JP2004356765A - 共振周波数調整装置、非接触リーダライタ、および、非接触データキャリアシステム - Google Patents
共振周波数調整装置、非接触リーダライタ、および、非接触データキャリアシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させ、非接触リーダライタと非接触データキャリアの間で効率の良い通信を行う。
【解決手段】非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムにおいて、コイル状のアンテナ30と可変コンデンサ31とを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御器32とを備えた共振周波数調整装置を用いる。静電容量制御器32は、可変コンデンサ30の静電容量を繰り返し増減させる。
【選択図】 図3
【解決手段】非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムにおいて、コイル状のアンテナ30と可変コンデンサ31とを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御器32とを備えた共振周波数調整装置を用いる。静電容量制御器32は、可変コンデンサ30の静電容量を繰り返し増減させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、非接触データキャリアシステムに関し、特に、非接触リーダライタが複数の非接触データキャリアと通信するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金融取引や商品管理などを含む幅広い分野において、個体識別やデータ交換の用に供されている装置として、非接触データキャリアシステムが注目を集めている。非接触データキャリアシステムにおいては、電磁誘導結合方式を用いて、非接触リーダライタから非接触データキャリアに電力を供給しながら、これらの装置間で無線通信が行われる。
【0003】
非接触データキャリアシステムにおいては、磁気カードや接触型ICカードをデータキャリアとする接触型データキャリアシステムとは異なって、非接触リーダライタと非接触データキャリアが物理的に接触しないので、接触部分の腐食や汚損、接点の磨耗等に起因する通信不良を避けることができ、静電気や水に対しても優れた耐性を有している。
【0004】
また、非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタは、非接触データキャリアを抜き差しするための機構を必要としないため破損し難く、その意味においてメンテナンスフリーである。
しかしながら、同様の理由から、非接触データキャリアシステムにおいては、1つの非接触リーダライタの通信圏内に複数の非接触データキャリアが入り込むことがある。このような場合には、搬送周波数と非接触データキャリアの共振周波数がずれ、アンテナの端子間電圧が低下するために、通信ができなくなることがあるという問題がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、次のような非接触ICカードが提案されている(特許文献1を参照。)。すなわち、フレームエラーレートを参照することによって、非接触リーダライタからの受信状態と、非接触リーダライタからの電波の受信レベルとに応じて、非接触ICカードのアンテナ共振回路の共振周波数とクオリティファクタとを調整することにより、共振周波数のずれを解消するというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−334310号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示の非接触ICカードは、アンテナ共振回路の共振周波数やクオリティファクタを調整するために、可変抵抗素子と可変コンデンサとを搭載しなければならない。このため、非接触ICカードの生産性が低下し、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くという問題がある。
【0008】
本願発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる共振周波数調整装置、非接触リーダライタ、および、非接触データキャリアシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明に係る共振周波数調整装置は、非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムに用いられる共振周波数調整装置であって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させ、ひとつの非接触リーダライタの通信可能圏内に複数の非接触データキャリアが存在する場合であっても、円滑な無線通信を実現することができる。
また、この場合において、非接触リーダライタや非接触データキャリアに何らの変更も加える必要がないので、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことがない。
【0011】
また、本願発明に係る共振周波数調整装置は、非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムに用いられる共振周波数調整装置であって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの共振周波数が前記搬送波周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送波周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このようにしても、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる。
特に、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数を搬送波周波数と略同一に保つことができるので、非接触リーダライタと非接触データキャリアとをより効率的に無線通信させることができる。
【0013】
また、本願発明に係る共振周波数調整装置は、前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備えるとすれば、更に好適である。
また、本願発明に係る非接触リーダライタは、所定の搬送波周波数にて非接触データキャリアと無線通信する非接触リーダライタであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
このようにすれば、ひとつの非接触リーダライタの通信可能圏内に複数の非接触データキャリアが存在する場合であっても、非接触データキャリアの個数に応じて、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができるので、円滑な無線通信を実現することができる。
また、本願発明に係る非接触リーダライタは、所定の搬送波周波数にて非接触データキャリアと無線通信する非接触リーダライタであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記非接触データキャリアとの間の共振周波数が前記搬送周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数を搬送波周波数と略同一に保つことができるので、より効率的な無線通信を実現することができる。
また、本願発明に係る非接触リーダライタは、前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備えるとすれば、更に好適である。
【0016】
また、本願発明に係る非接触データキャリアシステムは、所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触リーダライタと非接触データキャリアとを備える非接触データキャリアシステムであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段とを備える共振周波数調整装置を備えることを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、非接触リーダライタの通信可能圏内に存在する非接触データキャリアの個数に応じて、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる。
また、本願発明に係る非接触データキャリアシステムは、所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触リーダライタと非接触データキャリアとを備える非接触データキャリアシステムであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの共振周波数が前記搬送波周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送波周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段とを備える共振周波数調整装置を備えることを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数を搬送波周波数と略同一に保つことができる。
また、本願発明に係る非接触データキャリアシステムは、前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、前記共振周波数調整装置は、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備えるとすれば、なお好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係る非接触データキャリアシステムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムは、非接触リーダライタ、非接触データキャリア、および、共振周波数調整装置からなっている。
【0020】
[1−1] 非接触リーダライタの構成
図1は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタの主要な構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、非接触リーダライタ1は、アンテナ10、コンデンサ11、受信回路12、送信回路13、および、制御回路14を備えている。
【0021】
制御回路14は、受信回路12や送信回路13を制御することにより、通信可能圏内に位置する非接触データキャリアにデータを書き込んだり、当該非接触データキャリアからデータを読み出したりする回路である。制御回路14は、非接触データキャリアへ送信するコマンドやデータを送信データ信号として、送信回路13に入力する。また、制御回路14は、受信回路12から、受信データ信号を受け付ける。
【0022】
送信回路13は、制御回路14から受け付けた送信データ信号を変調して、送信変調信号を出力する回路である。送信回路13は、送信変調信号をアンテナ10へ向けて出力する。
アンテナ10は、送信回路13から送信変調信号を受け付けると、非接触データキャリアへ向けて、電波を送信するコイル状のアンテナである。また、アンテナ10は、非接触データキャリアから、電波を受信すると、受信変調信号を受信回路12に入力する。
【0023】
受信回路12は、アンテナ10から受信変調信号を受け付けると、これを復調して受信データ信号を生成する。受信回路12は、生成した受信データ信号を制御回路14に向けて出力する。
制御回路14は、受信回路12から、受信データ信号を受信すると、当該受信データ信号に含まれているデータを用いて所定の処理を実行する。
【0024】
コンデンサ11は、共振周波数を設定するためのコンデンサである。
非接触リーダライタ1が非接触データキャリアと通信するために使用する搬送波の周波数(以下、これを「搬送波周波数」という。)は、例えば、13.56MHzとすれば良い。
[1−2] 非接触データキャリアの構成
図2は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触データキャリアの主要な構成を模式的に示す図である。図2に示されるように、非接触データキャリア2は、アンテナ20、コンデンサ21、整流回路22、受信回路23、制御回路24、メモリ25、電源回路26、および、送信回路27を備えている。
【0025】
アンテナ20は、非接触リーダライタ1との間で電波を送受信するためのコイル状のアンテナである。アンテナ20には、共振周波数を設定するためのコンデンサ21が取り付けられている。アンテナ20は、非接触リーダライタ1から電波を受信すると、その両端に交流電流を生じる。
整流回路22は、例えば、ダイオードブリッジ整流器であって、アンテナ20の両端に生じた前記交流電流を整流する。これによって、電源回路26は、受信回路23、制御回路24、メモリ25、或いは、送信回路27といった非接触データキャリア2を構成する各回路に直流電圧を供給する。
【0026】
また、アンテナ20は、非接触リーダライタ1から電波を受信すると、これを受信変調信号として、受信回路23に入力する。
受信回路23は、アンテナ20から受信変調信号を受け付けると、これを復調して受信データ信号を生成する。受信回路23は、生成した受信データ信号を制御回路24に入力する。
【0027】
制御回路24は、受信回路23や送信回路27を制御することにより、非接触リーダライタ1との間でデータやコマンドの遣り取りをする回路である。
