JP2004350398A - 発電システム及びその方法 - Google Patents
発電システム及びその方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004350398A JP2004350398A JP2003144090A JP2003144090A JP2004350398A JP 2004350398 A JP2004350398 A JP 2004350398A JP 2003144090 A JP2003144090 A JP 2003144090A JP 2003144090 A JP2003144090 A JP 2003144090A JP 2004350398 A JP2004350398 A JP 2004350398A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- detonation
- power generation
- magnetic field
- generated
- electrons
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
Abstract
【課題】デトネーションによるエネルギをMHD発電に利用し効率の良い発電を行う。
【解決手段】発電システム1はデトネーションが発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管5と、前記デトネーション管5の内部に磁界を生成する磁界生成部21とを備える。そして、燃料供給部15により供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより、前記デトネーション管5の内部を所定の温度状態にし、アルカリ金属添加部17により添加されたたねから電子を発生させるとともに前記磁界内を移動させて起電力を誘起させる。
【選択図】 図1
【解決手段】発電システム1はデトネーションが発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管5と、前記デトネーション管5の内部に磁界を生成する磁界生成部21とを備える。そして、燃料供給部15により供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより、前記デトネーション管5の内部を所定の温度状態にし、アルカリ金属添加部17により添加されたたねから電子を発生させるとともに前記磁界内を移動させて起電力を誘起させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電システム及びその方法に関し、さらに詳細には、デトネーションを発生させ、添加されているアルカリ金属から電子を電離させ、磁界内に電子を通過させることにより発電を行う発電システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パルスデトネーションとは、燃焼過程をパルス状(間欠的)に衝撃波を伴う燃焼(デトネーション)である。
【0003】
そして、このパルスデトネーションを利用するエンジン(パルスデトネーションエンジン)は原理的に高効率の発電を行うことができる。このように、パルスデトネーションエンジンは、ターボファン,ターボジェット,ラムジェット,ロケットなど全ての推進機関にとって代わるような可能性を秘めたエンジンである。
【0004】
一方、磁界中で導線を移動させると、この導線に起電力が生ずる原理に基づき、導線の移動の代わりに電離した電子の流れを利用して起電力を発生させ発電を行うMHD発電が行われている。
【0005】
そして、パルスデトネーションエンジンとMHD発電を組み合わせた発電も考案されている。例えば、特許文献1。
【0006】
【特許文献1】
AIAA(99−3662)
Towards lntegrated Pulse Detonation
Propulsion and MHD Power
30th Plasmadynamics and Lasers Conference
28June−1July,1999/Norfolk,VA
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
パルスデトネーションエンジンを利用し発電を行うには、排気ガス温度は2000℃以上であるため、そのままではタービン入り口温度が過大となり、実現の目処はなかった。また、デトネーション管から出る衝撃波をそのままタービンに入れた場合、タービンの破損を招くという問題がある。
【0008】
さらに、パルスデトネーションンエンジンをタービン等の機械的発電に応用する場合には、高温高圧ガスをタービンに適する状態まで下げるためのロスや、タービン作動の機械的ロスなどがあり、効率を下げる要因となっていた。
【0009】
一方、MHD発電を利用したパルスデトネーションエンジンによる発電の場合、高温高圧ガスをタービンに適する温度まで下げるためのロスや上記機械的ロス等は無くなるが以下のような問題がある。
【0010】
デトネーションンが発生するデトネーションン管の出口にMHD発電機を備えると、この出口からのエネルギをタービン等に導く際、障害物となり、かつ、発電システム自体が大きなものになってしまうという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のごとき問題に鑑みてなされたものであり、請求項1に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電システムであって、前記デトネーションが間欠的に発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する磁界生成部と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する手段とを備えた発電システムである。