JP2004356368A - 半導体用接着剤付きテープおよびそれを用いた銅張り積層板、半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着性に優れ、高絶縁性と高耐熱性を有する新規な半導体用接着剤付きテープおよびそれを用いた銅張り積層板、半導体接続用基板ならびに半導体装置を提供することをその目的とする。
【解決手段】可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有しており、該不連続相が球状形であり、かつ下記の(1)〜(3)の要件を満たす半導体用接着剤付きテープ、およびその半導体用接着剤付きテープを用いた半導体集積回路接続用基板ならびにそれを用いた銅張り積層板および半導体装置。
(1)不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μm
(2)不連続相の粒径分布の尖度が10以上
(3)不連続相の最大粒径が20μm以下
【選択図】 なし
【解決手段】可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有しており、該不連続相が球状形であり、かつ下記の(1)〜(3)の要件を満たす半導体用接着剤付きテープ、およびその半導体用接着剤付きテープを用いた半導体集積回路接続用基板ならびにそれを用いた銅張り積層板および半導体装置。
(1)不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μm
(2)不連続相の粒径分布の尖度が10以上
(3)不連続相の最大粒径が20μm以下
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用接着剤付きテープおよびそれを用いた銅張り積層板、半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、半導体集積回路を実装する際に用いられる、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターン加工テープ、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポ−ザー等の半導体接続用基板、リードフレーム固定テープ、LOC固定テープおよび半導体素子等の電子部品とリードフレームや絶縁性支持基盤等の支持部材との接着、すなわち、ダイボンディング材、ヒートスプレッター、補強板、シールド材の接着剤、ソルダーレジスト、異方導電性フィルム、銅張り積層板およびカバーレイ等を作成するために適した接着剤を用いた接着剤付きテープ、およびそれを用いてなる半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路(IC)の実装には、金属製のリードフレームを用いた方式がもっとも多く用いられているが、近年では、ガラスエポキシやポリイミド等の有機絶縁性フィルム上にIC接続用の導体パターンを形成した、接続用基板を介した方式が増加している。
【0003】
パッケージ形態としては、デュアルインラインパッケージ(DIP)、スモールアウトラインパッケージ(SOP)あるいはクアッドフラットパッケージ(QFP)等のパッケージ形態が用いられてきた。しかしながら、ICの多ピン化とパッケージの小型化に伴って、最もピン数を多くすることができるQFPにおいても、それらの対応には限界が近づいている。そこで、パッケージの裏面に、接続端子を配列するBGA(ボ−ルグレッドアレイ)やCSP(チップスケールパッケージ)が用いられるようになってきた。
【0004】
また、半導体用接続基板の接続方式としては、代表的なものとして、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式によるテープキャリアパッケージ(TCP)が挙げられる。
【0005】
BGA、CSPがQFP、SOPと構造的に最も大きく異なる点は、前者がインターポーザーと称される基板を必要とするのに対し、後者は金属製のリードフレームを用いることにより必ずしも基板を必要としない点にある。ここでいうインターポーザーは、前述のTCPのパターンテープと同様の機能を有するものなので、TAB用接着剤付きテープを使用することができる。これは、インナーリードを有する接続方式に有利であることは当然であるが、半田ボール用の孔やIC用のデバイスホールを機械的に打ち抜いた後に、銅箔をラミネートするプロセスに特に適している。一方、ワイヤーボンディングにより接続するため、インナーリードが不要であったり、銅箔ごと半田ボール用の孔やIC用のデバイスホールを開けるプロセスでは、すでに銅箔を積層し、接着剤を加熱硬化させた銅張り積層板を用いてもよい。
【0006】
図1および図2に、BGA型半導体装置とCSP型半導体装置の一態様の断面図を示す。図1は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(BGA)の一態様を説明するための断面図である。また、図2は、従来の半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(CSP)の一態様を説明するための断面図である。
【0007】
図1において、半導体装置は、有機絶縁性フィルム12に接着剤13を介して導体集積回路15と半田ボール18が設けられており、有機絶縁性フィルム12の反対面に接着剤13とスティフナー(補強板)19から構成され、リード14と半導体集積回路ICチップ15を金バンプ17を介して接続され、封止樹脂16にて被覆されている。
【0008】
図2においては、有機絶縁性フィルム20に接着剤21を介して導体パターン22と半田ボール26、ソルダーレジスト27、封止樹脂24が設けられており、これに金バンプ25を介して半導体集積回路23が接続されている。
【0009】
一方、TAB方式は一括してボンディングする方式(ギャングボンディング)であるため、ICチップとインナーリードを接続する際に、他の接続方式と比べ短時間でボンディングできることからコスト的に有利であり、半田ボール用の孔やIC用のデバイス孔を機械的に打ち抜いた後に銅箔をラミネートするプロセス等にも適用されている。
【0010】
また、TCPの接続用基板(パターンテープ)には、TAB用接着剤付きテープ(以下TAB用テープと称する)が使用されるのが一般的である。通常のTAB用テープは、ポリイミドフィルムなどの可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、未硬化状態の接着剤層、および離型性を有するポリエステルフィルムなどの保護フィルム層を積層した3層構造で構成されている。
【0011】
TAB用テープは、(1)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、(2)銅箔との熱ラミネート、(3)パターン形成(レジスト塗布、エッチング、レジスト除去)、および(4)スズまたは金−メッキ処理などの加工工程を経てパターンテープに加工される。
【0012】
図3に、半導体集積回路搭載前のパターンテープの形状の一例を示す。図3は半導体集積回路搭載前のパターンテープの斜視図であり、図3において、有機絶縁性フィルム1上に接着剤層2と導体パターン5が配置されており、有機絶縁性フィルム1には有機絶縁性フィルム1を送るためのスプロケット孔3とデバイスを設置するデバイス孔4が設けられている。
【0013】
また、図4は、図3のパターンテープを使用した半導体装置の一態様の断面図を示す。図4において、パターンテープには、有機絶縁性フィルム1上に接着剤層2を介して固定されたインナーリード部6とアウターリード部7を有する導体パターン5が配置されている。このパターンテープのインナーリード部6を、保護膜11を有する半導体集積回路8の金バンプ10に熱圧着(インナーリードボンディング)し、半導体集積回路8搭載する。次いで、封止樹脂9による樹脂封止工程を経て半導体装置が作成される。また、インナーリード部6を有さず、パターンテープの導体パターン5と半導体集積回路8の金バンプ10との間をワイヤーボンディングで接続する方式も採用されている。このような半導体装置をテープキャリアパッケージ(TCP)型半導体装置と称する。最後に、TCP型半導体装置は、他の部品を搭載した回路基板等とアウターリード部7を介して接続(アウターリードボンディング)され、電子機器に実装される。
【0014】
TAB用テープや銅張り積層板等は、接着剤層は最終的にパッケージ内に残留するため、絶縁性、耐熱性および接着性が要求される。近年、電子機器の小型化や高密度化が進行するに伴い、例えば、TAB方式では、導体幅と導体間距離は非常に狭くなってきており、高い銅箔接着強度と絶縁性を有する接着剤の必要性が高まっている。このような観点から、従来のTAB用テープの接着剤層には、エポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂とポリアミド樹脂の混合組成物が主として用いられてきた(特許文献1参照。)。
【0015】
このように、導体幅の微細化に伴い、接着性と絶縁性等の要求レベルを向上するために接着剤層の相分離構造を制御する方法が提案されている(特許文献2参照。)が、これらの特性の両立を図ることはできても接着性が十分に満足できるレベルには達しているとは言えない。そこで、接着性を更に向上させ、かつ絶縁性と耐熱性に優れた接着剤層の開発が必要とされている。
【0016】
【特許文献1】
