JP2004346408A - 優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液相に対応した液相凝固領域における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を極力減少させ,また偏析の発生を防止した,優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物を提供する。
【解決手段】Al−Si系合金鋳物は,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させたものである。Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなる。固相に対応した固相凝固領域SS の体積分率Vfは30%≦Vf≦60%であり,液相に対応した液相凝固領域SL のFe含有量はFe≦0.2wt%である。
【選択図】 図1
【解決手段】Al−Si系合金鋳物は,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させたものである。Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなる。固相に対応した固相凝固領域SS の体積分率Vfは30%≦Vf≦60%であり,液相に対応した液相凝固領域SL のFe含有量はFe≦0.2wt%である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物,特に,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させた鋳物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は,先に,この種の鋳物として,Fe含有量が0.2wt%程度のAl−Si系合金材料を用い,チクソキャスティングの適用下で製造されたものを提案した(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−316709号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記Al−Si系合金材料を用いてチクソキャスティングを行うと,空孔部等の欠陥の無い鋳物を得ることができるのであるが,液相に対応した凝固領域について考察を加えた結果,次のような問題のあることが判明した。
【0005】
即ち,Al−Si系合金材料全体が融液状態にあるときはFe濃度は0.2wt%程度であるが,固相と液相とが共存した状態,つまり,固液共存状態にあるときには固相がAlより構成されていることから液相中のFe濃度はAl濃度の低下に応じて上昇することになる。そして,液相に対応した液相凝固領域のFe濃度が高くなる結果として,その部分には多数の針状Al−Fe−Si系金属間化合物が晶出するため,鋳物における靱性の低下,応力腐食割れの発生等を招いた。このように多数の針状Al−Fe−Si系金属間化合物を含む金属組織は熱処理によっても改善されない。一方,固相に対応した固相凝固領域の体積分率Vfが低く過ぎると,これは液相が過多であったことから鋳物に偏析が発生してその靱性の低下を招来した。これらの問題はレオキャスティングについても当然に発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は,チクソキャスティングまたはレオキャスティングの適用下で得られたものであって,液相に対応した液相凝固領域における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を極力減少させ,また偏析の発生を防止した前記Al−Si系合金鋳物を提供することを目的とする。
【0007】
前記目的を達成するため本発明によれば,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させた鋳物であって,前記Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなり,前記固相に対応した固相凝固領域の体積分率Vfが30%≦Vf≦60%であり,前記液相に対応した液相凝固領域のFe含有量がFe≦0.2wt%であるAl−Si系合金鋳物が提供される。
【0008】
前記鋳物において,固相凝固領域の体積分率Vfを前記のように設定すると,偏析の発生を防止することができ,また液相凝固領域のFe含有量を前記のように設定すると,その液相凝固領域における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を大いに減少することができるもので,これによりAl−Si系合金鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性を大いに向上させることが可能である。この鋳物は,例えば自動車用サスペンション部品として好適である。
