JP2004349779A - 無線lanの高速ローミング処理手段を備えた無線端末装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この課題を解決するために、無線端末装置が移動し、無線アクセスポイントのローミングを検出すると、サーバ装置に対して確認信号を送るだけで、学習型ブリッジに再学習させることができる。
さらにその確認信号を受け取ったサーバ装置は、無線端末装置に応答を返すことで、再度学習型ブリッジに再学習を促すことができる。
なお、無線端末装置からの確認信号は、サーバ装置から応答が来るまで送り続け、応答が来た時点で送信を止めればよい。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は無線端末装置に関し、特にサーバ装置の配下で複数のブリッジ型無線アクセスポイントが接続されている通信網上で、そのアクセスポイント間をローミングする無線端末装置がある場合に、高速に無線ローミング処理を行う、すなわち速やかに関係するブリッジに無線端末装置の移動を認識させ、無線端末装置とサーバ装置間の通信を再開させるための手段を備えた無線端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の無線技術の進歩に伴い、有線ではなく、無線通信を行いながらLANシステムに加入する無線端末装置が増えてきている。無線LANで接続する場合に、無線端末装置は無線通信中も常に移動していて、通信途中で無線通信可能エリア外に出る場合も生じる。さらに、電池を電源とするので急激な電源遮断も生じ得る。その上、このようなシステムは例えば物流システムなどに用いられ、無線端末装置が比較的劣悪な環境で使用される割には、保持するデータが重要視されるという特質を持っている。
【0003】
一方、近年LANを構成する場合、スイッチングハブなどの学習型マルチポートブリッジに相当するものを利用して、通信網全体の負荷や距離などの制約を軽減するのが一般的になっている。
【0004】
学習型ブリッジは、ポートに接続された端末のアドレス(MAC Address)を学習により把握しており、当該ポートにはその配下のアドレスに関るデータのみを流す事により余分なデータが通信網上に流れる事を抑制している。この効果によりLAN全体の負荷を軽減している。
【0005】
この通信網上に複数のブリッジ型無線アクセスポイントを接続することも多くなっているが、無線端末装置が無線アクセスポイントを移動(ローミング)すると、ブリッジから見た場合、図1に示すように、端末がポート間を移動することになる。よって、ローミングすると、ブリッジはなんらかの手段で、ポートに接続された端末のアドレスを再学習しなくてはならない。
【0006】
そこで従来は、無線端末装置(7)が移動を認識すると、新たに通信を開始したブリッジ型無線アクセスポイント(6)(以下無線AP2)に対してローミングパケットと呼ばれる信号を送る。その信号は無線AP2(6)から学習型ブリッジ(2)を経由して、それまで通信していたブリッジ型無線アクセスポイント(5)(以下無線AP1)まで届くので、学習型ブリッジ(2)及び各ブリッジ型無線アクセスポイント(5)、(6)(無線AP1、無線AP2)が無線端末装置(7)の移動を認識し、再学習する(MACアドレステーブルを書き換える)。そして、ブリッジ(2)は新たに通信を開始した無線AP2(6)へのみサーバ装置(1)からのデータを流し、それまで通信していた無線AP1(5)へデータを送らなくなる。
【0007】
なお、新たに通信を開始した無線AP2(6)が、無線端末装置(7)の移動を認識すると、無線AP2(6)が、学習型ブリッジ(2)経由で、それまで通信していた無線AP1(5)に対してローミングパケットを送る場合もある。
【0008】
しかし従来の学習型ブリッジにとっての再学習とは、ある机で使っていたパソコンを別の机に持って行って(移動させて)、移動先で再接続する程度しか想定しておらず(この場合、パソコンの電源を立ち上げ直すときに、ブリッジが再学習される)、無線付ハンディターミナルのように頻繁にローミングするようなことは想定されていない。
