JP2004354241A - 炉壁形状計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コークス炉等の炉内壁面全体の2次元的な凹凸形状を正確に計測することを可能とする、炉壁形状計測方法を提供すること。
【解決手段】炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と前記走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法を用いる。
【選択図】 図1
【解決手段】炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と前記走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法を用いる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱炉等の炉体の壁面形状計測方法に関し、特に、コークス製造のためのコークス炉の炭化室の炉壁形状計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉の操業の経過に伴い、炭化室内面の炉壁損耗や、炉壁面へのカーボンの付着・成長による壁面凹凸が発生し、ラムによるコークスの押し出し時に炉壁に負荷がかかり、炉壁の損耗、脱落を生じる場合や、コークスの押し出しが不可能となる場合がある。したがって、炉壁の損耗状況、カーボンの付着状態を把握して、適宜、炉壁の補修や、壁面付着カーボンの除去を行い、壁面の状態、形状を適正に制御する必要がある。
【0003】
コークス炉炭化室内面の炉壁状態を観察するために、炉体補修に用いられる大型溶射装置等の炉内に挿入するアーム先端部分にカメラを設置し、炉内に挿入したカメラによる壁面状況の撮影・観察が行われており、アーム先端部分に設置した非接触距離計測手段により壁面の凹凸を計測する補修方法も知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
また、非接触の距離センサ等を押出しラム先端部に設置して炉内に挿入し、炭化室壁面までの距離を計測する方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
さらに、非接触の距離センサ等を押出しラム先端部に設置して炉内に挿入し、画像撮影手段を用いて得られた押出しラムの位置の補正を行うことで炭化室壁面までの距離を精度よく計測する方法も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−212566号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−3059号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平10−279946号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2002−80852号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、大型溶射機のアーム先端に設けられたカメラによる撮影は、撮影範囲(面内)の凹凸の傾向を把握することは出来るが、定量的な計測は困難である。特許文献1、特許文献2に記載されているような、大型溶射機のアーム先端に設けられた距離計による計測ではアーム先端位置を走査することにより、炉壁面の2次元的な計測を行うことも可能であるが、アームの先端の振動、たわみ等による距離計の位置ズレや、溶射作業に伴う溶射機自体の移動等により正確な壁面形状計測が困難である。特にコークス炉における計測においては炉内が高温であるためアームの熱変形が発生する場合も有り、機械的なアーム走査のみでは先端部の正確な走査は困難である。
【0011】
また、特許文献3、特許文献4に記載されているような、押出しラム先端に設置された非接触距離計測手段を用いる方法では、炉体(炭化室)の高さ方向一定位置の計測を行うことになるので炉壁損耗等の全体的な傾向は把握できるが、詳細な凹凸の把握が困難である。
【0012】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス炉等の炉内壁面全体の2次元的な凹凸形状を正確に計測することを可能とする、炉壁形状計測方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と前記走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法。
(2)距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出することを特徴とする(1)に記載の炉壁形状計測方法。
(3)炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の炉壁に対する位置を算出し、算出された前記距離計測手段の位置から、該距離計測手段が炉壁面に対して任意の走査軌跡を描くよう走査を行ない、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値から壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法。
(4)距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出し、前記アーム先端部を炉壁面に対してほぼ平行な、任意の直線または平面内を走査して、炉壁面に対してほぼ平行な任意の直線または平面を基準とした炉壁面の形状を算出することを特徴とする(3)に記載の炉壁形状計測方法。
(5)炉壁がコークス炉炭化室内の炉壁であり、走査手段であるアームが炉壁補修用の大型溶射装置のアームであり、距離計測手段が光学式距離計であり、参照点が発光輝点であり、基準点がコークス炉炭化室の窯口に着脱可能に設置された発光輝点であり、画像撮像手段がカメラであり、該カメラは炉外の前記大型溶射装置本体に固定して設置されていることを特徴とする(2)または(4)に記載の炉壁形状計測方法。
