JP2004351851A - 金型保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】射出圧力の異常時に、型締力を減少させることにより、発生したバリで金型を塑性変形させることを防止し、その結果、バリの成長を抑制することができるようにした金型保護装置を提供する。
【解決手段】金型保護装置は、固定盤11に保持された固定金型10に対して、可動盤14に保持された可動金型13を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられている。型締力減少ユニット25は、可動金型13と可動盤14との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を可動金型13に作用させるとともに、射出圧力の異常時に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を可動金型13に作用させる。油圧駆動回路は、型締力減少ユニット25に第1型締力及び第2型締力を付与する働きをなす。
【選択図】 図1
【解決手段】金型保護装置は、固定盤11に保持された固定金型10に対して、可動盤14に保持された可動金型13を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられている。型締力減少ユニット25は、可動金型13と可動盤14との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を可動金型13に作用させるとともに、射出圧力の異常時に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を可動金型13に作用させる。油圧駆動回路は、型締力減少ユニット25に第1型締力及び第2型締力を付与する働きをなす。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の型締装置に備えられる金型保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、樹脂製品の射出成形は、樹脂の可塑化、充填、保圧、冷却という工程で行われる。ところで、従来から、この種の射出成形においては、射出圧が何らかの原因(例えば周辺温度の変化、材料のバラツキ、樹脂の充填量の変動等)により異常圧力状態になっても、型締力はそのまま維持されていた。そのため、金型キャビティ内の樹脂が冷却して体積が収縮すると、型締力が金型の合わせ面に均一に作用せず、金型のエッジ部に発生したバリにのみ作用し、金型が塑性変形していた。更に、繰り返し型締力を作用させることにより、金型の塑性変形が促進し、バリの成長を招いていた。
【0003】
そこで、このような問題を解決するため、従来から種々の発明が提案されている。例えば、特開2001−287252号公報(特許文献1)には、射出ノズルに圧力センサを設け、射出圧力の変化に応じて型締力を必要な値に制御する構成が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−287252号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1記載の発明は、成形サイクル中における通常の射出圧力の変化に応じて型締力を制御するものであって、射出圧力の異常時に型締力を制御するものではない。さらに、型締力を多段階に増加制御するみのである。従って、射出圧力の異常時に発生したバリによる金型の塑性変形を防止できない。
【0006】
本発明の目的は、射出圧力の異常時に、型締力を減少させることにより、発生したバリで金型を塑性変形させることを防止し、その結果、バリの成長を抑制することができるようにした金型保護装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る金型保護装置は、固定盤に保持された固定金型に対して、可動盤に保持された可動金型を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられた金型保護装置であって、前記可動金型と前記可動盤との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を前記可動金型に作用させるとともに、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を前記可動金型に作用させる型締力減少ユニットと、型締力減少ユニットに前記第1型締力及び前記第2型締力を付与する油圧駆動回路と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記の如く型締力減少ユニットを設けることにより、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行するような射出圧力の異常時に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を可動金型に作用させることができる。これにより、発生したバリに型締力が作用しないため、金型の塑性変形が防止される。この結果、バリの成長を防止することができる。なお、「型締力の減少」とは、型締力を所定値に減少させる場合の他に、型締力を0にする場合も含まれる。従って、「第2型締力」は、所定値である場合と0となる場合がある。
【0009】
なお、型締力減少ユニットは、油圧室と、可動金型に固着され油圧室内に供給される作動油によって前進して可動金型を固定金型に押圧せしめる押圧体と、可動金型が固定金型から後退する方向に前記押圧体を付勢する付勢手段と、押圧体の後端部に着脱自在に装着され、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に前記第2型締力が作用するように前記押圧体の後退位置を規制する移動量規制部材と、を備える場合もある。
【0010】
油圧回路は、第1型締力に対応した圧力の作動油を前記油圧室に供給する油圧源と、油圧源と油圧室とを接続する接続管路の途中から分岐した分岐管路と、分岐管路上に設けられ、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に前記油圧室内に供給される作動油の圧力を減圧するリリーフ弁と、分岐管路上に設けられ、第1型締力作用時には油圧室とリリーフ弁とを遮断し、第1型締力作用時には油圧室とリリーフ弁とを連通する切換弁と、を備える場合もある。
【0011】
型締装置は、油圧トグル式型締装置、油圧直圧式型締装置、電動トグル式型締装置、及び、電動直圧式型締装置のいずれであってもよい。
また、本発明に係る金型保護装置は、1成形サイクルのたび毎に、若しくは、複数成形サイクルのたび毎に、型締力減少ユニットを作動して、型締力を第1型締力から第2型締力に減少させる場合もある。また、型締力減少動作のタイミングを計測するタイマを備え、タイマからの信号に応じて、型締力減少ユニットを作動して、保圧時間完了時、若しくは、射出開始時から保圧時間完了時までの間の任意の時間に、型締力を減少させるようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の原理について説明し、次いで、具体的な実施の形態について説明する。本発明は、本発明者等がバリ発生のメカニズムを鋭意研究した結果得られたものである。即ち、射出圧力が異常状態になったとき、そのまま型締力を維持しておくと、発生したバリにのみ型締力が作用して金型が塑性変形してしまう。そこで、バリの発生する状況になったときに、型締力を減少させることにより、金型の塑性変形を防止し、その結果、バリの成長を防止することができることを見出したものである。
【0013】
