JP2004358139A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別図柄による大当たり判定結果の報知が複数回行われる間に、継続的に、デモ図柄による大当たり判定結果の報知を行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】特別図柄による大当たり判定結果の報知が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出を行う特殊演出が行われない場合、変動パターン番号には「2」以上が設定されており(S83:YESまたはS86:NO)、デモ図柄指定コマンドに続いて特別図柄指定コマンドが出力されるので(S91,S92)、特別図柄とデモ図柄の変動表示は同期して行われる。特殊演出が行われる場合、最初のデモ図柄指定コマンドと特別図柄指定コマンドとは同期して出力される(S81:YES)。しかし、それ以後、特別図柄指定コマンドが出力されるときの変動パターン番号は「1」に設定されるので(S83:NO,S86:YES)、デモ図柄指定コマンドが出力されない。
【選択図】 図17
【解決手段】特別図柄による大当たり判定結果の報知が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出を行う特殊演出が行われない場合、変動パターン番号には「2」以上が設定されており(S83:YESまたはS86:NO)、デモ図柄指定コマンドに続いて特別図柄指定コマンドが出力されるので(S91,S92)、特別図柄とデモ図柄の変動表示は同期して行われる。特殊演出が行われる場合、最初のデモ図柄指定コマンドと特別図柄指定コマンドとは同期して出力される(S81:YES)。しかし、それ以後、特別図柄指定コマンドが出力されるときの変動パターン番号は「1」に設定されるので(S83:NO,S86:YES)、デモ図柄指定コマンドが出力されない。
【選択図】 図17
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、詳細には、特別図柄とデモ図柄とのそれぞれによって大当たりの判定結果を報知する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機等の遊技機では、始動入賞口への遊技球の入賞を契機に、例えばループカウンタ等から乱数を取得し、取得した乱数に基づき遊技者が遊技球を多数獲得することができる大当たり遊技状態の判定が行われている。その判定結果の報知は、パチンコ機に設けられた図柄表示装置に表示させる複数の図柄(特別図柄)の組み合わせによって行われている。そして、図柄表示装置に表示された特別図柄が、あらかじめ大当たりと決められた組み合わせであった場合、遊技者に大当たり遊技を行わせている。
【0003】
大当たりか否かの判定は、始動入賞口に入賞した遊技球1個に対して1回行われる。そして、特別図柄の変動表示(複数の図柄のうち少なくとも1つが停止されていない状態)が行われ、その後、確定表示(すべての図柄が停止している状態)されたときに、遊技者は、特別図柄の組み合わせを視認でき、大当たり判定の結果を知ることができる。特別図柄の変動表示の際にはさまざまな演出が行われており、遊技者は、その演出の内容によって、大当たり判定結果が「大当たり」として報知されることに対する期待感を高めるのである。
【0004】
ところで、特許文献1では、図柄(特別図柄)の変動(変動表示)を開始してから停止(確定表示)を行うまでの間に、図柄の仮停止(所定領域内に一定期間継続的に更新表示を停止している状態)と、その仮停止した図柄の再変動とを複数回行っている。このような制御を行うことで、遊技球1個に対して1回行われる大当たりの判定が、あたかも複数回行われるように遊技者に感じさせることができる。そして、大当たりの判定の機会が増えたように見せかけることで、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
【0005】
しかし、特別図柄の変動表示には時間的な制約が定められている。このため、近年のパチンコ機では、特別図柄の変動表示と連動して変動表示されるデモ図柄を図柄表示装置に表示させ、特別図柄と同一の大当たり判定結果の報知を行っている。このデモ図柄は、特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集めやすく構成された図柄であり、時間的な制約がない。そこで、特別図柄の変動表示を定められた制約に従って行い、デモ図柄の変動表示を制約に縛られずに行うことで、大当たり判定結果の報知に対する遊技者の注目を以前に増して集めることができる。そして、特別図柄による大当たり判定結果の報知が1回行われる間に、デモ図柄により大当たり判定結果の報知を複数回行えば、特許文献1と同様な効果を得ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−85698号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特別図柄による1回の大当たり判定結果の報知の間にデモ図柄による大当たり判定結果の報知を複数回行うと、必然的にデモ図柄による1回の演出の時間が短くなり、遊技者の期待感を高めやすい長時間の演出を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、特別図柄による大当たり判定結果の報知が複数回行われる間に、継続的に、デモ図柄による大当たり判定結果の報知を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の遊技機は、遊技球が入賞する始動入賞口と、前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機に乱数の取得を行う乱数取得手段と、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段により、当たりとなる条件が成立したと判断された場合に、遊技者が多数の遊技球を獲得できるように、大入賞口を開閉する大入賞口開閉制御手段と、その大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口遊技球検出手段と、当該大入賞口遊技球検出手段が検出した遊技球に対して、所定数の遊技球を払い出す遊技球払出手段と、前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための図柄である特別図柄を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段によって前記入賞した遊技球に係る判定結果の報知が未だ行われていない分について、その判定結果を記憶する保留記憶手段とを備えた遊技機であって、前記図柄表示手段に表示される前記特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集め、前記特別図柄の表示と同期して、前記判定結果を報知するための図柄であるデモ図柄を表示するデモ図柄表示手段と、所定の演出条件が成立した場合に前記保留記憶手段に記憶されている分の前記判定結果について、その判定結果の報知が前記図柄表示手段によって行われている間、継続的に、最後に判定された前記判定結果に基づく報知を前記デモ図柄表示手段に行わせる特殊演出手段とを備えている。
【0010】
また、請求項2に係る発明の遊技機は、遊技球が入賞する始動入賞口と、前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機に乱数の取得を行う乱数取得手段と、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段により、当たりとなる条件が成立したと判断された場合に、遊技者が多数の遊技球を獲得できるように、大入賞口を開閉する大入賞口開閉制御手段と、その大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口遊技球検出手段と、当該大入賞口遊技球検出手段が検出した遊技球に対して、所定数の遊技球を払い出す遊技球払出手段と、前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための図柄である特別図柄を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段によって前記入賞した遊技球に係る判定結果の報知が未だ行われていない分について、その入賞した遊技球について取得された前記乱数を記憶する保留記憶手段とを備えた遊技機であって、前記図柄表示手段に表示される前記特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集め、前記特別図柄の表示と同期して、前記判定結果を報知するための図柄であるデモ図柄を表示するデモ図柄表示手段と、所定の演出条件が成立した場合に前記保留記憶手段に記憶されている分の前記乱数に基づく判定結果の報知が前記図柄表示手段によって行われている間、継続的に、最後に取得された前記乱数に基づく判定結果の報知を前記デモ図柄表示手段に行わせる特殊演出手段とを備えている。
【0011】
また、請求項3に係る発明の遊技機は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記所定の演出条件が成立した場合とは、前記大当たり判定手段によって当たりと判定された場合であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記図柄表示手段によって前記判定結果の報知が行われる場合に前記デモ図柄表示手段によって行われる報知の報知態様を、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて決定する報知態様決定手段を備え、前記所定の演出条件が成立した場合とは、前記報知態様決定手段が所定の報知態様を決定した場合であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態のパチンコ機について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、表示装置8の正面図である。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射装置(図示外)から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり、前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、発射装置に遊技球を供給し、かつ、賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には発射ハンドル7が、下皿6の上にはスピーカー48がそれぞれ設けられている。
【0015】
図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDから構成された図柄表示画面28や各種ランプ、LEDを備えた表示装置8が設けられている。この表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられ、また、表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、さらにその特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。なお、特別図柄始動電動役物15が、本発明における「始動入賞口」に相当する。
【0016】
また、表示装置8の下部には、遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能なステージ21が略水平に設けられ、また、表示装置8の左右両肩にはワープ口22,23がそれぞれ設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球は表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21へ現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球が、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下しやすくなるように、ステージ21に若干の勾配が設けられている。
【0017】
次に、図3に示すように、表示装置8の図柄表示画面28の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられており、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、表示装置8の上部には4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、図柄表示画面28に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を4個まで、LEDの点灯で表示することができるようになっている。さらに、特別図柄記憶数表示LED60の下方に設けられた4個のLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)を通過し、普通図柄表示部24に当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数と同様に4個まで、LEDの点灯で表示することができる。なお、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車および多数の障害釘等が設けられている。
【0018】
本実施の形態のパチンコ機1では、通常遊技状態において、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると乱数が取得され、この乱数に基づき大当たりの判定が行われる。この大当たり判定の結果が大当たりとなると、パチンコ機1が大当たり遊技状態となり、大入賞口16が開放され、遊技者は多数の遊技球を獲得することができる。この大当たり判定の結果は特別図柄表示部L1に表示され、さらに、デモ図柄表示部D1〜D3にも表示される。また、特別図柄表示部L1やデモ図柄表示部D1〜D3への大当たり判定結果の表示は、図柄表示画面28の背景画面やその他の種々の電飾ランプ63やスピーカー48から出力される効果音等の演出と同期して行われ、遊技者の大当たり判定結果への関心や期待感を高める働きをしている。
【0019】
そこで、特別図柄表示部L1について説明する。特別図柄表示部L1は、1桁の数字や1文字のアルファベット、マーク等の図柄を表示できるように構成されている。特別図柄表示部L1に表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」および「9」の10種類があり、また、図柄の表示される背景色の種類として、「赤」、「橙」、「黄」、「緑」、「水色」、「青」、「紫」、「白」の8種類が用意されている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示され、図柄と背景色との組み合わせにより判定結果が表示される。また、大当たりである場合には、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる高確率状態に移行する確率変動当たりであるか否かの判定も行われ、特別図柄表示部L1にはその判定結果も報知される。つまり、特別図柄表示部L1に表示される結果は、「大当たり(確率変動当たり)」、「大当たり(確率変動はずれ)」、「はずれ」の3種類である。例えば、本実施の形態では、以下のように構成されている。
【0020】
図柄と背景色の組み合わせを(図柄,背景色)と示すと、「大当たり(確率変動当たり)」である組み合わせは、(0,赤),(0,橙),(1,橙),(1,黄),(2,黄),(2,緑),(3,緑),(3,水色),(4,水色),(4,青),(5,青),(5,紫),(6,紫),(6,白),(7,白),(7,赤),(8,赤),(8,橙),(9,橙),(9,黄)の20種類である。また、「大当たり(確率変動はずれ)」である組み合わせは、(0,黄),(0,緑),(1,緑),(1,水色),(2,水色),(2,青),(3,青),(3,紫),(4,紫),(4,白),(5,白),(5,赤),(6,赤),(6,橙),(7,橙),(7,黄),(8,黄),(8,緑),(9,緑),(9,水色)の20種類である。なお、大当たりであると判定された場合に、これらの40種類の図柄と背景色の組み合わせが、特別図柄表示部L1に出現する割合は等しい。つまり、大当たりと判定された場合に、どの図柄が表示されるかの確率はそれぞれ40分の1である。また、確率変動当たりの組み合わせが20種類、確率変動はずれの組み合わせが20種類であるので、大当たりである場合に、確率変動当たりとなる確率は2分の1である。また、数字10種類、背景色8種類なので、全組み合わせは80種類となり、「はずれ」となる組み合わせは、上記40種類以外の組み合わせであるので、40種類となる。これらの組み合わせは、後述するROM53の特別図柄組合せパターン記憶エリア5305(図5参照)に記憶されている。なお、特別図柄表示部L1が、本発明における「図柄表示手段」に相当する。
【0021】
次に、デモ図柄表示部D1〜D3について説明する。このデモ図柄表示部D1〜D3は、大当たり判定の報知を、特別図柄表示部L1で行うよりも自由度をもたせて行うためのものである。図3に示すように、図柄表示画面28には、左から、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2の順に、3つのデモ図柄表示部が横一列に配置されている。このデモ図柄表示部D1〜D3には、後述する図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。また、図柄表示画面28にはデモ図柄表示部D1〜D3の背景にも画像が表示されており、また、常にデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が表示されているわけではなく、図柄表示画面28の全体にデモ図柄表示部D1〜D3に替えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。なお、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、図柄の変動表示を停止させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できることはいうまでもない。
【0022】
デモ図柄表示部D1〜D3に各々表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、特別図柄表示部L1と同様に、これら10種類の図柄が順次表示される。そして、大当たりである場合には、横1列に表示された3つの図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知される。なお、大当たりを報知する図柄の種類やその組み合わせはこれに限られるものではなく、自由に定めることができる。また、確率変動当たりである場合には、デモ図柄表示部D1〜D3も最終的には確率変動当たりを示す確率変動図柄が揃って表示された状態となる。本実施の形態では、「1」,「3」,「5」,「7」および「9」を確率変動図柄とし、それ以外の「2」,「4」,「6」,「8」および「0」を非確率変動図柄とする。なお、デモ図柄表示部D1〜D3が、本発明における「デモ図柄表示手段」に相当する。
【0023】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、およびサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
【0024】
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
【0025】
また、主基板41にはCPUユニット50と接続してI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続されている。さらに、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は表示装置8の図柄表示画面28に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。
【0026】
なお、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582およびROM583が設けられ、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45および電飾基板46にも図示外のRAMおよびROMが内蔵されており、CPU43a,44a,45a,46aや図示外の入出力インタフェイス等がそれぞれ搭載されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
【0027】
電飾基板46には電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62および電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には表示装置8、および普通図柄表示部24が接続され、音基板43にはスピーカー48が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、および、普通入賞口17,18,19,20に入賞した入賞球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。
【0028】
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46およびサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。なお、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12Vおよび5V等を供給できるようになっている。なお、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
【0029】
パチンコ機1では、一定間隔の時間(本実施例では2ms)毎に割込信号発生回路57の発生する割込信号によって、主基板41のCPU51が図14に示すメインルーチン処理を繰り返し実行しており、2ms以内に終了するようにプログラミングされている。このメインルーチン処理が繰り返し実行されることにより、パチンコ機1の主要動作が実施される。メインルーチン処理は主基板のCPU51が実行しており、メインルーチン処理の中で、サブ統合基板58のCPU581へ様々なコマンド(例えば、特別図柄表示部L1やデモ図柄表示部D1〜D3の変動表示を開始するコマンドや停止するコマンド、大入賞口16を開放するコマンドや閉鎖するコマンド等)の送信が行われている。
【0030】
サブ統合基板58のCPU581では、主基板41のCPU51から送信されてきたコマンドに基づいて、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される動画やメッセージ等を決定したり、その出現タイミングを決定したり、スピーカー48から出力される効果音を決定したり、その出力タイミングを決定したり、その他の電飾ランプ63等を点滅させるタイミングを決定したりして、図柄表示基板44のCPU44a、音基板43のCPU43a、電飾基板46のCPU46aへの指示を行っている。
【0031】
パチンコ機1では、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄と、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄とで、ともに、同一の大当たり判定結果、すなわち、「大当たり(確率変動当たり)」、「大当たり(確率変動はずれ)」、「はずれ」の報知を行っている。遊技者は、特別図柄およびデモ図柄の変動表示(図柄が非停止の状態で、仮停止(図柄の変動が完全には停止されていないが、遊技者がどの図柄が表示されているかを視認できる状態)も含む)が行われてからなされる確定表示(図柄の変動が完全に停止された状態)によって、大当たり判定の結果を知ることができる。本実施の形態では、「大当たり」が報知される場合には、大当たりと決められている特別図柄の組み合わせが確定表示され、また、3つのデモ図柄はすべて同一の図柄が確定表示される。なお、特別図柄の変動表示および確定表示と、デモ図柄の変動表示および確定表示とは同期して行われている。
【0032】
デモ図柄の変動表示中には、パチンコ機1では、遊技者を飽きさせないための様々な演出が行われる。例えば、種々の電飾ランプ63やその他のLEDの点灯・点滅、効果音の発音等が行われるが、もっとも遊技者の注目を集めやすいのがデモ図柄の変動の態様である。特に、リーチ状態となった場合には、大当たりに対する遊技者の期待感がより高められるのである。ここで、リーチ状態とは、複数の条件がすべて満たされたときに大当たりとなる各条件のうち、1つを除く他の条件がすべて満たされた状態をいう。例えば、3つのデモ図柄のうち2つまでが同一の図柄で仮停止され、残る1つの図柄がまだ停止されていない場合などであり、このリーチ状態となると、遊技者は、その最後の図柄が先に仮停止された図柄と同一の図柄が停止されることに期待感を募らせるのである。
【0033】
もっとも、大当たり判定結果の報知の都度リーチ状態によるデモ図柄の演出が行われると、遊技者はリーチ状態を特別視しないようになってしまう。そこで、パチンコ機1では、デモ図柄の変動パターンとして非リーチ状態の演出を行う短縮変動パターンや通常変動パターン、リーチ状態を演出するリーチ変動パターンや特殊演出パターンを設けている。そして、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞した際に取得される乱数に基づいて、後述する変動パターンテーブル(図10参照)からどの演出を行うかが決定される。
【0034】
特に、リーチ変動パターンや特殊演出パターンの変動パターンには、変動表示が開始された図柄が仮停止や確定表示に至るまでの過程に様々な変化(キャラクター等の出現、図柄のスクロール方向、動画の挿入など)が組み込まれ、遊技者の大当たりに対する期待感を高め、リーチ状態を視覚的にわかりやすくする演出が行われる。特殊演出パターンは、リーチ変動パターンよりもさらに遊技者の注目を集められるように設けられたパターンで、その演出は比較的長い時間をかけて行われる。そして、大当たり判定結果が「はずれ」である場合には、リーチ変動パターンと比べて特殊演出パターンによる演出(特殊演出)が行われる頻度が低くなるように設定されており、また、大当たりと判定された場合にリーチ変動パターンと比べて特殊演出パターンが行われる頻度を高めている。これにより、リーチ変動パターンによる演出が行われた場合よりも特殊演出パターンによる演出が行われた場合の方が報知結果が「大当たり」となる場合を多くすることができ、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができるのである。
【0035】
一方、通常変動パターンや短縮変動パターンはリーチ状態とはならない変動パターンであり、短縮変動パターンは通常変動パターンよりも演出にかかる時間が短く設定された変動パターンである。3つのデモ図柄が同一となった場合に「大当たり」となるので、リーチ状態とならなければ「大当たり」として報知されることはない。パチンコ機1では、このような通常変動パターンや短縮変動パターンに織り交ぜてリーチ変動パターンや特殊演出パターンによる演出を行うことで、それらの変動パターンによる演出が行われた場合の利用者の注意を惹くことができる。
【0036】
通常、特別図柄、およびそれと同期したデモ図柄により特別図柄始動電動役物15に入賞した1個の遊技球につき1回の大当たり判定が行われ、その結果の報知が1回行われる。本実施の形態のパチンコ機1では、遊技者の心理的な興奮状態を高めることができるように、特殊演出が行われる場合には特別図柄の変動表示とデモ図柄の変動表示とを非同期に行っている。そして、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続してデモ図柄による演出が行われ、大当たり判定結果の報知は1回行われる。これにより、遊技者がリーチ変動パターンとの違いを認識したときに、より、大当たりに対する期待感を高めることができるように構成されている。
【0037】
以下、図5〜図18を参照して、上記した特殊演出を行うための制御について、主基板41のCPU51によって実行されるメインルーチン処理、メインルーチン処理の中で行われる処理、それらの処理で使用されるデータについて説明する。さらに、サブ統合基板58のCPU581によって実行されるサブ統合基板処理、この処理で使用されるデータについて説明する。図5は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。図6は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。図10は、ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルを示す概念図である。図11は、サブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図である。図12は、サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。図13は、ROM583に記憶された特殊演出パターン差替テーブルを示す概念図である。図14は、主基板41のCPU51が実行するメインルーチン処理のフローチャートである。図15〜図17は、メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。図18は、サブ統合基板58のCPU581が実行するサブ統合基板処理のフローチャートである。