(6)距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを有し、該投映手段上の反射光位置を前記第二の画像撮像手段を用いて撮像し、該第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、前記距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の炉壁形状計測方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、コークス炉炭化室等の高温の炉内状況を2次元的に把握するために、非接触の距離計測手段として、例えば電磁波の送受信を行うアンテナ等のセンサ部を走査手段により炉内に挿入して、炉壁面に平行な方向で2次元的に走査させ、センサ部の位置から炭化室壁面までの距離を計測するが、この場合にセンサ部は、走査手段の振動やたわみ等により、走査基準線に対して垂直方向(距離計測方向)へ変位してしまうことが多い。そこで本発明においては、炉体に対して所定の位置に設置された画像撮影手段によって、炉内に挿入されたセンサ部の位置を順次撮影し、この撮影された各画像により、センサ部の各計測地点の走査基準線から距離計測方向への変位量を順次求め、このセンサ部の各変位量により距離計測手段の計測値を補正している。すなわち、画像撮像手段により距離計測手段を撮像して距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を正確に計測することができる。
【0015】
より具体的には、例えば、距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出することができる。
【0016】
また、本発明の他の実施形態として、炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の炉壁に対する位置を算出し、算出された前記距離計測手段の位置から、該距離計測手段が炉壁面に対して任意の走査軌跡を描くよう走査を行ない、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値から壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法を用いることができる。
【0017】
この場合も、距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出し、前記アーム先端部を炉壁面に対してほぼ平行な、任意の直線または平面内を走査して、炉壁面に対してほぼ平行な任意の直線または平面を基準とした炉壁面の形状を算出すると効果的である。
【0018】
特に、コークス炉炭化室内の炉壁形状を計測する場合には、走査手段であるアームが炉壁補修用の大型溶射装置のアームであり、距離計測手段が光学式距離計であり、参照点が発光輝点であり、基準点がコークス炉炭化室の窯口に着脱可能に設置された発光輝点であり、画像撮像手段がカメラであり、該カメラは炉外の前記大型溶射装置本体に固定して設置されている炉壁形状計測方法を用いると、大型溶射装置による炉壁の補修と同時に炉壁形状計測が行えるので、非常に好ましい。
【0019】
また、さらに測定精度を向上させるためには、距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを有し、該投映手段上の反射光位置を前記第二の画像撮像手段を用いて撮像し、該第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、前記距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出することが好ましい。
【0020】
図1は、本発明の炉壁形状計測方法の一実施形態であり、コークス炉炭化室炉壁への溶射補修を行う大型溶射装置を用いて炉壁形状計測を行う場合の大型溶射機のアーム部分を示す概略図である。図1(a)は平面図、(b)は側面図である。
【0021】
図1において、1は伸縮が可能なアーム、2はアーム全体の昇降、旋回の為の機構、3はアーム先端部に内蔵された炉壁面までの距離を計測するための距離計測手段、4は先端部に取付けられた参照点、5は窯口9(炉体)に設置する基準点、6は参照点及び基準点を撮影するための画像撮像装置(カメラ)、7は信号処理装置、8は炭化室壁面を示す。
【0022】
本実施形態では、コークス炉炭化室内に挿入、走査可能なアームを有し、炭化室炉壁への溶射補修を行う大型溶射装置を用いて本発明による炉壁形状計測を行う場合を示すが、大型溶射装置の替わりに専用のアーム等を有する形状計測装置を構成して計測することも可能である。
【0023】
アーム1は先端部に壁面への吹付け溶射を行うためのノズルを有し、アーム内には溶射材を先端部に送出する為の輸送管を有する。また、先端部の熱負荷を低減し、長時間の作業を行うため、先端部は空冷されている。
【0024】
アーム1の先端部に内蔵され壁面までの距離を計測するための距離計測手段3としては、レーザ距離計を利用することが好ましい。マイクロ波、mm波を利用した電磁波方式の距離計等を利用することも可能である。
【0025】
アーム1の先端部には画像撮像装置により観察するための参照点4としてレーザ光による発光輝点を設置し、画像撮像装置方向に投光を行う。レーザ光源として緑色レーザを使用すると、周囲の炉壁面からの放射光の影響を受けにくいので好ましい。確実で安定した観察を実現するためには参照点4としてレーザ光を利用することが好ましいが、画像撮像装置での観察が可能であれば、LED等の発光光源を利用することや、着色による色分け等によるマーキングを利用することも可能である。
【0026】
先端部に設置される距離計測手段3及び、参照点4の熱負荷低減のためにも、空冷を行うことが望ましい。
【0027】
炉体の窯口9にはLED光源を利用した基準点5を設置する。基準点5は固定点として常設することもできるが、操業等による破損を防止するため仮設方式として取り外し可能にすることも可能である。基準点5の設置は金具等による固定も可能であるが、マグネットを利用した脱着方式を用いると取り外しが容易であり、望ましい。また、基準点5は、LEDによる以外の発光輝点や、色分け等によるマーキングを利用することも可能である。
【0028】
アーム1は炉壁8に対して上下、左右方向の角度及び伸縮量を調整可能とすることで、アーム先端部を炉壁の近傍の任意の位置に移動することができる。炉壁面形状を計測する際にはアーム1の角度と伸縮量を調整し、アームの先端部が炉壁に対して一定の高さで奥行き方向の走査或いは、奥行き方向一定で高さ方向の走査を行う。
【0029】
アーム1の先端部を走査させながら、先端部の距離計測手段3により壁面までの距離を測定することにより先端部の走査線(軌道)に対する壁面形状が計測されるが、この壁面形状には、アーム先端部の振動等による変位の影響が含まれている。
【0030】
ここで、先端部の走査と同時に先端部に設置された参照点4及び、炉体(窯口9)に設置された基準点5を炉外に設置した画像撮像装置(カメラ)6により撮影し、基準点5(炉体)に対する先端部の位置を算出することにより、距離計測手段3の計測値に含まれるアーム1先端部の振動等による変位の影響を除外し、正確な壁面形状を計測することが出来る。
【0031】
