JP2004350094A - Pll回路 - Google Patents

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JP2004350094A JP2003145850A JP2003145850A JP2004350094A JP 2004350094 A JP2004350094 A JP 2004350094A JP 2003145850 A JP2003145850 A JP 2003145850A JP 2003145850 A JP2003145850 A JP 2003145850A JP 2004350094 A JP2004350094 A JP 2004350094A
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

【課題】PLL回路において、電圧制御発振器(VCO)の入力ラインを介した電圧制御発振器(VCO)の出力のスプリアスを低減するだけでなく、電源ラインあるいはグラウンドラインを介してのスプリアスも低減する。
【解決手段】電圧制御発振器(VCO)の望ましくない電源電位変動を定数倍し、電圧制御発振器(VCO)制御端子に与えることにより、電圧制御発振器(VCO)の電源電位変動によって引き起こされる周波数変動と電圧制御発振器(VCO)制御端子変動によって引き起こされる周波数変動とを相殺することで、望ましくない電源電位変動によるPLLの周波数変動を最小化するものである。電圧制御発振器(VCO)の望ましくない電源電位変動を定数倍し、電圧制御発振器(VCO)制御端子に与えるために、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインと同期して動作するプラス電位ラインと、電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインと同期して動作するマイナス電位ラインとを備え、かつループフィルタを該プラス電位ラインと該マイナス電位ラインとの間に形成するものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PLL回路に関し、特にPLL回路の出力信号における位相比較周波数成分のスプリアスを低減するPLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】PLL回路は、図6に示すように制御電圧によりその発振周波数を制御できる電圧制御発振器(VCO)3と、その出力周波数を分周する分周器4と、その分周器出力と入力端子より入力される基準信号とを位相比較し、その比較結果に応じた電圧あるいは電流を出力する位相比較器1と、その位相比較器出力を伝達し制御電圧を生成するループフィルタ2、等によりフィードバックをかけることにより、構成されている。
【0003】
上記のPLL回路は位相同期期間中においても基準信号等の周波数成分が電圧制御発振器(VCO)の入力ラインあるいは電源ラインあるいはグラウンドラインを介し漏れることにより、電圧制御発振器(VCO)の出力によって周波数変調されたスプリアス信号として現れることがある。このスプリアスを抑圧するためにはループフィルタの帯域を狭める必要があるが、ループフィルタの帯域を狭めるとロックアップタイムの増大や、位相雑音の増大を招いてしまうという課題がある。
【0004】
これを回避するために、たとえば特開平6−164382号公報には初期位相ロック時には比較的広い帯域幅を有する動作モードで動作し、最終位相ロック時には動作モードを切り替えることにより比較的狭い帯域幅で動作させることにより高速ロックアップと、低スプリアスを実現する技術が開示されている。また、他の低スプリアスを実現する別の方法として特開2001−196926号公報に開示されている技術では、ループフィルタを構成する回路素子をプラス電位とマイナス電位とへ同一回路でそれぞれ接続することにより該素子の損失電流により引き起こされるスプリアスを低減している。
【0005】
【特許文献1】特開平6−164382号公報
【0006】
【特許文献2】特開2001−196926号公報(段落0019、図1(b)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−164382号公報に開示されている動作モードを切り替える手段を設ける方法では回路規模の増大を招くこととなり、またロック時にはループ帯域が狭くなるので、位相雑音が抑圧される範囲が狭くなり、PLLの位相雑音が増大してしまうことには変わりなく、また電源ライン等を介して混入するスプリアスを低減することは出来ない。また特開2001−196926号公報に開示されているループフィルタを構成する回路素子をプラス電位とマイナス電位へ同一回路でそれぞれ接続することにより該素子の損失電流により引き起こされるスプリアスを低減する方法では、電源ラインあるいはグラウンドラインを介して電圧制御発振器(VCO)に混入するスプリアスについては記載されていない。