JP2004348894A - 光ディスク装置、光ディスク装置の制御方法 - Google Patents

光ディスク装置、光ディスク装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】標準記録モード又は高密度記録モードにおけるOPCの処理時間を短縮化できる光ディスク装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】光ディスクに対して、第1のモード又は第2のモードの一方を選択して実行可能である光ディスク装置において、第1及び第2のモードの場合それぞれに対して共通に用いられる記録パワー参照値を記憶する記憶手段と、第1又は第2のモードにおけるOPCを実行する場合に、記憶手段に記憶されている記録パワー参照値に基づいて当該OPCにおけるレーザーの記録パワー値の初期値を設定する制御手段と、を有する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、標準記録モード又は高密度記録モードにおけるOPCの処理時間を短縮化できる光ディスク装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザー光を利用して情報の記録・再生可能な光ディスクの規格の一つとして、データ追記型(Write Once)のCD−Rや、書き換え可能型(ReWritable)のCD−RWなどのCD(Compact Disk)規格がある。近年、CD−R及びCD−RWディスクについては、低価格化と併せて普及率が拡大しており、広く一般化されている。
【0003】
記録・再生が可能なCD規格のディスクフォーマットに則した光ディスク(CD規格媒体)では、記録トラックを形成するプリグルーブ(案内溝)が、絶対時間情報などによりFM変調された波形に則してウォブリング(蛇行)している。
このプリグルーブからウォブリングの周波数を復調することによって、絶対時間情報であるATIP(Absolute time In Pregroove)アドレスを取得できる。また、ATIPアドレスは、CD規格のデータフォーマット(データ構造)に則してデータの記録・再生を行う光ディスク装置において、CD規格媒体上でのデータの記録及び再生位置を管理するための管理情報として利用される。
【0004】
ところで、CD−R及びCD−RWディスクの記録容量は、標準で650Mバイトや700Mバイト程度である。近年、ビデオ録画の用途などで、光ディスク媒体に対してさらなる大容量記録を求めるニーズが高いため、CD−R及びCD−RWディスクなどのCD規格媒体の標準の記録容量ではこうしたニーズに対応できない。
【0005】
そこで、光ディスク装置において、CD規格媒体に対してCD規格のデータフォーマットを用いてデータの記録及び再生を行う標準記録モードの他に、DVD(Digital Versatile Disk)規格といったCD規格よりもフォーマット効率が高いデータフォーマット(データ構造)を用いて記録及び再生を行う高密度記録モードをサポートする技術が提案されている(以下、当該技術をサポートする光ディスク装置を従来の光ディスク装置と称する)。なお、DVD規格のデータフォーマットでは、CD規格で採用される誤り訂正符号CIRC(Cross Interleaved Reed−Solomon Code)と比べてデータサイズが小さい誤り訂正符号RS(Reed Solomon)−ProductCodeを採用しているので、その分、フォーマット効率が高くなっており高密度記録を可能としている。
【0006】
また、DVD規格では、光ディスク上に設定されたセクタのヘッダー部において、当該セクタを識別するためのID(Identification Data)情報が記録されている。そこで、従来の光ディスク装置は、当該ID情報に対応づけられた高密度記録用アドレスを利用することによって、CD規格媒体への高密度記録を行っている(例えば、以下に示す特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−56617号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ディスク装置は、実際の記録の前に先立って、光学ヘッドから出射するレーザー光の記録パワー値を、ディスク種別や記録速度などの記録条件に適合した最適記録パワー値に調整するために、OPC(Optimum Power Control)を必ず実行する。また、従来の光ディスク装置では、種々の記録条件の組み合わせごとに記録パワー参照値を予め用意しておき、OPCの最初の記録パワー値(初期値)を設定する際に当該記録パワー参照値を利用している。このことによって、最適記録パワー値からかけ離れた初期値が設定される機会が減少し、PCA(Power Calibration Area)の無駄な消費が抑えられて、OPCの処理時間の短縮化を図ることができる。
【0009】
ところで、ディスク種別や記録速度が同一であったとしても、データを記録する際の環境条件(温度など)や光ディスクの特性上のバラツキなどによって、標準記録モードで記録を行う場合と高密度記録モードで記録を行う場合とでは、OPCで設定すべき最適記録パワー値が異なってしまう。このため、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対して当該記録パワー参照値を必要な数だけ用意しておかなければ、前述したOPC処理時間の短縮化を図る仕組みが実現できなくなる。
【0010】
しかしながら、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対して当該記録パワー参照値を用意した場合、当該記録パワー参照値を記憶しておくために大容量のメモリが必要となり、また、当該メモリに記憶しているデータの管理が煩雑なものとなる。このことは、光ディスク装置の開発設計に伴うコストが高くつくことになる。そこで、当該メモリの限られた記憶容量を有効に利用するとともに比較的単純な構成で、前述したOPC処理時間の短縮化を図る仕組みを実現することが要請される。
【0011】
本発明は、前述した経緯に基づいてなされたものであり、標準記録モード又は高密度記録モードにおけるOPCの処理時間を短縮化できる光ディスク装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための主たる本発明は、光ディスクに対して、第1のフォーマットに即した記録及び再生を行う第1のモード、又は、前記第1のフォーマットより記録密度が高い第2のフォーマットに即した記録及び再生を行う第2のモードの一方を選択して実行可能であり、前記第1又は前記第2のモードによる記録に先行して、前記光ディスクへ出射するレーザーの記録パワー値を初期値から可変させて前記光ディスクの所定領域へテスト記録を行った後当該テスト記録の評価を行う記録パワー値設定制御を実行することによって、前記レーザーの記録パワー値を設定するように構成された光ディスク装置において、前記第1及び前記第2のモードの場合それぞれに対して共通に用いられる記録パワー参照値を記憶する記憶手段と、前記第1又は前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御を実行する場合に、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に基づいて前記初期値を設定する制御手段と、を有することとする。
【0013】
このように、第1又は第2のモードにおいて実行される記録パワー値設定制御(OPC)の処理時間の短縮化を図るべく初期値設定の際に利用される記録パワー参照値に関して、第1又は第2のモードの如何に関わらず共通に利用する。このため、第1のモードの場合と第2のモードの場合それぞれに対して記録パワー参照値を用意しておく必要がなくなり、記録パワー参照値を記憶するための記憶手段の限られた記憶領域を有効に利用できる。また、記憶手段には第1及び第2のモードで共通した記録パワー参照値を記憶しているため、記憶手段から所望の記録パワー参照値の検索が容易となる。すなわち、本発明に係る光ディスク装置では、記録パワー値設定制御の処理時間の短縮化を図る仕組みについて、大容量の記憶手段ならびに複雑な制御を必要とせずに実現することができる。
