開口部をシリンダー開口部に固定することにより、プランジャーがシリンダー内でダイヤフラムを介して送液と間接的に接する計量ポンプ機能の優れたダイヤフラムプランジャーポンプ機構を発明してロットパッキンを必要としないプランジャーポンプを提供する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明の開示技術はピストンポンプを使って送液する必要のある広範囲の産業分野で使用されるポンプの製造、使用技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
ピストン型ポンプの基本的構造を示す図1のピストンポンプ1は往復運動するピストンロット2のピストンパッキン3がシリンダー4に接する位置でシリンダーの加圧室内と外気とを遮断して送液5を加圧する原理構造である。また、プランジャー型ポンプ6ではプランジャーロット7とシリンダー8の間にロットパッキン9でポンプ室と外気とを遮断している。いずれのポンプもパッキンの摺動摩耗は避けられず、給油口10を装備して摩擦を軽減するなどの方法もとられるが、パッキンの存在がピストン型ポンプの弱点となっている。
【0003】
図2の11は、ピストン型ポンプの欠点であるパッキンを必要としないダイヤフラムポンプの構造を示し、クランクシャフトの回転運動をコンロット12に伝えてピストンロット13の直線運動に変えて円盤型のダイヤフラム14を脈動加圧して送液15をバルブ16、17から吸入、吐出する機構である。しかし18の作用図で示すように機械式駆動のダイヤフラムポンプはロットとダイヤフラム19の接続部に偏った応力が加わるため高圧送液には適さない機構である。
【0004】
上記欠点を補う技術として開発された図2に示す油圧駆動ダイヤフラムポンプ20は、オイル22をプランジャー21で間接的に加圧してダイヤフラム24を脈動させ送液25をバルブ26、27から吸引吐出する構造であり、作用図28に示すように油圧がダイヤフラム29の全面を均等に加圧するために高圧送液できる構造である。しかしオイルで間接的に加圧するため油圧を使い磨耗は少なくなるが、依然としてパッキン23は必要であり、ピストン型ポンプに比較して構造が複雑になるためポンプ全体が大型になる高価な機構である。
【0005】
更に、パッキンを必要としない構造のポンプとして、弾性ゴム製チューブを圧縮するチュービングポンプや、シリンダー内面が螺旋状の雌ねじのステーターと雄ネジ状のローターによるポンプなどがあるが、いずれのポンプも消耗が激しく低圧小吐出用途に限られていて高圧送液は難しく、かつ耐久性が劣るため使用される分野は制約される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の説明のように、従来型のポンプの開発経過からみると、構造が簡単で製造しやすいため、多くの産業分野で使われているピストン型ポンプは、不可欠であるパッキンの摩耗に起因する耐久性が弱点であるだけでなく、送液の逸漏と磨耗屑による送液の汚濁という欠点を持っている。そこでピストンポンプ機構のシンプルな良さを生かしながらパッキンを必要としないポンプの開発が求められることが理解される。
【0007】
更に、ピストンパッキングより強いロットパッキングを持つプランジャーポンプ機構でもプランジャーがシリンダー内を往復するストローク長と直径が一定であるため、ストロークあたり送液量も一定であるはずであるが、稼働時間経過ともにパッキンの磨耗に起因して減少する避けがたい欠点があり、高圧下ではパッキンの消耗は更に激しくなり吐出量の減少は加速される。
【0008】
すなわち、従来からプランジャーの往復行程一回の送液量は升で測るように精密流量計としての機能するため計量ポンプとして使われているが、パッキンの摩耗に起因する計量機能が失われるために精度の維持管理は難しく、特に縣濁液には弱いなど送液可能な液の種類は限られている。
【0009】
更に、パッキンが存在するために剥離するパッキン屑や減摩剤が送液に混入することやシリンダーが外気に接触する構造に起因する汚染は避けがたく、パッキンを使わないピストン型ポンプを開発することができればサニタリー能力を持つ計量ポンプを提供することができるはずである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上説明したように、目的に対応して開発され改良されてきている従来のポンプの併せ持つ弱点を持つため、各種ポンプ機構を総合的に徹底的に見なおして検討した結果、ピストン型ポンプの高圧に強いプランジャーピストンポンプの特徴を生かし、パッキンの無いダイヤフラムポンプの原理を発展させ、パッキンを必要としないダイヤフラムプランジャーポンプ機構を発明して、耐久性のある計量ポンプとして万能的な用途に使用できうる高性能の経済的なポンプ機構を提供するものである。
【0011】
請求項1の発明の技術は、図3のプランジャーポンプ断面図29に示すようにプランジャーポンプのプランジャー31の先端形状と外径に合わせた内径のゴム又はエラストマー製で円筒袋状のダイヤフラム32をプランジャーに密着するように被覆して先端を固定33して、プランジャーは加圧行程では断面図37のようにダイヤフラム38を伸張して前進して、退行吸引行程では断面図29に示すようにダイヤフラム32はシリンダー内で収縮して原型に戻り、プランジャーのみシリンダーから後退する原理構造のために、プランジャーとシリンダー間のロッドパッキンを省略することができる機構により、プランジャーの往復運動によりシリンダー30内にバルブ34から吸引した液36をバルブ35から吐出する作動中も送液はプランジャーと外気とに全く接触しない構造のダイヤフラムプランジャーポンプについてである。
【0012】
また、加圧行程終了時のポンプ断面図37はプランジャー31がダイヤフラム32を内側から押して最長に引き延ばした状態を示し、プランジャー31の点線の円筒状部40がプシリンダー30に押し込まれて同体積の送液を行い続いてシリンダーから引き抜かれる吸引行程ではダイヤフラムはシリンダー内でプランジャーの外壁に密着滑動収縮して32の形状に戻る作動原理である。
【0013】
