JP2004348784A - テープドライブ - Google Patents
テープドライブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004348784A JP2004348784A JP2003141527A JP2003141527A JP2004348784A JP 2004348784 A JP2004348784 A JP 2004348784A JP 2003141527 A JP2003141527 A JP 2003141527A JP 2003141527 A JP2003141527 A JP 2003141527A JP 2004348784 A JP2004348784 A JP 2004348784A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- guide
- tape
- row
- height
- head
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
Abstract
【課題】走行テープの幅方向の変動を規制して、高密度記録のテープからの情報信号の読み取り・書き込みに際して、高いサーボ性能、低エラー性能を確保できる、テープドライブ装置を提供する。
【解決手段】テープドライブ装置の基盤に取り付け自在に構成され、ガイド高さおよびガイド間隔が、前記基盤にガイド列を取り付ける前に予め調整可能に構成されているテープガイドを配列したガイド列を備えるテープドライブ装置。
【選択図】 図2
【解決手段】テープドライブ装置の基盤に取り付け自在に構成され、ガイド高さおよびガイド間隔が、前記基盤にガイド列を取り付ける前に予め調整可能に構成されているテープガイドを配列したガイド列を備えるテープドライブ装置。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープガイドのガイド高さとガイド間隔が精密に調整されたガイド列を備えるテープドライブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テープを記録媒体として用いて、情報信号の記録および/または再生を行う記録・再生装置が知られている。この記録・再生装置においては、テープ走行系の途中に配置されたヘッドによって、テープに記録された情報信号を読み取り、またはテープに情報信号を書き込むことが行われる。
【0003】
ところで、近年、記録媒体は、益々高密度記録化する傾向にある。この記録媒体の高密度記録化に伴い、記録・再生装置においては、ヘッド近傍におけるテープ走行方向の変動が、テープ走行時のサーボ特性や読み取り・書き込みエラー特性に大きな影響を及ぼすようになってきた。例えば、図9に示すように、ヘッド91に摺接して情報信号の読み取りおよび書き込みが行われるテープ92は、テープ92の幅方向(矢印Aで示す方向)に変動すると、ヘッド91による情報信号の読み取りまたは書き込みエラーが発生する原因となる。また、ヘッドがテープに記録されているサーボ信号を利用してテープのトラッキングを制御するテープ走行系においては、ヘッド周辺のテープの幅方向の変動によってサーボ特性が大きな影響を受ける。そこで、ヘッド91周辺でのテープの幅方向の変動を抑制するために、テープ走行路の途中に設けたテープガイド93a,93bによってテープ92の走行方向を規制することが重要となってきた(特許文献1)。特に、テープ走行方向に沿ってヘッドの両側に配置されるテープガイドは、そのガイド高さとガイド間隔を高精度で精密に調整することが求められる。そして、近年の高密度記録化の進行に伴い、テープガイドは、ガイド高さのバラツキを±2μm以下に調整することが求められる。
【0004】
従来、テープガイドのガイド高さを調整する方法として、テープガイドのフランジ面にダイヤルゲージの触針を当接して基準面からの高さを測定しながら、テープガイドの基部に高さ調整用のシムを介装してガイド高さを調整する方法、テープに予め記録された基準信号を読出し、検出された信号波形に基づいてテープガイドのガイド高さを調整する方法(特許文献2)等が実用または提案されている。
【0005】
しかし、従来の触針によってガイド高さを調整する方法では、ガイド高さを±5μmの精度で調整するが限度であり、±2μmの精度でガイド高さを揃えることは、困難であった。また、信号波形に基づいてガイド高さを調整する方法は、間接的な情報に基づいてガイド高さを調整するため、ヘッドによるテープからの信号の読み取り状態、信号を記録したテープと読出しヘッドの接触状態等のテープガイド以外の他の要因によってガイド高さの調整精度が左右される等の問題があった。さらに、ガイド高さを調整する作業は、煩雑で熟練を要する作業である。そのため、ガイド高さの調整においては、作業者の習熟度や体調等によって、調整速度や調整精度が変化してしまうため、テープドライブを搭載する記録・再生装置の品質の均一化や作業工数の予見が困難となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−144217号公報(段落番号0006、0009等)
【特許文献2】
特開平5−234195号公報(請求項1等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、テープガイドのガイド高さおよびガイド間隔が予め高精度に調整されたガイド列を組み込むことによって、走行テープの幅方向の変動を規制して、高密度記録されたテープからの情報信号の読み取り・書き込みに際して、良好なサーボ性能、低エラー性能を確保できる、テープドライブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヘッドのテープ走行方向に沿った両側に、少なくとも一対のテープガイドを配列して構成されるガイド列を備えるテープドライブであって、前記ガイド列は、前記テープドライブの基盤に取り付け自在に構成され、前記少なくとも一対のテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔が、前記基盤にガイド列を取り付ける前に予め調整可能に構成されていることを特徴とするテープドライブを発明の構成とする。
【0009】
本発明において、「ガイド高さ」とは、走行するテープの両端エッジを規制するためにテープガイドの上下に対向して設けられる上フランジと下フランジの間の中心の基準面からの高さをいう。ここで、基準面とは、ガイド列を取り付けるテープドライブの基盤面をいう。また、テープガイドの「ガイド間隔」とは、前記上フランジと下フランジとの間の間隔をいう(図1、図3等参照)。
【0010】