制御回路24は、受信回路23から、受信データ信号を受信すると、当該受信データ信号に含まれているコマンドやデータを用いて、所定の処理を実行する。所定の処理とは、例えば、非接触リーダライタ1から受け付けたデータをメモリ25に格納する処理である。
【0028】
また、制御回路24は、非接触リーダライタ1からコマンドに応じて、メモリ25からデータを読み出すとともに、読み出したデータを送信データ信号として、送信回路27に入力する。
送信回路27は、制御回路24から受け付けた送信データ信号を変調して、送信変調信号を出力する回路である。送信回路27は、送信変調信号をアンテナ10へ向けて出力する。
【0029】
アンテナ20は、送信回路27から送信変調信号を受け付けると、非接触リーダライタ1へ向けて、電波を送信する。
なお、非接触データキャリア2の共振周波数fは、アンテナ20を構成するコイルのインダクタンスがLであり、コンデンサ21の静電容量がCである場合、次式で表わされる。
【0030】
【数1】
【0031】
非接触データキャリア2の共振周波数fは、非接触リーダライタ1の搬送波周波数よりもやや高い値となっている。例えば、非接触リーダライタ1の搬送波周波数が13.56MHzである場合には、非接触データキャリア2の共振周波数が17MHz程度から19MHz程度までの値をとるように、アンテナ20のコイルのインダクタンスLとコンデンサ21の静電容量Cとを選択するとしても良い。
【0032】
[1−3] 共振周波数調整装置の構成
図3は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。図3に示されるように、共振周波数調整装置3は、アンテナ30、可変コンデンサ31、および、静電容量制御器32を備えており、これらによって並列共振回路を構成する。
【0033】
共振周波数調整装置3は、可変コンデンサ31の静電容量を変化させることによって、共振周波数を調整することができる。すなわち、非接触リーダライタ1の通信可能圏内に、複数の非接触データキャリア2が存在する場合に、共振周波数調整装置3を当該通信可能圏内に配置して、その可変コンデンサ31の静電容量を変化させれば、前記複数の非接触データキャリア2全体の共振周波数を調整することができる。
【0034】
したがって、共振周波数調整装置3を用いれば、非接触リーダライタ1と前記複数の非接触データキャリア2とが通信できるように、前記共振周波数を調整することができるのである。
静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量を制御する。本実施の形態においては、静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量を所定の最小値と所定の最大値との間を往復するように制御する。
【0035】
すなわち、静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量が所定の最小値となっている場合には、可変コンデンサ31の静電容量が単位時間に所定量だけ増加するように漸増させる。また、静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量が所定の最大値に達した場合には、可変コンデンサ31の静電容量が単位時間に所定量だけ減少するように漸減させる。
【0036】
非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2とが通信できる共振周波数にはある程度の範囲がある。したがって、上記のように可変コンデンサ31の静電容量を制御すれば、共振周波数が前記の範囲内にある程度の時間とどまることになる。この時間が、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2とが通信するに足るだけの長さとなるように、前記静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量を制御するのである。
【0037】
[1−3−1] 静電容量制御器32の構成
静電容量制御器32の構成について更に詳しく説明する。
図4は、静電容量制御器32の主要な構成を示す図である。静電容量制御器32は、パルス信号生成器320、マイクロコントローラ321、電力増幅回路322、および、ステッピングモータ323を備えている。
【0038】
パルス信号生成器320は、定期的にパルス信号を生成して、マイクロコントローラ321に入力する。パルス信号生成器320には、例えば、シュミットトリガインバータを用いれば良い。
マイクロコントローラ321は、パルス信号生成器320から受け付けたパルス信号を計数して、ステッピングモータ323を駆動するための駆動信号を電力増幅回路322に入力する。
【0039】
電力増幅回路322は、マイクロコントローラ321から受け付けたステッピングモータ323への駆動信号を電力増幅して、ステッピングモータ323に入力する。ステッピングモータ323は、減速ギアを介して、可変コンデンサ31のシャフトに接続されており、当該シャフトを回転させることによって共振周波数を調整する。
【0040】
[1−3−2] 静電容量制御器32の動作
図5は、マイクロコントローラ321がステッピングモータ323を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。マイクロコントローラ321は、内部変数として、カウンタ変数と差分値変数とを使用する。また、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数の値に応じた駆動信号を生成するために、カウンタ変数の値と生成すべき駆動信号とを対応付けた内部テーブルを備えている。
【0041】
さて、図5に示されるように、マイクロコントローラ321は、プログラムに従って、先ず、カウンタ変数を初期化する(ステップS100)。当該カウンタ変数は整数値変数であり、初期値としてゼロを設定される。
また、マイクロコントローラ321は、差分値変数を初期化する(ステップS101)。当該差分値変数は、+1と−1とのいずれかの値をとる変数であり、初期値として+1を設定される。
【0042】
次に、マイクロコントローラ321は、パルス信号生成器320から受け付けたパルス信号を検査する。ここで、パルス信号生成器320が生成するパルス信号はH状態とL状態の2状態を交互にとる信号であって、所定の時間間隔ごとに一方の状態から他方の状態へと切り替わる。
本実施の形態においては、マイクロコントローラ321は、パルス信号がH状態からL状態に切り替わったのを検出する毎に、電力増幅回路322に入力する駆動信号を更新する。
【0043】
すなわち、マイクロコントローラ321は、先ず、パルス信号生成器から受け付けたパルス信号がH状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がH状態でないと判定されたら(ステップS102:NO)、言い換えると、パルス信号がL状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ321は、パルス信号がH状態であると判定されるまで待つ。
【0044】
マイクロコントローラ321は、パルス信号がH状態であると判定されたなら(ステップS102:YES)、次に、パルス信号がL状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がL状態でないと判定されたら(ステップS103:NO)、言い換えると、パルス信号がH状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ321は、パルス信号がL状態であると判定されるまで待つ。
【0045】
マイクロコントローラ321は、パルス信号がL状態であると判定されたなら(ステップS103:YES)、カウンタ変数の値を検査する。すなわち、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいか否かを検査する。
そして、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいと判断され場合には(ステップS104:YES)、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数を更新するために用いる差分値変数の値を−1に設定して(ステップS105)、次の処理に進む。カウンタ変数の値が所定の最大値に達していないと判断された場合には(ステップS104:NO)、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。
【0046】
また、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数の値が最小値、すなわち、ゼロに等しいか否かを検査する。そして、カウンタ変数の値が最小値に等しいと判断された場合には(ステップS106:YES)、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を+1に設定した後(ステップS107)、次の処理を実行する。
【0047】
カウンタ変数の値が最小に達していないと判断された場合には(ステップS106:NO)、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。そして、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を更新したか否かに関わらず、カウンタ変数の値に差分値変数の値を加算した値をカウンタ変数の新たな値とする(ステップS108)。
【0048】
カウンタ変数の値を更新した後、マイクロコントローラ321は、内部テーブルを参照して、更新したカウンタ変数の値に対応する駆動信号を生成する(ステップS109)。そして、マイクロコントローラ321は、生成した駆動信号を電力増幅回路322に向けて出力し(ステップS110)、ステップS102に進んで、上述のような処理を反復実行する。
【0049】
マイクロコントローラ321が上述のような処理を実行することによって、前記ステッピングモータ323が反復回動し、可変コンデンサ31の静電容量が変動する。この場合において、可変コンデンサ31の静電容量が変動する速度は、パルス信号生成器320が生成するパルス信号において、H状態とL状態とが交互に現れる、その周期に依存する。
【0050】
可変コンデンサ31の静電容量が所定の最小値から所定の最大値まで、或いは逆に所定の最大値から所定の最小値まで変動する時間をパルス信号生成器320により調節することができる。したがって、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの通信が可能となるような静電容量の範囲に留まる時間が、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの通信が完了するのに要する時間以上であれば、初期の目的を達成することができる。
【0051】
また、可変コンデンサ31の静電容量の所定の最小値と所定の最大値とは、非接触リーダライタの通信可能圏内に非接触データキャリアがひとつだけ存在する場合と、予定される最大数の非接触データキャリアが非接触リーダライタの通信可能圏内に存在する場合とに、共振周波数を調整できるような値とするのが好適である。
【0052】
このように静電容量の範囲を設定すれば、静電容量の変動に要する時間が不必要に長くなるといった事態を回避して、通信効率を向上させることができる。
[1−4] 使用例
図6は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの使用例を示す図である。図6に示されるように、本使用例においては、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2a、2b、2cとが通信を行う。また、この通信を行うに際して、共振周波数調整装置3が共振周波数の調整を行う。
【0053】
非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにアンテナ平面が平行となっている。また、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにコイル軸が一致している。
【0054】
非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30が、このように配置されている場合に、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムはもっとも効率良く通信を行うことができる。
この場合において、非接触リーダライタ1は、非接触データキャリア2a〜2cの位置決めのために、スロットやホルダー等の機構を有しているとしても良い。
【0055】
[1−5] 第1の実施の形態の効果
このように、本実施の形態によれば、共振周波数調整装置3を用いて、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2との共振周波数を調整するので、非接触データキャリア2の生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリア2のコストの上昇を招くことなく、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2との間の共振周波数のずれを解消することができる。
【0056】
また、共振周波数調整装置3によれば、既設の非接触データキャリアシステムに何ら変更を加える必要がないので、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数のずれをより安価に解消することができる。
また、一般的に、非接触データキャリアシステムにおいては、磁気カードや接触型ICカードをデータキャリアとする接触型データキャリアシステムとは異なって、非接触リーダライタとデータキャリアが物理的に接触しないので、接触部分の腐食や汚損、接点の磨耗等に起因する通信不良を避けることができ、静電気や水に対しても優れた耐性を有している。