なお、本明細書においては、「射出圧力の異常時」とは、射出圧力が何らかの原因で上昇し、その異常射出圧力により、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行する場合を意味する。ここで、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域へ移行する場合を、バリの発生する状況から見れば、通常は厚みが1/100mm程度以上のバリが発生する状況に相当する。従って、以下に述べる実施の形態1〜5では、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域へ移行する場合を、厚みが1/100mm以上のバリが発生する状況に相当するものとして説明することにする。但し、本発明は、バリの発生する状況から見れば、必ずしも厚みが1/100mm以上のバリが発生する状況に限定されるものではなく、厚みが1/100mm以下のバリが発生する状況であっても、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域へ移行する場合は、そのような場合も含まれる。なお、「塑性変形領域」とは、1回の圧力により塑性変形する場合のみならず、複数回の弾性変形の繰り返しにより生じた金型の塑性変形も含まれる。
【0014】
先ず、バリ発生のメカニズムについて説明する。
バリの発生は、(1)射出圧力が高く、型締力が弱い場合、(2)金型の剛性及び型締機構の剛性が十分でない場合、の2つの要因がある。
【0015】
上記(1)の場合とは、通常の成形サイクル運転中においては、射出圧力P(kg/cm2)、成形面積S(cm2)とすると、型締力は、型締力>射出圧力P×成形面積Sに設定されているが、何らかの理由により、射出圧力が異常状態、すなわち、異常射出圧力が発生すると、型締力<射出圧力P×成形面積Sとなってしまう。このとき、型開が起こり、バリが発生する。なお、射出圧力が異常になる原因としては、ゲート詰まりが発生した場合に充填速度を守るために充填圧が上昇する場合、金型、加熱筒温度等の温度が下降した場合に充填速度を守るために充填圧が上昇する場合、さらには材料の混合及び乾燥状態の変動による充填圧力の変動等が考えられる。
【0016】
上記(2)の場合とは、金型の剛性及び型締機構の剛性が十分でないと、射出圧力に負けて金型が撓んだり、あるいは成形機型盤が金型を介して射出圧力に負けて金型及び型盤が撓む。この場合にバリが発生する。
【0017】
そこで、上記(1)の場合には型開変位量を検出し、上記(2)の場合は金型の弾性変形を検出し、検出値が予め定めた設定値以上になったとき、型締力を減少することにより、発生したバリで金型が塑性変形することを防止するものである。以下に、本発明に係る金型保護装置の各実施の形態について説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、バリの発生要因が上記(1)の場合、すなわち、射出圧力が型締力より大きくなって型開が起こった場合において、型開変位量の検出手段として型内圧力センサを用いて金型内圧力を検出し、検出された圧力が予め設定された設定圧力以上になったときに型締力を減少させるものである。以下、図面に基づいて、実施の形態1の具体的内容を説明する。
【0019】
図1は本発明に係る金型保護装置を備えた射出成形機の全体構成を示す図であり、図2は金型保護装置付近の部分拡大図である。本実施の形態1に係る射出成形機1は、インラインスリクュ式射出装置2と、油圧トグル式型締装置3と、制御装置4とから構成されている。
【0020】
射出装置2には、スクリュ5が加熱筒6の内周面に沿って、油圧モータ(図示せず)により回転駆動され、且つ、射出シリンダ7により前後進が自在にできるように配設されている。スクリュ5の回転に伴なって、ホッパ8内に供給された樹脂ペレットはスクリュ5の前方へ送られ、この間に加熱筒6の外周面に取付けられているヒータ(図示せず)による加熱を受けると共に、スクリュ5の回転による混練作用を受けることにより樹脂ペレットが溶融する構成となっている。
【0021】
スクリュ5の前方へ送られた溶融樹脂の量が、予め設定された量に達した時点で油圧モータの回転駆動を停止すると共に、射出シリンダ7を駆動してスクリュ5を前進させることにより、スクリュ5前方に貯えられた溶融樹脂は、ノズル9を経由して金型装置の金型キャビティ内へ射出される。
【0022】
一方、型締装置3は、油圧トグル式型締装置であって、固定金型10を支持する固定盤11に対し、タイバー12を介して可動金型13を支持する可動盤14を移動自在に設けると共に、金型の開閉および型締めを行う手段としてトグル式型締機構15をトグル機構支持盤16を介して可動盤14に対して取付け、前記トグル式型締機構15を駆動するための型締用油圧シリンダ17が設けられている。
【0023】
金型装置は、固定金型10と可動金型13とからなり、固定金型10は固定側型板10aと固定側取付板10bとから構成され、可動金型13は可動側型板13aと可動側取付板13bとから構成されている。そして、金型には、図3に示すように、型内圧力を検出する圧力センサ20が設けられている。この圧力センサ20によって検出された検出信号は、アンプ21によって増幅されて制御装置4に与えられる。
【0024】
また、可動金型13と可動盤14との間には、本発明に係る金型保護装置を構成する型締力減少ユニット25が配設されている。この型締力減少ユニット25は、型締状態中において所定の型締力(以下、第1型締力と称する。)を金型に作用させるとともに、型内圧力が設定圧力に達すると、第1型締力から設定量だけ減少した型締力(以下、第2型締力と称する。)を可動金型13に作用させる働きをなす。第1型締力は、型締装置本体の型締力と同等又はそれ以上とされている。例えば、型締装置本体の型締力が100トンであるとき、第1型締力は110トン程度に設定されている。また、第2型締力は所定値であってもよく、また、0であってもよい。なお、本実施の形態1では、第1型締力は0とする。また、後述する実施の形態2〜5においても、第1型締力は0とする。
【0025】
型締力減少ユニット25は、図2に明らかに示すように(図1では簡略化されて描かれている)、可動盤14に固着された基体26と、可動金型13に固着されると共に油圧室27内に供給される作動油によって前進又は後進方向に駆動されて可動金型13を固定金型10に押圧する押圧体28と、可動金型13が固定金型10から離反する方向に押圧体28を付勢するバネ29とを有する。基体26は軸直角断面が円形状に形成されており、その中央部には軸直角断面が円形状の移動量規制部材30が配置されている。そして、この移動量規制部材30の中央部には、エジェクタロッド70が挿通している。また、押圧体28は軸直角断面が円形状に形成されており、その中央部にはエジェクタロッド70が挿通している。なお、基体26、押圧体28及び移動量規制部材30は、軸直角断面が角形状であってもよい。
【0026】
また、押圧体28の後端部には、移動量規制部材30が着脱自在に装着されている。この移動量規制部材30は、後述するように、押圧体28の後退時に可動盤14に当接し、押圧体28の後退位置を規制する働きをなす。なお、移動量規制部材30の後面(図2の左側面)と可動盤14の前面との距離は、可動金型の後退距離となる。この距離は、許容できるバリの厚みに対応しており、例えば1/100mm程度に設定されている。また、図2において、71,72,73,74はネジである。ネジ71は押圧体28と可動側取付板13bとを固定するためのネジであり、ネジ72は基体26と可動盤14とを固定するためのネジであり、ネジ73は移動量規制部材30を押圧体28の後端部に取付けるためのネジである。なお、バネ29はネジ74の外周に装着されている。
【0027】
また、前記押圧体28を駆動するための油圧回路は、図1に示すように、第1型締力に対応した圧力Pの作動油を油圧室27に供給する油圧源31を備えている。この油圧源31は、図1に示すように、押圧体28駆動のための専用油圧源を用いている。勿論、型締装置本体に用いられる油圧源を兼用するようにしてもよい。
【0028】