【0038】
まず、主基板41の各記憶エリアについて説明する。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンが決定される際に参照される変動パターンテーブルを記憶する変動パターン記憶エリア5304、および、特別図柄表示部L1に表示する図柄と背景色との組み合わせを記憶する特別図柄組合せパターン記憶エリア5305が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
【0039】
図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートに遊技球が通過したか否かや、各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した場合に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過数のうち、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の通過時に取得される乱数や、その乱数に基づく判定結果を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数のうち、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示部L1の状態を示す表示状態フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ等のフラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208、および、特殊演出中に、その特殊演出が終わってからさらに別の特殊演出を行うことが決定した場合、先の特殊演出パターンの処理と後の特殊演出パターンの処理とが重複しないようにするための予約ゲーム数を記憶する予約ゲーム数記憶エリア5209が設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。なお、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。
【0040】
図7に示すように、カウンタ記憶エリア5201には、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、変動パターン決定カウンタLC7、特別図柄変動時間カウンタTC1、および、特別図柄停止時間カウンタTC2が各々記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア5203や大当たり関係情報記憶エリア5205などに各々取り込まれて格納されるようになっている。
【0041】
なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、および変動パターン決定カウンタLC7の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのカウンタ更新処理(図14参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)および最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、特別図柄変動時間カウンタTC1および特別図柄停止時間カウンタTC2は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。以下、各カウンタについて詳述する。
【0042】
普通当たり判定カウンタLC1の値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を契機に行われ、普通当たりと判定されると特別図柄始動電動役物15の開閉部材が所定時間(例えば、1秒)開放される。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は512msとなる。
【0043】
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図14参照)を行わない間(メインルーチン処理が終了し、次の割込信号によりメインルーチン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。なお、大当たり判定カウンタLC2の最大値は単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
【0044】
特別図柄選択カウンタLC3の値は、大当たり判定の結果を報知するために特別図柄表示部L1に表示される図柄と背景色との組み合わせを、大当たりの40種類、または、はずれの40種類の中から1つ選択するために使用される。この特別図柄選択カウンタLC3の最大値は「39」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「40」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄選択カウンタLC3の値は「0」から「39」までのいずれかの値を取り、1周期は80msとなる。
【0045】
デモ図柄作成第1カウンタLC4の値は、大当たりである場合に、デモ図柄表示部D1,D2,D3に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチ状態となるはずれの場合には、デモ図柄表示部D1に表示される第1停止図柄(左図柄)、および、デモ図柄表示部D2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。さらに、リーチ状態とならないはずれの場合には、デモ図柄表示部D1に表示される第1停止図柄(左図柄)を決定するために使用される。このデモ図柄作成第1カウンタLC4の最大値は「9」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、デモ図柄作成第1カウンタLC4の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
【0046】
デモ図柄作成第2カウンタLC5の値は、リーチ状態となるはずれの場合には、デモ図柄表示部D3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。また、リーチ状態とならないはずれの場合には、デモ図柄表示部D2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。このデモ図柄作成第2カウンタLC5の最大値は「9」、最小値は「0」であり、10割込毎(20ms毎、デモ図柄作成第1カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、デモ図柄作成第2カウンタLC5の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は200msとなる。
【0047】
デモ図柄作成第3カウンタLC6の値は、リーチ状態とならないはずれの場合に、デモ図柄表示部D3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。このデモ図柄作成第3カウンタLC6の最大値は「9」、最小値は「0」であり、100割込毎(200ms毎、デモ図柄作成第2カウンタLC5の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第3カウンタLC6の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
【0048】
変動パターン決定カウンタLC7の値は、変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、変動パターン決定カウンタLC7の値や大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、その変動パターンの番号が演出ゲーム数とともにデモ図柄指定コマンドに付加されてサブ統合基板58へ送信され、サブ統合基板58からさらに音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46へ送信される。なお、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄の変動表示開始から全図柄の停止までの時間はこの変動パターン毎に決定されており、変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブル(図10参照)に基づいて設定される。また、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC7の最大値は「65535」、最小値は「0」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65536」以上となった際に「0」へ戻る。そして、変動パターンテーブルに基づいて、それぞれ「0」〜「65535」の値に対して、はずれの場合には32種類、大当たりの場合には30種類の変動パターンのいずれかが割り振られる。
【0049】
特別図柄変動時間カウンタTC1は、特別図柄表示部L1の特別図柄が変動表示を開始してから停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」がセットされる。なお、変動時間は変動パターン毎に決められており、変動パターンテーブル(図10参照)に記憶された変動時間に基づき設定される。
【0050】
特別図柄停止時間カウンタTC2は、特別図柄表示部L1に図柄が確定表示されている時間(停止時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として初期設定記憶エリア5301に記憶された停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで確定表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、停止時間が3秒である場合には、初期値として「1500」がセットされる。
【0051】
次に、普通当たり関係情報記憶エリア5203について説明する。図8に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリアR0および保留記憶エリアR1〜R4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、メインルーチン処理の普通図柄処理(図14、S16参照)において使用される。保留記憶エリアR1〜R4には、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球について取得された普通当たり判定カウンタLC1の値で、まだ普通当たりの判定結果が報知されていない遊技球(普通図柄作動保留球)についての値が普通当たり乱数として記憶される。判定エリアR0には、現在行われている普通当たり判定の結果の報知、または普通当たり遊技の動作の基になった普通当たり乱数が記憶されている。
【0052】
普通図柄処理において普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が確認された場合には、保留記憶エリアR1〜R4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の保留記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、保留記憶エリアR3に記憶される。そして、判定エリアR0に記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、保留記憶エリアR1に記憶されている値が判定エリアR0にシフトされ、その判定エリアR0に記憶されている値に基づいて普通当たりの判定結果の報知が行われる。また、保留記憶エリアR1が判定エリアR0にシフトされたことにともない、保留記憶エリアR2の値を保留記憶エリアR1へ、保留記憶エリアR3の値を保留記憶エリアR2へ、保留記憶エリアR4の値を保留記憶エリアR3へと順にシフトさせ、保留記憶エリアR4の値がクリアされる。ここで、保留記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値も「4」より大きい値を取ることはない。
【0053】
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図9に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M4が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチン処理の特別図柄処理(図14、S14参照)において使用される。保留記憶エリアM1〜M4には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した乱数や、その乱数に基づいて決定された変動パターンに関する情報が記憶される。判定エリアM0には、現在行われている大当たり判定の結果の報知、または大当たり遊技の動作の基になった乱数が記憶される。なお、大当たり関係情報記憶エリア5205が、本発明における「保留記憶手段」に相当する。
【0054】
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、保留記憶エリアM1〜M4の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の保留記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「2」であれば、保留記憶エリアM2に記憶される。そして、判定エリアM0に記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、保留記憶エリアM1に記憶されている値が判定エリアM0にシフトされ、判定エリアM0に記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、保留記憶エリアM1が判定エリアM0にシフトされたことにともない、保留記憶エリアM2の値を保留記憶エリアM1へ、保留記憶エリアM3の値を保留記憶エリアM2へ、保留記憶エリアM4の値を保留記憶エリアM3へと順にシフトさせ、保留記憶エリアM4の値がクリアされる。ここで、保留記憶エリアの数は4つである。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、特別図柄作動保留球数の上限は4個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「4」より大きい値を取ることはない。
【0055】
この判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M4のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄乱数カラムCLM3、デモ図柄第1乱数カラムCLM4、デモ図柄第2乱数カラムCLM5、デモ図柄第3乱数カラムCLM6が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、特別図柄乱数、デモ図柄第1乱数、デモ図柄第2乱数、デモ図柄第3乱数の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC7の値が、特別図柄乱数カラムCLM3には特別図柄選択カウンタLC3の値が、デモ図柄第1乱数カラムCLM4にはデモ図柄作成第1カウンタLC4の値が、デモ図柄第2乱数カラムCLM5にはデモ図柄作成第2カウンタLC5の値が、デモ図柄第3乱数カラムCLM6にはデモ図柄作成第3カウンタLC6の値がそれぞれ記憶される。
【0056】
さらに、判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M4のそれぞれには、変動パターン番号カラムCLM7と、演出ゲーム数カラムCLM8と、変動時間カラムCLM9と、特殊演出フラグカラムCLM10と、特別図柄組合せカラムCLM11とが設けられている。変動パターン番号カラムCLM7、および変動時間カラムCLM9には、大当たり乱数および変動パターン乱数の値をもとに参照される変動パターンテーブル(図10参照)に基づいてそれぞれ決定される変動パターン番号、および変動時間(カウント値)が記憶される。演出ゲーム数カラムCLM8には、特殊演出を行うことが決定された場合にはその演出ゲーム数が記憶され、行われない場合には「1」が記憶される。特殊演出フラグカラムCLM10には、特殊演出を行うことが決定された場合に「1」が記憶される。また、特別図柄組合せカラムCLM11には、大当たり乱数および特別図柄乱数の値をもとに参照される特別図柄組合せパターン記憶エリア5305に基づいて決定される特別図柄の組み合わせが記憶される。
【0057】
次に、変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルについて説明する。図10に示すように、変動パターンテーブルは、大当たり判定結果と変動パターン乱数の値とに基づいて、大当たり判定結果の報知態様として62種類の変動パターンのいずれかを決定するためのテーブルである。パチンコ機1では、変動パターン乱数の値(「0」〜「65535」のいずれか)に基づいて、大当たり判定結果がはずれ場合には変動パターン番号「2」〜「30」の30種類の変動パターン、また、大当たりの場合には、変動パターン番号「31」〜「62」の32種類の変動パターンのうちのいずれかが選択されるように対応付けられている。また、変動パターン番号「1」は、短縮変動が行われる場合に通常変動パターン(変動パターン番号「2」)から差し替えられる短縮変動パターンとなっている。このため、変動パターン乱数の割り当てがない。
【0058】
個々の変動パターンは、変動パターン乱数の値の範囲によって、選択されやすさ、すなわち選択率がそれぞれ異なるように設定されている。変動パターン乱数の値とともに図示した選択率は変動パターンの種類ごとの選択率の一例である。そして、図示しないが、同じ種類の変動パターンであっても、各変動パターン番号ごとに選択率が異なるように設定されている。また、各変動パターン毎に異なる変動時間が設定されている。
【0059】
例えば、大当たり判定結果がはずれの場合に、変動パターン乱数の値が「32768」であったとすると、変動パターン番号「2」、および変動時間「10秒(5000カウント)」が選択される。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の対応する(そのときの特別図柄作動保留球数に基づく)保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7,変動時間カラムCLM9に、それぞれ「2」,「5000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態にならない通常変動パターンである。
【0060】
また、後述する特別図柄処理(図15〜図17参照)で、短縮変動が行われることとなった場合、対応する保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7に記憶された通常変動パターンの変動パターン番号「2」が短縮変動パターンの変動パターン番号「1」で上書き記憶される。さらに、変動時間には「5秒(2500カウント)」が選択され、変動時間カラムCLM9に「2500」が記憶されることにより設定されるようになっている。
【0061】
また、大当たり判定結果がはずれであって、変動パターン乱数の値が「64750」であった場合、変動パターン番号には「3」〜「20」のうちの対応付けられた変動パターン番号(例えば「19」とする。なお、対応付けの詳細については省略する。)と変動時間(例えば「28秒(14000カウント)」とする。)とが選択される。そして、前記同様、対応する保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7,変動時間カラムCLM9に、それぞれ「19」,「14000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態となるリーチ変動パターンである。
【0062】
また、大当たり判定結果が大当たりであって、変動パターン乱数の値が「64750」であった場合、変動パターン番号には「41」〜「62」のうちの対応付けられた変動パターン番号(例えば「55」とする。)と変動時間(例えば「46秒(23000カウント)」とする。)とが選択される。そして、前記同様、対応する保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7,変動時間カラムCLM9に、それぞれ「55」,「23000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態となる特殊演出パターンである。ただし、後述するが、特殊演出パターンによる演出が行われるための条件(特別図柄作動保留球数が「2」以上であること)が満たされていなければ、リーチ変動パターンとして演出が行われる。
【0063】
このように、大当たり判定の結果と、変動パターン乱数の値とによって、変動パターン番号および変動時間が決定される。また、短縮変動が行われる場合には、先に設定された通常変動パターンが上書きされて、短縮変動パターンに差し替えられる。そして、決定された変動パターン番号は、デモ図柄指定コマンドに付加されてサブ統合基板58に対して出力される。さらに、決定された変動時間に基づいて、特別図柄の変動表示が行われる期間が制御されるようになっている。
【0064】
次に、サブ統合基板58の各記憶エリアについて説明する。図11に示すように、ROM583には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値が記憶された初期設定記憶エリア5831、CPU581がサブ統合基板58を制御するための各種プログラムが記憶された制御プログラム記憶エリア5832、サブ統合基板58が図柄表示基板44、音基板43、電飾基板46に出力する制御コマンドのテーブルを記憶した制御コマンドテーブル記憶エリア5833、特別図柄表示部L1に表示される図柄と背景色の組み合わせが、大当たりであるか、はずれであるかの情報を記憶した特別図柄組合せパターン記憶エリア5834、および、特殊演出が行われる際に図柄表示基板44に送信する変動パターンを差し替えるために参照される特殊演出パターン差替テーブルを記憶した差替テーブル記憶エリア5835が設けられている。さらに、ROM583には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
【0065】
図12に示すように、RAM582には、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄の変動時間をカウントするためのデモ図柄変動時間カウンタTC3を記憶するカウンタ記憶エリア5821、デモ図柄の変動表示を行う時間を制御するデモ図柄変動フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5822、および、主基板41から制御コマンドとともに伝達される特別図柄の組み合わせのコードや、デモ図柄に関する情報(デモ図柄第1〜第3乱数、変動パターン番号、および演出ゲーム数)を記憶する図柄関係情報記憶エリア5823が設けられている。さらに、RAM582には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
【0066】
なお、カウンタ記憶エリア5821に記憶されたデモ図柄変動時間カウンタTC3は、経過時間を計測するためのタイマカウンタである。サブ統合基板58のCPU581で実施されているカウンタ更新処理プログラム(図示外)により、一定間隔の時間(例えば2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。このタイマカウンタは、特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)に基づき設定されるデモ図柄の変動時間(前記同様のカウント値)の減算を行い、その値が「0」となると、「0」のまま維持するようになっている。
【0067】
次に、サブ統合基板58のROM583に記憶された特殊演出パターン差替テーブルについて説明する。図13に示す、特殊演出パターン差替テーブルは、サブ統合基板処理(図18参照)において、主基板41から受信するデモ図柄指定コマンドに付加された変動パターン番号と演出ゲーム数とに基づいて、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に送信する変動パターン番号を決定するためのテーブルである。
【0068】
特殊演出が行われない場合、デモ図柄指定コマンドに付加される演出ゲーム数は上記したように「1」となっている。特殊演出パターン差替テーブルでは、演出ゲーム数が「1」であれば、差し替え前の変動パターン番号と差し替え後の変動パターン番号とが一致するように対応付けられている。すなわち、サブ統合基板58が主基板41から受信した変動パターン番号と同一の変動パターン番号が、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。
【0069】
特殊演出が行われる場合、特別図柄の変動表示とデモ図柄の変動表示とは非同期に行われる。すなわち、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄の変動表示が行われる。1回のデモ図柄による演出の間に特別図柄の変動表示および確定表示が何回行われるかは、演出ゲーム数によって特定される。特殊演出パターン差替テーブルでは、特殊演出が行われる際のデモ図柄の変動パターン番号と演出ゲーム数とから、その特殊演出中のデモ図柄の変動時間を決定し、その変動時間にあわせた演出内容を指定する変動パターン番号に差し替えできるように対応付けが行われている。そして、差し替えられた変動パターン番号が、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。なお、変動パターンを音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46の各ROM(図示外)には、各変動パターン番号と演出内容とが対応付けられたテーブルがそれぞれ設けられている。
【0070】
例えば、特殊演出が行われないときで、主基板41での大当たりの判定結果、はずれで短縮変動を行わない変動パターン番号「2」が選択され、デモ図柄指定コマンドが出力された場合、サブ統合基板58では、デモ図柄指定コマンドに付加される演出ゲーム数が「1」であることから変動パターン番号が「2」に差し替えられる(実質同一である。)。そして、変動時間として「10秒」(図示しないが、制御プログラム上では前述したようにカウント値として処理される。)が選択されて計時されるとともに、その変動パターン番号が音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。
【0071】
また、特別図柄の変動表示および確定表示が、例えば3回繰り返される間、特殊演出が行われることとなったときで、主基板41での大当たり判定の結果、大当たりとなり、変動パターン番号、例えば「48」が選択された場合、サブ統合基板58では、特殊演出パターン差替テーブルに基づき変動パターン番号「48B」が選択される。そして、この変動パターン番号「48」と対応付けられた変動時間の計時が行われるとともに、その変動パターン番号が音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。この場合、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46では、変動パターン番号「48B」によって決定される演出内容による演出が、特別図柄の変動表示や確定表示とは独立してそれぞれ行われる。なお、特殊演出中のデモ図柄の変動時間は、その特殊演出中の複数回分の特別図柄の変動時間と確定表示にかかる時間(最終回の特別図柄の確定表示時間を除く。)とを合計した時間と一致するようになっている。
【0072】
ところで、前述したように、本実施の形態のパチンコ機1では、大当たり判定の結果が特別図柄とデモ図柄とで報知されている。特別図柄の変動表示とデモ図柄の変動表示とは、通常、同期して行われている。
【0073】