同じく図3に示す請求項2の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャーが挿入するシリンダー30の開口部でダイヤフラム開口部のフランジ39を押さえて固定することによりシリンダー室内の送液と外気とを完全に遮断して液漏れが全く生じない機能を備えるようにしたダイヤフラムの取り付け方法についてである。
【0014】
請求項3の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラム32をプランジャー31の先端にボルト33で固定することについてである。すなわちプランジャー34が退行吸引行程で発生するポンプ室の負圧によりダイヤフラムがプランジャーから離れること無く一体化して高速で往復運動させることができる機構についてである。
【0015】
請求項4の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャー外壁とダイヤフラム内壁の間に生ずる摩擦を軽減する潤滑液を供給する機構についてである。すなわち図3のシリンダー31に付随した潤滑液ボックス41中でプランジャー30が往復運動中に表面に潤滑液が接触塗布される機構についてである。すなわち、プランジャーはシリンダー内の液とはダイヤフラムで完全に遮断されるため潤滑液はシリンダー内の送液と接触しない構造にできる。
【0016】
請求項5の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラムをプランジャーがシリンダー最深部に挿入した加圧行程の終了時の図3の断面37に示すシリンダー内プランジャー長のダイヤフラム38を基準に製作すると、ダイヤフラムは吸引行程の始まる最初からストロークの全区間で圧縮応力を受けて短縮して反発応力が蓄えられ、加圧行程では反発応力を解放して原型に戻るように伸張する。すなわち全ストローク区間で圧縮応力を受けるように作動する高圧に適する耐久性を備えた圧縮型ダイヤフラムの設計技術についてである。
【0017】
請求項6の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、図3に示す最短収縮時のダイヤフラム32と最伸長時のダイヤフラム38との中間の長さで製作すると、ダイヤフラムにかかる変形応力を最小限にしてダイヤフラムの耐久性を高める設計製造方法についてである。すなわちプランジャーがシリンダー最深部まで挿入される加圧行程時にダイヤフラムは原型の長さから伸張して収縮力が蓄積されて、退行する吸引行程の元の位置までの前半は原型に戻るように収縮し、吸引行程の後半は圧縮応力を受けるため、ストローク長の伸張距離も圧縮距離も半減されて応力を受けるため、ダイヤフラムの変形を最小限に抑えて耐久性を増すことができるダイヤフラム長を決める設計製造方法についてである。
【0018】
図4に示す請求項7の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャーが最もシリンダーから引き抜かれた状態のポンプ断面42で示すように、ダイヤフラムプランジャーの先端形状を紡錘型43に製作して、同じく紡錘型のダイヤフラム44をボルト45でプランジャー先端に固定した構造にするダイヤフラプランジャーの設計製造方法についてである。プランジャー先端のダイヤフラムの厚さを先端に向かって徐々に厚くすると、加圧行程ではシリンダー内でプランジャーの伸長に従うダイヤフラムの伸びもスムースになり、最短長になる吸引行程ではダイヤフラムの開口部の膜厚薄い方から徐々に厚みが増して収縮するため、ダイヤフラムとシリンダー間の空間が徐々に埋められてシリンダー内液46がスムースに流れる構造の高度なポンプ機能を持たせることができる。
【0019】
図5に示す請求項8の開示技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、通常のピストンポンプで広範囲に使用されているクランクシャフト51の回転運動をコンロット52でプランジャー53の直線的往復運動に変えて作動させる機械的な駆動機構を使用することについてである。すなわち、シンプルなパッキンのあるプランジャーポンプのクランク式駆動機構をそのまま使用して耐久性のある万能的な送液に適応できる計量機能を強化したダイヤフラムプランジャーポンプとして容易に改造することができる。
【0020】
図6に示す請求項9の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、使用する駆動方法を液体圧又は圧縮空気を使ったポンプ駆動機構54を使用することについてである。液体や気体でピストン55を加圧してプランジャー56を平滑な往復運動させて送液を二次的に間接加圧する駆動機構のポンプで、多数のポンプを同時的稼働するさいは液体や空気圧を使用するとポンプの圧力制御運転制御が容易である。更に、ブースターポンプ機構はプランジャーの断面積でブースターポンプの断面積を割った数値を一次気液圧に乗じた圧力で送液加圧することができ、コンパクトな構造で一次駆動気液の圧力の何倍もの高圧で安全に二次送液できるメンテナンスが容易なポンプを提供できる。
【0021】
図7の57に示す請求項10の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて液体圧又は空気圧力で往復運動させるブースターピストン駆動機構58の軸の両サイドにダイヤフラムプランジャーポンプ59を対向して配置して、左右のポンプを別々の流路としてブースターの等速度運動特性を生かして使用することも可能であるが、交互に加圧する流路を合流させると更に脈動の少ない送液ができる二連型ポンプ機構48を提供することができる。また、ポンプを水平に設置すると吸引バルブ60と吐出バルブ61を垂直配置できるためシリンダー内に溜る気体を速やかに排除できて計量ポンプ機能を保つことが容易である。
【0022】
同じく、前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて図7のヨークカム駆動機構62を使用して、回転するカムの両サイドにポンプを対向して設置すると簡便な構造で二連型ポンス機構を構成することができる。また、スプリングを併用したカム駆動機構63にすると、同一回転軸で多数のポンプを稼働させるコンパクトなマルチポンププラントを形成することができる。更に、カム駆動ポンプはカムの形状を円形から等速度吐出や脈動吐出する形状に設計してカムを交換して多様な加圧速度形態で吐出する多機能なポンプを搭載したポンププラントを製作することができる。