【0057】
また、非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタは、データキャリアを抜き差しするための機構を必要としないため破損し難く、その意味においてメンテナンスフリーである。
本実施の形態によれば、以上のような非接触データキャリアシステムの長所を損なうことなく、本願発明の効果を得ることができる。
【0058】
[1−6] 第1の実施の形態の変形例
以上、本願発明の第1の実施の形態について説明したが、本実施の形態に関連して、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記第1の実施の形態においては、共振周波数調整装置3は可変コンデンサ31を備えているとしたが、これに代えて、次のようにするとしても良い。
【0059】
すなわち、非接触リーダライタ1と同時に通信する非接触データキャリア2の共振周波数および個数、並びに、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2との位置関係があらかじめ固定されている場合には、共振周波数調整装置3の可変コンデンサ31に代えて固定容量のコンデンサを用いるとしても良い。
このようにしても、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。また、本変形例に係る共振周波数調整装置は固定容量のコンデンサを用いるので、前記共振周波数調整装置3とは異なって、静電容量制御器32を必要としない。したがって、より低いコストで、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
【0060】
(2) 上記第1の実施の形態においては、図6に示されるように、非接触データキャリア2a〜2cを挟んで、非接触リーダライタ1と共振周波数調整装置3とが対向するような配置を採用した使用例について説明したが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、上記配置に代えて、次のような配置を採用するとしても良い。
【0061】
図7は、本実施の形態の第1の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
図7にて示されるように、本変形例に係る非接触データキャリアシステムおいては、上記第1の実施の形態にて説明したのと同様に、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにアンテナ平面が平行となっている。
【0062】
また、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにコイル軸が一致している。
一方、本変形例においては、上記第1の実施の形態におけるのとは異なって、非接触リーダライタ1のアンテナ10のアンテナ平面と共振周波数調整装置3のアンテナ30のアンテナ平面とが同一平面に属しており、かつ、当該平面上において、共振周波数調整装置3のアンテナ30が非接触リーダライタ1のアンテナ10を囲繞している。
【0063】
このような配置を採用するとしても、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
また、次のような配置を採用するとしても良い。図8は、本実施の形態の第2の変形例に係る非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
【0064】
図8にて示されるように、本変形例においては、上記第1の実施の形態にて説明したのと同様に、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにアンテナ平面が平行となっており、かつ、互いにコイル軸が一致している。
【0065】
一方、本変形例においては、上記第1の実施の形態におけるのとは異なって、非接触リーダライタ1のアンテナ10のアンテナ平面と共振周波数調整装置3のアンテナ30のアンテナ平面とが同一平面に属しており、かつ、当該平面上において、非接触リーダライタ1のアンテナ10が共振周波数調整装置3のアンテナ30を囲繞している。
【0066】
このような配置を採用するとしても、やはり、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
(3) 上記第1の実施の形態においては、非接触リーダライタと通信する非接触データキャリアの個数に関わらず、共振周波数調整装置の台数は1台とする構成について説明したが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、上記構成に代えて、次のような構成を採用するとしても良い。
【0067】
図9は、本変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3a〜3cの配置を示す図である。
図9にて示されるように、本変形例に係る非接触データキャリアシステムにおいては、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3a〜3cのアンテナ30a〜30cは、互いにアンテナ平面が平行となっている。
【0068】
また、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3a〜3cのアンテナ30a〜30cは、互いにコイル軸が一致している。
このような配置を採用するとしても、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、共振周波数調整装置3a〜3cは、非接触データキャリア2a〜2cを格納するための容器であるとしても良い。例えば、非接触データキャリア2a〜2cが非接触ICカードであるような場合には、共振周波数調整装置3a〜3bが非接触ICカード2a〜2cを格納するためのカードホルダであるとしても良い。
【0070】
このようにすれば、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができるのみならず、非接触データキャリア2a〜2cとそれを格納する共振周波数調整装置3a〜3cとの位置関係を良好に保つことができるので、本願発明の効果をより高めることができる。非接触データキャリアのアンテナ平面と共振周波数調整装置のアンテナ平面とを平行とし、両アンテナ軸を一致させることができるからである。
【0071】
(4) 上記第1の実施の形態においては、非接触データキャリアシステムにおいては、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3a〜3cのアンテナ30a〜30cは、互いにアンテナ平面が平行となっており、かつ、アンテナ10、20a〜20c、30のコイル軸が一致している場合について説明したが、本願発明に係る非接触データキャリアシステムの使用例がこれに限定されないことは言うまでもなく、上記アンテナの位置関係が上述と異なっている場合においても、本願発明を適用してその効果を得ることができる。
【0072】
(5) 上記第1の実施の形態においては、カウンタ変数の値をゼロから所定の最大値までの範囲内で増減させるとしたが、このカウンタ変数の値はあくまで便宜的なものであって、例えば、カウンタ変数の値がゼロであるからといって、可変コンデンサ31の静電容量がゼロでなければならないということはない。
すなわち、可変コンデンサ31が増減する範囲は、必ずしも、可変コンデンサ31の静電容量の最小値から最大値までを範囲とするものでなくても良いことは言うまでもない。非接触リーダライタと非接触データキャリアとの通信を可能とするように共振周波数を調整するために必要な範囲でさえあれば、本願発明の効果を得ることができる。
【0073】
[2] 第2の実施の形態
次に、本願発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムは、上記第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムと概ね同様の構成を備えており、共振周波数調整装置の構成に特徴を有している。
【0074】
[2−1] 共振周波数調整装置の構成
図10は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。図10に示されるように、共振周波数調整装置4は、アンテナ40、可変コンデンサ41、静電容量制御器42、および、共振周波数を測定する装置43を備えている。ここで、アンテナ40と可変コンデンサ41とは並列共振回路を構成している。
【0075】
共振周波数を測定する装置43はLC発振器を備えた測定器であって、そのコイルを他の回路素子に電磁誘導結合させて共振周波数を測ることができる装置である。
すなわち、共振周波数を測定する装置43を測定対象に近づけて、その発振周波数を変化させた場合において、当該発振周波数が測定対象の共振周波数に近づくと、共振周波数を測定する装置43の発振エネルギーが測定対象である共振回路により消費される。このように共振回路が発振エネルギーを消費したか否かを検出することによって、共振周波数を検出することができる。
【0076】
本実施の形態においては、共振周波数を測定する装置43を用いて、非接触リーダライタや非接触データキャリア、共振周波数調整装置からなる共振回路の共振周波数を測定する。
[2−1−1] 静電容量制御器42の構成
静電容量制御器42の構成について更に詳しく説明する。
【0077】
図11は、静電容量制御器42の主要な構成を示す図である。静電容量制御器42は、パルス信号生成器420、マイクロコントローラ421、電力増幅回路422、および、ステッピングモータ423を備えている。
パルス信号生成器420は、定期的にパルス信号を生成して、マイクロコントローラ421に入力する。パルス信号生成器420には、例えば、シュミットトリガインバータを用いれば良い。
【0078】
マイクロコントローラ421は、パルス信号生成器420から受け付けたパルス信号を計数して、ステッピングモータ423を駆動するための駆動信号を電力増幅回路422に入力する。また、マイクロコントローラ421は、共振周波数を測定する装置43から検出信号を受け付けている。
マイクロコントローラ421は、当該検出信号にて共振周波数が搬送波周波数に略一致したことを検出すると、可変コンデンサ41の静電容量が最適値となったと判定して、ステッピングモータ423を停止させる。
【0079】
電力増幅回路422は、マイクロコントローラ421から受け付けたステッピングモータ423への駆動信号を電力増幅して、ステッピングモータ423に入力する。ステッピングモータ423は、減速ギアを介して、可変コンデンサ41のシャフトに接続されており、当該シャフトを回転させることによって共振周波数を調整する。
【0080】
[2−2] 静電容量制御器42の動作
図12は、マイクロコントローラ421がステッピングモータ423を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。マイクロコントローラ421は、内部変数として、カウンタ変数と差分値変数とを使用する。また、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数の値に応じた駆動信号を生成するために、カウンタ変数の値と生成すべき駆動信号とを対応付けた内部テーブルを備えている。
【0081】
さて、図12に示されるように、マイクロコントローラ421は、プログラムに従って、先ず、カウンタ変数を初期化する(ステップS200)。当該カウンタ変数は整数値変数であり、初期値としてゼロを設定される。
また、マイクロコントローラ421は、差分値変数を初期化する(ステップS201)。当該差分値変数は、+1と−1とのいずれかの値をとる変数であり、初期値として+1を設定される。
【0082】
次に、マイクロコントローラ421は、共振周波数を測定する装置43から受け付けた検出信号を検査する。例えば、共振周波数を測定する装置43は、共振周波数が搬送波周波数に略一致すると前記検出信号をL状態とし、さもなければ、前記検出信号をH状態とするものとすれば良い。
マイクロコントローラ421は、前記検出信号を検査することによって、共振周波数が搬送波周波数に略一致していると判定した場合には(ステップS202:YES)、ステッピングモータ423の駆動は実行せず、前記検出信号の検査を繰り返す。
【0083】
共振周波数が搬送波周波数に略一致していないと判定した場合には(ステップS202:NO)、マイクロコントローラ421は、パルス信号生成器420から受け付けたパルス信号を検査する。本実施の形態においては、マイクロコントローラ421は、上記第1の実施の形態におけるのと同様にしてパルス信号の検査を実行する。
【0084】
すなわち、マイクロコントローラ421は、先ず、パルス信号生成器から受け付けたパルス信号がH状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がH状態でないと判定されたら(ステップS203:NO)、言い換えると、パルス信号がL状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ421は、パルス信号がH状態であると判定されるまで待つ。
【0085】
マイクロコントローラ421は、パルス信号がH状態であると判定されたなら(ステップS203:YES)、次に、パルス信号がL状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がL状態でないと判定されたら(ステップS204:NO)、言い換えると、パルス信号がH状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ421は、パルス信号がL状態であると判定されるまで待つ。
