JP2004346027A - トリテルペン化合物、その製造方法及びそれを有効成分として含有する癌抑制剤 - Google Patents

トリテルペン化合物、その製造方法及びそれを有効成分として含有する癌抑制剤 Download PDF

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Abstract

【課題】腫瘍の縮小・撲滅及び成長の抑制に有効な医薬となり得るような殺癌細胞活性、及び、正常細胞に復帰することのできない潜在性細胞を既に保有する個体に対しても有効な発癌抑制手段となり得るような発癌プロモーション抑制活性の両癌抑制活性を有する化合物等を提供すること。
【解決手段】式(I)で示されるトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩、
Figure 2004346027

前記のトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩をマンサク科植物から抽出する工程を有することを特徴とするトリテルペン化合物の製造方法、前記のトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする癌抑制剤等が提供可能となった。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトリテルペン化合物、その製造方法及びそれを有効成分として含有する癌抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
診療及び治療法の開発等により、癌は昨今と比べるとずっと「治る病気」となりつつあるが高齢化社会の進行とともに癌の罹患者と死亡者は依然として増加している。日本癌学会の発表によると現在、死亡統計上3人に1人は癌によって死亡していると報告されている。癌の抑制については、罹患後の治療だけではなく、癌が発生する前にその発生を抑えようとする考え方、即ち癌予防に対する関心も近年高まりつつある。
癌の抑制のうち罹患後の治療において、悪性腫瘍、即ち、癌に対する治療法は早期発見・外科的手術とともに化学療法が併用されているが、臨床的に実用又は試用されている多くの抗癌剤は、例えば、固形癌に対して必ずしも充分に満足できる効果を有するものではないと言わざるを得ない場合が存在している。
一方、癌の抑制のうち癌予防において、化学物質による癌発症(化学発癌)の機構に関しては、近年、発癌イニシエーション及び発癌プロモーションと呼ばれる二つの過程を経由すると考える発癌二段階説が広く認められている。イニシエーションとは、発癌イニシエーターと総称される物質が、正常細胞のDNAに不可逆的に損傷を与えて潜在性細胞(initiated cell)に変化させる過程であり、発癌プロモーションとは、発癌プロモーターと総称される物質が、発癌イニシエーションで生じた発癌潜在性細胞に働きかけ、それを癌細胞に導く過程である。発癌イニシエーション及び発癌プロモーションの両方の過程を抑えることができれば、癌の発生を抑制することが可能となる。とりわけ、発癌プロモーションの抑制は、正常細胞に復帰することのできない潜在性細胞を既に保有する個体に対しても有効な発癌抑制手段となる。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−57319号公報
【特許文献2】
特公平8−2788号公報
【特許文献3】
特開平2−828295号公報
【特許文献4】
特開平6−329537号公報
【特許文献5】
特開平6−329590号公報
【特許文献6】
特開平7−252141号公報
【特許文献7】
特開平8−119866号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者の治療の観点からは、腫瘍の縮小・撲滅及び成長の抑制に有効な医薬となり得るような殺癌細胞活性化合物の開発が切望されており、一方、上記後者の予防の観点からは、発癌プロモーションを抑制する活性を有する成分を含有し発癌の抑制に有効な医薬品、食品、化粧品等のごとき発癌プロモーション抑制化合物の開発が切望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる状況の下、鋭意検討した結果、マンサク科植物であるモミジバフウの球果から分離精製された新規トリテルペン化合物が、殺癌細胞活性及びプロモーションを抑制する活性(以下、発癌プロモーション抑制活性と記すこともある。)の両癌抑制活性を有することを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、
1.式(I)で示されるトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩;
【化2】
Figure 2004346027
2.前項1記載のトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩をマンサク科植物から抽出する工程を有することを特徴とするトリテルペン化合物の製造方法;
3.前項1記載のトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする癌抑制剤