特殊演出が行われない場合、特別図柄の変動表示が開始されるタイミング、確定表示が開始されるタイミングは、主基板41において制御されている。デモ図柄の変動表示が開始されるタイミングは、特別図柄の変動表示開始のタイミングに同期されるように、サブ統合基板58で制御されている。そして、デモ図柄の変動表示開始のタイミングより、特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)に基づき特定される変動時間のカウントが行われ、その変動時間の経過後にデモ図柄の確定表示が行われるように制御が行われる。このときのデモ図柄の変動時間は特別図柄の変動時間と一致しており、結果、特別図柄による大当たり判定結果の報知と、デモ図柄による大当たり判定結果の報知とが同期して行われることとなる。
【0074】
一方、特殊演出が行われる場合、同様に、特別図柄の変動表示が開始されるタイミング、確定表示が開始されるタイミングは、主基板41において制御されている。そして、デモ図柄の変動表示が開始されるタイミングについても上記同様、サブ統合基板58において特別図柄の変動表示開始のタイミングに同期されるよう制御されている。しかし、デモ図柄の変動表示開始とともにカウントが開始されるデモ図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間と一致しておらず、結果、特別図柄による大当たり判定結果の報知と、デモ図柄による大当たり判定結果の報知とは非同期に行われる。
【0075】
このように、特別図柄とデモ図柄の変動表示および確定表示を、特殊演出が行われる場合には非同期で、行われない場合には同期して行うため、以下、主基板41で実行されるメインルーチン処理と、サブ統合基板58で実行されるサブ統合基板処理とについて、図14〜図18に示すフローチャートを参照して説明する。なお、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0076】
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。この1回のメインルーチン処理は、2ms以内に終了するように構築されている。なお、パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われ、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51は初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
【0077】
割込信号の感知によって図14に示すメインルーチン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、デモ図柄の変動表示の開始を指示するとともに、デモ図柄の確定表示の際に表示する図柄の種類や、変動パターン番号および演出ゲーム数を指定するデモ図柄指定コマンド、特別図柄の変動表示の開始を指示するとともに、特別図柄の確定表示の際に表示する図柄の組み合わせを指定する特別図柄指定コマンド、特別図柄の変動表示を停止させて確定表示を指示する全図柄停止コマンド、普通図柄の変動表示の開始や確定表示の指示など、普通図柄に関連するコマンド、その他、大当たり遊技状態の際に作動される各役物を制御するためのコマンドやその作動状態を通知するためのコマンド、エラーコマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実行されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
【0078】
なお、サブ統合基板58への制御コマンドの出力は、1回のメインルーチン処理で1つのコマンドだけが送信される。コマンド関係記憶エリア5207に複数の制御コマンドが記憶されている場合、次回以降のメインルーチン処理のコマンド出力処理(S10)にて、順次1つずつ出力されるようになっている。
【0079】
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
【0080】
なお、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。なお、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
【0081】
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図7参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、変動パターン決定カウンタLC7の各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2の各値が上記の所定量だけ減算される。なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、変動パターン決定カウンタLC7の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。
【0082】
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放表示コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実行時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0083】
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、確率変動フラグのセットも行う。停止図柄が確率変動図柄であった場合、すなわち大当たり関係情報記憶エリア5205の判定エリアの特別図柄乱数カラムCLM3の値が「0」〜「19」のいずれかである場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、すなわち特別図柄乱数カラムCLM3の値が「20」〜「39」である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0084】
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。大当たりの判定、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄の組み合わせ、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄や変動パターンなどの決定、指示、図柄の変動表示の開始および終了の指示等が行われる。この特別図柄処理については、図15〜図17に示すフローチャートを参照して後述する。
【0085】
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。なお、普通当たりの判定および普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
【0086】
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタLC1の値が取得され、その遊技球についての普通当たり乱数として、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203の保留記憶エリアR1〜R4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204に記憶されている値に対応する番号の保留記憶エリアに記憶される。そして、先に入賞した遊技球についての普通当たりの判定結果の報知、または、普通当たり状態の動作が実行中でなければ、大当たり関係情報記憶エリア5205と同様に、保留記憶エリアR1,R2,R3,R4の値がそれぞれ判定エリアR0,保留記憶エリアR1,R2,R3へシフトされ、判定エリアR0に記憶されている普通当たり乱数に基づいて普通当たりの判定が行われる。
【0087】
普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値を取るので、普通当たり乱数も「0」から「255」までの値をとる。そこで、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。そして、サブ統合基板58に対して、普通図柄表示部24に判定結果の報知の指示を行うために、普通図柄変動パターン指定コマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄全図柄停止コマンド等の制御コマンドが送信される。普通当たりの場合には、普通図柄表示部24に当たり図柄として「7」が表示され、はずれの場合には、はずれ図柄として「−」が表示される。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
【0088】
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58に送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、繰り返しメインルーチン処理が実行される。
【0089】
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1の特別図柄、およびデモ図柄表示部D1〜D3のデモ図柄の変動表示が開始される。メインルーチン処理が繰り返し実行される中で特別図柄表示部L1の特別図柄が確定表示され、大当たりの場合の組み合わせが表示される。このとき、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされるので(S14)、次回実行されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)では大入賞口16の開放が行われ、大当たり遊技状態の動作が開始される。そして、メインルーチン処理が繰り返し実行される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件にしたがって大当たり遊技状態の動作が実施される。大当たり遊技状態の終了の際には大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
【0090】
次に、メインルーチン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図15〜図17に示すフローチャートを参照して説明する。また、併せて、特別図柄処理によって主基板41から出力される制御コマンドがサブ統合基板58で受信され、サブ統合基板処理において処理される過程について、図18に示すフローチャートを参照して説明する。
【0091】
前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄表示画面28の特別図柄表示部L1に表示する特別図柄の決定、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力等が行われる。
【0092】
初めに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている表示状態フラグには、特別図柄表示部L1の特別図柄が変動表示されている場合(変動表示中)には「1」、特別図柄が確定表示されている場合(確定表示中)には「2」、変動表示中、確定表示中のいずれでもない場合には「0」がセットされる。また、大当たり遊技状態フラグには、大当たり遊技状態である場合に「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
【0093】
また、確率変動フラグは、大当たりの判定が行われる際に、大当たり乱数との一致が確認される大当たりとなる特定の値について、その種類の増減を行うために使用される。前述したように、大当たり終了後に、特別図柄乱数の値に基づき「1」または「0」が記憶される。「1」が記憶され高確率状態となった場合には、「0」〜「314」のいずれかの値をとる大当たり乱数に対し、大当たりとなる特定の値の種類を増やすことで、「0」である場合と比べて大当たり確率を上昇させている。また、大当たり関係情報記憶エリア5205の特殊演出フラグカラムCLM10に記憶される特殊演出フラグについては前述の通りである。
【0094】
次に、サブ統合基板処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5822に記憶されているデモ図柄変動フラグには、デモ図柄の変動表示が行われている場合には「1」、行われていない場合には「0」が記憶される。このデモ図柄変動フラグが「1」である場合、デモ図柄の変動時間の計時が行われるようになっている。
【0095】
まず、主基板41から制御コマンドが出力されていないときのサブ統合基板58における処理について説明する。図18に示すように、サブ統合基板処理では、主基板41から出力される制御コマンドの待ち受けが行われる。すなわち、デモ図柄指定コマンドの受信確認(S101)、特別図柄指定コマンドの受信確認(S111)、全図柄指定コマンドの受信確認(S121)が行われる。いずれも受信しなければ(S101:NO,S111:NO,S121:NO)、その他、前述した制御コマンド、例えば、普通図柄に関連するコマンド、大当たり中の制御に関連するコマンド、エラーコマンド等に対する処理が行われる(S131)。なお、これらその他のコマンドに対し行われる処理については説明を省略する。その後、デモ図柄変動フラグが確認され(S132)、その値が「0」であれば(S132:NO)、デモ図柄の変動表示が行われていないため、S101に戻り、制御コマンドの待ち受けが繰り返し実施されることとなる。
【0096】
次に、主基板41における処理について説明する。図15に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図14、S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断がされ、「ON」でない場合には(S21:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS51へ進む。
【0097】
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されることとなる。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は4個である。そこで、乱数の取得に先立って、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。そしてその値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS51へ進む。
【0098】
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の保留記憶エリアM1〜M4のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の保留記憶エリア(以下、「現行の保留記憶エリア」という。)に乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC7の値が変動パターン乱数として、特別図柄乱数カラムCLM3には特別図柄選択カウンタLC3の値が特別図柄乱数として、デモ図柄第1〜第3乱数カラムCLM4〜CLM6のそれぞれにはデモ図柄作成第1〜第3カウンタLC4〜LC6の値が各デモ図柄第1〜第3乱数として、それぞれ記憶される。なお、S24の処理で、乱数の取得を行うCPU51が、本発明における「乱数取得手段」に相当する。
【0099】
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択やデモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄の選択が行われる(S31〜S35)。まず、取得した大当たり乱数、すなわち、現行の保留記憶エリアの大当たり乱数が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S31)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、確率変動フラグに「1」が記憶され高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。なお、S31の処理で、大当たりか否かの判定を行うCPU51が、本発明における「大当たり判定手段」に相当する。
【0100】
大当たりであると判定された場合には(S31:YES)、大当たり時のデモ図柄の変動パターン決定処理(S32)と、特別図柄およびデモ図柄の停止図柄決定処理(S33)とが行われる。変動パターン決定処理では、変動パターンの決定、変動グループの決定、特別図柄の演出時間の決定が行われ、停止図柄決定処理では、確定表示の際に、特別図柄表示部L1に表示する特別図柄の組み合わせ、および、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄が決定される。具体的には、変動パターン決定処理(S32)では、大当たりである場合の変動パターンテーブル(図10参照)が参照され、変動パターン乱数(現行の保留記憶エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応付けられた変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンの番号が、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7に記憶される。同様に、変動パターンテーブルより決定された変動時間のカウント値が、現行の保留記憶エリアの変動時間カラムCLM9に記憶される。
【0101】
また、停止図柄決定処理(S33)では、大当たりとするため、特別図柄乱数カラムCLM3の値に基づいて、特別図柄組合せパターン記憶エリア5305に記憶されている40種類の大当たり時の停止図柄の組み合わせの中から1つが選択され、現行の保留記憶エリアの特別図柄組合せカラムCLM11に記憶される。さらに、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄が全て同じ図柄に設定される。そこで、上記同様、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第1乱数カラムCLM4の値が、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第2乱数カラムCLM5、およびデモ図柄第3乱数カラムCLM6のそれぞれに記憶される。
【0102】
一方、大当たりでない場合には(S31:NO)、はずれ時のデモ図柄の変動パターン決定処理(S34)と、特別図柄およびデモ図柄の停止図柄決定処理(S35)とが行われる。大当たりの場合と同様に、変動パターン決定処理(S34)では変動パターンテーブルが参照されて、変動パターン番号および変動時間が決定される。このとき、変動パターンテーブルでは、短縮変動なしの場合のテーブルが参照される。そして、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7、および変動時間カラムCLM9のそれぞれに記憶される。なお、S32またはS34の処理で、デモ図柄乱数に基づき変動パターンの決定を行うCPU51が、本発明における「報知態様決定手段」に相当する。
【0103】
同様に、停止図柄決定処理(S35)では、40種類のはずれ時の停止図柄の組み合わせの中から1つが選択され、それを示すコードが、現行の保留記憶エリアの特別図柄組合せカラムCLM11に記憶される。さらに、はずれの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄が決定される。ここで、変動パターン決定処理で決定された変動パターンがリーチ状態の演出を行う変動パターンである場合、すなわち、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号が「3」〜「30」のいずれかである場合には、デモ図柄表示部D1とデモ図柄表示部D2とに表示される図柄が同じ図柄となり、デモ図柄表示部D3のみが異なる図柄となる。そこで、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第2乱数の値がデモ図柄第3乱数に記憶され、デモ図柄第1乱数の値がデモ図柄第2乱数に記憶される。なお、ここでデモ図柄第1乱数の値とデモ図柄第3乱数の値とが同じになってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりしてデモ図柄第3乱数の値を変更する。
【0104】
さらに、変動パターンがリーチ状態の演出を行わない変動パターンである場合、すなわち、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号が「2」である場合には、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄が全て異なる図柄となる。そこで、デモ図柄第1乱数の値と、デモ図柄第2乱数の値と、デモ図柄第3乱数の値との中で同じ値がある場合には異なる値となるように、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第1〜第3乱数カラムCLM4〜CLM6の記憶値が変更される。
【0105】
そして、上記大当たりの場合、はずれの場合のいずれの場合においても次のS41〜S48の処理が行われ、特殊演出を行うか否かの決定がなされる。まず、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値と、予約ゲーム数記憶エリア5209の値とが確認され、特別図柄作動保留球数から予約ゲーム数が減算された値が「2」以上であるか否かが確認される(S41)。前述したように、特殊演出は、特別図柄とデモ図柄との変動表示および確定表示を非同期に行って、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出が行われるように構成された演出である。このためには、少なくとも大当たりの判定結果の報知が未だ行われていない遊技球が2つ以上保留されている必要がある。また、特殊演出が行われ、その後の処理によって先の特殊演出の終了後にさらに別の特殊演出を行うことが決定した場合に、先に行われている特殊演出の最中に後から行われる特殊演出が開始されてしまうなどの不都合が生じないようにするため、パチンコ機1では、先の特殊演出中の特別図柄の変動表示および確定表示を予約ゲーム数としてカウントしている。まだ、特殊演出が行われていない場合には予約ゲーム数は「0」となっている。そこで、特別図柄作動保留球数から予約ゲーム数を減算し、その値が「2」に満たなければ(S41:NO)、特殊演出を行うことが可能なだけの遊技球の保留がないとして、現行の保留記憶エリアの演出ゲーム数カラムCLM8に「1」が記憶される(S48)。そして、S51に進む。
【0106】
次に、図16に示すように、大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S51)。大当たり遊技状態である場合には大当たり遊技を継続させるので、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば(S51:YES)、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
【0107】
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S51:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄が変動表示中であるか否かの判断が行われる(S52)。表示状態フラグが「1」でなければ変動表示中ではなく(S52:NO)、次いで、表示状態フラグにより確定表示中であるか否かの判断が行われる(S61)。表示状態フラグが「2」でなく、確定表示中でない場合には(S61:NO)、特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われる(S71〜S93)。
【0108】
そこで、大当たり判定を行うべき遊技球、すなわち、特別図柄作動保留球が存在するか否かの確認が行われる(S71)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「0」であれば(S71:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S71:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S72)。さらに、予約ゲーム数記憶エリア5209の値も「1」減算される(S73)。なお、まだ特殊演出が行われておらず予約ゲーム数がもともと「0」であった場合には、それ以上の減算は行われず値が「0」となるように設定されている。
【0109】
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205の保留記憶エリアM1の記憶値が判定エリアM0へ、保留記憶エリアM2の記憶値が保留記憶エリアM1へ、保留記憶エリアM3の記憶値が保留記憶エリアM2へ、保留記憶エリアM4の記憶値が保留記憶エリアM3へそれぞれシフトされ、保留記憶エリアM4の値がクリアされる(S74)。これにより、未だ大当たりの判定結果の報知が行われていない遊技球のうち最も先に大当たりの判定が行われたものについて、その遊技球に関する情報が判定エリアM0にシフトされる。
【0110】
そして、図17に示すように、判定エリアM0の特殊演出フラグカラムCLM10が参照される(S81)。まだ特殊演出を行うことが決定されておらず、特殊演出フラグの値が「0」であれば(S81:NO)、次いで、判定エリアM0の変動パターン番号カラムCLM7の値が「2」であるか否かが確認される(S83)。パチンコ機1では、特別図柄作動保留球数が「3」以上の場合に開始される特別図柄の変動表示では、リーチ状態でなければその変動時間を短縮して表示し、次の大当たり判定結果の報知を行うタイミングを早める処理が行われる。このため、リーチ状態でない変動パターン、すなわち、変動パターン番号が「2」であれば(S83:YES)、次いで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206が参照され、短縮変動を行うか否かが判定される(S84)。
【0111】
上記したように、特別図柄作動保留球数が「3」未満の場合(S84:NO)、短縮変動は行われず、変動パターン番号が「2」のまま保持され、S91へ進む。しかし、特別図柄作動保留球数が「3」以上となっており短縮変動を行う場合には(S84:YES)、変動パターン番号が「1」に差し替えられて短縮変動パターンが設定され(S85)、さらに、変動時間カラムCLM9に、短縮変動パターン時の変動時間5秒のカウント値「2500」が上書き記憶される。そして、S91へ進む。なお、S83で変動パターン番号が「3」以上であるリーチ状態であれば(S83:NO,S86:NO)、短縮変動は行われないので、S91へ進む。また、S83の判断処理が行われる場合に変動パターン番号が「1」となっている場合は、後述するが、特殊演出が行われている場合である。このとき、S91の処理は行われず(S86:YES)、S92に進む。
【0112】
次に、S91では、デモ図柄の変動表示の開始を指示するデモ図柄指定コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S91)。このデモ図柄指定コマンドには、判定エリアM0のデモ図柄第1〜第3乱数カラムCLM4〜CLM6、変動パターン番号カラムCLM7、および演出ゲーム数カラムCLM8にそれぞれ記憶されたデモ図柄第1〜第3乱数、変動パターン番号、および演出ゲーム数が付加される。そして、このデモ図柄指定コマンドに続き、特別図柄の変動表示の開始を指示する特別図柄指定コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S92)。この特別図柄指定コマンドには、判定エリアM0の特別図柄組合せカラムCLM11に記憶された図柄と背景色の組み合わせを示すコードが付加される。
【0113】
そして、判定エリアの変動時間カラムCLM9に記憶された変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1の値としてセットされ(S93)、また、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が変動表示中であることを示す「1」が記憶される(S94)。その後、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0114】
