JP2004354300A - Icタグ付きマイクロアレイ用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性や耐薬品性等の耐性に優れ、豊富な情報量をもつことができると共に読取操作が容易で読取エラーが発生し難く、追加書き込み操作が可能なマイクロアレイ用基板を提供することである。
【解決手段】一方の面にプローブ分子が固定されたプローブ分子固定領域を設ける生体分子の検出具に用いるマイクロアレイ用基板の他方の面に前記プローブ分子固定領域を避けて情報の読み書き可能なICタグを設けたことを特徴とするICタグ付きマイクロアレイ用基板。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAマイクロアレイ、蛋白質マイクロアレイ、細胞マイクロアレイ等のプローブ分子を複数個配列すると共に固定したマイクロアレイの識別および検査管理に関し、さらに詳しくは、マイクロアレイにICタグを設けることにより、マイクロアレイの識別および検査管理を効率的に行なうことができる耐久性に優れたマイクロアレイ用基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゲノム解析の進展により、種々の生物の生理反応に関与する生体分子が解明されてきた。これら生体分子には、DNA、蛋白質、糖鎖、細胞などがあり、機能や構造等が解明されたものは、創薬や臨床検査、食品検査、環境検査などの各種産業用途に利用される。
【0003】
臨床検査を始めとする検査では、以下の方法が一般的によく採用される。すなわち、検出したい生体分子(以下、アナライトと呼称する)と特異的に結合するプローブ分子(以下、リガンドと呼称する)を基板上に固定した、いわゆるデバイスの前記リガンド上にアナライトの被検体液を流すなり、あるいは、デバイスを被検体液に浸漬する。アナライトが存在する場合、リガンドと結合してアナライトがデバイス(基板)上に捕捉される。
【0004】
捕捉されたアナライトの検出には種々の方法があるが、最もよく使われる検出方法としては標識法、すなわち、アナライトと特異的に結合するリガンドに蛍光や酵素標識を行ない、アナライトをリガンドと標識物質でサンドイッチして標識物質を計測する方法がある。
【0005】
また、非標識法としては、表面プラズモン分析や水晶発振子による解析法などのアナライトが結合したことによる基板表面の微小変化を計測する方法がある。
【0006】
また、アナライトがDNAの場合は、被検体液中のDNAのすべてを、また、蛋白質の場合は、被検体液中の蛋白質のすべてを標識し、リガンドに結合したアナライトの量を標識シグナルにより直接計測する方法がある。この方法は、同一基板上に複数のリガンドが固定されている場合に、よく用いられる方法である。
【0007】
また、リガンドを固定する基板としては、メンブレンや不織布のような吸水性材料、ラテックスや磁性ビーズのような粒状物質、マイクロプレートウエルのような研究用ディスポ材料を挙げることができ、リガンドの種類としては1〜数項目が多い。
【0008】
また、上記したような検査方法においても、近年、高速化、自動化が求められ、数百〜数万の生体分子を同時に網羅的に計測する検出方法が要望されるようになり、これについても生体分子固定の集積化技術、いわゆる、MEMS技術を用いたデバイス設計が可能となり、いわゆるマイクロアレイとして、創薬研究やバイオ研究における網羅的解析に用いられている。
【0009】
デバイスとしてのマイクロアレイは、基板上に固定されるプローブ分子の種類により、DNAマイクロアレイ(DNAチップとも呼ばれる)、蛋白質マイクロアレイ(蛋白質チップとも呼ばれる)、細胞マイクロアレイ(細胞チップとも呼ばれる)等がある。これらの中で、ゲノム解析により遺伝子種の機能や構造の解明が最も進んでいる、あるいは、基板上への固定方法や検出方法が安定しているなどの理由から、DNAをリガンドとして採用したマイクロアレイであるDNAマイクロアレイが広く用いられている。
【0010】
DNAマイクロアレイには種々のタイプのものが存在するが、作製方法が比較的容易かつ安価なために最も普及しているStanford型DNAマイクロアレイを例に採ると、スライドグラスのサイズ(25.4×76.2mm)に10〜50μmの間隔で金属ピンやインクジェットで数10種類から3万種類のスポット径100〜300μmのDNA溶液を点着固定したものがある。点着固定されるDNA種は対象となる生体種のDNAが用いられる。たとえば、酵母のように全ゲノムが解読され、かつ、遺伝子数が6000前後の場合は、酵母の全遺伝子を配列固定する。通常、測定誤差を防ぐために同一種のDNAを2スポット固定する。そして、2つのスポットが共に同一結果である場合を解析結果として採用する。よって、酵母の場合は、全遺伝子数が12000(6000×2)である。
