JP2004345588A - ミラー制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一態様のミラー制御装置10は、モータに流れるロック電流を検出する電流検出手段26と、モータの作動により発生するブラシノイズを検出するブラシノイズ検出手段28と、検出されたブラシノイズをカウントして記憶するノイズ記憶手段22とを設け、ミラーを通常位置から下向き傾斜位置まで作動させる際にはノイズ記憶手段22によってブラシノイズの発生数を保存するとともに電流検出手段26で検出されるモータのロック電流によってミラーが下向き傾斜位置に到達したことを判断し、ミラーを下向き傾斜位置から通常位置に戻す際にはノイズ記憶手段22に保存されたブラシノイズ数に基づいてモータを逆転させてミラーを通常位置まで作動させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に取り付けられている電動リモコン式サイドミラーの作動を制御するミラー制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−130326号公報
【0003】
従来、自動車のドアに取り付けられたサイドミラーにおいて、自動車の後退時にミラーが自動的に下側に向くことによって運転手がミラーを介して後輪付近の視界を確認でき、後退終了後にミラーが通常位置に自動復帰するようにしたリバース連動ミラーがある。そして、これまでのリバース連動ミラーでは、ミラーが所定の下向き傾斜位置に作動されたこと、および、通常位置に復帰したことを検出するために、タイマー、位置センサ、リミットスイッチ、駆動モータを流れる電流パルス等を用いて制御していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タイマーを用いた場合には、下向き傾斜時と復帰時のモータ速度の違いや、電圧や温度の違いなどによってミラーを正確に通常位置復帰させることができないという問題がある。また、位置センサやリミットスイッチを用いると、部品数が多くなってコストアップになるとともに、これらの部品を内部に収納することによりドアミラーが大型化するという問題がある。さらに、モータを流れる電流パルスを用いた場合には、ミラーが下向き傾斜極限位置に達してもモータはクラッチにより空転するために電流パルスは発生し続けることになり、これではミラーが下向き傾斜極限位置に達したことを判定できないという問題がある。
【0005】
これに対し、前記タイマー、位置センサおよびリミットスイッチを用いるのではなく、前記特許文献1では、モータに流れる電流からパルスを生成し、そのパルス数に基づいてミラーの傾斜角度を制御するようにしたミラー制御装置が提案されている。しかしながら、このミラー制御装置では、ミラーが通常位置から所定の下向き傾斜位置に達するまでの必要パルス数を車種ごとに予め設定しておく必要がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、初期設定が不要であり、あらゆる車両にチューニングなしで搭載可能なミラー制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明は、所定のスイッチ操作により車両に取り付けられたミラーを通常位置と所定の下向き傾斜位置との間で作動させるモータを有するミラー制御装置であって、
前記モータに流れるロック電流を検出する電流検出手段と、前記モータの作動により発生するブラシノイズを検出するブラシノイズ検出手段と、該ブラシノイズ検出手段によって検出されたブラシノイズをカウントして記憶するノイズ記憶手段とを設け、前記ミラーを通常位置から前記下向き傾斜位置まで作動させる際には前記ノイズ記憶手段によって前記ブラシノイズの発生数を保存するとともに前記電流検出手段で検出される前記モータのロック電流によって前記ミラーが前記下向き傾斜位置に到達したことを判断し、前記ミラーを前記下向き傾斜位置から通常位置に戻す際には前記ノイズ記憶手段に保存されたブラシノイズ数に基づいて前記モータを逆転させて前記ミラーを通常位置まで作動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、モータのロック電流を検出することによってミラーが所定の下向き傾斜位置に到達したことを判断することができるので、通常位置から所定の下向き傾斜位置に達するまでに発生するモータの電流パルス数を車種ごとに予め初期設定しておく必要がなく、あらゆる車両にチューニングなしに搭載可能であり、開発工数を大幅に低減することができる。
また、ミラーが所定の下向き傾斜位置に到達したことを検知するためのスイッチ類が不要であり、コストを削減できる。