【0009】
ただし,固相凝固領域の体積分率VfがVf>60%では,液相凝固領域のFe含有量がFe>0.2wt%となるため鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性が低下する。一方,Vf<30%では液相凝固領域のFe含有量はFe≦0.2wt%となるが,液相が過多であったことから鋳物に偏析が生じる。
【0010】
各化学成分の添加理由および含有量限定理由は次の通りである。
【0011】
Siは,共晶(Al+Si)を形成し,また湯流れ性を良好にするために添加される。さらにSiは,鋳物の強度向上元素として機能する。ただし,Si含有量がSi<5.5wt%では共晶を形成する液相が少なすぎるため,Al−Si系合金材料の流動が不均一となって鋳物に未充填箇所が生じ易くなる。一方,Si>8.0wt%では共晶を形成する液相が多すぎるため鋳物に偏析が生じて,その靱性が低下する。
【0012】
Feは不純物であって,鋳物の耐応力腐食割れ性を改善すべく,その含有量は前記のように設定される。Fe含有量がFe≧0.1wt%では鋳物の耐食性が低下し,またその耐応力腐食割れ性も低下する。
【0013】
Mgは,鋳物において,耐力と靱性を両立させるために添加調整される。ただし,Mg含有量がMg<0.4wt%では鋳物の耐力向上が不十分であり,一方,Mg>0.5wt%では鋳物の耐力は向上するが靱性が低下する。
【0014】
Tiは,鋳物の金属組織を微細化してその靱性を向上させるために添加される。ただし,Ti含有量をTi≧0.2wt%に設定しても効果は変わらない。なお,Tiの過剰添加は金属間化合物の生成を促して鋳物の靱性低下を招来する。
【0015】
本発明によれば,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなり,且つ固相と液相とが共存した固液共存状態を有すると共に固相率Sが30%≦S≦60%であるAl−Si系合金材料を調製し,次いで前記Al−Si系合金材料を鋳型に注入して冷却し,前記固液共存状態に対応した凝固組織を得るAl−Si系合金鋳物の製造方法が提供される。
【0016】
前記のような手段を採用すると,前記構成の鋳物を容易に量産することができる。
【0017】
ただし,固相率SがS>60%では,液相凝固領域のFe含有量がFe>0.2wt%となるため鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性が低下する。一方,S<30%では液相凝固領域のFe含有量はFe≦0.2wt%となるが,液相が過多であったことから鋳物に偏析が生じる。
【0018】
各化学成分の添加理由および含有量限定理由は前記の場合と同じである。
【0019】
【発明の実施の形態】
Al−Si系合金鋳物は,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させたものであり,図1に示すように,複数の島状をなす,固相に対応した固相凝固領域SS と,それらの間を埋める,液相に対応した液相凝固領域SL とを有する。Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなる。固相凝固領域SS の体積分率Vfは30%≦Vf≦60%であり,また液相凝固領域SL のFe含有量はFe≦0.2wt%である。
【0020】
前記鋳物において,固相凝固領域SS の体積分率Vfを前記のように設定すると,偏析の発生を防止することができ,また液相凝固領域SL のFe含有量を前記のように設定すると,その液相凝固領域SL における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を大いに減少することができるもので,これによりAl−Si系合金鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性を大いに向上させることが可能である。
【0021】
〔例−1〕
表1はAl−Si系合金材料の例a,bに関する組成を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1において,Cuは不純物であって,鋳物の応力腐食割れを防止すべく,その含有量はCu<0.2wt%に設定される。Cu含有量がCu≧0.2wt%では鋳物の耐食性が低下し,また鋳物の応力腐食割れを惹起し易くなる。Mnは不純物であって,鋳物の靱性低下を抑制すべく,その含有量はMn<0.1wt%に設定される。Znは不純物であって,鋳物の靱性および耐食性の低下を抑制すべく,その含有量はZn<0.1wt%に設定される。
【0024】
表1の例aを用いて,固相と液相とが共存した固液共存状態を有し,且つ固相率Sが11%≦S≦95%であるAl−Si系合金材料を調製し,次いでそのAl−Si系合金材料を鋳型としての金型に注入して冷却し,前記固液共存状態に対応した凝固組織を有するAl−Si系合金鋳物の例1〜13を得た。
【0025】
