JP2004351395A - 吊下型遠心分離機および吊下型遠心分離機におけるモータの駆動制御方法 - Google Patents

吊下型遠心分離機および吊下型遠心分離機におけるモータの駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】外付けの機械式回転速度センサを省略して定期的なメンテナンスを不要とし、オーバシュートやアンダシュートの低減をはかる。
【解決手段】永久磁石型同期モータを吊下型遠心分離機に適用し、そのモータの特性を吊下型遠心分離機に適合させるために、モータ駆動制御部1が、目標回転速度の偏差量が第1の設定値になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御と可変PI制御および等価外乱補償制御の組み合わせによる進み補償制御を行い、目標回転速度の偏差量が第1の設定値になったときに固定PI制御を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータにフレキシブルカップリングを介して回転ドラムが結合される、吊下型遠心分離機および吊下型遠心分離機におけるモータの駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
吊下型遠心分離機は、食品、医薬、製糖、化学および廃水処理等の分野におけるスラリーの脱水等の、固形物と水分の機械的分離操作のために多用されている。この吊下型遠心分離機は、ハウジング内に、モータとはフレキシブルカップリングを介して回転自在となるように回転ドラムが吊り下げられる。この回転ドラムは、インバータからの交流出力により回転駆動されるモータにより任意の回転速度で運転制御される(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−159882号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した吊下型遠心分離機が設置される環境は、高温、高湿となることが多いため、回転速度検出に必須となる外付けの機械式回転速度検出器は故障が発生しやすく、また、機器を停止してメンテナンスを行うため、生産効率の低下にもつながる。従って吊下型遠心分離機の構成部品は信頼性が高く、故障の発生しにくいものが望まれる。しかしながら、故障を発生させないように、単純に回転速度検出器を取り外してしまうと重量のある回転ドラムの回転速度の制御が困難になり、オーバシュートやアンダシュート等が発生して動作が不安定になってしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、永久磁石型同期モータを吊下型遠心分離機に適用し、そのモータの特性を吊下型遠心分離機に適合させるために新規な駆動制御方法を採用することにより、オーバシュートやアンダシュート等の低減をはかり、かつ、定期的なメンテナンスを不要とした、吊下型遠心分離機および吊下型遠心分離機におけるモータの駆動制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明は、モータにフレキシブルカップリングを介して回転ドラムが結合される吊下型遠心分離機であって、前記モータの目標回転速度の偏差量が第1の設定値になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御と可変PI制御および等価外乱補償制御の組み合わせによる進み補償制御を行い、前記目標回転速度の偏差量が第1の設定値になったときに固定PI制御を行うモータ駆動制御部を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、モータ駆動制御部が、目標回転速度の偏差量が第1の設定値(例えば3%、目標回転速度の97%に相当)になるまでその負荷慣性量に応じて進み補償制御を行い、第1の設定値(例えば3%)になったときに固定PI制御を行うことで、慣性エネルギーの大きな回転ドラムの起動、加減速を短時間のサイクルのうちに繰り返し行う動力回生のできるモータの特性を遠心分離機に適合でき、オーバシュートやアンダシュートの低減をはかり、安定した動作を実現可能な吊下型遠心分離機を提供することができる。
【0008】
また、本発明において、前記モータ駆動制御部は、前記モータの最高回転速度が第2の設定値になるまでは負荷慣性量に応じた前記進み補償制御を用い、前記第2の設定値以下では、定格慣性量の第3の設定値(例えば、10%以下)になるまで順次減少させるための関数を生成するシステム慣性量自動補償関数生成部を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、システム慣性量自動補償関数生成部が、モータの最高回転速度の第2の設定値(例えば25%)になるまでは負荷慣性量に応じた進み補償制御を用い、第2の設定値以下では、連続的に、あるいはあるいは段階的に定格慣性量の第3の設定値(例えば10%程度)まで進み補償量を下げることにより、低速域でのトルクリップルによるフレキシブルカップリングによる異音発生抑制の制御を行う吊下型遠心分離機を提供することができる。
【0010】