【0023】
請求項11の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてシリンダーの内外を挿入、退出して往復運動する円柱状プランジャー31が吸引行程終了時の図3のポンプ断面29のシリンダー外に出ている点線で示す円柱状区域40は加圧行程終了時ではポンプ断面37に示すようにシリンダー内部に押し込まれて同容積の液を加圧送液するため、プランジャーのストローク数を計測するだけで正確にポンプ吐出量を知ることができ、パッキンの無い構造で計量ポンプ機能を持続する耐久性もあるため、従来のポンプのように高度な流量計を必要とせずに計量制御運転を行なうことができる。同様に図4のプランジャーの先端が紡錘形状プランジャー43と紡錘型ダイヤフラム44を採用しても吸引行程終了断面42の、シリンダー外のプランジャーの点線区間50は直径が変わらない円柱であり、加圧行程終了断面47で示すようにシリンダー内に挿入して先端の形状に関係無く同体積の送液を加圧する機能は円柱状プランジャーポンプとおなじである。従って、ブースターピストンの往復駆動信号回数はプランジャーのストローク数を表すため、駆動電気信号をそのまま同一管理装置内の流量管理回路で処理できる優れた吐出流量計測機能を備えた計量ポンプを構成することができる。
【0024】
前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、図8に示すように台車上に複数台のポンプを搭載してポンププラントとして発展させた請求項12の発明の技術によれば、プラントに搭載した制御運転機構により、計量ポンプ機能を使い多流路を独立した加圧流路を形成してブースターの制御運転データーを処理するだけで流量を計算処理でき、電磁流量計などの高度な計器無しにプロマブルブルコントローラーによる遠距離制御運転できるようにして、従来のポンププラントでなし得なかった万能的な液種に対応できるコンパクトな多流路自動運転制御ポンププラントを経済的に提供することができる。
【0025】
【作用】
上記のように構成されたダイヤフラムプランジャーポンプは万能的な化学薬品から縣濁液までの広範囲の液体を送液でき、従来のプランジャーポンプのようにパッキンの酸化や潤滑液の洗浄効果による性能劣化により行程回数に比例して徐々に漏液に起因する送液量の減少する傾向が生じないため、等速度で安定した送液速度を維持することができる。
【0026】
そして、上記したようにプランジャーはダイヤフラムに接するだけで送液には接触することが無いためセメントなどの縣濁液の送液では、従来のポンプのプランジャーがパッキンとの間に入り込んだ粒子により相互研磨されるような磨耗現象が無く、メンテナンスの容易な計量ポンプ機能を持つ。
【0027】
更に、ダイヤフラムの膜厚はプランジャーがダイヤフラムを内側から支保しているため、引っ張り応力に耐えられる材質強度を確保できれば、ミリメートル単位の膜厚で十分に機能し、プランジャーとの摩擦の軽減にはプランジャーの外周に少量の潤滑剤を塗付供給するだけで著しく長期的使用に耐えられるダイヤフラムプランジャーポンプの機能を円滑に維持することができる。
【0028】
【発明実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図8の64に示す本発明のポンプ設備はブースターポンプ65にダイヤフラムプランジャーポンプ66を直結した垂直型ポンプ16台を左右2列に搭載したポンププラントの断面図である。プラントのポンプの下部に2本の送液管69と洗浄水管70を設置し、プランジャーポンプ66は送液を給液管69から電動3方向弁71を経由して直上の吸引バルブ67から吸液してシリンダーに入り吐出バルブ68から吐出する構造である。また、3方向弁の1方は送水管に接続していて休止したポンプは速やかに洗浄を行なうよう自動運転制御管理機器74が搭載されている。
【0030】
当プラントに搭載するポンプはプランジャーの1回の行程体積が100ccの吐出量になるよう調整してありダイヤフラムプランジャーポンプの優れた特徴となっている計量ポンプ機能を具備しているので各ポンプのプランジャーの行程回数を計測することにより吐出流量を正確に計量して自動制御運転することができる。
【0031】
また、各吐出回路に圧力センサーを装備し、プラントに搭載する自動運転制御管理機器74を搭載することにより、圧力と吐出量をポンププラント上で記録管理できる制御機能を持っている。
【0032】
更に、搭載した自動運転制御機構74は注入圧力の記録管理並びに、ブースターポンプのピストンの往復運動回数を自在に設定制御でき、左右の列のポンプ65を交互に比例制御送液する方法や、当然のことながら16回路を個別運転に切り替えて自動制御運転できる制御ソフトを搭載している。
【0033】
また、精度の高い吐出量のダイヤフラムプランジャーポンプは吐出が安定しているため旧来のポンプを多数同時運転する時のように流量管理装置のデーターの変化を監視し通信連絡して各ポンプを手動操作で行なうような煩雑な運転操作は必要なく、プロマブルコントローラーを搭載した制御運転管理装置から圧力や流量の施工データーをシーシーリンクケーブルで送受信して1kmを超える区間距離から遠隔自動運転制御を行なうことができる。
【0034】
次に本発明のその他の実施の形態を示す。
【0035】
図8の72は図5に示す二連型ダイヤフラムプランジャーポンプを8台搭載したポンププラントである。プラントに搭載した駆動ポンプの両端に連結して交互に加圧圧送するポンプの流路を合流させて、限りなく平滑な送液のできる構造の二連型ポンプ73を8台搭載しているので總送液量は変わらないが、ブースターピストンのポンプ数は8台で16台のポンプを稼働させるので、動力効率の高いコンパクトなコンパクトポンププラントである。
【0036】
