JP2004352230A - 自動車用フレームの製造方法、自動車用フレーム及び自動車用フレームの製造システム - Google Patents

自動車用フレームの製造方法、自動車用フレーム及び自動車用フレームの製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】 溶接に伴う強度低下を回復することができ、さらに、生産性良く製造することができる自動車用フレームの製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の自動車用フレームS1は、中間部材12の両端部に連結部材15が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニット10を1乃至複数個含んでいる。中間部材12は棒状中空材からなる。溶接フレームユニット10を他の溶接フレームユニット30又は他のフレーム構成部材と接結する前に、溶接フレームユニット10を人工時効する。その後、溶接フレームユニット10の接結を行う。
【選択図】 図1

Description

この発明は、メインフレーム、サブフレーム、サイドメンバ、クロスメンバ、等の自動車用フレームの製造方法、自動車用フレーム及び自動車用フレームの製造システムに関する。
アルミニウム合金は軽量な金属であるため、近年、自動車用の各種フレームに用いられている。
このようなアルミニウム合金のうち熱処理型のものは、溶接によって熱影響部において強度が低下するという難点があった。
そこで、溶接に伴う強度低下を回復するため、溶接後においてアルミニウム合金を人工時効する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)
ところで、アルミニウム合金製の自動車用の各種フレームのうち、例えば、サイドメンバとクロスメンバとを有する略井桁状のサブフレームにおいては、これを鋳造によって一体に製造する場合には、大型の金型が必要のなるので、金型の製造コストが高く付いてしまい、その結果、サブフレームの製造コストも高く付くという難点があった。
そこで、このような難点を解消するため、従来、サブフレームをサイドメンバとクロスメンバとに分割し、各メンバを個別に製作したのち、これらメンバを相互に溶接等によって接結することにより、サブフレームを組立製作する方法が知られている(例えば特許文献2−4参照。)。
さらに、サブフレームの更なる軽量化を図るため、前記サイドメンバ及び前記クロスメンバのうち少なくとも一方のメンバは、次のように製作されている。
すなわち、当該メンバを、中間部材と、他の部材と連結される2個の連結部材とに3分割するとともに、中間部材を棒状中空材で形成する。そして、この中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化することにより、当該メンバが製作されている。したがって、こうして製作されたメンバは、中間部材と連結部材との溶接に伴う強度低下が発生している。
次いで、このサイドメンバとクロスメンバとを相互に接結してサブフレームを組み立てたのち、中間部材と連結部材との溶接に伴う強度低下を回復するため、該サブフレームを人工時効用炉(例えば電気炉)内に配置してこれを人工時効していた。
特開平5−222498号公報(請求項1) 特開2002−337721号公報(第4頁、第2−3図) 特開2002−337722号公報(第4−5頁、第2−4図) 特開2002−337745号公報(第5頁、第2−3図)
しかしながら、上述した従来のサブフレームの製造方法では、サイドメンバとクロスメンバとを相互に接結してサブフレームを組み立てたあとで、該サブフレームを人工時効していたため、次のような難点があった。
すなわち、サブフレームを人工時効すべく、これを人工時効用炉内に配置すると、その周囲に大きなデッドスペースが生じてしまうため、炉内に配置可能なサブフレームの個数が少なくなり、その結果、サブフレームの生産性が悪くなるし、あるいは大型の炉が必要となるため設備費用が高く付くという難点があった。
この発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、溶接に伴う強度低下を回復することができ、さらに、生産性良く製造することができる自動車用フレームの製造方法及びこれにより得られた自動車用フレームを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の手段を提供する。
[1] 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを1乃至複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造方法において、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、溶接フレームユニットを人工時効し、その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造方法。
[2] 溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と機械的締結手段によって相互に接結する前項1記載の自動車用フレームの製造方法。
[3] 中間部材の両端部に連結部材を、摩擦熱を利用した固相接合によって接合する前項1又は2記載の自動車用フレームの製造方法。
[4] 中間部材の両端面には凹部が設けられており、中間部材の両端面の凹部に、連結部材に設けられた嵌合凸部を嵌合させたのち、この各嵌合部に前記固相接合として摩擦撹拌接合を施すことにより、中間部材の両端部に連結部材を接合する前項3記載の自動車用フレームの製造方法。
[5] 中間部材及び連結部材のうち少なくとも一方が、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材からなる前項1〜4のいずれか1項記載の自動車用サブフレームの製造方法。
[6] 溶接フレームユニットを、熱処理温度150〜300℃及び保持時間20min〜10hの条件で人工時効する前項5記載の自動車用フレームの製造方法。
[7] 前記自動車用フレームは、車体の前後方向に延設されるサイドメンバと、車体の左右方向に延設されるクロスメンバとを含んだサブフレームであり、前記サイドメンバ及びクロスメンバのうち少なくとも一方のメンバとして、前記溶接フレームユニットを用いて、サブフレームを組み立てる前項1〜6のいずれか1項記載の自動車用フレームの製造方法。
[8] 前記自動車用フレームは、メインフレーム構成部材を複数個含んだメインフレームであり、前記複数個のメインフレーム構成部材のうち少なくとも1個の構成部材として、前記溶接フレームユニットを用いて、メインフレームを組み立てる前項1〜6のいずれか1項記載の自動車用フレームの製造方法。
[9] 前項1〜8のいずれか1項記載の自動車用フレームの製造方法により製作されていることを特徴とする自動車用フレーム。
[10] 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを1乃至複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造システムにおいて、溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程を有する、人工時効処理ラインを複数備え、前記複数の人工時効処理ラインは、個別に制御可能であり、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、該溶接フレームユニットの種類に応じて前記複数の人工時効処理ラインから選択された一つの人工時効処理ラインにおける人工時効工程で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施し、その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造システム。
[11] 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを1乃至複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造システムにおいて、中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程と、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程と、を有する人工時効処理ラインを複数備え、前記複数の人工時効処理ラインは、個別に制御可能であり、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、該溶接フレームユニットの種類に応じて前記複数の人工時効処理ラインから選択された一つの人工時効処理ラインにおける溶接工程で、該溶接フレームユニットの中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作し、次いで、該人工時効処理ラインにおける人工時効工程で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施し、その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造システム。
[12] 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニットと相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造システムにおいて、中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程と、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程と、を含む人工時効処理ラインを複数備え、前記複数の人工時効処理ラインは、個別に制御可能であり、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニットと接結する前に、該溶接フレームユニットの種類に応じて前記複数の人工時効処理ラインから選択された一つの人工時効処理ラインにおける溶接工程で、該溶接フレームユニットの中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作し、次いで、該人工時効処理ラインにおける人工時効工程で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施し、その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造システム。
次に、上記各項の発明を説明する。
