JP2004350870A - 発作通報装置 - Google Patents

発作通報装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004350870A
JP2004350870A JP2003151608A JP2003151608A JP2004350870A JP 2004350870 A JP2004350870 A JP 2004350870A JP 2003151608 A JP2003151608 A JP 2003151608A JP 2003151608 A JP2003151608 A JP 2003151608A JP 2004350870 A JP2004350870 A JP 2004350870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seizure
notification
report
reporting
brain wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003151608A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Yamaguchi
功 山口
Kazuhisa Ichikawa
一寿 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2003151608A priority Critical patent/JP2004350870A/ja
Publication of JP2004350870A publication Critical patent/JP2004350870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Alarm Systems (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】癲癇の発作を脳波に基づいて判別し通報する。
【解決手段】患者の頭部に装着された測定電極10,基準電極20からの脳波時系列データを位相解析部50により位相空間上の脳波軌跡に変換する。特徴量算出部60は,脳波軌跡から特徴量を算出する。マハラノビス距離算出部90は,基準空間を基準にし特徴量のマハラノビス距離を求める。判定部100は,マハラノビス距離に従い,癲癇発作が起きているかどうかを判定する。通報制御部110は,発作の発生信号に応じて,通報予告部120を用いて発作発生の通報を行うことを患者に通知する。誤判別時,患者は,通報停止部130を用いて通報を停止できる。患者が発作状態にあれば,この予告に対して応えることができず,通報制御部110は一定時間待機した後に通報部150を用いてあらかじめ指定された通報先へ位置情報を含む通報を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,発作を伴う癲癇患者が発作を起こした際に,発作が起きている状態を認識して必要な救護者を派遣するための位置情報等を通報する技術に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
癲癇は,神経疾患の中では最も多い疾患の一つであり,罹病率は人口10万人につき0.5人で,日本の人口を1億2000万人とすると約60万人の患者がいると推定されている。癲癇発作の種類は,大発作,小発作(欠神発作),焦点発作(部分発作)など多数存在するが,特に大発作は全身のけいれん発作を特徴としており,意識を失い倒れ身体が固くなる,あるいは身体と四肢のけいれんが起きる。このような大発作時には意識は無く,終わると徐々に意識を回復するが,発作は1分から数分間持続し,倒れてけがをする場合もある。従って転倒によるけがの治療が必要となったり,発作後の症状が思わしくない場合には医師の診断が必要となったりする可能性がある。しかし,発作は時と場所を選ばずに発生するため,発作時および直後に救護が必要な場合でも適切な対応を取ることが困難であった。自宅や,繁華街など人の集まる場所であれば,近くに居る人が救護措置を取ることも可能であるが,野外人通りの少ない場所で発作が起きた場合などは特に救護措置を取ることが困難である。また,例え周囲に多数の人がいる場合でも,発作後の処置について専門知識を有する人が居るとは限らず,適切な救護措置を取れる人員が迅速に救護に向かうことが望ましい。
【0003】
従来,例えば発作時に患者が携行する装置を握り締めることにより発作の発生を通報する方法が考案されている(例えば特許文献1)。しかし,いつ発作が生じるか分からない状態で常時装置を手に持って行動することは,患者の行動を著しく制限しており,実用的とは言い難い。
【0004】
