JP2004349836A - データ転送制御装置、電子機器及びデータ転送制御方法 - Google Patents

データ転送制御装置、電子機器及びデータ転送制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理の効率化を図ることができるデータ転送制御装置、電子機器及びデータ転送制御方法を提供すること。
【解決手段】データ転送制御装置は、複数のパイプ領域をパケットバッファ100に確保し、パケットバッファ100のアクセス制御を行うバッファコントローラ80を含む。バッファコントローラ80は、パケットバッファ100のメモリ領域の各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を記憶し、記憶されたパイプ領域番号と、アクセス要求されたパイプ領域番号と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスとに基づいて、パケットバッファの物理アクセスアドレスを生成するアドレス変換テーブル88と、分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を変更することで、パイプ領域の再構築処理(パイプ領域の削除、追加、領域サイズの変更)を行う領域アロケータ81を含む。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ転送制御装置、電子機器及びデータ転送制御方法に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、USB(Universal Serial Bus)1.1の規格に対する互換性を持ちながら、USB1.1に比べて格段に高速な480Mbps(HSモード)のデータ転送速度を実現できる規格として、USB2.0規格が策定され、注目を浴びている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−135132号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さて、HS(High Speed)モードをサポートするUSB(Universal Serial Bus)2.0の市場が順調に拡大しているなか、USB Implementers Forum(USB−IF)によって、USBの簡易ホストを実現する規格の1つとしてUSBOn−The−Go(OTG)が策定された。USB2.0を拡張する形で策定されたOTG規格(OTG1.0)は、USBインターフェースの新たな付加価値を生む可能性を秘めており、その特質を生かしたアプリケーションの登場が待たれている。
【0005】
OTGなどにより実現される簡易ホストを利用すれば、これまでUSBを介してホスト(パーソナルコンピュータ等)に接続されていたペリフェラル(周辺機器)に、ホスト機能を持たせることができる。これにより、ペリフェラル同士をUSBで接続してデータを転送することが可能になり、例えばデジタルカメラとプリンタとをダイレクトに接続して、デジタルカメラの画像を印刷したり、デジタルカメラやデジタルビデオカメラをストレージ装置に接続して、データを保存することが可能になる。
【0006】
しかしながら、OTGなどの簡易ホストを利用してホスト機能を持たせるペリフェラルには、低性能のCPU(広義には処理部)が組み込まれているのが一般的である。従って、ホスト機能の追加により、ペリフェラルが有するCPU(ファームウェア)の処理負荷が重くなったり、処理が複雑化すると、他の処理に支障が生じたり、機器の設計期間が長期化する。
【0007】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、処理の効率化を図ることができるデータ転送制御装置、電子機器及びデータ転送制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンドポイントとの間で転送されるデータが各パイプ領域に記憶される複数のパイプ領域を、パケットバッファに確保すると共に、パケットバッファのアクセス制御を行うバッファコントローラと、パイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間でのデータ転送を制御する転送コントローラとを含むデータ転送制御装置であって、パケットバッファのメモリ領域を分割した複数の分割ブロックの各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を記憶し、記憶されたパイプ領域番号と、アクセス要求されたパイプ領域番号と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスとに基づいて、パケットバッファの物理アクセスアドレスを生成するアドレス変換テーブルと、パケットバッファの分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を変更することで、確保されていたパイプ領域を削除する処理、新たなパイプ領域を追加する処理、及びパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも1つを含むパイプ領域の再構築処理を行う領域アロケータとを含むデータ転送制御装置に関係する。
【0009】
本発明によれば、各分割ブロックに割り当てられたパイプ領域番号と、アクセス要求されたパイプ領域番号と、相対アクセスアドレスとに基づいて、パケットバッファの物理アクセスアドレスが生成され、パケットバッファに対するアクセスが可能になる。そして本発明では、パケットバッファの分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を変更することで、パイプ領域の再構築処理が実現される。この再構築処理は、既存のパイプ領域(バッファ領域)を削除する処理や新たなパイプ領域を追加する処理や既存のパイプ領域のサイズを変更する処理などを含む。このようにすれば、アドレス変換テーブルを変更するという負荷の少ない処理で再構築処理を実現できるようになり、処理の効率化を図れる。
【0010】
また本発明では、前記アドレス変換テーブルが、各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を各ブロックレジスタが記憶する複数のブロックレジスタと、前記ブロックレジスタに記憶されたパイプ領域番号とアクセス要求されたパイプ領域番号とを比較する比較器と、前記比較器での比較結果と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスとに基づいて、物理アクセスアドレスを生成するアドレスデコーダとを含むようにしてもよい。
【0011】
また本発明では、前記領域アロケータが、各パイプ領域のページサイズとページ数とに基づいて、各パイプ領域の領域確保に必要な分割ブロックのブロック数を求め、求められたブロック数に基づいて、各分割ブロックにパイプ領域番号を割り当てるようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、各分割ブロックのブロック数を求めるという簡素な処理で、各分割ブロックへのパイプ領域番号の割り当てを実現できる。
【0013】
また本発明では、前記領域アロケータが、各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を前記アドレス変換テーブルから読み出し、読み出されたパイプ領域番号で指定されるパイプ領域のクリアが許可されていることを条件に、当該分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号の書き換え処理を行うようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、クリアが許可(指示)されているパイプ領域について、パイプ領域番号の書き換え処理が行われるようになるため、クリアが許可されていないパイプ領域に記憶されるデータが失われてしまう事態などを防止できる。
【0015】
また本発明では、前記領域アロケータが、分割ブロック番号をカウントするブロック番号カウンタと、各パイプ領域の領域確保に必要な分割ブロックのブロック数がカウント値として各ブロック数カウンタに設定される複数のブロック数カウンタとを有し、前記ブロック番号カウンタからの分割ブロック番号に基づき、各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を前記アドレス変換テーブルから読み出し、分割ブロックに対してパイプ領域番号を割り当てる毎に、当該パイプ領域番号に対応するブロック数カウンタに設定されるブロック数をデクリメントするようにしてもよい。
【0016】
このようにすれば例えば全てのブロック数カウンタに設定されるブロック数が0になるまで割り当て処理を行うことで、再構築処理を完了できるようになる。
【0017】
また本発明では、前記バッファコントローラが、パイプ領域の相対アクセスアドレスを指すポインタに基づいて、パケットバッファのパイプ領域へのアクセス制御を行うようにしてもよい。
【0018】
また本発明は、各エンドポイントとの間で転送されるデータが各パイプ領域に記憶される複数のパイプ領域を、パケットバッファに確保すると共に、パケットバッファのアクセス制御を行うバッファコントローラと、パイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間でのデータ転送を制御する転送コントローラとを含むデータ転送制御装置であって、パケットバッファに対する論理アクセスアドレスをパケットバッファの物理アクセスアドレスに変換するアドレス変換テーブルと、前記アドレス変換テーブルにおける論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することで、確保されていたパイプ領域を削除する処理、新たなパイプ領域を追加する処理、及びパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも1つを含むパイプ領域の再構築処理を行う領域アロケータとを含み、前記領域アロケータが、第1のエンドポイントに対応して再構築の前後においてパケットバッファに確保される第1のパイプ領域については、第1のパイプ領域に対する論理アクセスアドレスが変化した場合にも物理アクセスアドレスについては変化しないように、論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更するデータ転送制御装置に関係する。
【0019】
本発明によれば、論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することで、パイプ領域の再構築処理が実現される。従って、アドレス変換テーブルを変更するという負荷の少ない処理で再構築処理を実現できるようになり、処理の効率化を図れる。また再構築前後においてパケットバッファに確保される第1のパイプ領域については、論理アクセスアドレスが変化した場合にも物理アクセスアドレスは変化しないようになるため、第1のパイプ領域に記憶されていたデータが再構築により失われてしまう事態等を防止できる。
【0020】
また本発明では、パイプ領域とエンドポイントとの間でのデータ転送をポーズするポーズ処理を行い、データ転送のポーズ処理が完了した後に、パイプ領域の再構築処理を行い、パイプ領域の再構築処理後に、ポーズしていたデータ転送を再開するようにしてもよい。
【0021】
本発明では、例えば処理部からポーズ等の指示があると、データ転送がその途中で一時的にポーズされる。そして例えば全てのパイプ領域(一部の例外があってもよい)についてのデータ転送のポーズ処理が完了すると、パイプ領域の再構築処理が行われる。そして再構築処理が完了すると、ポーズされたデータ転送が再開され、残りのデータ転送が実行される。これにより、パイプ領域についてのデータ転送の全てが完了するのを待つことなく、パイプ領域を再構築でき、処理の効率化を図れる。
【0022】
また本発明では、データ転送のポーズ処理の指示情報を記憶するレジスタと、全てのパイプ領域についてのポーズ処理が完了したことを示す情報を記憶するレジスタを含むようにしてもよい。
【0023】
このようなレジスタ(指示手段、通知手段)を設けることで、ポーズ処理が確実に完了したことを待ってから、パイプ領域の再構築を開始できる。
【0024】
また本発明では、各パイプ領域と各エンドポイントとの間でのデータ転送の転送条件情報が各転送条件レジスタに設定される複数の転送条件レジスタを含むレジスタ部を含み、前記転送コントローラが、転送条件レジスタに設定された転送条件情報に基づいて、エンドポイントに対するトランザクションを自動発生し、パイプ領域と、そのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間で、データを自動転送するようにしてもよい。