[1]の発明では、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、溶接フレームユニットを人工時効することから、人工時効用炉内に配置可能な溶接フレームユニットの個数が増加する。そのため、フレームの生産性が向上するし、あるいは炉の小型化を図ることができる。
もとより、溶接フレームユニットの中間部材は、棒状中空材からなるので、フレームの軽量化を図ることができる。
なお、[1]の発明は、サブフレーム、メインフレーム、サイドメンバ、クロスメンバ等の、自動車用の各種フレームの製造方法に適用可能である。
また、中間部材の両端部に連結部材を接合する溶接としては、その種類に限定されるものではなく、例えば、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)や、摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)が用いられる。
また、中間部材や連結部材の材質としては、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属であることが望ましく、特に、Al−Cu−Mg系(2000系)、Al−Mg−Si系(6000系)、Al−Zn−Mg系(7000系)等の熱処理型アルミニウム合金が好適に用いられる。
また、中間部材は、例えば、棒状押出中空材からなるもの、棒状電縫管材からなるもの、棒状中空鋳造品からなるものが挙げられる。
また、連結部材は、例えば、押出材やその切削加工品からなるものであっても良いし、ダイカスト品等の鋳造品からなるものであっても良いし、鍛造品からなるものであっても良い。
また、連結部材としては、ブッシュ装着用ブラケット部、他の部材と連結するための連結ボルトが挿通される連結ボルト挿通孔部を有する部材、前記連結ボルトと螺合されるネジ孔部を有する部材、他の部材と連結するための連結ボス部又は連結凹部を有する部材、他の部材と接合される接合ブラケット部を有する部材等が挙げられる。
また、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する接結手段としては、様々な接結手段が用いられる。例えば、接結手段として、後述する機械的締結手段をはじめ、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)、固相接合、接着剤による接着が用いられる。
[2]の発明では、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と機械的締結手段によって相互に接結することにより、溶接に伴う強度低下を生じることなく且つ溶接に伴う変形を生じることなく、溶接フレームユニットの接結を行うことができる。その結果、フレームの組立後において、該フレームを人工時効する必要がなくなることはもとより、該フレームについてその寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなる。そのため、フレームの生産性が更に向上する。
なお、[2]の発明において、機械的締結手段としては、連結ボス部の連結凹部への圧入による連結、ボルト締め、リベット締め、かしめ等が用いられる。
[3]の発明では、中間部材の両端部に連結部材を、摩擦熱を利用した固相接合によって接合することにより、溶接に伴う変形を殆ど生じなることなく、溶接フレームユニットの製作を行うことができる。その結果、溶接フレームユニットの製作後において、その寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなるか、あるいは簡単な矯正加工だけを行えば良くなる。そのため、フレームの生産性が更に向上する。
なお、[3]の発明において、摩擦熱を利用した固相接合としては、摩擦撹拌接合、摩擦溶接等が挙げられる。
[4]の発明では、中間部材の端面の凹部に、連結部材に設けられた嵌合凸部を嵌合させることにより、中間部材の端部がその内側から嵌合凸部によって補強される。この状態で、凹部と嵌合凸部との嵌合部に固相接合として摩擦撹拌接合を施すことにより、摩擦撹拌接合時に生じることのある中間部材の端部の変形を防止することができる。そのため、中間部材と連結部材とを強固に接合一体化することができる。
[5]の発明では、中間部材及び連結部材のうち少なくとも一方が、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材からなることから、溶接フレームユニットを人工時効することにより、該溶接フレームユニットの材質を例えばT5材(T5相当材を含む。)又はT6材(T6相当材を含む。)にすることができる。そのため、溶接フレームユニットの強度を確実に向上させることができる。
なお、[5]の発明において、中間部材及び連結部材のうち少なくとも一方が、熱処理型アルミニウム合金のT1材からなる場合には、人工時効後において溶接フレームユニットの材質は例えばT5材(T5相当材を含む。)になり、熱処理型アルミニウム合金のT4材からなる場合には、人工時効後において溶接フレームユニットの材質は例えばT6材(T6相当材を含む。)になり、熱処理型アルミニウム合金のF材からなる場合には、人工時効後において溶接フレームユニットの材質は例えばT5材(T5相当材を含む。)になる。
[6]の発明では、溶接フレームユニットを、熱処理温度150〜300℃及び保持時間20min〜10hの条件で人工時効することにより、溶接に伴う強度低下を確実に回復することができる。
なお、[6]の発明において、特に望ましい人工時効の処理条件は、熱処理温度170〜250℃及び保持時間1h〜7hである。
[7]の発明では、自動車用フレームがサブフレームであることから、生産性良くサブフレームを製作することができる。
[8]の発明では、自動車用フレームがメインフレームであることから、生産性良くメインフレームを製作することができる。
[9]の発明では、自動車用フレームを製作する際に、上記[1]〜[8]の発明と同様の作用効果を奏する。
[10]の発明は、所定の人工時効工程を有する人工時効処理ラインを複数備えており、溶接フレームユニットの種類に応じて複数の人工時効処理ラインから一つの人工時効処理ラインが選択される。さらに、複数の人工時効処理ラインは個別に制御可能である。したがって、溶接フレームユニット毎に各溶接フレームユニットに適した条件で人工時効処理を施すことができる。そのため、溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を確実に実現することができる。
さらに、本発明は、従来法よりも優れた次の作用効果を奏する。
すなわち、従来法では、溶接フレームユニットの接結が行われた後で、人工時効処理が行われていたため、部分的に人工時効処理による効果(例えば機械的強度特性)が異なる自動車用フレームを得ることができなかった。そのため、各部位を要求強度に見合った形状に設計する必要があった。その結果、多種多様な部材を準備しておかなければならず、管理すべき部材点数が増加するという難点があった。
一方、本発明では、溶接フレームユニットに人工時効処理を施した後で、溶接フレームユニットの接結が行われることから、部分的に人工時効処理による効果(例えば機械的強度特性)が異なる自動車用フレームを得ることができる。そのため、管理すべき部材点数を減少させることができる。
[11]の発明では、上記[10]の発明の作用効果に加えて、更に次の作用効果を奏する。
すなわち、本発明は、所定の溶接工程と所定の人工時効工程とを有する人工時効処理ラインを複数備えているから、溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を更に確実に実現することができる。
[12]の発明は、上記[11]の発明と同様の作用効果を奏する。
この発明は次の効果を奏し得る。
[1]の発明によれば、溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、溶接フレームユニットを人工時効することから、人工時効用炉内に配置可能な溶接フレームユニットの個数が増加する。そのため、フレームの生産性が向上するし、あるいは炉の小型化を図ることができる。
さらに、溶接フレームユニットの中間部材は、棒状中空材からなるので、フレームの軽量化を図ることができる。
[2]の発明によれば、フレームの組立後において、該フレームを人工時効する必要がなくなることはもとより、該フレームについてその寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなる。そのため、フレームの生産性が更に向上する。
[3]の発明によれば、溶接フレームユニットの製作後において、その寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなるか、あるいは簡単な矯正加工だけを行えば良くなる。そのため、フレームの生産性が更に向上する。
[4]の発明によれば、中間部材と連結部材とを強固に接合一体化することができる。
[5]の発明によれば、溶接フレームユニットの強度を確実に向上させることができる。
[6]の発明によれば、溶接に伴う強度低下を確実に回復することができる。
[7]の発明によれば、生産性良くサブフレームを製作することができる。
[8]の発明によれば、生産性良くメインフレームを製作することができる。
[9]の発明によれば、自動車用フレームを製作する際に、上記[1]〜[8]の発明と同様の作用効果を奏する。
[10]の発明によれば、溶接フレームユニット毎に各溶接フレームユニットに適した条件で人工時効処理を施すことができる。そのため、溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を確実に実現することができる。
さらに、部分的に人工時効処理による効果(例えば機械的強度特性)が異なる自動車用フレームを得ることができる。そのため、管理すべき部材点数を減少させることができる。
[11]の発明によれば、溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を更に確実に実現することができる。
[12]の発明によれば、上記[11]の発明と同様に作用効果を奏する。
次に、この発明の幾つかの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係る自動車用フレームの製造方法を説明するための図である。
図1において、(S1)は、第1実施形態に係る自動車用フレームとしてのサブフレームである。このサブフレーム(S1)は、FF車、FR車等の自動車(図示せず)におけるリヤサブフレームやフロントサブフレーム等として用いられるものであり、自動車に搭載された状態において略水平状に配置されるものである。
