JP2004350344A - Dc−dcコンバータおよびスイッチングレギュレータ - Google Patents

Dc−dcコンバータおよびスイッチングレギュレータ Download PDF

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景樹 松井
Yuugo Yao
祐吾 八尾
Yaku Yo
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Abstract

【課題】広範囲に出力電圧の制御が可能なDC−DCコンバータを提供する。
【解決手段】昇圧用トランジスタSのオンで降圧用トランジスタSのオフにより、リアクトルLに電流が流れ、電磁エネルギが蓄積し、コンデンサC,Cから電荷の放出にて負荷R,Rに電力を供給する。昇圧用トランジスタSのオフで降圧用トランジスタSのオンにより、直流電源Eから負荷Rに電力を供給し、コンデンサCを充填しつつ、コンデンサCの電荷の放出にて負荷Rに電力を供給する。昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSのオフにより、直流電源Eから負荷R,Rに電力を供給しつつコンデンサC,Cを充填する。トランジスタS,Sのデューティ比をそれぞれ制御することで、出力電圧V,Vを広範囲で制御できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2つの異なる出力電圧を得るDC−DCコンバータおよびスイッチングレギュレータに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、DC−DCコンバータは、各種の産業用民生用機器に広く用いられている。例えば、エアコンやウォータポンプ、ヘッドライト、方向指示器などの消費電力の異なる様々な電装品が搭載された自動車では、1つのバッテリからDC−DCコンバータなどを用いて電圧を変換し、各種電装品に電力を供給している。しかしながら、このような構成の電源回路には、複数のDC−DCコンバータを必要とするので、回路構成が複雑化し、コストの低減が図れない。
【0003】
また、自動車に一般的に利用されている12Vのバッテリから各種電装品に電力を供給する場合、大電流を取出可能に路線の径寸法を大きく設定する必要がある。近年では、各種電装品の総消費電力の増大に伴って、配線での電力損失の減少化および収容空間の縮小化の目的で、バッテリ電圧の42V化が広く認識され始めている。このような高圧化された電源からも、利用用途に応じて大小様々な動作電圧をDC−DCコンバータで変換して利用することとなる。また、自動車業界に限らず、一般的な電子回路に用いられるマイクロコンピュータやオペアンプなどでも、アナログ回路やデジタル回路を扱う際に、大小様々な電源が同様に利用される。
【0004】
このように、電圧値を異なる値に変換するDC−DCコンバートとして、異なる2つの出力電圧を得る構成が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【0005】
特許文献1に記載のものは、昇圧形チョッパコンバータと反転形チョッパコンバータとを同一の発振器で駆動させて正負2つの出力電圧を得るスイッチング電源回路である。このスイッチング電源回路の昇圧形チョッパコンバータの出力に、抵抗とツェナーダイオードとの直列回路を介してPNPトランジスタのエミッタを接続するとともに、PNPトランジスタのコレクタを発振器の時定数回路に接続し、ベースを入力電源に接続している。
【0006】
しかしながら、この特許文献1に記載のものでは、昇圧チョッパコンバータと反転形チョッパコンバータとが独立して制御することができず、所定の出力電圧特性となり、汎用性の向上が図れない。
【0007】
特許文献2に記載のものは、入力端子にそれぞれ接続するスイッチングトランジスタおよび出力端子間に平滑用コイルをそれぞれ接続するとともに、スイッチングトランジスタのデューティ比を制御するデューティ制御回路を出力端子にそれぞれ接続した高圧出力部および低圧出力部を備えたDC−DCコンバータである。このDC−DCコンバータの高圧出力端子にシリーズ式降圧型レギュレータの入力側を接続するとともに一端を接地し、このシリーズ式降圧型レギュレータの出力端子にダイオードのアノードを接続するとともにカソードを低圧出力端子に接続している。
【0008】
しかしながら、この特許文献2に記載のものでは、得られる出力電圧が設定された高圧出力部および低圧出力部の設計状態に限られ、所定の出力電圧特性に限られて汎用性の向上が図れない。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−45160号公報(第2頁左上欄−同右下欄、第1図)
【特許文献2】
特開平4−5714号公報(第5頁−第6頁、第3図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、上記特許文献1および特許文献2に記載のものでは、得られる出力電圧値が限られ、汎用性の向上が図れない。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みて、広範囲に出力電圧の制御が可能なDC−DCコンバータを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、直流電源が印加される一対の入力端子間に、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、および、第1のコンデンサが直列に接続され、前記第1のコンデンサの両端にこの第1のコンデンサに対して第1の負荷が並列に接続される一対の出力端子を設けた降圧チョッパ回路を有し、前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と前記降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点との間に、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの直列回路が接続され、これら第2のダイオードおよび第2のコンデンサの接続点に、前記出力端子の一方との間で前記第2のコンデンサに対して第2の負荷が並列でかつ前記第1の負荷に対して直列に接続される出力端子が設けられたことを特徴としたDC−DCコンバータである。
【0013】