【0025】
本発明では、各パイプ領域と各エンドポイントとの間でのデータ転送の転送条件情報(エンドポイント情報、パイプ情報)が各転送条件レジスタ(パイプレジスタ)に設定される。そして、各転送条件レジスタに設定された転送条件情報に基づいて、各エンドポイントに対するトランザクションが自動発生し、各パイプ領域と各エンドポイントとの間でデータが自動転送される。これにより、データ転送制御装置の制御等を行う処理部の処理負荷を軽減できる。
【0026】
また本発明では、ホストの役割として動作するホスト動作のステートと、ペリフェラルの役割として動作するペリフェラル動作のステートを含む複数のステートの制御を行うステートコントローラを含み、前記転送コントローラが、ホスト動作時において、ホストとしてのデータ転送を行うホストコントローラと、ペリフェラル動作時において、ペリフェラルとしてのデータ転送を行うペリフェラルコントローラとを含み、ホスト動作時において、前記バッファコントローラが、パケットバッファに対して複数のパイプ領域を確保し、前記ホストコントローラが、確保されたパイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間で、データを転送するようにしてもよい。
【0027】
本発明によれば、ステートコントローラにより制御されるステートがホスト動作のステートになると、ホストコントローラによりホストの役割としてのデータ転送が行われる。またステートコントローラにより制御されるステートがペリフェラル動作のステートになると、ペリフェラルコントローラによりペリフェラルの役割としてのデータ転送が行われる。これによりデュアルロール・デバイス機能を実現できる。そして本発明では、ホスト動作時においてパケットバッファに対して複数のパイプ領域が確保され、確保されたパイプ領域とエンドポイントとの間でデータが自動転送される。これによりデュアルロール・デバイス機能を実現できると共にホスト動作時における処理部の処理負荷を軽減できる。
【0028】
また本発明では、USB(Universal Serial Bus)のOTG(On−The−Go)規格に準拠したデータ転送を行うようにしてもよい。
【0029】
また本発明は、上記のいずれかのデータ転送制御装置と、前記データ転送制御装置及びバスを介して転送されるデータの出力処理又は取り込み処理又は記憶処理を行う装置と、前記データ転送制御装置のデータ転送を制御する処理部とを含む電子機器に関係する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本実施形態について説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0031】
1.簡易ホスト
1.1 Aデバイス、Bデバイス
まず、簡易ホストを実現する規格の一例としてOTG(USB On−The−Go)について説明する。但し本発明の手法は、このようなOTG規格のデータ転送制御手法に限定されるものではない。
【0032】
OTGでは、コネクタの規格として、図1(A)に示すようなMini−Aプラグ、Mini−Bプラグが定義されている。また、これらのMini−Aプラグ、Mini−Bプラグ(広義にはケーブルの第1、第2のプラグ)の両方を接続できるコネクタとして、Mini−ABレセプタクル(receptacle)が定義されている。
【0033】
そして図1(B)のように、USBケーブルのMini−Aプラグに電子機器Pが接続され、Mini−Bプラグに電子機器Qが接続されると、電子機器P、Qは、各々、Aデバイス、Bデバイスに設定される。一方、図1(C)に示すように、Mini−Bプラグ、Mini−Aプラグが電子機器P、Qに接続されると、電子機器P、Qは、各々、Bデバイス、Aデバイスに設定される。電子機器は、内蔵するプルアップ抵抗回路を用いてIDピンの電圧レベルを検出することで、自身がどちらのタイプのプラグに接続されたのか判断する。
【0034】
なおOTGでは、Aデバイス(マスター)が、電源(VBUS)を供給する側(供給元)になり、Bデバイス(スレーブ)が、電源の供給を受ける側(供給先)になる。また、Aデバイスは、デフォルトのステートがホストになり、Bデバイスは、デフォルトのステートがペリフェラル(周辺機器)になる。
【0035】
1.2 デュアルロール・デバイス
OTGでは、ホスト(簡易ホスト)としての役割とペリフェラルとしての役割の両方を持つことができるデュアルロール・デバイス(Dual−Role Device)が定義されている。
【0036】
デュアルロール・デバイスは、ホストにもペリフェラルにもなれる。そして、デュアルロール・デバイスに接続された相手が、従来のUSB規格におけるホストやペリフェラルである場合には、デュアルロール・デバイスの役割は一意に定まる。つまり、接続相手がホストであれば、デュアルロール・デバイスはペリフェラルになり、接続相手がペリフェラルであれば、デュアルロール・デバイスはホストになる。一方、接続相手がデュアルロール・デバイスである場合には、両方のデュアルロール・デバイスは、お互いにホストとペリフェラルの役割を交換できる。
【0037】
デュアルロール・デバイスは、セッション開始要求手順SRP(Session Request Protocol)やホスト交換手順HNP(Host Negotiation Protocol)の機能を持つ。ここでSRPは、BデバイスがAデバイスに対して、VBUS(電源)の供給を要求するプロトコルである。またHNPは、ホストとペリフェラルの役割を交換するためのプロトコルである。
【0038】
即ち前述のようにデュアルロール・デバイス同士の接続では、Mini−Aプラグが接続された側であるAデバイスがデフォルトのホストとなり、Mini−Bプラグが接続された側であるBデバイスがデフォルトのペリフェラルになる。そしてOTGでは、プラグの抜き差しを行わなくても、ホストとペリフェラルの役割を交換でき、HNPはこの役割交換を実現するプロトコルである。
【0039】
2.OHCI
従来のUSBでは、ホストであるパーソナルコンピュータが有するホストコントローラは、マイクロソフト社が提唱したOHCI(Open Host Controller Interface)や、UHCI(Universal Host Controller Interface)といった規格に準拠していた。また使用されるOS(Operating System)も、マイクロソフト社やアップル社のOSに限定されていた。
【0040】
しかしながら、OTGのターゲット・アプリケーションである小型携帯機器では、組み込まれるCPUのアーキテクチャや使用されるOSは千差万別である。また、パーソナルコンピュータのホストコントローラ向けに規格化されたOHCIやUHCIは、USBホストとしての機能をフルに実装することを前提としており、小型携帯機器への実装に最適であるとは言い難い。更に、OHCI準拠のデータ転送制御装置(ホストコントローラ)では、CPU上で動作するファームウェア(ホストコントローラ・ドライバ)が、複雑なリスト構造のディスクリプタを作成しなければならないため、CPUの処理負荷が重い。
【0041】
そして小型携帯機器(デジタルカメラ、携帯電話等)に組み込まれるCPU(embedded CPU)は、パーソナルコンピュータのCPUに比べて低性能であるのが一般的である。従って携帯機器にOTGのホスト動作を行わせると、携帯機器に組み込まれるCPUに過大な負荷がかかり、他の処理に支障が生じたり、データ転送のパフォーマンスが低下する。
【0042】
3.構成例
図2に、以上のような問題を解決できる本実施形態のデータ転送制御装置(データ転送制御回路)の構成例を示す。なお本実施形態のデータ転送制御装置は、図2の一部の機能ブロックを省略する構成としてもよい。また図2の機能ブロックはハードウェア回路のみにより実現してもよいし、ハードウェア回路とファームウェア(ソフトウェア)の両方により実現してもよい。また以下ではOTG規格に準拠したデータ転送制御装置への本発明の適用例を説明するが、OTG規格を発展させた規格に準拠したデータ転送制御装置やOTG規格に準拠しないデータ転送制御装置にも本発明は適用できる。例えばデュアルロール・デバイスの機能は持たず、簡易ホストとしての機能だけを持つようなデータ転送制御装置にも本発明は適用できる。
【0043】
データ転送制御装置はトランシーバ10(以下、適宜Xcvrと呼ぶ)を含む。このトランシーバ10は、差動データ信号DP、DMを用いてUSB(広義にはバス)のデータを送受信する回路であり、USBの物理層(PHY)回路12を含む。より具体的にはトランシーバ10は、DP、DMのラインステート(J、K、SE0等)の生成、シリアル/パラレル変換、パラレル/シリアル変換、ビットスタッフィング、ビットアンスタッフィング、NRZIデコード、NRZIエンコードなどを行う。なお、トランシーバ10をデータ転送制御装置の外部に設けるようにしてもよい。
【0044】
データ転送制御装置はOTGコントローラ20(広義にはステートコントローラ。以下、適宜OTGCと呼ぶ)を含む。このOTGコントローラ20は、OTGのSRP機能やHNP機能を実現するための処理を行う。即ちOTGコントローラ20は、ホストの役割として動作するホスト動作のステートや、ペリフェラルの役割として動作するペリフェラル動作のステートなどを含む複数のステートの制御を行う。
【0045】
より具体的には、OTG規格には、デュアルロール・デバイスのAデバイス時のステート遷移やBデバイス時のステート遷移が定義されている。OTGコントローラ20は、これらのステート遷移を実現するためのステートマシーンを含む。またOTGコントローラ20は、USBのデータラインステートやVBUSレベルやIDピンのステートを検出(監視)する回路を含む。そして、OTGコントローラ20が含むステートマシーンは、これらの検出情報に基づいてそのステート(例えば、ホスト、ペリフェラル、サスペンド又はアイドルなどのステート)を変化させる。この場合のステートの遷移は、ハードウェア回路により実現してもよいし、ファームウェアがステートコマンドをレジスタに設定することで実現してもよい。そしてステートが遷移すると、OTGコントローラ20は、遷移後のステートに基づいて、VBUSを制御したり、DP、DMのプルアップ抵抗/プルダウン抵抗の接続/非接続を制御する。また、ホストコントローラ50(以下、適宜HCと呼ぶ)、ペリフェラルコントローラ60(以下、適宜PCと呼ぶ)のイネーブル/ディスエーブルを制御する。
【0046】
データ転送制御装置はHC/PC切り替え回路30(HC/PC・コモン回路)を含む。このHC/PC切り替え回路30は、トランシーバ10と、ホストコントローラ50又はペリフェラルコントローラ60との間の接続の切り替えを制御する。またUSBのデータ(DP、DM)のラインステートの生成の指示をトランシーバ10に対して行う。なお接続の切り替え制御は、HC/PCセレクタ32により実現され、ラインステートの生成指示は、ラインステートコントローラ34により実現される。
【0047】
例えばOTGコントローラ20がホスト動作時にHCイネーブル信号をアサートすると、HC/PC切り替え回路30(HC/PCセレクタ32)は、トランシーバ10とホストコントローラ50を接続する。一方、OTGコントローラ20が、ペリフェラル動作時にPCイネーブル信号をアサートすると、HC/PC切り替え回路30は、トランシーバ10とペリフェラルコントローラ60を接続する。これにより、ホストコントローラ50とペリフェラルコントローラ60とを排他的に動作させることが可能になる。
【0048】
データ転送制御装置は転送コントローラ40を含む。この転送コントローラ40は、USB(広義にはバス)を介したデータ転送を制御する回路であり、ホストコントローラ50(HC)とペリフェラルコントローラ60(PC)を含む。なお簡易ホスト機能だけを実現する場合には、転送コントローラ40にペリフェラルコントローラ60を含ませない構成としてもよい。
【0049】
ホストコントローラ50は、ホスト動作時(HCイネーブル信号のアサート時)にホストの役割としてのデータ転送制御を行う回路である。即ちホストコントローラ50はホスト動作時にHC/PC切り替え回路30によりトランシーバ10に接続される。そしてホストコントローラ50は、レジスタ部70の転送条件レジスタ部72に設定された転送条件情報に基づき、エンドポイントに対するトランザクションを自動発生する。そしてパケットバッファ100に確保(al locate)されたパイプ領域(PIPE0〜PIPEe。以下、適宜PIPEと呼ぶ)と、そのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間で、データ(パケット)の自動転送(処理部が介在しないハードウェア回路によるデータ転送)を行う。
【0050】
