JP2004356656A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】転位密度の大小に関係なく、任意の色度の光を生成することのできるLED、特に三原色以上の白色LEDとして好適に使用することが可能な、新規な半導体発光素子を提供する。
【解決手段】半導体発光素子20を構成する下地層2を、AlN層から構成し、第1のクラッド層3を前記高結晶AlN層よりも格子定数の大きいn−GaNから構成する。また、発光層5をi−GaNからなる基層17と、この基層中に、互いに孤立するようにして形成されたi−AlGaInNからなる島状結晶12−1〜12−5とから構成する。そして、基層17及び島状結晶12−1〜12−5の少なくとも一方に、少なくとも一種の希土類元素を含有させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光素子に関し、詳しくは白色発光ダイオードなどとして好適に用いることのできる半導体発光素子に関する。
近年、様々な色の発光ダイオード(LED)の需要が増大している。LEDは消費電力が少なく、寿命も長いため、これまでのような単なる表示用のLEDとしてだけではなく、消費電力の低減、エネルギー消費削減に伴うCO2削減の観点から、照明用としてその需要増加が期待されている。
LEDとしては、これまで、GaAs系、AlGaAs系、GaP系、GaAsP系、InGaAlP系などで、赤色から黄緑色までのLEDが実用化され、特に表示用として様々な用途に用いられてきた。近年、GaN系において青色、緑色のLEDが実現されたことから、LEDでほぼ全色がでそろい、全ての色で表示ができるようになった他、フルカラーディスプレイも実現できるようになった。また、RGBを用いた白色LEDや、青色LEDの上に黄色の蛍光体をまぶし、二色をもとにした白色LEDが実用化されるにいたり、LEDによる照明が実現されつつある。
しかし、RGBを用いた白色LEDはそれぞれ異なるLEDチップを用い、コスト高となるため、照明用として実用化するのは困難と見られている。また、二色白色LEDは三原色でないため、この白色光のもとでは、フルカラーが認識できないという問題点がある。また、その輝度についてもまだ251m/W程度しか実現されておらず、蛍光灯の901m/Wには及んでいない。
以上のことから、三原色でより高効率のLEDが、低エネルギーで環境問題が解決できる照明用として、全世界で渇望されている。実際、このような白色照明用のLEDを実現するために、日本における国家プロジェクトだけではなく、米国、欧州でも多くの大手電気メーカーが積極的に開発に乗り出しているところである。
三原色以上の白色LEDを作製するためには、紫外LEDを作製して、この紫外線により三原色の蛍光体を発光させて白色LEDを得る試みがなされている。しかし、この方法は、その原理は蛍光灯と基本的には同じであり、蛍光灯における水銀放電による紫外発光を紫外LEDに置き換えるものである。このため、三原色の蛍光体を別途必要とする点から、コスト的なデメリットがある。また、GaN系では青色LEDができているが、紫外LEDのように短波長化すると、青色LEDに比べて発光効率が激減するという問題がある。
この発光効率の激減については、以下のように考えられている。GaN系のエピタキシャル膜をサファイアなど格子定数が一致しない基板上に成長させると、エピタキシャル膜と基板の界面にミスフィット転位が発生し、これがエピタキシャル膜中、さらにはその上に形成された発光層中に伝播するために、転位密度が著しく増大する。
しかしながら、サファイア基板上に作製したGaN系の青色、緑色の発光ダイオードでは、発光層として用いるInGaN系のエピタキシャル層の中で、Inが局在化し、そのためにキャリヤが局在化して閉じ込められる。このため、転位が存在する位置までキャリヤが移動することなく再結合するため、十分な発光効率が得られる。
すなわち、転位の存在が発光効率に影響しないのではなく、Inの局在化に伴いキャリヤが局在化され、非発光中心として作用する転位の位置までキャリヤが移動する前にキャリヤが再結合して発光するため、上記GaN系の青色、緑色の発光ダイオードで十分な発光効率を得ることができるものである。
しかしながら、紫外LEDを作製するためには、発光層中のInの濃度を低減させることが要求される。このため、Inの局在化が起こらなくなるため、キャリヤの拡散長が長くなり、転位が存在する位置までキャリヤが移動するため再結合しやすくなる。したがって、もともと高転位密度である青色LEDよりも、紫外LEDでは発光効率が大幅に低減される。このため、転位密度の低減を図るべく各種の方法が考案されている。
