JP2004356226A - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開口部を有する枠状の基台と、その一面に開口部側から外側に亘って付設された配線と、配線の付設面に搭載された撮像素子4とを備えた撮像装置の製法。第1金型半体13には基台1を樹脂形成するためのキャビティ13aが形成され、第2金型半体12には第1金型半体のキャビティに面する平坦面が形成される。電極端子を形成するための電極部材10をパターン形成したシート材11を、キャビティに面して電極部材が位置するように、第1および第2金型半体の間に配置する。キャビティに封止樹脂14を充填して硬化させ、電極部材を埋め込んで成形された基台1を金型から取り出し、シート材を電極部材から剥離して、基台1の電極部材を埋め込んだ面に撮像素子4を実装する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等の撮像素子を基台に搭載して構成される固体撮像装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像装置は、ビデオカメラやスチルカメラ等に広く用いられ、CCD等の撮像素子を絶縁性材料からなる基台に搭載し、受光領域を透光板で覆ったパッケージの形態で提供される。装置の小型化のため、撮像素子は、ベアチップのままで基台に搭載される(例えば、特許文献1を参照)。そのような固体撮像装置の従来例について、図5を参照して説明する。
【0003】
図5における基台21は、平面形状が中央部に開口部22を有する枠状であり、断面形状は全体に一様な厚みを有する板状である。基台21の下面には、開口部22の近傍から外周端面に亘って、金メッキ層からなる配線23が付設されている。基台21における配線23が形成された面に、CCD等から構成された撮像素子4が実装され、その受光領域4aが開口部22に面している。基台21の上面には、開口部22を覆ってガラスからなる透光板5が取り付けられている。撮像素子4の端部の周辺にはシール樹脂6が充填され、撮像素子4の端部と基台21の間の隙間を密封している。以上のように受光領域4aは、開口部22に形成された閉鎖空間内に配置されている。
【0004】
撮像素子4における受光領域4aと同一の面に、受光領域4aの回路と接続された電極パッド(図示せず)が配置され、電極パッド上にバンプ(突起電極)7が設けられている。配線23における開口部22に隣接した端部が内部端子部23aを形成し、バンプ7を介して撮像素子4の電極パッドと接続されている。
【0005】
この固体撮像装置は、図示されたように透光板5側を上方にむけた状態で回路基板上に搭載される。配線23における基台21の外周端部の下面に配置された部分が外部端子部23bを形成し、回路基板上の電極との接続に用いられる。各配線23の外部端子部23b上にはんだボール8が付設され、回路基板上の電極との接続に用いられる。また、はんだボール8は、基台21を回路基板面から適切な高さに維持する機能も有する。
【0006】
透光板5の上部には、撮像光学系が組み込まれた鏡筒(図示せず)が、受光領域4aとの相互の位置関係を所定の精度で設定されて装着される。鏡筒に組み込まれた撮像光学系を通して、被撮像対象からの光が受光領域4aに集光され、光電変換される。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−43554号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の固体撮像装置の構成では、基台21の十分な平坦度を得ることは困難である。つまり、基台21が開口部22を有する枠状であることにより、樹脂成形を行うと、その断面形状に捩れあるいは反りを生じる傾向がある。撮像素子4が搭載される面の平坦度が悪いと、撮像素子4の位置が安定せず、受光領域4aに対して鏡筒を精度良く位置決めすることができない。
【0009】
また、特許文献1においては記載がないが、従来例においては配線23がメッキにより形成されていたため、基台21にメッキを施す工程が煩雑で、形成される配線23の寸法精度にばらつきを生じ易く、また高コストである。
【0010】