また、ブースターポンプの数が少ないことは、空気制御バルブの数と速度制御センサーの回路数を少なくできるため74の制御器機構や端子台も小さくなり、ポンププラント全体が軽量小型化して経済的で実用的なポンププラントを構成することができるため用途の領域を拡張できるポンププランとである。
【0037】
更に、前記プラントに搭載している制御機構は、ニ連型ポンプ2台を組みあわせて4台のプランジャーを同調させて運転することができるため、4倍の大型容量ポンプを4台搭載したポンププラントと同様な機能で運転することができ、更に、各グループの総吐出量を任意に変更できるため大容量の多方面に使用領域を拡張できる応用範囲の広いポンププラントである。
【0038】
また、ブースター16台の制御運転装置を搭載すれば、駆動装置の効率の高い二連型ポンプを16台搭載してポンプを32台に増設することも容易にできる拡張性の高いポンプ機能を備えたポンププラントを構成することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏することができる。
【0040】
構造がシンプルなプランジャーピストンポンプの簡便性と万能性を継承しながらパッキンを必要としないダイヤフラムポンプの特徴を生かした耐久性のあるプランジャーポンプを開発して縣濁液から化学薬品まで広範囲の液種に対応できるパッキンの無い構造のプランジャーポンプはサニタリー能力を持つため医療や食品などの万能用途に使用できるポンプを提供することができる。
【0041】
また,ダイヤフラムプランジャーポンプの行程体積が送液量に比例して加圧送液できる能力を長期間持続することができるので、ピストンの行程回数を計測するだけで送液量を容易に計算できる優れた機能を持つため、加圧送液の自動運転制御分野に使用できる高精度の計量ポンプを製造することができる。
【0042】
更に、同時に搭載する沢山のポンプの個別制御運転を必要とするポンププラントにはコンパクトで速度制御が容易で、耐久性がありメンテナンスが楽な多くの機能を有するポンプが求められているが、何百もの注入ポイントに同時送液する地盤改良用のポンプ設備としては当ダイヤフラムプランジャーポンプの発明により遠距離自動運転制御できる高機能で経済的なポンププラントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンポンプとプランジャーポンプ構造原理比較説明図である。
【図2】ダイヤフラムポンプの構造原理説明図である。
【図3】ダイヤフラムプランジャーポンプの構造原理説明図である。
【図4】紡錘形状ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図である。
【図5】クランク駆動式ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図。
【図6】加圧気液駆動式ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図。
【図7】ニ連型ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図である。
【図8】ダイヤフラムプランジャーポンププラント断面比較説明図である。
【符号の説明】
1:ピストンポンプ断面図。
3:ピストンパッキン。
4、8:シリンダー。
6:プランジャーポンプ。
9:ロッドパッキン。
11:機械駆動式円盤形ダイヤフラムポンプの構造断面図。
20:油圧駆動式円盤形ダイヤフラムポンプの構造断面図。
14、24:円盤形ダイヤフラム。
18:メカニカル駆動ダイヤフラムポンプの原理説明図。
28:油圧駆動ダイヤフラムポンプの原理説明図。
29:ダイヤフラムプランジャーポンプの吸引行程終了時の断面図。
30:ダイヤフラムプランジャーポンプのシリンダー。
31:ダイヤフラムプランジャーポンプのプランジャー。
32、38、:ダイヤフラムプランジャーポンプのダイヤフラム。
33、45;ダイヤフラムをプランジャーに固定するボルト。
37:ダイヤフラムプランジャーポンプの加圧行程終了時の断面図。
42:紡錘型ダイヤフラムプランジャーの吸引行程終了時の断面図。
40、50:円柱状体積が送液量となるプランジャーの点線表示区間。
41:潤滑液補給タンク。
47:紡錘型ダイヤフラムプランジャーの加圧終了時の断面図。
51,52:クランク、コンロットポンプ駆動機構。
55:ブースターポンプ駆動機構のピストン。
57:二連型ブースター駆動ダイヤフラムプランジャーポンプ断面。
62:二連型ヨークカム駆動機構説明図。
63:二連型円形カム駆動機構説明図。
64:16連ダイヤフラムプランジャーポンププラント断面図。
65:垂直型ダイヤフラムプランジャーポンプ。
67:3方向電動弁。
72:8連二連型ダイヤフラムプランジャーポンププラント断面図。
74:プロマブルコントロールポンプ自動運転制御管理装置。
【発明の属する技術分野】
本発明の開示技術はピストンポンプを使って送液する必要のある広範囲の産業分野で使用されるポンプの製造、使用技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
ピストン型ポンプの基本的構造を示す図1のピストンポンプ1は往復運動するピストンロット2のピストンパッキン3がシリンダー4に接する位置でシリンダーの加圧室内と外気とを遮断して送液5を加圧する原理構造である。また、プランジャー型ポンプ6ではプランジャーロット7とシリンダー8の間にロットパッキン9でポンプ室と外気とを遮断している。いずれのポンプもパッキンの摺動摩耗は避けられず、給油口10を装備して摩擦を軽減するなどの方法もとられるが、パッキンの存在がピストン型ポンプの弱点となっている。
【0003】
図2の11は、ピストン型ポンプの欠点であるパッキンを必要としないダイヤフラムポンプの構造を示し、クランクシャフトの回転運動をコンロット12に伝えてピストンロット13の直線運動に変えて円盤型のダイヤフラム14を脈動加圧して送液15をバルブ16、17から吸入、吐出する機構である。しかし18の作用図で示すように機械式駆動のダイヤフラムポンプはロットとダイヤフラム19の接続部に偏った応力が加わるため高圧送液には適さない機構である。
【0004】