これにより、機械的なエネルギの低下がなくなり高効率な発電を行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電システムであって、前記デトネーションが間欠的に発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する磁界生成部と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する手段と、前記デトネーション管内に発生したデトネーションによるエネルギをタービンに導き発電を行う手段とを備えた発電システムである。これにより、さらに高効率な発電を行うことができる。また、デトネーション管内に磁界をかけ発電することによりデトネーションの衝撃を緩和することができ、タービンの保護を行うことができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記たねは電子が電離し易いアルカリ金属である請求項1又は2記載の発電システムである。これにより、電離する電子の量が増え適正な温度での発電を行うことができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、気体供給部は過大の気体を前記デトネーション管に供給し、前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行われる請求項1、2又は3記載の発電システムである。これにより、タービン等の冷却を容易に行うことができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電方法であって、所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管内に前記デトネーションを間欠的に発生させる過程と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する過程と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する過程とを有することを特徴とする発電方法である。
【0016】
請求項6に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電方法であって、所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管に前記デトネーションを間欠的に発生させる過程と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する過程と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する過程と、前記デトネーション管内に発生したデトネーションによるエネルギをタービンに導き発電を行う過程とを有する発電方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1及び図2を参照する。図1は発電システム1の概略の構成を示している。図2は図1においてデトネーション管5の断面A−Aを示している。
【0019】
前記発電システム1は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを間欠的に発生させ、前記デトネーションによるエネルギを利用してMHD発電(magnetohydrodynamics generationあるいは電磁流体発電という)を行う。ここで、前記MHD発電とは既に公知になっているが概略を説明する。普通の発電機では、金属の導線を磁界(磁場ともいう)内で動かして、磁力線を横切るような仕掛けになっているが、これと同じ原理で導電性のある高速流体(電磁流体)を磁界を横切って起電力を誘起する発電方法である。
【0020】
図1に示すように前記発電システム1は前記デトネーションが発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管5と、デトネーション管5に気体(例えば空気)を空気溜7と空気バルブ9とを介して間欠的に供給するブロア3と、前記デトネーション管5の内部に磁界を生成する磁界生成部21(図2参照)と、デトネーション管5を冷却する冷却部19とを備えている。
【0021】
図2に示すように、前記磁界生成部21に備えられた極(例えばN極)21aと極(例えばS極)21bにより磁界(磁場)が矢印AR方向に形成されている。また、デトネーション管5は金属の筒5aの内周にセラミック5bが形成されている。これにより、高温と高圧等に強い構造になる。
【0022】
そして、図1に示すように燃料供給部15によりデトネーション管5内に供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより、前記デトネーション管5の内部を所定の温度状態にし、アルカリ金属添加部17により添加されたたねから電子を発生させるとともに前記磁界内を通過(移動)させて起電力を誘起させる。この起電力は電極11aと電極11bと負荷抵抗13とにより確保される(例えば発電が行われる)。なお、前記電極11aと前記電極11bとはデトネーション管5の管内に配置され、電離した電子と接触可能な状態にある。
【0023】
前記たねは所定の温度で電離容易なアルカリ金属(例えば、セシウム(Cs),カリウム(K)等)であることが望ましい。所定の温度で容易に電子が電離するからである。
【0024】
また、「たねの添加(シーディング)」とは、動作気体(デトネーションにより生成したデトネーション管を移動する気体)に少量の電離しやすい物質(例えばアルカリ金属等)を添加することをいう。これにより、デトネーション管5内の温度を過大な温度としなくてもアルカリ金属は所定の温度で電離し易いので導電率を大きくすることができる。
【0025】
デトネーション管5内の所定の状態について説明する。デトネーション管5内にデトネーションが発生すると管内の温度は3000[K]程度となる。そして、この温度状態にアルカリ金属を添加すると、導電率σは、10[1/Ω・m]程度となる。図5はアルカリ金属を添加したときの温度と導電率の関係を示している。なお、横軸は温度で縦軸は導電率である。