【0014】
本発明に係る第2の実施態様として、前記制御手段は、前記記録パワー参照値と、前記第1のモードの場合の前記初期値に設定される第1の記録パワー値と、を対応づけた第1の対応づけを有し、前記第1のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第1の対応づけに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に対応づけられた前記第1の記録パワー値を求めて前記初期値に設定し、前記記録パワー参照値と、前記第2のモードの場合の前記初期値に設定される第2の記録パワー値と、を対応づけた第2の対応づけを有し、前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第2の対応づけに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に対応づけられた前記第2の記録パワー値を求めて前記初期値に設定することとする。
【0015】
このように、本発明に係る光ディスク装置は、記録パワー参照値を、第1又は第2のモードの如何に関わらず固定のデータとしておき、前述した第1又は第2の対応づけを用いることで、OPC処理時間の短縮化を図る仕組みを実現する。ここで、第1又は第2のモードの如何に関わらず記録パワー参照値を固定のデータとしているため、記憶手段のデータ管理が煩雑にならなくて済む。
【0016】
本発明に係る第3の実施態様として、前記記憶手段に記憶する前記記録パワー参照値を、前記第1又は前記第2の記録パワー値のいずれか一方とする。
このように、記憶手段に記憶しておく記録パワー参照値を、第1又は第2のモードのいずれか一方のモードに対応した記録パワー値とすることで、一方のモードの場合の記録パワー値設定制御が実行される場合には、当該記録パワー参照値をそのまま初期値に設定できる。また、他方のモードの場合の記録パワー値設定制御が実行される場合には、当該他方のモードの場合の第1又は第2の対応づけに基づいて、当該記録パワー参照値に対応づけられる記録パワー値を求めて初期値に設定できる。
すなわち、本発明に係る光ディスク装置は、第1又は第2のモードのいずれか一方のモードの場合に対してのみ、記録パワー参照値から当該一方のモードに対応する記録パワー値を求める仕組みを備えればよく、比較的単純な構成で実現できる。また、記憶手段に記憶する記録パワー参照値は、第1又は第2のモードのいずれか一方に対応した値であるため、記憶手段のデータ管理が煩雑にならなくて済む。
【0017】
本発明に係る第4の実施態様として、前記第1及び前記第2の対応づけは、前記第1及び前記第2のモードにおける記録パワー値設定制御によって設定された、記録パワー値に基づいて定められる第1の関数アルゴリズムとすることとする。
本発明に係る光ディスク装置では、ファームウェア又はソフトウェアとして組み込まれる第1の関数アルゴリズムを利用して、前述した参照値から他方のモードに対応した値を求めるための仕組みを実現するので、既存の光ディスク装置に対する仕様変更が少なく済む。さらに、第1及び第2の対応づけを関数アルゴリズムとして設定することによって、第1の記録パワー値及び第2の記録パワー値をデータとして記憶しておかなくて済む。
【0018】
本発明に係る第5の実施態様として、前記第1又は前記第2のモードにおける記録パワー値設定制御によって設定された記録パワー値に基づいて、前記第1及び前記第2の対応づけを更新する手段を有することとする。
本発明に係る光ディスク装置では、第1及び第2の対応づけの内容を更新する仕組みを有することによって、当該第1及び第2の対応づけの信頼性を向上させるとともに、当該第1及び第2の対応づけに基づいて所望の記録パワー値が得られやすくなり、記録速度設定制御の処理時間の短縮化が図られる。
【0019】
本発明に係る第6の実施態様として、前記第1又は前記第2のモードにおける記録パワー値設定制御によって設定された記録パワー値に基づいて、前記記憶手段に記憶する前記記録パワー参照値の内容を更新する手段を有することとする。
本発明に係る光ディスク装置では、記憶手段に記憶する参照値の内容を更新する仕組みを有することによって、当該記録パワー参照値の信頼性を向上させるとともに、当該記録パワー参照値に基づいて所望の記録パワー値が得られやすくなり、記録速度設定制御の処理時間の短縮化が図られる。
【0020】
本発明に係る第7の実施態様として、前記記憶手段は、前記記録パワー参照値と、前記記録パワー参照値を前記初期値に設定する際に指定される記録速度参照値と、を対応づけた第3の対応づけを記憶しており、前記制御手段は、前記記録パワー参照値と前記記録速度参照値とを対応づける第2の関数アルゴリズムを設定して前記第3の対応づけについての管理を行うこととする。
このように、記憶手段に記憶している第3の対応づけに関して、後述の最小二乗法などの所定の関数近似アルゴリズムによって設定される第2の関数アルゴリズムに基づいて、効率よく管理を行うことができる。また、第2の関数アルゴリズムを利用することで、記憶手段に記憶されていない記録パワー参照値を補間することができる。
【0021】
本発明に係る第8の実施態様として、前記制御手段は、前記第1のモードにおける前記記録パワー値設定制御によって設定される第1の記録パワー値及び第1の記録速度を対応づけた第3の関数アルゴリズムと、前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御によって設定される第2の記録パワー値及び第2の記録速度を対応づけた第4の関数アルゴリズムと、を有し、前記第1のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第3の対応づけが有する前記記録パワー参照値を前記第1の記録パワー値に読替えて、前記読替えた第1の記録パワー値に対応づけられる前記第1の記録速度を前記第3の関数アルゴリズムから算定していき、前記算定していった第1の記録速度と所望の第1の記録速度とが一致した時、当該一致した時の第1の記録速度に対応づけられる前記第1の記録パワー値を前記第3の関数アルゴリズムから算定して前記初期値に設定し、前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第3の対応づけが有する前記記録パワー参照値を前記第2の記録パワー値に読替えて、前記読替えた第2の記録パワー値に対応づけられる前記第2の記録速度を前記第4の関数アルゴリズムから算定していき、前記算定していった第2の記録速度と所望の第2の記録速度とが一致した時、当該一致した時の第2の記録速度に対応づけられる前記第2の記録パワー値を前記第4の関数アルゴリズムから算定して前記初期値に設定することとする。
【0022】
光ディスク装置では、通常、光ディスクへの記録が行われる場合に、外部の情報処理装置から当該光ディスクに応じた所望の記録速度が指定される。そこで、本発明では、前述した第3又は第4の関数アルゴリズムを設定しておき、外部の情報処理装置などから指定された所望の記録速度に基づいて、記憶手段に記憶している記録パワー参照値から第1又は第2の記録パワー値を前述した第3又は第4の関数アルゴリズムから換算して初期値に設定できる。このように、記録速度の指定などを伴う記録処理に係る既存の仕組みを有効に利用して、本発明に係る光ディスク装置を実現することができる。
【0023】
本発明に係る第9の実施態様として、光ディスクに対して、第1のフォーマットに即した記録及び再生を行う第1のモード、又は、前記第1のフォーマットより記録密度が高い第2のフォーマットに即した記録及び再生を行う第2のモードの一方を選択して実行可能であり、前記第1又は前記第2のモードによる記録に先行して、前記光ディスクへ出射するレーザーの記録パワー値を初期値から可変させて前記光ディスクの所定領域へテスト記録を行った後当該テスト記録の評価を行う記録パワー値設定制御を実行することによって、前記レーザーの記録パワー値を設定するように構成された光ディスク装置の制御方法において、前記第1及び前記第2のモードの場合それぞれに対して共通に用いられる記録パワー参照値を記憶し、前記第1又は前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御を実行する場合に、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に基づいて前記初期値を設定することとする。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかにする。