【0009】
そこで、親局が少なくとも登録すべく子局のMACアドレスを格納する子局登録MACアドレス表を持ち、子局があるサービスエリアに移動し、新たな親局に登録するときに、ローミング中であることを通知し、新たな親局では、この子局の登録が済むと、その旨を元の親局に対してUDP/IPパケットにのせてブロードキャストで流し、該当する前記元の親局ではパケットの内容を解釈することにより、その子局が既に他のサービスエリアに移動したことを知り、元の親局のMACアドレス表から削除するようにしていた(特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−317744号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
学習型ブリッジを擁する通信網内を無線端末装置が移動(ローミング)する場合、下記に述べる問題が生じていた。
【0012】
(あ)学習型ブリッジは一度学習すると忘れるか再学習するまで、学習したポート(アクセスポイント)にデータを流しつづける。しかし忘れる時間(エージングタイム)は、通常は数分のオーダーである。例えば、図2に示す通信網上で無線端末装置(7)が、(ア)から(イ)の場所に移動した場合でも、ブリッジA(2)が再学習するまでは、
サーバ装置(1)⇒ブリッジA(2)⇒ブリッジB(3)⇒無線AP1(5)
という無駄な通信が止まらず、その間は ブリッジA(2)⇒ブリッジC(4)
のルートが閉じたままになっているので、無線AP2(6)の配下にある無線端末装置(7)はデータを受信することができない。
【0013】
(い)多くのブリッジは学習したポート外から通信があると再学習する。多くの無線LANシステムはローミングによりパケットを出すのでこれにより再学習することができる。しかし、負荷が高い、または伝送路として信頼度が低い無線空間の場合、必ずパケットが送れる(届く)とは限らない。
【0014】
(う)負荷分散や、冗長構成のために複数の通信経路が有る場合、再学習できないブリッジが出る可能性がある。例えば、図2の場合、ローミングパケットが、
無線AP2(6)⇒ブリッジC(4)⇒ブリッジB(3)
と流れるだけで、ブリッジA(2)には届かず、ブリッジA(2)は再学習されない。そして、ブリッジA(2)が学習できなければ、ブリッジC(4)に接続されている無線AP2(6)配下の無線端末装置(7)はデータを受信できないままである。
【0015】
なお、一般的には、STP(Spanning−Tree Protocol)と呼ばれる(ネットワークループを回避するための)プロトコルにより、同じ階層にあるブリッジB(3)とブリッジC(4)間では、データが流れないことが多い。これは、データが循環し、通信網上の負荷が増大することを防ぐためであるが、このため、ローミングパケットによりブリッジB(3)及びブリッジC(4)が再学習しても、
サーバ装置(1)⇒ブリッジA(2)⇒ブリッジB(3)⇒ブリッジC(4)⇒無線AP2(6)
というルートでデータが流れることはない。
【0016】
上記(あ)〜(う)により、頻繁にローミングする事が想定される無線付ハンディターミナルのアプリケーションの場合、ローミングしてからしばらくの間通信できない事が起こりえる。これが端末間の応答時間のばらつきとなって現れる。
【0017】
また、特許文献1で開示される方法では、元の親局がどこにあるかが不明なため、UDP/IPにてMACアドレス削除依頼を送っているが、上記(2)の理由で、必ずしもMACアドレス削除依頼が届くという保証がなく、届かない場合には、無駄なパケットが、元の親局から通信網上に吐き出され続けることとなり、通信の負荷がさらに高くなってしまう。
【0018】
