【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリントに用いるインクジェット記録用シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、液体インクを微細なノズルから噴出させて、紙などの記録媒体に付着させ、画像の形成を行うものであるが、記録時の騒音が少なく、カラー記録が容易であること、高速記録が可能であること、さらに、他の記録方式の印刷装置よりも安価であること等の理由から、端末用プリンター、ファクシミリ、プロッター、または帳票印刷装置などに広く利用されている。
【０００３】
最近のプリンターの急速な普及や印字の高精細・高速化、さらに、デジタルカメラの登場等により、このインクジェット記録方式に用いる記録媒体、すなわち、インクジェット記録用シート（以下、「記録用シート」という。）に高度な特性が要求されるようになった。インク吸収性および耐水性に優れ、印字濃度が高く、銀塩方式の写真に匹敵する画質と保存性を兼ね備えた記録用シートが求められている。
【０００４】
このような要求に答えるため、支持体上に顔料および接着剤を主体とするインク受容層を設けた記録用シートに関する提案が多数なされてきた。例えば、非晶質シリカおよび高分子接着剤からなる塗布層（特許文献１〜３参照。）、ゼオライト等のインク吸着顔料を有する塗布層（特許文献４参照。）、微粉ケイ酸および水溶性樹脂からなる塗布層（特許文献５参照。）、多孔質のカチオン性水和アルミニウム酸化物を含有する塗布層（特許文献６参照。）等を支持体上に設けた記録用シートが提案されている。
【０００５】
また、印字の耐水性改善の観点から、カチオン性高分子化合物（特許文献７〜９参照。）、塩基性ラテックスポリマー（特許文献１０参照。）等をインク受容層に含有させた記録用シートが提案されている。
【０００６】
さらに、水溶性もしくは水分散性ポリエステル系樹脂とポリビニルアルコールに、親水性のラジカル重合性ビニルモノマーをグラフト重合させたコーティング組成物を支持体に塗布して記録用シートとすることが提案されている（特許文献１１参照。）。
【０００７】
【特許文献１】
特開昭５５−５１５８３号公報
【特許文献２】
特開昭５７−１５７７８６号公報
【特許文献３】
特開昭６２−１５８０８４号公報
【特許文献４】
特開昭５６−１４４１７２号公報
【特許文献５】
特開昭５６−１４８５８３号公報
【特許文献６】
特開昭６０−２３２９９０号公報
【特許文献７】
特開昭５６−８４９９２号公報
【特許文献８】
特開昭６０−４９９９０号公報
【特許文献９】
特開昭６１−１２５８７８号公報
【特許文献１０】
特開昭５７−３６６９２号公報
【特許文献１１】
特開平１０―９５９５２号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら従来の記録用シートを用いて形成されるフルカラーインクジェット記録画像は、印字濃度が不充分であったり、滲みにより画質が不鮮明であったりする問題があった。本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、インクジェット記録用シート上にフルカラーで印字した場合に、高い印字濃度が得られるインクジェット記録用シートを提供することを課題とする。さらに、耐水強度が高いインクジェット記録用シートを提供することを課題とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体上に、少なくとも一層のインク受容層が設けられたインクジェット記録用シートにおいて、該インク受容層中にポリビニルアルコールをグラフト重合させたアクリル系樹脂を含有することを特徴とするインクジェット記録用シートを提供する。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の記録用シートは、支持体と、この支持体上に設けられた少なくとも一層のインク受容層とから、基本的に構成される。インク受容層は、接着剤の他、顔料、カチオン性高分子化合物等から構成される。
【００１１】
インク受容層に用いられる接着剤としては、ポリビニルアルコールをグラフト重合させたアクリル系樹脂（以下、「ＰＶＡグラフトアクリル共重合体」という。）が用いられる。ＰＶＡグラフトアクリル共重合体は、エマルジョンあるいは水溶性樹脂として使用される。グラフト重合とは、幹となる高分子化合物Ａに、任意の高分子化合物Ｂを接ぎ木として、重合させることをいう。本発明のＰＶＡグラフトアクリル共重合体では、幹である高分子化合物Ａがアクリル系重合体、接ぎ木である高分子化合物Ｂがポリビニルアルコールである。
【００１２】
ＰＶＡグラフトアクリル共重合体のグラフト率は、１０〜２００％であることが好ましい。ここで、グラフト率（％）とは、接ぎ木である高分子化合物Ｂの質量（ｇ）を、幹である高分子化合物Ａの質量（ｇ）で割った値に１００を乗じた値をいう。
【００１３】
ＰＶＡグラフトアクリル共重合体中のポリビニルアルコールの平均鹸化度は７０〜１００％、平均重合度は２０〜３０００であることが好ましい。ＰＶＡグラフトアクリル共重合体の分子量は、アクリル系モノマーを重合させるときの連鎖移動剤により適宜調節ができる。連鎖移動剤としては、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、ｎ−ブチルメルカプタン、ｔ−ブチルメルカプタン、ｎ−ヘキシルメルカプタン、ｎ−オクチルメルカプタン、ｎ−ドデシルメルカプタン、エチルチオグリコレート、メルカプトエタノール、チオ−β−ナフトール、チオフェノール等が用いられ、アクリル系モノマー成分全量に対し通常０．００５〜０．５質量％の範囲で使用される。
【００１４】
一般的なグラフト重合法としては、高分子化合物Ａに高分子化合物Ｂを化学的につなぐ方法、高分子化合物Ａ上に単量体分子Ｂを重合させる方法、マクロマーを用いる方法などがある。ここでマクロマーとは、重合に用いる単量体で、末端に重合可能な官能基をもった高分子量の化合物、すなわちマクロなモノマーをいう。マクロマーの多くは末端にビニル基、ビニリデン基などを有している。マクロマーを他の通常のモノマーと共重合させてグラフト共重合体を合成すると、グラフト構造の制御が比較的容易であることや他の方法では得られにくいグラフト共重合体を得られるなどの利点がある。