このサブフレーム(S1)は、図1に示すように、平面視略井桁状(略ロ字状を含む。)のものであり、車体の前後方向に延設される、互いに離間して対向状に配置された左右一対のサイドメンバ(11)(11)と、車体の左右方向に延設される、互いに離間して対向状に配置された前後一対のクロスメンバ(31)(31)とを含んでいる。各クロスメンバ(31)は、一対のサイドメンバ(11)(11)同士を連結するためのものであり、両サイドメンバ(11)(11)間に配置されている。そして、サイドメンバ(11)とクロスメンバ(31)とが相互に接結されることにより、サブフレーム(S1)が組立製作されている。
本第1実施形態のサブフレーム(S1)では、各サイドメンバ(11)及び各クロスメンバ(31)が、それぞれ「溶接フレームユニット」に対応している。したがって、説明の便宜上、サイドメンバ(11)を「サイドメンバユニット(10)」、クロスメンバ(31)を「クロスメンバユニット(30)」とそれぞれ呼ぶ。
サイドメンバユニット(10)(即ち「溶接フレームユニット」)は、中間部材(12)(以下、「第1中間部材」という。)と、互いに同形同寸に形成された2個の連結部材(15)(15)(以下、「第1連結部材」という。)とを備えている。
第1中間部材(12)は、金属製棒状中空材としての、所定長さを有するアルミニウム合金製管材からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(13)を有している。そのため、第1中間部材(12)の両端面にはそれぞれ凹部(13a)が形成されている。また、第1中間部材(12)の少なくとも両端部の外周面は、それぞれ断面円形状に形成されている。
なお本発明では、第1中間部材(12)は、押出材等の展伸材からなるものであっても良いし、ダイカスト品等の鋳造品からなるものであっても良い。特に、第1中間部材(12)は、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材からなることが望ましい。さらに、第1中間部材(12)が重力鋳造品からなる場合には、該第1中間部材(12)は再溶体化したT4材からなることが望ましい。
第1連結部材(15)は、アルミニウム合金製のものであり、ブッシュ装着用筒状ブラケット部(17)を有している。このブラケット部(17)はブッシュ装着孔(17a)を有しており、このブッシュ装着孔(17a)内には、図2(a)に示すようにゴム弾性部を有するブッシュ(B)が装着される。このブラケット部(17)は、ブッシュ装着孔(17a)内に装着されたブッシュ(B)を介して、他の部材(例えば車体やメインフレーム)と連結されるものである。
さらに、第1連結部材(15)は、図2(a)及び(b)に示すように、断面円形状の突出部(18)を有するとともに、更に、この突出部(18)の端面の中央部には、断面円形状の嵌合凸部(19)が一体形成されている。突出部(18)の外周面の直径は、第1中間部材(12)の端部の外周面の直径(即ち外径)と同寸に設定されている。また、嵌合凸部(19)の直径は、第1中間部材(12)の端部の内周面の直径(即ち内径又は凹部(13a)の直径)と同寸乃至若干大寸に設定されている。さらに、第1連結部材(15)は、他の部材としてのクロスメンバユニット(30)と連結される連結凹部(21)を有している。
なお本発明では、第1連結部材(15)は、押出材等の展伸材からなるものであっても良いし、ダイカスト品等の鋳造品からなるものであっても良い。特に、第1連結部材(15)は、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材であることが望ましい。さらに、第1連結部材(15)が重力鋳造品からなる場合には、該第1連結部材(15)は再溶体化したT4材であることが望ましい。
そして、第1中間部材(12)の両端面の凹部(13a)に、第1連結部材(15)の嵌合凸部(19)がそれぞれ嵌合されるとともに、この各嵌合部(20)に摩擦熱を利用した固相接合として摩擦撹拌接合が施されることにより、第1中間部材(12)の両端部に第1連結部材(15)が接合一体化されている。図1において、(J1)は、嵌合部(20)に形成された、摩擦撹拌接合による接合部(即ち摩擦撹拌接合部)である。このようにして、各サイドメンバユニット(10)が構成されている。
クロスメンバユニット(30)(即ち「溶接フレームユニット」)は、中間部材(32)(以下、「第2中間部材」という。)と、互いに同形同寸に形成された2個の連結部材(35)(35)(以下、「第2連結部材」という。)とを備えている。
第2中間部材(32)は、金属製棒状中空材としての、所定長さを有するアルミニウム合金製管材からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(33)を有している。そのため、第2中間部材(32)の両端面にはそれぞれ凹部(33a)が形成されている。また、第2中間部材(32)の少なくとも両端部の外周面は、それぞれ断面円形状に形成されている。
なお本発明では、第2中間部材(32)は、押出材等の展伸材からなるものであっても良いし、ダイカスト品等の鋳造品からなるものであっても良い。特に、第2中間部材(32)は、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材からなることが望ましい。さらに、第2中間部材(32)が重力鋳造品からなる場合には、該第2中間部材(32)は再溶体化したT4材であることが望ましい。
第2連結部材(35)は、アルミニウム合金製のものであり、他の部材としての前記サイドメンバユニット(10)と連結される断面円形状の連結ボス部(37)を有している。この連結ボス部(37)は、サイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)の連結凹部(21)に圧入されることで、サイドメンバユニット(10)と連結されるものである。
さらに、この第2連結部材(35)は、図3に示すように、断面円形状のフランジ部(38)を有するとともに、更に、このフランジ部(38)の端面の中央部には、断面円形状の嵌合凸部(39)が一体形成されている。フランジ部(38)の外周面の直径は、第2中間部材(32)の端部の外周面の直径(即ち外径)と同寸に設定されている。また、嵌合凸部(39)の直径は、第2中間部材(32)の端部の内周面の直径(即ち内径又は凹部(33a)の直径)と同寸乃至若干大寸に設定されている。
なお本発明では、第2連結部材(35)は、押出材等の展伸材からなるものであっても良いし、ダイカスト品等の鋳造品からなるものであっても良い。特に、第2連結部材(35)は、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材であることが望ましい。さらに、第2連結部材(35)が重力鋳造品からなる場合には、該第2連結部材(35)は再溶体化したT4材であることが望ましい。
そして、第2中間部材(32)の両端面の凹部(33a)に、第2連結部材(35)の嵌合凸部(39)がそれぞれ嵌合されるとともに、この各嵌合部(40)に摩擦熱を利用した固相接合として摩擦撹拌接合が施されることにより、第2中間部材(32)の両端部に第2連結部材(35)が接合一体化されている。図1において、(J1)は、嵌合部(40)に形成された、摩擦撹拌接合による接合部(即ち摩擦撹拌接合部)である。このようにして、各クロスメンバユニット(30)が構成されている。
さらに、上記サブフレーム(S1)では、図1に示すように、クロスメンバユニット(30)の第2連結部材(35)の連結ボス部(37)が、対応するサイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)の連結凹部(21)に圧入されている。さらに、この状態で、第1連結部材(15)に第2連結部材(35)が溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合されている。図1において、(J2)は、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)とを接合した接合部である。このようにして、サイドメンバユニット(10)がクロスメンバユニット(30)と相互に接結されることにより、サブフレーム(S1)が組立製作されている。
また、上記サブフレーム(S1)において、各サイドメンバユニット(10)の第1中間部材(12)には、アーム(図示せず)接続用ブラケット(50)が溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合されている。また同じく、各クロスメンバユニット(30)の第2中間部材(32)には、2個のアーム接続用ブラケット(50)(50)が溶融溶接又は摩擦熱を利用した固相接合によって接合されている。
なお本発明では、アーム接続用ブラケット(50)は、押出材等の展伸材からなるものであっても良いし、ダイカスト品等の鋳造品からなるものであっても良い。特に、このブラケット(50)は、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材からなることが望ましい。
次に、上記サブフレーム(S1)の製造方法を説明する。
まず、一対のサイドメンバユニット(10)(10)を製作する、サイドメンバユニット(10)の製作工程と、一対のクロスメンバユニット(30)(30)を製作する、クロスメンバユニット(30)の製作工程とを個別に行う。次いで、これらユニット(10)(30)を人工時効する、ユニット(10)(30)の人工時効工程を行う。次いで、隣接するユニット(10)(30)を相互に接結する、ユニット(10)(30)の接結工程を行う。
以下に、サイドメンバユニット(10)の製作工程、クロスメンバユニット(30)の製作工程、ユニット(10)(30)の人工時効工程、及びユニット(10)(30)の接結工程をそれぞれ説明する。
[サイドメンバユニット(10)の製作工程]
まず、図2(a)及び(b)に示すように、全長に亘って真直に形成された棒状中空材(詳述すると管材)からなる第1中間部材(12)を準備する。この第1中間部材(12)は、断面円形状に形成されており、また所定の長さを有している。
また、ブッシュ装着用ブラケット部(17)、突出部(18)及び嵌合凸部(19)を有する第1連結部材(15)を2個準備する。
次いで、第1中間部材(12)の両端面の凹部(13a)に、第1連結部材(15)の嵌合凸部(19)をそれぞれぴったりと又は若干きつく嵌合する。この嵌合状態において、第1中間部材(12)の端部の外周面と第1連結部材(15)の突出部(18)の外周面とは面一に連なっている。
次いで、この両嵌合部(20)(20)に摩擦撹拌接合を同時に施す。これにより、第1中間部材(12)の両端部に第1連結部材(15)を接合一体化する。
この接合操作について説明すると、次のとおりである。
図2(b)において、(60)は摩擦撹拌接合用の接合工具である。この接合工具(60)は、回転可能な径大のショルダー部(61)と、該ショルダー部(61)に突設された径小のピン状プローブ(62)とを有している。この接合工具(60)を2個準備する。
