JP2004350976A - 肺吸引用液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】衛生面、動作安定性の面で優れた肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置を提供することである。
【解決手段】肺吸引用液滴吐出装置は、液滴を吐出する吐出ヘッド部を有する液剤収納器1を収容する収容部を備え、吐出液滴を吸気と共に利用者が吸引する方式であって、吐出ヘッド部の液滴吐出面1aを覆う為の移動部材4(4a)を有する。移動部材4は、利用者の吸気に応じて吐出ヘッド部の液滴吐出面1aを覆う位置から移動して液滴吐出面1aを露出させ、吸気時以外では液滴吐出面1aを覆う位置を取る。
【選択図】 図1
【解決手段】肺吸引用液滴吐出装置は、液滴を吐出する吐出ヘッド部を有する液剤収納器1を収容する収容部を備え、吐出液滴を吸気と共に利用者が吸引する方式であって、吐出ヘッド部の液滴吐出面1aを覆う為の移動部材4(4a)を有する。移動部材4は、利用者の吸気に応じて吐出ヘッド部の液滴吐出面1aを覆う位置から移動して液滴吐出面1aを露出させ、吸気時以外では液滴吐出面1aを覆う位置を取る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者が薬剤などの液剤の小液滴を肺に吸入する為に用いられる肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、タンパク製剤の薬液などの患者への投与は皮下注射によって行われていた。この際、投与量はシリンダー目盛りの目視確認にて調整される。
【0003】
しかし、近来、皮下注射器は、苦痛を伴うこと、針痕が傷として残ること、同じ個所に重ねてできないこと、他の薬物の投与器として流用されやすいこと、廃棄の問題があること等の問題があり、生理的、器具管理的にも扱い難くなってきているため、皮下注射器以外の投薬器が求められている。
【0004】
こうした状況において、近年、薬液を微細液滴化(例えば、液滴径が3ミクロン程度)することにより、気管、肺を通して血液中にタンパク製剤などを投与出来ることが分かって来た。そこで、従来のインクジェット技術により微細薬液滴をインクジェット方式の薬液カートリッジ等から吐出させ、それを患者が肺吸引することで薬液投与できる器具が提案されて来ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この為の肺吸引用液滴吐出装置(典型的には肺吸引式投薬器)を構成する場合、その衛生面の管理、動作安定性及び安全性の確保、保守等、色々な課題が存在する。
(1)例えば、カートリッジの吐出ヘッド部の液滴噴出面では、乾燥等による薬液の増粘、化学反応の進行、細菌の増殖、固着化によるノズルの目詰まり等の弊害が起こり易い。
(2)また、使用していると、カートリッジのノズル近傍が吐出薬液の蓄積により濡れてきたり、薬液中に混入している異物がノズル近傍に付着したり、液滴が吐出不能になる様なことがある。
(3)さらに、ミスト化できなかった薬液ドロップがカートリッジ付近に残ったり、薬液を強く吸引した時にカートリッジより直接薬液をミスト化せず吸引してしまう様な恐れもある。こうしたドロップ状薬液は気管支を閉鎖したり、消化器系に導引された時、患者にとって危険な場合がある。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、特に衛生面、動作安定性の面で優れた肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する本発明の肺吸引用液滴吐出装置は、液滴を吐出する吐出ヘッド部を有する液剤収納器を収容する収容部を備え、該吐出液滴を吸気と共に利用者が吸引する方式の液滴吐出装置であって、吐出ヘッド部の液滴吐出面を覆う為の移動部材を有し、該移動部材は、利用者の吸気に応じて吐出ヘッド部の液滴吐出面を覆う位置から移動して液滴吐出面を露出させ、吸気時以外では該液滴吐出面を覆う位置を取るように構成されていることを特徴とする。この移動部材は、例えば、吸気時にはキャッピング位置から移動し、吸気状態を検知する圧力センサなどの検知に基づいてカートリッジが電気的に制御され、それ以外ではキャッピング位置に戻されるような単純なキャップ部材でもよい。この移動がスライド移動などで行われる場合は、液滴吐出面のクリーニングも容易に行われ得て、液滴吐出面をより清潔に保てる。
【0008】