この発明では、直流電源が印加される一対の入力端子間に、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、および、第1のコンデンサを直列に接続するとともに、第1のコンデンサの両端にこの第1のコンデンサに対して第1の負荷が並列に接続される一対の出力端子を設けた降圧チョッパ回路を構成する。この降圧チョッパ回路のリアクトルおよび第1のダイオードの接続点と、降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点との間に、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの直列回路を接続するとともに、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの接続点に、出力端子の一方との間で第2のコンデンサに対して並列でかつ第1の負荷に対して直列に第2の負荷が接続される出力端子を設ける。
【0014】
そして、降圧用のスイッチング素子がオフの場合、入力端子間に接続される直流電源、リアクトル、第2のダイオード、および出力端子間に接続される第1の負荷および第2の負荷の直列回路と第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの直列回路との並列回路で閉路が構成され、直流電源から第1の負荷および第2の負荷に電力が供給されるとともに、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサに電流が流れて充電する。また、降圧用のスイッチング素子がオンの場合、直流電源、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、第1の負荷と第1のコンデンサとの並列回路で閉路が構成され、第1の負荷に電力が供給されるとともに、第1のコンデンサに電流が流れて充電する。さらに、第2の負荷と第2のコンデンサとの閉路において、第2のコンデンサの電荷の放出により第2の負荷に電力が供給される。
【0015】
このことにより、例えば2つの降圧チョッパ回路を直流電源が共通となるように設ける構成に比して、降圧用のスイッチング素子のオフ時における環流モードの経路が異なり、降圧用のスイッチング素子のオンオフのデューティ比を制御することで、第1の負荷および第2の負荷がそれぞれ接続される対をなす出力端子間にそれぞれ印加される出力電圧値が制御され、出力電圧が広範囲で制御されるとともに、回路構成が簡略化する。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のDC−DCコンバータにおいて、前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサ間に、コンデンサが直列に接続されるとともに、このコンデンサに並列でかつ前記第1の負荷および前記第2の負荷間に直列に負荷が接続される出力端子が接続され、前記コンデンサおよび第2のコンデンサの接続点と、前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点との間に、第1のダイオードおよび前記降圧用のスイッチング素子の直列回路に並列に、ダイオードおよび第2の降圧用のスイッチング素子の直列回路が接続されたことを特徴とする。
【0017】
この発明では、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサ間にコンデンサを直列に接続するとともに、コンデンサに対して並列でかつ第1の負荷および第2の負荷間に直列に負荷が接続される出力端子を設ける。さらに、コンデンサおよび第2のコンデンサの接続点と、リアクトルおよび第1のダイオードの接続点との間に、第1のダイオードおよび降圧用のスイッチング素子の直列回路に並列に、ダイオードおよび第2の降圧用のスイッチング素子の直列回路を接続する。
【0018】
そして、降圧用のスイッチング素子および第2の降圧用のスイッチング素子がオフの場合、直流電源と、リアクトルと、第2のダイオードとともに、第1の負荷、第2の負荷および負荷の直列回路と、第1のコンデンサ、第2のコンデンサおよびコンデンサの直列回路との並列回路とで閉路が構成され、直流電源から第1の負荷、第2の負荷および負荷に電力が供給されるとともに、第1のコンデンサ、第2のコンデンサおよびコンデンサに電流が流れて充填する。また、降圧用のスイッチング素子がオンで第2の降圧用のスイッチング素子がオフの場合、直流電源、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、第1の負荷と第1のコンデンサとの並列回路で閉路が構成され、第1の負荷に電力が供給されるとともに、第1のコンデンサに電流が流れて充電する。また、第2の負荷と第2のコンデンサとの閉路において、第2のコンデンサの電荷の放出により第2の負荷に電力が供給される。さらに、負荷とコンデンサとの閉路において、コンデンサの電荷の放出により負荷に電力が供給される。また、降圧用のスイッチング素子がオフで第2の降圧用のスイッチング素子がオンの場合、直流電源と、リアクトルと、ダイオードと、第2の降圧用のスイッチング素子とともに、負荷および第1の負荷の直列回路とコンデンサおよび第1のコンデンサの直列回路との並列回路とで閉路が構成され、直流電源から負荷および第1の負荷に電力が供給されるとともに、コンデンサおよび第1のコンデンサに電流が流れて充填する。さらに、第2の負荷と第2のコンデンサとの閉路において、第2のコンデンサの電荷の放出により第2の負荷に電力が供給される。また、降圧用のスイッチング素子および第2の降圧用のスイッチング素子がオンの場合、第1の負荷、第2の負荷および負荷の抵抗や回路抵抗、ダイオードなどにより、上述したいずれかの動作となる。
【0019】
このことにより、コンデンサ、ダイオードおよび第2の降圧用のスイッチング素子を組み込む簡単な構成で、3つ目の異なる出力電圧が得られ、より広範囲の出力電圧の制御が可能となる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、直流電源が印加される一対の入力端子間に、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、および、第1のコンデンサが直列に接続され、前記第1のコンデンサの両端にこの第1のコンデンサに対して第1の負荷が並列に接続されて出力電圧が印加される一対の出力端子を設けた降圧チョッパ回路を有し、前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と前記降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点との間に、ダイオード、第2の降圧用のスイッチング素子およびコンデンサの直列回路が接続され、前記第2の降圧用のスイッチング素子および前記コンデンサの接続点に、前記降圧用のスイッチング素子および前記第1のコンデンサの接続点に接続される一方の出力端子との間で前記第1の負荷に対して直列でかつ前記コンデンサに対して並列に負荷が接続される出力端子が設けられ、前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と前記第2の降圧用のスイッチング素子および前記コンデンサの接続点との間に、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの直列回路が接続され、これら第2のダイオードおよび第2のコンデンサの接続点に、前記第2の降圧用のスイッチング素子および前記コンデンサの接続点に接続された出力端子との間で前記第2のコンデンサに対して第2の負荷が並列でかつ前記第1の負荷および前記負荷に直列に接続される出力端子が設けられたことを特徴としたDC−DCコンバータである。
