JP2004354173A - 漏電検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】供給側Vと負荷側Lとが電線VW,GWで接続され、供給側Vから負荷側Lにおける漏電を検出する漏電検出装置22であって、負荷側Lの筐体Lb又は/及び電線VW,GWのシールド線Sに接続される漏電検出線10と、漏電検出線10に発生した電圧と基準電圧との電圧差を検出する電圧差検出手段14,15と、漏電判定電圧を発生する漏電判定電圧発生手段17と、電圧差検出手段14,15で検出した電圧差と漏電判定電圧発生手段17で発生した漏電判定電圧とを比較し、漏電の有無を判定する比較手段18とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、供給側から負荷側における漏電を検出する漏電検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源装置等の供給側から電力や各種電気信号を電気機器等の負荷側に供給する場合、供給側から負荷側におけるいずれかの箇所での絶縁異常等によって漏電が発生する場合がある。漏電が発生した場合、漏電による様々な悪影響を防止するために、供給側からの電力等の供給を迅速に停止する必要がある。漏電時に供給を停止する装置としては、漏電遮断器がある(特許文献1参照)。漏電遮断器は、供給側と負荷側との間の電路上に接点を配し、漏電を検出した場合にはその接点を開いて電路を遮断する。漏電遮断器における漏電の検出方法としては、供給側と負荷側との間の電路上に零相変流器を配し、零相変流器で検出した零相電流に基づいて漏電の有無を判定する。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−196083号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、零相変流器では漏電電流が実際に流れないと漏電を検出することができない。そのため、負荷側の機器の筐体が接地されていない場合、漏電電流が流れないので、漏電を検出することができない。さらに、供給側と負荷側との間に接続される電源線が接地されていない金属部分に接触した場合、漏電電流が流れないので、零相変流器の変流コイルに電位が発生せず、その金属部分への漏電を検出することができない。また、大電流が流れる線路に零相変流器が配された場合、大電流を流すために線路自体が太くなっているので、零相変流器の貫通面積も大きくなる。そのため、外部からの磁束が零相変流器を貫通し、ノイズの影響を受けて誤作動し易くなるので、零相変流器の感度を落としている。その結果、微小な漏電を検出することができない。また、直流の漏電が発生した場合、零相変流器のヒス特性によりコアが帯磁し、その帯磁によるオフセットによって漏電電流の検出が難しくなる。このように、零相変流器を用いた従来の漏電検出では、漏電している状況によっては漏電を検出できない場合や検出が困難な場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、漏電を高精度に検出することができる漏電検出装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る漏電検出装置は、供給側と負荷側とが電線で接続され、供給側から負荷側における漏電を検出する漏電検出装置であって、負荷側の筐体又は/及び電線のシールド線に接続される漏電検出線と、漏電検出線に発生した電圧と基準電圧との電圧差を検出する電圧差検出手段と、漏電判定電圧を発生する漏電判定電圧発生手段と、電圧差検出手段で検出した電圧差と漏電判定電圧発生手段で発生した漏電判定電圧とを比較し、漏電の有無を判定する比較手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この漏電検出装置では、異常電圧が負荷側の筐体又は/及び電線のシールド線に発生した場合、その異常電圧を漏電検出線によって取り出す。そして、漏電検出装置では、電圧差検出手段によってその取り出した電圧と基準電圧との電圧差を検出する。また、漏電検出装置では、漏電判定電圧発生手段によって漏電の有無を判定する閾値となる漏電判定電圧を発生する。そして、漏電検出装置では、比較手段によって電圧差検出手段で検出した電圧差と漏電判定電圧発生手段で発生した漏電判定電圧とを比較し、その比較により漏電の有無を判定する。つまり、漏電検出装置では、漏電電流が流れたか否かによって漏電を検出するのではなく、負荷側の筐体又は/及びシールド線に異常電圧が発生しているか否かを判定することによって漏電を検出する。そのため、接地が施されていない等によって漏電電流が実際に流れない場合でも、漏電を検出することができる。また、漏電を検出するために零相変流器を用いないので大電流線路における漏電検出も可能であり、さらに、磁気的な部材も用いないので直流の漏電の容易に検出できる。このように、この漏電検出装置は、零相変流器で検出ができなかった様々な状況においても漏電検出が可能であり、漏電を高精度に検出することができる。
【0008】
なお、供給側は、負荷側に電力や各種電気信号等を供給するものであり、例えば、電源装置、モータ等の駆動装置、各種電気信号を発信する装置である。負荷側は、供給側からの電力や各種電気信号等を受けるものであり、例えば、モータ、電灯等の各種電気機器である。基準電圧は、漏電検出線に発生した電圧に対する基準となる電圧であり、例えば、0V、グランド線による漏電を検出する場合には0V以外の所定電圧、電気信号におけるハイ信号の電圧、電源線で給電する電圧である。漏電判定電圧は、漏電検出線に発生した電圧と基準電圧との電圧差に基づく漏電の有無を判定するための閾値となる電圧値であり、供給側から供給する電力や電気信号の電圧値等を考慮して適宜設定される。異常電圧は、シールド線や負荷側の筐体において正常時には発生しない電圧である。