一方、サブ統合基板58では、図18に示すように、繰り返し実施されるサブ統合基板処理において、デモ図柄指定コマンドを受信すると(S101:YES)、まずそのデモ図柄指定コマンドに付加されたデモ図柄第1〜第3乱数、変動パターン番号、および演出ゲーム数が、図柄関係情報記憶エリア5823に記憶される。そして、前述したように、特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)が参照され、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される変動パターン番号が選択される。この時点では特殊演出が行われていないので演出ゲーム数が「1」となっており、実質的に主基板41から伝達された変動パターン番号と同一の変動パターン番号が、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して送信されることとなる。このとき選択された変動パターン番号は、図柄関係情報記憶エリア5823に記憶に記憶された変動パターン番号に上書き記憶され、変動パターンの差し替えが行われる(S102)。
【0115】
さらに、特殊演出パターン差替テーブルから特定されたデモ図柄の変動時間が、デモ図柄変動時間カウンタTC3のカウント開始の初期値としてセットされる(S103)。そして、制御コマンドテーブル記憶エリア5833から選択されたデモ図柄変動開始コマンドに、差し替えられた変動パターン番号が付加されて、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対してそれぞれ送信される(S104)。これにより、デモ図柄表示部D1〜D3では、変動パターン番号で指定された演出内容によるデモ図柄の変動表示が開始される。さらに、スピーカー48からは効果音等が出力され、また、種々の電飾ランプ63の点灯・点滅が行われる。このとき、デモ図柄変動フラグには「1」が記憶される(S105)。そして、S101に戻る。以後、S132の判断処理ではデモ図柄変動フラグが「1」であるためS133に進むが(S132:YES)、デモ図柄変動時間カウンタTC3によるデモ図柄の変動時間のカウント中は(S133:NO)、何もせずS101に戻り、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0116】
そして、デモ図柄指定コマンドに続き主基板41から出力された特別図柄指定コマンドを受信すると(S111:YES)、その特別図柄指定コマンドに付加された特別図柄の組み合わせを示すコードが図柄関係情報記憶エリア5823に記憶される。次いで、制御コマンドテーブル記憶エリア5833から選択された特別図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44に対して送信される(S112)。これにより、特別図柄表示部L1では、特別図柄の変動表示が開始される。主基板41の特別図柄処理(図15〜図17参照)では、デモ図柄指定コマンドを出力するための処理(S91)と、特別図柄指定コマンドを出力するための処理(S92)とが連続して実行され、メインルーチン処理(図14参照)のコマンド出力処理(S10)にて順次サブ統合基板58に対して送信される。したがって、特別図柄の変動表示開始のタイミングとデモ図柄の変動表示開始のタイミングとは同期して行われることとなる。そして、特別図柄変動開始コマンドの送信処理が行われた後はS101に戻り、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0117】
主基板41では、図16に示すように、次回以降の特別図柄処理において、表示状態フラグが「1」となっていることから特別図柄表示部L1が変動表示中であると判断され(S52:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S53)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S93でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」より大きい値である場合には(S53:NO)、特別図柄の変動表示を継続させるため、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。メインルーチン処理が繰り返し実行されて特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したとして(S53:YES)、特別図柄の確定表示を行うため、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S54)。そして、所定の停止時間(例えば3秒)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S55)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が確定表示中、すなわち、図柄の停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S56)。その後、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0118】
一方、サブ統合基板58では、図18に示すように、繰り返し実施されるサブ統合基板処理において全図柄停止コマンドを受信すると(S121:YES)、制御コマンドテーブル記憶エリア5833から特別図柄停止コマンドが選択され、これに図柄関係情報記憶エリア5823に記憶された特別図柄の組み合わせを示すコードが付加されて、図柄表示基板44に対して送信される(S122)。これにより、特別図柄表示部L1には、特別図柄の組み合わせを示すコードに基づく図柄と背景色の組み合わせが表示され、確定表示が行われる。そして、特別図柄停止コマンドの送信処理が行われた後はS101に戻り、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0119】
また、前述したように、先にデモ図柄変動時間カウンタTC3にセットされたデモ図柄の変動時間は特別図柄の変動時間と一致している。このため、S133の判断処理では、特別図柄の確定表示が行われるタイミングと同期してデモ図柄変動時間カウンタTC3の値が「0」となり(S133:YES)、デモ図柄の変動時間が経過したと判断される。すると、制御コマンドテーブル記憶エリア5833からデモ図柄停止コマンドが選択され、これに図柄関係情報記憶エリア5823に記憶されたデモ図柄第1〜第3乱数が付加されて、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対してそれぞれ送信される(S134)。これにより、デモ図柄表示部D1〜D3では、デモ図柄第1〜第3乱数により指定される図柄がそれぞれ表示され、確定表示が行われる。さらに、スピーカー48からは効果音等が出力され、また、種々の電飾ランプ63の点灯・点滅が行われる。
【0120】
また、このときデモ図柄変動フラグには「0」が記憶される(S135)。そして、S101に戻るが、以後、S132の判断処理ではデモ図柄変動フラグが「0」であるため、S101,S111,S121,S131,S132の処理が繰り返し実施され、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0121】
主基板41では、図16に示すように、次回以降の特別図柄処理において、表示状態フラグが「2」となっていることから特別図柄表示部L1が確定表示中であると判断される(S61:YES)。すると、特別図柄停止時間カウンタTC2が参照され、S55でセットされた停止時間が経過したか否かの判断が行われる(S62)。特別図柄停止時間カウンタTC2の値はカウンタ更新処理において減算されるが、「0」より大きい値である場合には(S62:NO)、特別図柄の確定表示を継続させるため、特別図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。そして、メインルーチンが繰り返し実行されて特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」となれば(S62:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が確定表示中でも変動表示中でもないことを示す「0」が記憶される(S63)。
【0122】
次に、特別図柄組合せカラムCLM11に記憶された特別図柄の図柄と背景色の組み合わせが大当たりを示す組み合わせであるか否か、その特別図柄と、特別図柄組合せパターン記憶エリア5305に記憶されている40種類の大当たり時の停止図柄の組み合わせとの照合が行われる(S64)。大当たりである場合には(S64:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とし(S65)、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。大当たりでない場合には(S64:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0123】
次回以降の特別図柄処理では、大当たり遊技状態フラグが「1」であればS52以降の処理は行われない(S51:YES)。また、大当たり遊技状態フラグが「0」であれば、次の特別図柄作動保留球に基づく大当たり判定結果の報知が開始されることとなる(S71:YES)。
【0124】
このように、特殊演出が行われない場合には、特別図柄始動電動役物15に入賞した1個の遊技球につき1回、特別図柄による大当たり判定結果の報知が行われる。そして、デモ図柄による大当たり判定結果の報知は、特別図柄と同期して行われる。パチンコ機1での遊技が継続して行われ、特別図柄始動電動役物15に遊技球が続けて入賞し、大当たり判定結果の報知されていない遊技球が保留され、図15に示すように、特別図柄作動保留球数が「2」以上となると(S41:YES)、特殊演出を行うか否かの判定が行われる(S42)。なお、この時点ではまだ特殊演出が行われていないので、予約ゲーム数は「0」となっている。なお、S43〜S46の処理を行って特殊演出が行われるように設定し、S81,S83,S86の判断処理によってデモ図柄指定コマンドと特別図柄指定コマンドの出力の制御を行うことで特殊演出を実現させるCPU51が、本発明における「特殊演出手段」に相当する。
【0125】
特殊演出は、前述したように、入賞した遊技球に基づき決定される変動パターンの番号が「21」〜「30」または「41」〜「62」の場合に行われる(図10参照)。したがって、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7の値が確認され、「0」〜「20」または「31」〜「40」のいずれかであった場合には(S42:NO)、現行の保留記憶エリアの演出ゲーム数カラムCLM8に「1」が記憶され(S48)、S51に進む。
【0126】
さらにパチンコ機1での遊技が継続して行われ、特別図柄作動保留球数が「2」以上、かつ、変動パターン番号が「21」〜「30」または「41」〜「62」のいずれかが決定されると(S41:YES,S42:YES)、特殊演出を行うための処理が実行される。まず、特殊演出フラグに「1」が記憶され(S43)、前述した短縮変動(S85)が行われることがないように設定される。
【0127】
次に、演出ゲーム数を決定するための処理が行われる(S44)。特別図柄作動保留球数から予約ゲーム数が減算され、その減算結果が、現行の保留記憶エリアの演出ゲーム数カラムCLM8に記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が3個のときに特殊演出を行うことが決定した場合、すでに特殊演出が行われている最中でなければ予約ゲーム数が「0」となっているので、現行の保留記憶エリアには演出ゲーム数として「3」が記憶されることとなる。
【0128】
そして、変動パターンの入れ替えが行われる(S45)。この処理では、予約ゲーム数に「1」を加算した値で指定される保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7、演出ゲーム数カラムCLM8、変動時間カラムCLM9、および、特殊演出フラグカラムCLM10の各記憶エリアに、特別図柄作動保留球数で指定される現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7、演出ゲーム数カラムCLM8、変動時間カラムCLM9、および、特殊演出フラグカラムCLM10の各記憶エリアに記憶された値が上書きされて記憶される。さらに、予約ゲーム数に「2」を加算した値で指定される保留記憶エリアM1〜M4から現行の保留記憶エリアまでの変動パターン番号カラムCLM7と、演出ゲーム数カラムCLM8と、変動時間カラムCLM9と、特殊演出フラグカラムCLM10との各記憶エリアに、それぞれ、変動パターン番号「1」と、演出ゲーム数「1」と、変動時間「5秒(2500カウント)」と、特殊演出フラグ「0」とが上書き記憶される。
【0129】
その後、予約ゲーム数に「1」を加算した値で指定される保留記憶エリアM1〜M4の演出ゲーム数カラムCLM8の値、上記例では「3」が、予約ゲーム数記憶エリア5209の値に加算され(S46)、S51に進む。これにより、特殊演出中に追加された保留球にて再度特殊演出が行われることが決定した場合、変動パターン入替処理(S45)で不都合が生じない。
【0130】
以上の処理により次の特別図柄の変動表示の開始とともに特殊演出を開始するための準備が完了し、前述したように、図16に示す、S72以降の処理で、デモ図柄指定コマンドおよび特別図柄指定コマンドが出力される。すなわち、特別図柄作動保留球数の減算(S71)、予約ゲーム数の減算(S73)、保留記憶エリアM1の各値の判定エリアM0へのシフト等(S74)が行われた後に、判定エリアM0の特殊演出フラグカラムCLM10が参照される(S81)。S43の処理で特殊演出フラグに「1」が記憶された現行の保留記憶エリアが、変動パターン入替処理(S45)、S74の処理によって判定エリアM0にシフトされているので(S81:YES)、S91に進み、デモ図柄指定コマンド(S91)や特別図柄指定コマンド(S92)の出力のための処理等が行われる。
【0131】
一方、サブ統合基板58では、図18に示すように、繰り返し実施されるサブ統合基板処理において、デモ図柄指定コマンドの受信に基づく処理(S101:YES,S102〜S105)や特別図柄指定コマンドの受信に基づく処理(S111:YES,S112)が行われることは前記同様である。ここで、特殊演出の開始時にサブ統合基板58に伝達されるデモ図柄指定コマンドに付加される演出ゲーム数は「1」ではない。したがって、S102において特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)に基づきS103でセットされる決定されるデモ図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間と一致していない。このため、主基板41において、図15〜図17の特別図柄処理で特別図柄の変動表示が終了し、確定表示が行われる時でも、デモ図柄の変動表示は継続されていることとなる。
【0132】
そして、図17に示すように、特殊演出が行われている間、先に行われた変動パターン入替処理(図15、S45)で特殊演出フラグに「0」、変動パターン番号に「1」が記憶された保留記憶エリアM1〜M4が判定エリアM0にシフトされて、これに基づく特別図柄の変動表示が開始されるときにデモ図柄指定コマンドの出力は行われない(S81:NO,S83:NO,S86:YES)。こうして、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出が行われる。さらに上記したように、特殊演出が終了すれば、S83およびS86の各判断処理において変動パターン番号が「1」であることはなく、デモ図柄の変動表示の開始と特別図柄の変動表示の開始とが同期して行われるようになる(S91,S92)。
【0133】
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1では、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され(S24)、その乱数に基づいて、大当たり判定が行われる(S31)。そして、変動パターンや特別図柄表示部L1、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄が決定され(S32〜S35)、特殊演出を行う条件が満たされれば変動パターン入替処理が行われる(S45)。
【0134】
特殊演出が行われないときは、デモ図柄指定コマンドと特別図柄指定コマンドとが同じ回のルーチン処理で出力されるため、デモ図柄と特別図柄の変動表示が同期して開始される(S91,S92)。しかし、特殊演出が行われる場合、その開始時にはデモ図柄と特別図柄の変動表示の開始の指示が同期して行われるが、以後、特殊演出が終了するまでデモ図柄指定コマンドが出力されない。このため、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出を行うことができる。
【0135】
なお、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、タイマカウンタは、その値を加算していき、設定された値となった場合に時間が経過したと判断するようにしてもよい。
【0136】
また、本実施の形態では、主基板41と図柄表示基板44との間にサブ統合基板58を設けて、主基板41から出力される制御コマンドに基づいて図柄表示基板44等の制御を行ったが、主基板41から図柄表示基板44に直接制御コマンドを発し、その制御コマンドに基づいた制御が、図柄表示基板44によって行われるようにしてもよい。
【0137】
また、特殊演出パターンによる演出は、大当たりと判定された場合に必ず行われるようにしてもよい。また、例えば、特別な抽選に当選した場合、特定の条件が成立した場合などに行うようにしてもよい。なお、特定の条件とは、例えば、大当たり判定結果の報知の際の変動パターンとして、連続して所定回、通常変動パターンが選択された場合、所定の入賞口に入賞した場合、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技盤上から排出するためのアウト口を通過した遊技球の数が所定数に達した場合、特別図柄による大当たり判定結果の報知が所定回、行われた場合などとすればよい。
【0138】
また、特別図柄作動保留球数を示すLED60は、特別図柄の変動表示の開始とともに1つ消灯されるが、特殊演出を行う場合に、演出ゲーム数と同じ数だけLED60の消灯を行ってもよい。また、特別図柄作動保留球数は最大4つとしたが、これに限らず、例えば100個であってもよい。
【0139】
また、短縮変動を行う場合は特別図柄作動保留球数が「3」以上で、変動パターン番号が「2」である場合に変動パターン番号や変動時間を上書きすることによって行ったが、別途、短縮変動時用の変動パターンテーブルを設け、変動パターンの再抽選を行ってもよい。
【0140】
また、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞したときに取得され、現行の保留記憶エリアに記憶された各乱数値に基づき大当たりか否かの判定や特別図柄の組み合わせを決定し、これに基づき変動パターン等の決定を行ったが、これらの処理は特別図柄指定コマンドが出力される直前に、判定エリアM0へシフトされた各乱数値に基づき行うようにしてもよい。
【0141】
また、本実施の形態では、「第一種」と呼ばれるパチンコ機を例としたが、このタイプのパチンコ機に限られるものではなく、また、パチコン機、パチスロ機等の各種の遊技機に適用してもよい。また、上記した大当たり確率や抽選確率、各テーブルの内容などは一例に過ぎず、任意に設定可能なことはいうまでもない。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の遊技機では、所定の演出条件が成立した場合、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うことができるので、長時間の演出を行うことができ、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
【0143】
また、請求項2に係る発明の遊技機では、所定の演出条件が成立した場合、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うことができるので、長時間の演出を行うことができ、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
【0144】
また、請求項3に係る発明の遊技機では、請求項1または2に係る発明の効果に加え、大当たり状態へ移行される場合に、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うことができるので、長時間の演出を行うことができ、遊技者の感情を高揚させることができる。
【0145】
また、請求項4に係る発明の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うその報知態様の実行の有無を、乱数に基づいて決定することができるので、その実行の頻度を任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機1の正面図である。
【図2】遊技盤2の正面図である。
【図3】表示装置8の正面図である。
【図4】パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図5】主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。
【図6】主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。
【図7】RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。
【図8】RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。
【図9】RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
【図10】ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルを示す概念図である。
【図11】サブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図である。
【図12】サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。
【図13】ROM583に記憶された特殊演出パターン差替テーブルを示す概念図である。
【図14】主基板41のCPU51が実行するメインルーチン処理のフローチャートである。
【図15】メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。
【図16】メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。
【図17】メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。
【図18】サブ統合基板58のCPU581が実行するサブ統合基板処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
15 特別図柄始動電動役物
51 CPU
5205 大当たり関係情報記憶エリア
5304 変動パターン記憶エリア
L1 特別図柄表示部
D1,D2,D3 デモ図柄表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、詳細には、特別図柄とデモ図柄とのそれぞれによって大当たりの判定結果を報知する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機等の遊技機では、始動入賞口への遊技球の入賞を契機に、例えばループカウンタ等から乱数を取得し、取得した乱数に基づき遊技者が遊技球を多数獲得することができる大当たり遊技状態の判定が行われている。その判定結果の報知は、パチンコ機に設けられた図柄表示装置に表示させる複数の図柄(特別図柄)の組み合わせによって行われている。そして、図柄表示装置に表示された特別図柄が、あらかじめ大当たりと決められた組み合わせであった場合、遊技者に大当たり遊技を行わせている。
【0003】
大当たりか否かの判定は、始動入賞口に入賞した遊技球1個に対して1回行われる。そして、特別図柄の変動表示(複数の図柄のうち少なくとも1つが停止されていない状態)が行われ、その後、確定表示(すべての図柄が停止している状態)されたときに、遊技者は、特別図柄の組み合わせを視認でき、大当たり判定の結果を知ることができる。特別図柄の変動表示の際にはさまざまな演出が行われており、遊技者は、その演出の内容によって、大当たり判定結果が「大当たり」として報知されることに対する期待感を高めるのである。
【0004】
ところで、特許文献1では、図柄(特別図柄)の変動(変動表示)を開始してから停止(確定表示)を行うまでの間に、図柄の仮停止(所定領域内に一定期間継続的に更新表示を停止している状態)と、その仮停止した図柄の再変動とを複数回行っている。このような制御を行うことで、遊技球1個に対して1回行われる大当たりの判定が、あたかも複数回行われるように遊技者に感じさせることができる。そして、大当たりの判定の機会が増えたように見せかけることで、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
【0005】
しかし、特別図柄の変動表示には時間的な制約が定められている。このため、近年のパチンコ機では、特別図柄の変動表示と連動して変動表示されるデモ図柄を図柄表示装置に表示させ、特別図柄と同一の大当たり判定結果の報知を行っている。このデモ図柄は、特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集めやすく構成された図柄であり、時間的な制約がない。そこで、特別図柄の変動表示を定められた制約に従って行い、デモ図柄の変動表示を制約に縛られずに行うことで、大当たり判定結果の報知に対する遊技者の注目を以前に増して集めることができる。そして、特別図柄による大当たり判定結果の報知が1回行われる間に、デモ図柄により大当たり判定結果の報知を複数回行えば、特許文献1と同様な効果を得ることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−85698号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特別図柄による1回の大当たり判定結果の報知の間にデモ図柄による大当たり判定結果の報知を複数回行うと、必然的にデモ図柄による1回の演出の時間が短くなり、遊技者の期待感を高めやすい長時間の演出を行うことができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、特別図柄による大当たり判定結果の報知が複数回行われる間に、継続的に、デモ図柄による大当たり判定結果の報知を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の遊技機は、遊技球が入賞する始動入賞口と、前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機に乱数の取得を行う乱数取得手段と、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段により、当たりとなる条件が成立したと判断された場合に、遊技者が多数の遊技球を獲得できるように、大入賞口を開閉する大入賞口開閉制御手段と、その大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口遊技球検出手段と、当該大入賞口遊技球検出手段が検出した遊技球に対して、所定数の遊技球を払い出す遊技球払出手段と、前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための図柄である特別図柄を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段によって前記入賞した遊技球に係る判定結果の報知が未だ行われていない分について、その判定結果を記憶する保留記憶手段とを備えた遊技機であって、前記図柄表示手段に表示される前記特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集め、前記特別図柄の表示と同期して、前記判定結果を報知するための図柄であるデモ図柄を表示するデモ図柄表示手段と、所定の演出条件が成立した場合に前記保留記憶手段に記憶されている分の前記判定結果について、その判定結果の報知が前記図柄表示手段によって行われている間、継続的に、最後に判定された前記判定結果に基づく報知を前記デモ図柄表示手段に行わせる特殊演出手段とを備えている。
【0010】
