JP2004355105A - 移動体の制御方法及び制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】船体1が航行するフィールド上に複数のウェイポイントWPを設定し、各ウェイポイントWPを線分で結ぶことにより定義されたルート100に沿って、所定の速度及び方位角でターゲットポイントPTを移動させる。一方で、船体1の状態量の目標値を現時刻から設定された時間(設定時間)T後の終端時間のみで設定する終端状態量拘束条件と、該船体1の推力指令値を含む評価関数と、該船体1について取得した現時刻での状態量とに基づき、最適化演算を実行して最適な推力指令値を算出し、時間Tの遅れで前記ターゲットポイントPTを追従するように船体1を移動させる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体の制御方法及び制御装置に関する。特に、移動体を予定移動経路に沿って自動的に移動させる制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動体を自動操縦させるべく制御する方法として、GPS等の高精度の測位システムを用いて船体位置を制御するDPS(Dynamic Positioning System)が知られている。該DPSを用いた操船方法は、海洋観測船による海洋調査、作業船を用いたケーブル敷設作業等、船体位置を高い精度で制御する必要がある海洋作業に広く使用されている。
【0003】
このような操船方法を実現するものとして、既に様々の提案がなされている(特許文献1参照)。該特許文献1に示された自動操船方法の場合、船舶が通過すべき所定の通過点を考慮し、事前に連続的な計画航路が構成される。そして、現在の船体位置から所定距離だけ離隔した前記計画経路上を移動する目標点を設定し、この目標点と現在位置とから航路偏差及び方位偏差を算出する。算出した偏差に基づき、船体に備えられた複数個のアクチュエータの操作量を算出し、この操作量に基づいて各アクチュエータを駆動させることにより操船する。
【0004】
また、例えば予め定められた複数の通過点を線分のみを用いて結ぶことにより前記計画航路を構成すると、ある通過点(変針点)を通過した直後に算出される前記方位偏差が急激に変化する場合がある。この場合、各アクチュエータを駆動させる操作量も急激に変化するが、アクチュエータにかかる負荷、消費エネルギー、搭乗者が存在する場合の乗り心地等の観点からは操作量の急激な変化は好ましくない。
【0005】
そこで、前記特許文献1では前記計画航路を、所定半径の円弧を介して線分を繋げていくことによって構成している。従って、移動体が変針点を通過する場合であっても、該変針点近傍での方位偏差の急激な変化が緩和され、舵、スラスタ、及び推進用プロペラ等のアクチュエータの操作量も急激に変化することがなく、比較的円滑に航行できるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平2001−287697号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特許文献1に開示された方法によれば、通過点を通る連続的な航路を事前に設定しておく必要があるが、この作業は容易ではない。例えば、航路上の変針点を含む区間は、船舶の旋回性能及び消費エネルギー等を考慮して適切な半径の円弧を用いて構成する必要がある。しかし、船舶の適切な旋回半径は航行速度により異なり、航行速度が大きい場合は旋回半径が大きく、航行速度が小さい場合は旋回半径が小さい。そして、事前に設定された航路の旋回半径が、船舶の航行速度に対する適切な旋回半径に比べて小さい場合、各アクチュエータの操作量が比較的急激に変化することとなり、消費エネルギーも過大になる。このように、事前に最適な計画航路を設定することは困難である。また、計画航路が線分から円弧、又は円弧から線分へと切り替わる箇所では、目標点の位置及び方位が急変し、これに伴ってアクチュエータの操作量も少なからず急変するため、特許文献1に係る自動操船方法では必ずしも円滑な航行を十分には実現することができない。
【0008】
そこで、本発明は、最適な計画航路を事前に設定する必要がなく、また、移動体の運動特性を考慮し、所定の制約条件内でエネルギーの消費を抑制した上で、移動体を予定移動経路に沿って移動させるように制御可能な制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る移動体の制御方法は、移動体の予定移動経路と、該予定移動経路上を移動し得る仮想点から成るターゲットポイントの動作条件とを設定し、前記ターゲットポイントを前記動作条件に基づいて動作させ、前記移動体を、現時刻から設定時間だけ未来に、前記動作条件に基づいて動作する前記ターゲットポイントの前記現時刻での位置に到達させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出し、該推力に基づいて前記ターゲットポイントを追従するように前記移動体を移動させる(請求項1)。
【0010】