【0021】
この発明では、直流電源が印加される一対の入力端子間に、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、および、第1のコンデンサを直列に接続するとともに、第1のコンデンサの両端にこの第1のコンデンサに対して第1の負荷が並列に接続される一対の出力端子を設けた降圧チョッパ回路を構成する。この降圧チョッパ回路のリアクトルおよび第1のダイオードの接続点と、降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点との間に、ダイオード、第2の降圧用のスイッチング素子およびコンデンサの直列回路を接続するとともに、第2の降圧用のスイッチング素子およびコンデンサの接続点に、降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点に接続される一方の出力端子との間で第1の負荷に対して直列でかつコンデンサに対して並列に負荷が接続される出力端子を設ける。さらに、リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と、第2の降圧用のスイッチング素子およびコンデンサの接続点との間に、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの直列回路を接続するとともに、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの接続点に、第2の降圧用のスイッチング素子およびコンデンサの接続点に接続された出力端子との間で第2のコンデンサに対して並列でかつ第1の負荷および負荷に直列に第2の負荷が接続される出力端子を設ける。
【0022】
このことにより、請求項2に記載の動作と同様の動作が得られ、例えば3つの降圧チョッパ回路を直流電源が共通となるように設ける構成に比して、降圧用のスイッチング素子および第2の降圧用のスイッチング素子のオンオフにおける環流モードの経路が異なり、降圧用のスイッチング素子および第2の降圧用のスイッチング素子のオンオフのデューティ比を制御することで、第1の負荷、負荷および第2の負荷がそれぞれ接続される対をなす出力端子間にそれぞれ印加される出力電圧値が制御され、出力電圧が広範囲で制御されるとともに、回路構成が簡略化する。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のDC−DCコンバータにおいて、前記コンデンサ、前記ダイオードおよび前記第2の降圧用のスイッチング素子の回路が多段に設けられたことを特徴とする。
【0024】
この発明では、コンデンサ、ダイオードおよび第2の降圧用のスイッチング素子の回路構成を多段に設ける。このことにより、複数の負荷が接続される対をなす出力端子が多段となり、複数の異なる出力電圧を制御できる構成が多段に設ける簡単な構成で容易に得られる。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のDC−DCコンバータにおいて、前記リアクトルおよび前記第1のダイオードの接続点と、前記第1のコンデンサおよび前記一方の入力端子の接続点との間に、昇圧用のスイッチング素子が接続されたことを特徴とする。
【0026】
この発明では、リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と、第1のコンデンサおよび一方の入力端子であるリアクトルが接続される側と反対側の入力端子の接続点との間に、昇圧用のスイッチング素子を接続する。
【0027】
そして、例えば請求項1に記載の第1の負荷および第2の負荷が接続される回路構成で昇圧用のスイッチング素子を設けた構成において、昇圧用のスイッチング素子がオンで降圧用のスイッチング素子がオフの場合、直流電源、リアクトル、昇圧用のスイッチング素子で閉路が構成され、直流電源からリアクトルに電流が流れ、電磁エネルギが蓄積される。さらに、第1のコンデンサおよび第1の負荷の閉路、および、第2のコンデンサおよび第2の負荷の閉路が構成され、それぞれ充電されている第1のコンデンサおよび第2のコンデンサからの電荷の放出により、第1の負荷および第2の負荷のそれぞれに電力が供給される。また、昇圧用のスイッチング素子がオフで降圧用のスイッチング素子がオンの場合、直流電源と、リアクトルと、第1のダイオードと、降圧用のスイッチング素子と、第1の負荷および第1のコンデンサの並列回路とで閉路が構成され、直流電源から第1の負荷に電力が供給されるとともに、第1のコンデンサに電流が流れて充電する。さらに、第2のコンデンサおよび第2の負荷で構成される閉路において、第2のコンデンサの電荷の放出により、第2の負荷に電力が供給される。また、昇圧用のスイッチング素子および降圧用のスイッチング素子がオフの場合、直流電源と、リアクトルと、第2のダイオードとともに、第1の負荷および第2の負荷の直列回路と第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの直列回路との並列回路とで閉路が構成され、直流電源から第1の負荷および第2の負荷に電力が供給されるとともに、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサに電流が流れて充電する。
【0028】
このことにより、昇圧用のスイッチング素子および降圧用のスイッチング素子のオンオフのデューティ比をそれぞれ制御することで、第1の負荷および第2の負荷がそれぞれ接続される対をなす出力端子間にそれぞれ印加される出力電圧値が制御され、出力電圧がより広範囲で制御される。
【0029】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のDC−DCコンバータと、前記スイッチング素子のデューティ比を制御する制御回路と、を具備したことを特徴としたスイッチングレギュレータである。
【0030】