より具体的にはホストコントローラ50は、複数のパイプ転送間の調停、フレームにおける時間管理、転送のスケジューリング、再送の管理などを行う。またパイプ転送の転送条件情報(オペレーション情報)をレジスタ部70を介して管理する。また、トランザクションの管理を行ったり、パケットを生成/分解したり、サスペンド/レジューム/リセット状態生成の指示を行う。
【0051】
ペリフェラルコントローラ60はペリフェラル動作時(PCイネーブル信号のアサート時)にペリフェラルの役割としてのデータ転送制御を行う回路である。
【0052】
即ちペリフェラルコントローラ60は、ペリフェラル動作時にHC/PC切り替え回路30によりトランシーバ10に接続される。そしてレジスタ部70の転送条件レジスタ部72に設定された転送条件情報に基づき、パケットバッファ100に確保されたエンドポイント領域(EP0〜EPe。以下適宜EPと呼ぶ)とホストとの間でデータを転送する。
【0053】
より具体的には、ペリフェラルコントローラ60は、エンドポイント転送の転送条件情報(オペレーション情報)をレジスタ部70を介して管理する。また、トランザクションの管理を行ったり、パケットを生成/分解したり、リモート・ウェイクアップ信号生成の指示を行う。
【0054】
なおエンドポイントは、ユニークなアドレスを割り当てることができる、ペリフェラル(デバイス)上のポイント(部分)である。ホストとペリフェラル(デバイス)との間でのデータ転送は、全て、このエンドポイントを経由して行われる。またトランザクションは、トークンパケットと、オプショナルなデータパケットと、オプショナルなハンドシェークパケットにより構成される。
【0055】
データ転送制御装置はレジスタ部70を含む。このレジスタ部70は、データ転送(パイプ転送、エンドポイント転送)制御、バッファアクセス制御、バッファ管理、割り込み制御、ブロック制御、或いはDMA制御などを行うための種々のレジスタを含む。なおレジスタは、RAMなどのメモリにより実現してもよいし、Dフリップフロップなどにより実現してもよい。またレジスタ部70のレジスタは、1つにまとめずに、各ブロック(HC、PC、OTGC、Xcvr等)に分散して配置してもよい。
【0056】
レジスタ部70は、転送条件レジスタ部72を含む。この転送条件レジスタ部72は、ホスト動作時にパケットバッファ100に確保されるパイプ領域(PIPE0〜PIPEe)とエンドポイントとの間でのデータ転送の転送条件情報を記憶するレジスタを含む。これらの各転送条件レジスタは、パケットバッファ100の各パイプ領域に対応して設けられる。
【0057】
なおペリフェラル動作時には、パケットバッファ100にはエンドポイント領域(EP0〜EPe)が確保される。そして転送条件レジスタ部72に設定された転送条件情報に基づいて、データ転送制御装置とホストとの間でのデータ転送が行われる。
【0058】
データ転送制御装置はバッファコントローラ80(FIFOマネージャ)を含む。このバッファコントローラ80は、パケットバッファ100にパイプ領域やエンドポイント領域を確保する処理を行う。またパケットバッファ100に対するアクセス制御や領域管理を行う。より具体的にはバッファコントローラ80は、CPUからのアクセス(処理部側からのアクセス)、DMAからのアクセス(アプリケーション層デバイスからのアクセス)、USBからのアクセス(転送コントローラからのアクセス)の制御を行ったり、これらのアクセスの調停を行ったり、アクセス・アドレスの生成・管理を行う。
【0059】
データ転送制御装置はパケットバッファ100(FIFO、パケットメモリ、データバッファ)を含む。このパケットバッファ100は、USBを介して転送されるデータ(送信データ又は受信データ)を一時的に記憶(バッファリング)するものである。このパケットバッファ100は、例えばRAM(Random Access Memory)などにより構成できる。なおパケットバッファ100の一部又は全部をデータ転送制御装置の外部に設けてもよい(外付けメモリにしてもよい)。
【0060】
ホスト動作時には、パケットバッファ100はパイプ転送用のFIFO(First−In First−Out)として使用される。即ち、パケットバッファ100には、USB(バス)の各エンドポイントに対応するように、パイプ領域PIPE0〜PIPEe(広義にはバッファ領域)が確保される。また、各パイプ領域PIPE0〜PIPEeには、それに対応する各エンドポイントとの間で転送されるデータ(送信データ又は受信データ)が記憶される。
【0061】
一方、ペリフェラル動作時には、パケットバッファ100はエンドポイント転送用のFIFOとして使用される。即ち、パケットバッファ100には、エンドポイント領域EP0〜EPe(広義にはバッファ領域)が確保される。また各エンドポイント領域EP0〜EPeには、ホストとの間で転送されるデータ(送信データ又は受信データ)が記憶される。
【0062】
なおパケットバッファ100に確保されるバッファ領域(ホスト動作時にパイプ領域に設定され、ペリフェラル動作時にエンドポイント領域に設定される領域)は、先に入力された情報が先に出力されるような記憶領域(FIFO領域)に設定されている。またPIPE0は、コントロール転送用のエンドポイント0に専用のパイプ領域であり、PIPEa〜PIPEeは、任意のエンドポイントに割り当て可能な汎用のパイプ領域である。即ち、USBでは、エンドポイント0がコントロール転送に専用のエンドポイントに設定される。従って本実施形態のようにPIPE0をコントロール転送に専用のパイプ領域にすることで、ユーザが混乱するのを防止できる。またPIPEa〜PIPEeを任意のエンドポイントに割り当て可能なパイプ領域にすることで、エンドポイントに対応するパイプ領域を動的に変化させることが可能になる。これにより、パイプ転送のスケジューリングの自由度を向上でき、データ転送を効率化できる。
【0063】
なお本実施形態では、バッファ領域は、マックスパケットサイズMaxPktSize(広義にはページサイズ)とページ数BufferPageにより、その領域サイズRSizeが設定される(RSize=MaxPktSize×BufferPage)。このようにすることで、バッファ領域の領域サイズや面数(ページ数)を任意に設定できるようになり、パケットバッファ100のリソースの有効利用を図れる。
【0064】
データ転送制御装置はインターフェース回路110を含む。このインターフェース回路110は、USBとは異なる他のバスであるDMA(DirectMemoryAccess)バスやCPUバスと、パケットバッファ100との間でのデータ転送を行うための回路である。このインターフェース回路110は、パケットバッファ100と外部のシステムメモリとの間でDMA転送を行うためのDMAハンドラ回路112(広義には第1のインターフェース回路)を含む。またパケットバッファ100と外部のCPUとの間でPIO(Parallel I/O)転送を行うためのCPUインターフェース回路114(広義には第2のインターフェース回路)を含む。なお、CPU(広義には処理部)をデータ転送制御装置に内蔵させてもよい。
【0065】
データ転送制御装置はクロックコントローラ120を含む。このクロックコントローラ120は、内蔵PLL又は外部入力クロックに基づいて、データ転送制御装置の内部で使用する各種のクロックを生成する。
【0066】
4.パイプ領域
本実施形態では図3(A)に示すように、ホスト動作時にパケットバッファ100にパイプ領域PIPE0〜PIPEeが確保される。そしてこの各パイプ領域とペリフェラルの各エンドポイントの間でデータが転送される。
【0067】
ここで、本実施形態のパイプ領域の「パイプ」は、USBで定義される「パイプ」(デバイス上のエンドポイントとホスト上のソフトウェアとの間の関連を表す論理的な抽象化、論理的な経路)とは若干意味合いが異なる。
【0068】
本実施形態のパイプ領域は、図3(A)に示すように、USB(バス)に接続されるペリフェラルが有する各エンドポイントに対応して、パケットバッファ100上に確保される。例えば図3(A)において、パイプ領域PIPEaはペリフェラル1のエンドポイント1(バルクIN)に対応し、PIPEbはペリフェラル1のエンドポイント2(バルクOUT)に対応する。またPIPEcはペリフェラル2のエンドポイント1(バルクIN)に対応し、PIPEdはペリフェラル2のエンドポイント2(バルクOUT)に対応する。またPIPEeはペリフェラル3のエンドポイント1(インタラプトIN)に対応する。なおPIPE0は、コントロール転送のエンドポイント0に専用のパイプ領域である。
【0069】
そして図3(A)の例では、パイプ領域PIPEaとペリフェラル1のエンドポイント1との間でUSBのバルクIN転送が行われ、PIPEbとペリフェラル1のエンドポイント2との間ではバルクOUT転送が行われる。またPIPEcとペリフェラル2のエンドポイント1との間ではバルクIN転送が行われ、PIPEdとペリフェラル2のエンドポイント2との間ではバルクOUT転送が行われる。またPIPEeとペリフェラル3のエンドポイント1との間ではインタラプトIN転送が行われる。以上のように本実施形態では、パイプ領域(汎用)とそれに対応するエンドポイントとの間では、任意のデータ転送(アイソクロナス転送、バルク転送、インタラプト転送)を行うことができる。
【0070】
そして本実施形態では、パイプ領域とそれに対応するエンドポイントの間では所与のデータ単位(トータルサイズで指定されるデータ単位)のデータが転送される。このデータ単位としては、例えばIRP(I/Oリクエストパケット)により転送要求されるデータ単位又はそれを適当なサイズに分割したデータ単位を想定できる。エンドポイントに対するこのデータ単位のデータ転送(一連のトランザクション)を本実施形態における「パイプ」と呼ぶことができ、「パイプ」のデータ(送信データ、受信データ)を記憶する領域がパイプ領域になる。
【0071】
パイプ領域を用いた所与のデータ単位の転送が終了すると、そのパイプ領域は解放できる。そして解放されたパイプ領域は新たに任意のエンドポイントに割り当てることができる。このように本実施形態では、パイプ領域とエンドポイントとの対応づけを動的に変化させることができる。
【0072】
また本実施形態では図3(B)に示すように、ペリフェラル動作時にはパケットバッファ100にエンドポイント領域EP0〜EPeが確保される。そして各エンドポイント領域とホストとの間でデータが転送される。
【0073】
このように本実施形態では、パケットバッファ100のバッファ領域を、ホスト動作時にはパイプ領域に割り当て、ペリフェラル動作時にはエンドポイント領域に割り当てている。これにより、ホスト動作時とペリフェラル動作時とでパケットバッファ100のリソースを共用(兼用)することができ、パケットバッファ100の使用記憶容量を節約できる。なおパイプ領域、エンドポイント領域の個数は6個に限定されず任意である。
【0074】
5.パイプ領域の再構築
5.1 再構築処理
さて図3(A)(B)のようにパケットバッファ100にパイプ領域を確保してデータ転送を行う手法では、USB上に新たなエンドポイントが追加されたり、既に存在していたエンドポイントが削除された場合には、パイプ領域の再構築(reconstruction)処理が必要になる。ここで再構築処理は、確保されていたパイプ領域(現存するパイプ領域)を削除する処理、新たなパイプ領域(現存しないパイプ領域)を追加する処理、及び確保されていたパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも一方を含むものである。
【0075】
例えば図4(A)では、USBハブに対してペリフェラル1だけが接続されている。このペリフェラル1(電子機器)はエンドポイントa、b、eを有しているため、パケットバッファ100には、これらのエンドポイントa、b、eに対応するパイプ領域PIPEa、PIPEb、PIPEeが確保されている。
【0076】
一方、図4(B)では、新たなペリフェラル2がUSBハブに接続されており、ペリフェラル2のエンドポイントcが追加されている。この場合は、パケットバッファ100に対して、エンドポイントcに対応するPIPEcを追加して、パイプ領域を再構築する必要がある。逆に図4(B)のようにペリフェラル2が接続されている状態から、ペリフェラル2の接続が外されると、エンドポイントcに対応するPIPEcを削除して、パイプ領域を再構築する必要がある。
【0077】
この場合の再構築の1つの手法として、全てのパイプ領域についての全てのデータ転送が終了した後に、図4(B)に示すようなパイプ構成になるように、パイプ領域PIPEa〜PIPEeの再確保処理を行う手法が考えられる。
【0078】
