JP2004346025A - 蛍光化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】輝度の高い蛍光色を均一に発色させることができ、誘目性に優れ、人体に安全かつ安定な化粧料を提供する。
【解決手段】蛍光染料を含有する少なくとも一層以上の樹脂層を有する薄片状粉末を含有することを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】蛍光染料を含有する少なくとも一層以上の樹脂層を有する薄片状粉末を含有することを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関し、詳しくは、蛍光発光性並びに誘目性に優れ、かつ安定性、安全性に優れた化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メイクアップ用の化粧料は、爪、目元もしくは唇に塗布することにより、その部位を美化するものである。近年では、その基本的機能に加えて、より高いファッション性が求められてきており、キラキラと輝く質感を付与できるラメ剤を含有する化粧料の需要が増加している。
【0003】
また、近年の飲食店等のインテリアはさまざまな趣向を凝らしたものになっており、多種多様な照明が用いられている。その一環として、照明を落とした室内を煌びやかに演出するために、昔からブラックライトが汎用されている。このブラックライトとは、水銀ランプから発生する近紫外線(波長域が290〜390nm程度の光)のみを特殊な紫外線フィルターで通過させることにより、目に見えない光を発する趣向の照明のことをいい、蛍光体や蛍光物質を含んだ表示体に、このブラックライトによる光を当てると、蛍光色の独特な演出が得られるというものである。
【0004】
従来、こうしたブラックライトで光って見える化粧料が提案されている。それらは、暗所での誘目性や特殊な外観の新規性を有するものである。例えば、3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸又はその塩を配合する化粧料(特許文献1)、蓄光顔料とパール顔料を配合したネイルエナメル(特許文献2)や無機蛍光体、特に酸化亜鉛蛍光体を含有する蛍光化粧料(特許文献3)、特定の蓄光顔料を含有する化粧料(特許文献4)等が挙げられる。
【0005】
しかしながら、これら従来の蛍光化粧料は、蓄光または蛍光染顔料を化粧料基材中に直接、配合させてなるものである。これでは蓄光または蛍光染顔料を人体に直接塗布することになるため、安全性に問題が残っていた。このため、蓄光または蛍光染顔料を化粧料基材に多量に配合させることは安全性の面より困難であった。これに加えて、蓄光または蛍光染顔料が他の顔料とともに化粧料基材中に配合される場合には、ブラックライトで照らされた暗闇下で所望の蛍光発色性を得るには一回の塗布では量的に不充分であったため、重ね塗りが必要であった。しかし、塗布を繰り返すことにより、どうしても化粧料基材中の蓄光または蛍光染顔料がムラづきし、塗布部を均一に発光させるのは困難であった。
【0006】
また、従来の蛍光染顔料を樹脂に練りこんだ場合(特許文献5)には、化粧料としての使用上の官能面より樹脂粒径が一定以下に制限されるためか蛍光輝度が低く、美粧効果に乏しくなってしまうという問題があった。さらに、樹脂を均一に発色させるのが困難であったため、蛍光発色にムラが出やすく、そのため顔料としてこれを化粧料に配合する場合には、粒径や形状が制限されるという欠点があった。
【0007】
さらに従来使用されてきた、硫化亜鉛、硫化カルシウム、硫化カドミウム亜鉛等に代表される畜光または蛍光顔料には幾つかの問題点が存在していた。例えば、硫化亜鉛系については、耐光性といった化学的安定性に問題があることに加え、蛍光顔料としての蛍光輝度及び残光性が低く、製品価値を充分満たすほどの蛍光性を有していないものであった。また、硫化カルシウム系のものは、耐湿性が悪く、空気中で極めて耐久性に乏しいという欠点を有し、硫化カドミウム亜鉛系については、公害元素と呼ばれるカドミウムを含有しているため実用性が低いというのが現状であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭58−198410号公報
【特許文献2】
特開平10−087437号公報
【特許文献3】
特開平03−284613号公報
【特許文献4】
特開平10−330209号公報
【特許文献5】
特開平02−200612号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、輝度の高い蛍光色を均一に発色させることができ、誘目性に優れ、人体に安全かつ安定な化粧料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、蛍光染料を含有する少なくとも一層以上の樹脂層を有する薄片状粉末を配合することにより、優れた蛍光発色、安定性、安全性が良好な蛍光化粧料が得られることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳述する。
【0012】
本発明では、蛍光染顔料を化粧料基材中に直接配合するのではなく、蛍光染料で染色した少なくとも1層以上の樹脂層を有した薄片状粉末からなる蛍光ラメ剤を化粧料に配合することで、蛍光染料が人体に直接触れることを防ぐため安全性に優れ、蛍光染料が化粧料中の酸やアルカリ、有機溶剤等の化粧料基材中のあらゆる成分の影響も受けにくくなり、しかも優れた蛍光発色性を有し、さらに、上記樹脂層が均一に蛍光染料で染色されるため、ムラのない均一な蛍光発色が得られる。したがって、本発明の蛍光ラメ剤を含有する化粧料は、従来の蛍光化粧料に比べて、人体に安全であり、かつ化粧料基材中で安定に存在し、しかも均一で優れた蛍光発色を有するものである。
【0013】
本発明の蛍光ラメ剤に使用される染料としては、紫外線光や可視光を照射することにより、蛍光を発する特性を有するものであれば特に限定されないが、優れた蛍光発色性を持ち、人体に安全である蛍光染料が好ましい。蛍光染料とは、特定の波長の電磁波(光)によって一時的に励起され、特定の波長の光(特に可視光)を発光する染料を指し、光源無しでは発光しないものである。残光を有するもの(燐光)も包含される。これらは、その染料自体の色のほかにほぼ同一波長の蛍光が加わるので、光輝性の色彩を呈するものである。
【0014】
本発明に用いられる蛍光染料としては一般的な蛍光染料又は蛍光顔料を制限無く用いることができるが、例えば、有機蛍光染料としては、ウラニン、エオシン、ジアミノチルベン、チオフラビンT、ローダミンB、インターナショナルオレンジ等が用いられ、無機蛍光染料としては、タングステン酸カルシウム、鉛含有珪酸バリウム、ユーロピウム含有燐酸ストロンチウム、ユーロピウム含有イットリア、セリウム含有イットリア、銅あるいは銀、錫、マンガン、砒素、アルミニウム、カドミウムの一種あるいは複数含有硫化亜鉛、マンガン含有ガリウム酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、酸素欠損酸化亜鉛、ユーロピウム含有酸化亜鉛、セリウム含有酸化亜鉛、セシウム含有酸化亜鉛、マンガンあるいは砒素含有珪酸亜鉛、ビスマス含有硫化亜鉛カドミウム、ビスマス含有硫化カルシウムストロンチウム等が挙げられる。なお、これらに限定されるものではない。