この請求項1に記載のテープドライブでは、ガイド列をテープドライブに取り付ける前に、テープガイドの高さとガイド間隔を予め調整することによって、所期の精度でガイド高さおよびガイド間隔が調整されたテープガイドをテープ走行路に配列することができる。そして、そのテープガイドによって、ヘッド周辺のテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のテープドライブにおいて、前記ガイド列は、前記ヘッドに最も近い位置に配列されるテープガイドのガイド高さを±2μmの精度で調整可能であることを特徴とする。
【0012】
このテープドライブでは、ガイド列をテープドライブに取り付ける前に、テープガイドの高さとガイド間隔を予め調整することによって、ヘッドに最も近い位置に配列されるテープガイドのガイド高さを±2μmの精度で調整することができる。これによって、テープガイドによって、ヘッド周辺のテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のテープドライブにおいて、前記ガイド列が、前記ヘッドのテープ走行方向に沿った両側に、少なくとも二対のテープガイドを配列して構成され、前記ヘッドに近い側に配置されたテープガイドが、前記ヘッドから遠い側に配置されたテープガイドよりもガイド間隔が狭く構成されていることを特徴とする。
【0014】
このテープドライブでは、ヘッドに近い側に配置された内側のテープガイドが、前記ヘッドから遠い側に配置された外側のテープガイドよりもガイド間隔が狭く構成されていることによって、外側のテープガイドによってテープ走行方向の変動が規制された後、さらに内側のテープガイドによってテープ走行方向の変動が規制されるため、ヘッド周辺におけるテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0015】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載のテープドライブにおいて、前記ガイド列は、前記ヘッドから最も遠い側のテープガイドのガイド間隔が、テープの幅よりも50μm以上広く構成されていることを特徴とする。
【0016】
このテープドライブでは、ヘッドから最も遠い側のテープガイドBのガイド間隔がテープの幅よりも50μm以上広く構成されていることによって、ヘッドから最も遠い側のテープガイドからヘッドに近い側のテープガイドにわたって、順を追ってより狭いガイド間隔のテープガイドによってテープの幅方向の動きが規制される。そして、ヘッド周辺におけるテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のテープドライブの実施形態に係るガイド列の構造例を示す斜視図である。
図1に示すガイド列1は、底板2と、天板3と、側板4と、テープガイド5,6とから構成される。
【0019】
底板2は、ガイド列1の下部を構成する部材である。この底板2の上面に植設された回転軸(図示せず)には、テープガイド5,6が回転可能に支持されている。この底板2の下面2aには、ガイド列1をテープドライブの基盤22(図2参照)に取り付ける際に、その基盤22上に突設された突条部23(図2参照)と嵌合される取り付け溝7が設けられている。また、底板2の中央には、ヘッドの下挿通口8が穿設されている。
【0020】
天板3は、ガイド列1の上部を構成する部材である。この天板3の下面には、テープガイド5,6の上フランジ部5b、6bが取り付けられる。また、天板3の中央には、前記底板2の挿通口8に対応してヘッドの上挿通口9が穿設されている。
側板4は、底板2と天板3の一端を連結し、ガイド列1の側部を構成する部材である。
【0021】
テープガイド5とテープガイド6は、ヘッドが挿通する下挿通口8および上挿通口9を挟んで一対に構成され、それぞれ底板2と天板3の間に架設されている。このテープガイド5,6は、上フランジ部5a,6aと、下フランジ部5b,6bとを備える。このテープガイド5,6において、上フランジ部5a,6aの下面は、テープの上エッジを規制する上エッジ規制面5c,6cを構成し、下フランジ部5b,6bの上面は、テープの下エッジを規制する下エッジ規制面5d,6dを構成する。
【0022】
このテープガイド5,6において、上エッジ規制面5c(6c)と下エッジ規制面5d(6d)の中心の基盤22(図2参照)からの高さH(図2参照)が、テープガイド5(6)のガイド高さであり、上エッジ規制面5c(6c)と下エッジ規制面5d(6d)の間の間隔Wが、テープガイド5(6)のガイド間隔である。
【0023】
このガイド高さHとガイド間隔Wの調整は、上フランジ部5a,6aと天板3の間隙、および下フランジ部5b,6bと底板2の間隙を調整することによって行うことができる。例えば、上フランジ部5a,6aと天板3の間隙、または下フランジ部5b,6bと底板2の間隙にシム10を適宜介装して各間隙の間隔を調整することによってガイド高さおよびガイド間隔を調整することができる。このとき、底板2の厚さtを考慮して、上エッジ規制面5c(6c)の底板2の上面からの高さh1、または下エッジ規制面5d(6d)の底板2の上面からの高さh2を調整すれば、基盤22(図2参照)からのガイド高さHを調整することができる。すなわち、底板2の厚さをtとすると、H=t+h1−W/2またはH=t+h2+W/2であるから、この関係に基づいて高さh1またはh2を調整すれば、ガイド高さHを調整することができる。
【0024】
このガイド列1は、予めテープガイド5、6のガイド高さとガイド間隔が調整された後、図2に示すとおり、テープドライブ21の基盤22に取り付けられる。ガイド列1は、底板2の下部に穿設された取り付け溝7に、基盤22上に突設された突条部23が嵌装されることにより、テープドライブに取り付け自在に装着される。このとき、挿通口8および挿通口9にヘッド24が挿通される。
【0025】
このように、テープドライブ21に、予めガイド間の高さを調整したガイド列を取り付けることにより、ヘッド近傍でのテープ走行方向の規制を精度良く実施できる。このとき、ガイド列1は、取り付け溝7によってテープドライブ21に取り付け自在に構成されるため、必要に応じて、ガイド列を取り外してガイド高さとガイド間隔を調整することができる。また、予めガイド高さとガイド間隔を調整したガイド列を用意しておけば、テープドライブの使用によりガイド高さおよびガイド間隔が狂ってしまったときに、容易にガイド高さとガイド間隔を正確に調整したガイド列と交換することができる。しかも、複数対のテープガイドを配列して構成されるガイド列は、ヘッド等の他の部材とは独立して別個にガイド高さとガイド間隔を調整することができるため、組み立て時に他の部材から受ける影響を排除して調整作業を行うことができる。そして、テープドライブを搭載する記録・再生装置の品質の均一化や作業工数の予見に有効である。
【0026】