しかしながらこの手法では、パイプ領域についてのデータ転送を停止した後、パイプ領域の有効データが空になるのを待ったり、パイプ領域に残っているデータを吸い出し、その後にパイプ領域の再確保処理を行う必要がある。ところがインタラプト転送などでは、転送周期が1〜255msecというように長く、パイプ領域を用いて転送されるIRPデータのサイズが非常に大きい場合もある。このような場合にパイプ領域が空になるまで待つようにすると、パイプ領域の再構築が完了するまでに長時間を要してしまい、ユーザの利便性を害する。またパイプ領域が空になるまで待つ処理や、パイプ領域からデータを吸い出す処理のために、CPU(処理部)の処理が複雑化し、処理負荷が重くなってしまう。更に、相手デバイスがどの程度の転送レートでデータを転送してくるかが不明であるため、どの程度の待ち時間が必要かを予測できないという問題もある。
【0079】
そこで本実施形態では次のような手法を採用している。即ち再構築を行う場合に(処理部により再構築が指示された場合に)、図2の転送コントローラ40(ホストコントローラ50)が、パイプ領域(望ましくは全てのパイプ領域)とエンドポイントとの間で現在行われているデータ転送をポーズ(pause)する。具体的にはトランザクション途中で再構築を行う場合には、そのトランザクションが終了した時点でデータ転送をポーズする。なお所与の数のトランザクションの終了後に、データ転送をポーズしてもよい。
【0080】
そして例えば全てのパイプ領域(一部の例外があってもよい)についてのデータ転送のポーズ処理が完了した後に、バッファコントローラ80がパイプ領域の再構築処理を行う。具体的には、パイプ領域を削除する処理や追加する処理やサイズを変更する処理を行う。また再構築の前後に存在するパイプ領域については、格納されているデータが破壊(消去)されないようにする処理を行う。即ちパイプ領域の物理アクセスアドレスは変えずに論理アクセスアドレスだけを変える処理を、アドレス変換テーブルを用いて行う。その後、パイプ領域の再確保(ReAllocation、SetBuffer)処理を行う。そして例えば全てのパイプ領域の再確保処理の終了後に、転送コントローラ40が、ポーズしていたデータ転送を再開する。例えば既に完了したトランザクションの次のトランザクションからデータ転送を再開する。
【0081】
このようにすれば、パイプ領域が受信用なのか送信用なのかを区別して処理する必要もなくなる。またパイプ領域が空になるのを待つ必要もなくなり、パイプ領域の再構築に要する時間も容易に把握できる。従って再構築処理を短時間で終了でき、ファームウェアの処理の簡素化や負荷の軽減化を図れる。
【0082】
5.2 アドレス変換テーブルによる再構築
本実施形態では、論理アクセスアドレス(狭義には論理アクセスアドレスブロック。他の説明でも同様)を物理アクセスアドレス(狭義には物理アクセスアドレスブロック。他の説明でも同様)に変換するアドレス変換テーブルを用意し、このアドレス変換テーブルを変更することで、パイプ領域(広義にはバッファ領域)の再構築を実現している。即ち論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することで再構築を実現する。
【0083】
例えば図5(A)に再構築の前後におけるパケットバッファ100(RAM)の論理メモリイメージを示す。図5(A)では、再構築前に確保されていたパイプ領域PIPE1が削除されると共に新たなパイプ領域PIPE2が追加されている。そして再構築前は、PIPE0には0〜2、PIPE1には3〜4、PIPE4には5〜9の論理アクセスアドレス(論理アクセスアドレスブロック)が連続的に割り当てられている。一方、再構築後では、PIPE0には0〜2、PIPE2には3〜6、PIPE4には7〜11の論理アクセスアドレスが連続的に割り当てられている。このように本実施形態では、再構築の前後において各パイプ領域に対して、分離されない連続的な論理アクセスアドレスを割り当てているため、論理アクセスアドレスを管理するファームウェア(処理部)の処理が簡素化される。
【0084】
図5(B)には再構築の前後におけるパケットバッファ100の物理メモリイメージを示す。図5(B)では、図5(A)で説明したように論理アクセスアドレスについては、再構築前後において各パイプ領域に対して分離されない連続的なアドレスが割り当てられている。そして物理アクセスアドレスについては、各パイプ領域のアドレスが変化していないように、アドレス変換テーブルでの論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更している。
【0085】
具体的には、例えばPIPE4(第1のパイプ領域)はエンドポイント4(第1のエンドポイント)に対応して再構築の前後においてパケットバッファ100に確保されている。この場合に本実施形態では、PIPE4については、論理アクセスアドレスが5〜9から7〜11に変化した場合にも、物理アクセスアドレスについては変化しないようにアドレス変換テーブルを変更する。即ち再構築前にはPIPE4の物理アクセスアドレス5〜9を論理アクセスアドレス5〜9に対応づけているのに対して、再構築後ではPIPE4の物理アクセスアドレス5〜9を論理アクセスアドレス7〜11に対応づけている。このようにすれば、PIPE4の物理アクセスアドレスは変化しないため、再構築前にPIPE4に記憶されていたデータが、再構築により失われてしまう事態を防止できる。また再構築後のPIPE4にデータをコピーする処理が不要になり、再構築処理の簡素化を図れる。またPIPE2の物理アクセスアドレスについては図5(B)に示すように不連続になっているが、論理アクセスアドレスについては図5(A)のように連続的になっているため、ファームウェアのアドレス管理を簡素化できる。従ってファームウェアの処理負荷の増加を最低限に抑えながら、パイプ領域の再構築を実現できる。
【0086】
以上のようなアドレス変換は例えば図6に示す手法により実現できる。即ちパケットバッファ100のメモリ領域を複数の分割ブロックBlk0〜Blk11に分割する。これらの各分割ブロックは例えば8バイト(広義にはKバイト)のサイズになっている。このようにメモリ領域を分割ブロックに分けることで、後述するアドレス変換テーブルの規模を小さくできる。
【0087】
そしてこれらの分割ブロックBlk0〜Blk11にパイプ領域番号(パイプ領域を特定するための情報)を割り当てて、割り当てたパイプ領域番号を記憶しておく。具体的には、各分割ブロックに割り当てられたパイプ領域番号(パイプ領域を特定するための情報)を、分割ブロックBlk0〜Blk11に対応して設けられたブロックレジスタBReg0〜BReg11に記憶する。
【0088】
そしてパケットバッファ100の物理(絶対)アクセスアドレスは、ブロックレジスタBReg0〜BReg11に記憶されたパイプ領域番号と、アクセスが要求されたパイプ領域番号と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスに基づいて生成する。例えば図6のJ1に示すように、再構築前においてPIPE1は分割ブロックBlk3、Blk4に割り当てられており、ブロックレジスタBReg3、BReg4にはPIPE1の番号が記憶されている。従って、アクセス要求されたパイプ領域番号がPIPE1の番号であった場合には、分割ブロックBlk3、Blk4がアクセスされたことが特定される。従って、PIPE1(Blk3、Blk4)での相対アクセスアドレスをBufLocalAdrとした場合に、図6のJ2に示すように、物理アクセスアドレスは、BufAdr=ブロック数×Kバイト+BufLocalAdr=3×8バイト+BufLocalAdrというように一意的に特定される。これにより、要求された物理アクセスアドレスにアクセスできる。
【0089】
そして本実施形態では、パケットバッファ100の分割ブロックBlk0〜Blk11に割り当てられるパイプ領域番号を変更することで、再構築処理(パイプ領域の削除、追加、サイズの変更)を実現する。
【0090】
例えば図6において、再構築前においては、分割ブロックBlk0〜Blk2(BReg0〜BReg2)にはPIPE0の番号、Blk3〜Blk4(BReg3〜BReg4)にはPIPE1の番号、Blk5〜Blk9(BReg5〜BReg9)にはPIPE4の番号が割り当てられている。
【0091】
一方、再構築後においては、分割ブロックBlk0〜Blk2(BReg0〜BReg2)にはPIPE0の番号、Blk3〜Blk4(BReg3〜BReg4)にはPIPE2の番号、Blk5〜Blk9(BReg5〜BReg9)にはPIPE4の番号、Blk10〜Blk11(BReg10〜BReg11)にはPIPE2の番号が割り当てられている。このように分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を変更すれば、図5(B)で説明したような、物理アクセスアドレスを変化させずに論理アクセスアドレスだけを変化させる再構築処理を実現できる。そしてこの再構築処理は、アドレス変換テーブルの変更(ブロックレジスタに記憶されるパイプ領域番号の変更)だけで実現できるため、ファームウェアの処理負荷の軽減等を図れる。
【0092】
なお図6においてパイプ領域(バッファ領域)に対する分割ブロックの割り当て処理は、以下のようにして実現する。まず、各パイプ領域のマックスパケットサイズ(ページサイズ)とページ数に基づいて各パイプ領域のサイズを求める。例えば図6の再構築前において、PIPE0、PIPE1、PIPE4の領域サイズは、各々、24バイト、16バイト、40バイトになっている。そしてこれらの領域サイズを、分割ブロックのサイズであるK=8バイトで割ることでブロック数が求められる。即ちPIPE0、PIPE1、PIPE4のブロック数は、24/8=3ブロック、16/8=2ブロック、40/8=5ブロックになる。
【0093】
そしてこの求められたブロック数に基づいて、PIPE0から順番に分割ブロックを順次割り当てる。即ちPIPE0のブロック数は3であるため、PIPE0には3個の分割ブロックBlk0〜Blk2を割り当て、ブロックレジスタBReg0〜BReg2にはPIPE0の番号を記憶する。次に、PIPE1のブロック数は2であるため、PIPE1には次の2個の分割ブロックBlk3〜Blk4を割り当て、ブロックレジスタBReg3〜BReg4にはPIPE1の番号を記憶する。次に、PIPE4のブロック数は5であるため、PIPE4には次の5個の分割ブロックBlk5〜Blk9を割り当て、ブロックレジスタBReg5〜BReg9にはPIPE4の番号を記憶する。再構築後におけるパイプ領域に対する分割ブロックの割り当ても同様にして実現できる。
【0094】
5.3 動作
次に再構築処理時の具体的な動作について図7のフローチャート、図8のタイミング波形図を用いて説明する。まず図8のF1に示すように、データ転送(USB転送、DMA転送)のポーズ(一時停止)を指示する信号TranPauseGoを、ファームウェア(F/W)が1(アサート)に設定する(ステップS51)。この設定は、データ転送のポーズ処理を指示するためのレジスタであるTranPauseGoのレジスタに、ファームウェア(広義にはデータ転送制御装置を制御する処理部。他の説明でも同様)がTranPauseGo=1を書き込むことで実現される。このレジスタは例えば図2のレジスタ部70に設けられる。
【0095】
次にファームウェアは、データ転送(USB転送、DMA転送)が実際にポーズされるのを待つ(ステップS52)。具体的には、全てのパイプ領域についてのポーズ処理が完了したことをファームウェアに知らせるためのレジスタであるTranPauseGoDoneのレジスタに、ハードウェア回路(H/W)により1が書き込まれるのを待つ。
【0096】
そして図8のF2に示すようにTranPauseGoDone=1になると、F3に示すようにファームウェアが再構築条件(PIPEClr, MaxPktSize, BufferPage等)を設定する(ステップS53)。この設定はPIPEClr, MaxPktSize, BufferPageのレジスタに、ファームウェアがレジスタ値を書き込むことで実現される。これらのレジスタは例えばレジスタ部70に設けられる。
【0097】
ここでPIPEClrのレジスタは、パイプ領域のクリアを許可(指示)するレジスタであり、各パイプ領域(バッファ領域)毎に設けられる。例えばPIPEClr=1が設定されたパイプ領域は、再構築処理の対象とされ、データ(書き込みポインタ、読み出しポインタ)のクリアが許可される。即ちPIPEClr=1のパイプ領域に割り当てられていた分割ブロックについては、再構築後に他のパイプ領域に割り当てることが許可される。一方、PIPEClr=0が設定されたパイプ領域は、再構築処理の対象とされず、データ(書き込みポインタ、読み出しポインタ)の維持(保持)が許可される。即ちPIPEClr=0のパイプ領域に割り当てられていた分割ブロックについては、再構築後に他のパイプ領域に割り当てることは許されず、その分割ブロックに記憶されいたデータを維持しなければならない。
【0098】