【0026】
一方、デトネーション管5内に発生したデトネーションによるガス流速uは1000(m/s)程度である。
【0027】
上述のような状態で、下記の式(1)で算出される発電を行うことができる。
【0028】
W=σu2B2K(K−1) ... 式(1)
ここで、B:磁束密度[T]
K:負荷率(0.1〜1)
V:電磁流体体積[m3]
であり、K=0.5のとき最大になる。
【0029】
なお、上記発電システム1においては、デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、ブロア3(気体供給部)は過大の気体を前記デトネーション管に供給し、前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行ってもよい。これにより、デトネーション管5等の冷却ができる。
【0030】
図3及び図4を参照する。図3は上述の発電システム1にタービンを備えた発電システム31の概略の構成を示している。図4は図3においてデトネーション管35の断面B−Bを示している。
【0031】
前記発電システム31は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを間欠的に発生させ、前記デトネーションによるエネルギを利用してMHD発電を行うとともにタービンによる発電も併せて行う。
【0032】
図3に示すように前記発電システム31は前記デトネーションが発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管35と、デトネーション管35に気体(例えば空気)を空気溜37と空気バルブ39とを介して間欠的に供給するブロア33(気体供給部)と、前記デトネーション管35の内部に磁界を生成する磁界生成部55(図4参照)と、デトネーション管35を冷却する冷却部49とを備えている。図4に示すように、前記磁界生成部55に備えられた極(例えばN極)55aと極(例えばS極)55bにより磁界(磁場)が矢印AR2方向に形成されている。また、デトネーション管35は金属の筒35aの内周にセラミック35bが形成されている。
【0033】
そして、図3に示すように燃料供給部45によりデトネーション管35内に供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより、前記デトネーション管35の内部を所定の温度状態にし、アルカリ金属添加部47により添加されたたねから電子を発生させるとともに前記磁界内を移動させて起電力を誘起させる。この起電力は電極41aと電極41bと負荷抵抗43とにより確保される(例えば発電が行われる)。なお、前記電極41aと前記電極41bとはデトネーション管35の管内に配置され、電離した電子と接触可能な状態にある。
【0034】
デトネーション管5内の所定の状態について説明する。上述したようにデトネーション管35内にデトネーションが発生すると管内の温度は3000[K]程度となる。そして、この状態にアルカリ金属を添加すると、導電率σは、10[1/Ω・m]程度となる。
【0035】
一方、デトネーション管35内に発生したデトネーションによるガス流速uは1000(m/s)程度である。上述のような状態で、上記の式(1)で算出される発電を行うことができる。
【0036】
この発電システム31は、さらにタービン51とジェネレータ53とを備えている。前記デトネーション管35内で生成したデトネーションのエネルギがタービン51に導かれる。そして、ジェネレータ53により発電が行われる。この際、デトネーション管35に発生したデトネーションのエネルギをデトネーション管35内の磁界を通過することにより間欠的に発生する衝撃的なエネルギが緩和されタービン51の破損等を防止することができる。いわゆる、ショックダンパの役割も兼ね備えているものである。
【0037】
なお、発電システム31では、ブロア33により、デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、前記気体供給部は過大の気体を前記デトネーション管に供給し前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行われる。これにより、タービン51やデトネーション管35等の冷却を行うことができる。
【0038】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したシステムから構成されているので、以下の効果を得ることができる。
【0040】
すなわち、パルスデトネーションエンジンにMHD発電を利用するため、高温高圧ガスをタービンに適する温度まで下げるためのロスや上記機械的ロス等は無くなるという効果がある。さらに、デトネーションンが発生するデトネーションン管内にMHD発電用の装置を備えているので、この出口からのエネルギをタービン等に導く際、障害物とならなく、かつ、発電システム自体を小型化できるという効果がある。
【0041】
また、デトネーション管に発生したデトネーションがデトネーション管内の磁界を通過することにより間欠的に発生する衝撃的なエネルギが緩和されタービンの破損等を防止することができるという効果がある。
【0042】
一方、気体供給部により冷却用空気を間欠的に供給することによりデトネーションにより発生する高温による各装置の損傷等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電システムの概略の構成を示す概略図である。
【図2】デトネーション管の断面を示す断面図である。
【図3】発電システムの他の例の概略の構成を示す概略図である。。
【図4】デトネーション管の断面を示す断面図である。
【図5】MHD発電の特性を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 発電システム
3 ブロア
5 デトネーション管
7 空気溜
9 空気バルブ
11a,b 電極
13 負荷抵抗
15 燃料供給部
17 アルカリ金属添加部
19 冷却部
【発明の属する技術分野】
