JP2004351632A - 薬液含浸シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とを、両ウェブ1・2の間に配置した非吸水性の熱融着性樹脂粉粒体4を介して熱融着する。溶融された熱融着性樹脂粉粒体4によって、両ウェブ1・2の間に薬液の滞留を阻止する撥水層5を形成する。親水性繊維ウェブ1に有機溶媒を10%以上含む薬液を含浸させる。親水性繊維ウェブ1に含浸させた薬液が疎水性繊維ウェブ2の側へ移行するのを撥水層5で阻止する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば除光液のように刺激の強い薬液がシート片に含浸させてある薬液含浸シートに関する。本発明の薬液含浸シートは、除光液が含浸してあるエナメルリムーバーとして使用でき、あるいは水虫治療薬液、消毒液、害虫忌避薬液などが含浸された薬液塗布シートとして使用できる。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート片を積層シートで形成すること、および積層シートを親水性の親水性繊維ウェブと疎水性繊維ウェブとで形成することは公知である(特許文献1参照)。そこでは熱接着性を備えた疎水性繊維ウェブの表裏に親水性繊維ウェブを重ねて積層シートを得、これら三層の繊維どうしをニードルパンチ装置や水流絡合装置で絡合し一体化している。
【0003】
本発明では、シート片に除光液を含浸させてエナメルリムーバーとするが、この種の薬液含浸体は公知である(特許文献2参照)。そこでは、樹脂フィルムと、中綿と、シート面に一群の穴が開口してある不織布とを記載順に積層固定し、中綿に除光液を含浸させてある。必要に応じて、樹脂フィルムと中綿との間に不織布を介装することもある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−336053号公報(段落番号0020)
【特許文献2】
特開2002−262931号公報(段落番号0014、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の積層シートは、疎水性繊維ウェブの表裏両面に設けた親水性繊維に薬剤液が含浸されるので、使用するときに薬剤液が指先に付着し、不快感やべたつき感を避けられずその用途が限られる。特許文献2の薬液含浸体は、樹脂フィルムの側をつまむことにより、除光液が指先に付着するのを防止できる。しかし、樹脂フィルム、中綿、不織布の三層を積層して薬液含浸体とするので、薬液含浸体のコストが高く付く。製造時における薬品の含浸速度が遅いことも、薬液含浸体のコストが高く付く一因になっている。
【0006】
因みに、薬液を含浸した状態で提供される薬液含浸シートは、薬液の蒸散を防止する必要上、密閉可能な包装ケースに積層した状態で、あるいは包装袋に個別収納し密封した状態で市販されるが、包装ケースや包装袋から薬液含浸シートを取り出すときに、指先に薬液が付着するのを避けられず、とくに刺激の強い薬液が含浸してあるような場合に不快感を与えやすい。
【0007】
本発明の目的は、構造が簡単であるにもかかわらず、使用時に薬液が指先に付着するのを抑止できるうえ、薬液が付着したとしても速やかに蒸散させることができ、従って、薬液の付着に伴うべたつき感や不快感を一掃できるし、皮膚の荒れも防止できる薬液含浸シートを低コストで提供することにある。本発明の目的は、2枚重ねにした親水性繊維ウェブと疎水性繊維ウェブとの間に撥水層を備えていて、親水性繊維ウェブに含浸させた薬液が疎水性繊維ウェブに移行するのを阻止でき、従って疎水性繊維ウェブの表面を湿り気のない状態に維持できる薬液含浸シートを提供することにある。本発明の目的は、包装袋に収納してある薬液含浸シートを取り出すとき、薬液が含浸してある親水性繊維ウェブに手を触れることなく薬液含浸シートを包装ケースから取り出すことができる薬液含浸シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の薬液含浸シートは、図1に示すように親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とからなる積層シート3で構成し、親水性繊維ウェブ1に有機溶媒を10%以上含む薬液が含浸させてあることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
そこでの親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とは、両ウェブ1・2の間に配置した非吸水性の熱融着性樹脂粉粒体4を介して接合されており、両ウェブ1・2を接合する熱融着性樹脂粉粒体4によって、両ウェブ1・2の間に撥水層5が形成されている(請求項2)。
【0010】