或いは、吸気に応じて移動する次の様なピストン部材が上記移動部材を兼ねる構成も可能である。すなわち、この構成では、移動部材が、使用時に利用者の口と連通する開口部を持つシリンダー部材内に、前記液滴吐出面を覆う位置である第1の位置と液滴吐出面をシリンダー部材内に露出させる位置である第2の位置との間で可動に、設けられたピストン部材であり、吸気時以外にピストン部材が第1の位置を取るときシリンダー部材内のピストン部材の開口部側に第1の室が形成され、利用者の吸気に応じてピストン部材が第2の位置を取るときシリンダー部材内のピストン部材の開口部反対側に第2の室が形成される様に構成され、ピストン部材が第1の位置から第2の位置方向に移動することを検知して液滴吐出面から所望所定量の液滴を第2の室内に噴出させる為の検知手段が設けられ、ピストン部材は、第2の位置を取ったときに第2の室内に噴出された液滴を第2の室から開口部側へと吸気と共に流れさせる様に構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を明らかにすべく具体的な実施例を図に沿って説明する。
【0010】
(第1の実施例)
図1乃至図4に肺吸引式投薬器(肺吸引用液滴吐出装置)である第1の実施例を示す。図1は使用開始前の状態を示す断面図であり、図2は使用開始後の状態を示す断面図である。
【0011】
これらの図において、1は薬液カートリッジであり、これは、薬液収納タンク(不図示)、液滴吐出面であるフェイス面部1aを持つ薬液吐出ヘッド、手で持つ所のグリップ部1b、ホールド溝部1cを有する。このカートリッジ1は、肺吸引式投薬器の本体部を構成するシリンダー部材3から突出したカートリッジ収容部に交換自在に収納できる様になっている。カートリッジ1は、収容部のカートリッジホールド部3cがカートリッジ1のホールド溝部1cに収まったとき正規位置に取り付けられる。カートリッジ1は収納部内に収まったとき、その表面に露出した複数の電気コンタクトを介して、装置全体を電気的に制御するコントローラ部(不図示)に導通する。シリンダー部材3の前端部からは、利用者(患者)の呼吸器官と連通させる為の銜え口部3aがシリンダー部材3と一体に連通して同方向に伸びており、上記カートリッジ収容部はシリンダー部材3の後端部付近からその伸長方向に対して直角に突出している。
【0012】
シリンダー部材3内には、キャップ部4aを持つピストン部材4が滑らかに摺動可能に嵌め込まれていると共に、ピストン部材4をシリンダー部材3の後端部方向に付勢している圧縮コイルバネ6が収められている。圧縮コイルバネ6は、シリンダー部材3の前端部に形成されたバネ座3bとピストン部材4内に形成された円筒部4bの間に渡されている。ピストン部材4の円筒部4bとピストン部材4の後端部に嵌め込まれたブレードパッキン8内には、連通溝部2aと弁座部2bを持つ弁プラグ2が可動に収められている。ブレードパッキン8はブレード部8aと弁パッキン部8bを備え、ピストン部材4の弁座部2bと弁パッキン部8bが当接するときには連通溝部2aは閉鎖状態になり、離れるときには開放状態になる。図1のAA矢視断面図である図3に、シリンダー部材3とピストン部材4と弁プラグ2の横断面形状、及び連通溝部2aを備える弁プラグ2とピストン部材4の嵌合関係が示されている。また、図2のBB矢視図である図4には、弁プラグ2の貫通する円形孔を中央部に備え、ブレード部8aと弁パッキン部8bを持つブレードパッキン8の正面から見た形状が示されている。この様にブレード部にピストン部材4に取り付けられたシールパッキン材を利用すれば、ピストン動作がワイピング・クリーニング動作となり、部品点数も多くならず、コストを安価に抑えられる。
【0013】
シリンダー部材3の後端部には、ピストン部材4が後端位置に来たこと、すなわちピストン部材4の後端位置での存否を検知する為の圧力センサ(近接スイッチ)7、シリンダー部材3内部と外部間を自身の弾性力で通常は閉鎖する逆止弁膜9が設けられている。また、シリンダー部材3の後端部のブレードパッキン8のブレード部8aが来る所には、弾性材から成る廃薬液等の吸収体5が固定されている。コントローラ部(不図示)用の電源としては、例えば、バッテリを収容する為のバッテリ収容部が設けられる。
【0014】
本実施例のカートリッジ1は、熱或いは圧電効果を利用したインクジェット方式に基づいて液状の薬剤を微小液滴として吐出する。これはプリンタなどの記録装置で実用化されているインクジェット方式と呼ばれる方式と基本的に同じであるが、医療用として使用するために、吐出ヘッドや薬液タンクについて記録装置とは異なる特徴を幾つか有している。例えば、吐出ヘッドの構成材料としては、薬剤などと反応しない金メッキされたもの、セラミック、ガラスなどを用いる。また、吐出する薬剤の種類や投与の方法(肺まで到達させる必要があるか否か等)に応じて、薬液吐出面の吐出口(ノズル)の配列や形状を異なったものとする。
【0015】