前記制御方法を実現するために、本発明に係る移動体の制御装置は、移動体の予定移動経路を設定する手段と、該予定移動経路上を移動し得る仮想点から成るターゲットポイントの動作条件を設定する手段と、設定時間を設定する手段と、前記移動体を、現時刻から前記設定時間だけ未来に、前記動作条件に基づいて動作する前記ターゲットポイントの前記現時刻での位置に到達させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出する手段とを備える(請求項7)。
【0011】
このような制御方法又は制御装置によれば、移動体の運動性能及び消費エネルギー等を考慮した厳密な計画航路を事前に設定せずとも、曲線状の滑らかな経路で移動体を移動させることができる。
【0012】
概説すると、前記制御方法又は制御装置は、現時刻でのターゲットポイントの位置に、設定時間経過後の移動体が到達し得るように、前記現時刻において移動体のトラッキング動作を制御するものである。例えば、ターゲットポイントが方向を変えて移動し、その移動方向が船体の移動方向と異なった場合、前記設定時間をかけた後に前記ターゲットポイントの移動方向に一致するように船体の動作を制御する。
【0013】
これにより、ターゲットポイントの動作条件(例えば、進行方向、進行速度等)が急激に変化した場合であっても、現時刻において移動体が備えるアクチュエータの操作量は、前記ターゲットポイントに生じる変化の割合に比べて小さい割合で変化する。従って、移動体の移動速度に応じて適切な旋回半径を算出し、該半径を有する円弧を用いて厳密に計画航路を設定する必要がなく、一の予定移動経路に基づいて様々の移動速度に対しても滑らかな経路で移動体を移動させることができる。
【0014】
また、前記制御方法において、前記移動体に、前記現時刻から前記設定時間だけ未来に、該現時刻での前記ターゲットポイントの動作条件を獲得させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出してもよい(請求項2)。該制御方法を実現するために、前記制御装置において、前記推力を算出する手段は、前記移動体に、前記現時刻から前記設定時間だけ未来に、該現時刻での前記ターゲットポイントの動作条件を獲得させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出すべく成してあってもよい(請求項8)。
【0015】
このような制御方法又は制御装置によれば、現時刻でのターゲットポイントの位置に移動体を到達させるだけでなく、前記ターゲットポイントの前記現時刻での動作条件(例えば、進行方向,移動速度)をも移動体に獲得させるべく、現時刻において移動体を移動させることができる。この場合、例えばターゲットポイントに設定された現時刻における進行方向又は移動速度が急激に変化した場合であっても、前記設定時間をかけてその変化に追従するように移動体は移動する。従って、移動体の操作量が急激に変化することがない。
【0016】
また、前記制御方法において、複数の目標点を設定して該目標点を線分で結ぶことにより、前記予定移動経路を設定してもよい(請求項3)。該制御方法を実現するために、前記制御装置において、前記予定移動経路を設定する手段は、複数の目標点を設定し、該目標点を線分で結んで前記予定移動経路を設定すべく成してあってもよい(請求項9)。
【0017】
このような制御方法又は制御装置によれば、予定移動経路の設定が比較的容易に行える。また、線分のみで構成した予定移動経路上の変針点においても、上述したように移動体のトラッキング経路を滑らかにすることができる。
【0018】
また、前記制御方法において、前記推力値の算出においては、未定数としての推力値を含む前記移動体の操作量に関する評価関数を用い、現時刻から前記設定時間だけ未来に至る期間についての前記評価関数が、最小値又は最大値になるという条件を満たす推力を算出してもよい(請求項4)。該制御方法を実現するために、前記制御装置において、前記推力値を算出する手段は、未定数としての推力値を含む前記移動体の操作量に関する評価関数を用い、現時刻から前記設定時間だけ未来に至る期間についての前記評価関数が、最小値又は最大値になるという条件を満たす推力値を算出すべく成してあってもよい(請求項10)。
【0019】
このような制御方法又は制御装置によれば、現時刻から設定時間だけ未来に至る期間、評価関数の最小値又は最大値を定義する推力値を算出することができる。従って、例えば未知数として推力値のみを含む評価関数を用いた場合には、前記所定時間中の推力値を最小とする推力値を算出することができ、消費エネルギーを抑制した移動が可能である。なお、前記評価関数の最小値/最大値は、該評価関数に付される符号(正/負)に対応するものである。
【0020】
また、前記制御方法において、前記設定時間を変更してもよく(請求項5)、そのため、前記制御装置において、前記設定時間を変更する手段を備えていてもよい(請求項11)。前記設定時間を比較的長時間とした場合、ターゲットポイントの動作条件の変化が移動体に備えられたアクチュエータの操作量の変化に及ぼす影響の度合いは低くなり、例えば、移動時におけるスラスタ変動を抑制することができる。他方、前記設定時間を比較的短時間とした場合、ターゲットポイントの動作条件の変化が前記アクチュエータの操作量の変化に及ぼす影響の度合いは高くなり、例えば、予定移動経路に対して厳密に移動体をトラッキングさせることができる。このように、設定する設定時間を変更するだけで、移動体の移動特性等を容易に変更することができる。
