JP2004358078A - 神経細胞及び血管新生刺激装置 - Google Patents

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広二 柳本
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Abstract

【課題】脳梗塞や外傷などによって損傷を受けた脳機能の回復、或いはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、或いはその他の原因による知能低下などの治療に有効な神経細胞及び血管新生刺激装置を提供する。
【解決手段】神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に、化学的刺激及び/又は電気的刺激を与えて可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることを特徴とする。
【効果】内在性幹細胞を意図的に分裂させ、脳神経細胞や血管等、再生不可能或いは困難と考えられていた細胞や臓器を再生することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は神経細胞及び血管新生刺激装置に関し、その目的は、意図的に新たな脳細胞或いは血管を産生させることで、脳梗塞や外傷などによって損傷を受けた脳機能の回復、或いはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、或いはその他の原因による知能低下などの治療に有効な神経細胞及び血管新生刺激装置を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】
皮膚や消化管の上皮などでは、新しい細胞を作り出すことができる幹細胞が常に存在しており、この幹細胞が分裂して新しい細胞を作り出している。一方、成人の脳細胞には、記憶に関連する海馬の一部と嗅覚に関連する嗅球の細胞を補充するための神経幹細胞の存在は明らかとなったが、その他の大部分の脳においては、神経細胞及び血管の補充手段はないと考えられてきた。
従って、何らかの理由によって、例えば、脳梗塞や外傷、或いはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患などによって、脳細胞が損傷を受けると、損傷を受けた脳の機能を回復することは、一般的に困難である。
【0003】
一方、神経細胞の神経突起進展促進作用、神経細胞の生存維持作用や分化誘導作用などの神経細胞の生存維持に必要な作用を示す神経栄養因子と呼ばれる分子が存在している。ニューロンの発生・分化の過程において、神経栄養因子が存在しないと、そのニューロンはアポトーシスを起こすことから、神経栄養因子の存在はニューロンの生存維持にとって重要である。
【0004】
この神経栄養因子のような神経細胞の成長を刺激することができる薬剤を脳に供給することによって、神経変性疾患の治療や損傷を受けた脳細胞の修復が可能ではないかと考えられており、例えば、特許文献1には、1,5−ジ(ピリジン−4−イル)−ペンタ−1,4−ジエン−3−オンと神経栄養因子とを含有する薬剤組成物が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特表2001−504470号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
脳を有害な物質から守るために、脳や脊髄の血管は物質が自由に通行できず、さらに選択的に取り込んだ物質しか脳内に入らないような血液脳関門とよばれる仕組みが備わっている。
従って、患者の体内に投与された特許文献1に記載されるような薬剤組成物は、血液脳関門を通過しなければ脳内に到達することはできず、神経細胞の成長作用を示すことはできなかった。また、脳内或いはその他の臓器に成長発達後も存在する内在性幹細胞を安全な手段を用いて意図的に分裂させ、神経細胞等の機能的細胞を安全な手法を用いて意図的に増加させることは不可能であった。
【0007】
また上記したような薬剤組成物が治療薬として作用するには、ニューロン上に受容体が存在していることが必要である。多くの場合、胎児や幼若期には受容体の発現は最大になる。しかし、成熟或いは老化した神経系では、受容体が発現しない場合があり、たとえ、上記したような薬剤組成物が血液脳関門を通過することができたとしても、神経細胞の成長作用を示すことはできない場合があった。またその効果を発現させるには、別途受容体を発現させなければならない場合があった。
【0008】
本発明者らは、確実にしかも安全に、損傷を受けた脳機能の回復や機能の低下した臓器を再生することができる方法について鋭意研究を行ったところ、可逆的細胞脱分極又は伝播性可逆的細胞脱分極である伝播性抑制が神経幹細胞の分裂を開始させて、神経細胞を新生でき、さらに血管の細胞分裂を促し血管新生を誘導できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、請求項1に係る発明は、神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に化学的刺激及び/又は電気的刺激を与えて可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることを特徴とする神経細胞及び血管新生刺激装置に関する。
