JP2004354054A - 車体塗装色調の合否判定方法 - Google Patents

車体塗装色調の合否判定方法 Download PDF

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JP2004354054A JP2003148345A JP2003148345A JP2004354054A JP 2004354054 A JP2004354054 A JP 2004354054A JP 2003148345 A JP2003148345 A JP 2003148345A JP 2003148345 A JP2003148345 A JP 2003148345A JP 2004354054 A JP2004354054 A JP 2004354054A
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芳彦 佐伯
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Abstract

【課題】従来、実測データに基づく値を基準色データで比較し判定すること(以下、基準色データ方式という)は、常識的であり、理想的であると言える。本発明者らが調べたところ、車体塗装ラインの色調検査に基準色データ方式を適用すると、不合格率が異常に高まるという不具合が発生した。
【解決手段】ST21で、L*、a*、b*は当該車体の実測データから求めたL*a*b*表色系データであり、L*(−1)、a*(−1)、b*(−1)は一つ前の車体の実測データから求めたL*a*b*表色系データである。ST22求めたΔEが許容差C(色差の許容差C)以内であるか否かを調べる。すなわち、基本的に一つ前の車体と同色調であるか否かを調べる。
【効果】相対評価であるから不合格率が異常に高まる虞はない。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車体塗装色調の合否判定方法の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車体の塗装工程において、上塗り乾燥後の車体を検査対象として、検査員がハンド操作型検査器により、塗装に色調異常があるか否かを検査する。検査に時間がかかるため、通常は複数台に1台を検査するという、抜き取り検査が採用されている。
【0003】
抜き取り検査の場合、異常を検出したときには複数台の車体が既に通過しているため、対策が遅れる。そのために、検査システムを自動化することで全数検査を行うことが望まれる。
【0004】
従来、自動化、全数検査可能な色調測定装置が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0005】
【特許文献1】
特公平8−20311号公報(第1図)
【0006】
図6は特許文献1の第1図の再掲図であり、塗装を施したストリップ(鋼帯)1に発光分光器5を臨ませ、この発光分光器5で得た色調情報を演算処理する。一方、基準色メモリ35から基準色データを取り出し、この基準色データと前記演算で得た値(実測データに基づく値)とを、色差演算部25で比較し、合否を判定するというシステムが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
実測データに基づく値を基準色データで比較し判定すること(以下、基準色データ方式という)は、常識的であり、理想的であると言える。
本発明者らが調べたところ、車体塗装ラインの色調検査に基準色データ方式を適用すると、不合格率が異常に高まるという不具合が発生した。
【0008】
そもそも色調異常は、塗料を供給する塗料メーカでの色調整に不具合があったとき、塗装ブース内を流れる風の流量や流速が変化して自動塗装装置または、塗装ロボット先端に配設されたり、作業者が把持して操作する塗装ガンより噴霧される塗料の塗着率が変化したとき、気温の変化に基づき粘度が著しく変化したとき、生産速度調整にともなって塗装ガンからの単位時間当たりの噴霧量が変化したとき、塗装ガンに異常が発生したとき、などに発生する。
【0009】
上記複数の変動要素のうち、塗料メーカでの色調整には不可避的に変動が発生する。すなわち、塗装メーカでは、要求された色見本に合致するように原色塗料を配合し、混合するため、一缶(塗料缶、一般にドラム缶)毎に色調は微妙に異なる。このような不可避的な、塗料メーカでの色調整の変化に、その他の変動要素が加わるため、塗装ラインにおいては色調に変化が現れ易い。