【0011】
また、ヒトゲノムのように遺伝子数が35000前後と、DNAマイクロアレイに固定可能な遺伝子数を超える場合は、通常、臓器や組織等の部位、あるいは、疾患に限定して固定されて解析される。また、DNAマイクロアレイは、DNAが配列固定された状態でメーカーから提供される場合もあれば、ユーザーが各研究室でスライドグラス状の基板にDNAをスポット固定する場合もある。
【0012】
そして、解析は、DNAマイクロアレイ上に、たとえば、蛍光物質で予め蛍光標識を行なった被検体液を流すなり、あるいは、DNAマイクロアレイを、たとえば、蛍光物質で予め蛍光標識を行なった被検体液中に浸漬する等して基板上に固定したDNAと同一のDNAが被検体液に含まれていれば、両者をハイブリダイズさせることができ、その後にDNAマイクロアレイを洗浄してからハイブリダイズされたDNAの蛍光物質が発する蛍光シグナルを検出測定することにより被検体液中に含まれるDNA種や発現量が同定される。
【0013】
蛍光シグナルの検出は、スキャニングにより基板(スライドグラス)の蛍光強度の二次元分布を計測(バックグラウンド値)した後に、このバックグラウンド値を基準として各スポットの蛍光強度を画像解析により計測する。
【0014】
この時に、検出項目が数万種にも上るため、基板に固定されたDNAの配列に関する情報は予めデジタルデータとしてコンピュータや、該コンピュータと接続されたサーバにアレイ情報として登録される。アレイ情報は、各スポットの位置情報と、アレイの各位置にスポットされたDNAの配列、固定量、DNAの機能などである。一方、個々のDNAマイクロアレイには、アレイを同定する識別情報(以下、IDと呼称する)が付与され、IDをリーダーで識別することにより、コンピュータもしくはサーバ内の対応するアレイ情報が読み出される。アレイ情報を登録したコンピュータ・サーバは、通常蛍光シグナル測定装置〔たとえば、富士フィルム(株)製:LAS1000プラス(商品名)〕と連動しており、蛍光シグナル測定時にマイクロアレイのIDより、対応するアレイ情報を読み出し、各スポットの蛍光強度と予め登録されたDNAマイクロアレイ固有のアレイ情報と照合することにより各スポットのDNAの量として計測される。DNAマイクロアレイのIDとしては、スライドグラスの端部に貼付されたバーコードラベルやインクジェットなどによるナンバリングが一般的である。この理由としては、DNAマイクロアレイのサイズが25.4×76.2mmと小さく、また、リガンドを固定する固定領域には基板面に直交する方向に、たとえば、蛍光強度を測定することからIDを設けることができないために、通常DNAマイクロアレイの端部の狭い領域に設けねばならないからである。
【0015】
しかしながら、バーコードラベルやインクジェットでのナンバリングには以下の問題がある。すなわち、
▲1▼DNAマイクロアレイを用いた生体分子検出法には、被検体液をDNAマイクロアレイ上に流す、あるいは、被検体液に浸漬する過程があり、耐水性や耐薬品性を考慮するとバーコードラベルやインクジェットでのナンバリングは滲みや消失の虞がある。
▲2▼バーコードラベルでは、基板に貼着するためにバーコードラベルの裏面に設けられている粘着剤や接着剤が、アナライトとリガンドとの結合を阻害する虞があるという問題がある。また、ナンバリングは、DNAマイクロアレイ照合の際に、ユーザーが直接コンピュータに番号を入力する手間がかかると共にバーコードでは読取機構の問題から読取操作が煩雑であり、読取エラーが発生し易い。
▲3▼一つのDNAマイクロアレイを複数回使用する場合に、DNAマイクロアレイ自体に計測履歴を書き込むことが望ましいが、バーコードラベルやナンバリングでは追加書き込みができない。
▲4▼DNAマイクロアレイに設ける場合、ナンバリングで10桁前後、バーコードで数10桁であることを考えると製造ロットの情報が精一杯であり、本来はDNAマイクロアレイに設けることが望ましいDNAの由来、供給元、実験履歴などの詳細情報を設けることができない。
▲5▼DNAマイクロアレイは、冷蔵庫や冷凍庫に保存される場合があるが、バーコードでは常温放置した後に読取をおこなわないと結露による読取エラーが発生する虞がある。
【0016】
なお、以上述べた従来のデバイスとしてのマイクロアレイを開示した先行技術文献は多岐にわたっているが、出願人は、本発明の特徴に直接関連した内容が開示されている先行技術文献を現段階では認識していないために、本明細書では、先行技術文献情報の記載は行っていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、耐水性や耐薬品性等の耐性に優れ、豊富な情報量をもつことができると共に読取操作が容易で読取エラーが発生し難く、追加書き込み操作が可能なマイクロアレイ用基板を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、非接触で外部リーダライタと情報の交信が可能であり、情報量を多く持つことができるICタグを備えた以下に記す手段からなるマイクロアレイ用基板とすることにより上記課題を達成できることを見出して本発明を完成させた。