例えば、エピタキシャル成長の途中で、SiO2などのストライプのマスクを作製して、エピタキシャル膜/基板界面で発生したミスフィット転位がエピタキシャル膜上に伝播することを防止し、これによって前記マスク上に転位密度が低減された発光層を形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法は、プロセスが複雑であり、製造コストが高くなるほか、厚いGaN系膜を成長させるため、基板が反ってしまい、実際、デバイスプロセスに使用すると大半の基板が割れてしまうという決定的な問題点があり、実用化を妨げている。
また、転位密度を低減させるために、GaN系の格子整合エピタキシャル成長ができるように、バルクのGaN結晶を成長させる試みがなされている。このような方法としては、高圧溶液成長法、気相成長法、フラックス法などがある。しかし、現在のところ、LEDを工業的に製造できるような大型単結晶の育成にはまだ目処はたっていない。
さらに、転位密度が低いバルクのGaN結晶を得るために、HVPE法を用いて、格子整合する酸化物などの基板上に厚いGaN単結晶を成長させ、その後、もとの基板を除去して、バルクGaN単結晶基板を得る試みもなされているが、未だLEDを工業的に製造できるような高品質の単結晶基板は得られるようになっていない。
このような状況であるため、紫外LEDを用いて蛍光体を光らせて作る三原色以上の白色LEDについては、高い発光効率が得られる技術的見通しがないという問題がある。
本発明は、転位密度の大小に関係なく、任意の色度の光を生成することのできるLED、特に三原色以上の白色LEDとして好適に使用することが可能な、新規な半導体発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の半導体発光素子は、
Al、Ga、及びInの少なくとも一つを含む窒化物半導体からなる基層中に、Al、Ga、及びInの少なくとも一つを含み、前記窒化物半導体よりも面内格子定数の大きい追加の窒化物半導体からなる、それぞれが孤立した複数の島状結晶を含んでなる発光層を具え、
前記基層を構成する前記窒化物半導体のバンドギャップ(BG1)、及び前記島状結晶を構成する前記追加の窒化物半導体のバンドギャップ(BG2)がBG1>BG2の関係を満たし、
前記発光層を構成する前記基層及び前記複数の島状結晶の少なくとも一方は、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を添加元素として含有し、発光層全体として任意の色度の光を生成するようにしたことを特徴とする。
近年においては、発光層として、格子不整合する系で孤立した小さい島状結晶を形成させ、これを発光させてなるLEDについて研究が盛んになされている。本発明者らは、上記のような島状結晶を有する発光層を具えた半導体発光素子の有する潜在的な性能に着目し、前記半導体発光素子の製造条件などを検討することにより改良を加えた。
しかしながら、島状結晶を有する発光層を具える半導体発光素子を単に形成したのみでは、実用に足る発光強度を有するとともに、所望する色度の光、特に白色光を生成することが困難であった。そこで、本発明者らは、前記発光層を構成する前記島状結晶及びこの島状結晶が存在する基層中の少なくとも一方に、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を添加元素として含有させることを想到した。
希土類元素及び遷移金属元素は外部からエネルギーを得て励起されると、その希土類元素及び遷移金属元素に固有の波長を有する光を発する。したがって、希土類元素及び/又は遷移金属元素を前記発光層中に含有させることによって、前記希土類元素及び/又は前記遷移金属元素は前記発光層を構成する前記複数の島状結晶からの発光によって励起されて固有の波長の光を発する。
したがって、前記発光層中に添加する希土類元素及び/又は遷移金属元素の種類を適宜に選択し、これらの元素からの発光を利用することにより、任意の色度の光、特に白色光の生成を簡易に行うことができる。励起が容易であること、並びに種々の固有波長を有することにより多彩な色度の光を容易に生成することができることから、好ましくは希土類元素を用いる。
また、互いに異なる複数の種類の希土類元素、例えば、青色領域の波長の光を生成させるためのTm、緑色領域の波長の光を生成するためのEr、さらに、赤色領域の波長の光を生成するためのEu又はPrを添加した場合は、これら希土類元素からの発光が重畳されるのみで白色光あるいは任意の色度の光を生成することができる。