更に、親水性繊維ウェブ1は、天然セルローズ系繊維と再生繊維の1種以上を含む不織布からなる。疎水性繊維ウェブ2は、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、もしくは両繊維の複合繊維の1種以上を含んで形成した不織布からなる。熱融着性樹脂粉粒体4は、ポリオレフィン系樹脂、またはエチレン−酢酸ビニール共重合体からなるものにすることができる(請求項3)。
【0011】
薬液を含浸する薬液含浸シートは、表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する状態で所定形状に折り畳まれて、密封性の包装袋10内に1個ずつ密封収容することができる(請求項4)。
【0012】
薬液を含浸する薬液含浸シートは、シートの端部どうしを接合して筒状に形成することができる(請求項5)。
【0013】
薬液を含浸する薬液含浸シートは、二つ折りに折り畳んだ状態で提供できる(請求項6)。
【0014】
【発明の作用効果】
本発明においては、親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とを重ねて積層シート3を形成し、その親水性繊維ウェブ1に有機溶媒を10%以上含む薬液を含浸させて薬液含浸シートとするので、含水倍率が大きな親水性繊維ウェブ1で薬液を保持して、含水倍率が小さな疎水性繊維ウェブ2側に薬液が含まれるのを抑止でき、さらに、使用時における有機溶媒の蒸散作用によって、薬液含浸シート表面、なかでも疎水性繊維ウェブ2の表面状態を短時間で湿り気が感じられないほどの生乾き状態にできる。従って、本発明の薬液含浸シートによれば、疎水性繊維ウェブ2の表面を湿り気のない状態に維持し、使用状態において、疎水性繊維ウェブ2を指先でつまみ保持するような場合に、薬液が指先に付着してべたつくのを解消でき、薬液の付着に伴う不快感や、皮膚の荒れなどをよく防止できる。含水倍率が大きな親水性ウェブ1の側に有機溶媒を10%以上含む薬液を含浸させて薬液含浸シートを形成するので、薬液を患部や肌に充分に塗布しながら、塗布した部分の乾きを促進でき、塗布部分のべたつきや不快感を解消できる。因みに、薬液に含まれる有機溶媒の量が10%未満であると、有機溶媒の蒸散作用によるシート表面の乾き度合いが小さいうえ、刺激の強い薬液を患部や肌などに塗布した場合の塗布部分の乾きが遅く、濡れた状態がいつまでも持続するため、不快感やべたつき感を与えやすい(請求項1)。
【0015】
親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2を接合する熱融着性樹脂粉粒体4によって、両ウェブ1・2の間に撥水層5を形成した薬液含浸シートにおいては、積層シート3に薬液を含浸させた直後の状態においては、シート全体に薬液が含まれている。しかし、薬液を含む積層シート3を包装した製品状態においては、疎水性繊維ウェブ2に捕捉されていた薬液が、撥水層5を介して吸水率の高い親水性繊維ウェブ1の側に移動し、さらに撥水層5における薬液の滞留がないので、疎水性繊維ウェブ2側の薬液の含浸率を小さくできる。さらに、親水性繊維ウェブ1に含浸された薬液は、撥水層5によって疎水性繊維ウェブ2の側へ移行するのが阻止されるので、疎水性繊維ウェブ2の表面を湿り気のない状態に維持できる。従って、使用状態において、疎水性繊維ウェブ2の側を手で持って使用すれば、薬液の付着に伴うべたつき感や不快感を一掃できるうえ、皮膚の荒れなども防止できる(請求項2)。
【0016】
親水性繊維ウェブ1は、天然繊維と再生繊維の1種以上を含む不織布で形成し、疎水性繊維ウェブ2は、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、もしくは両繊維の複合繊維の1種以上を含む不織布で形成し、熱融着性樹脂粉粒体4をポリオレフィン系樹脂、またはエチレン−酢酸ビニール共重合体で形成した薬液含浸シートによれば、軟らかな親水性繊維ウェブ1に含ませた薬液を肌や指先などに塗布するような場合に、薬液が疎水性繊維ウェブ2側へ移行使用とするのを、非吸水性に富むポリオレフィン系樹脂からなる撥水層5で遮断でき、従って薬液が指先に付着するのをさらに確実に防止できる(請求項3)。
【0017】
薬液を含浸した薬液含浸シートが、表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する状態で所定形状に折り畳まれて、密封性の包装袋10内に1個ずつ密封収容してあると、薬液含浸シートを包装袋10から取り出すときに、薬液を含浸してある親水性繊維ウェブ1に手を触れることなく薬液含浸シートを取り出せ、従って手指への薬液の付着を解消できるうえ、薬液の無駄な消費を防止できる(請求項4)。
【0018】
筒状に形成した薬液含浸シートによれば、手や足の指に薬液を塗布し、あるいは指や爪を払拭する場合に、指を薬液含浸シートの筒壁内面に単に差し込むだけで、薬液が含浸してある親水性繊維ウェブ1を塗布対象個所や払拭対象個所にあてがうことができ、従って、薬液の塗布などを簡便に行える。筒壁外面の全てが疎水性繊維ウェブ2で覆われるので、薬液が指先に付着するのを極力避けることができる利点もある。