この発明では、出力電圧が簡単な構成で広範囲に制御可能な請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のDC−DCコンバータを用い、スイッチング素子のデューティ比を制御回路にて制御する。このことにより、広範囲の出力電圧で電力を供給可能な構成が容易に得られる。
【0031】
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のDC−DCコンバータと、前記スイッチング素子の各デューティ比をそれぞれ独立して制御する制御回路と、を具備したことを特徴としたスイッチングレギュレータである。
【0032】
この発明では、出力電圧が簡単な構成で広範囲に制御可能な請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のDC−DCコンバータを用い、各スイッチング素子の各デューティ比をそれぞれ独立して制御回路にて制御する。このことにより、より広範囲の出力電圧で電力を供給可能な構成が容易に得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態におけるスイッチングレギュレータにおける一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態におけるスイッチングレギュレータの概略構成を示す回路図である。図2は、デューティ制御部の制御状況を示すタイミングチャートで、(A)は昇圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図、(B)は降圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図である。図3は、出力電圧とデューティ比との関係を示すグラフである。
【0034】
〔スイッチングレギュレータの構成〕
図1において、100はDC−DCコンバータで、このDC−DCコンバータ100には、直流電圧が印加される一対の入力端子A,Aが設けられている。そして、一対の入力端子A,A間には、リアクトルLと昇圧用のスイッチング素子としての昇圧用トランジスタQとの直列回路が接続、すなわちリアクトルL、昇圧用トランジスタSのコレクタ、昇圧用トランジスタSのエミッタが直列に接続されている。なお、昇圧用のスイッチング素子としては、トランジスタに限らず、いずれの構成が利用できる。
【0035】
また、リアクトルLおよび昇圧用トランジスタSのコレクタの接続点と、昇圧用トランジスタSのエミッタおよび入力端子Aの接続点との間には、第2のダイオードであるダイオードDと、第1のコンデンサであるコンデンサCおよび第2のコンデンサであるコンデンサCの直列回路とが直列に接続されている。さらに、コンデンサCおよびコンデンサCの直列回路には、負荷Rおよび負荷Rの直列回路が並列でかつコンデンサCおよびコンデンサCの接続点と負荷Rおよび負荷Rの接続点が接続する状態に、所定の出力電圧Vおよび出力電圧Vが印加される出力端子B,B,Bが接続されている。そして、DC−DCコンバータ100は、リアクトルL、昇圧用トランジスタS、ダイオードD、コンデンサC,C、負荷R,Rにより、昇圧チョッパ回路を構成する。
【0036】
さらに、DC−DCコンバータ100には、リアクトルLおよび昇圧用トランジスタSのコレクタの接続点と、コンデンサCおよびコンデンサCの接続点との間に、ダイオードDおよび降圧用のスイッチング素子としての降圧用トランジスタSの直列回路が接続、すなわち、ダイオードD、降圧用トランジスタSのコレクタおよび降圧用トランジスタSのエミッタが接続されている。そして、DC−DCコンバータ100は、リアクトルL、ダイオードD、コンデンサC、負荷Rにより、降圧チョッパ回路を構成する。なお、降圧用のスイッチング素子としては、トランジスタに限らず、いずれの構成が利用できる。
【0037】
一方、上記回路構成のDC−DCコンバータ100における昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSのベースには、図示しないデューティ比制御回路がそれぞれ接続されている。このデューティ比制御回路は、デューティ比を制御して出力電圧V,Vを制御、すなわち昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSのオンオフをそれぞれ独立に制御し、出力端子B,B間および出力端子B,B間にそれぞれ印加する出力電圧V,Vを制御する。具体的には、デューティ比制御回路は、例えば図2のタイミングチャートに示すように、昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSのベースに所定のタイミングでベース電圧を印加するゲート信号により、図3に示すように出力電圧V,Vを制御している。
【0038】
すなわち、昇圧用トランジスタSが全期間でオンしない際に降圧用トランジスタSのデューティ比を変化させた場合、出力電圧V,Vの特性は、降圧用トランジスタSのデューティ比dを用いて以下の数1に示す式で表され、図3に示すようになる。
【0039】
【数1】
=E/(1+(1−d
=(1−d)E/(1+(1−d
:負荷Rに印加される出力電圧
:負荷Rに印加される出力電圧
E:直流電源電圧
:降圧用トランジスタS1のデューティ比
【0040】
そして、この数1において、昇圧用トランジスタSが動作する場合には、デューティ比d,dを用いて以下の数2に示す式で表される。
【0041】
【数2】
=(1−d)E/((1−d)+((1−d−d
=(1−d−d)E/((1−d+(1−d−d
:昇圧用トランジスタS0のデューティ比
【0042】
ここで、このDC−DCコンバータ100において、入力電流はリアクトルLの作用で一定の電流Iとなり、出力負荷抵抗は負荷R,Rの両者間で等しい値とする。このことにより、入力電力は前期間一定のEIとなる。この入力電力EIが、出力電圧V,Vに対してVIと(V+V)(I−d−d)Iとして振り分けられる。すなわち、以下の数3に示す関係式となる。
【0043】
【数3】
E=V+d+(V+V)(I−d−d
【0044】
この数3の式から出力電圧V,Vで消費する電力はそれぞれ図4に示す式で表される。
【0045】
【数4】
/R=VI+V (I−d−d)I
/R=V (I−d−d)I
【0046】
これら数3および数4に示す関係式の連立方程式を演算することで、数1および数2の関係式が求められる。このように、デューティ比d=0としてデューティ比dを0から1まで変えることで、2つの出力電圧V,Vはデューティ比d=0の時の直流電源Eの半分の電圧から広範囲に変化されることとなる。
【0047】