本発明は上記のような膨大かつ長期に渡る研究開発の結果としてなされたものである。
なお、前記島状結晶は、例えば前記島状結晶の下地層として機能するクラッド層を構成する窒化物半導体の面内格子定数に対して、前記島状結晶を構成する前記第2の窒化物半導体の面内格子定数が大きくなるようにする。この場合、前記クラッド層上に通常の成膜処理を施すことにより、形成すべき膜に対して前記クラッド層から圧縮応力が作用し、前記膜が一様に平坦に形成されることなく、ドット状に形成されて、上記のような島状結晶が形成されるものである。
また、前記第1のクラッド層を構成する前記第3の窒化物半導体のバンドギャップ、前記基層を構成する前記第4の窒化物半導体のバンドギャップ、及び前記島状結晶を構成する前記第5の窒化物半導体のバンドギャップの大きさに対する上記順列は、前記島状結晶を構成する前記第5の窒化物半導体をエネルギー的に閉じ込めて、前記島状結晶からの発光を実現させるために要求されるものである。
以上説明したように、本発明の半導体発光素子は、互いに孤立した複数の島状結晶を有する発光層を具えている。そして、前記発光層を構成する前記島状結晶及びこの島状結晶が分布して存在する基層の少なくとも一方に、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の添加元素を含有している。したがって、これら添加元素及び吸着元素の種類を適宜に調節することにより、任意に色度の光、さらには白色光を実用的な発光効率で生成することが可能な半導体発光素子を提供することができる。
以下、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の半導体発光素子の一例を示す断面図である。図1に示す半導体発光素子20は、基板1と、この基板1上に第1の窒化物半導体としてAlNからなる下地層2と、この下地層2上に形成された第2の窒化物半導体としてn−AlGaNからなる第1の導電層3とを含む。
さらに、この第1の導電層3上に形成された第3の窒化物半導体としてn−AlGaNからなる第1のクラッド層4と、このクラッド層4上に形成された発光層5と、この発光層5上に形成された第6の窒化物半導体としてp−AlGaNからなる第2のクラッド層6とを含む。また、この第2のクラッド層6上に形成された第7の窒化物半導体としてp−AlGaNからなる第2の導電層7を具えている。
第1の導電層3の一部は露出しており、この露出した表面にはAl/Ptなる構成のn−電極8が形成されている。また、第2の導電層7上にはAu/Niなる構成のp−電極9が形成されている。
図2は、図1に示す半導体発光素子20における発光層5の部分を拡大して示す図である。図2から明らかなように、発光層5は、第4の窒化物半導体としてi−GaNからなる基層17中に、第5の窒化物半導体としてi−AlGaInNからなる島状結晶12−1〜12−5が形成されている。
なお、図1及び2においては、本発明の特徴を明確に説明すべく、各構成部分については実際のものと異なるように記載している。
本発明の半導体発光素子においては、第1のクラッド層4を構成する第3の窒化物半導体の面内格子定数に対して、島状結晶12を構成する第5の窒化物半導体の面内格子定数が大きくすることが好ましい。例えば、これらの面内格子定数差が、第3の窒化物半導体の格子定数を基準として0.4〜14%であることが好ましく、さらには2〜8%であることが好ましい。これによって、簡易に島状結晶を形成することができる。
また、発光層5を構成する基層17及び島状結晶12−1〜12−5の少なくとも一方は、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の添加元素を含有していることが必要である。前記添加元素の含有量については特に限定されるものではなく、添加元素の種類、基層又は島状結晶を構成する第4の窒化物半導体又は第5の窒化物半導体の材料組成、及び所望する発光強度などによって任意に選択されるものである。
望ましくは、本発明のように第4の窒化物半導体及び第5の窒化物半導体をAl、Ga、及びInの少なくとも一つを含有してなる窒化物半導体から構成する場合、結晶性を劣化させない範囲内で、できるだけ多く含有させる。具体的には、0.01〜7原子%の範囲で含有させることが好ましい。これによって、希土類元素や遷移金属元素の種類などによらず、実用に足る80 lm/W程度の発光強度の光を生成することができる。