【0021】
また、前記制御方法において、前記ターゲットポイントの位置を固定して前記移動体の定点保持を行ってもよく(請求項6)、そのため、前記制御装置において、前記ターゲットポイントの位置を固定する手段を備えていてもよい(請求項12)。ターゲットポイントの位置を固定することにより、移動体は該ターゲットポイントへ向かって移動体の運動特性を考慮しながら徐々に速度を落として近づいていき、最終的には該ターゲットポイントにて停止させることができる。
【0022】
また、ターゲットポイントの位置を固定すると共に、設定する設定時間を適宜変更することにより、定点保持する際の移動体の減速時の加速度を変えることができる。例えば、比較的長時間に設定した場合には、減速時の加速度の絶対値が小さくなり、長時間かけて保持位置へ到達して停止し、比較的短時間に設定した場合には、短時間で保持位置へ到達して停止する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る移動体の制御装置を含む制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、図1に示すように移動体として船体1を例示しており、該船体1は操船装置2によってその動作が制御される。該操船装置2は、位置計測装置3、方位角計測装置4、ルート情報入力装置5、本発明に係る制御装置6、及び推進機構7を備えている。なお、移動体としては前記船体1に限られず、航空機、ホバークラフト、磁気浮上体その他の移動体にも本発明を適用することが可能である。
【0024】
前記位置計測装置3は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて構成され、船体1の位置を計測して得られる位置情報を出力する。方位角計測装置4は、例えばジャイロコンパスを用いて構成され、船体1の船首が向く方位を計測して得られる方位角情報を出力する。
【0025】
ルート情報入力装置5は、コンピュータに接続されたディスプレイ、マウス、キーボード等から成るHMI(Human Machine Interface)で構成されている。該ルート情報入力装置5は、船体1の予定移動経路(以下、「ルート」という)に関する情報その他の情報のオペレータによる外部入力を受け付け、また、入力された情報又は内部に記憶された情報を制御装置6へ出力する。
【0026】
制御装置6は、コンピュータで構成され、CPU61,入出力インタフェース62,並びに、コンピュータプログラムその他各種情報を格納すべくRAM,ROM,HDD(ハードディスクドライブ)等から成る記憶装置63等を備える。該制御装置6では、前記ルート情報入力装置5から入力される情報(以下、「ルート情報」という)と、前記位置計測装置3及び方位角計測装置4から夫々入力される位置情報及び方位角情報と、その他前記記憶装置63に格納された所定のコンピュータプログラム等とに基づいて前記CPU61が演算処理を行う。その結果、前記制御装置6は、推進機構7へ出力する動作指令を算出し、船体1の非線形の最適化フィードバック制御を実行する。推進機構7は複数のアクチュエータ(図3参照)を備えており、該アクチュエータは前記制御装置6から入力された動作指令に従って駆動する。
【0027】
図2は、制御装置6の機能ブロック図であり、図1に示す入出力インタフェース62から入力された情報及び記憶装置63に格納された情報に基づき、CPU61が演算処理を行うことによって該制御装置6が実現可能な機能について示している。図示するように該制御装置6は、実現可能な機能としてルート最適化演算部8、推力配分部9、及びオブザーバ10を有している。
【0028】
ルート最適化演算部8は、ルート情報入力装置5から入力されたルート情報と、後述する船体1の状態量とに基づき、後述する評価関数を最小化するようにルート最適化の演算を行い、船体1に与えるべき推力を示す推力指令を出力する。推力配分部9は、前記ルート最適化演算部8から入力された推力指令に基づき、推進機構7が備える複数のアクチュエータへの推力配分を決定し、該アクチュエータへ個別に動作指令を出力する。オブザーバ10は、位置情報及び方位角情報等に基づいて、後述するようにルート最適化演算に用いる船体1の状態量をルート最適化演算部8へ出力する。
【0029】
該オブザーバ10は、その基本構成及び機能として周知のものを用いることができ、ここではその動作について簡単に説明しておく。該オブザーバ10は、一方で、船体1の運動及び推進機構7の動作に関して予め設定された数式モデルに、推力配分部9から出力される動作指令を制御入力として入力し、その演算結果を取得する。他方で、位置計測装置3から出力された位置情報と、方位角計測装置4から出力された方位角情報との入力を受け付ける。そして、前記演算結果と、位置情報及び方位角情報とを比較し、両者の差分を再び前記数式モデルへ入力することにより、後述するように船体1の推定値としての状態量(X,Y,Ψ,u,v,r)を取得する。取得した状態量は、前述したようにルート最適化演算部8へ出力する。
【0030】