特開平2−143447号公報(請求項1−2)
【0017】
【特許文献2】
特開平10−107093号公報(請求項1)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、接着性に優れ、高絶縁性と高耐熱性を有する新規な半導体用接着剤付きテープ、およびそれを用いた銅張り積層板、半導体接続用基板ならびに半導体装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有しており、該不連続相が球状形で、かつ下記の(1)〜(3)の要件を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープである。
【0020】
(1)不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μm
(2)不連続相の粒径分布の尖度が10以上
(3)不連続相の最大粒径が20μm以下
また、本発明の半導体用接着剤付きテープは、次の好ましい態様を有するものである。
(a) 硬化前の接着剤層のヘイズが10〜80の範囲であること。
(b) 連続相が1種類以上の熱可塑性樹脂を含有し、不連続相が1種類以上の熱硬
化性樹脂を含有すること。
(c) 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を等量混合したときのヘイズが60以上である該熱硬化性樹脂と、同ヘイズが30以下である該熱硬化性樹脂を含むこと。
【0021】
本発明の半導体用接着剤付きテープは、半導体集積回路接続用基板ならびにそれを用いた銅張り積層板および半導体装置の製造に好適に用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体用接着剤付きテープは、基本構造として、可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有している。
【0023】
ここでいうところのミクロ相分離構造は、従来から、ポリマーブレンドあるいはブロックおよびグラフト共重合体において、透過型電子顕微鏡(TEM)、示走走査熱量計(DSC)、光分散、X線小角散乱あるいは赤外吸収スペクトル(IR)等の種々の方法で確認される、微細な不均一構造のことである、本発明における接着剤層のミクロ相分離構造とは、後述するように、特に超薄膜切片を金属化合物で染色する方法で、透過型電子顕微鏡により確認されるものをいう。
【0024】
本発明における接着剤層は、加熱等による硬化後に少なくとも連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を形成しているものである。ここでいう連続相は、成分が連結しており、かつ実質的に相互にマトリックス成分として不定型あるいは層状に混在した状態にあるものであれば特に制限されない。例えば、A相およびB相からなる2相系の場合、A相が球形状の孤立したドメインが、他方のB相からなる連続相のマトリックス中に分散した、いわゆる海島構造やサラミ構造等のものが例示される。一方、A相およびB相がラメラを形成した、変調構造のものはこれに該当しない。
【0025】
本発明における接着剤層では、2つ以上の特性の異なる成分をミクロな相分離構造で混在させることにより、単なる混合物以上の特性が発現されるものと推測される。したがって、本発明における接着剤層では、海島構造の不連続相が球形状であり、かつ、その不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μmを有し、粒径分布の尖度が10以上であり、最大粒径が20μm以下であることが必要である。平均粒径は好ましくは0.1〜0.3μmであり、粒径分布の尖度は好ましくは100以上である。そして、最大粒径は好ましくは 10μm以下である。
【0026】
不連続相の平均粒径が0.01μm未満であれば、接着性が単なる混合物としての平均的特性に近づき、逆に平均粒径が0.5μmを超えると不均一すぎてそれぞれの成分のいずれかの特性のみが発現されるので、いずれの場合も好ましくはない。
【0027】
この範囲の平均粒径の不連続相は、例えば、連続相成分(ここでは熱可塑性樹脂)に、それぞれ平均粒径の異なる2成分以上の不連続相成分(ここでは熱硬化性樹脂)を最終的に0.01〜0.5μmの範囲内になるような混合比で添加することで得ることができる。
【0028】
本発明において、粒径分布の尖度とは、平均粒径からの粒径分布の偏在度を意味しており、すなわち、尖度が大きいということは平均値から離れた広い粒径分布を有していることを示している。特に、分布形が右に歪んでいる(歪度が正の値をとる)ことが好ましく、つまり平均粒径より大きい粒径にかけて幅広い分布形状をしていることが重要である。これらのことにより、優れた絶縁性と耐熱性を有しながら、高接着性を実現することができる。また、接着剤層に適度なヘイズを与え有機絶縁性テープと接着剤層とのコントラストが明確になるため、半導体用接着剤付きテープ上の接着剤層の積層位置が容易に判別できて位置測定が容易に行うことが可能となる。尖度の好ましい範囲は10以上であるが、好ましい上限は120である。尖度は、より好ましくは50〜90である。
【0029】
この範囲の「粒径分布の尖度」は、例えば、粒径分布の異なる2成分以上の不連続相を形成する硬化剤成分の添加比率を制御することで得ることができる。
【0030】
不連続相の最大粒径は20μm以下である。最大粒径は好ましくは10μm以下であるが、20μmを超えると銅箔をラミネートする際に銅箔への埋まり込み不良が生じて、接着剤層に空洞(ボイド)が発生し表面品位が低下してくるので好ましくない。また、不連続相の形状は球形状であるが、最も大きい表面積を有する球状であることが好ましい。球状であれば連続相と不連続相との相互作用は大きくなり、両成分の特長が有効に発揮される。
【0031】
このような範囲の最大粒径の不連続相は、不連続相を有する複数成分の中の各成分と連続相を有する成分を単独で個別に等量混合したときに、最大粒径が20μm以下である不連続相を有する成分を選択することでうることができる。
【0032】
本発明の不連続相は球形状であり、この球形状は長軸に対する短軸の軸長の比率が好ましくは30〜100%で定義され、より好ましい比率は、50〜100%である。本発明では、不連続相は実質的に真球に近いものが最も好ましい。
【0033】
不連続相の球形状については、連続相と不連続相の表面エネルギーの差に関与し、両相の表面張力の差が大きい程不連続相は表面エネルギー的に安定化して球形状を形成する。そのため、球形状の不連続相を得るには、そのような成分の組み合わせを選択すれば良い。
【0034】
本発明における接着剤層は、上記構成のミクロ相分離構造を有していれば、それを構成する成分は特に限定されないが、連続相となる成分と不連続相となる成分との相溶性が重要であり、相溶性が良好過ぎても、不良でも目的とする構造が得られない。半導体用接着剤付きテープの要求特性から、好ましい連続相と不連続相の成分を例示すれば、連続相が熱可塑樹脂を含有し、不連続相が熱硬化樹脂を有する系の組合せからなる組成物が挙げられる。この場合は、連続相が接着性に寄与し、不連続相が耐熱性に寄与することになり、これらの特性を満足するためには上述した本発明内容に合致することが重要である。
【0035】
相溶性を表す特性値は種々あるが、硬化前の接着剤層のヘイズが10〜80の範囲にあることが好ましい。ヘイズが10未満では接着剤層と有機絶縁性フィルムとのコントラストが低減し、接着剤層の識別が難しい。また、ヘイズが80を超えると、接着剤層の表面欠点の識別が難しくなる。
【0036】
本発明の接着剤層においては、熱可塑樹脂と熱硬化樹脂とを等量(重量)混合したときのヘイズが、60以上である熱硬化樹脂と、同ヘイズが30以下である熱硬化樹脂を含むことが好ましい。これは、連続相である熱可塑樹脂に相溶性の比較的良好な熱硬化樹脂が微細な不連続相を形成し、非相溶な熱硬化樹脂が粗大な不連続相をそれぞれ独立的に形成することによって、不連続相の粒径分布を巧みに制御することができるからである。一部微細な不連続相と粗大な不連続相が会合しても、不連続相同士は独立して存在しているため、粒径分布を変化させるまでには至らない。双方の配合比率は、好ましくは高ヘイズ(60以上)樹脂/低ヘイズ(30以下)樹脂=5/95〜80/20の範囲であり、より好ましくは10/40〜70/30である。
【0037】
また、連続相と不連続相との相溶性を調節するために、必要に応じて、相溶化効果を有する物質(いわゆる、相溶化剤)を添加することは何ら制限されない。この場合、相溶化剤には連続相となる成分のいずれに対しても相溶することにより効果を発揮する非反応型と、連続相となる成分に対して反応し、共有結合により相溶化効果を発揮する反応型がある。いずれも相溶しすぎて不連続相の粒径分布が大きく変化する場合があるので、相溶化剤の種類の選択ならびに添加量の制御には注意が必要である。
【0038】
本発明において、上記連続相を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂ならびにNBR、SBR、イソプレンゴム等のエラストマが挙げられる。例えば、TAB用テープとして用いる場合、公知の種々のポリアミド樹脂を好ましく使用することができる。特に、接着剤層に可撓性をもたせ、かつ、低吸水率のため絶縁性に優れる、炭素数が20〜50であるジカルボン酸(いわゆるダイマー酸)を重縮合の必須成分として含むものが好適である。ダイマー酸を含むポリアミド樹脂は、常法によるダイマー酸とジアミンの重縮合により得られるが、この際にダイマー酸以外のアジピン酸、アゼライン酸あるいはセバシン酸等のジカルボン酸を共重合成分として含有してもよい。ジアミンはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン等の公知のものが使用でき、吸湿性と溶解性の点から2種以上の混合でもよい。