各接合工具(60)のショルダー部(61)及びプローブ(62)を回転させる。そして、一方の接合工具(60)のプローブ(62)を、第1中間部材(12)の一端面の凹部(13a)と一方の第1連結部材(15)の嵌合凸部(19)との嵌合部(20)に埋入するとともに、該接合工具(60)のショルダー部(61)を第1中間部材(12)の外周面と第1連結部材(15)の突出部(18)の外周面とに押し付け、且つ、他方の接合工具(60)のプローブ(62)を、第1中間部材(12)の他端面の凹部(13a)と他方の第1連結部材(15)の嵌合凸部(19)との嵌合部(20)に埋入するとともに、該接合工具(60)のショルダー部(61)を第1中間部材(12)の外周面と第1連結部材(15)の突出部(18)の外周面とに押し付ける。この状態で、両方の接合工具(60)(60)のプローブ(62)(62)の位置を固定しておき、各嵌合部(20)が対応するプローブ(62)を順次通過するように第1中間部材(12)をその軸線を中心に一回転させる。この回転動作に伴い、嵌合部(20)に摩擦撹拌接合が施されていく。このようにして、両方の嵌合部(20)(20)に摩擦撹拌接合を同時に施し、第1中間部材(12)の両端部に第1連結部材(15)を接合(その接合部J1)して一体化する。
本第1実施形態では、第1中間部材(12)は、全長に亘って真直に形成されていることから、第1中間部材(12)をその軸線を中心に回転させることにより、第1中間部材(12)の両端部に第1連結部材(15)を接合する接合作業を同時に行うことができる。そのため、サイドメンバユニット(10)を能率良く製作することができる。
さらに、第1中間部材(12)の端面の凹部(13a)に第1連結部材(15)の嵌合凸部(19)が嵌合された状態で、この嵌合部(20)に摩擦撹拌接合が施されているから、摩擦撹拌接合時において第1中間部材(12)の端部はその内側から嵌合凸部(19)によって補強されている。そのため、摩擦撹拌接合時に生じることのある第1中間部材(12)の端部の変形を防止することができる。そのため、第1中間部材(12)と第1連結部材(15)とを強固に接合一体化することができる。
また、第1中間部材(12)の両端部の外周面がそれぞれ断面円形状に形成されているので、摩擦撹拌接合によって第1中間部材(12)と第1連結部材(15)とを確実に強固に接合一体化することができる。
次いで、必要に応じて、第1中間部材(12)の長さ方向中間部だけをプレス曲げ加工等の曲げ加工によって屈曲させたり、潰し加工によって押し潰して断面形状を変形させたりする。
次いで、第1中間部材(12)にアーム接続用ブラケット(50)を溶融溶接又は摩擦熱を利用した固相接合によって接合一体化する。
以上の工程により、サイドメンバユニット(10)が製作される。
このサイドメンバユニット(10)は、第1中間部材(12)と第1連結部材(15)との接合部(J1)及びその近傍部(即ち熱影響部)において強度が低下している。さらに、第1中間部材(12)とアーム接続用ブラケット(50)との接合部(図示せず)及びその近傍部(即ち熱影響部)においても、強度が低下している。
[クロスメンバユニット(30)の製作工程]
まず、図3に示すように、全長に亘って真直に形成された棒状中空材(詳述すると管材)からなる第2中間部材(32)を準備する。この第2中間部材(32)は、断面円形状に形成されており、また所定の長さを有している。
また、連結ボス部(37)、フランジ部(38)及び嵌合凸部(39)を有する第2連結部材(35)を2個準備する。
次いで、図3に示すように、第2中間部材(32)の両端面の凹部(33a)に、第2連結部材(35)の嵌合凸部(39)をそれぞれぴったりと又は若干きつく嵌合する。この嵌合状態において、第2中間部材(32)の端部の外周面と第2連結部
材(35)のフランジ部(38)の外周面とは面一に連なっている。
次いで、この両嵌合部(40)(40)に摩擦撹拌接合を同時に施す。これにより
、第2中間部材(32)の両端部に第2連結部材(35)を接合一体化する。
この接合操作は、上述した接合操作と同様に行われ、その説明を省略する。なお、同図において、(60)は、この接合に用いられた、摩擦撹拌接合用の接合工具である。
この接合操作において、第2中間部材(32)は全長に亘って真直に形成されていることから、第2中間部材(32)をその軸線を中心に回転させることにより、第2中間部材(32)の両端部に第2連結部材(35)を接合する接合作業を同時に行うことができる。そのため、クロスメンバユニット(30)を能率良く製作することができる。
さらに、第2中間部材(32)の端面の凹部(33a)に第2連結部材(35)の嵌合凸部(39)が嵌合された状態で、この嵌合部(40)に摩擦撹拌接合が施されているので、摩擦撹拌接合時に生じることのある第2中間部材(32)の端部の変形を防止することができる。そのため、第2中間部材(32)と第2連結部材(35)とを強固に接合一体化することができる。
また、第2中間部材(32)の両端部の外周面がそれぞれ断面円形状に形成されているので、摩擦撹拌接合によって第2中間部材(32)と第2連結部材(35)とを確実に強固に接合一体化することができる。
その後、図4(a)に示すように、クロスメンバユニット(30)の第2中間部材(32)の長さ方向中間部(図4(a)中のb領域)だけをプレス曲げ加工等の曲げ加工によって上方に略門形状に屈曲させる。さらに、潰し加工によって第2中間部材(32)の中間部だけを押し潰して、図4(b)に示すように断面略台形状に変形させる。これにより、第2中間部材(32)の中間部は、図1に示すように平面視においてその両端部よりも幅広に形成される。一方、第2中間部材(32)の両端部(図4(b)中のa領域)には、前記曲げ加工及び前記潰し加工を施さないで真直な形状を維持する。こうすることにより、第2中間部材(32)の屈曲に伴い生じることのある接合部(J1)の割れを防止することができる。
次いで、第2中間部材(32)にアーム接続用ブラケット(50)を溶融溶接又は摩擦熱を利用した固相接合によって接合一体化する。
以上の工程により、クロスメンバユニット(30)が製作される。
このクロスメンバユニット(30)は、第2中間部材(32)と第2連結部材(35)との接合部(J1)及びその近傍部(即ち熱影響部)において強度が低下している。さらに、第2中間部材(32)とアーム接続用ブラケット(50)との接合部(図示せず)及びその近傍部(即ち熱影響部)においても、強度が低下している。
[ユニット(10)(30)の人工時効工程]
まず、一対のサイドメンバユニット(10)(10)と、一対のクロスメンバユニット(30)(30)とを準備する。更に、必要に応じて他のユニットを準備しても良い。
次いで、図5に示すように、電気炉等の人工時効用の炉(70)内にこれらサイドメンバユニット(10)を並べて配置し、これらを一括で人工時効する。また同様に、図6に示すように、人工時効用炉(70)内にこれらクロスメンバユニット(30)を並べて配置し、これらを一括で人工時効する。すなわち、サイドメンバユニット(10)についての人工時効とクロスメンバユニット(30)についての人工時効とを個別に行う。
この人工時効の処理条件(例えば熱処理温度及び保持時間)は、ユニット(10)(30)の材質によって適宜設定されるものである。
しかるに、本発明では、第1中間部材(12)(第2中間部材(32))及び第1連結部材(15)(第2連結部材(35))のうち一方又は両方が、熱処理型アルミニウム合金の展伸材で且つT1材からなる場合には、ユニット(10)(30)を、熱処理温度150〜300℃(特に望ましくは170〜250)及び保持時間20min〜10h(特に望ましくは1h〜7h)の条件で人工時効することが望ましい。こうすることにより、人工時効後において、当該部材における熱影響部以外の部位の材質はT5材になり、また当該部材の熱影響部の材質はT5相当材になる。
また同じく、第1中間部材(12)(第2中間部材(32))及び第1連結部材(15)(第2連結部材(35))のうち一方又は両方が、熱処理型アルミニウム合金の展伸材で且つT4材からなる場合にも、ユニット(10)(30)を、上記と同じ条件で人工時効することが望ましい。こうすることにより、人工時効後において、当該部材における熱影響部以外の部位の材質はT6材になり、また当該部材の熱影響部の材質はT6相当材になる。
また同じく、第1中間部材(12)(第2中間部材(32))及び第1連結部材(15)(第2連結部材(35))のうち一方又は両方が、熱処理型アルミニウム合金の鋳造品で且つF材からなる場合にも、ユニット(10)(30)を、上記と同じ条件で人工時効することが望ましい。こうすることにより、人工時効後において、当該部材における熱影響部以外の部位の材質はT5材になり、また当該部材の熱影響部の材質はT5相当材になる。
人工時効の処理条件についてその一例を具体的に示すと、次のとおりである。 すなわち、第1中間部材(12)(第2中間部材(32))及び第1連結部材(15)(第2連結部材(35))のうち一方又は両方が、例えば熱処理型アルミニウム合金の展伸材で且つA6061−T1材からなる場合には、例えば、ユニット(10)(30)を熱処理温度200℃及び保持時間3.5hの条件で人工時効する。
なお本発明では、サイドメンバユニット(10)の材質と、クロスメンバユニット(30)の材質とが互いに同一である場合には、双方のユニット(10)(30)を同一の人工時効用炉(70)内に配置して、これらを一括で人工時効しても良い。
以上の工程により、サブフレーム(S1)を構成する全てのユニット(10)(30)は、溶接に伴う強度低下が回復する。
[ユニット(10)(30)の接結工程]
まず、人工時効が施された一対のサイドメンバユニット(10)(10)と、同じく人工時効が施された一対のクロスメンバユニット(30)(30)とを準備する。
次いで、図1に示すように、クロスメンバユニット(30)の一方の第2連結部材(35)の連結ボス部(37)を、対応するサイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)の連結凹部(21)に圧入する。これにより、クロスメンバユニット(30)の一端部にサイドメンバユニット(10)が、連結ボス部(37)の連結凹部(21)への圧入(即ち機械的締結手段)によって接結される。また同じく、クロスメンバユニット(30)の他方の第2連結部材(35)の連結ボス部(37)を、対応するサイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)の連結凹部(21)に圧入する。これにより、クロスメンバユニット(30)の他端部にサイドメンバユニット(10)が、連結ボス部(37)の連結凹部(21)への圧入(即ち機械的締結手段)によって接結される。
このようにして、隣接するサイドメンバユニット(10)とクロスメンバユニット(30)とを順次、相互に接結して、平面視略井桁状に組み付ける。