図3は、推進機構7として船体1に設けられたアクチュエータの配置例を示す模式図である。図3に示すように該推進機構7はアクチュエータとして、1つのスラスタ21と、2つのプロペラ22,23と、2つの舵24,25とを備えている。船体1は、これらのアクチュエータ21〜25が駆動することにより、任意の二次元方向への移動、旋回等が可能になっている。なお、推進機構7は、異なる種類及び数のアクチュエータを用いて異なる配置構成によって実現されていてもよい。
【0031】
次に、上述したような構成を成す操船装置2を用いて船体1をルートに従って移動させるにあたっての設定事項について説明する。該設定事項は、図1に示すルート情報入力装置5を用いて行うことができ、設定された事項は制御装置6にて記憶される。
【0032】
[設定事項について]
図4は、本実施の形態において定義する船体1の状態量を説明するための模式図であり、図示されている各状態量は下記のように定義されている。
X:船体1に設けられた制御位置のx座標
Y:船体1に設けられた制御位置のy座標
Ψ:x軸と船体1の前後方向との成す方位角(右舷回頭方向を正)
u:xs軸方向の速度
v:ys軸方向の速度
r:回頭角速度(右舷回頭方向を正)
なお、図4に示すx−y座標系は地球固定絶対座標系である。また、xs−ys座標系は船体固定座標系であり、船首方向をxs軸の正、該xs軸に直交する右舷方向をys軸の正としている。
【0033】
図5は、前記船体1のルートとターゲットポイントを説明するための模式図である。図5に示すように、船体1を航行させるフィールド上(例えば、海上)に複数の目標点(以下、「ウェイポイント」という)WP(WPk−1,WPk,WPk+1,WPk+2)を設定する。本実施の形態では、地球固定絶対座標系であるx−y座標系をフィールド上に設け、各ウェイポイントWPの位置を該x−y座標系で設定する。そして、これらのウェイポイントWPを線分で結ぶことにより経路を形成し、該経路をルート100として定義している。従って、ウェイポイントWPを複数設定することにより、ルート100は必然的に設定される。
【0034】
該ルート100上には、船体1に先行して前記ルート100上を移動する仮想点であるターゲットポイントPTを設定する。例えば図5に示すように、x−y座標系を用いて表したウェイポイントWPk−1,WPkの位置を(Xk−1,Yk−1),(Xk,Yk)とした場合、該ウェイポイントWPk−1,WPk間のルート100上を移動する前記ターゲットポイントPTの位置(Xf,Yf)は、下記(1)式及び(2)式によって表される。
【0035】
【数1】
なお、VSはターゲットポイントPTの移動速度、TSは制御装置6のサンプリング周期、αはウェイポイントWPk−1,WPkを結ぶ線分とx軸との成す角であり、該角αは、該ウェイポイントWPk−1,WPkの座標を用いて、
α=atan2(Yk−Yk−1,Xk−Xk−1)
と表される。
【0036】
線分で結ばれたウェイポイントWP間の各区間(図5参照)には、前記ターゲットポイントPTの動作条件に関する種々の条件を関連付けることが可能であり、これらの条件は、夫々の区間の属性として制御装置6が備える記憶装置63に格納される。
【0037】
図6は、各区間の属性の一例を示す図表である。図6に示すように、ウェイポイントWPk−1,WPkの間の区間LEGk、ウェイポイントWPk,WPk+1の間の区間LEGk+1、ウェイポイントWPk+1,WPk+2の間の区間LEGk+2等の各区間には、該各区間の属性として、ターゲットポイントPTの移動速度VSi(i=…,k,k+1,k+2,…)、該ターゲットポイントPTの移動方向を示す方位角Ψfi(i=…,k,k+1,k+2…)等が関連付けられている。
【0038】
本実施の形態では、仮想点である前記ターゲットポイントPTを、現時刻に位置する区間に対して図6に示すように関連付けられた該区間の属性に従ってルート100上を移動させる。そして、後述するように船体1を制御し、該船体1を前記ターゲットポイントPTに追従させるようにして、ルート100に沿って移動(ルートトラッキング)させる。以下、ターゲットポイントPTの動作制御と、該ターゲットポイントPTに追従するように船体1をルートトラッキングさせるべく実行する最適化演算について説明する。
【0039】
[ターゲットポイントの動作について]
図7は、船体1のルートトラッキング時におけるターゲットポイントPTの動作制御の流れを示すフローチャートであり、図8は、該フローチャートに示されるターゲットポイントPTの動作を例示する模式図である。なお、図7のフローチャートは、複数のウェイポイントを経由するルートに沿って船体1をトラッキングさせ、最終のウェイポイントにて定点保持を行う場合のターゲットポイントPTの動作制御の流れを示しており、制御装置6のサンプリング周期TS毎に実行される。
【0040】
初めに、オペレータがルート情報入力装置5を操作することにより、ウェイポイントWPkに関する情報、各区間LEGi(図5参照)に関連付けされる属性、及び後述する時間Tの初期値が予め記憶装置63に記憶される(S1)。
【0041】