次に、本発明による炉壁形状計測方法の原理を詳しく説明する。
【0032】
図2は図1のアーム部分を拡大した説明図であり、図2(a)は平面図、(b)は側面図である。図2に示すように、大型溶射機等のアーム1先端に、コークス炉炭化室等の測定する炉壁面に対向する向きに非接触の距離計測手段3を取付け、炉内に挿入、走査しながら距離計測を行う。図2においてaが走査方向、bが距離計測方向である。
【0033】
この時、アーム先端部は炉外の基準点位置5からのアーム1の先端までの距離(炉内への挿入量)及び基準点5を中心としたアーム1の上下、左右方向の角度を変更する事によりアーム先端を炉壁の任意の位置への距離の測定に対応した適切な位置に移動することが可能である。アーム1の挿入量及び角度を適切に制御する事により、炉体の奥行き方向及び上下方向に走査可能であり、例えば、高さを一定にして奥行き方向に走査することや、奥行き方向位置を一定に上下方向に走査することが可能である。この時、アーム先端が常に一定の平面内(例えば鉛直平面内)に収まるように操作を行えば、距離計により壁面までの距離を計測することにより2次元的な壁面形状を計測する事が可能である。
【0034】
しかし、実際のコークス炉等の計測においては、コークス炉の奥行き方向距離が長いため、アームの挿入量及び角度を制御し、走査を行った場合、特にアームの伸長量が増加するとアーム自身の撓み、振動等によるアーム先端部の変位が発生し、アーム先端の位置は想定される走査面内の位置からのズレが発生する。図2の点線で示した部分は振動等によるアームの変位を現し、cは水平方向アーム変位による計測位置の誤差を、dは鉛直方向のアーム変位による計測位置の誤差を示す。このため、アーム走査を行ない、距離計測手段3により炉壁面までの距離を計測した場合、計測値には位置ズレによる誤差が含まれるため、正確な壁面形状を計測することは出来ない。
【0035】
また、特にコークス炉においては、炉体が多数あり、炉体に固定された設備として溶射機等を設置することが出来ないため、通常は各炉間を移動可能な装置である溶射機等に、炉壁形状を計測する必要がある際に機器を設置し、計測を行うが、溶射機および距離計測手段の移動・設置時には炉体に対する機器の位置が変化するため、同一のアーム走査を行ない計測を行った場合でも走査面が一致せず、経時的に計測を行った場合に、計測値を直接比較して炉壁形状の変化を観測することは困難である場合がある。
【0036】
これに対して、アーム先端部に炉外から観察可能な参照点4を設け、炉体外部(炭化室窯口)に炉体に対して固定された1つ以上の基準点5を設け、これらを同時に観察可能な画像撮像手段(カメラ)を炉外の大型溶射機上のアーム後端部(アームの基点付近)等の固定位置に設置する、下記の方法を用いると効果的である。
【0037】
図3を用いて、アームの変位による計測値の誤差を補正する方法を説明する。図3(a)、(b)に示すように大型溶射機上の固定点に画像撮像手段(カメラ)6を設置した場合、アーム1の走査を行うと、カメラ画像中のアーム先端部に設置された参照点4の位置が移動する。あらかじめ、画像撮像手段6とアーム1との位置関係が既知であれば、アーム1を走査した場合の参照点4の画像内位置はアームの伸長量及び回転角から算出され、参照点4の画像上の位置は算出された位置(算出点)と同じ位置にあることが確認されるはずである。しかし、図3(c)の平面図に示すように、アームの撓み、振動等によりアーム先端位置が予定された走査線上の位置から点線で示される位置にずれると、変位による計測誤差c(水平方向)が発生し、画像撮像手段6により得られる画像内の参照点位置10は算出点11からずれを生じる。このときのアームの伸長量は既知であるので、画像上の算出点と実際の参照点位置の差から、先端部の予定走査線上からのズレを算出し、壁面の凹凸形状を正確に算出することが出来る。
【0038】
また、炉体に設置された基準点5は固定点であり、大型溶射機上の画像撮像手段も固定点であるので、カメラ画像上の基準点の位置12は、アーム先端の走査を行った場合でも変化しない。しかしながら、移動機である大型溶射機自体が振動等により移動した場合や、溶射機自体の移動・再設置を行ない、大型溶射機と炉体との位置関係が変化すると基準点の画像上での位置が変化する。画像上での基準点の変位から炉体に対する大型溶射機の位置を算出することにより炉体を基準として壁面の凹凸形状を評価することも出来る。
【0039】
また、参照点4及び基準点5のカメラ画像上での変位からアーム先端の予定走査線からの変位或いは、大型溶射機と炉体との位置関係の変化を算出し、大型溶射機先端が常に予定走査線(面)上あるようにアームの伸長、回転の制御を行ない、アームの撓み,振動等の影響を排除し、安定して任意の基準面(走査面)から計測した壁面の凹凸形状を計測することが出来る。
【0040】
図4〜図6を用いて、画像処理による計測値の誤差を補正する方法を説明する。
【0041】
図4(a)、(b)に示すように画像撮像手段6をアーム後端部に設置し、画像撮像手段の軸がアームと平行となるようにした場合、アーム全体の移動、旋回を行ってもアームの伸縮を行わなければ、参照点5とカメラとの相対位置が変化しないため画面上の参照点位置は一定となる。アームの伸縮を行い、アーム先端部(参照点4)が直線上を移動する(走査される)と、画面上での参照点位置10も一直線上を移動する(図5(b)参照)。実際の走査においては、アームの移動、旋回、伸縮等の動作に伴いアームの機械的な振動により先端部がアームの軸に対して直行方向に変位し(図5(a)参照)、画像上でも上下左右方向に参照点位置10が移動する(図5(c)参照)。この時、画像撮像手段の画角(視野角)は一定であるので、画像上の参照点の位置からカメラに対するアーム先端部参照点の方向が算出できる。算出される角度(画像撮像装置の軸からの変位角度)をθ、アームの伸長量をLとすると、先端部参照点4の画像撮像装置の軸(アームの本来の走査軸)に対する変位dを、d=L・sin(θ)により算出することが出来る(図5(d)参照)。
【0042】
また、画像撮像手段では窯口に設置された基準点も同時に撮像される。図6(a)に示すように画像撮像手段がアーム後端部に設置されている場合、アーム1の走査、移動等が発生すると画像上の基準点位置12は移動する(図6(b)参照)。この時、画像撮像手段6と窯口までの水平距離Lが既知であれば(機械的に設定するか、計測することにより容易に得られる)、窯口に対しての画像撮像手段(アーム)の位置関係を以下のように算出することが出来る。
【0043】
図6(c)に示すように、画像上の基準点の位置から算出される画像撮像手段に対する基準点の方向をαとし、振動等により画像撮像手段(アーム全体)が炉体に対して水平方向に距離Dだけ移動した場合、移動に伴う画像撮像手段上の基準点の変位角度をΔαとし画像撮像手段と窯口間の距離をLとすると、DはD=L・(tan(α)−tan(α+Δα))で表される。