本発明は以上に鑑みてなされたものであり,頭部に装着した簡易な装置により,脳波を用いて癲癇発作を検出し,患者の位置や発作発生時刻の情報を通報して適切な対応を可能とするシステムの提供を目的とする。
【特許文献】
特開平8−77481号公報)
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。ここでは,発明を詳細に説明するのに先だって,特許請求の範囲の記載について補充的に説明を行なっておく。
【0006】
本発明の具体的な構成においては,癲癇発作を検出する手段として,本願出願人が先に提案した脳波判別技術,すなわち,10−20法におけるT5/T6の2点の測定電極を用いた脳波判別技術を用いる(特願2002−302610。
本願出願時未公開)。この技術は測定電極として左右対称な位置に存在する2点の電極から脳波(大脳誘発電位V)を測定し,位相空間解析によって得られる特徴量を用い,マハラノビス距離を計算して癲癇発作を検出することができる。まず,先の提案で示したように位相空間解析によって得られる特徴量であるV軸最大値,サブ回転数・総回転数の比(サブ回転数は,位相平面上で原点を含まない回転の数),RL/UB分布比(位相平面を左右上下の4象限に分け,左右の2象限における脳波軌跡のサンプル数と上下の2勝源における脳波軌跡のサンプル数の比)を用いて患者の非発作時の脳波を特徴付ける基準空間を作成しておく。
この基準空間におけるマハラノビス距離は,非発作時の脳波は概ね1となるが,発作時には1より大きな値を持つ。あらかじめ患者の発作時脳波のマハラノビス距離を計算し,その最低マハラノビス距離を閾値として用いることにより,その閾値以上のマハラノビス距離が現れたときが癲癇発作が起きていることを示す。
【0007】
位相空間解析による特徴量算出の方法は,時系列脳波データに対して位相解析を行い得られた位相平面上で特徴量を算出するものである。すなわち,時系列の大脳誘発電位Vを,V−dV/dtの位相平面上にプロットし,得られた脳波軌跡に対して解析を行う。前記V軸と前記脳波軌跡との交点の集合を{V},前記dV/dt軸と前記脳波軌跡との交点の集合を{dV/dt}と定義する。V軸最大値は,前記{V}におけるV値の絶対値の最大値|Vmaxの値となる。
【数1】
Figure 2004350870
サブ回転数・総回転数の比(以下サブ・総回転数比)の算出方法は次に示す通りである。前記V−dV/dt位相平面上で前記脳波軌跡が原点を内部に含まないような回転した回数をサブ回転と定義し,Nsubとする。また,前記脳波軌跡が原点を含む含まないの如何にかかわらず回転した場合の回転した回数を総回転数と定義し,Nallとする。この時,サブ・総回転数比の計算は
【数2】
Figure 2004350870
となる。
【0008】
次に,RL/UB分布比の算出方法は,次に示す通りである。前記V軸を半時計回りに45度回転させた軸をV’軸,前記dV/dt軸を反時計回りに45度回転させた軸を(dV/dt)’軸と定義し,この二軸によって分割される位相平面上の4領域を次のように定義する。
位相平面上の任意の点を(x,y)とするとき
【数3】
Figure 2004350870
また,ここでは,位相平面上の脳波軌跡に対してサンプリングを行い,脳波軌跡を位相平面上の点の集合として捉える。
このとき,RL/UB分布比の算出方法は,
【数4】
Figure 2004350870
となる。
【0009】
マハラノビス距離算出を行うための基準空間は,次の手順により生成される。[ステップ1:学習データ集合の基準化]:学習データの特徴量数がk,学習データ集合の要素数がnとすると,学習データ集合の平均値mと標準偏差σを用いて,次の式により学習データ集合を変換し,Xijを算出する。
【数5】
Figure 2004350870
[ステップ2:相関行列の算出]:基準化された学習データ集合から相関行列Rを算出する。
【数6】
Figure 2004350870
[ステップ3:逆行列計算]: 相関行列Rの逆行列Aを算出する。
【数7】
Figure 2004350870
前記平均値mと標準偏差σ,及び,相関行列Rの逆行列A基準空間パターンとして用いるものとする。
【0010】
識別対象をy(特徴量数k)とした場合のマハラノビス距離は,次のような方法で算出することができる。
【0011】
マハラノビス距離Dは,前記基準空間生成時に算出した学習データ集合の平均値mと標準偏差σに基づき前記識別対象yを標準化したYを用い,次式により算出される。
【数8】
Figure 2004350870
すなわち,学習データとして非発作時の脳波を用いて基準空間を作成し,識別対象yとして常時患者の脳波のマハラノビス距離を計算することにより,癲癇発作の有無を検出することが可能となる。
【0012】