【0039】
また、不連続相を構成する熱硬化樹脂の一例としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シアナート樹脂、マレイミド樹脂およびアセタール樹脂等が挙げられ、特にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂を含むことが好ましい。
【0040】
フェノール樹脂としては、レゾール型およびノボラック型のいずれの樹脂であってもよい。例えば、ストレート以外にクレゾール、ターシャリブチルおよびノニルなど種々の置換基を有した構造のフェノール樹脂を使用することができ、また同時にこれらの異なった構造のフェノール樹脂を併用してもよい。また、レゾール型とノボラック型樹脂の併用も何ら制限がない。総フェノール樹脂の含有量は、熱可塑樹脂100重量部に対して好ましくは5〜100重量部、より好ましくは20〜70重量部である。
【0041】
エポキシ樹脂は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタレン等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン等が挙げられる。エポキシ樹脂の含有量は、熱可塑樹脂100重量部に対して好ましくは5〜100重量部、より好ましくは20〜70重量部である。また、エポキシ基当量は100〜800が好ましく、より好ましくは100〜300である。
【0042】
本発明において、接着剤層中には熱硬化樹脂の硬化剤および硬化促進剤を含んでいてもよい。例えば、熱硬化樹脂がエポキシ樹脂およびレゾール型フェノールである場合、芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミドおよびトリフェニルフォスフィン等公知のものが使用できる。硬化剤と硬化促進剤の含有量は、熱可塑樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
【0043】
本発明においける接着剤層中には、以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤やイオン捕捉剤などの有機あるいは無機成分を添加することは何ら制限されるものではない。
【0044】
本発明における保護フィルム層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムが使用可能である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリフェニレンサルファイドフィルムは、引張り弾性率と引張り伸度がパンチングに適しており、シャープなホール断面を形成することができ、特に好ましく用いられる。保護フィルム層の厚さとしては、好ましくは10〜100μmのものが使用できるが、より好ましくは20〜40μmである。
【0045】
さらに保護フィルム層における接着剤層と接する面は適度な離型性が必要とされ、一般的には保護フィルム層表面には離型処理等が施されている。代表的離型材としては、例えば、シリコーン系の離型材やフッ素系の離型材等が挙げられる。
【0046】
また、本発明で用いられる有機絶縁性フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよび芳香族ポリアミドなどのいわゆる耐熱性フィルム、あるいはフレキシブルエポキシ/ガラスクロスなどの複合材料などが好ましく挙げられる。また、有機絶縁性フィルムは、前述した保護フィルム層と同一フィルムであっても良い。
【0047】
本発明に使用する可撓性の有機絶縁性フィルムは、必要に応じてコロナ放電処理、低温プラズマ処理、あるいは易接着コーティング等の表面処理を施して用いることもできる。有機絶縁性フィルム厚みは可撓性を損なわない厚みであれば特に限定されないが、好ましくは15μm以上150μm以下、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。有機絶縁性フィルム厚みが薄過ぎると搬送、位置決め等が困難になり加工性が低下する。有機絶縁性フィルムには、高絶縁性、高耐熱性、高耐薬品性ならびに高温下、高湿化における高寸法安定性が要求される。特にポリイミドフィルムは、これらの要求を満たしていることから、好ましく用いられる。
【0048】
次に、本発明の半導体用接着剤付きテープの製造方法について説明する。まず、離型性を有する保護フィルム上に、熱可塑性樹脂ならびに該熱可塑性樹脂と等量混合したときのヘイズが60以上である熱硬化性樹脂と30以下である熱硬化性樹脂を上述した配合比率範囲内で混合した接着剤組成物を、溶剤に溶解した塗料を塗布し乾燥する。また、接着剤層の膜厚は10〜25μmとなるように塗布することが好ましい。ここで得られた接着剤層のヘイズは10〜80であることが重要である。
【0049】
塗布した接着剤組成物の乾燥条件は、接着剤の種類によるが、100〜180℃、1〜5分である。接着剤組成物として用いられる溶剤は特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系とメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系、DMF、NMP等のアミン系、MEK、MIBKのケトン系等の混合塗料が好適である。
【0050】
次に、このようにして得られた接着剤層を有する保護フィルムを、有機絶縁性フィルムにラミネートする。ラミネート条件としては、温度100〜160℃、押圧0.05〜0.3Mpaが好ましい。
【0051】
本発明の半導体用接着剤付きテープは、図3に示すような、半導体集積回路の実装方法であるテープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターンテープや、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポーザ等の半導体接続用基板、ダイボンディング材、リードフレーム固定テープ、LOCテープ、および多層基板の層間接着シート等のフィルム形状の接着剤を用いた半導体装置を作成するために好ましく使用され、特に図4に示すようなTCP型半導体装置や、図1に示すようなBGA型半導体装置、図2に示すようなCSP型半導体装置の作成に好ましく使用することができる。
【0052】
本発明の半導体集積回路接続用基板は、上記半導体用接着剤付きテープを使用したものであり、また本発明の半導体装置は、上記半導体集積回路接続用基板を用いたものである。
【0053】
例えば、本発明の半導体用接着剤付きテープをTAB用テープとして用いる場合は、上記半導体用接着剤付きテープを所定のパターンを有するパンチング用金型を設置しているプレス機によってパンチングを行い、保護フィルム層を剥離し銅箔ラミネートを行った後、加熱処理する。銅箔ラミネート条件は、温度100〜160℃、押圧0.1〜0.3MPaが好ましい。また加熱条件は、ステップ加熱していくことが好ましく、50〜90℃の比較的低温領域から除々に昇温しながら最終的には150〜180℃で加熱硬化していく。この段階で請求項1記載の熱硬化後の接着剤組成物が形成される。次いで、フォトリソグラフィ−により半導体集積回路接続用の導体回路を形成することで半導体集積回路接続用基板が得られ、その半導体集積回路接続用基板を用いて、400〜500℃、1秒〜1分の条件でインナーリードボンディングを行ない、半導体集積回路を接続し、しかる後に、エポキシ系液状封止剤で樹脂封止を行なうことで半導体装置を製造することができる。
【0054】
【実施例】
以下に、TAB用テープの実施例を挙げて、本発明の半導体用接着剤付きテープ等について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に評価方法について述べる。
【0055】
[評価方法]
(1)透過型電子顕微鏡による観察
サンプルは、80℃、3時間、100℃、5時間、150℃、5時間の熱硬化反応後のパターンテープから接着剤層の超薄切片を作成後、80℃で、リンタングステン酸(PTA)で染色して得た。観察は、透過型電子顕微鏡(日立製作所(株)製 H−7100FA型)を用い、加速電圧75kVで行った。不連続相の粒径分布は、10×10μmの面積を1万倍に拡大した写真から撮影されている不連続相の全てを抽出し画像解析した。適宜サンプリングした10カ所について同様の画像解析を行い、統計処理で平均値、尖度、最大値の平均値を算出した。
【0056】
(2)ヘイズ測定
(a)熱硬化樹脂の相溶性
各実施例記載のポリアミド樹脂と表1ならびに表2に示した各熱硬化樹脂をトルエン/IPA溶剤に等量混合し、10μm厚さになるように塗工、乾燥した後、ヘイズメータにて測定した。
【0057】
(b)硬化前後の接着剤層のヘイズ
硬化前はTAB用テープの保護フィルム層を剥離した後の接着剤層部分(10μm厚さ)について測定した。次いで、上記(1)と同一条件で加熱硬化した接着剤層部分についてヘイズを測定した。
【0058】
(3)接着力評価