【0010】
そのため、前記基準データ方式を適用すると、前記一缶毎の色調整に前記塗装条件に起因する色調差が付加されるため、不合格率が高まる。仮に、不合格率を低減するべく合否判定を甘くすると、合格品に不合格品が混じる可能性があり、上記変動要素に重大な異常があっても、異常の発見が遅れることとなる。したがって、前記基準データ方式は理想的な方式ではあるが、実際の車両塗装ラインに適用することは最適とは言えない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、自動化による全数検査を実現するべく研究を継続する中で、基準データ方式による絶対評価ではなく、各色調整を要因別に抽出し、前の検査データを基準とする相対評価で判定することにより、正確に色調整の合否を判定できることに気が付いた。
【0012】
以上の知見に基づいて完成した発明は以下の通りである。
請求項1の車体塗装色調の合否判定方法は、塗装を施した車体の複数箇所を塗装色の測定対象にしてRGB系情報を取得するステップと、取得したRGB系情報をXYZ表色系データに変換するステップと、XYZ表色系データをL*a*b*表色系データに変換するステップと、からなる実測値データ処理手法を基本とし、
同一ロットのN台目の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*、a*及びb*と呼び、
N台目より一つ前の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*(−1)、a*(−1)及びb*(−1)と呼ぶときに、
下記の▲4▼式で求めたΔEが許容差以下であればN台目の車体の塗装色調は合格であり、ΔEが許容差を超えたときにはN台目の車体の塗装色調が不合格であると判定することを特徴とする。
【0013】
【数3】
Figure 2004354054
【0014】
なお、RGBのRは赤、Gは緑、Bは青であって、RGB系情報は光の三原色に基づいて塗装色を分析した情報を意味する。
XYZ表色系は、XYZ三刺激値とも呼ばれ、RGBの関数であり、RGB系情報では表せない明るさなどをも加味した表示形式を意味する。
L*a*b*表色系は、JIS Z 8729で規定される色の表示方法であり、L*は明度指数、a*とb*はその位置により色相と彩度に相当する位置を示す。
【0015】
請求項1は、基本的に一つ前の車体と同色調であるか否かを調べる。この手法により、同一ロット内の車体であれば、同一色調にあることが確認できる。前後の色調を比較するから、相対評価となる。相対評価であるから、塗装メーカでの調合差は対象外になる。変動要素のうちで、塗装メーカでの調合変動が目立ち、その他の要素(塗着率変化、粘度変化、噴霧量変化塗装ガン異常など)は発生頻度はごく小さい。
【0016】
このような発生頻度の小さな変動要素を対象に検査するため、不合格率が異常に高まる心配はない。逆に、不合格が発生した場合は、通常問題とならない変動要素が起因しているから、重大な異常が発生したと見なして、迅速に対策を講じる必要がある。
【0017】
したがって、請求項1によれば、重大な異常を的確に検出することができると共に、不合格率が異常に高まることを抑えることができ、車両の生産性を高めることができる。
【0018】
請求項2の車体塗装色調の合否判定方法は、塗装を施した車体の複数箇所を塗装色の測定対象にしてRGB系情報を取得するステップと、取得したRGB系情報をXYZ表色系データに変換するステップと、XYZ表色系データをL*a*b*表色系データに変換するステップと、からなる実測値データ処理手法を基本とし、
同一ロットのN台目の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*、a*及びb*と呼び、
N台目より一つ前の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*(−1)、a*(−1)及びb*(−1)と呼び、
前日までの一定期間において前記ロットと同等のロットから前記実測データ手法によりL*a*b*表色系データを得、得たL*a*b*表色系データから各ロットの最初の2台分のデータを削除し、残ったL*a*b*表色系データを平均値化し、得た平均値をL*ave、a*ave及びb*aveと呼ぶときに、
前記Nが、2、3又は4から選択した数以下であれば下記の▲5▼式でΔEを求め、前記Nが、選択した数超であれば下記の▲6▼式でΔEを求め、