【0024】
【発明の実施の形態】
===実施例===
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】
<システム構成>
本発明の一実施形態である光ディスク装置100を含めたシステムの概略構成を、図1を用いて説明する。ここで、図1に示す光ディスク装置100は、既存のCD規格のディスクフォーマットに則した光ディスク(CD規格媒体)200に対して、CD規格のデータフォーマット(『第1のフォーマット』)を用いてデータの記録及び再生を行う標準記録モード(『第1のモード』)と、CD規格と比較してフォーマット効率の高い、すなわち、誤り訂正符号など記録データに付加する冗長データのサイズが小さい(冗長度が低い)DVD規格などのデータフォーマット(『第2のフォーマット』)を用いてデータの記録及び再生を行う高密度記録モード(『第2のモード』)のいずれか一方を選択して実行する仕組みを兼ね備えている。
【0026】
まず、光ディスク(CD規格媒体)200では、記録トラックを形成するプリグルーブ(案内溝)が、絶対時間情報などによりFM変調された波形に則してウォブリング(蛇行)している。このプリグルーブからウォブリングの周波数を復調することによって、絶対時間情報であるATIP(Absolute Time In Pregroove)アドレスを取得することができる。
【0027】
光ディスク装置100は、同図に示すとおり、光学ヘッド1、フロントエンド処理部2、光学ヘッドサーボ回路3、再生レベル検出回路4、WBL検出部5、ATIPデコーダ6、PSNデコーダ7、PLL回路8、高密度記録モード用デコーダ9、標準記録モード用デコーダ10、高密度記録モード用エンコーダ11、標準記録モード用エンコーダ12、インタフェース部13、RAM14、システム制御マイコン(『制御手段』)15、レーザー出力制御回路16、レーザー駆動回路17、スピンドルモーター18、モーター駆動回路19、モーター制御回路20、ROM(『記憶手段』)21、を有する。
【0028】
光学ヘッド1は、対物レンズ(不図示)と、この対物レンズを介して光ディスク200に対してレーザー光を出射するレーザー素子1aと、光ディスク200からの反射光を受光する受光素子(不図示)などが組み込まれている。また、光学ヘッド1には、光学ヘッド1を記録・再生対象の記録トラックに移動させるためのスライド機構、光ディスク200に出射したレーザー光を記録・再生対象の記録トラックに追従させる制御(トラッキング制御)を行うためのトラッキング機構、光ディスク200に出射したレーザー光の焦点ずれを補正する制御(フォーカス制御)を行うためのフォーカス機構、などが組み込まれている(いずれも不図示)。
【0029】
フロントエンド処理部2は、マトリクス演算回路や増幅回路や波形整形回路(イコライザ)などで構成されるRFアンプ、3ビーム法、プッシュプル法やDPD(Differential Phase Detection)法などに基づいたトラッキング誤差信号生成回路、非点収差法やフーコー法などに基づいたフォーカス誤差信号生成回路などを備える(いずれも不図示)。
【0030】
RFアンプは、光学ヘッド1の受光素子(不図示)にて受光光量に応じて生成された電気信号に基づいて、記録・再生対象の記録トラック上にあるピットの有無を判別するためのRF信号(ラジオ周波信号)を生成する。なお、このRF信号は2値化されている。また、RF信号は、ATIPアドレスを取得するためのウォブリング周波数成分を含んでいる。さらに、光ディスク200が予め高密度記録されている場合には、RF信号は、後述のID情報も含むことになる。
【0031】
トラッキング誤差信号生成回路は、前述のRFアンプと同様に、光学ヘッド1の当該受光素子(不図示)にて受光光量に応じて生成された電気信号に基づいて、光学ヘッド1のトラッキング制御機構をサーボ制御するためのトラッキング誤差信号を生成する。また、フォーカス誤差信号生成回路も同様に、前述の受光素子(不図示)の電気信号に基づいて、光学ヘッド1のフォーカス制御機構をサーボ制御するためフォーカス誤差信号を生成する。
【0032】
光学ヘッドサーボ回路3は、フロントエンド処理部2にて生成された各種誤差信号(トラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号等)に基づいて、光学ヘッド1に組み込まれたサーボ機構(トラッキングサーボ機構やフォーカスサーボ機構等)を駆動するためのサーボ制御信号を生成する。そして、そのサーボ制御信号に基づいてサーボ機構の駆動をサーボ制御する。
【0033】
再生レベル検出回路4は、システム制御マイコン15がOPC(『記録パワー値設定制御』)の最適評価に使用するアシンメトリ値”β=(A1+A2)/(A1−A2)”を算定するために備えられた回路である。再生レベル検出回路4は、一般的に、ピークホールド回路及びボトムホールド回路(いずれも不図示)などから構成され、PCAに記録されたテスト信号を再生した際にRFアンプにて生成されるRF信号を受信し、当該RF信号のピークレベルA1とボトムレベルA2を検出する。
【0034】
また、再生レベル検出回路4は、例えば、ゼロクロスコンパレータ及びLPF(Low Pass Filter)回路(いずれも不図示)などによる構成としてもよい。この構成では、PCAに記録されたテスト信号を再生した際RFアンプにて生成されるRF信号を受信し、ゼロクロスコンパレータ及びLPF回路を介して当該RF信号の直流電圧レベルを検出することになる。また、この場合、LPF回路から受信した直流電圧のレベルとターゲットTβとなる時のターゲット直流電圧レベルとの対照に基づいたOPCの最適評価がシステム制御回路15にて行われる。
【0035】
なお、以下の説明では、再生レベル検出回路4は、ピークレベルA1及びボトムレベルA2の検出を行う前者の構成とする。
【0036】
WBL検出部5は、BPF(Band Pass Filter)回路やコンパレータ等によって構成される。BPF回路は、フロントエンド処理部2にて生成されたRF信号を受信してウォブリング周波数成分(中心周波数22.05kHz)を抽出する。コンパレータは、前述のウォブリング周波数成分と基準電圧との比較によって2値化WBL(Wobble)信号を生成し、ATIPデコーダ6やモーター制御回路20に送信する。
【0037】
ATIPデコーダ6は、WBL検出部5から受信した1ATIP区間あたりのWBL信号をデコードしてATIPアドレスを生成する。なお、1ATIP区間あたりのWBL信号には、同期検出用のパターン、製造メーカーやディスク種別など当該光ディスク200を個別に識別するための識別情報、ATIPアドレス等を含めたウォブリング情報、当該ウォブリング情報のビット誤りを検出するためのCRCデータなどを含んでいる(図2参照)。
【0038】
また、ATIPデコーダ6は、CRCチェック回路6aを有している。CRCチェック回路6aは、1ATIP区間あたりのWBL信号からATIPアドレスが正常にデコードしたか否かを判定するために、前述のCRCデータに基づいてCRCチェックを行う。なお、ATIPアドレスのデコード結果の検査方式としては、CRCチェック方式に限定されるものではなく、例えば、パリティビットを用いたパリティチェック方式やECC(Error Correcting Code)を用いたECCチェック方式を採用してもよい。
【0039】