また、請求項2に係る発明の遊技機は、遊技球が入賞する始動入賞口と、前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機に乱数の取得を行う乱数取得手段と、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、前記大当たり判定手段により、当たりとなる条件が成立したと判断された場合に、遊技者が多数の遊技球を獲得できるように、大入賞口を開閉する大入賞口開閉制御手段と、その大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口遊技球検出手段と、当該大入賞口遊技球検出手段が検出した遊技球に対して、所定数の遊技球を払い出す遊技球払出手段と、前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための図柄である特別図柄を表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段によって前記入賞した遊技球に係る判定結果の報知が未だ行われていない分について、その入賞した遊技球について取得された前記乱数を記憶する保留記憶手段とを備えた遊技機であって、前記図柄表示手段に表示される前記特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集め、前記特別図柄の表示と同期して、前記判定結果を報知するための図柄であるデモ図柄を表示するデモ図柄表示手段と、所定の演出条件が成立した場合に前記保留記憶手段に記憶されている分の前記乱数に基づく判定結果の報知が前記図柄表示手段によって行われている間、継続的に、最後に取得された前記乱数に基づく判定結果の報知を前記デモ図柄表示手段に行わせる特殊演出手段とを備えている。
【0011】
また、請求項3に係る発明の遊技機は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記所定の演出条件が成立した場合とは、前記大当たり判定手段によって当たりと判定された場合であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明の遊技機は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記図柄表示手段によって前記判定結果の報知が行われる場合に前記デモ図柄表示手段によって行われる報知の報知態様を、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて決定する報知態様決定手段を備え、前記所定の演出条件が成立した場合とは、前記報知態様決定手段が所定の報知態様を決定した場合であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態のパチンコ機について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は、表示装置8の正面図である。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には、発射装置(図示外)から発射された遊技媒体としての遊技球が流下する遊技盤2が設けられている。この遊技盤2は略正方形であり、前面にはガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、発射装置に遊技球を供給し、かつ、賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には発射ハンドル7が、下皿6の上にはスピーカー48がそれぞれ設けられている。
【0015】
図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDから構成された図柄表示画面28や各種ランプ、LEDを備えた表示装置8が設けられている。この表示装置8の左右上方には電飾風車9,10がそれぞれ設けられ、また、表示装置8の左側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。また、表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、さらにその特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。そして、特別図柄始動電動役物15の左右には普通入賞口19,20がそれぞれ設けられており、大入賞口16の左右にも普通入賞口17,18がそれぞれ設けられている。なお、特別図柄始動電動役物15が、本発明における「始動入賞口」に相当する。
【0016】
また、表示装置8の下部には、遊技盤2の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能なステージ21が略水平に設けられ、また、表示装置8の左右両肩にはワープ口22,23がそれぞれ設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球は表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21へ現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球が、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下しやすくなるように、ステージ21に若干の勾配が設けられている。
【0017】
次に、図3に示すように、表示装置8の図柄表示画面28の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられており、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。また、表示装置8の上部には4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞し、図柄表示画面28に大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる特別図柄作動保留球数を4個まで、LEDの点灯で表示することができるようになっている。さらに、特別図柄記憶数表示LED60の下方に設けられた4個のLEDからなる普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12(図2参照)を通過し、普通図柄表示部24に当たりの判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数、いわゆる普通図柄作動保留球数を、特別図柄作動保留球数と同様に4個まで、LEDの点灯で表示することができる。なお、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車および多数の障害釘等が設けられている。
【0018】
本実施の形態のパチンコ機1では、通常遊技状態において、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると乱数が取得され、この乱数に基づき大当たりの判定が行われる。この大当たり判定の結果が大当たりとなると、パチンコ機1が大当たり遊技状態となり、大入賞口16が開放され、遊技者は多数の遊技球を獲得することができる。この大当たり判定の結果は特別図柄表示部L1に表示され、さらに、デモ図柄表示部D1〜D3にも表示される。また、特別図柄表示部L1やデモ図柄表示部D1〜D3への大当たり判定結果の表示は、図柄表示画面28の背景画面やその他の種々の電飾ランプ63やスピーカー48から出力される効果音等の演出と同期して行われ、遊技者の大当たり判定結果への関心や期待感を高める働きをしている。
【0019】
そこで、特別図柄表示部L1について説明する。特別図柄表示部L1は、1桁の数字や1文字のアルファベット、マーク等の図柄を表示できるように構成されている。特別図柄表示部L1に表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」および「9」の10種類があり、また、図柄の表示される背景色の種類として、「赤」、「橙」、「黄」、「緑」、「水色」、「青」、「紫」、「白」の8種類が用意されている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示され、図柄と背景色との組み合わせにより判定結果が表示される。また、大当たりである場合には、次の大当たりの判定を行う際に大当たりとなる確率(大当たり確率)が高くなる高確率状態に移行する確率変動当たりであるか否かの判定も行われ、特別図柄表示部L1にはその判定結果も報知される。つまり、特別図柄表示部L1に表示される結果は、「大当たり(確率変動当たり)」、「大当たり(確率変動はずれ)」、「はずれ」の3種類である。例えば、本実施の形態では、以下のように構成されている。
【0020】
図柄と背景色の組み合わせを(図柄,背景色)と示すと、「大当たり(確率変動当たり)」である組み合わせは、(0,赤),(0,橙),(1,橙),(1,黄),(2,黄),(2,緑),(3,緑),(3,水色),(4,水色),(4,青),(5,青),(5,紫),(6,紫),(6,白),(7,白),(7,赤),(8,赤),(8,橙),(9,橙),(9,黄)の20種類である。また、「大当たり(確率変動はずれ)」である組み合わせは、(0,黄),(0,緑),(1,緑),(1,水色),(2,水色),(2,青),(3,青),(3,紫),(4,紫),(4,白),(5,白),(5,赤),(6,赤),(6,橙),(7,橙),(7,黄),(8,黄),(8,緑),(9,緑),(9,水色)の20種類である。なお、大当たりであると判定された場合に、これらの40種類の図柄と背景色の組み合わせが、特別図柄表示部L1に出現する割合は等しい。つまり、大当たりと判定された場合に、どの図柄が表示されるかの確率はそれぞれ40分の1である。また、確率変動当たりの組み合わせが20種類、確率変動はずれの組み合わせが20種類であるので、大当たりである場合に、確率変動当たりとなる確率は2分の1である。また、数字10種類、背景色8種類なので、全組み合わせは80種類となり、「はずれ」となる組み合わせは、上記40種類以外の組み合わせであるので、40種類となる。これらの組み合わせは、後述するROM53の特別図柄組合せパターン記憶エリア5305(図5参照)に記憶されている。なお、特別図柄表示部L1が、本発明における「図柄表示手段」に相当する。
【0021】
次に、デモ図柄表示部D1〜D3について説明する。このデモ図柄表示部D1〜D3は、大当たり判定の報知を、特別図柄表示部L1で行うよりも自由度をもたせて行うためのものである。図3に示すように、図柄表示画面28には、左から、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2の順に、3つのデモ図柄表示部が横一列に配置されている。このデモ図柄表示部D1〜D3には、後述する図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。また、図柄表示画面28にはデモ図柄表示部D1〜D3の背景にも画像が表示されており、また、常にデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が表示されているわけではなく、図柄表示画面28の全体にデモ図柄表示部D1〜D3に替えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。なお、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置、図柄の変動表示を停止させる順序、スクロールの方向などは任意に変更できることはいうまでもない。
【0022】
デモ図柄表示部D1〜D3に各々表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、特別図柄表示部L1と同様に、これら10種類の図柄が順次表示される。そして、大当たりである場合には、横1列に表示された3つの図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知される。なお、大当たりを報知する図柄の種類やその組み合わせはこれに限られるものではなく、自由に定めることができる。また、確率変動当たりである場合には、デモ図柄表示部D1〜D3も最終的には確率変動当たりを示す確率変動図柄が揃って表示された状態となる。本実施の形態では、「1」,「3」,「5」,「7」および「9」を確率変動図柄とし、それ以外の「2」,「4」,「6」,「8」および「0」を非確率変動図柄とする。なお、デモ図柄表示部D1〜D3が、本発明における「デモ図柄表示手段」に相当する。
【0023】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47、およびサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
【0024】
パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムにしたがって各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタ等の演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、例えば、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されている制御プログラムを実行し、この制御プログラムにしたがってパチンコ機1の制御を行う。
【0025】
また、主基板41にはCPUユニット50と接続してI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板と接続されている。さらに、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41に接続されている。払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、中継基板47はスイッチやソレノイドの配線の中継を行っている。また、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44、電飾基板46の総合的な制御を行っており、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は表示装置8の図柄表示画面28に表示される図柄の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御している。
【0026】
なお、サブ統合基板58にはCPU581、RAM582およびROM583が設けられ、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45および電飾基板46にも図示外のRAMおよびROMが内蔵されており、CPU43a,44a,45a,46aや図示外の入出力インタフェイス等がそれぞれ搭載されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
【0027】
電飾基板46には電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62および電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には表示装置8、および普通図柄表示部24が接続され、音基板43にはスピーカー48が接続され、払出制御基板45には賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、および、普通入賞口17,18,19,20に入賞した入賞球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。
【0028】
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46およびサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。なお、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12Vおよび5V等を供給できるようになっている。なお、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
【0029】
パチンコ機1では、一定間隔の時間(本実施例では2ms)毎に割込信号発生回路57の発生する割込信号によって、主基板41のCPU51が図14に示すメインルーチン処理を繰り返し実行しており、2ms以内に終了するようにプログラミングされている。このメインルーチン処理が繰り返し実行されることにより、パチンコ機1の主要動作が実施される。メインルーチン処理は主基板のCPU51が実行しており、メインルーチン処理の中で、サブ統合基板58のCPU581へ様々なコマンド(例えば、特別図柄表示部L1やデモ図柄表示部D1〜D3の変動表示を開始するコマンドや停止するコマンド、大入賞口16を開放するコマンドや閉鎖するコマンド等)の送信が行われている。
【0030】
サブ統合基板58のCPU581では、主基板41のCPU51から送信されてきたコマンドに基づいて、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される動画やメッセージ等を決定したり、その出現タイミングを決定したり、スピーカー48から出力される効果音を決定したり、その出力タイミングを決定したり、その他の電飾ランプ63等を点滅させるタイミングを決定したりして、図柄表示基板44のCPU44a、音基板43のCPU43a、電飾基板46のCPU46aへの指示を行っている。
【0031】
パチンコ機1では、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄と、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄とで、ともに、同一の大当たり判定結果、すなわち、「大当たり(確率変動当たり)」、「大当たり(確率変動はずれ)」、「はずれ」の報知を行っている。遊技者は、特別図柄およびデモ図柄の変動表示(図柄が非停止の状態で、仮停止(図柄の変動が完全には停止されていないが、遊技者がどの図柄が表示されているかを視認できる状態)も含む)が行われてからなされる確定表示(図柄の変動が完全に停止された状態)によって、大当たり判定の結果を知ることができる。本実施の形態では、「大当たり」が報知される場合には、大当たりと決められている特別図柄の組み合わせが確定表示され、また、3つのデモ図柄はすべて同一の図柄が確定表示される。なお、特別図柄の変動表示および確定表示と、デモ図柄の変動表示および確定表示とは同期して行われている。
【0032】
デモ図柄の変動表示中には、パチンコ機1では、遊技者を飽きさせないための様々な演出が行われる。例えば、種々の電飾ランプ63やその他のLEDの点灯・点滅、効果音の発音等が行われるが、もっとも遊技者の注目を集めやすいのがデモ図柄の変動の態様である。特に、リーチ状態となった場合には、大当たりに対する遊技者の期待感がより高められるのである。ここで、リーチ状態とは、複数の条件がすべて満たされたときに大当たりとなる各条件のうち、1つを除く他の条件がすべて満たされた状態をいう。例えば、3つのデモ図柄のうち2つまでが同一の図柄で仮停止され、残る1つの図柄がまだ停止されていない場合などであり、このリーチ状態となると、遊技者は、その最後の図柄が先に仮停止された図柄と同一の図柄が停止されることに期待感を募らせるのである。
【0033】
もっとも、大当たり判定結果の報知の都度リーチ状態によるデモ図柄の演出が行われると、遊技者はリーチ状態を特別視しないようになってしまう。そこで、パチンコ機1では、デモ図柄の変動パターンとして非リーチ状態の演出を行う短縮変動パターンや通常変動パターン、リーチ状態を演出するリーチ変動パターンや特殊演出パターンを設けている。そして、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞した際に取得される乱数に基づいて、後述する変動パターンテーブル(図10参照)からどの演出を行うかが決定される。
【0034】
特に、リーチ変動パターンや特殊演出パターンの変動パターンには、変動表示が開始された図柄が仮停止や確定表示に至るまでの過程に様々な変化(キャラクター等の出現、図柄のスクロール方向、動画の挿入など)が組み込まれ、遊技者の大当たりに対する期待感を高め、リーチ状態を視覚的にわかりやすくする演出が行われる。特殊演出パターンは、リーチ変動パターンよりもさらに遊技者の注目を集められるように設けられたパターンで、その演出は比較的長い時間をかけて行われる。そして、大当たり判定結果が「はずれ」である場合には、リーチ変動パターンと比べて特殊演出パターンによる演出(特殊演出)が行われる頻度が低くなるように設定されており、また、大当たりと判定された場合にリーチ変動パターンと比べて特殊演出パターンが行われる頻度を高めている。これにより、リーチ変動パターンによる演出が行われた場合よりも特殊演出パターンによる演出が行われた場合の方が報知結果が「大当たり」となる場合を多くすることができ、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができるのである。
【0035】
一方、通常変動パターンや短縮変動パターンはリーチ状態とはならない変動パターンであり、短縮変動パターンは通常変動パターンよりも演出にかかる時間が短く設定された変動パターンである。3つのデモ図柄が同一となった場合に「大当たり」となるので、リーチ状態とならなければ「大当たり」として報知されることはない。パチンコ機1では、このような通常変動パターンや短縮変動パターンに織り交ぜてリーチ変動パターンや特殊演出パターンによる演出を行うことで、それらの変動パターンによる演出が行われた場合の利用者の注意を惹くことができる。
【0036】
通常、特別図柄、およびそれと同期したデモ図柄により特別図柄始動電動役物15に入賞した1個の遊技球につき1回の大当たり判定が行われ、その結果の報知が1回行われる。本実施の形態のパチンコ機1では、遊技者の心理的な興奮状態を高めることができるように、特殊演出が行われる場合には特別図柄の変動表示とデモ図柄の変動表示とを非同期に行っている。そして、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続してデモ図柄による演出が行われ、大当たり判定結果の報知は1回行われる。これにより、遊技者がリーチ変動パターンとの違いを認識したときに、より、大当たりに対する期待感を高めることができるように構成されている。
【0037】
以下、図5〜図18を参照して、上記した特殊演出を行うための制御について、主基板41のCPU51によって実行されるメインルーチン処理、メインルーチン処理の中で行われる処理、それらの処理で使用されるデータについて説明する。さらに、サブ統合基板58のCPU581によって実行されるサブ統合基板処理、この処理で使用されるデータについて説明する。図5は、主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。図6は、主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。図7は、RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。図8は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。図9は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。図10は、ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルを示す概念図である。図11は、サブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図である。図12は、サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。図13は、ROM583に記憶された特殊演出パターン差替テーブルを示す概念図である。図14は、主基板41のCPU51が実行するメインルーチン処理のフローチャートである。図15〜図17は、メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。図18は、サブ統合基板58のCPU581が実行するサブ統合基板処理のフローチャートである。
【0038】
まず、主基板41の各記憶エリアについて説明する。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア5301、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種制御プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア5302、主基板41からサブ統合基板58に出力される制御コマンドのテーブルを記憶する制御コマンドテーブル記憶エリア5303、大当たり判定の結果を報知する際の変動パターンが決定される際に参照される変動パターンテーブルを記憶する変動パターン記憶エリア5304、および、特別図柄表示部L1に表示する図柄と背景色との組み合わせを記憶する特別図柄組合せパターン記憶エリア5305が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
【0039】
図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア5201、各ゲートに遊技球が通過したか否かや、各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する入賞球フラグ記憶エリア5202、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した場合に取得される乱数を記憶する普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過数のうち、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、特別図柄始動電動役物15への遊技球の通過時に取得される乱数や、その乱数に基づく判定結果を記憶する大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数のうち、未消化の保留球の数を作動保留球数として記憶する特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、主基板41からサブ統合基板58へ出力される制御コマンドを記憶するコマンド関係記憶エリア5207、大当たり遊技状態であるか否かを示す大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示部L1の状態を示す表示状態フラグ、高確率状態とするか否かを示す確率変動フラグ等のフラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5208、および、特殊演出中に、その特殊演出が終わってからさらに別の特殊演出を行うことが決定した場合、先の特殊演出パターンの処理と後の特殊演出パターンの処理とが重複しないようにするための予約ゲーム数を記憶する予約ゲーム数記憶エリア5209が設けられている。さらに、RAM52には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。なお、RAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。
【0040】
図7に示すように、カウンタ記憶エリア5201には、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、変動パターン決定カウンタLC7、特別図柄変動時間カウンタTC1、および、特別図柄停止時間カウンタTC2が各々記憶されている。これらの値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア5203や大当たり関係情報記憶エリア5205などに各々取り込まれて格納されるようになっている。
【0041】
なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、および変動パターン決定カウンタLC7の値は、割込信号発生回路57(図4参照)からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1の制御プログラムのメインルーチンのカウンタ更新処理(図14参照)において、一定間隔の時間(例えば、割込信号発生の間隔である2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ加算される。そして、各カウンタには最小値(下限値)および最大値(上限値)が設けられており、最小値から最大値まで範囲の数値内を循環するように構成されている。つまり、更新の結果、カウンタの値が最大値と同じ値になると、次の更新でカウンタの値は最小値を取ることとなる。また、特別図柄変動時間カウンタTC1および特別図柄停止時間カウンタTC2は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用され、カウンタ更新処理にて所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。以下、各カウンタについて詳述する。
【0042】
