JP2004350221A - 光伝送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】光伝送システムで複数の通信信号を光信号として効率的に伝送する。
【解決手段】光送信側では、通信信号A/D変換手段B1〜Biが複数の通信信号をA/D変換し、デジタル通信信号光信号変換手段C1〜CiがA/D変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換し、光信号多重化伝送手段2が得られる複数の光信号を多重化して伝送する。光受信側では、多重化光信号受信手段が互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された光信号を受信し、光信号抽出手段が受信される多重化された光信号に含まれるそれぞれの波長を有する光信号を抽出し、光信号デジタル通信信号変換手段が抽出されるそれぞれの波長を有する光信号をデジタルの通信信号へ変換し、通信信号D/A変換手段が得られる通信信号をD/A変換する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の通信信号を光信号として伝送する光伝送システムなどに関し、特に、デジタル化した複数の通信信号を光信号へ変換して伝送することを効率的に行う光伝送システムなどに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マイクロセルラの移動通信システムの信号を光ファイバで伝送するシステムが実施されており、十分な性能で光信号の伝送が可能であることが実験により確かめられている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、基地局装置と移動局装置との間に双方向で電波を中継的に伝送するブースタを備えることにより、基地局装置からの電波が到達しないトンネル内などにおいても移動通信サービスを提供することが行われている。このようなブースタとしては、例えば、親局や子局として設けられる光変換中継増幅装置が用いられている(例えば、非特許文献2参照。)。
【0003】
また、周波数多重された無線周波数信号をまとめて光信号へ変換することにより、移動通信方式の各周波数帯域の信号を共用して中継増幅する帯域共用型の光伝送ブースタが検討されている(例えば、非特許文献3参照。)。
また、移動通信に適用可能な光マイクロ波伝送システムにおいて、帯域信号を一括してデジタル信号へ変換して当該デジタル信号を光信号へ変換して伝送することにより、光素子の非線形性に依存しない高いダイナミックレンジを確保することが図られている(例えば、非特許文献4参照。)。
【0004】
ここで、従来技術の一例を示す。
例えば、無線周波数(RF)信号の光ファイバ直接伝送では、アナログ光伝送方式が現在の主流であるが、ダイナミックレンジや伝送損失やファイバ接続品質などの観点からの制約も多い。
【0005】
そこで、これらの制約を受けない又は改善することが可能な方式として、デジタル変換方式が検討されている(例えば、非特許文献4参照。)。
図7には、このようなデジタル変換方式を用いた光伝送システムの構成例を示してある。具体的には、光送信器61と光受信器62とが光ファイバ63を介して接続されており、光送信器61には周波数変換部71とA/D(Analog to Digital)変換部72とフレーム生成部73とP/S変換部74とE/O変換部75と基準クロック発生部76が備えられており、光受信器62にはO/E変換部81とフレーム同期部82とS/P変換部83とD/A(Digital to Analog)変換部84と周波数変換部85とクロック再生部86が備えられている。
【0006】
同図に示したシステムでは、エンドトゥエンドの伝送系としては、無線周波数(RF)の信号の直接伝送を確保している。概略的には、内部処理として、RF信号をデジタル変換した後にデジタル光伝送を行い、また、再度アナログ信号(RF信号)へ再変換することにより、アナログ光伝送で問題となる受発光素子の非線形性などの問題を回避して、高ダイナミックレンジの伝送を行うことができるようにしている。
【0007】
なお、デジタル変換の変換精度N[bit]や、信号の最高周波数成分BW[Hz]や、サンプリング速度fs[sps]を用いると、伝送RF信号のCNRは、式1のように表される(例えば、非特許文献4参照。)。
【0008】
【数1】
Figure 2004350221
【0009】
さて、ソフトウエアラジオ技術と半導体デバイス技術の進展に伴い、デジタル変換を行うA/D変換器やD/A変換器としては、サンプリング速度が50MHz、変換精度が14bit程度のものが、デジタル無線変調波の直接生成や復調用途のために容易に入手できるようになっている。
【0010】
このサンプリング速度と変換精度によって第3世代携帯電話システム(IMT−2000)で、各事業者に割り当てられている周波数帯域幅である20MHzを一括してデジタル変換したとすると、上記式1から、CNRは87dBとなる。3次相互変調歪みIM3は、デジタル変換データの伝送誤りを無視することができるとすると、A/D変換器やD/A変換器による変換時の非線形性が主要因となり、入力RFレベルに対する変動要因は非常に小さい。従って、アナログ光伝送方式と比べて、ダイナミックレンジの拡大が期待される。
【0011】
デジタル変換を行うことで、光伝送区間はビット誤り率の特性に優れたデジタル光伝送とすることができる。デジタル光伝送では、伝送性能は伝送速度と指標とするビット誤り率で規定される。通常は、指標となるビット誤り率は10−11などであり、事実上はエラーフリー伝送と考えても差し支えない。デジタル光トランシーバなどでは、この指標ビット誤り率以上の伝送性能が得られる光送受信レベル差などから、無中継最大伝送距離などが規定されている。
【0012】
これを前提とすると、デジタル変換方式では、RF信号の最高周波数成分が一定であるとすると、RF信号伝送の性能は、デジタル変換−アナログ再変換の変換精度とサンプリング周波数により決定されることとなる。
これらは機器設計上のパラメータであり、実際の設備が導入されるときにおける光ファイバ線路長や光伝搬損失などの運用上のパラメータではない。
【0013】
図8には、(a)アナログ光伝送方式と、(b)デジタル変換光伝送方式について、光ファイバ線路長(光伝送距離)と伝送性能との関係の一例を定性的に示してある。
光伝送区間における信号伝送速度は、上述の例では、変換精度が14bitでありサンプリング速度が50MHzであるので単純に計算すると、14×(50×10)=700Mbpsとなり、比較的高速な伝送が必要となる。
【0014】
【非特許文献1】
J.Namiki, et.al., 徹ptical Feeder Basic System Design for Microcellular Mobile Radio・ IEICE Trans. Commun., vol.E76−B, no.9, pp.1069−1077, September, 1993
【非特許文献2】
菅沼、外、「1.5GHzデジタル移動通信用トンネルブースタ」、NTT DoCoMo テクニカルジャーナル、vol.2, no.2, pp.20−23, 1994
【非特許文献3】
福家、外、「光伝送ブースタ」、NTT DoCoMo テクニカルジャーナル、vol.5, no.1, pp.29−32, 1997
【非特許文献4】
伊東、外、「帯域信号/デジタル変換法(BDC)を用いた高ダイナミックレンジ800MHz帯光マイクロ波伝送」、電子情報通信学会、技術研究報告、MW97−26, pp.61−66, 1997−05
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光伝送システムでは、次のような課題があった。
具体的な課題の一例として、上記の事柄を前提として、デジタル変換方式を実際に携帯電話システムヘ適用する場合における問題点について検討する。
ダークファイバの利用を前提とすると、使用する光ファイバは少ない方が運用コストがかからない。また、携帯電話システムの通信事業者は、一般に、複数の周波数帯を割り当てられて事業を行っている。
【0016】
例えば、800MHz帯のPDC方式と2GHz帯のDS−CDMA方式、1.5GHz帯のPDC方式と2GHz帯のDS−CDMA方式、800MHz帯のPDC方式及びN−CDMAの両方式と2GHz帯のMC−CDMA方式などが代表的である。