【0009】
本発明の上記漏電検出装置は、基準電圧を発生する基準電圧発生手段を備える構成としてもよい。
【0010】
この漏電検出装置では、基準電圧発生手段によって検出対象の漏電に応じて適宜設定された所定の電圧値の基準電圧を発生することができる。そのため、この漏電検出装置は、漏電検出線に特定の電圧が発生する場合でも漏電を検出することができる。例えば、シールド線にグランド線が接触した漏電を検出する場合、基準電圧発生手段により基準電圧として0V以外の電圧を発生させる。この場合、グランド線との接触によってシールド線が0Vとなるが、基準電圧が0Vでないので、電圧差検出手段では電圧差を検出できる。したがって、この漏電検出装置では、グランド線による漏電が発生した場合でもその漏電を検出することができる。
【0011】
本発明の上記漏電検出装置は、供給側と負荷側との電路を遮断するための遮断装置が設けられ、比較手段で漏電と判定した場合、遮断装置を作動させて電路を遮断する出力手段を備える構成としてもよい。
【0012】
この漏電検出装置では、比較手段で漏電と判定した場合、出力手段により遮断装置を作動させて供給側と負荷側との電路を遮断する。そのため、発生している異常電圧(漏電)を早期に解消でき、漏電による様々な悪影響を防止することができる。
【0013】
なお、電路は、供給側から負荷側に供給される電力や電気信号等が流れる電路であり、供給側と負荷側とに接続される電線以外にも、その電線と接続する供給側内の電路及び負荷側内の電路も含む。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る漏電検出装置の実施の形態を説明する。
【0015】
本実施の形態では、本発明に係る漏電検出装置を、漏電遮断器に備えられる漏電検出回路に適用する。本実施の形態に漏電検出回路は、シールド線又は/及び負荷の筐体の異常電圧を検出することによって漏電を検出する。本実施の形態には、4つの形態があり、第1の実施の形態がシールド線に発生する異常電圧を検出する構成であり、第2の実施の形態が負荷の筐体及びシールド線に発生する異常電圧を検出する構成であり、第3の実施の形態がGND線がシールド線に接触した場合の異常電圧を検出する構成であり、第4の実施の形態ではシールド線がない場合の負荷の筐体に発生する異常電圧を検出する構成である。なお、本実施の形態では、駆動装置又は電源装置が供給側であり、負荷が負荷側である。
【0016】
図1を参照して、第1の実施の形態に係る漏電遮断器1について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。
【0017】
漏電遮断器1は、駆動装置Dと負荷Lとを接続する電線UW,VW,WWとそのシールド線Sとの間に発生する漏電を検出し、漏電を検出した場合には電線UW,VW,WWを遮断する。漏電遮断器1は、漏電検出回路2、接点3,3,3、接点開閉装置4を備えている。負荷Lは、三相モータであり、例えば、ロボットの可動機構等に用いられる。負荷Lは、筐体Laに取り付けられている。筐体Laは、例えば、ロボットの可動機構の筐体である。駆動装置Dは、三相モータを駆動するために三相交流を発生する装置である。電線UW,VW,WWは、三相交流を伝送する電線であり、シールド線Sに覆われている。シールド線Sは、電線UW,VW,WWで発生するノイズの放射を防止する。図1に示す例では電線UW,VW,WW及びシールド線Sが筐体Laに這わされており、この筐体Laがロボットの可動機構の場合にはその可動によって電線UW,VW,WWやシールド線Sが噛み込みや屈曲によって絶縁異常が発生する恐れがある。
【0018】
なお、第1の実施の形態では、漏電検出回路2が特許請求の範囲に記載する漏電検出装置に相当し、接点開閉装置4が特許請求の範囲に記載する遮断装置に相当する。
【0019】
漏電検出回路2は、シールド線Sに発生する異常電圧を検出し、異常電圧を検出した場合には接点開閉装置4を駆動して接点3,3,3を開くための回路である。そのために、漏電検出回路2は、漏電検出ライン10、ハイパスフィルタ11、過電圧バイパス回路12、ボルテージフォロア13、電位差検出抵抗14、電位差検出回路15、整流回路16、閾値電圧発生回路17、コンパレータ18、出力回路19を有している。
【0020】
なお、第1の実施の形態では、漏電検出ライン10が特許請求の範囲に記載する漏電検出線に相当し、ボルテージフォロア13が特許請求の範囲に記載する基準電圧発生手段に相当し、電位差検出抵抗14及び電位差検出回路15が特許請求の範囲に記載する電位差検出手段に相当し、閾値電圧発生回路17が特許請求の範囲に記載する漏電判定電圧発生手段に相当し、コンパレータ18が特許請求の範囲に記載する比較手段に相当し、出力回路19が特許請求の範囲に記載する出力手段に相当する。
【0021】
漏電検出ライン10は、シールド線Sに発生する電圧を検出するための電線であり、一端がシールド線Sの駆動装置D側の端部に接続される。漏電検出ライン10には、電線UW,VW,WWとシールド線Sとの間での絶縁異常等による漏電の直流電圧や交流電圧あるいは電線UW,VW,WWで発生したノイズの電圧が発生する。なお、同電位の電圧を取り出せればよいので、漏電検出ライン10の一端の接続先をシールド線Sの負荷L側の端部等の別の箇所としてもよい。