等を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容される塩(以下、本発明化合物と記すこともある。)の製造方法について説明する。本発明化合物の出発材料としてマンサク科植物、好ましくはモミジバフウの球果を用いる。マンサク科植物は、常緑又は落葉の低木から高木であり、亜熱帯から温帯にかけて100種程度が知られている。日本でもマンサク、トキワマンサク、ヒョウガミズキ、トサミズキ、フウ、モミジバフウ、イスノキ等が知られており、庭木としてしばしば植えられている一般的な樹木である。モミジバフウはマンサク科の落葉広葉樹であり、別名アメリカフウと呼ばれる。街路樹又は公園樹としてごく一般的に植えられている高木であり入手は容易である。モミジバフウの樹脂や果物は止血、香料、鎮痛又は利尿目的で用いられ、日本薬局方にも収載されている。当該出発材料をブレンダーで破砕又はナイフ等で細かく刻んだ後、室温〜約80℃の温度において、出発材料が浸る程度の容量のクロロホルム、n−ヘキサン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、アセトン等の有機溶媒又はこれらが混合されてなる溶媒に2日間から半月間程度浸漬する。また、出発材料を溶媒とともに煮沸還流してもよい。好ましくは溶媒としてクロロホルムを用い、室温にて1週間浸漬する。この浸漬液を濾紙又は綿栓にて濾過した後、得られた濾過液から減圧濃縮法等により溶媒を留去する。得られた残渣を粗抽出物とし、これに次の精製操作を行う。当該粗抽出物を再びクロロホルム、n−ヘキサン、塩化メチレン、ジエチルエーテル、アセトン等の有機溶媒に溶解し、得られた溶液を、シリカゲル、アルミナ、セルロースパウダー等を用いたカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等に供して分画するか、又はこれらの方法を組み合わせて分画した後、再結晶することにより本発明化合物を得る。好ましくは、当該粗抽出物をクロロホルムに溶解し、得られた溶液をシリカゲルが充填されたカラムクロマトグラフィーに供する。溶出溶媒としてクロロホルム/酢酸エチルを用い、クロロホルム100%から出発し、濃度勾配を付けステップワイズに酢酸エチルの濃度を増加させる。具体的には、32Lのクロロホルム、8Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=20:1)、32Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)、19Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=5:1)、10Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)と順次溶出して1Lずつ分画を行う。クロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)で溶出した画分79から98までの合計10Lを分取する。分取した画分を、クロロホルム−メタノール混合液(クロロホルム:メタノール=10:1)を溶媒にした薄層クロマトグラフィーに供し、抽出物の確認を行なう。抽出物の検出は波長254nmの紫外線で行う。抽出物の確認は高速液体クロマトグラフィーで行うこともできる。この場合、カラムとしてODSを用い、80%のアセトニトリルを溶媒として流し、波長254nmの紫外線で検出を行う。こうして抽出物の確認を行った後、メタノール−クロロホルム混合液(メタノール:クロロホルム=2:1)にて再結晶させることにより、単一の本発明化合物を得ることができる。
このようにして得られる本発明化合物は、赤外吸収スペクトル、紫外吸収スペクトル、マススペクトル又はNMRスペクトル等を測定することにより、その化学構造を確認することができる。
【0007】
本発明化合物には不斉炭素が存在するが、殺癌細胞活性及び発癌プロモーション抑制活性の両癌抑制活性を有する限り可能な立体配置の化合物が全て含まれる。
【0008】
本発明化合物が有する殺癌細胞活性は下記の方法により確認することができる。ヒト培養細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験は、まず、例えば、肺癌ではA549細胞、大腸癌ではKM−12細胞、胃癌ではMKN−45細胞、乳癌ではHBC−4細胞、卵巣癌ではOVCAR−3細胞、中枢神経系癌(脳腫瘍)ではU251細胞、腎癌ではACHN細胞等の多くのヒト培養細胞を収集する。全ての細胞株に被験化合物を添加し、細胞増殖抑制効果及び細胞致死効果を検定するin vitro 薬剤感受性試験を行う。増殖率の測定は、被験化合物を添加した後、例えば、48時間後の生存細胞数を蛋白質結合性色素スルホローダミンBによる染色により蛋白量として比色測定する。全てのヒト培養細胞の被験化合物感受性測定データをコンピューターに入力し、細胞増殖を50%阻害する濃度(GI50)、見かけ上細胞増殖を完全に抑える濃度(TGI)及び細胞数を播き込み時の50%に減少させる濃度(LC50)を計算し、以下の情報処理を行う。GI50値、TGI値、LC50値はそれぞれ試験細胞株固有の数値が得られる。その全体平均GI50値、TGI値、LC50値を求め、この平均値と個々の細胞でのLog GI50値との差を求め、それらを平均Log GI50値を基準にし、絶対値化して正負にて表記する。正の値が大きい場合ほど薬剤感受性(Differential Sensitivity)が高い癌細胞株と判断できる。また最も薬剤感受性が高いものと平均との差をDeltaで示し、Rangeは最も薬剤感受性の高い癌細胞株と最も薬剤感受性の低い癌細胞株のLog GI50値の差を示すものである。Log TGI値、Log LC50値についても同様である。