また、800MHz帯では、同一事業者でも、携帯電話初期のアナログ方式の割り当て周波数とデジタル方式の割り当て周波数が飛び地の関係で運用されている場合もある。
【0017】
このような場合には、異なる周波数帯の入力信号を何らかの形で多重化する必要がある。
そのやり方としては、第1に、アナログ光伝送方式で行われているように、高周波信号の段階で周波数多重化する方法があるが、この場合、各バンドでの割り当て周波数帯域の和以上の周波数帯が必要になり、サンプリング定理から、正しい情報伝達のためには、この2倍以上のサンプリング速度が必要となるため、現状のデバイスではコストパフォーマンスを維持しながら実用的なシステムとするのは困難である。
【0018】
第2に、各バンドを個別にデジタル変換して、その結果を時分割デジタル多重化する方式がある。この場合、光伝送区間における信号伝送速度は、上記で例示した700Mbpsから更に高速となり、多重化処理や多重分離処理の回路が必要になるとともに、高速デジタル信号の取扱いが難しくなる。
【0019】
また、このような携帯電話用の高周波信号集配システムでは、1台の基地局側の親局装置に対して複数の子局装置が接続される構成が一般的であり、このようなシステム構成によってより広い範囲を経済的に効率よくサービスエリアとすることができるようになっている。
このような1対多での運用を考えた場合、親局装置から子局装置への下り回線の信号伝送については基地局無線装置の送信信号を分配することで問題は生じないが、逆方向の上り回線の信号伝送については各子局装置が作るエリア内の携帯端末の情報を欠落無く基地局無線装置まで伝送しなければならない。
【0020】
デジタル伝送方式で、光ファイバ芯線を共用して各子局装置からの上り回線信号を伝送しようとした場合、フレーム構造を作り、各子局装置からの上り信号を時分割多重して伝送する方式が考えられる。しかし、この場合、多重化して伝送される幹線の伝送速度としては、最低でも(各子局装置の伝送速度)×(子局装置の数)+(フレームヘッダに相当する付加ビット速度)が必要になり、1つの子局装置の伝送速度が上述の例で700Mbpsである場合には、4つの子局装置でも2.8Gbps以上の速度となり、現在、電話網やIP通信網など、デジタル光通信網の幹線系の規格通信速度として主流である2.48Gbpsを上回る速度が必要になる。
【0021】
このように、例えば、複数の異なる帯域の無線周波数信号を光信号へ変換して伝送するような場合に、周波数多重された無線周波数信号をまとめて光信号へ変換する構成や、時分割伝送を用いる構成では、効率化が図られず、実現性が困難であるといった不具合があった。
【0022】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、複数の通信信号を光信号へ変換して伝送することを効率的に行うことができる光伝送システムなどを提供することを目的とする。
更に具体的には、本発明は、例えば、複数の異なる帯域の無線周波数信号を光信号へ変換して伝送することを効率的に行うことができる光伝送システムなどを提供することを目的とする。
【0023】
また、具体的には、本発明は、例えば、デジタル変換光伝送方法を移動体通信高周波信号の光伝送システムに適用する際に問題となる複数帯域伝送や1対多伝送での信号多重の問題を、波長領域における多重化伝送(WDM:Wavelength Division Multiplex)を用いて、解消することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る光伝送システムでは、次のようにして、複数の通信信号を光信号として伝送する。なお、伝送対象となる通信信号は、例えば、アナログ信号の状態から処理される。
すなわち、通信信号A/D変換手段が複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換(A/D変換)し、デジタル通信信号光信号変換手段が通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換し、光信号多重化伝送手段がデジタル通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して伝送する。
【0025】
従って、複数の通信信号をデジタル化した後に、これら複数のデジタルの通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換して、これにより得られる複数の光信号を多重化して伝送する構成であるため、例えば、多重化された複数の通信信号をまとめて光信号へ変換して伝送するような構成と比べて、効率的な伝送を実現することができる。
【0026】
ここで、複数の通信信号の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、通信信号としては、種々な信号が用いられてもよく、例えば、無線周波数(RF:Radio Frequency)帯の信号のように高い周波数の信号(高周波信号)を用いることができる。
また、通信信号としては、例えば、無線或いは有線の種々な通信システムにおいて通信される信号を用いることができ、このような信号を光信号として中継的に伝送するようなことが可能である。
【0027】
なお、無線通信システムとしては、例えば、携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの移動通信システムや、FWA(Fixed Wireless Access)と称される加入者無線アクセスシステムなどの固定無線通信システムなどを用いることができる。
【0028】
また、複数の通信信号としては、例えば、それぞれが互いに異なる周波数を有する信号が用いられてもよく、或いは、全てが同一の周波数を有する信号が用いられてもよく、或いは、周波数が同一のものもあり周波数が異なるものもあるような信号が用いられてもよい。
また、複数の通信信号としては、例えば、同一の通信システムにおいて通信される信号が用いられてもよく、或いは、2以上の異なる通信システムにおいて通信される信号の組み合わせが用いられてもよい。
【0029】
また、光信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
また、光信号の伝送は、有線又は無線の光伝送路を用いて行われる。有線の光伝送路としては、例えば、光ファイバを用いることができる。
また、光信号は、例えば、送信側から受信側へ伝送される。
【0030】
一例として、デジタル通信信号光信号変換手段は1つの送信側に設けられた機能により構成され、光信号多重化伝送手段は当該1つの送信側や当該1つの送信側と受信側との間に設けられた機能により構成される。つまり、複数の通信信号を光信号へ変換する処理が当該1つの送信側で行われ、これにより得られる複数の光信号を多重化する処理が当該1つの送信側或いは当該1つの送信側と受信側との間で行われる。
【0031】
他の例として、デジタル通信信号光信号変換手段はそれぞれの通信信号を光信号へ変換する複数の送信側に設けられた機能により構成され、光信号多重化伝送手段は1又は2以上の送信側や当該複数の送信側と受信側との間に設けられた機能により構成される。つまり、それぞれの通信信号を光信号へ変換する処理がそれぞれの送信側で行われ、これにより得られる複数の光信号を多重化する処理が1又は2以上の送信側或いは当該複数の送信側と受信側との間或いはこれらの両方で行われる。
【0032】
また、複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、当該変換により得られる複数の光信号が多重化されるときに互いに干渉しないような態様が用いられる。
また、通信信号から光信号への変換により得られるそれぞれの光信号の波長としては、種々な波長が用いられてもよい。
また、複数の光信号を多重化する態様としては、例えば、複数の光信号を合成するような態様が用いられる。
【0033】
本発明に係る光伝送システムでは、次のようにして、複数の通信信号を光信号として伝送する。なお、伝送対象となる通信信号は、例えば、アナログ信号の状態から処理される。