本発明では,以上のようにして癲癇発作が検出された時,例えばPHS(Personal Handyphone System)やGPS(GlobalPosotioning System)信号を用いた現在位置検出方法を用いて現在位置を取得し,無線や携帯電話,PHSなどの通報方法を用いて,発作をおこした患者の現在位置をあらかじめ登録された通報先へ通報する。これにより,しかるべき救護者が患者の元へ迅速に到達して患者の救護を行うことができる。
【0013】
また,しかるべき救護者を常時確保し,迅速な救護体制を整えるための体制を整えたサービスを構築することができる。すなわち,登録された癲癇患者は,発作検出装置の貸与,通報手段の確保,救護者の派遣といったサービスを享受することが出来る。通報先としては,家族などの近親者およびサービスを提供する事業体の通報センターなどを指定しておくことで,家族は患者の発作発生を即時把握し,またサービスを提供する事業体が確保している救護員を派遣することができる。
【0014】
さらに,本発明を説明する。
【0015】
本発明の一側面によれば,発作通報装置に,癲癇患者の脳波時系列データから発作が起きているかどうかを判定する判定手段と,この判定手段により発作状態にあると判定された場合にあらかじめ登録された一つまたは複数の通報先に通報する通報手段とを設けるようにしている。
【0016】
この構成においては,脳波に基づいて確実に癲癇の発作を判別し,救護者等に通報することができる。
【0017】
この構成において,前記判定手段により発作状態にあると判定された場合に,前記通報手段による通報を予告する通報予告手段と,前記通報手段または警報手段による通報動作または警報動作を取り消す通報停止手段とをさらに設けるようにしてもよい。
【0018】
このようにすると,発作状態が判別されたにもかかわらず,実際には発作が起こっていない場合,すなわち,誤判別の場合に患者自らが通報を解除し,不必要な救護活動を回避することができる。
【0019】
上述の通報手段は,上述のように無線送信装置,携帯電話,PHS等の通報機器を用いることができる。この場合,発作通報装置本体とかかる通報機器とをケーブルやコネクタで接続し,通報装置本体から通報先データや通報内容データを通報機器に供給すればよい。携帯電話等の場合,呼設定制御情報に通報内容データを埋め込んで宛て先に送信するようにしてもよい。もちろん,発作通報装置に無線送信装置,携帯電話,PHS等の通報機器の機能要素を一体に組み込むようにしてもよい。
【0020】
また,本発明の他の側面によれば,発作通報装置に,癲癇患者の脳波から発作が起きているかどうかを判定する判定手段と,この判定手段により発作状態にあると判定された場合に周囲に警報を行う警報手段とを設けている。
【0021】
この構成においても,脳波に基づいて確実に癲癇の発作を判別し,周囲にいる者に対して救護を求めることができる。
【0022】
また,本発明のさらに他の側面によれば,発作通報装置と,通報管理装置と,通報受信装置とを有する通報処理システムにおいて,前記発作通報装置に,癲癇患者の脳波から発作が起きているかどうかを判定する判定手段と,位置情報入力手段と,前記判定手段により発作状態にあると判定された場合に前記通報管理装置に前記位置情報入力手段により入力された位置情報を含む通報を行う通報手段とを設け,前記通報受信装置に,位置情報入力手段と,前記位置情報入力手段により入力された位置情報を前記通報管理装置に送信する手段と,前記通報管理装置からの情報を受信する手段とを設け,前記通報管理装置に,前記発作通報装置からの情報および前記通報受信装置からの情報を受信する手段と,前記発作通報装置からの情報に基づく発作情報を,前記通報受信装置の位置情報に基づいて選択した1の通報受信装置に送信する手段とを設けるようにしている。
【0023】
この構成においては,通報管理装置を用いて,患者および救護者の位置を管理し,この位置情報に基づいて,発作を起こした患者に急行できる救助者を選択し,速やかに患者の救護を実現する。
【0024】
なお,この発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく,方法としても実現可能である。また,そのような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることはもちろんである。またそのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品もこの発明の技術的な範囲に含まれることも当然である。
【0025】
この発明の上述の側面およびこの発明の他の側面は特許請求の範囲に記載され,以下実施例を用いて詳細に説明される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下,図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0027】