本実施例において、熱を利用したインクジェット方式に基づいて液状の薬剤を微小液滴として吐出する場合、この方式は駆動波形をパルス状とすることで、吐出される液滴の数をパルスの数によって制御できるため、吐出量を正確に管理する用途に適している。ピストン部材4の1往復単位の薬量が決定でき、利用者は必要薬量をピストン部材4の往復回数、即ち、呼吸数で管理できる。
【0016】
しかしながら本実施例では、医療用として使用するために記録装置とは異なる吐出制御を行っている。すなわち、記録装置は紙などの記録媒体に上方からインクを吐出して記録を行うが、本実施例の吐出装置ないし吸入器では、ミストあるいはエアロゾル状となるように薬剤を吐出して利用者の吸入空気と共に薬剤を肺まで到達させる必要がある。このため、通常の記録装置よりも液滴のサイズを遥かに小さくし、かつこの様な小さなサイズの液滴を適量だけ確実に吐出させるように制御する必要がある。液滴のサイズが小さくなると、吐出された液滴の運動エネルギーが小さいため、弾道が決まらないが、吐出方向については記録装置の様にヨレ量を小とする必要はなく、同時吐出した液滴同士が反発して、ヨレが大きくなってもよい。
【0017】
従って、本実施例では、利用者の空気吸入のプロファイル(パターン)に応じて駆動パラメータを変化させる。例えば、空気吸入の際、単位時間当たりの吸入量は開始時点が多く、終了直前には少なくなる。従って、吸入時間(1秒から2秒)内に複数回の吐出を行う場合、最初の吐出と最後の吐出とでは吐出速度や駆動周波数などを変化させる。また、吐出方式を変えたり、主滴/副滴の割合を変えたりしてもよい。
【0018】
次に本実施例の動作を説明する。図1の使用開始前の状態では、ピストン部材4はバネ6の作用で後端位置(第1の位置)にあって、カートリッジ1のフェイス面部1aはピストン部材4のキャップ部4aによってキャッピングされた状態にある。また、ピストン部材4はバネ6の力で図1右方に押され、弁プラグ2はシリンダー部材3の後端面に当って図1左方に押されているので、弁座部2bとブレードパッキン8の弁パッキン部8bは閉鎖状態にある。こうして、バネ6により、シリンダー部材3のピストン部材4左側の部分には最大容積の左室(第1の室)が形成され、右側の右室(第2の室)は無容積状態にある。
【0019】
この状態から使用を開始した後の動作を図2に沿って説明する。患者が銜え口部3aを銜えて吸気を始めると、左室の空気が吸引されて、ピストン部材4がバネ6の力、ピストン部材4及びブレードパッキン8とシリンダー部材3の内壁面との摩擦力に抗して左方に移動し始め、そして逆止弁膜9が外気圧に押されて開放されて空気が右室に流入し始め、右室容積が拡大する。
【0020】
さらに、圧力センサ7からブレードパッキン8が離れることにより、それが検知されてカートリッジ1のドライブ電源が入り、カートリッジ1はピストン部材4のキャップ部4aの通過時間を待って(本実施例では、コントローラ部でこの様に設定してある)、フェイス面部1aから一定量の薬液を小液滴として吐出する。
【0021】
吸気の過程でピストン部材4がシリンダー部材3の左端の位置(第2の位置)へ到達すると、図2に示す如く弁プラグ2の前端部がバネ座3bに衝突して弁プラグ2がピストン部材4に対して右方に動き、弁座部2bが弁パッキン部8bから離れて開放状態になる。ピストン部材4が左方に移動している間は、弁座部2bと弁パッキン部8bは初めの状態を維持して閉鎖状態にある。弁座部2bと弁パッキン部8bの開放状態において、患者の肺活量はシリンダー部材3の左室最大容積より充分大である為、右室側に吐出された薬液ミストは連通溝部2aを通過し、銜え口部3aを通って患者の肺に到達する。この際、曲折した通路となる連通溝部2aの通過は、カートリッジフェイス面1aが覗くミスト室(右室)より別の室に薬液ミストを一度導き入れそこから吸引することを実現するので、薬液ドロップトラップとして働くことになり、安全性が向上する。
【0022】
続いて、以上の動作に続く患者の鼻からの吸気モードにより、吸気の力がピストン部材4に働かなくなり、弁座部2bと弁パッキン部8bが開放状態を保ったままバネ6によりピストン部材4は右側に移動し始める。このとき、逆止弁膜9は自身の弾性力で閉鎖状態に戻る為、収縮しつつある右室側に残った一回の吸気で吸いきれなかった薬液ミスト残部を含む空気は、拡大しつつある左室側に流入する。この薬液ミスト残部は次の吸気で患者に吸入されることになって、投薬量の正確な投与が可能となる。
【0023】
ピストン部材4が右端位置に近づいてくるとき、ブレード部8aはシリンダー部材3の内壁を拭きながら進行してきて、カートリッジ1のフェイス面部1aをワイピングする。
【0024】