【0022】
ハイパスフィルタ11は、漏電検出ライン10で取り出した電圧の高周波成分を通過させるフィルタであり、電線UW,VW,WWで発生したノイズを駆動装置Dに帰還させる。ハイパスフィルタ11は、シールド線Sに放射されたノイズを取り出すために入力端が漏電検出ライン10に接続され、ノイズを駆動装置Dに帰還させるために出力端が駆動装置Dのフレームグランドに接続される。ハイパスフィルタ11のインピーダンスは、ノイズを帰還させるとともに漏電による交流電圧を全て駆動装置Dに帰還させないような値が適宜設定される。
【0023】
過電圧バイパス回路12は、漏電による異常電圧が発生した場合にその異常電圧が漏電検出回路2における各素子の耐電圧を超えないようにバイパスさせる回路である。過電圧バイパス回路12は、漏電による異常電圧を取り出すために入力端が漏電検出ライン10に接続され、過電圧をバイパスさせるために出力端が駆動装置Dのグランドに接続される。
【0024】
ボルテージフォロア13は、シールド線Sに発生している電圧を検出するための基準となる電圧(0V)を発生させ、その基準電圧を電位差検出回路15(電位差検出抵抗14の一端)に与える回路である。ボルテージフォロア13は、0Vを発生させるために駆動装置Dのグランドに接続され、0Vを出力するために出力端が電位差検出抵抗14の一端に接続される。
【0025】
電位差検出抵抗14は、シールド線Sに発生している電圧とボルテージフォロア13で発生させた基準電圧との電位差を検出するための抵抗である。電位差検出抵抗14は、一端がボルテージフォロア13の出力端に接続され、他端が漏電検出ライン10の他端に接続される。
【0026】
電位差検出回路15は、シールド線Sに発生している電圧とボルテージフォロア13で発生させた基準電圧との電位差を検出する回路であり、電位差検出抵抗14の両端にかかる電圧を検出する。電位差検出回路15は、2つの入力端が電位差検出抵抗14の端部に各々接続され、出力端が整流回路16に接続される。電位差検出回路15では、必要に応じて、検出した電位差を増幅する。
【0027】
整流回路16は、電位差検出回路15で検出した電位差を整流し、検出した電位差を全てプラス値又はマイナス値とする回路である。整流回路16は、入力端が電位差検出回路15の出力端に接続され、出力端がコンパレータ18の一方の入力端に接続される。なお、シールド線Sに発生する電圧はプラス電圧の場合とマイナス電圧の場合があるので、電位差検出回路15で検出する電位差もプラス値の場合とマイナス値の場合がある。
【0028】
閾値電圧発生回路17は、漏電とみなすことができる異常電圧がシールド線Sに発生しているか否かを判定する基準となる閾値電圧を発生する回路である。閾値電圧発生回路17は、出力端がコンパレータ18の他方の入力端に接続される。閾値電圧は、ノイズを漏電と検出しない程度の大きさを有する電圧であり、駆動装置Dから供給する三相交流の電圧値等に応じて適宜設定される。また、閾値電圧は、整流回路16で電位差を全てプラス値にする場合にはプラス値であり、全てマイナス値にする場合にはマイナス値である。交流の異常電圧の場合、ハイパスフィルタ11によってその一部が駆動装置Dに帰還させられ、その交流の異常電圧の電圧値が小さくなるので、このことも考慮して閾値電圧を設定する必要がある。
【0029】
コンパレータ18は、整流回路16からの整流された電位差と閾値電圧発生回路17からの閾値電圧とを比較し、漏電の有無を判定する回路である。コンパレータ18は、2つの入力端が整流回路16の出力端と閾値電圧発生回路17の出力端とに接続され、出力端が出力回路19の入力端に接続される。コンパレータ18では、閾値電圧がプラス値の場合には電位差が閾値電圧より小さいときには漏電していないと判定するとともに電位差が閾値電圧以上になると漏電と判定し、閾値電圧がマイナス値の場合には電位差が閾値電圧より大きいときには漏電していないと判定するとともに電位差が閾値電圧以下になると漏電と判定する。
【0030】
出力回路19は、コンパレータ18で漏電と判定した場合に接点開閉装置4を駆動して接点3,3,3を開く回路である。出力回路19は、入力端がコンパレータ18の出力端に接続され、出力端が接点開閉装置4に接続される。出力回路19は、必要に応じて、ラッチ機能を備える場合がある。
【0031】
接点3は、電線UW,VW,WWを遮断/導通する接点であり、電線UW,VW,WWに各々設けられる。接点3は、シールド線Sと電線UW,VW,WWとの間の絶縁異常が発生した場合に漏電を防止するために、図1に示すように、シールド線Sより外側の駆動装置Dに最も近い位置に配置される。接点3は、固定接点と可動接点とからなり、通常時には可動接点が固定接点に閉極し、漏電検出時には可動接点が固定接点から開極される。
【0032】
接点開閉装置4は、3つの接点3,3,3を開閉するための装置である。接点開閉装置4は、コイルを備えており、出力回路19によって駆動されると接点3の可動接点を引っ張って固定接点から開極する。
【0033】
漏電遮断器1における動作を説明する。ここでは、正常時の動作と電線UW,VW,WWとシールド線Sとの絶縁異常により漏電が発生した時の動作について説明する。
【0034】