上記方法を用いて本発明化合物の殺癌細胞活性を調べることができる。尚、原法は[「癌と化学療法」24(2):129−135, 1997]等に記載される公知の方法である。
【0009】
本発明化合物のプロモーション抑制活性を測定する方法としては、例えば、EBA−EA誘導試験法[Konishi, T. et al., Biol. Pharm. Bull., 21,993 (1998)] が挙げられる。この試験法は、12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート (以下、TPAと記す。)、テレオシジン等の発癌プロモーターが、バーキットリンパ腫由来エプスタイン・バー・ウイルス潜在感染ヒトリンパ芽球様細胞株 (Raji細胞、ATCCから入手可能) 中に潜在するエプスタイン・バー・ウイルス (以下、EBVと記す。) を活性化する現象に基づいた方法であり、当該測定の工程としては、まず前記のような発癌プロモーターと被験物質とをRaji細胞に接触させ、発癌プロモーターによるEBV活性化を被験物質が抑制する効力を測定する。当該方法で測定されたEBV活性化抑制活性とプロモーション抑制活性との高い相関性が、多くの化合物で示されている。
また、他のプロモーション抑制活性を測定する方法としては、TPAによる細胞のリン脂質代謝亢進を、被験物質が抑制する効力を測定する方法をあげることもできる。測定の工程としては、まず、ヒト子宮頸癌由来のHeLa細胞(ATCCから入手可能)の培養液に被験物質を添加し、一定時間(例えば、1時間)の後に、適量(例えば、50nM程度)のTPAと、放射性無機リン酸 (以下、32Piと記す。)とを加え、更に培養を行う。一定時間(例えば、4時間)の後に、細胞のリン脂質を抽出し、当該リン脂質の中へ取り込まれた32Piの放射活性を測定し、得られた測定値と溶媒対照群の放射活性の値との差異に基づき発癌プロモーション抑制活性の有無又は程度を評価する。
さらにまた、プロモーション抑制活性は、齧歯類を用いたin vivoニ段階発癌実験によって調べることもできる。例えば、マウスの背中の毛を手術用バリカン等で刈り落とし、背中の皮膚に、アセトン又はメタノール等の有機溶媒に溶解した7,12−ジメチルベンズアントラセン(以下、DMBAと記す。)を適量、例えば、約1μg〜1000μg程度塗布する。DMBA塗布より一定期間(例えば、1週間)経過した後から、被験物質とTPAとを一定頻度(例えば、週2回程度)で皮膚に塗布する。具体的には例えば、前記のようにDMBAを塗布した皮膚に、まずアセトン又はメタノール等の有機溶媒に溶解した被験物質を塗布し、約1時間後に、アセトン又はメタノール等の有機溶媒に溶解したTPAを適量(例えば、約0.1μg〜約10μg程度)塗布する。このような処理を行いながら、一定期間(例えば、約10〜50週間程度)に渡って経時的に観察を行い、処理を行った背中の皮膚に腫瘍の発生したマウスの数及び発生した腫瘍の数を測定する。被験物質とTPAとを塗布した群における腫瘍の発生したマウスの数及び発生した腫瘍の数を、被験物質の代わりに溶媒を塗布した群における腫瘍の発生したマウスの数及び発生した腫瘍の数と比較することにより、被験物質の発癌プロモーション抑制活性を調べることができる。
【0010】
本発明化合物は、例えば、本発明化合物を含む天然物由来の抽出物若しくはその加工品、本発明化合物自体、或いは、本発明化合物と、医薬担体若しくは賦形剤、食品成分又は化粧品成分等とが混合されてなる組成物等を含み、腫瘍や癌の発生を抑制し、かつ、発生した腫瘍や癌を治療する医薬品、食品又は化粧品等として利用され得る。用いられる医薬担体若しくは賦形剤、食品成分又は化粧品成分等は、当該癌抑制剤の具体的用途に応じて適宜選択することができる。また、抑制剤の形態も、具体的用途に応じて、例えば、種々の固体や液体等の形態とすることができる。
【0011】
例えば、本発明化合物を医薬品として用いる場合には、その投与形態を必要に応じて適宜選択することができる。具体的な形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤、注射剤、経皮吸収剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、坐剤等の非経口剤等をあげることができる。
経口剤としての投与量は、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本発明化合物の重量として約0.01 mg〜約1 g/日である。