PSNデコーダ7は、光ディスク200が未記録状態である場合、ATIPデコーダ6にてデコードしたATIPアドレスを受信して高密度記録用アドレスとしてのPSNアドレスに変換する。一方、光ディスク200が高密度記録された状態にある場合、PSNデコーダ7は、フロントエンド処理部2からRF信号に含まれるID(Identification Data)情報を受信してPSNアドレスに変換する。なお、ID情報とは、光ディスク装置100が、記録トラック上でPSNアドレスによって論理的に区分された各区分領域を識別するための情報であり、記録データ及びパリティビットと併せて光ディスク200に記録されている(図3参照)。
【0040】
PLL回路8は、位相比較器、チャージポンプ、LPF、VCO、分周回路などを備える。この構成において、PLL回路8は、WBL検出部5から受信したWBL信号に基づいて、標準記録モード又は高密度記録モードでのデータ再生時におけるデコード処理のために、タイミング信号として用いられるクロック信号を生成する。
【0041】
高密度記録モード用デコーダ9は、高密度記録モードによる再生を行う場合に、DVD規格のデータフォーマットに対応したデコード処理を行う。なお、DVD規格のデータフォーマットでは、変調コードとしてEFM−plus(8/16変調)、誤り訂正符号としてRS−ProductCodeを採用している。
そこで、高密度記録モード用デコーダ9は、PLL回路8にて生成されたクロック信号及びフロントエンド処理部2にて検出されたRF信号に基づいて、前述の変調コード及び誤り訂正符号に基づいたデコード処理を行う。
【0042】
標準記録モード用デコーダ10は、標準記録モードによる再生を行う場合に、CD規格のデータフォーマットに対応したデコード処理を行う。なお、CD規格のデータフォーマットでは、変調コードとしてEFM(8/14変調)、誤り訂正符号としてCIRCを採用している。そこで、標準記録モード用デコーダ10は、PLL回路8にて生成されたクロック信号及びフロントエンド処理部2にて検出されたRF信号に基づいて、前述の変調コード及び誤り訂正符号に基づいたデコード処理を行う。
【0043】
高密度記録モード用エンコーダ11は、パソコン等の情報処理装置(不図示)からインタフェース部14を介して入力される記録データに関して、DVD規格のデータフォーマットに対応したエンコード処理を行う。このエンコード処理としては、記録・再生時の誤り訂正単位である1ECCブロックを構成するための処理や、EFM−plus変調処理及びスクランブル処理などが該当し、これらの処理が施された後の記録用変調信号をレーザー出力制御回路16に送信する。
【0044】
標準記録モード用エンコーダ12は、パソコン等の情報処理装置(不図示)からインタフェース部14を介して入力される記録データに関して、CD規格のデータフォーマットに対応したエンコード処理を行う。このエンコード処理としては、記録・再生時の誤り訂正単位であるCIRC符号化処理や、EFM変調処理及びスクランブル処理などが該当し、これらの処理が施された後の記録用変調信号をレーザー出力制御回路16に送信する。
【0045】
インタフェース部13は、光ディスク装置100とパソコン等の情報処理装置(不図示)などとの間における記録・再生データの送受信を制御する。
【0046】
RAM14は、当該情報処理装置(不図示)からインタフェース部13を介して再生要求を受信した場合に、高密度記録モード用デコーダ9においてデコード処理中の中間データやデコード処理後の再生データを一時記憶する。この一時記憶された再生データは、インタフェース部13を介して当該情報処理装置(不図示)に送信される。
また、RAM14は、当該情報処理装置(不図示)からインタフェース部13を介して受信した記録データを一時記憶する。この一時記憶された記録データは、高密度記録モード用エンコーダ11でのエンコード処理の際にアクセスされる。
【0047】
システム制御マイコン15は、光ディスク200の記録及び再生に係る光ディスク装置100全般のシステム制御を司る。例えば、システム制御マイコン15は、当該情報処理装置(不図示)から標準記録モード又は高密度記録モードのいずれか一方が指定されるとともに、PSNアドレスを含めた記録要求コマンドを受信した場合、当該PSNアドレスに対応づけられた記録領域への記録データに対して、指定された記録モードに応じたエンコード処理を実行すべく制御を行う。
【0048】
同様に、システム制御マイコン15は、当該情報処理装置(不図示)から標準記録モード又は高密度記録モードのいずれか一方を指定されてPSNアドレスを含めた再生要求コマンドを受信した場合に、当該PSNアドレスに対応づけられた記録領域から再生されたデータに対して、指定された記録モードに応じたデコード処理を実行すべく制御を行う。
また、システム制御マイコン15は、特に、ディスク判別処理部15a、OPC処理部15bの各機能を、ファームウェア(プログラム)又はハードウェアによって実現する。
【0049】
ディスク判別処理部15aは、ATIPデコーダ6から受信する光ディスク200の識別情報に基づいて、当該光ディスク200の製造メーカーやディスク種別などを判別する。なお、光ディスク装置100は、同一ディスク上で異なる記録モード(データフォーマット)による記録データが混在することを禁止している。そこで、ディスク判別処理部15aは、光ディスク200が既に記録された状態にある場合、標準記録モード又は高密度記録モードのいずれのモードで当該記録が実行されたのかについて判別を行う。この判別方法については、例えば、PLL回路8で生成されたクロック信号に基づいて1ATIP区間について記録されているデータサイズを計測し、この計測したデータサイズに基づいてモード判別を行う。
【0050】
OPC処理部15bは、高密度記録モード又は標準記録モードによる記録に先行して、ATIPデコーダ6から受信する光ディスク200の識別情報に基づいて、光ディスク200の識別情報や記録速度に適合したOPC履歴情報がROM21に記憶されているか否かについて検索を実行する。ここで、所望のOPC履歴情報(最適記録パワー値)が検索された場合には、検索された最適記録パワー値が今回のOPCの初期値に設定され一回目のOPCが実行される。
【0051】
また、OPC処理部15bは、再生レベル検出回路4からピークレベルA1及びボトムレベルA2を受信して”(A1+A2)/(A1−A2)”の計算式によってアシンメトリ値βを算定する。そして、光ディスク200の識別情報及びテスト時の記録速度に対応づけられたターゲットTβをROM21から読み出して、順次算定されたアシンメトリ値βとターゲットTβを対照していき、レーザー出力制御回路16を介してレーザー素子1aの記録パワー値の初期値を可変させる調整ならびにPCAへの新たなテスト信号の記録を行っていく。これら一連の制御によって、アシンメトリ値βが最適評価(|β−Tβ|≦所定の閾値)された時の記録パワー値が、当該記録速度における最適記録パワー値として設定され、次回以降のOPCで有効利用されるべくOPC履歴情報としてROM21に記憶される。
【0052】
ROM21は、EEPROMやフラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリであり、光ディスク200の識別情報や記録速度に対応づけられるターゲットTβ及びOPC履歴情報としての最適記録パワー値が記憶される。
【0053】
レーザー出力制御回路16は、高密度記録モード用エンコーダ11又は標準記録モード用エンコーダ12から受信した記録用変調信号に基づいて、レーザー素子1aをレーザー発光駆動するためのパルス信号を生成してレーザー駆動回路17に送信する。また、レーザー出力制御回路16は、システム制御マイコン15による制御下で、レーザー素子1aから出射されるレーザー光の最適記録パワー値を設定するためのOPCを実行する。
【0054】
レーザー駆動回路17は、レーザー出力制御回路16から受信したパルス信号に基づいて、レーザー素子1aを記録時においてレーザー発光駆動する。これによって、レーザー素子1aからレーザー光が出射され、高密度記録モード用エンコーダ11又は標準記録モード用エンコーダ12出力の記録用変調信号に応じたピットが光ディスクの記録トラックに形成されることになる。
【0055】