また、モータの速度や電圧の違いによる作動誤差がなく、簡単な構成で確実にミラーを通常位置に復帰させることができる。
さらに、氷結等によりミラーが作動しない場合でも、モータのロック電流により異常を確実に発見可能であり、モータへのダメージを小さくできる。
【0009】
本発明のミラー制御装置では、前記モータの作動時間を記憶する作動時間記憶手段を設け、該作動時間記憶手段によって正常作動時のモータの作動時間を記憶して、外部からのノイズ等により前記ノイズ記憶手段がブラシノイズを正常にカウントできない場合には、前記モータを前記作動時間記憶手段に記憶された正常作動時のモータ作動時間だけ作動させるようにしてもよい。
【0010】
この構成によれば、ブラシノイズがカウント不能な場合でも、正常作動時のモータの作動時間を基準にしてミラーを通常位置に復帰可能とするバックアップが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるミラー制御装置10のブロック図である。このミラー制御装置10は、サイドミラーである左右のドアミラー(図示せず)のミラー本体(以下、単に「ミラー」という。)をそれぞれ上向きまたは下向きに作動させるためのモータ12R,12Lを備えている。モータ12R,12Lは、それぞれクラッチを介して左右のミラーにそれぞれギヤ連結されている。なお、各ミラーを左右方向にそれぞれ作動させるためのモータの図示は省略してある。
【0012】
前記各モータ12R,12Lは、モータ駆動回路14に電気的に接続されている。モータ駆動回路14は、バッテリである電源16に電気的に接続されて給電されるようになっている。電源16は、手動スイッチ回路18に電気的に接続されている。手動スイッチ回路18は、各モータ12R,12Lにそれぞれ電気的に接続されており、運転手が手動にて各ミラーを上向きまたは下向きに操作するためのものである。
【0013】
電源16は、電圧調整回路20を介して制御部(ノイズ記憶手段および作動時間記憶手段)22に電気的に接続されている。電圧調整回路20は、電源16により供給される電圧(例えば12V)を制御部22を構成するICの駆動電圧(例えば5V)に調整するためのものである。制御部22は、モータ駆動回路14に電気的に接続されており、各モータ12R,12Lを作動または停止するための信号を送信するようになっている。
【0014】
モータ駆動回路14は、検出抵抗24を介して電気的に接地されている。モータ駆動回路14と検出抵抗24との間には、ロック電流検出回路(電流検出手段)26およびブラシノイズ検出回路(ブラシノイズ検出手段)28がそれぞれ電気的に接続されている。ロック電流検出回路26およびブラシノイズ検出回路28は、制御部22に電気的にそれぞれ接続されている。
【0015】
ロック電流検出回路26は、各モータ12R,12Lを駆動するときに流れるモータ電流をモータ駆動回路14から導入して、各モータ12R,12Lがトルクオーバーにより作動停止(ロック)したときのロック電流を検出するためのものである。
【0016】
ブラシノイズ検出回路28は、増幅回路30、フィルタ回路32および波形成形回路34が直列に接続されて構成されており、各モータ12R,12Lを駆動するときに流れるモータ電流をモータ駆動回路14から導入して、ブラシノイズを検出するためのものである。ここで、モータ電流に発生するブラシノイズとは、周知構造を有するモータの内部において、ロータの電磁石のコイルに給電するための回転するコミュテータが固定配置された給電用ブラシと接触または非接触になる状態を繰り返すことによって発生する周期性のある電流の振れのことである。
【0017】
制御部22には、システムスイッチ36およびリバーススイッチ38がそれぞれ電気的に接続されている。システムスイッチ36は、ミラー制御装置10を作動させるか否かを運転手が手動で切り替えることができるスイッチである。また、リバーススイッチ38は、自動車のATシフトレバーがリバースレンジに操作されたときにオフからオンに切り替わるスイッチである。
【0018】
上記構成からなるミラー制御装置10において、ロック電流検出回路26およびブラシノイズ検出回路28に導入されるモータ電流の波形を図2(a)に示す。図2(a)に示すように、モータの駆動がオンされた当初には、突出して高くなった突入電流が流れるが、その後は細かいブラシノイズが発生しているもののほぼ一定の定常電流が流れる。そして、モータの駆動によってミラーが作動してそれ以上下向きに傾斜できない下向き傾斜極限位置にまで達した以降は、モータは次第に減速して停止する。このとき、モータ電流は、次第に増加してゆき、モータの停止によって定常電流よりも所定値だけ高い閾値を越えたロック電流になる。このロック電流がロック電流検出回路26で検出され、この検出されたロック電流が制御部22に入力されてA/D変換により数値化されることになる。そして、数値化されたロック電流の値は、制御部22によって記憶可能になっている。