油圧源31と油圧室27とを接続する接続管路32の途中には、2位置電磁切換弁33が設けられている。また、接続管路32の途中から分岐した分岐管路上には、2位置電磁切換弁36と、リリーフ弁37とが設けられている。2位置電磁切換弁36は、油圧室27とリリーフ弁37とを遮断する第1位置aと、油圧室27とリリーフ弁37を連通する第2位置bとに切り換え可能となっている。なお、リリーフ弁37のリリーフ圧は、第1型締力に対応した圧力Pよりも格段に小さな圧力に設定されている。また、電磁切換弁36は、型締時には第1位置aに設定されており、型内圧力の異常時には第2位置bに切換えられるようになっている。これにより、型内圧力の異常時に油圧室27内の圧力を緊急に減圧することが可能となっている。
【0029】
なお、2位置電磁切換弁33は、型締時には第1位置aに設定されているが、型内圧力の異常時には第2位置bに切換えるようにしてもよい。このようにすれば、電磁切換弁36に関係なく、油圧室27内の油をタンクポートに戻し、緊急に減圧することが可能となる。
【0030】
また、制御装置4は、予め定めた型内圧力の異常圧力値を入力するキーボード等の入力手段40と、入力された設定異常圧力値を記憶するメモリ41と、CPU42と、CRT等の表示手段43とから構成されている。
【0031】
次いで、上記構成の射出成形機の金型保護に関連する動作について説明する。
先ず、通常運転に先立って、型内圧力の異常圧力値の設定を行う。具体的には、通常の運転条件で複数サイクル運転を行い、型内圧力をモニターする。そして、通常状態における型内圧力の最大値A1を求める。そして、最大値A1のα%増加した値A2を異常圧力値と設定し、この値A2を入力手段40によって設定入力する。これにより、メモリ41に設定異常圧力値A2が記憶される。ここで、異常圧力値A2とは、異常圧力値A2に達すれば型開きしてその結果バリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときの型内圧力に対応するものである。α%は1〜50%の範囲内の何れかの値であり、好ましくは、2〜5%の範囲内の何れかの値である。
【0032】
次いで、異常圧力値A2の設定が行われた後、通常の成形サイクル運転が行われる。このとき、図4に示す処理により金型の保護が図られている。即ち、先ず、型閉工程が行われ(ステップS1)、次いで、型締状態中において樹脂の充填が開始される(ステップS2)と、圧力センサ20によって型内圧力が検出される(ステップS3)。そして、型内圧力が検出される毎に、CPU42は、メモリ41に記憶されている設定異常圧力値A2と検出値とを比較し、検出値が異常圧力値A2以上か否かを判定する(ステップS4)。検出値が異常圧力値A2未満であるときは、通常運転が続行される。即ち、冷却工程(ステップS6)、型開工程(ステップS7)、成形品の突出工程(ステップS8)が行われて1成形サイクルが終了し、その後、再び型閉工程(ステップS1)に移って、次の成形サイクルが実行される。
【0033】
このようにして成形サイクル運転継続中の、或る成形サイクルにおいて、圧力センサ20からの検出値が異常圧力値A2以上になると、許容範囲を超えるバリが発生したと判断されて、処理はステップS4からステップS5に移り、型締力減少動作が実行される。
【0034】
型締力減少動作の具体的な内容は以下の通りである。即ち、CPU42は電磁切換弁36を第1位置aから第2位置bに切換えて、油圧室27とリリーフ弁37とを連通状態にさせる。これにより、油圧室27内に供給される作動油の圧力がリリーフ弁37の設定圧力となるため、押圧体28がバネ29の付勢力により後退する。これにより、押圧体28に固着されている可動金型13も後退する。そして、押圧体28の後端部に装着されている移動量規制部材30が固定盤13の表面に当接する。これにより、押圧体28の後退位置が規制される。すなわち、可動金型13の後退位置が規制される。こうして、可動金型13が所定距離だけ後退することにより、型締力を所定量減少させ、第2型締力を0とすることができる。そして、第2型締力を0とすることにより、金型のエッジに発生したバリに過大な型締力が作用することが防止され、この結果、金型が塑性変形することが防止できることになる。
【0035】
なお、成形サイクル運転は停止することなく、次のサイクルに継続していく。そして、後続の成形サイクル運転中において、再び、圧力センサからの検出値が異常圧力値A2以上になると、その度毎に上記と同様な動作により型締力を所定量だけ減少する。こうして、型締力を減少することにより、金型が塑性変形することを防止できることになる。これによりバリの成長が抑制される。
【0036】
なお、参考までに述べると、型締力を多段階で制御する従来例は存在している。しかし、いずれの従来例も型締力を増加する方向に多段階制御する構成であり、型締力の増加によってバリを防止するものである。この方式は金型を大きく変形させることになって、バリを増進させることになっていた。本発明のように型締力を減少するように制御する技術思想は、従来全く存在していないことを付言しておく。
【0037】
(実施の形態2)
上記実施の形態1では型内圧力を圧力センサで直接検出するようにしたけれども、本実施の形態2では射出装置2側で樹脂圧力を検出するセンサを設けて、型内圧力を間接的に検出するように構成されている。
【0038】
具体的には、図5に示すように、ノズル9に樹脂圧力を検出する圧力センサ50Aが設けられている。この圧力センサ50Aからの検出信号は、制御装置4に与えられる。そして、上記実施の形態1と同様の動作によって、第1型締力を減少させ第2型締力を0とすることにより、金型の保護が図られる。本実施の形態2では、異常射出圧力としての設定値は、正常射出圧力値に対してα%増しの値とされており、異常射出圧力の設定値に達すれば型開きしてその結果バリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときの射出圧力に対応するものである。
【0039】
なお、電動式射出装置を用いた場合は、上記と同様にノズル9に圧力センサ50Aを設けて樹脂圧力を直接検出してもよく、また、図6に示すように、射出用ボールネジ51とスリクュ6との間にロードセル50Bを設けて、ボールネジ51の回転によって前進・進退する射出アクチュエータ52の力Pを換算して樹脂圧力を検出するようにしてもよい。なお、図6において、53は射出用モータ、54はスリクュ回転駆動用モータ、56a,56bはベルト、57a,57b,57c,57dはプーリである。また、ロードセル50Bを用いて樹脂圧力を直接検出する構成は、油圧式射出装置にも適用できる。
【0040】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、タイバー12にタイバー伸びを検出するタイバー伸びセンサ55を設け、タイバー12の伸び量が異常値となったときに、第1型締力を減少させ第2型締力を0とするように構成されている。射出圧力が異常に大きくなると、タイバー12の伸び量も大きく増加する。従って、タイバー12の伸び量が大きく増加したときに、型締力を減少することにより、バリ発生の成長を抑制できる。
【0041】
具体的には、図7に示すように、タイバー12にリング状のタイバー伸びセンサ55を装着し、タイバー伸びの検出信号を制御装置4に与える。そして、上記実施の形態1と同様の動作によって、第1型締力を減少させ第2型締力を0とすることにより、金型の保護が図られている。本実施の形態3では、異常タイバー伸びとしての設定値は、正常タイバー伸びに対してα%増しの値とされており、タイバー伸びの設定値に達すれば型開きしてその結果バリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときのタイバー伸びに対応するものである。
【0042】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、バリの発生要因が上記(2)の場合、すなわち、金型の剛性が低く、射出工程中に射出圧力に負けて金型が弾性変形してバリが発生する場合において、金型の変位量を検出手段で検出し、変位量が予め設定された設定変位量以上に達した時に型締力を減少させるものである。