TAB用テープサンプルの保護フィルムを剥離し、18μmの電解銅箔を、140℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃、3時間、100℃、5時間、150℃、5時間の順次加熱処理を行ない、銅箔付きTAB用テープを作成した。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離を行ない、接着強度評価用サンプルをそれぞれ作成した。次にホウフッ酸系の無電解スズメッキ液に70℃、5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施した後、導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、導体を90°方向に50mm/minの速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0059】
(4)硬化後の接着剤層の外観
上記(3)にて、加熱処理した銅箔付きTAB用テープをエッチングにて銅箔を除去し、接着剤層の表面を顕微鏡(50倍)にて観察した。
【0060】
(5)絶縁性評価
上記(3)にて得たメッキ処理した櫛形形状の評価用サンプル(導体幅25μm、導体間距離25μm)を用いて、恒温恒湿器(タバイエスペック(株)製 TPC−211D型)中で130℃、85%R.H、直流100Vの電圧を連続的に印加した状態において、抵抗値が10MΩ以下となる絶縁抵抗低下時間を測定した。
【0061】
(6)半田耐熱性
上記(1)にて得られた銅箔付きTAB用テープを85℃、85%RH、48時間調湿した後、所定の温度で溶融した半田槽に1分間浮かべ、接着剤層の膨れの有無を観察した。このときの膨れの発生しない上限の温度を半田耐熱性とした。
【0062】
(参考例1)(ポリアミド樹脂A1、A2の合成)
酸としてダイマー酸(ユニケマ社製商品名PRIPOL1009)およびアジピン酸を、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミンを用い、酸/アミン比をほぼ等量の範囲で、酸/アミン反応物、消泡剤および1%以下のリン酸触媒を加え、反応体を調製した。この反応体を、140℃、1時間撹拌加熱後、205℃まで昇温し、約1.5時間撹拌した。約2kPaの真空下で、0.5時間保持し、温度を低下させた。最後に、酸化防止剤(チバガイギ社製、(登録商標)”イルガノックス”1010)を添加し、アミン価、酸価とも0.1以下、重量平均分子量110,000のポリアミド樹脂A1および酸価10、重量平均分子量20,000のポリアミド樹脂A2を取り出した。
【0063】
(実施例1)
(a)TAB用テープの作成
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D(昭和高分子(株)製、(登録商標)“ショウノール”CKM908およびフェノール樹脂E(明和化成(株)製、商品名MR−1)、表2に示したエポキシ樹脂B(チバガイギ(株)製、商品名“CY179”エポキシ当量 138)をそれぞれ表3の接着剤の組成比(エポキシ樹脂および各フェノール樹脂の添加量は、ポリアミド樹脂100重量部に対する重量部を表すものとする)となるように配合し、さらに固形分に対し0.2重量%のジシアンジアミド(DICY)を硬化促進剤として添加し、濃度20重量%となるようにメタノール/トルエン=40/60の混合溶媒に30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作成し、この接着剤溶液をバーコータで、離型処理を施した保護フィルム(東レ(株)製、(登録商標)“ルミラー”25μm厚さ)に約12μmの乾燥厚さとなるように塗布し、150℃、4分間の乾燥を行ない接着剤シートを作成した。さらに、得られた接着剤シートを厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、(登録商標)“ユーピレックス”75S)に100℃、0.1MPaの条件でラミネートしてTAB用テープを作成した。
【0064】
(b)半導体集積回路接続用基板の作成
上記の手順で得られたTAB用テープを用いて、前述の評価方法(3)と同一の方法で半導体集積回路接続用の導体回路を形成し、図4に示すパターンテープを得た。
【0065】
(c)半導体装置の作成
上記(b)のパターンテープを用いて、450℃、1分の条件でインナーリードボンディングを行ない、半導体集積回路を接続した。次に、エポキシ系液状封止剤(ナミックス(株)製、(登録商標)“チップコート”1320−617)で樹脂封止を行い、図1で示される半導体装置を得た。
【0066】
(実施例2)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂DおよびE、表2に示したエポキシ樹脂CおよびD(新日鉄化学(株)製、商品名ESN−185、エポキシ当量277)、および硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0067】
(実施例3)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D(昭和高分子(株)製、(登録商標)“ショウノール”BKS316)、表2に示したエポキシ樹脂B(大日本インキ工業(株)、(登録商標)“エピクロン”HP4032D、エポキシ当量150)、エポキシ樹脂Cおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0068】
(実施例4)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂B、エポキシ樹脂C(住友化学(株)、商品名ESX220、エポキシ当量220)、および硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0069】
(実施例5)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂B、エポキシ樹脂Cおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0070】
(比較例1)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂(ジャパン・エポキシ・レジン社製、(登録商標)“エピコート”828エポキシ当量185)および硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0071】
(比較例2)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂E、表2に示したエポキシ樹脂Cおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0072】
(比較例3)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂Bおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0073】
(比較例4)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A2、表1に示したフェノール樹脂D(群栄化学工業(株)製、商品名PG4121)およびフェノール樹脂E(住友デュレズ(株)製 PR50087)、表2に示したエポキシ樹脂Bおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0074】
実施例1〜5と比較例1〜4の結果をまとめて表3に示す。実施例1〜5と比較例1〜3はいずれも球形状(短軸/長軸=90%〜100%)の不連続相を有するミクロ相分離構造を形成していることを確認した。比較例4は、2相がラメラを形成した変調構造であり、不連続相は存在しないことを意味している。
【0075】
上記実施例および比較例から、本発明のTAB用テープは、適度なヘイズを有し、硬化後の外観品位、接着性ならびに絶縁性、半田耐熱性に優れたものであることがわかった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、接着性、絶縁性および耐熱性に優れた新規な半導体用接着剤付きテープが得られる。この半導体用接着剤付きテープを用いることで高密度実装用の半導体装置ならびに半導体集積回路接続用基板を工業的に有利に製造することができ、得られる半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(BGA)の一態様を説明するための断面図である。
【図2】図2は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(CSP)の一態様を説明するための断面図である。
【図3】図3は、半導体集積回路搭載前のパターンテープの一態様を説明するための斜視図である。
【図4】図4は、図3のパターンテープを用いた半導体装置の一態様を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1、12、20:有機絶縁性フィルム
2、13、21:接着剤層
3:スプロケット孔
4:デバイス孔
5、14、22:導体パターン
6:インナーリード部
7:アウターリード部
8、15、23:半導体集積回路
9、16、24:封止樹脂
