JP2004351952A - 直流き電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】力行用電源と回生用電源の間で信号を受け渡しすることなく、力行と回生の切替え時の異常電圧発生と、交流入力電圧変動による循環電流の増大を抑制する。
【解決手段】回生用電源2は定電圧制御したインバータ装置2Aによって電車負荷からの回生電流を回生する。小容量のモニタ用ダイオード整流装置3を設ける。力行電流阻止用ダイオード装置4は電車負荷からの回生電流を流しかつダイオード整流装置からき電線側への力行電流を阻止する。電圧設定補正回路2Dは、インバータ装置に所定のレベル1以上の電流が流れるよう出力電圧設定値を補正し、所定のレベル1を超えかつモニタ用ダイオード整流装置の電流が所定のレベル2に達したときに、この所定のレベル2以上の電流がインバータ装置に流れないよう出力電圧設定値を補正する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流き電システムに係り、特に電車負荷の回生電力をインバータ装置で交流電源側に回生する直流き電システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電車負荷には力行モードと回生モードがあり、直流き電変電所は一般的に力行用電源としてダイオード整流装置を設け、回生用電源としてサイリスタ等を使用したインバータ装置を設けている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
直流き電変電所の主回路構成を図3に示す。力行用電源1は、交流入力側に設けた変圧器1Aと、この交流出力を整流して直流き電母線に給電するダイオード整流器1Bで構成する。回生用電源2は、直流き電母線側に設けたサイリスタ構成のインバータ装置2Aと、このインバータ装置2Aにより電力変換した交流出力を交流入力側に回生する変圧器2Bで構成する。なお、インバータ装置2Aの直流側には直流リアクトル(図示省略)も設けられる。
【0004】
直流き電変電所の負荷電流に対するき電母線の出力特性を図4に示す。電車負荷が力行の場合は、力行電流の増加に伴って、ダイオード整流器1の内部インピーダンスの影響でき電母線電圧が低下する。また、回生の場合はインバータ装置2の内部インピーダンス等でき電母線電圧が上昇する。
【0005】
また、回生電流の小さい軽負荷範囲では、ダイオード整流器1Bからインバータ装置2Aに流れる循環電流を抑制するため、き電母線電圧をステップ状に上昇する段特性をもたせる。
【0006】
以上の構成による直流き電変電所設備は、通常は安定に動作するが、力行から回生に切り替えるときや回生時に大きな交流入力変動が発生した場合は以下に述べる基本的な問題がある。
【0007】
(問題1)力行から回生への切替え時点でインバータ装置の制御遅れによって、き電母線に異常電圧(過電圧)が発生する。
【0008】
・図5に示すように、インバータ装置2Aは電圧制御装置2Cを設け、その電圧制御は、ダイオード整流器1Bの直流電圧変動範囲(例えば1500V〜1300V)より高い電圧(例えば1600V)に設定しておき、電車の回生電流によってき電電圧が上昇するときに、インバータ装置2Aの回生制御によってき電電圧を所定の電圧に抑え、電車負荷の回生エネルギーを吸収する。力行モードではインバータ装置2Aに設定する動作電圧がき電電圧より高いので、出力電圧を高めるような位相で制御され、インバータ装置2Aは最大電圧を出す制御位相角での待機運転状態となっている。
【0009】
・電車負荷が力行モードから回生モードになり、き電電圧が上昇してインバータ装置2Aの設定電圧に達し、き電電圧が設定電圧よりも更に上昇すると、インバータ装置2Aの制御位相は最大位相角から設定電圧に見合った位相角まで制御され、き電電圧はインバータ装置2Aの設定値に対応した電圧に抑制される。
【0010】
・上記の制御において、力行から回生への変化が激しい場合は、インバータ装置2Aの最大電圧の待機運転から設定電圧になるまでの制御遅れで、負荷電流が電源側にスムーズに回生されず、直流電圧が一瞬急激に上昇し、電車の走行に支障が発生する場合がある。図6に整流器の電圧変化範囲を1500V〜1300V、インバータの電圧設定値を1600Vとしたときの出力特性を示し、電圧設定値1600Vを越えた異常電圧が発生してしまう。