さらに、必要に応じて、サイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)をクロスメンバユニット(30)の第2連結部材(35)に溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合(その接合部J2)する。
なお、この溶接によって熱影響部において強度低下が生じる虞がある。しかしながら、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)はともに比較的厚肉に形成されているため、その強度低下量は少なく、サブフレーム(S1)として要求される強度を満足し得る。
以上の工程により、サブフレーム(S1)が組立製作される。
而して、上記サブフレーム(S1)の製造方法は、次のような利点を有している。
すなわち、このサブフレーム(S1)の製造方法においては、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバユニット(30)と接結する前に、サイドメンバユニット(10)及びクロスメンバユニット(30)を人工時効することから、図5及び図6に示すように、人工時効用炉(70)内にユニット(10)(30)を多数個、配置することができる。そのため、サブフレーム(S1)の生産性が向上するし、あるいは炉(70)の小型化を図ることができる。
さらに、サイドメンバユニット(10)において、第1中間部材(12)及び第1連結部材(15)の双方がアルミニウム合金製である上、第1中間部材(12)が中空材からなるので、サブフレーム(S1)の軽量化を図ることができる。しかも、クロスメンバユニット(30)において、第2中間部材(32)及び第2連結部材(35)の双方がアルミニウム合金製である上、第2中間部材(32)が中空材からなるので、サブフレーム(S1)の大幅な軽量化を図ることができる。したがって、このサブフレーム(S1)を自動車に搭載することにより、自動車の燃費を向上させることができる。
さらに、サイドメンバユニット(10)において、第1中間部材(12)の端部に第1連結部材(15)を接合するための溶接手段は、溶融溶接ではなく、摩擦撹拌接合(即ち摩擦熱を利用した固相接合)であるから、溶接に伴う変形を殆ど生じることなくサイドメンバユニット(10)を製作することができる。そのため、サイドメンバユニット(10)の製作後において、該サイドメンバユニット(10)の寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなるか、あるいは簡単な矯正加工だけを行えば良くなる。そのため、サブフレーム(S1)の生産性が更に向上する。
また同じく、クロスメンバユニット(30)において、第2中間部材(32)の端部に第2連結部材(35)を接合するための溶接手段は、溶融溶接ではなく、摩擦撹拌接合であるから、溶接に伴う変形を殆ど生じることなくクロスメンバユニット(30)を製作することができる。そのため、クロスメンバユニット(30)の製作後において、該クロスメンバユニット(30)の寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなるか、あるいは簡単な矯正加工だけを行えば良くなる。そのため、サブフレーム(S1)の生産性が更に向上する。
図7は、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)における第1連結部材(15)及び第2連結部材(35)の第1変形例を示す斜視図である。
サイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)は、他の部材(例えば車体又はメインフレーム)と連結するための連結ボルト(図示せず)が挿通される連結ボルト挿通孔部(22)と有しており、更に、他の部材としてクロスメンバユニット(30)と連結される連結凹部(23)を有している。
クロスメンバユニット(30)の第2連結部材(35)は、他の部材としてサイドメンバユニット(10)と連結される連結凸部(42)を有している。
この第1変形例では、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバユニット(30)と接結する前に、これらユニット(10)(30)を人工時効する。
その後、第1連結部材(15)の連結凹部(23)に、第2連結部材(35)の連結凸部(42)を嵌合する。さらに、この嵌合状態で、2個の連結ボルト(55)(55)を、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)の連結凸部(42)とにそれぞれ設けられた連結ボルト挿通孔部(24)に連通状態に挿通して、ナット(56)(56)に螺合することにより、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)とを連結ボルト(55)によって相互に締結する。
このようにして、サイドメンバユニット(10)は、クロスメンバユニット(30)とボルト締め(即ち機械的締結手段)によって相互に接結されている。
この第1変形例では、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバユニット(30)と接結するための接結手段は、溶接ではなく、ボルト締め(即ち機械的締結手段)であるから、溶接に伴う強度低下及び溶接に伴う変形はともに生じない。そのため、サブフレームの組立後において、該サブフレームを人工時効する必要がなくなることはもとより、該サブフレームについてその寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなる。そのため、サブフレームの生産性が更に向上する。
図8は、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)における第1連結部材(15)及び第2連結部材(35)の第2変形例を示す斜視図である。
サイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)は、図7に示したものと同じく、連結ボルト挿通孔部(22)と連結凹部(23)とを有している。
クロスメンバユニット(30)の第2連結部材(35)は、図7に示したものと同じく、連結凸部(42)を有している。
この第2変形例では、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバユニット(30)と接結する前に、これらユニット(10)(30)を人工時効する。
そして、第1連結部材(15)の連結凹部(23)に、第2連結部材(35)の連結凸部(42)を嵌合する。さらに、この嵌合状態で、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)とを、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合(その接合部J2)して一体化する。
このようにして、サイドメンバユニット(10)は、クロスメンバユニット(30)と溶接によって相互に接結されている。
この第2変形例では、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)との接結するための溶接によって熱影響部において強度低下が生じる虞がある。しかしながら、第1連結部材(15)と第2連結部材(35)はともに比較的厚肉に形成されているため、その強度低下量は少なく、サブフレームとして要求される強度を満足し得る。
図9(a)及び(b)は、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)における第1連結部材(15)及び第2連結部材(35)の第3変形例を説明するための図である。
サイドメンバユニット(10)の第1連結部材(15)は、図9(b)に示すように、第1連結板部(25)を有している。この第1連結板部(25)には、他の部材(例えば車体やメインフレーム)と連結するための連結ボルト(図示せず)が挿通される連結ボルト挿通孔部(22)が設けられている。
クロスメンバユニット(30)の第2連結部材(35)は、第2連結板部(43)と突出部(41)とを有している。この第2連結板部(43)には、前記連結ボルトが挿通される連結ボルト挿通孔部(44)が設けられている。
この第3変形例では、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバユニット(30)と接結する前に、これらユニット(10)(30)を人工時効する。
その後、第1連結部材(15)の連結ボルト挿通孔部(22)と第2連結部材(35)の連結ボルト挿通孔部(44)とが一致するように、第1連結部材(15)の第1連結板部(25)と第2連結部材(35)の第2連結板部(43)とを重ね合わせる。さらに、この重合せ状態で、複数個(同図では6個)の連結ボルト(57)を、第1連結板部(25)と第2連結板部(43)にそれぞれ設けられた連結ボルト挿通孔部(53)(54)に連通状態に挿通して、ナット(58)に螺合することにより、第1連結部材(25)と第2連結部材(43)とを連結ボルト(57)によって相互に締結する。
このようにして、サイドメンバユニット(10)は、クロスメンバユニット(30)とボルト締め(即ち機械的締結手段)によって接結されている。
この第3変形例では、上記第1変形例を同じく、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバユニット(30)と接結するための接結手段は、溶接ではなく、ボルト締め(即ち機械的締結手段)であるから、溶接に伴う強度低下及び溶接に伴う変形はともに生じない。そのため、サブフレームの組立後において、該サブフレームを人工時効する必要がなくなることはもとより、該サブフレームについてその寸法精度を高めるための矯正加工を行う必要がなくなる。そのため、サブフレームの生産性が更に向上する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る自動車用フレームの製造方法を説明するための図である。
同図において、(S2)は、第2実施形態に係る自動車用フレームとしてのサブフレームである。
本第2実施形態のサブフレーム(S2)では、サイドメンバ(11)が「溶接フレームユニット」に対応している。したがって、説明の便宜上、サイドメンバ(11)を「サイドメンバユニット(10)」と呼ぶ。一方、クロスメンバ(31)が「他のフレーム構成部材」に対応している。
サイドメンバユニット(10)(即ち「溶接フレームユニット」)は、第1中間部材(12)と、互いに同形同寸に形成された2個の第1連結部材(15)(15)とを備えている。
第1中間部材(12)は、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)の第1中間部材(12)と同じく、アルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(13)を有している。