例1〜13について,固相凝固領域SS の体積分率Vfおよび液相凝固領域SL のFe含有量を測定した。体積分率Vfの測定は,熱力学シュミレーションソフトと急冷による金属組織凍結法との整合によった。Fe含有量の測定は,熱力学シュミレーションソフトによる定量計算と実物金属組織観察とによった。
【0026】
次いで,例1〜13より,シャルピー衝撃試験用3号試験片を製作して,それらについて試験を行った。また耐応力腐食割れ性に関する試験を行うべく,図2に示すように,例1〜13より,帯板をほぼ円形をなすように折曲げて両端部を対向させたような形状を有する試験片1を製作した。その試験片1の対向部分間に形成された2つの貫通孔2にボルト3を通し,一方の貫通孔2から突出した雄ねじ部4にナット5をねじ込んで,例aの耐力の95%分を試験片1に付与した。そして,試験片1を98〜99℃のクロム酸試験液中に80時間浸漬し,その浸漬期間における割れの有無を目視により検査した。クロム酸試験液は,純水1L当り,36gのCrO3 と,30gのK2 Cr2 O7 と,3gのNaClとを含有する。
【0027】
表2は前記測定および試験結果を示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2から明らかなように,鋳物の例1〜13において,Al−Si系合金材料の固相率Sと固相凝固領域SS の体積分率Vfとは等しく,したがって鋳物の例1〜13において固液共存状態に対応した凝固組織が得られていることが判る。
【0030】
図3は,鋳物の例6の金属組織を示す顕微鏡写真の写図であって,本図より液相凝固領域SL に2個の針状Al−Fe−Si系金属間化合物IM が存在することが判る。一方,図4は,鋳物の例8の金属組織を示す顕微鏡写真の写図であって,本図より液相凝固領域SL に11個の針状Al−Fe−Si系金属間化合物IM が存在することが判る。
【0031】
図5の線A1 は,表2に基づいて固相凝固領域SS の体積分率Vfと液相凝固領域SL のFe含有量との関係をグラフ化したものである。表2,図5の線A1 から明らかなように,鋳物の例3〜8のごとく,固相凝固領域SS の体積分率Vfを30%≦Vf≦60%に設定すると,液相凝固領域SS のFe含有量をFe≦0.2wt%に抑制して針状Al−Fe−Si系金属間化合物IM の存在量を極力減少させ,靱性および耐応力腐食割れ性を向上させることができるものである。
【0032】
図6の線A2 は,表2に基づいて鋳込温度Tと液相凝固領域SL のFe含有量との関係をグラフ化したものである。表2,図6の線A2 から明らかなように,鋳物の例3〜8のごとく固相凝固領域SS の体積分率Vf,つまり固相率Sを30%≦S≦60%に規定すべく,鋳込温度Tは590℃≧T≧572.5℃に設定される。
【0033】
図5,6の線B1 ,B2 は,表1のAl−Si系合金材料の例b,つまりFe含有量が0.13wt%,したがってFe<0.1wt%ではないものを用いて,前記と同様の方法で複数の鋳物を製造し,それらについて,固相凝固領域SS の体積分率Vfと液相凝固領域SL のFe含有量との関係および鋳込温度と液相凝固領域SL のFe含有量との関係をそれぞれグラフ化したものである。この場合,液相凝固領域SL のFe含有量をFe≦0.2wt%にするためには,固相凝固領域SS の体積分率VfをVf<30wt%に設定しなければならないが,これは,表2の例2のごとく,応力腐食割れは生じないものの靱性の低下を招来する。
【0034】
〔例−II〕
表2の鋳物の例7と同様の複数の鋳物の例7a〜7dを用意し,それら例7a〜7dについて溶体化処理,それに次ぐ時効処理を行い,その後シャルピー衝撃値を測定した。加熱には,被処理物をアルミナ粉末により直接加熱する,市販の流動層を使用した。この流動層によれば被処理物を短時間で効率良く加熱することが可能であるから,Al−Fe−Si系金属間化合物の成長を抑制することができ,また加熱温度の幅を狭く管理し得るので,所定の高温から焼入れを行うことができ,これによりAl−Fe−Si系金属間化合物が小さく,且つ少ない場合にはそれを消失させることが可能である。シャルピー衝撃試験に当っては,前記同様に3号試験片を用いた。
【0035】
表3は,例7a〜7dに関する溶体化処理条件,時効処理条件およびシャルピー衝撃値を示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3の例7a〜7dと表2の例7とを比べると,溶体化処理および時効処理によって靱性が向上していることが判る。また例7a〜7dにおいては,加熱時間が長くなると靱性が低下する傾向にあることが判る。
【0038】
〔例−III 〕
表4は,Al−Si系合金材料に関する組成を示す。この材料においては,Mg含有量が0.25wt%≦Mg≦0.7wt%の範囲で変更されており,その他の化学成分およびそれらの含有量は表1の例aと同じである。
【0039】
【表4】
【0040】