請求項2に係る発明は、直流(DC)電位を変化させ、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができる電気信号を生成するための電気信号生成手段と、該電気信号生成手段と接続され、該電気信号生成手段によって生成された電気信号を神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に送るための電極と、を含むことを特徴とする神経細胞及び血管新生刺激装置に関する。
請求項3に係る発明は、直流(DC)電位を変化させ、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができる細胞脱分極惹起物質を供給するための惹起物質供給手段と、該惹起物質供給手段と連通連結されて、該細胞脱分極惹起物質を神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に供給することができる導管と、を含むことを特徴とする神経細胞及び血管新生刺激装置に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る神経細胞及び血管新生刺激装置について詳細に説明する。本発明に係る神経細胞及び血管新生刺激装置は、神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に化学的刺激及び/又は電気的刺激を与えて一定期間継続的に可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることを特徴とする。
【0011】
脳に何らかの刺激を与えて脳直流(DC)電位(direct current potential)をある一定以上に変化させると、細胞脱分極が生じる。また、その部分を焦点としてその周辺に3〜5mm/分程度の脱分極性の波が波紋のように広がる現象が生じることが知られている。この現象は、伝播性抑制(spreading depression)と呼ばれる。伝播性抑制は、細胞間を伝播する可逆的細胞脱分極現象である。この現象は、正常な状態では出現せず、てんかん発作や脳梗塞、或いは脳に対して極度な温度刺激や脳を傷つける程度の物理的刺激が加えられたときに生じることが知られている。伝播性抑制は脳にとって無害なものである。
本発明者らは、この可逆的細胞脱分極及び細胞の連続的可逆的脱分極現象である伝播性抑制が新たな神経細胞及び新たな血管平滑筋細胞の産生作用を有することを見出した。即ち、脳に一定期間継続的に可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることによって、内在性神経幹細胞の分裂活動が増加する。一方、同刺激は、脳内での脳由来神経栄養因子(BDNF)の生成をも増加させる。この脳由来神経栄養因子の増加は、脳内に存在する神経幹細胞の細胞分裂によって生じた細胞群を神経細胞へと分化誘導する。即ち、脳内では新たな神経細胞が多数、広範囲にわたって生み出されることとなる。一方、同刺激は血管平滑筋細胞の分裂をも促し、臓器血流増加をもたらす新たな脈管を構築する。即ち、血管新生を誘導する。
【0012】
細胞の可逆的脱分極又は伝播性抑制を生じさせるには、局所脳DC電位を一定に変化させればよく、具体的には、細胞に可逆的脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができるような化学的刺激及び/又は電気的刺激を一定期間継続的に又は一定期間断続的に与えればよい。尚、化学的刺激は、化学的刺激を加えた部分の周辺の細胞に損傷を与える危険性がある。このために、電気的刺激がより好ましい方法である。
脳DC電位を変化させる程度は特に限定されないが、電気的刺激あるいは、脱分極惹起物質により、通常は、−5〜−100mV程度に維持(分極)されている細胞内電位を5〜100mV程度変化(脱分極)させればよい。
【0013】
内在性幹細胞又は血管の細胞分裂を促すためには、一定期間継続的に可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせる必要がある。可逆的細胞脱分極の回数又は伝播性抑制を生じさせる期間は特に限定されないが、可逆的細胞脱分極であれば、少なくとも5〜10回、伝播性抑制であれば、少なくとも5〜6時間程度は継続して可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることが必要であり、好ましくは可逆的細胞脱分極であれば、30〜80回、伝播性抑制であれば、24〜72時間程度持続して生じさせればよい。一方、脳内神経栄養因子のみを増加させる目的では、それより少ない回数或いは短い時間でも可能である。
【0014】
電気的刺激は脳DC電位を変化させることができる電気的な刺激であればよく、例えば、所要の電気信号を電極によって神経細胞又は血管平滑筋細胞に与えればよい。
神経細胞又は血管平滑筋細胞に与えられる電気信号の各種パラメータ値は特に限定されず、例えば、電気信号の周波数としては、1〜50Hz、また、電気信号の出力電流としては、0.1〜3.0mAを例示することができる。電気信号のパルス幅としては、20〜3000msを例示することができる。
神経細胞又は血管平滑筋細胞に電気的刺激を与える期間は特に限定されないが、1日当り1時間〜24時間の刺激を2〜10日間程度与えればよい。
【0015】