上述した従来のPLL回路では基準信号等の周波数成分が電圧制御発振器(VCO)の入力ラインを介した電圧制御発振器(VCO)の出力のスプリアスは低減されるが、電源ラインあるいはグラウンドラインを介してのスプリアスは低減されないという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のPLL回路は、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧の望ましくない変動に対する周波数の変動を制御端子の電位変動で補償することにより、出力周波数変動を最小化し、電源ラインあるいはグラウンドラインを介してのスプリアスを低減させるものである。
【0009】
本発明のPLL回路は、制御電圧によりその発振周波数を制御できる電圧制御発振器(VCO)と、その出力周波数を分周する分周器と、その分周器出力と基準信号とを比較し、その比較結果に応じた電圧あるいは電流を出力する位相比較器(PD)と、その位相比較器出力を伝達し制御電圧を生成するループフィルタ(LF)、によりフィードバックをかけることにより構成される位相同期ループ(PLL)回路において、下記式(1)において、KVKが0付近になるように選ぶことを特徴とする。
【0010】
【数1】
Figure 2004350094
ここで、KV0は、電圧制御発振器(VCO)がある周波数で発振する条件において電源電圧を変化させたときの出力周波数ゲインをKとして、電圧制御発振器(VCO)の制御端子―グランド間電位差を変化させずに得た周波数ゲインである。
V1は、電圧制御発振器(VCO)がある周波数で発振する条件において電源電圧を変化させたときの出力周波数ゲインをKとして、電圧制御発振器(VCO)の制御端子―電源間電位差を変化させずに得た周波数ゲインである。
kは、電源電位変動に対する制御電位変動の割合である。
VKは、任意のkに対する電圧制御発振器(VCO)の出力周波数ゲインである。
【0011】
また、本発明のPLL回路は、上記式(1)において、Kvoが0付近になるように、kを選ぶことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のPLL回路は、前記ループフィルタ(LF)は、制御ラインとマイナス電位ライン間に、キャパシタと、直列接続された抵抗−キャパシタを接続し、制御ラインとプラス電位ライン間に、キャパシタを接続してなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のPLL回路は、下記式(2)、(4)において、k=C’/(C2+C’)となるようなC2およびC’を選ぶことを特徴とする。
ここで、Rは、抵抗の値
は、抵抗R1と直列接続されたキャパシタの値
は、制御ラインとマイナス電位ラインの間に接続されたキャパシタの値
’は、制御ラインとプラス電位ラインの間に接続されたキャパシタの値
【0014】
【数2】
Figure 2004350094
【0015】
【数4】
Figure 2004350094
また、本発明のPLL回路は、上記ループフィルタ(LF)のプラス電位ラインが電圧制御発振器(VCO)の電源ラインと、ループフィルタ(LF)のマイナス電位ラインが電圧制御発振器(VCO)のグランドラインとそれぞれ同期した電位変化をすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のPLL回路は、前記電圧制御発振器(VCO)の電源ライン―グラウンド間電位差変化に応じて、電圧制御発振器(VCO)の入力―グラウンド間電位差を変化させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のPLL回路は、前記電圧制御発振器(VCO)の電源ライン―グラウンド間の電位差変動に対する電圧制御発振器(VCO)の入力―グラウンド間の電位差変動率は1以下であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のPLL回路は、少なくとも一つのキャパシタを寄生容量で実現することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明のPLL回路の一つの実施の形態を示すブロック図を示し、図2はループフィルタの回路図を示す。図1のブロック図は、従来の技術を説明するブロック図と同じである。
【0020】