上述したように、励起が容易であること、並びに種々の固有波長を有することにより多彩な色度の光を容易に生成することができることから、希土類元素を用いることが好ましい。
希土類元素の種類についても特には限定されず、所望する発光波長に応じて任意に選択することができる。上述したように、例えば、青色領域の波長の光を生成させるためには、Tmを用いることができ、緑色領域の波長の光を生成するためには、Erを用いることができる。さらに、赤色領域の波長の光を生成するためには、Eu又はPrを用いることができる。
したがって、これらの希土類元素を基層17及び島状結晶12−1〜12−5の少なくとも一方に含有させることにより、青色領域、緑色領域、赤色領域の光が互いに重畳されて、これら希土類元素からの発光のみで白色光あるいは任意の色度の光を生成することができる。
また、遷移金属元素としては、Fe、Co、Mn、Ni、Cu、及びZnなどを例示することができる。
図3は、図2に示す発光層の変形例を示す図である。図3に示す発光層5においては、発光層18を構成する基層18中に島状結晶13−1〜13−5、14−1〜14−5及び15−1〜15−5が段状に形成されている。
本発明によれば、多段に形成された島状結晶及びこれら島状結晶を支持する基層18の少なくとも一方に上述した希土類元素を含有させる。このように多段に形成された島状結晶を有する発光層中に希土類元素を含有させることによって、多種類の希土類元素を適当に分散させて含有させることができ、任意の色度の光、特に白色光の生成を簡易かつ正確に行うことができる。
前記添加元素は、所定の希土類元素源及び/又は遷移金属元素源から、前記基層及び/又は前記島状結晶を作製する間に、MBE法に基づいた分子線を照射することによって形成することができる。
なお、本発明において、発光層を構成する基層及び島状結晶はAl、Ga、及びInの少なくとも一つを含むことが必要であるが、必要に応じてGe、Si、Mg、Zn、Be、P、及びBなどの添加元素を含むことができる。また、意識的に添加した元素に限らず、成膜条件、原料、及び反応管材質に含まれる微量不純物を含むこともできる。
また、基板としては、サファイア単結晶、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgAl単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶などのIV族あるいはIV−IV族単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶、及びAlGaN単結晶などのIII−V族単結晶、ZrBなどのホウ化物単結晶などの、公知の基板材料から構成することができる。
特にサファイア単結晶基板を用いる場合については、下地膜を形成すべき主面に対して表面窒化処理を施すことが好ましい。前記表面窒化処理は、前記サファイア単結晶基板をアンモニアなどの窒素含有雰囲気中に配置し、所定時間加熱することによって実施する。そして、窒素濃度や窒化温度、窒化時間を適宜に制御することによって、前記主面に形成される窒化層の厚さを制御する。
このようにして表面窒化層が形成されたサファイア単結晶基板を用いれば、その主面上に順次形成される導電層、クラッド層、及び発光層の結晶性が向上し、発光効率などが改善される。
前記表面窒化層は、比較的厚く、例えば、ESCA分析によって、前記主面から1nmの深さにおける窒素含有量が5原子%以上となるように厚く形成することが好ましい。
また、図1に示すような本発明の半導体発光素子は、下地層、第1の導電層、及び発光層について上述した要件を満足する限りにおいて、通常の方法にしたがって製造することができる。
図4は、図2に示す発光層の他の変形例を示す構成図である。図中、図2と類似の部分については同じ符号を用いて表している。なお、図4においては、本発明の特徴を明確に説明すべく、各構成部分については実際のものと異なるように記載している。
図4に示す態様においては、i−GaNからなる基層17中に、i−AlGaInNからなる複数の島状結晶12−1〜12−3が形成されている。そして、島状結晶12−1〜12−3と基層17との界面には、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の吸着元素19が吸着されている。
吸着元素19の種類については、島状結晶12〜1〜12−3を構成する原子のダングリングボンドを消滅させるものであることが好ましい。また、吸着元素19は島状結晶12−1〜12−3の表面に吸着されて発光層5内に存在するため、注入電流によって励起されて所定の蛍光を発することが好ましい。