【0044】
したがって、画像撮像手段による窯口の基準点及びアーム先端位置の参照点を観察することにより、窯口に対する画像撮像手段(アーム)の位置及び、アーム先端の振動等による変位を算出することが出来るので、アームを走査した際の窯口(炉体)に対するアーム先端の位置を算出し、アーム先端位置の距離計測手段による計測結果を補正することにより、壁面の絶対的な形状を算出することが可能となる。
【0045】
また、上記の場合もアーム先端の予定走査線からの変位或いは、大型溶射機と炉体との位置関係の変化を算出し、大型溶射機先端が常に予定走査線(面)上あるようにアームの伸長、回転の制御を行ない、アームの撓み,振動等の影響を排除し、安定して任意の基準面(走査面)から計測した壁面の凹凸形状を計測することが出来る。
【0046】
次に、本発明の炉壁形状計測方法の他の実施形態を図7を用いて説明する。
【0047】
上記で説明した炉壁形状計測方法に加えて、距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段(第一の画像撮像手段)との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを新たに設置し、投映手段上の反射光位置を第二の画像撮像手段を用いて撮像し、第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、これにより第一の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、距離計測手段の2次元的な走査軌跡をより正確に算出する。炉外に設置される第二の画像撮像手段61との相対位置が固定されたレーザ光(集束光)を投射する手段13から、レーザ光を炉体の一部に設置固定された反射鏡14へと投射する。反射鏡14の角度をあらかじめ調整しておけば反射鏡14により反射されたレーザ光は、レーザ光投射手段13付近に設置された投映手段15上に投映され、輝点として観察される。投映手段15上の輝点を第二の画像撮像装置61で観察する時、レーザ光投射手段13(或いは投射手段が固定された土台)が振動等により回転すると反射鏡14へのレーザ光の入射角度が変化し、投映手段15上の反射レーザ光の輝点が移動し、撮像された画像上の輝点位置も移動する。
【0048】
ここで、第二の画像撮像手段61と投映手段15間は相対的に固定されており,距離が既知であるとすると、画像上の輝点の変位から投映手段15上での輝点の変位量を求めることが出来る。さらに、レーザ光投射手段13と反射鏡14の距離、反射鏡14と投映手段15の距離が既知であれば、求められた輝点の変異量からレーザ投射手段13の回転による角度変異量を求めることが出来る。
【0049】
反射鏡14へのレーザ光の入射角度をθ1とし、レーザー光の投射手段13と反射鏡14との距離をL00、反射鏡14と投映手段15との距離をL01、投映手段上での輝点の変位量をtとすると、レーザ光投射手段の角度変位ΔθはΔθ=tan−1(t/(L00+L01))で表される。
【0050】
ここで、前記炉体窯口の基準点及びアーム先端部の参照点を観察するための画像撮像装置6とレーザ投射手段13との相対位置を固定すれば、振動等によるレーザ投光手段(画像撮像装置)の角度変位を計測し、画像撮像装置による参照点と基準点の観察結果を用いて、より正確にアーム先端部の変異量を算出することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、炉壁の内面の2次元的な壁面形状を正確に計測することが可能となる。また、大型溶射装置による補修を行いながら、効率的に正確な壁面形状を検出することができる。
【0052】
このため適切な時期に炉の補修を行うことが可能となり、炉の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉壁形状計測方法の一実施形態を示す概略図。(a)平面図、(b)側面図。
【図2】アーム部分を拡大した説明図。(a)平面図、(b)側面図。
【図3】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)側面図、(c)平面図、(d)カメラ画像。
【図4】本発明の炉壁形状計測方法の一実施形態を示す概略図。(a)平面図、(b)側面図。
【図5】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)カメラ画像、(c)カメラ画像、(d)原理説明図。
【図6】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)カメラ画像、(c)原理説明図。
【図7】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)平面図、(c)カメラ画像。
【符号の説明】
1:アーム、
2:アーム全体の昇降、旋回の為の機構、
3:距離計測手段、
4:参照点、
5:基準点、
6:画像撮像装置(カメラ)、
7:信号処理装置、
8:炭化室壁面、
9:窯口、
10:画像内の参照点位置、
11:算出点、
12:画像内の基準点位置、
13:レーザ光投射手段、
14:反射鏡、
15:投映手段、
61:第二の画像撮像装置(カメラ)
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱炉等の炉体の壁面形状計測方法に関し、特に、コークス製造のためのコークス炉の炭化室の炉壁形状計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コークス炉の操業の経過に伴い、炭化室内面の炉壁損耗や、炉壁面へのカーボンの付着・成長による壁面凹凸が発生し、ラムによるコークスの押し出し時に炉壁に負荷がかかり、炉壁の損耗、脱落を生じる場合や、コークスの押し出しが不可能となる場合がある。したがって、炉壁の損耗状況、カーボンの付着状態を把握して、適宜、炉壁の補修や、壁面付着カーボンの除去を行い、壁面の状態、形状を適正に制御する必要がある。
【0003】
コークス炉炭化室内面の炉壁状態を観察するために、炉体補修に用いられる大型溶射装置等の炉内に挿入するアーム先端部分にカメラを設置し、炉内に挿入したカメラによる壁面状況の撮影・観察が行われており、アーム先端部分に設置した非接触距離計測手段により壁面の凹凸を計測する補修方法も知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
また、非接触の距離センサ等を押出しラム先端部に設置して炉内に挿入し、炭化室壁面までの距離を計測する方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