経口剤は、例えば、乳糖、デンプン、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、コンスターチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。また、必要に応じて前記の賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、乳化剤、滑沢剤、湿潤剤、流動化剤、保存剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。結合剤としては、例えば、デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ヒドロキシプロピルスターチ、結晶セルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等があげられる。界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、卵黄レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等があげられる。滑沢剤としては、例えば、タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等があげられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等があげられる。
また、経口剤の剤形としては、例えば、懸濁液、乳化剤、シロップ剤、エリキシル剤等をあげることもでき、これらの剤形には、矯味矯臭剤、着色剤等が含まれていてもよい。
非経口剤としての投与量は、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人で本発明化合物の重量として約0.01 mg〜約1 g/日である。
注射剤は常法に準じて製造すればよい。用いられる希釈剤として、例えば、注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等をあげることができる。さらに必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤等を加えてもよい。
ローション剤には、通常用いられる添加剤が含まれていてもよく、懸濁剤として、例えば、アラビアゴム、トラガント、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ベントナイト、ビーガム、無水ケイ酸等が挙げられる。乳化剤としては、例えば、石ケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタン、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、モノグリセリド等が挙げられる。湿潤剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、1,3−ブチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸、乳酸ナトリウム等が挙げられる。保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。これらを用いて、常法に準じてローション剤を調製する。
その他の非経口剤としては、例えば、外用液剤、ゲル状軟膏等の経皮吸収剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、これら製剤は常法に準じて製造すればよい。
【0012】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
実施例1(本発明化合物の調製)
大阪府吹田市千里中央公園内において平成13年11月に採取されたモミジバフウの球果6.8 kgを細かく刻み、これを室温にて15Lのクロロホルムに1週間浸漬し、濾紙を用いて濾過を行った。濾液を常圧下で1/3量程度まで加熱濃縮した後、45℃に加温して減圧濃縮し溶媒を留去することにより、クロロホルム抽出エキス 98.3gを得た。表1に示したように、当該抽出エキスを200mLのクロロホルムに溶かし、クロロホルムで調製したシリカゲル(シリカゲル60、メルク社製)2kgを用いたカラムクロマトグラフィーに供し、32Lのクロロホルム、8Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=20:1)、32Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=10:1)、19Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=5:1)、10Lのクロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)、20Lの酢酸エチルのみと順次溶出して各々1Lずつ分画を行った。クロロホルム−酢酸エチル混合液(クロロホルム:酢酸エチル=2:1)で得られたフラクション 69から78までを採取し、溶媒としてクロロホルム−メタノール混合液(クロロホルム:メタノール=10:1)を用いた薄層クロマトグラフィーにてフラクションの確認を行った。検出には波長254nmのUVランプを用いた。フラクションのより詳細な解析のためODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを行った。溶媒として80%アセトニトリルを用い、検出には波長254nmのUVランプを用いた。フラクションの確認を行った後、当該フラクションを加熱して溶媒を留去した。これを1Lのクロロホルムに溶解し同量のメタノールを添加の上、クロロホルムを1/2量程度に加熱濃縮を行った後、室温で2〜3時間放置して再結晶化を行い、化合物1を530mg得た。