【0019】
二つ折りにした薬液含浸シートによれば、筒状の薬液含浸シートと同様に、手や足の指を薬液含浸シートの折り畳み面の内側に差し込み、あるいは薬液含浸シートで指などを挟むことにより、薬液が含浸してある親水性繊維ウェブ1を塗布対象個所や払拭対象個所にあてがうことができ、従って、薬液の塗布などを簡便に行える。折り畳まれた薬液含浸シートの外面が疎水性繊維ウェブ2で覆われるので、薬液が指先に付着するのを極力避けることができる点も同じである。
【0020】
【実施例】
図1ないし図8は本発明に係る薬液含浸シートの実施例を示す。図1および図2において薬液含浸シートは、親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とからなる積層シート3で構成する。親水性繊維ウェブ1は、パルプ、コットンなどの天然繊維、あるいはレーヨン、キュプラ、テンセルなどの再生繊維の1種以上を含んで形成した目付けが30〜70g/m2 の不織布からなる。疎水性繊維ウェブ2は、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、もしくは両繊維の複合繊維の1種以上を含んで形成した目付けが30〜70g/m2 の不織布からなる。ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを適用できる。ポリオレフィン系繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを適用できる。
【0021】
親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とを接合するために、両ウェブ1・2の間に非吸水性の熱融着性樹脂粉粒体4を配置する。熱融着性樹脂粉粒体4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、などのポリオレフィン系の樹脂、またはエチレン酢酸ビニール共重合体からなり、表面が溶融した熱融着性樹脂粉粒体4で両ウェブ1・2の繊維どうしを決着する。詳しくは、親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とを接合する直前に、熱融着性樹脂粉粒体4を片方のウェブ表面に均等に散布しながら加熱して、熱融着性樹脂粉粒体4の表面を溶融させ、両ウェブ1・2をロールで押し付けることにより接合する。熱融着性樹脂粉粒体4の散布量は10〜50g/m2 とする。
【0022】
このように、熱融着性樹脂粉粒体4の表面を溶融させて両ウェブ1・2を接合すると、親水性繊維ウェブ1、および疎水性繊維ウェブ2の風合いを損なうことなく、両ウェブ1・2を接合できるうえ、積層シートに高圧水を噴射して隣接するウェブどうしを固定する場合に比べて、薬液含浸シートを低コストで製造でき、製造設備および製造工程も簡素化できる。
【0023】
上記のように親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とを接合することにより、熱融着性樹脂粉粒体4によって両ウェブ1・2の間に撥水層5が形成される。この撥水層5は、親水性繊維ウェブ1に含浸させた薬液が撥水層5に滞留するのを妨げ、薬液が疎水性繊維ウェブ2側へ移行するのを阻止する。しかも、疎水性繊維ウェブ2の側に含浸された薬液が、含浸倍率の大きな親水性繊維ウェブ1の側に移行するのを促す。従って、疎水性繊維ウェブ2の表面を湿り気のない状態に維持できる。
【0024】
以上のようにして得られた積層シート3を所定の大きさに裁断したのち、その親水性繊維ウェブ1に薬液を含浸させた状態で販売に供する。その場合には、薬液が含浸された薬液含浸シートを所定形状に折り畳み、折り畳んだ薬液含浸シートを、例えば図3に示すような包装ケース8内に積層収納して販売に供する。必要があれば、図8に示すように、1枚の薬液含浸シートを偏平な包装袋10に密封して販売に供することができる。
【0025】
親水性繊維ウェブ1に含浸される薬液としては、マニキュアを除去する溶剤液、消毒液、治療用の薬液、害虫忌避剤液、洗浄液、湿潤剤液、あるいは水などがあるが、いずれの薬液であっても有機溶媒を10%以上含むこととする。有機溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコールなどを適用できるが、トルエン、ケトン系などの揮発性の薬液を含む。このように有機溶媒を含む薬液によれば、有機溶媒の蒸散作用によって、薬液含浸シート表面、なかでも疎水性繊維ウェブ2の表面状態を短時間で湿り気が感じられないほどの生乾き状態にして、疎水性繊維ウェブ2の表面を湿り気のない状態に維持できる。薬液における有機溶媒の含有量が10%未満であると、有機溶媒の蒸散作用によるシート表面の乾き度合いが小さく、べたつき感を与えやすい。