また、本発明において、前記モータに永久磁石型同期モータを用い、回転子に埋め込まれた永久磁石の起磁力を用いて回転数の算出を行い、前記モータ駆動制御部へ通知することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、モータ内蔵の永久磁石による起磁力の現象を利用して回転数の算出が可能となるため、機械的な回転速度センサを外付けする必要がなく、従って、定期的なメンテナンスを不要とする他に、過速度防止のためのインタロックを実現できる。
【0012】
また、本発明において、前記モータ駆動制御部は、前記モータに対し、指示値として入力される設定入力と前記モータの状態量との偏差を、比例ゲインと積分ゲインから成る伝達関数を前記モータに印加して動作を安定させる可変PI制御部を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記モータ駆動制御部は、前記設定入力と状態量の差異を0に維持するフィードフォワード制御部を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明において、前記モータ駆動制御部は、前記モータの運転特性に影響を与える負荷慣性量、および前記パラメータ変動による影響を少なくとする等価外乱補償制御部を有することを特徴とする。
【0015】
上記した課題を解決するために本発明は、モータにフレキシブルカップリングを介して回転ドラムが結合される吊下型遠心分離機におけるモータ駆動制御方法であって、前記モータの目標回転速度の偏差量が第1の設定値になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御と可変PI制御および等価外乱補償制御の組み合わせによる進み補償制御を行い、前記目標回転速度の偏差量が第1の設定値になったときに固定PI制御を行うこと、を特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における吊下型遠心分離機のモータ駆動制御部の一実施形態を示すブロック図である。
図1に示されるように、モータ駆動制御部1は、回転速度指令や検出フィードバック信号を与えるパラメータ設定部2と、回転ドラム等、質量が大きく慣性エネルギーの大きな負荷から成る制御対象3間にあって、モータの目標回転速度の偏差量が第1の設定値になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御と可変PI制御および等価外乱補償制御の組み合わせによる進み補償制御を行い、目標回転速度の偏差量が第1の設定値になったときに固定PI制御を行う。
このため、モータ駆動制御部1は、可変PI制御部11と、フィードフォワード制御部12と、等価外乱補償制御部13と、システム慣性量自動補償関数生成部14で構成される。
【0017】
可変PI制御部11は、モータに対し、指示値として入力される設定入力とモータの状態量との偏差を、比例ゲインと積分ゲインから成る伝達関数を印加して動作を安定させ、フィードフォワード制御部12は、設定入力と状態量の差異を0に維持し、等価外乱補償制御部13は、モータの運転特性に影響を与える負荷慣性量、およびパラメータ変動による影響を少なくとする機能を持ち、これらの組み合わせを用いて駆動制御することで、制御対象3に対してロバストで、かつ、高速応答が可能になる。
なお、可変PI制御部11、フィードフォワード制御部12、等価外乱制御部13の組み合わせにより、進み補償制御を行う仕組みは、特許第2770461号、特許2850075号、特許2850076号により周知である。
【0018】
また、システム慣性量自動補償関数生成部14は、モータの最高回転速度の設定値(例えば、目標回転速度の25%)になるまでは負荷慣性量に応じた進み補償制御を用い、第2の設定値以下では、定格慣性量の第3の設定値になるまで順次減少させるための関数を生成する機能を持つ。
なお、本発明における吊下型遠心分離機の構成部品である駆動用モータは、永久磁石型同期モータが用いられており、回転子に埋め込まれた永久磁石の起磁力を用いて回転数の算出を行い、上記したモータ駆動制御部1へ通知されることとする。
【0019】
図2は、本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。以下、図2に示すフローチャートを参照しながら図1に示す本発明実施形態の動作について詳細に説明する。
【0020】
動作説明に先立ち、本発明の吊下型遠心分離機に駆動用モータとして使用される永久磁石型同期モータの電流、電圧から演算により、回転速度を求め、運転、監視および良好な回転速度の測定が可能になる。
すなわち、永久磁石型同期モータの特徴である回転子に永久磁石が埋め込まれた構造から、内部で回転速度検出機能を利用できるため、パルスジェネレータ等、従来必要であった外付けの回転速度検出機構が不要になる。また、同期モータは、出力周波数と回転数がその動作原理からして一致することから、出力周波数と磁極位置から演算された回転速度信号の2種類の回転速度信号を利用すれば二重に回転速度異常を監視でき、従来にも増して信頼性の高いものとなる。
【0021】
図2に示すフローチャートにおいて、まず、起磁力が検出され(S21)、上記した演算によるモータ回転数が求められる(S22)。ここで、過速チェックが行われるが(S23)、ちなみに、105%過速は、モータの回転子に埋め込まれた永久磁石の磁極位置を常に検出し、磁極位置に演算された内蔵回転速度信号で検出してインタロックとする。また、110%過速は、出力周波数を監視してインタロックとする(S24)。