【0013】
【表1】
Figure 2004346027
【0014】
実施例2(物性値測定)
実施例1で得られた化合物1の物性値を測定した。
【0015】
化合物 1 :25−acetoxy−3α−hydroxyolean−12−en−28−oic acid
無色針状結晶,C3250.融点 282−284℃ (MeOH−CHCl), [α] 15 +42.9゜ (c 0.22, CHCl).赤外吸収スペクトルνmax: 3463 (OH), 3100〜2700 及び 1703 (COOH), 2968, 2920, 2860, 1721 及び 1265 (OAc), 1461, 1379, 1363, 1211, 1172, 1060, 1014, 983 cm−1.高分解能マススペクトル: M+ m/z = 514.3654 [C3250, 514.3656として算出].NMRスペクトル H−NMR (pyridine D5) :δ 0.942 (3H, s, Me−29), 1.003 (3H, s, Me−30), 1.019 (3H, s, Me−23), 1.059 (3H, s, Me−24), 1.238 (3H, s, Me−26), 1.263 (3H, s, Me−27), 2.076 (3H, s, CHOCOCH ), 4.17 及び 4.29 (各 1H, d, J = 12.1Hz, H−25), 4.99 (1H t, J = 2.5Hz, H−3β), 5.54 (1H t, J = 3.6Hz, H−12).13C−NMR (pyridine D5) : δ 17.9 (C−26), 18.3 (C−6), 21.2 (CHOCO), 21.8 (C−24), 23.7 (C−22), 23.8 (C−30), 24.8 (C−2), 25.3 (C−11), 26.6 (C−27), 28.4 (C−15), 28.5 (C−23), 29.6 (C−1), 31.0 (C−20), 33.2 (C−16 and C−29), 33.3 (C−7), 34.2 (C−21), 36.7 (C−4), 40.1 (C−8), 41.8 (C−10), 41.9 (C−18), 42.4 (C−14), 46.6 (C−17), 46.7 (C−19), 49.1 (C−9), 50.8 (C−5), 60.3 (C−25), 78.5 (C−3), 123.8 (C−12), 144.6 (C−13), 170.4 (CHOCH), 180.2 (C−28).マススペクトル: 514 (0.3) [M]+, 454 (7) [M−HOAc]+, 439 (1), 436 (2), 424 (10), 397 (22), 279 (11), 248 (44), 234 (14), 203 (100), 189 (31), 175 (28), 173 (11), 133 (23), 119 (21), 105 (18), 95 (15). なお、化合物1のNMRスペクトルを図1及び図2に示した。
【0016】
試験例1 (殺癌細胞活性の測定)
実施例1で得られた化合物1(25−acetoxy−3α−hydroxyolean−12−en−28−oic acid)について、下記のヒト培養細胞パネルを利用したin vitro 薬剤感受性試験を用い、殺癌細胞活性の測定を行った。
乳癌由来細胞株HBC−4、BSY−1、HBC−5、MCF−7、MDA−MB−231、中枢神経系癌由来細胞株U251、SF−268、SF−295、SF−539、SNB−75、SNB−78、大腸癌由来細胞株HCC2998、KM−12、HT−29、HCT−15、HCT−116、肺癌由来細胞株NCI−H23、NCI−H226、NCI−H522、NCI−H460、A549、DMS273、DMS114、悪性黒色腫(メラノーマ)由来細胞株LOX−IMVI、卵巣癌由来細胞株OVCAR−3、OVCAR−4、OVCAR−5、OVCAR−8、SK−OV−3、腎癌由来細胞株RXF−631L、ACHN、胃癌由来細胞株St−4、MKN1、MKN7、MKN28、MKN45、MKN74、前立腺癌由来細胞株DU−145、PC−3の39列株を96穴ウェルプレートに播種し、これに翌日、前記化合物の溶液(5 dose、10−4 Mから10−8 Mまで1 log間隔)を添加した。これを2日間培養した後、細胞増殖を蛋白質結合性色素スルホローダミンBによる染色により比色測定した。測定結果をコンピューターに入力し情報処理を行った。
各濃度におけるMean Optical Density (ODtest)が、前記化合物を添加する直前(Time Zero)のOD値(Tz)より大(ODtest>Tz)の時、
Percent Growth (PG %) = ((ODtest − Tz)/(ODcontrol Tz))×100
但し、ODcontrolはControlのOD値を示す。
逆に、(ODtest<Tz)の時は、
(PG%) = ((ODtest − Tz)/ Tz))×100
この場合、PG%は(−)となる。