【0019】
モータにロック電流が流れた状態において、本実施形態のミラー制御装置10では各モータ12R,12Lはクラッチを介してミラーにそれぞれ連結されているため、モータの駆動トルクがクラッチの所定トルクを越えたときにクラッチに滑りが生じてモータが僅かに空転した後、再び停止する。この空転時に、ロック電流が一旦減少するが、モータの再停止によってロック電流は再び増加に転じる。このように、モータが空転および停止を繰り返すことで、ロック電流はモータへの給電が停止されるまで相当数の山型を描くことになる。
【0020】
一方、ブラシノイズ検出回路28においては、モータ電流の定常電流について、まず、増幅回路30によってブラシノイズを含むモータ電流が増幅され、続いてフィルタ回路32によって図2(b)に示すようにモータ電流の直流成分を除いたブラシノイズの波形成分が取り出され、次に、波形成形回路34によって図2(c)に示すようにブラシノイズが矩形パルス波に成形され、この矩形パルス波が制御部22に入力されてカウントされることになる。なお、図2(c)に示す矩形パルス波では、モータが加速中であることから各矩形パルスの発生間隔が次第に短くなっているが、モータが一定速度で回転するときには前記各矩形パルスの間隔も等間隔になる。
【0021】
次に、前記ミラー制御装置10の制御部22による制御について図3ないし7を参照して説明する。
図3は、制御部22による制御のメインルーチンを示す。この処理では、まず、ステップS1において制御部22の初期化を行ない、続いて、ステップS2において10msec経過したかを判定し、10msec経過したと判定すれば次の処理に進む。これにより、ステップS3以降の処理は、10msec毎に実行されることになる。なお、ステップS3以降の処理においてリターン処理は、ステップS8「リターン戻り」によってステップS2の前に戻る。
【0022】
次に、ステップS3においてスイッチ状態の読み込みが行なわれる。このときに、システムスイッチ36およびリバーススイッチ38等のオンオフ状態が取得される。そして、ステップS4において、リバーススイッチ38がオンで、かつ、システムスイッチ36がオンであるかを判定する。このとき、リバーススイッチ38がオンで、かつ、システムスイッチがオンであると判定されたとき(すなわち、自動車のATシフトレバーがリバースレンジに操作されており、かつ、ミラー制御装置10が作動可能な状態になっているとき)、ステップS5においてリバースモードを実行する。ここで、リバースモードとは、後述するように、ミラーを通常位置から下向き傾斜極限位置まで作動させる処理である。
【0023】
一方、ステップS4においてリバーススイッチ38がオンで、かつ、システムスイッチ36がオンであると判定されないとき、ステップS6においてリバーススイッチがオフで、かつ、反転フラグが1であるかを判定する。ここで、反転フラグとは、前記ステップS5で実行されるリバースモードの処理の最後(すなわち、ミラーが通常位置から下向き傾斜極限位置まで作動された後)に、1に設定されるフラグである。
【0024】
ステップS6において、リバーススイッチ38がオフで、かつ、反転フラグが1であると判定されたとき(すなわち、ミラーが下向き傾斜極限位置に作動された後にATシフトレバーがリバースレンジから他の位置に操作されたとき)、ステップS7において反転モードが実行される。ここで、反転モードとは、後述するように、ミラーを下向き傾斜極限位置から通常位置に復帰させる処理である。他方、ステップS6において、リバーススイッチ38がオフで、かつ、反転フラグが1であると判定されないとき、処理が終了する。
【0025】
図4は、ブラシノイズ検出回路28から制御部22にブラシノイズが入力される度に実行される割り込み処理ステップS35のフローチャートである。このステップS35の割り込み処理では、まず、ステップS36において、1回割り込み発生したら0.6msecは割り込みを禁止し、これによりソフト的にノイズを除去している。次に、ステップS37においてパルスカウント数を1だけ増やしてブラシノイズをカウントした後、割り込み位置へ戻る。このようにして、ブラシノイズの発生数が記憶保存される。
【0026】