上記欠点を補う技術として開発された図2に示す油圧駆動ダイヤフラムポンプ20は、オイル22をプランジャー21で間接的に加圧してダイヤフラム24を脈動させ送液25をバルブ26、27から吸引吐出する構造であり、作用図28に示すように油圧がダイヤフラム29の全面を均等に加圧するために高圧送液できる構造である。しかしオイルで間接的に加圧するため油圧を使い磨耗は少なくなるが、依然としてパッキン23は必要であり、ピストン型ポンプに比較して構造が複雑になるためポンプ全体が大型になる高価な機構である。
【0005】
更に、パッキンを必要としない構造のポンプとして、弾性ゴム製チューブを圧縮するチュービングポンプや、シリンダー内面が螺旋状の雌ねじのステーターと雄ネジ状のローターによるポンプなどがあるが、いずれのポンプも消耗が激しく低圧小吐出用途に限られていて高圧送液は難しく、かつ耐久性が劣るため使用される分野は制約される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の説明のように、従来型のポンプの開発経過からみると、構造が簡単で製造しやすいため、多くの産業分野で使われているピストン型ポンプは、不可欠であるパッキンの摩耗に起因する耐久性が弱点であるだけでなく、送液の逸漏と磨耗屑による送液の汚濁という欠点を持っている。そこでピストンポンプ機構のシンプルな良さを生かしながらパッキンを必要としないポンプの開発が求められることが理解される。
【0007】
更に、ピストンパッキングより強いロットパッキングを持つプランジャーポンプ機構でもプランジャーがシリンダー内を往復するストローク長と直径が一定であるため、ストロークあたり送液量も一定であるはずであるが、稼働時間経過ともにパッキンの磨耗に起因して減少する避けがたい欠点があり、高圧下ではパッキンの消耗は更に激しくなり吐出量の減少は加速される。
【0008】
すなわち、従来からプランジャーの往復行程一回の送液量は升で測るように精密流量計としての機能するため計量ポンプとして使われているが、パッキンの摩耗に起因する計量機能が失われるために精度の維持管理は難しく、特に縣濁液には弱いなど送液可能な液の種類は限られている。
【0009】
更に、パッキンが存在するために剥離するパッキン屑や減摩剤が送液に混入することやシリンダーが外気に接触する構造に起因する汚染は避けがたく、パッキンを使わないピストン型ポンプを開発することができればサニタリー能力を持つ計量ポンプを提供することができるはずである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上説明したように、目的に対応して開発され改良されてきている従来のポンプの併せ持つ弱点を持つため、各種ポンプ機構を総合的に徹底的に見なおして検討した結果、ピストン型ポンプの高圧に強いプランジャーピストンポンプの特徴を生かし、パッキンの無いダイヤフラムポンプの原理を発展させ、パッキンを必要としないダイヤフラムプランジャーポンプ機構を発明して、耐久性のある計量ポンプとして万能的な用途に使用できうる高性能の経済的なポンプ機構を提供するものである。
【0011】
請求項1の発明の技術は、図3のプランジャーポンプ断面図29に示すようにプランジャーポンプのプランジャー31の先端形状と外径に合わせた内径のゴム又はエラストマー製で円筒袋状のダイヤフラム32をプランジャーに密着するように被覆して先端を固定33して、プランジャーは加圧行程では断面図37のようにダイヤフラム38を伸張して前進して、退行吸引行程では断面図29に示すようにダイヤフラム32はシリンダー内で収縮して原型に戻り、プランジャーのみシリンダーから後退する原理構造のために、プランジャーとシリンダー間のロッドパッキンを省略することができる機構により、プランジャーの往復運動によりシリンダー30内にバルブ34から吸引した液36をバルブ35から吐出する作動中も送液はプランジャーと外気とに全く接触しない構造のダイヤフラムプランジャーポンプについてである。
【0012】
また、加圧行程終了時のポンプ断面図37はプランジャー31がダイヤフラム32を内側から押して最長に引き延ばした状態を示し、プランジャー31の点線の円筒状部40がプシリンダー30に押し込まれて同体積の送液を行い続いてシリンダーから引き抜かれる吸引行程ではダイヤフラムはシリンダー内でプランジャーの外壁に密着滑動収縮して32の形状に戻る作動原理である。
【0013】
同じく図3に示す請求項2の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャーが挿入するシリンダー30の開口部でダイヤフラム開口部のフランジ39を押さえて固定することによりシリンダー室内の送液と外気とを完全に遮断して液漏れが全く生じない機能を備えるようにしたダイヤフラムの取り付け方法についてである。
【0014】
請求項3の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラム32をプランジャー31の先端にボルト33で固定することについてである。すなわちプランジャー34が退行吸引行程で発生するポンプ室の負圧によりダイヤフラムがプランジャーから離れること無く一体化して高速で往復運動させることができる機構についてである。
【0015】
請求項4の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャー外壁とダイヤフラム内壁の間に生ずる摩擦を軽減する潤滑液を供給する機構についてである。すなわち図3のシリンダー31に付随した潤滑液ボックス41中でプランジャー30が往復運動中に表面に潤滑液が接触塗布される機構についてである。すなわち、プランジャーはシリンダー内の液とはダイヤフラムで完全に遮断されるため潤滑液はシリンダー内の送液と接触しない構造にできる。
【0016】
請求項5の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラムをプランジャーがシリンダー最深部に挿入した加圧行程の終了時の図3の断面37に示すシリンダー内プランジャー長のダイヤフラム38を基準に製作すると、ダイヤフラムは吸引行程の始まる最初からストロークの全区間で圧縮応力を受けて短縮して反発応力が蓄えられ、加圧行程では反発応力を解放して原型に戻るように伸張する。すなわち全ストローク区間で圧縮応力を受けるように作動する高圧に適する耐久性を備えた圧縮型ダイヤフラムの設計技術についてである。