【0019】
すなわち、請求項1記載の本発明のICタグ付きマイクロアレイ用基板は、一方の面にプローブ分子が固定されたプローブ分子固定領域を設ける生体分子の検出具に用いるマイクロアレイ用基板の他方の面に前記プローブ分子固定領域を避けて情報の読み書き可能なICタグを設けたことを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板において、前記プローブ分子固定領域が前記マイクロアレイ用基板の周縁部を除く領域に設けられ、前記ICタグが前記マイクロアレイ用基板の周縁部に設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1、2のいずれかに記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板において、前記ICタグの構成要素であるアンテナパターンが印刷により形成され、前記ICタグが絶縁体で被覆されていることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1、2のいずれかに記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板において、前記ICタグの構成要素であるアンテナパターンが金属箔で形成され、前記ICタグが絶縁体で被覆されていることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板において、前記ICタグがアンテナパターンを金属箔で形成したICタグを備えたフィルム基材からなり、前記マイクロアレイ用基板の他方の面に前記アンテナパターンが当接するように貼着したことを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項6記載の本発明は、請求項1記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板において、前記ICタグがICタグを樹脂材料で被覆したICタグインレットからなり、該ICタグインレットを前記マイクロアレイ用基板の他方の面に貼着したことを特徴とするものである。
【0025】
また、請求項7記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板において、前記マイクロアレイ用基板は長方形の一つの角部に切欠部を有する形状からなり、この切欠部のある短辺端部にICチップが設けられていることを特徴とするものである。
【0026】
【作用】
上記請求項1〜7のいずれかに記載の構成とすることにより、耐水性や耐薬品性等の耐性に優れ、豊富な情報量をもつことができると共に読取操作が容易で読取エラーが発生し難く、追加書き込み操作が可能なマイクロアレイ用基板とすることができ、また、ICタグの構成要素であるICチップとアンテナとをプローブ分子固定領域を避けて、具体的にはマイクロアレイ用基板面に直交する方向においてICチップとアンテナとをプローブ分子固定領域と重なることがないように設けたことにより、一連のアナライトの検出操作時に検出阻害の発生することがないマイクロアレイ用基板とすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1はDNAマイクロアレイの一般的な配置を説明する表面図、図2は本発明にかかるDNAマイクロアレイの一実施例を示す裏面図および断面図、図3は非接触型ICタグの一例を示す図であり、図中の1はDNAマイクロアレイ、2は切欠部、3はスライドグラス、4,4’はICタグ、5は基材、6は導通部材、42,42’はアンテナパターン、41,41’はICチップ、42’a,42’bは接続端子、S1は固定領域、S2は非固定領域をそれぞれ示す。
【0028】
図1はDNAマイクロアレイの一般的な配置を説明する表面図であって、DNAマイクロアレイ1は表裏面の間違いを防止するために一角に切欠部2を有するスライドグラス3からなり、DNAがスポット固定される固定領域S1とDNAがスポット固定されない非固定領域S2に区画され、前記切欠部2のある短辺端部が約15mm巾およびこれ以外の三辺端部が約5mm巾の領域が非固定領域S2となっている。そして、前記切欠部2のある短辺端部の非固定領域S2にバーコード(図示せず)等のIDが設けられる。
【0029】