すなわち、複数の光送信器を備える。そして、それぞれの光送信器では、通信信号A/D変換手段が複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換(A/D変換)し、デジタル通信信号光信号変換手段が通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換し、光信号多重化送信手段が通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して送信する。
また、光伝送システムでは、多重化光信号合成伝送手段が複数の光送信器から送信される多重化された光信号(多重化光信号)を合成して伝送する。
【0034】
従って、複数の光送信器から送信される多重化光信号を合成して伝送することを効率的に行うことができる。
ここで、複数の光送信器の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、それぞれの光送信器により処理される複数の通信信号の数としては、それぞれ、種々な数が用いられてもよい。
【0035】
また、それぞれの光送信器に備えられるデジタル通信信号光信号変換手段により得られる光信号の波長としては、例えば、それぞれの光送信器で互いに異なる波長が用いられてもよく、或いは、2以上の光送信器で同一の波長を有する光信号が得られるような態様が用いられてもよい。
【0036】
また、多重化光信号合成伝送手段としては、例えば、1又は複数のカプラを用いて構成することができる。
また、多重化光信号合成伝送手段としては、例えば、複数の送信側と受信側との間に備えられる。
【0037】
本発明に係る光送信器では、次のようにして、複数の通信信号を光信号として送信する。なお、送信対象となる通信信号は、例えば、アナログ信号の状態から処理される。
すなわち、通信信号A/D変換手段が複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換(A/D変換)し、デジタル通信信号光信号変換手段が通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換し、光信号多重化送信手段が通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して送信する。
【0038】
従って、複数の通信信号をデジタル化した後に、これら複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換して、これにより得られる複数の光信号を多重化して送信する構成であるため、例えば、多重化された複数の通信信号をまとめて光信号へ変換して送信するような構成と比べて、効率的な伝送を実現することができる。
【0039】
本発明に係る光受信器では、次のようにして、光信号を受信する。なお、受信される光信号は、例えば、デジタルの通信信号が光信号へ変換されたものである。
すなわち、多重化光信号受信手段が互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された光信号(多重化光信号)を受信し、光信号抽出手段が多重化光信号受信手段により受信される多重化された光信号(多重化光信号)に含まれるそれぞれの波長を有する光信号を抽出し、光信号デジタル通信信号変換手段が光信号抽出手段により抽出されるそれぞれの波長を有する光信号をデジタルの通信信号へ変換し、通信信号D/A変換手段が光信号デジタル通信信号変換手段により得られるデジタルの通信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換(D/A変換)する。
【0040】
従って、多重化光信号を受信して、当該多重化光信号に含まれるそれぞれの光信号に対応したデジタルの通信信号を得てアナログ化することができる。
ここで、光信号抽出手段としては、例えば、多重化光信号に含まれる全ての光信号をそれぞれの光信号へ分離するような手段が用いられてもよく、或いは、多重化光信号に含まれる1又は2以上の光信号を抽出するような手段が用いられてもよい。
また、光受信器では、一構成例として、受信される多重化光信号から得られるアナログ又はデジタルの2以上の通信信号を合成する通信信号合成手段を備えることが可能である。
【0041】
また、光送信器では、上述のように、一構成例として、それぞれの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換した後に光信号へ変換するような構成を用いている。
また、光受信器では、上述のように、一構成例として、受信される多重化光信号から得られるそれぞれの通信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換するような構成を用いている。
【0042】
また、光送信器では、一構成例として、それぞれの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換した後に、パラレルデータからシリアルデータへ変換して、光信号へ変換するような構成を用いることが可能である。
また、光受信器では、一構成例として、受信される多重化光信号から得られるそれぞれの通信信号をシリアルデータからパラレルデータへ変換して、デジタル信号からアナログ信号へ変換するような構成を用いることが可能である。
【0043】
本発明に係る光伝送装置では、次のようにして、光送信器が複数の通信信号を光信号として送信し、光受信器が当該光信号を受信する。なお、光送信器により送信する対象となる通信信号は、例えば、アナログ信号の状態から処理される。すなわち、光送信器では、通信信号A/D変換手段が複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換(A/D変換)し、デジタル通信信号光信号変換手段が通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換し、光信号多重化送信手段がデジタル通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して送信する。
【0044】
一方、光受信器では、多重化光信号受信手段が光送信器から送信される多重化された光信号(多重化光信号)を受信し、光信号抽出手段が多重化光信号受信手段により受信される多重化された光信号に含まれるそれぞれの波長を有する光信号を抽出し、光信号デジタル通信信号変換手段が光信号抽出手段により抽出されるそれぞれの波長を有する光信号をデジタルの通信信号へ変換し、通信信号D/A変換手段が光信号デジタル通信信号変換手段により得られるデジタルの通信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換(D/A変換)する。
【0045】
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
本発明に係る光伝送システムなどでは、一構成例として、光信号成分抽出伝送手段が、多重化された光信号(多重化光信号)から一部の光信号の成分を抽出して、当該抽出した光信号の成分を所定の光受信器へ伝送する。また、一構成例として、光信号成分抽出伝送手段が、当該抽出後に残る多重化された光信号から更に他の一部の光信号の成分を抽出して、当該抽出した光信号の成分を他の所定の光受信器へ伝送する。
従って、多重化光信号に含まれるそれぞれの光信号の成分を、それぞれ所定の光受信器へ伝送することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
本実施例では、移動体通信システムにおいて基地局装置と移動局装置との間などで通信される高周波信号を光信号として光送信器から光受信器へ伝送することにより、通常では電波が届きにくい不感地域に存在する移動局装置などとの通信を確保する光伝送システムに本発明を適用した場合を示す。
【0047】
また、本実施例に係る光伝送システムでは、アナログ光伝送方式に代わるデジタル変換光伝送方式において、光領域の多重化技術である波長領域多重(WDM)を用いる。
なお、本実施例では、本発明に係る特徴部分を詳しく説明することとし、例えば、光伝送を行うために使用されるスクランブルドNRZ符号化やフレーム構造の生成部などについての説明を省略する。
【0048】
第1実施例に係る光送信器を説明する。