【0017】
請求項6の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、図3に示す最短収縮時のダイヤフラム32と最伸長時のダイヤフラム38との中間の長さで製作すると、ダイヤフラムにかかる変形応力を最小限にしてダイヤフラムの耐久性を高める設計製造方法についてである。すなわちプランジャーがシリンダー最深部まで挿入される加圧行程時にダイヤフラムは原型の長さから伸張して収縮力が蓄積されて、退行する吸引行程の元の位置までの前半は原型に戻るように収縮し、吸引行程の後半は圧縮応力を受けるため、ストローク長の伸張距離も圧縮距離も半減されて応力を受けるため、ダイヤフラムの変形を最小限に抑えて耐久性を増すことができるダイヤフラム長を決める設計製造方法についてである。
【0018】
図4に示す請求項7の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャーが最もシリンダーから引き抜かれた状態のポンプ断面42で示すように、ダイヤフラムプランジャーの先端形状を紡錘型43に製作して、同じく紡錘型のダイヤフラム44をボルト45でプランジャー先端に固定した構造にするダイヤフラプランジャーの設計製造方法についてである。プランジャー先端のダイヤフラムの厚さを先端に向かって徐々に厚くすると、加圧行程ではシリンダー内でプランジャーの伸長に従うダイヤフラムの伸びもスムースになり、最短長になる吸引行程ではダイヤフラムの開口部の膜厚薄い方から徐々に厚みが増して収縮するため、ダイヤフラムとシリンダー間の空間が徐々に埋められてシリンダー内液46がスムースに流れる構造の高度なポンプ機能を持たせることができる。
【0019】
図5に示す請求項8の開示技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、通常のピストンポンプで広範囲に使用されているクランクシャフト51の回転運動をコンロット52でプランジャー53の直線的往復運動に変えて作動させる機械的な駆動機構を使用することについてである。すなわち、シンプルなパッキンのあるプランジャーポンプのクランク式駆動機構をそのまま使用して耐久性のある万能的な送液に適応できる計量機能を強化したダイヤフラムプランジャーポンプとして容易に改造することができる。
【0020】
図6に示す請求項9の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、使用する駆動方法を液体圧又は圧縮空気を使ったポンプ駆動機構54を使用することについてである。液体や気体でピストン55を加圧してプランジャー56を平滑な往復運動させて送液を二次的に間接加圧する駆動機構のポンプで、多数のポンプを同時的稼働するさいは液体や空気圧を使用するとポンプの圧力制御運転制御が容易である。更に、ブースターポンプ機構はプランジャーの断面積でブースターポンプの断面積を割った数値を一次気液圧に乗じた圧力で送液加圧することができ、コンパクトな構造で一次駆動気液の圧力の何倍もの高圧で安全に二次送液できるメンテナンスが容易なポンプを提供できる。
【0021】
図7の57に示す請求項10の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて液体圧又は空気圧力で往復運動させるブースターピストン駆動機構58の軸の両サイドにダイヤフラムプランジャーポンプ59を対向して配置して、左右のポンプを別々の流路としてブースターの等速度運動特性を生かして使用することも可能であるが、交互に加圧する流路を合流させると更に脈動の少ない送液ができる二連型ポンプ機構48を提供することができる。また、ポンプを水平に設置すると吸引バルブ60と吐出バルブ61を垂直配置できるためシリンダー内に溜る気体を速やかに排除できて計量ポンプ機能を保つことが容易である。
【0022】
同じく、前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて図7のヨークカム駆動機構62を使用して、回転するカムの両サイドにポンプを対向して設置すると簡便な構造で二連型ポンス機構を構成することができる。また、スプリングを併用したカム駆動機構63にすると、同一回転軸で多数のポンプを稼働させるコンパクトなマルチポンププラントを形成することができる。更に、カム駆動ポンプはカムの形状を円形から等速度吐出や脈動吐出する形状に設計してカムを交換して多様な加圧速度形態で吐出する多機能なポンプを搭載したポンププラントを製作することができる。
【0023】
請求項11の発明の技術は前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてシリンダーの内外を挿入、退出して往復運動する円柱状プランジャー31が吸引行程終了時の図3のポンプ断面29のシリンダー外に出ている点線で示す円柱状区域40は加圧行程終了時ではポンプ断面37に示すようにシリンダー内部に押し込まれて同容積の液を加圧送液するため、プランジャーのストローク数を計測するだけで正確にポンプ吐出量を知ることができ、パッキンの無い構造で計量ポンプ機能を持続する耐久性もあるため、従来のポンプのように高度な流量計を必要とせずに計量制御運転を行なうことができる。同様に図4のプランジャーの先端が紡錘形状プランジャー43と紡錘型ダイヤフラム44を採用しても吸引行程終了断面42の、シリンダー外のプランジャーの点線区間50は直径が変わらない円柱であり、加圧行程終了断面47で示すようにシリンダー内に挿入して先端の形状に関係無く同体積の送液を加圧する機能は円柱状プランジャーポンプとおなじである。従って、ブースターピストンの往復駆動信号回数はプランジャーのストローク数を表すため、駆動電気信号をそのまま同一管理装置内の流量管理回路で処理できる優れた吐出流量計測機能を備えた計量ポンプを構成することができる。
【0024】