この発明の目的は、上記課題を克服することであり、頻繁に移動する無線端末装置があっても、学習型ブリッジの再学習をタイミングよく促し、通信網上の負荷を分散することが可能なローミング処理手段を備えた無線端末装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明による無線端末装置は、サーバ装置と、複数のブリッジ型無線アクセスポイントから構成される通信網上で、該ブリッジ型無線アクセスポイント間をローミングする無線端末装置において、ローミングを検知する検知手段と、該検知手段が、ローミングを検知したときに、サーバ装置に対して回線接続を監視する信号を送る送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、この発明による無線端末装置は、前記回線接続を監視する信号を受信したサーバ装置からの応答を受信する受信手段を備え、該受信手段が前記応答を受信するまで、サーバ装置に対して前記送信手段が回線接続を監視する信号を複数回送ることを特徴とする。
【0021】
さらに、前記回線接続を監視する信号が、回線接続監視用パケットであることを特徴とする。
【0022】
つまり、上述した課題を解決するため、この発明による無線端末装置は、
(a)ローミングした事を接続アクセスポイントの変化で検出した無線端末装置は、通信相手(例えばサーバ装置)に対して、回線接続監視用パケット(確認信号)を送り、
(b)無線端末装置の通信相手(例えばサーバ装置)は、回線接続監視用パケットを受け取ったら、無線端末装置に応答を送り返し、
(c)無線端末装置は、通信相手からの応答が来るまで、回線接続監視用パケットを送り続け、
(d)このパケットのやり取りにより、新たな通信経路上の必要なブリッジをすべて再学習させる、
という一連の処理を行うことで、高速なローミング処理が可能になる。
【0023】
以上により、無線端末装置のローミング後もエージングタイムを待つことなくサーバ装置と通信を再開できる、という特徴がある。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の無線端末装置について、図3を用いて詳細に説明する。
【0025】
図3は、この発明の実施形態である(有線、無線の)LANなどのネットワークシステムの構成を示す図である。
【0026】
図3において、1はサーバ装置、2〜4は学習型ブリッジ、5及び6はブリッジ型無線アクセスポイント(無線AP1&無線AP2)、7は端末装置に相当する無線携帯端末である。ブリッジ(2)〜(4)は、無線端末装置(7)と無線AP1(5)または無線AP2(6)を介して無線通信を行うと共に、ネットワークを介してブリッジ同士及びサーバ装置(1)と通信する。
【0027】
図3を用いて、無線LAN内でのローミングの概要を示す。
【0028】
サーバ装置(1)は、無線LAN内の通信及びデータを処理、制御する。ブリッジ(2)〜(4)は受信したパケットの宛先とMACアドレスが登録されたアドレステーブルとを照らし合わせ、該当する端末が存在しているポート(アクセスポイント)にパケットを中継する。受信したポートと同じポートに宛先の端末があればパケットを破棄するので、ブリッジを超えたセグメントに不要なパケットは中継されない。無線端末装置(7)は、サーバ装置(1)から、ブリッジ(2)〜(4)及び無線AP1(5)及び無線AP2(6)を経由してデータを受信したり、あるいは、操作者が無線端末装置(7)にデータを入力し、それを前記LAN経由でサーバ装置(1)に送る。無線端末装置(7)は、操作者が携帯する場合もあれば、倉庫内を移動するフォークリフト等の車両に搭載され、操作されることもある。
【0029】
図3に示す通信網上で無線端末装置(7)が、(ア)から(イ)に移動した場合の各部の動作を、図4を用いて説明する。
【0030】
無線端末装置(7)は通信する無線アクセスポイントが無線AP1(5)から無線AP2(6)に変わったことを検知する手段を備えている。そして、該検知手段で無線アクセスポイントの変化を検知する(S1)と、サーバ装置(1)に対して回線接続を監視する信号である回線接続監視用パケット(P)を送る(S2)。このパケット(P)は、
無線AP2(6)⇒ブリッジC(4)⇒ブリッジA(2)⇒サーバ装置(1)
と流れ、パケット(P)が経路上の各ブリッジを通過するときに各ブリッジは再学習するはずである。
【0031】