次に、図5を参照して前記ステップS5のリバースモードについて説明する。リバースモードでは、まず、ステップS21において各モータ12R,12Lを作動させる。これにより、左右のミラーは通常位置から下向き傾斜極限位置に向けて傾斜動作を開始する。続いて、ステップS22においてモータ作動時間が0かどうかを判定し、0であると判定されるとステップS23においてモータ作動時間の計測を開始し、他方、モータ作動時間が0であると判定されないときはモータ作動時間計測中であるためステップS24に進む。なお、上述したブラシノイズカウントのための割り込み処理S35は、ステップS23におけるモータ作動時間計測開始の後に割り込み可能となる。
【0027】
次に、ステップS24において、モータ作動時間が300msecよりも長いかどうかを判定する。これにより、モータの駆動開始時にはロック電流検出回路26によるロック電流検出を行なわないようにすることで、突入電流(図2参照)がロック電流とみなされるのを防止している。ステップS24において、モータ作動時間が300msecよりも短いと判定されると、前記ステップS8に戻り、他方、モータ作動時間が300msecよりも長いと判定されると、ステップS25においてブラシノイズのパルス異常判定を行なう。ここでは、ブラシノイズのパルス入力間隔は通常で1〜2msec程度であることから、前回のパルス入力から10msec以内にパルスがなければ、外部からのノイズ等によりブラシノイズをカウントできないパルス異常状態と判定する。
【0028】
ステップS25において、パルス異常と判定されるとステップS26でダウン時パルス不能フラグRFDを1に設定し、他方、パルス異常と判定されないときにはステップS27でロック電流判定を行なう。ここでは、ロック電流検出回路26で検出されたモータ電流が、(1)定常電流を基準にして、定常電流+所定値(例えば0.3A)の閾値を越えたとき、または、(2)図5に示すルーチンを所定回数(例えば6回)繰り返して実行したときに連続して前回モータ電流よりも増加していたとき、のいずれかの条件を満たした場合に、ロック電流と判定される。なお、前記(2)の条件において「所定回数連続してモータ電流が増加していること」とするのは、ノイズによって誤判定が生じないようにするためである。
【0029】
ステップS27において、ロック電流と判定されないときには前記ステップS8に戻り、他方、ロック電流と判定されたときには、ミラーが下向き傾斜極限位置に到達したことによりモータがロックしたと判断することができるため、ステップS28でモータ12R,12Lの作動を停止するとともに、図4の割り込み処理によりカウントされたパルスカウント(すなわちブラシノイズの発生数)をPD値として保存する。
【0030】
続いて、ステップS29において、前記PD値の補正を行なう。この補正は、モータとミラーとを連結するギヤのガタつき分に応じたパルス数(例えば10パルス)を前記PD値に加えることにより行なわれるが、記憶されている前回のミラー作動方向によっては補正が必要な場合と不要な場合がある。
【0031】
このような補正を行なう理由は、次の通りである。図7(a)に示すように、前回の手動でのミラー操作においてミラーが上向き傾斜位置から通常位置に作動されていた場合には、今回のステップS5のリバースモードの実行によりミラーを通常位置から下向き傾斜極限位置(「下向き」と図示する)まで作動させる間に発生するモータのパルスカウント数には、ギヤのガタつき分に相当するパルス数が含まれていない。なぜなら、前回のミラー作動方向と今回のミラー作動方向とが同じであるため、ミラーが通常位置から下向き傾斜極限位置へ向けて作動し始めるときにギヤのガタつきがないからである。一方、後述するステップS7の反転モードにおいてミラーを下向き傾斜極限位置から通常位置に戻す際には、ミラーの作動方向が前回のステップS5の実行によるミラー作動方向と逆になるため、ミラー作動開始時にギヤのガタつきが発生することになる。このため、ミラーを下向き傾斜極限位置から通常位置に正確に復帰させるために必要になるモータのパルスカウント数は、前記ギヤのガタつきを考慮してそれに相当する分のパルス数を前記ステップS5の実行によりカウントされたパルス数に加えたものにする必要がある。したがって、前記ステップS29のPD値補正では、ミラーが通常位置から下向き傾斜極限位置に作動するまでに実際にカウントされたパルス数であるPD値に、ギヤのガタつきに相当するパルス数を加えることで補正を行なっている。
【0032】
なお、ステップS29においてPD値補正が不要な場合もある。これは、図7(b)に示すように、前回の手動でのミラー操作においてミラーが下向き傾斜位置から通常位置に作動されていた場合には、今回のステップS5のリバースモードの実行によりミラーを通常位置から下向き傾斜極限位置まで作動させる間に発生するモータのパルスカウント数には、ギヤのガタつき分に相当するパルス数が含まれている。なぜなら、前回のミラー作動方向と今回のミラー作動方向とが逆であるため、ミラーが通常位置から下向き傾斜極限位置へ向けて作動し始めるときにギヤのガタつきがあるからである。したがって、ステップS5の実行により実際にカウントされたパルス数にはギヤのガタつきに相当するパルス数が既に含まれているため、この場合にはPD値の補正が不要となる。