10、17、25:金バンプ
11:保護膜
18、26:ハンダボール
19:スティフナー
27:ソルダーレジスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体用接着剤付きテープおよびそれを用いた銅張り積層板、半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、半導体集積回路を実装する際に用いられる、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターン加工テープ、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポ−ザー等の半導体接続用基板、リードフレーム固定テープ、LOC固定テープおよび半導体素子等の電子部品とリードフレームや絶縁性支持基盤等の支持部材との接着、すなわち、ダイボンディング材、ヒートスプレッター、補強板、シールド材の接着剤、ソルダーレジスト、異方導電性フィルム、銅張り積層板およびカバーレイ等を作成するために適した接着剤を用いた接着剤付きテープ、およびそれを用いてなる半導体集積回路接続用基板ならびに半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路(IC)の実装には、金属製のリードフレームを用いた方式がもっとも多く用いられているが、近年では、ガラスエポキシやポリイミド等の有機絶縁性フィルム上にIC接続用の導体パターンを形成した、接続用基板を介した方式が増加している。
【0003】
パッケージ形態としては、デュアルインラインパッケージ(DIP)、スモールアウトラインパッケージ(SOP)あるいはクアッドフラットパッケージ(QFP)等のパッケージ形態が用いられてきた。しかしながら、ICの多ピン化とパッケージの小型化に伴って、最もピン数を多くすることができるQFPにおいても、それらの対応には限界が近づいている。そこで、パッケージの裏面に、接続端子を配列するBGA(ボ−ルグレッドアレイ)やCSP(チップスケールパッケージ)が用いられるようになってきた。
【0004】
また、半導体用接続基板の接続方式としては、代表的なものとして、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式によるテープキャリアパッケージ(TCP)が挙げられる。
【0005】
BGA、CSPがQFP、SOPと構造的に最も大きく異なる点は、前者がインターポーザーと称される基板を必要とするのに対し、後者は金属製のリードフレームを用いることにより必ずしも基板を必要としない点にある。ここでいうインターポーザーは、前述のTCPのパターンテープと同様の機能を有するものなので、TAB用接着剤付きテープを使用することができる。これは、インナーリードを有する接続方式に有利であることは当然であるが、半田ボール用の孔やIC用のデバイスホールを機械的に打ち抜いた後に、銅箔をラミネートするプロセスに特に適している。一方、ワイヤーボンディングにより接続するため、インナーリードが不要であったり、銅箔ごと半田ボール用の孔やIC用のデバイスホールを開けるプロセスでは、すでに銅箔を積層し、接着剤を加熱硬化させた銅張り積層板を用いてもよい。
【0006】
図1および図2に、BGA型半導体装置とCSP型半導体装置の一態様の断面図を示す。図1は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(BGA)の一態様を説明するための断面図である。また、図2は、従来の半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(CSP)の一態様を説明するための断面図である。
【0007】
図1において、半導体装置は、有機絶縁性フィルム12に接着剤13を介して導体集積回路15と半田ボール18が設けられており、有機絶縁性フィルム12の反対面に接着剤13とスティフナー(補強板)19から構成され、リード14と半導体集積回路ICチップ15を金バンプ17を介して接続され、封止樹脂16にて被覆されている。
【0008】
図2においては、有機絶縁性フィルム20に接着剤21を介して導体パターン22と半田ボール26、ソルダーレジスト27、封止樹脂24が設けられており、これに金バンプ25を介して半導体集積回路23が接続されている。
【0009】
一方、TAB方式は一括してボンディングする方式(ギャングボンディング)であるため、ICチップとインナーリードを接続する際に、他の接続方式と比べ短時間でボンディングできることからコスト的に有利であり、半田ボール用の孔やIC用のデバイス孔を機械的に打ち抜いた後に銅箔をラミネートするプロセス等にも適用されている。
【0010】
また、TCPの接続用基板(パターンテープ)には、TAB用接着剤付きテープ(以下TAB用テープと称する)が使用されるのが一般的である。通常のTAB用テープは、ポリイミドフィルムなどの可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、未硬化状態の接着剤層、および離型性を有するポリエステルフィルムなどの保護フィルム層を積層した3層構造で構成されている。
【0011】
TAB用テープは、(1)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、(2)銅箔との熱ラミネート、(3)パターン形成(レジスト塗布、エッチング、レジスト除去)、および(4)スズまたは金−メッキ処理などの加工工程を経てパターンテープに加工される。
【0012】
図3に、半導体集積回路搭載前のパターンテープの形状の一例を示す。図3は半導体集積回路搭載前のパターンテープの斜視図であり、図3において、有機絶縁性フィルム1上に接着剤層2と導体パターン5が配置されており、有機絶縁性フィルム1には有機絶縁性フィルム1を送るためのスプロケット孔3とデバイスを設置するデバイス孔4が設けられている。
【0013】
また、図4は、図3のパターンテープを使用した半導体装置の一態様の断面図を示す。図4において、パターンテープには、有機絶縁性フィルム1上に接着剤層2を介して固定されたインナーリード部6とアウターリード部7を有する導体パターン5が配置されている。このパターンテープのインナーリード部6を、保護膜11を有する半導体集積回路8の金バンプ10に熱圧着(インナーリードボンディング)し、半導体集積回路8搭載する。次いで、封止樹脂9による樹脂封止工程を経て半導体装置が作成される。また、インナーリード部6を有さず、パターンテープの導体パターン5と半導体集積回路8の金バンプ10との間をワイヤーボンディングで接続する方式も採用されている。このような半導体装置をテープキャリアパッケージ(TCP)型半導体装置と称する。最後に、TCP型半導体装置は、他の部品を搭載した回路基板等とアウターリード部7を介して接続(アウターリードボンディング)され、電子機器に実装される。
【0014】
TAB用テープや銅張り積層板等は、接着剤層は最終的にパッケージ内に残留するため、絶縁性、耐熱性および接着性が要求される。近年、電子機器の小型化や高密度化が進行するに伴い、例えば、TAB方式では、導体幅と導体間距離は非常に狭くなってきており、高い銅箔接着強度と絶縁性を有する接着剤の必要性が高まっている。このような観点から、従来のTAB用テープの接着剤層には、エポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂とポリアミド樹脂の混合組成物が主として用いられてきた(特許文献1参照。)。
【0015】
このように、導体幅の微細化に伴い、接着性と絶縁性等の要求レベルを向上するために接着剤層の相分離構造を制御する方法が提案されている(特許文献2参照。)が、これらの特性の両立を図ることはできても接着性が十分に満足できるレベルには達しているとは言えない。そこで、接着性を更に向上させ、かつ絶縁性と耐熱性に優れた接着剤層の開発が必要とされている。
【0016】
【特許文献1】
特開平2−143447号公報(請求項1−2)
【0017】
【特許文献2】
特開平10−107093号公報(請求項1)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、接着性に優れ、高絶縁性と高耐熱性を有する新規な半導体用接着剤付きテープ、およびそれを用いた銅張り積層板、半導体接続用基板ならびに半導体装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有しており、該不連続相が球状形で、かつ下記の(1)〜(3)の要件を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープである。
【0020】
(1)不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μm
(2)不連続相の粒径分布の尖度が10以上
(3)不連続相の最大粒径が20μm以下
また、本発明の半導体用接着剤付きテープは、次の好ましい態様を有するものである。
(a) 硬化前の接着剤層のヘイズが10〜80の範囲であること。
(b) 連続相が1種類以上の熱可塑性樹脂を含有し、不連続相が1種類以上の熱硬
化性樹脂を含有すること。
(c) 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を等量混合したときのヘイズが60以上である該熱硬化性樹脂と、同ヘイズが30以下である該熱硬化性樹脂を含むこと。