普通当たり判定カウンタLC1の値は、普通当たりを判定するために使用される。普通当たりの判定は普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過を契機に行われ、普通当たりと判定されると特別図柄始動電動役物15の開閉部材が所定時間(例えば、1秒)開放される。普通当たり判定カウンタLC1の最大値は「255」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は512msとなる。
【0043】
大当たり判定カウンタLC2の値は、大当たりを判定するために使用される。大当たり判定カウンタLC2の最大値は「314」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、大当たり判定カウンタLC2の値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。また、パチンコ機1の起動時に、大当たり判定カウンタLC2には初期値として「0」がセットされており、更新により値が一巡して初期値「0」と同じ値となると新たな初期値を取得し、その初期値に対して「1」ずつの加算がなされる。この新たな初期値は、CPU51が、メインルーチン処理(図14参照)を行わない間(メインルーチン処理が終了し、次の割込信号によりメインルーチン処理が開始されるまでの間)に繰り返し実行されている図示外の初期値乱数処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって生成された乱数が用いられる。例えば、初期値乱数処理により生成された乱数が「18」であった場合には、更新により「19」、「20」と加算され、「314」となったら、「0」へ戻り、「1」、「2」と加算され、「18」となったら、新たな初期値を取得する。なお、大当たり判定カウンタLC2の最大値は単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
【0044】
特別図柄選択カウンタLC3の値は、大当たり判定の結果を報知するために特別図柄表示部L1に表示される図柄と背景色との組み合わせを、大当たりの40種類、または、はずれの40種類の中から1つ選択するために使用される。この特別図柄選択カウンタLC3の最大値は「39」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「40」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄選択カウンタLC3の値は「0」から「39」までのいずれかの値を取り、1周期は80msとなる。
【0045】
デモ図柄作成第1カウンタLC4の値は、大当たりである場合に、デモ図柄表示部D1,D2,D3に表示される大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチ状態となるはずれの場合には、デモ図柄表示部D1に表示される第1停止図柄(左図柄)、および、デモ図柄表示部D2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。さらに、リーチ状態とならないはずれの場合には、デモ図柄表示部D1に表示される第1停止図柄(左図柄)を決定するために使用される。このデモ図柄作成第1カウンタLC4の最大値は「9」、最小値は「0」であり、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、デモ図柄作成第1カウンタLC4の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
【0046】
デモ図柄作成第2カウンタLC5の値は、リーチ状態となるはずれの場合には、デモ図柄表示部D3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。また、リーチ状態とならないはずれの場合には、デモ図柄表示部D2に表示される第2停止図柄(右図柄)を決定するために使用される。このデモ図柄作成第2カウンタLC5の最大値は「9」、最小値は「0」であり、10割込毎(20ms毎、デモ図柄作成第1カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、デモ図柄作成第2カウンタLC5の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は200msとなる。
【0047】
デモ図柄作成第3カウンタLC6の値は、リーチ状態とならないはずれの場合に、デモ図柄表示部D3に表示される第3停止図柄(中図柄)を決定するために使用される。このデモ図柄作成第3カウンタLC6の最大値は「9」、最小値は「0」であり、100割込毎(200ms毎、デモ図柄作成第2カウンタLC5の1周期毎)に「1」加算され「10」以上となった際に「0」へ戻る。したがって、特別図柄作成第3カウンタLC6の値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
【0048】
変動パターン決定カウンタLC7の値は、変動パターンを決定するために使用される。変動パターンは、大当たり判定の結果を報知する際の演出様態の種類であり、変動パターン決定カウンタLC7の値や大当たり判定の結果により選択される。選択された変動パターンは、その変動パターンの番号が演出ゲーム数とともにデモ図柄指定コマンドに付加されてサブ統合基板58へ送信され、サブ統合基板58からさらに音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46へ送信される。なお、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄の変動表示開始から全図柄の停止までの時間はこの変動パターン毎に決定されており、変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブル(図10参照)に基づいて設定される。また、本実施の形態では変動パターンは62種類設けられている。そして、この変動パターン決定カウンタLC7の最大値は「65535」、最小値は「0」であり、10割込毎(2ms毎)に「1」加算され「65536」以上となった際に「0」へ戻る。そして、変動パターンテーブルに基づいて、それぞれ「0」〜「65535」の値に対して、はずれの場合には32種類、大当たりの場合には30種類の変動パターンのいずれかが割り振られる。
【0049】
特別図柄変動時間カウンタTC1は、特別図柄表示部L1の特別図柄が変動表示を開始してから停止するまでの時間(変動時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として変動時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで変動表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、変動時間が10秒である場合には、初期値として「5000」がセットされる。なお、変動時間は変動パターン毎に決められており、変動パターンテーブル(図10参照)に記憶された変動時間に基づき設定される。
【0050】
特別図柄停止時間カウンタTC2は、特別図柄表示部L1に図柄が確定表示されている時間(停止時間)を計るために使用されるタイマカウンタである。初期値として初期設定記憶エリア5301に記憶された停止時間が記憶され、カウンタ更新処理において1割込(2ms)毎に「1」減算されて、値が「0」となることで確定表示を終了させるタイミングを判断する。例えば、停止時間が3秒である場合には、初期値として「1500」がセットされる。
【0051】
次に、普通当たり関係情報記憶エリア5203について説明する。図8に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア5203には、判定エリアR0および保留記憶エリアR1〜R4が設けられている。この普通当たり関係情報記憶エリア5203は、メインルーチン処理の普通図柄処理(図14、S16参照)において使用される。保留記憶エリアR1〜R4には、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球について取得された普通当たり判定カウンタLC1の値で、まだ普通当たりの判定結果が報知されていない遊技球(普通図柄作動保留球)についての値が普通当たり乱数として記憶される。判定エリアR0には、現在行われている普通当たり判定の結果の報知、または普通当たり遊技の動作の基になった普通当たり乱数が記憶されている。
【0052】
普通図柄処理において普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が確認された場合には、保留記憶エリアR1〜R4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値(普通図柄作動保留球数)に対応する番号の保留記憶エリアに各値が記憶される。例えば、普通図柄作動保留球数が「3」であれば、保留記憶エリアR3に記憶される。そして、判定エリアR0に記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の普通図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、保留記憶エリアR1に記憶されている値が判定エリアR0にシフトされ、その判定エリアR0に記憶されている値に基づいて普通当たりの判定結果の報知が行われる。また、保留記憶エリアR1が判定エリアR0にシフトされたことにともない、保留記憶エリアR2の値を保留記憶エリアR1へ、保留記憶エリアR3の値を保留記憶エリアR2へ、保留記憶エリアR4の値を保留記憶エリアR3へと順にシフトさせ、保留記憶エリアR4の値がクリアされる。ここで、保留記憶エリアの数は4つである。すなわち、普通図柄始動ゲート12へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、普通図柄作動保留球数の上限は4個であり、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204の値も「4」より大きい値を取ることはない。
【0053】
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。図9に示すように、大当たり関係情報記憶エリア5205には、判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M4が設けられている。この大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメインルーチン処理の特別図柄処理(図14、S14参照)において使用される。保留記憶エリアM1〜M4には、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞し、まだ大当たりの判定結果の報知がなされていない遊技球(特別図柄作動保留球)が取得した乱数や、その乱数に基づいて決定された変動パターンに関する情報が記憶される。判定エリアM0には、現在行われている大当たり判定の結果の報知、または大当たり遊技の動作の基になった乱数が記憶される。なお、大当たり関係情報記憶エリア5205が、本発明における「保留記憶手段」に相当する。
【0054】
特別図柄処理において特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が確認された場合には、保留記憶エリアM1〜M4の中で、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値(特別図柄作動保留球数)に対応する番号の保留記憶エリアに各値が記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が「2」であれば、保留記憶エリアM2に記憶される。そして、判定エリアM0に記憶されている入賞球に対する処理が終了したら、次の特別図柄作動保留球の処理が行われる。そこで、保留記憶エリアM1に記憶されている値が判定エリアM0にシフトされ、判定エリアM0に記憶されている値に基づいて大当たりの判定結果の報知が実行される。また、保留記憶エリアM1が判定エリアM0にシフトされたことにともない、保留記憶エリアM2の値を保留記憶エリアM1へ、保留記憶エリアM3の値を保留記憶エリアM2へ、保留記憶エリアM4の値を保留記憶エリアM3へと順にシフトさせ、保留記憶エリアM4の値がクリアされる。ここで、保留記憶エリアの数は4つである。すなわち、特別図柄始動電動役物15へ入賞した遊技球に対して、乱数を記憶して作動を保留しておくことができる数は4つである。したがって、特別図柄作動保留球数の上限は4個であり、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値も「4」より大きい値を取ることはない。
【0055】
この判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M4のそれぞれには、大当たり乱数カラムCLM1、変動パターン乱数カラムCLM2、特別図柄乱数カラムCLM3、デモ図柄第1乱数カラムCLM4、デモ図柄第2乱数カラムCLM5、デモ図柄第3乱数カラムCLM6が設けられており、大当たり乱数、変動パターン乱数、特別図柄乱数、デモ図柄第1乱数、デモ図柄第2乱数、デモ図柄第3乱数の各値が記憶される。大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC7の値が、特別図柄乱数カラムCLM3には特別図柄選択カウンタLC3の値が、デモ図柄第1乱数カラムCLM4にはデモ図柄作成第1カウンタLC4の値が、デモ図柄第2乱数カラムCLM5にはデモ図柄作成第2カウンタLC5の値が、デモ図柄第3乱数カラムCLM6にはデモ図柄作成第3カウンタLC6の値がそれぞれ記憶される。
【0056】
さらに、判定エリアM0および保留記憶エリアM1〜M4のそれぞれには、変動パターン番号カラムCLM7と、演出ゲーム数カラムCLM8と、変動時間カラムCLM9と、特殊演出フラグカラムCLM10と、特別図柄組合せカラムCLM11とが設けられている。変動パターン番号カラムCLM7、および変動時間カラムCLM9には、大当たり乱数および変動パターン乱数の値をもとに参照される変動パターンテーブル(図10参照)に基づいてそれぞれ決定される変動パターン番号、および変動時間(カウント値)が記憶される。演出ゲーム数カラムCLM8には、特殊演出を行うことが決定された場合にはその演出ゲーム数が記憶され、行われない場合には「1」が記憶される。特殊演出フラグカラムCLM10には、特殊演出を行うことが決定された場合に「1」が記憶される。また、特別図柄組合せカラムCLM11には、大当たり乱数および特別図柄乱数の値をもとに参照される特別図柄組合せパターン記憶エリア5305に基づいて決定される特別図柄の組み合わせが記憶される。
【0057】
次に、変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルについて説明する。図10に示すように、変動パターンテーブルは、大当たり判定結果と変動パターン乱数の値とに基づいて、大当たり判定結果の報知態様として62種類の変動パターンのいずれかを決定するためのテーブルである。パチンコ機1では、変動パターン乱数の値(「0」〜「65535」のいずれか)に基づいて、大当たり判定結果がはずれ場合には変動パターン番号「2」〜「30」の30種類の変動パターン、また、大当たりの場合には、変動パターン番号「31」〜「62」の32種類の変動パターンのうちのいずれかが選択されるように対応付けられている。また、変動パターン番号「1」は、短縮変動が行われる場合に通常変動パターン(変動パターン番号「2」)から差し替えられる短縮変動パターンとなっている。このため、変動パターン乱数の割り当てがない。
【0058】
個々の変動パターンは、変動パターン乱数の値の範囲によって、選択されやすさ、すなわち選択率がそれぞれ異なるように設定されている。変動パターン乱数の値とともに図示した選択率は変動パターンの種類ごとの選択率の一例である。そして、図示しないが、同じ種類の変動パターンであっても、各変動パターン番号ごとに選択率が異なるように設定されている。また、各変動パターン毎に異なる変動時間が設定されている。
【0059】
例えば、大当たり判定結果がはずれの場合に、変動パターン乱数の値が「32768」であったとすると、変動パターン番号「2」、および変動時間「10秒(5000カウント)」が選択される。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の対応する(そのときの特別図柄作動保留球数に基づく)保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7,変動時間カラムCLM9に、それぞれ「2」,「5000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態にならない通常変動パターンである。
【0060】
また、後述する特別図柄処理(図15〜図17参照)で、短縮変動が行われることとなった場合、対応する保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7に記憶された通常変動パターンの変動パターン番号「2」が短縮変動パターンの変動パターン番号「1」で上書き記憶される。さらに、変動時間には「5秒(2500カウント)」が選択され、変動時間カラムCLM9に「2500」が記憶されることにより設定されるようになっている。
【0061】
また、大当たり判定結果がはずれであって、変動パターン乱数の値が「64750」であった場合、変動パターン番号には「3」〜「20」のうちの対応付けられた変動パターン番号(例えば「19」とする。なお、対応付けの詳細については省略する。)と変動時間(例えば「28秒(14000カウント)」とする。)とが選択される。そして、前記同様、対応する保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7,変動時間カラムCLM9に、それぞれ「19」,「14000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態となるリーチ変動パターンである。
【0062】
また、大当たり判定結果が大当たりであって、変動パターン乱数の値が「64750」であった場合、変動パターン番号には「41」〜「62」のうちの対応付けられた変動パターン番号(例えば「55」とする。)と変動時間(例えば「46秒(23000カウント)」とする。)とが選択される。そして、前記同様、対応する保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7,変動時間カラムCLM9に、それぞれ「55」,「23000」が記憶されることにより設定される。この変動パターンはリーチ状態となる特殊演出パターンである。ただし、後述するが、特殊演出パターンによる演出が行われるための条件(特別図柄作動保留球数が「2」以上であること)が満たされていなければ、リーチ変動パターンとして演出が行われる。
【0063】
このように、大当たり判定の結果と、変動パターン乱数の値とによって、変動パターン番号および変動時間が決定される。また、短縮変動が行われる場合には、先に設定された通常変動パターンが上書きされて、短縮変動パターンに差し替えられる。そして、決定された変動パターン番号は、デモ図柄指定コマンドに付加されてサブ統合基板58に対して出力される。さらに、決定された変動時間に基づいて、特別図柄の変動表示が行われる期間が制御されるようになっている。
【0064】
次に、サブ統合基板58の各記憶エリアについて説明する。図11に示すように、ROM583には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値が記憶された初期設定記憶エリア5831、CPU581がサブ統合基板58を制御するための各種プログラムが記憶された制御プログラム記憶エリア5832、サブ統合基板58が図柄表示基板44、音基板43、電飾基板46に出力する制御コマンドのテーブルを記憶した制御コマンドテーブル記憶エリア5833、特別図柄表示部L1に表示される図柄と背景色の組み合わせが、大当たりであるか、はずれであるかの情報を記憶した特別図柄組合せパターン記憶エリア5834、および、特殊演出が行われる際に図柄表示基板44に送信する変動パターンを差し替えるために参照される特殊演出パターン差替テーブルを記憶した差替テーブル記憶エリア5835が設けられている。さらに、ROM583には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
【0065】
図12に示すように、RAM582には、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄の変動時間をカウントするためのデモ図柄変動時間カウンタTC3を記憶するカウンタ記憶エリア5821、デモ図柄の変動表示を行う時間を制御するデモ図柄変動フラグを記憶するフラグ関係記憶エリア5822、および、主基板41から制御コマンドとともに伝達される特別図柄の組み合わせのコードや、デモ図柄に関する情報(デモ図柄第1〜第3乱数、変動パターン番号、および演出ゲーム数)を記憶する図柄関係情報記憶エリア5823が設けられている。さらに、RAM582には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
【0066】
なお、カウンタ記憶エリア5821に記憶されたデモ図柄変動時間カウンタTC3は、経過時間を計測するためのタイマカウンタである。サブ統合基板58のCPU581で実施されているカウンタ更新処理プログラム(図示外)により、一定間隔の時間(例えば2ms)毎に所定量(例えば、「1」)ずつ減算される。このタイマカウンタは、特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)に基づき設定されるデモ図柄の変動時間(前記同様のカウント値)の減算を行い、その値が「0」となると、「0」のまま維持するようになっている。
【0067】
次に、サブ統合基板58のROM583に記憶された特殊演出パターン差替テーブルについて説明する。図13に示す、特殊演出パターン差替テーブルは、サブ統合基板処理(図18参照)において、主基板41から受信するデモ図柄指定コマンドに付加された変動パターン番号と演出ゲーム数とに基づいて、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に送信する変動パターン番号を決定するためのテーブルである。
【0068】
特殊演出が行われない場合、デモ図柄指定コマンドに付加される演出ゲーム数は上記したように「1」となっている。特殊演出パターン差替テーブルでは、演出ゲーム数が「1」であれば、差し替え前の変動パターン番号と差し替え後の変動パターン番号とが一致するように対応付けられている。すなわち、サブ統合基板58が主基板41から受信した変動パターン番号と同一の変動パターン番号が、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。
【0069】
特殊演出が行われる場合、特別図柄の変動表示とデモ図柄の変動表示とは非同期に行われる。すなわち、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄の変動表示が行われる。1回のデモ図柄による演出の間に特別図柄の変動表示および確定表示が何回行われるかは、演出ゲーム数によって特定される。特殊演出パターン差替テーブルでは、特殊演出が行われる際のデモ図柄の変動パターン番号と演出ゲーム数とから、その特殊演出中のデモ図柄の変動時間を決定し、その変動時間にあわせた演出内容を指定する変動パターン番号に差し替えできるように対応付けが行われている。そして、差し替えられた変動パターン番号が、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。なお、変動パターンを音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46の各ROM(図示外)には、各変動パターン番号と演出内容とが対応付けられたテーブルがそれぞれ設けられている。
【0070】
例えば、特殊演出が行われないときで、主基板41での大当たりの判定結果、はずれで短縮変動を行わない変動パターン番号「2」が選択され、デモ図柄指定コマンドが出力された場合、サブ統合基板58では、デモ図柄指定コマンドに付加される演出ゲーム数が「1」であることから変動パターン番号が「2」に差し替えられる(実質同一である。)。そして、変動時間として「10秒」(図示しないが、制御プログラム上では前述したようにカウント値として処理される。)が選択されて計時されるとともに、その変動パターン番号が音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。
【0071】
また、特別図柄の変動表示および確定表示が、例えば3回繰り返される間、特殊演出が行われることとなったときで、主基板41での大当たり判定の結果、大当たりとなり、変動パターン番号、例えば「48」が選択された場合、サブ統合基板58では、特殊演出パターン差替テーブルに基づき変動パターン番号「48B」が選択される。そして、この変動パターン番号「48」と対応付けられた変動時間の計時が行われるとともに、その変動パターン番号が音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される。この場合、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46では、変動パターン番号「48B」によって決定される演出内容による演出が、特別図柄の変動表示や確定表示とは独立してそれぞれ行われる。なお、特殊演出中のデモ図柄の変動時間は、その特殊演出中の複数回分の特別図柄の変動時間と確定表示にかかる時間(最終回の特別図柄の確定表示時間を除く。)とを合計した時間と一致するようになっている。
【0072】
ところで、前述したように、本実施の形態のパチンコ機1では、大当たり判定の結果が特別図柄とデモ図柄とで報知されている。特別図柄の変動表示とデモ図柄の変動表示とは、通常、同期して行われている。
【0073】
特殊演出が行われない場合、特別図柄の変動表示が開始されるタイミング、確定表示が開始されるタイミングは、主基板41において制御されている。デモ図柄の変動表示が開始されるタイミングは、特別図柄の変動表示開始のタイミングに同期されるように、サブ統合基板58で制御されている。そして、デモ図柄の変動表示開始のタイミングより、特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)に基づき特定される変動時間のカウントが行われ、その変動時間の経過後にデモ図柄の確定表示が行われるように制御が行われる。このときのデモ図柄の変動時間は特別図柄の変動時間と一致しており、結果、特別図柄による大当たり判定結果の報知と、デモ図柄による大当たり判定結果の報知とが同期して行われることとなる。
【0074】
一方、特殊演出が行われる場合、同様に、特別図柄の変動表示が開始されるタイミング、確定表示が開始されるタイミングは、主基板41において制御されている。そして、デモ図柄の変動表示が開始されるタイミングについても上記同様、サブ統合基板58において特別図柄の変動表示開始のタイミングに同期されるよう制御されている。しかし、デモ図柄の変動表示開始とともにカウントが開始されるデモ図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間と一致しておらず、結果、特別図柄による大当たり判定結果の報知と、デモ図柄による大当たり判定結果の報知とは非同期に行われる。
【0075】
このように、特別図柄とデモ図柄の変動表示および確定表示を、特殊演出が行われる場合には非同期で、行われない場合には同期して行うため、以下、主基板41で実行されるメインルーチン処理と、サブ統合基板58で実行されるサブ統合基板処理とについて、図14〜図18に示すフローチャートを参照して説明する。なお、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0076】
パチンコ機1の制御は、ROM53の制御プログラム記憶エリア5302(図5参照)に記憶されている制御プログラムにより行われる。制御プログラムのメインルーチン処理は、割込信号発生回路57(図4参照)が発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。割込信号は一定の間隔(本実施の形態では2ms)毎に発生されるので、メインルーチン処理は2ms毎に繰り返し実行されることになる。この1回のメインルーチン処理は、2ms以内に終了するように構築されている。なお、パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われ、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51は初期設定記憶エリア5301に記憶された値を使用して、例えば、各カウンタの値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われる。
【0077】