【0015】
これらの中でも、2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)を用いることが特に好ましい。該蛍光染料は従来の蛍光染顔料と比較して、かなり高輝度の蛍光発色性を有するだけでなく、耐光性や耐熱性などにも優れた特性を持ち、人体に安全である。この市販品としては、イルミナール(昭和化工株式会社製)等が挙げられる。本発明の蛍光ラメ剤は、2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)で樹脂層を染色することによって、ラメ剤自体の輝きに加えて、一段と輝度の高い蛍光発色が得られ、これら蛍光ラメ剤を含有した化粧料は独特の外観を醸し出すことができる。
【0016】
薄膜状粉末の構造としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のものを挙げることができる。例えば、2以上の樹脂層とこれらの間、又は片面に位置するアルミニウムや金などの金属膜とを備えてなる積層末、1層の樹脂層からなる単層末、および2種以上の樹脂を層状に重ねてなる積層末等である。また他には、アクリル樹脂被覆アルミニウム末等のようにアルミニウム薄板等の金属薄板(箔)に1層又は複数の樹脂層を被覆したものや、ポリエチレンフィルム等の樹脂にアルミニウム等の金属を片面又は両面に蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の金属被覆処理を施した微細積層末などが挙げられる。
【0017】
前記金属膜としては、蒸着による薄膜および金属シート、箔等を用いることができる。そしてこれらは、所望される反射率を有する金属の膜であれば良く、具体的には金、銀、銅、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、亜鉛、およびチタン等の膜が用いられる。生産コストなどの点から、前記金属膜としてはアルミニウム、金および銀の膜が好ましい。金属膜にアルミニウムを用いた蛍光ラメ剤の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミニウムを真空蒸着し、金属皮膜を保護するエポキシ樹脂で被覆した後、裁断したものを熱水中に前述の蛍光染料イルミナールとともに分散させ、染色を施した、「ダイヤモンドピース COタイプ シルバー 蛍光タイプ」シリーズ(ダイヤ工業社製)等が挙げられる。
【0018】
さらに、前記金属膜を含む蛍光ラメ剤には、プレス加工またはエンボス加工が施されていてもよい。前記エンボス加工およびプレス加工は、被覆する樹脂層の金属膜に面する側の面、つまり前記樹脂層と金属膜との境界部に施されてもよく、金属膜積層フィルム末の表面に施されてもよい。エンボス加工が施された蛍光ラメ剤の例としては、ポリエチレンテレフタレート層とアルミニウム層とエポキシ樹脂層との3層構造からなる、イルミナールで蛍光染色された、「ダイヤホログラム HG701 蛍光タイプ」シリーズ(ダイヤ工業社製)等が挙げられる。
【0019】
一方、本発明で用いられる蛍光ラメ剤の、前記1層の樹脂層からなる単層末の例としては、例えばポリエチレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムを蛍光染色して裁断したものなどが挙げられる。また、前記2種以上の樹脂を層状に重ねてなる積層末の例としては、ポリエチレンフィルムとポリオレフィンフィルムの微細な積層末などがあり、他にはポリエチレンテレフタレート層とポリメチルメタクリレート層の積層末をイルミナールで蛍光染色を行った、「レインボーフレーク II 蛍光タイプ」シリーズ(ダイヤ工業社製)等がある。
【0020】
本発明に用いられる前記蛍光ラメ剤は、少なくとも一層以上の蛍光染料を含む樹脂層を有していれば、その蛍光発色効果は充分に発揮される。したがって、異なる種類の樹脂層からなりそのうち少なくとも一層が染色されていればよく、複数の樹脂層が染色されていてもよい。さらに、前記蛍光ラメ剤が金属膜を含む場合には、金属膜が染色されていても全く問題はない。なお、製造方法としては予め樹脂に蛍光染料を包含せしめた後、薄片状粉末に加工しても良く、また、薄片状粉末を調製後に蛍光染料にて樹脂層を染色しても良く、何ら制限されない。
【0021】
本発明の蛍光ラメ剤において、蛍光染料で染色された被覆層(以下、蛍光発色層と呼ぶ)とは、前記蛍光ラメ剤に蛍光発色性を付与する層である。上記蛍光発色層に使用される樹脂は特に限定されないが、具体例としては、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート系樹脂、並びにグリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等の多価アルコール類と無水フタル酸などのジカルボン酸無水物とから合成されるアルキド系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、およびポリクロロスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチルおよびポリ(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、およびポリ塩化ビニリデン等のいわゆるビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリ(4−メチルペンテン−1)等のオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、並びにエポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)等に染色されやすい特質を持つため、特に好ましい樹脂である。したがって、このポリエチレンテレフタレート樹脂層を本発明の蛍光ラメ剤の片面または両面の最外層に位置させると、蛍光発色性に優れるため、望ましいと言える。
【0022】
また、本発明の蛍光ラメ剤の蛍光発色層以外を構成する樹脂層に用いられる樹脂としては、上記の蛍光発色層のところで挙げた樹脂と同様の樹脂が用いられる。
【0023】
本発明で用いられる蛍光発色層中の蛍光染料の配合量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜20質量%(以下、単に「%」と記す)であり、更に好ましくは0.2〜10質量%である。
【0024】
本発明の蛍光ラメ剤の形状は特に限定されないが、正多面体等の等方体、短冊型等の直方体、円形、楕円形、三角形、平行四辺形、小判型、菱面体、板状体、針状体(円柱、角柱)などの各種形状が包含される。
【0025】
これら蛍光ラメ剤の粒径については特に限定するものでないが、0.01mm〜6mmの範囲のものが好ましく、更に好ましくは0.03〜2.0mmである。粒径が0.01mm未満の上記蛍光ラメ剤は、蛍光発色性が乏しく、人目を強く引く効果が充分ではない場合があり好ましくない。粒径が6mmを超えるラメ剤は、塗布部に均一につきにくく、強い異物感を感じさせるため好ましくない。