求めたΔEが許容差以下であればN台目の車体の塗装色調は合格であり、ΔEが許容差を超えたときにはN台目の車体の塗装色調が不合格であると判定することを特徴とする。
【0019】
【数4】
Figure 2004354054
【0020】
請求項2は、請求項1の改良発明である。
ところで、近年の生産ラインでは、ロットの切り替え時に色替えと称する処置を行う。色替えでは、塗装ガンへの塗料の供給を止め、溶剤で塗料を洗い流し、新しい塗料を供給する。生産性を低下させないためには、色替えは迅速に行う必要がある。迅速化を進めると、色替え直後に溶剤が残留し、この残留溶剤が塗料に混入して色調が変化する可能性がある。
【0021】
そこで請求項2では、ロットの切り替え直後は、一つ前の車両の実測データを使用せずに、前日から一定期間の実測データの平均値を使用することにした。しかも、前日から一定期間の実測データには、ロット切り替え直後の実測データは除外する。
【0022】
この結果、色替えに伴って発生する不具合を確実に発見することができる。加えて、一定期間の平均値と比較することにより、塗料メーカでの調合不良を発見することができる。
【0023】
したがって、請求項2によれば、色替え並びに塗料メーカでの調合不良を含む重大な異常を的確に検出することができると共に、不合格率が異常に高まることを抑えることができ、車両の生産性を高めることができる。
【0024】
請求項3では、車体は、塗装ブースにおいて上塗り塗装を施した直後の車体であることを特徴とする。
塗装ブースにおいて上塗り塗装を施した直後の車体について色調の合否判定を行うようにしたので、色調不良発生時、迅速に対策を講じることができ、不良数を最小限に抑えることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る塗装ラインの原理図であり、車体の塗装ライン10に、例えば、台車11を搬送する搬送コンベア12に沿って、自動塗装装置または、溶接ロボット先端に配設されたり、作業者が把持して操作する塗装ガンを内蔵する塗装ブース14、台車番号読み取り装置15、リミットスイッチ16、上CCDカメラ17、左CCDカメラ18、右CCDカメラ19を配置し、塗装ライン10の外に色調判定装置20、生産管理コンピュータ21、警報器22、データを記憶させるメモリ23を備える。
【0026】
図1の作用を説明する。車体には、工程上の位置に応じて25A、25B、25Cのごとく異なる符号を付与する。
上塗り塗装前の車体25Aを塗装ブース14へ搬送し、塗装ブース14にて塗装ガンで上塗り塗装を施す。
【0027】
右向きに移動中の車体25B又はそれを支える台車11が所定の位置に到達したことをリミットスイッチ16で検出したら、台車番号読み取り装置15で台車11に付してある番号を読み取る。この台車番号情報を色調判定装置20へ送る。
【0028】
色調判定装置20では、生産管理コンピュータ21からの情報と台車番号情報とから、当該車体25Bに塗るべき色調情報を認識する。
【0029】
図2は本発明に係る測定ポイントの一例を示す図であり、例えば、右カメラ19(図1参照)で、右フロントフェンダ26の複数の点P1〜P6を測定し、それらの箇所の実測色調情報を得る。
【0030】
図1に戻って、実測色調情報と車体25Bに塗るべき色調情報とを後述のフローに従って比較することで、色調の合否を判定し、合否をディスプレイ27に表示すると共に、不合格のときには警報器22を作動させて警報音を発生させる。25Cは検査を終えた車体である。
【0031】
なお、メモリ23には車体毎の判定経緯を一定期間(少なくとも数ヶ月分)を記憶させ、前記実測色調情報に代えて過去の平均値を採用するときに、過去の情報を提供する役割を果たす。
【0032】
次に実測データの処理、平均値化手法を説明する。
図3は本発明に係る実測値データ処理手法を示すフロー図であり、ST××はステップ番号を示す。
ST01:先ず、塗装を施した車体の複数箇所を塗装色の測定対象にしてRGB系情報を取得する。
ST02:次に、取得したRGB系情報をXYZ表色系データに変換する。
【0033】
ST03:XYZ表色系データをL*a*b*表色系データに変換する。なお、Xn、Yn、Znは完全拡散反射面の標準光によるXYZである。
ST04:これで、L*、a*、b*を各々決定することができる。
以上のフローを「実測値データ処理手法」という。
【0034】