すなわち、吸着元素19も所定の蛍光を発し、発光層5の全体から得られる光の成分を構成することが好ましい。このため、吸着元素19は、発光層5の全体から所望する光が得られるように選択することが好ましい。この際、上述したように、励起が容易であること、並びに種々の固有波長を有することにより多彩な色度の光を容易に生成することができることから、吸着元素は希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素であることが好ましい。
なお、希土類元素及び遷移金属元素については、上述した基層及び/又は島状結晶中に含有させるものと同じものを用いることができる。特に、青色領域の蛍光を生成させるためには、Tmを用いることができ、緑色領域の波長の光を生成するためには、Erを用いることができる。さらに、赤色領域の波長の光を生成するためには、Eu又はPrを用いることができる。そして、これらを適宜に用いることによって発光層5において白色光を生成することもできる。
そして、吸着元素19は、所定の希土類元素源及び/又は遷移金属元素源からMBE法に基づいた分子線を照射することによって形成することができる。
なお、図4に示す態様においては、吸着元素19の他に、基層17及び/又は島状結晶12−1〜12−3内に、前述した希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含ませる。また、Al、Ga、及びInの他に、必要に応じてGe、Si、Mg、Zn、Be、P、及びBなどの添加元素を含むことができる。また、意識的に添加した元素に限らず、成膜条件、原料、及び反応管材質に含まれる微量不純物を含むこともできる。
(実施例1)
2インチ径の厚さ430μmのサファイア基板をH2SO4+H22で前処理した後、MOCVD装置の中に設置した。MOCVD装置には、ガス系としてNH3系、TMA、TMG、SiH4が取り付けてある。
最初に、基板を1200℃まで昇温した後、アンモニアガス(NH)を水素キャリアガスとともに5分間流し、前記基板の主面を窒化させた。なお、ESCAによる分析の結果、この表面窒化処理によって、前記主面には窒化層が形成されており、前記主面から深さ1nmにおける窒素含有量が7原子%であることが判明した。
次いで、H2を流速10m/secで流しながら、TMAとNH3を平均流速10m/secで流して、下地層としてのAlN層を厚さ1μmまで成長させた。このAlN層のX線回折ロッキングカーブの半値幅は90秒で、良質のAlN層ができることがわかった。
次いで、成長させたAlN層を保護するために、TMGとNH3を平均流速10m/secで流して、GaN膜を厚さ100Åに成長させた。成長終了後、AlN層とGaN膜のついた基板を取り出し、これをMBE装置の中に設置した。
MBE装置の固体源としては、7NのGa、7NのIn、6NのAl、3NのEr、Tm、Pr、Euを用いた。窒素源としては、SVTA社の高周波プラズマ装置により発生した原子状窒素を用いた。また、ドーパント源としては、n型のためのSiとp型のためのMgの固体源を設けた。
まず、基板を900℃まで加熱した後、H2とNH3を流すことにより保護層となっていたGaN膜を除去した。その後、基板を1000℃まで加熱して30分保持することにより表面の平坦化をした後、第1の導電層として750℃でSiをドープしたn−GaN層を厚さ1μm成長させた。
次いで、このn−GaN層上に、第1のクラッド層として780℃でSiをドープしたn−Al0.2Ga0.8N層を厚さ1μmに成長させた。その後、この上に発光層を構成する島状結晶を、In0.1Ga0.9Nから700℃で厚さ20Å、平均直径100Åで成長させた。その後、発光層を構成する基層を、前記孤立した島状結晶を埋め込むように、GaN層を750℃で厚さ200Åで成長させた。なお、島状結晶を成長させる際に、Er、Tm、Pr、Euを同時にドープさせた。
次いで、GaN層上に第2のクラッド層として、780℃でMgをドープしたp−Al0.2Ga0.8N層を厚さ50Å成長させ、最後に第2の導電層として780℃でMgをドープしたp−GaN層を厚さ2000Å成長させた。
成長終了後、上記のようにして形成した多層膜の一部を第1の導電層が露出するまで除去し、第2の導電層としてのp−GaN層上にAu/Niからなるp−電極を形成し、露出した第1の導電層としてのn−GaN層の表面上にAl/Tiからなるn−電極を形成した。
その後、前記p−電極及び前記n−電極間に電圧3.5Vを印加し、電流20mAを流したところ、80lm/Wの効率の白色発光を確認した。