第1連結部材(15)は、ブッシュ装着用ブラケット部(17)、突出部(18)及び嵌合凸部(19)を有している。
そして、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)のサイドメンバユニット(10)と同じく、第1中間部材(12)の両端面の凹部(13a)に、第1連結部材(15)の嵌合凸部(19)が嵌合された状態で、この各嵌合部(20)に摩擦熱を利用した固相接合として摩擦撹拌接合が施されることにより、第1中間部材(12)の両端部に第1連結部材(15)が接合(その接合部J1)されて一体化されている。
また、第1中間部材(12)の両端部はそれぞれ真直に形成されるとともに、該第1中間部材(12)の長さ方向中間部だけがプレス曲げ加工等の曲げ加工によって略く字状に屈曲している。
クロスメンバ(31)(即ち「他のサブフレーム構成部材」)は、所定長さを有するアルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(33)を有している。
なお本発明では、クロスメンバ(31)は、押出材等の展伸材からなるものであっても良いし、鋳造品からなるものであっても良い。特に、クロスメンバ(31)は、アルミニウム合金のT5材又はT6材からなることが望ましい。
第2実施形態のサブフレーム(S2)の製造方法においては、サイドメンバユニット(10)をクロスメンバ(31)と接結する前に、該サイドメンバユニット(10)を人工時効する。
その後、クロスメンバ(31)の端部に、対応するサイドメンバユニット(10)の第1中間部材(12)を、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって直接、接合(その接合部J2)する。
このようにして、サイドメンバユニット(10)は、クロスメンバ(31)と溶接によって相互に接結されている。
この第2実施形態のサブフレーム(S2)では、サイドメンバユニット(10)の第1中間部材(12)とクロスメンバ(31)とを接結するための溶接によって熱影響部において強度低下が生じる虞がある。そのため、第1中間部材(12)とクロスメンバ(31)をともに厚肉に形成することが望ましい。こうすることにより、強度低下量が少なくなり、もってサブフレーム(S2)として要求される強度を満足できるようになる。
このサブフレーム(S2)の他の構成及び他の製造方法は、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)と同じである。
図11は、本発明の第3実施形態に係る自動車用フレームの製造方法を説明するための図である。
同図において、(M1)は、第3実施形態に係る自動車用フレームとしてのメインフレームである。
このメインフレーム(M1)は、車体の前後方向に延設される、互いに離間して対向状に配置される左右一対のサイドメンバ(111)(111)と、車体の左右方向に延設されるクロスメンバ(131)と、衝撃吸収部材(151)と、バンパ(171)とを含んでいる。クロスメンバ(131)は、一対のサイドメンバ(111)(111)同士を連結するためのものであり、両サイドメンバ(111)(111)間に配置されている。また、バンパ(171)はフロントバンパ又はリヤバンパである。
本第3実施形態のメインフレーム(M1)では、各サイドメンバ(111)、クロスメンバ(131)及び衝撃吸収部材(151)が、それぞれ「溶接フレームユニット」に対応している。したがって、説明の便宜上、サイドメンバ(111)を「サイドメンバユニット(110)」、クロスメンバ(131)を「クロスメンバユニット(130)」、衝撃吸収部材(151)を「衝撃吸収部材ユニット(150)」とそれぞれ呼ぶ。また、バンパ(171)が「他のメインフレーム構成部材」に対応している。このバンパ(171)を「バンパユニット(170)」と呼ぶ。
各サイドメンバユニット(110)は、中間部材(112)と、2個の連結部材(115)とを備えている。
中間部材(112)は、所定長さを有するアルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(113)を有している。また、中間部材(112)の少なくとも両端部の外周面はそれぞれ断面円形状に形成されている。
連結部材(115)は、アルミニウム合金製のものであり、連結ボルト(図示せず)と螺合されるネジ孔部(122)と、嵌合凸部(119)と、連結凹部(121)とを有している。
そして、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)のサイドメンバユニット(10)と同じく、中間部材(112)の両端面の凹部(113a)に、連結部材(115)の嵌合凸部(119)が嵌合された状態で、この各嵌合部(120)に摩擦熱を利用した固相接合として摩擦撹拌接合が施されることにより、第1中間部材(112)の両端部に連結部材(115)が接合(その接合部J1)されて一体化されている。
また、中間部材(112)の両端部はそれぞれ真直に形成されるとともに、該中間部材(112)の長さ方向中間部だけがプレス曲げ加工等の曲げ加工によって屈曲している。
クロスメンバユニット(130)は、中間部材(132)と、2個の連結部材(135)(135)とを備えている。
中間部材(132)は、所定長さを有するアルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(133)を有している。また、中間部材(132)の少なくとも両端部の外周面はそれぞれ断面円形状に形成されている。
連結部材(135)は、アルミニウム合金製のものであり、連結ボス部(137)とフランジ部(138)と嵌合凸部(139)とを有している。
そして、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)のクロスメンバユニット(30)と同じく、中間部材(132)の両端面の凹部(133a)に、連結部材(135)の嵌合凸部(139)が嵌合された状態で、この各嵌合部に摩擦熱を利用した固相接合として摩擦撹拌接合が施されることにより、中間部材(132)の両端部に連結部材(135)が接合(その接合部J1)されて一体化されている。
衝撃吸収部材ユニット(150)は、中間部材(152)と、2個の連結部材(155)(155)とを備えている。
中間部材(152)は、所定長さを有するアルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部を有している。また、中間部材(152)の少なくとも両端部の外周面はそれぞれ断面円形状に形成されている。この中間部材(152)は、自動車の衝突時に座屈し、これにより、衝突時の衝撃を吸収するものである。
連結部材(155)は、アルミニウム合金製のものであり、フランジ部と嵌合凸部とを有している。フランジ部には、連結ボルト(図示せず)が挿通される連結ボルト挿通孔部(156)が設けられている。
そして、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)のクロスメンバユニット(130)と同じく、中間部材(152)の両端面の凹部に、連結部材(155)の嵌合凸部が嵌合された状態で、この各嵌合部に摩擦熱を利用した固相接合として摩擦撹拌接合が施されることにより、中間部材(152)の両端部に連結部材(155)が接合(その接合部J1)されて一体化されている。
バンパユニット(170)は、バンパ本体(172)(例えばバンパレインフォースメント)と、2個のバンパステイ(175)(175)とを備えている。
バンパ本体(170)は、アルミニウム合金製棒状中空材からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部(図示せず)を有している。このバンパ本体(170)は断面略ロ字状、断面略日字状、断面略田字状等に形成されている。
ステイ(175)は、アルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部を有している。さらに、このステイ(175)の両端部にはフランジ部が一体形成されている。さらに、両方のフランジ部のうち、衝撃吸収部材ユニット(150)側に位置するフランジ部には、連結ボルト(図示せず)が挿通される連結ボルト挿通孔部(176)が設けられている。
そして、バンパ本体(172)の両端部の側面にステイ(175)が溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合(その接合部J2)されて一体化されている。
第3実施形態のメインフレーム(M1)の製造方法においては、相互に隣接するユニット同士を接結する前に、これらのユニットを人工時効する。
その後、相互に隣接するユニット同士の接結を行う。その接結作業について説明すると次のとおりである。
すなわち、クロスメンバユニット(130)の一方の連結部材(135)の連結ボス部(137)を、対応するサイドメンバユニット(110)の連結部材(115)の連結凹部(121)に圧入する。これにより、クロスメンバユニット(130)の一端部にサイドメンバユニット(110)が、連結ボス部(137)の連結凹部(121)への圧入(即ち機械的締結手段)によって接結される。また同じく、クロスメンバユニット(130)の他方の連結部材(135)の連結ボス部(137)を、対応するサイドメンバ(110)の連結部材(115)の連結凹部(121)に圧入する。これにより、クロスメンバユニット(130)の他端部にサイドメンバユニット(110)が、連結ボス部(137)の連結凹部(121)への圧入(即ち機械的締結手段)によって接結される。
さらに、必要に応じて、サイドメンバユニット(110)の連結部材(115)をクロスメンバユニット(130)の連結部材(135)に溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合(その接合部J2)する。
なお、この溶接によって熱影響部において強度低下が生じる虞がある。しかしながら、サイドメンバユニット(110)の連結部材(115)とクロスメンバユニット(130)の連結部材(135)はともに比較的厚肉に形成されているため、その強度低下量は少なく、メインフレーム(M1)として要求される強度を満足し得る。
また、サイドメンバユニット(110)の連結部材(115)と、衝撃吸収部材ユニット(150)の連結部材(155)のフランジ部とを重ね合わせる。そして、連結ボルト(図示せず)を、フランジ部の連結ボルト挿通孔部(156)を挿通して、連結部材(115)のネジ孔部(122)に螺合する。これにより、サイドメンバユニット(110)を衝撃吸収部材ユニット(150)とボルト締め(即ち機械的締結手段)によって相互に接結する。