さらに進んで弁プラグ2がシリンダー部材3の右端壁に衝突すると、弁座部2bと弁パッキン部8bは閉鎖されて図1の状態に戻る。このとき圧力センサ7はブレードパッキン8を検出して、次の吸気過程に備える。ブレード部8aによりフェイス面部1a等で拭い取られた廃薬液物、唾等は、弾性吸収体5によって吸収される。そして、フェイス面部1aはピストン部材4のキャップ部4aによりキャッピングされた状態となる。
【0025】
2回目以降の吸気により、上記過程が繰り返される。患者毎の投薬量は次の様な方法で決定され得る。例えば、図示していないコントローラ部に予め記憶してあるカートリッジ1からの一定薬液吐出量の吸引回数を管理することにより決定できる。この吸引回数のカウントは患者が行なう。本実施例の構成では、患者の吸気には、ピストン部材4の移動摩擦、圧縮コイルばね6の負荷、逆止弁膜9の開放抵抗などが必要となって、患者の意識呼吸となる為、吸気回数を正確にカウントすることができ、投薬量管理が容易となる。
【0026】
或いは、吸引回数を一定とし、カートリッジ1からの1回分の薬液吐出量を患者毎に調整して薬液を吐出させるようにした情報をコントローラ部に記憶しておいて、投薬量を管理してもよい。
【0027】
実験によると、薬液ミスト粒径3ミクロン、1ノズルあたり1ミスト粒吐出、1カートリッジ320ノズル、50kHzバースト吐出駆動、1吸気あたり1秒間吐出、5回吸気の時、約1ミクロンリットルの薬液投与量を得ることができた。薬液ミスト粒径3ミクロンの時、ほぼ全ミスト粒が肺吸引可能となり、この投与量は、標準的な遺伝型糖尿病患者が必要とするインスリンの1回あたりの投薬量に相当する。上記第1の投薬量管理法の場合は、患者の重度に合わせて吸気回数を決めることになる。上記第2の投薬量管理法の場合は、コントローラ部により吐出駆動周波数や1吸気あたりの吐出時間を患者重度に合わせて調整し、1吸気あたりの投薬量を決めることになる。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、吸引時以外にはカートリッジなどの液剤収納器のフェイス面部は移動部材でキャップされるので、フェイス面部が比較的清潔に保たれて、衛生面、動作安定性の面で優れた肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の肺吸引用液滴吐出装置の第1の実施例のスタンバイ状態の模式断面図である。
【図2】図2は第1の実施例の吸気操作時の模式断面図である。
【図3】図3は図1のAA矢視断面図である。
【図4】図4は図2のブレードパッキンのBB矢視図である。
【符号の説明】
1 カートリッジ
1a カートリッジのフェイス面部(液滴吐出面)
1b カートリッジのグリップ部
1c カートリッジのホールド溝部
2 弁プラグ
2a 連通溝部
2b 弁座部
3 シリンダー部材
3a 銜え口部
3b バネ座
3c カートリッジホールド部
4 ピストン部材
4a ピストン部材のキャップ部
4b ピストン部材の円筒部
5 弾性吸収体
6 圧縮コイルバネ
7 圧力センサ(近接スイッチ)
8 ブレードパッキン
8a ブレード部
8b 弁パッキン部
9 逆止弁膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者が薬剤などの液剤の小液滴を肺に吸入する為に用いられる肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、タンパク製剤の薬液などの患者への投与は皮下注射によって行われていた。この際、投与量はシリンダー目盛りの目視確認にて調整される。
【0003】
しかし、近来、皮下注射器は、苦痛を伴うこと、針痕が傷として残ること、同じ個所に重ねてできないこと、他の薬物の投与器として流用されやすいこと、廃棄の問題があること等の問題があり、生理的、器具管理的にも扱い難くなってきているため、皮下注射器以外の投薬器が求められている。
【0004】
こうした状況において、近年、薬液を微細液滴化(例えば、液滴径が3ミクロン程度)することにより、気管、肺を通して血液中にタンパク製剤などを投与出来ることが分かって来た。そこで、従来のインクジェット技術により微細薬液滴をインクジェット方式の薬液カートリッジ等から吐出させ、それを患者が肺吸引することで薬液投与できる器具が提案されて来ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この為の肺吸引用液滴吐出装置(典型的には肺吸引式投薬器)を構成する場合、その衛生面の管理、動作安定性及び安全性の確保、保守等、色々な課題が存在する。
(1)例えば、カートリッジの吐出ヘッド部の液滴噴出面では、乾燥等による薬液の増粘、化学反応の進行、細菌の増殖、固着化によるノズルの目詰まり等の弊害が起こり易い。