本発明において、ガイド列を構成するテープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整する方法は、特に制限されず、所望の精度で、テープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整することができる方法であれば、いずれの方法であってもよい。例えば、下記の2つの方法によって、少なくとも一対のテープガイドを配列して構成されるガイド列における各テープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整することができる。
【0027】
(1)図4に示すとおり、顕微鏡を用いて、テープガイド41a,41b,42a,42b,43a,43bを400倍程度の倍率で拡大観察し、同時に、その顕微鏡視野内に配置した基準スケール44と比較対照して、ガイド高さおよびガイド間隔を調整する方法。
(2)図5に示す装置を用いて、ガイド列51の背後から光を照射し、ガイド列51の前部に配置したマスク52を透過する光により各テープガイドのガイド高さおよびガイド間隔を測定して調整する方法。
【0028】
この(2)の装置は、光源53を収納する光源部54と、ガイド列51を収容して光源部54の上部に嵌装されるガイド列収容部55と、ガイド列収容部55の上部に嵌装されるマスク52とから構成される。なお、この装置によってテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔を調整する場合には、ガイド列51の側板は、光を透過する、または少なくともテープガイドに光が通る開口を有する構造のものである。例えば、図1に示すガイド列1では、側板4が透明であればよい。
【0029】
光源部54は、光源53を収納し、上部に光源53から照射する光が通る開放部57を有する。この光源54に収納された光源53から照射される光は、開放部57を通って、ガイド列収容部55に収容されたガイド列51に照射される。なお、光源53は、白色光、レーザ光等のいずれの光を照射するものでもよく、特に制限されない。
【0030】
ガイド列収容部55は、上下に開口を有し、内側にガイド列51を収容して、光源部54の上部に嵌装されものである。このガイド列収容部55の上縁の四隅には、マスク52の位置決め溝56aと嵌合する突片55aが突設されている。
【0031】
マスク52は、図6に示すように、ガイド列51に配列されたテープガイド57(57a、57b、57c、57d、57e、57f)の上フランジ部58(58a、58b、58c、58d、58e、58f)、および下フランジ部59(59a、59b、59c、59d、59e、59f)のそれぞれに対応した位置に、テープガイド調整用窓60(60a、60b、60c、60d、60e、60f)が穿設されている。このとき、テープガイド調整用窓60とガイド列51のテープガイド57の位置関係は、光源53から照射される光の一部が各テープガイド57により遮光されることによって、テープガイド調整用窓60を透過する光量が、各テープガイド57のガイド高さと比例するように予め調整されている。すなわち、テープガイド調整用窓60とガイド列51のテープガイド57の位置関係は、光源53から照射される光の一部が各テープガイド57により遮光されることによって、テープガイド調整用窓60を透過する光量が、各テープガイド57のガイド高さと比例するように予め調整されている。また、マスク52の四隅には、ガイド列収容部55の突片55aと対応する位置に、位置決め溝56aが穿設される。そして、図8に示すように、この位置決め溝56aにガイド列収容部55の突片55aが嵌合することによって、マスク52のテープガイド調整用窓60が所定の位置に配置されるようになっている。
【0032】
この図5に示す装置において、ガイド列51のテープガイド57のガイド高さは、以下のようにして調整することができる。
まず、光源部54の上部に、ガイド列51を内側に収容したガイド列収容部55を嵌装した後、さらに、ガイド列収容部55の突片55aをマスク52の位置決め溝56aに嵌合して、マスク52がガイド列収容部55に嵌装される。ここで、テープガイド57の作製時に、上フランジ58と下フランジ59の間の間隔(ガイド間隔)を所定の精度で成形することにより、テープガイド57のガイド間隔を予め調整しておくことができる。また、上フランジ58および下フランジ59をテープガイド51の軸本体に沿って可動にすれば、ガイド列51にテープガイド57を組み込む前、あるいはテープガイド57をガイド列51に組み込んだ後に、上フランジ58または下フランジ59を軸本体に沿って動かしてガイド間隔を調整することもできる。
【0033】
次に、光源53からガイド列51の背後から照射される光は、その一部がガイド列51を構成するテープガイド57によって遮光される。このとき、図6に示すように、マスク52のテープガイド調整用窓60(60a、60b、60c、60d、60e、60f、60g、60h、60i、60j、60k、60l)からは、それぞれテープガイド57a、57b、57c、57d、57e、57fの上フランジ部58a、58b、58c、58d、58e、58f、および下フランジ部59a、59b、59c、59d、59e、59fによって遮光されなかった光が、透過光として観測される。そして、このテープガイド調整用窓60における透過光の光量に応じて、テープガイド57のガイド高さを調整することができる。例えば、テープガイド57aの上フランジ58aを例に取ると、図7(a)および図7(b)に示すとおり、テープガイド調整用窓60aにおける透過光量L1、L2に差が生じる。すなわち、L1<L2であれば、図7(a)に示す場合の方が、ガイド高さh1が高いことになる。このように、テープガイド調整用窓60における透過光量によって、ガイド高さを検出することができる。そして、下フランジ部59aと、底板2との間隙に、シム10(図1参照)を適宜介装して各間隙の間隔を調整することによってガイド高さの調整を行うことができる。他の上フランジ部58b、58c、58d、58e、58fのガイド高さ、または下フランジ部59a、59b、59c、59d、59e、59fのガイド高さの調整も同様に行うことができる。
【0034】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、調整対象のガイド列におけるテープガイドの配列に応じて、テープガイド調整用窓が穿設されたマスクを用意しておけば、テープガイドの寸法、形状、配列数棟の異なるガイド列に対応して、柔軟にテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔を調整することができる。
【0035】