さらに、非接触の距離センサ等を押出しラム先端部に設置して炉内に挿入し、画像撮影手段を用いて得られた押出しラムの位置の補正を行うことで炭化室壁面までの距離を精度よく計測する方法も知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−212566号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2001−3059号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平10−279946号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2002−80852号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、大型溶射機のアーム先端に設けられたカメラによる撮影は、撮影範囲(面内)の凹凸の傾向を把握することは出来るが、定量的な計測は困難である。特許文献1、特許文献2に記載されているような、大型溶射機のアーム先端に設けられた距離計による計測ではアーム先端位置を走査することにより、炉壁面の2次元的な計測を行うことも可能であるが、アームの先端の振動、たわみ等による距離計の位置ズレや、溶射作業に伴う溶射機自体の移動等により正確な壁面形状計測が困難である。特にコークス炉における計測においては炉内が高温であるためアームの熱変形が発生する場合も有り、機械的なアーム走査のみでは先端部の正確な走査は困難である。
【0011】
また、特許文献3、特許文献4に記載されているような、押出しラム先端に設置された非接触距離計測手段を用いる方法では、炉体(炭化室)の高さ方向一定位置の計測を行うことになるので炉壁損耗等の全体的な傾向は把握できるが、詳細な凹凸の把握が困難である。
【0012】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、コークス炉等の炉内壁面全体の2次元的な凹凸形状を正確に計測することを可能とする、炉壁形状計測方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と前記走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法。
(2)距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出することを特徴とする(1)に記載の炉壁形状計測方法。
(3)炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の炉壁に対する位置を算出し、算出された前記距離計測手段の位置から、該距離計測手段が炉壁面に対して任意の走査軌跡を描くよう走査を行ない、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値から壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法。
(4)距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出し、前記アーム先端部を炉壁面に対してほぼ平行な、任意の直線または平面内を走査して、炉壁面に対してほぼ平行な任意の直線または平面を基準とした炉壁面の形状を算出することを特徴とする(3)に記載の炉壁形状計測方法。
(5)炉壁がコークス炉炭化室内の炉壁であり、走査手段であるアームが炉壁補修用の大型溶射装置のアームであり、距離計測手段が光学式距離計であり、参照点が発光輝点であり、基準点がコークス炉炭化室の窯口に着脱可能に設置された発光輝点であり、画像撮像手段がカメラであり、該カメラは炉外の前記大型溶射装置本体に固定して設置されていることを特徴とする(2)または(4)に記載の炉壁形状計測方法。
(6)距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを有し、該投映手段上の反射光位置を前記第二の画像撮像手段を用いて撮像し、該第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、前記距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の炉壁形状計測方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、コークス炉炭化室等の高温の炉内状況を2次元的に把握するために、非接触の距離計測手段として、例えば電磁波の送受信を行うアンテナ等のセンサ部を走査手段により炉内に挿入して、炉壁面に平行な方向で2次元的に走査させ、センサ部の位置から炭化室壁面までの距離を計測するが、この場合にセンサ部は、走査手段の振動やたわみ等により、走査基準線に対して垂直方向(距離計測方向)へ変位してしまうことが多い。そこで本発明においては、炉体に対して所定の位置に設置された画像撮影手段によって、炉内に挿入されたセンサ部の位置を順次撮影し、この撮影された各画像により、センサ部の各計測地点の走査基準線から距離計測方向への変位量を順次求め、このセンサ部の各変位量により距離計測手段の計測値を補正している。すなわち、画像撮像手段により距離計測手段を撮像して距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を正確に計測することができる。
【0015】
より具体的には、例えば、距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出することができる。
【0016】
また、本発明の他の実施形態として、炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の炉壁に対する位置を算出し、算出された前記距離計測手段の位置から、該距離計測手段が炉壁面に対して任意の走査軌跡を描くよう走査を行ない、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値から壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法を用いることができる。
【0017】
この場合も、距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出し、前記アーム先端部を炉壁面に対してほぼ平行な、任意の直線または平面内を走査して、炉壁面に対してほぼ平行な任意の直線または平面を基準とした炉壁面の形状を算出すると効果的である。
【0018】