MaxPktSizeのレジスタは、パイプ領域のマックスパケットサイズ(広義にはページサイズ)を設定するためのレジスタであり、BufferPageのレジスタは、パイプ領域のページ数を設定するためのレジスタである。各パイプ領域の領域確保に必要な分割ブロックのブロック数は、各パイプ領域のMaxPktSize(ページサイズ)とページ数とに基づいて求められ、この求められたブロック数に基づいて、図6に示すように各分割ブロックにパイプ領域番号が割り当てられる。
【0099】
再構築条件を設定した後、図8のF4に示すようにファームウェアが、パイプ領域の再確保処理をハードウェア回路に指示するためのレジスタであるSetBufferのレジスタに1を設定する(ステップS54)。これにより、アドレス変換テーブルの生成、実行処理が行われる。そしてファームウェアはSetBuffer(領域再確保)処理が終了するのを待つ(ステップS55)。そして図8のF5に示すようにハードウェア回路によりSetBufferが0(ネゲート)に設定されると、F6に示すようにファームウェアはTranPauseGoを0に設定する(ステップS56)。すると、F7に示すようにハードウェア回路によりTranPauseGoDoneが0に設定され、ポーズされていたデータ転送が再開される(ステップS57)。
【0100】
図7、図8のようにファームウェア(ソフトウェア)とハードウェア回路(バッファコントローラ、転送コントローラ)の役割分担を行うことで、効率的で信頼性の高い再構築処理を実現できる。即ち図8のF3に示すように再構築条件の設定をファームウェアが行うことで、ハードウェア回路の構成の簡素化、小規模化を図れる。また図8のF1、F6に示すようにデータ転送のポーズ処理の開始と終了をファームウェアがハードウェア回路に指示することで、信頼性の高いポーズ処理と再開処理を実現できる。なお図7、図8とは異なるようなファームウェアとハードウェア回路の役割分担にしてもよい。
【0101】
5.4 バッファコントローラの構成例
次に再構成処理を実現する構成の具体例を説明する。図9にバッファコントローラ80の構成例を示す。なおバッファコントローラ80は図9の一部の機能ブロックを省略する構成としてもよい。またこれらの機能ブロックの一部(例えば領域アロケータ、ポインタマネージャ、アドレス変換テーブル等)をソフトウェアにより実現してもよい。
【0102】
バッファコントローラ80は領域アロケータ81(狭義には領域確保回路)を含む。この領域アロケータ81は、パケットバッファ100にバッファ領域を確保する。なおバッファ領域は、ホスト動作時にはパイプ領域に設定され、ペリフェラル動作時にはエンドポイント領域に設定される領域である。
【0103】
領域アロケータ81は、領域カリキュレータ82、ポインタアロケータ83、テーブルカリキュレータ84を含む。なおこれらの一部を省略する構成にしてもよい。
【0104】
領域カリキュレータ82(狭義には領域計算回路)は、マックスパケットサイズ(ページサイズ)やページ数に基づいて、バッファ領域(パイプ領域、エンドポイント領域)の消費ブロック数などを計算して、そのスタートアドレスやエンドアドレスや領域サイズを特定し、バッファ領域をパケットバッファ100に確保する。
【0105】
例えば図10(A)に示すバッファ領域PIPE0/EP0、PIPEa/EPa、PIPEb/EPb、PIPEc/EPcでは、マックスパケットサイズ(MaxPktSize)が、各々、32、64、64、64バイトに設定され、ページ数(BufferPage)が、各々、1、1、3、2ページに設定されている。領域カリキュレータ82は、これらのマックスパケットサイズ、ページ数などに基づいて、バッファ領域PIPE0/EP0〜PIPEc/EPcの消費ブロック数(スタートアドレス、エンドアドレス、領域サイズ)を計算する。例えば図10(A)において、PIPE0/EP0、PIPEa/EPa、PIPEb/EPb、PIPEc/EPcの領域サイズは、各々、32(=32×1)、64(=64×1)、192(=64×3)、128(=64×2)バイトになる。そして分割ブロックのサイズがK=8バイトである場合には、PIPE0/EP0、PIPEa/EPa、PIPEb/EPb、PIPEc/EPcの消費ブロック数は、各々、32/K=4、64/K=8、192/K=24、128/K=16になる。
【0106】
ポインタアロケータ83(狭義にはポインタ確保回路)は、各バッファ領域の書き込みポインタWPtr(WPtr0、WPtra、WPtrb、WPtrc)、読み出しポインタRPtr(RPtr0、RPtra、RPtrb、RPtrc)を、DMA用ポインタ、CPU用ポインタ、USB用ポインタに割り当てる回路である。
【0107】
例えば図10(B)に示すように、データ送信時(DMA又はCPUからパケットバッファ100を介してUSB側にデータが転送される時)であり、且つ、DMA転送使用時には、そのバッファ領域の書き込みポインタWPtrはDMA(DMAアクセス)用のポインタに割り当てられ、読み出しポインタRPtrはUSB(USBアクセス)用のポインタに割り当てられる。また、データ送信時であり且つCPU(PIO)転送使用時には、そのバッファ領域の書き込みポインタWPtrはCPU(CPUアクセス)用のポインタに割り当てられ、読み出しポインタRPtrはUSB用のポインタに割り当てられる。
【0108】
一方、図10(C)に示すように、データ受信時(USBからパケットバッファ100を介してDMA又はCPU側にデータが転送される時)であり、且つ、DMA転送使用時には、そのバッファ領域の書き込みポインタWPtrはUSB用ポインタに割り当てられ、読み出しポインタRPtrはDMA用ポインタに割り当てられる。また、データ受信時であり且つCPU転送使用時には、そのバッファ領域の書き込みポインタWPtrはUSB用ポインタに割り当てられ、読み出しポインタRPtrはCPU用ポインタに割り当てられる。
【0109】
なお、各バッファ領域のポインタWPtr、RPtrの情報は、相対アクセスアドレス情報であるLocalWPtr, LocalRPtrとして、レジスタ部70の各転送条件レジスタ(PIPE/EPレジスタ)に保持される。
【0110】
テーブルカリキュレータ84(狭義にはテーブル計算回路)は、アドレス変換テーブル88の変更処理を行う。より具体的にはテーブルカリキュレータ84は、各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号をアドレス変換テーブル88から順次読み出す。そして読み出されたパイプ領域番号で指定されるパイプ領域のクリアが許可されていることを条件に(PIPEClr=1)に、当該分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号の書き換え処理を行う。
【0111】
バッファコントローラ80はポインタマネージャー86(狭義にはポインタ管理回路)を含む。このポインタマネージャー86は、バッファ領域(パイプ領域)の相対アクセスアドレスを指すCPU用、DMA用、USB用の相対ポインタLocalPtr_CPU、LocalPtr_DMA、LocalPtr_USBに基づいて、バッファ領域へのアクセス制御を行う。即ちこれらのポインタLocalPtr_CPU、LocalPtr_DMA、LocalPtr_USBに基づいて、パケットバッファ100にアクセスするためのCPU(処理部)用、DMA(アプリケーション層デバイス)用、USB(転送コントローラ)用の物理アクセスアドレスBufCPUAdr、BufDMAAdr、BufUSBAdrを生成する。なおTargetPIPENum_CPU、TargetPIPENum_DMA、TargetPIPENum_USBは、CPU、DMA、USB側からのアクセス対象となるパイプ領域の番号である。
【0112】
ポインタマネージャー86はポインタアドレスジェネレータ87(狭義にはポインタアドレス生成回路)を含む。このポインタアドレスジェネレータ87は、ポインタLocalPtr_CPU、LocalPtr_DMA、LocalPtr_USBに基づいて、これらのポインタが指す相対アクセスアドレスBufCPULocalAdr、BufDMALocalAdr、BufUSBLocalAdrを生成する。またこれらの相対アクセスアドレスに対応するアクセス要求パイプ領域番号BufCPUPIPENum、BufDMAPIPENum、BufUSBPIPENumを出力する。
【0113】
ポインタマネージャ86はアドレス変換テーブル88(狭義にはアドレス変換テーブル回路)を含む。このアドレス変換テーブル88は、相対アクセスアドレスBufCPULocalAdr、BufDMALocalAdr、BufUSBLocalAdrを変換して、物理(絶対)アクセスアドレスBufCPUAdr、BufDMAAdr、BufUSBAdrを生成する。
【0114】
5.5 アドレス変換テーブルの構成例
図11にアドレス変換テーブル88の構成例を示す。なお図11の一部の機能ブロックを省略する構成としてもよい。また図11のアドレス変換テーブルは、CPUアクセス用、DMAアクセス用、USBアクセス用に、各々、1つずつ設けることができる。この場合に、レジスタアクセスコントローラ128やブロックレジスタBReg0〜BReg11については共用できる。また図11ではブロックレジスタの個数が12個(分割数が12)である場合を例示しているが、ブロックレジスタの個数はこれに限定されない。
【0115】
レジスタアクセスコントローラ128は、ブロックレジスタBReg0〜BReg11へのアクセス(データの読み出し、書き込み)制御を行う。具体的には、TableRdがアサートされた場合には、TableAdrによりアドレス指定されるブロックレジスタからデータを読み出して、TableRdDataとして図9のテーブルカリキュレータ84に出力する。一方、TableWdがアサートされた場合には、テーブルカリキュレータ84からの書き込みデータTableWrDataを、TableAdrによりアドレス指定されるブロックレジスタに書き込む。
【0116】
ブロックレジスタBReg0〜BReg11は、図6で説明したように各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を記憶する。そして比較器130〜141は、ブロックレジスタBReg0〜BReg11に記憶されるパイプ領域番号と、アクセス要求されたパイプ領域番号BufPIPENum(BufCPUPIPENum、BufDMAPIPENum、或いはBufUSBPIPENum)を比較し、比較結果をアドレスデコーダ150に出力する。そしてアドレスデコーダ150は、この比較結果と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスBufLocalAdr(BufCPULocalAdr、BufDMALocalAdr、或いはBufUSBLocalAdr)に基づいて、デコード処理を行い、物理(絶対)アクセスアドレスBufAdr(BufCPUAdr、BufDMAAdr、或いはBufUSBAdr)を生成して出力する。
【0117】
例えば図12では、BReg0〜BReg2にはPIPE0の番号、BReg3〜BReg4にはPIPE1の番号、BReg5〜BReg8にはPIPE4の番号、BReg9〜BReg11にはPIPE5の番号が記憶されている。そしてアクセス要求されたパイプ領域番号はBufPIPENum=1になっている。従ってPIPE1の番号を記憶したBReg3、BReg4に対応する比較器133、134だけが1(アサート)を出力し、他の比較器130〜132、135〜141は0(ネゲート)を出力する。従ってアドレスデコーダ150は、この比較結果に基づいて、生成すべき物理アクセスアドレスBufAdrを一意に決めることができる。例えば分割ブロックのサイズがK=8バイトである場合には、BufAdr=ブロック数×Kバイト+BufLocalAdr=3×8バイト+BufLocalAdrが生成される。これによりパイプ領域PIPE1への物理アクセスアドレスが生成され、PIPE1にアクセスできる。
【0118】
5.6 テーブルカリキュレータの構成例
図13にテーブルカリキュレータ84の構成例を示す。なお図13の一部の機能ブロックを省略する構成としてもよい。
【0119】
図13において、演算シーケンサ160は演算シーケンスを制御するものである。パイプセレクタ170は処理対象となるパイプ領域の情報を選択するものである。ブロック数カリキュレータ172(ブロック数テーブル)は各パイプ領域のブロック数を求めるものである。テーブルアクセスコントローラ174は、アドレス変換テーブル88へのアクセス制御を行うものである。
【0120】
計算開始信号CalcStartがアサートされると演算シーケンサ160の動作が開始し、PIPE0から順番に処理が行われる。このCalcStartは、SetBufferが1になるとアサートされる。CalcStartがアサートされると、演算シーケンサ160は、セレクト信号PIPESelによりPIPE0の選択をセレクタ170に指示する。するとセレクタ170は、PIPE0のマックスパケットサイズPIPE0MaxPktSizeとページ数PIPE0BufferPageを選択して、ブロック数カリキュレータ172に出力する。