本発明のテープドライブにおいて、ヘッドの両側に配列されるテープガイドは、ヘッドの両側に少なくとも一対、好ましくは二対以上のテープガイドを配列される。このとき、各テープガイドのガイド高さを±2μm以内の精度で調整することが好ましい。また、例えば、図3に示すように、二対以上のテープガイドを配列して構成されるガイド列においては、ヘッド側に近い方のテープガイド31a、31bのガイド間隔W1が遠い方のテープガイド32a、32bのガイド間隔W2に比較して狭くなっていることが好ましい。このとき、ヘッドから遠い方のテープガイド32a、32bのガイド間隔は走行するテープ幅よりも50μm以上広くなっていることが好ましい。さらに、ガイド列をテープドライブの基盤に取付け時の精度は±10μm以下の精度で充分なようなガイド幅と高さの精度にすることが望ましい。
【0036】
また、本発明において、テープ走行方向に沿ってヘッドの両側に配列される、少なくとも一対のテープガイドで構成されるガイド列において、ヘッドに最も近いテープガイドのガイド間隔がヘッドに遠い方のテープガイドのガイド間隔よりも狭い構成になっていることが好ましい。実際に、テープ幅:12.65mm±5μm(12.645〜12.655)のテープを走行させるテープドライブにおいて、例えば、図4に示すように、ヘッドの両側に三対のテープガイドを配列した構成のガイド列における各テープガイド41a,41b,42a,42b,43a,43bのガイド間隔Wa、Wb、Wcは、テープ幅に対して、下記(a)、(b)、(c)のように、ヘッドに最も近い側に配列される一対のテープガイドのガイド間隔W に対して、その外側のヘッドから遠い側のテープガイドのガイド間隔W の方が広くなった構成になっていることが好ましい。
(a)Wa:12.65mm±2μm
(b)Wb:12.66mm±2μm
(c)Wc:12.67mm±2μm
【0037】
本発明のテープドライブは、テープを記録媒体として用いて、磁気、光等により情報信号の記録および/または再生を行う記録・再生装置に適用して、テープ走行系におけるテープの幅方向の変動を高精度で規制することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明のテープドライブは、テープ走行系におけるテープの幅方向の変動を高精度で規制することができるため、更なる高密度記録のテープでのサーボ性能、エラー性能を確保できる。
【0039】
また、ヘッド部分でのテープの幅方向の変動を規制することにより、ヘッドアクチュエータの上下動が少なくでき、アクチュエータ上下動により発生したテープの変動を更に抑えることができ、巻き取り部分での巻き姿良化の効果も得られた。
【0040】
さらに、本発明のテープドライブは、ガイド高さを高精度に調整することによって、テープの形状にかかわらず、ヘッド近傍でのテープの幅方向の動きを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガイド列の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るガイド列を取り付けたテープドライブを示す斜視図である。
【図3】ガイド列におけるテープガイドの配列を説明する図である。
【図4】ガイド列におけるテープガイドのガイド高さとガイド間隔の調整方法の一例を説明する概念図である。
【図5】テ−プガイドのガイド高さとガイド間隔の調整方法の他の例に用いる装置を説明する分解斜視図である。
【図6】図5に示す装置によってテープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整する方法を説明する図である。
【図7】図6に示すテープガイド調整用窓の透過光量によりテープガイドのガイド高さの調整方法を説明する拡大模式図であり、(a)は(b)よりも透過光量が小である場合を示す。
【図8】図5に示す装置におけるガイド列収容部にマスクを嵌装する方法を説明する模式図である。
【図9】テープドライブの一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ガイド列
2 底板
3 天板
4 側板
5,6 テープガイド
5a,6a 下フランジ部
5b,6b 上フランジ部
5c,6c 上エッジ規制面
5d,6d 下エッジ規制面
7 取り付け溝
8 下挿通口
9 上挿通口
22 基盤
H ガイド高さ
W ガイド間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープガイドのガイド高さとガイド間隔が精密に調整されたガイド列を備えるテープドライブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、テープを記録媒体として用いて、情報信号の記録および/または再生を行う記録・再生装置が知られている。この記録・再生装置においては、テープ走行系の途中に配置されたヘッドによって、テープに記録された情報信号を読み取り、またはテープに情報信号を書き込むことが行われる。
【0003】
ところで、近年、記録媒体は、益々高密度記録化する傾向にある。この記録媒体の高密度記録化に伴い、記録・再生装置においては、ヘッド近傍におけるテープ走行方向の変動が、テープ走行時のサーボ特性や読み取り・書き込みエラー特性に大きな影響を及ぼすようになってきた。例えば、図9に示すように、ヘッド91に摺接して情報信号の読み取りおよび書き込みが行われるテープ92は、テープ92の幅方向(矢印Aで示す方向)に変動すると、ヘッド91による情報信号の読み取りまたは書き込みエラーが発生する原因となる。また、ヘッドがテープに記録されているサーボ信号を利用してテープのトラッキングを制御するテープ走行系においては、ヘッド周辺のテープの幅方向の変動によってサーボ特性が大きな影響を受ける。そこで、ヘッド91周辺でのテープの幅方向の変動を抑制するために、テープ走行路の途中に設けたテープガイド93a,93bによってテープ92の走行方向を規制することが重要となってきた(特許文献1)。特に、テープ走行方向に沿ってヘッドの両側に配置されるテープガイドは、そのガイド高さとガイド間隔を高精度で精密に調整することが求められる。そして、近年の高密度記録化の進行に伴い、テープガイドは、ガイド高さのバラツキを±2μm以下に調整することが求められる。
【0004】
従来、テープガイドのガイド高さを調整する方法として、テープガイドのフランジ面にダイヤルゲージの触針を当接して基準面からの高さを測定しながら、テープガイドの基部に高さ調整用のシムを介装してガイド高さを調整する方法、テープに予め記録された基準信号を読出し、検出された信号波形に基づいてテープガイドのガイド高さを調整する方法(特許文献2)等が実用または提案されている。
【0005】