【００１５】
ポリビニルアルコールをアクリル系樹脂にグラフト重合させるには、上記いずれかのグラフト重合法により、接ぎ木部分となるポリ酢酸ビニルをアクリル系樹脂にグラフト重合させた後、接ぎ木部分を鹸化して（加水分解して）、ポリビニルアルコールとする方法がある。
【００１６】
ここで用いるアクリル系樹脂としては、メチル（メタ）アクリレート、エチル（メタ）アクリレート、ブチル（メタ）アクリレート、メタアクリル酸などのアクリル系モノマーを重合した樹脂が挙げられる。また、接ぎ木部分となるポリ酢酸ビニルとしては、酢酸ビニルマクロマーなどが使用できる。ＰＶＡグラフトアクリル共重合体は、アクリル系樹脂１００質量部に対してポリ酢酸ビニル１０〜２００質量部をグラフト重合させた後、ＮａＯＨ等を用いて鹸化させることで得られる。
【００１７】
ポリビニルアルコールをアクリル系樹脂にグラフト重合させる他の方法としては、アクリル系モノマーと、アクリル系モノマーに反応するビニル基を有するシランカップリング剤と、ポリビニルアルコールとを混合させたのち、乳化重合させる方法が挙げられる。
【００１８】
この場合、アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル（メタ）アクリレート、エチル（メタ）アクリレート、ブチル（メタ）アクリレート、（メタ）アクリル酸などが使用できる。また、シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス（２−メトキシエトキシ）シラン等が使用できる。
【００１９】
この方法では、アクリル系モノマーを１００質量部、シランカップリング剤を１０〜１００質量部、ポリビニルアルコールを１０〜２００質量部の割合で混合させることで、ＰＶＡグラフトアクリル共重合体が得られる。
【００２０】
本発明のインク受容層には、ＰＶＡグラフトアクリル共重合体に、さらに他の接着剤を併用することができる。例えば、ポリビニルアルコールおよび／またはその誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン等の蛋白質、澱粉および／またはその誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等の水不溶性のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基含有変成重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の合成樹脂系の水性接着剤、無水マレイン酸共重合系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール、アルキッド系樹脂等の合成樹脂系接着剤などの高分子化合物を併用することができる。
【００２１】
これらの併用接着剤は、顔料または支持体との接着性がよく、かつ水性インクとの親和性がよいため、吸液性を向上させる目的で用いられる。特に、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコールの誘導体を併用することが好ましい。
【００２２】
また、本発明においては、水性インクでの印字画像の耐水性を向上させる目的で、インク受容層中に、カチオン性高分子化合物を用いることが好ましい。カチオン性高分子化合物としては、例えば、
１）ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、
２）第２級アミノ基、第３級アミノ基や第４級アンモニウム基を有するアクリル重合体、
３）ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、
４）ジシアンジアミド・ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性高分子化合物、
５）ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性高分子化合物、
６）エピクロルヒドリン・ジメチルアミン共重合体、
７）ジアリルジメチルアンモニウム−Ｓ０２重縮合体、
８）ジアリルアミン塩・Ｓ０２重縮合体、
９）ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、
１０）ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、
１１）アリルアミン塩の共重合体、
１２）ジアルキルアミノエチル（メタ）アクリレート４級塩共重合体、
１３）アクリルアミド・ジアリルアミン共重合体、
１４）５員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂等のカチオン性高分子化合物等が挙げられる。
【００２３】
これらのうち、印字濃度をさらに向上させる目的で、４級アンモニウム塩の高分子化合物と２級アミンの高分子化合物とを共に用いるのが好ましい。これは、インクに含まれる複数の染料の吸着速度が総合的に速くなるためと考えられる。好ましい４級アンモニウム塩の高分子化合物と２級アミンの高分子化合物との組み合わせとしては、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩とジシアンジアミドポリエチレンアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩とポリアミド系樹脂等が挙げられる。
【００２４】
インク受容層に用いられる顔料としては、多孔性でインクの吸収性が高く、かつ鮮明な発色を可能とするものが好ましい。このような顔料としては、微粒子合成シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、焼成クレー、カオリン、クレー、タルク、ホワイトカーボン、有機顔料（プラスチックピグメント）や、一般的に紙塗工に用いられている公知な顔料が挙げられるが、特に微粒子合成シリカが好ましい。微粒子合成シリカは、湿式法または気相法により得られるが、気相法により得られる微粒子合成シリカがより好ましい。