この発明は、発電システム及びその方法に関し、さらに詳細には、デトネーションを発生させ、添加されているアルカリ金属から電子を電離させ、磁界内に電子を通過させることにより発電を行う発電システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
パルスデトネーションとは、燃焼過程をパルス状(間欠的)に衝撃波を伴う燃焼(デトネーション)である。
【0003】
そして、このパルスデトネーションを利用するエンジン(パルスデトネーションエンジン)は原理的に高効率の発電を行うことができる。このように、パルスデトネーションエンジンは、ターボファン,ターボジェット,ラムジェット,ロケットなど全ての推進機関にとって代わるような可能性を秘めたエンジンである。
【0004】
一方、磁界中で導線を移動させると、この導線に起電力が生ずる原理に基づき、導線の移動の代わりに電離した電子の流れを利用して起電力を発生させ発電を行うMHD発電が行われている。
【0005】
そして、パルスデトネーションエンジンとMHD発電を組み合わせた発電も考案されている。例えば、特許文献1。
【0006】
【特許文献1】
AIAA(99−3662)
Towards lntegrated Pulse Detonation
Propulsion and MHD Power
30th Plasmadynamics and Lasers Conference
28June−1July,1999/Norfolk,VA
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
パルスデトネーションエンジンを利用し発電を行うには、排気ガス温度は2000℃以上であるため、そのままではタービン入り口温度が過大となり、実現の目処はなかった。また、デトネーション管から出る衝撃波をそのままタービンに入れた場合、タービンの破損を招くという問題がある。
【0008】
さらに、パルスデトネーションンエンジンをタービン等の機械的発電に応用する場合には、高温高圧ガスをタービンに適する状態まで下げるためのロスや、タービン作動の機械的ロスなどがあり、効率を下げる要因となっていた。
【0009】
一方、MHD発電を利用したパルスデトネーションエンジンによる発電の場合、高温高圧ガスをタービンに適する温度まで下げるためのロスや上記機械的ロス等は無くなるが以下のような問題がある。
【0010】
デトネーションンが発生するデトネーションン管の出口にMHD発電機を備えると、この出口からのエネルギをタービン等に導く際、障害物となり、かつ、発電システム自体が大きなものになってしまうという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のごとき問題に鑑みてなされたものであり、請求項1に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電システムであって、前記デトネーションが間欠的に発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する磁界生成部と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する手段とを備えた発電システムである。これにより、機械的なエネルギの低下がなくなり高効率な発電を行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電システムであって、前記デトネーションが間欠的に発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する磁界生成部と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する手段と、前記デトネーション管内に発生したデトネーションによるエネルギをタービンに導き発電を行う手段とを備えた発電システムである。これにより、さらに高効率な発電を行うことができる。また、デトネーション管内に磁界をかけ発電することによりデトネーションの衝撃を緩和することができ、タービンの保護を行うことができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記たねは電子が電離し易いアルカリ金属である請求項1又は2記載の発電システムである。これにより、電離する電子の量が増え適正な温度での発電を行うことができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、気体供給部は過大の気体を前記デトネーション管に供給し、前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行われる請求項1、2又は3記載の発電システムである。これにより、タービン等の冷却を容易に行うことができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電方法であって、所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管内に前記デトネーションを間欠的に発生させる過程と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する過程と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する過程とを有することを特徴とする発電方法である。
【0016】
請求項6に係る発明は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電方法であって、所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管に前記デトネーションを間欠的に発生させる過程と、前記デトネーション管の内部に磁界を生成する過程と、供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する過程と、前記デトネーション管内に発生したデトネーションによるエネルギをタービンに導き発電を行う過程とを有する発電方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1及び図2を参照する。図1は発電システム1の概略の構成を示している。図2は図1においてデトネーション管5の断面A−Aを示している。