【0011】
(問題2)交流入力電圧変動が大きいと不要な循環電流が発生する。
【0012】
ダイオード整流器1Bの出力がインバータ装置2Aの設定電圧より高くなった場合(一般的には軽負荷又は回生時に、交流入力電圧が上昇する変動が発生したとき)は、インバータ装置2Aがこの電圧を設定値に保つように動作するため、図7に示すように、ダイオード整流器1Bからインバータ装置2Aに過大な循環電流が流れ、以下の不都合が生じる。
【0013】
・不要な循環電流で回路損失が発生し、ランニングコストが上昇する。
【0014】
・回生時に発生するとインバータ装置2Aは負荷の回生電流に循環電流がさらに重畳し、インバータ装置の責務が増大する。また、力行時に発生すると、ダイオード整流器1Bは力行電流に循環電流が重畳し、ダイオード整流器の責務が増大する。
【0015】
以上の2点が直流き電変電所に力行用ダイオード整流器と回生用インバータ装置を適用したときの主な問題点である。これを解決するため、従来から以下の対策が採られている。
【0016】
○問題1の解決方法
図8に示すように、電圧設定補正回路2Dは、インバータ装置2Aの電流を検出し、力行時にもインバータ装置2Aへ常に若干の電流(所定レヘル1)が流れるように設定電圧に補正(インバータ電圧が低下する方向)を加え、インバータ装置2Aの待機運転電圧を下げ、制御遅れによる急激な電圧上昇を抑える。
【0017】
この設定電圧補正により、インバータ装置2Aは力行時にもダイオード整流器1Bの電圧とほぼ等しい値の待機電圧に補正され、さらにインバータ装置2Aが通電状態となり、電圧制御装置2Cが活性化されるため、力行から回生への制御応答が速くなり、切替え時の異常電圧を抑制する。図9に改善された出力特性を示す。
【0018】
○問題2の解決方法
電圧設定補正回路2Dは、インバータ装置2Aの電流がダイオード整流器1Bからの循環電流か、負荷からの回生電流かを以下の方法で判別し、循環電流の場合はインバータ装置2Aの電圧を上昇させることで循環電流を抑制する。
【0019】
インバータ装置2Aとダイオード整流器1Bに所レベル1を超えた所定レベル2以上の電流が同時に流れている場合は、インバータ装置2Aの電流はダイオード整流器1Bからの循環電流成分と判断し、インバータ装置2Aの出力電圧を上昇させる方向に補正を加え、この循環電流を抑制する。
【0020】
【特許文献1】
特開2000−295704
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来の直流き電システムは、電圧設定補正回路2Dにより前記の問題1および問題2を解決しようとするが、この方式は力行用電源のダイオード整流器1Bの電流を検出し、回生用電源のインバータ装置2Aの設定電圧を補正しなければならない。このため、以下の新たな三つの問題がある。
【0022】
(1)インバータ装置とダイオード整流器間に信号のやり取りが必要になり、ダイオード整流器とインバータ装置の製作メーカが異なる場合、責任範囲が不明確となり、メンテナンスが煩雑となり、不具合対応等で複雑となる。
【0023】
(2)上記の信号のやり取りが必要な理由から、インバータ装置はダイオード整流器と同じ場所に配置することが必要になる。変電所の設置スペース制約で、これら二つの電源設的を収納できない場合にスペース確保の問題が発生する。
【0024】
(3)インバータ装置は電車の回生時のみに必要で、力行用の整流器電源と用途が異なり、特殊なき電区間ではインバータ装置を単独で配置したほうが回生効率が向上する場合がある。しかし、上記問題からインバータの単独配置ができないため、回生効率を犠牲にして単独設置を諦め、インバータ整流器と対にした設置としている。
【0025】