また、出力電圧V,Vを調整する目的で全体的に昇圧させる場合には、昇圧動作をする昇圧用トランジスタSがある期間だけオン状態になった後に降圧用トランジスタSをオンオフさせることで、出力電圧V,Vが広範囲に変化することとなる。なお、昇圧させる必要がない場合には、トランジスタSは開放にしておけばよい。図3に示すように、昇圧動作をさせる場合、全体的に2つの和の出力電圧V,Vが合わせて昇圧される。この図3では、昇圧用トランジスタSのデューティ比dが0.25の場合を重ねている例示を示す。なお、この図3において、デューティ比dが大きいところで出力電圧Vが0となるのは、図2に示すように、d+d=1となり、出力電圧Vに通電しないためである。
【0048】
このように、デューティ比制御回路は、昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSのデューティ比を制御することで出力電圧V,Vを広範囲で適宜変化させる。なお、図2において、昇圧用トランジスタSのゲートにゲート電圧を印加した後に降圧用トランジスタSのゲートにゲート電圧を印加して説明したが、ゲート電圧を印加する順番は、逆に入れ替えた場合も同じ特性となる。また、ゲート電圧を印加するタイミングは、デューティ比dの期間Iとデューティ比dの期間IIは、1周期の期間中で互いに重なり合わなければ、いずれの時期に設定でき、その特性も変化しない。そして、このデューティ比制御回路と、上記回路構成のDC−DCコンバータ100とにより、本発明のスイッチングレギュレータが構成される。
【0049】
〔スイッチングレギュレータの動作〕
次に、図2のタイミングチャートに示すタイミングで、ゲート電圧を印加した場合のスイッチングレギュレータの動作を図面を参照して説明する。なお、回路構成として、昇圧用トランジスタの電圧をvS0、降圧用トランジスタの電圧をvS1、ダイオードDの電圧をvd2、リアクトルLの電圧をv、直流電源Eの電圧を100V、リアクトルLのインダクタンスを2mH、コンデンサC1,C2の静電容量を3000μF、負荷R,Rの抵抗を10Ω、昇圧期間を1/4周期、デューティ比dを0.5として説明する。また、昇圧用トランジスタS、降圧用トランジスタS、および、ダイオードD,Dの順方向の電圧降下はゼロとする。図4は、昇圧用トランジスタにゲート電圧を印加した時の電流が流れる状態を示す説明図である(期間I)。図5は、降圧用トランジスタにゲート電圧を印加した時の電流が流れる状態を示す説明図である(期間II)。図6は、ゲート電圧を印加しない時の電流が流れる状態を示す説明図である(期間III)。図7は、動作波形を示す波形図で、(A)は昇圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図、(B)は降圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図、(C)は昇圧用トランジスタSの電圧波形図、(D)は降圧用トランジスタSの電圧波形図、(E)はダイオードDの電圧波形図、(F)はリアクトルLの電圧波形図である。
【0050】
(期間I)
デューティ比制御回路の制御により昇圧用トランジスタSのゲートにゲート電圧が印加されてターンオンすると、図4に示すように、入力端子A,A間に接続された直流電源E、リアクトルL、昇圧用トランジスタSのコレクタおよび昇圧用トランジスタSのエミッタで閉路が構成される。そして、図4に示すように、直流電源EからリアクトルLに電流が流れ、電磁エネルギが蓄積させる。また、昇圧用トランジスタSのターンオンにより、コンデンサCおよび負荷Rの閉路と、コンデンサCおよび負荷Rの閉路とがそれぞれ構成される。そして、直流電源Eと負荷R,Rが切り離されるが、前動作で充電されたコンデンサC,Cから電荷の放出により負荷R,Rに電力が供給される。
【0051】
この期間Iでは、昇圧用トランジスタSがターンオンして降圧用トランジスタSはターンオフしている。このことにより、昇圧用トランジスタSは、図7(C)に示すように、通電のために電圧vS0がゼロとなる。また、降圧用トランジスタSには、図7(D)に示すように、電圧vS1として逆方向に負荷電圧Vが印加される。さらに、ダイオードDには、図7(E)に示すように、電圧vd2として逆方向に負荷電圧の和(V+V)が印加される。また、直流電源Eと閉回路となるリアクトルLには、図7(F)に示すように、電圧vとして直流電源Eの電圧がそのまま印加されて電磁エネルギが注入される。
【0052】
このように、期間Iでは、図4に示すように電流が流れ、図7の動作波形で示す状態に電圧が印加され、負荷R,Rに出力電圧V,Vが印加される。そして、昇圧用トランジスタSがターンオフすることで、この期間Iが終了する。
【0053】
(期間II)
デューティ比制御回路の制御により昇圧用トランジスタSのゲートに印加するゲート電圧を開放してターンオフし、降圧用トランジスタSのゲートにゲート電圧を印加してターンオンすると、図5に示すように、直流電源E、リアクトルL、ダイオードD、降圧用トランジスタSのコレクタ、降圧用トランジスタSのエミッタ、および負荷RとコンデンサCとの並列回路で閉路が構成される。そして、直流電源Eから負荷Rに電力が供給されるとともに、コンデンサCに電流が流れて充填する。また、昇圧用トランジスタSがターンオフして降圧用トランジスタSがターンオンすることにより、コンデンサCおよび負荷Rの閉路が構成される。そして、コンデンサCの電荷の放出により、負荷Rに電力が供給される。
【0054】
この期間IIでは、昇圧用トランジスタSがターンオフして降圧用トランジスタSがターンオンする。このことにより、降圧用トランジスタSは、図7(D)に示すように、通電のために電圧vS1がゼロとなる。そして、昇圧用トランジスタSには、図7(C)に示すように、通電している降圧用トランジスタSを通して、電圧vS0として電圧Vが順方向で印加される。また、ダイオードDには、図7(E)に示すように、電圧vd2として逆方向に負荷電圧Vが印加される。さらに、リアクトルLには、図7(F)に示すように、電圧vとして直流電源Eと負荷電圧Vとの差電圧(E−V)が順方向に印加される。ここで、本実施の形態における回路定数では、直流電源Eの電圧と負荷電圧Vとがほぼ等しくなり、差電圧(E−V)はほぼゼロとなる。
【0055】
このように、期間IIでは、図5に示すように電流が流れ、図7の動作波形で示す状態に電圧が印加され、負荷R,Rに出力電圧V,Vが印加される。そして、昇圧用トランジスタSがターンオフした状態で降圧用トランジスタSがターンオフすることで、この期間IIが終了する。
【0056】
(期間III)
デューティ比制御回路の制御により期間IIでの降圧用トランジスタSへのゲート電圧の印加を開放してターンオフすると、図6に示すように、直流電源E、リアクトルL、ダイオードD、および、負荷R,Rの直列回路とコンデンサC,Cの直列回路との並列回路の閉路が構成される。そして、直流電源Eから負荷R,Rに電力が供給されるとともに、コンデンサC,Cに電流が流れて充填する。この期間IIIでは、図6に示すように電流が流れ、負荷R,Rに出力電圧V,Vが印加される。