割込信号の感知によって図14に示すメインルーチン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。このコマンド出力処理では、制御コマンドが、I/Oインタフェイス54を介してサブ統合基板58に出力される。制御コマンドとは、例えば、デモ図柄の変動表示の開始を指示するとともに、デモ図柄の確定表示の際に表示する図柄の種類や、変動パターン番号および演出ゲーム数を指定するデモ図柄指定コマンド、特別図柄の変動表示の開始を指示するとともに、特別図柄の確定表示の際に表示する図柄の組み合わせを指定する特別図柄指定コマンド、特別図柄の変動表示を停止させて確定表示を指示する全図柄停止コマンド、普通図柄の変動表示の開始や確定表示の指示など、普通図柄に関連するコマンド、その他、大当たり遊技状態の際に作動される各役物を制御するためのコマンドやその作動状態を通知するためのコマンド、エラーコマンド等である。ここで出力される制御コマンドは、前回実行されたメインルーチン処理においてコマンド関係記憶エリア5207に出力コマンドとして記憶された制御コマンドである。
【0078】
なお、サブ統合基板58への制御コマンドの出力は、1回のメインルーチン処理で1つのコマンドだけが送信される。コマンド関係記憶エリア5207に複数の制御コマンドが記憶されている場合、次回以降のメインルーチン処理のコマンド出力処理(S10)にて、順次1つずつ出力されるようになっている。
【0079】
次に、スイッチ読込処理が行われる(S11)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口17,18,19,20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に各々設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口17,18,19,20等の入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76が用いられる。入賞と判断された場合には、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶された各スイッチに対応したフラグに「1」が記憶されて「ON」とされる。
【0080】
なお、スイッチ読込処理を行っているメインルーチン処理はCPU51が割込信号を受信する間隔、すなわち2ms毎に実行されている。そこで、遊技球がスイッチを通過する速度と遊技球の大きさを考慮すると、1球の遊技球がスイッチを通過する間にスイッチ読込処理は複数回実施される。よって、1球の遊技球の入賞が連続した複数回のスイッチ読込処理で検出されることになる。そこで、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて遊技球が入賞したと判断する。なお、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア5202の全てのフラグがリセットされる。
【0081】
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。このカウンタ更新処理では、RAM52のカウンタ記憶エリア5201(図7参照)に各々記憶されている普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、変動パターン決定カウンタLC7の各値が上記の所定量だけ加算され、特別図柄変動時間カウンタTC1、特別図柄停止時間カウンタTC2の各値が上記の所定量だけ減算される。なお、普通当たり判定カウンタLC1、大当たり判定カウンタLC2、特別図柄選択カウンタLC3、デモ図柄作成第1カウンタLC4、デモ図柄作成第2カウンタLC5、デモ図柄作成第3カウンタLC6、変動パターン決定カウンタLC7の値が各カウンタの最大値を越える場合には、各カウンタの値は最小値に戻るようにプログラムされている。
【0082】
カウンタ更新処理が終了すると、特別電動役物処理が行われる(S13)。この特別電動役物処理では、大入賞口16を開閉する大当たり遊技状態の動作の制御が行われる。具体的には、大入賞口開放表示コマンド、大入賞口閉鎖表示コマンド、大当たり開始画面表示コマンド、大当たり終了画面表示コマンド等の制御コマンドがサブ統合基板58へ送信される。この特別電動役物処理は、RAM52のフラグ関係記憶エリア5208に記憶されている大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」となっている場合に実行される。この大当たり遊技状態フラグは、大当たりの報知が終了した際に特別図柄処理(S14)でセットされる。そして、次のメインルーチン処理の実行時にこの特別電動役物処理で大当たり遊技状態の動作が開始される。また、大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態の動作を終了させる際に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0083】
また、大当たり遊技状態の動作を終了させる際には、確率変動フラグのセットも行う。停止図柄が確率変動図柄であった場合、すなわち大当たり関係情報記憶エリア5205の判定エリアの特別図柄乱数カラムCLM3の値が「0」〜「19」のいずれかである場合には、次の大当たりの確率が高くなる高確率状態となる。また、停止図柄が非確率変動図柄であった場合、すなわち特別図柄乱数カラムCLM3の値が「20」〜「39」である場合には、次の大当たりの確率は通常の確率であり、低確率状態となる。そこで、確率変動図柄であった場合には、確率変動フラグに「1」が記憶されて確率変動フラグが「ON」となり、非確率変動図柄であった場合には、「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0084】
特別電動役物処理が終了すると、特別図柄処理(S14)が行われる。大当たりの判定、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄の組み合わせ、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄や変動パターンなどの決定、指示、図柄の変動表示の開始および終了の指示等が行われる。この特別図柄処理については、図15〜図17に示すフローチャートを参照して後述する。
【0085】
特別図柄処理が終了すると、次いで普通電動役物処理が行われる(S15)。この普通電動役物処理では、普通当たりとなり、その結果が普通図柄表示部24に表示された後に遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の開閉部材(いわゆるチューリップ)の開閉(普通当たり状態の動作)の制御が行われる。なお、普通当たりの判定および普通図柄表示部24への図柄の表示は、次のS16の普通図柄処理にて行われる。
【0086】
次の普通図柄処理(S16)では、普通当たり乱数の取得、普通図柄当たりの判定、普通図柄当たりの判定結果の普通図柄表示部24への報知の指示等が行われる。S11のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア5202の普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立てられている場合には、普通当たり判定カウンタLC1の値が取得され、その遊技球についての普通当たり乱数として、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203の保留記憶エリアR1〜R4の中で、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204に記憶されている値に対応する番号の保留記憶エリアに記憶される。そして、先に入賞した遊技球についての普通当たりの判定結果の報知、または、普通当たり状態の動作が実行中でなければ、大当たり関係情報記憶エリア5205と同様に、保留記憶エリアR1,R2,R3,R4の値がそれぞれ判定エリアR0,保留記憶エリアR1,R2,R3へシフトされ、判定エリアR0に記憶されている普通当たり乱数に基づいて普通当たりの判定が行われる。
【0087】
普通当たり乱数の値の基となる普通当たり判定カウンタLC1の値は「0」から「255」までの値を取るので、普通当たり乱数も「0」から「255」までの値をとる。そこで、本実施の形態では、普通当たり乱数が「64」から「255」の場合は普通当たりとし、「0」から「63」の場合ははずれとする。そして、サブ統合基板58に対して、普通図柄表示部24に判定結果の報知の指示を行うために、普通図柄変動パターン指定コマンド、普通図柄指定コマンド、普通図柄全図柄停止コマンド等の制御コマンドが送信される。普通当たりの場合には、普通図柄表示部24に当たり図柄として「7」が表示され、はずれの場合には、はずれ図柄として「−」が表示される。普通図柄表示部24に当たり図柄が表示された後には、前述した普通電動役物処理(S15)において特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉が行われる。
【0088】
普通図柄処理が終了すると、賞品球の払い出しを行う払出制御が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S18)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、S10のコマンド出力処理にてサブ統合基板58に送信するためのエラーコマンドがコマンド関係記憶エリア5207に記憶される。次いで、情報出力処理が行われる(S19)。この情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、割込信号発生回路57から割込信号を受信すると、繰り返しメインルーチン処理が実行される。
【0089】
ここで、ある遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞し、大当たりと判定された場合のパチンコ機1の動作を例に挙げて、メインルーチン処理の一連の流れを説明する。遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に発射すると、遊技球は遊技領域4を流下する。その遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、スイッチ読込処理において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア5202の対応するフラグが「ON」とされる(S11)。そして、特別図柄処理(S14)にて大当たり判定が行われ、特別図柄表示部L1の特別図柄、およびデモ図柄表示部D1〜D3のデモ図柄の変動表示が開始される。メインルーチン処理が繰り返し実行される中で特別図柄表示部L1の特別図柄が確定表示され、大当たりの場合の組み合わせが表示される。このとき、フラグ関係記憶エリア5208の大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とされるので(S14)、次回実行されるメインルーチン処理の特別電動役物処理(S13)では大入賞口16の開放が行われ、大当たり遊技状態の動作が開始される。そして、メインルーチン処理が繰り返し実行される中で、特別電動役物処理(S13)で所定条件にしたがって大当たり遊技状態の動作が実施される。大当たり遊技状態の終了の際には大当たり遊技状態フラグに「0」が記憶されて「OFF」とされ、この遊技球に係る一連の動作が終了する。
【0090】
次に、メインルーチン処理の特別図柄処理(S14)の詳細について、図15〜図17に示すフローチャートを参照して説明する。また、併せて、特別図柄処理によって主基板41から出力される制御コマンドがサブ統合基板58で受信され、サブ統合基板処理において処理される過程について、図18に示すフローチャートを参照して説明する。
【0091】
前述したように、特別図柄処理では、大当たりの判定、図柄表示画面28の特別図柄表示部L1に表示する特別図柄の決定、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄の決定、変動パターン等の決定、サブ統合基板58へのコマンド出力等が行われる。
【0092】
初めに、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5208に記憶されている表示状態フラグには、特別図柄表示部L1の特別図柄が変動表示されている場合(変動表示中)には「1」、特別図柄が確定表示されている場合(確定表示中)には「2」、変動表示中、確定表示中のいずれでもない場合には「0」がセットされる。また、大当たり遊技状態フラグには、大当たり遊技状態である場合に「1」が記憶されて「ON」となっており、そうでない場合には「0」が記憶されて「OFF」となっている。
【0093】
また、確率変動フラグは、大当たりの判定が行われる際に、大当たり乱数との一致が確認される大当たりとなる特定の値について、その種類の増減を行うために使用される。前述したように、大当たり終了後に、特別図柄乱数の値に基づき「1」または「0」が記憶される。「1」が記憶され高確率状態となった場合には、「0」〜「314」のいずれかの値をとる大当たり乱数に対し、大当たりとなる特定の値の種類を増やすことで、「0」である場合と比べて大当たり確率を上昇させている。また、大当たり関係情報記憶エリア5205の特殊演出フラグカラムCLM10に記憶される特殊演出フラグについては前述の通りである。
【0094】
次に、サブ統合基板処理で使用されるフラグについて説明する。フラグ関係記憶エリア5822に記憶されているデモ図柄変動フラグには、デモ図柄の変動表示が行われている場合には「1」、行われていない場合には「0」が記憶される。このデモ図柄変動フラグが「1」である場合、デモ図柄の変動時間の計時が行われるようになっている。
【0095】
まず、主基板41から制御コマンドが出力されていないときのサブ統合基板58における処理について説明する。図18に示すように、サブ統合基板処理では、主基板41から出力される制御コマンドの待ち受けが行われる。すなわち、デモ図柄指定コマンドの受信確認(S101)、特別図柄指定コマンドの受信確認(S111)、全図柄指定コマンドの受信確認(S121)が行われる。いずれも受信しなければ(S101:NO,S111:NO,S121:NO)、その他、前述した制御コマンド、例えば、普通図柄に関連するコマンド、大当たり中の制御に関連するコマンド、エラーコマンド等に対する処理が行われる(S131)。なお、これらその他のコマンドに対し行われる処理については説明を省略する。その後、デモ図柄変動フラグが確認され(S132)、その値が「0」であれば(S132:NO)、デモ図柄の変動表示が行われていないため、S101に戻り、制御コマンドの待ち受けが繰り返し実施されることとなる。
【0096】
次に、主基板41における処理について説明する。図15に示すように、メインルーチンの特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物へ遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図14、S11)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合には、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている。そこで、S21ではこの始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」であるか否かの判断がされ、「ON」でない場合には(S21:NO)、特別図柄始動電動役物15に遊技球は入賞していないので、そのままS51へ進む。
【0097】
始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」である場合には(S21:YES)、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているので、その遊技球についての乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205に記憶されることとなる。しかし、乱数を取得して記憶することができる特別図柄作動保留球の数は4個である。そこで、乱数の取得に先立って、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かの判断が行われる(S22)。そしてその値が「4」である場合には(S22:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、そのままS51へ進む。
【0098】
特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。そして、大当たり関係情報記憶エリア5205の保留記憶エリアM1〜M4のうち、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に対応する番号の保留記憶エリア(以下、「現行の保留記憶エリア」という。)に乱数が記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数カラムCLM1には大当たり判定カウンタLC2の値が大当たり乱数として、変動パターン乱数カラムCLM2には変動パターン決定カウンタLC7の値が変動パターン乱数として、特別図柄乱数カラムCLM3には特別図柄選択カウンタLC3の値が特別図柄乱数として、デモ図柄第1〜第3乱数カラムCLM4〜CLM6のそれぞれにはデモ図柄作成第1〜第3カウンタLC4〜LC6の値が各デモ図柄第1〜第3乱数として、それぞれ記憶される。なお、S24の処理で、乱数の取得を行うCPU51が、本発明における「乱数取得手段」に相当する。
【0099】
次いで、大当たり判定が行われ、変動パターンの選択やデモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄の選択が行われる(S31〜S35)。まず、取得した大当たり乱数、すなわち、現行の保留記憶エリアの大当たり乱数が大当たり条件を満たすか否かにより、大当たりか否かの判定が行われる(S31)。大当たり条件は、大当たり乱数が大当たりとして決められている特定の値、例えば「7」であることである。また、確率変動フラグに「1」が記憶され高確率状態である場合には、大当たりとなる特定の値は「7」に限らず複数の値、例えば、大当たり乱数が「3」,「7」,「33」,「77」,「177」となる。なお、大当たり乱数は大当たり判定カウンタLC2の値から取得されており、大当たり判定カウンタLC2は「0」〜「314」の間をとるので、大当たり乱数も「0」〜「314」のいずれかになっている。なお、S31の処理で、大当たりか否かの判定を行うCPU51が、本発明における「大当たり判定手段」に相当する。
【0100】
大当たりであると判定された場合には(S31:YES)、大当たり時のデモ図柄の変動パターン決定処理(S32)と、特別図柄およびデモ図柄の停止図柄決定処理(S33)とが行われる。変動パターン決定処理では、変動パターンの決定、変動グループの決定、特別図柄の演出時間の決定が行われ、停止図柄決定処理では、確定表示の際に、特別図柄表示部L1に表示する特別図柄の組み合わせ、および、デモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄が決定される。具体的には、変動パターン決定処理(S32)では、大当たりである場合の変動パターンテーブル(図10参照)が参照され、変動パターン乱数(現行の保留記憶エリアの変動パターン乱数カラムCLM2の値)に対応付けられた変動パターンが決定される。そして、決定された変動パターンの番号が、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7に記憶される。同様に、変動パターンテーブルより決定された変動時間のカウント値が、現行の保留記憶エリアの変動時間カラムCLM9に記憶される。
【0101】
また、停止図柄決定処理(S33)では、大当たりとするため、特別図柄乱数カラムCLM3の値に基づいて、特別図柄組合せパターン記憶エリア5305に記憶されている40種類の大当たり時の停止図柄の組み合わせの中から1つが選択され、現行の保留記憶エリアの特別図柄組合せカラムCLM11に記憶される。さらに、デモ図柄表示部D1〜D3に表示されるデモ図柄が全て同じ図柄に設定される。そこで、上記同様、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第1乱数カラムCLM4の値が、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第2乱数カラムCLM5、およびデモ図柄第3乱数カラムCLM6のそれぞれに記憶される。
【0102】
一方、大当たりでない場合には(S31:NO)、はずれ時のデモ図柄の変動パターン決定処理(S34)と、特別図柄およびデモ図柄の停止図柄決定処理(S35)とが行われる。大当たりの場合と同様に、変動パターン決定処理(S34)では変動パターンテーブルが参照されて、変動パターン番号および変動時間が決定される。このとき、変動パターンテーブルでは、短縮変動なしの場合のテーブルが参照される。そして、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7、および変動時間カラムCLM9のそれぞれに記憶される。なお、S32またはS34の処理で、デモ図柄乱数に基づき変動パターンの決定を行うCPU51が、本発明における「報知態様決定手段」に相当する。
【0103】
同様に、停止図柄決定処理(S35)では、40種類のはずれ時の停止図柄の組み合わせの中から1つが選択され、それを示すコードが、現行の保留記憶エリアの特別図柄組合せカラムCLM11に記憶される。さらに、はずれの場合にデモ図柄表示部D1〜D3に表示するデモ図柄が決定される。ここで、変動パターン決定処理で決定された変動パターンがリーチ状態の演出を行う変動パターンである場合、すなわち、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号が「3」〜「30」のいずれかである場合には、デモ図柄表示部D1とデモ図柄表示部D2とに表示される図柄が同じ図柄となり、デモ図柄表示部D3のみが異なる図柄となる。そこで、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第2乱数の値がデモ図柄第3乱数に記憶され、デモ図柄第1乱数の値がデモ図柄第2乱数に記憶される。なお、ここでデモ図柄第1乱数の値とデモ図柄第3乱数の値とが同じになってしまった場合には、例えば「1」加算したり、減算したりしてデモ図柄第3乱数の値を変更する。
【0104】
さらに、変動パターンがリーチ状態の演出を行わない変動パターンである場合、すなわち、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号が「2」である場合には、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄が全て異なる図柄となる。そこで、デモ図柄第1乱数の値と、デモ図柄第2乱数の値と、デモ図柄第3乱数の値との中で同じ値がある場合には異なる値となるように、現行の保留記憶エリアのデモ図柄第1〜第3乱数カラムCLM4〜CLM6の記憶値が変更される。
【0105】
そして、上記大当たりの場合、はずれの場合のいずれの場合においても次のS41〜S48の処理が行われ、特殊演出を行うか否かの決定がなされる。まず、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値と、予約ゲーム数記憶エリア5209の値とが確認され、特別図柄作動保留球数から予約ゲーム数が減算された値が「2」以上であるか否かが確認される(S41)。前述したように、特殊演出は、特別図柄とデモ図柄との変動表示および確定表示を非同期に行って、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出が行われるように構成された演出である。このためには、少なくとも大当たりの判定結果の報知が未だ行われていない遊技球が2つ以上保留されている必要がある。また、特殊演出が行われ、その後の処理によって先の特殊演出の終了後にさらに別の特殊演出を行うことが決定した場合に、先に行われている特殊演出の最中に後から行われる特殊演出が開始されてしまうなどの不都合が生じないようにするため、パチンコ機1では、先の特殊演出中の特別図柄の変動表示および確定表示を予約ゲーム数としてカウントしている。まだ、特殊演出が行われていない場合には予約ゲーム数は「0」となっている。そこで、特別図柄作動保留球数から予約ゲーム数を減算し、その値が「2」に満たなければ(S41:NO)、特殊演出を行うことが可能なだけの遊技球の保留がないとして、現行の保留記憶エリアの演出ゲーム数カラムCLM8に「1」が記憶される(S48)。そして、S51に進む。
【0106】
次に、図16に示すように、大当たり遊技状態フラグにより大当たり遊技状態であるか否かの判断が行われる(S51)。大当たり遊技状態である場合には大当たり遊技を継続させるので、大当たり判定や判定結果の報知は行われない。そこで、大当たり遊技状態フラグが「ON」であれば(S51:YES)、なにもせずにメインルーチン処理へ戻る。
【0107】
大当たり遊技状態フラグが「ON」でない場合には(S51:NO)、大当たり遊技状態でないので、特別図柄表示部L1の制御に関する処理が行われる。まず、表示状態フラグにより、特別図柄表示部L1に表示される特別図柄が変動表示中であるか否かの判断が行われる(S52)。表示状態フラグが「1」でなければ変動表示中ではなく(S52:NO)、次いで、表示状態フラグにより確定表示中であるか否かの判断が行われる(S61)。表示状態フラグが「2」でなく、確定表示中でない場合には(S61:NO)、特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われる(S71〜S93)。
【0108】
そこで、大当たり判定を行うべき遊技球、すなわち、特別図柄作動保留球が存在するか否かの確認が行われる(S71)。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「0」であれば(S71:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、そのままメインルーチン処理へ戻る。「1」以上であれば(S71:YES)、大当たり判定を行うべき遊技球が存在するので特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S72)。さらに、予約ゲーム数記憶エリア5209の値も「1」減算される(S73)。なお、まだ特殊演出が行われておらず予約ゲーム数がもともと「0」であった場合には、それ以上の減算は行われず値が「0」となるように設定されている。
【0109】
次に、大当たり関係情報記憶エリア5205の保留記憶エリアM1の記憶値が判定エリアM0へ、保留記憶エリアM2の記憶値が保留記憶エリアM1へ、保留記憶エリアM3の記憶値が保留記憶エリアM2へ、保留記憶エリアM4の記憶値が保留記憶エリアM3へそれぞれシフトされ、保留記憶エリアM4の値がクリアされる(S74)。これにより、未だ大当たりの判定結果の報知が行われていない遊技球のうち最も先に大当たりの判定が行われたものについて、その遊技球に関する情報が判定エリアM0にシフトされる。
【0110】
そして、図17に示すように、判定エリアM0の特殊演出フラグカラムCLM10が参照される(S81)。まだ特殊演出を行うことが決定されておらず、特殊演出フラグの値が「0」であれば(S81:NO)、次いで、判定エリアM0の変動パターン番号カラムCLM7の値が「2」であるか否かが確認される(S83)。パチンコ機1では、特別図柄作動保留球数が「3」以上の場合に開始される特別図柄の変動表示では、リーチ状態でなければその変動時間を短縮して表示し、次の大当たり判定結果の報知を行うタイミングを早める処理が行われる。このため、リーチ状態でない変動パターン、すなわち、変動パターン番号が「2」であれば(S83:YES)、次いで、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206が参照され、短縮変動を行うか否かが判定される(S84)。
【0111】
上記したように、特別図柄作動保留球数が「3」未満の場合(S84:NO)、短縮変動は行われず、変動パターン番号が「2」のまま保持され、S91へ進む。しかし、特別図柄作動保留球数が「3」以上となっており短縮変動を行う場合には(S84:YES)、変動パターン番号が「1」に差し替えられて短縮変動パターンが設定され(S85)、さらに、変動時間カラムCLM9に、短縮変動パターン時の変動時間5秒のカウント値「2500」が上書き記憶される。そして、S91へ進む。なお、S83で変動パターン番号が「3」以上であるリーチ状態であれば(S83:NO,S86:NO)、短縮変動は行われないので、S91へ進む。また、S83の判断処理が行われる場合に変動パターン番号が「1」となっている場合は、後述するが、特殊演出が行われている場合である。このとき、S91の処理は行われず(S86:YES)、S92に進む。