【００２５】
インク受容層には、さらに、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、抑泡剤、発泡剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、滑剤、ｐＨ調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【００２６】
また、本発明に用いられるインク受容層の厚みは、２〜９０μｍとすることが好ましく、１０〜７０μｍとすることがより好ましい。
【００２７】
本発明に用いられる支持体としては、非耐水性支持体、耐水性支持体が挙げられるが、耐水性支持体が好ましい。これにより、耐水強度を高くすることができる。
【００２８】
非耐水性支持体としては、塗工紙に使用される公知の酸性紙や中性紙等が挙げられる。
【００２９】
耐水性支持体としては、樹脂フィルム、不織布、樹脂被覆紙等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、熱可塑性樹脂であるポリエステル系樹脂およびオレフィン系樹脂等が好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキセンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体からなるもの、またはこれらを主成分とするものが挙げられる。樹脂フィルムは、これらの樹脂を１種または２種以上適宜選択して構成するのが好ましい。また、これらの樹脂に、他の熱可塑性樹脂であるポリスチレン、アクリル酸エステル共重合体等を混合して使用することもできる。
【００３０】
また、他の樹脂フィルムとしては、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等が挙げられる。
【００３１】
樹脂フィルムは、これらの樹脂を、一軸方向または二軸方向に延伸して成形することができる。この場合、樹脂中に無機質微細粉末を混合させてもよい。
【００３２】
あるいは、これらの樹脂を、一軸延伸処理または二軸延伸処理して紙状の層とし、紙等の基材層に対して一層以上積層させて支持体とすることもできる。この場合、樹脂フィルムを基材層の片面または両面に積層させて２〜３層の支持体とすることができる。また、さらにその上に表面層としての樹脂フィルムを積層し、３〜５層の支持体とすることもできる。また、複数の樹脂フィルムを、積層させて支持体とすることもできる。このように、紙状の樹脂フィルムを積層したものは、一般に合成紙と呼ばれている。
【００３３】
不織布としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレンなどの不織布が使用できる。
樹脂被覆紙としては、紙支持体に熱可塑性樹脂を押出しラミネートした紙が例示でき、熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂が例示できる。熱可塑性樹脂中には、二酸化チタンなどの白色顔料をはじめ、染料や紫外線吸収剤などを適宜配合することができる。
【００３４】
なお、上記支持体は、蛍光染料、蛍光顔料などにより色目を調節したり、帯電防止層、アンカー層、バリヤー層を付与してもよく、コロナ処理などを施しても構わない。
【００３５】
これらの支持体は、透明であっても不透明であってもよい。支持体の厚みは、４００μｍ以下とすることが好ましく、４０〜２５０μｍとすることがより好ましい。
【００３６】
本発明は、支持体上に一層以上のインク受容層を設けた構成であるが、さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
【００３７】
インク受容層を支持体上に塗布する方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、サイズプレス方式、ゲートロール方式、シムサイザー方式、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドブレードコーティング方式、ブレードコーティング方式、バーコーティング方式、ダイコーティング方式、リップコーティング方式等が挙げられる。
【００３８】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。以下の各例において、部、％はとくにことわりのない限り、質量部、質量％を表す。
【００３９】
［実施例１］
支持体としては、合成紙（商品名：ユポＦＰＧ−１１０、ユポ・コーポレーション製、厚さ１１０μｍ）を用いた。この支持体の片面に、下記の組成からなる塗料Ａを、バーコーティング方式で塗布し、１２０〜１３０℃で２〜３分乾燥させ、乾燥後のインク受容層の厚みが３５μｍからなるインクジェット記録用シートを作製した。
【００４０】
＜塗料Ａ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製、以下「ＤＡＤＭＡＣ」という。）２０部
・ 接着剤：ＰＶＡグラフトアクリル共重合体エマルジョン（商品名：ＰＡ−８２、ダイセル化学工業製）６０部
【００４１】
［実施例２］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｂを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｂ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）２０部
・ 接着剤：ＰＶＡグラフトアクリル共重合体エマルジョン（商品名：ＰＡ−８２、ダイセル化学工業製）３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００４２】
［実施例３］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｃを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｃ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）１０部と