前記ウェイポイントWPkに関する情報としては、フィールド上に設けるウェイポイントWPkの数(kMAX)、複数設けられた各ウェイポイントWPkの座標、及び各ウェイポイントWPkに対して経由順に割り当てる番号k(k=0,1,…,kMAX、但し、WP0は制御開始時における船体位置に対応する)を含む。各区間LEGiの属性としては、移動速度VSi(i=1,…,kMAX)、及び方位角Ψfi(i=1,…,kMAX)を含み、該属性は各区間LEGiにおけるターゲットポイントPTの動作条件に相当する。
【0042】
また、前記時間(設定時間)Tは、概説すればターゲットポイントPTに追従するように移動する船体1の該ターゲットポイントPTに対する遅れ時間に相当するものである。即ち、船体1は、現時刻でのターゲットポイントPTの位置に、前記時間Tだけ経過した未来に到達し得るように動作が制御され、且つ、現時刻でのターゲットポイントPTの動作条件(存在する区間の属性)を、前記時間Tだけ経過した未来に獲得し得るように動作が制御される。
【0043】
次に、船体1のトラッキング制御にあたり、制御装置6のルート最適化演算部8にてk=1が設定され(S2)、ターゲットポイントPTの位置,移動速度,及び方位角が、夫々ウェイポイントWP0の座標(X0,Y0),VS1,Ψf1に設定され、該ターゲットポイントPTは、座標(X0,Y0)から速度VS1で移動を開始する(S3,図8に示すPT1参照)。
【0044】
ルート最適化演算部8は、オペレータの操作によりルート情報入力装置5から時間Tを変更する旨の入力があるか否かを判別し(S4)、入力があると判別した場合(S4:YES)には、これに従って時間Tの変更を設定する(S5)。なお、時間Tの変更の有無はターゲットポイントPTの動作に直接影響を与えるものではなく、後述する最適化演算(S14参照)を実行することにより制御される船体1のトラッキング動作に作用するものである。
【0045】
時間Tの変更を設定した場合(S5)、又は時間Tを変更する旨の入力がないと判別した場合(S4:NO)は、現時点でのkの値がフィールド上に設けられたウェイポイントWPkの数kMAXより大きいか否かを判別する(S6)。即ち、ターゲットポイントPTがウェイポイントWPkMAXを通過したか否かを判別する。
【0046】
そして、kの値がkMAXの値以下であると判別した場合(S6:YES,図8に示すPT1,PT2,PT3参照)、ターゲットポイントPTがウェイポイントWPkを通過(又は、ウェイポイントWPkに到達)したか否かを判別する(S7)。通過していないと判別した場合(S7:NO,図8に示すPT1,PT2参照)、ターゲットポイントPTの座標を更新し(S8)、後述する最適化演算を実行し(S14)、再びステップ4からの動作を実行する。
【0047】
ここで、ステップ8にて行うターゲットポイントPTの座標の更新は、更新直前の座標(Xf,Yf)と、更新時に位置する区間LEGiの属性として設定されている移動速度VSi及び方位角Ψfiと、制御装置6のサンプリング周期TSとを用い、(1)式及び(2)式に基づいて新たな座標を算出することによって行う。
【0048】
一方、ステップ6にてkの値がkMAXの値以下(S6:NO)であると判別した後に、ターゲットポイントPTがウェイポイントWPkを通過したと判別した場合(S7:YES,図8に示すPT3,PT4参照)は、ターゲットポイントPTの座標をウェイポイントWPkの座標(Xk,Yk)に更新し(S9)、kの値を1だけ増加させた後(S10)、そのkの値がkMAXの値より大きいか否かを判別する(S11)。
【0049】
なお、ステップ9では計算の便宜上、ウェイポイントWPkを通過した直後のターゲットポイントPTの座標を前記ウェイポイントWPkの座標と近似し、ステップ8と同様の手法によりターゲットポイントPTの座標を更新している。しかし、実際にターゲットポイントPTの位置を算出してその座標を更新してもよい。
【0050】
kの値がkMAXの値以下であると判別した場合(S11:NO,図8に示すPT3参照)、ターゲットポイントPTの移動速度及び方位角を、ステップ10にて設定されたkの値に対応する区間LEGkの属性に基づいてVSk,Ψfkに更新し(S12)、後述する最適化演算を実行し(S14)、再びステップ4からの動作を実行する。
【0051】
他方、ステップ6にてkの値がkMAXの値より大きいと判別した場合(S6:YES,図8に示すPT4参照)、又は、ステップ11にてkの値がkMAXの値より大きいと判別した場合(S11:YES,図8に示すPT4参照)は、ターゲットポイントPTの移動速度をVSi=0とし(S13)、後述する最適化演算を実行し(S14)、再びステップ4からの動作を実行する。
【0052】
なお、k=1と設定した後(S2)、最初に行うステップ6の動作にてk>kMAX(S6:YES)と判別されるのは、kMAX=0の場合であり、制御開始時における船体位置(図8に示すWP0参照)にターゲットポイントPTを固定して、この位置に船体1を保持しようとしていることを意味する。
【0053】
また、kMAX>0の場合であってステップ11にてk>kMAX(S11:YES)と判別されるのは、1以上のウェイポイントWPを経由した後に最後のウェイポイントWPkMAXにてターゲットポイントPTを固定し、該ウェイポイントWPkMAXにて船体1を保持しようとしていることを意味する。