一方、化学的刺激としては、脳DC電位を変化させることができるような化学的刺激であればよく、例えば、塩化カリウム溶液などの細胞脱分極惹起物質を脳に継続的に供給すればよい。
塩化カリウム溶液を脳に供給する場合、塩化カリウム溶液の濃度は特に限定されないが、例えば1〜30%とされる。塩化カリウム溶液の供給量は特に限定されず、脳の容積等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、24μL/day〜72μL/dayとされる。
神経細胞又は血管平滑筋細胞に化学的刺激を与える期間は特に限定されないが、1日当り1時間〜24時間の刺激を2〜10日間程度与えればよい。
【0016】
化学的刺激又は電気的刺激を与える脳の部分は特に限定されず、例えば、脳皮質、海馬、基底核、中脳、小脳、延髄などを例示することができる。
尚、脳に化学的刺激又は電気的刺激を与えて可逆的脱分極又は伝播性抑制を生じさせる場合について詳述したが、化学的刺激又は電気的刺激は、この他の幹細胞分裂による臓器再生或いは血管再生を期待する臓器或いは血管位置などの部位に与えることもできる。
【0017】
次に、細胞に電気的刺激を与えることができる刺激装置(以下、単に電気刺激装置という場合がある。)の具体的な構成について説明する。図1は本発明に係る電気的刺激装置の概略を示すブロック図である。
本発明に係る電気的刺激装置(10)は、電気信号を生成するための電気信号生成手段(11)と、この電気信号生成手段(11)と接続され、電気信号生成手段(11)により生成された電気信号を細胞に送るための電極(12)とを含む。
【0018】
電気信号生成手段(11)は、DC電位を変化させて、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができるような電気信号を生成するために設けられており、図示例の電気信号生成手段(11)は、電源部(11a)と制御部(11b)と出力部(11c)とから構成される。
電源部(11a)は所要の電力を供給するために設けられており、例えば、アルカリイオン電池、リチウムイオン電池、100V電源、200V電源、バッテリーなどが用いられる。
【0019】
制御部(11b)は、CPU、発振器、電源部から供給された電力の電圧を調節するための電圧調節器などから構成されている。電源部(11a)からの電源供給を受けるとともに、所要の電気信号を出力するように出力部(11c)を制御する。
出力部(11c)は、制御部(11b)による制御によって、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができるような電気信号を出力する。出力部(11a)には、末端に電極(12)を有するリード線が接続されている。
【0020】
電極(12)は、例えば脳(B)の所要の位置に外科的手術などによって配置され、出力部(11c)から出力された電気信号を神経細胞又は血管平滑筋細胞に送る。これによって、細胞を刺激することができる。
電極(12)が配置される位置は特に限定されないが、脳皮質、海馬、基底核、中脳、小脳、延髄などを例示することができる。また、この他、幹細胞分裂による臓器再生或いは血管再生を期待する臓器或いは血管位置に配置しても構わない。
【0021】
電気信号生成手段(11)は、皮下に埋め込むことも可能であるし、また体外に配置することもできる。
皮下に埋め込んだ場合は、長期間の電気刺激に適しており、体外に配置した場合は、短期間の電気刺激に適している。
【0022】
次に、脳細胞に化学的刺激を与えることができる刺激装置(以下、単に化学刺激装置という場合がある。)について説明する。図2は、本発明に係る化学刺激装置の概略を示すブロック図である。
本発明に係る化学刺激装置(20)は、惹起物質供給手段(21)と、この惹起物質供給手段(21)と連通連結されて、細胞脱分極惹起物質を細胞の所要の位置に供給することができる導管(22)とを含む。
【0023】
惹起物質供給手段(21)は、DC電位を変化させ、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができる細胞脱分極惹起物質を供給することができるものであれば特に限定されず、図示例の惹起物質供給手段(21)では、細胞脱分極惹起物質を貯蔵するための貯蔵部(21a)と、この貯蔵部(21a)内に貯蔵された細胞脱分極惹起物質を導管(22)に供給するための供給部(21b)とを備えており、供給部(21b)は供給部駆動源(21c)によって駆動する。
【0024】
供給部(21b)としては、電源によって駆動するポンプや浸透圧によって駆動するポンプなどのポンプ機構を例示することができる。
供給部駆動源(21c)としては、用いられる供給部(21b)に応じて適宜任意に設定すればよく、電源や浸透圧を例示することができる。
【0025】
導管(22)の一端部は惹起物質供給手段(21)の供給部(21b)と連通連結され、導管(22)の他端部は例えば脳(B)の所要の位置に配置されており、貯蔵部(21a)に貯蔵された細胞脱分極惹起物質は、導管(22)を介して脳(B)の所要の位置に供給される。
導管(22)の他端部が配置される位置は特に限定されず、例えば、脳皮質、海馬、基底核、中脳、小脳、延髄などを例示することができる。また、この他、幹細胞分裂による臓器再生或いは血管再生を期待する臓器或いは血管位置に配置しても構わない。
【0026】