【0086】
マイクロコントローラ421は、パルス信号がL状態であると判定されたなら(ステップS204:YES)、カウンタ変数の値を検査する。すなわち、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいか否かを検査する。
そして、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいと判断された場合には(ステップS205:YES)、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数を更新するために用いる差分値変数の値を−1に設定して(ステップS206)、次の処理に進む。カウンタ変数の値が所定の最大値に達していないと判断された場合には(ステップS205:NO)、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。
【0087】
また、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数の値が最小値、すなわち、ゼロに等しいか否かを検査する。そして、カウンタ変数の値が最小値に等しいと判断された場合には(ステップS207:YES)、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を+1に設定した後(ステップS208)、次の処理を実行する。
【0088】
カウンタ変数の値が最小に達していないと判断された場合には(ステップS207:NO)、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。そして、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を更新したか否かに関わらず、カウンタ変数の値に差分値変数の値を加算した値をカウンタ変数の新たな値とする(ステップS209)。
【0089】
カウンタ変数の値を更新した後、マイクロコントローラ421は、内部テーブルを参照して、更新したカウンタ変数の値に対応する駆動信号を生成する(ステップS210)。そして、マイクロコントローラ421は、生成した駆動信号を電力増幅回路422に向けて出力し(ステップS211)、ステップS202に進んで、上述のような処理を反復実行する。
【0090】
マイクロコントローラ421が上述のような処理を実行することによって、前記ステッピングモータ423が反復回動し、可変コンデンサ31の静電容量が変動する。この場合において、可変コンデンサ31の静電容量が変動する速度は、パルス信号生成器420が生成するパルス信号において、H状態とL状態とが交互に現れる、その周期に依存する。
【0091】
そして、可変コンデンサ31の静電容量が増減を繰り返すことにより、共振周波数を昇降させながら、搬送波周波数と略一致するような静電容量を探査する。このようにすれば、共振周波数を搬送波周波数に略一致している状態を維持しながら、非接触リーダライタと非接触データキャリアとを無線通信させることができる。
【0092】
[2−3] 第2の実施の形態の変形例
以上、本願発明の第2の実施の形態について説明したが、本実施の形態に関連して、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記第2の実施の形態においては、静電容量制御器42は、共振周波数を測定する装置43を用いて、定期的に共振周波数を計測するとしたが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、次のようにするとしても良い。
【0093】
すなわち、静電容量制御器42は、共振周波数を計測せよとの指示を外部から受け付けると、共振周波数を測定する装置43を用いて、共振周波数を計測して、可変コンデンサ41の静電容量を調整するとしても良い。この場合において、静電容量制御器42は、例えば、共振周波数を計測せよとの指示を非接触リーダライタから受け付けるとしても良い。
【0094】
[3] 第3の実施の形態
次に、本願発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムは、上記第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムと概ね同様の構成を備えており、共振周波数調整装置の構成に特徴を有している。
【0095】
[3−1] 共振周波数調整装置の構成と動作
図13は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。図13に示されるように、共振周波数調整装置5は、アンテナ50、可変コンデンサ51、静電容量制御器52、可変抵抗器53、および、抵抗値制御器54を備えている。ここで、アンテナ50、可変コンデンサ51、および、可変抵抗器53は並列共振回路を構成している。
【0096】
抵抗値制御器54は、可変抵抗器53の抵抗値を調整する。これによって、クオリティファクタが適当な値に調整される。また、上記第1の実施の形態におけるのと同様にして、静電容量制御器52によって可変コンデンサ51の静電容量が調整されることによって、共振周波数が調整されるので、各非接触データキャリアと非接触リーダライタとはより適切な電波条件において相互に通信をすることができる。
【0097】
[3−2] 第3の実施の形態の変形例
以上、本願発明の第3の実施の形態について説明したが、本実施の形態に関連して、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 本実施の形態においては、もっぱら上記第1の実施の形態と同様に、静電容量制御器52や抵抗値制御器54が、可変コンデンサ51の静電容量の所定範囲や可変抵抗器53の抵抗値の所定範囲を掃引することによって、共振周波数やクオリティファクタを調整することとしたが、これに代えて次のようにするとしても良い。
【0098】
すなわち、上記第2の実施の形態と同様に共振周波数を測定する装置を備えるとしても良い。そして、当該共振周波数を測定する装置を用いて共振周波数を計測しながら、可変コンデンサ51の静電容量や可変抵抗器53の抵抗値を調整するとしても良い。このような変形例によっても、本願発明の効果を得ることができる。
【0099】
(2) 本実施の形態においては、静電容量制御器52によって可変コンデンサ51の静電容量を調整すると共に、抵抗値制御器54によって可変抵抗器53の抵抗値を調整することによって、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させたり、クオリティファクタを変化させるとしたが、これに代えて、次のようにするとしても良い。
【0100】
すなわち、可変コンデンサ51に代えて、固定容量のコンデンサを備えるものとしても良い。したがって、この場合においては、静電容量制御器は不要のものとなる。このような共振周波数調整装置を用いれば、抵抗値制御器によって可変抵抗器の抵抗値を調整することができるので、クオリティファクタを調整して、非接触データキャリアの周波数特性を変化させることで、上記第3の実施の形態における場合よりも安価に通信を可能にすることができる。
【0101】
[4] 変形例
以上、本願発明の実施の形態について説明したが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、以下のような変形例を実施することができる。
すなわち、上記実施の形態においては、非接触リーダライタや非接触データキャリアとは別体に共振周波数調整装置を設けるとしたが、これに代えて、非接触リーダライタが共振周波数調整装置を内蔵するとしても良い。また、言うまでもなく、上述のように共振周波数調整装置を含む非接触データキャリアシステムも本願発明の効果を奏することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、前記共振周波数調整装置を用いて、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの共振周波数を調整するので、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる。
【0103】
また、本願発明に係る共振周波数調整装置によれば、既設の非接触データキャリアシステムに何ら変更を加えることなく共振周波数を調整することができるので、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数をより安価に一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタの主要な構成を模式的に示す図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触データキャリアの主要な構成を模式的に示す図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態に係る共振周波数調整装置を構成する静電容量制御器32の主要な構成を示す模式図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態に係る静電容量制御器32を構成するマイクロコントローラ321がステッピングモータ323を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの使用例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の第1の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の第2の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の第3の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3a〜3cの配置を示す図である。
【図10】本願発明の第2の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。
【図11】本願発明の第2の実施の形態に係る共振周波数調整装置を構成する静電容量制御器42の主要な構成を示す図である。
【図12】本願発明の第2の実施の形態に係る静電容量制御器42を構成するマイクロコントローラ421がステッピングモータ423を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本願発明の第3の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1……………………………………………………………非接触リーダライタ
10、20、20a〜20c、30、30a〜30c、40、50…アンテナ
11、21…………………………………………………コンデンサ
12、23…………………………………………………受信回路
13、27…………………………………………………送信回路
14…………………………………………………………制御回路
2、2a、2b、2c……………………………………非接触データキャリア
22…………………………………………………………整流回路
24…………………………………………………………制御回路
25…………………………………………………………メモリ
26…………………………………………………………電源回路
3、3a、3b、3c、4、5…………………………共振周波数調整装置
31、41、51…………………………………………可変コンデンサ
32、42、52…………………………………………静電容量制御器
320、420……………………………………………パルス信号生成器
321、421……………………………………………マイクロコントローラ
322、422……………………………………………電力増幅回路
323、423……………………………………………ステッピングモータ
43…………………………………………………………共振周波数を測定する装置
53…………………………………………………………可変抵抗器
54…………………………………………………………抵抗値制御器
【発明の属する技術分野】
本願発明は、非接触データキャリアシステムに関し、特に、非接触リーダライタが複数の非接触データキャリアと通信するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金融取引や商品管理などを含む幅広い分野において、個体識別やデータ交換の用に供されている装置として、非接触データキャリアシステムが注目を集めている。非接触データキャリアシステムにおいては、電磁誘導結合方式を用いて、非接触リーダライタから非接触データキャリアに電力を供給しながら、これらの装置間で無線通信が行われる。
【0003】
非接触データキャリアシステムにおいては、磁気カードや接触型ICカードをデータキャリアとする接触型データキャリアシステムとは異なって、非接触リーダライタと非接触データキャリアが物理的に接触しないので、接触部分の腐食や汚損、接点の磨耗等に起因する通信不良を避けることができ、静電気や水に対しても優れた耐性を有している。
【0004】
また、非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタは、非接触データキャリアを抜き差しするための機構を必要としないため破損し難く、その意味においてメンテナンスフリーである。