前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて、図8に示すように台車上に複数台のポンプを搭載してポンププラントとして発展させた請求項12の発明の技術によれば、プラントに搭載した制御運転機構により、計量ポンプ機能を使い多流路を独立した加圧流路を形成してブースターの制御運転データーを処理するだけで流量を計算処理でき、電磁流量計などの高度な計器無しにプロマブルブルコントローラーによる遠距離制御運転できるようにして、従来のポンププラントでなし得なかった万能的な液種に対応できるコンパクトな多流路自動運転制御ポンププラントを経済的に提供することができる。
【0025】
【作用】
上記のように構成されたダイヤフラムプランジャーポンプは万能的な化学薬品から縣濁液までの広範囲の液体を送液でき、従来のプランジャーポンプのようにパッキンの酸化や潤滑液の洗浄効果による性能劣化により行程回数に比例して徐々に漏液に起因する送液量の減少する傾向が生じないため、等速度で安定した送液速度を維持することができる。
【0026】
そして、上記したようにプランジャーはダイヤフラムに接するだけで送液には接触することが無いためセメントなどの縣濁液の送液では、従来のポンプのプランジャーがパッキンとの間に入り込んだ粒子により相互研磨されるような磨耗現象が無く、メンテナンスの容易な計量ポンプ機能を持つ。
【0027】
更に、ダイヤフラムの膜厚はプランジャーがダイヤフラムを内側から支保しているため、引っ張り応力に耐えられる材質強度を確保できれば、ミリメートル単位の膜厚で十分に機能し、プランジャーとの摩擦の軽減にはプランジャーの外周に少量の潤滑剤を塗付供給するだけで著しく長期的使用に耐えられるダイヤフラムプランジャーポンプの機能を円滑に維持することができる。
【0028】
【発明実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図8の64に示す本発明のポンプ設備はブースターポンプ65にダイヤフラムプランジャーポンプ66を直結した垂直型ポンプ16台を左右2列に搭載したポンププラントの断面図である。プラントのポンプの下部に2本の送液管69と洗浄水管70を設置し、プランジャーポンプ66は送液を給液管69から電動3方向弁71を経由して直上の吸引バルブ67から吸液してシリンダーに入り吐出バルブ68から吐出する構造である。また、3方向弁の1方は送水管に接続していて休止したポンプは速やかに洗浄を行なうよう自動運転制御管理機器74が搭載されている。
【0030】
当プラントに搭載するポンプはプランジャーの1回の行程体積が100ccの吐出量になるよう調整してありダイヤフラムプランジャーポンプの優れた特徴となっている計量ポンプ機能を具備しているので各ポンプのプランジャーの行程回数を計測することにより吐出流量を正確に計量して自動制御運転することができる。
【0031】
また、各吐出回路に圧力センサーを装備し、プラントに搭載する自動運転制御管理機器74を搭載することにより、圧力と吐出量をポンププラント上で記録管理できる制御機能を持っている。
【0032】
更に、搭載した自動運転制御機構74は注入圧力の記録管理並びに、ブースターポンプのピストンの往復運動回数を自在に設定制御でき、左右の列のポンプ65を交互に比例制御送液する方法や、当然のことながら16回路を個別運転に切り替えて自動制御運転できる制御ソフトを搭載している。
【0033】
また、精度の高い吐出量のダイヤフラムプランジャーポンプは吐出が安定しているため旧来のポンプを多数同時運転する時のように流量管理装置のデーターの変化を監視し通信連絡して各ポンプを手動操作で行なうような煩雑な運転操作は必要なく、プロマブルコントローラーを搭載した制御運転管理装置から圧力や流量の施工データーをシーシーリンクケーブルで送受信して1kmを超える区間距離から遠隔自動運転制御を行なうことができる。
【0034】
次に本発明のその他の実施の形態を示す。
【0035】
図8の72は図5に示す二連型ダイヤフラムプランジャーポンプを8台搭載したポンププラントである。プラントに搭載した駆動ポンプの両端に連結して交互に加圧圧送するポンプの流路を合流させて、限りなく平滑な送液のできる構造の二連型ポンプ73を8台搭載しているので總送液量は変わらないが、ブースターピストンのポンプ数は8台で16台のポンプを稼働させるので、動力効率の高いコンパクトなコンパクトポンププラントである。
【0036】
また、ブースターポンプの数が少ないことは、空気制御バルブの数と速度制御センサーの回路数を少なくできるため74の制御器機構や端子台も小さくなり、ポンププラント全体が軽量小型化して経済的で実用的なポンププラントを構成することができるため用途の領域を拡張できるポンププランとである。
【0037】
更に、前記プラントに搭載している制御機構は、ニ連型ポンプ2台を組みあわせて4台のプランジャーを同調させて運転することができるため、4倍の大型容量ポンプを4台搭載したポンププラントと同様な機能で運転することができ、更に、各グループの総吐出量を任意に変更できるため大容量の多方面に使用領域を拡張できる応用範囲の広いポンププラントである。
【0038】
また、ブースター16台の制御運転装置を搭載すれば、駆動装置の効率の高い二連型ポンプを16台搭載してポンプを32台に増設することも容易にできる拡張性の高いポンプ機能を備えたポンププラントを構成することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏することができる。
【0040】
構造がシンプルなプランジャーピストンポンプの簡便性と万能性を継承しながらパッキンを必要としないダイヤフラムポンプの特徴を生かした耐久性のあるプランジャーポンプを開発して縣濁液から化学薬品まで広範囲の液種に対応できるパッキンの無い構造のプランジャーポンプはサニタリー能力を持つため医療や食品などの万能用途に使用できるポンプを提供することができる。
【0041】
また,ダイヤフラムプランジャーポンプの行程体積が送液量に比例して加圧送液できる能力を長期間持続することができるので、ピストンの行程回数を計測するだけで送液量を容易に計算できる優れた機能を持つため、加圧送液の自動運転制御分野に使用できる高精度の計量ポンプを製造することができる。
【0042】