図1には、本例の光送信器1の構成例を示してある。
本例の光送信器1には、i個の送信系と、1個のWDM合波カプラ2が備えられている。
それぞれの送信系には、1個の周波数変換部A1〜Aiと、1個のデジタル変換部B1〜Biと、1個の電気/光変換部(E/O変換部)C1〜Ciと、1個のクロック発生部D1〜Diが備えられている。
それぞれのデジタル変換部B1〜Biには、1個のアナログデジタル変換部(A/D変換部)E1〜Eiと、1個のパラレルシリアル変換部(P/S変換部)F1〜Fiが備えられている。
【0049】
また、それぞれの送信系には、それぞれ異なる周波数帯f1〜fiを有する高周波信号が送信対象として入力される。
また、WDM合波カプラ2は、光信号を伝送する光ファイバ3のケーブルと接続されている。
なお、送信系の総数iとしては、2以上の整数が用いられる。
【0050】
本例の光送信器1により行われる動作の一例を示す。
複数の周波数帯f1〜fiの高周波信号が、アナログ信号として、外部からそれぞれの送信系に入力される。
それぞれの送信系では、次のように、同様な処理が行われる。
すなわち、それぞれの周波数変換部A1〜Aiは、入力されるそれぞれの周波数帯f1〜fiの高周波信号を、デジタル変換に適した周波数帯へ周波数変換する。
【0051】
それぞれのA/D変換部E1〜Eiは、それぞれの周波数変換部A1〜Aiにより周波数変換された信号をデジタル信号へ変換する。
それぞれのP/S変換部F1〜Fiは、それぞれのA/D変換部E1〜Eiにより得られるデジタル信号をパラレルデータからシリアルデータへ変換する。
それぞれのE/O変換部C1〜Ciは、例えば光変調により、それぞれのP/S変換部F1〜Fiにより得られるシリアルデータを電気信号から、それぞれの送信系毎に異なる光波長λ1〜λiを有するデジタル光信号へ変換する。
【0052】
また、それぞれのクロック発生部D1〜Diは、クロック信号を発生させて、当該クロック信号をそれぞれのA/D変換部E1〜Ei、P/S変換部F1〜Fi、E/O変換部C1〜Ciへ供給する。
WDM合波カプラ2は、i個のE/O変換部C1〜Ciにより得られる互いに光波長が異なるi個のデジタル光信号を波長多重化して、当該波長多重化したデジタル光信号を光ファイバ3に対して送信する。
【0053】
なお、本例では、A/D変換部E1〜Eiからの出力がパラレル信号であるとして、当該パラレル信号をP/S変換部F1〜Fiにより光伝送に適したシリアル信号へ変換する構成を示したが、他の構成が用いられてもよい。
【0054】
ここで、本例では、複数の高周波信号に対応した複数のデジタル光信号を波長領域で多重化するため、デジタル変換速度や光伝送速度としては、例えば、それぞれの入力周波数帯域で必要とされる条件が満たされればよい。
また、本例では、入力される複数の高周波信号の周波数帯f1〜fiが互いに別個な周波数帯である場合を示したが、例えば、入力される複数の高周波信号が、もともとは同一の周波数帯の信号が周波数領域で分割されて得られる複数の信号であるような構成を用いることも可能である。
【0055】
以上のように、本例の光送信器1では、複数の高周波信号が入力され、入力される高周波信号のそれぞれを光波長が異なる光信号へ変換して、これら光波長が異なる複数の光信号を多重化して送信することが行われる。
具体的には、本例の光送信器1では、基本的な信号処理系統として、高周波信号を入力して当該高周波信号を周波数変換及びA/D変換して当該A/D変換結果を光伝送に適したデジタル光信号へ変換する信号処理系統を並列して複数設け、それぞれの信号処理系統によりそれぞれの周波数帯f1〜fiの高周波信号をそれぞれの光波長λ1〜λiを有するデジタル光信号へ変換し、これら複数の信号処理系統により得られる光波長が異なる複数のデジタル光信号を波長領域多重化して単一の光ファイバ3へ送出することが行われる。
【0056】
従って、本例の光送信器1では、複数の高周波数帯域f1〜fiの通信信号のそれぞれを互いに異なる波長λ1〜λiを有する光信号へ変換して、これにより得られる複数の光信号を多重化して送信する構成であるため、例えば、多重化された複数の通信信号をまとめて光信号へ変換して送信するような構成と比べて、効率的な伝送を実現することができる。
【0057】
なお、本例の光送信器1では、デジタル変換部B1〜Biの機能により通信信号A/D変換手段が構成されており、E/O変換部C1〜Ciの機能によりデジタル通信信号光信号変換手段が構成されており、WDM合波カプラ2の機能により光信号多重化送信手段が構成されている。
【0058】
第2実施例に係る光伝送システムを説明する。
本例では、上記第1実施例の図1に示したような光送信器1を用いて、例えば、1つの基地局装置側の装置に対して、多数の光送信器からの光信号を上り回線を介して伝送する光伝送システムの構成例を示す。
なお、一般に、基地局装置から移動局装置への通信が下り通信と言われてその回線が下り回線と言われ、一方、移動局装置から基地局装置への通信が上り通信と言われてその回線が上り回線と言われる。
【0059】
図2には、本例の光伝送システムの構成例を示してある。
本例の光伝送システムには、m個の光送信器G1〜Gmと、基幹光ファイバ伝送路11と、基幹光ファイバ伝送路11に設けられた(m−1)個の合波カプラH(1)〜H(m−1)と、例えば光受信器などが設けられる受信端12が備えられている。
それぞれの光送信器G1〜Gmは、例えば、上記第1実施例の図1に示した光送信器1と同様な構成を有しており同様な動作を行うことが可能である。
なお、mは、2以上の整数である。
【0060】
本例の光伝送システムにより行われる動作の一例を示す。
それぞれの光送信器G1〜Gmは、複数の高周波数帯に対応する入力端子を有しており、これら複数の入力端子から入力される高周波信号のそれぞれに対応した異なる光波長のデジタル光出力を重畳して単一の光ファイバへ出力する。
【0061】
具体的には、第1の光送信器G1は、a個の周波数帯f11〜f1aの高周波信号を入力し、a個の光波長λ11〜λ1aのそれぞれを有するデジタル光出力を重畳して出力する。同様に、第2の光送信器G2は、b個の周波数帯f21〜f2bの高周波信号を入力し、b個の光波長λ21〜λ2bのそれぞれを有するデジタル光出力を重畳して出力する。以降も同様であり、第mの光送信器Gmは、c個の周波数帯fm1〜fmcの高周波信号を入力し、c個の光波長λm1〜λmcのそれぞれを有するデジタル光出力を重畳して出力する。
なお、a、b、cは、それぞれ、2以上の整数であるが、他の構成例として、1が用いられてもよい。
【0062】
ここで、受信側における信号の干渉を回避するために、それぞれの光送信器G1〜Gmから送信される光信号の光波長λ11〜λ1a、λ21〜λ2b、・・・、λm1〜λmcは、互いに重複しない組み合わせとなるように設定されている。
【0063】
それぞれの合波カプラH(1)〜H(m−1)は、1対2(1:2)の光合波カプラから構成されており、それぞれの光送信器G2〜Gmから送信される光信号を基幹光ファイバ伝送路11に接続する。
具体的には、第1の合波カプラH(1)は、受信端12に向かって基幹光ファイバ伝送路11を伝送してくる第1の光送信器G1からの光信号と、第2の光送信器G2からの光信号とを合成し、当該合成結果を受信端12に向かって基幹光ファイバ伝送路11を介して送信する。以降も同様であり、第(m−1)の合波カプラH(m−1)は、受信端12に向かって基幹光ファイバ伝送路11を伝送してくる光信号と、第mの光送信器Gmからの光信号とを合成し、当該合成結果を受信端12に向かって基幹光ファイバ伝送路11を介して送信する。
【0064】
このように、それぞれの光送信器G1〜Gmからの光信号は基幹光ファイバ伝送路11の所定の位置で合波カプラH(1)〜H(m−1)により合流されて受信端12へ伝送され、バス型の多合成の伝送路が構成される。
【0065】
以上のように、本例の光伝送システムでは、複数の光送信器G1〜Gmのそれぞれにより多重化された光信号を、基幹光ファイバ伝送路11の所定の位置に設けられた合波カプラH(1)〜H(m−1)により合成して送信することができる。
なお、本例の光伝送システムでは、それぞれの光送信器G1〜Gmの機能により通信信号A/D変換手段やデジタル通信信号光信号変換手段や光信号多重化伝送手段が構成されており、合波カプラH(1)〜H(m−1)の機能により多重化光信号合成伝送手段が構成されている。