(実施例2)
実施例1と同様にして厚さ20Å、平均直径100Åの、Er、Tm、Pr、及びEuをドープしたIn0.1Ga0.9N島状結晶を作製した後、この島状結晶の表面に前記固体源からEu、Er、及びTmの分子線を照射し、前記島状結晶の界面にこれらの希土類元素を吸着させた以外は、実施例1と同様にして半導体発光素子を作製した。
次いで、前記半導体発光素子の、p−電極及びn−電極間に電圧3.5Vを印加し、電流20mAを流したところ、100lm/Wの効率の白色発光を確認した。
以上、実施例1及び2より、本発明の半導体発光素子が実用的な白色発光の素子として動作できることが確かめられた。また、島状結晶中にErなどの希土類元素を含有させることに加えて、島状結晶と第1のクラッド層との界面に同じくErなどの希土類元素を吸着させた実施例2の半導体発光素子においては、白色発光の効率が増大していることが分かる。
以上、具体例を挙げながら、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
例えば、図1に示す半導体発光素子及び実施例に示す半導体発光素子においては、発光層5を中心として下側の層をn型とし、上側の層をp型としているが、両者を逆転させて形成することもできる。また、図3においては、島状結晶を3段に形成しているが、2段あるいは4段以上に形成することもできる。
さらに、上記各層は、量子井戸構造を含む多層構造とすることもできる。また、素子全体の品質を向上させる目的で、バッファ層を、各種結晶欠陥を低減した膜、例えばELO成長させた膜から構成することもできる。また、基板と第1のクラッド層との間に、温度、流量、圧力、原料供給量、及び添加ガス量などの成膜条件を変化させてバッファ層を挿入したり、ひずみ超格子などの多層積層膜を挿入することもできる。
本発明の第1の半導体発光素子の一例を示す断面図である。 本発明の半導体発光素子における発光層部分を拡大して示す図である。 本発明の半導体発光素子における発光層部分の他の例を拡大して示す図である。 本発明の第2の半導体発光素子における発光層を拡大して示す図である。
符号の説明
1 基板
2 下地層
3 第1の導電層
4 第1のクラッド層
5 発光層
6 第2のクラッド層
7 第2の導電層
8,9 電極
12−1〜12−5,13−1〜13−5,14−1〜14−5,15−1〜15−5 島状結晶
17,18 基層
19 吸着元素
20 半導体発光素子

Claims (5)

  1. Al、Ga、及びInの少なくとも一つを含む窒化物半導体からなる基層中に、Al、Ga、及びInの少なくとも一つを含み、前記窒化物半導体よりも面内格子定数の大きい追加の窒化物半導体からなる、それぞれが孤立した複数の島状結晶を含んでなる発光層を具え、
    前記基層を構成する前記窒化物半導体のバンドギャップ(BG1)、及び前記島状結晶を構成する前記追加の窒化物半導体のバンドギャップ(BG2)がBG1>BG2の関係を満たし、
    前記発光層を構成する前記基層及び前記複数の島状結晶の少なくとも一方は、希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を添加元素として含有し、発光層全体として任意の色度の光を生成するようにしたことを特徴とする、半導体発光素子。
  2. 希土類元素及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種の元素を、前記基層及び前記島状結晶間の界面に吸着したことを特徴とする、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記複数の島状結晶は、前記発光層を構成する前記基層中において複数の段状に分布していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記発光層を構成する基層及び島状結晶の少なくとも一方は、青色領域の光を発する第1の希土類元素と、緑色領域の光を発する第2の希土類元素と、赤色領域の光を発する第3の希土類元素とを含み、発光層全体として白色光を生成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の半導体発光素子。
  5. 前記添加元素の含有量が0.01〜7原子%であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の半導体発光素子
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