しかし、従来の触針によってガイド高さを調整する方法では、ガイド高さを±5μmの精度で調整するが限度であり、±2μmの精度でガイド高さを揃えることは、困難であった。また、信号波形に基づいてガイド高さを調整する方法は、間接的な情報に基づいてガイド高さを調整するため、ヘッドによるテープからの信号の読み取り状態、信号を記録したテープと読出しヘッドの接触状態等のテープガイド以外の他の要因によってガイド高さの調整精度が左右される等の問題があった。さらに、ガイド高さを調整する作業は、煩雑で熟練を要する作業である。そのため、ガイド高さの調整においては、作業者の習熟度や体調等によって、調整速度や調整精度が変化してしまうため、テープドライブを搭載する記録・再生装置の品質の均一化や作業工数の予見が困難となっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−144217号公報(段落番号0006、0009等)
【特許文献2】
特開平5−234195号公報(請求項1等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、テープガイドのガイド高さおよびガイド間隔が予め高精度に調整されたガイド列を組み込むことによって、走行テープの幅方向の変動を規制して、高密度記録されたテープからの情報信号の読み取り・書き込みに際して、良好なサーボ性能、低エラー性能を確保できる、テープドライブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ヘッドのテープ走行方向に沿った両側に、少なくとも一対のテープガイドを配列して構成されるガイド列を備えるテープドライブであって、前記ガイド列は、前記テープドライブの基盤に取り付け自在に構成され、前記少なくとも一対のテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔が、前記基盤にガイド列を取り付ける前に予め調整可能に構成されていることを特徴とするテープドライブを発明の構成とする。
【0009】
本発明において、「ガイド高さ」とは、走行するテープの両端エッジを規制するためにテープガイドの上下に対向して設けられる上フランジと下フランジの間の中心の基準面からの高さをいう。ここで、基準面とは、ガイド列を取り付けるテープドライブの基盤面をいう。また、テープガイドの「ガイド間隔」とは、前記上フランジと下フランジとの間の間隔をいう(図1、図3等参照)。
【0010】
この請求項1に記載のテープドライブでは、ガイド列をテープドライブに取り付ける前に、テープガイドの高さとガイド間隔を予め調整することによって、所期の精度でガイド高さおよびガイド間隔が調整されたテープガイドをテープ走行路に配列することができる。そして、そのテープガイドによって、ヘッド周辺のテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のテープドライブにおいて、前記ガイド列は、前記ヘッドに最も近い位置に配列されるテープガイドのガイド高さを±2μmの精度で調整可能であることを特徴とする。
【0012】
このテープドライブでは、ガイド列をテープドライブに取り付ける前に、テープガイドの高さとガイド間隔を予め調整することによって、ヘッドに最も近い位置に配列されるテープガイドのガイド高さを±2μmの精度で調整することができる。これによって、テープガイドによって、ヘッド周辺のテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のテープドライブにおいて、前記ガイド列が、前記ヘッドのテープ走行方向に沿った両側に、少なくとも二対のテープガイドを配列して構成され、前記ヘッドに近い側に配置されたテープガイドが、前記ヘッドから遠い側に配置されたテープガイドよりもガイド間隔が狭く構成されていることを特徴とする。
【0014】
このテープドライブでは、ヘッドに近い側に配置された内側のテープガイドが、前記ヘッドから遠い側に配置された外側のテープガイドよりもガイド間隔が狭く構成されていることによって、外側のテープガイドによってテープ走行方向の変動が規制された後、さらに内側のテープガイドによってテープ走行方向の変動が規制されるため、ヘッド周辺におけるテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0015】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載のテープドライブにおいて、前記ガイド列は、前記ヘッドから最も遠い側のテープガイドのガイド間隔が、テープの幅よりも50μm以上広く構成されていることを特徴とする。
【0016】
このテープドライブでは、ヘッドから最も遠い側のテープガイドBのガイド間隔がテープの幅よりも50μm以上広く構成されていることによって、ヘッドから最も遠い側のテープガイドからヘッドに近い側のテープガイドにわたって、順を追ってより狭いガイド間隔のテープガイドによってテープの幅方向の動きが規制される。そして、ヘッド周辺におけるテープ走行方向の変動を高精度で規制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のテープドライブの実施形態に係るガイド列の構造例を示す斜視図である。
図1に示すガイド列1は、底板2と、天板3と、側板4と、テープガイド5,6とから構成される。
【0019】
底板2は、ガイド列1の下部を構成する部材である。この底板2の上面に植設された回転軸(図示せず)には、テープガイド5,6が回転可能に支持されている。この底板2の下面2aには、ガイド列1をテープドライブの基盤22(図2参照)に取り付ける際に、その基盤22上に突設された突条部23(図2参照)と嵌合される取り付け溝7が設けられている。また、底板2の中央には、ヘッドの下挿通口8が穿設されている。
【0020】
天板3は、ガイド列1の上部を構成する部材である。この天板3の下面には、テープガイド5,6の上フランジ部5b、6bが取り付けられる。また、天板3の中央には、前記底板2の挿通口8に対応してヘッドの上挿通口9が穿設されている。
側板4は、底板2と天板3の一端を連結し、ガイド列1の側部を構成する部材である。
【0021】
テープガイド5とテープガイド6は、ヘッドが挿通する下挿通口8および上挿通口9を挟んで一対に構成され、それぞれ底板2と天板3の間に架設されている。このテープガイド5,6は、上フランジ部5a,6aと、下フランジ部5b,6bとを備える。このテープガイド5,6において、上フランジ部5a,6aの下面は、テープの上エッジを規制する上エッジ規制面5c,6cを構成し、下フランジ部5b,6bの上面は、テープの下エッジを規制する下エッジ規制面5d,6dを構成する。
【0022】
このテープガイド5,6において、上エッジ規制面5c(6c)と下エッジ規制面5d(6d)の中心の基盤22(図2参照)からの高さH(図2参照)が、テープガイド5(6)のガイド高さであり、上エッジ規制面5c(6c)と下エッジ規制面5d(6d)の間の間隔Wが、テープガイド5(6)のガイド間隔である。
【0023】