【0121】
ブロック数カリキュレータ172は、マックスパケットサイズとページ数の組み合わせから一意に決まるブロック数をテーブルにより求め、NumBlocksとして出力する。例えば1つの分割ブロックのサイズが32バイトであり、PIPE0MaxPktSizeが16バイトであり、PIPE0BufferPageが4ならば、PIPE0で消費されるブロック数NumBlocksは(16×4)/32=2になる。そしてこのブロック数は、PIPE0用ブロック数カウンタPIPE0BCのカウント値に設定される。以上のようにして全てのパイプ領域についての消費ブロック数が、ブロック数カウンタPIPE0BC〜PIPEnBCのカウント値に設定される。
【0122】
全てのパイプ領域についてのブロック数の設定が終わると、演算シーケンサ160は、分割ブロック番号をカウントするブロック番号カウンタBCのカウント値に基づいて、アドレス変換テーブル88が有するブロックレジスタBReg0〜BReg11へのアクセス制御を行う。即ちアドレス変換テーブル88のブロックレジスタBReg0にアクセスするために、アクセスブロック番号BlockNumを0に設定し、アクセスイネーブル信号AccessEnbをテーブルアクセスコントローラ174に出力する。
【0123】
するとテーブルアクセスコントローラ174は、BlockNumに基づいて、読み出しアクセス信号TableAdr、TableRdを出力して、アドレス変換テーブル88のブロックレジスタBReg0の内容を読み出す。これによりBReg0に記憶されたパイプ領域番号が読み出され、読み出された番号はRdPIPENumとして演算シーケンサ160に知らされる。
【0124】
読み出されたRdPIPENumが、例えばPIPE2の番号であった場合には、再構築前の分割ブロックBlk0にはPIPE2に割り当てられていたことになる。ここで例えばPIPE2用のクリア信号PIPE2Clrが1になっており、PIPE2が再構築対象であるならば、BReg0の状態を保持しなくてもよいことになる。従ってこの場合には、BReg0のレジスタ値をPIPE0の番号に書き換えることができる。
【0125】
そこで演算シーケンサ160は、書き込みパイプ領域番号WrPIPENumを0に設定して、書き込み開始信号WrGoをアサートする。これによりテーブルアクセスコントローラ174は、書き込みアクセス信号TableAdr、TableWrを出力して、アドレス変換テーブル88のブロックレジスタBReg0にPIPE0のパイプ領域番号を書き込む。
【0126】
PIPE0に対して例えば2つの分割ブロックが割り当てられていたとすると、以上の処理でPIPE0に対する1つの分割ブロックの割り当てが終了したことになる。従って、ブロック数カウンタPIPE0BCのカウント値を1だけデクリメントして、次の分割ブロックの処理に移行する。以上の処理を、全てのブロック数カウンタのカウント値が零になるまで繰り返すことで、アドレス変換テーブル88(ブロックレジスタ)の変更処理が完了する。
【0127】
例えば図14(A)の論理メモリイメージに示すような再構築処理を行う場合を想定する。図14(A)では、再構築によりPIPE1が削除され、PIPE2が追加されている。この場合には図14(B)に示すように、再構築前のPIPE0、PIPE1、PIPE2、PIPE3のブロック数NumBlocksは、各々、1、2、0、3になる。一方、再構築後のPIPE0、PIPE1、PIPE2、PIPE3のNumBlocksは、各々、1、0、3、3になる。またPIPE1、PIPE2は再構築対象となるため、パイプクリア信号PIPEClrは、PIPE0、PIPE3が0になり、PIPE1、PIPE2が1になる。
【0128】
この結果、再構築により、分割ブロックBlk0〜Blk6(ブロックレジスタBReg0〜BReg6)に対して、図14(C)に示すような物理メモリイメージでパイプ領域が割り当てられるようになる。即ち再構築によりPIPE1が削除されるため、再構築前にPIPE1が割り当てられていた分割ブロックBlk1、Blk2には、再構築後はPIPE2が割り当てられる。またPIPE3についてのクリア信号PIPEClrは0であり、PIPE3のデータの維持が指示されているため、分割ブロックBlk3にはPIPE2ではなくPIPE3が割り当てられる。また分割ブロックBlk4、Blk5にはPIPE3が割り当てられる。そして残りの分割ブロックBlk6にはPIPE2が割り当てられる。
【0129】
以上の再構築処理の動作を図15を用いて説明する。再構築前の物理メモリイメージは図14(C)のG1に示すようになっているため、ブロックレジスタBReg0〜BReg6には図15のH1に示すようにパイプ領域番号が記憶される。また再構築後のブロック数NumBlocksは、ブロック数カリキュレータ172により図14(B)のG2に示すように計算されるため、ブロック数カウンタPIPE0BC〜PIPE3BCには図15のH2に示すようにブロック数が設定される。
【0130】
次に図15のH3に示すように、テーブルアクセスコントローラ174によりアドレス変換テーブル88のブロックレジスタBReg0のレジスタ値が読み出される。この場合にはBReg0からはPIPE0の番号が読み出され、PIPE0は、図14(B)のG3に示すようにPIPEClrが0に設定され、再構築対象になっていない。従ってBReg0(Blk0)にはPIPE0の番号がそのまま割り当てられる。従ってH4に示すようにブロック数カウンタPIPE0BCのカウント値が1だけデクリメントされて0になる。このように本実施形態では、分割ブロック(ブロックレジスタ)にパイプ領域番号を割り当てる毎に、そのパイプ領域番号に対応するブロック数カウンタのブロック数がデクリメントされる。
【0131】
次に図15のH5に示すように、テーブルアクセスコントローラ174によりBReg1のレジスタ値が読み出される。この場合にはBReg1からPIPE1の番号が読み出され、PIPE1は、図14(B)のG3に示すようにPIPEClrが1に設定され、再構築対象になっている。従ってH6に示すように、テーブルアクセスコントローラ174によりBReg1にPIPE2の番号が書き込まれて、書き換え処理が行われる。これによりH7に示すように、PIPE2BCのカウント値が1だけデクリメントされて2になる。同様にH8、H9、H10に示すように、BReg2にもPIPE2の番号が書き込まれ、PIPE2BCのカウント値が1だけデクリメントされて1になる。
【0132】
このように本実施形態では、読み出されたパイプ領域番号で指定されるパイプ領域のクリアが許可(PIPEClr=1)されていることを条件に、分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号の書き換え処理を行っている。
【0133】
次に図15のH11に示すように、BReg3のレジスタ値が読み出される。この場合にはBReg3からPIPE3の番号が読み出され、PIPE3は、図14(B)のG3に示すようにPIPEClrが0に設定され、再構築対象になっていない。従ってBReg3にはPIPE3の番号がそのまま割り当てられ、H12に示すようPIPE3BCのカウント値が1だけデクリメントされて2になる。同様にH13、H14、H15、H16に示すように、BReg4、BReg5にもPIPE3の番号がそのまま割り当てられ、PIPE3BCのカウント値が0になる。
【0134】
次に図15のH17に示すように、BReg6にPIPE2の番号が書き込まれ、H18に示すようにPIPE2BCのカウント値が1だけデクリメントされて0になる。これにより、全てのブロック数カウンタPIPE0BC〜PIPE3BCのカウント値が0になり、再構築処理が完了する。
【0135】
以上のように本実施形態では、ブロック数カウンタPIPE0BC〜PIPE3BCやクリア信号PIPEClrを利用することで、再構築後のパケットバッファ100に隙間が生じないように、無駄なくパイプ領域を確保することが可能になる。
【0136】
6.転送条件レジスタ(共用レジスタ)
本実施形態では図16に示すように、ホスト動作時には、パイプ領域PIPE0〜PIPEeとエンドポイントとの間で行われるデータ転送の転送条件情報が、転送条件レジスタTREG0〜TREGeに設定される。即ち、PIPE0、PIPEa、PIPEb、PIPEc、PIPEd、PIPEeの転送条件情報は、各々、TREG0、TREGa、TREGb、TREGc、TREGd、TREGeに設定(記憶)される。この設定は、例えばファームウェア(CPU、処理部)により行われる。
【0137】
そしてホストコントローラ50(広義には転送コントローラ)は、転送条件レジスタTREG0〜TREGeに設定された転送条件情報に基づいて、エンドポイントに対するトランザクションを発生する。そして、パイプ領域とそれに対応するエンドポイントとの間で、データ(パケット)を自動転送する。
【0138】
このように本実施形態では、各パイプ領域(バッファ領域)に対応して各転送条件レジスタが設けられ、この各転送条件レジスタに設定された転送条件情報に基づいて、各パイプ領域のパイプ転送(所与のデータ単位の転送)がホストコントローラ50により自動的に行われる。従って、ファームウェア(ドライバ、ソフトウェア)は、転送条件レジスタに転送条件情報を設定した後は、データ転送が完了するまで、データ転送制御に関わらなくて済むようになる。そして、所与のデータ単位のパイプ転送が完了すると割り込みが発生し、転送の完了がファームウェアに伝えられる。これにより、ファームウェア(CPU)の処理負荷を格段に低減できる。
【0139】
なお、本実施形態では図17に示すようにペリフェラル動作時には、エンドポイント領域EP0〜EPeとホストとの間で行われるデータ転送の転送条件情報が、転送条件レジスタTREG0〜TREGeに設定される。そしてペリフェラルコントローラ60(広義には転送コントローラ)は、転送条件レジスタTREG0〜TREGeに設定された転送条件情報に基づいて、エンドポイント領域とホストとの間でのデータ転送を行う。
【0140】
このように本実施形態では、転送条件レジスタTREG0〜TREGeが、ホスト動作時とペリフェラル動作時とで共用(兼用)される。これにより、レジスタ部70のリソースを節約でき、データ転送制御装置を小規模化できる。
【0141】
図18に、レジスタ部70のレジスタ構成例を示す。なおレジスタ部70のレジスタの一部を、各ブロック(OTGC、HC、PC、Xcvr等)内に含ませてもよい。
【0142】
図18に示すように、レジスタ部70の転送条件レジスタ(TREG0〜TREGeの各々)は、ホスト動作時(HC、PIPE)とペリフェラル動作時(PC、EP)で共用されるHC/PC共用レジスタ(共用転送条件レジスタ)を含む。また、ホスト動作時にのみ使用されるHC(PIPE)用レジスタ(ホスト用転送条件レジスタ)を含む。また、ペリフェラル動作時にのみ使用されるPC(EP)用レジスタ(ペリフェラル用転送条件レジスタ)を含む。また、パケットバッファ(FIFO)のアクセス制御などを行うためのレジスタであり、ホスト動作時とペリフェラル動作時で共用されるアクセス制御レジスタを含む。
【0143】
例えばデュアルロール・デバイスのホスト動作時にホストコントローラ50(HC)は、HC/PC共用レジスタとHC用レジスタに設定される転送条件情報に基づいてデータ(パケット)を転送する。一方、ペリフェラル動作時にはペリフェラルコントローラ60(PC)が、HC/PC共用レジスタとPC用レジスタに設定される転送条件情報に基づいて、データ(パケット)を転送する。
【0144】
また、ホスト動作時、ペリフェラル動作時の両方において、バッファコントローラ80は、共用アクセス制御レジスタに基づいて、パケットバッファ100へのアクセス制御(リード/ライト・アドレスの発生、データのリード/ライト、アクセスの調停等)を行う。
【0145】
図18のHC/PC共用レジスタには、データの転送方向(IN、OUT又はSETUP等)、転送種別(アイソクロナス、バルク、インタラプト、コントロールなどのトランザクションの種別)、エンドポイント番号(各USBデバイスのエンドポイントに関連づけられる番号)、マックスパケットサイズ(エンドポイントが送信又は受信可能なパケットの最大ペイロードサイズ。ページサイズ)が設定される。また、バッファ領域(パイプ領域、エンドポイント領域)のページ数(バッファ領域の面数)が設定される。また、DMA接続の有無(DMAハンドラ回路112によるDMA転送の使用の有無)を指示する情報が設定される。
【0146】