【0066】
第3実施例に係る光伝送システムを説明する。
本例では、上記第1実施例の図1に示したような光送信器1を用いて、例えば、1つの基地局装置側の装置に対して、多数の光送信器からの光信号を上り回線を介して伝送する光伝送システムの構成例を示す。
【0067】
図3には、本例の光伝送システムの構成例を示してある。
本例の光伝送システムには、例えば3個の光送信器I1〜I3と、例えば上記第2実施例の図2に示したような構成から成る伝送系(単芯多合成伝送系)21と、光スターカプラ22と、基幹光ファイバ伝送路23と、例えば光受信器などが設けられる受信端24が備えられている。
【0068】
それぞれの光送信器I1〜I3は、例えば、上記第1実施例の図1に示した光送信器1と同様な構成を有しており同様な動作を行うことが可能である。
なお、本例では、3個の光送信器I1〜I3を備えた場合を示すが、光送信器の数としては種々な数が用いられてもよい。
【0069】
本例の光伝送システムにより行われる動作の一例を示す。
それぞれの光送信器I1〜I3は、複数の高周波数帯に対応する入力端子を有しており、これら複数の入力端子から入力される高周波信号のそれぞれに対応した異なる光波長のデジタル光出力を重畳して単一の光ファイバへ出力する。
【0070】
具体的には、第1の光送信器I1は、a個の周波数帯f11〜f1aの高周波信号を入力し、a個の光波長λ11〜λ1aのそれぞれを有するデジタル光出力を重畳して出力する。同様に、第2の光送信器I2は、b個の周波数帯f21〜f2bの高周波信号を入力し、b個の光波長λ21〜λ2bのそれぞれを有するデジタル光出力を重畳して出力する。同様に、第3の光送信器I3は、c個の周波数帯f31〜f3cの高周波信号を入力し、c個の光波長λ31〜λ3cのそれぞれを有するデジタル光出力を重畳して出力する。
なお、a、b、cは、それぞれ、2以上の整数であるが、他の構成例として、1が用いられてもよい。
【0071】
単芯多合成伝送系21は、複数の光信号が合成された信号を送信する。
光スターカプラ22は、1対4(1:4)の光スターカプラから構成されており、3個の光送信器I1〜I3から送信される光信号と単芯多合成伝送系21から送信される光信号を合成し、当該合成結果を受信端24に向かって基幹光ファイバ伝送路23を介して送信する。
なお、光スターカプラとしては、xを2以上の整数として、例えば、合成対象となる光信号の数に応じて、1対xのものが用いられてもよい。
【0072】
ここで、例えば上記第2実施例の図2に示したバス型伝送路の構成では、基幹光ファイバ伝送路において必要とされるそれぞれの場所で光信号を合成するが、本例の構成では、光スターカプラ22により1つの地点において光信号の合流を行っている。
【0073】
なお、本例では、上記第2実施例の図2に示したようなバス型伝送路の構成を混合した形態の例として、単芯多合成伝送系21が光スターカプラ22のポートに接続された構成を示したが、他の構成が用いられてもよい。
また、いずれの構成においても、それぞれの光送信器I1〜I3やバス型伝送路(単芯多合成伝送系21)から送信される光信号の光波長の組み合せとしては、例えば、互いに重複しない光波長に選定される。
【0074】
以上のように、本例の光伝送システムでは、複数の光送信器I1〜I3のそれぞれにより多重化された光信号などを、基幹光ファイバ伝送路23の所定の位置に設けられた光スターカプラ22により合成して送信することができる。
なお、本例の光伝送システムでは、それぞれの光送信器I1〜I3の機能により通信信号A/D変換手段やデジタル通信信号光信号変換手段や光信号多重化伝送手段が構成されており、光スターカプラ22の機能により多重化光信号合成伝送手段が構成されている。
【0075】
第4実施例に係る光受信器を説明する。
図4には、本例の光受信器31の構成例を示してある。
本例の光受信器31には、1個のWDM分波カプラ32と、i個の受信系が備えられている。
それぞれの受信系には、1個の光/電気変換部(O/E変換部)J1〜Jiと、1個のアナログ変換部K1〜Kiと、1個の周波数変換部L1〜Liと、1個のクロック再生部M1〜Miが備えられている。
それぞれのアナログ変換部K1〜Kiには、1個のシリアルパラレル変換部N1〜Niと、1個のデジタルアナログ変換部(D/A変換部)O1〜Oiが備えられている。
【0076】
また、WDM分波カプラ32は、光信号を伝送する光ファイバ33のケーブルと接続されている。
また、WDM分波カプラ32には、光ファイバ33を介して、i個の異なる光波長λ1〜λiを有する光信号が合成された信号が入力される。
また、それぞれの受信系からは、それぞれ異なる周波数帯f1〜fiを有する高周波信号が出力される。
なお、受信系の総数iとしては、2以上の整数が用いられる。
【0077】
本例の光受信器31により行われる動作の一例を示す。
例えば、上記第1実施例〜上記第3実施例で示したような多重化光信号が光ファイバ33により伝送され、本例では、i個の光波長λ1〜λiのそれぞれを有する光信号が多重化されたデジタル光多重波が光ファイバ33を介してWDM分波カプラ32に入力される。
【0078】
WDM分波カプラ32は、光ファイバ33から受信される多重化光信号をそれぞれの光波長λ1〜λiの光信号成分に分離し、それぞれの光波長λ1〜λiの光信号成分をそれぞれに対応した受信系へ出力する。
それぞれの受信系では、次のように、それぞれの光波長λ1〜λiに対応して個別に、同様な処理が行われる。
【0079】
すなわち、それぞれのO/E変換部J1〜Jiは、例えば光復調を行うPINフォトダイオードやアバランシェフォトダイオード等の受光素子などから構成されており、WDM分波カプラ32により分離されたそれぞれの光波長λ1〜λiを有する光信号成分を、電気信号へ変換する。当該電気信号は、シリアルのデジタルビット列としてアナログ変換部K1〜Kiやクロック再生部M1〜Miに入力される。
【0080】
すると、同時に、それぞれのクロック再生部M1〜Miは、それぞれの光波長λ1〜λiを有する光信号成分について、送信時のタイミングクロックを再生し、再生したタイミングクロックをそれぞれのS/P変換部N1〜Ni、D/A変換部O1〜Oiへ供給する。これにより、それぞれのアナログ変換部K1〜Kiでは、送信側との変換クロック同期を確保することができる。
【0081】
それぞれのS/P変換部N1〜Niは、それぞれのO/E変換部J1〜Jiにより得られるシリアルビット列を、それぞれのD/A変換部O1〜Oiのパラレルビット入力に対応させるように、パラレルビット列へ変換する。
それぞれのD/A変換部O1〜Oiは、それぞれのS/P変換部N1〜Niにより得られるパラレルビット列に基づいてアナログ信号を再生する。
【0082】
それぞれの周波数変換部L1〜Liは、それぞれのD/A変換部O1〜Oiにより再生されるアナログ信号を、例えば中間周波数(IF:Intermediate Frequency)帯の信号から所要の高周波数の信号へ周波数変換して、それぞれの周波数帯f1〜fiを有する高周波信号として出力する。
【0083】
なお、本例では、O/E変換部J1〜Jiからの出力がシリアル信号であるとして、当該シリアル信号をS/P変換部N1〜Niによりパラレル信号へ変換する構成を示したが、他の構成が用いられてもよい。
【0084】
以上のように、本例の光受信器31では、送信器側から光波長が異なる光信号を多重化して送信した信号を受信するに際して、当該受信光信号を光波長が異なる光信号に分波して、分波したそれぞれの光信号を高周波信号へ変換して出力することが行われる。
具体的には、本例の光受信器31では、波長多重されたデジタル光信号を受信するに際して、当該受信光信号を各光波長λ1〜λiの光信号へ分離して、各光波長λ1〜λiの光信号に対してそれぞれ個別にデジタル光信号からデジタル電気信号への変換及びアナログ信号への変換を行い、そして、これにより得られるアナログ信号を所要の周波数に変換して、高周波数帯域f1〜fiの通信信号として出力することが行われる。
【0085】
従って、本例の光受信器31では、複数の光波長λ1〜λiのそれぞれを有する光信号が多重化された信号から、それぞれの高周波数帯域f1〜fiの通信信号を取得することができる。