このガイド高さHとガイド間隔Wの調整は、上フランジ部5a,6aと天板3の間隙、および下フランジ部5b,6bと底板2の間隙を調整することによって行うことができる。例えば、上フランジ部5a,6aと天板3の間隙、または下フランジ部5b,6bと底板2の間隙にシム10を適宜介装して各間隙の間隔を調整することによってガイド高さおよびガイド間隔を調整することができる。このとき、底板2の厚さtを考慮して、上エッジ規制面5c(6c)の底板2の上面からの高さh1、または下エッジ規制面5d(6d)の底板2の上面からの高さh2を調整すれば、基盤22(図2参照)からのガイド高さHを調整することができる。すなわち、底板2の厚さをtとすると、H=t+h1−W/2またはH=t+h2+W/2であるから、この関係に基づいて高さh1またはh2を調整すれば、ガイド高さHを調整することができる。
【0024】
このガイド列1は、予めテープガイド5、6のガイド高さとガイド間隔が調整された後、図2に示すとおり、テープドライブ21の基盤22に取り付けられる。ガイド列1は、底板2の下部に穿設された取り付け溝7に、基盤22上に突設された突条部23が嵌装されることにより、テープドライブに取り付け自在に装着される。このとき、挿通口8および挿通口9にヘッド24が挿通される。
【0025】
このように、テープドライブ21に、予めガイド間の高さを調整したガイド列を取り付けることにより、ヘッド近傍でのテープ走行方向の規制を精度良く実施できる。このとき、ガイド列1は、取り付け溝7によってテープドライブ21に取り付け自在に構成されるため、必要に応じて、ガイド列を取り外してガイド高さとガイド間隔を調整することができる。また、予めガイド高さとガイド間隔を調整したガイド列を用意しておけば、テープドライブの使用によりガイド高さおよびガイド間隔が狂ってしまったときに、容易にガイド高さとガイド間隔を正確に調整したガイド列と交換することができる。しかも、複数対のテープガイドを配列して構成されるガイド列は、ヘッド等の他の部材とは独立して別個にガイド高さとガイド間隔を調整することができるため、組み立て時に他の部材から受ける影響を排除して調整作業を行うことができる。そして、テープドライブを搭載する記録・再生装置の品質の均一化や作業工数の予見に有効である。
【0026】
本発明において、ガイド列を構成するテープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整する方法は、特に制限されず、所望の精度で、テープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整することができる方法であれば、いずれの方法であってもよい。例えば、下記の2つの方法によって、少なくとも一対のテープガイドを配列して構成されるガイド列における各テープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整することができる。
【0027】
(1)図4に示すとおり、顕微鏡を用いて、テープガイド41a,41b,42a,42b,43a,43bを400倍程度の倍率で拡大観察し、同時に、その顕微鏡視野内に配置した基準スケール44と比較対照して、ガイド高さおよびガイド間隔を調整する方法。
(2)図5に示す装置を用いて、ガイド列51の背後から光を照射し、ガイド列51の前部に配置したマスク52を透過する光により各テープガイドのガイド高さおよびガイド間隔を測定して調整する方法。
【0028】
この(2)の装置は、光源53を収納する光源部54と、ガイド列51を収容して光源部54の上部に嵌装されるガイド列収容部55と、ガイド列収容部55の上部に嵌装されるマスク52とから構成される。なお、この装置によってテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔を調整する場合には、ガイド列51の側板は、光を透過する、または少なくともテープガイドに光が通る開口を有する構造のものである。例えば、図1に示すガイド列1では、側板4が透明であればよい。
【0029】
光源部54は、光源53を収納し、上部に光源53から照射する光が通る開放部57を有する。この光源54に収納された光源53から照射される光は、開放部57を通って、ガイド列収容部55に収容されたガイド列51に照射される。なお、光源53は、白色光、レーザ光等のいずれの光を照射するものでもよく、特に制限されない。
【0030】
ガイド列収容部55は、上下に開口を有し、内側にガイド列51を収容して、光源部54の上部に嵌装されものである。このガイド列収容部55の上縁の四隅には、マスク52の位置決め溝56aと嵌合する突片55aが突設されている。
【0031】
マスク52は、図6に示すように、ガイド列51に配列されたテープガイド57(57a、57b、57c、57d、57e、57f)の上フランジ部58(58a、58b、58c、58d、58e、58f)、および下フランジ部59(59a、59b、59c、59d、59e、59f)のそれぞれに対応した位置に、テープガイド調整用窓60(60a、60b、60c、60d、60e、60f)が穿設されている。このとき、テープガイド調整用窓60とガイド列51のテープガイド57の位置関係は、光源53から照射される光の一部が各テープガイド57により遮光されることによって、テープガイド調整用窓60を透過する光量が、各テープガイド57のガイド高さと比例するように予め調整されている。すなわち、テープガイド調整用窓60とガイド列51のテープガイド57の位置関係は、光源53から照射される光の一部が各テープガイド57により遮光されることによって、テープガイド調整用窓60を透過する光量が、各テープガイド57のガイド高さと比例するように予め調整されている。また、マスク52の四隅には、ガイド列収容部55の突片55aと対応する位置に、位置決め溝56aが穿設される。そして、図8に示すように、この位置決め溝56aにガイド列収容部55の突片55aが嵌合することによって、マスク52のテープガイド調整用窓60が所定の位置に配置されるようになっている。
【0032】
この図5に示す装置において、ガイド列51のテープガイド57のガイド高さは、以下のようにして調整することができる。
まず、光源部54の上部に、ガイド列51を内側に収容したガイド列収容部55を嵌装した後、さらに、ガイド列収容部55の突片55aをマスク52の位置決め溝56aに嵌合して、マスク52がガイド列収容部55に嵌装される。ここで、テープガイド57の作製時に、上フランジ58と下フランジ59の間の間隔(ガイド間隔)を所定の精度で成形することにより、テープガイド57のガイド間隔を予め調整しておくことができる。また、上フランジ58および下フランジ59をテープガイド51の軸本体に沿って可動にすれば、ガイド列51にテープガイド57を組み込む前、あるいはテープガイド57をガイド列51に組み込んだ後に、上フランジ58または下フランジ59を軸本体に沿って動かしてガイド間隔を調整することもできる。