前記範囲のMg含有量を有し,且つ固相率SがS=50%のAl−Si系合金材料を調製し,次いでその材料を金型に注入して鋳物を製造し,これを繰返して6種の鋳物を得た。各鋳物において,固相凝固領域SS の体積分率Vfは,固相率Sと同じであって,Vf=50%であり,また液相凝固領域SL のFe含有量はFe=0.17wt%であった。
【0041】
各鋳物から引張試験用13B号試験片を製作して,それらについて試験を行い,またシャルピー衝撃試験用3号試験片を製作して,それらについて試験を行った。
【0042】
図7は,前記試験結果において,Mg含有量と,耐力およびシャルピー衝撃値との関係を示す。図7から明らかなように,Mg含有量を0.4wt%≦Mg≦0.5wt%に設定すると,鋳物の耐力を245〜271MPaに,またシャルピー衝撃値を8〜9J/cm2 にして,耐力と靱性を両立させることができる。また図8から明らかなように,Mg含有量を0.4wt%≦Mg≦0.5wt%に設定すると,鋳物の引張強さを316〜332MPaにし,また伸びを10〜14%にすることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば,前記のように構成することによって,靱性および耐応力腐食割れ性を大いに向上させたAl−Si系合金鋳物を提供することができる。
【0044】
本発明によれば,前記のような手段を採用することによって,前記構成のAl−Si系合金鋳物を量産することが可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属組織の説明図である。
【図2】応力腐食割れ試験の説明図である。
【図3】金属組織の一例を示す顕微鏡写真の写図である。
【図4】金属組織の他例を示す顕微鏡写真の写図である。
【図5】固相凝固領域の体積分率Vfと液相凝固領域のFe含有量との関係を示すグラフである。
【図6】鋳込温度Tと液相凝固領域のFe含有量との関係を示すグラフである。
【図7】Mg含有量と,耐力およびシャルピー衝撃値との関係を示すグラフである。
【図8】Mg含有量と,引張強さおよび伸びとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
SS ……固相凝固領域
SL ……液相凝固領域
【発明の属する技術分野】
本発明は,優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物,特に,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させた鋳物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は,先に,この種の鋳物として,Fe含有量が0.2wt%程度のAl−Si系合金材料を用い,チクソキャスティングの適用下で製造されたものを提案した(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−316709号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記Al−Si系合金材料を用いてチクソキャスティングを行うと,空孔部等の欠陥の無い鋳物を得ることができるのであるが,液相に対応した凝固領域について考察を加えた結果,次のような問題のあることが判明した。
【0005】
即ち,Al−Si系合金材料全体が融液状態にあるときはFe濃度は0.2wt%程度であるが,固相と液相とが共存した状態,つまり,固液共存状態にあるときには固相がAlより構成されていることから液相中のFe濃度はAl濃度の低下に応じて上昇することになる。そして,液相に対応した液相凝固領域のFe濃度が高くなる結果として,その部分には多数の針状Al−Fe−Si系金属間化合物が晶出するため,鋳物における靱性の低下,応力腐食割れの発生等を招いた。このように多数の針状Al−Fe−Si系金属間化合物を含む金属組織は熱処理によっても改善されない。一方,固相に対応した固相凝固領域の体積分率Vfが低く過ぎると,これは液相が過多であったことから鋳物に偏析が発生してその靱性の低下を招来した。これらの問題はレオキャスティングについても当然に発生する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は,チクソキャスティングまたはレオキャスティングの適用下で得られたものであって,液相に対応した液相凝固領域における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を極力減少させ,また偏析の発生を防止した前記Al−Si系合金鋳物を提供することを目的とする。
【0007】
前記目的を達成するため本発明によれば,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させた鋳物であって,前記Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなり,前記固相に対応した固相凝固領域の体積分率Vfが30%≦Vf≦60%であり,前記液相に対応した液相凝固領域のFe含有量がFe≦0.2wt%であるAl−Si系合金鋳物が提供される。