図1に示す発明の実施の形態では、発振回路(図示しない)を内蔵し、制御端子より加えられる制御電圧によりその発振周波数を制御できる電圧制御発振器(VCO)3と、その出力周波数を分周する分周器4と、その分周器出力と基準信号として入力される入力信号を比較し、その比較結果に応じた電圧あるいは電流を出力する位相比較器1と、その位相比較器出力を伝達し制御電圧を生成するループフィルタ2がフィードバックループを形成することによりPLLが構成されている。ここで、ループフィルタ2は図2に示すように、プラス電源ライン9とマイナス電源ライン10との間に制御ライン11を有し、プラス電源ライン9と制御ライン11の間にコンデンサ8を接続する。またマイナス電源ライン10と制御ライン11との間に抵抗5とコンデンサ6の直列接続と、コンデンサ7との並列接続を接続して構成される。このループフィルタは以下に説明する通りスプリアス補償機能を有する。図2のループフィルタはフィルタの一部を構成する回路部分であってもよい。
【0021】
次に本実施の形態のPLL回路の動作を図1を参照して詳細に説明する。
【0022】
今、位相比較器1の出力は位相差に応じた電流出力とし、図2のループフィルタはフィルタの一部を構成しており、ループフィルタの次数は2次とする。電圧制御発振器(VCO)3が安定状態である周波数で発振する条件において電源電圧を変化させた時の出力周波数ゲインをKと置く。ここで、電圧制御発振器(VCO)3の制御端子−グラウンド間電位差Vを一定に保った状態で、プラス電源ラインの電圧が変化した時に得た出力周波数ゲインKをKV0、制御端子−電源間電位差Vを一定に保った状態で、マイナス電源ラインの電位が変化した時に得た出力周波数ゲインKをKV1とする。
【0023】
図3は電源電位変動に対する制御電位変動の割合をKと置き、そのKを0から1まで振ったときの電源電圧対発振周波数をプロットした一例である。さらに図4は図3の傾きをKに対してプロットしたグラフである。
【0024】
図4より任意のKに対する、KすなわちKVKは、下記式(1)
【0025】
【数1】
Figure 2004350094
と近似できることがわかる。ここでKVK=0付近に設計すれば電源電圧変動に対して、電圧制御発振器(VCO)出力の周波数変動は0付近になることが理解できる。
【0026】
一方、図2に示すループフィルタのプラス電位ラインから制御電位ラインへの伝達関数は抗5、キャパシタ6、キャパシタ7、キャパシタ8の値をそれぞれR、C、C、C’とすると、
【0027】
【数2】
Figure 2004350094
上記式(2)であらわされる。式(2)中、sはラプラス変換を示す。これはプラス電源ラインに現れる変動周波数が角周波数ωとするとき、式(2)の分母を0にする周波数ωpは次の下記式(3)のようになる。
【0028】
【数3】
Figure 2004350094
したがって、ω>ω以上の角周波数成分を持つ電源電圧変動に対して、制御電位ラインにはC’/(C+C’)倍された電位変動が引き起こされることを意味している。
【0029】
また、ループフィルタのマイナス電位ラインから制御電位ラインへの伝達関数は下記式(4)
【0030】
【数4】
Figure 2004350094
あらわされる。これはプラス電源ラインに現れる変動周波数が角周波数ωとするとき、式(4)の分母を0にする周波数ωzは次の式(5)のようになる。
【0031】
【数5】
Figure 2004350094
したがって、ω>ω以上の角周波数成分を持つ電源電圧変動に対して、制御電位ラインにはC/(C+C’)倍された電位変動が引き起こされることを意味している。すなわち、電圧制御発振器(VCO)の望ましくない電源電位変動を定数倍し、VCO制御端子に与えることにより、電圧制御発振器(VCO)の電源電位変動によって引き起こされる周波数変動とVCO制御端子変動によって引き起こされる周波数変動とを相殺することで、望ましくない電源電位変動によるPLLの周波数変動を最小化することができる。電圧制御発振器(VCO)の望ましくない電源電位変動を定数倍し、VCO制御端子に与えるために、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインと同期して動作するプラス電位ラインと、電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインと同期して動作するマイナス電位ラインとを備え、かつループフィルタを該プラス電位ラインと該マイナス電位ラインとの間に形成するものである。
【0032】
したがってKVK=0となるようなkを選び、さらにk=C’/(C+C’)となるようなCおよびC’を選ぶことにより、さらにループフィルタのプラス電位ラインは電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインと、マイナス電位ラインは電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインとそれぞれ直接接続するか、あるいは抵抗等の直線素子を介して接続することにより、同期した電位変化を与えることにより、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧の変動に対する周波数の変動を制御端子の電位変動で補償することができ、結果として電源電圧変動に対する電圧制御発振器(VCO)の周波数変動は最小化される。