なお、本例の光受信器31では、WDM分波カプラ32の機能により多重化光信号受信手段や光信号抽出手段が構成されており、O/E変換部J1〜Jiの機能により光信号デジタル通信信号変換手段が構成されており、アナログ変換部K1〜Kiの機能により通信信号D/A変換手段が構成されている。
【0086】
ここで、本例の光受信器31の一適用例を示す。
本例では、上記第1実施例の図1に示したような光送信器1に、基地局装置のアンテナであって互いに遠隔に設置された2つのアンテナから、受信ダイバーシティを行うために、2つの高周波信号が入力されるとし、当該光送信器1から送信される多重化光信号を光受信器31により受信する。
この場合、光受信器31では、受信される多重化光信号から2つの高周波信号を取得し、これら2つの高周波信号を、基地局装置の復調設備に設けられた受信ダイバーシティのためのそれぞれのポートへ送信出力する。これにより、基地局装置では、空間的な受信ダイバーシティの処理を行うことができる。
【0087】
第5実施例に係る光受信器を説明する。
図5には、本例の光受信器41の構成例を示してある。
本例の光受信器41には、WDM分波カプラ42と、i個の受信系統(受信系)P1〜Piと、2個の合成器43、44が備えられている。
また、WDM分波カプラ42は、光ファイバ45と接続されている。
【0088】
ここで、本例の光受信器41の構成や動作は、例えば、2個の合成器43、44が備えられている点を除いては、上記第4実施例の図4に示した光受信器31の構成や動作と同様である。
以下では、本例に特徴的な部分について詳しく説明する。
【0089】
本例の光受信器41により行われる動作の一例を示す。
それぞれの受信系統P1〜Piは、WDM分波カプラ42により分離されたそれぞれの光波長λ1〜λiを有する光信号に対してO/E変換、S/P変換、D/A変換、及び周波数変換を行い、これにより、それぞれの光波長λ1〜λiにより伝送された異なる系列の高周波信号を出力する。
【0090】
それぞれの合成器43、44は、例えば高周波ハイブリッドや抵抗合成などを用いて構成されており、2以上の受信系統から出力される高周波信号を合成して、当該合成結果を1つのポートへ出力する。
具体的には、本例では、合成器43は、第1の受信系統P1から出力される周波数帯f1の高周波信号と第2の受信系統P2から出力される周波数帯f2の高周波信号を合成して1つのポートへ出力し、また、合成器44は、他の受信系統P3〜Piから出力される周波数帯f3〜fiの高周波信号を合成して他の1つのポートへ出力する。
【0091】
以上のように、本例の光受信器41では、それぞれの信号処理系統(受信系統)P1〜Piからアナログ信号として出力される高周波数帯域f1〜fiの通信信号を、必要に応じた組み合せで、電力合成などによりアナログ的に合成して出力することができる。
【0092】
ここで、本例の光受信器41の一適用例を示す。
本例では、携帯電話システムにおいて複数の周波数帯f1〜fiのそれぞれを有する上り信号を一括して光伝送する光伝送システムを想定し、例えば上記第2実施例の図2に示されるように、光送信系が異なる場所に存在する移動局装置からの上りの高周波信号を送信する場合を考える。
この場合、本例の光受信器41では、それぞれの周波数帯f1〜fiを有する高周波信号を所定の組み合わせで合成して基地局装置の復調装置へ入力することができ、これにより、例えば、1台の基地局装置により、複数の異なる場所の物理的エリアを論理的には1つのセルとして処理することが可能となる。
【0093】
第6実施例に係る光伝送システムを説明する。
図6には、本例の光伝送システムの構成例を示してある。
本例の光伝送システムには、例えば光送信器などが設けられる送信端51と、基幹光ファイバ伝送路52と、基幹光ファイバ伝送路52に設けられた複数のWDM分波フィルタQq、Qpと、複数の光受信器R1、Rq、Rpが備えられている。
それぞれの光受信器R1、Rq、Rpは、例えば、上記第4実施例の図4に示した光受信器31や上記第5実施例の図5に示した光受信器41と同様な構成を有しており同様な動作を行うことが可能である。
【0094】
本例の光伝送システムにより行われる動作の一例を示す。
本例の光伝送システムでは、波長多重された異なる信号源からの信号が伝送されている基幹光ファイバ伝送路52から光受信器へ光信号を導入する構成として、例えば全ての光波長の光信号を多重化したまま光受信器へ入力するのではなく、基幹光ファイバ伝送路52の所定の位置にWDM分波フィルタQq、Qpを挿入して、これにより、それぞれの光受信器R1、Rq、Rpが必要とする情報系列の光信号が載っている光波長の光信号のみを取り出してそれぞれの光受信器R1、Rq、Rpへ導入する。
【0095】
具体的には、本例では、送信端51から、基幹光ファイバ伝送路52を介して、複数の光波長λ1、λ2、・・・、λd、λe、λf、λgのそれぞれを有する光信号が多重化されて伝送される。
そして、WDM分波フィルタQqが当該多重化光信号に含まれる2つの光波長λd、λeの光信号のみをフィルタリングにより抽出して光受信器Rqへ出力し、これにより、光受信器Rqでは必要となる光波長λd、λeの光信号のみを受信して必要となる周波数帯fd、feの高周波信号のみを出力することができる。また、抽出されなかった残りの多重化光信号は、継続して、基幹光ファイバ伝送路52へ出力される。
【0096】
また、後段において、WDM分波フィルタQpが残りの多重化光信号に含まれる1つの光波長λgの光信号のみをフィルタリングにより抽出して光受信器Rpへ出力し、これにより、光受信器Rpでは必要となる光波長λgの光信号のみを受信して必要となる周波数帯fgの高周波信号のみを出力することができる。
また、抽出されなかった残りの多重化光信号は、継続して、基幹光ファイバ伝送路52を介して光受信器R1へ伝送され、これにより、光受信器R1では必要となる光波長λ1、λ2、・・・、λfの光信号を受信して必要となる周波数帯f1、f2、・・・、ffの高周波信号を出力することができる。
【0097】
このように、本例では、基幹光ファイバ伝送路52を共用して伝送された高周波信号を、必要とする場所で分離して出力することが可能である。
また、本例では、波長領域で分離操作を行うため、例えば、同一の周波数を有する通信信号についても、光波長が異なれば、分離して出力することが可能である。
【0098】
以上のように、本例の光伝送システムでは、例えば上記第1実施例〜上記第3実施例で示したような光送信器や光伝送路構成により波長多重化された光信号が伝送されている基幹光ファイバ伝送路52において、所要の地点でWDM分波フィルタQq、Qpにより所要の光波長の光信号を分岐して所定の光受信器R1、Rq、Rpへ伝送することができる。
なお、本例の光伝送システムでは、送信端51の機能により通信信号A/D変換手段やデジタル通信信号光信号変換手段や光信号多重化伝送手段が構成されており、WDM分波フィルタQq、Qpの機能により光信号成分抽出伝送手段が構成されている。
【0099】
ここで、本例の光伝送システムの一適用例を示す。
本例では、WDM分波フィルタQq、Qpを用いた受信側の構成を、携帯電話システムの信号伝送系における上り回線信号の伝送に適用する。この場合、例えば、複数の仮想セルからの複数の周波数帯の信号を、物理的に異なる場所に設置された基地局装置の復調装置へ入力することが可能である。
【0100】
次に、更に、本発明に係る光伝送システムなどの構成例(1)〜(5)を示す。
(1)光送信器として上記第1実施例に示したものなどを用いることが可能であり、光受信器として上記第4実施例や上記第5実施例に示したものなどを用いることが可能であり、送信側の光伝送路の構成として単一の光ファイバ或いは上記第2実施例や上記第3実施例に示したものなどを用いることが可能であり、受信側の光伝送路の構成として単一の光ファイバ或いは上記第6実施例で示したものなどを用いることが可能であり、そして、これらをシステムに応じて任意に選択することが可能であり、最適な組み合わせを実現することができるようにする。
一例として、携帯電話サービスの無線高周波光集配システムにおいて、このような要素をそれぞれ組み合わせて、エンドトゥエンド(end−end)の光伝送システムを構築することができる。
【0101】
(2)伝送される高周波信号は、携帯電話サービスにおける下り回線用の高周波信号である。また、光送信器への各入力信号は、例えば、周波数帯が異なる携帯電話サービス用の高周波信号である、又は、無線チャネル割り当てが異なる同一の周波数帯の携帯電話サービス用の高周波信号である、又は、これらの組み合わせである。