本発明は、撮像素子を搭載するための基台を、実用的に十分な平坦度で効率的に形成することが可能な製造方法を提供することを目的とする。また、寸法精度のばらつきが少なく低コストで配線を付設することが可能な固体撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体撮像装置の製造方法は、内側領域に開口部が形成された枠状の平面形状を有し絶縁性の材料からなる基台と、前記基台の一方の面に前記開口部側から外側に向かって延在するように付設された配線と、受光領域が前記開口部に面するように前記基台における前記配線の付設面に搭載された撮像素子とを備え、前記配線は前記開口部側に位置する内部端子部と前記基台の外周部に位置する外部端子部とを有し、前記撮像素子の電極と前記内部端子部とが電気的に接続された固体撮像装置を製造する方法である。
【0012】
上記課題を解決するために、前記基台を樹脂成形するための金型として、前記基台を形成するためのキャビティが形成された第1金型半体と、前記第1金型半体のキャビティに面する平坦面を有する第2金型半体とを用い、シート材の面上に前記電極端子を形成するための電極部材をパターン形成し、前記シート材を、前記基台に対応する前記キャビティに面して前記電極部材が位置するように、前記第1および第2金型半体の間に配置し、前記金型のキャビティに封止樹脂を充填して硬化させ、前記電極部材を埋め込んで成形された前記基台を前記金型から取り出し、前記シート材を前記電極部材から剥離し、前記基台の前記電極部材を埋め込んだ面に前記撮像素子を装着して、前記撮像素子の電極と前記電極部材とを接続する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、基台を樹脂成形するためのキャビティを形成する一対の金型と、電極端子を形成するための電極部材がパターン形成されたシート材とを用い、基台の成形工程で電極部材を埋め込む。それにより、基台の捩れや反りを生じることが抑制される。しかも、テープ上にパターン形成された電極部材を用い、樹脂成形される基台に転写することにより、電極部材の付設が極めて効率的に行われる。
【0014】
上記の製造方法において、金属箔を用いてシート材上にパターン形成することにより、シート材に電極部材を配置することが好ましい。また基台は、厚みが実質的に一様になるように成形することが好ましい。また、電極部材が埋め込まれた基台を、金型から取り出した後加熱条件下で、一対の平坦な金型により形成される平行面により押圧することにより、基台の反りを低減するための矯正キュアを行うことができる。
【0015】
さらに、第1金型半体に、複数個の基台を形成するためのキャビティを設け、シート材には、複数個の基台に各々対応する電極端子を形成するための複数組の電極部材を設けることができる。そして、成形された複数の基台を金型から取り出し、シート材を剥離して、複数の基台を各個片に分離した後、各基台の電極部材を埋め込んだ面に撮像素子を装着して、撮像素子の電極と電極部材とを接続する。この方法により、複数の基台を一括して成形し、撮像素子を効率良く製造することが可能である。
【0016】
以下に、本発明の実施の形態における固体撮像装置の製造方法について、図1〜3を参照して説明する。本実施の形態の製造方法は、図1に示すような構造の固体撮像装置に適用される。図1の固体撮像装置は、概略構造が図5に示した従来例と同様であり、同様な要素については同一の参照番号を付して、説明を簡略化する。
【0017】
本実施の形態における固体撮像装置は、基台1に付設された配線3の構造が従来例と相違する。基台1は、絶縁性の材料、例えばエポキシ樹脂等の可塑性樹脂からなり、平面形状が中央部に矩形の開口部2を有する矩形枠状である。基台1の断面形状は、全体として実質的に一様な厚みを有する平板状である。基台1の下面には、開口部2の周縁から基台1の外周端に亘って、金属箔リードからなる複数本の配線3が配置されている。金属箔リードとしては、通常のリードフレームに使用される材料と同様な、例えばCu合金、42アロイ(Fe−Ni42合金)等が用られ、厚さは概ね2〜3μmである。
【0018】
基台1における配線3が形成された面に、Si基板に形成されたCCD等の撮像素子4が固定され、その電極が配線3と接続されている。各配線3における開口部2に隣接した端部が内部端子部3aを形成し、バンプ8を介して撮像素子4の電極パッドと接続されている。各配線3における、基台1の外周端部の下面に配置された部分が外部端子部3bを形成し、回路基板上の電極と接続するために用いられる。
【0019】