【0057】
この期間IIIでは、昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSは共にターンオフしている。このことにより、通電しているダイオードDは、図7(E)に示すように、電圧vd2がゼロとなる。そして、昇圧用トランジスタSには、図7(C)に示すように、通電するダイオードDを通して電圧vS0として負荷電圧の和(V+V)が順方向で印加される。さらに、降圧用トランジスタSには、図7(D)に示すように、電圧vS1として負荷電圧Vが順方向で印加される。また、リアクトルLには、図7(F)に示すように、電圧vとして負荷R,Rと直流電源Eとの差電圧(V+V−E)が逆方向に印加される。
【0058】
このように、期間IIIでは、図6に示すように電流が流れ、図7の動作波形で示す状態に電圧が印加され、負荷R,Rに出力電圧V,Vが印加される。そして、次の周期の期間Iである昇圧用トランジスタSのターンオンするまでが期間IIIとなる。
【0059】
(出力電圧特性)
次に、出力電圧の特性について図面を参照して詳細に説明する。なお、回路構成として、直流電源E、ダイオードD,Dの各回路における回路抵抗を0.5Ω、負荷R,Rの抵抗を10Ω、直流電源Eの電圧を100V、スイッチング周波数(f)を10kHzとして、出力電圧の特性を例示して説明する。図8は、降圧時における出力電圧特性を示すグラフで、(A)は出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフ、(B)は出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフである。図9は、昇圧時における出力電圧特性を示すグラフで、(A)は出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフ、(B)は出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフである。なお、図8および図9は、回路損失を考慮して演算された結果であり、損失を考慮しないで演算した結果と多少の誤差はある。
【0060】
昇圧用トランジスタSのデューティ比dを0.1〜0.3に設定し、降圧用トランジスタSのデューティ比dを0〜1まで変化させた場合についての出力電圧V,Vの特性は、図7に示すようになる。すなわち、図8(A)に示すように、降圧用トランジスタSのデューティ比dの値が大きくなるにしたがって、通常の降圧チョッパと同様に出力電圧Vも上昇する。さらに、所定の値に固定して設定する昇圧用トランジスタSのデューティ比dの値が大きくなるにしたがって、出力電圧Vも高くなる。一方、図8(B)に示すように、デューティ比dの値が多くなるにしたがって、出力電圧Vも次第にゼロとなる。すなわち、期間IIIとなる直流電源EからダイオードDを介してコンデンサCへの導通期間が短くなって最終的には出力電圧Vは0となるためである。
【0061】
また、降圧用トランジスタSのデューティ比を0.1〜0.3に設定し、昇圧用トランジスタSのデューティ比dを0〜1まで変化させた場合についての出力電圧V,Vの特性は、図9に示すようになる。すなわち、図9(A)に示すように、昇圧用トランジスタSのデューティ比dの値が大きくなるにしたがって、通常の使用圧チョッパと同様に出力電圧Vも上昇する。さらに、所定の値に固定して設定する降圧用トランジスタSのデューティ比dの値が大きくなるにしたがって、出力電圧Vも若干高くなる。一方、図9(B)に示すように、デューティ比dの値が増大するにしたがって、出力電圧Vは次第に増大して所定の最大値を経てd+d=1でゼロとなる。すなわち、(d+d)の値が1に近づくにしたがって、期間IIIとなる直流電源EからダイオードDを介してコンデンサCへの導通期間が次第に短くなって最終的には出力電圧Vは0となるためである。
【0062】
そして、出力電圧V,Vの最大値は、上述した数2の式から略求められる。すなわち、図9(A)における一定のデューティ比dに対する出力電圧Vの最大値V1maxは、d+d=1から以下の数5に示すように得られる。
【0063】
【数5】
1max=E/d=E/(1−d
【0064】
一方、図9(B)における一定のデューティ比dに対する出力電圧Vの最大値V2maxは、dV/dd=0から以下の数6に示すように得られる。すなわち、dV/dd=0を数2に適用すると、d=1−d−d/21/2となり、このときが出力電圧Vが最大値となる。この式を数2に代入すればよい。
【0065】
【数6】
2max=E/(2(1+21/2)d
【0066】
この数6に示すように、デューティ比dから最大値の出力電圧V2maxを求めることができる。
【0067】
〔スイッチングレギュレータの効果〕
上述したように、上記実施の形態では、直流電源Eが印加される一対の入力端子A,A間に、リアクトルL、第1のダイオードD、降圧用トランジスタS、および、コンデンサCを直列に接続するとともに、コンデンサCの両端にコンデンサCに対して負荷Rが並列に接続される一対の出力端子B,Bを設けた降圧チョッパ回路を構成する。この降圧チョッパ回路のリアクトルLおよびダイオードDの接続点と、降圧用トランジスタSおよびコンデンサCの接続点との間に、ダイオードDおよびコンデンサCの直列回路を接続するとともに、ダイオードDおよびコンデンサCの接続点に、一方の出力端子Bとの間でコンデンサCに対して並列でかつ負荷Rに対して直列に負荷Rが接続される出力端子Bを設ける。さらに、リアクトルLおよび降圧用トランジスタSの接続点と、コンデンサCおよびリアクトルLが接続される側と反対側の一方の入力端子Aの接続点との間に、昇圧用トランジスタSを接続する。
【0068】
この回路構成において、昇圧用トランジスタSがオンで降圧用トランジスタSがオフの期間Iの場合、直流電源E、リアクトルL、昇圧用トランジスタSで閉路が構成され、直流電源EからリアクトルLに電流が流れ、電磁エネルギが蓄積される。さらに、コンデンサCおよび負荷Rの閉路、および、コンデンサCおよび負荷Rの閉路がそれぞれ構成され、それぞれ充電されているコンデンサC,Cからの電荷の放出により、負荷R,Rのそれぞれに電力が供給される。また、昇圧用トランジスタSがオフで降圧用トランジスタSがオンの期間IIの場合、直流電源Eと、リアクトルLと、ダイオードDと、降圧用トランジスタSと、負荷RおよびコンデンサCの並列回路とで閉路が構成され、直流電源Eから負荷Rに電力が供給されるとともに、コンデンサCに電流が流れて充電する。さらに、コンデンサCおよび負荷Rで構成される閉路において、コンデンサCの電荷の放出により、負荷Rに電力が供給される。また、昇圧用トランジスタSおよび降圧用トランジスタSがオフの期間IIIの場合、直流電源Eと、リアクトルLと、ダイオードDとともに、負荷R,Rの直列回路とコンデンサC,Cの直列回路との並列回路とで閉路が構成され、直流電源Eから負荷R,Rに電力が供給されるとともに、コンデンサC,Cに電流が流れて充電する。