特に、コークス炉炭化室内の炉壁形状を計測する場合には、走査手段であるアームが炉壁補修用の大型溶射装置のアームであり、距離計測手段が光学式距離計であり、参照点が発光輝点であり、基準点がコークス炉炭化室の窯口に着脱可能に設置された発光輝点であり、画像撮像手段がカメラであり、該カメラは炉外の前記大型溶射装置本体に固定して設置されている炉壁形状計測方法を用いると、大型溶射装置による炉壁の補修と同時に炉壁形状計測が行えるので、非常に好ましい。
【0019】
また、さらに測定精度を向上させるためには、距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを有し、該投映手段上の反射光位置を前記第二の画像撮像手段を用いて撮像し、該第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、前記距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出することが好ましい。
【0020】
図1は、本発明の炉壁形状計測方法の一実施形態であり、コークス炉炭化室炉壁への溶射補修を行う大型溶射装置を用いて炉壁形状計測を行う場合の大型溶射機のアーム部分を示す概略図である。図1(a)は平面図、(b)は側面図である。
【0021】
図1において、1は伸縮が可能なアーム、2はアーム全体の昇降、旋回の為の機構、3はアーム先端部に内蔵された炉壁面までの距離を計測するための距離計測手段、4は先端部に取付けられた参照点、5は窯口9(炉体)に設置する基準点、6は参照点及び基準点を撮影するための画像撮像装置(カメラ)、7は信号処理装置、8は炭化室壁面を示す。
【0022】
本実施形態では、コークス炉炭化室内に挿入、走査可能なアームを有し、炭化室炉壁への溶射補修を行う大型溶射装置を用いて本発明による炉壁形状計測を行う場合を示すが、大型溶射装置の替わりに専用のアーム等を有する形状計測装置を構成して計測することも可能である。
【0023】
アーム1は先端部に壁面への吹付け溶射を行うためのノズルを有し、アーム内には溶射材を先端部に送出する為の輸送管を有する。また、先端部の熱負荷を低減し、長時間の作業を行うため、先端部は空冷されている。
【0024】
アーム1の先端部に内蔵され壁面までの距離を計測するための距離計測手段3としては、レーザ距離計を利用することが好ましい。マイクロ波、mm波を利用した電磁波方式の距離計等を利用することも可能である。
【0025】
アーム1の先端部には画像撮像装置により観察するための参照点4としてレーザ光による発光輝点を設置し、画像撮像装置方向に投光を行う。レーザ光源として緑色レーザを使用すると、周囲の炉壁面からの放射光の影響を受けにくいので好ましい。確実で安定した観察を実現するためには参照点4としてレーザ光を利用することが好ましいが、画像撮像装置での観察が可能であれば、LED等の発光光源を利用することや、着色による色分け等によるマーキングを利用することも可能である。
【0026】
先端部に設置される距離計測手段3及び、参照点4の熱負荷低減のためにも、空冷を行うことが望ましい。
【0027】
炉体の窯口9にはLED光源を利用した基準点5を設置する。基準点5は固定点として常設することもできるが、操業等による破損を防止するため仮設方式として取り外し可能にすることも可能である。基準点5の設置は金具等による固定も可能であるが、マグネットを利用した脱着方式を用いると取り外しが容易であり、望ましい。また、基準点5は、LEDによる以外の発光輝点や、色分け等によるマーキングを利用することも可能である。
【0028】
アーム1は炉壁8に対して上下、左右方向の角度及び伸縮量を調整可能とすることで、アーム先端部を炉壁の近傍の任意の位置に移動することができる。炉壁面形状を計測する際にはアーム1の角度と伸縮量を調整し、アームの先端部が炉壁に対して一定の高さで奥行き方向の走査或いは、奥行き方向一定で高さ方向の走査を行う。
【0029】
アーム1の先端部を走査させながら、先端部の距離計測手段3により壁面までの距離を測定することにより先端部の走査線(軌道)に対する壁面形状が計測されるが、この壁面形状には、アーム先端部の振動等による変位の影響が含まれている。
【0030】
ここで、先端部の走査と同時に先端部に設置された参照点4及び、炉体(窯口9)に設置された基準点5を炉外に設置した画像撮像装置(カメラ)6により撮影し、基準点5(炉体)に対する先端部の位置を算出することにより、距離計測手段3の計測値に含まれるアーム1先端部の振動等による変位の影響を除外し、正確な壁面形状を計測することが出来る。
【0031】
次に、本発明による炉壁形状計測方法の原理を詳しく説明する。
【0032】
図2は図1のアーム部分を拡大した説明図であり、図2(a)は平面図、(b)は側面図である。図2に示すように、大型溶射機等のアーム1先端に、コークス炉炭化室等の測定する炉壁面に対向する向きに非接触の距離計測手段3を取付け、炉内に挿入、走査しながら距離計測を行う。図2においてaが走査方向、bが距離計測方向である。
【0033】
この時、アーム先端部は炉外の基準点位置5からのアーム1の先端までの距離(炉内への挿入量)及び基準点5を中心としたアーム1の上下、左右方向の角度を変更する事によりアーム先端を炉壁の任意の位置への距離の測定に対応した適切な位置に移動することが可能である。アーム1の挿入量及び角度を適切に制御する事により、炉体の奥行き方向及び上下方向に走査可能であり、例えば、高さを一定にして奥行き方向に走査することや、奥行き方向位置を一定に上下方向に走査することが可能である。この時、アーム先端が常に一定の平面内(例えば鉛直平面内)に収まるように操作を行えば、距離計により壁面までの距離を計測することにより2次元的な壁面形状を計測する事が可能である。
【0034】
しかし、実際のコークス炉等の計測においては、コークス炉の奥行き方向距離が長いため、アームの挿入量及び角度を制御し、走査を行った場合、特にアームの伸長量が増加するとアーム自身の撓み、振動等によるアーム先端部の変位が発生し、アーム先端の位置は想定される走査面内の位置からのズレが発生する。図2の点線で示した部分は振動等によるアームの変位を現し、cは水平方向アーム変位による計測位置の誤差を、dは鉛直方向のアーム変位による計測位置の誤差を示す。このため、アーム走査を行ない、距離計測手段3により炉壁面までの距離を計測した場合、計測値には位置ズレによる誤差が含まれるため、正確な壁面形状を計測することは出来ない。
【0035】
また、特にコークス炉においては、炉体が多数あり、炉体に固定された設備として溶射機等を設置することが出来ないため、通常は各炉間を移動可能な装置である溶射機等に、炉壁形状を計測する必要がある際に機器を設置し、計測を行うが、溶射機および距離計測手段の移動・設置時には炉体に対する機器の位置が変化するため、同一のアーム走査を行ない計測を行った場合でも走査面が一致せず、経時的に計測を行った場合に、計測値を直接比較して炉壁形状の変化を観測することは困難である場合がある。