(2)また、使用していると、カートリッジのノズル近傍が吐出薬液の蓄積により濡れてきたり、薬液中に混入している異物がノズル近傍に付着したり、液滴が吐出不能になる様なことがある。
(3)さらに、ミスト化できなかった薬液ドロップがカートリッジ付近に残ったり、薬液を強く吸引した時にカートリッジより直接薬液をミスト化せず吸引してしまう様な恐れもある。こうしたドロップ状薬液は気管支を閉鎖したり、消化器系に導引された時、患者にとって危険な場合がある。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、特に衛生面、動作安定性の面で優れた肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する本発明の肺吸引用液滴吐出装置は、液滴を吐出する吐出ヘッド部を有する液剤収納器を収容する収容部を備え、該吐出液滴を吸気と共に利用者が吸引する方式の液滴吐出装置であって、吐出ヘッド部の液滴吐出面を覆う為の移動部材を有し、該移動部材は、利用者の吸気に応じて吐出ヘッド部の液滴吐出面を覆う位置から移動して液滴吐出面を露出させ、吸気時以外では該液滴吐出面を覆う位置を取るように構成されていることを特徴とする。この移動部材は、例えば、吸気時にはキャッピング位置から移動し、吸気状態を検知する圧力センサなどの検知に基づいてカートリッジが電気的に制御され、それ以外ではキャッピング位置に戻されるような単純なキャップ部材でもよい。この移動がスライド移動などで行われる場合は、液滴吐出面のクリーニングも容易に行われ得て、液滴吐出面をより清潔に保てる。
【0008】
或いは、吸気に応じて移動する次の様なピストン部材が上記移動部材を兼ねる構成も可能である。すなわち、この構成では、移動部材が、使用時に利用者の口と連通する開口部を持つシリンダー部材内に、前記液滴吐出面を覆う位置である第1の位置と液滴吐出面をシリンダー部材内に露出させる位置である第2の位置との間で可動に、設けられたピストン部材であり、吸気時以外にピストン部材が第1の位置を取るときシリンダー部材内のピストン部材の開口部側に第1の室が形成され、利用者の吸気に応じてピストン部材が第2の位置を取るときシリンダー部材内のピストン部材の開口部反対側に第2の室が形成される様に構成され、ピストン部材が第1の位置から第2の位置方向に移動することを検知して液滴吐出面から所望所定量の液滴を第2の室内に噴出させる為の検知手段が設けられ、ピストン部材は、第2の位置を取ったときに第2の室内に噴出された液滴を第2の室から開口部側へと吸気と共に流れさせる様に構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を明らかにすべく具体的な実施例を図に沿って説明する。
【0010】
(第1の実施例)
図1乃至図4に肺吸引式投薬器(肺吸引用液滴吐出装置)である第1の実施例を示す。図1は使用開始前の状態を示す断面図であり、図2は使用開始後の状態を示す断面図である。
【0011】
これらの図において、1は薬液カートリッジであり、これは、薬液収納タンク(不図示)、液滴吐出面であるフェイス面部1aを持つ薬液吐出ヘッド、手で持つ所のグリップ部1b、ホールド溝部1cを有する。このカートリッジ1は、肺吸引式投薬器の本体部を構成するシリンダー部材3から突出したカートリッジ収容部に交換自在に収納できる様になっている。カートリッジ1は、収容部のカートリッジホールド部3cがカートリッジ1のホールド溝部1cに収まったとき正規位置に取り付けられる。カートリッジ1は収納部内に収まったとき、その表面に露出した複数の電気コンタクトを介して、装置全体を電気的に制御するコントローラ部(不図示)に導通する。シリンダー部材3の前端部からは、利用者(患者)の呼吸器官と連通させる為の銜え口部3aがシリンダー部材3と一体に連通して同方向に伸びており、上記カートリッジ収容部はシリンダー部材3の後端部付近からその伸長方向に対して直角に突出している。
【0012】
シリンダー部材3内には、キャップ部4aを持つピストン部材4が滑らかに摺動可能に嵌め込まれていると共に、ピストン部材4をシリンダー部材3の後端部方向に付勢している圧縮コイルバネ6が収められている。圧縮コイルバネ6は、シリンダー部材3の前端部に形成されたバネ座3bとピストン部材4内に形成された円筒部4bの間に渡されている。ピストン部材4の円筒部4bとピストン部材4の後端部に嵌め込まれたブレードパッキン8内には、連通溝部2aと弁座部2bを持つ弁プラグ2が可動に収められている。ブレードパッキン8はブレード部8aと弁パッキン部8bを備え、ピストン部材4の弁座部2bと弁パッキン部8bが当接するときには連通溝部2aは閉鎖状態になり、離れるときには開放状態になる。図1のAA矢視断面図である図3に、シリンダー部材3とピストン部材4と弁プラグ2の横断面形状、及び連通溝部2aを備える弁プラグ2とピストン部材4の嵌合関係が示されている。また、図2のBB矢視図である図4には、弁プラグ2の貫通する円形孔を中央部に備え、ブレード部8aと弁パッキン部8bを持つブレードパッキン8の正面から見た形状が示されている。この様にブレード部にピストン部材4に取り付けられたシールパッキン材を利用すれば、ピストン動作がワイピング・クリーニング動作となり、部品点数も多くならず、コストを安価に抑えられる。