また、同期した電位変化を与える以外に、電圧制御発振器(VCO)電源―グランド間電位差変化に応じて、電圧制御発振器(VCO)入力−グランド間電位差を変化させてもよい。あるいは電圧制御発振器(VCO)電源―グランド間電位差変化に対する電圧制御発振器(VCO)入力−グランド間電位差変動率を1以下にしてもよい。このように、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインとプラス電位ラインとを、電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインとマイナス電位ラインとを分離すること無しに形成するものである。また、フィルタの次数に関わらず、制御電位ラインからプラス電位ラインあるいはマイナス電位ラインへのどちらか一方への接続がキャパシタのみで形成されているものである。
【0033】
このようにしてPLLとして要求されるループフィルタの定数を求める際にはC+C’をそのまま並列容量とみなすことにより、従来となんら変わらずループフィルタの定数を求めることができる。つまり、従来のものに対し、いかなるループ特性の劣化をももたらさず、電圧制御発振器(VCO)の電源−グラウンド間ノイズによる周波数変動のみを低減できる。
【0034】
以上の説明では主たるフィルタは制御電位ラインとマイナス電位ライン間に形成しているが、制御電位ラインとプラス電位ライン間に主たるフィルタを形成し、制御電位ラインとマイナス電位ライン間に、追加のインピーダンスを挿入しても同様の結果が得られることは明らかである。以上パッシブな2次フィルタを用いる場合について説明したが、任意の次数のフィルタに関しても、あるいはアクティブ素子を用いた場合でも同様な効果を得ることが出来る。
【0035】
図5に示すようにプラス電位ライン−制御電位ライン間のインピーダンスをZ、マイナス電位ライン−制御電位ライン間のインピーダンスをZM、とするとループフィルタのプラス電位ラインから制御信号ラインへの伝達関数は下記式(6)
【0036】
【数6】
Figure 2004350094
で与えられ、またループ内の伝達関数は、下記式(7)
【0037】
【数7】
Figure 2004350094
で与えられるので、所望の周波数におけるプラス電位ラインから制御電位ラインへの伝達利得とループ内の伝達特性とを独立に得ることが可能であり、このように求めたプラス電位ラインから制御信号ラインへの利得を前述したKとほぼ同じ値に設計することで、電圧制御発振器(VCO)出力の周波数変動を最小化することが可能となる。また電流出力位相比較器について述べてきたが、電圧出力位相比較器においても同様の効果を得ることが可能である。また、スプリアス以外に他の外部要因による電源ラインの電圧変化が電圧制御発振器(VCO)の電源電圧を変動させたときも同様に抑圧されるため、電源ノイズに対しても耐性が向上する。
【0038】
ループフィルタのプラス電位ラインは電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインと、マイナス電位ラインは電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインとそれぞれ接続することにより、直接ループフィルタのプラス電位ラインと電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインの電位変動を、ループフィルタのマイナス電位ラインと電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインの電位変動をそれぞれ同一にすることが出来るため回路規模の縮小が図れる。
【0039】
フィルタの次数に関わらず、制御電位ラインからプラス電位ラインあるいはマイナス電位ラインへのどちらか一方への接続がキャパシタのみで形成されていることにより、ループフィルタの各素子値の設計手法に変更を加える必要がなく、素子の値を設計した後に容量値をプラス電位ライン側とマイナス電位ライン側とに分割するだけで、ループフィルタの設計が可能となる。
【0040】