【0043】
具体的には、図8に示すように、この金型には、金型の変位量を検出する検出手段としてのレーザセンサが設けられている。具体的には、レーザセンサ60が可動側取付板13bに設けられており、レーザセンサ60からのレーザ光が可動側型板13aの反射部材61に照射され、その反射光がレーザセンサ60に受光されることにより、可動側取付板13bと可動側型板13aとの距離を測定し、これにより金型の変形量Eが検出され得る。なぜなら、射出圧力により可動側型板13aが撓むと、可動側取付板13bと可動側型板13aとの距離が変化するので、レーザセンサ60により当該距離を検出すれば、可動側型板13aの変位量Eが検出されることになるからである。そして、レーザセンサ60からの検出信号は制御装置4に与えられる。そして、上記実施の形態1と同様の動作によって、第1型締力を減少させ第2型締力を0とすることにより、金型の保護が図られる。本実施の形態4では、異常変位量としての設定値は、正常変位量に対して1/100mm増した値とされており、変位量の設定値に達すればバリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときの金型の変位量に対応するものである。
【0044】
上記の例では、金型の変形量をレーザセンサにより検出したけれども、可動金型に歪み及び変位量測定センサを設けて金型の変位量を検出するようにしてもよい。
【0045】
(実施の形態5)
上記実施の形態1〜4では、射出圧の異常状態を各種センサを用いて検出し、射出圧の異常発生の場合に、型締力を減少するようにしたけれども、本実施の形態5では、上記の各種センサを用いずに、成形サイクルのたび毎に毎回、型締力減少ユニットを作動して型締力を減少するように構成されている。なお、型締力減少ユニットを作動するタイミングは、射出制御用として射出成形機に本来的に備わっている保圧時間終了時を時間管理するタイマT(図示せず)を用いて、保圧時間終了時に行うように構成されている。以下に、図9を参照して説明する。
【0046】
成形サイクルとして型閉工程(ステップN1)が行われ、次いで、型締状態中において樹脂の充填が開始されると、その充填開始のタイミングでタイマTが作動する(ステップN2)。そして、充填・保圧工程が行われ、タイマTからの信号により保圧時間終了時が告知されると(ステップN3)、CPU42は型締力減少ユニット25を作動させ、第1型締力を減少させ第2型締力を0とさせる(ステップN4)。次いで、通常運転が続行される。即ち、冷却工程(ステップN5)、型開工程(ステップN6)、成形品の突出工程(ステップN7)が行われて1成形サイクルが終了し、その後、再び型閉工程(ステップN1)に移って、次の成形サイクルが実行される。そして、このような成形サイクルのたび毎に毎回、上記と同様の方法により、型締力を減少させる。
【0047】
なお、上記の例では射出成形機に本来的に備わっているタイマを用いて、保圧時間終了後に型締力減少ユニット25を作動させたけれども、別個のタイマを設けて射出開始時から保圧時間完了時までの間の任意の時間に、型締力減少ユニット25を作動させて型締力を減少させるようにしてもよい。
【0048】
また、成形サイクルの回数をカンウトするカウンタを設け、複数サイクル毎に型締力を減少させるようにしてもよい。
【0049】
更に、設定時刻の異なる複数のタイマを別途設け、各タイマの設定時刻毎に型締力を減少させるとともに、その際の減少量をタイマの設定時刻が大きくなるに従って小さくして、型締力を多段階でかつ漸次減少させるようにしてもよい。例えば、4個の第1〜第4タイマを備える場合を想定すると、第1〜第4タイマの設定時刻が、第1タイマ、第2タイマ、第3タイマ、第4タイマの順に大きい場合に、第1タイマの設定時刻に型締力を50%減少させ、第2タイマの設定時刻に型締力をさらに25%減少させ、第3タイマの設定時刻に型締力をさらに15%減少させ、第4タイマのの設定時刻に型締力をさらに10%減少させるような場合が該当する。
【0050】
(その他の事項)
(1)上記実施の形態1〜5では、型締力を0まで減少させた(即ち、第2型締力を0にした)けれども、所定値まで減少させる(即ち、第2型締力を所定値とする)ようにしてもよい。
【0051】
(2)上記実施の形態では、射出装置としては油圧トグル式型締装置が用いられたけれども、電動トグル式型締装置を用いてもよい。また、トグル式型締装置に代えて、油圧直圧式型締装置もしくは電動直圧式型締装置を用いてもよい。
【0052】
(3)また、上記実施の形態では、射出装置としてはインラインスリクュ式射出装置が用いられたけれども、プランジャ式射出装置を用いてもよく、また、スリクュプリプラ式射出装置を用いもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、射出圧力の異常時に、型締力を減少させる型締力減少ユニットを設けることにより、発生したバリで金型を塑性変形させることを防止できる。また、その結果、バリの成長を抑制することができる。従って、本発明は、工業的に極めて大きな価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る金型保護装置を備えた射出成形機の全体構成を示す図である。
【図2】図1の金型保護装置付近の部分拡大図である。
【図3】型内圧力を検出する圧力センサ20を示す図である。
【図4】金型保護の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2における圧力センサ50Aを示す図である。
【図6】実施の形態2における圧力センサ50Bを示す図である。
【図7】実施の形態3におけるタイバー伸びセンサ55を示す図である。
【図8】実施の形態4におけるレーザセンサ60を示す図である。
【図9】実施の形態5における金型保護の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:射出成形機 2:射出装置
3:型締装置 4:制御装置
5:スクリュ 6:加熱筒
10:固定金型 11:固定盤
12:タイバー 13:可動金型
14:可動盤 20:型内圧力センサ
25:型締力減少ユニット 27:油圧室
28:押圧体 29:バネ
30:移動量規制部材 36:2位置電磁切換弁
37:リリーフ弁 50A:圧力センサ
50A:ロードセル 55:タイバー伸びセンサ
60:レーザセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の型締装置に備えられる金型保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、樹脂製品の射出成形は、樹脂の可塑化、充填、保圧、冷却という工程で行われる。ところで、従来から、この種の射出成形においては、射出圧が何らかの原因(例えば周辺温度の変化、材料のバラツキ、樹脂の充填量の変動等)により異常圧力状態になっても、型締力はそのまま維持されていた。そのため、金型キャビティ内の樹脂が冷却して体積が収縮すると、型締力が金型の合わせ面に均一に作用せず、金型のエッジ部に発生したバリにのみ作用し、金型が塑性変形していた。更に、繰り返し型締力を作用させることにより、金型の塑性変形が促進し、バリの成長を招いていた。
【0003】
そこで、このような問題を解決するため、従来から種々の発明が提案されている。例えば、特開2001−287252号公報(特許文献1)には、射出ノズルに圧力センサを設け、射出圧力の変化に応じて型締力を必要な値に制御する構成が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−287252号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1記載の発明は、成形サイクル中における通常の射出圧力の変化に応じて型締力を制御するものであって、射出圧力の異常時に型締力を制御するものではない。さらに、型締力を多段階に増加制御するみのである。従って、射出圧力の異常時に発生したバリによる金型の塑性変形を防止できない。