【0036】
これに対して、アーム先端部に炉外から観察可能な参照点4を設け、炉体外部(炭化室窯口)に炉体に対して固定された1つ以上の基準点5を設け、これらを同時に観察可能な画像撮像手段(カメラ)を炉外の大型溶射機上のアーム後端部(アームの基点付近)等の固定位置に設置する、下記の方法を用いると効果的である。
【0037】
図3を用いて、アームの変位による計測値の誤差を補正する方法を説明する。図3(a)、(b)に示すように大型溶射機上の固定点に画像撮像手段(カメラ)6を設置した場合、アーム1の走査を行うと、カメラ画像中のアーム先端部に設置された参照点4の位置が移動する。あらかじめ、画像撮像手段6とアーム1との位置関係が既知であれば、アーム1を走査した場合の参照点4の画像内位置はアームの伸長量及び回転角から算出され、参照点4の画像上の位置は算出された位置(算出点)と同じ位置にあることが確認されるはずである。しかし、図3(c)の平面図に示すように、アームの撓み、振動等によりアーム先端位置が予定された走査線上の位置から点線で示される位置にずれると、変位による計測誤差c(水平方向)が発生し、画像撮像手段6により得られる画像内の参照点位置10は算出点11からずれを生じる。このときのアームの伸長量は既知であるので、画像上の算出点と実際の参照点位置の差から、先端部の予定走査線上からのズレを算出し、壁面の凹凸形状を正確に算出することが出来る。
【0038】
また、炉体に設置された基準点5は固定点であり、大型溶射機上の画像撮像手段も固定点であるので、カメラ画像上の基準点の位置12は、アーム先端の走査を行った場合でも変化しない。しかしながら、移動機である大型溶射機自体が振動等により移動した場合や、溶射機自体の移動・再設置を行ない、大型溶射機と炉体との位置関係が変化すると基準点の画像上での位置が変化する。画像上での基準点の変位から炉体に対する大型溶射機の位置を算出することにより炉体を基準として壁面の凹凸形状を評価することも出来る。
【0039】
また、参照点4及び基準点5のカメラ画像上での変位からアーム先端の予定走査線からの変位或いは、大型溶射機と炉体との位置関係の変化を算出し、大型溶射機先端が常に予定走査線(面)上あるようにアームの伸長、回転の制御を行ない、アームの撓み,振動等の影響を排除し、安定して任意の基準面(走査面)から計測した壁面の凹凸形状を計測することが出来る。
【0040】
図4〜図6を用いて、画像処理による計測値の誤差を補正する方法を説明する。
【0041】
図4(a)、(b)に示すように画像撮像手段6をアーム後端部に設置し、画像撮像手段の軸がアームと平行となるようにした場合、アーム全体の移動、旋回を行ってもアームの伸縮を行わなければ、参照点5とカメラとの相対位置が変化しないため画面上の参照点位置は一定となる。アームの伸縮を行い、アーム先端部(参照点4)が直線上を移動する(走査される)と、画面上での参照点位置10も一直線上を移動する(図5(b)参照)。実際の走査においては、アームの移動、旋回、伸縮等の動作に伴いアームの機械的な振動により先端部がアームの軸に対して直行方向に変位し(図5(a)参照)、画像上でも上下左右方向に参照点位置10が移動する(図5(c)参照)。この時、画像撮像手段の画角(視野角)は一定であるので、画像上の参照点の位置からカメラに対するアーム先端部参照点の方向が算出できる。算出される角度(画像撮像装置の軸からの変位角度)をθ、アームの伸長量をLとすると、先端部参照点4の画像撮像装置の軸(アームの本来の走査軸)に対する変位dを、d=L・sin(θ)により算出することが出来る(図5(d)参照)。
【0042】
また、画像撮像手段では窯口に設置された基準点も同時に撮像される。図6(a)に示すように画像撮像手段がアーム後端部に設置されている場合、アーム1の走査、移動等が発生すると画像上の基準点位置12は移動する(図6(b)参照)。この時、画像撮像手段6と窯口までの水平距離Lが既知であれば(機械的に設定するか、計測することにより容易に得られる)、窯口に対しての画像撮像手段(アーム)の位置関係を以下のように算出することが出来る。
【0043】
図6(c)に示すように、画像上の基準点の位置から算出される画像撮像手段に対する基準点の方向をαとし、振動等により画像撮像手段(アーム全体)が炉体に対して水平方向に距離Dだけ移動した場合、移動に伴う画像撮像手段上の基準点の変位角度をΔαとし画像撮像手段と窯口間の距離をLとすると、DはD=L・(tan(α)−tan(α+Δα))で表される。
【0044】
したがって、画像撮像手段による窯口の基準点及びアーム先端位置の参照点を観察することにより、窯口に対する画像撮像手段(アーム)の位置及び、アーム先端の振動等による変位を算出することが出来るので、アームを走査した際の窯口(炉体)に対するアーム先端の位置を算出し、アーム先端位置の距離計測手段による計測結果を補正することにより、壁面の絶対的な形状を算出することが可能となる。
【0045】
また、上記の場合もアーム先端の予定走査線からの変位或いは、大型溶射機と炉体との位置関係の変化を算出し、大型溶射機先端が常に予定走査線(面)上あるようにアームの伸長、回転の制御を行ない、アームの撓み,振動等の影響を排除し、安定して任意の基準面(走査面)から計測した壁面の凹凸形状を計測することが出来る。
【0046】
次に、本発明の炉壁形状計測方法の他の実施形態を図7を用いて説明する。
【0047】
上記で説明した炉壁形状計測方法に加えて、距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段(第一の画像撮像手段)との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを新たに設置し、投映手段上の反射光位置を第二の画像撮像手段を用いて撮像し、第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、これにより第一の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、距離計測手段の2次元的な走査軌跡をより正確に算出する。炉外に設置される第二の画像撮像手段61との相対位置が固定されたレーザ光(集束光)を投射する手段13から、レーザ光を炉体の一部に設置固定された反射鏡14へと投射する。反射鏡14の角度をあらかじめ調整しておけば反射鏡14により反射されたレーザ光は、レーザ光投射手段13付近に設置された投映手段15上に投映され、輝点として観察される。投映手段15上の輝点を第二の画像撮像装置61で観察する時、レーザ光投射手段13(或いは投射手段が固定された土台)が振動等により回転すると反射鏡14へのレーザ光の入射角度が変化し、投映手段15上の反射レーザ光の輝点が移動し、撮像された画像上の輝点位置も移動する。