【0019】
前記発電システム1は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを間欠的に発生させ、前記デトネーションによるエネルギを利用してMHD発電(magnetohydrodynamics generationあるいは電磁流体発電という)を行う。ここで、前記MHD発電とは既に公知になっているが概略を説明する。普通の発電機では、金属の導線を磁界(磁場ともいう)内で動かして、磁力線を横切るような仕掛けになっているが、これと同じ原理で導電性のある高速流体(電磁流体)を磁界を横切って起電力を誘起する発電方法である。
【0020】
図1に示すように前記発電システム1は前記デトネーションが発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管5と、デトネーション管5に気体(例えば空気)を空気溜7と空気バルブ9とを介して間欠的に供給するブロア3と、前記デトネーション管5の内部に磁界を生成する磁界生成部21(図2参照)と、デトネーション管5を冷却する冷却部19とを備えている。
【0021】
図2に示すように、前記磁界生成部21に備えられた極(例えばN極)21aと極(例えばS極)21bにより磁界(磁場)が矢印AR方向に形成されている。また、デトネーション管5は金属の筒5aの内周にセラミック5bが形成されている。これにより、高温と高圧等に強い構造になる。
【0022】
そして、図1に示すように燃料供給部15によりデトネーション管5内に供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより、前記デトネーション管5の内部を所定の温度状態にし、アルカリ金属添加部17により添加されたたねから電子を発生させるとともに前記磁界内を通過(移動)させて起電力を誘起させる。この起電力は電極11aと電極11bと負荷抵抗13とにより確保される(例えば発電が行われる)。なお、前記電極11aと前記電極11bとはデトネーション管5の管内に配置され、電離した電子と接触可能な状態にある。
【0023】
前記たねは所定の温度で電離容易なアルカリ金属(例えば、セシウム(Cs),カリウム(K)等)であることが望ましい。所定の温度で容易に電子が電離するからである。
【0024】
また、「たねの添加(シーディング)」とは、動作気体(デトネーションにより生成したデトネーション管を移動する気体)に少量の電離しやすい物質(例えばアルカリ金属等)を添加することをいう。これにより、デトネーション管5内の温度を過大な温度としなくてもアルカリ金属は所定の温度で電離し易いので導電率を大きくすることができる。
【0025】
デトネーション管5内の所定の状態について説明する。デトネーション管5内にデトネーションが発生すると管内の温度は3000[K]程度となる。そして、この温度状態にアルカリ金属を添加すると、導電率σは、10[1/Ω・m]程度となる。図5はアルカリ金属を添加したときの温度と導電率の関係を示している。なお、横軸は温度で縦軸は導電率である。
【0026】
一方、デトネーション管5内に発生したデトネーションによるガス流速uは1000(m/s)程度である。
【0027】
上述のような状態で、下記の式(1)で算出される発電を行うことができる。
【0028】
W=σu2B2K(K−1) ... 式(1)
ここで、B:磁束密度[T]
K:負荷率(0.1〜1)
V:電磁流体体積[m3]
であり、K=0.5のとき最大になる。
【0029】
なお、上記発電システム1においては、デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、ブロア3(気体供給部)は過大の気体を前記デトネーション管に供給し、前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行ってもよい。これにより、デトネーション管5等の冷却ができる。
【0030】
図3及び図4を参照する。図3は上述の発電システム1にタービンを備えた発電システム31の概略の構成を示している。図4は図3においてデトネーション管35の断面B−Bを示している。
【0031】
前記発電システム31は、衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを間欠的に発生させ、前記デトネーションによるエネルギを利用してMHD発電を行うとともにタービンによる発電も併せて行う。
【0032】
図3に示すように前記発電システム31は前記デトネーションが発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管35と、デトネーション管35に気体(例えば空気)を空気溜37と空気バルブ39とを介して間欠的に供給するブロア33(気体供給部)と、前記デトネーション管35の内部に磁界を生成する磁界生成部55(図4参照)と、デトネーション管35を冷却する冷却部49とを備えている。図4に示すように、前記磁界生成部55に備えられた極(例えばN極)55aと極(例えばS極)55bにより磁界(磁場)が矢印AR2方向に形成されている。また、デトネーション管35は金属の筒35aの内周にセラミック35bが形成されている。
【0033】
そして、図3に示すように燃料供給部45によりデトネーション管35内に供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより、前記デトネーション管35の内部を所定の温度状態にし、アルカリ金属添加部47により添加されたたねから電子を発生させるとともに前記磁界内を移動させて起電力を誘起させる。この起電力は電極41aと電極41bと負荷抵抗43とにより確保される(例えば発電が行われる)。なお、前記電極41aと前記電極41bとはデトネーション管35の管内に配置され、電離した電子と接触可能な状態にある。