正常時の動作につい説明する。駆動装置Dでは、三相交流を発生し、その三相交流電流を電線UW,VW,WWによって負荷Lに供給する。この際、漏電遮断器1では、接点3,3,3を閉じている。シールド線Sには、電線3,3,3で発生したノイズ(交流)が誘起されている。漏電検出回路2では、このノイズをシールド線Sから漏電検出ライン10によって取り出し、漏電検出ライン10からハイパスフィルタ11を通過させて駆動装置Dに帰還させる。また、漏電検出回路2では、このノイズの一部を漏電検出ライン10から電位差検出抵抗14の他端に伝送した場合、基準電圧(0V)とノイズとの電位差を検出し、その電位差を整流後に閾値電圧と比較する。ノイズの電圧は小さいので、電位差の絶対値は閾値電圧の絶対値より小さい。したがって、漏電検出回路2では、漏電していないと判定し、接点開閉装置4を駆動しない。そのため、漏電遮断器1では、接点3,3,3を閉じた状態を続ける。
【0035】
漏電が発生した時の動作について説明する。シールド線Sと電線UW,VW,WWとの間に絶縁異常が発生すると、シールド線Sにはノイズとは異なる異常電圧が発生する。漏電検出回路2では、その異常電圧をシールド線Sから漏電検出ライン10によって取り出し、漏電検出ライン10によってその異常電圧が電位差検出抵抗14の他端まで伝送する。さらに、漏電検出回路2では、基準電圧(0V)と異常電圧との電位差を検出し、その電位差を整流後に閾値電圧と比較する。異常電圧はノイズに比べて大きく、電位差の絶対値は閾値電圧の絶対値以上となる。したがって、漏電検出回路2では、漏電していると判定し、接点開閉装置4を駆動する。そのため、漏電遮断器1では、接点3,3,3を開き、電線UW,VW,WWを遮断する。その結果、駆動装置Dからの三相交流は接点3,3,3より先は流れないので、電線UW,VW,WWからシールド線Sへの漏電が防止され、シールド線Sには異常電圧が発生しなくなる。
【0036】
なお、直流の異常電圧の場合、ハイパスフィルタ11を通過しないので、電位差検出抵抗14の他端における異常電圧はシールド線Sに発生している異常電圧に相当する電圧があらわれる。交流の異常電圧の場合、ハイパスフィルタ11によってその一部が駆動装置Dに帰還されるので、電位差検出抵抗14の他端における異常電圧は直流の異常電圧に比べて低い電圧があらわれる。
【0037】
漏電遮断器1は、絶縁異常等によりシールド線Sに漏電が発生した場合に、そのシールド線Sに発生した異常電圧を検出することによって漏電を検出することができる。そのため、電路(電線UW,VW,WW)が接地したりあるいは電路(電線UW,VW,WW)に人が触れるなどして漏電電流が実際に流れなくても、漏電を検出することができる。
また、漏電遮断器1は、電路(電線UW,VW,WW)で漏電検出するのではなく、漏電検出ライン10によって漏電検出を行うので、大電流電路の場合でも微小な漏電を検出することができる。さらに、漏電遮断器1は、漏電検出に磁気的な手段を用いないので、直流の漏電も検出可能である。また、漏電遮断器1は、電位差を整流するので、プラスの漏電も、マイナスの漏電も検出可能である。
【0038】
また、漏電遮断器1は、シールド線Sを異常検出に用いることにより、構成が簡素化し、その検出感度も高感度である。さらに、漏電遮断器1は、シールド線Sの役割である電磁シールドの効果を失うことなく、漏電検出が可能である。
【0039】
図2を参照して、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21について説明する。図2は、第2の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対して負荷の筐体における異常電圧も検出する点で異なる。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る漏電遮断器1と同様の構成について同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
漏電遮断器21は、電源装置Vと負荷Lとを接続する電源線VWとシールド線Sとの間や負荷Lの金属筐体Lbとの間に発生する漏電や負荷Lの内部で発生する漏電を検出し、漏電を検出した場合には電源線VW及びグランド線GWを遮断する。漏電遮断器21は、漏電検出回路22、接点3,3、接点開閉装置4を備えている。負荷Lは、電気機器である。負荷Lは、金属筐体Lbに収納されている。電源装置Vは、負荷Lの電源であり、負荷Lが必要とする電力を発生する。電源線VWとグランド線GWは、電力を伝送する電線であり、シールド線Sに覆われている。電源線VW及びグランド線GWは、負荷L内の電路にそれぞれ接続され、コンデンサLc,Lcを介して金属筐体Lbに接続される。なお、第2の実施の形態では、漏電検出回路22が特許請求の範囲に記載する漏電検出装置に相当する。
【0041】
漏電検出回路22は、シールド線S又は/及び金属筐体Lbに発生する異常電圧を検出し、異常電圧を検出した場合には接点開閉装置4を駆動して接点3,3を開くための回路である。漏電検出回路22の構成は、第1の実施の形態に係る漏電検出回路2と同じ構成であり、各部の接続先が一部異なる。
【0042】
漏電検出ライン10は、シールド線S又は/及び金属筐体Lbに発生する電圧を検出するための電線であり、一端が金属筐体Lbに接続される。漏電検出ライン10には、電源線VWとシールド線Sとの間や金属筐体Lbとの間での絶縁異常等による漏電の直流電圧や交流電圧あるいは電源線VWやグランド線GWから放射されたノイズの電圧が発生する。漏電検出ライン10は金属筐体Lbにしか接続しないが、金属筐体Lbとシールド線Sとは導体23で接続されているので、シールド線Sと金属筐体Lbとは同電位となる。したがって、シールド線Sで異常電圧が発生した場合も、漏電検出ライン10でその異常電圧を取り出すことができる。なお、同電位の電圧を取り出せればよいので、漏電検出ライン10の一端の接続先をシールド線Sとしてもよい。接続する箇所は、漏電検出回路2の設置できる位置(例えば、電源装置Vの近傍、負荷Lの内部)に応じて適宜の箇所でよい。