【0026】
また、蛍光ラメ剤の厚さについても特に限定するものでないが、1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。前記蛍光ラメ剤の厚さが1μm未満の場合は、虹色光沢が乏しくなりやすく、ラメ剤の厚さが100μmを超えると蛍光ラメ剤が硬くなり、異物感が強く、使用性および使用感の面で満足な化粧料が得られないため好ましくない。蛍光ラメ剤は、長径(面に沿って最も長い径)/厚さが、5以上が好ましく、更に好ましくは10以上、特に好ましくは20以上である。
【0027】
本発明の化粧料に配合する蛍光ラメ剤は、必要に応じて二種以上を組み合わせもよく、またこれらの蛍光発色層をさらに他の樹脂類やシリカ、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物または界面活性剤等で、疎水化処理等の表面処理を施しても良い。
【0028】
本発明の化粧料は、その種類はとくに限定されない。例えば、ネイルカラーやネイルコートなどの爪化粧料、アイシャドウ、アイライナー、マスカラまたは眉墨などの眉目化粧料、ファンデーション、頬紅、フェースカラー、口紅、リップグロス、アイライナーペンシルやリップライナーペンシルなどのペンシル状のメイクアップ化粧料、水や溶剤に蛍光ラメ剤を沈降させた状態で配合し、使用時に適度に振り混ぜて使用するような沈降タイプのメイクアップ化粧料などが挙げられる。
【0029】
本発明の化粧料は、透明であれば、容器に充填ないし密閉された状態であっても、ブラックライトで照らされた暗闇下で美しく発光する。このため店頭で陳列されたり、または手に持っているだけでも、高いファッション性と独特な存在感を有し、強く人目を引くことができる。したがって、これらの蛍光化粧料は、透明であれば特に好ましいと言える。もちろん、この際の容器自体も透明であることが望ましい。
【0030】
化粧料中における蛍光ラメ剤の含有率は、0.01〜100%である必要がある。化粧料の剤形によって、ラメ剤の含有率は一般的に決まっているが、従前の含有率に限定されるものではない。以下、各剤形におけるこの蛍光ラメ剤の好ましい含有率を列挙する。
【0031】
水に水溶性樹脂、水性樹脂エマルションもしくは増粘剤などを配合してなる水性マスカラまたは水性ジェルなどの水系メイクアップ化粧料の場合は、0.01〜60%が好ましく、0.1〜40%がさらに好ましい。0.01%未満では蛍光ラメ剤としての効果が乏しく、一方60%を越えると使用上好ましくない。
【0032】
ネイルカラーなどの爪化粧料では、0.01〜50%、さらには0.1〜30%が好ましい。0.01%未満では、蛍光ラメ剤としての効果が乏しくなる場合があり、50%を越えると塗布性が悪くなる場合がある。
【0033】
粉末をプレスなどにより乾式充填し、または粉末を揮発性溶剤を用いて湿式充填し乾燥させて得られるアイシャドウ、あるいは頬紅などの固形粉末化粧料の場合は、0.01〜80%が好ましく、さらには0.1〜50%が好適である。この範囲であれば、蛍光ラメ剤の光輝感が発揮され易く、しかも使用性が良好である。
【0034】
ルースパウダーとして使用するアイシャドウ、フェースカラーなどの粉末状化粧料の場合は、使用時に肌上に存在する人脂と混ざるため、100%でもよい。
【0035】
口紅や油性アイシャドウなどの油性固形化粧料の場合は、0.01〜60%が好ましく、0.1〜40%がさらに好ましい。0.01%未満では蛍光ラメ剤としての効果が乏しくなり、一方60%を越えると高温下での流動性が悪くなり、成型性の点で好ましくない。
【0036】
水相と油相を活性剤で乳化して得られる乳化型メイクアップ化粧料の場合は、0.01〜50%が好ましく、0.1〜40%がさらに好ましい。0.01%未満では蛍光ラメ剤としての効果が乏しく、一方50%を越えると乳化が不安定になり易い。
【0037】
この化粧料は、蛍光ラメ剤以外に化粧材料として従来使用されているものを適宜選択して含有することができる。たとえば、固形油としては、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、固形パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスもしくはモンタンワックスなどの炭化水素類、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ビーズワックス、モクロウもしくはゲイロウなどのロウ類、カカオ脂、パーム油もしくは牛脂などの油脂類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸もしくはベヘニン酸などの高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールもしくはベヘニルアルコールなどの高級アルコール類、水添ヤシ油もしくは硬化ヒマシ油などの硬化油類、ステアリン酸メチル、パルミチン酸セチル、ロジン酸ペンタエリトリットエステルもしくはジステアリン酸プロピレングリコールなどのエステル類、またはステアリル変性ポリシロキサンもしくはベヘニル変性ポリシロキサンなどのシリコーンワックス類などが挙げられる。また、これらを二種以上併用してもよい。
【0038】
液状油としては、動物油、植物油もしくは合成油などの起原を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類または油溶性紫外線吸収剤類などが挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテンなどの炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油もしくはマカデミアンナッツ油などの油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステルもしくはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)などのエステル類、イソステアリン酸もしくはオレイン酸などの脂肪酸類、オレイルアルコールもしくはイソステアリルアルコールなどの高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサンもしくはフッ素変性シリコーンなどのシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカンもしくはパーフルオロオクタンなどのフッ素系油剤類、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウムもしくはステアリン酸カルシウムなどの油性ゲル化剤類、またはパラアミノ安息香酸エチル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンもしくはオキシベンゾンなどの油溶性紫外線吸収剤類などが挙げられる。また、これらを二種以上併用してもよい。
【0039】