【0069】
このため、例えば2つの降圧チョッパ回路を直流電源Eが共通となるように設ける構成に比して、降圧用トランジスタSのオフ時における環流モードの経路が異なり、降圧用トランジスタSのオンオフのデューティ比を制御することで、負荷R,Rがそれぞれ接続される対をなす出力端子B,B間および出力端子B,B間にそれぞれ印加される出力電圧値が制御され、出力電圧を広範囲で制御できる。そして、この制御は、昇圧用トランジスタSのオンオフのデューティ比と合わせてそれぞれ独立して制御しているので、出力電圧をより広範囲で制御できる。また、2つの降圧チョッパ回路を設ける構成に比して、回路構成も簡略化でき、製造性の向上、小型化、装置コストの低減などが容易に得られる。
【0070】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明のDC−DCコンバータは、上記各実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0071】
例えば、図10に示すように、昇圧用トランジスタSを設けない構成として、異なる出力電圧を得る構成としてもよい。なお、図10に示す実施の形態において、上記図1ないし図9に示す実施の形態と同一の構成については同一の符号を付す。
【0072】
すなわち、図10に示す回路構成のDC−DCコンバータ200は、降圧用トランジスタSのデューティ比を適宜制御することにより、負荷R,Rに印加する出力電圧を制御する。具体的には、降圧用トランジスタSがオフの場合、入力端子A,A間に接続される直流電源Eと、リアクトルLと、ダイオードDとともに、負荷R,Rの直列回路とコンデンサC,Cの直列回路との並列回路とで閉路が構成され、直流電源Eから負荷R,Rに電力が供給されるとともに、コンデンサC,Cに電流が流れて充電する。また、降圧用トランジスタSがオンの場合、直流電源Eと、リアクトルLと、ダイオードDと、降圧用トランジスタSと、負荷RおよびコンデンサCの並列回路とで閉路が構成され、負荷Rに電力が供給されるとともに、コンデンサCに電流が流れて充電する。さらに、負荷RとコンデンサCとの閉路において、コンデンサCの電荷の放出により負荷Rに電力が供給される。
【0073】
このため、図10の回路構成で示す他の実施の形態のDC−DCコンバータ200では、例えば2つの降圧チョッパ回路を直流電源Eが共通となるように設ける構成に比して、降圧用トランジスタSのオフ時における環流モードの経路が異なり、上述したように、降圧用トランジスタSのオンオフのデューティ比を制御することで、負荷R,Rがそれぞれ接続される対をなす出力端子B,B間および出力端子B,B間にそれぞれ印加される出力電圧値が制御され、出力電圧を広範囲で制御できるとともに、回路構成を簡略化できる。
【0074】
また、上記図1ないし図9に示す実施の形態において、図1の回路構成の各素子の極性を変えて、例えば図11に示すDC−DCコンバータ300のように変形してもよい。すなわち、この図11に示す実施の形態では、負荷R,Rの分割される出力電圧V,Vが図1の回路構成と比べて逆になる。このような構成では、昇圧用トランジスタS01と降圧用トランジスタS11の負側端子を共通にできる。
【0075】
さらに、上記図1ないし図9に示す実施の形態において、出力電圧が印加される負荷を例えば図12に示すDC−DCコンバータ400のように複数段(n段)に分割した回路構成としてもよい。すなわち、図1の回路構成に示すDC−DCコンバータ100のコンデンサC,C間にコンデンサを直列に接続するとともに、コンデンサに対して並列でかつ負荷R,R間に直列に負荷が接続される出力端子を設ける。さらに、コンデンサおよびコンデンサCの接続点と、リアクトルLおよびダイオードDの接続点との間に、ダイオードDおよび降圧用トランジスタSの直列回路に並列に、ダイオードおよび第2の降圧用トランジスタの直列回路を接続する。そして、これらコンデンサ、ダイオードおよび第2の降圧用トランジスタを、図12に示すように複数段設ける。そして、この図12に示す多段チョッパの回路構成では、それぞれの出力電圧は、上述した式を用いて以下の数7に示す式にて求められる。この数7は、n段チョッパで図12中の下からm段目の負荷Rmにおける出力電圧Vmである。
【0076】
【数7】
=(1−d−d…−dm−1)E/((1−d+(1−d−d+…+(1−d−d…−dn−1
【0077】
なお、この図12に示す回路構成では、共通端子を必要としないような用途に利用することが好ましい。
【0078】
また、図1ないし図9に示す実施の形態において、回路構成の電圧値や抵抗値、静電容量などは、上述した構成に限らず、適宜用途に対応して設定できる。
【0079】
さらに、スイッチング素子としては、上述したように、トランジスタに限らず、サイリスタなどの他のいずれのスイッチング素子を用いてもよい。
【0080】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順などは、本発明の目的を達成できる範囲で他の構成に変更するなどしてもよい。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチング素子のオンオフのデューティ比を適宜制御することで、出力電圧を広範囲で制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチングレギュレータにおける一実施の形態の概略構成を示す回路図である。
【図2】前記第1の実施の形態におけるデューティ制御部の制御状況を示すタイミングチャートである。
(A):昇圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図
(B):降圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図
【図3】前記第1の実施の形態における出力電圧とデューティ比との関係を示すグラフである。
【図4】前記第1の実施の形態における昇圧用トランジスタにゲート電圧を印加した時の電流が流れる状態を示す説明図である(期間I)。
【図5】前記第1の実施の形態における降圧用トランジスタにゲート電圧を印加した時の電流が流れる状態を示す説明図である(期間II)。
【図6】前記第1の実施の形態におけるゲート電圧を印加しない時の電流が流れる状態を示す説明図である(期間III)。