図1は,本発明の一実施例の発作通報装置を示すブロック図である。患者は,それぞれ二つずつの測定電極10と基準電極20のみを頭部に装着する。これらの電極からの信号は増幅器30によって差分され,2チャンネルの脳波データとして脳波入力部40に入力される。位相解析部50は入力された2チャネルの時系列データを位相空間上の脳波軌跡に変換する。このとき,位相解析部50は連続的に入力される脳波データを一定時間分蓄積するごとに順次位相解析を行う。
保持する時間の長さは,マハラノビス距離を計算して非発作時と発作時脳波の弁別が可能であればどのような長さでも構わないが,例えば現在の脳波記録紙が1ページ10秒分を記録可能なことから,本実施例では10秒分を処理単位として位相解析を行う。特徴量算出部60は,位相解析部50によって得られた脳波軌跡から上述の式1〜式3に従い,特徴量であるV軸最大値,サブ・総回転数比,RL/UB分布比を算出する。
【0028】
基準学習脳波データ群による基準空間を作成する際には,基準空間作成部70は特徴量算出部60によって算出された特徴量と式4および式5に従い,基準学習脳波データ群の平均,分散,相関行列の逆行列を算出し基準空間として基準空間格納域80に格納する。
【0029】
癲癇発作を検出する場合,マハラノビス距離算出部90は,基準空間として算出された基準学習脳波データ群の平均,分散,相関行列の逆行列と,判別対象脳波データより算出された特徴量から,式7に従いマハラノビス距離を求める。
【0030】
判定部100は,マハラノビス距離に従い,癲癇発作が起きているかどうかを判定する。
【0031】
通報制御部110は,判定部100から発作の発生信号を入力されると,現在位置入力部140から現在位置の情報を取得すると共に,通報予告部120を用いて発作発生の通報を行うことを患者に通知する。患者が発作状態にあれば,この通報予告部120による予告に対して応えることが出来ず,従って通報制御部110は一定時間待機した後に通報部150を用いてあらかじめ指定された通報先へ通報する。通報部150は,発作時に通報すべき相手を記憶することができ,発作時にその記憶した登録先へ通報する。一方,何らかの原因によって判定部100が非発作時にもかかわらず発作と判定した場合,患者は通報予告部120による通報予告を受けた後,通報停止部130を用いて通報を停止することができる。このとき,通報制御部110は通報を停止する。
【0032】
現在位置入力部140は,現在普及しているGPSの衛星電波を受信して現在位置を計算し,その情報を通報部110に入力する。また,GPS以外にもPHSを使った位置情報取得方法を用いても良い。
【0033】
通報部150は,携帯電話,PHS,無線など,現在また将来利用可能なものであれば何を用いても良い。また,GPSやPHSを利用した位置情報の誤差が大きい場合には,別途無線を利用して信号を送信し,救護者はその受信機を用いて患者の位置を特定することができる。
【0034】
なお,通報部150にかえて,あるいはこれに加えて患者近傍の者に警報を発する警報部155を設けてもよい。警報部155は警報音,警報点滅等の警報動作を行うものである。
【0035】
次に,基準空間作成時の処理の流れを説明する。図2は基準空間作成時の本発明の実施例における処理を示したフローチャートである。患者が発作を起こしていないときに,図1における増幅器30から送られた脳波データ200は時刻情報と大脳誘発電位Vからなり,入力処理210ののち位相解析処理220によって大脳誘発電位Vは,V−dV/dt位相平面上の軌跡に移される。この位相平面上の軌跡を用い,前記の式1〜式3をもちいてそれぞれV軸最大値検出,サブ・総回転数比,RL/UB分布比算出の各処理230,240,250がなされる。これらの処理によって算出したパラメータを用い,基準空間作成260において前記の式4〜式6に従い基準空間を作成し,基準空間270として後の発作検出に用いるために保存される。
【0036】
次に,癲癇発作検出時の処理の流れを説明する。図3は癲癇発作検出時の本発明の実施例における処理を示したフローチャートである。脳波データ200は入力処理210を経て位相解析処理220,V軸最大値検出,サブ・総回転数比,RL/UB分布比算出の各処理230,240,250によりパラメータに変換される。マハラノビス距離計算280は,前記図2の基準空間作成時の処理において作成された基準空間270と,現在の脳波データのパラメータを用い,式7を用いてマハラノビス距離を計算する。計算されたマハラノビス距離があらかじめ定められた閾値判定290を行い,閾値未満である場合は入力処理210に戻る。一方,閾値以上であった場合,現在位置情報310を用いて現在位置の取得300を行い,しかるべき通報先に通報を行う旨の通報予告の提示320を行う。通報予告の提示320において,あらかじめ定められた時間経過した後,通報停止指示の確認330へ移行する。この定められた時間は,非発作にも関わらず装置が発作を誤検出した際に通報を止められるだけの猶予があればよく,例えば20秒,40秒など患者が通報停止指示を行える時間を設定すればよい。また,その患者の発作の平均持続時間に基づき設定する方法もある。発作持続時間が平均2分であれば,例えば迅速な通報を考慮して15秒に設定するなどである。通報停止指示の確認330では,通報停止指示が存在する場合は入力処理210に戻る。通報停止指示が存在しない場合,通報340を行う。