【0033】
前記ステップS29に続いて、ステップS30においてモータ作動時間を正常作動時間として保存する。そして、ステップS31においてモータ作動時間およびパルスカウントをリセットするとともに反転フラグを1に設定し、その後、前記ステップS8に戻る。これにより、ステップS5のリバースモードの処理が終了し、ミラーは下向き傾斜極限位置まで作動する。
【0034】
次に、図6を参照して前記ステップS7の反転モードについて説明する。反転モードは、ミラーを下向き傾斜極限位置から通常位置に復帰させるためにモータを逆転作動させる処理であるが、ステップS40〜S45は前記リバースモードにおけるステップS21〜S26と同様であるため重複する説明を省略する。ただし、ステップS45においては、リバースモードのステップS26とは設定対象が異なり、アップ時パルス不能フラグRFUが1に設定される。
【0035】
続くステップS46において、ダウン時パルス不能フラグRFDおよびアップ時パルス不能フラグRFUが共に0であるとき(すなわち、ミラーの下向き作動時および上向き作動時のいずれもパルス入力が正常であるとき)、ミラー上向き作動時のパルスカウントをミラー下向き作動時に記憶したPD値と比較する。このとき、パルスカウントがPD値に少なくとも等しくなったと判定されると、ミラーが通常位置に復帰したと判断することができるため、ステップS47において、計測されたモータ作動時間を正常作動時間として記憶し、その後、ステップS49においてモータを停止する。そして、続くステップS50において、モータ作動時間およびパルスカウントをリセットするとともに反転フラグを0に設定してから、前記ステップS8に戻る。
【0036】
一方、ステップS46において、ダウン時パルス不能フラグRFDおよびアップ時パルス不能フラグRFUが共に0であると判定されないとき、ステップS48においてダウン時パルス不能フラグRFDまたはアップ時パルス不能フラグRFUが1である(すなわち、ミラーの下向き作動時および上向き作動時のいずれかのパルス入力が異常である)と判定される。このときには、計測されているモータ作動時間と、記憶されている正常作動時間とを比較し、モータ作動時間が正常作動時間と少なくとも一致するまでモータを逆転作動させた後、ステップS49においてモータを停止する。そして、同様にステップS50において、モータ作動時間およびパルスカウントをリセットするとともに反転フラグを0に設定してから、前記ステップS8に戻る。
【0037】
これにより、反転モード処理が終了し、パルス正常時には下向き作動時のパルスカウント数に基づいて、または、パルス異常時には正常作動時間に基づいてモータを逆転作動させることにより、ミラーを下向き傾斜極限位置から通常位置まで正確に復帰させることができる。
【0038】
以上に説明したように、本実施形態のミラー制御装置10によれば、モータのロック電流を検出することによってミラーが下向き傾斜極限位置に到達したことを判断することができるので、通常位置から下向き傾斜極限位置に達するまでに発生するモータの電流パルス数を車種ごとに予め初期設定しておく必要がなく、あらゆる車両にチューニングなしに搭載可能であり、開発工数を大幅に低減することができる。
【0039】
また、ミラーが下向き傾斜極限位置に到達したことを検知するためのスイッチ類が不要であり、コストを削減できる。
【0040】
また、モータの速度や電圧の違いによる作動誤差がなく、簡単な構成で確実にミラーを通常位置に復帰させることができる。
【0041】
さらに、氷結等によりミラーが作動しない場合でも、モータのロック電流により異常を確実に発見可能であり、モータへのダメージを小さくできる。
【0042】
さらにまた、ブラシノイズがカウント不能な場合でも、正常作動時のモータの作動時間を基準にしてミラーを通常位置に復帰可能とするバックアップが可能になる。そしてこの正常作動時のモータの作動時間は、車種ごとに予め初期設定しておく必要がなく、車種に応じてモータの作動時間を自動で設定することができる。
【0043】
ところで、前記ミラー制御装置10のロック電流検出回路26については、図8に示すように、トランジスタ26aおよびオペアンプ26bを含む回路構成とすることで電流増幅率を可変にしてもよい。電源16の電圧低下により、モータ12R,12Lに流れる定常電流の値が小さくなると、ロック電流も小さくなり、また、外部からのノイズ等の影響が大きくなるので、モータのロックを判定しにくくなる。そこで、制御部22は、モータの定常時にロック電流入力部23に入力される電流の値が所定の電流値より小さくなれば、トランジスタ26aに送信してオペアンプ26bの増幅率を大きくし、これにより電流値を大きくすることができる。