【0043】
過電圧バイパス回路12は、過電圧をバイパスさせるために出力端がグランド線GWの電源装置V側の端部に接続される。ボルテージフォロア13も、0Vを発生させるためにグランド線GWの電源装置V側の端部に接続される。なお、グランド線GWに接続すればよいので、過電圧バイパス回路12及びボルテージフォロア13の接続先を、グランド線GWの負荷L側の端部あるいは負荷Lの内部のグランド線GWに接続する電路などとしてもよい。
【0044】
漏電遮断器21における動作を説明する。ここでは、正常時の動作と電源線VWとシールド線Sとの間や負荷筐体Lbとの間の絶縁異常あるいはコンデンサLbの異常や負荷L内部での絶縁異常等により漏電が発生した時の動作について説明する。
【0045】
正常時の動作につい説明する。電源装置Vでは、所定の電力を発生し、その電力を電源線VWとグランド線GWによって負荷Lに供給する。この際、漏電遮断器21では、接点3,3を閉じている。シールド線Sには、電源線VW、グランド線GWで発生したノイズ(交流)が誘起されている。このノイズは、シールド線Sから金属筐体Lbを介してコンデンサLcに伝わり、コンデンサLcによって電源ラインに戻される。あるいは、漏電検出回路22において、このノイズを金属筐体Lbから漏電検出ライン10によって取り出し、漏電検出ライン10からハイパスフィルタ11を通過させて電源装置Vに帰還させる。また、漏電検出回路22では、このノイズの一部を漏電検出ライン10から電位差検出抵抗14の他端に伝送した場合、第1の実施の形態と同様に、漏電していないと判定し、接点開閉装置4を駆動しない。
【0046】
漏電が発生した時の動作について説明する。電源線VWとシールド線Sとの間や金属筐体Lbとの間に絶縁異常が発生すると、シールド線Sや金属筐体Lbにはノイズとは異なり、直流の異常電圧が発生する。あるいは、コンデンサLcの異常や負荷L内での絶縁異常が発生すると、金属筐体Lbには直流の異常電圧が発生する。漏電検出回路22では、その異常電圧を金属筐体Lbから漏電検出ライン10によって取り出す。すると、漏電検出回路22では、第1に実施の形態に係る漏電検出回路2と同様の動作により、漏電していると判定し、接点開閉装置4を駆動する。そのため、漏電遮断器21では、接点3,3を開き、電源線VW及びグランド線GWを遮断する。その結果、電源装置Vからの電力は接点3,3より先は流れないので、漏電が防止され、シールド線Sや金属筐体Lbには異常電圧が発生しなくなる。
【0047】
漏電遮断器21は、絶縁異常等によりシールド線Sや金属筐体Lbに漏電が発生した場合に、金属筐体Lbに発生した異常電圧を検出することによって漏電を検出することができる。そのため、漏電電流が実際に流れなくても、漏電を検出することができる。また、漏電遮断器21は、金属筐体Lbを漏電検出に用いることにより、構成が簡素化し、その検出感度も高感度である。さらに、漏電遮断器21は、金属筐体Lbの役割であるフレームグランドの効果を失うことなく、漏電検出が可能である。この他にも、漏電遮断器21は、第1の実施の形態に係る漏電検出回路2と同様の回路によって漏電検出を行うので、漏電検出において第1の実施の形態と同様の効果を有する。
【0048】
図3を参照して、第3の実施の形態に係る漏電遮断器31について説明する。図3は、第3の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。なお、第3の実施の形態は、第2の実施の形態に対してGND線との絶縁異常による異常電圧も検出する点で異なる。第3の実施の形態では、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21と同様の構成について同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
漏電遮断器31は、電源装置Vと負荷Lとを接続する電源線VW又はグランド線GWとシールド線Sとの間や負荷Lの金属筐体Lbとの間に発生する漏電や負荷Lの内部で発生する漏電を検出し、漏電を検出した場合には電源線VW及びグランド線GWを遮断する。漏電遮断器31は、漏電検出回路32、接点3,3、接点開閉装置4を備えている。なお、第3の実施の形態では、漏電検出回路32が特許請求の範囲に記載する漏電検出装置に相当する。
【0050】
漏電検出回路32は、シールド線S又は/及び金属筐体Lbに発生する異常電圧を検出し、異常電圧を検出した場合には接点開閉装置4を駆動して接点3,3を開くための回路である。特に、漏電検出回路32は、異常電圧として0Vも検出可能である。漏電検出回路32の構成は、第2の実施の形態に係る漏電検出回路22に対して、ボルテージフォロアの代わりに基準電圧発生回路33を備えている点で異なる。なお、第3の実施の形態では基準電圧発生回路33が特許請求の範囲に記載する基準電圧発生手段に相当する。
【0051】
基準電圧発生回路33は、シールド線Sや金属筐体Lbに発生している電圧を検出するための基準となる電圧を発生させ、その基準電圧を電位差検出回路15(電位差検出抵抗14の一端)に与える回路である。基準電圧発生回路33は、基準電圧を発生させるためにグランド線GWの電源装置V側の端部に接続され、基準電圧を出力するために出力端が電位差検出抵抗14の一端に接続される。
【0052】