【0033】
次に、光源53からガイド列51の背後から照射される光は、その一部がガイド列51を構成するテープガイド57によって遮光される。このとき、図6に示すように、マスク52のテープガイド調整用窓60(60a、60b、60c、60d、60e、60f、60g、60h、60i、60j、60k、60l)からは、それぞれテープガイド57a、57b、57c、57d、57e、57fの上フランジ部58a、58b、58c、58d、58e、58f、および下フランジ部59a、59b、59c、59d、59e、59fによって遮光されなかった光が、透過光として観測される。そして、このテープガイド調整用窓60における透過光の光量に応じて、テープガイド57のガイド高さを調整することができる。例えば、テープガイド57aの上フランジ58aを例に取ると、図7(a)および図7(b)に示すとおり、テープガイド調整用窓60aにおける透過光量L1、L2に差が生じる。すなわち、L1<L2であれば、図7(a)に示す場合の方が、ガイド高さh1が高いことになる。このように、テープガイド調整用窓60における透過光量によって、ガイド高さを検出することができる。そして、下フランジ部59aと、底板2との間隙に、シム10(図1参照)を適宜介装して各間隙の間隔を調整することによってガイド高さの調整を行うことができる。他の上フランジ部58b、58c、58d、58e、58fのガイド高さ、または下フランジ部59a、59b、59c、59d、59e、59fのガイド高さの調整も同様に行うことができる。
【0034】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されず、調整対象のガイド列におけるテープガイドの配列に応じて、テープガイド調整用窓が穿設されたマスクを用意しておけば、テープガイドの寸法、形状、配列数棟の異なるガイド列に対応して、柔軟にテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔を調整することができる。
【0035】
本発明のテープドライブにおいて、ヘッドの両側に配列されるテープガイドは、ヘッドの両側に少なくとも一対、好ましくは二対以上のテープガイドを配列される。このとき、各テープガイドのガイド高さを±2μm以内の精度で調整することが好ましい。また、例えば、図3に示すように、二対以上のテープガイドを配列して構成されるガイド列においては、ヘッド側に近い方のテープガイド31a、31bのガイド間隔W1が遠い方のテープガイド32a、32bのガイド間隔W2に比較して狭くなっていることが好ましい。このとき、ヘッドから遠い方のテープガイド32a、32bのガイド間隔は走行するテープ幅よりも50μm以上広くなっていることが好ましい。さらに、ガイド列をテープドライブの基盤に取付け時の精度は±10μm以下の精度で充分なようなガイド幅と高さの精度にすることが望ましい。
【0036】
また、本発明において、テープ走行方向に沿ってヘッドの両側に配列される、少なくとも一対のテープガイドで構成されるガイド列において、ヘッドに最も近いテープガイドのガイド間隔がヘッドに遠い方のテープガイドのガイド間隔よりも狭い構成になっていることが好ましい。実際に、テープ幅:12.65mm±5μm(12.645〜12.655)のテープを走行させるテープドライブにおいて、例えば、図4に示すように、ヘッドの両側に三対のテープガイドを配列した構成のガイド列における各テープガイド41a,41b,42a,42b,43a,43bのガイド間隔Wa、Wb、Wcは、テープ幅に対して、下記(a)、(b)、(c)のように、ヘッドに最も近い側に配列される一対のテープガイドのガイド間隔W に対して、その外側のヘッドから遠い側のテープガイドのガイド間隔W の方が広くなった構成になっていることが好ましい。
(a)Wa:12.65mm±2μm
(b)Wb:12.66mm±2μm
(c)Wc:12.67mm±2μm
【0037】
本発明のテープドライブは、テープを記録媒体として用いて、磁気、光等により情報信号の記録および/または再生を行う記録・再生装置に適用して、テープ走行系におけるテープの幅方向の変動を高精度で規制することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明のテープドライブは、テープ走行系におけるテープの幅方向の変動を高精度で規制することができるため、更なる高密度記録のテープでのサーボ性能、エラー性能を確保できる。
【0039】
また、ヘッド部分でのテープの幅方向の変動を規制することにより、ヘッドアクチュエータの上下動が少なくでき、アクチュエータ上下動により発生したテープの変動を更に抑えることができ、巻き取り部分での巻き姿良化の効果も得られた。
【0040】
さらに、本発明のテープドライブは、ガイド高さを高精度に調整することによって、テープの形状にかかわらず、ヘッド近傍でのテープの幅方向の動きを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガイド列の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るガイド列を取り付けたテープドライブを示す斜視図である。
【図3】ガイド列におけるテープガイドの配列を説明する図である。
【図4】ガイド列におけるテープガイドのガイド高さとガイド間隔の調整方法の一例を説明する概念図である。
【図5】テ−プガイドのガイド高さとガイド間隔の調整方法の他の例に用いる装置を説明する分解斜視図である。
【図6】図5に示す装置によってテープガイドのガイド高さとガイド間隔を調整する方法を説明する図である。
【図7】図6に示すテープガイド調整用窓の透過光量によりテープガイドのガイド高さの調整方法を説明する拡大模式図であり、(a)は(b)よりも透過光量が小である場合を示す。
【図8】図5に示す装置におけるガイド列収容部にマスクを嵌装する方法を説明する模式図である。
【図9】テープドライブの一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ガイド列
2 底板
3 天板
4 側板
5,6 テープガイド
5a,6a 下フランジ部
5b,6b 上フランジ部
5c,6c 上エッジ規制面
5d,6d 下エッジ規制面
7 取り付け溝
8 下挿通口
9 上挿通口
22 基盤
H ガイド高さ
W ガイド間隔
Claims (4)
- テープ走行方向に沿ってヘッドの両側に、少なくとも一対のテープガイドを配列して構成されるガイド列を備えるテープドライブであって、
前記ガイド列は、前記テープドライブの基盤に取り付け自在に構成され、
前記少なくとも一対のテープガイドのガイド高さおよびガイド間隔が、前記基盤にガイド列を取り付ける前に予め調整可能に構成されていることを特徴とするテープドライブ。 - 前記ガイド列は、前記ヘッドに最も近い位置に配列されるテープガイドのガイド高さを±2μmの精度で調整可能であることを特徴とする請求項1に記載のテープドライブ。