しかしながら、同様の理由から、非接触データキャリアシステムにおいては、1つの非接触リーダライタの通信圏内に複数の非接触データキャリアが入り込むことがある。このような場合には、搬送周波数と非接触データキャリアの共振周波数がずれ、アンテナの端子間電圧が低下するために、通信ができなくなることがあるという問題がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、次のような非接触ICカードが提案されている(特許文献1を参照。)。すなわち、フレームエラーレートを参照することによって、非接触リーダライタからの受信状態と、非接触リーダライタからの電波の受信レベルとに応じて、非接触ICカードのアンテナ共振回路の共振周波数とクオリティファクタとを調整することにより、共振周波数のずれを解消するというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−334310号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示の非接触ICカードは、アンテナ共振回路の共振周波数やクオリティファクタを調整するために、可変抵抗素子と可変コンデンサとを搭載しなければならない。このため、非接触ICカードの生産性が低下し、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くという問題がある。
【0008】
本願発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる共振周波数調整装置、非接触リーダライタ、および、非接触データキャリアシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明に係る共振周波数調整装置は、非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムに用いられる共振周波数調整装置であって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
このようにすれば、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させ、ひとつの非接触リーダライタの通信可能圏内に複数の非接触データキャリアが存在する場合であっても、円滑な無線通信を実現することができる。
また、この場合において、非接触リーダライタや非接触データキャリアに何らの変更も加える必要がないので、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことがない。
【0011】
また、本願発明に係る共振周波数調整装置は、非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムに用いられる共振周波数調整装置であって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの共振周波数が前記搬送波周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送波周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
このようにしても、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる。
特に、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数を搬送波周波数と略同一に保つことができるので、非接触リーダライタと非接触データキャリアとをより効率的に無線通信させることができる。
【0013】
また、本願発明に係る共振周波数調整装置は、前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備えるとすれば、更に好適である。
また、本願発明に係る非接触リーダライタは、所定の搬送波周波数にて非接触データキャリアと無線通信する非接触リーダライタであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
このようにすれば、ひとつの非接触リーダライタの通信可能圏内に複数の非接触データキャリアが存在する場合であっても、非接触データキャリアの個数に応じて、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができるので、円滑な無線通信を実現することができる。
また、本願発明に係る非接触リーダライタは、所定の搬送波周波数にて非接触データキャリアと無線通信する非接触リーダライタであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記非接触データキャリアとの間の共振周波数が前記搬送周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
このようにすれば、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数を搬送波周波数と略同一に保つことができるので、より効率的な無線通信を実現することができる。
また、本願発明に係る非接触リーダライタは、前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備えるとすれば、更に好適である。
【0016】
また、本願発明に係る非接触データキャリアシステムは、所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触リーダライタと非接触データキャリアとを備える非接触データキャリアシステムであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段とを備える共振周波数調整装置を備えることを特徴とする。
【0017】
このようにすれば、非接触リーダライタの通信可能圏内に存在する非接触データキャリアの個数に応じて、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる。
また、本願発明に係る非接触データキャリアシステムは、所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触リーダライタと非接触データキャリアとを備える非接触データキャリアシステムであって、コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの共振周波数が前記搬送波周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送波周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段とを備える共振周波数調整装置を備えることを特徴とする。
【0018】
このようにすれば、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数を搬送波周波数と略同一に保つことができる。
また、本願発明に係る非接触データキャリアシステムは、前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、前記共振周波数調整装置は、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備えるとすれば、なお好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係る非接触データキャリアシステムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムは、非接触リーダライタ、非接触データキャリア、および、共振周波数調整装置からなっている。
【0020】
[1−1] 非接触リーダライタの構成
図1は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタの主要な構成を模式的に示す図である。図1に示されるように、非接触リーダライタ1は、アンテナ10、コンデンサ11、受信回路12、送信回路13、および、制御回路14を備えている。
【0021】
制御回路14は、受信回路12や送信回路13を制御することにより、通信可能圏内に位置する非接触データキャリアにデータを書き込んだり、当該非接触データキャリアからデータを読み出したりする回路である。制御回路14は、非接触データキャリアへ送信するコマンドやデータを送信データ信号として、送信回路13に入力する。また、制御回路14は、受信回路12から、受信データ信号を受け付ける。
【0022】
送信回路13は、制御回路14から受け付けた送信データ信号を変調して、送信変調信号を出力する回路である。送信回路13は、送信変調信号をアンテナ10へ向けて出力する。
アンテナ10は、送信回路13から送信変調信号を受け付けると、非接触データキャリアへ向けて、電波を送信するコイル状のアンテナである。また、アンテナ10は、非接触データキャリアから、電波を受信すると、受信変調信号を受信回路12に入力する。
【0023】
受信回路12は、アンテナ10から受信変調信号を受け付けると、これを復調して受信データ信号を生成する。受信回路12は、生成した受信データ信号を制御回路14に向けて出力する。
制御回路14は、受信回路12から、受信データ信号を受信すると、当該受信データ信号に含まれているデータを用いて所定の処理を実行する。
【0024】
コンデンサ11は、共振周波数を設定するためのコンデンサである。
非接触リーダライタ1が非接触データキャリアと通信するために使用する搬送波の周波数(以下、これを「搬送波周波数」という。)は、例えば、13.56MHzとすれば良い。
[1−2] 非接触データキャリアの構成
図2は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触データキャリアの主要な構成を模式的に示す図である。図2に示されるように、非接触データキャリア2は、アンテナ20、コンデンサ21、整流回路22、受信回路23、制御回路24、メモリ25、電源回路26、および、送信回路27を備えている。
【0025】
アンテナ20は、非接触リーダライタ1との間で電波を送受信するためのコイル状のアンテナである。アンテナ20には、共振周波数を設定するためのコンデンサ21が取り付けられている。アンテナ20は、非接触リーダライタ1から電波を受信すると、その両端に交流電流を生じる。
整流回路22は、例えば、ダイオードブリッジ整流器であって、アンテナ20の両端に生じた前記交流電流を整流する。これによって、電源回路26は、受信回路23、制御回路24、メモリ25、或いは、送信回路27といった非接触データキャリア2を構成する各回路に直流電圧を供給する。
【0026】
また、アンテナ20は、非接触リーダライタ1から電波を受信すると、これを受信変調信号として、受信回路23に入力する。
受信回路23は、アンテナ20から受信変調信号を受け付けると、これを復調して受信データ信号を生成する。受信回路23は、生成した受信データ信号を制御回路24に入力する。
【0027】
制御回路24は、受信回路23や送信回路27を制御することにより、非接触リーダライタ1との間でデータやコマンドの遣り取りをする回路である。
制御回路24は、受信回路23から、受信データ信号を受信すると、当該受信データ信号に含まれているコマンドやデータを用いて、所定の処理を実行する。所定の処理とは、例えば、非接触リーダライタ1から受け付けたデータをメモリ25に格納する処理である。
【0028】
また、制御回路24は、非接触リーダライタ1からコマンドに応じて、メモリ25からデータを読み出すとともに、読み出したデータを送信データ信号として、送信回路27に入力する。
送信回路27は、制御回路24から受け付けた送信データ信号を変調して、送信変調信号を出力する回路である。送信回路27は、送信変調信号をアンテナ10へ向けて出力する。
【0029】
アンテナ20は、送信回路27から送信変調信号を受け付けると、非接触リーダライタ1へ向けて、電波を送信する。
なお、非接触データキャリア2の共振周波数fは、アンテナ20を構成するコイルのインダクタンスがLであり、コンデンサ21の静電容量がCである場合、次式で表わされる。
【0030】
【数1】
【0031】
非接触データキャリア2の共振周波数fは、非接触リーダライタ1の搬送波周波数よりもやや高い値となっている。例えば、非接触リーダライタ1の搬送波周波数が13.56MHzである場合には、非接触データキャリア2の共振周波数が17MHz程度から19MHz程度までの値をとるように、アンテナ20のコイルのインダクタンスLとコンデンサ21の静電容量Cとを選択するとしても良い。
【0032】
[1−3] 共振周波数調整装置の構成
図3は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。図3に示されるように、共振周波数調整装置3は、アンテナ30、可変コンデンサ31、および、静電容量制御器32を備えており、これらによって並列共振回路を構成する。
【0033】
共振周波数調整装置3は、可変コンデンサ31の静電容量を変化させることによって、共振周波数を調整することができる。すなわち、非接触リーダライタ1の通信可能圏内に、複数の非接触データキャリア2が存在する場合に、共振周波数調整装置3を当該通信可能圏内に配置して、その可変コンデンサ31の静電容量を変化させれば、前記複数の非接触データキャリア2全体の共振周波数を調整することができる。
【0034】
したがって、共振周波数調整装置3を用いれば、非接触リーダライタ1と前記複数の非接触データキャリア2とが通信できるように、前記共振周波数を調整することができるのである。
静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量を制御する。本実施の形態においては、静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量を所定の最小値と所定の最大値との間を往復するように制御する。
【0035】
すなわち、静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量が所定の最小値となっている場合には、可変コンデンサ31の静電容量が単位時間に所定量だけ増加するように漸増させる。また、静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量が所定の最大値に達した場合には、可変コンデンサ31の静電容量が単位時間に所定量だけ減少するように漸減させる。