ジシアンジアミドポリエチレンアミン（商品名：ネオフィックスＥ−１１７、日華化学製）１０部
・ 接着剤：ＰＶＡグラフトアクリル共重合体エマルジョン（商品名：ＰＡ−８２、ダイセル化学工業製）６０部
【００４３】
［実施例４］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｄを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｄ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）１０部と
ジシアンジアミドポリエチレンアミン（商品名：ネオフィックスＥ−１１７、日華化学製）１０部
・ 接着剤：ＰＶＡグラフトアクリル共重合体エマルジョン（商品名：ＰＡ−８２、ダイセル化学工業製）３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００４４】
［実施例５］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｅを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｅ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）１０部と
ジシアンジアミドポリエチレンアミン（商品名：ネオフィックスＥ−１１７、日華化学製）１０部
・ 接着剤：下記に記すＰＶＡグラフトアクリル共重合体（水溶性）３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００４５】
なお、塗料Ｅで用いたＰＶＡグラフトアクリル共重合体（水溶性）は、アクリル系樹脂「２−エチルヘキシルアクリレート：２５部、エチレングリコールアクリレート：２５部、アクリル酸：２５部」に対し、酢酸ビニルマクロマー：２５部をグラフト重合させ、鹸化して得たものである。
【００４６】
［実施例６］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｆを用い、支持体として、紙（商品名：ＯＫコート、王子製紙製、１２７．９ｇ／ｍ２）を用いた以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｆ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）１０部と
ジシアンジアミドポリエチレンアミン（商品名：ネオフィックスＥ−１１７、日華化学製）１０部
・ 接着剤：ＰＶＡグラフトアクリル共重合体エマルジョン（商品名：ＰＡ−８２、ダイセル化学工業製）３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００４７】
［実施例７］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｇを用い、支持体として、ポリエステルフィルム（商品名：ルミラー、東レ製、厚さ５０μｍ）を用いた以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｇ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）１０部と
ジシアンジアミドポリエチレンアミン（商品名：ネオフィックスＥ−１１７、日華化学製）１０部
・ 接着剤：ＰＶＡグラフトアクリル共重合体エマルジョン（商品名：ＰＡ−８２、ダイセル化学工業製）３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００４８】
［比較例１］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｈを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｈ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）２０部
・ 接着剤：下記に記すアクリル系樹脂をグラフト重合させたポリビニルアルコール（以下、「アクリルグラフトＰＶＡ共重合体」という。）のエマルジョン６０部
【００４９】
なお、塗料Ｈで用いたアクリルグラフトＰＶＡ共重合体エマルジョンは、部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）：７０部に対し、ラジカル重合性ビニルモノマーとしてアクリル酸ヒドロキシエチル（商品名：アクリックスβＨＥＡ、東亞合成製）：３０部をグラフト重合させて得たものである。
【００５０】
［比較例２］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｉを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｉ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）２０部
・ 接着剤：下記に記すアクリルグラフトＰＶＡ共重合体エマルジョン３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００５１】
なお、塗料Ｉで用いたアクリルグラフトＰＶＡ共重合体エマルジョンは、部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）：７０部に対し、ラジカル重合性ビニルモノマーとしてアクリル酸ヒドロキシエチル（商品名：アクリックスβＨＥＡ、東亞合成製）：３０部をグラフト重合させて得たものである。
【００５２】
［比較例３］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｊを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｊ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）２０部
・ 接着剤：エチレン−塩化ビニル共重合体（商品名：スミエリート１０１０、住友化学工業製）６０部