基台1は、各配線3を構成する複数本の金属箔リードを樹脂に埋め込んで成形されている。配線3を構成する金属箔リードが埋め込まれた基台1の構造を、図2を参照して説明する。図2(a)は、図1の下方から見た、撮像素子4が実装される前の状態の基台1を示す平面図である。図2(b)はその側面図である。
【0020】
図2(a)に示すように、配線3は、下側表面の全体が露出している。一方、図2(b)に示すように、配線3の端面は、基台1を形成する樹脂中に埋め込まれている。したがって、基台1の枠形状が金属箔リードにより補強され、上下面の平坦度が良好である。すなわち、金属箔リードが埋め込まれることにより、捩れや反りを発生させる内部応力に抗するように剛性が高められ、枠形状の平坦度が維持される。その結果、基台1の面に搭載された撮像素子4の位置が安定し、受光領域4aに対して鏡筒を精度良く位置決めすることが容易である。配線3の端面は、必ずしも図示するように全て埋め込まれる必要はない。埋め込まれる程度は、本実施の形態の作用・効果を得るために十分であれば、他の条件に応じて調整可能である。
【0021】
上述のように基台1を平坦な板状とすることにより、樹脂成形が容易であることに加えて、次のような利点が得られる。すなわち、樹脂成形の後、基台1の平坦度をさらに向上させるため、基台1の変形を矯正する工程を施すことが可能である。
【0022】
本実施の形態における固体撮像装置の製造方法は、上述の構成を有する固体撮像装置の製造に際して、金属箔リードからなる複数本の配線3を、基台1の表面に効率的に付設し、かつ良好な平坦度で基台1を形成する工程を備えたものである。この製造方法について、図3および図4を参照して説明する。
【0023】
まず、図3(a)に示すように、金属箔リード10を担持したシート材11を、第1金型半体13と第2金型半体12の間に挟み込む。金属箔リード10は、図4に示すように、シート材11の表面にパターン形成により配置されている。各金属箔リード10は、上述の固体撮像装置における配線3を形成するように、本数、寸法、および配置が設定されている。一点鎖線Aで囲まれた領域内の金属箔リード10が、1個の固体撮像装置の配線群に相当する。
【0024】
第1金型半体13には、基台1に相当する空間を形成する凹部13aが設けられている。凹部13a中に、基台1の開口部2に相当する凸部13bが形成されている。したがって、凹部13aと凸部13bにより、開口部2を含む基台1の形状に相当するキャビティが形成される。シート材11は、その上に担持された金属箔リード10が凹部13a内で適切に配置されるように位置決めされる。
【0025】
第1金型半体13と第2金型半体12間に形成されるキャビティに樹脂14を充填し、硬化させた後、図3(b)に示すように、第1金型半体13と第2金型半体12を開いて樹脂成型体14aを取り出す。樹脂成型体14aの上面には、金属箔リード10が埋め込まれている。
【0026】
次に、樹脂成型体14aからシート材11を剥離することにより、図3(c)に示すように、基台1が得られる。この基台1に、撮像素子4を実装し、さらに図1に示したように透明板5を固定して、固体撮像装置が作成される。
【0027】
上述の製造方法によれば、樹脂成型体14aに金属箔リード10を埋め込むことにより、基台1の成形における捩れや反りの発生が抑制される。また、金属箔リード10をパターン形成したシート材11を用いることにより、基台1に対する配線3の付設を極めて効率的に行うことができる。また、シート材11上にパターン形成することにより、金属箔リード10は、寸法精度よく、かつばらつきが少なく、しかも低コストで製造することができる。
【0028】
なお、金属箔リード10が埋め込まれた樹脂成型体14aを、加熱条件下で一対の平坦な平行面金型で押圧することにより、樹脂成型体14aの反りを低減するための矯正キュアを施すことができる。上述のとおり、本実施の形態により製造される基台は平坦度が高いが、それでもなお多少発生する捩れや反りを、矯正キュアの工程により低減させて、さらに平坦度を高めた基台1を得ることができる。成形直後の樹脂成型体14aに捩れや反りが少なく、実用的に十分な平坦度が得られる場合には、矯正キュアの工程は必須ではない。他の種々の条件により変わるが、矯正キュアの温度は概ね、加熱温度は100〜200℃の範囲、圧力は1〜30kgの範囲で選択すれば、良好な結果が得られた。
【0029】