しかし、前述のように、負荷が高い、または伝送路として信頼度が低い無線空間の場合、必ずパケットが送れる(届く)とは限らないので、サーバ装置(1)から応答信号(Q)を送って貰うようにする。無線端末装置(7)がその応答信号(Q)を受け取るまで(S3)は、定期的もしくは非定期的に、回線接続監視用パケット(P)をサーバ装置(1)に送り続け(S2)、応答信号(Q)を受け取ったら、回線接続監視用パケット(P)の送信を止める(S4)。
【0032】
サーバ装置(1)からの応答信号(Q)も、
サーバ装置(1)⇒ブリッジA(2)⇒ブリッジC(4)⇒無線AP2(6)⇒無線端末(7)(イ)
というルートで流れるので、このときにも各ブリッジが再学習でき、再学習の確実さが増す。
【0033】
なお、通常のサーバ装置には、pingと呼ばれるコマンドへ応答する機能が標準装備されている。
【0034】
これは、信頼性のあるセッション指向の通信を行なうTCP/IPネットワークにおいて、IPパケットが通信先まで届いているかどうかや、IP的に到達可能かどうかを調べるために利用させる最も基本的なコマンドであり、ICMP(Internet Control Message Protocol)のechoコマンドを使って実現されている。
【0035】
この機能がサーバ装置側に標準装備されているため、上記実施形態を実現するためには、無線端末装置(7)側のソフトのみを変更するだけでよい。すなわち、サーバ装置(1)から応答信号(Q)を送って貰うためには、サーバ装置(1)宛にping(回線接続監視用パケット(P))を送るだけでよく、通信網上の構成や応答するサーバ装置(1)、各ブリッジのハードウェア/ソフトウェアを変更する必要がない。
【0036】
また、無線端末装置がアクセスポイントの変化を検知する方法としては、
・無線ネットワークを同期させるためにアクセスポイントから一定間隔で送信するパケットであるビーコンを受信する、
・無線端末装置側から一定の時間周期で問い合わせを送り、RSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度表示信号)が高いものと通信する、
等さまざまな方法があるが、本発明ではその方法に影響されることなく、常に高速ローミング処理が可能になる。
【0037】
【発明の効果】
無線端末装置が移動して、無線アクセスポイントの変化(ローミング)を検出すると、サーバ装置に対して確認信号(回線接続監視用パケット)を送るだけで、学習型ブリッジに再学習させることができ、さらにその確認信号を受け取ったサーバ装置は、無線端末装置に応答を返すことで、再度学習型ブリッジに再学習を促すことになる。その結果、高速に移動する無線端末装置からのアクセスを受けるブリッジ型アクセスポイントを含むLANにおいて、無線端末装置が高速に移動しても、学習型ブリッジを含む経路に負荷をほとんど掛けることなく、確実に学習型ブリッジに再学習させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のLAN構成に関する図
【図2】従来技術を利用したLAN構成に関する図
【図3】本発明を利用したLAN構成に関する図
【図4】本発明の無線端末装置の動作手順を示したフローチャート
【符号の説明】
1−サーバ装置
2〜4−学習型ブリッジ
5、6−ブリッジ型無線アクセスポイント
7−無線端末装置
P−回線接続監視用パケット
Q−応答信号
Claims (3)
- サーバ装置と、複数のブリッジ型無線アクセスポイントから構成される通信網上で、該ブリッジ型無線アクセスポイント間をローミングする無線端末装置において、
ローミングを検知する検知手段と、
該検知手段が、ローミングを検知したときに、サーバ装置に対して回線接続を監視する信号を送る送信手段と、
を備えることを特徴とする無線端末装置。 - 請求項1記載の無線端末装置において、
前記回線接続を監視する信号を受信したサーバ装置からの応答を受信する受信手段を備え、
該受信手段が前記応答を受信するまで、サーバ装置に対して前記送信手段が回線接続を監視する信号を複数回送ることを特徴とする無線端末装置。 - 請求項1または2記載の回線接続を監視する信号が、回線接続監視用パケットであることを特徴とする無線端末装置。
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