基準電圧としては、漏電検出ライン10で0Vの異常電圧を検出した場合でも電位差検出回路15で電位差を検出するために、0Vではなく、数10〜数100mV程度の電圧とする。この程度の電圧であれば、0V以外の異常電圧を漏電検出ライン10で検出した場合でも、電位差検出回路15で電位差を検出することができる。したがって、漏電検出回路32では、0Vの異常電圧だけでなく、電源線VWで伝送される電圧など他の電圧値の異常電圧も検出可能である。なお、0Vの異常電圧は、グランド線GWがシールド線Sに接触した場合等に発生する。
【0053】
なお、異常電圧が0Vの場合、電位差検出回路15で検出される電位差が数10〜数100mV程度と小さいので、その電位差を漏電と判定するためには電位差検出回路15でその電位差を増幅したり、あるいは、閾値電圧を小さい値に設定する必要がある。また、この場合、検出される電位差に比べてノイズが大きくなる可能性があるので、ハイパスフィルタ11のインピーダンスを調整してそれらのノイズが電位差検出抵抗14にあらわれないようにする必要がある。
【0054】
漏電遮断器31における動作を説明する。ここでは、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21と動作が異なる、グランド線GWがシールド線S又は金属筐体Lbとの間の絶縁異常により漏電が発生した時の動作について説明する。
【0055】
漏電が発生した時の動作について説明する。グランド線GWとシールド線Sとの間や金属筐体Lbとの間に絶縁異常が発生すると、シールド線Sや金属筐体Lbには0Vの異常電圧が発生する。漏電検出回路32では、その異常電圧を金属筐体Lbから漏電検出ライン10によって取り出し、漏電検出ライン10によってその異常電圧が電位差検出抵抗14の他端まで伝送する。漏電検出回路32では、基準電圧(数10〜数100mV)と異常電圧(0V)との電位差を検出し、その電位差を整流後に閾値電圧と比較する。閾値電圧を異常電圧が0Vの場合も漏電と検出可能な値に設定しているので、電位差の絶対値は閾値電圧の絶対値以上となる。したがって、漏電検出回路32では、漏電していると判定し、接点開閉装置4を駆動する。そのため、漏電遮断器31では、接点3,3を開き、電源線VW及びグランド線GWを遮断する。その結果、電源装置Vからの電力は接点3,3より先は流れないので、漏電が防止され、シールド線Sや金属筐体Lbには異常電圧(0V)が発生しなくなる。
【0056】
漏電遮断器31は、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21と同様の効果を有し、さらに、グランド線GWとの絶縁異常によりシールド線Sや金属筐体Lbに漏電が発生した場合にも金属筐体Lbに発生した0Vの異常電圧を検出することによって漏電を検出することができる。
【0057】
図4を参照して、第4の実施の形態に係る漏電遮断器41について説明する。図4は、第4の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。なお、第4の実施の形態は、第2の実施の形態に対してシールド線がない点で異なる。第4の実施の形態では、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21と同様の構成について同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
漏電遮断器41は、電源装置Vと負荷Lとを接続する電源線VWと負荷Lの金属筐体Lbとの間に発生する漏電や負荷Lの内部で発生する漏電を検出し、漏電を検出した場合には電源線VW及びグランド線GWを遮断する。漏電遮断器41は、漏電検出回路42、接点3,3、接点開閉装置4を備えている。なお、第4の実施の形態では、漏電検出回路42が特許請求の範囲に記載する漏電検出装置に相当する。
【0059】
漏電検出回路42は、金属筐体Lbに発生する異常電圧を検出し、異常電圧を検出した場合には接点開閉装置4を駆動して接点3,3を開くための回路である。漏電検出回路42の構成は、第2の実施の形態に係る漏電検出回路22と同じ構成であるが、シールド線Sが無いので漏電検出ライン10では金属筐体Lbに発生する電圧だけを取り出すことができる。
【0060】
漏電遮断器41の動作は、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21と同様の動作であるが、金属筐体Lbに発生する異常電圧だけを検出し、その異常電圧によって漏電を判定する。
【0061】
漏電遮断器41は、第2の実施の形態に係る漏電遮断器21と同様の効果を有し、さらに、シールド線Sがない場合でも金属筐体Lbからの漏電の検出が可能である。
【0062】
図5を参照して、上記の実施の形態に係る漏電検出回路の構成を有する具体的な回路の一例について説明する。この漏電検出回路52は、基準電圧を発生する回路としてボルテージフォロアを有している。図5は、本実施の形態に係る漏電検出回路の回路図の一例である(ボルテージフォロアを有する回路)。
【0063】
漏電検出回路52では、漏電検出ライン10の一端がシールド線Sの電源装置V側の端部に接続している。漏電検出ライン10の他端は、抵抗を介して電位差検出抵抗14の他端に接続される。
【0064】
ハイパスフィルタ11は、コンデンサ11aで構成される。コンデンサ11aは、一端が漏電検出ライン10に接続され、他端が電源装置Vのフレームグランドに接続される。
【0065】