【0036】
非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2とが通信できる共振周波数にはある程度の範囲がある。したがって、上記のように可変コンデンサ31の静電容量を制御すれば、共振周波数が前記の範囲内にある程度の時間とどまることになる。この時間が、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2とが通信するに足るだけの長さとなるように、前記静電容量制御器32は、可変コンデンサ31の静電容量を制御するのである。
【0037】
[1−3−1] 静電容量制御器32の構成
静電容量制御器32の構成について更に詳しく説明する。
図4は、静電容量制御器32の主要な構成を示す図である。静電容量制御器32は、パルス信号生成器320、マイクロコントローラ321、電力増幅回路322、および、ステッピングモータ323を備えている。
【0038】
パルス信号生成器320は、定期的にパルス信号を生成して、マイクロコントローラ321に入力する。パルス信号生成器320には、例えば、シュミットトリガインバータを用いれば良い。
マイクロコントローラ321は、パルス信号生成器320から受け付けたパルス信号を計数して、ステッピングモータ323を駆動するための駆動信号を電力増幅回路322に入力する。
【0039】
電力増幅回路322は、マイクロコントローラ321から受け付けたステッピングモータ323への駆動信号を電力増幅して、ステッピングモータ323に入力する。ステッピングモータ323は、減速ギアを介して、可変コンデンサ31のシャフトに接続されており、当該シャフトを回転させることによって共振周波数を調整する。
【0040】
[1−3−2] 静電容量制御器32の動作
図5は、マイクロコントローラ321がステッピングモータ323を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。マイクロコントローラ321は、内部変数として、カウンタ変数と差分値変数とを使用する。また、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数の値に応じた駆動信号を生成するために、カウンタ変数の値と生成すべき駆動信号とを対応付けた内部テーブルを備えている。
【0041】
さて、図5に示されるように、マイクロコントローラ321は、プログラムに従って、先ず、カウンタ変数を初期化する(ステップS100)。当該カウンタ変数は整数値変数であり、初期値としてゼロを設定される。
また、マイクロコントローラ321は、差分値変数を初期化する(ステップS101)。当該差分値変数は、+1と−1とのいずれかの値をとる変数であり、初期値として+1を設定される。
【0042】
次に、マイクロコントローラ321は、パルス信号生成器320から受け付けたパルス信号を検査する。ここで、パルス信号生成器320が生成するパルス信号はH状態とL状態の2状態を交互にとる信号であって、所定の時間間隔ごとに一方の状態から他方の状態へと切り替わる。
本実施の形態においては、マイクロコントローラ321は、パルス信号がH状態からL状態に切り替わったのを検出する毎に、電力増幅回路322に入力する駆動信号を更新する。
【0043】
すなわち、マイクロコントローラ321は、先ず、パルス信号生成器から受け付けたパルス信号がH状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がH状態でないと判定されたら(ステップS102:NO)、言い換えると、パルス信号がL状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ321は、パルス信号がH状態であると判定されるまで待つ。
【0044】
マイクロコントローラ321は、パルス信号がH状態であると判定されたなら(ステップS102:YES)、次に、パルス信号がL状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がL状態でないと判定されたら(ステップS103:NO)、言い換えると、パルス信号がH状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ321は、パルス信号がL状態であると判定されるまで待つ。
【0045】
マイクロコントローラ321は、パルス信号がL状態であると判定されたなら(ステップS103:YES)、カウンタ変数の値を検査する。すなわち、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいか否かを検査する。
そして、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいと判断され場合には(ステップS104:YES)、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数を更新するために用いる差分値変数の値を−1に設定して(ステップS105)、次の処理に進む。カウンタ変数の値が所定の最大値に達していないと判断された場合には(ステップS104:NO)、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。
【0046】
また、マイクロコントローラ321は、カウンタ変数の値が最小値、すなわち、ゼロに等しいか否かを検査する。そして、カウンタ変数の値が最小値に等しいと判断された場合には(ステップS106:YES)、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を+1に設定した後(ステップS107)、次の処理を実行する。
【0047】
カウンタ変数の値が最小に達していないと判断された場合には(ステップS106:NO)、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。そして、マイクロコントローラ321は、差分値変数の値を更新したか否かに関わらず、カウンタ変数の値に差分値変数の値を加算した値をカウンタ変数の新たな値とする(ステップS108)。
【0048】
カウンタ変数の値を更新した後、マイクロコントローラ321は、内部テーブルを参照して、更新したカウンタ変数の値に対応する駆動信号を生成する(ステップS109)。そして、マイクロコントローラ321は、生成した駆動信号を電力増幅回路322に向けて出力し(ステップS110)、ステップS102に進んで、上述のような処理を反復実行する。
【0049】
マイクロコントローラ321が上述のような処理を実行することによって、前記ステッピングモータ323が反復回動し、可変コンデンサ31の静電容量が変動する。この場合において、可変コンデンサ31の静電容量が変動する速度は、パルス信号生成器320が生成するパルス信号において、H状態とL状態とが交互に現れる、その周期に依存する。
【0050】
可変コンデンサ31の静電容量が所定の最小値から所定の最大値まで、或いは逆に所定の最大値から所定の最小値まで変動する時間をパルス信号生成器320により調節することができる。したがって、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの通信が可能となるような静電容量の範囲に留まる時間が、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの通信が完了するのに要する時間以上であれば、初期の目的を達成することができる。
【0051】
また、可変コンデンサ31の静電容量の所定の最小値と所定の最大値とは、非接触リーダライタの通信可能圏内に非接触データキャリアがひとつだけ存在する場合と、予定される最大数の非接触データキャリアが非接触リーダライタの通信可能圏内に存在する場合とに、共振周波数を調整できるような値とするのが好適である。
【0052】
このように静電容量の範囲を設定すれば、静電容量の変動に要する時間が不必要に長くなるといった事態を回避して、通信効率を向上させることができる。
[1−4] 使用例
図6は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの使用例を示す図である。図6に示されるように、本使用例においては、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2a、2b、2cとが通信を行う。また、この通信を行うに際して、共振周波数調整装置3が共振周波数の調整を行う。
【0053】
非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにアンテナ平面が平行となっている。また、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにコイル軸が一致している。
【0054】
非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30が、このように配置されている場合に、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムはもっとも効率良く通信を行うことができる。
この場合において、非接触リーダライタ1は、非接触データキャリア2a〜2cの位置決めのために、スロットやホルダー等の機構を有しているとしても良い。
【0055】
[1−5] 第1の実施の形態の効果
このように、本実施の形態によれば、共振周波数調整装置3を用いて、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2との共振周波数を調整するので、非接触データキャリア2の生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリア2のコストの上昇を招くことなく、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2との間の共振周波数のずれを解消することができる。
【0056】
また、共振周波数調整装置3によれば、既設の非接触データキャリアシステムに何ら変更を加える必要がないので、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの間の共振周波数のずれをより安価に解消することができる。
また、一般的に、非接触データキャリアシステムにおいては、磁気カードや接触型ICカードをデータキャリアとする接触型データキャリアシステムとは異なって、非接触リーダライタとデータキャリアが物理的に接触しないので、接触部分の腐食や汚損、接点の磨耗等に起因する通信不良を避けることができ、静電気や水に対しても優れた耐性を有している。
【0057】
また、非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタは、データキャリアを抜き差しするための機構を必要としないため破損し難く、その意味においてメンテナンスフリーである。
本実施の形態によれば、以上のような非接触データキャリアシステムの長所を損なうことなく、本願発明の効果を得ることができる。
【0058】
[1−6] 第1の実施の形態の変形例
以上、本願発明の第1の実施の形態について説明したが、本実施の形態に関連して、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記第1の実施の形態においては、共振周波数調整装置3は可変コンデンサ31を備えているとしたが、これに代えて、次のようにするとしても良い。
【0059】
すなわち、非接触リーダライタ1と同時に通信する非接触データキャリア2の共振周波数および個数、並びに、非接触リーダライタ1と非接触データキャリア2との位置関係があらかじめ固定されている場合には、共振周波数調整装置3の可変コンデンサ31に代えて固定容量のコンデンサを用いるとしても良い。
このようにしても、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。また、本変形例に係る共振周波数調整装置は固定容量のコンデンサを用いるので、前記共振周波数調整装置3とは異なって、静電容量制御器32を必要としない。したがって、より低いコストで、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
【0060】
(2) 上記第1の実施の形態においては、図6に示されるように、非接触データキャリア2a〜2cを挟んで、非接触リーダライタ1と共振周波数調整装置3とが対向するような配置を採用した使用例について説明したが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、上記配置に代えて、次のような配置を採用するとしても良い。
【0061】
図7は、本実施の形態の第1の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
図7にて示されるように、本変形例に係る非接触データキャリアシステムおいては、上記第1の実施の形態にて説明したのと同様に、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにアンテナ平面が平行となっている。
【0062】
また、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにコイル軸が一致している。
一方、本変形例においては、上記第1の実施の形態におけるのとは異なって、非接触リーダライタ1のアンテナ10のアンテナ平面と共振周波数調整装置3のアンテナ30のアンテナ平面とが同一平面に属しており、かつ、当該平面上において、共振周波数調整装置3のアンテナ30が非接触リーダライタ1のアンテナ10を囲繞している。
【0063】