【0048】
ここで、第二の画像撮像手段61と投映手段15間は相対的に固定されており,距離が既知であるとすると、画像上の輝点の変位から投映手段15上での輝点の変位量を求めることが出来る。さらに、レーザ光投射手段13と反射鏡14の距離、反射鏡14と投映手段15の距離が既知であれば、求められた輝点の変異量からレーザ投射手段13の回転による角度変異量を求めることが出来る。
【0049】
反射鏡14へのレーザ光の入射角度をθ1とし、レーザー光の投射手段13と反射鏡14との距離をL00、反射鏡14と投映手段15との距離をL01、投映手段上での輝点の変位量をtとすると、レーザ光投射手段の角度変位ΔθはΔθ=tan−1(t/(L00+L01))で表される。
【0050】
ここで、前記炉体窯口の基準点及びアーム先端部の参照点を観察するための画像撮像装置6とレーザ投射手段13との相対位置を固定すれば、振動等によるレーザ投光手段(画像撮像装置)の角度変位を計測し、画像撮像装置による参照点と基準点の観察結果を用いて、より正確にアーム先端部の変異量を算出することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、炉壁の内面の2次元的な壁面形状を正確に計測することが可能となる。また、大型溶射装置による補修を行いながら、効率的に正確な壁面形状を検出することができる。
【0052】
このため適切な時期に炉の補修を行うことが可能となり、炉の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炉壁形状計測方法の一実施形態を示す概略図。(a)平面図、(b)側面図。
【図2】アーム部分を拡大した説明図。(a)平面図、(b)側面図。
【図3】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)側面図、(c)平面図、(d)カメラ画像。
【図4】本発明の炉壁形状計測方法の一実施形態を示す概略図。(a)平面図、(b)側面図。
【図5】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)カメラ画像、(c)カメラ画像、(d)原理説明図。
【図6】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)カメラ画像、(c)原理説明図。
【図7】本発明の一実施形態の説明図。(a)平面図、(b)平面図、(c)カメラ画像。
【符号の説明】
1:アーム、
2:アーム全体の昇降、旋回の為の機構、
3:距離計測手段、
4:参照点、
5:基準点、
6:画像撮像装置(カメラ)、
7:信号処理装置、
8:炭化室壁面、
9:窯口、
10:画像内の参照点位置、
11:算出点、
12:画像内の基準点位置、
13:レーザ光投射手段、
14:反射鏡、
15:投映手段、
61:第二の画像撮像装置(カメラ)
Claims (6)
- 炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出し、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値と前記走査軌跡とにより、炉壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法。
- 距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出することを特徴とする請求項1に記載の炉壁形状計測方法。
- 炉壁までの距離を計測する非接触の距離計測手段と、該距離計測手段を炉内に挿入し炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段と、炉内を走査される前記距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段とを有し、該画像撮像手段により前記距離計測手段を撮像して該距離計測手段の炉壁に対する位置を算出し、算出された前記距離計測手段の位置から、該距離計測手段が炉壁面に対して任意の走査軌跡を描くよう走査を行ない、前記距離計測手段により計測された炉壁までの距離の計測値から壁面の面形状を計測することを特徴とする炉壁形状計測方法。
- 距離計測手段を炉壁面に沿って2次元的に走査するための走査手段がアームであり、距離計測手段と炉外から観察可能な参照点とを前記アームの先端部に設置し、炉体に1つ以上の基準点を固定的に設置し、前記参照点及び1つ以上の基準点を同時に観察可能な炉外位置に画像撮像手段を設置し、前記アームの炉内への挿入量及び挿入角度を計測して、該挿入量及び挿入角度と前記画像撮像手段により得られる撮像結果から前記アーム先端の炉体に対する位置である走査軌跡を算出し、前記アーム先端部を炉壁面に対してほぼ平行な、任意の直線または平面内を走査して、炉壁面に対してほぼ平行な任意の直線または平面を基準とした炉壁面の形状を算出することを特徴とする請求項3に記載の炉壁形状計測方法。
- 炉壁がコークス炉炭化室内の炉壁であり、走査手段であるアームが炉壁補修用の大型溶射装置のアームであり、距離計測手段が光学式距離計であり、参照点が発光輝点であり、基準点がコークス炉炭化室の窯口に着脱可能に設置された発光輝点であり、画像撮像手段がカメラであり、該カメラは炉外の前記大型溶射装置本体に固定して設置されていることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の炉壁形状計測方法。
- 距離計測手段を炉外から撮像するための画像撮像手段との相対位置が固定された第二の画像撮像手段と、該第二の画像撮像手段との相対位置が固定されたレーザ光源と、該レーザ光源から投射されるレーザ光を反射するために炉体の一部に固定して設置された反射鏡と、該反射鏡からの反射光を投映するための投映手段とを有し、該投映手段上の反射光位置を前記第二の画像撮像手段を用いて撮像し、該第二の画像撮像手段により撮像された反射光位置から、前記レーザ光源及び前記第二の画像撮像手段の炉体に対する角度の変位を算出して、前記距離計測手段の2次元的な走査軌跡を算出することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の炉壁形状計測方法。
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JP2003153095A JP2004354241A (ja) | 2003-05-29 | 2003-05-29 | 炉壁形状計測方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
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