次に、目標回転速度に対する偏差がチェックされる(S25)。ここで、モータの目標回転速度の偏差量が第1の設定値、例えば、3%になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御部12によるフィードフォワード制御と、可変PI制御部11による可変PI制御、および等価外乱補償制御部13による等価外乱補償制御の組み合わせに従う進み補償制御を行う(S26)。一方、目標回転速度の偏差量が第1の設定値以内、例えば、3%以内になったときに、システム慣性量自動補償関数生成部14は、可変PI制御部11に対して固定のPゲイン、積分時定数を与え、古典的な固定PI制御を行う(S27)。その他の状態にあっては、負荷慣性量に応じて、Pゲイン7.5〜30、積分時定数が67ms〜179msの範囲が設定され、可変PI制御が行なわれる。
【0022】
なお、S25のチェックと並行して最高回転速度に対する偏差チェックも行われる(S28)。ここでは、モータの最高回転速度が第2の設定値、例えば、25%になるまでは負荷慣性量に応じた進み補償制御を用い(S26)、25%以下では、定格慣性量の第3の設定値、例えば、10%程度になるまで、システム慣性量自動補償関数生成部14が、連続的に、あるいは段階的に減少させるための関数を生成し、フィードフォワード制御部12によるフィードフォワード制御と、可変PI制御部11による可変PI制御、および等価外乱補償制御部13による等価外乱補償制御の組み合わせに従う進み補償制御を行う(S29)。
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、慣性エネルギー量の大きな吊下型遠心分離機では運転が安定しているため、応答の速い制御方式は必要なく、偏差が3%程度の段階で古典的な固定PI制御にスイッチングしても適切な制御定数を設定することで全域に渡り安全運転が可能になる。
また、回転速度25%以下の低速域では、負荷慣性量が見かけ上小さくなるようにシステム慣性量を小さく設定し制御することでフレキシブルカップリング部からの異音発生を抑えることのできる派生的効果も生じる。
【0024】
図3に、永久磁石形同期モータを適用して吊下型遠心分離機を制御した際の回転速度制御曲線のデータ(20ms/div)が示されている。
これによれば、適切な回転速度制御のための制御定数を設定することにより、オーバシュート、または、アンダシュートすることなく、スムースに設定回転速度に到達することがわかる。すなわち、最高回転速度でのオーバシュート幅は、図4に示す従来のパルスジェネレータ付きの場合で16.4rpm、約1.13%(最高回転数:1,450rpm)であり、これに比較して本発明実施形態によれば、16.5rpm、約1.13%であり、シュート量の差はほとんどない。最低回転速度への制御においても図5(本発明実施形態)、図6(従来例)に示されるように、ほぼ同様の結果となった。
【0025】
これらの結果から、本発明においても従来の回転速度検出センサ付きベクトル制御方式の場合と同様な制御性を確保できていることが確認できた。
理由としては、遠心分離機特有の慣性エネルギー量がかなり大きく安定しているため、応答性の速い制御方式から、偏差が3%程度の段階で古典的な制御方式であるPI制御方式にスイッチングして、適切な回転速度制御のための制御定数(比例定数30〜7.5、積分時定数が67ms〜179msの範囲)を設定したことにある。
また、回転速度制御の方式決定に際し、従来、インバータで採用していた古典的なPI制御に回転速度マイナー微分を加え応答を遅くして対応したのに対し、負荷慣性量に応じた進み補償制御方式を採用したことにある。即ち、目標回転速度の97%までは、回転速度設定変化に対して負荷慣性量に応じた進み補償を加えた制御方式(システム全体の伝達関数を1とする制御方式のフィードフォアード制御と、可変PI制御、及び等価外乱制御方式の組み合わせ)を使用し、回転速度の偏差量が3%以内になれば、PI制御方式による比例量(P動作)を小さく、また回転速度検出フィルタ時間(I動作)を長くして、P、Iとも制御性を抑える設定で、最適な時間で目標回転速度に達するよう制御したことにある。
【0026】
また、モータの回転子自体の慣性エネルギーは、負荷となる回転ドラムに比べて非常に小さいことと、モータと負荷との結合はフレキシブルカップリングであるため、モータの低速域でのトルク脈動による機械共振現象の発生が心配されたが、25%以下の低速域における負荷慣性量は見かけ上小さくなるようにシステム慣性量を小さく設定して制御することで、フレキシブルカップリング部からの異音の発生を防止することができた。
【0027】
以上説明のように本発明は、永久磁石型同期モータを吊下型遠心分離機に適用し、そのモータの特性を吊下型遠心分離機に適合させるために新規な駆動制御方法を採用することにより、オーバシュートやアンダシュート等の低減をはかり、かつ、定期的なメンテナンスを不要とした、吊下型遠心分離機および吊下型遠心分離機におけるモータの駆動制御方法を提供するものである。