また粉体を含有してもよく、その粉体は、球状、板状もしくは針状などの形状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質または無孔質の粒子構造などについて、特に限定されない。例えば、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類または複合粉体類などが挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、無水ケイ酸、シリカビーズ、炭化ケイ素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイトもしくは窒化硼素などの無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、金属被覆ガラス末、酸化チタン被覆ガラス末もしくはアルミニウムパウダーなどの光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースもしくはN−アシルリジンなどの有機粉体類、有機タール系顔料もしくは有機色素のレーキ顔料などの色素粉体類、または微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化ケイ素もしくは酸化亜鉛含有二酸化ケイ素の複合粉体などが挙げられる。また、これらを二種以上併用してもよく、金属酸化物、金属水酸化物、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂または炭化水素などでさらに表面処理してもよい。
【0040】
さらに、界面活性剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、水、グリセリンや1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、低級アルコールまたは美容成分などを含有してもよい。
【0041】
本発明に係る化粧料は、樹脂層を蛍光染料で染色された薄膜状粉末(蛍光ラメ剤)と上述の各種材料とを、公知の手段により配合、混練および成形することにより製造される。
【0042】
【実施例】
以下、本発明について実施例等に基き詳細に説明する。この実施の形態に限定するものではない。なお、以下の処方における数字は特に断り無き場合には質量%を表す。
【0043】
(実施例1〜3)および(比較例1〜2):ネイルカラー
下記「表1」の材料1〜4および材料9をローラーミルで混練した後、材料5〜8を添加し溶融拡散させた。さらに、材料10〜15を添加し均一分散させ、所定の容器に充填してネイルカラーを得た。このネイルカラーについて、下記の方法で評価した。
【0044】
〈評価方法〉1.蛍光強度
このネイルカラーを透明ガラス容器に充填し、ブラックライト(F65D−A〔100V〕;スガ試験機械社製)の照明下で蛍光強度について評価を行った。下記「表1」には、この試験の結果をつぎの記号で示す。
◎ : 蛍光がより強い。
○ : 蛍光が強い。
△ : 蛍光が弱い。
× : ほとんど蛍光を発しない。
【0045】
〈評価方法〉2.均一な蛍光発色性
このネイルカラーを女性パネラー20名に実際に使用してもらい、ブラックライトの照明下で均一な蛍光発色性について官能的に評価してもらった。下記「表1」には、この官能試験の結果をつぎの記号で示す。
◎ : 良いと答えた人数が15人以上
○ : 〃 10〜14人
△ : 〃 7〜10人
× : 〃 6人以下
【0046】
〈評価方法〉3.経時安定性
ガラス瓶に充填した試料を暗所、40℃の条件下に1ヶ月設置し、調製直後の試料と蛍光強度の変化をブラックライトの照明下で比較した。下記「表1」には、この試験の結果をつぎの記号で示す。
り評価した。
[評価][内容]
◎ : 変化なし。
○ : やや変化の傾向がみられる。
△ : あきらかに変化している。
× : 調製直後から蛍光発色がなかった
以上の評価方法により得られた結果を表1に併せて示す。
【0047】
【表1】
【0048】
(実施例4〜6)および(比較例3〜4):水性マスカラ
下記「表2」の材料からなる水性マスカラを公知の手段により製造した。この水性マスカラについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表2」に併せて示す。
【0049】
【表2】
【0050】
(実施例7〜9)および(比較例5〜6):口紅
下記「表3」の材料1〜5を均一に溶解混合した後、材料6〜9を添加してローラーミルで混練し、これらを均一拡散させた。その後、材料10〜14を添加し均一に分散させ脱泡した。そして、金型で成型し所定の容器に装填して、スティック形状の口紅を得た。この口紅について、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表3」に併せて示す。
【0051】
【表3】
【0052】
(実施例10〜12)および(比較例7):リップグロス
下記「表4」の材料からなるリップグロスを公知の手段により製造した。このリップグロスについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表4」に併せて示す。
【0053】
【表4】
【0054】
(実施例13〜15)および(比較例8〜9):パウダーアイシャドウ
下記「表5」の材料1〜10をミキサーで均一に混合撹拌した後、ここに材料11〜13を約70℃に昇温して溶融させ、添加して均一に分散させた。室温にまで冷却した後、ミキサーに投入して再度均一に混合撹拌し、さらに材料14〜17を投入して混合撹拌して、所定の金皿にプレス成形してパウダーアイシャドウを得た。このパウダーアイシャドウについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表5」に併せて示す。
【0055】
【表5】
【0056】
(実施例16)および(比較例10〜11):乳化型アイシャドウ
下記「表6」の材料からなる乳化型アイシャドウを公知の手段により製造した。この乳化型アイシャドウについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表6」に併せて示す。
【0057】
【表6】
【0058】
得られた結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜16の化粧料は、蛍光強度、均一な蛍光発色性、経時安定性ともに優れたものであった。それに対し、比較例1〜11では全ての項目を満足し得るものは得られなかった。
【0059】
【発明の効果】
上記の内容より、本発明により、人体に安全で、安定性に優れ、均一な発色を有し、しかもラメ自体の光輝性に加え高輝度の蛍光発色が得られ、優れた誘目性を有する化粧料が得られることは明らかである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関し、詳しくは、蛍光発光性並びに誘目性に優れ、かつ安定性、安全性に優れた化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メイクアップ用の化粧料は、爪、目元もしくは唇に塗布することにより、その部位を美化するものである。近年では、その基本的機能に加えて、より高いファッション性が求められてきており、キラキラと輝く質感を付与できるラメ剤を含有する化粧料の需要が増加している。