【0034】
デトネーション管5内の所定の状態について説明する。上述したようにデトネーション管35内にデトネーションが発生すると管内の温度は3000[K]程度となる。そして、この状態にアルカリ金属を添加すると、導電率σは、10[1/Ω・m]程度となる。
【0035】
一方、デトネーション管35内に発生したデトネーションによるガス流速uは1000(m/s)程度である。上述のような状態で、上記の式(1)で算出される発電を行うことができる。
【0036】
この発電システム31は、さらにタービン51とジェネレータ53とを備えている。前記デトネーション管35内で生成したデトネーションのエネルギがタービン51に導かれる。そして、ジェネレータ53により発電が行われる。この際、デトネーション管35に発生したデトネーションのエネルギをデトネーション管35内の磁界を通過することにより間欠的に発生する衝撃的なエネルギが緩和されタービン51の破損等を防止することができる。いわゆる、ショックダンパの役割も兼ね備えているものである。
【0037】
なお、発電システム31では、ブロア33により、デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、前記気体供給部は過大の気体を前記デトネーション管に供給し前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行われる。これにより、タービン51やデトネーション管35等の冷却を行うことができる。
【0038】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他の態様で実施し得るものである。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、以上説明したシステムから構成されているので、以下の効果を得ることができる。
【0040】
すなわち、パルスデトネーションエンジンにMHD発電を利用するため、高温高圧ガスをタービンに適する温度まで下げるためのロスや上記機械的ロス等は無くなるという効果がある。さらに、デトネーションンが発生するデトネーションン管内にMHD発電用の装置を備えているので、この出口からのエネルギをタービン等に導く際、障害物とならなく、かつ、発電システム自体を小型化できるという効果がある。
【0041】
また、デトネーション管に発生したデトネーションがデトネーション管内の磁界を通過することにより間欠的に発生する衝撃的なエネルギが緩和されタービンの破損等を防止することができるという効果がある。
【0042】
一方、気体供給部により冷却用空気を間欠的に供給することによりデトネーションにより発生する高温による各装置の損傷等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発電システムの概略の構成を示す概略図である。
【図2】デトネーション管の断面を示す断面図である。
【図3】発電システムの他の例の概略の構成を示す概略図である。。
【図4】デトネーション管の断面を示す断面図である。
【図5】MHD発電の特性を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 発電システム
3 ブロア
5 デトネーション管
7 空気溜
9 空気バルブ
11a,b 電極
13 負荷抵抗
15 燃料供給部
17 アルカリ金属添加部
19 冷却部
Claims (6)
- 衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電システムであって、
前記デトネーションが間欠的に発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管と、
前記デトネーション管の内部に磁界を生成する磁界生成部と、
供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する手段と、
を備えたことを特徴とする発電システム。 - 衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電システムであって、
前記デトネーションが間欠的に発生する所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管と、
前記デトネーション管の内部に磁界を生成する磁界生成部と、
供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する手段と、
前記デトネーション管内に発生したデトネーションによるエネルギをタービンに導き発電を行う手段と、
を備えたことを特徴とする発電システム。 - 前記たねは電子が電離し易いアルカリ金属であることを特徴とする請求項1又は2記載の発電システム。
- デトネーションの発生による高温状態の過程であるホットフロー後に、気体供給部は過大の気体を前記デトネーション管に供給し、前記デトネーション管内部の燃焼ガスのパージと所定の部分の冷却とを兼ね備えたコールドフローの過程を行い、前記ホットフローと前記コールドフローとが交互に行われることを特徴とする請求項1、2又は3記載の発電システム。
- 衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電方法であって、
所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管内に前記デトネーションを間欠的に発生させる過程と、
前記デトネーション管の内部に磁界を生成する過程と、
供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する過程と、
を有することを特徴とする発電方法。 - 衝撃波を伴う爆発的燃焼のデトネーションを利用し発電を行う発電方法であって、
所定長さの筒状の空洞を有するデトネーション管に前記デトネーションを間欠的に発生させる過程と、