本発明の目的は、インバータ装置とダイオード整流器との間で信号の受け渡しを不要にしながら、異常電圧発生の防止および循環電流の抑制ができる直流き電システムを提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、回生用電源に並列接続で、微小電流を流すモニタ用ダイオード整流装置またはサイリスタ整流装置を設け、これら整流装置の電流とインバータ装置の電流との比較によって、電圧制御装置の電圧設定補正を行うようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
【0027】
(1)交流入力をダイオード整流器で整流して電車負荷に力行電流を供給する力行用電源と、定電圧制御したインバータ装置によって電車負荷からの回生電流を交流電力に変換して交流入力側に回生する回生用電源とを備えた直流き電システムにおいて、
交流入力側に設けた変圧器と、この変圧器と直列接続されて整流出力を得る小容量のダイオード整流器とで構成され、前記回生用電源に並列接続したモニタ用ダイオード整流装置と、
前記回生用電源とダイオード整流装置の直流側接続点とき電線との間に設けられ、電車負荷から前記回生用電源への回生電流路を形成しかつ前記ダイオード整流装置からき電線側への力行電流を阻止する方向にした力行電流阻止用ダイオード装置と、
前記インバータ装置に所定のレベル1以上の電流が流れるよう該インバータ装置の電圧制御装置の出力電圧設定値を補正する第1の設定電圧補正手段と、該インバータ装置の電流が所定のレベル1を超えかつ前記モニタ用ダイオード整流装置の電流が所定のレベル2に達したときに、この所定のレベル2以上の電流が該インバータ装置に流れないよう前記出力電圧設定値を補正する第2の設定電圧補正手段とを有する電圧設定補正回路とを備えたことを特徴とする。
【0028】
(2)交流入力をダイオード整流器で整流して電車負荷に力行電流を供給する力行用電源と、定電圧制御したインバータ装置によって電車負荷からの回生電流を交流電力に変換して交流入力側に回生する回生用電源とを備えた直流き電システムにおいて、
交流入力側に設けた変圧器と、この変圧器と直列接続され、き電線側に対して微小の定電流制御出力を得るサイリスタ整流器とで構成され、前記回生用電源に並列接続したモニタ用サイリスタ整流装置と、
前記インバータ装置に所定のレベル1以上の電流が流れるよう該インバータ装置の電圧制御装置の出力電圧設定値を補正する第1の設定電圧補正手段と、該インバータ装置の電流が所定のレベル1を超えかつ前記モニタ用サイリスタ整流装置の電流が所定のレベル2に達したときに、この所定のレベル2以上の電流が該インバータ装置に流れないよう前記出力電圧設定値を補正する第2の設定電圧補正手段とを有する電圧設定補正回路とを備えたことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態を示す主回路構成図である。同図が図8と異なる部分は、小容量のモニタ用ダイオード整流装置3と力行電流阻止用ダイオード装置4を設けた点にある。
【0030】
モニタ用ダイオード整流装置3は、力行用電源1と同等に、交流入力側に設けた変圧器3Aと、その交流出力を整流して直流出力を得るダイオード整流器3Bで構成され、回生用電源2に並列接続する。なお、モニタ用ダイオード整流装置3は、力行用電源1に比べて小容量に構成され、モニタ用電流検出器(変流器CT))で検出する電流をインバータ装置2Aの電流検出と同じに電圧設定補正回路2Dに検出信号として入力される。
【0031】
力行電流阻止用ダイオード装置4は、インバータ装置2Aとモニタ用ダイオード整流器3Bの直流側の結合点と、き電線との間に設けられ、電車からの回生電流にはインバータ装置2A側への回生電流路を形成し、電車に対する力行電流には阻止する方向(すなわちダイオード装置4のアノード側をき電線、カソード側を結合点)に設ける。
【0032】
以上の主回路構成での回生電流の制御方式を説明する。
【0033】
インバータ装置2Aは、電圧制御装置2Cにより直流入力電圧を検出した定電圧制御がなされ、この設定値に対して電流設定補正回路2Dにより以下の補正を行う。
【0034】
(電圧補正1)インバータ装置2Aに流れる電流を検出し、所定の第1レベル以上の電流が流れるようにインバータ装置2Aの出力電圧を下げる方向に電圧設定値に補正かける。
【0035】