このような配置を採用するとしても、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
また、次のような配置を採用するとしても良い。図8は、本実施の形態の第2の変形例に係る非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
【0064】
図8にて示されるように、本変形例においては、上記第1の実施の形態にて説明したのと同様に、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3のアンテナ30は、互いにアンテナ平面が平行となっており、かつ、互いにコイル軸が一致している。
【0065】
一方、本変形例においては、上記第1の実施の形態におけるのとは異なって、非接触リーダライタ1のアンテナ10のアンテナ平面と共振周波数調整装置3のアンテナ30のアンテナ平面とが同一平面に属しており、かつ、当該平面上において、非接触リーダライタ1のアンテナ10が共振周波数調整装置3のアンテナ30を囲繞している。
【0066】
このような配置を採用するとしても、やはり、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
(3) 上記第1の実施の形態においては、非接触リーダライタと通信する非接触データキャリアの個数に関わらず、共振周波数調整装置の台数は1台とする構成について説明したが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、上記構成に代えて、次のような構成を採用するとしても良い。
【0067】
図9は、本変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3a〜3cの配置を示す図である。
図9にて示されるように、本変形例に係る非接触データキャリアシステムにおいては、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3a〜3cのアンテナ30a〜30cは、互いにアンテナ平面が平行となっている。
【0068】
また、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3a〜3cのアンテナ30a〜30cは、互いにコイル軸が一致している。
このような配置を採用するとしても、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができる。
【0069】
また、共振周波数調整装置3a〜3cは、非接触データキャリア2a〜2cを格納するための容器であるとしても良い。例えば、非接触データキャリア2a〜2cが非接触ICカードであるような場合には、共振周波数調整装置3a〜3bが非接触ICカード2a〜2cを格納するためのカードホルダであるとしても良い。
【0070】
このようにすれば、上記第1の実施の形態におけるのと同様の効果を得ることができるのみならず、非接触データキャリア2a〜2cとそれを格納する共振周波数調整装置3a〜3cとの位置関係を良好に保つことができるので、本願発明の効果をより高めることができる。非接触データキャリアのアンテナ平面と共振周波数調整装置のアンテナ平面とを平行とし、両アンテナ軸を一致させることができるからである。
【0071】
(4) 上記第1の実施の形態においては、非接触データキャリアシステムにおいては、非接触リーダライタ1のアンテナ10、非接触データキャリア2a〜2cのアンテナ20a〜20c、および、共振周波数調整装置3a〜3cのアンテナ30a〜30cは、互いにアンテナ平面が平行となっており、かつ、アンテナ10、20a〜20c、30のコイル軸が一致している場合について説明したが、本願発明に係る非接触データキャリアシステムの使用例がこれに限定されないことは言うまでもなく、上記アンテナの位置関係が上述と異なっている場合においても、本願発明を適用してその効果を得ることができる。
【0072】
(5) 上記第1の実施の形態においては、カウンタ変数の値をゼロから所定の最大値までの範囲内で増減させるとしたが、このカウンタ変数の値はあくまで便宜的なものであって、例えば、カウンタ変数の値がゼロであるからといって、可変コンデンサ31の静電容量がゼロでなければならないということはない。
すなわち、可変コンデンサ31が増減する範囲は、必ずしも、可変コンデンサ31の静電容量の最小値から最大値までを範囲とするものでなくても良いことは言うまでもない。非接触リーダライタと非接触データキャリアとの通信を可能とするように共振周波数を調整するために必要な範囲でさえあれば、本願発明の効果を得ることができる。
【0073】
[2] 第2の実施の形態
次に、本願発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムは、上記第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムと概ね同様の構成を備えており、共振周波数調整装置の構成に特徴を有している。
【0074】
[2−1] 共振周波数調整装置の構成
図10は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。図10に示されるように、共振周波数調整装置4は、アンテナ40、可変コンデンサ41、静電容量制御器42、および、共振周波数を測定する装置43を備えている。ここで、アンテナ40と可変コンデンサ41とは並列共振回路を構成している。
【0075】
共振周波数を測定する装置43はLC発振器を備えた測定器であって、そのコイルを他の回路素子に電磁誘導結合させて共振周波数を測ることができる装置である。
すなわち、共振周波数を測定する装置43を測定対象に近づけて、その発振周波数を変化させた場合において、当該発振周波数が測定対象の共振周波数に近づくと、共振周波数を測定する装置43の発振エネルギーが測定対象である共振回路により消費される。このように共振回路が発振エネルギーを消費したか否かを検出することによって、共振周波数を検出することができる。
【0076】
本実施の形態においては、共振周波数を測定する装置43を用いて、非接触リーダライタや非接触データキャリア、共振周波数調整装置からなる共振回路の共振周波数を測定する。
[2−1−1] 静電容量制御器42の構成
静電容量制御器42の構成について更に詳しく説明する。
【0077】
図11は、静電容量制御器42の主要な構成を示す図である。静電容量制御器42は、パルス信号生成器420、マイクロコントローラ421、電力増幅回路422、および、ステッピングモータ423を備えている。
パルス信号生成器420は、定期的にパルス信号を生成して、マイクロコントローラ421に入力する。パルス信号生成器420には、例えば、シュミットトリガインバータを用いれば良い。
【0078】
マイクロコントローラ421は、パルス信号生成器420から受け付けたパルス信号を計数して、ステッピングモータ423を駆動するための駆動信号を電力増幅回路422に入力する。また、マイクロコントローラ421は、共振周波数を測定する装置43から検出信号を受け付けている。
マイクロコントローラ421は、当該検出信号にて共振周波数が搬送波周波数に略一致したことを検出すると、可変コンデンサ41の静電容量が最適値となったと判定して、ステッピングモータ423を停止させる。
【0079】
電力増幅回路422は、マイクロコントローラ421から受け付けたステッピングモータ423への駆動信号を電力増幅して、ステッピングモータ423に入力する。ステッピングモータ423は、減速ギアを介して、可変コンデンサ41のシャフトに接続されており、当該シャフトを回転させることによって共振周波数を調整する。
【0080】
[2−2] 静電容量制御器42の動作
図12は、マイクロコントローラ421がステッピングモータ423を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。マイクロコントローラ421は、内部変数として、カウンタ変数と差分値変数とを使用する。また、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数の値に応じた駆動信号を生成するために、カウンタ変数の値と生成すべき駆動信号とを対応付けた内部テーブルを備えている。
【0081】
さて、図12に示されるように、マイクロコントローラ421は、プログラムに従って、先ず、カウンタ変数を初期化する(ステップS200)。当該カウンタ変数は整数値変数であり、初期値としてゼロを設定される。
また、マイクロコントローラ421は、差分値変数を初期化する(ステップS201)。当該差分値変数は、+1と−1とのいずれかの値をとる変数であり、初期値として+1を設定される。
【0082】
次に、マイクロコントローラ421は、共振周波数を測定する装置43から受け付けた検出信号を検査する。例えば、共振周波数を測定する装置43は、共振周波数が搬送波周波数に略一致すると前記検出信号をL状態とし、さもなければ、前記検出信号をH状態とするものとすれば良い。
マイクロコントローラ421は、前記検出信号を検査することによって、共振周波数が搬送波周波数に略一致していると判定した場合には(ステップS202:YES)、ステッピングモータ423の駆動は実行せず、前記検出信号の検査を繰り返す。
【0083】
共振周波数が搬送波周波数に略一致していないと判定した場合には(ステップS202:NO)、マイクロコントローラ421は、パルス信号生成器420から受け付けたパルス信号を検査する。本実施の形態においては、マイクロコントローラ421は、上記第1の実施の形態におけるのと同様にしてパルス信号の検査を実行する。
【0084】
すなわち、マイクロコントローラ421は、先ず、パルス信号生成器から受け付けたパルス信号がH状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がH状態でないと判定されたら(ステップS203:NO)、言い換えると、パルス信号がL状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ421は、パルス信号がH状態であると判定されるまで待つ。
【0085】
マイクロコントローラ421は、パルス信号がH状態であると判定されたなら(ステップS203:YES)、次に、パルス信号がL状態であるか否かを検査する。そして、パルス信号がL状態でないと判定されたら(ステップS204:NO)、言い換えると、パルス信号がH状態であると判定されたなら、マイクロコントローラ421は、パルス信号がL状態であると判定されるまで待つ。
【0086】
マイクロコントローラ421は、パルス信号がL状態であると判定されたなら(ステップS204:YES)、カウンタ変数の値を検査する。すなわち、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいか否かを検査する。
そして、カウンタ変数の値が所定の最大値に等しいと判断された場合には(ステップS205:YES)、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数を更新するために用いる差分値変数の値を−1に設定して(ステップS206)、次の処理に進む。カウンタ変数の値が所定の最大値に達していないと判断された場合には(ステップS205:NO)、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。
【0087】
また、マイクロコントローラ421は、カウンタ変数の値が最小値、すなわち、ゼロに等しいか否かを検査する。そして、カウンタ変数の値が最小値に等しいと判断された場合には(ステップS207:YES)、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を+1に設定した後(ステップS208)、次の処理を実行する。
【0088】
カウンタ変数の値が最小に達していないと判断された場合には(ステップS207:NO)、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を更新することなく、次の処理に進む。そして、マイクロコントローラ421は、差分値変数の値を更新したか否かに関わらず、カウンタ変数の値に差分値変数の値を加算した値をカウンタ変数の新たな値とする(ステップS209)。
【0089】
カウンタ変数の値を更新した後、マイクロコントローラ421は、内部テーブルを参照して、更新したカウンタ変数の値に対応する駆動信号を生成する(ステップS210)。そして、マイクロコントローラ421は、生成した駆動信号を電力増幅回路422に向けて出力し(ステップS211)、ステップS202に進んで、上述のような処理を反復実行する。
【0090】
マイクロコントローラ421が上述のような処理を実行することによって、前記ステッピングモータ423が反復回動し、可変コンデンサ31の静電容量が変動する。この場合において、可変コンデンサ31の静電容量が変動する速度は、パルス信号生成器420が生成するパルス信号において、H状態とL状態とが交互に現れる、その周期に依存する。
【0091】
そして、可変コンデンサ31の静電容量が増減を繰り返すことにより、共振周波数を昇降させながら、搬送波周波数と略一致するような静電容量を探査する。このようにすれば、共振周波数を搬送波周波数に略一致している状態を維持しながら、非接触リーダライタと非接触データキャリアとを無線通信させることができる。
【0092】
[2−3] 第2の実施の形態の変形例
以上、本願発明の第2の実施の形態について説明したが、本実施の形態に関連して、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記第2の実施の形態においては、静電容量制御器42は、共振周波数を測定する装置43を用いて、定期的に共振周波数を計測するとしたが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、次のようにするとしても良い。