- 前記ガイド列が、前記ヘッドのテープ走行方向に沿った両側に、少なくとも二対のテープガイドを配列して構成され、
前記ヘッドに近い側に配置されたテープガイドが、前記ヘッドから遠い側に配置されたテープガイドよりもガイド間隔が狭く構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のテープドライブ。 - 前記ガイド列は、前記ヘッドから最も遠い側のテープガイドのガイド間隔が、テープの幅よりも50μm以上広く構成されていることを特徴とする請求項3に記載のテープドライブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141527A JP2004348784A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | テープドライブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141527A JP2004348784A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | テープドライブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004348784A true JP2004348784A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33529862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003141527A Pending JP2004348784A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | テープドライブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004348784A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006196065A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Fuji Photo Film Co Ltd | サーボライタ |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003141527A patent/JP2004348784A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006196065A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Fuji Photo Film Co Ltd | サーボライタ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4383620B2 (ja) | 磁気記憶媒体の時間軸サーボ | |
US7199957B2 (en) | Write head alignment for full amplitude time-based servo | |
US7289289B2 (en) | Recording servo stripes onto a servo track | |
US20060126207A1 (en) | Dual mode servo pattern | |
US8064162B2 (en) | Magnetic head and disk drive provided with the same | |
US20030099057A1 (en) | Hybrid servopositioning systems | |
US11699460B2 (en) | Perpendicular magnetic recording (PMR) writer with recessed leading shield | |
US7880999B2 (en) | Magnetic storage system with read during write | |
JP2006048915A (ja) | データ記憶テープガイドシステムのガイド構成 | |
US8432635B2 (en) | Servo write head gap width correction | |
JP2004348784A (ja) | テープドライブ | |
US3827083A (en) | Magnetic head wherein an erasing head is perpendicular to a record-reproduce gap | |
US5798892A (en) | Magnetic tape apparatus having means for aligning magnetic tape to magnetic head and method thereof | |
US20090290254A1 (en) | Controlling device, magnetic storage medium, storage device, and method for determining offset amount | |
US7204446B2 (en) | Data storage tape guiding systems using tapered guides | |
US8164856B2 (en) | Magnetic tape apparatus | |
US7082006B1 (en) | Compact optical tracking system for magnetic tape | |
US8023214B2 (en) | Rework method and apparatus of magnetic record medium, information | |
US8282843B2 (en) | Method for manufacturing perpendicular magnetic head including a main pole surrounded by shield layers | |
KR0120853Y1 (ko) | 테이프 플레이어 | |
JP3337292B2 (ja) | マルチビーム記録再生装置 | |
JPH0351769Y2 (ja) | ||
JP4593431B2 (ja) | 記録テープカートリッジ | |
JP2006179046A (ja) | 磁気ヘッドおよびヘッドアセンブリ | |
JP2005093021A (ja) | テープドライブ |