【００５３】
［比較例４］
塗料Ａに代えて、下記の組成からなる塗料Ｋを使用した以外は、実施例１と同様にしてインクジェット記録用シートを作製した。
＜塗料Ｋ＞
・ 非晶質シリカ（商品名：ミズカシルＰ−７８Ｆ、水沢化学工業製）１００部
・ カチオン性高分子化合物：ＤＡＤＭＡＣ（商品名：ユニセンスＣＰ−１０５、センカ製）２０部
・ 接着剤：エチレン−塩化ビニル共重合体（商品名：スミエリート１０１０、住友化学工業製）３０部と
部分鹸化ポリビニルアルコール（商品名：ＰＶＡ４２０、クラレ製）３０部
【００５４】
上記実施例および比較例で得られた記録用シートについて、印字濃度、記録用シートの耐水強度を以下の方法により評価した。結果を表１に示す。
［印字濃度の評価方法］
インクジェットプロッター（商品名：Ｄｅｓｉｇｎｊｅｔ２５００ＣＰ、ヒューレット・パッカード製）により、ＵＶインク（顔料インク、ヒューレット・パッカード製）またはイメージングインク（染料インク、ヒューレット・パッカード製）を用いて、イエロー１００％、マゼンタ１００％、シアン１００％、ブラック１００％の割合で印字させた。
【００５５】
印字濃度の評価は、記録用シート上のＵＶインクによる印字サンプルとイメージングインクによる印字サンプルの濃度を目視で観察し、以下の基準で評価した。
Ａ 最も優れる
Ｂ 優れる
Ｃ 普通
Ｄ 劣る
Ｅ 最も劣る
Ｃ以上が実用に耐えるレベルである。
【００５６】
［記録用シートの耐水強度の評価方法］
支持体にインク受容層用塗料を形成させたインクジェット記録用シートを、水に１０分間浸漬後、手で引き裂き、強度を以下の基準で評価した。
○ 最も優れる
△ 普通
× 最も劣る
△以上が実用に耐えるレベルである。
【００５７】
【表１】
ここで、「ＰＶＡ」とは部分鹸化ポリビニルアルコール、「ＤＡＤＭＡＣ」とはジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩、「グアニジン系」とはジシアンジアミドポリエチレンアミンをいう。
【００５８】
表１に示すように、実施例１と比較例１、比較例３を比べると、接着剤として、アクリルグラフトＰＶＡ共重合体やエチレン−塩化ビニル共重合体を用いるよりも、ＰＶＡグラフトアクリル共重合体を用いた方が印字濃度は良好であった。
【００５９】
また、実施例１と実施例２を比べると、接着剤のＰＶＡグラフトアクリル共重合体にポリビニルアルコールを併用させると、印字濃度はさらによくなった。
【００６０】
また、実施例２と比較例２、比較例４を比べると、接着剤であるアクリルグラフトＰＶＡ共重合体やエチレン−塩化ビニル共重合体にポリビニルアルコールを併用させるよりも、ＰＶＡグラフトアクリル共重合体にポリビニルアルコールを併用させる方が、印字濃度は良好であった。
【００６１】
実施例４と実施例５を比べると、接着剤であるＰＶＡグラフトアクリル共重合体はエマルジョンであっても、水溶性樹脂であっても印字濃度は良好で、その差は認められなかった。
【００６２】
また、実施例１と実施例３、実施例２と実施例４を比べると、カチオン性高分子化合物として、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩単体を用いるよりも、ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩とジシアンジアミドポリエチレンアミンを併用させた方が、印字濃度はさらによくなった。
【００６３】
実施例５と実施例６、実施例７を比べると、支持体として、紙を用いるよりも合成紙やポリエステルフィルムを用いるほうが、記録用シートの耐水強度はよかった。
【００６４】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のインクジェット記録用シートは、印字濃度が高く、耐水強度が高いものである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an inkjet recording sheet used for inkjet printing.
[0002]
[Prior art]
Ink jet recording is a method in which liquid ink is ejected from fine nozzles and adheres to a recording medium such as paper to form an image.However, noise during recording is small, and color recording is easy. It is widely used in terminal printers, facsimile machines, plotters, form printing devices, and the like because high-speed printing is possible and the cost is lower than that of other printing systems.
[0003]
With the recent rapid spread of printers, high-definition and high-speed printing, and the advent of digital cameras, recording media used in this ink jet recording method, that is, ink jet recording sheets (hereinafter, referred to as “recording sheets”). ) Require advanced characteristics. There is a need for a recording sheet that is excellent in ink absorbency and water resistance, has high print density, and has image quality and storability comparable to silver salt type photographs.