【0008】
前記鋳物において,固相凝固領域の体積分率Vfを前記のように設定すると,偏析の発生を防止することができ,また液相凝固領域のFe含有量を前記のように設定すると,その液相凝固領域における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を大いに減少することができるもので,これによりAl−Si系合金鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性を大いに向上させることが可能である。この鋳物は,例えば自動車用サスペンション部品として好適である。
【0009】
ただし,固相凝固領域の体積分率VfがVf>60%では,液相凝固領域のFe含有量がFe>0.2wt%となるため鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性が低下する。一方,Vf<30%では液相凝固領域のFe含有量はFe≦0.2wt%となるが,液相が過多であったことから鋳物に偏析が生じる。
【0010】
各化学成分の添加理由および含有量限定理由は次の通りである。
【0011】
Siは,共晶(Al+Si)を形成し,また湯流れ性を良好にするために添加される。さらにSiは,鋳物の強度向上元素として機能する。ただし,Si含有量がSi<5.5wt%では共晶を形成する液相が少なすぎるため,Al−Si系合金材料の流動が不均一となって鋳物に未充填箇所が生じ易くなる。一方,Si>8.0wt%では共晶を形成する液相が多すぎるため鋳物に偏析が生じて,その靱性が低下する。
【0012】
Feは不純物であって,鋳物の耐応力腐食割れ性を改善すべく,その含有量は前記のように設定される。Fe含有量がFe≧0.1wt%では鋳物の耐食性が低下し,またその耐応力腐食割れ性も低下する。
【0013】
Mgは,鋳物において,耐力と靱性を両立させるために添加調整される。ただし,Mg含有量がMg<0.4wt%では鋳物の耐力向上が不十分であり,一方,Mg>0.5wt%では鋳物の耐力は向上するが靱性が低下する。
【0014】
Tiは,鋳物の金属組織を微細化してその靱性を向上させるために添加される。ただし,Ti含有量をTi≧0.2wt%に設定しても効果は変わらない。なお,Tiの過剰添加は金属間化合物の生成を促して鋳物の靱性低下を招来する。
【0015】
本発明によれば,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなり,且つ固相と液相とが共存した固液共存状態を有すると共に固相率Sが30%≦S≦60%であるAl−Si系合金材料を調製し,次いで前記Al−Si系合金材料を鋳型に注入して冷却し,前記固液共存状態に対応した凝固組織を得るAl−Si系合金鋳物の製造方法が提供される。
【0016】
前記のような手段を採用すると,前記構成の鋳物を容易に量産することができる。
【0017】
ただし,固相率SがS>60%では,液相凝固領域のFe含有量がFe>0.2wt%となるため鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性が低下する。一方,S<30%では液相凝固領域のFe含有量はFe≦0.2wt%となるが,液相が過多であったことから鋳物に偏析が生じる。
【0018】
各化学成分の添加理由および含有量限定理由は前記の場合と同じである。
【0019】
【発明の実施の形態】
Al−Si系合金鋳物は,固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させたものであり,図1に示すように,複数の島状をなす,固相に対応した固相凝固領域SS と,それらの間を埋める,液相に対応した液相凝固領域SL とを有する。Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなる。固相凝固領域SS の体積分率Vfは30%≦Vf≦60%であり,また液相凝固領域SL のFe含有量はFe≦0.2wt%である。
【0020】
前記鋳物において,固相凝固領域SS の体積分率Vfを前記のように設定すると,偏析の発生を防止することができ,また液相凝固領域SL のFe含有量を前記のように設定すると,その液相凝固領域SL における針状Al−Fe−Si系金属間化合物の存在量を大いに減少することができるもので,これによりAl−Si系合金鋳物の靱性および耐応力腐食割れ性を大いに向上させることが可能である。
【0021】
〔例−1〕
表1はAl−Si系合金材料の例a,bに関する組成を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1において,Cuは不純物であって,鋳物の応力腐食割れを防止すべく,その含有量はCu<0.2wt%に設定される。Cu含有量がCu≧0.2wt%では鋳物の耐食性が低下し,また鋳物の応力腐食割れを惹起し易くなる。Mnは不純物であって,鋳物の靱性低下を抑制すべく,その含有量はMn<0.1wt%に設定される。Znは不純物であって,鋳物の靱性および耐食性の低下を抑制すべく,その含有量はZn<0.1wt%に設定される。