また、バンパユニット(170)のステイ(175)のフランジ部と、衝撃吸収部材ユニット(150)の連結部材(156)のフランジ部とを重ね合わせる。そして、連結ボルト(図示せず)を、これらのフランジ部の連結ボルト挿通孔部(176)(156)に連通状態に挿通して、ナット(図示せず)に螺合する。これにより、衝撃吸収部材ユニット(150)をバンパユニット(170)とボルト締め(即ち機械的締結手段)によって相互に接結する。
以上の工程により、メインフレーム(M1)が組立製作される。
図12は、本発明の第4実施形態に係る自動車用フレームの製造方法を説明するための図である。
同図において、(M2)は、第4実施形態に係る自動車用フレームとしてのメインフレームである。
このメインフレーム(M2)は、フロントサイドメンバユニット(210)、中央サイドメンバユニット(220)、リヤサイドメンバユニット(230)、ルーフサイドフレームユニット(240)、フロントバンパユニット(250)、リヤバンパユニット(260)、フロントフェンダーユニット(270)、フロントピラーユニット(280)、センターピラーユニット(290)、リヤピラーユニット(300)、リヤフェンダーユニット(310)等の、多数個のユニット(200)を含んでいる。
各ユニット(200)は、いずれも、中間部材(202)と、2個の連結部材(205)(205)とを備えている(但し、フロントバンパユニット(250)及びリヤバンパユニット(260)を除く。)。
中間部材(202)は、所定長さを有するアルミニウム合金製棒状中空材(詳述すると管材)からなり、長さ方向に貫通状に形成された中空部を有している。
連結部材(205)は、アルミニウム合金製のものであり、連結ボルト(図示せず)が挿通される連結ボルト挿通孔部(206)を有している。
そして、中間部材(202)の両端部に連結部材(205)が、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合されて一体化されている。
また、多数個のユニット(200)の中間部材(202)のうち幾つかの中間部材は、その長さ方向中間部だけがプレス曲げ加工等の曲げ加工によって屈曲している。さらに、幾つかの中間部材(202)の長さ方向中間部には、中間連結部材(205')が、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)又は摩擦熱を利用した固相接合(摩擦撹拌接合、摩擦溶接等)によって接合されて一体化されている。この中間連結部材(205')は、連結ボルトが挿通される連結ボルト挿通孔部(206)を有している。なお、(205'')は、連結ボルト挿通孔部(206)を有する補助連結具である。
第4実施形態のメインフレーム(M2)の製造方法においては、相互に隣接するユニット同士を接結する前に、これらのユニット(200)を人工時効する。
その後、相互に隣接するユニット同士の接結を行う。その接結作業について説明すると次のとおりである。
すなわち、相互に隣接する2個のユニット(200)(200)において、一方のユニット(200)の連結部材(205)と、他方のユニット(200)の連結部材(205)とを合わせる。そして、連結ボルト(図示せず)を、これらの連結部材(205)(205)の連結ボルト挿通孔部(206)(206)に連通状態に挿通して、ナット(図示せず)に螺合する。これにより、相互に隣接する2個のユニット(200)(200)をボルト締め(即ち機械的締結手段)によって接結する。
以上の工程により、メインフレーム(M2)が組立製作される。
なお、上記第4実施形態のメインフレーム(M2)において、ユニット(200)の連結部材(205)は、その構造に限定されるものではなく、例えば、上記第1変形例、第2変形例及び第3変形例でそれぞれ示した連結部材(205)であっても良い。
図13は、本発明の一実施形態に係る自動車用フレームの製造システムを示すブロック図である。
本実施形態の自動車用フレームの製造システムは、同図に示すように、中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程(400)を備えている。そして、この溶接工程(400)の後で、溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程(401A)(401B)をそれぞれ有する二つの人工時効処理ライン(A)(B)に分かれている。二つの人工時効処理ライン(A)(B)は個別に制御可能である。(403)は、二つの人工時効処理ライン(A)(B)を個別に制御する制御部を有する制御ユニットである。
本製造システムでは、溶接工程(400)で、中間部材の両端部に連結部材を溶接装置によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作する。次いで、溶接フレームユニットの種類に応じて二つの人工時効処理ライン(A)(B)のうち一つの人工時効処理ラインが選択される。そして、この選択された人工時効処理ライン(A)(又は(B))における人工時効工程(401A)(又は(401B))で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を該溶接フレームユニットに適する条件で人工時効処理装置としての人工時効用炉によって施す。これにより、該溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を確実に実現することができる。その後、接結工程(402)で、溶接フレームユニットの接結を行う。
さらに、本製造システムは、従来法よりも優れた次の作用効果を奏する。
すなわち、従来法では、溶接フレームユニットの接結が行われた後で、人工時効処理が行われていたため、部分的に人工時効処理による効果(例えば機械的強度特性)が異なる自動車用フレームを得ることができなかった。そのため、各部位を要求強度に見合った形状に設計する必要があった。その結果、多種多様な部材を準備しておかなければならず、管理すべき部材点数が増加するという難点があった。
一方、本発明では、溶接フレームユニットに人工時効処理を施した後で、溶接フレームユニットの接結が行われることから、部分的に人工時効処理による効果(例えば機械的強度特性)が異なる自動車用フレームを得ることができる。そのため、管理すべき部材点数を減少させることができる。
具体的に示すと、例えば図12に示した自動車用メインフレーム(M2)において、高い強度を要求される部位に用いる溶接フレームユニットには、強度が高まる条件で人工時効処理を施す。一方、一定値以上の外力(例えば衝突時の衝撃力)を受けて変形することが要求される部位に用いる溶接フレームユニットには、そのような条件で変形する機械的強度特性を有するようになる条件で人工時効処理を施す。その結果、部分的に機械的強度特性が異なる自動車用メインフレーム(M2)を容易に製作することができる。
図14は、本発明のもう一つの実施形態に係る自動車用フレームの製造システムを示すブロック図である。
本実施形態の自動車用フレームの製造システムは、同図に示すように、中間部材の両端部に連結部材を接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程(400A)(400B)と、溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程(401A)(401B)と、を有する人工時効処理ライン(A)(B)を二つ備えている。二つの人工時効処理ライン(A)(B)は制御ユニット(403)によって個別に制御可能である。
本製造システムでは、溶接フレームユニットの種類に応じて二つの人工時効処理ライン(A)(B)のうち一つの人工時効処理ラインが選択される。そして、この選択された人工時効処理ライン(A)(又は(B))における溶接工程(400A)(又は(400B))で、該溶接フレームユニットの中間部材の両端部に連結部材を溶接装置によって該溶接フレームユニットに適する条件で接合一体化して溶接フレームユニットを製作する。次いで、同人工時効処理ライン(A)(又は(B))における人工時効工程(401A)(又は(401B))で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を該溶接フレームユニットに適する条件で人工時効処理装置としての人工時効用炉によって施す。その後、接結工程(402)で、溶接フレームユニットの接結を行う。
本製造システムでは、溶接工程と人工時効工程とは互いに同一の人工時効処理ラインで行われているので、溶接工程と人工時効工程とを組み合わせて機械的強度特性を制御することができる。そのため、溶接フレームユニットに要求される機械的強度特性を更に確実に実現することができる。
図15は、本発明の更にもう一つの実施形態に係る自動車用フレームの製造システムを示すブロック図である。
本実施形態の自動車用フレームは、第1中間部材の両端部に第1連結部材が接合一体化された第1溶接フレームユニットと、第2中間部材の両端部に第2連結部材が接合一体化された第2溶接フレームユニットとが相互に接結されて組み立てられるものである。
本実施形態の自動車用フレームの製造システムは、同図に示すように、中間部材の両端部に連結部材を接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程(400A)(400B)と、溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程(401A)(401B)と、を有する人工時効処理ライン(A)(B)を二つ備えている。二つの人工時効処理ライン(A)(B)は制御ユニット(403)によって個別に制御可能である。
二つの人工時効処理ライン(A)(B)のうち一つの処理ライン(A)は、第1中間部材の両端部に第1連結部材を接合一体化して製作される第1溶接フレームユニットのためのものであり、残りの処理ライン(B)は、第2中間部材の両端部に第2連結部材を接合一体化して製作される第2溶接フレームユニットのためのものである。
本製造システムでは、溶接フレームユニットの種類に応じて二つの人工時効処理ライン(A)(B)のうち一つの人工時効処理ラインが選択される。例えば、溶接フレームユニットが第1溶接フレームユニットである場合には、二つの人工時効処理ライン(A)(B)のうち所定の人工時効処理ライン(A)が選択される。そして、この人工時効処理ライン(A)における溶接工程(400A)で、該第1溶接フレームユニットの第1中間部材の両端部に第1連結部材を第1溶接装置によって該第1溶接フレームユニットに適する条件で接合一体化して第1溶接フレームユニットを製作する。次いで、同人工時効処理ライン(A)における人工時効工程(401A)で、該第1溶接フレームユニットに人工時効処理を該第1溶接フレームユニットに適する条件で第1人工時効処理装置としての第1人工時効用炉によって施す。これにより、該第1溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を更に確実に実現することができる。一方、溶接フレームユニットが第2溶接フレームユニットである場合には、二つの人工時効処理ライン(A)(B)のうち所定の人工時効処理ライン(B)が選択される。そして、この人工時効処理ライン(B)における溶接工程(400B)で、該第2溶接フレームユニットの第2中間部材の両端部に第2連結部材を第2溶接装置によって該第2溶接フレームユニットに適する条件で接合一体化して第2溶接フレームユニットを製作する。次いで、同人工時効処理ライン(A)における人工時効工程(401B)で、該第2溶接フレームユニットに人工時効処理を該第2溶接フレームユニットに適する条件で第2人工時効処理装置としての第2人工時効用炉によって施す。これにより、該第2溶接フレームユニットに要求される特性(例えば機械的強度特性)を更に確実に実現することができる。その後、接結工程(402)で、第1溶接フレームユニットと第2溶接フレームユニットとを相互に接結することにより、所望する自動車用フレームを組み立てる。