【0054】
更に、kMAX>0の場合であってステップ6にてk>kMAX(S6:YES)と判別されるのは、現時点で既に船体1がウェイポイントWPkMAXに保持されており、その後引き続いて該ウェイポイントWPkMAXに船体1を保持しようとしていることを意味する。
【0055】
[最適化演算について]
次に、ステップ14にて実行される最適化演算について説明する。制御系の状態ベクトル(状態量)をx(t)、該制御系へ入力する制御信号の入力ベクトルをu(t)、既知の時変パラメータをp(t)とすると、一般に該制御系の状態方程式は下記(3)式のように表される。
【0056】
【数2】
また、船体1に設けられた制御位置を、例えば図4に示すxs−ys座標系を用いて(−xc,0)とした場合、図4に示す状態量を有する該船体1についての上記(3)式の状態方程式は、下記(4)式のように具体的に与えることができる。
【0057】
【数3】
なお、M1は船体1の質量及び前後付加質量の合計、M2は船体1の質量及び左右付加質量の合計、Iは船体1の慣性モーメント及び付加慣性モーメントの合計である。u1は船体1の前後方向の推力指令値、u2は船体1の左右方向の推力指令値、u3は船体1の旋回モーメント推力指令値である。XHは船体1に対して図4に示すxs軸向きに作用する流体力、YHは船体1に対してys軸向きに作用する流体力、NHは船体1に対して右舷回頭向きに作用する流体力を示す。該流体力XH,YH,NHは、各方向の速度及び角速度の関数として近似したモデルを使用することができる。
【0058】
また、上記最適化演算においては、下記(5)式に示す評価関数Jと(6)式に示す終端状態量拘束条件Ψとを用いる。
【0059】
【数4】
なお、r1,r2,r3は前記推力指令値u1,u2,u3の夫々に掛かる重み係数を表しており、ここでは全て正の値とする。また、xf(t+T)は時刻t+Tにおける船体1の状態量の目標値を表している。
【0060】
上記(5)式に示される評価関数Jは、時刻t〜t+T間における船体1の移動に係る消費エネルギーに関するものであり、船体1の運動特性を考慮して該評価関数Jを最小(r1,r2,r3<0の場合は、最大)にすることは、前記時刻t〜t+T間における消費エネルギーを最小に抑えることを意味する。なお、前記評価関数Jには推力指令値u1,u2,u3が含まれているが、必要に応じて船体1の状態量を含めてもよい。
【0061】
また、(6)式に示される終端状態量拘束条件Ψは、現時刻tから時間Tだけ未来の時刻t+Tに、該現時刻tでのターゲットポイントPTの動作条件を、船体1の状態量として獲得させるためのものである。このように、本実施の形態では船体1の状態量の目標値を現時刻tから時間T後の終端時間のみで設定し、船体位置制御問題を終端位置固定問題として定式化している。従って、後述するシミュレーション結果にも示されるように、時間Tを適宜設定することにより、ルート100上の変針点にてターゲットポイントPTの移動速度及び方位角が大きく変化しても、船体1の各推力指令値の急変を抑制することができる。
【0062】
ステップ14に示す最適化演算では、初めに、現時点における船体1の状態量x(t)を取得する。即ち、図3に示すように、位置計測装置3が取得した船体1の位置情報と、方位角計測装置4が取得した船体1の方位角情報とを用い、制御装置6のオブザーバ10によって各状態量x(t)を算出する。一方で、上記(6)式に示す終端状態量拘束条件と、時刻tにおけるターゲットポイントPTの動作条件(VSi,Ψfi)及び座標(Xfk,Yfk)とに基づき、時刻t+Tにおける船体1の目標状態量であるx(t+T)を取得する。そして最終的に、現時刻tでの船体1の状態量x(t),前記目標状態量x(t+T),及び(4)式に示す状態方程式に基づき、移動体の運動特性を考慮して(5)式に示す評価関数を最小にする推力指令値u1,u2,u3を算出する。
【0063】
なお、上記終端状態量固定問題における最適性の条件は、下記(7)〜(10)式によって与えられる。
【0064】
【数5】
ここで、HはハミルトニアンL+λf、λはxの共状態行ベクトル、νは(6)式に示す終端状態量拘束条件に対するラグランジェ乗数行ベクトルである。また、μは時間t〜t+Tで定義される変数ベクトルμ=Ψx(τ)である。x0はサンプリング周期毎にフィードバックされる状態変数の初期値である。
【0065】
このようにして算出された推力指令値u1〜u3は、時間の関数として表され、時刻t〜t+T間の消費エネルギーを最小限に抑制した上で、時刻t+Tにおいて船体1に目標状態量x(t+T)を達成させるものである。そして、ルート最適化演算部8では、前記推力指令値u1〜u3の現時刻tにおける値(即ち、現時刻直後に船体1に付与すべき推力に対応する推力指令値)を取得し、図3に示すように推力配分部9へ推力指令として出力する。推力配分部9は前記推力指令に基づき、推進機構7、即ち図2に示した各アクチュエータ21〜25への推力配分を決定し、該アクチュエータ21〜25へ個別に動作指令を出力する。
【0066】
[シミュレーション結果について]
次に、本実施の形態に係る船体1の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの結果について説明する。図9は予め設定されたシミュレーション条件を示すグラフである。