【0021】
本発明の半導体用接着剤付きテープは、半導体集積回路接続用基板ならびにそれを用いた銅張り積層板および半導体装置の製造に好適に用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体用接着剤付きテープは、基本構造として、可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有している。
【0023】
ここでいうところのミクロ相分離構造は、従来から、ポリマーブレンドあるいはブロックおよびグラフト共重合体において、透過型電子顕微鏡(TEM)、示走走査熱量計(DSC)、光分散、X線小角散乱あるいは赤外吸収スペクトル(IR)等の種々の方法で確認される、微細な不均一構造のことである、本発明における接着剤層のミクロ相分離構造とは、後述するように、特に超薄膜切片を金属化合物で染色する方法で、透過型電子顕微鏡により確認されるものをいう。
【0024】
本発明における接着剤層は、加熱等による硬化後に少なくとも連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を形成しているものである。ここでいう連続相は、成分が連結しており、かつ実質的に相互にマトリックス成分として不定型あるいは層状に混在した状態にあるものであれば特に制限されない。例えば、A相およびB相からなる2相系の場合、A相が球形状の孤立したドメインが、他方のB相からなる連続相のマトリックス中に分散した、いわゆる海島構造やサラミ構造等のものが例示される。一方、A相およびB相がラメラを形成した、変調構造のものはこれに該当しない。
【0025】
本発明における接着剤層では、2つ以上の特性の異なる成分をミクロな相分離構造で混在させることにより、単なる混合物以上の特性が発現されるものと推測される。したがって、本発明における接着剤層では、海島構造の不連続相が球形状であり、かつ、その不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μmを有し、粒径分布の尖度が10以上であり、最大粒径が20μm以下であることが必要である。平均粒径は好ましくは0.1〜0.3μmであり、粒径分布の尖度は好ましくは100以上である。そして、最大粒径は好ましくは 10μm以下である。
【0026】
不連続相の平均粒径が0.01μm未満であれば、接着性が単なる混合物としての平均的特性に近づき、逆に平均粒径が0.5μmを超えると不均一すぎてそれぞれの成分のいずれかの特性のみが発現されるので、いずれの場合も好ましくはない。
【0027】
この範囲の平均粒径の不連続相は、例えば、連続相成分(ここでは熱可塑性樹脂)に、それぞれ平均粒径の異なる2成分以上の不連続相成分(ここでは熱硬化性樹脂)を最終的に0.01〜0.5μmの範囲内になるような混合比で添加することで得ることができる。
【0028】
本発明において、粒径分布の尖度とは、平均粒径からの粒径分布の偏在度を意味しており、すなわち、尖度が大きいということは平均値から離れた広い粒径分布を有していることを示している。特に、分布形が右に歪んでいる(歪度が正の値をとる)ことが好ましく、つまり平均粒径より大きい粒径にかけて幅広い分布形状をしていることが重要である。これらのことにより、優れた絶縁性と耐熱性を有しながら、高接着性を実現することができる。また、接着剤層に適度なヘイズを与え有機絶縁性テープと接着剤層とのコントラストが明確になるため、半導体用接着剤付きテープ上の接着剤層の積層位置が容易に判別できて位置測定が容易に行うことが可能となる。尖度の好ましい範囲は10以上であるが、好ましい上限は120である。尖度は、より好ましくは50〜90である。
【0029】
この範囲の「粒径分布の尖度」は、例えば、粒径分布の異なる2成分以上の不連続相を形成する硬化剤成分の添加比率を制御することで得ることができる。
【0030】
不連続相の最大粒径は20μm以下である。最大粒径は好ましくは10μm以下であるが、20μmを超えると銅箔をラミネートする際に銅箔への埋まり込み不良が生じて、接着剤層に空洞(ボイド)が発生し表面品位が低下してくるので好ましくない。また、不連続相の形状は球形状であるが、最も大きい表面積を有する球状であることが好ましい。球状であれば連続相と不連続相との相互作用は大きくなり、両成分の特長が有効に発揮される。
【0031】
このような範囲の最大粒径の不連続相は、不連続相を有する複数成分の中の各成分と連続相を有する成分を単独で個別に等量混合したときに、最大粒径が20μm以下である不連続相を有する成分を選択することでうることができる。
【0032】
本発明の不連続相は球形状であり、この球形状は長軸に対する短軸の軸長の比率が好ましくは30〜100%で定義され、より好ましい比率は、50〜100%である。本発明では、不連続相は実質的に真球に近いものが最も好ましい。
【0033】
不連続相の球形状については、連続相と不連続相の表面エネルギーの差に関与し、両相の表面張力の差が大きい程不連続相は表面エネルギー的に安定化して球形状を形成する。そのため、球形状の不連続相を得るには、そのような成分の組み合わせを選択すれば良い。
【0034】
本発明における接着剤層は、上記構成のミクロ相分離構造を有していれば、それを構成する成分は特に限定されないが、連続相となる成分と不連続相となる成分との相溶性が重要であり、相溶性が良好過ぎても、不良でも目的とする構造が得られない。半導体用接着剤付きテープの要求特性から、好ましい連続相と不連続相の成分を例示すれば、連続相が熱可塑樹脂を含有し、不連続相が熱硬化樹脂を有する系の組合せからなる組成物が挙げられる。この場合は、連続相が接着性に寄与し、不連続相が耐熱性に寄与することになり、これらの特性を満足するためには上述した本発明内容に合致することが重要である。
【0035】
相溶性を表す特性値は種々あるが、硬化前の接着剤層のヘイズが10〜80の範囲にあることが好ましい。ヘイズが10未満では接着剤層と有機絶縁性フィルムとのコントラストが低減し、接着剤層の識別が難しい。また、ヘイズが80を超えると、接着剤層の表面欠点の識別が難しくなる。
【0036】
本発明の接着剤層においては、熱可塑樹脂と熱硬化樹脂とを等量(重量)混合したときのヘイズが、60以上である熱硬化樹脂と、同ヘイズが30以下である熱硬化樹脂を含むことが好ましい。これは、連続相である熱可塑樹脂に相溶性の比較的良好な熱硬化樹脂が微細な不連続相を形成し、非相溶な熱硬化樹脂が粗大な不連続相をそれぞれ独立的に形成することによって、不連続相の粒径分布を巧みに制御することができるからである。一部微細な不連続相と粗大な不連続相が会合しても、不連続相同士は独立して存在しているため、粒径分布を変化させるまでには至らない。双方の配合比率は、好ましくは高ヘイズ(60以上)樹脂/低ヘイズ(30以下)樹脂=5/95〜80/20の範囲であり、より好ましくは10/40〜70/30である。
【0037】
また、連続相と不連続相との相溶性を調節するために、必要に応じて、相溶化効果を有する物質(いわゆる、相溶化剤)を添加することは何ら制限されない。この場合、相溶化剤には連続相となる成分のいずれに対しても相溶することにより効果を発揮する非反応型と、連続相となる成分に対して反応し、共有結合により相溶化効果を発揮する反応型がある。いずれも相溶しすぎて不連続相の粒径分布が大きく変化する場合があるので、相溶化剤の種類の選択ならびに添加量の制御には注意が必要である。
【0038】
本発明において、上記連続相を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂ならびにNBR、SBR、イソプレンゴム等のエラストマが挙げられる。例えば、TAB用テープとして用いる場合、公知の種々のポリアミド樹脂を好ましく使用することができる。特に、接着剤層に可撓性をもたせ、かつ、低吸水率のため絶縁性に優れる、炭素数が20〜50であるジカルボン酸(いわゆるダイマー酸)を重縮合の必須成分として含むものが好適である。ダイマー酸を含むポリアミド樹脂は、常法によるダイマー酸とジアミンの重縮合により得られるが、この際にダイマー酸以外のアジピン酸、アゼライン酸あるいはセバシン酸等のジカルボン酸を共重合成分として含有してもよい。ジアミンはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン等の公知のものが使用でき、吸湿性と溶解性の点から2種以上の混合でもよい。
【0039】
また、不連続相を構成する熱硬化樹脂の一例としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シアナート樹脂、マレイミド樹脂およびアセタール樹脂等が挙げられ、特にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂を含むことが好ましい。
【0040】
フェノール樹脂としては、レゾール型およびノボラック型のいずれの樹脂であってもよい。例えば、ストレート以外にクレゾール、ターシャリブチルおよびノニルなど種々の置換基を有した構造のフェノール樹脂を使用することができ、また同時にこれらの異なった構造のフェノール樹脂を併用してもよい。また、レゾール型とノボラック型樹脂の併用も何ら制限がない。総フェノール樹脂の含有量は、熱可塑樹脂100重量部に対して好ましくは5〜100重量部、より好ましくは20〜70重量部である。
【0041】