過電圧バイパス回路12は、2個のツェナダイオード12a,12bと抵抗12cで構成される。ツェナダイオード12aは、カソードがプラスの電源電圧に接続され、アノードがツェナダイオード12bのカソードに接続される。ツェナダイオード12aは、アノードがマイナスの電源電圧に接続される。抵抗12cは、一端が漏電検出ライン10に接続され、他端が2個のツェナダイオードの接続点に接続される。
【0066】
ボルテージフォロア13は、オペアンプ13aで構成される。オペアンプ13aは、反転入力端子が出力端子に直接接続され、非反転増幅端子が電源装置Vのフレームグランドに接続される。また、オペアンプ13aの出力端子は、電位差検出抵抗14の一端に接続される。
【0067】
電位差検出回路15は、オペアンプ15a、3個の抵抗15b〜15dで構成される。オペアンプ15aは、反転入力端子が抵抗15bを介して出力端子に接続されるとともに抵抗15cを介して電位差検出抵抗14の一端に接続され、非反転入力端子が抵抗15dを介して電位差検出抵抗14の他端に接続される。
【0068】
整流回路16は、オペアンプ16a、3個の抵抗16b,16e,16f、2個のダイオード16c,16dで構成される。オペアンプ16aは、反転入力端子が抵抗16bを介してオペアンプ15aの出力端子に接続され、非反転入力端子がグランドに接続される。ダイオード16cは、カソードがオペアンプ16aの出力端子に接続され、アノードが反転入力端子に接続される。ダイオード16dは、カソードが抵抗16eの一端に接続され、アノードがオペアンプ16aの出力端子に接続される。抵抗16eは、他端がオペアンプ16aの反転入力端子に接続される。抵抗16fは、一端がダイオード16dと抵抗16eの接続点に接続される。
【0069】
閾値電圧発生回路17は、2個の抵抗17a,17bで構成される。抵抗17aは、一端がマイナスの電源電圧に接続され、他端が抵抗17bの一端に接続される。抵抗17bは、他端がグランドに接続される。したがって、閾値電圧発生回路17では、マイナスの閾値電圧を発生し、その電圧値は抵抗17a,17bの抵抗値によって決まる。
【0070】
コンパレータ18は、反転入力端子が反転増幅回路52a等を介して整流回路16の出力端に接続され、非反転入力端子が抵抗17aと抵抗17bとの接続点に接続される。コンパレータ18では、マイナスの電位差が入力され、マイナスの電位差とマイナスの閾値電圧とを比較する。そして、コンパレータ18では、マイナスの電位差がマイナスの閾値電圧より大きい場合にはロー信号を出力し、マイナスの電位差がマイナスの閾値電圧以下になるとハイ信号を出力する。
【0071】
出力回路19は、NチャネルのMOSFET[Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor]19aで構成される。MOSFET19aは、ゲートがコンパレータ18の出力端子に接続され、ドレインが接点開閉装置4に接続され、ソースがグランドに接続される。MOSFET19aでは、コンパレータ18の出力がロー信号の場合にオフし、出力がハイ信号の場合にオンする。
【0072】
漏電検出回路52では、シールド線Sに発生している電圧をマイナスの電位差としてコンパレータ18に入力し、コンパレータ18でそのマイナスの電位差とマイナスの閾値電圧とを比較する。シールド線Sに異常電圧が発生していない場合(正常の場合)、漏電検出回路52では、コンパレータ18がロー信号を出力し、MOSFET19aがオフする。シールド線Sに異常電圧が発生した場合(漏電の場合)、漏電検出回路52では、コンパレータ18がハイ信号を出力し、MOSFET19aがオンする。MOSFET19aがオンした場合、接点開閉装置4が駆動して接点(図示せず)を開き、電源線VW及びグランド線GWを遮断する。
【0073】
図6、図7を参照して、シールド線Sに擬似の異常電圧を発生させた場合の漏電検出回路52によるシミュレーションについて説明する。図6は、シールド線に直流の異常電圧を発生させた場合の図5の漏電検出回路によるシミュレーション結果を示すタイミングチャートであり、(a)がシールド線における電圧であり、(b)がボルテージフォロアの出力電圧であり、(c)が出力回路におけるMOSFETのドレイン電圧である。図7は、シールド線に交流の異常電圧を発生させた場合の図5の漏電検出回路によるシミュレーション結果を示すタイミングチャートであり、(a)がシールド線における電圧であり、(b)がボルテージフォロアの出力電圧であり、(c)が出力回路におけるMOSFETのドレイン電圧である。
【0074】
シールド線Sには、擬似漏電信号発生器53を接続し、異常電圧が印可される。擬似漏電信号発生器53は、直流や交流の様々な電圧を発生することができる電圧発生器である。このシミュレーションでは、擬似漏電信号発生器53によって直流の異常電圧と交流の異常電圧とを発生させ、漏電検出回路52の動作をシミュレーションする。そして、シールド線Sにおける電圧、オペアンプ13aの出力電圧、MOSFET19aのドレイン電圧を観察する。
【0075】
図6を参照して、直流の異常電圧を発生させた場合について説明する。擬似漏電信号発生器53では、100mS〜300mSではプラスの異常電圧、500mS〜700mSではマイナスの異常電圧を発生させ、それ以外の期間では正常時の0Vの電圧とする。したがって、シールド線Sの電圧(ひいては、漏電検出ライン10の電圧)は、0〜100mSでは0V、100mS〜300mSではプラスの異常電圧、300mS〜500mSでは0V、500mS〜700mSではマイナスの異常電圧となる(図6(a)参照)。オペアンプ13aの出力電圧(すなわち、基準電圧)は、常時、0Vである(図6(b)参照)。したがって、コンパレータ18の反転入力端子に入力される電位差は、0〜100mSでは0、100mS〜300mSではマイナスの電位差、300mS〜500mSでは0、500mS〜700mSではマイナスの電位差となる。その結果、MOSFET19aは、0〜100mSではオフしてドレイン電圧がハイ電圧となり、100〜300mSではオンしてドレイン電圧が0Vとなり、300〜500mSではオフしてドレイン電圧がハイ電圧となり、500〜700mSではオンしてドレイン電圧が0Vとなる(図6(c)参照)。