【0013】
シリンダー部材3の後端部には、ピストン部材4が後端位置に来たこと、すなわちピストン部材4の後端位置での存否を検知する為の圧力センサ(近接スイッチ)7、シリンダー部材3内部と外部間を自身の弾性力で通常は閉鎖する逆止弁膜9が設けられている。また、シリンダー部材3の後端部のブレードパッキン8のブレード部8aが来る所には、弾性材から成る廃薬液等の吸収体5が固定されている。コントローラ部(不図示)用の電源としては、例えば、バッテリを収容する為のバッテリ収容部が設けられる。
【0014】
本実施例のカートリッジ1は、熱或いは圧電効果を利用したインクジェット方式に基づいて液状の薬剤を微小液滴として吐出する。これはプリンタなどの記録装置で実用化されているインクジェット方式と呼ばれる方式と基本的に同じであるが、医療用として使用するために、吐出ヘッドや薬液タンクについて記録装置とは異なる特徴を幾つか有している。例えば、吐出ヘッドの構成材料としては、薬剤などと反応しない金メッキされたもの、セラミック、ガラスなどを用いる。また、吐出する薬剤の種類や投与の方法(肺まで到達させる必要があるか否か等)に応じて、薬液吐出面の吐出口(ノズル)の配列や形状を異なったものとする。
【0015】
本実施例において、熱を利用したインクジェット方式に基づいて液状の薬剤を微小液滴として吐出する場合、この方式は駆動波形をパルス状とすることで、吐出される液滴の数をパルスの数によって制御できるため、吐出量を正確に管理する用途に適している。ピストン部材4の1往復単位の薬量が決定でき、利用者は必要薬量をピストン部材4の往復回数、即ち、呼吸数で管理できる。
【0016】
しかしながら本実施例では、医療用として使用するために記録装置とは異なる吐出制御を行っている。すなわち、記録装置は紙などの記録媒体に上方からインクを吐出して記録を行うが、本実施例の吐出装置ないし吸入器では、ミストあるいはエアロゾル状となるように薬剤を吐出して利用者の吸入空気と共に薬剤を肺まで到達させる必要がある。このため、通常の記録装置よりも液滴のサイズを遥かに小さくし、かつこの様な小さなサイズの液滴を適量だけ確実に吐出させるように制御する必要がある。液滴のサイズが小さくなると、吐出された液滴の運動エネルギーが小さいため、弾道が決まらないが、吐出方向については記録装置の様にヨレ量を小とする必要はなく、同時吐出した液滴同士が反発して、ヨレが大きくなってもよい。
【0017】
従って、本実施例では、利用者の空気吸入のプロファイル(パターン)に応じて駆動パラメータを変化させる。例えば、空気吸入の際、単位時間当たりの吸入量は開始時点が多く、終了直前には少なくなる。従って、吸入時間(1秒から2秒)内に複数回の吐出を行う場合、最初の吐出と最後の吐出とでは吐出速度や駆動周波数などを変化させる。また、吐出方式を変えたり、主滴/副滴の割合を変えたりしてもよい。
【0018】
次に本実施例の動作を説明する。図1の使用開始前の状態では、ピストン部材4はバネ6の作用で後端位置(第1の位置)にあって、カートリッジ1のフェイス面部1aはピストン部材4のキャップ部4aによってキャッピングされた状態にある。また、ピストン部材4はバネ6の力で図1右方に押され、弁プラグ2はシリンダー部材3の後端面に当って図1左方に押されているので、弁座部2bとブレードパッキン8の弁パッキン部8bは閉鎖状態にある。こうして、バネ6により、シリンダー部材3のピストン部材4左側の部分には最大容積の左室(第1の室)が形成され、右側の右室(第2の室)は無容積状態にある。
【0019】
この状態から使用を開始した後の動作を図2に沿って説明する。患者が銜え口部3aを銜えて吸気を始めると、左室の空気が吸引されて、ピストン部材4がバネ6の力、ピストン部材4及びブレードパッキン8とシリンダー部材3の内壁面との摩擦力に抗して左方に移動し始め、そして逆止弁膜9が外気圧に押されて開放されて空気が右室に流入し始め、右室容積が拡大する。
【0020】
さらに、圧力センサ7からブレードパッキン8が離れることにより、それが検知されてカートリッジ1のドライブ電源が入り、カートリッジ1はピストン部材4のキャップ部4aの通過時間を待って(本実施例では、コントローラ部でこの様に設定してある)、フェイス面部1aから一定量の薬液を小液滴として吐出する。