図4は本発明に係る同一ロット及び同等のロットの説明図であり、横軸は時間軸であり、縦軸は月日を単位とする時期を示し、縦軸には便宜上、下から上へ(a)〜(d)を付記した。
(a)は今日の生産工程を示し、他のロットの次に、白抜きのAロットが続き、Aロットが終わったら別のロットに切り替わる工程を示す。
【0035】
ロットは生産の単位を表す用語である。
Aロット内では、1台目、2台目、3台目・・・N台目ともに、同車種、同タイプ(2ドア、3ドア、4ドア、5ドア)、同色条件で処理する。これらを同一ロットという。
他のロットや別のロットは、色などがAロットとは異なるロットを意味する。他のロットからAロットへ、Aロットから別のロットへ変更するときには色が替えなどの処置を講じる。
【0036】
(b)は前日の生産工程を示し、他のロットの白抜きのAロットが続いたことを示す。Aロットは前記Aロットと同車種、同タイプ、同色であるところのAロットと同等のロットという。Aロットの1台目をAm−1、同2台目をAm−2と呼ぶことにする。
【0037】
(c)は20日前の生産工程を示し、他のロットの白抜きのAロットが続いたことを示す。Aロットは前記Aロットと同車種、同タイプ、同色であるところのAロットと同等のロットという。Aロットの1台目をA2−1、同2台目をA2−2と呼ぶことにする。
【0038】
(d)は1ヶ月前の生産工程を示し、他のロットの白抜きのAロットが続いたことを示す。Aロットは前記Aロットと同車種、同タイプ、同色であるところのAロットと同等のロットという。Aロットの1台目をA1−1、同2台目をA1−2と呼ぶことにする。
【0039】
表1は実測値データ処理手法で処理したデータの一覧表である。
【0040】
【表1】
Figure 2004354054
【0041】
第1行の第1コラムに時期、第2コラムにデータ番号、第3コラムにL*、第4コラムにa*、第5コラムにb*を記載した。
第2行は、図4(d)に示したA1−1について、図3のステップ(実測値データ処理手法)により、求めたL*1−1、a*1−1、b*1−1を列記したものである。第3行以降も同様である。
【0042】
表2は本発明に係るL*、a*、b*平均値の求め方を示す表である。
【0043】
【表2】
Figure 2004354054
【0044】
平均値を求めるには、横線(中線)で消した行(見え消し行)、すなわち各ロットの1台目及び2台目を削除する。そして、残りを合計し、その数で割ることで平均値を求める。求めた平均値は、L*ave、a*ave、b*aveと呼ぶ。
【0045】
以上に述べた装置、実測値データ処理手法、表を用いて実施する車体塗装色調の合否判定方法を次に説明する。
図5は本発明に係る車体塗装色調の合否判定方法のフロー図である。
ST11:車体を塗装ブースへ搬送する。
ST12:車体に上塗り塗装を施す。
ST13:台車番号を読み取る。
ST14:この番号からロット、順番(ロット内で何番目か)を確認若しくは確定する。
【0046】
ST15:CCDカメラで車体の色調を測定する。
ST16:図3によりR、G、BからL*、a*、b*を演算する。
ST17:車体が初めから1,2又は3台目であるか否かを調べる。
【0047】
ST18:ST17でYESであれば、メモリからL*ave、a*ave、b*aveを呼び出す。これらのL*ave、a*ave、b*aveは前日から1ヶ月の平均値(ただし、各ロットの1台目及び2台目は除く)である。
ST19:ST16で確定したL*、a*、b*及びST18で呼び出したL*ave、a*ave、b*aveを用いてΔEを演算する。
【0048】
ST20:ST17でNOであれば、メモリからL*(−1)、a*(−1)及びb*(−1)を呼び出す。なお、L*(−1)は一つ前の車体のL*、a*(−1)は一前のa*及びb*(−1)は一つ前のb*である。
ST21:ST16で確定したL*、a*、b*及びST20で呼び出したL*(−1)、a*(−1)及びb*(−1)を用いてΔEを演算する。
【0049】
ST22:ST19又はST21で求めたΔEが許容差C(色差の許容差C)以内であるか否かを調べる。
ST23:ST22でYESであれば「合格」と判定し、それを表示する。
ST24:ST22でNOあれば不合格と判定し、警報を発する。
ST25:同時に「不合格」又は異常を表示する。
【0050】
上記ST17で当該車体が1、2又は3台目であるか否かを判別した。この理由を説明する。