[0004]
In order to respond to such demands, many proposals have been made regarding recording sheets having an ink receiving layer mainly comprising a pigment and an adhesive on a support. For example, a coating layer composed of amorphous silica and a polymer adhesive (see Patent Literatures 1 to 3), a coating layer having an ink-absorbing pigment such as zeolite (see Patent Literature 4), finely divided silica, and a water-soluble resin There has been proposed a recording sheet in which a coating layer (see Patent Literature 5) made of, for example, a coating layer containing a porous cationic hydrated aluminum oxide (see Patent Literature 6) is provided on a support. .
[0005]
In addition, from the viewpoint of improving the water resistance of printing, a recording sheet in which a cationic polymer compound (see Patent Documents 7 to 9), a basic latex polymer (see Patent Document 10), and the like are contained in an ink receiving layer is used. Proposed.
[0006]
Further, it has been proposed to apply a coating composition obtained by graft-polymerizing a hydrophilic radically polymerizable vinyl monomer to a water-soluble or water-dispersible polyester resin and polyvinyl alcohol to a support to form a recording sheet. (See Patent Document 11).
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-55-51583
[Patent Document 2]
JP-A-57-157786
[Patent Document 3]
JP-A-62-158084
[Patent Document 4]
JP-A-56-144172
[Patent Document 5]
JP-A-56-148583
[Patent Document 6]
JP-A-60-232990
[Patent Document 7]
JP-A-56-89992
[Patent Document 8]
JP-A-60-49990
[Patent Document 9]
JP-A-61-125778
[Patent Document 10]
JP-A-57-36692
[Patent Document 11]
JP-A-10-95952
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the full-color ink jet recorded images formed using these conventional recording sheets have problems that the print density is insufficient or the image quality is unclear due to bleeding. The present invention has been made in view of the above-described problems of the related art, and it is an object of the present invention to provide an ink jet recording sheet that can obtain a high print density when full-color printing is performed on the ink jet recording sheet. Another object of the present invention is to provide an inkjet recording sheet having high water resistance.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides an inkjet recording sheet having at least one ink receiving layer provided on a support, wherein the ink receiving layer contains an acrylic resin obtained by graft polymerization of polyvinyl alcohol. Provide a recording sheet.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The recording sheet of the present invention basically includes a support and at least one ink receiving layer provided on the support. The ink receiving layer is composed of a pigment, a cationic polymer compound, and the like, in addition to the adhesive.
[0011]
As the adhesive used for the ink receiving layer, an acrylic resin obtained by graft-polymerizing polyvinyl alcohol (hereinafter, referred to as “PVA graft acrylic copolymer”) is used. The PVA-grafted acrylic copolymer is used as an emulsion or a water-soluble resin. The graft polymerization refers to polymerizing a polymer compound A serving as a trunk with an arbitrary polymer compound B as a graft. In the PVA-grafted acrylic copolymer of the present invention, the polymer compound A as the trunk is an acrylic polymer, and the polymer compound B as a graft is polyvinyl alcohol.
[0012]
The graft ratio of the PVA graft acrylic copolymer is preferably from 10 to 200%. Here, the graft ratio (%) refers to a value obtained by dividing the mass (g) of the polymer compound B as the graft by the mass (g) of the polymer compound A as the trunk and multiplying by 100.
[0013]
The polyvinyl alcohol in the PVA graft acrylic copolymer preferably has an average degree of saponification of 70 to 100% and an average degree of polymerization of 20 to 3000. The molecular weight of the PVA-grafted acrylic copolymer can be appropriately adjusted by a chain transfer agent when polymerizing the acrylic monomer. Examples of the chain transfer agent include methyl mercaptan, ethyl mercaptan, isopropyl mercaptan, n-butyl mercaptan, t-butyl mercaptan, n-hexyl mercaptan, n-octyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan, ethyl thioglycolate, mercaptoethanol, Thio-β-naphthol, thiophenol and the like are used, and usually used in the range of 0.005 to 0.5% by mass based on the total amount of the acrylic monomer component.
[0014]
Examples of a general graft polymerization method include a method of chemically connecting the polymer compound B to the polymer compound A, a method of polymerizing the monomer molecule B on the polymer compound A, and a method of using a macromer. Here, the macromer is a monomer used for polymerization and refers to a high molecular weight compound having a polymerizable functional group at a terminal, that is, a macromonomer. Many of the macromers have a vinyl group, a vinylidene group, or the like at the terminal. Synthesizing the graft copolymer by copolymerizing the macromer with other ordinary monomers has the advantages of relatively easy control of the graft structure and obtaining a graft copolymer that is difficult to obtain by other methods. is there.