図2は本発明にかかるDNAマイクロアレイの一実施例を示す裏面図および断面図であって、DNAマイクロアレイ1の裏面(DNAがスポット固定される面の反対面)の前記非固定領域S1にICタグ4の構成要素であるICチップ41とアンテナパターン42が設けられ、前記ICチップ41が前記切欠部2のある短辺端部の非固定領域S2に設けられている。前記ICタグ4には接触型と非接触型とがあるが、認識の簡便性から非接触型が望ましい。
【0030】
図3は非接触型ICタグの一例を示す図であって、非接触型ICタグ4’はプラスチックやガラス等の基材5にコイル状アンテナパターン42’を形成し、当該コイルと容量素子とによりLC共振回路を形成して一定周波数の電波を受信すると共に非接触型ICタグの情報を発信源に送信して返すことができる。交信周波数としては、一般的には125kHz、13.56MHz、2.45GHz、5.8GHz(マイクロ波)の周波数帯から選択して使用される。図3の場合、アンテナパターン42’は導通部材6により前記基材5の裏面でジャンピング回路を形成して接続端子42’a、42’bによりICチップ41’の裏面バンプに接続しているが、その他、各種の配線構造のものがある。また、容量素子はICチップ41’に内蔵されるか、回路自体の浮遊容量を使用している。
【0031】
このような非接触型ICタグ4’はDNAマイクロアレイ1のスライドグラス3(ガラス)やプラスチック等の基材5にラミネートしたアルミニウム箔等の金属箔をフォトエッチングやレジスト印刷後のエッチングによりアンテナパターン42’を形成するか、プリント配線技術により形成し、ICチップを装着する。非接触型ICタグ4’のアンテナパターン42’の形状は、図3に示す例に限るものではないが、図3に示すように非固定領域S2に周回するようにパターンを形成するのが十分な通信距離を得ることができるために望ましいし、非固定領域S2に設けることにより、たとえば、蛍光強度を測定する場合に測定を阻害することがない。
【0032】
非接触型ICタグの設け方としては、たとえば、スライドグラス3に直接設ける方法と、予め非接触型ICタグを設けたプラスチックフィルム、あるいは、予め非接触型ICタグを樹脂材料で被覆したICタグインレットをスライドグラス3に貼付する方法等がある。非接触型ICタグをスライドグラス3に直接設ける方法としては、スライドグラス3にアンテナパターンを導電性インキで印刷、たとえば、シルクスクリーン印刷法で形成するか、あるいは、スライドグラス3にアルミニウム箔等の金属箔をラミネートした後にフォトエッチングによりアンテナパターンを形成し、その後にICチップを装着し、封止材料でICタグ部分を被覆する。封止材料としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系等の熱硬化型やUV硬化型樹脂が適当であり、被覆方法としては、たとえば、上記樹脂をインキ化してシルクスクリーン印刷法で印刷することにより被覆することができるし、また、たとえば、上記樹脂をフィルム化し、これを熱硬化型やUV硬化型接着剤等を介して積層して被覆することができる。熱硬化型やUV硬化型接着剤を用いることにより、耐水性や耐薬品性において優れるものとできる。
【0033】
また、予め非接触型ICタグを設けたプラスチックフィルム、あるいは、予め非接触型ICタグを樹脂材料で被覆したICタグインレットを用いる場合に、スライドグラス3に貼着する接着剤としては、上記と同じ理由から熱硬化型やUV硬化型接着剤が好ましい。
【0034】
次に、ICタグ付きDNAマイクロアレイ用基板の使い方について、ICタグ付きDNAマイクロアレイ用基板が製造メーカーより供給されて使用する場合と、研究室等で自前で作製して使用する場合とに分けて説明する。
【0035】
まず、製造メーカーより供給されて使用する場合について説明する。
製造メーカーで製造されたICタグ付きDNAマイクロアレイ用基板は、製造メーカーで製造番号と生物種等からなるIDがICタグに外部リーダライタによって書き込まれてユーザーに供給されると共に前記IDに対応するマイクロアレイ情報は、製造メーカーから、たとえば、CD−ROM等の形態でデジタルデータとしてユーザーに提供される。ユーザーは、供給されたICタグ付きDNAマイクロアレイ用基板を用いて被検体液をハイブリダイズ後、蛍光強度を計測する際に、ICタグに書き込まれたIDを外部リーダライタにより読み取ると共にユーザーマイクロアレイ解析DB(以下、解析DBと呼称する)に実験条件や被検体液の条件を入力し、新たに生成した実験結果、たとえば、実験日、実験者、第n回目(n:整数)等を履歴として外部リーダライタでICタグに書き込む。前記IDから製造メーカーのマイクロアレイDB情報を解析DBに取り込むと共に、各スポットに固定したDNAと相補的に結合したDNA量を算出し、被検体液の生体情報の解析を行なう。DNAマイクロアレイは、数回の繰り返し使用が可能であるため、前記IDと書き込まれた前記実験結果の履歴から以前のデータを読み出すことにより、新規データとの比較検討が容易になる。このようなICタグのIDを使ってのデータの照合や解析は、SNP解析による疾患研究や診断のような多数のサンプルを処理するような場合に、アレイとデータとの照合が簡易かつ短時間で行なえるために好適である。