(電圧補正2)インバータ装置2Aとモニタ用ダイオード整流器3Bに所定レベル1を超えた所定レベル2以上の電流が同時に流れている場合は、インバータの出力電圧を上昇させる方向に補正を加える。
【0036】
このような補正制御手段を設けることにより、インバータ装置2Aとダイオード整流器1Bとの間で信号の受け渡しをすることなく、異常電圧の抑制および循環電流の抑制ができる。この理由を以下に説明する。
【0037】
○インバータ装置2Aは、上記の(電圧補正1)の機能で常に所定の第1レベルの電流を流している待機運転状態にあるため、力行から回生への切替時点でのインバータの制御遅れにも異常電圧発生を抑制できる。
【0038】
○インバータ装置2Aは、上記の(電圧補正2)の機能で、インバータ装置2Aの電流がモニタ用ダイオード整流器3Bからの循環電流か、負荷からの回生電流かを判別し、循環電流の場合はインバータ装置2Aの電圧を上昇させ循環電流が抑止されるため、交流入力の電圧変動で直流母線の電圧がインバータ装置2Aの電圧設定より上昇しても、過大な循環電流を取り組むことがない。すなわち、力行用電源1を設置している変電所交流受電系統がインバータ装置と同じであれば、この設備からの電流も流れなくなる。
【0039】
○モニタ用ダイオード整流装置3は、力行電流阻止用ダイオード装置4と上記の電圧補正1と電圧補正2の機能で、所定の第2レベル以内の電流で抑制され、小容量のもので済む。
【0040】
(実施形態2)
実施形態1はモニタ用ダイオード整流装置3から力行電流を供給しないよにするため力行電流阻止用ダイオード装置4を設けたが、この装置4に設けるダイオードは回生電流を供給可能にするため大電力素子となる。
【0041】
本実施形態は、この欠点を解決するため、図2に主回路構成を示すように、モニタ用ダイオード整流装置3に代えて、変圧器5Aとサイリスタ整流器5Bおよび電流制御装置5Cからなるモニタ用サイリスタ整流装置5を設けることで、力行電流阻止用ダイオード装置4を不要にし、モニタ用サイリスタ整流装置5には以下の機能を持たせることにより、その力行電流が流れるのを防止する。
【0042】
(力行電流制御)モニタ用サイリスタ整流器5Bは、電流制御装置5Cにより微小電流設定値とき電線電流検出器による検出電流との比較で定電流制御し、き電線側に所定の微小な力行電流を供給する。
【0043】
(電圧制御)モニタ用サイリスタ整流器5Bは、最大位相制御角で三相全波整流波形となるようにし、更にこの時の直流電圧値は隣接変電所の無負荷電圧と等しくなるように、変圧器5Aの二次電圧等から決定する。
【0044】
この方式でモニタ用サイリスタ整流装置5からき電線側に大きな力行電流が流れない理由を以下に説明する。
【0045】
○力行モード
・電車が力行モードの場合は、隣接変電所のダイオード整流装置1から電流を取り込み走行している。このことにより直流電圧は低下する。モニタ用サイリスタ整流器5Bは電流制御回路5Cにより電車負荷に微小な電流を供給できるような電圧となっている。
【0046】
・このとき、インバータ装置2Aは実施形態1で示した(電圧補正1)の機能で、所定レベル1の電流をモニタ用サイリスタ整流器5Bから取り込む待機運転状態になっている。
【0047】
○回生モード
・負荷が力行から回生モードに向うと、隣接変電所のダイオード整流装置1は負荷が軽くなり、直流電圧は上昇してくる。モニタ用サイリスタ整流器5Bは電流制御装置5Cの機能で電流を負荷に供給するため、更に高めの電圧を出力するように制御角が進み、最終的には最大位相となり、上記の(電圧制御)機能により隣接変電所の無負荷電圧と等しくなる。
【0048】
・このとき、インバータ装置2Aは所定のレベル1の回生電流を、モニタ用サイリスタ整流装置5または電車から取り込むような制御を行っている。回生電流が所定レベル1より増加すると、電圧補正量はなくなり、設定された回生電圧で動作することになる。
【0049】
○入力電圧変動で直流電圧が上昇した場合のダイオード整流装置1からの循環電流は実施形態1と同じ原理で抑制できる。