HC(PIPE)用レジスタには、インタラプト転送のトークン発行周期(インタラプト・トランザクションを起動する周期、インターバル)が設定される。また、トランザクションの連続実行回数(パイプ領域間の転送比率を設定する情報。各パイプ領域のトランザクションの連続実行回数)が設定される。また、ファンクションアドレス(エンドポイントを有するファンクションのUSBアドレス)、転送データのトータルサイズ(各パイプ領域を介して転送されるデータのトータルサイズ。IRPなどのデータ単位)が設定される。また、自動トランザクションの開始指示(ホストコントローラに対する自動トランザクション処理の開始指示)が設定される。また、自動コントロール転送モードの指示(コントロール転送のセットアップステージ、データステージ、ステータスステージのトランザクションを自動発生するモードの指示)が設定される。
【0147】
PC(EP)用レジスタには、エンドポイントイネーブル(エンドポイントのイネーブルやディスエーブルの指示)、ハンドシェーク指定(各トランザクションで行われるハンドシェークの指定)が設定される。
【0148】
パケットバッファ(FIFO)用の共用アクセス制御レジスタには、バッファ・I/Oポート(CPUによりPIO転送を行う場合のI/Oポート)が設定される。また、バッファ・フル/エンプティ(各バッファ領域のフル、エンプティの通知)、バッファ・残りデータサイズ(各バッファ領域の残りデータサイズ)が設定される。なおレジスタ部70は、図18に示すようにインタラプト系レジスタ、ブロック系レジスタ、DMA制御レジスタなども含む。
【0149】
以上のように本実施形態では、ホスト動作時とペリフェラル動作時で共用されるレジスタ(HC/PC共用レジスタ、共用アクセス制御レジスタ)をレジスタ部70に設けている。これにより、ホスト動作時用のレジスタとペリフェラル動作時用のレジスタを全く別個に設ける場合に比べて、レジスタ部70を小規模化できる。また、CPU上で動作するファームウェア(処理部)から見た共用レジスタのアクセスアドレスを、ホスト動作時とペリフェラル動作時とで同一にできる。従って、ファームウェアは、これらの共用レジスタを同一アドレスで管理できるようになり、ファームウェア処理を簡素化できる。
【0150】
また、HC用レジスタや、PC用レジスタを設けることで、ホスト動作時(PIPE)の転送やペリフェラル動作時(EP)の転送に特有の転送条件を設定できる。例えば、トークン発行周期を設定することで、ホスト動作時にインタラプト転送のトークンを所望の周期で発行することが可能になる。また、連続実行回数を設定することで、ホスト動作時にパイプ領域間の転送比率を任意に設定できる。また、トータルサイズを設定することで、ホスト動作時にパイプ領域を介して自動転送されるデータのサイズを任意に設定できる。またファームウェアは、ホスト動作時に、自動トランザクションの開始を指示したり、自動コントロール転送モードのオン/オフを指示できるようになる。
【0151】
7.自動トランザクション
図19に、ホストコントローラ50の自動トランザクション(IN、OUT)処理時におけるファームウェア処理のフローチャート例を示す。
【0152】
まず、ファームウェア(処理部、ドライバ)は、図18等で説明した転送条件レジスタに転送条件情報(パイプ情報)を設定する(ステップS1)。より具体的には、転送データのトータルサイズ、マックスパケットサイズ(MaxPktSize)、ページ数(BufferPage)、転送方向(IN、OUT又はSETUP)、転送種別(アイソクロナス、バルク、コントロール、インタラプト)、エンドポイント番号、パイプ領域のトランザクションの連続実行回数(転送比率)、インタラプト転送のトークン発行周期などを、転送条件レジスタに設定する。
【0153】
次に、外部のシステムメモリとパケットバッファ100の間に転送経路を設定する(ステップS2)。即ち図2のDMAハンドラ回路112を介したDMA転送経路を設定する。
【0154】
次に、ファームウェアは、DMA転送の開始指示を行う(ステップS3)。即ち、図18のDMA制御レジスタのDMA転送開始指示ビットをアサートする。なお、CPUによる転送では、図18のバッファ・I/Oポートにアクセスすることで、パケットバッファ100にアクセスすることが可能になる。
【0155】
次に、ファームウェアは、自動トランザクションの開始指示を行う(ステップS4)。即ち、図18のHC用レジスタ(パイプレジスタ)の自動トランザクション開始指示ビットをアサートする。これにより、ホストコントローラ50による、自動トランザクション処理、パケット処理(パケットの生成、分解)、スケジューリング処理が行われる。即ち、ホストコントローラ50は、トータルサイズで指定されるデータを、マックスパケットサイズのペイロードのパケットを用いて、転送方向で指定される方向(IN、OUT)で、自動転送する。
【0156】
なお、図19のステップS3、S4の処理の順序は問わず、自動トランザクション開始指示の後にDMA転送の開始指示を行ってもよい。
【0157】
次に、ファームウェアは、パイプ転送の完了を知らせる割り込みが発生するのを待つ(ステップS5)。そして、割り込みが発生すると、ファームウェアは、図18のインタラプト系レジスタの割り込みステータス(要因)を調べる。そして、処理が正常完了又はエラー終了する(ステップS6)。
【0158】
このように本実施形態によれば、ファームウェアは、各パイプ領域毎に転送条件情報を設定し(ステップS1)、DMA転送開始の指示(ステップS3)と自動トランザクション開始の指示(ステップS4)を行うだけで、その後のデータ転送処理はホストコントローラ50のハードウェア回路により自動的に行われるようになる。従って、OHCI準拠の手法に比べて、ファームウェアの処理負荷が軽減され、低性能のCPUが組み込まれる携帯機器に最適なデータ転送制御装置を提供できる。
【0159】
図20、図21に、ホストコントローラ50による自動トランザクション処理時の信号波形例を示す。なお、これらの図において、「H→P」は「ホストからペリフェラルにパケットが転送されること」を表し、「P→H」は「ペリフェラルからホストにパケットが転送されること」を表す。
【0160】
図20は、INトランザクションの場合(転送種別がINの場合)の信号波形例である。図19のステップS4で、ファームウェアが自動トランザクションの開始指示を行うと、図20のC1に示すように、PipeXTranGo(PipeXについてのファームウェアからの転送要求信号)がアサートされる。これにより、そのPipeX(X=0〜e)についての、ホストコントローラ50による自動トランザクション処理が開始する。
【0161】
そして、C2に示すようにPipeTranGo(ホストコントローラ50内のHCシーケンス管理回路からの転送要求信号)がアサートされると、C3に示すように、ホストコントローラ50がINトークンパケットを生成して、USBを介してペリフェラルに転送する。そして、C4に示すようにペリフェラルからホストコントローラ50にINデータパケットが転送されると、ホストコントローラ50は、C5に示すようにハンドシェークパケット(ACK)を生成して、ペリフェラルに転送する。これにより、C6に示すようにTranCmpACKがアサートされる。
【0162】
同様にして、C7に示すようにPipeTranGoがアサートされると、C8、C9、C10に示すパケット転送が行われ、C11に示すようにTranCmpACKがアサートされる。そして、C12に示すようにPipeXTranComp(ファームウェアへのIRPのデータ単位の転送終了通知信号)がアサートされる。このPipeXTranCompによる割り込みにより、ファームウェアは、そのパイプについての転送が完了したことを知ることができる。
【0163】
なお、PipeXTranCompがアサートされると、C13に示すようにPipeXTranGoがネゲートされ、そのパイプが非転送状態であることが示されるようになる。
【0164】
図21は、OUTトランザクションの場合(転送種別がOUTの場合)の信号波形例である。ファームウェアが自動トランザクションの開始指示を行うと、E1に示すようにPipeXTranGoがアサートされ、E2に示すようにPipeTranGoがアサートされる。すると、ホストコントローラ50は、E3に示すようにOUTトークンパケットをペリフェラルに転送し、E4に示すようにOUTデータパケットを転送する。そして、E5に示すようにペリフェラルからハンドシェークパケット(ACK)が返ってくると、E6に示すようにTranCmpACKがアサートされる。
【0165】
同様にして、E7に示すようにPipeTranGoがアサートされると、E8、E9、E10に示すパケット転送が行われ、E11に示すようにTranCmpACKがアサートされる。そして、E12に示すようにPipeXTranCompがアサートされる。このPipeXTranCompによる割り込みにより、ファームウェアは、そのパイプについての転送が完了したことを知ることができる。なお、PipeXTranCompがアサートされると、E13に示すようにPipeXTranGoがネゲートされる。
【0166】
8.電子機器
図22に本実施形態のデータ転送制御装置を含む電子機器の構成例を示す。この電子機器200は、本実施形態で説明したデータ転送制御装置210、ASICなどで構成されるアプリケーション層デバイス220、CPU230、ROM240、RAM250、表示部260、操作部270を含む。なおこれらの機能ブロックの一部を省略する構成としてもよい。
【0167】
ここでアプリケーション層デバイス220は、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、或いはプリンタを制御するデバイスや、MPEGエンコーダ、MPEGデコーダ等を含むデバイスなどである。CPU230(処理部)はデータ転送制御装置210や電子機器全体の制御を行う。ROM240は制御プログラムや各種データを記憶する。RAM250はCPU230やデータ転送制御装置210のワーク領域やデータ格納領域として機能する。表示部260は種々の情報をユーザに表示する。操作部270はユーザが電子機器を操作するためのものである。
【0168】
なお図22ではDMAバスとCPUバスが分離されているが、これらを共通化してもよい。またCPU230をデータ転送制御装置210に内蔵させたり、データ転送制御装置210を制御するCPUと、電子機器を制御するCPUとを別々に設けてもよい。また本実施形態が適用できる電子機器としては、光ディスクドライブ(CD−ROM、DVD)、光磁気ディスクドライブ(MO)、ハードディスクドライブ、TV、TVチューナ、VTR、ビデオカメラ、オーディオ機器、電話機、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、電子手帳、或いはワードプロセッサなどの種々のものがある。
【0169】
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0170】
例えば、本発明のデータ転送制御装置の構成は図2等で説明した構成に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば図2のOTGコントローラ20、HC/PC切り替え回路30、ペリフェラルコントローラ60などの構成が省略され、ペリフェラル機能を持たず簡易ホスト機能だけを持つデータ転送制御装置にも、本発明は適用できる。また本発明の手法はエンドポイント領域の再構築にも適用可能である。
【0171】
また、明細書や図面中の記載において広義な用語(ステートコントローラ、処理部、転送コントローラ、バス、バッファ領域、ページサイズ等)として引用された用語(OTGコントローラ、CPU・ファームウェア、ホストコントローラ・ペリフェラルコントローラ、USB、パイプ領域・エンドポイント領域、マックスパケットサイズ等)は、明細書や図面中の他の記載においても広義な用語に置き換えることができる。
【0172】
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
【0173】
また、本実施形態ではUSBのOTG規格への適用例を説明したが、本発明が適用されるのはOTG規格に限定されない。例えばOTG規格と同様の思想に基づく規格やOTG規格を発展させた規格におけるデータ転送にも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)(B)(C)はUSBのOTG規格の説明図である。
【図2】本実施形態のデータ転送制御装置の構成例である。
【図3】図3(A)(B)はパイプ・エンドポイント領域の説明図である。
【図4】図4(A)(B)はパイプ領域の再構築についての説明図である。
【図5】図5(A)(B)は本実施形態の再構築手法の説明図である。
【図6】本実施形態の再構築手法の説明図である。
【図7】再構築処理時の動作を説明するフローチャートである。
【図8】再構築処理時の動作を説明するタイミング波形図である。
【図9】バッファコントローラの詳細な構成例である。
【図10】図10(A)、(B)、(C)は領域確保手法、ポインタ割り当て手法の説明図である。
【図11】アドレス変換テーブルの詳細な構成例である。
【図12】アドレス変換テーブルの動作説明図である。