39列株の癌細胞毎に、上記で求められたPG%の値を、濃度(対数)に対してプロットして臓器癌別にまとめた薬剤感受性試験の結果を図3〜図11に示した。図3〜図11はそれぞれ図3:乳癌由来細胞株、図4:中枢神経系癌由来細胞株、図5:大腸癌由来細胞株、図6:肺癌由来細胞株、図7:悪性黒色腫(メラノーマ)由来細胞株、図8:卵巣癌由来細胞株、図9:腎癌由来細胞株、図10:胃癌由来細胞株及び図11:前立腺癌由来細胞株について示した。
また、データ解析のパラメータとしてTime Zeroの細胞数を基準として、Controlに比べて増殖を50%に抑制する濃度としてGI50値、Time Zeroと同じ細胞数に増殖を抑制する濃度としてTGI値、Time Zeroの50%に細胞数を減少させる濃度としてLC50値を導き出した。各曲線がPG50%、0%、−50%の横線と交わる点の濃度がそれぞれLog GI50値、Log TGI値、Log LC50値に相当する。
次に39列株の癌細胞に対するMean Graphsを癌種ごとにまとめたものを表3に示す。検定した全ての癌細胞株についてLog GI50値の平均値を求め、これをMean Graph Midpoint (MG_MID)と記する。この平均値と個々の癌細胞株でのLog GI50値との差を求め、それらを平均Log GI50値を基準にし、絶対値化して正負にて表記した。薬剤感受性(Differential Sensitivity)が高い癌細胞株ほど正の値が大きい。「1」は1 Log を表す。Mean Graphsの下段に表示されたDeltaは最も薬剤感受性が高いものと平均との差を示し、その下のRangeは最も薬剤感受性の高い癌細胞株と最も薬剤感受性の低い癌細胞株のLog GI50値の差を示すものである。Log TGI値、Log LC50値についても同様である。前記化合物は濃度10−4 Mでの試験により大腸癌由来細胞株HT−29、HCT−116、肺癌由来細胞株A549、腎癌由来細胞株ACHN、次いで中枢神経系癌細胞株U251、SF−539において薬剤高感受性を示した。このような結果から前記化合物は殆どの癌細胞株に対して癌細胞致死活性を示し、中でも大腸癌に対して高い癌細胞致死活性を有することが判った。尚、前記化合物における細胞に対する強い毒性は認められなかった。
以上より、図3〜図11及び表2の結果を併せ、本発明化合物が殺癌細胞活性を有することが確認された。
【0017】
【表2】
Figure 2004346027
上記の結果に基づき算出したGI50値(50%増殖阻止濃度)、TGI値(増殖完全阻止濃度)、LC50値(50%細胞減少濃度)を各癌細胞株毎にまとめた図(Mean Graphs)を示した。各癌細胞株間での平均したLog GI50値、Log TGI値及びLog LC50値を示し(各MG−MID値)、各平均値からみた個々の癌細胞株の薬剤感受性を正負により示した。「1」は1Logで表し、正の値ほど薬剤高感受性を意味する。Deltaは最も感受性が高いものと平均との差を示し、Rangeは最も感受性の高い癌細胞株と最も薬剤感受性の低い癌細胞株との差を示すものである。各臓器名はBr:乳癌由来細胞、CNS:中枢神経系由来癌細胞、Co:大腸癌由来細胞、Lu:肺癌由来細胞、Me:悪性黒色腫(メラノーマ)由来細胞、Ov:卵巣癌由来細胞、Re:腎癌由来細胞、St:胃癌由来細胞、xPg:前立腺癌由来細胞で表した。
【0018】
試験例2 (発癌プロモーション抑制活性の測定)
実施例1で得られた化合物1(25−acetoxy−3α−hydroxyolean−12−en−28−oic acid)について、EBA−EA誘導試験法 (Konishi, T. et al.、Biol. Pharm. Bull.、21、993 (1998)) により、発癌プロモーション抑制活性の測定を行った。バーキットリンパ腫由来 のEBV 潜在感染ヒトリンパ芽球様細胞株 (Raji 細胞) の培養には、RPMI 1640培地(日水製薬)に10v/v%となるように牛胎仔血清(GIBCO−BRL)を加えた培地を使用した。この培地で培養した場合のEBVの活性化率(Raji細胞の自然誘発率) は、0.1%以下であった。前記培地で培養したRaji 細胞の培養液を1×10 細胞/mlとなるように調製し、DMSOに溶解した酪酸(4 mM)とTPA(20 ng/ml)とを加えて、COインキュベ−タ−中で37℃にて48時間培養した後、得られた培養液の塗抹標本を作製した。上咽頭癌患者血清を用いた間接蛍光抗体法によりEBV初期抗原(EBV−EA)を染色し、陽性細胞(該初期抗原の発現した細胞)の発現率を測定してこれを陽性コントロ−ル(100)に対する割合(%)を求めた。一方、前記と同様に調製したRaji 細胞の培養液に、DMSOに溶解した酪酸(4 mM)、12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA、20 ng/ml)及び被験化合物を加えて同様に培養した後、陽性細胞の発現率を測定してこれを陽性コントロ−ル(100)に対する割合(%)を求めた。各試験において、少なくとも500細胞を測定し、また2回の繰り返し試験を行った。尚、毎回、TPA及び被験化合物は添加せず酪酸だけを添加した系である陰性コントロ−ルと上記の陽性コントロ−ルとの両試験を併行して行った。
化合物1の測定結果を表3に示した。被験化合物の処理により、用量相関的にEBV−EAの活性化率の低下が認められ、いずれの濃度においても比較対照であるオレアノール酸に比較すると明らかに低い値を示した。この結果から、化合物1は顕著なプロモーション抑制活性を有することが確認された。尚、化合物1には、細胞に対する強い毒性は認められなかった。