【0006】
本発明の目的は、射出圧力の異常時に、型締力を減少させることにより、発生したバリで金型を塑性変形させることを防止し、その結果、バリの成長を抑制することができるようにした金型保護装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る金型保護装置は、固定盤に保持された固定金型に対して、可動盤に保持された可動金型を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられた金型保護装置であって、前記可動金型と前記可動盤との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を前記可動金型に作用させるとともに、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を前記可動金型に作用させる型締力減少ユニットと、型締力減少ユニットに前記第1型締力及び前記第2型締力を付与する油圧駆動回路と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記の如く型締力減少ユニットを設けることにより、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行するような射出圧力の異常時に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を可動金型に作用させることができる。これにより、発生したバリに型締力が作用しないため、金型の塑性変形が防止される。この結果、バリの成長を防止することができる。なお、「型締力の減少」とは、型締力を所定値に減少させる場合の他に、型締力を0にする場合も含まれる。従って、「第2型締力」は、所定値である場合と0となる場合がある。
【0009】
なお、型締力減少ユニットは、油圧室と、可動金型に固着され油圧室内に供給される作動油によって前進して可動金型を固定金型に押圧せしめる押圧体と、可動金型が固定金型から後退する方向に前記押圧体を付勢する付勢手段と、押圧体の後端部に着脱自在に装着され、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に前記第2型締力が作用するように前記押圧体の後退位置を規制する移動量規制部材と、を備える場合もある。
【0010】
油圧回路は、第1型締力に対応した圧力の作動油を前記油圧室に供給する油圧源と、油圧源と油圧室とを接続する接続管路の途中から分岐した分岐管路と、分岐管路上に設けられ、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に前記油圧室内に供給される作動油の圧力を減圧するリリーフ弁と、分岐管路上に設けられ、第1型締力作用時には油圧室とリリーフ弁とを遮断し、第1型締力作用時には油圧室とリリーフ弁とを連通する切換弁と、を備える場合もある。
【0011】
型締装置は、油圧トグル式型締装置、油圧直圧式型締装置、電動トグル式型締装置、及び、電動直圧式型締装置のいずれであってもよい。
また、本発明に係る金型保護装置は、1成形サイクルのたび毎に、若しくは、複数成形サイクルのたび毎に、型締力減少ユニットを作動して、型締力を第1型締力から第2型締力に減少させる場合もある。また、型締力減少動作のタイミングを計測するタイマを備え、タイマからの信号に応じて、型締力減少ユニットを作動して、保圧時間完了時、若しくは、射出開始時から保圧時間完了時までの間の任意の時間に、型締力を減少させるようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の原理について説明し、次いで、具体的な実施の形態について説明する。本発明は、本発明者等がバリ発生のメカニズムを鋭意研究した結果得られたものである。即ち、射出圧力が異常状態になったとき、そのまま型締力を維持しておくと、発生したバリにのみ型締力が作用して金型が塑性変形してしまう。そこで、バリの発生する状況になったときに、型締力を減少させることにより、金型の塑性変形を防止し、その結果、バリの成長を防止することができることを見出したものである。
【0013】
なお、本明細書においては、「射出圧力の異常時」とは、射出圧力が何らかの原因で上昇し、その異常射出圧力により、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行する場合を意味する。ここで、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域へ移行する場合を、バリの発生する状況から見れば、通常は厚みが1/100mm程度以上のバリが発生する状況に相当する。従って、以下に述べる実施の形態1〜5では、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域へ移行する場合を、厚みが1/100mm以上のバリが発生する状況に相当するものとして説明することにする。但し、本発明は、バリの発生する状況から見れば、必ずしも厚みが1/100mm以上のバリが発生する状況に限定されるものではなく、厚みが1/100mm以下のバリが発生する状況であっても、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域へ移行する場合は、そのような場合も含まれる。なお、「塑性変形領域」とは、1回の圧力により塑性変形する場合のみならず、複数回の弾性変形の繰り返しにより生じた金型の塑性変形も含まれる。
【0014】
先ず、バリ発生のメカニズムについて説明する。
バリの発生は、(1)射出圧力が高く、型締力が弱い場合、(2)金型の剛性及び型締機構の剛性が十分でない場合、の2つの要因がある。
【0015】
上記(1)の場合とは、通常の成形サイクル運転中においては、射出圧力P(kg/cm2)、成形面積S(cm2)とすると、型締力は、型締力>射出圧力P×成形面積Sに設定されているが、何らかの理由により、射出圧力が異常状態、すなわち、異常射出圧力が発生すると、型締力<射出圧力P×成形面積Sとなってしまう。このとき、型開が起こり、バリが発生する。なお、射出圧力が異常になる原因としては、ゲート詰まりが発生した場合に充填速度を守るために充填圧が上昇する場合、金型、加熱筒温度等の温度が下降した場合に充填速度を守るために充填圧が上昇する場合、さらには材料の混合及び乾燥状態の変動による充填圧力の変動等が考えられる。
【0016】
上記(2)の場合とは、金型の剛性及び型締機構の剛性が十分でないと、射出圧力に負けて金型が撓んだり、あるいは成形機型盤が金型を介して射出圧力に負けて金型及び型盤が撓む。この場合にバリが発生する。
【0017】
そこで、上記(1)の場合には型開変位量を検出し、上記(2)の場合は金型の弾性変形を検出し、検出値が予め定めた設定値以上になったとき、型締力を減少することにより、発生したバリで金型が塑性変形することを防止するものである。以下に、本発明に係る金型保護装置の各実施の形態について説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、バリの発生要因が上記(1)の場合、すなわち、射出圧力が型締力より大きくなって型開が起こった場合において、型開変位量の検出手段として型内圧力センサを用いて金型内圧力を検出し、検出された圧力が予め設定された設定圧力以上になったときに型締力を減少させるものである。以下、図面に基づいて、実施の形態1の具体的内容を説明する。
【0019】
図1は本発明に係る金型保護装置を備えた射出成形機の全体構成を示す図であり、図2は金型保護装置付近の部分拡大図である。本実施の形態1に係る射出成形機1は、インラインスリクュ式射出装置2と、油圧トグル式型締装置3と、制御装置4とから構成されている。
【0020】