【0026】
薬液が含浸してある薬液含浸シートを所定形状に折り畳んだ状態において、親水性繊維ウェブ1が外面に露出していると、薬液含浸シートを包装ケース8や包装袋10から取り出すとき、薬液が指先に付着するのを避けられない。こうした薬液の付着を避けながら薬液含浸シートを取り出し操作するために、薬液含浸シートは表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する状態で折り畳む。
【0027】
具体的には、図4に示す折り畳み形態においては、四角形状に裁断された薬液含浸シートを二つ折りにして、親水性繊維ウェブ1どうしを対向させた。さらに、二つ折りにしたシートを長手方向の中央部で折り曲げて、表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する薬液含浸シートを形成した。
【0028】
図5に示す折り畳み形態においては、四角形状に裁断された薬液含浸シートの両側のそれぞれを中央部へ向かって折り曲げて親水性繊維ウェブ1どうしを対向させる。さらに、三つ折りにしたシートを長手方向の中央部で折り曲げて、表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する薬液含浸シートを形成する。
【0029】
図6に示す折り畳み形態においては、四角形状に裁断された薬液含浸シートの両側のそれぞれを中央部へ向かって折り曲げて親水性繊維ウェブ1どうしを対向させるが、片方の折り曲げ長さを大きくして、この折り曲げ部分を最外面に位置させる。さらに、三つ折りにしたシートを長手方向の中央部で折り曲げて、表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する薬液含浸シートを形成する。
【0030】
薬液含浸シートは図7に示す形態で提供できる。図7(a)では適当な大きさに切断された四角形状の薬液含浸シートの対向辺部どうしを、親水性繊維ウェブ1が内側になる状態で接合し、接合部分を熱溶着することにより薬液含浸シートを筒構造にした。この薬液含浸シートは、たとえばマニュキアを払拭除去するエナメルリムーバーとして使用するのに適しており、指先を筒壁内面に差し込むだけで、爪を除光液が含浸してある親水性繊維ウェブ1にあてがうことができる。筒状に形成した積層シート3は、図8に示すように、偏平に折り畳んだ状態で包装袋10に密封して販売に供することができる。
【0031】
図7(b)では適当な大きさに切断された四角形状の薬液含浸シートを、親水性繊維ウェブ1が内側になる状態で二つ折りにした。この薬液含浸シートをエナメルリムーバーとして使用する場合には、指先を折り合わせ面に差し込むだけで、爪を除光液が含浸してある親水性繊維ウェブ1にあてがうことができる。二つ折りにした積層シート3は、図8に示すように、偏平に折り畳んだ状態で包装袋10に密封して販売に供することができる。
【0032】
以下に、本発明の薬液含浸シートに各種の薬液含浸させた実施例1〜8を説明する。
(実施例1) この実施例では薬液含浸シートを、マニュキアを払拭除去するエナメルリムーバーに適用した。親水性繊維ウェブ1として、コットン繊維を素材とする目付が34.1g/m2 の湿式の不織布を用意し、疎水性繊維ウェブ2として、ポリエステル繊維を素材とする目付けが50.7g/m2 の乾式不織布を用意した。両シート1・2の間に、平均粒径が70μmのポリエチレン樹脂粉末を、30g/m2 の割合で均等に散布しながら過熱して表面を溶融させ、両ウェブ1・2を一対のロールに通して接合した。
【0033】
得られた積層シート3を四角形に裁断したうえで、図7(a)に示すように筒状に加工し、親水性繊維ウェブ1に下記成分の除光液を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して250%とした。なお、成分比率は以下の実施例も含めて全て重量%である。
アセトン(エナメル除去剤) 50%
メチルエチルケトン(エナメル除去剤) 10%
グリセリン(保湿剤) 7%
エタノール(有機溶媒) 33%
【0034】
(実施例2) 実施例1と同じ筒構造の積層シート3の親水性繊維ウェブ1に、下記成分の除光液を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して250%とした。他は実施例1と同じである。
アセトン(エナメル除去剤) 20%
炭酸プロピレン(非刺激性エナメル除去剤) 30%
グリセリン(保湿剤) 7%
エタノール(有機溶媒) 43%
【0035】
(実施例3) この実施例では、薬液含浸シートを消毒液用の塗布シートに適用した。実施例1と同じ積層シート3を図7(b)に示すように二つ折りにしたうえで、親水性繊維ウェブ1に、下記成分の消毒液を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して350%とした。