【0067】
図9に示すように本シミュレーションでは制御開始時の船体位置WP0を原点とする座標系に2つのウェイポイントWP1,WP2が設定されている。該ウェイポイントWP1の座標は(X1,Y1)=(200,0)、ウェイポイントWP2の座標は(X2,Y2)=(400,200)である。ウェイポイントWP0,WP1間の区間LEG1の属性は、速度VS1=0.5m/s,方位角Ψf1=0度であり、ウェイポイントWP1,WP2間の区間LEG2の属性は、速度VS2=0.5m/s,方位角Ψf2=45度である。また、時間T=20sec(ケース1),T=80sec(ケース2)の2ケースについてシミュレーションを行った。
【0068】
本シミュレーションの結果を図10〜14に示す。図10は、x−y座標系にプロットしたケース1,2における船体1の航跡図であり、破線はケース1を、実線はケース2を示している。該航跡図では、特に変針点であるウェイポイントWP1を含む周辺における船体1の航跡を示している。
【0069】
図11は、ケース1について、制御開始時からの経過時間(sec)に対する船体1の推力指令値u1,u2,u3を別個に示すグラフであり、図11(a)は船体1の前後方向の推力指令値(u1)を、図11(b)は船体1の左右方向の推力指令値(u2)を、図11(c)は船体1の旋回モーメント推力指令値(u3)を夫々示している。図12は、ケース1について、制御開始時からの経過時間(sec)に対する船体1の状態量X,Y,Ψを別個に示すグラフであり、図12(a)は船体位置のx座標(X)を、図12(b)は船体位置のy座標(Y)を、図12(c)は船体の方位角(Ψ)を夫々示している。
【0070】
また、図13は、ケース1について、制御開始時からの経過時間(sec)に対する船体1の推力指令値u1,u2,u3を別個に示すグラフであり、図13(a)は船体1の前後方向の推力指令値(u1)を、図13(b)は船体1の左右方向の推力指令値(u2)を、図13(c)は船体1の旋回モーメント推力指令値(u3)を夫々示している。図14は、ケース2について、制御開始時からの経過時間(sec)に対する船体1の状態量X,Y,Ψを別個に示すグラフであり、図14(a)は船体位置のx座標(X)を、図14(b)は船体位置のy座標(Y)を、図14(c)は船体の方位角(Ψ)を夫々示している。
【0071】
図10から分かるように、ケース2に比べてケース1では、変針点であるウェイポイントWP1に対してより近接した航跡が形成されている。従って、時間Tを比較的短時間に設定することにより、ルートに沿ってより厳密に船体1をトラッキングさせ得ることが分かる。
【0072】
また、図11及び図13を対比して分かるように、各推力指令値u1〜u3の変動(スラスタ変動)は、ケース1に比べてケース2の場合の方が、相対的に小さくなっている。また、図12及び図14を対比して分かるように、船体1の位置及び方位角の変動についても、ケース1に比べてケース2の場合の方が、相対的に小さくなっている。従って、時間Tを比較的長時間に設定することにより、スラスタ変動を抑制でき、変針点において曲率の大きい滑らかな航跡を得ることができることが分かる。
【0073】
上述したような制御方法及び制御装置によれば、事前に厳密な計画航路を設定する必要がなく、図5又は図8に示すように複数のウェイポイントWPを線分で結んだだけのルートを設定した場合であっても、変針点において船体1の操作量(即ち、アクチュエータ7への動作指令の値)の急激な変化を抑制することができる。また、船体1を、ターゲットポイントPTに追従するようにして、消費エネルギーを抑制しつつ移動させることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、最適な計画航路を事前に設定する必要がなく、また、所定の制約条件内でエネルギーの消費を抑制した上で、移動体を予定移動経路(ルート)に沿って移動させるように制御可能な移動体の制御方法及び制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動体の制御装置を含む制御系の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図3】図1に示す推進機構として船体に設けられたアクチュエータの配置例を示す模式図である。
【図4】本実施の形態に係る船体の状態量の定義を説明するための模式図である。
【図5】船体の予定移動経路(ルート)とターゲットポイントとを説明するための模式図である。
【図6】ルート上の各区間の属性の一例を示す図表である。
【図7】船体のルートトラッキング時におけるターゲットポイントの動作制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】図7のフローチャートに示されるターゲットポイントの動作を例示する模式図である。
【図9】本実施の形態に係る船体の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの条件を示すグラフである。