【0102】
(3)伝送される高周波信号は、携帯電話サービスにおける上り回線用の高周波信号である。また、光送信器への各入力信号は、例えば、周波数帯が異なる携帯電話サービス用の高周波信号である、又は、同一の周波数帯を有する受信ダイバーシティの信号である、又は、これらの組み合わせである。
【0103】
(4)携帯電話サービス用の高周波信号を集配するための光伝送システムの下り回線に関する構成であり、光送信器などから送信される波長多重化されたデジタル光信号を光スターカプラにより分配し、当該分配されたデジタル光信号から光受信器により高周波信号を再生することにより、1台の基地局装置に対して多数の下りサービスエリアを確保することができる。
【0104】
(5)例えば上記(4)の構成に対応する構成であり、携帯電話サービス用の高周波信号を集配するための光伝送システムの上り回線に関する構成であり、各サービスエリアからの上り高周波信号を光送信器により光信号へ変換し、各サービスエリアの光送信器と光ファイバにより1対1で接続された光受信器により当該光信号を高周波信号へ再変換する。また、必要に応じて周波数帯域毎に電力合成などにより高周波信号を並列的に合成して基地局装置に対して出力することにより、多数のサービスエリアからの上り信号を1台の基地局装置により処理することを可能とする。
【0105】
次に、本発明に係る技術の例を示す。
なお、ここで記載する事項は、必ずしも全てが従来技術であるとは限らない。例えば、携帯電話システムでは、無線基地局(基地局装置)と移動無線端末(移動局装置)との間を電波により無線接続し、無線基地局が上位の交換網に接続されている。このようなシステムでは、電界強度の十分強い屋外の地上では良好な無線通信を行うことができるが、無線基地局のカバーエリア内にあっても、トンネル内、地下街、ビル地階などでは電波が届かないために、また、高層ビルの上層階では遠方の無線基地局との電波の干渉などが生じるために、何らかの補助的な手段を講じないと、これらの中に存在する移動無線端末との間の無線通信を行うことができないことが多い。
【0106】
この補助的な手段として、不感地域の要所に小規模なアンテナと増幅器を配置して、これらと無線基地局の無線変復調器との間を光ファイバで接続したシステムが用いられている。以下では、このような形式の装置を、無線変復調器直結型光伝送装置と言う。
【0107】
また、他の形式として、通信トラフィックの低いルーラルエリアを中心に、無線基地局により放射される電波をアンテナで捉えて、これを光信号へ変換して光ファイバを用いて不感地域へ伝送してアンテナで放射することや、逆に、不感地域の移動無線端末からの送信波をアンテナで捉えて、これを光信号へ変換して光ファイバにより伝送して、無線基地局へ向けてアンテナから放射する形式もある。以下では、このような形式の装置をリピータ型光伝送装置と言う。
【0108】
現在実用化されているシステムでは、無線変復調器直結型或いはリピータ型のいずれにおいても、光変換の方式としてアナログ光変調が用いられている。
これらのシステムについては、基本概念や理論的背景が検討されているとともに(例えば、非特許文献1参照。)、実際のシステムが検討されている(例えば、非特許文献2、3参照。)。
【0109】
アナログ光伝送方式では、被伝送信号である携帯電話用無線変調波の時間変化を、光電力の時間変化として光変換を行う。そして、光伝送後に、線形受光素子により光電力の時間変化を電気信号の時間変化へ変換することで、もとの携帯電話用無線変調波を復元する。
【0110】
電気/光変換部(E/O変換部)への入力は、携帯電話用の無線変調波であり、光/電気変換部(O/E変換部)からの出力も携帯電話用の無線変調波である。このため、電気/光変換部〜光ファイバ伝送路〜光/電気変換部の前後に接続される機器としては、従来と同様な無線変復調器、送受信増幅器、アンテナなどをそのまま使用することが可能である。
【0111】
また、例えば2.1GHz帯などの無線高周波信号をアナログ光信号へ変換することにより、伝搬損失が標準的には0.5dB/kmなどといったように、高周波同軸ケーブルを用いる場合と比べて圧倒的に低損失な石英光ファイバを伝送線路として使用することができる。このため、高周波同軸ケーブルではその損失により伝送できないような距離や範囲への無線高周波信号の効率的な集配が可能である。
【0112】
アナログ光伝送方式では、光伝送後における無線高周波信号のCNR(Carrier to Noise Ratio)は、式2のように表される。
ここで、式2において、OMIは光変調度であり、ηは受光素子の変換効率であり、Lrは平均受光電力であり、RINは受光素子の相対雑音強度であり、qは電気素量であり、<Ith>は、受光回路における初段増幅器の入力換算雑音電流密度であり、Bは等価雑音帯域幅である。
【0113】
【数2】
Figure 2004350221
【0114】
また、3次相互変調歪IM3は、式3のように表される。半導体レーザダイオード(LD)の歪が、通常の使用条件下では、支配的である。
ここで、式3において、OMIrefは基準光変調度であり、DrefはOMIrefのときの基準となる3次相互歪変調量であり、OMIは使用条件での光変調度である。
【0115】
【数3】
Figure 2004350221
【0116】
また、光変調度OMIは、半導体レーザダイオード(LD)への入力高周波電力Pinに対して、式4で表されるような関係を有している。
ここで、式4において、L0はLDの平均光出力であり、ηLDはLDの微分効率であり、RLDはLDの入力インピーダンスである。
【0117】
【数4】
Figure 2004350221
【0118】
更に、光伝送後における平均受光電力Lrと半導体レーザダイオード(LD)の平均光出力L0との間には、減衰係数をαとすると、式5で表される関係がある。
【0119】
【数5】
Figure 2004350221
【0120】
以上の関係から、アナログ光伝送方式では次のことが言える。
(1)光伝送損失が大きくなるとCNRは劣化する。
(2)光伝送損失によるCNR劣化は、光変調度OMIを増加することによりリカバー可能である。
(3)しかしながら、光変調度を大きくすると、3次相互変調歪が劣化する。
これらにより、ダイナミックレンジなどに制約をうけることになる。
【0121】
3次相互変調歪については、上記式3に示した以外に、光ファイバ経路内のコネクタ接続点などで発生する多重反射による雑音と歪の発生の問題がある。
以上を整理すると、上記のようなシステムで用いられているアナログ光伝送方式では、光ファイバ伝送路の伝送損失とコネクタ接続品質により、信号伝送品質が大きな影響を受けることとなる。
【0122】
光コネクタの接続品質によるアナログ光伝送の特性劣化ついては、コネクタの反射減衰量と接続点(反射点)間の距離の関数となっており、一般的には、公称反射減衰量40dB以上(コネクタ・フェルール端面形状の通称、AdPC、UPC、APCなど)で、接続点間距離を数メートル以上確保するようにするのが通常である。このように、アナログ光伝送方式では、高CNR、低歪みで高いダイナミックレンジを確保するためには、光ファイバによる接続品質について配慮が必要である。
【0123】
一方、最近、社会資本としての情報通信インフラ整備の一環として、既設の光ファイバケーブルの内部に収容されている未使用の光ファイバ芯線を、当初の敷設目的を超えて一般に開放する、いわゆるダークファイバの開放が行われている。移動体通信用高周波信号の光伝送による集配においても、ダークファイバの利用は設置工事の簡便化を図るための有益な手段となり得る。
【0124】
しかしながら、ダークファイバではほとんどの場合デジタル光伝送のために敷設された光ファイバであり、敷設された時期や目的により光ファイバのコネクタ接続品質や回線損失のバラツキが大きく、アナログ光伝送方式のために転用するためには厳しい条件になることが多い。
以上述べたように、無線周波数(RF)信号の光ファイバ直接伝送では、アナログ光伝送方式が現在の主流であるが、ダイナミックレンジや伝送損失やファイバ接続品質などの観点からの制約も多い。
【0125】