エポキシ樹脂は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタレン等のジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン等が挙げられる。エポキシ樹脂の含有量は、熱可塑樹脂100重量部に対して好ましくは5〜100重量部、より好ましくは20〜70重量部である。また、エポキシ基当量は100〜800が好ましく、より好ましくは100〜300である。
【0042】
本発明において、接着剤層中には熱硬化樹脂の硬化剤および硬化促進剤を含んでいてもよい。例えば、熱硬化樹脂がエポキシ樹脂およびレゾール型フェノールである場合、芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミドおよびトリフェニルフォスフィン等公知のものが使用できる。硬化剤と硬化促進剤の含有量は、熱可塑樹脂100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部である。
【0043】
本発明においける接着剤層中には、以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で、酸化防止剤やイオン捕捉剤などの有機あるいは無機成分を添加することは何ら制限されるものではない。
【0044】
本発明における保護フィルム層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムが使用可能である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリフェニレンサルファイドフィルムは、引張り弾性率と引張り伸度がパンチングに適しており、シャープなホール断面を形成することができ、特に好ましく用いられる。保護フィルム層の厚さとしては、好ましくは10〜100μmのものが使用できるが、より好ましくは20〜40μmである。
【0045】
さらに保護フィルム層における接着剤層と接する面は適度な離型性が必要とされ、一般的には保護フィルム層表面には離型処理等が施されている。代表的離型材としては、例えば、シリコーン系の離型材やフッ素系の離型材等が挙げられる。
【0046】
また、本発明で用いられる有機絶縁性フィルムとしては、例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよび芳香族ポリアミドなどのいわゆる耐熱性フィルム、あるいはフレキシブルエポキシ/ガラスクロスなどの複合材料などが好ましく挙げられる。また、有機絶縁性フィルムは、前述した保護フィルム層と同一フィルムであっても良い。
【0047】
本発明に使用する可撓性の有機絶縁性フィルムは、必要に応じてコロナ放電処理、低温プラズマ処理、あるいは易接着コーティング等の表面処理を施して用いることもできる。有機絶縁性フィルム厚みは可撓性を損なわない厚みであれば特に限定されないが、好ましくは15μm以上150μm以下、さらに好ましくは20μm以上100μm以下である。有機絶縁性フィルム厚みが薄過ぎると搬送、位置決め等が困難になり加工性が低下する。有機絶縁性フィルムには、高絶縁性、高耐熱性、高耐薬品性ならびに高温下、高湿化における高寸法安定性が要求される。特にポリイミドフィルムは、これらの要求を満たしていることから、好ましく用いられる。
【0048】
次に、本発明の半導体用接着剤付きテープの製造方法について説明する。まず、離型性を有する保護フィルム上に、熱可塑性樹脂ならびに該熱可塑性樹脂と等量混合したときのヘイズが60以上である熱硬化性樹脂と30以下である熱硬化性樹脂を上述した配合比率範囲内で混合した接着剤組成物を、溶剤に溶解した塗料を塗布し乾燥する。また、接着剤層の膜厚は10〜25μmとなるように塗布することが好ましい。ここで得られた接着剤層のヘイズは10〜80であることが重要である。
【0049】
塗布した接着剤組成物の乾燥条件は、接着剤の種類によるが、100〜180℃、1〜5分である。接着剤組成物として用いられる溶剤は特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系とメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系、DMF、NMP等のアミン系、MEK、MIBKのケトン系等の混合塗料が好適である。
【0050】
次に、このようにして得られた接着剤層を有する保護フィルムを、有機絶縁性フィルムにラミネートする。ラミネート条件としては、温度100〜160℃、押圧0.05〜0.3Mpaが好ましい。
【0051】
本発明の半導体用接着剤付きテープは、図3に示すような、半導体集積回路の実装方法であるテープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターンテープや、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポーザ等の半導体接続用基板、ダイボンディング材、リードフレーム固定テープ、LOCテープ、および多層基板の層間接着シート等のフィルム形状の接着剤を用いた半導体装置を作成するために好ましく使用され、特に図4に示すようなTCP型半導体装置や、図1に示すようなBGA型半導体装置、図2に示すようなCSP型半導体装置の作成に好ましく使用することができる。
【0052】
本発明の半導体集積回路接続用基板は、上記半導体用接着剤付きテープを使用したものであり、また本発明の半導体装置は、上記半導体集積回路接続用基板を用いたものである。
【0053】
例えば、本発明の半導体用接着剤付きテープをTAB用テープとして用いる場合は、上記半導体用接着剤付きテープを所定のパターンを有するパンチング用金型を設置しているプレス機によってパンチングを行い、保護フィルム層を剥離し銅箔ラミネートを行った後、加熱処理する。銅箔ラミネート条件は、温度100〜160℃、押圧0.1〜0.3MPaが好ましい。また加熱条件は、ステップ加熱していくことが好ましく、50〜90℃の比較的低温領域から除々に昇温しながら最終的には150〜180℃で加熱硬化していく。この段階で請求項1記載の熱硬化後の接着剤組成物が形成される。次いで、フォトリソグラフィ−により半導体集積回路接続用の導体回路を形成することで半導体集積回路接続用基板が得られ、その半導体集積回路接続用基板を用いて、400〜500℃、1秒〜1分の条件でインナーリードボンディングを行ない、半導体集積回路を接続し、しかる後に、エポキシ系液状封止剤で樹脂封止を行なうことで半導体装置を製造することができる。
【0054】
【実施例】
以下に、TAB用テープの実施例を挙げて、本発明の半導体用接着剤付きテープ等について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に評価方法について述べる。
【0055】
[評価方法]
(1)透過型電子顕微鏡による観察
サンプルは、80℃、3時間、100℃、5時間、150℃、5時間の熱硬化反応後のパターンテープから接着剤層の超薄切片を作成後、80℃で、リンタングステン酸(PTA)で染色して得た。観察は、透過型電子顕微鏡(日立製作所(株)製 H−7100FA型)を用い、加速電圧75kVで行った。不連続相の粒径分布は、10×10μmの面積を1万倍に拡大した写真から撮影されている不連続相の全てを抽出し画像解析した。適宜サンプリングした10カ所について同様の画像解析を行い、統計処理で平均値、尖度、最大値の平均値を算出した。
【0056】
(2)ヘイズ測定
(a)熱硬化樹脂の相溶性
各実施例記載のポリアミド樹脂と表1ならびに表2に示した各熱硬化樹脂をトルエン/IPA溶剤に等量混合し、10μm厚さになるように塗工、乾燥した後、ヘイズメータにて測定した。
【0057】
(b)硬化前後の接着剤層のヘイズ
硬化前はTAB用テープの保護フィルム層を剥離した後の接着剤層部分(10μm厚さ)について測定した。次いで、上記(1)と同一条件で加熱硬化した接着剤層部分についてヘイズを測定した。
【0058】
(3)接着力評価
TAB用テープサンプルの保護フィルムを剥離し、18μmの電解銅箔を、140℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃、3時間、100℃、5時間、150℃、5時間の順次加熱処理を行ない、銅箔付きTAB用テープを作成した。得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離を行ない、接着強度評価用サンプルをそれぞれ作成した。次にホウフッ酸系の無電解スズメッキ液に70℃、5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施した後、導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、導体を90°方向に50mm/minの速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0059】
(4)硬化後の接着剤層の外観
上記(3)にて、加熱処理した銅箔付きTAB用テープをエッチングにて銅箔を除去し、接着剤層の表面を顕微鏡(50倍)にて観察した。
【0060】
(5)絶縁性評価
上記(3)にて得たメッキ処理した櫛形形状の評価用サンプル(導体幅25μm、導体間距離25μm)を用いて、恒温恒湿器(タバイエスペック(株)製 TPC−211D型)中で130℃、85%R.H、直流100Vの電圧を連続的に印加した状態において、抵抗値が10MΩ以下となる絶縁抵抗低下時間を測定した。