一方、再生時では、フロントエンド処理部2の内部又は外部に備える不図示のAPC(Automatic Power Control)回路の制御下で、レーザー駆動回路17は、レーザー素子1aをレーザー発光駆動する。なお、光学ヘッド1には、レーザー素子1aから出射されるレーザー光のパワーを検出するための検出器(不図示)が備わっており、APC回路は、この検出器にて検出されたレーザー光のパワーを監視しつつ、レーザー素子1aから出射されるレーザー光のパワーを一定とするためのAPCを実行する。
【0056】
スピンドルモーター18は、光ディスク200を回転駆動するモーターであり、モーター駆動回路19は、スピンドルモーター18を回転駆動するための回路である。モーター制御回路20は、WBL検出部5から受信したWBL信号に基づくウォブリング周波数の情報を用いて、CD規格による線速度一定方式にてスピンドルモーター18の回転駆動制御を行うための回路である。あるいは、スピンドルモーター18の回転に応じて発生するパルス信号を用いて、角速度一定方式にてスピンドルモーター18の回転駆動制御を行ってもよい。
【0057】
以上が、光ディスク装置100の主な構成要素の概要である。なお、光ディスク装置100は、ユーザーの利便性を鑑みて、DVD−RやDVD−RWなどのDVD(Digital Versatile Disk)規格のディスクフォーマットに即した光ディスク200(DVD規格媒体)に対して、当該DVD規格のデータフォーマットに基づいた記録及び再生を行うための周知な仕組みを新たに組み込んでもよい。
【0058】
<高密度記録モードのデータフォーマット>
=== 標準記録モードの場合 ===
まず、図2を用いて、標準記録モードの場合に採用されるデータフォーマット(データ構造)について説明する。同図に示すとおり、光ディスク200に記録されるデータの最小単位は、CD規格のEFM(8/14変調)変調方式に基づいた1EFMフレームとなる。そして、98EFMフレームにて588ビットの1フレームが構成される。また、この1フレームによって、”P,Q,R,…,W”からなる1サブコーディングフレーム(トラック番号、インデックス情報、絶対・相対アドレス等を含む)が生成される。
【0059】
また、光ディスク200の内周部の記録トラックから外周部の記録トラックに向かって、記録トラックのウォブリング情報に対応づけられた絶対アドレスが付与されている。この絶対アドレスは、絶対時間情報としてのATIPアドレスに該当する。ATIPアドレスは、通常、24ビットのデータで構成され、上位8ビットは「分(minute)」を示し、続く8ビットは「秒(second)」を示し、下位8ビットは「フレーム」を示す。
【0060】
また、1秒間あたりのフレーム数は”75”である。ここで、”1/75”秒間に相当するATIPアドレスによって設定される記録領域(以下、1ATIP区間と称する。)は、光ディスク装置100において記録・再生単位として扱う1セクタとなる。この1セクタ分の記録領域は、通常、2kバイトで構成され、前述したようにシンクパターン、識別子、ウォブリング情報、CRCデータなどが記録される。
【0061】
=== 高密度記録モードの場合 ===
つぎに、図3を用いて、高密度記録モードの場合に採用されるデータフォーマット(データ構造)について説明する。高密度記録モードでは、標準記録モードと比較して例えば2.0倍の記録密度を実現するよう規定される。このため、高密度記録モードの場合に採用されるデータフォーマットとしては、前述の1ATIP区間に対して、2セクタ分、すなわち4kバイトのデータを記録することになる。なお、1セクタ分の記録領域には、同図に示すとおり、ID情報、記録データ及びパリティビットが記録される。
【0062】
また、高密度記録モードの場合では、DVD規格に則した変調・復調方式を採用しているため、リードソロモン符号による誤り訂正を行う単位である1ECC(Error Correction Code)ブロック単位での記録・再生が行われる。なお、1ECCブロックは16セクタ分(32kバイト)のデータとして規定されており、例えば8ATIP区間に相当する記録領域に記録される。
【0063】
<高密度記録モードのディスクフォーマット>
つぎに、高密度記録モードの場合に採用される光ディスク200のディスクフォーマットについて説明する。
光ディスク200のディスクフォーマットは、例えば、図4に示すような構成となる。同図に示すように、光ディスク200の内周側から外周側に対して、フォーマットエリア、PCA(Power Calibration Area)、PMA(Program Memory Area)、TOC(Table Of Contents)エリア、プログラムエリア及びリードアウトエリアが設けられている。
【0064】
フォーマットエリアは、高密度記録モードにおいて光ディスク200のフォーマット処理が実行された場合に、所定のデータ(例えば、オール”0”)が記録される。
【0065】
PCAは、実記録に先立って、記録速度や光ディスク200の種別に応じたレーザー素子1aの最適な記録パワー値を設定するために予約された記録領域である。なお、PCAは、所定のテスト信号を記録するためのテストエリアと、対応するテストエリアについてのアドレスや当該テストエリアにおけるテスト信号の記録・未記録状態を示すフラグ値が記憶されるカウントエリアに区分される。
【0066】
PMAは、プログラムエリアに対して記録途中にある記録データや記録トラックの開始アドレス及び終了アドレスなどのトラック情報が、TOC情報と同様なフォーマットにて記録されている。なお、PMAは、TOCエリアとしても兼用される。
【0067】
プログラムエリアは、ユーザー使用可能領域として、データの記録及び再生を行うための領域である。リードアウトエリアは、光ディスク200の記録及び再生の終了位置を識別するための領域である。
【0068】
以上の構成により、高密度記録モードの場合に採用するディスクフォーマットは、CD規格に則したディスクフォーマットと比較すると、PMAとTOCエリアの兼用やプリギャップエリアの省略などによって高密度記録を可能としている。
【0069】
<ATIPアドレスとPSNアドレスの関係>
=== ATIPアドレス ===
ATIPアドレスについて詳細に説明する。
図5には、光ディスク装置100が、光ディスク200のプリグルーブの物理的なウォブリング情報をデコードして得られるATIPアドレスの設定情報が示されている。このATIPアドレスは、光ディスク200の記録トラックに付与された物理アドレスとしての一面と、光ディスク装置100が光ディスク200への記録又は再生の制御するために用いる論理アドレスとしての一面がある。
【0070】
プログラムエリアの最内周側に相当するATIPアドレス(以下、第1の基準ATIPアドレスと称する。)は、”00(分):00(秒):00(フレーム)”である。そして、このプログラムエリアの最内周側から外周側に向かっての記録領域(以下、外周側記録領域と称する。)では、”1秒間=75フレーム”の換算にて、第1の基準ATIPアドレスを1フレーム単位で単純増加していったATIPアドレスが付与される。なお、本発明では、外周側記録領域におけるATIPアドレスの最大値を”89(分):59(秒):74(フレーム)”としている。
【0071】
一方、第1の基準ATIPアドレスより内周側の記録領域(以下、内周側記録領域と称する。)は、PCAやPMAなどユーザーが使用不可能な予約領域である。この内周側記録領域にもATIPアドレスが付与されている。本発明では、例えば、内周側記録領域におけるATIPアドレスの最小値(以下、第2の基準ATIPアドレスと称する。)を、”90(分):00(秒):00(フレーム)”としている。そして、内周側記録領域では、外周側記録領域と同様に、”1秒間=75フレーム”の換算にて、第2の基準ATIPアドレスを1フレーム単位で単純増加していったATIPアドレスが付与されることになる。
【0072】
=== PSNアドレス ===
PSNアドレスについて詳細に説明する。
図5には、光ディスク装置100が、光ディスク200への記録又は再生を高密度記録モードにて行う場合において、論理アドレスとして用いるPSNアドレスの設定情報が示されている。