射出装置2には、スクリュ5が加熱筒6の内周面に沿って、油圧モータ(図示せず)により回転駆動され、且つ、射出シリンダ7により前後進が自在にできるように配設されている。スクリュ5の回転に伴なって、ホッパ8内に供給された樹脂ペレットはスクリュ5の前方へ送られ、この間に加熱筒6の外周面に取付けられているヒータ(図示せず)による加熱を受けると共に、スクリュ5の回転による混練作用を受けることにより樹脂ペレットが溶融する構成となっている。
【0021】
スクリュ5の前方へ送られた溶融樹脂の量が、予め設定された量に達した時点で油圧モータの回転駆動を停止すると共に、射出シリンダ7を駆動してスクリュ5を前進させることにより、スクリュ5前方に貯えられた溶融樹脂は、ノズル9を経由して金型装置の金型キャビティ内へ射出される。
【0022】
一方、型締装置3は、油圧トグル式型締装置であって、固定金型10を支持する固定盤11に対し、タイバー12を介して可動金型13を支持する可動盤14を移動自在に設けると共に、金型の開閉および型締めを行う手段としてトグル式型締機構15をトグル機構支持盤16を介して可動盤14に対して取付け、前記トグル式型締機構15を駆動するための型締用油圧シリンダ17が設けられている。
【0023】
金型装置は、固定金型10と可動金型13とからなり、固定金型10は固定側型板10aと固定側取付板10bとから構成され、可動金型13は可動側型板13aと可動側取付板13bとから構成されている。そして、金型には、図3に示すように、型内圧力を検出する圧力センサ20が設けられている。この圧力センサ20によって検出された検出信号は、アンプ21によって増幅されて制御装置4に与えられる。
【0024】
また、可動金型13と可動盤14との間には、本発明に係る金型保護装置を構成する型締力減少ユニット25が配設されている。この型締力減少ユニット25は、型締状態中において所定の型締力(以下、第1型締力と称する。)を金型に作用させるとともに、型内圧力が設定圧力に達すると、第1型締力から設定量だけ減少した型締力(以下、第2型締力と称する。)を可動金型13に作用させる働きをなす。第1型締力は、型締装置本体の型締力と同等又はそれ以上とされている。例えば、型締装置本体の型締力が100トンであるとき、第1型締力は110トン程度に設定されている。また、第2型締力は所定値であってもよく、また、0であってもよい。なお、本実施の形態1では、第1型締力は0とする。また、後述する実施の形態2〜5においても、第1型締力は0とする。
【0025】
型締力減少ユニット25は、図2に明らかに示すように(図1では簡略化されて描かれている)、可動盤14に固着された基体26と、可動金型13に固着されると共に油圧室27内に供給される作動油によって前進又は後進方向に駆動されて可動金型13を固定金型10に押圧する押圧体28と、可動金型13が固定金型10から離反する方向に押圧体28を付勢するバネ29とを有する。基体26は軸直角断面が円形状に形成されており、その中央部には軸直角断面が円形状の移動量規制部材30が配置されている。そして、この移動量規制部材30の中央部には、エジェクタロッド70が挿通している。また、押圧体28は軸直角断面が円形状に形成されており、その中央部にはエジェクタロッド70が挿通している。なお、基体26、押圧体28及び移動量規制部材30は、軸直角断面が角形状であってもよい。
【0026】
また、押圧体28の後端部には、移動量規制部材30が着脱自在に装着されている。この移動量規制部材30は、後述するように、押圧体28の後退時に可動盤14に当接し、押圧体28の後退位置を規制する働きをなす。なお、移動量規制部材30の後面(図2の左側面)と可動盤14の前面との距離は、可動金型の後退距離となる。この距離は、許容できるバリの厚みに対応しており、例えば1/100mm程度に設定されている。また、図2において、71,72,73,74はネジである。ネジ71は押圧体28と可動側取付板13bとを固定するためのネジであり、ネジ72は基体26と可動盤14とを固定するためのネジであり、ネジ73は移動量規制部材30を押圧体28の後端部に取付けるためのネジである。なお、バネ29はネジ74の外周に装着されている。
【0027】
また、前記押圧体28を駆動するための油圧回路は、図1に示すように、第1型締力に対応した圧力Pの作動油を油圧室27に供給する油圧源31を備えている。この油圧源31は、図1に示すように、押圧体28駆動のための専用油圧源を用いている。勿論、型締装置本体に用いられる油圧源を兼用するようにしてもよい。
【0028】
油圧源31と油圧室27とを接続する接続管路32の途中には、2位置電磁切換弁33が設けられている。また、接続管路32の途中から分岐した分岐管路上には、2位置電磁切換弁36と、リリーフ弁37とが設けられている。2位置電磁切換弁36は、油圧室27とリリーフ弁37とを遮断する第1位置aと、油圧室27とリリーフ弁37を連通する第2位置bとに切り換え可能となっている。なお、リリーフ弁37のリリーフ圧は、第1型締力に対応した圧力Pよりも格段に小さな圧力に設定されている。また、電磁切換弁36は、型締時には第1位置aに設定されており、型内圧力の異常時には第2位置bに切換えられるようになっている。これにより、型内圧力の異常時に油圧室27内の圧力を緊急に減圧することが可能となっている。
【0029】
なお、2位置電磁切換弁33は、型締時には第1位置aに設定されているが、型内圧力の異常時には第2位置bに切換えるようにしてもよい。このようにすれば、電磁切換弁36に関係なく、油圧室27内の油をタンクポートに戻し、緊急に減圧することが可能となる。
【0030】
また、制御装置4は、予め定めた型内圧力の異常圧力値を入力するキーボード等の入力手段40と、入力された設定異常圧力値を記憶するメモリ41と、CPU42と、CRT等の表示手段43とから構成されている。
【0031】
次いで、上記構成の射出成形機の金型保護に関連する動作について説明する。
先ず、通常運転に先立って、型内圧力の異常圧力値の設定を行う。具体的には、通常の運転条件で複数サイクル運転を行い、型内圧力をモニターする。そして、通常状態における型内圧力の最大値A1を求める。そして、最大値A1のα%増加した値A2を異常圧力値と設定し、この値A2を入力手段40によって設定入力する。これにより、メモリ41に設定異常圧力値A2が記憶される。ここで、異常圧力値A2とは、異常圧力値A2に達すれば型開きしてその結果バリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときの型内圧力に対応するものである。α%は1〜50%の範囲内の何れかの値であり、好ましくは、2〜5%の範囲内の何れかの値である。
【0032】
次いで、異常圧力値A2の設定が行われた後、通常の成形サイクル運転が行われる。このとき、図4に示す処理により金型の保護が図られている。即ち、先ず、型閉工程が行われ(ステップS1)、次いで、型締状態中において樹脂の充填が開始される(ステップS2)と、圧力センサ20によって型内圧力が検出される(ステップS3)。そして、型内圧力が検出される毎に、CPU42は、メモリ41に記憶されている設定異常圧力値A2と検出値とを比較し、検出値が異常圧力値A2以上か否かを判定する(ステップS4)。検出値が異常圧力値A2未満であるときは、通常運転が続行される。即ち、冷却工程(ステップS6)、型開工程(ステップS7)、成形品の突出工程(ステップS8)が行われて1成形サイクルが終了し、その後、再び型閉工程(ステップS1)に移って、次の成形サイクルが実行される。
【0033】
このようにして成形サイクル運転継続中の、或る成形サイクルにおいて、圧力センサ20からの検出値が異常圧力値A2以上になると、許容範囲を超えるバリが発生したと判断されて、処理はステップS4からステップS5に移り、型締力減少動作が実行される。
【0034】