当該車体が1又は2台目であるときに、ST22でNO(不合格)となった場合には、色替え不良(洗浄不良など)と塗料メーカでの調合不良とが考えられる。言い換えると、1又は2台目は色替え不良が発生する可能性があるために、比較情報に過去1ヶ月の平均値を採用した。
【0051】
当該車体が3台目であるときに、ST22でNO(不合格)となった場合には、塗料メーカでの調合不良が考えられる。言い換えると、3台目であっても不合格であるときには、色替え不良(洗浄不良など)は考えにくく、塗料メーカでの調合不良が有力となる。
【0052】
このように、比較情報に過去一ヶ月の平均値を採用することにより、色替え不良や塗料メーカでの調合不良をロットの初期段階で検出することができる。
【0053】
4台目以降にも、過去1ヶ月の平均値を比較情報に用いることはできる。しかし、この手法には次の問題がある。
第1に、一般のコンピュータプログラムでは、比較の直前にいちいち過去1ヶ月の平均値を計算し、それから比較演算を行う。そのために演算時間が延びる。しかし、演算が複雑化したからといって演算時間の延長は許されない。そこで、高速処理可能な高価なコンピュータが必須となり、設備コストが嵩む。
【0054】
第2に、平均値と比較するため、合格条件が厳しくなり、塗料を供給する塗料メーカでの色調整に不具合があったとき、塗装ラインにおける気温の変化に基づき粘度が著しく変化したとき、生産速度調整にともなってライン速度が著しく変化したとき、塗装ガンに異常が発生したとき、噴霧空気の圧力が著しく変動したとき、などに不合格になる可能性があり、結果として不合格率が異常に高まる虞がある。
【0055】
色替え不良は1、2台目で検出し、メーカでの調合不良は3台目で検出すれば、その他の異常(粘度異常、ライン速度の異常、塗装ガンの不調、噴霧圧の異常など)を4台目以降で検出すればよい。であれば、4台目以降は一つ前の車体から得た実測値データから導いた比較情報で処理することが可能となる。
この結果、コンピュータの負担が軽減できると共に、その他の異常(色替え異常や塗料メーカでの調合不良以外の異常)が不合格の原因であるから異常の種類を従来よりも短時間で特定することができ、検査能率を向上させることができる。
【0056】
尚、請求項2での「前日までの一定期間」は、実施例では1ヶ月としたが、これは15日、2ヶ月など、経験、実績を重ねて決めればよい期間である。
また、請求項2での「Nが、2、3又は4から選択した数」は、実施例では3としたが、これは2又は4であってもよい。
【0057】
さらに、本実施例では、色差ΔEが許容差C以内であるか否かで、色調の合否を判定したが、前記色差ΔEに加えて、明度差ΔL(詳細は後述)、色相差Δa、彩度差Δbが、各々許容差以内であるか否かを勘案して合否を判定するようにすれば、より正確な合否判定が可能となる。
明度差ΔL=(L*−L*(−1))又は(L*−L*ave)
色相差Δa=(a*−a*(−1))又は(a*−a*ave)
彩度差Δb=(b*−b*(−1))又は(b*−b*ave)
【0058】
また、本実施例では、塗装ブースを出た直後の車体について、色調を判定するようにしたが、上塗り乾燥炉を出た直後の車体について、色調を判定するようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、基本的に一つ前の車体と同色調であるか否かを調べる。この手法により、同一ロット内の車体であれば、同一色調にあることが確認できる。前後の色調を比較するから、相対評価となる。相対評価であるから、塗装メーカでの調合差は対象外になる。変動要素のうちで、塗装メーカでの調合変動が目立ち、その他の要素(塗着率変化、粘度変化、噴霧量変化塗装ガン異常など)は発生頻度はごく小さい。
【0060】
このような発生頻度の小さな変動要素を対象に検査するため、不合格率が異常に高まる心配はない。逆に、不合格が発生した場合は、通常問題とならない変動要素が起因しているから、重大な異常が発生したと見なして、迅速に対策を講じる必要がある。
【0061】
したがって、請求項1によれば、重大な異常を的確に検出することができると共に、不合格率が異常に高まることを抑えることができ、車両の生産性を高めることができる。
【0062】
請求項2は、請求項1の改良発明である。
ところで、近年の生産ラインでは、ロットの切り替え時に色替えと称する処置を行う。色替えでは、塗装ガンへの塗料の供給を止め、溶剤で塗料を洗い流し、新しい塗料を供給する。生産性を低下させないためには、色替えは迅速に行う必要がある。迅速化を進めると、色替え直後に溶剤が残留し、この残留溶剤が塗料に混入して色調が変化する可能性がある。