【図13】テーブルカリキュレータの詳細な構成例である。
【図14】図14(A)(B)(C)はテーブルカリキュレータの動作説明図である。
【図15】テーブルカリキュレータの動作説明図である。
【図16】データ転送制御装置のホスト時の動作の説明図である。
【図17】データ転送制御装置のペリフェラル時の動作の説明図である。
【図18】レジスタ部の説明図である。
【図19】ファームウェアの処理を説明するフローチャートである。
【図20】自動INトランザクション処理の信号波形例である。
【図21】自動OUTトランザクション処理の信号波形例である。
【図22】電子機器の構成例である。
【符号の説明】
PIPE0〜PIPEe パイプ(バッファ)領域、
EP0〜EPe エンドポイント(バッファ)領域、
TREG0〜TREGe 転送条件レジスタ(共用レジスタ)、
10 トランシーバ、12 物理層回路、20 OTGコントローラ、
30 HC/PC切り替え回路、32 HC/PCセレクタ、
34 ラインステートコントローラ、40 転送コントローラ、
50 ホストコントローラ、60 ペリフェラルコントローラ、
70 レジスタ部、72 転送条件レジスタ部、74 再構築条件レジスタ、
80 バッファコントローラ、81 領域アロケータ、
82 領域カリキュレータ、83 ポインタアロケータ、
84 テーブルカリキュレータ、86 ポインタマネージャー、
87 ポインタアドレスジェネレータ、88 アドレス変換テーブル、
100 パケットバッファ、110 インターフェース回路、
112 DMAハンドラ回路、114 CPUインターフェース回路、
120 クロックコントローラ

Claims (15)

  1. 各エンドポイントとの間で転送されるデータが各パイプ領域に記憶される複数のパイプ領域を、パケットバッファに確保すると共に、パケットバッファのアクセス制御を行うバッファコントローラと、パイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間でのデータ転送を制御する転送コントローラとを含むデータ転送制御装置であって、
    パケットバッファのメモリ領域を分割した複数の分割ブロックの各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を記憶し、記憶されたパイプ領域番号と、アクセス要求されたパイプ領域番号と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスとに基づいて、パケットバッファの物理アクセスアドレスを生成するアドレス変換テーブルと、
    パケットバッファの分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を変更することで、確保されていたパイプ領域を削除する処理、新たなパイプ領域を追加する処理、及びパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも1つを含むパイプ領域の再構築処理を行う領域アロケータと、
    を含むことを特徴とするデータ転送制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記アドレス変換テーブルが、
    各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を各ブロックレジスタが記憶する複数のブロックレジスタと、
    前記ブロックレジスタに記憶されたパイプ領域番号とアクセス要求されたパイプ領域番号とを比較する比較器と、
    前記比較器での比較結果と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスとに基づいて、物理アクセスアドレスを生成するアドレスデコーダとを含むことを特徴とするデータ転送制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記領域アロケータが、
    各パイプ領域のページサイズとページ数とに基づいて、各パイプ領域の領域確保に必要な分割ブロックのブロック数を求め、求められたブロック数に基づいて、各分割ブロックにパイプ領域番号を割り当てることを特徴とするデータ転送制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記領域アロケータが、
    各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を前記アドレス変換テーブルから読み出し、
    読み出されたパイプ領域番号で指定されるパイプ領域のクリアが許可されていることを条件に、当該分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号の書き換え処理を行うことを特徴とするデータ転送制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記領域アロケータが、
    分割ブロック番号をカウントするブロック番号カウンタと、各パイプ領域の領域確保に必要な分割ブロックのブロック数がカウント値として各ブロック数カウンタに設定される複数のブロック数カウンタとを有し、
    前記ブロック番号カウンタからの分割ブロック番号に基づき、各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を前記アドレス変換テーブルから読み出し、
    分割ブロックに対してパイプ領域番号を割り当てる毎に、当該パイプ領域番号に対応するブロック数カウンタに設定されるブロック数をデクリメントすることを特徴とするデータ転送制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記バッファコントローラが、
    パイプ領域の相対アクセスアドレスを指すポインタに基づいて、パケットバッファのパイプ領域へのアクセス制御を行うことを特徴とするデータ転送制御装置。
  7. 各エンドポイントとの間で転送されるデータが各パイプ領域に記憶される複数のパイプ領域を、パケットバッファに確保すると共に、パケットバッファのアクセス制御を行うバッファコントローラと、パイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間でのデータ転送を制御する転送コントローラとを含むデータ転送制御装置であって、
    パケットバッファに対する論理アクセスアドレスをパケットバッファの物理アクセスアドレスに変換するアドレス変換テーブルと、
    前記アドレス変換テーブルにおける論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することで、確保されていたパイプ領域を削除する処理、新たなパイプ領域を追加する処理、及びパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも1つを含むパイプ領域の再構築処理を行う領域アロケータとを含み、
    前記領域アロケータが、
    第1のエンドポイントに対応して再構築の前後においてパケットバッファに確保される第1のパイプ領域については、第1のパイプ領域に対する論理アクセスアドレスが変化した場合にも物理アクセスアドレスについては変化しないように、論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することを特徴とするデータ転送制御装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    パイプ領域とエンドポイントとの間でのデータ転送をポーズするポーズ処理を行い、
    データ転送のポーズ処理が完了した後に、パイプ領域の再構築処理を行い、
    パイプ領域の再構築処理後に、ポーズしていたデータ転送を再開することを特徴とするデータ転送制御装置。
  9. 請求項8において、
    データ転送のポーズ処理の指示情報を記憶するレジスタと、
    全てのパイプ領域についてのポーズ処理が完了したことを示す情報を記憶するレジスタを含むことを特徴とするデータ転送制御装置。
  10. 請求項1乃至9いずれかにおいて、
    各パイプ領域と各エンドポイントとの間でのデータ転送の転送条件情報が各転送条件レジスタに設定される複数の転送条件レジスタを含むレジスタ部を含み、
    前記転送コントローラが、
    転送条件レジスタに設定された転送条件情報に基づいて、エンドポイントに対するトランザクションを自動発生し、パイプ領域と、そのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間で、データを自動転送することを特徴とするデータ転送制御装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    ホストの役割として動作するホスト動作のステートと、ペリフェラルの役割として動作するペリフェラル動作のステートを含む複数のステートの制御を行うステートコントローラを含み、
    前記転送コントローラが、
    ホスト動作時において、ホストとしてのデータ転送を行うホストコントローラと、
    ペリフェラル動作時において、ペリフェラルとしてのデータ転送を行うペリフェラルコントローラとを含み、
    ホスト動作時において、前記バッファコントローラが、パケットバッファに対して複数のパイプ領域を確保し、前記ホストコントローラが、確保されたパイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間で、データを転送することを特徴とするデータ転送制御装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかにおいて、
    USB(Universal Serial Bus)のOTG(On−The−Go)規格に準拠したデータ転送を行うことを特徴とするデータ転送制御装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかのデータ転送制御装置と、
    前記データ転送制御装置及びバスを介して転送されるデータの出力処理又は取り込み処理又は記憶処理を行う装置と、
    前記データ転送制御装置のデータ転送を制御する処理部と、
    を含むことを特徴とする電子機器。
  14. バスを介したデータ転送のためのデータ転送制御方法であって、
    各エンドポイントとの間で転送されるデータが各パイプ領域に記憶される複数のパイプ領域を、パケットバッファに確保すると共に、パケットバッファのアクセス制御を行い、
    パイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間でのデータ転送を制御すると共に、
    パケットバッファのメモリ領域を分割した複数の分割ブロックの各分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を記憶し、記憶されたパイプ領域番号と、アクセス要求されたパイプ領域番号と、パイプ領域に対する相対アクセスアドレスとに基づいて、パケットバッファの物理アクセスアドレスを生成し、
    パケットバッファの分割ブロックに割り当てられるパイプ領域番号を変更することで、確保されていたパイプ領域を削除する処理、新たなパイプ領域を追加する処理、及びパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも1つを含むパイプ領域の再構築処理を行うことを特徴とするデータ転送制御方法。
  15. バスを介したデータ転送のためのデータ転送制御方法であって、
    各エンドポイントとの間で転送されるデータが各パイプ領域に記憶される複数のパイプ領域を、パケットバッファに確保すると共に、パケットバッファのアクセス制御を行い、
    パイプ領域とそのパイプ領域に対応するエンドポイントとの間でのデータ転送を制御すると共に、
    パケットバッファに対する論理アクセスアドレスをパケットバッファの物理アクセスアドレスに変換し、
    前記アドレス変換における論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することで、確保されていたパイプ領域を削除する処理、新たなパイプ領域を追加する処理、及びパイプ領域のサイズを変更する処理の少なくとも1つを含むパイプ領域の再構築処理を行い、
    第1のエンドポイントに対応して再構築の前後においてパケットバッファに確保される第1のパイプ領域については、第1のパイプ領域に対する論理アクセスアドレスが変化した場合にも物理アクセスアドレスについては変化しないように、論理アクセスアドレスと物理アクセスアドレスの対応付けを変更することを特徴とするデータ転送制御方法。
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