型締力減少動作の具体的な内容は以下の通りである。即ち、CPU42は電磁切換弁36を第1位置aから第2位置bに切換えて、油圧室27とリリーフ弁37とを連通状態にさせる。これにより、油圧室27内に供給される作動油の圧力がリリーフ弁37の設定圧力となるため、押圧体28がバネ29の付勢力により後退する。これにより、押圧体28に固着されている可動金型13も後退する。そして、押圧体28の後端部に装着されている移動量規制部材30が固定盤13の表面に当接する。これにより、押圧体28の後退位置が規制される。すなわち、可動金型13の後退位置が規制される。こうして、可動金型13が所定距離だけ後退することにより、型締力を所定量減少させ、第2型締力を0とすることができる。そして、第2型締力を0とすることにより、金型のエッジに発生したバリに過大な型締力が作用することが防止され、この結果、金型が塑性変形することが防止できることになる。
【0035】
なお、成形サイクル運転は停止することなく、次のサイクルに継続していく。そして、後続の成形サイクル運転中において、再び、圧力センサからの検出値が異常圧力値A2以上になると、その度毎に上記と同様な動作により型締力を所定量だけ減少する。こうして、型締力を減少することにより、金型が塑性変形することを防止できることになる。これによりバリの成長が抑制される。
【0036】
なお、参考までに述べると、型締力を多段階で制御する従来例は存在している。しかし、いずれの従来例も型締力を増加する方向に多段階制御する構成であり、型締力の増加によってバリを防止するものである。この方式は金型を大きく変形させることになって、バリを増進させることになっていた。本発明のように型締力を減少するように制御する技術思想は、従来全く存在していないことを付言しておく。
【0037】
(実施の形態2)
上記実施の形態1では型内圧力を圧力センサで直接検出するようにしたけれども、本実施の形態2では射出装置2側で樹脂圧力を検出するセンサを設けて、型内圧力を間接的に検出するように構成されている。
【0038】
具体的には、図5に示すように、ノズル9に樹脂圧力を検出する圧力センサ50Aが設けられている。この圧力センサ50Aからの検出信号は、制御装置4に与えられる。そして、上記実施の形態1と同様の動作によって、第1型締力を減少させ第2型締力を0とすることにより、金型の保護が図られる。本実施の形態2では、異常射出圧力としての設定値は、正常射出圧力値に対してα%増しの値とされており、異常射出圧力の設定値に達すれば型開きしてその結果バリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときの射出圧力に対応するものである。
【0039】
なお、電動式射出装置を用いた場合は、上記と同様にノズル9に圧力センサ50Aを設けて樹脂圧力を直接検出してもよく、また、図6に示すように、射出用ボールネジ51とスリクュ6との間にロードセル50Bを設けて、ボールネジ51の回転によって前進・進退する射出アクチュエータ52の力Pを換算して樹脂圧力を検出するようにしてもよい。なお、図6において、53は射出用モータ、54はスリクュ回転駆動用モータ、56a,56bはベルト、57a,57b,57c,57dはプーリである。また、ロードセル50Bを用いて樹脂圧力を直接検出する構成は、油圧式射出装置にも適用できる。
【0040】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、タイバー12にタイバー伸びを検出するタイバー伸びセンサ55を設け、タイバー12の伸び量が異常値となったときに、第1型締力を減少させ第2型締力を0とするように構成されている。射出圧力が異常に大きくなると、タイバー12の伸び量も大きく増加する。従って、タイバー12の伸び量が大きく増加したときに、型締力を減少することにより、バリ発生の成長を抑制できる。
【0041】
具体的には、図7に示すように、タイバー12にリング状のタイバー伸びセンサ55を装着し、タイバー伸びの検出信号を制御装置4に与える。そして、上記実施の形態1と同様の動作によって、第1型締力を減少させ第2型締力を0とすることにより、金型の保護が図られている。本実施の形態3では、異常タイバー伸びとしての設定値は、正常タイバー伸びに対してα%増しの値とされており、タイバー伸びの設定値に達すれば型開きしてその結果バリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときのタイバー伸びに対応するものである。
【0042】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、バリの発生要因が上記(2)の場合、すなわち、金型の剛性が低く、射出工程中に射出圧力に負けて金型が弾性変形してバリが発生する場合において、金型の変位量を検出手段で検出し、変位量が予め設定された設定変位量以上に達した時に型締力を減少させるものである。
【0043】
具体的には、図8に示すように、この金型には、金型の変位量を検出する検出手段としてのレーザセンサが設けられている。具体的には、レーザセンサ60が可動側取付板13bに設けられており、レーザセンサ60からのレーザ光が可動側型板13aの反射部材61に照射され、その反射光がレーザセンサ60に受光されることにより、可動側取付板13bと可動側型板13aとの距離を測定し、これにより金型の変形量Eが検出され得る。なぜなら、射出圧力により可動側型板13aが撓むと、可動側取付板13bと可動側型板13aとの距離が変化するので、レーザセンサ60により当該距離を検出すれば、可動側型板13aの変位量Eが検出されることになるからである。そして、レーザセンサ60からの検出信号は制御装置4に与えられる。そして、上記実施の形態1と同様の動作によって、第1型締力を減少させ第2型締力を0とすることにより、金型の保護が図られる。本実施の形態4では、異常変位量としての設定値は、正常変位量に対して1/100mm増した値とされており、変位量の設定値に達すればバリが発生する(本実施の形態では厚みが1/100mm以上のバリに相当)ときの金型の変位量に対応するものである。
【0044】
上記の例では、金型の変形量をレーザセンサにより検出したけれども、可動金型に歪み及び変位量測定センサを設けて金型の変位量を検出するようにしてもよい。
【0045】
(実施の形態5)
上記実施の形態1〜4では、射出圧の異常状態を各種センサを用いて検出し、射出圧の異常発生の場合に、型締力を減少するようにしたけれども、本実施の形態5では、上記の各種センサを用いずに、成形サイクルのたび毎に毎回、型締力減少ユニットを作動して型締力を減少するように構成されている。なお、型締力減少ユニットを作動するタイミングは、射出制御用として射出成形機に本来的に備わっている保圧時間終了時を時間管理するタイマT(図示せず)を用いて、保圧時間終了時に行うように構成されている。以下に、図9を参照して説明する。
【0046】
成形サイクルとして型閉工程(ステップN1)が行われ、次いで、型締状態中において樹脂の充填が開始されると、その充填開始のタイミングでタイマTが作動する(ステップN2)。そして、充填・保圧工程が行われ、タイマTからの信号により保圧時間終了時が告知されると(ステップN3)、CPU42は型締力減少ユニット25を作動させ、第1型締力を減少させ第2型締力を0とさせる(ステップN4)。次いで、通常運転が続行される。即ち、冷却工程(ステップN5)、型開工程(ステップN6)、成形品の突出工程(ステップN7)が行われて1成形サイクルが終了し、その後、再び型閉工程(ステップN1)に移って、次の成形サイクルが実行される。そして、このような成形サイクルのたび毎に毎回、上記と同様の方法により、型締力を減少させる。
【0047】
なお、上記の例では射出成形機に本来的に備わっているタイマを用いて、保圧時間終了後に型締力減少ユニット25を作動させたけれども、別個のタイマを設けて射出開始時から保圧時間完了時までの間の任意の時間に、型締力減少ユニット25を作動させて型締力を減少させるようにしてもよい。
【0048】
また、成形サイクルの回数をカンウトするカウンタを設け、複数サイクル毎に型締力を減少させるようにしてもよい。
【0049】