【0036】
次に、各研究室で自作して使用する場合について説明する。ヒト・マウスのような比較的よく用いられるDNAマイクロアレイは製造メーカーによって供給されるが、特殊な生物種や細胞のDNAマイクロアレイは一般的に各研究室で自作される場合が多い。たとえば、微生物や植物、動物などの特定の生物種を長年研究し、遺伝子資源を蓄積している研究室がDNAマイクロアレイを自作し、自らの研究室での研究に用いるだけでなく、同一の生物種を研究している外部の研究室に提供する場合がある。この場合、製造の手間の問題(製造に時間と労力がかかる問題)はあるものの、プローブ分子のロット差を均一にするために、通常、マイクロアレイは一度に大量に作製される場合が多い。このような場合、DNAマイクロアレイ基板に、プローブ分子の由来生物種、特徴、作成日、製造番号等を書き込むが、ICタグを備えていることにより、簡易かつ短時間で書き込むことができる。また、プローブ分子を固定したDNAマイクロアレイの実験結果履歴の書き込み、IDによるアレイデータの読み出し・照合の手順は製造メーカーから供給された場合のICタグ付きDNAマイクロアレイ用基板と同様の手順で行なえばよいものである。
【0037】
【発明の効果】
以上縷々説明したように、本発明のICタグ付きマイクロアレイ用基板は、耐水性や耐薬品性等の耐性に優れ、豊富な情報量をもつことができると共に読取操作が容易で読取エラーが発生し難く、追加書き込み操作が可能であるなどの数々の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】DNAマイクロアレイの一般的な配置を説明する表面図である。
【図2】本発明にかかるDNAマイクロアレイの一実施例を示す裏面図および断面図である。
【図3】非接触型ICタグの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 DNAマイクロアレイ
2 切欠部
3 スライドグラス
4,4’ ICタグ
5 基材
6 導通部材
42,42’ アンテナパターン
41,41’ ICチップ
42’a,42’b 接続端子
S1 固定領域
S2 非固定領域

Claims (7)

  1. 一方の面にプローブ分子が固定されたプローブ分子固定領域を設ける生体分子の検出具に用いるマイクロアレイ用基板の他方の面に前記プローブ分子固定領域を避けて情報の読み書き可能なICタグを設けたことを特徴とするICタグ付きマイクロアレイ用基板。
  2. 前記プローブ分子固定領域が前記マイクロアレイ用基板の周縁部を除く領域に設けられ、前記ICタグが前記マイクロアレイ用基板の周縁部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板。
  3. 前記ICタグの構成要素であるアンテナパターンが印刷により形成され、前記ICタグが絶縁体で被覆されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板。
  4. 前記ICタグの構成要素であるアンテナパターンが金属箔で形成され、前記ICタグが絶縁体で被覆されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板。
  5. 前記ICタグがアンテナパターンを金属箔で形成したICタグを備えたフィルム基材からなり、前記マイクロアレイ用基板の他方の面に前記アンテナパターンが当接するように貼着したことを特徴とする請求項1記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板。
  6. 前記ICタグがICタグを樹脂材料で被覆したICタグインレットからなり、該ICタグインレットを前記マイクロアレイ用基板の他方の面に貼着したことを特徴とする請求項1記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板。
  7. 前記マイクロアレイ用基板は長方形の一つの角部に切欠部を有する形状からなり、この切欠部のある短辺端部にICチップが設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のICタグ付きマイクロアレイ用基板。
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