【0037】
さらに,発作を検出して通報した後に医師の診断を受ける際や,日常の定期的な基準空間のメンテナンスを行うために,脳波データそのものを一定時間分格納する手段を備えても良い。このような場合の装置の構成例を図4に示す。図4の例では,図1における脳波入力部40と位相解析部50の間に脳波保持部160を設け,この脳波保持部160は脳波入力部40から入力される脳波データを順次に脳波格納域170に格納する。脳波格納域170を構成する機器は,最近大容量,低価格化が進む固体メモリ(コンパクトフラッシュ,USBメモリなどとして市販されている機器)でも良いし,大容量のディスクメディア(記録・書き換え型CD/DVD)でも良い。脳波格納域170に保持できる脳波データの長さは,この脳波格納域170を構成する記憶媒体の容量に依存するが,例えば常に現在時刻の直前1時間分を保持するためには,脳波のサンプリング周波数を128Hzとした場合,2(チャンネル)×128(Hz)×4(Byte)×3600(sec)=3686400 Byte(3.6MByte)だけ必要である。現在の各種記録媒体の容量から見れば全く問題なく格納可能な大きさである。より精密な脳波解析を行うためにサンプリング周波数を10倍にした場合でも,容量は数十MBのオーダーに留まるため容量的に全く問題は無い。
以上のような本発明による癲癇発作検出装置は,10−20法におけるT5/T6の二つの電極とアースを取るための基準電極の計4つの電極のみを用いるため,ヘアバンド,帽子,ヘッドフォンなどの形態にすることにより,患者が自然に頭部に装着することが可能となる。
【0038】
図5は,上述の実施例の発作通報装置を用いた救護システムを示しており,この図において,患者が着用する発作通報装置1000と,救護支援センタ2000と,救護者が携行する発作通報受信装置3000とが用いられる。患者,救護者は複数いることが予想されるので発作通報装置1000および発作通報受信装置3000も複数用意される。発作通報装置1000は図4に示すものと同様であり,判定部1001(図4の判定部100),現在位置入力部1002(同,現在位置入力部140),送信部1003(同,通報部150),記憶部1004(同,脳波格納域170)等を有している。通報管理センタ2000は送信部2001,受信部2002,記憶部2003等を有している。発作通報受信装置3000は,送信部3001,受信部3002,現在位置入力部3003等を有している。送信部1003,2001,3001や受信部1004,2002,3002は,無線送受信機,携帯電話,PHS等や,その機能部分を用いることができるが,これに限定されない。現在位置情報入力部1002,1003はGPS等を用いることができるが,これに限定されない。
【0039】
この救護システムにおいては,患者が癲癇の発作を起こした場合,装着している発作通報装置1000から通報情報(位置情報を含む)が通報管理センタ2000に送られる。通報管理センタ2000は,発作通報装置1000および発作通報受信装置3000からの位置情報の通知に基づいて患者の近傍にいる救護者の発作通報受信装置3000に発作の通報を転送し,救護者が直ちに介護できるようにする。救護者の通知に際しては,救護者と患者との相対的な位置を通知する等すれば,速やかな救護が可能になる。なお,発作通報受信装置3000は定期的に位置情報を通報管理センタ2000に通知する。また,発作通報装置1000は脳波データや脳波データから生成したデータを記憶部1004に記憶し,定期的に通報管理センタ2000に通知する。通報管理センタ2000は,長期間にわたり患者の脳波データを保持し,患者の治療等に利用することができる。発作通報装置1000は,脳波データ等を送信した後は,その送信分をクリアして後の脳波データの記憶に当てることができ,比較的小容量の記憶装置として構成することができる。もちろん,大容量の記憶装置を用いてもよい。
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように,本発明によれば,癲癇発作を起こした患者の位置を通報することにより,患者に迅速な救護を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の発作通報装置の構成を示す図である。