更に、設定時刻の異なる複数のタイマを別途設け、各タイマの設定時刻毎に型締力を減少させるとともに、その際の減少量をタイマの設定時刻が大きくなるに従って小さくして、型締力を多段階でかつ漸次減少させるようにしてもよい。例えば、4個の第1〜第4タイマを備える場合を想定すると、第1〜第4タイマの設定時刻が、第1タイマ、第2タイマ、第3タイマ、第4タイマの順に大きい場合に、第1タイマの設定時刻に型締力を50%減少させ、第2タイマの設定時刻に型締力をさらに25%減少させ、第3タイマの設定時刻に型締力をさらに15%減少させ、第4タイマのの設定時刻に型締力をさらに10%減少させるような場合が該当する。
【0050】
(その他の事項)
(1)上記実施の形態1〜5では、型締力を0まで減少させた(即ち、第2型締力を0にした)けれども、所定値まで減少させる(即ち、第2型締力を所定値とする)ようにしてもよい。
【0051】
(2)上記実施の形態では、射出装置としては油圧トグル式型締装置が用いられたけれども、電動トグル式型締装置を用いてもよい。また、トグル式型締装置に代えて、油圧直圧式型締装置もしくは電動直圧式型締装置を用いてもよい。
【0052】
(3)また、上記実施の形態では、射出装置としてはインラインスリクュ式射出装置が用いられたけれども、プランジャ式射出装置を用いてもよく、また、スリクュプリプラ式射出装置を用いもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、射出圧力の異常時に、型締力を減少させる型締力減少ユニットを設けることにより、発生したバリで金型を塑性変形させることを防止できる。また、その結果、バリの成長を抑制することができる。従って、本発明は、工業的に極めて大きな価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る金型保護装置を備えた射出成形機の全体構成を示す図である。
【図2】図1の金型保護装置付近の部分拡大図である。
【図3】型内圧力を検出する圧力センサ20を示す図である。
【図4】金型保護の処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態2における圧力センサ50Aを示す図である。
【図6】実施の形態2における圧力センサ50Bを示す図である。
【図7】実施の形態3におけるタイバー伸びセンサ55を示す図である。
【図8】実施の形態4におけるレーザセンサ60を示す図である。
【図9】実施の形態5における金型保護の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1:射出成形機 2:射出装置
3:型締装置 4:制御装置
5:スクリュ 6:加熱筒
10:固定金型 11:固定盤
12:タイバー 13:可動金型
14:可動盤 20:型内圧力センサ
25:型締力減少ユニット 27:油圧室
28:押圧体 29:バネ
30:移動量規制部材 36:2位置電磁切換弁
37:リリーフ弁 50A:圧力センサ
50A:ロードセル 55:タイバー伸びセンサ
60:レーザセンサ
Claims (8)
- 固定盤に保持された固定金型に対して、可動盤に保持された可動金型を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられた金型保護装置であって、
前記可動金型と前記可動盤との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を前記可動金型に作用させるとともに、第1型締力によって金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を前記可動金型に作用させる型締力減少ユニットと、
型締力減少ユニットに前記第1型締力及び前記第2型締力を付与する油圧回路と、
を有することを特徴とする金型保護装置。 - 前記型締力減少ユニットは、
油圧室と、
可動金型に固着され、油圧室内に供給される作動油によって前進して可動金型を固定金型に押圧せしめる押圧体と、
可動金型が固定金型から後退する方向に、前記押圧体を付勢する付勢手段と、
押圧体の後端部に着脱自在に装着され、前記金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に前記第2型締力が作用するように、前記押圧体の後退位置を規制する移動量規制部材と、
を備え、
前記油圧回路は、
前記第1型締力に対応した圧力の作動油を前記油圧室に供給する油圧源と、
油圧源と油圧室とを接続する接続管路の途中から分岐した分岐管路と、
分岐管路上に設けられ、金型の変形が弾性変形領域から塑性変形領域に移行した場合に前記油圧室内に供給される作動油の圧力を減圧するリリーフ弁と、
分岐管路上に設けられ、第1型締力作用時には油圧室とリリーフ弁とを遮断し、第1型締力作用時には油圧室とリリーフ弁とを連通する切換弁と、
を備えた、請求項1記載の金型保護装置。 - 前記型締装置は油圧トグル式型締装置である、請求項1記載の金型保護装置。
- 前記型締装置は油圧直圧式型締装置である、請求項1記載の金型保護装置。
- 前記型締装置は電動トグル式型締装置である、請求項1記載の金型保護装置。
- 前記型締装置は電動直圧式型締装置である、請求項1記載の金型保護装置。
- 固定盤に保持された固定金型に対して、可動盤に保持された可動金型を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられた金型保護装置であって、
前記可動金型と前記可動盤との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を前記可動金型に作用させるとともに、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を前記可動金型に作用させることが可能な型締力減少ユニットと、
型締力減少ユニットに前記第1型締力及び前記第2型締力を付与する油圧駆動回路と、
を備え、
1成形サイクルのたび毎に、若しくは、複数成形サイクルのたび毎に、前記型締力減少ユニットを作動して、型締力を第1型締力から第2型締力に減少させることを特徴とする金型保護装置。 - 固定盤に保持された固定金型に対して、可動盤に保持された可動金型を接触・離反変位させることにより型開閉及び型締めを行う射出成形機の型締装置に備えられた金型保護装置であって、
前記可動金型と前記可動盤との間に介装され、型締状態中において所定の第1型締力を前記可動金型に作用させるとともに、第1型締力から設定量だけ減少した第2型締力を前記可動金型に作用させることが可能な型締力減少ユニットと、
型締力減少ユニットに前記第1型締力及び前記第2型締力を付与する油圧駆動回路と、
型締力減少動作のタイミングを計測するタイマと、
を備え、
前記タイマからの信号に応じて、前記型締力減少ユニットを作動して、保圧時間完了時、若しくは、射出開始時から保圧時間完了時までの間の任意の時間に、型締力を第1型締力から第2型締力に減少させることを特徴とする金型保護装置。
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JP2003154554A JP2004351851A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 金型保護装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20150086672A1 (en) * | 2011-08-04 | 2015-03-26 | Husky Injection Molding Systems Ltd. | Molding system having a residue cleaning feature and an adjustable mold shut height |
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-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003154554A patent/JP2004351851A/ja active Pending
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