更に、同時に搭載する沢山のポンプの個別制御運転を必要とするポンププラントにはコンパクトで速度制御が容易で、耐久性がありメンテナンスが楽な多くの機能を有するポンプが求められているが、何百もの注入ポイントに同時送液する地盤改良用のポンプ設備としては当ダイヤフラムプランジャーポンプの発明により遠距離自動運転制御できる高機能で経済的なポンププラントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンポンプとプランジャーポンプ構造原理比較説明図である。
【図2】ダイヤフラムポンプの構造原理説明図である。
【図3】ダイヤフラムプランジャーポンプの構造原理説明図である。
【図4】紡錘形状ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図である。
【図5】クランク駆動式ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図。
【図6】加圧気液駆動式ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図。
【図7】ニ連型ダイヤフラムプランジャーポンプの構造説明図である。
【図8】ダイヤフラムプランジャーポンププラント断面比較説明図である。
【符号の説明】
1:ピストンポンプ断面図。
3:ピストンパッキン。
4、8:シリンダー。
6:プランジャーポンプ。
9:ロッドパッキン。
11:機械駆動式円盤形ダイヤフラムポンプの構造断面図。
20:油圧駆動式円盤形ダイヤフラムポンプの構造断面図。
14、24:円盤形ダイヤフラム。
18:メカニカル駆動ダイヤフラムポンプの原理説明図。
28:油圧駆動ダイヤフラムポンプの原理説明図。
29:ダイヤフラムプランジャーポンプの吸引行程終了時の断面図。
30:ダイヤフラムプランジャーポンプのシリンダー。
31:ダイヤフラムプランジャーポンプのプランジャー。
32、38、:ダイヤフラムプランジャーポンプのダイヤフラム。
33、45;ダイヤフラムをプランジャーに固定するボルト。
37:ダイヤフラムプランジャーポンプの加圧行程終了時の断面図。
42:紡錘型ダイヤフラムプランジャーの吸引行程終了時の断面図。
40、50:円柱状体積が送液量となるプランジャーの点線表示区間。
41:潤滑液補給タンク。
47:紡錘型ダイヤフラムプランジャーの加圧終了時の断面図。
51,52:クランク、コンロットポンプ駆動機構。
55:ブースターポンプ駆動機構のピストン。
57:二連型ブースター駆動ダイヤフラムプランジャーポンプ断面。
62:二連型ヨークカム駆動機構説明図。
63:二連型円形カム駆動機構説明図。
64:16連ダイヤフラムプランジャーポンププラント断面図。
65:垂直型ダイヤフラムプランジャーポンプ。
67:3方向電動弁。
72:8連二連型ダイヤフラムプランジャーポンププラント断面図。
74:プロマブルコントロールポンプ自動運転制御管理装置。
Claims (12)
- プランジャーポンプのプランジャーに先端形状と外径に合わせたゴム又はエラストマー製で円筒袋状のダイヤフラムを密着するように被覆して、加圧行程ではシリンダー内のダイヤフラムを伸張して前進し、退行行程ではプランジャーのみシリンダーから後退してダイヤフラムはシリンダー内で収縮して原型に戻る機構のロッドパッキキンの無いダイヤフラムプランジャーポンプ。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラムをプランジャーの挿入口でシリンダーと固定して、プランジャーがシリンダー内を往復運動中にシリンダー内の液が外気と完全に遮断される構造にすること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて円筒袋状ダイヤフラムを被覆したプランジャーの先端に固定すること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてシリンダーの開口部にプランジャーとダイヤフラムの接触摩擦力を軽減する目的の潤滑剤供給機構をもうけること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラムをプランジャーの全行程区間を圧縮応力下で作動させるため、加圧行程終了時のシリンダー最深部に挿入するシリンダー内プランジャー長で製作すること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてダイヤフラムをプランジャーがシリンダーに加圧開始から最深部までの行程区間長の中間位置のシリンダー内プランジャー長で製作すること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャーの頭部形状を紡錘型にして併用するダイヤフラムの形状をプランジャーの外形に合わせた紡錘型にすること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてクランク機構やカム機構などの機械式駆動機構で駆動させるポンプの構造。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいて液体又は圧搾空気によるブースターポンプ流体駆動機構で駆動させるポンプの構造。
- 中央に位置する油圧や圧搾空気又はカム駆動機構により往復運動するロットの両サイドに前記ダイヤフラムプランジャーポンプを装着して交互に加圧送液せしめる構造の二連型ポンプ機構。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプにおいてプランジャー径とストローク長から一回の加圧送液量をあらかじめ計算して、ブースターポンプの往復運動させる制御運転電気信号回数を測定することにより送液流路に流量計を併設装備することなく計量ポンプとして使用すること。
- 前記ダイヤフラムプランジャーポンプを同一台上に複数台搭載し、同時に搭載する制御管理装置によりブースターポンプのストローク数から個々のポンプの流量を計算して、同時に得られる各流路の圧力センサー情報を遠距離から送受信して自動運転制御管理できるポンププラント設備。
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