[0015]
In order to graft-polymerize polyvinyl alcohol to an acrylic resin, the graft polymer is graft-polymerized to an acrylic resin by any of the graft polymerization methods described above, and then the graft is saponified (hydrolyzed). T), there is a method of using polyvinyl alcohol.
[0016]
Examples of the acrylic resin used here include resins obtained by polymerizing acrylic monomers such as methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, and methacrylic acid. As the polyvinyl acetate to be a graft portion, a vinyl acetate macromer or the like can be used. The PVA-grafted acrylic copolymer is obtained by graft-polymerizing 10 to 200 parts by mass of polyvinyl acetate with respect to 100 parts by mass of an acrylic resin, and then saponifying with NaOH or the like.
[0017]
As another method of graft-polymerizing polyvinyl alcohol to an acrylic resin, a method of mixing an acrylic monomer, a silane coupling agent having a vinyl group that reacts with the acrylic monomer, and polyvinyl alcohol, followed by emulsion polymerization. Is mentioned.
[0018]
In this case, as the acrylic monomer, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, (meth) acrylic acid, or the like can be used. As the silane coupling agent, for example, vinyltriethoxysilane, vinyltris (2-methoxyethoxy) silane, or the like can be used.
[0019]
In this method, a PVA-grafted acrylic copolymer is obtained by mixing 100 parts by mass of an acrylic monomer, 10 to 100 parts by mass of a silane coupling agent, and 10 to 200 parts by mass of polyvinyl alcohol.
[0020]
In the ink receiving layer of the present invention, another adhesive can be used in combination with the PVA graft acrylic copolymer. For example, water-insoluble materials such as proteins such as polyvinyl alcohol and / or derivatives thereof, polyvinyl pyrrolidone and casein, starch and / or derivatives thereof, styrene-butadiene copolymers, and polymers or copolymers of acrylate and methacrylate esters. Acrylic polymer latex, ethylene-vinyl acetate copolymer, vinyl-polymer latex such as ethylene-vinyl chloride copolymer, or functional group-containing denatured weight such as carboxyl group and cationic group of these various polymers Coated latex, melamine resin, synthetic resin aqueous adhesive such as urea resin, maleic anhydride copolymer resin, polyacrylamide resin, polymethyl methacrylate resin, polyurethane resin, unsaturated polyester resin, polyvinyl butyral, Alkyd resin, etc. The polymer compound such as a synthetic resin based adhesive can be used in combination.
[0021]
These combined adhesives are used for the purpose of improving the liquid absorbing property because they have good adhesiveness to the pigment or the support and good affinity for the aqueous ink. Particularly, it is preferable to use polyvinyl alcohol or a derivative of polyvinyl alcohol in combination.
[0022]
In the present invention, it is preferable to use a cationic polymer compound in the ink receiving layer for the purpose of improving the water resistance of a printed image with an aqueous ink. As the cationic polymer compound, for example,
1) Polyalkylene polyamines such as polyethylene polyamine and polypropylene polyamine or derivatives thereof,
2) an acrylic polymer having a secondary amino group, a tertiary amino group or a quaternary ammonium group,
3) polyvinylamine and polyvinylamidines,
4) Dicyan cationic polymer compound represented by dicyandiamide / formalin copolymer,
5) a polyamine-based cationic polymer compound represented by a dicyandiamide / polyethyleneamine copolymer;
6) epichlorohydrin / dimethylamine copolymer,
7) Diallyldimethylammonium-S0 2 Polycondensate,
8) Diallylamine salt S0 2 Polycondensate,
9) diallyldimethylammonium chloride polymer,
10) diallyldimethylammonium chloride-acrylamide copolymer,
11) copolymers of allylamine salts,
12) dialkylaminoethyl (meth) acrylate quaternary salt copolymer,
13) Acrylamide / diallylamine copolymer,
14) Cationic polymer compounds such as a cationic resin having a 5-membered ring amidine structure.
[0023]
Of these, it is preferable to use both a quaternary ammonium salt polymer compound and a secondary amine polymer compound for the purpose of further improving the printing density. It is considered that this is because the adsorption speed of the plurality of dyes contained in the ink is increased overall. Preferred combinations of a polymer compound of a quaternary ammonium salt and a polymer compound of a secondary amine include diallyldimethylammonium hydrochloride and dicyandiamide polyethyleneamine, and diallyldimethylammonium hydrochloride and a polyamide resin.