【0003】
また、近年の飲食店等のインテリアはさまざまな趣向を凝らしたものになっており、多種多様な照明が用いられている。その一環として、照明を落とした室内を煌びやかに演出するために、昔からブラックライトが汎用されている。このブラックライトとは、水銀ランプから発生する近紫外線(波長域が290〜390nm程度の光)のみを特殊な紫外線フィルターで通過させることにより、目に見えない光を発する趣向の照明のことをいい、蛍光体や蛍光物質を含んだ表示体に、このブラックライトによる光を当てると、蛍光色の独特な演出が得られるというものである。
【0004】
従来、こうしたブラックライトで光って見える化粧料が提案されている。それらは、暗所での誘目性や特殊な外観の新規性を有するものである。例えば、3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸又はその塩を配合する化粧料(特許文献1)、蓄光顔料とパール顔料を配合したネイルエナメル(特許文献2)や無機蛍光体、特に酸化亜鉛蛍光体を含有する蛍光化粧料(特許文献3)、特定の蓄光顔料を含有する化粧料(特許文献4)等が挙げられる。
【0005】
しかしながら、これら従来の蛍光化粧料は、蓄光または蛍光染顔料を化粧料基材中に直接、配合させてなるものである。これでは蓄光または蛍光染顔料を人体に直接塗布することになるため、安全性に問題が残っていた。このため、蓄光または蛍光染顔料を化粧料基材に多量に配合させることは安全性の面より困難であった。これに加えて、蓄光または蛍光染顔料が他の顔料とともに化粧料基材中に配合される場合には、ブラックライトで照らされた暗闇下で所望の蛍光発色性を得るには一回の塗布では量的に不充分であったため、重ね塗りが必要であった。しかし、塗布を繰り返すことにより、どうしても化粧料基材中の蓄光または蛍光染顔料がムラづきし、塗布部を均一に発光させるのは困難であった。
【0006】
また、従来の蛍光染顔料を樹脂に練りこんだ場合(特許文献5)には、化粧料としての使用上の官能面より樹脂粒径が一定以下に制限されるためか蛍光輝度が低く、美粧効果に乏しくなってしまうという問題があった。さらに、樹脂を均一に発色させるのが困難であったため、蛍光発色にムラが出やすく、そのため顔料としてこれを化粧料に配合する場合には、粒径や形状が制限されるという欠点があった。
【0007】
さらに従来使用されてきた、硫化亜鉛、硫化カルシウム、硫化カドミウム亜鉛等に代表される畜光または蛍光顔料には幾つかの問題点が存在していた。例えば、硫化亜鉛系については、耐光性といった化学的安定性に問題があることに加え、蛍光顔料としての蛍光輝度及び残光性が低く、製品価値を充分満たすほどの蛍光性を有していないものであった。また、硫化カルシウム系のものは、耐湿性が悪く、空気中で極めて耐久性に乏しいという欠点を有し、硫化カドミウム亜鉛系については、公害元素と呼ばれるカドミウムを含有しているため実用性が低いというのが現状であった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭58−198410号公報
【特許文献2】
特開平10−087437号公報
【特許文献3】
特開平03−284613号公報
【特許文献4】
特開平10−330209号公報
【特許文献5】
特開平02−200612号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、輝度の高い蛍光色を均一に発色させることができ、誘目性に優れ、人体に安全かつ安定な化粧料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、蛍光染料を含有する少なくとも一層以上の樹脂層を有する薄片状粉末を配合することにより、優れた蛍光発色、安定性、安全性が良好な蛍光化粧料が得られることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳述する。
【0012】
本発明では、蛍光染顔料を化粧料基材中に直接配合するのではなく、蛍光染料で染色した少なくとも1層以上の樹脂層を有した薄片状粉末からなる蛍光ラメ剤を化粧料に配合することで、蛍光染料が人体に直接触れることを防ぐため安全性に優れ、蛍光染料が化粧料中の酸やアルカリ、有機溶剤等の化粧料基材中のあらゆる成分の影響も受けにくくなり、しかも優れた蛍光発色性を有し、さらに、上記樹脂層が均一に蛍光染料で染色されるため、ムラのない均一な蛍光発色が得られる。したがって、本発明の蛍光ラメ剤を含有する化粧料は、従来の蛍光化粧料に比べて、人体に安全であり、かつ化粧料基材中で安定に存在し、しかも均一で優れた蛍光発色を有するものである。
【0013】
本発明の蛍光ラメ剤に使用される染料としては、紫外線光や可視光を照射することにより、蛍光を発する特性を有するものであれば特に限定されないが、優れた蛍光発色性を持ち、人体に安全である蛍光染料が好ましい。蛍光染料とは、特定の波長の電磁波(光)によって一時的に励起され、特定の波長の光(特に可視光)を発光する染料を指し、光源無しでは発光しないものである。残光を有するもの(燐光)も包含される。これらは、その染料自体の色のほかにほぼ同一波長の蛍光が加わるので、光輝性の色彩を呈するものである。
【0014】
本発明に用いられる蛍光染料としては一般的な蛍光染料又は蛍光顔料を制限無く用いることができるが、例えば、有機蛍光染料としては、ウラニン、エオシン、ジアミノチルベン、チオフラビンT、ローダミンB、インターナショナルオレンジ等が用いられ、無機蛍光染料としては、タングステン酸カルシウム、鉛含有珪酸バリウム、ユーロピウム含有燐酸ストロンチウム、ユーロピウム含有イットリア、セリウム含有イットリア、銅あるいは銀、錫、マンガン、砒素、アルミニウム、カドミウムの一種あるいは複数含有硫化亜鉛、マンガン含有ガリウム酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、酸素欠損酸化亜鉛、ユーロピウム含有酸化亜鉛、セリウム含有酸化亜鉛、セシウム含有酸化亜鉛、マンガンあるいは砒素含有珪酸亜鉛、ビスマス含有硫化亜鉛カドミウム、ビスマス含有硫化カルシウムストロンチウム等が挙げられる。なお、これらに限定されるものではない。
【0015】
これらの中でも、2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)を用いることが特に好ましい。該蛍光染料は従来の蛍光染顔料と比較して、かなり高輝度の蛍光発色性を有するだけでなく、耐光性や耐熱性などにも優れた特性を持ち、人体に安全である。この市販品としては、イルミナール(昭和化工株式会社製)等が挙げられる。本発明の蛍光ラメ剤は、2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)で樹脂層を染色することによって、ラメ剤自体の輝きに加えて、一段と輝度の高い蛍光発色が得られ、これら蛍光ラメ剤を含有した化粧料は独特の外観を醸し出すことができる。
【0016】