【図10】本実施の形態に係る船体の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図11】本実施の形態に係る船体の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図12】本実施の形態に係る船体の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図13】本実施の形態に係る船体の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図14】本実施の形態に係る船体の制御方法及び制御装置を用いて行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 船体
2 操船装置
3 位置計測装置
4 方位角計測装置
5 ルート情報入力装置
6 制御装置
7 推進機構
8 ルート最適化演算部
9 推力配分部
10 オブザーバ
21 スラスタ
22,23 プロペラ
24,25 舵
PT ターゲットポイント
T 時間(設定時間)
u1,u2,u3 推力指令値(推力値)
WP ウェイポイント(目標点)
Claims (12)
- 移動体の予定移動経路と、該予定移動経路上を移動し得る仮想点から成るターゲットポイントの動作条件とを設定し、
前記ターゲットポイントを前記動作条件に基づいて動作させ、
前記移動体を、現時刻から設定時間だけ未来に、前記動作条件に基づいて動作する前記ターゲットポイントの前記現時刻での位置に到達させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出し、
該推力に基づいて前記ターゲットポイントを追従するように前記移動体を移動させることを特徴とする移動体の制御方法。 - 前記移動体に、前記現時刻から前記設定時間だけ未来に、該現時刻での前記ターゲットポイントの動作条件を獲得させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
- 複数の目標点を設定して該目標点を線分で結ぶことにより、前記予定移動経路を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体の制御方法。
- 前記推力の算出においては、未定数としての推力値を含む前記移動体の操作量に関する評価関数を用い、現時刻から前記設定時間だけ未来に至る期間についての前記評価関数が、最小値又は最大値になるという条件を満たす推力を算出することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の移動体の制御方法。
- 前記設定時間を変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の移動体の制御方法。
- 前記ターゲットポイントの位置を固定して前記移動体の定点保持を行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の移動体の制御方法。
- 移動体の予定移動経路を設定する手段と、
該予定移動経路上を移動し得る仮想点から成るターゲットポイントの動作条件を設定する手段と、
設定時間を設定する手段と、
前記移動体を、現時刻から前記設定時間だけ未来に、前記動作条件に基づいて動作する前記ターゲットポイントの前記現時刻での位置に到達させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出する手段と
を備えることを特徴とする移動体の制御装置。 - 前記推力を算出する手段は、前記移動体に、前記現時刻から前記設定時間だけ未来に、該現時刻での前記ターゲットポイントの動作条件を獲得させるべく、前記現時刻直後に前記移動体に付与すべき推力を算出すべく成してあることを特徴とする請求項7に記載の移動体の制御装置。
- 前記予定移動経路を設定する手段は、複数の目標点を設定し、該目標点を線分で結んで前記予定移動経路を設定すべく成してあることを特徴とする請求項7又は8に記載の移動体の制御装置。
- 前記推力値を算出する手段は、未定数としての推力値を含む前記移動体の操作量に関する評価関数を用い、現時刻から前記所定時間だけ未来に至る期間についての前記評価関数が、最小値又は最大値になるという条件を満たす推力を算出すべく成してあることを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の移動体の制御装置。
- 前記設定時間を変更する手段を備えることを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の移動体の制御装置。
- 前記ターゲットポイントの位置を固定する手段を備えることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の移動体の制御装置。
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JP2024006934A (ja) | 経路設定方法、移動制御方法、プログラム、経路設定装置、及び移動体 |
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