以上で、本発明の幾つかの好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、上記第1実施形態のサブフレーム(S1)のサイドメンバユニット(10)(又はクロスメンバユニット(30))において、第1中間部材(12)(第2中間部材(32))の端部に第1連結部材(15)(第2連結部材(35))を接合するための溶接は、摩擦溶接であっても良いし、溶融溶接(MIG、TIG、レーザビーム溶接等)であっても良い。
また、第1中間部材(12)や第2中間部材(32)は、その中空部(13)(33)に1個又は複数個の補強リブ部(図示せず)が設けられた棒状中空材からなるもの、その具体例を挙げると、断面略日字状、断面略目字状、断面略田字状等に形成されたものであっても良い。
また、本実施形態の自動車用フレームの製造システムは、二つの人工時効処理ラインを備えているものを例示したが、本発明の自動車用フレームの製造システムは、ユニットの設計に合わせて、三つの人工時効処理ラインを備えていても良いし、四つ以上の人工時効処理ラインを備えていても良い。
本発明は、メインフレーム、サブフレーム、サイドフレーム、クロスメンバ等の自動車用フレーム、その製造方法及び自動車用フレームの製造システムに利用可能である。
本発明の第1実施形態の自動車用サブフレームの平面図である。 (a)は同サブフレームのサイドメンバユニットの側面図、(b)は同サブフレームのサイドメンバユニットの一部切欠き平面図である。 同サブフレームのクロスメンバユニットを屈曲前の状態で示す一部切欠き平面図である。 (a)は同サブフレームのクロスメンバユニットを屈曲後の状態で示す斜視図、(b)は図4(a)中のA−A線断面図、(c)は図4(a)中のB−B線断面図である。 同サブフレームのサイドメンバユニットを人工時効用炉内に配置した状態を示す平面図である。 同サブフレームのクロスメンバユニットを人工時効用炉内に配置した状態を示す平面図である。 同サブフレームにおける第1連結部材及び第2連結部材の第1変形例を示す斜視図である。 同サブフレームにおける第1連結部材及び第2連結部材の第2変形例を示す斜視図である。 (a)は同サブフレームにおける第1連結部材及び第2連結部材の第3変形例を示す斜視図、(b)は図9(a)中のC−C線断面図である。 本発明の第2実施形態の自動車用サブフレームの平面図である。 本発明の第3実施形態の自動車用メインフレームの一部切欠き平面図である。 本発明の第4実施形態の自動車用メインフレームの側面図である。 本発明の一実施形態の自動車用フレームの製造システムを示すブロック図である。 本発明のもう一つの実施形態の自動車用フレームの製造システムを示すブロック図である。 本発明の更にもう一つの実施形態の自動車用フレームの製造システムを示すブロック図である。
符号の説明
S1、S2…サブフレーム(自動車用フレーム)
10…サイドメンバユニット(溶接フレームユニット)
11…サイドメンバ
12…第1中間部材(中間部材)
13…中空部
13a…凹部
15…第1連結部材(連結部材)
17…ブッシュ装着用ブラケット部
19…嵌合凸部
20…嵌合部
30…クロスメンバユニット(溶接フレームユニット)
31…クロスメンバ
32…第2中間部材(中間部材)
33…中空部
33a…凹部
35…第2連結部材(連結部材)
37…連結ボス部
39…嵌合凸部
40…嵌合部
60…摩擦撹拌接合用接合工具
70…人工時効用炉
J1、J2…接合部(溶接部)

Claims (12)

  1. 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを1乃至複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造方法において、
    溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、溶接フレームユニットを人工時効し、
    その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造方法。
  2. 溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と機械的締結手段によって相互に接結する請求項1記載の自動車用フレームの製造方法。
  3. 中間部材の両端部に連結部材を、摩擦熱を利用した固相接合によって接合する請求項1又は2記載の自動車用フレームの製造方法。
  4. 中間部材の両端面には凹部が設けられており、
    中間部材の両端面の凹部に、連結部材に設けられた嵌合凸部を嵌合させたのち、この各嵌合部に前記固相接合として摩擦撹拌接合を施すことにより、中間部材の両端部に連結部材を接合する請求項3記載の自動車用フレームの製造方法。
  5. 中間部材及び連結部材のうち少なくとも一方が、熱処理型アルミニウム合金のT1材、T4材又はF材からなる請求項1〜4のいずれか1項記載の自動車用サブフレームの製造方法。
  6. 溶接フレームユニットを、熱処理温度150〜300℃及び保持時間20min〜10hの条件で人工時効する請求項5記載の自動車用フレームの製造方法。
  7. 前記自動車用フレームは、車体の前後方向に延設されるサイドメンバと、車体の左右方向に延設されるクロスメンバとを含んだサブフレームであり、
    前記サイドメンバ及びクロスメンバのうち少なくとも一方のメンバとして、前記溶接フレームユニットを用いて、サブフレームを組み立てる請求項1〜6のいずれか1項記載の自動車用フレームの製造方法。
  8. 前記自動車用フレームは、メインフレーム構成部材を複数個含んだメインフレームであり、
    前記複数個のメインフレーム構成部材のうち少なくとも1個の構成部材として、前記溶接フレームユニットを用いて、メインフレームを組み立てる請求項1〜6のいずれか1項記載の自動車用フレームの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の自動車用フレームの製造方法により製作されていることを特徴とする自動車用フレーム。
  10. 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを1乃至複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造システムにおいて、
    溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程を有する、人工時効処理ラインを複数備え、
    前記複数の人工時効処理ラインは、個別に制御可能であり、
    溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、該溶接フレームユニットの種類に応じて前記複数の人工時効処理ラインから選択された一つの人工時効処理ラインにおける人工時効工程で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施し、
    その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造システム。
  11. 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを1乃至複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造システムにおいて、
    中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程と、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程と、を有する人工時効処理ラインを複数備え、
    前記複数の人工時効処理ラインは、個別に制御可能であり、
    溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニット又は他のフレーム構成部材と接結する前に、該溶接フレームユニットの種類に応じて前記複数の人工時効処理ラインから選択された一つの人工時効処理ラインにおける溶接工程で、該溶接フレームユニットの中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作し、次いで、該人工時効処理ラインにおける人工時効工程で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施し、
    その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造システム。
  12. 棒状中空材からなる中間部材の両端部に、他の部材と連結される連結部材が溶接によって接合一体化された溶接フレームユニットを複数個含み、且つ該溶接フレームユニットが他の溶接フレームユニットと相互に接結されて組み立てられる自動車用フレームの製造システムにおいて、
    中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作する溶接工程と、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施す人工時効工程と、を含む人工時効処理ラインを複数備え、
    前記複数の人工時効処理ラインは、個別に制御可能であり、
    溶接フレームユニットを他の溶接フレームユニットと接結する前に、該溶接フレームユニットの種類に応じて前記複数の人工時効処理ラインから選択された一つの人工時効処理ラインにおける溶接工程で、該溶接フレームユニットの中間部材の両端部に連結部材を溶接によって接合一体化して溶接フレームユニットを製作し、次いで、該人工時効処理ラインにおける人工時効工程で、該溶接フレームユニットに人工時効処理を施し、
    その後、溶接フレームユニットの接結を行うことを特徴とする自動車用フレームの製造システム。
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