ポピドンヨード(消毒殺菌剤) 10%
95%エタノール(有機溶媒) 80%
精製水(溶剤) 10%
【0036】
(実施例4) 実施例3と同じ積層シート3の親水性繊維ウェブ1に、下記成分の消毒液を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して350%とした。他は実施例3と同じである。
グルコン酸クロルヘキシジン(消毒殺菌剤) 0.05%
95%エタノール(有機溶媒) 75%
グリセリン(保湿剤) 5%
精製水(溶剤) 19.5%
【0037】
(実施例5) 実施例3と同じ積層シート3の親水性繊維ウェブ1に、下記成分の消毒液を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して350%とした。他は実施例3と同じである。
塩化ベンザルコニウム(消毒殺菌剤) 0.02%
95%エタノール(有機溶媒) 75%
精製水(溶剤) 24.98%
【0038】
(実施例6) この実施例では、薬液含浸シートを水虫治療薬を患部に塗布するための塗布シートに適用した。実施例1と同じ積層シート3を図7(b)に示すように二つ折りにしたうえで、下記成分の水虫治療薬を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して400%とした。
サリチル酸(水虫治療剤) 10%
レゾルシン(殺菌剤) 3%
グリセリン(保湿剤) 10%
95%エタノール(有機溶媒) 30%
精製水(溶剤) 47%
【0039】
(実施例7) この実施例では、薬液含浸シートを害虫忌避剤を肌に塗布するための塗布シートに適用した。実施例1と同じ積層シート3を図7(b)に示すように二つ折りにしたうえで、下記成分の害虫忌避剤を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して300%とした。
ディート(害虫忌避剤) 10%
95%エタノール(有機溶媒) 40%
清涼剤 0.05%
精製水(溶剤) 49.95%
【0040】
(実施例8) この実施例では薬液含浸シートを水虫治療薬を患部に塗布するための塗布シートに適用した。実施例1と同じ親水性ウェブ1と疎水性ウェブ2とを単に重ねて二層構造の積層シート3を形成した。積層シート3を図7(b)に示すように二つ折りにしたうえで、実施例6と同じ水虫治療薬を含浸させた。含浸量は、積層シート3の重量に対して400%とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬液含浸シートを模式的に示す斜視図である。
【図2】薬液含浸シートを模式的に示す断面図である。
【図3】薬液含浸シートの包装例を示す断面図である。
【図4】薬液含浸シートの折り畳み形態を示す斜視図である。
【図5】薬液含浸シートの別の折り畳み形態を示す斜視図である。
【図6】薬液含浸シートの別の折り畳み形態を示す斜視図である。
【図7】薬液含浸シートの販売形態を示す斜視図である。
【図8】薬液含浸シートの包装形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 親水性繊維ウェブ
2 疎水性繊維ウェブ
4 熱融着性樹脂粉粒体
5 撥水層
Claims (6)
- 親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とからなる積層シート3で構成した薬液含浸シートであって、
親水性繊維ウェブ1に有機溶媒を10%以上含む薬液が含浸させてあることを特徴とする薬液含浸シート。 - 親水性繊維ウェブ1と疎水性繊維ウェブ2とが、両ウェブ1・2の間に配置した非吸水性の熱融着性樹脂粉粒体4を介して接合されており、
両ウェブ1・2を接合する熱融着性樹脂粉粒体4によって、両ウェブ1・2の間に撥水層5が形成してある請求項1記載の薬液含浸シート。 - 親水性繊維ウェブ1が、天然セルローズ系繊維と再生繊維の1種以上を含む不織布からなり、
疎水性繊維ウェブ2が、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、もしくは両繊維の複合繊維の1種以上を含んで形成した不織布からなり、
熱融着性樹脂粉粒体4が、ポリオレフィン系樹脂、またはエチレン−酢酸ビニール共重合体からなる請求項2記載の薬液含浸シート。 - 薬液を含浸する薬液含浸シートが、表面に疎水性繊維ウェブ2のみが露出する状態で所定形状に折り畳まれて、密封性の包装袋10内に1個ずつ密封収容してある請求項1〜3のいずれかに記載の薬液含浸シート。
- 薬液を含浸する薬液含浸シートが、シートの端部どうしを接合して筒状に形成してある請求項4記載の薬液含浸シート。
- 薬液を含浸する薬液含浸シートが、二つ折りに折り畳んである請求項4記載の薬液含浸シート。
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