【0112】
次に、S91では、デモ図柄の変動表示の開始を指示するデモ図柄指定コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S91)。このデモ図柄指定コマンドには、判定エリアM0のデモ図柄第1〜第3乱数カラムCLM4〜CLM6、変動パターン番号カラムCLM7、および演出ゲーム数カラムCLM8にそれぞれ記憶されたデモ図柄第1〜第3乱数、変動パターン番号、および演出ゲーム数が付加される。そして、このデモ図柄指定コマンドに続き、特別図柄の変動表示の開始を指示する特別図柄指定コマンドが、コマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S92)。この特別図柄指定コマンドには、判定エリアM0の特別図柄組合せカラムCLM11に記憶された図柄と背景色の組み合わせを示すコードが付加される。
【0113】
そして、判定エリアの変動時間カラムCLM9に記憶された変動時間が特別図柄変動時間カウンタTC1の値としてセットされ(S93)、また、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が変動表示中であることを示す「1」が記憶される(S94)。その後、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0114】
一方、サブ統合基板58では、図18に示すように、繰り返し実施されるサブ統合基板処理において、デモ図柄指定コマンドを受信すると(S101:YES)、まずそのデモ図柄指定コマンドに付加されたデモ図柄第1〜第3乱数、変動パターン番号、および演出ゲーム数が、図柄関係情報記憶エリア5823に記憶される。そして、前述したように、特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)が参照され、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して出力される変動パターン番号が選択される。この時点では特殊演出が行われていないので演出ゲーム数が「1」となっており、実質的に主基板41から伝達された変動パターン番号と同一の変動パターン番号が、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対して送信されることとなる。このとき選択された変動パターン番号は、図柄関係情報記憶エリア5823に記憶に記憶された変動パターン番号に上書き記憶され、変動パターンの差し替えが行われる(S102)。
【0115】
さらに、特殊演出パターン差替テーブルから特定されたデモ図柄の変動時間が、デモ図柄変動時間カウンタTC3のカウント開始の初期値としてセットされる(S103)。そして、制御コマンドテーブル記憶エリア5833から選択されたデモ図柄変動開始コマンドに、差し替えられた変動パターン番号が付加されて、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対してそれぞれ送信される(S104)。これにより、デモ図柄表示部D1〜D3では、変動パターン番号で指定された演出内容によるデモ図柄の変動表示が開始される。さらに、スピーカー48からは効果音等が出力され、また、種々の電飾ランプ63の点灯・点滅が行われる。このとき、デモ図柄変動フラグには「1」が記憶される(S105)。そして、S101に戻る。以後、S132の判断処理ではデモ図柄変動フラグが「1」であるためS133に進むが(S132:YES)、デモ図柄変動時間カウンタTC3によるデモ図柄の変動時間のカウント中は(S133:NO)、何もせずS101に戻り、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0116】
そして、デモ図柄指定コマンドに続き主基板41から出力された特別図柄指定コマンドを受信すると(S111:YES)、その特別図柄指定コマンドに付加された特別図柄の組み合わせを示すコードが図柄関係情報記憶エリア5823に記憶される。次いで、制御コマンドテーブル記憶エリア5833から選択された特別図柄変動開始コマンドが図柄表示基板44に対して送信される(S112)。これにより、特別図柄表示部L1では、特別図柄の変動表示が開始される。主基板41の特別図柄処理(図15〜図17参照)では、デモ図柄指定コマンドを出力するための処理(S91)と、特別図柄指定コマンドを出力するための処理(S92)とが連続して実行され、メインルーチン処理(図14参照)のコマンド出力処理(S10)にて順次サブ統合基板58に対して送信される。したがって、特別図柄の変動表示開始のタイミングとデモ図柄の変動表示開始のタイミングとは同期して行われることとなる。そして、特別図柄変動開始コマンドの送信処理が行われた後はS101に戻り、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0117】
主基板41では、図16に示すように、次回以降の特別図柄処理において、表示状態フラグが「1」となっていることから特別図柄表示部L1が変動表示中であると判断され(S52:YES)、変動時間が経過したか否かの判断が行われる(S53)。この判断は、特別図柄変動時間カウンタTC1の値により行われる。S93でセットされた特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」より大きい値である場合には(S53:NO)、特別図柄の変動表示を継続させるため、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。メインルーチン処理が繰り返し実行されて特別図柄変動時間カウンタTC1の値が「0」となった場合には、変動時間が経過したとして(S53:YES)、特別図柄の確定表示を行うため、コマンド関係記憶エリア5207に全図柄停止コマンドが記憶される(S54)。そして、所定の停止時間(例えば3秒)が特別図柄停止時間カウンタTC2に記憶され(S55)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が確定表示中、すなわち、図柄の停止表示中であることを示す「2」が記憶される(S56)。その後、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。
【0118】
一方、サブ統合基板58では、図18に示すように、繰り返し実施されるサブ統合基板処理において全図柄停止コマンドを受信すると(S121:YES)、制御コマンドテーブル記憶エリア5833から特別図柄停止コマンドが選択され、これに図柄関係情報記憶エリア5823に記憶された特別図柄の組み合わせを示すコードが付加されて、図柄表示基板44に対して送信される(S122)。これにより、特別図柄表示部L1には、特別図柄の組み合わせを示すコードに基づく図柄と背景色の組み合わせが表示され、確定表示が行われる。そして、特別図柄停止コマンドの送信処理が行われた後はS101に戻り、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0119】
また、前述したように、先にデモ図柄変動時間カウンタTC3にセットされたデモ図柄の変動時間は特別図柄の変動時間と一致している。このため、S133の判断処理では、特別図柄の確定表示が行われるタイミングと同期してデモ図柄変動時間カウンタTC3の値が「0」となり(S133:YES)、デモ図柄の変動時間が経過したと判断される。すると、制御コマンドテーブル記憶エリア5833からデモ図柄停止コマンドが選択され、これに図柄関係情報記憶エリア5823に記憶されたデモ図柄第1〜第3乱数が付加されて、音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46に対してそれぞれ送信される(S134)。これにより、デモ図柄表示部D1〜D3では、デモ図柄第1〜第3乱数により指定される図柄がそれぞれ表示され、確定表示が行われる。さらに、スピーカー48からは効果音等が出力され、また、種々の電飾ランプ63の点灯・点滅が行われる。
【0120】
また、このときデモ図柄変動フラグには「0」が記憶される(S135)。そして、S101に戻るが、以後、S132の判断処理ではデモ図柄変動フラグが「0」であるため、S101,S111,S121,S131,S132の処理が繰り返し実施され、次の制御コマンドの受信の待ち受けが行われる。
【0121】
主基板41では、図16に示すように、次回以降の特別図柄処理において、表示状態フラグが「2」となっていることから特別図柄表示部L1が確定表示中であると判断される(S61:YES)。すると、特別図柄停止時間カウンタTC2が参照され、S55でセットされた停止時間が経過したか否かの判断が行われる(S62)。特別図柄停止時間カウンタTC2の値はカウンタ更新処理において減算されるが、「0」より大きい値である場合には(S62:NO)、特別図柄の確定表示を継続させるため、特別図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。そして、メインルーチンが繰り返し実行されて特別図柄停止時間カウンタTC2の値が「0」となれば(S62:YES)、表示状態フラグに特別図柄表示部L1が確定表示中でも変動表示中でもないことを示す「0」が記憶される(S63)。
【0122】
次に、特別図柄組合せカラムCLM11に記憶された特別図柄の図柄と背景色の組み合わせが大当たりを示す組み合わせであるか否か、その特別図柄と、特別図柄組合せパターン記憶エリア5305に記憶されている40種類の大当たり時の停止図柄の組み合わせとの照合が行われる(S64)。大当たりである場合には(S64:YES)、大当たり遊技状態フラグに「1」が記憶されて「ON」とし(S65)、特別図柄処理を終了してメインルーチンへ戻る。大当たりでない場合には(S64:NO)、そのまま特別図柄処理を終了し、メインルーチンへ戻る。
【0123】
次回以降の特別図柄処理では、大当たり遊技状態フラグが「1」であればS52以降の処理は行われない(S51:YES)。また、大当たり遊技状態フラグが「0」であれば、次の特別図柄作動保留球に基づく大当たり判定結果の報知が開始されることとなる(S71:YES)。
【0124】
このように、特殊演出が行われない場合には、特別図柄始動電動役物15に入賞した1個の遊技球につき1回、特別図柄による大当たり判定結果の報知が行われる。そして、デモ図柄による大当たり判定結果の報知は、特別図柄と同期して行われる。パチンコ機1での遊技が継続して行われ、特別図柄始動電動役物15に遊技球が続けて入賞し、大当たり判定結果の報知されていない遊技球が保留され、図15に示すように、特別図柄作動保留球数が「2」以上となると(S41:YES)、特殊演出を行うか否かの判定が行われる(S42)。なお、この時点ではまだ特殊演出が行われていないので、予約ゲーム数は「0」となっている。なお、S43〜S46の処理を行って特殊演出が行われるように設定し、S81,S83,S86の判断処理によってデモ図柄指定コマンドと特別図柄指定コマンドの出力の制御を行うことで特殊演出を実現させるCPU51が、本発明における「特殊演出手段」に相当する。
【0125】
特殊演出は、前述したように、入賞した遊技球に基づき決定される変動パターンの番号が「21」〜「30」または「41」〜「62」の場合に行われる(図10参照)。したがって、現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7の値が確認され、「0」〜「20」または「31」〜「40」のいずれかであった場合には(S42:NO)、現行の保留記憶エリアの演出ゲーム数カラムCLM8に「1」が記憶され(S48)、S51に進む。
【0126】
さらにパチンコ機1での遊技が継続して行われ、特別図柄作動保留球数が「2」以上、かつ、変動パターン番号が「21」〜「30」または「41」〜「62」のいずれかが決定されると(S41:YES,S42:YES)、特殊演出を行うための処理が実行される。まず、特殊演出フラグに「1」が記憶され(S43)、前述した短縮変動(S85)が行われることがないように設定される。
【0127】
次に、演出ゲーム数を決定するための処理が行われる(S44)。特別図柄作動保留球数から予約ゲーム数が減算され、その減算結果が、現行の保留記憶エリアの演出ゲーム数カラムCLM8に記憶される。例えば、特別図柄作動保留球数が3個のときに特殊演出を行うことが決定した場合、すでに特殊演出が行われている最中でなければ予約ゲーム数が「0」となっているので、現行の保留記憶エリアには演出ゲーム数として「3」が記憶されることとなる。
【0128】
そして、変動パターンの入れ替えが行われる(S45)。この処理では、予約ゲーム数に「1」を加算した値で指定される保留記憶エリアM1〜M4の変動パターン番号カラムCLM7、演出ゲーム数カラムCLM8、変動時間カラムCLM9、および、特殊演出フラグカラムCLM10の各記憶エリアに、特別図柄作動保留球数で指定される現行の保留記憶エリアの変動パターン番号カラムCLM7、演出ゲーム数カラムCLM8、変動時間カラムCLM9、および、特殊演出フラグカラムCLM10の各記憶エリアに記憶された値が上書きされて記憶される。さらに、予約ゲーム数に「2」を加算した値で指定される保留記憶エリアM1〜M4から現行の保留記憶エリアまでの変動パターン番号カラムCLM7と、演出ゲーム数カラムCLM8と、変動時間カラムCLM9と、特殊演出フラグカラムCLM10との各記憶エリアに、それぞれ、変動パターン番号「1」と、演出ゲーム数「1」と、変動時間「5秒(2500カウント)」と、特殊演出フラグ「0」とが上書き記憶される。
【0129】
その後、予約ゲーム数に「1」を加算した値で指定される保留記憶エリアM1〜M4の演出ゲーム数カラムCLM8の値、上記例では「3」が、予約ゲーム数記憶エリア5209の値に加算され(S46)、S51に進む。これにより、特殊演出中に追加された保留球にて再度特殊演出が行われることが決定した場合、変動パターン入替処理(S45)で不都合が生じない。
【0130】
以上の処理により次の特別図柄の変動表示の開始とともに特殊演出を開始するための準備が完了し、前述したように、図16に示す、S72以降の処理で、デモ図柄指定コマンドおよび特別図柄指定コマンドが出力される。すなわち、特別図柄作動保留球数の減算(S71)、予約ゲーム数の減算(S73)、保留記憶エリアM1の各値の判定エリアM0へのシフト等(S74)が行われた後に、判定エリアM0の特殊演出フラグカラムCLM10が参照される(S81)。S43の処理で特殊演出フラグに「1」が記憶された現行の保留記憶エリアが、変動パターン入替処理(S45)、S74の処理によって判定エリアM0にシフトされているので(S81:YES)、S91に進み、デモ図柄指定コマンド(S91)や特別図柄指定コマンド(S92)の出力のための処理等が行われる。
【0131】
一方、サブ統合基板58では、図18に示すように、繰り返し実施されるサブ統合基板処理において、デモ図柄指定コマンドの受信に基づく処理(S101:YES,S102〜S105)や特別図柄指定コマンドの受信に基づく処理(S111:YES,S112)が行われることは前記同様である。ここで、特殊演出の開始時にサブ統合基板58に伝達されるデモ図柄指定コマンドに付加される演出ゲーム数は「1」ではない。したがって、S102において特殊演出パターン差替テーブル(図13参照)に基づきS103でセットされる決定されるデモ図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間と一致していない。このため、主基板41において、図15〜図17の特別図柄処理で特別図柄の変動表示が終了し、確定表示が行われる時でも、デモ図柄の変動表示は継続されていることとなる。
【0132】
そして、図17に示すように、特殊演出が行われている間、先に行われた変動パターン入替処理(図15、S45)で特殊演出フラグに「0」、変動パターン番号に「1」が記憶された保留記憶エリアM1〜M4が判定エリアM0にシフトされて、これに基づく特別図柄の変動表示が開始されるときにデモ図柄指定コマンドの出力は行われない(S81:NO,S83:NO,S86:YES)。こうして、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出が行われる。さらに上記したように、特殊演出が終了すれば、S83およびS86の各判断処理において変動パターン番号が「1」であることはなく、デモ図柄の変動表示の開始と特別図柄の変動表示の開始とが同期して行われるようになる(S91,S92)。
【0133】
以上説明したように、本実施の形態のパチンコ機1では、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞すると(S21:YES)、各種乱数が取得され(S24)、その乱数に基づいて、大当たり判定が行われる(S31)。そして、変動パターンや特別図柄表示部L1、デモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄が決定され(S32〜S35)、特殊演出を行う条件が満たされれば変動パターン入替処理が行われる(S45)。
【0134】
特殊演出が行われないときは、デモ図柄指定コマンドと特別図柄指定コマンドとが同じ回のルーチン処理で出力されるため、デモ図柄と特別図柄の変動表示が同期して開始される(S91,S92)。しかし、特殊演出が行われる場合、その開始時にはデモ図柄と特別図柄の変動表示の開始の指示が同期して行われるが、以後、特殊演出が終了するまでデモ図柄指定コマンドが出力されない。このため、特別図柄の変動表示および確定表示が複数回行われる間、継続して、デモ図柄による演出を行うことができる。
【0135】
なお、本発明は、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、タイマカウンタは、その値を加算していき、設定された値となった場合に時間が経過したと判断するようにしてもよい。
【0136】
また、本実施の形態では、主基板41と図柄表示基板44との間にサブ統合基板58を設けて、主基板41から出力される制御コマンドに基づいて図柄表示基板44等の制御を行ったが、主基板41から図柄表示基板44に直接制御コマンドを発し、その制御コマンドに基づいた制御が、図柄表示基板44によって行われるようにしてもよい。
【0137】
また、特殊演出パターンによる演出は、大当たりと判定された場合に必ず行われるようにしてもよい。また、例えば、特別な抽選に当選した場合、特定の条件が成立した場合などに行うようにしてもよい。なお、特定の条件とは、例えば、大当たり判定結果の報知の際の変動パターンとして、連続して所定回、通常変動パターンが選択された場合、所定の入賞口に入賞した場合、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技盤上から排出するためのアウト口を通過した遊技球の数が所定数に達した場合、特別図柄による大当たり判定結果の報知が所定回、行われた場合などとすればよい。
【0138】
また、特別図柄作動保留球数を示すLED60は、特別図柄の変動表示の開始とともに1つ消灯されるが、特殊演出を行う場合に、演出ゲーム数と同じ数だけLED60の消灯を行ってもよい。また、特別図柄作動保留球数は最大4つとしたが、これに限らず、例えば100個であってもよい。
【0139】
また、短縮変動を行う場合は特別図柄作動保留球数が「3」以上で、変動パターン番号が「2」である場合に変動パターン番号や変動時間を上書きすることによって行ったが、別途、短縮変動時用の変動パターンテーブルを設け、変動パターンの再抽選を行ってもよい。
【0140】
また、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞したときに取得され、現行の保留記憶エリアに記憶された各乱数値に基づき大当たりか否かの判定や特別図柄の組み合わせを決定し、これに基づき変動パターン等の決定を行ったが、これらの処理は特別図柄指定コマンドが出力される直前に、判定エリアM0へシフトされた各乱数値に基づき行うようにしてもよい。
【0141】
また、本実施の形態では、「第一種」と呼ばれるパチンコ機を例としたが、このタイプのパチンコ機に限られるものではなく、また、パチコン機、パチスロ機等の各種の遊技機に適用してもよい。また、上記した大当たり確率や抽選確率、各テーブルの内容などは一例に過ぎず、任意に設定可能なことはいうまでもない。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の遊技機では、所定の演出条件が成立した場合、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うことができるので、長時間の演出を行うことができ、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
【0143】
また、請求項2に係る発明の遊技機では、所定の演出条件が成立した場合、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うことができるので、長時間の演出を行うことができ、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができる。
【0144】
また、請求項3に係る発明の遊技機では、請求項1または2に係る発明の効果に加え、大当たり状態へ移行される場合に、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うことができるので、長時間の演出を行うことができ、遊技者の感情を高揚させることができる。
【0145】
また、請求項4に係る発明の遊技機では、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、特別図柄による判定結果の報知が複数回行われている間に、継続して、デモ図柄による判定結果の報知を行うその報知態様の実行の有無を、乱数に基づいて決定することができるので、その実行の頻度を任意に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機1の正面図である。
【図2】遊技盤2の正面図である。
【図3】表示装置8の正面図である。
【図4】パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。
【図5】主基板41のROM53の記憶エリアを示す概念図である。
【図6】主基板41のRAM52の記憶エリアを示す概念図である。
【図7】RAM52のカウンタ記憶エリア5201を示す概念図である。
【図8】RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア5203を示す概念図である。
【図9】RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205を示す概念図である。
【図10】ROM53の変動パターン記憶エリア5304に記憶された変動パターンテーブルを示す概念図である。
【図11】サブ統合基板58のROM583の記憶エリアを示す概念図である。
【図12】サブ統合基板58のRAM582の記憶エリアを示す概念図である。
【図13】ROM583に記憶された特殊演出パターン差替テーブルを示す概念図である。
【図14】主基板41のCPU51が実行するメインルーチン処理のフローチャートである。
【図15】メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。
【図16】メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。
【図17】メインルーチン処理でコールされる特別図柄処理のフローチャートである。
【図18】サブ統合基板58のCPU581が実行するサブ統合基板処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機
15 特別図柄始動電動役物
51 CPU
5205 大当たり関係情報記憶エリア
5304 変動パターン記憶エリア
L1 特別図柄表示部
D1,D2,D3 デモ図柄表示部
Claims (4)
- 遊技球が入賞する始動入賞口と、
前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機に乱数の取得を行う乱数取得手段と、
前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、
前記大当たり判定手段により、当たりとなる条件が成立したと判断された場合に、遊技者が多数の遊技球を獲得できるように、大入賞口を開閉する大入賞口開閉制御手段と、
その大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口遊技球検出手段と、
当該大入賞口遊技球検出手段が検出した遊技球に対して、所定数の遊技球を払い出す遊技球払出手段と、
前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための図柄である特別図柄を表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段によって前記入賞した遊技球に係る判定結果の報知が未だ行われていない分について、その判定結果を記憶する保留記憶手段と
を備えた遊技機であって、
前記図柄表示手段に表示される前記特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集め、前記特別図柄の表示と同期して、前記判定結果を報知するための図柄であるデモ図柄を表示するデモ図柄表示手段と、
所定の演出条件が成立した場合に前記保留記憶手段に記憶されている分の前記判定結果について、その判定結果の報知が前記図柄表示手段によって行われている間、継続的に、最後に判定された前記判定結果に基づく報知を前記デモ図柄表示手段に行わせる特殊演出手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 遊技球が入賞する始動入賞口と、
前記始動入賞口への遊技球の入賞を契機に乱数の取得を行う乱数取得手段と、
前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて、遊技者が多数の遊技球を取得可能な大当たり状態とするか否かの判定を行う大当たり判定手段と、
前記大当たり判定手段により、当たりとなる条件が成立したと判断された場合に、遊技者が多数の遊技球を獲得できるように、大入賞口を開閉する大入賞口開閉制御手段と、
その大入賞口への遊技球の入賞を検出する大入賞口遊技球検出手段と、
当該大入賞口遊技球検出手段が検出した遊技球に対して、所定数の遊技球を払い出す遊技球払出手段と、
前記大当たり判定手段の判定結果に基づいて、その判定結果を報知するための図柄である特別図柄を表示する図柄表示手段と、
前記図柄表示手段によって前記入賞した遊技球に係る判定結果の報知が未だ行われていない分について、その入賞した遊技球について取得された前記乱数を記憶する保留記憶手段と
を備えた遊技機であって、
前記図柄表示手段に表示される前記特別図柄よりも遊技者の視覚的注意を集め、前記特別図柄の表示と同期して、前記判定結果を報知するための図柄であるデモ図柄を表示するデモ図柄表示手段と、
所定の演出条件が成立した場合に前記保留記憶手段に記憶されている分の前記乱数に基づく判定結果の報知が前記図柄表示手段によって行われている間、継続的に、最後に取得された前記乱数に基づく判定結果の報知を前記デモ図柄表示手段に行わせる特殊演出手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記所定の演出条件が成立した場合とは、前記大当たり判定手段によって当たりと判定された場合であることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
- 前記図柄表示手段によって前記判定結果の報知が行われる場合に前記デモ図柄表示手段によって行われる報知の報知態様を、前記乱数取得手段が取得した乱数に基づいて決定する報知態様決定手段を備え、
前記所定の演出条件が成立した場合とは、前記報知態様決定手段が所定の報知態様を決定した場合であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
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Cited By (3)
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JP2010119792A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Sammy Corp | 弾球遊技機 |
JP2016128101A (ja) * | 2016-04-13 | 2016-07-14 | 株式会社三共 | 遊技機 |
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-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003186497A patent/JP2004358139A/ja active Pending
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