【図7】前記第1の実施の形態における動作波形を示す波形図である。
(A):昇圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図
(B):降圧用トランジスタSのゲート電圧を印加する状態のゲート信号の波形図
(C):昇圧用トランジスタSの電圧波形図
(D):降圧用トランジスタSの電圧波形図
(E):ダイオードDの電圧波形図
(F):リアクトルLの電圧波形図
【図8】前記第1の実施の形態における降圧時における出力電圧特性を示すグラフである。
(A):出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフ
(B):出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフ
【図9】前記第1の実施の形態における昇圧時における出力電圧特性を示すグラフである。
(A):出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフ
(B):出力電圧Vとデューティ比dとの関係を示すグラフ
【図10】本発明のスイッチングレギュレータの他の実施の形態の概略構成を示す回路図である。
【図11】本発明のスイッチングレギュレータのさらに他の実施の形態の概略構成を示す回路図である。
【図12】本発明のスイッチングレギュレータのさらに他の実施の形態の概略構成を示す回路図である。
【符号の説明】
100,200,300,400 DC−DCコンバータ
,A 入力端子
,B,B,Bn−1,B 出力端子
第1のコンデンサであるコンデンサ
,C 第2のコンデンサであるコンデンサ
第1のダイオードであるダイオード
,D 第2のダイオードであるダイオード
E 直流電源
L リアクトル
,S01 昇圧用のスイッチング素子である昇圧用トランジスタ
,S11 降圧用のスイッチング素子である降圧用トランジスタ
,Sn−1 第2の降圧用のスイッチング素子である降圧用トランジスタ
第1の負荷である負荷
,R 第2の負荷である負荷

Claims (7)

  1. 直流電源が印加される一対の入力端子間に、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、および、第1のコンデンサが直列に接続され、前記第1のコンデンサの両端にこの第1のコンデンサに対して第1の負荷が並列に接続される一対の出力端子を設けた降圧チョッパ回路を有し、
    前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と前記降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点との間に、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの直列回路が接続され、
    これら第2のダイオードおよび第2のコンデンサの接続点に、前記出力端子の一方との間で前記第2のコンデンサに対して第2の負荷が並列でかつ前記第1の負荷に対して直列に接続される出力端子が設けられた
    ことを特徴としたDC−DCコンバータ。
  2. 請求項1に記載のDC−DCコンバータにおいて、
    前記第1のコンデンサおよび前記第2のコンデンサ間に、コンデンサが直列に接続されるとともに、このコンデンサに並列でかつ前記第1の負荷および前記第2の負荷間に直列に負荷が接続される出力端子が接続され、
    前記コンデンサおよび第2のコンデンサの接続点と、前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点との間に、第1のダイオードおよび前記降圧用のスイッチング素子の直列回路に並列に、ダイオードおよび第2の降圧用のスイッチング素子の直列回路が接続された
    ことを特徴としたDC−DCコンバータ。
  3. 直流電源が印加される一対の入力端子間に、リアクトル、第1のダイオード、降圧用のスイッチング素子、および、第1のコンデンサが直列に接続され、前記第1のコンデンサの両端にこの第1のコンデンサに対して第1の負荷が並列に接続されて出力電圧が印加される一対の出力端子を設けた降圧チョッパ回路を有し、
    前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と前記降圧用のスイッチング素子および第1のコンデンサの接続点との間に、ダイオード、第2の降圧用のスイッチング素子およびコンデンサの直列回路が接続され、前記第2の降圧用のスイッチング素子および前記コンデンサの接続点に、前記降圧用のスイッチング素子および前記第1のコンデンサの接続点に接続される一方の出力端子との間で前記第1の負荷に対して直列でかつ前記コンデンサに対して並列に負荷が接続される出力端子が設けられ、
    前記リアクトルおよび第1のダイオードの接続点と前記第2の降圧用のスイッチング素子および前記コンデンサの接続点との間に、第2のダイオードおよび第2のコンデンサの直列回路が接続され、
    これら第2のダイオードおよび第2のコンデンサの接続点に、前記第2の降圧用のスイッチング素子および前記コンデンサの接続点に接続された出力端子との間で前記第2のコンデンサに対して第2の負荷が並列でかつ前記第1の負荷および前記負荷に直列に接続される出力端子が設けられた
    ことを特徴としたDC−DCコンバータ。
  4. 請求項2または請求項3に記載のDC−DCコンバータにおいて、
    前記コンデンサ、前記ダイオードおよび前記第2の降圧用のスイッチング素子の回路が多段に設けられた
    ことを特徴としたDC−DCコンバータ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のDC−DCコンバータにおいて、
    前記リアクトルおよび前記第1のダイオードの接続点と、前記第1のコンデンサおよび前記一方の入力端子の接続点との間に、昇圧用のスイッチング素子が接続された
    ことを特徴としたDC−DCコンバータ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のDC−DCコンバータと、
    前記スイッチング素子のデューティ比を制御する制御回路と、
    を具備したことを特徴としたスイッチングレギュレータ。
  7. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のDC−DCコンバータと、
    前記スイッチング素子の各デューティ比をそれぞれ独立して制御する制御回路と、
    を具備したことを特徴としたスイッチングレギュレータ。
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