ここで、PSNアドレスとは、当該ATIPアドレスとしての絶対アドレスを”x”とする場合に、”y=n×(x−m)+m”によって算出される高密度記録用アドレス(y)を示す。ここで、”n”は記録密度についての倍率(標準記録モードの倍率を1とする)であり、2.0倍の記録密度であれば”n=2.0”である。また、”m”は基準アドレスである。
【0073】
すなわち、PSNアドレスは、絶対アドレス”x”に基づいた単位時間(”1/75”秒間)に相当する記録領域(1ATIP区間)を、記録密度についての倍率(n)によって区分するという高密度記録モードのデータフォーマットに従って、1ATIP区間の論理的な区分領域に付与されることになる。このPSNアドレスを用いた高密度記録モードによる記録によって、1ATIP区間にはn倍のデータが記録され、その結果、光ディスク200の記録密度はn倍となる。
【0074】
なお、本発明では、記録密度の倍率(n)を”2”とし、プログラムエリアの最内周側のPSNアドレス(m)を”30000H(Hexadecimal :16進)”とする。この場合、外周側記録領域のATIPアドレスに対応づけられるPSNアドレス(y)は、”y=2×(x(16進)−30000H)+30000H”として算出される。例えば、”00(分):00(秒):01(フレーム)”のATIPアドレスに対応するPSNアドレスは、”30002H=2×(30001H−30000H)+30000H”である。
【0075】
このように、ATIPアドレスとPSNアドレスは相互に対応づけられており、光ディスク装置100は、高密度記録モードによる光ディスク200へのアクセス制御において、PSNアドレスに限らずATIPアドレスを用いることが可能である。
【0076】
<記録パワー参照値の利用方法>
=== 記録パワー参照値 ===
図6は、ROM21に記憶される記録パワー参照値の一例を示している。ここで、記録パワー参照値とは、OPCにおいて最初の記録パワー値(初期値)を設定する際に利用されるものである。同図に示すように、ROM21には、製造メーカーやディスク種別などの識別情報が異なっている光ディスクA〜Zそれぞれに対して、各ディスクが対応可能な記録速度と、当該記録速度でのOPCの初期値に設定すべき記録パワー参照値と、を対応づけて(『第3の対応づけ』)を記憶している。
【0077】
また、記録パワー参照値は、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対して共通に利用されるものとする。このことによって、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対して記録パワー参照値を予め用意しておく必要がなくなり、ROM21の限られた記憶領域を有効に利用することができる。
【0078】
ここで、本発明では、記録パワー参照値として、ROM21のデータ管理が煩雑にならなくて済むように、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対してユニークな固有のデータとしてもよい。もしくは、記録パワー参照値を、標準記録モード又は高密度記録モードのいずれか一方に対応した記録パワー値としてもよい。このことによって、ROM21のデータ管理が煩雑にならなくて済む。
【0079】
ところで、記録パワー参照値は、光ディスク200又は光ディスク装置100の製造メーカー側で、OPC検証時に設定された記録パワー値に基づいて経験的に設定することができる。もしくは、ユーザー側で光ディスク200に対して標準記録モード又は高密度記録モードによる記録が行われた場合には、システム制御マイコン12などが、当該記録に先行したOPCで設定された最適記録パワー値に基づいて、ROM21に記憶される記録パワー参照値の内容を更新するようにしてもよい。なお、前述した更新とは、ROM21に新規の記録パワー参照値を記憶することや、ROM21に記憶されている記録パワー参照値に算術平均などの統計処理を施すことである。
【0080】
=== 記録パワー値の対応づけ ===
前述したとおり、ROM21に記憶された記録パワー参照値は、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対して共通に利用される。そこで、光ディスク装置100は、記録パワー参照値に基づいて標準記録モード向けの記録パワー値を換算するための第1の対応づけと、記録パワー参照値に基づいて高密度記録モード向けの記録パワー値を換算するための第2の対応づけを設定している。以下、図7を用いて、第1及び第2の対応づけについて説明する。
【0081】
同図に示すように、第1及び第2の対応づけは、関数アルゴリズム(『第1の関数アルゴリズム』)70及び71とすることができる。このように、第1及び第2の対応づけを関数アルゴリズム70及び71とすることで、標準記録モード向けの記録パワー値P2と高密度記録モード向けの記録パワー値P3の全てのデータを所定の記憶手段に記憶しておかなくて済むことになる。
【0082】
第1の対応づけは、ROM21に記憶される記録パワー参照値P1がそのまま標準記録モード向けの記録パワー値P2(『第1の記録パワー値』)として換算される関数アルゴリズム(P2=P1)70とする。例えば、記録パワー参照値P1が”52mW”である場合、関数アルゴリズム70から記録パワー値P2として”52mW”が換算される。
【0083】
第2の対応づけは、ROM21に記憶される記録パワー参照値P1に基づいて、高密度記録モード向けの記録パワー値P3(『第2の記録パワー値』)を換算する関数アルゴリズム(P3=P1×c(cは係数))71とする。例えば”c=0.85”と設定して、記録パワー参照値P1が”52mW”である場合には、関数アルゴリズム71から記録パワー値P3として”44.2mW”が換算される。
【0084】
ところで、前述した関数アルゴリズム70及び71は、光ディスク200又は光ディスク装置の製造メーカー側でのOPC検証時の統計データをもとに、最小二乗法などの所定の関数近似アルゴリズムに基づいて定められるものであり、システム制御マイコン15のファームウェア又はハードウェアにて実現される。また、関数アルゴリズム70及び71は、前述した一次関数以外にも、n次多項式関数(nは2以上)、指数関数、対数関数、ロジスティック曲線などが考えられる。
【0085】
ここで、関数アルゴリズム70及び71は、関数近似の精度を向上させるべく、標準記録モード又は高密度記録モードにおけるOPCで最適記録パワー値が設定される毎に、当該最適記録パワー値に基づいて所定の関数近似アルゴリズムによって更新させることが好ましい。このことは、関数アルゴリズム70及び71の信頼性を向上させて、ターゲットTβとはかけ離れたアシンメトリ値βが得られるような初期値が設定されることがなくなる。この結果、PCAについての無駄な消費が抑えられて、OPC処理時間の短縮化が図られる。
【0086】
さらに、第1及び第2の対応づけとしては、関数アルゴリズム70及び71を利用する他にも、記録パワー参照値と標準記録モード向けの記録パワー値とを対応づけた対照表(『第1の対応づけ』)と、記録パワー参照値と高密度記録モード向けの記録パワー値とを対応づけた対照表(『第2の対応づけ』)を利用してもよい。
【0087】
=== システム制御マイコンによるOPC処理 ===
システム制御マイコン15によるOPC処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明する動作は、特に断らないかぎり、システム制御マイコン15によって行われるものとする。
【0088】
まず、光ディスク装置100は、光ディスク200からWBL信号を読み出し、ATIPデコーダ6を介して光ディスク200の識別情報を取得する(S800)。引き続いて、光ディスク装置100は、パソコンなどの情報処理装置(不図示)からインタフェース部13を介して記録モード及び記録速度などを指定した記録要求コマンドを受信する(S801)。そして、光ディスク装置100は、光ディスク200への記録に先行してOPCを実行することになる。
【0089】
ここで、システム制御マイコン15は、光ディスク200の回転速度がOPC実行の際にS801で指定された記録速度とすべく、モーター制御回路20を介してスピンドルモーター18の回転駆動を制御する。また、システム制御マイコン15は、レーザー素子1aから出射するレーザー光の記録パワー値の初期値を設定すべく、S800で取得した識別情報及びS801で指定された記録速度に対応づけられた記録パワー参照値を、ROM21から検索して取得する(S802)。