【0061】
(6)半田耐熱性
上記(1)にて得られた銅箔付きTAB用テープを85℃、85%RH、48時間調湿した後、所定の温度で溶融した半田槽に1分間浮かべ、接着剤層の膨れの有無を観察した。このときの膨れの発生しない上限の温度を半田耐熱性とした。
【0062】
(参考例1)(ポリアミド樹脂A1、A2の合成)
酸としてダイマー酸(ユニケマ社製商品名PRIPOL1009)およびアジピン酸を、ジアミンとしてヘキサメチレンジアミンを用い、酸/アミン比をほぼ等量の範囲で、酸/アミン反応物、消泡剤および1%以下のリン酸触媒を加え、反応体を調製した。この反応体を、140℃、1時間撹拌加熱後、205℃まで昇温し、約1.5時間撹拌した。約2kPaの真空下で、0.5時間保持し、温度を低下させた。最後に、酸化防止剤(チバガイギ社製、(登録商標)”イルガノックス”1010)を添加し、アミン価、酸価とも0.1以下、重量平均分子量110,000のポリアミド樹脂A1および酸価10、重量平均分子量20,000のポリアミド樹脂A2を取り出した。
【0063】
(実施例1)
(a)TAB用テープの作成
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D(昭和高分子(株)製、(登録商標)“ショウノール”CKM908およびフェノール樹脂E(明和化成(株)製、商品名MR−1)、表2に示したエポキシ樹脂B(チバガイギ(株)製、商品名“CY179”エポキシ当量 138)をそれぞれ表3の接着剤の組成比(エポキシ樹脂および各フェノール樹脂の添加量は、ポリアミド樹脂100重量部に対する重量部を表すものとする)となるように配合し、さらに固形分に対し0.2重量%のジシアンジアミド(DICY)を硬化促進剤として添加し、濃度20重量%となるようにメタノール/トルエン=40/60の混合溶媒に30℃で撹拌、混合して接着剤溶液を作成し、この接着剤溶液をバーコータで、離型処理を施した保護フィルム(東レ(株)製、(登録商標)“ルミラー”25μm厚さ)に約12μmの乾燥厚さとなるように塗布し、150℃、4分間の乾燥を行ない接着剤シートを作成した。さらに、得られた接着剤シートを厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、(登録商標)“ユーピレックス”75S)に100℃、0.1MPaの条件でラミネートしてTAB用テープを作成した。
【0064】
(b)半導体集積回路接続用基板の作成
上記の手順で得られたTAB用テープを用いて、前述の評価方法(3)と同一の方法で半導体集積回路接続用の導体回路を形成し、図4に示すパターンテープを得た。
【0065】
(c)半導体装置の作成
上記(b)のパターンテープを用いて、450℃、1分の条件でインナーリードボンディングを行ない、半導体集積回路を接続した。次に、エポキシ系液状封止剤(ナミックス(株)製、(登録商標)“チップコート”1320−617)で樹脂封止を行い、図1で示される半導体装置を得た。
【0066】
(実施例2)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂DおよびE、表2に示したエポキシ樹脂CおよびD(新日鉄化学(株)製、商品名ESN−185、エポキシ当量277)、および硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0067】
(実施例3)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D(昭和高分子(株)製、(登録商標)“ショウノール”BKS316)、表2に示したエポキシ樹脂B(大日本インキ工業(株)、(登録商標)“エピクロン”HP4032D、エポキシ当量150)、エポキシ樹脂Cおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0068】
(実施例4)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂B、エポキシ樹脂C(住友化学(株)、商品名ESX220、エポキシ当量220)、および硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0069】
(実施例5)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂B、エポキシ樹脂Cおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0070】
(比較例1)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂(ジャパン・エポキシ・レジン社製、(登録商標)“エピコート”828エポキシ当量185)および硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0071】
(比較例2)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂E、表2に示したエポキシ樹脂Cおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0072】
(比較例3)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A1、表1に示したフェノール樹脂D、表2に示したエポキシ樹脂Bおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0073】
(比較例4)
参考例1で得られたポリアミド樹脂A2、表1に示したフェノール樹脂D(群栄化学工業(株)製、商品名PG4121)およびフェノール樹脂E(住友デュレズ(株)製 PR50087)、表2に示したエポキシ樹脂Bおよび硬化促進剤をそれぞれ表3の組成比となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にしてTAB用テープ、パターンテープおよび半導体装置を得た。
【0074】
実施例1〜5と比較例1〜4の結果をまとめて表3に示す。実施例1〜5と比較例1〜3はいずれも球形状(短軸/長軸=90%〜100%)の不連続相を有するミクロ相分離構造を形成していることを確認した。比較例4は、2相がラメラを形成した変調構造であり、不連続相は存在しないことを意味している。
【0075】
上記実施例および比較例から、本発明のTAB用テープは、適度なヘイズを有し、硬化後の外観品位、接着性ならびに絶縁性、半田耐熱性に優れたものであることがわかった。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、接着性、絶縁性および耐熱性に優れた新規な半導体用接着剤付きテープが得られる。この半導体用接着剤付きテープを用いることで高密度実装用の半導体装置ならびに半導体集積回路接続用基板を工業的に有利に製造することができ、得られる半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(BGA)の一態様を説明するための断面図である。
【図2】図2は、半導体装置用接着剤付きテープを用いた半導体装置(CSP)の一態様を説明するための断面図である。
【図3】図3は、半導体集積回路搭載前のパターンテープの一態様を説明するための斜視図である。
【図4】図4は、図3のパターンテープを用いた半導体装置の一態様を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1、12、20:有機絶縁性フィルム
2、13、21:接着剤層
3:スプロケット孔
4:デバイス孔
5、14、22:導体パターン
6:インナーリード部
7:アウターリード部
8、15、23:半導体集積回路
9、16、24:封止樹脂
10、17、25:金バンプ
11:保護膜
18、26:ハンダボール
19:スティフナー
27:ソルダーレジスト
Claims (8)
- 有機絶縁性フィルム上に接着剤層および保護フィルム層を有する半導体用接着剤付きテープにおいて、硬化後の接着剤層が、連続相に1相以上の不連続相を有するミクロ相分離構造を有しており、該不連続相が球状形で、かつ下記の(1)〜(3)の要件を満たすことを特徴とする半導体用接着剤付きテープ。
(1)不連続相の平均粒径が0.01〜0.5μm
(2)不連続相の粒径分布の尖度が10以上
(3)不連続相の最大粒径が20μm以下 - 硬化前の接着剤層のヘイズが10〜80の範囲である請求項1記載の半導体用接着剤付きテープ。
- 連続相が1種類以上の熱可塑性樹脂を含有し、不連続相が1種類以上の熱硬化性樹脂を含有する請求項1または2記載の半導体用接着剤付きテープ。
- 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を等量混合したときのヘイズが60以上である該熱硬化性樹脂と、同ヘイズが30以下である該熱硬化性樹脂を含む請求項1〜3のいずれかに記載の半導体用接着剤付きテープ。
- 請求項1〜4のいずれか記載の半導体用接着剤付きテープを用いてなる銅張り積層板。
- 請求項1〜4のいずれか記載の半導体用接着剤付きテープを用いてなる半導体接続用基板。
- 請求項5記載の銅張り積層板を用いてなる半導体接続用基板。
- 請求項7記載の半導体接続用基板を用いてなる半導体装置。
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