【0063】
そこで請求項2では、ロットの切り替え直後は、一つ前の車両の実測データを使用せずに、前日から一定期間の実測データの平均値を使用することにした。しかも、前日から一定期間の実測データには、ロット切り替え直後の実測データは除外する。
【0064】
この結果、色替えに伴って発生する不具合を確実に発見することができる。加えて、一定期間の平均値と比較することにより、塗料メーカでの調合不良を発見することができる。
【0065】
したがって、請求項2によれば、色替え並びに塗料メーカでの調合不良を含む重大な異常を的確に検出することができると共に、不合格率が異常に高まることを抑えることができ、車両の生産性を高めることができる。
【0066】
請求項3では、塗装ブースにおいて上塗り塗装を施した直後の車体について色調の合否判定を行うようにしたので、色調不良発生時、迅速に対策を講じることができ、不良数を最小限に抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗装ラインの原理図
【図2】本発明に係る測定ポイントの一例を示す図
【図3】本発明に係る実測値データ処理手法を示すフロー図
【図4】本発明に係る同一ロット及び同等のロットの説明図
【図5】本発明に係る車体塗装色調の合否判定方法のフロー図
【図6】特許文献1の第1図の再掲図
【符号の説明】
10…車体の塗装ライン、14…塗装ブース、17〜19…CCDカメラ、20…色調判定装置、23…メモリ、25B…塗装を施した車体。

Claims (3)

  1. 塗装を施した車体の複数箇所を塗装色の測定対象にしてRGB系情報を取得するステップと、取得したRGB系情報をXYZ表色系データに変換するステップと、XYZ表色系データをL*a*b*表色系データに変換するステップと、からなる実測値データ処理手法を基本とし、
    同一ロットのN台目の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*、a*及びb*と呼び、
    N台目より一つ前の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*(−1)、a*(−1)及びb*(−1)と呼ぶときに、
    下記の▲1▼式で求めたΔEが許容差以下であればN台目の車体の塗装色調は合格であり、ΔEが許容差を超えたときにはN台目の車体の塗装色調が不合格であると判定することを特徴とする車体塗装色調の合否判定方法。
    Figure 2004354054
  2. 塗装を施した車体の複数箇所を塗装色の測定対象にしてRGB系情報を取得するステップと、取得したRGB系情報をXYZ表色系データに変換するステップと、XYZ表色系データをL*a*b*表色系データに変換するステップと、からなる実測値データ処理手法を基本とし、
    同一ロットのN台目の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*、a*及びb*と呼び、
    N台目より一つ前の車体から前記実測値データ手法により、得たデータをL*(−1)、a*(−1)及びb*(−1)と呼び、
    前日までの一定期間において前記ロットと同等のロットから前記実測データ手法によりL*a*b*表色系データを得、得たL*a*b*表色系データから各ロットの最初の2台分のデータを削除し、残ったL*a*b*表色系データを平均値化し、得た平均値をL*ave、a*ave及びb*aveと呼ぶときに、
    前記Nが、2、3又は4から選択した数以下であれば下記の▲2▼式でΔEを求め、前記Nが、選択した数超であれば下記の▲3▼式でΔEを求め、
    求めたΔEが許容差以下であればN台目の車体の塗装色調は合格であり、ΔEが許容差を超えたときにはN台目の車体の塗装色調が不合格であると判定することを特徴とする車体塗装色調の合否判定方法。
    Figure 2004354054
  3. 前記車体は、塗装ブースにおいて上塗り塗装を施した直後の車体であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体塗装色調の合否判定方法。
JP2003148345A 2003-05-26 2003-05-26 車体塗装色調の合否判定方法 Withdrawn JP2004354054A (ja)

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