【図2】上述実施例の基準空間を作成する時のフローチャートである。
【図3】上述実施例において癲癇発作を検出するときのフローチャートである。
【図4】脳波データを格納する脳波格納域を備えた,上述実施例の変形例を示す装置構成図である。
【図5】上述実施例と同様の発作通報装置を用いた救護システムを説明する図である。
【符号の説明】
10 測定電極
20 アース用の基準電極
30 測定電極と基準電極の信号から脳波信号を生成する増幅器
40 脳波入力部
50 位相解析部
60 特徴量算出部
70 基準空間作成部
80 基準空間格納域
90 マハラノビス距離算出部
100 判定部
110 通報制御部
120 通報予告部
130 通報停止部
140 現在位置入力部
150 通報部
151 警報部
160 脳波格納部
170 脳波格納域
200 脳波データ
210 入力処理
220 位相解析処理
230 V軸最大値検出処理
240 サブ・総回転数比算出処理
250 RL/UB分布比算出処理
260 基準空間作成処理
270 基準空間データ
280 マハラノビス距離計算処理
290 閾値判定処理
300 現在位置の取得処理
310 現在位置情報
320 通補予告の提示処理
330 通報停止指示確認処理
340 通報処理
1000 発作通報装置
2000 通報管理センタ
3000 発作通報受信装置

Claims (17)

  1. 癲癇患者の脳波時系列データから発作が起きているかどうかを判定する判定手段と,この判定手段により発作状態にあると判定された場合にあらかじめ登録された一つまたは複数の通報先に通報する通報手段とを備えた発作通報装置。
  2. 前記判定手段により発作状態にあると判定された場合に周囲に対して警報動作を行う警報手段をさらに有する請求項1記載の発作通報装置。
  3. 前記判定手段により発作状態にあると判定された場合に,前記通報手段による通報を予告する通報予告手段と,前記通報手段による通報動作を取り消す通報停止手段とをさらに有する請求項1または2記載の発作通報装置。
  4. 位置情報入力手段を有する請求項1,2または3記載の発作通報装置。
  5. 前記脳波時系列データまたはこの脳波時系列データに基づいて生成されたデータを格納する格納手段を有する請求項1,2,3または4記載の発作通報装置。
  6. 前記格納手段に格納されている脳波時系列データまたはこの脳波時系列データに基づいて生成されたデータを外部のデータ記憶装置に送信する手段を有する請求項5記載の発作通報装置。
  7. 前記判定手段は,前記脳波時系列データの位相解析結果から抽出した特徴量に基づいて発作状態を判定する請求項1〜6のいずれかに記載の発作通報装置。
  8. 前記特徴量についてマハラノビス距離を計算し,その距離が閾値以上であれば発作状態と判定する請求項7記載の発作通報装置。
  9. マハラノビス距離算出に用いる基準空間作成手段および基準空間格納域を有する請求項8記載の発作通報装置。
  10. 前記脳波時系列データより大脳誘発電位Vに対する時間微分dV/dtを算出してV−dV/dt位相平面上にプロットして前記位相解析結果を得,この位相解析結果から抽出する特徴量として,V軸最大値(V軸上のV値の最大値),サブ回転数(位相平面上で原点を含まない回転の数)と総回転数との比およびRL/UB分布比(位相平面を左右上下の4象限に分け,左右の2象限における脳波軌跡のサンプル数と上下の2象限における脳波軌跡のサンプル数の比)の少なくとも1つを用いる請求項1〜9のいずれかに記載の発作通報装置。
  11. 脳波の測定電極として国際10−20法におけるT5およびT6の2つの位置のみを用いる請求項1〜10のいずれかに記載の発作通報装置。
  12. 時系列脳波データを入力する入力ステップと,
    前記時系列脳波データより,大脳誘発電位Vに対する時間微分dV/dtを,前記Vに対してプロットしてV−dV/dt位相平面上に脳波軌跡を形成する位相解析ステップと,
    前記位相解析ステップによって形成された前記V−dV/dt位相平面上で特徴量を算出する特徴量算出ステップと,
    当該特徴量に関する基準学習データを用いて基準空間を形成する基準空間形成ステップと,
    前記算出した特徴量と,基準学習データを用いて形成された基準空間との分離指標を算出する分離指標算出ステップと,
    前記算出した分離指標によって,癲癇の発作の有無を判定する判定ステップと,
    現在に位置情報を入力するステップと,
    前記判定ステップにおける,判定結果に基づき所定の通報先に前記位置情報を含む通報を行うステップとを有することを特徴とする発作通報方法。
  13. 前記判定ステップにより発作状態にあると判定された場合に,前記通報を予告し,前記通報の停止を指示する入力を受け付けたときに前記通報を禁止するようにした請求項12記載の発作通報方法。