薄膜状粉末の構造としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のものを挙げることができる。例えば、2以上の樹脂層とこれらの間、又は片面に位置するアルミニウムや金などの金属膜とを備えてなる積層末、1層の樹脂層からなる単層末、および2種以上の樹脂を層状に重ねてなる積層末等である。また他には、アクリル樹脂被覆アルミニウム末等のようにアルミニウム薄板等の金属薄板(箔)に1層又は複数の樹脂層を被覆したものや、ポリエチレンフィルム等の樹脂にアルミニウム等の金属を片面又は両面に蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の金属被覆処理を施した微細積層末などが挙げられる。
【0017】
前記金属膜としては、蒸着による薄膜および金属シート、箔等を用いることができる。そしてこれらは、所望される反射率を有する金属の膜であれば良く、具体的には金、銀、銅、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム、クロム、亜鉛、およびチタン等の膜が用いられる。生産コストなどの点から、前記金属膜としてはアルミニウム、金および銀の膜が好ましい。金属膜にアルミニウムを用いた蛍光ラメ剤の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミニウムを真空蒸着し、金属皮膜を保護するエポキシ樹脂で被覆した後、裁断したものを熱水中に前述の蛍光染料イルミナールとともに分散させ、染色を施した、「ダイヤモンドピース COタイプ シルバー 蛍光タイプ」シリーズ(ダイヤ工業社製)等が挙げられる。
【0018】
さらに、前記金属膜を含む蛍光ラメ剤には、プレス加工またはエンボス加工が施されていてもよい。前記エンボス加工およびプレス加工は、被覆する樹脂層の金属膜に面する側の面、つまり前記樹脂層と金属膜との境界部に施されてもよく、金属膜積層フィルム末の表面に施されてもよい。エンボス加工が施された蛍光ラメ剤の例としては、ポリエチレンテレフタレート層とアルミニウム層とエポキシ樹脂層との3層構造からなる、イルミナールで蛍光染色された、「ダイヤホログラム HG701 蛍光タイプ」シリーズ(ダイヤ工業社製)等が挙げられる。
【0019】
一方、本発明で用いられる蛍光ラメ剤の、前記1層の樹脂層からなる単層末の例としては、例えばポリエチレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムを蛍光染色して裁断したものなどが挙げられる。また、前記2種以上の樹脂を層状に重ねてなる積層末の例としては、ポリエチレンフィルムとポリオレフィンフィルムの微細な積層末などがあり、他にはポリエチレンテレフタレート層とポリメチルメタクリレート層の積層末をイルミナールで蛍光染色を行った、「レインボーフレーク II 蛍光タイプ」シリーズ(ダイヤ工業社製)等がある。
【0020】
本発明に用いられる前記蛍光ラメ剤は、少なくとも一層以上の蛍光染料を含む樹脂層を有していれば、その蛍光発色効果は充分に発揮される。したがって、異なる種類の樹脂層からなりそのうち少なくとも一層が染色されていればよく、複数の樹脂層が染色されていてもよい。さらに、前記蛍光ラメ剤が金属膜を含む場合には、金属膜が染色されていても全く問題はない。なお、製造方法としては予め樹脂に蛍光染料を包含せしめた後、薄片状粉末に加工しても良く、また、薄片状粉末を調製後に蛍光染料にて樹脂層を染色しても良く、何ら制限されない。
【0021】
本発明の蛍光ラメ剤において、蛍光染料で染色された被覆層(以下、蛍光発色層と呼ぶ)とは、前記蛍光ラメ剤に蛍光発色性を付与する層である。上記蛍光発色層に使用される樹脂は特に限定されないが、具体例としては、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート系樹脂、並びにグリセリン、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール等の多価アルコール類と無水フタル酸などのジカルボン酸無水物とから合成されるアルキド系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、およびポリクロロスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチルおよびポリ(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、およびポリ塩化ビニリデン等のいわゆるビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリ(4−メチルペンテン−1)等のオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、並びにエポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)等に染色されやすい特質を持つため、特に好ましい樹脂である。したがって、このポリエチレンテレフタレート樹脂層を本発明の蛍光ラメ剤の片面または両面の最外層に位置させると、蛍光発色性に優れるため、望ましいと言える。
【0022】
また、本発明の蛍光ラメ剤の蛍光発色層以外を構成する樹脂層に用いられる樹脂としては、上記の蛍光発色層のところで挙げた樹脂と同様の樹脂が用いられる。
【0023】
本発明で用いられる蛍光発色層中の蛍光染料の配合量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜20質量%(以下、単に「%」と記す)であり、更に好ましくは0.2〜10質量%である。
【0024】
本発明の蛍光ラメ剤の形状は特に限定されないが、正多面体等の等方体、短冊型等の直方体、円形、楕円形、三角形、平行四辺形、小判型、菱面体、板状体、針状体(円柱、角柱)などの各種形状が包含される。
【0025】
これら蛍光ラメ剤の粒径については特に限定するものでないが、0.01mm〜6mmの範囲のものが好ましく、更に好ましくは0.03〜2.0mmである。粒径が0.01mm未満の上記蛍光ラメ剤は、蛍光発色性が乏しく、人目を強く引く効果が充分ではない場合があり好ましくない。粒径が6mmを超えるラメ剤は、塗布部に均一につきにくく、強い異物感を感じさせるため好ましくない。
【0026】
また、蛍光ラメ剤の厚さについても特に限定するものでないが、1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは10〜30μmである。前記蛍光ラメ剤の厚さが1μm未満の場合は、虹色光沢が乏しくなりやすく、ラメ剤の厚さが100μmを超えると蛍光ラメ剤が硬くなり、異物感が強く、使用性および使用感の面で満足な化粧料が得られないため好ましくない。蛍光ラメ剤は、長径(面に沿って最も長い径)/厚さが、5以上が好ましく、更に好ましくは10以上、特に好ましくは20以上である。
【0027】
本発明の化粧料に配合する蛍光ラメ剤は、必要に応じて二種以上を組み合わせもよく、またこれらの蛍光発色層をさらに他の樹脂類やシリカ、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物または界面活性剤等で、疎水化処理等の表面処理を施しても良い。
【0028】