前記デトネーション管の内部に磁界を生成する過程と、
供給された燃料に着火し発生したデトネーションにより管内を所定の温度状態にし、添加されているたねから電子を発生させて、この電子を前記デトネーションにより前記磁界内を通過させ、誘起した起電力を確保する過程と、
前記デトネーション管内に発生したデトネーションによるエネルギをタービンに導き発電を行う過程と、
を有することを特徴とする発電方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144090A JP2004350398A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 発電システム及びその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144090A JP2004350398A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 発電システム及びその方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004350398A true JP2004350398A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33531662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003144090A Pending JP2004350398A (ja) | 2003-05-21 | 2003-05-21 | 発電システム及びその方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004350398A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101572476B (zh) * | 2009-03-06 | 2011-02-09 | 东南大学 | 爆燃-非平衡态等离子体磁流体发电方法及其装置 |
CN103441641A (zh) * | 2013-09-02 | 2013-12-11 | 董国光 | 爆轰波引射环道式磁流体发电系统 |
-
2003
- 2003-05-21 JP JP2003144090A patent/JP2004350398A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101572476B (zh) * | 2009-03-06 | 2011-02-09 | 东南大学 | 爆燃-非平衡态等离子体磁流体发电方法及其装置 |
CN103441641A (zh) * | 2013-09-02 | 2013-12-11 | 董国光 | 爆轰波引射环道式磁流体发电系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6751943B2 (en) | Method of magnetohydrodynamic flow control for pulse detonation engines | |
JP5121540B2 (ja) | 電気力学的スワラ、燃焼装置 | |
JP2018533337A5 (ja) | ||
KR20180050361A (ko) | 자기유체역학 제너레이터 | |
JP2008095685A (ja) | プラズマ強化急拡大型ガスタービンエンジン移行ダクト | |
JP2013505399A (ja) | 一過性プラズマを用いて連続爆轟波を維持するための燃焼システムおよびその方法 | |
JP2004360700A (ja) | ガスタービンエンジンを作動させる方法及び装置 | |
JP2008274937A (ja) | 推力室アセンブリ用の流体冷却壁、ロケットエンジン、およびロケットエンジン推力室アセンブリの冷却方法 | |
CN112613245B (zh) | 一种激光预电离的感应等离子体推力器设计方法 | |
JP2016536520A (ja) | 電気的に点火され、スロットル調整された焦電性推進剤ロケットエンジン | |
JP6082576B2 (ja) | パルスデトネーション燃焼器のための可変開始位置特定システム | |
JP2004350398A (ja) | 発電システム及びその方法 | |
Liu et al. | Transient plasma ignition | |
US10813207B1 (en) | Single-use plasma pinch neutron generators | |
JP2007016608A (ja) | パルスデトネーション回転駆動装置 | |
CN110198590B (zh) | 磁控等离子体鞘层特性研究方法 | |
JP2013182718A (ja) | 点火プラグ | |
Beal et al. | Development of the linear gridless ion thruster | |
RU60144U1 (ru) | Детонационный двигатель с устройством магнитогазодинамического управления | |
Ziemba et al. | High power helicon propulsion experiments | |
Ducati et al. | Recent progress in high specific impulse thermo-ionic acceleration | |
JP2006138206A (ja) | Pde駆動チップタービンファンエンジン | |
JP4182541B2 (ja) | 発電装置 | |
Sato et al. | Experimental Study on Shortening Deflagration-to-Detonation Transition by Nanosecond Laser Ignition | |
JPH06196298A (ja) | プラズマ電磁加速器 |