  14. 時系列脳波データを入力する入力ステップと,
    前記時系列脳波データより,大脳誘発電位Vに対する時間微分dV/dtを,前記Vに対してプロットしてV−dV/dt位相平面上に脳波軌跡を形成する位相解析ステップと,
    前記位相解析ステップによって形成された前記V−dV/dt位相平面上で特徴量を算出する特徴量算出ステップと,
    当該特徴量に関する基準学習データを用いて基準空間を形成する基準空間形成ステップと,
    前記算出した特徴量と,基準学習データを用いて形成された基準空間との分離指標を算出する分離指標算出ステップと,
    前記算出した分離指標によって,癲癇の発作の有無を判定する判定ステップと,
    現在に位置情報を入力するステップと,
    前記判定ステップにおける,判定結果に基づき所定の通報先に前記位置情報を含む通報を行うステップとをコンピュータに実行させるために用いられることを特徴とする発作通報用コンピュータプログラム。
  15. 発作通報装置と,通報管理装置と,通報受信装置とを有する通報処理システムにおいて,
    前記発作通報装置は,癲癇患者の脳波から発作が起きているかどうかを判定する判定手段と,位置情報入力手段と,前記判定手段により発作状態にあると判定された場合に前記通報管理装置に前記位置情報入力手段により入力された位置情報を含む通報を行う通報手段とを有し,
    前記通報受信装置は,位置情報入力手段と,前記位置情報入力手段により入力された位置情報を前記通報管理装置に送信する手段と,前記通報管理装置からの情報を受信する手段とを有し,
    前記通報管理装置は,前記発作通報装置からの情報および前記通報受信装置からの情報を受信する手段と,前記発作通報装置からの情報に基づく発作情報を,前記通報受信装置の位置情報に基づいて選択した1の通報受信装置に送信する手段とを有することを特徴とする通報処理システム。
  16. 前記発作通報装置は,脳波時系列データまたはこの脳波時系列データに基づいて生成されたデータを前記通報管理装置に送信し,前記通報管理装置は受信した脳波時系列データまたはこの脳波時系列データに基づいて生成されたデータを格納手段に格納する請求項15記載の通報処理システム。
  17. 癲癇患者の脳波から発作が起きているかどうかを判定する判定手段と,この判定手段により発作状態にあると判定された場合に周囲に警報を行う警報手段とを備えた発作通報装置。
JP2003151608A 2003-05-28 2003-05-28 発作通報装置 Pending JP2004350870A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151608A JP2004350870A (ja) 2003-05-28 2003-05-28 発作通報装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003151608A JP2004350870A (ja) 2003-05-28 2003-05-28 発作通報装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004350870A true JP2004350870A (ja) 2004-12-16

Family

ID=34047076

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003151608A Pending JP2004350870A (ja) 2003-05-28 2003-05-28 発作通報装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004350870A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009529931A (ja) * 2006-03-15 2009-08-27 ホスピス・シビル・ドゥ・リヨン 患者のモニター方法および該方法の実施システム
JP2012529940A (ja) * 2009-06-26 2012-11-29 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ Eegモニタリング・システムおよびeegをモニタリングする方法
KR101418332B1 (ko) 2012-12-21 2014-07-10 전남대학교산학협력단 간질 뇌파 데이터 분석 방법 및 이를 지원하는 단말기
JP2014217649A (ja) * 2013-05-10 2014-11-20 学校法人麻布獣医学園 てんかん発作のモニタリングシステム及びモニタリング方法