【0024】
表1の例aを用いて,固相と液相とが共存した固液共存状態を有し,且つ固相率Sが11%≦S≦95%であるAl−Si系合金材料を調製し,次いでそのAl−Si系合金材料を鋳型としての金型に注入して冷却し,前記固液共存状態に対応した凝固組織を有するAl−Si系合金鋳物の例1〜13を得た。
【0025】
例1〜13について,固相凝固領域SS の体積分率Vfおよび液相凝固領域SL のFe含有量を測定した。体積分率Vfの測定は,熱力学シュミレーションソフトと急冷による金属組織凍結法との整合によった。Fe含有量の測定は,熱力学シュミレーションソフトによる定量計算と実物金属組織観察とによった。
【0026】
次いで,例1〜13より,シャルピー衝撃試験用3号試験片を製作して,それらについて試験を行った。また耐応力腐食割れ性に関する試験を行うべく,図2に示すように,例1〜13より,帯板をほぼ円形をなすように折曲げて両端部を対向させたような形状を有する試験片1を製作した。その試験片1の対向部分間に形成された2つの貫通孔2にボルト3を通し,一方の貫通孔2から突出した雄ねじ部4にナット5をねじ込んで,例aの耐力の95%分を試験片1に付与した。そして,試験片1を98〜99℃のクロム酸試験液中に80時間浸漬し,その浸漬期間における割れの有無を目視により検査した。クロム酸試験液は,純水1L当り,36gのCrO3 と,30gのK2 Cr2 O7 と,3gのNaClとを含有する。
【0027】
表2は前記測定および試験結果を示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2から明らかなように,鋳物の例1〜13において,Al−Si系合金材料の固相率Sと固相凝固領域SS の体積分率Vfとは等しく,したがって鋳物の例1〜13において固液共存状態に対応した凝固組織が得られていることが判る。
【0030】
図3は,鋳物の例6の金属組織を示す顕微鏡写真の写図であって,本図より液相凝固領域SL に2個の針状Al−Fe−Si系金属間化合物IM が存在することが判る。一方,図4は,鋳物の例8の金属組織を示す顕微鏡写真の写図であって,本図より液相凝固領域SL に11個の針状Al−Fe−Si系金属間化合物IM が存在することが判る。
【0031】
図5の線A1 は,表2に基づいて固相凝固領域SS の体積分率Vfと液相凝固領域SL のFe含有量との関係をグラフ化したものである。表2,図5の線A1 から明らかなように,鋳物の例3〜8のごとく,固相凝固領域SS の体積分率Vfを30%≦Vf≦60%に設定すると,液相凝固領域SS のFe含有量をFe≦0.2wt%に抑制して針状Al−Fe−Si系金属間化合物IM の存在量を極力減少させ,靱性および耐応力腐食割れ性を向上させることができるものである。
【0032】
図6の線A2 は,表2に基づいて鋳込温度Tと液相凝固領域SL のFe含有量との関係をグラフ化したものである。表2,図6の線A2 から明らかなように,鋳物の例3〜8のごとく固相凝固領域SS の体積分率Vf,つまり固相率Sを30%≦S≦60%に規定すべく,鋳込温度Tは590℃≧T≧572.5℃に設定される。
【0033】
図5,6の線B1 ,B2 は,表1のAl−Si系合金材料の例b,つまりFe含有量が0.13wt%,したがってFe<0.1wt%ではないものを用いて,前記と同様の方法で複数の鋳物を製造し,それらについて,固相凝固領域SS の体積分率Vfと液相凝固領域SL のFe含有量との関係および鋳込温度と液相凝固領域SL のFe含有量との関係をそれぞれグラフ化したものである。この場合,液相凝固領域SL のFe含有量をFe≦0.2wt%にするためには,固相凝固領域SS の体積分率VfをVf<30wt%に設定しなければならないが,これは,表2の例2のごとく,応力腐食割れは生じないものの靱性の低下を招来する。
【0034】
〔例−II〕
表2の鋳物の例7と同様の複数の鋳物の例7a〜7dを用意し,それら例7a〜7dについて溶体化処理,それに次ぐ時効処理を行い,その後シャルピー衝撃値を測定した。加熱には,被処理物をアルミナ粉末により直接加熱する,市販の流動層を使用した。この流動層によれば被処理物を短時間で効率良く加熱することが可能であるから,Al−Fe−Si系金属間化合物の成長を抑制することができ,また加熱温度の幅を狭く管理し得るので,所定の高温から焼入れを行うことができ,これによりAl−Fe−Si系金属間化合物が小さく,且つ少ない場合にはそれを消失させることが可能である。シャルピー衝撃試験に当っては,前記同様に3号試験片を用いた。
【0035】