また、上記の製造方法の工程は、複数の固体撮像装置を形成するため、複数の基台を一括して同時に成形するのに適している。その場合は、シート材11上には複数組の金属箔リード10をパターン形成し、第1金型半体13は、複数の基台に対応するキャビティを形成するように、凹部13aおよび凸部13bが形成される。樹脂成形の後、例えばダイシングソーを用いて複数の基台を個片に分離する。複数の基台に対応するように複数の凹部13aを個別に設ければ、個片に分離するためのダイシングソーによる切断は不要である。
【0030】
【発明の効果】
本発明の固体撮像装置の製造方法によれば、配線に用いられる電極部材が貴台に埋め込まれることにより、基台は剛性が高められて実用的に十分な平坦度を有するように形成されるとともに、テープ上にパターン形成された電極部材を転写することにより、基台に対する配線の付設を極めて効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における固体撮像装置の断面図
【図2】図1の固体撮像装置を構成する基台の構造を示し、(a)は裏面から見た平面図、(b)は側面図
【図3】図1の固体撮像装置を製造するための工程を示す断面図
【図4】図3の工程に使用する電極部材がパターン形成されたシート材を示す平面図
【図5】従来例の固体撮像装置の断面図
【符号の説明】
1、21 基台
2、22 開口部
3、23 配線
3a、23a 内部端子部
3b、23b 外部端子部
4 撮像素子
4a 受光領域
5 透光板
6 シール樹脂
7 バンプ
8 はんだボール
10 金属箔リード
11 シート材
12 第2金型半体
13 第1金型半体
13a 凹部
13b 凸部
14 樹脂
14a 樹脂成型体
Claims (5)
- 内側領域に開口部が形成された枠状の平面形状を有し絶縁性の材料からなる基台と、前記基台の一方の面に前記開口部側から外側に向かって延在するように付設された配線と、受光領域が前記開口部に面するように前記基台における前記配線の付設面に搭載された撮像素子とを備え、前記配線は前記開口部側に位置する内部端子部と前記基台の外周部に位置する外部端子部とを有し、前記撮像素子の電極と前記内部端子部とが電気的に接続された固体撮像装置を製造する方法において、
前記基台を樹脂成形するための金型として、前記基台を形成するためのキャビティが形成された第1金型半体と、前記第1金型半体のキャビティに面する平坦面を有する第2金型半体とを用い、
シート材の面上に前記電極端子を形成するための電極部材をパターン形成し、
前記シート材を、前記基台に対応する前記キャビティに面して前記電極部材が位置するように、前記第1および第2金型半体の間に配置し、
前記金型のキャビティに封止樹脂を充填して硬化させ、
前記電極部材を埋め込んで成形された前記基台を前記金型から取り出し、
前記シート材を前記電極部材から剥離し、
前記基台の前記電極部材を埋め込んだ面に前記撮像素子を装着して、前記撮像素子の電極と前記電極部材とを接続することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 金属箔を用いてシート材上にパターン形成することにより、前記シート材に前記電極部材を配置する請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記基台を、厚みが実質的に一様になるように成形する請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記電極部材が埋め込まれた前記基台を、前記金型から取り出した後加熱条件下で、一対の平坦な金型により形成される平行面により押圧することにより、前記基台の反りを低減するための矯正キュアを行う請求項3に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第1金型半体に、複数個の前記基台を形成するためのキャビティを設け、前記シート材には、前記複数個の基台に各々対応する電極端子を形成するための複数組の前記電極部材を設け、成形された複数の前記基台を前記金型から取り出し、前記シート材を剥離して、複数の前記基台を各個片に分離した後、前記各基台の前記電極部材を埋め込んだ面に前記撮像素子を装着して、前記撮像素子の電極と前記電極部材とを接続する請求項1に記載の固体撮像装置の製造方法。
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