KR101547948B1 (ko) 2013-10-26 2015-09-03 주식회사 보형 모바일 사용자의 위급상황 오신호 알림을 방지하는 위급상황 알림 서비스 제공방법

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009529931A (ja) * 2006-03-15 2009-08-27 ホスピス・シビル・ドゥ・リヨン 患者のモニター方法および該方法の実施システム
JP2012529940A (ja) * 2009-06-26 2012-11-29 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ Eegモニタリング・システムおよびeegをモニタリングする方法
CN102625668B (zh) * 2009-06-26 2014-11-19 唯听助听器公司 监控eeg的eeg监控系统和方法
US10413208B2 (en) 2009-06-26 2019-09-17 Widex A/S EEG monitoring system and method of monitoring an EEG
KR101418332B1 (ko) 2012-12-21 2014-07-10 전남대학교산학협력단 간질 뇌파 데이터 분석 방법 및 이를 지원하는 단말기
JP2014217649A (ja) * 2013-05-10 2014-11-20 学校法人麻布獣医学園 てんかん発作のモニタリングシステム及びモニタリング方法
KR101547948B1 (ko) 2013-10-26 2015-09-03 주식회사 보형 모바일 사용자의 위급상황 오신호 알림을 방지하는 위급상황 알림 서비스 제공방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10485452B2 (en) Fall detection systems and methods
CN104574815B (zh) 一种基于智能穿戴式设备的急救通知方法及装置
US8830054B2 (en) System and method for detecting and responding to an emergency
CN106530618A (zh) 一种机器人的看护方法及装置
EP3266369B1 (en) Analysis of fall severity using a fall detection system and wearing apparatus
WO2019036400A1 (en) SYSTEM, DEVICE AND METHOD FOR INTEGRATION OF ALERT AND RESPONSE
WO2021023064A1 (zh) 一种列车安全驾驶监测系统及方法
WO2021023198A1 (zh) 一种列车安全驾驶监测系统及方法
CN104966380A (zh) 一种可监控人体意外摔倒的报警系统及方法
WO2005043286A2 (en) System and method for incident reporting, information gathering, reconstructing and alerting
KR102165513B1 (ko) 생체 정보에 기반한 치매환자 관리 시스템
KR101790551B1 (ko) 해상 위험상황을 판단하는 방법 및 서버
KR20150041900A (ko) 수상 및 수중 인명 구조를 위한 무선 착용 기술 기반의 스마트 구명 조끼 시스템 및 그 동작 방법
JP2016526953A (ja) 患者が安全領域を離れるリスクを決定する方法及び装置
WO2015096567A1 (zh) 一种用户行为安全的监测方法及设备
CN111862532A (zh) 一种面对突发状况的报警系统
US8395512B2 (en) Signature analysis systems and methods
CN113205661A (zh) 一种反欺凌实现方法、系统、智能穿戴设备和存储介质
CN110070697A (zh) 一种跌倒监测装置及其方法
KR20200070594A (ko) 위험 상황 알림을 수행하는 휠체어 제어 시스템
JP2004350870A (ja) 発作通報装置
CN117238120B (zh) 安全监控方法、装置、设备及介质
KR101816380B1 (ko) 빅 데이터 및 전자 발찌를 이용한 성범죄자 감시 및 알림 시스템과 그 방법
Wójtowicz et al. Fall detector using discrete wavelet decomposition and SVM classifier
CN106781279A (zh) 一种小区安全服务平台的监护方法