【0050】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、回生用電源に並列接続で、微小電流を流すモニタ用ダイオード整流装置またはサイリスタ整流装置を設け、これら整流装置の電流とインバータ装置の電流との比較によって、電圧制御装置の電圧設定補正を行うようにしたため、以下の効果がある。
【0051】
(1)直流き電システムでの二つの問題、すなわち「力行から回生の切替え時の異常電圧発生」「交流入力電圧変動が大きいと不要な循環電流の増大」を力行用電源と回生用電源の間で信号を受け渡しせずに、回生用電源側で単独に解決することができる。
【0052】
(2)力行用電源と回生用電源で製作メーカが異なる場合でも責任範囲が明確となり、不具合対応やメンテナンス等が簡素化される。
【0053】
(3)変電所の設置スペース制約で、これら二つの電源設備を収納できない場合でも分離設置ができるため、スペース確保が容易になる。
【0054】
(4)回生用電源を単独で配置したほうが回生効率を向上できる特殊なき電区間でも対応が可能となり、変電所のランニングコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す主回路構成図。
【図2】本発明の実施形態2を示す主回路構成図。
【図3】直流き電システムの主回路構成図。
【図4】直流き電変電所の出力特性。
【図5】インバータ装置の従来の電圧制御方式。
【図6】従来の出力特性。
【図7】き電電圧上昇時の循環電流の説明図。
【図8】従来の改善されたシステム構成図。
【図9】図8の出力特性。
【符号の説明】
1…力行用電源
1B…ダイオード整流器
2…回生用電源
2B…インバータ装置
2C…電流制御装置
2D…電圧設定補正回路
3…モニタ用ダイオード整流装置
3B…ダイオード整流器
4…力行電流阻止用ダイオード装置
5…モニタ用サイリスタ整流装置
5B…サイリスタ整流器
5C…電流制御装置

Claims (2)

  1. 交流入力をダイオード整流器で整流して電車負荷に力行電流を供給する力行用電源と、定電圧制御したインバータ装置によって電車負荷からの回生電流を交流電力に変換して交流入力側に回生する回生用電源とを備えた直流き電システムにおいて、
    交流入力側に設けた変圧器と、この変圧器と直列接続されて整流出力を得る小容量のダイオード整流器とで構成され、前記回生用電源に並列接続したモニタ用ダイオード整流装置と、
    前記回生用電源とダイオード整流装置の直流側接続点とき電線との間に設けられ、電車負荷から前記回生用電源への回生電流路を形成しかつ前記ダイオード整流装置からき電線側への力行電流を阻止する方向にした力行電流阻止用ダイオード装置と、
    前記インバータ装置に所定のレベル1以上の電流が流れるよう該インバータ装置の電圧制御装置の出力電圧設定値を補正する第1の設定電圧補正手段と、該インバータ装置の電流が所定のレベル1を超えかつ前記モニタ用ダイオード整流装置の電流が所定のレベル2に達したときに、この所定のレベル2以上の電流が該インバータ装置に流れないよう前記出力電圧設定値を補正する第2の設定電圧補正手段とを有する電圧設定補正回路とを備えたことを特徴とする直流き電システム。
  2. 交流入力をダイオード整流器で整流して電車負荷に力行電流を供給する力行用電源と、定電圧制御したインバータ装置によって電車負荷からの回生電流を交流電力に変換して交流入力側に回生する回生用電源とを備えた直流き電システムにおいて、
    交流入力側に設けた変圧器と、この変圧器と直列接続され、き電線側に対して微小の定電流制御出力を得るサイリスタ整流器とで構成され、前記回生用電源に並列接続したモニタ用サイリスタ整流装置と、
    前記インバータ装置に所定のレベル1以上の電流が流れるよう該インバータ装置の電圧制御装置の出力電圧設定値を補正する第1の設定電圧補正手段と、該インバータ装置の電流が所定のレベル1を超えかつ前記モニタ用サイリスタ整流装置の電流が所定のレベル2に達したときに、この所定のレベル2以上の電流が該インバータ装置に流れないよう前記出力電圧設定値を補正する第2の設定電圧補正手段とを有する電圧設定補正回路とを備えたことを特徴とする直流き電システム。
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