貯蔵部(21a)内に貯蔵される細胞脱分極惹起物質は特に限定されないが、例えば、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化ルビジウム、塩化アンモニウム、臭化カリウム、DL−グルタミン酸塩、L−アスパラギン酸塩などを例示することができる。
【0027】
本発明に係る神経細胞及び血管新生刺激装置は、脳梗塞後の脳機能の回復、うつ病、或いはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、或いはその他の原因による知能低下の治療に有効である。脳以外の臓器において、内在性幹細胞分裂刺激或いは血管新生を目的とする場合は、各種細胞再生治療或いは局所循環不全の改善に有効である。
【0028】
本発明に係る神経細胞及び血管新生刺激装置は、あらゆる動物の神経細胞や血管細胞の新生に適用することができ、特にヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ウマなどの哺乳動物に好適に適用することができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(試験例)
塩化カリウム溶液を充填した浸透圧ミニポンプ(約1g、アルザ社製)を用いて、8〜9週齢のSprague−Dawley系雄性ラット脳内に、塩化カリウムを48時間持続的に注入(1μL/h)した。脳内に塩化カリウムを注入することによって、伝播性抑制を連続的に発生させた。分裂した細胞を確認するために、5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)を水に混合させて投与した。
塩化カリウムの投与が終了してから、0,1,3,6,9,12日経過した後に、麻酔とPBSで灌流を行って、ラット(3又は6匹ずつ)の脳を摘出した。
尚、実験中、ラットは覚醒状態であり、ほぼ通常の行動を示した。
【0030】
摘出した脳を組織学的に観察した。刺激終了1〜3日後では、神経幹細胞の細胞分裂が確認された。刺激終了3〜12日後では、BrdU陽性の分裂細胞が確認された。刺激終了6日後では、BrdU及びβ−tubulin class III陽性の新しく生まれた神経芽細胞が確認された。また刺激終了12日後には、新生神経細胞が脳内に広範囲に広がっていることが確認された。さらに、これらの時期に一致して、血管壁平滑筋細胞の分裂も確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明に係る神経細胞及び血管新生刺激装置は、可逆的細胞脱分極或いは伝播性抑制を生じさせることによって、内在性幹細胞を意図的に分裂させ、脳神経細胞や血管等、再生不可能或いは困難と考えられていた細胞や臓器を再生することができる。また、脳内における神経栄養因子の産生を増加させることができる。従って、本発明に係る神経細胞及び血管新生刺激装置は、脳梗塞等の各種疾患や外傷によって損傷を受けた脳の治療、或いはアルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患、或いはその他の原因による知能低下などの治療、動脈硬化等による局所脳循環不全に対する治療に用いることができる。比較的短時間の使用で脳由来栄養因子のみを増加させることが可能で、この装置は、脳由来栄養因子の低下を伴う鬱病の治療に用いることができる。一方、脳以外の臓器に電気的刺激装置を用いた場合、当該臓器における内在性幹細胞の分裂刺激を行うことで、各種細胞臓器再生治療に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気的刺激装置の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る化学的刺激装置の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 電気刺激装置
11 電気信号生成手段
11a 電源部
11b 制御部
11c 出力部
12 電極
20 化学刺激装置
21 惹起物質供給手段
21a 貯蔵部
21b 供給部
21c 供給部駆動源
22 導管
B 脳

Claims (3)

  1. 神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に化学的刺激及び/又は電気的刺激を与えて可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることを特徴とする神経細胞及び血管新生刺激装置。
  2. 直流(DC)電位を変化させ、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができる電気信号を生成するための電気信号生成手段と、該電気信号生成手段と接続され、該電気信号生成手段によって生成された電気信号を神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に送るための電極と、を含むことを特徴とする神経細胞及び血管新生刺激装置。
  3. 直流(DC)電位を変化させ、可逆的細胞脱分極又は伝播性抑制を生じさせることができる細胞脱分極惹起物質を供給するための惹起物質供給手段と、該惹起物質供給手段と連通連結されて、該細胞脱分極惹起物質を神経細胞及び/又は血管平滑筋細胞に供給することができる導管と、を含むことを特徴とする神経細胞及び血管新生刺激装置。
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