【0090】
つぎに、システム制御マイコン15は、S801で指定された記録モードが、標準記録モード又は高密度記録モードのいずれであるかを判別する(S803)。S803で標準記録モードと判別された場合には、第1の対応づけに基づいて、S802で取得した記録パワー参照値から標準記録モードに対応した記録パワー値を換算する(S804)。一方、S803で高密度記録モードと判別された場合には、第2の対応づけに基づいて、S802で取得した記録パワー参照値から高密度記録モードに対応した記録パワー値を換算する(S805)。
【0091】
そして、S804又はS805で換算した記録パワー値が初期値に設定され、レーザー出力制御回路16を介してレーザー素子1aがレーザー発光駆動されることで、通常のOPC処理が実行される(S806)。なお、OPC処理の過程で、最適評価がなされた時、システム制御マイコン15は、現在のレーザー素子1aの記録パワー値を最適記録パワー値として、指定された記録モードによる記録を開始すべく、当該記録モードに応じた高密度記録モード用エンコーダ11又は標準記録モード用エンコーダ12の制御を行う(S807)。
【0092】
以上、本発明では、標準記録モード又は高密度記録モードの如何に関わらず共通に利用できる記録パワー参照値をROM21に記憶しておき、標準記録モード又は高密度記録モードにおけるOPCを実行する場合には、ROM21に記憶している記録パワー参照値に基づいて初期値を設定することになる。
【0093】
このように、標準記録モード又は高密度記録モードにおいて実行されるOPCの処理時間の短縮化を図るべく初期値設定の際に利用される記録パワー参照値に関して、標準記録モード又は高密度記録モードの如何に関わらず共通に利用する。このため、標準記録モードの場合と高密度記録モードの場合それぞれに対して記録パワー参照値を用意しておく必要がなくなり、記録パワー参照値を記憶するためのROM21の限られた記憶領域を有効に利用できる。
【0094】
また、ROM21には標準記録モード及び高密度記録モードで共通した記録パワー参照値を記憶しているため、ROM21から所望の記録パワー参照値の検索が容易となる。すなわち、本発明に係る光ディスク装置100では、OPC処理時間の短縮化を図る仕組みについて、大容量のROM21ならびに複雑な制御を必要とせずに実現することができる。
【0095】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について、その実施形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0096】
=== P−V関数 ===
図9は、ROM21に記憶された記録パワー参照値P1及び記録速度V1の対応づけに基づいて定められたP−V(Power−Velocity)関数(『第2の関数アルゴリズム』)90と、標準記録モードの場合の記録パワー値P2及び記録速度V2の対応づけに基づいて定められたP−V関数(『第3の関数アルゴリズム』)91と、高密度記録モードの場合の記録パワー値P3及び記録速度V3の対応づけに基づいて定められたP−V関数(『第4の関数アルゴリズム』)92の一例を示している。
【0097】
ここで、P−V関数90乃至92は、ROM21に記憶される記録パワー参照値P1を効率良く管理するために設定されたものである。また、P−V関数90乃至92は、ROM21に記憶されている記録パワー参照値P1の中で不足しているデータを補間する目的と、記録パワー参照値P1から標準記録モードに対応した記録パワー値P2又は高密度記録モードに対応した記録パワー値P3を換算する目的にも利用される。
【0098】
図9に示すP−V関数90乃至92は、過去のOPCで設定されたデータから、最小二乗法などの関数近似の手法に基づいて定められた一次関数”V=aP+b(a、bは係数)”としている。なお、係数a及びbの値はROM21に記憶されており、P−V関数90乃至92に則した計算を実行するアルゴリズムは、システム制御マイコン15のファームウェア又はハードウェアにて実現される。
【0099】
また、P−V関数90乃至92については、同図に示す一次関数以外にも、n次多項式関数(nは2以上)、指数関数、対数関数、ロジスティック曲線などが考えられる。なお、P−V関数90乃至92の関数近似の精度を向上させるべく、標準記録モード又は高密度記録モードによる記録が実行される毎に、所定の関数近似アルゴリズムによって、係数a及びbの値若しくは近似する関数そのものを更新していくことが好ましい。
【0100】
=== P−V関数を利用した記録パワー値の換算 ===
システム制御マイコン15が、P−V関数91を利用して、ROM21に記憶している記録パワー参照値P1から標準記録モードに対応した記録パワー値P2に換算する仕組みについて、図9を用いて説明する。なお、以下の説明では、新規(未記録状態)のディスクKに対して、標準記録モードによる記録が25倍速(記録速度TV)に指定されて行われる場合とする。また、P−V関数92を利用して、ROM21に記憶している記録パワー参照値P1から高密度記録モードに対応した記録パワー値P3に換算する仕組みについては、前述した標準記録モードの場合と同様な動作となるため説明を省略する。
【0101】
まず、システム制御マイコン15は、ディスクKに関する記録パワー参照値P1をROM21から順次取得し、P−V関数91の記録パワーP2に代入していくことで記録速度V2の値を算定していく。このことによって、ROM21が有する記録パワー参照値P1に対応づけられた記録速度V1から標準記録モードに対応した記録速度V2に換算される。
【0102】
システム制御マイコン15は、前述のとおり算定していった記録速度V2と指定された記録速度TV(25倍速)とを対照していく。そして、この対照の結果、記録速度V2と記録速度TVとが一致した場合には、この一致した時の記録速度V2(25倍速)を算定する際に用いられた記録パワー参照値P1の値(20mW)を、標準記録モードの場合のOPCにおける記録パワー値の初期値に設定する。
【0103】
なお、指定された記録速度TVが40倍速などの場合であり、ROM21には該当する記録パワー参照値が記憶されていなかった時には、前述した対照の結果、算定していった全ての記録速度V2が記録速度TVと一致しないことになる。
この場合、記録速度TVをP−V関数91の記録速度V1に代入することで記録パワー値P1を算定して、標準記録モードの場合のOPCにおける記録パワー値の初期値に設定してもよい。
【0104】
以上、本発明では、P−V関数90及び91を設定しておき、外部の情報処理装置(不図示)から光ディスク200に応じて指定された所望の記録速度(TV)に基づいて、ROM21に記憶している記録パワー参照値P1から標準記録モード又は高密度記録モードに対応した記録パワー値P2又はP3をP−V関数90又は91から換算して初期値に設定することができる。このように、記録速度の指定を伴った記録処理に係る既存の仕組みを有効に利用して、本発明に係る光ディスク装置100を実現することができる。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、標準記録モード又は高密度記録モードにおけるOPCの処理時間を短縮化できる光ディスク装置及びその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置を含めたシステムの概略構成図である。
【図2】標準記録モードの場合に採用されるデータフォーマットを説明する図である。
【図3】高密度記録モードの場合に採用されるデータフォーマットを説明する図である。
【図4】高密度記録モードの場合に採用される光ディスクのディスクフォーマットを説明する図である。
【図5】ATIPアドレスとPSNアドレスの関係を説明する図である。