【0044】
なお、上述した実施形態のミラー制御装置10の制御に用いられる時間や回数の具体的数値は、単なる例示に過ぎず、利用されるモータの特性によって当然に変化し得るものである。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のミラー制御装置によれば、モータのロック電流を検出することによってミラーが所定の下向き傾斜位置に到達したことを判断することができるので、通常位置から所定の下向き傾斜位置に達するまでに発生するモータの電流パルス数を車種ごとに予め初期設定しておく必要がなく、あらゆる車両にチューニングなしに搭載可能であり、開発工数を大幅に低減することができる。
【0046】
また、ミラーが所定の下向き傾斜位置に到達したことを検知するためのスイッチ類が不要であり、コストを削減できる。
【0047】
また、モータの速度や電圧の違いによる作動誤差がなく、簡単な構成で確実にミラーを通常位置に復帰させることができる。
【0048】
さらに、氷結等によりミラーが作動しない場合でも、モータのロック電流により異常を確実に発見可能であり、モータへのダメージを小さくできる。
【0049】
さらにまた、本発明のミラー制御装置において、前記モータの作動時間を記憶する作動時間記憶手段を設け、該作動時間記憶手段によって正常作動時のモータの作動時間を記憶して、外部からのノイズ等により前記ノイズ記憶手段がブラシノイズを正常にカウントできない場合には、前記モータを前記作動時間記憶手段に記憶された正常作動時のモータ作動時間だけ作動させるようにした場合には、ブラシノイズがカウント不能な場合でも、正常作動時のモータの作動時間を基準にしてミラーを通常位置に復帰可能とするバックアップが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミラー制御装置のブロック図。
【図2】(a)はロック電流検出回路で検出されるモータの電流波形、(b)はブラシノイズ検出回路で抽出および増幅されたブラシノイズの波形、(c)はブラシノイズ検出回路で成形されたブラシノイズの矩形パルス波形をそれぞれ示す図。
【図3】ミラー制御装置のメインルーチンを示すフローチャート。
【図4】パルスカウントのための割り込み処理を示すフローチャート。
【図5】ミラーを下向き作動させるリバースモードを示すフローチャート。
【図6】ミラーを上向き作動させる反転モードを示すフローチャート。
【図7】PD値補正を説明するための図。
【図8】ロック電流検出回路の一部を示す図。
【符号の説明】
10…ミラー制御装置、12R,12L…モータ、14…モータ駆動回路、18…手動スイッチ回路、20…電圧調整回路、22…制御部(ノイズ記憶手段および作動時間記憶手段)、26…ロック電流検出回路(電流検出手段)、28…ブラシノイズ検出回路(ブラシノイズ検出手段)、36…システムスイッチ、38…リバーススイッチ。
Claims (2)
- 所定のスイッチ操作により車両に取り付けられたミラーを通常位置と所定の下向き傾斜位置との間で作動させるモータを有するミラー制御装置であって、
前記モータに流れるロック電流を検出する電流検出手段と、前記モータの作動により発生するブラシノイズを検出するブラシノイズ検出手段と、該ブラシノイズ検出手段によって検出されたブラシノイズをカウントして記憶するノイズ記憶手段とを設け、前記ミラーを通常位置から前記下向き傾斜位置まで作動させる際には前記ノイズ記憶手段によって前記ブラシノイズの発生数を保存するとともに前記電流検出手段で検出される前記モータのロック電流によって前記ミラーが前記下向き傾斜位置に到達したことを判断し、前記ミラーを前記下向き傾斜位置から通常位置に戻す際には前記ノイズ記憶手段に保存されたブラシノイズ数に基づいて前記モータを逆転させて前記ミラーを通常位置まで作動させるようにしたことを特徴とするミラー制御装置。 - 前記モータの作動時間を記憶する作動時間記憶手段を設け、該作動時間記憶手段によって正常作動時のモータの作動時間を記憶して、外部からのノイズ等により前記ノイズ記憶手段がブラシノイズを正常にカウントできない場合には、前記モータを前記作動時間記憶手段に記憶された正常作動時のモータ作動時間だけ作動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のミラー制御装置。
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