本発明の化粧料は、その種類はとくに限定されない。例えば、ネイルカラーやネイルコートなどの爪化粧料、アイシャドウ、アイライナー、マスカラまたは眉墨などの眉目化粧料、ファンデーション、頬紅、フェースカラー、口紅、リップグロス、アイライナーペンシルやリップライナーペンシルなどのペンシル状のメイクアップ化粧料、水や溶剤に蛍光ラメ剤を沈降させた状態で配合し、使用時に適度に振り混ぜて使用するような沈降タイプのメイクアップ化粧料などが挙げられる。
【0029】
本発明の化粧料は、透明であれば、容器に充填ないし密閉された状態であっても、ブラックライトで照らされた暗闇下で美しく発光する。このため店頭で陳列されたり、または手に持っているだけでも、高いファッション性と独特な存在感を有し、強く人目を引くことができる。したがって、これらの蛍光化粧料は、透明であれば特に好ましいと言える。もちろん、この際の容器自体も透明であることが望ましい。
【0030】
化粧料中における蛍光ラメ剤の含有率は、0.01〜100%である必要がある。化粧料の剤形によって、ラメ剤の含有率は一般的に決まっているが、従前の含有率に限定されるものではない。以下、各剤形におけるこの蛍光ラメ剤の好ましい含有率を列挙する。
【0031】
水に水溶性樹脂、水性樹脂エマルションもしくは増粘剤などを配合してなる水性マスカラまたは水性ジェルなどの水系メイクアップ化粧料の場合は、0.01〜60%が好ましく、0.1〜40%がさらに好ましい。0.01%未満では蛍光ラメ剤としての効果が乏しく、一方60%を越えると使用上好ましくない。
【0032】
ネイルカラーなどの爪化粧料では、0.01〜50%、さらには0.1〜30%が好ましい。0.01%未満では、蛍光ラメ剤としての効果が乏しくなる場合があり、50%を越えると塗布性が悪くなる場合がある。
【0033】
粉末をプレスなどにより乾式充填し、または粉末を揮発性溶剤を用いて湿式充填し乾燥させて得られるアイシャドウ、あるいは頬紅などの固形粉末化粧料の場合は、0.01〜80%が好ましく、さらには0.1〜50%が好適である。この範囲であれば、蛍光ラメ剤の光輝感が発揮され易く、しかも使用性が良好である。
【0034】
ルースパウダーとして使用するアイシャドウ、フェースカラーなどの粉末状化粧料の場合は、使用時に肌上に存在する人脂と混ざるため、100%でもよい。
【0035】
口紅や油性アイシャドウなどの油性固形化粧料の場合は、0.01〜60%が好ましく、0.1〜40%がさらに好ましい。0.01%未満では蛍光ラメ剤としての効果が乏しくなり、一方60%を越えると高温下での流動性が悪くなり、成型性の点で好ましくない。
【0036】
水相と油相を活性剤で乳化して得られる乳化型メイクアップ化粧料の場合は、0.01〜50%が好ましく、0.1〜40%がさらに好ましい。0.01%未満では蛍光ラメ剤としての効果が乏しく、一方50%を越えると乳化が不安定になり易い。
【0037】
この化粧料は、蛍光ラメ剤以外に化粧材料として従来使用されているものを適宜選択して含有することができる。たとえば、固形油としては、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、固形パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスもしくはモンタンワックスなどの炭化水素類、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ビーズワックス、モクロウもしくはゲイロウなどのロウ類、カカオ脂、パーム油もしくは牛脂などの油脂類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸もしくはベヘニン酸などの高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールもしくはベヘニルアルコールなどの高級アルコール類、水添ヤシ油もしくは硬化ヒマシ油などの硬化油類、ステアリン酸メチル、パルミチン酸セチル、ロジン酸ペンタエリトリットエステルもしくはジステアリン酸プロピレングリコールなどのエステル類、またはステアリル変性ポリシロキサンもしくはベヘニル変性ポリシロキサンなどのシリコーンワックス類などが挙げられる。また、これらを二種以上併用してもよい。
【0038】
液状油としては、動物油、植物油もしくは合成油などの起原を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類または油溶性紫外線吸収剤類などが挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテンなどの炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油もしくはマカデミアンナッツ油などの油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステルもしくはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)などのエステル類、イソステアリン酸もしくはオレイン酸などの脂肪酸類、オレイルアルコールもしくはイソステアリルアルコールなどの高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサンもしくはフッ素変性シリコーンなどのシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカンもしくはパーフルオロオクタンなどのフッ素系油剤類、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウムもしくはステアリン酸カルシウムなどの油性ゲル化剤類、またはパラアミノ安息香酸エチル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンもしくはオキシベンゾンなどの油溶性紫外線吸収剤類などが挙げられる。また、これらを二種以上併用してもよい。
【0039】
また粉体を含有してもよく、その粉体は、球状、板状もしくは針状などの形状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質または無孔質の粒子構造などについて、特に限定されない。例えば、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類または複合粉体類などが挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、無水ケイ酸、シリカビーズ、炭化ケイ素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイトもしくは窒化硼素などの無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、金属被覆ガラス末、酸化チタン被覆ガラス末もしくはアルミニウムパウダーなどの光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースもしくはN−アシルリジンなどの有機粉体類、有機タール系顔料もしくは有機色素のレーキ顔料などの色素粉体類、または微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化ケイ素もしくは酸化亜鉛含有二酸化ケイ素の複合粉体などが挙げられる。また、これらを二種以上併用してもよく、金属酸化物、金属水酸化物、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂または炭化水素などでさらに表面処理してもよい。