【0019】
【表3】
Figure 2004346027
1) 陽性コントロール(TPA添加系)の値を100とした。
2) 括弧内の数値は細胞の生存率(TPA添加系の生存率を100%とした)を示す。
【0020】
【発明の効果】
本発明により、殺癌細胞活性及び発癌プロモーション抑制活性の両癌抑制作用を有する化合物が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、化合物1のH−NMRスペクトルを示した図である。
【図2】図2は、化合物1の13C−NMRスペクトルを示した図である。
【図3】図3は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の乳癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: HBC−4細胞、■: BSY−1細胞、△: HBC−5細胞、□: MCF−7細胞、◇: MDA−MB−231細胞
【図4】図4は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の中枢神経系癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: U251細胞、■: SF−268細胞、△: SF−295細胞、□: SF−539細胞、◇:SNB−75細胞、●: SNB−78細胞
【図5】図5は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の大腸癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターの通りである。
◆: HCC2998細胞、■: KM−12細胞、△: HT−29細胞、□:HCT−15細胞 、◇:HCT−116細胞
【図6】図6は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の肺癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: NCI−H23細胞、■: NCI−H226細胞、△: NCI−H522細胞、□:NCI−H460細胞 、◇:A549細胞、●:DMS273細胞、▲:DMS114細胞
【図7】図7は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の悪性黒色腫(メラノーマ)由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: LOX−IMVI細胞
【図8】図8は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の卵巣癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率にて示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: OVCAR−3細胞、■: OVCAR−4細胞、△: OVCAR−5細胞、□: OVCAR−8細胞 、◇:SK−OV−3細胞
【図9】図9は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の腎癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: RXF−631L細胞、■: ACHN細胞
【図10】図10は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の胃癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率で示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: St−4細胞、■: MKN1細胞、△: MKN7細胞、□: MKN28細胞 、◇:MKN45細胞,●:MKN74細胞
【図11】図11は、ヒト培養癌細胞パネルを利用したin vitro薬剤感受性試験により、化合物1の各種の前立腺癌由来培養細胞に対する薬剤感受性を測定した結果を示した図である。横軸は、培養癌細胞に添加した前記化合物の濃度(10−8 M〜10−4 M)を示し、縦軸は各癌細胞群における生存細胞数の割合を百分率にて示す。前記化合物の添加前(Time Zero)の細胞数を100%とした。図中のパラメーターは下記の通りである。
◆: DU−145細胞、■: PC−3細胞

Claims (3)

  1. 式(I)で示されるトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2004346027
  2. 請求項1記載のトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩をマンサク科植物から抽出する工程を有することを特徴とするトリテルペン化合物の製造方法。
  3. 請求項1記載のトリテルペン化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする癌抑制剤。
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