【0076】
図7を参照して、交流の異常電圧を発生させた場合について説明する。擬似漏電信号発生器53では、シミュレーションを開始してから全期間においてプラスとマイナスとの間で変動する交流の異常電圧を発生させる。したがって、シールド線Sの電圧(ひいては、漏電検出ライン10の電圧)は、全期間で交流の異常電圧となる(図7(a)参照)。オペアンプ13aの出力電圧(すなわち、基準電圧)は、常時、0Vである(図7(b)参照)。したがって、コンパレータ18の反転入力端子に入力される電位差は、全期間でマイナスの電位差となる。この電位差は、交流の異常電圧に対応して変化する。その結果、MOSFET19aは、全期間でオンしてドレイン電圧が0Vとなる(図7(c)参照)。
【0077】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0078】
例えば、本実施の形態では漏電遮断器に本発明に係る漏電検出装置を適用したが、漏電を検出するだけの漏電検出装置単体にも適用でき、その場合には出力回路は必要ない。
【0079】
また、本実施の形態ではボルテージフォロアによって0Vの基準電圧を発生させたが、ボルテージフォロアを用いることなく、単に、フレームグランドやグランド線に接続するなどして0Vの基準電圧とする構成でもよい。
【0080】
また、本実施の形態ではハイパスフィルタ及び過電圧バイパス回路を備える構成としたが、必要がない場合には備えない構成でもよい。
【0081】
また、本実施の形態では整流回路を備える構成としたが、異常電圧の極性が固定している場合には備えない構成でもよい。
【0082】
また、本実施の形態では供給側を駆動装置や電源装置としたが、各種電気信号を負荷側に供給する装置でもよい。この場合、異常電圧として電気信号の信号電圧が発生する場合がある。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、シールド線又は/及び負荷側の筐体における異常電圧を検出することによって漏電を検出するので、漏電を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。
【図2】第2の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。
【図3】第3の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。
【図4】第4の実施の形態に係る漏電遮断器の構成図である。
【図5】本実施の形態に係る漏電検出回路の回路図の一例である(ボルテージフォロアを有する回路)。
【図6】シールド線に直流の異常電圧を発生させた場合の図5の漏電検出回路によるシミュレーション結果を示すタイミングチャートであり、(a)がシールド線における電圧であり、(b)がボルテージフォロアの出力電圧であり、(c)が出力回路におけるMOSFETのドレイン電圧である。
【図7】シールド線に交流の異常電圧を発生させた場合の図5の漏電検出回路によるシミュレーション結果を示すタイミングチャートであり、(a)がシールド線における電圧であり、(b)がボルテージフォロアの出力電圧であり、(c)が出力回路におけるMOSFETのドレイン電圧である。
【符号の説明】
1,21,31,41…漏電遮断器、2,22,32,42,52…漏電検出回路、3…接点、4…接点開閉器、10…漏電検出ライン、11…ハイパスフィルタ、11a…コンデンサ、12…過電圧バイパス回路、12a,12b…ツェナダイオード、12c…抵抗、13…ボルテージフォロア、13a…オペアンプ、14…電位差検出抵抗、15…電位差検出回路、15a…オペアンプ、15b,15c,15d…抵抗、16…整流回路、16a…オペアンプ、16b,16e,16f…抵抗、16c,16d…ダイオード、17…閾値電圧発生回路、17a,17b…抵抗、18…コンパレータ、19…出力回路、19a…MOSFET、23…導体、33…基準電圧発生回路、52a…反転増幅回路、53…擬似漏電信号発生器
Claims (3)
- 供給側と負荷側とが電線で接続され、供給側から負荷側における漏電を検出する漏電検出装置であって、
前記負荷側の筐体又は/及び前記電線のシールド線に接続される漏電検出線と、
前記漏電検出線に発生した電圧と基準電圧との電圧差を検出する電圧差検出手段と、
漏電判定電圧を発生する漏電判定電圧発生手段と、
前記電圧差検出手段で検出した電圧差と前記漏電判定電圧発生手段で発生した漏電判定電圧とを比較し、漏電の有無を判定する比較手段と
を備えることを特徴とする漏電検出装置。 - 前記基準電圧を発生する基準電圧発生手段を備えることを特徴とする請求項1に記載する漏電検出装置。
- 前記供給側と前記負荷側との電路を遮断するための遮断装置が設けられ、
前記比較手段で漏電と判定した場合、前記遮断装置を作動させて前記電路を遮断する出力手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する漏電検出装置。
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