なお、本発明において、ループフィルタの少なくとも1個のキャパシタを配線に生じる寄生容量で実現してもよい。またループフィルタは、電圧制御発振器(VCO)等と同一基板上、あるいは同一ICに搭載してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したようにループフィルタを構成する回路素子をプラス電位とマイナス電位との間に接続し、プラス電位ラインから制御電位ラインへの伝達特性、あるいはマイナス電位ラインから制御電位ラインへの伝達特性が、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧変動時の周波数変動を補償する制御電位変化の割合とほぼ同じとなる周波数が少なくとも一つは存在するループフィルタを備え、かつ、前記ループフィルタのプラス電位ラインは電圧制御発振器(VCO)の電源電圧ラインと、マイナス電位ラインは電圧制御発振器(VCO)のグラウンドラインとそれぞれ同期した電位変化をすることにより、電圧制御発振器(VCO)の電源電圧の望ましくない変動に対する周波数の変動を制御端子の電位変動で補償することにより、出力周波数変動を最小化し、電源ラインあるいはグラウンドラインを介してのスプリアスを低減する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPLL回路の一つの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】ループフィルタの回路図を示す。
【図3】本発明における電圧制御発振器(VCO)の電源電圧対出力周波数のグラフである。
【図4】本発明における電圧制御発振器(VCO)の電源電圧周波数ゲイン対入力変動割合のグラフである。
【図5】本発明のループフィルタを一般的に表現した図である。
【図6】PLL回路のブロック図である。
【符号の説明】
1…位相比較器
2…ループフィルタ
3…電圧制御発振器
4…分周器
5…抵抗
6…キャパシタ
7…キャパシタ
8…キャパシタ
9…プラス電位ライン
10…マイナス電位ライン
11…制御ライン
12…プラス側ループフィルタインピーダンス
13…マイナス側ループフィルタインピーダンス

Claims (8)

  1. 制御電圧によりその発振周波数を制御できる電圧制御発振器(VCO)と、その出力周波数を分周する分周器と、その分周器出力と基準信号とを比較し、その比較結果に応じた電圧あるいは電流を出力する位相比較器(PD)と、その位相比較器出力を伝達し制御電圧を生成するループフィルタ(LF)、によりフィードバックをかけることにより構成される位相同期ループ(PLL)回路において、下記式(1)において、KVKが0付近になるように選ぶことを特徴とするPLL回路。
    Figure 2004350094
    ここで、KV0は、電圧制御発振器(VCO)がある周波数で発振する条件において電源電圧を変化させたときの出力周波数ゲインをKとして、電圧制御発振器(VCO)の制御端子―グランド間電位差を変化させずに得た周波数ゲインである。
    V1は、電圧制御発振器(VCO)がある周波数で発振する条件において電源電圧を変化させたときの出力周波数ゲインをKとして、電圧制御発振器(VCO)の制御端子―電源間電位差を変化させずに得た周波数ゲインである。
    kは、電源電位変動に対する制御電位変動の割合である。
    VKは、任意のkに対する電圧制御発振器(VCO)の出力周波数ゲインである。
  2. 上記式(1)において、Kvoが0付近になるように、kを選ぶことを特徴とする上記請求項1に記載のPLL回路。
  3. 前記ループフィルタ(LF)は、制御ラインとマイナス電位ライン間に、キャパシタと、直列接続された抵抗−キャパシタを接続し、制御ラインとプラス電位ライン間に、キャパシタを接続してなることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  4. 下記式(2)、(4)において、k=C’/(C2+C’)となるようなC2およびC’を選ぶことを特徴とする上記請求項3に記載のPLL回路。
    ここで、Rは、抵抗の値
    は、抵抗R1と直列接続されたキャパシタの値
    は、制御ラインとマイナス電位ラインの間に接続されたキャパシタの値
    ’は、制御ラインとプラス電位ラインの間に接続されたキャパシタの値
    Figure 2004350094
    Figure 2004350094
  5. 上記ループフィルタ(LF)のプラス電位ラインが電圧制御発振器(VCO)の電源ラインと、ループフィルタ(LF)のマイナス電位ラインが電圧制御発振器(VCO)のグランドラインとそれぞれ同期した電位変化をすることを特徴とする上記請求項1に記載のPLL回路。
  6. 前記電圧制御発振器(VCO)の電源ライン―グラウンド間電位差変化に応じて、電圧制御発振器(VCO)の入力―グラウンド間電位差を変化させることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  7. 前記電圧制御発振器(VCO)の電源ライン―グラウンド間の電位差変動に対する電圧制御発振器(VCO)の入力―グラウンド間の電位差変動率は1以下であることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  8. 請求項3に記載のキャパシタの少なくとも一つを寄生容量で実現することを特徴としたPLL回路。
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