【図6】ROMに記憶する記録パワー参照値のデータ構造を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る第1及び第2の対応づけを説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るシステム制御マイコンの動作を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る記録速度と記録パワー値の対応関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 光学ヘッド 1a レーザー素子
2 フロントエンド処理部 3 光学ヘッドサーボ回路
4 再生レベル検出回路 5 WBL検出部
6 ATIPデコーダ 6a CRCチェック回路
7 PSNデコーダ 8 PLL回路
9 高密度記録モード用デコーダ 10 標準記録モード用デコーダ
11 高密度記録モード用エンコーダ 12 標準記録モード用エンコーダ
13 インタフェース部 14 RAM
15 システム制御マイコン 15a ディスク判別処理部
15b OPC処理部 16 レーザー出力制御部
17 レーザー駆動回路 18 スピンドルモーター
19 モーター駆動回路 20 モーター制御回路
21 ROM 100 光ディスク装置 200 光ディスク
70 第1の対応づけ(標準記録モード)
71 第2の対応づけ(高密度記録モード)
90 P−V関数 91 P−V関数 92 P−V関数

Claims (9)

  1. 光ディスクに対して、第1のフォーマットに即した記録及び再生を行う第1のモード、又は、前記第1のフォーマットより記録密度が高い第2のフォーマットに即した記録及び再生を行う第2のモードの一方を選択して実行可能であり、前記第1又は前記第2のモードによる記録に先行して、前記光ディスクへ出射するレーザーの記録パワー値を初期値から可変させて前記光ディスクの所定領域へテスト記録を行った後当該テスト記録の評価を行う記録パワー値設定制御を実行することによって、前記レーザーの記録パワー値を設定するように構成された光ディスク装置において、
    前記第1及び前記第2のモードの場合それぞれに対して共通に用いられる記録パワー参照値を記憶する記憶手段と、
    前記第1又は前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御を実行する場合に、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に基づいて前記初期値を設定する制御手段と、を有することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記記録パワー参照値と、前記第1のモードの場合の前記初期値に設定される第1の記録パワー値と、を対応づけた第1の対応づけを有し、前記第1のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第1の対応づけに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に対応づけられた前記第1の記録パワー値を求めて前記初期値に設定し、
    前記記録パワー参照値と、前記第2のモードの場合の前記初期値に設定される第2の記録パワー値と、を対応づけた第2の対応づけを有し、前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第2の対応づけに基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に対応づけられた前記第2の記録パワー値を求めて前記初期値に設定することを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記記憶手段に記憶する前記記録パワー参照値を、前記第1又は前記第2の記録パワー値のいずれか一方とすることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
  4. 前記第1及び前記第2の対応づけは、前記第1及び前記第2のモードにおける記録パワー値設定制御によって設定された、記録パワー値に基づいて定められる第1の関数アルゴリズムとすることを特徴とする請求項2又は3に記載の光ディスク装置。
  5. 前記第1又は前記第2のモードにおける記録パワー値設定制御によって設定された記録パワー値に基づいて、前記第1及び前記第2の対応づけを更新する手段を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の光ディスク装置。
  6. 前記第1又は前記第2のモードにおける記録パワー値設定制御によって設定された記録パワー値に基づいて、前記記憶手段に記憶する前記記録パワー参照値の内容を更新する手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光ディスク装置。
  7. 前記記憶手段は、
    前記記録パワー参照値と、前記記録パワー参照値を前記初期値に設定する際に指定される記録速度参照値と、を対応づけた第3の対応づけを記憶しており、
    前記制御手段は、
    前記記録パワー参照値と前記記録速度参照値とを対応づける第2の関数アルゴリズムを設定して前記第3の対応づけについての管理を行うことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記第1のモードにおける前記記録パワー値設定制御によって設定される、第1の記録パワー値及び第1の記録速度を対応づけた第3の関数アルゴリズムと、前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御によって設定される、第2の記録パワー値及び第2の記録速度を対応づけた第4の関数アルゴリズムと、を有し、
    前記第1のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第3の対応づけが有する前記記録パワー参照値を前記第1の記録パワー値に読替えて、前記読替えた第1の記録パワー値に対応づけられる前記第1の記録速度を前記第3の関数アルゴリズムから算定していき、前記算定していった第1の記録速度と所望の第1の記録速度とが一致した時、当該一致した時の第1の記録速度に対応づけられる前記第1の記録パワー値を前記第3の関数アルゴリズムから算定して前記初期値に設定し、
    前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御が実行される場合には、前記第3の対応づけが有する前記記録パワー参照値を前記第2の記録パワー値に読替えて、前記読替えた第2の記録パワー値に対応づけられる前記第2の記録速度を前記第4の関数アルゴリズムから算定していき、前記算定していった第2の記録速度と所望の第2の記録速度とが一致した時、当該一致した時の第2の記録速度に対応づけられる前記第2の記録パワー値を前記第4の関数アルゴリズムから算定して前記初期値に設定することを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
  9. 光ディスクに対して、第1のフォーマットに即した記録及び再生を行う第1のモード、又は、前記第1のフォーマットより記録密度が高い第2のフォーマットに即した記録及び再生を行う第2のモードの一方を選択して実行可能であり、前記第1又は前記第2のモードによる記録に先行して、前記光ディスクへ出射するレーザーの記録パワー値を初期値から可変させて前記光ディスクの所定領域へテスト記録を行った後当該テスト記録の評価を行う記録パワー値設定制御を実行することによって、前記レーザーの記録パワー値を設定するように構成された光ディスク装置の制御方法において、
    前記第1及び前記第2のモードの場合それぞれに対して共通に用いられる記録パワー参照値を記憶し、
    前記第1又は前記第2のモードにおける前記記録パワー値設定制御を実行する場合に、前記記憶手段に記憶されている前記記録パワー参照値に基づいて前記初期値を設定することを特徴とする光ディスク装置の制御方法。
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