表3は,例7a〜7dに関する溶体化処理条件,時効処理条件およびシャルピー衝撃値を示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3の例7a〜7dと表2の例7とを比べると,溶体化処理および時効処理によって靱性が向上していることが判る。また例7a〜7dにおいては,加熱時間が長くなると靱性が低下する傾向にあることが判る。
【0038】
〔例−III 〕
表4は,Al−Si系合金材料に関する組成を示す。この材料においては,Mg含有量が0.25wt%≦Mg≦0.7wt%の範囲で変更されており,その他の化学成分およびそれらの含有量は表1の例aと同じである。
【0039】
【表4】
【0040】
前記範囲のMg含有量を有し,且つ固相率SがS=50%のAl−Si系合金材料を調製し,次いでその材料を金型に注入して鋳物を製造し,これを繰返して6種の鋳物を得た。各鋳物において,固相凝固領域SS の体積分率Vfは,固相率Sと同じであって,Vf=50%であり,また液相凝固領域SL のFe含有量はFe=0.17wt%であった。
【0041】
各鋳物から引張試験用13B号試験片を製作して,それらについて試験を行い,またシャルピー衝撃試験用3号試験片を製作して,それらについて試験を行った。
【0042】
図7は,前記試験結果において,Mg含有量と,耐力およびシャルピー衝撃値との関係を示す。図7から明らかなように,Mg含有量を0.4wt%≦Mg≦0.5wt%に設定すると,鋳物の耐力を245〜271MPaに,またシャルピー衝撃値を8〜9J/cm2 にして,耐力と靱性を両立させることができる。また図8から明らかなように,Mg含有量を0.4wt%≦Mg≦0.5wt%に設定すると,鋳物の引張強さを316〜332MPaにし,また伸びを10〜14%にすることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば,前記のように構成することによって,靱性および耐応力腐食割れ性を大いに向上させたAl−Si系合金鋳物を提供することができる。
【0044】
本発明によれば,前記のような手段を採用することによって,前記構成のAl−Si系合金鋳物を量産することが可能な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属組織の説明図である。
【図2】応力腐食割れ試験の説明図である。
【図3】金属組織の一例を示す顕微鏡写真の写図である。
【図4】金属組織の他例を示す顕微鏡写真の写図である。
【図5】固相凝固領域の体積分率Vfと液相凝固領域のFe含有量との関係を示すグラフである。
【図6】鋳込温度Tと液相凝固領域のFe含有量との関係を示すグラフである。
【図7】Mg含有量と,耐力およびシャルピー衝撃値との関係を示すグラフである。
【図8】Mg含有量と,引張強さおよび伸びとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
SS ……固相凝固領域
SL ……液相凝固領域
Claims (2)
- 固相と液相とが共存したAl−Si系合金材料を凝固させた鋳物であって,前記Al−Si系合金材料は,5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなり,前記固相に対応した固相凝固領域(SS )の体積分率Vfが30%≦Vf≦60%であり,前記液相に対応した液相凝固領域(SL )のFe含有量がFe≦0.2wt%であることを特徴とする優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物。
- 5.5wt%≦Si≦8.0wt%,Fe<0.1wt%,0.4wt%≦Mg≦0.5wt%,Ti<0.2wt%および残部Al(不可避不純物を含む)よりなり,且つ固相と液相とが共存した固液共存状態を有すると共に固相率Sが30%≦S≦60%であるAl−Si系合金材料を調製し,次いで前記Al−Si系合金材料を鋳型に注入して冷却し,前記固液共存状態に対応した凝固組織を得ることを特徴とする優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物の製造方法。
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JP2003147850A JP2004346408A (ja) | 2003-05-26 | 2003-05-26 | 優れた靱性と耐応力腐食割れ性を有するAl−Si系合金鋳物およびその製造方法 |
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CN101880784A (zh) * | 2010-07-20 | 2010-11-10 | 上海海事大学 | 一种生产铝硅合金的方法 |
-
2003
- 2003-05-26 JP JP2003147850A patent/JP2004346408A/ja active Pending
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