【0021】
吸気の過程でピストン部材4がシリンダー部材3の左端の位置(第2の位置)へ到達すると、図2に示す如く弁プラグ2の前端部がバネ座3bに衝突して弁プラグ2がピストン部材4に対して右方に動き、弁座部2bが弁パッキン部8bから離れて開放状態になる。ピストン部材4が左方に移動している間は、弁座部2bと弁パッキン部8bは初めの状態を維持して閉鎖状態にある。弁座部2bと弁パッキン部8bの開放状態において、患者の肺活量はシリンダー部材3の左室最大容積より充分大である為、右室側に吐出された薬液ミストは連通溝部2aを通過し、銜え口部3aを通って患者の肺に到達する。この際、曲折した通路となる連通溝部2aの通過は、カートリッジフェイス面1aが覗くミスト室(右室)より別の室に薬液ミストを一度導き入れそこから吸引することを実現するので、薬液ドロップトラップとして働くことになり、安全性が向上する。
【0022】
続いて、以上の動作に続く患者の鼻からの吸気モードにより、吸気の力がピストン部材4に働かなくなり、弁座部2bと弁パッキン部8bが開放状態を保ったままバネ6によりピストン部材4は右側に移動し始める。このとき、逆止弁膜9は自身の弾性力で閉鎖状態に戻る為、収縮しつつある右室側に残った一回の吸気で吸いきれなかった薬液ミスト残部を含む空気は、拡大しつつある左室側に流入する。この薬液ミスト残部は次の吸気で患者に吸入されることになって、投薬量の正確な投与が可能となる。
【0023】
ピストン部材4が右端位置に近づいてくるとき、ブレード部8aはシリンダー部材3の内壁を拭きながら進行してきて、カートリッジ1のフェイス面部1aをワイピングする。
【0024】
さらに進んで弁プラグ2がシリンダー部材3の右端壁に衝突すると、弁座部2bと弁パッキン部8bは閉鎖されて図1の状態に戻る。このとき圧力センサ7はブレードパッキン8を検出して、次の吸気過程に備える。ブレード部8aによりフェイス面部1a等で拭い取られた廃薬液物、唾等は、弾性吸収体5によって吸収される。そして、フェイス面部1aはピストン部材4のキャップ部4aによりキャッピングされた状態となる。
【0025】
2回目以降の吸気により、上記過程が繰り返される。患者毎の投薬量は次の様な方法で決定され得る。例えば、図示していないコントローラ部に予め記憶してあるカートリッジ1からの一定薬液吐出量の吸引回数を管理することにより決定できる。この吸引回数のカウントは患者が行なう。本実施例の構成では、患者の吸気には、ピストン部材4の移動摩擦、圧縮コイルばね6の負荷、逆止弁膜9の開放抵抗などが必要となって、患者の意識呼吸となる為、吸気回数を正確にカウントすることができ、投薬量管理が容易となる。
【0026】
或いは、吸引回数を一定とし、カートリッジ1からの1回分の薬液吐出量を患者毎に調整して薬液を吐出させるようにした情報をコントローラ部に記憶しておいて、投薬量を管理してもよい。
【0027】
実験によると、薬液ミスト粒径3ミクロン、1ノズルあたり1ミスト粒吐出、1カートリッジ320ノズル、50kHzバースト吐出駆動、1吸気あたり1秒間吐出、5回吸気の時、約1ミクロンリットルの薬液投与量を得ることができた。薬液ミスト粒径3ミクロンの時、ほぼ全ミスト粒が肺吸引可能となり、この投与量は、標準的な遺伝型糖尿病患者が必要とするインスリンの1回あたりの投薬量に相当する。上記第1の投薬量管理法の場合は、患者の重度に合わせて吸気回数を決めることになる。上記第2の投薬量管理法の場合は、コントローラ部により吐出駆動周波数や1吸気あたりの吐出時間を患者重度に合わせて調整し、1吸気あたりの投薬量を決めることになる。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、吸引時以外にはカートリッジなどの液剤収納器のフェイス面部は移動部材でキャップされるので、フェイス面部が比較的清潔に保たれて、衛生面、動作安定性の面で優れた肺吸引式投薬器などの肺吸引用液滴吐出装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の肺吸引用液滴吐出装置の第1の実施例のスタンバイ状態の模式断面図である。
【図2】図2は第1の実施例の吸気操作時の模式断面図である。
【図3】図3は図1のAA矢視断面図である。
【図4】図4は図2のブレードパッキンのBB矢視図である。
【符号の説明】
1 カートリッジ
1a カートリッジのフェイス面部(液滴吐出面)
1b カートリッジのグリップ部
1c カートリッジのホールド溝部
2 弁プラグ
2a 連通溝部
2b 弁座部
3 シリンダー部材
3a 銜え口部
3b バネ座
3c カートリッジホールド部
4 ピストン部材