なお、図1に示す、モータ駆動制御部1を構成する、可変PI制御部11、フィードフォワード制御部12、等価外乱補償制御部13、システム慣性量自動補償関数生成部14のそれぞれで実行される手順をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明の吊下型遠心分離機におけるモータの駆動制御方法が実現されるものとする。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0028】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0029】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、回転速度検出機構を内蔵した永久磁石型同期モータを本発明の吊下型遠心分離機に適用し、また、周波数と回転数による二重の回転速度測定に基づき、信頼性の向上とそれを利用した新規な制御が可能となり、このことにより、回転速度制御の応答精度の維持と、外部接続される回転速度検出機構を不要としたことによる吊下型遠心分離機の信頼性向上がはかれ、また、定期的なメンテナンスも不要となるため、維持コストの低減も可能となる。
【0031】
また、本発明によれば、慣性エネルギーの大きな回転ドラムの起動、加減速を短時間のサイクルのうちに繰り返し行う動力回生のできるモータの特性を遠心分離機に適合でき、オーバシュートやアンダシュートの低減がはかれ、安定した動作を実現可能な吊下型遠心分離機を提供することができる。更に、低速域でのトルクリップルによるフレキシブルカップリングによる異音発生抑制の制御も可能となる派生的効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における吊下型遠心分離機のモータ駆動制御部の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図3】永久磁石形同期モータを適用して吊下型遠心分離機を制御した際の回転速度制御曲線のデータを示すグラフである(オーバシュート)。
【図4】従来の吊下型遠心分離機を制御した際の回転速度制御曲線のデータを示すグラフである(オーバシュート)。
【図5】永久磁石形同期モータを適用して吊下型遠心分離機を制御した際の回転速度制御曲線のデータを示すグラフである(アンダシュート)。
【図6】従来の吊下型遠心分離機を制御した際の回転速度制御曲線のデータを示すグラフである(アンダシュート)。
【符号の説明】
1…モータ駆動制御部、2…パラメータ設定部、3…制御対象、11…可変PI制御部、12…フィードフォワード制御部、13…等価外乱補償制御部、14…システム慣性量自動補償関数生成部

Claims (7)

  1. モータにフレキシブルカップリングを介して回転ドラムが結合される吊下型遠心分離機であって、
    前記モータの目標回転速度の偏差量が第1の設定値になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御と可変PI制御および等価外乱補償制御の組み合わせによる進み補償制御を行い、前記目標回転速度の偏差量が第1の設定値になったときに固定PI制御を行うモータ駆動制御部、
    を備えたことを特徴とする吊下型遠心分離機。
  2. 前記モータ駆動制御部は、
    前記モータの回転速度の偏差量が第2の設定値になるまでは負荷慣性量に応じた前記進み補償制御を用い、前記第2の設定値以下では、定格慣性量の第3の設定値になるまで順次減少させるための関数を生成するシステム慣性量自動補償関数生成部、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の吊下型遠心分離機。
  3. 前記モータに永久磁石型同期モータを用い、回転子に埋め込まれた永久磁石の起磁力を用いて回転数の算出を行い、前記モータ駆動制御部へ通知することを特徴とする請求項1または2に記載の吊下型遠心分離機。
  4. 前記モータ駆動制御部は、
    前記モータに対し、指示値として入力される設定入力と前記モータの状態量との偏差を、比例ゲインと積分ゲインから成る伝達関数を前記モータに印加して動作を安定させる可変PI制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の吊下型遠心分離機。
  5. 前記モータ駆動制御部は、
    前記設定入力と状態量の差異を0に維持するフィードフォワード制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の吊下型遠心分離機。
  6. 前記モータ駆動制御部は、
    前記モータの運転特性に影響を与える負荷慣性量、および前記パラメータ変動による影響を少なくとする等価外乱補償制御部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の吊下型遠心分離機。
  7. モータにフレキシブルカップリングを介して回転ドラムが結合される吊下型遠心分離機におけるモータ駆動制御方法であって、
    前記モータの目標回転速度の偏差量が第1の設定値になるまでその負荷慣性量に応じて、フィードフォワード制御と可変PI制御および等価外乱補償制御の組み合わせによる進み補償制御を行い、前記目標回転速度の偏差量が第1の設定値になったときに固定PI制御を行うこと、
    を特徴とする吊下型遠心分離機におけるモータ駆動方法。
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