また、デジタル変換方式においても(例えば、非特許文献4参照。)、例えば、複数の異なる帯域の無線周波数信号を光信号へ変換して伝送するような場合に、周波数多重された無線周波数信号をまとめて光信号へ変換する構成や、時分割伝送を用いる構成では、効率化が図られず、実現性が困難であるといった不具合がある。
これに対して、本発明に係る光伝送システムなどでは、複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換して、これら複数の光信号を多重化して伝送することにより、複数の通信信号を光信号へ変換して伝送することを効率的に行うことができる。
【0126】
具体的には、例えば、高周波数帯域の信号をデジタル変換して光伝送を行う構成と、WDMにより光伝送を行う構成とを組み合わせた光送信器や光受信器や光伝送路により、非常に高速なシリアル光伝送を行わずとも、複数の信号源の高周波信号を伝送することが可能となる。また、光受信側の出力構成としても、WDM化された光信号を選択することにより、柔軟な構成を採用することが可能である。そして、例えば、デジタル変換光伝送方式を移動体通信における高周波信号の光伝送システムに適用するような場合に、複数帯域の信号の伝送や1対多の伝送における多重伝送を効率化することができる。
【0127】
ここで、本発明に係る光伝送システムや光送信器や光受信器などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0128】
また、本発明に係る光伝送システムや光送信器や光受信器などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光伝送システムなどによると、複数の通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換し、デジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換し、これにより得られる複数の光信号を多重化して伝送することにより、複数の通信信号を光信号として伝送するようにしたため、効率的な伝送を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る光送信器の構成例を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る光伝送システムの構成例を示す図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る光伝送システムの構成例を示す図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る光受信器の構成例を示す図である。
【図5】本発明の第5実施例に係る光受信器の構成例を示す図である。
【図6】本発明の第6実施例に係る光伝送システムの構成例を示す図である。
【図7】光伝送システムの構成例を示す図である。
【図8】光伝送距離と伝送性能との関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、61、G1〜Gm、I1〜I3・・光送信器、 2・・WDM合波カプラ、
3、33、45、63・・光ファイバ、
71、85、A1〜Ai、L1〜Li・・周波数変換部、
B1〜Bi・・デジタル変換部、 75、C1〜Ci・・E/O変換部、
76、D1〜Di・・クロック発生部、 72、E1〜Ei・・A/D変換部、
74、F1〜Fi・・P/S変換部、
H(1)、H(m−1)・・合波カプラ、
11、23、52・・基幹光ファイバ伝送路、 12、24・・受信端、
21・・単芯多合成伝送系、 22・・光スターカプラ、
31、41、62、R1、Rq、Rp・・光受信器、
32、42・・WDM分波カプラ、 81、J1〜Ji・・O/E変換部、
K1〜Ki・・アナログ変換部、 86、M1〜Mi・・クロック再生部、
83、N1〜Ni・・S/P変換部、 84、O1〜Oi・・D/A変換部、
43、44・・合成器、 P1〜Pi・・受信系統、 51・・送信端、
Qq、Qp・・WDM分波フィルタ、 73・・フレーム生成部、
82・・フレーム同期部、

Claims (5)

  1. 複数の通信信号を光信号として伝送する光伝送システムにおいて、
    複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する通信信号A/D変換手段と、
    通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換するデジタル通信信号光信号変換手段と、
    デジタル通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して伝送する光信号多重化伝送手段と、
    を備えたことを特徴とする光伝送システム。
  2. 複数の通信信号を光信号として伝送する光伝送システムにおいて、
    複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する通信信号A/D変換手段と、通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換するデジタル通信信号光信号変換手段と、デジタル通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して送信する光信号多重化送信手段とを有した複数の光送信器と、
    複数の光送信器から送信される多重化された光信号を合成して伝送する多重化光信号合成伝送手段と、
    を備えたことを特徴とする光伝送システム。
  3. 複数の通信信号を光信号として送信する光送信器において、複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する通信信号A/D変換手段と、
    通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換するデジタル通信信号光信号変換手段と、
    デジタル通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して送信する光信号多重化送信手段と、
    を備えたことを特徴とする光送信器。
  4. 光信号を受信する光受信器において、
    互いに異なる波長を有する複数の光信号が多重化された光信号を受信する多重化光信号受信手段と、
    多重化光信号受信手段により受信される多重化された光信号に含まれるそれぞれの波長を有する光信号を抽出する光信号抽出手段と、
    光信号抽出手段により抽出されるそれぞれの波長を有する光信号をデジタルの通信信号へ変換する光信号デジタル通信信号変換手段と、
    光信号デジタル通信信号変換手段により得られるデジタルの通信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換する通信信号D/A変換手段と、
    を備えたことを特徴とする光受信器。
  5. 光送信器が複数の通信信号を光信号として送信し、光受信器が当該光信号を受信する光伝送装置において、
    光送信器は、複数のアナログの通信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する通信信号A/D変換手段と、
    通信信号A/D変換手段によりデジタル信号へ変換された複数の通信信号のそれぞれを互いに異なる波長を有する光信号へ変換するデジタル通信信号光信号変換手段と、
    デジタル通信信号光信号変換手段により得られる複数の光信号を多重化して送信する光信号多重化送信手段と、を備え、
    光受信器は、光送信器から送信される多重化された光信号を受信する多重化光信号受信手段と、
    多重化光信号受信手段により受信される多重化された光信号に含まれるそれぞれの波長を有する光信号を抽出する光信号抽出手段と、
    光信号抽出手段により抽出されるそれぞれの波長を有する光信号をデジタルの通信信号へ変換する光信号デジタル通信信号変換手段と、
    光信号デジタル通信信号変換手段により得られるデジタルの通信信号をデジタル信号からアナログ信号へ変換する通信信号D/A変換手段と、を備えた、
    ことを特徴とする光伝送装置。
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