4a ピストン部材のキャップ部
4b ピストン部材の円筒部
5 弾性吸収体
6 圧縮コイルバネ
7 圧力センサ(近接スイッチ)
8 ブレードパッキン
8a ブレード部
8b 弁パッキン部
9 逆止弁膜
Claims (10)
- 液滴を吐出する吐出ヘッド部を有する液剤収納器を収容する収容部を備え、該吐出液滴を吸気と共に利用者が吸引する方式の液滴吐出装置であって、吐出ヘッド部の液滴吐出面を覆う為の移動部材を有し、該移動部材は、利用者の吸気に応じて吐出ヘッド部の液滴吐出面を覆う位置から移動して液滴吐出面を露出させ、吸気時以外では該液滴吐出面を覆う位置を取るように構成されていることを特徴とする肺吸引用液滴吐出装置。
- 前記移動部材は、使用時に利用者の口と連通する開口部を持つシリンダー部材内に、前記液滴吐出面を覆う位置である第1の位置と液滴吐出面をシリンダー部材内に露出させる位置である第2の位置との間で可動に、設けられたピストン部材であり、吸気時以外にピストン部材が第1の位置を取るときシリンダー部材内のピストン部材の開口部側に第1の室が形成され、利用者の吸気に応じてピストン部材が第2の位置を取るときシリンダー部材内のピストン部材の開口部反対側に第2の室が形成される様に構成され、ピストン部材が第1の位置から第2の位置方向に移動することを検知して液滴吐出面から所望所定量の液滴を第2の室内に噴出させる為の検知手段が設けられ、ピストン部材は、第2の位置を取ったときに第2の室内に噴出された液滴を第2の室から開口部側へと吸気と共に流れさせる様に構成されている請求項1記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- ピストン部材は、吸気時以外に第1の位置を取る様に第1の位置方向にバネ付勢されており、吸気時に吸気の力でバネ付勢力に抗して第2の位置にもたらされる様に構成されている請求項2記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- ピストン部材は、第2の位置から第1の位置方向に移動するときに第2の室から第1の室へと空気を流れさせる様に構成されている請求項2または3記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- ピストン部材は可動な弁プラグを具備しており、弁プラグは、吸気時には第1の室と第2の室を非連通状態に置く閉鎖位置にあり、ピストン部材が第2の位置に到達するとシリンダー部材の端部に設置された突起部に衝突して閉鎖位置から動いて第1の室と第2の室を連通状態に置く開放位置にもたらされ、ピストン部材が第2の位置から第1の位置に移動する時には開放位置にあってピストン部材が第1の位置に到達すると閉鎖位置にもたらされる様に構成されている請求項2乃至4の何れかに記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- 弁プラグはシールパッキンを介してピストン部材に可動に取り付けられ、シールパッキンにはピストン部材の移動時に吐出ヘッド部の液滴吐出面を清掃する為のワイピングブレードが一体に成形されている請求項5記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- ピストン部材が取る第1の位置側のシリンダー部材の端部には、ピストン部材が第1の位置に戻った時にワイピングブレードが当接するように設置された液剤等の吸収体がある請求項6記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- ピストン部材が取る第1の位置側のシリンダー部材の端部には、吸気時には開放され、ピストン部材が第2の位置から第1の位置側に移動する時には閉鎖される逆止弁が配置されている請求項2乃至7の何れかに記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- 検知手段は、ピストン部材が取る第1の位置側のシリンダー部材の端部に設置された第1の位置でのピストン部材の存否を検知する圧力センサである請求項2乃至8の何れかに記載の肺吸引用液滴吐出装置。
- 収容部は、利用者の吸気姿勢に対し吐出ヘッド部が上方に液滴を噴霧する様に液剤収納器を収容する構造を有する請求項1乃至9の何れかに記載の肺吸引用液滴吐出装置。
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2003
- 2003-05-29 JP JP2003153136A patent/JP2004350976A/ja active Pending
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