【0040】
さらに、界面活性剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、水、グリセリンや1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコール、低級アルコールまたは美容成分などを含有してもよい。
【0041】
本発明に係る化粧料は、樹脂層を蛍光染料で染色された薄膜状粉末(蛍光ラメ剤)と上述の各種材料とを、公知の手段により配合、混練および成形することにより製造される。
【0042】
【実施例】
以下、本発明について実施例等に基き詳細に説明する。この実施の形態に限定するものではない。なお、以下の処方における数字は特に断り無き場合には質量%を表す。
【0043】
(実施例1〜3)および(比較例1〜2):ネイルカラー
下記「表1」の材料1〜4および材料9をローラーミルで混練した後、材料5〜8を添加し溶融拡散させた。さらに、材料10〜15を添加し均一分散させ、所定の容器に充填してネイルカラーを得た。このネイルカラーについて、下記の方法で評価した。
【0044】
〈評価方法〉1.蛍光強度
このネイルカラーを透明ガラス容器に充填し、ブラックライト(F65D−A〔100V〕;スガ試験機械社製)の照明下で蛍光強度について評価を行った。下記「表1」には、この試験の結果をつぎの記号で示す。
◎ : 蛍光がより強い。
○ : 蛍光が強い。
△ : 蛍光が弱い。
× : ほとんど蛍光を発しない。
【0045】
〈評価方法〉2.均一な蛍光発色性
このネイルカラーを女性パネラー20名に実際に使用してもらい、ブラックライトの照明下で均一な蛍光発色性について官能的に評価してもらった。下記「表1」には、この官能試験の結果をつぎの記号で示す。
◎ : 良いと答えた人数が15人以上
○ : 〃 10〜14人
△ : 〃 7〜10人
× : 〃 6人以下
【0046】
〈評価方法〉3.経時安定性
ガラス瓶に充填した試料を暗所、40℃の条件下に1ヶ月設置し、調製直後の試料と蛍光強度の変化をブラックライトの照明下で比較した。下記「表1」には、この試験の結果をつぎの記号で示す。
り評価した。
[評価][内容]
◎ : 変化なし。
○ : やや変化の傾向がみられる。
△ : あきらかに変化している。
× : 調製直後から蛍光発色がなかった
以上の評価方法により得られた結果を表1に併せて示す。
【0047】
【表1】
【0048】
(実施例4〜6)および(比較例3〜4):水性マスカラ
下記「表2」の材料からなる水性マスカラを公知の手段により製造した。この水性マスカラについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表2」に併せて示す。
【0049】
【表2】
【0050】
(実施例7〜9)および(比較例5〜6):口紅
下記「表3」の材料1〜5を均一に溶解混合した後、材料6〜9を添加してローラーミルで混練し、これらを均一拡散させた。その後、材料10〜14を添加し均一に分散させ脱泡した。そして、金型で成型し所定の容器に装填して、スティック形状の口紅を得た。この口紅について、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表3」に併せて示す。
【0051】
【表3】
【0052】
(実施例10〜12)および(比較例7):リップグロス
下記「表4」の材料からなるリップグロスを公知の手段により製造した。このリップグロスについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表4」に併せて示す。
【0053】
【表4】
【0054】
(実施例13〜15)および(比較例8〜9):パウダーアイシャドウ
下記「表5」の材料1〜10をミキサーで均一に混合撹拌した後、ここに材料11〜13を約70℃に昇温して溶融させ、添加して均一に分散させた。室温にまで冷却した後、ミキサーに投入して再度均一に混合撹拌し、さらに材料14〜17を投入して混合撹拌して、所定の金皿にプレス成形してパウダーアイシャドウを得た。このパウダーアイシャドウについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表5」に併せて示す。
【0055】
【表5】
【0056】
(実施例16)および(比較例10〜11):乳化型アイシャドウ
下記「表6」の材料からなる乳化型アイシャドウを公知の手段により製造した。この乳化型アイシャドウについて、実施例1と同様の方法で評価した。その結果を、下記「表6」に併せて示す。
【0057】
【表6】
【0058】
得られた結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜16の化粧料は、蛍光強度、均一な蛍光発色性、経時安定性ともに優れたものであった。それに対し、比較例1〜11では全ての項目を満足し得るものは得られなかった。
【0059】
【発明の効果】
上記の内容より、本発明により、人体に安全で、安定性に優れ、均一な発色を有し、しかもラメ自体の光輝性に加え高輝度の蛍光発色が得られ、優れた誘目性を有する化粧料が得られることは明らかである。
Claims (5)
- 蛍光染料を含有する少なくとも一層以上の樹脂層を有する薄片状粉末を含有することを特徴とする化粧料。
- 2’2−(1,2−エテンジニル)ビス(5−メチルベンズオキサゾ−ル)を含有する少なくとも一層以上の樹脂層を有する薄片状粉末を含有することを特徴とする化粧料。
- 樹脂層がポリエチレンテレフタレート樹脂からなるものである請求項1記載の化粧料。
- 化粧料が透明である請求項1記載の化粧料。
- 蛍光染料で着色された樹脂層を最外層とする薄片状粉末を含有する化粧料。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007123162A1 (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-01 | Mitsubishi Chemical Corporation | ポリカーボネート樹脂 |
JP2008105976A (ja) * | 2006-10-24 | 2008-05-08 | Shinichiro Isobe | 化粧用組成物 |
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JP2013216590A (ja) * | 2012-04-05 | 2013-10-24 | Hitachi Chemical Co Ltd | 化粧料用粒子及び化粧料 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003145824A patent/JP2004346025A/ja active Pending
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