【0093】
すなわち、静電容量制御器42は、共振周波数を計測せよとの指示を外部から受け付けると、共振周波数を測定する装置43を用いて、共振周波数を計測して、可変コンデンサ41の静電容量を調整するとしても良い。この場合において、静電容量制御器42は、例えば、共振周波数を計測せよとの指示を非接触リーダライタから受け付けるとしても良い。
【0094】
[3] 第3の実施の形態
次に、本願発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムは、上記第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムと概ね同様の構成を備えており、共振周波数調整装置の構成に特徴を有している。
【0095】
[3−1] 共振周波数調整装置の構成と動作
図13は、本実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。図13に示されるように、共振周波数調整装置5は、アンテナ50、可変コンデンサ51、静電容量制御器52、可変抵抗器53、および、抵抗値制御器54を備えている。ここで、アンテナ50、可変コンデンサ51、および、可変抵抗器53は並列共振回路を構成している。
【0096】
抵抗値制御器54は、可変抵抗器53の抵抗値を調整する。これによって、クオリティファクタが適当な値に調整される。また、上記第1の実施の形態におけるのと同様にして、静電容量制御器52によって可変コンデンサ51の静電容量が調整されることによって、共振周波数が調整されるので、各非接触データキャリアと非接触リーダライタとはより適切な電波条件において相互に通信をすることができる。
【0097】
[3−2] 第3の実施の形態の変形例
以上、本願発明の第3の実施の形態について説明したが、本実施の形態に関連して、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 本実施の形態においては、もっぱら上記第1の実施の形態と同様に、静電容量制御器52や抵抗値制御器54が、可変コンデンサ51の静電容量の所定範囲や可変抵抗器53の抵抗値の所定範囲を掃引することによって、共振周波数やクオリティファクタを調整することとしたが、これに代えて次のようにするとしても良い。
【0098】
すなわち、上記第2の実施の形態と同様に共振周波数を測定する装置を備えるとしても良い。そして、当該共振周波数を測定する装置を用いて共振周波数を計測しながら、可変コンデンサ51の静電容量や可変抵抗器53の抵抗値を調整するとしても良い。このような変形例によっても、本願発明の効果を得ることができる。
【0099】
(2) 本実施の形態においては、静電容量制御器52によって可変コンデンサ51の静電容量を調整すると共に、抵抗値制御器54によって可変抵抗器53の抵抗値を調整することによって、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させたり、クオリティファクタを変化させるとしたが、これに代えて、次のようにするとしても良い。
【0100】
すなわち、可変コンデンサ51に代えて、固定容量のコンデンサを備えるものとしても良い。したがって、この場合においては、静電容量制御器は不要のものとなる。このような共振周波数調整装置を用いれば、抵抗値制御器によって可変抵抗器の抵抗値を調整することができるので、クオリティファクタを調整して、非接触データキャリアの周波数特性を変化させることで、上記第3の実施の形態における場合よりも安価に通信を可能にすることができる。
【0101】
[4] 変形例
以上、本願発明の実施の形態について説明したが、本願発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、以下のような変形例を実施することができる。
すなわち、上記実施の形態においては、非接触リーダライタや非接触データキャリアとは別体に共振周波数調整装置を設けるとしたが、これに代えて、非接触リーダライタが共振周波数調整装置を内蔵するとしても良い。また、言うまでもなく、上述のように共振周波数調整装置を含む非接触データキャリアシステムも本願発明の効果を奏することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、前記共振周波数調整装置を用いて、非接触リーダライタと非接触データキャリアとの共振周波数を調整するので、非接触データキャリアの生産性を損なうことなく、かつ、非接触データキャリアのコストの上昇を招くことなく、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数を一致させることができる。
【0103】
また、本願発明に係る共振周波数調整装置によれば、既設の非接触データキャリアシステムに何ら変更を加えることなく共振周波数を調整することができるので、搬送波周波数と非接触データキャリアの共振周波数をより安価に一致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタの主要な構成を模式的に示す図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの非接触データキャリアの主要な構成を模式的に示す図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態に係る共振周波数調整装置を構成する静電容量制御器32の主要な構成を示す模式図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態に係る静電容量制御器32を構成するマイクロコントローラ321がステッピングモータ323を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本願発明の第1の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの使用例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の第1の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
【図8】第1の実施の形態の第2の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3の配置を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の第3の変形例に係る非接触データキャリアシステムの非接触リーダライタ1、非接触データキャリア2a〜2c、および、共振周波数調整装置3a〜3cの配置を示す図である。
【図10】本願発明の第2の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。
【図11】本願発明の第2の実施の形態に係る共振周波数調整装置を構成する静電容量制御器42の主要な構成を示す図である。
【図12】本願発明の第2の実施の形態に係る静電容量制御器42を構成するマイクロコントローラ421がステッピングモータ423を駆動する駆動信号を生成するために実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本願発明の第3の実施の形態に係る非接触データキャリアシステムの共振周波数調整装置の主要な構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1……………………………………………………………非接触リーダライタ
10、20、20a〜20c、30、30a〜30c、40、50…アンテナ
11、21…………………………………………………コンデンサ
12、23…………………………………………………受信回路
13、27…………………………………………………送信回路
14…………………………………………………………制御回路
2、2a、2b、2c……………………………………非接触データキャリア
22…………………………………………………………整流回路
24…………………………………………………………制御回路
25…………………………………………………………メモリ
26…………………………………………………………電源回路
3、3a、3b、3c、4、5…………………………共振周波数調整装置
31、41、51…………………………………………可変コンデンサ
32、42、52…………………………………………静電容量制御器
320、420……………………………………………パルス信号生成器
321、421……………………………………………マイクロコントローラ
322、422……………………………………………電力増幅回路
323、423……………………………………………ステッピングモータ
43…………………………………………………………共振周波数を測定する装置
53…………………………………………………………可変抵抗器
54…………………………………………………………抵抗値制御器
Claims (9)
- 非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムに用いられる共振周波数調整装置であって、
コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、
前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段と
を備えることを特徴とする共振周波数調整装置。 - 非接触リーダライタと非接触データキャリアとが所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触データキャリアシステムに用いられる共振周波数調整装置であって、
コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、
前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの共振周波数が前記搬送波周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、
前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送波周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段と
を備えることを特徴とする共振周波数調整装置。 - 前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、
前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の共振周波数調整装置。 - 所定の搬送波周波数にて非接触データキャリアと無線通信する非接触リーダライタであって、
コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、
前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段と
を備えることを特徴とする非接触リーダライタ。 - 所定の搬送波周波数にて非接触データキャリアと無線通信する非接触リーダライタであって、
コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、
前記非接触データキャリアとの間の共振周波数が前記搬送周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、
前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段と
を備えることを特徴とする非接触リーダライタ。 - 前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、
前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段
を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の非接触リーダライタ。 - 所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触リーダライタと非接触データキャリアとを備える非接触データキャリアシステムであって、
コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、
前記可変コンデンサの静電容量を変化させて、前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの間の共振周波数を調整する静電容量制御手段と
を備える共振周波数調整装置
を備えることを特徴とする非接触データキャリアシステム。 - 所定の搬送波周波数にて無線通信する非接触リーダライタと非接触データキャリアとを備える非接触データキャリアシステムであって、
コイル状のアンテナと可変コンデンサとを備える並列共振回路と、
前記非接触リーダライタと前記非接触データキャリアとの共振周波数が前記搬送波周波数に略一致しているか否かを判定する共振周波数判定手段と、
前記共振周波数検出手段にて、前記共振周波数が前記搬送波周波数に略一致していると判定されるように、前記可変コンデンサの静電容量を制御する静電容量制御手段と
を備える共振周波数調整装置
を備えることを特徴とする非接触データキャリアシステム。 - 前記並列共振回路は、可変抵抗器を備え、
前記共振周波数調整装置は、前記可変抵抗器の抵抗値を制御して、前記並列共振回路のクオリティファクタを調整する抵抗値制御手段を備える
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の非接触データキャリアシステム。
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