[0024]
As the pigment used in the ink receiving layer, those which are porous, have high ink absorbency, and enable clear color development are preferable. Examples of such pigments include fine particle synthetic silica, zeolite, calcium carbonate, calcium silicate, aluminum hydroxide, alumina, calcined clay, kaolin, clay, talc, white carbon, organic pigments (plastic pigments), and paper in general. Known pigments used for coating may be mentioned, and particulate synthetic silica is particularly preferred. Fine particle synthetic silica is obtained by a wet method or a gas phase method, but fine particle synthetic silica obtained by a gas phase method is more preferable.
[0025]
In addition to the surfactant and the hardener, the ink-receiving layer further includes a coloring dye, a coloring pigment, a fixing agent for the ink dye, an ultraviolet absorber, an antioxidant, a dispersant for the pigment, a foam inhibitor, a foaming agent, Adding various known additives such as an antifoaming agent, a leveling agent, a preservative, an optical brightener, a viscosity stabilizer, a release agent, a penetrating agent, a wetting agent, a thermal gelling agent, a lubricant, and a pH adjusting agent. You can also.
[0026]
The thickness of the ink receiving layer used in the present invention is preferably 2 to 90 μm, more preferably 10 to 70 μm.
[0027]
Examples of the support used in the present invention include a non-water-resistant support and a water-resistant support, and a water-resistant support is preferable. Thereby, the water resistance strength can be increased.
[0028]
Examples of the non-water-resistant support include known acid paper and neutral paper used for coated paper.
[0029]
Examples of the water-resistant support include a resin film, a nonwoven fabric, and a resin-coated paper. As the resin film, polyester resins and olefin resins which are thermoplastic resins are preferable. Examples of the polyester resin include polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polycyclohexene terephthalate, and polyethylene naphthalate. Examples of the olefin-based resin include those made of polyethylene, polypropylene, an ethylene-propylene copolymer, and an ethylene-vinyl acetate copolymer, or those containing these as a main component. The resin film is preferably formed by appropriately selecting one or more of these resins. In addition, these resins may be used by mixing other thermoplastic resins such as polystyrene and acrylate copolymer.
[0030]
Examples of other resin films include diacetate resin, triacetate resin, acrylic resin, polycarbonate resin, polyvinyl chloride, polyimide resin, cellophane, celluloid, and the like.
[0031]
The resin film can be formed by stretching these resins uniaxially or biaxially. In this case, an inorganic fine powder may be mixed in the resin.
[0032]
Alternatively, these resins may be subjected to a uniaxial stretching treatment or a biaxial stretching treatment to form a paper-like layer, and one or more layers may be laminated on a base material layer such as paper to form a support. In this case, a resin film can be laminated on one or both sides of the base material layer to form a support having two to three layers. Further, a resin film as a surface layer may be further laminated thereon to form a support having 3 to 5 layers. Further, a plurality of resin films can be laminated to form a support. Such a laminate of paper-like resin films is generally called synthetic paper.
[0033]
As the nonwoven fabric, a nonwoven fabric such as polyolefin, polyester, and polystyrene can be used.
Examples of the resin-coated paper include paper obtained by extruding and laminating a thermoplastic resin on a paper support, and examples of the thermoplastic resin include polyolefin resins such as polypropylene and polyethylene and polyester resins. In the thermoplastic resin, dyes, ultraviolet absorbers, and the like, as well as white pigments such as titanium dioxide, can be appropriately compounded.
[0034]
The color of the support may be adjusted by using a fluorescent dye, a fluorescent pigment, or the like, an antistatic layer, an anchor layer, a barrier layer may be provided, or a corona treatment may be performed.
[0035]
These supports may be transparent or opaque. The thickness of the support is preferably 400 μm or less, more preferably 40 to 250 μm.
[0036]
Although the present invention has a structure in which one or more ink receiving layers are provided on a support, an ink absorbing layer, an ink fixing layer, an intermediate layer, a protective layer, and the like may be further provided.
[0037]
The method for applying the ink receiving layer on the support is not particularly limited, and a known coating method can be used. For example, size press method, gate roll method, shim sizer method, slide bead method, curtain method, extrusion method, air knife method, roll coating method, rod blade coating method, blade coating method, bar coating method, die coating method, lip coating method System and the like.
[0038]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. In the following examples, parts and% represent parts by mass and% by mass, respectively, unless otherwise specified.
[0039]
[Example 1]
As the support, synthetic paper (trade name: YUPO FPG-110, manufactured by YUPO Corporation, thickness 110 μm) was used. On one surface of this support, a coating material A having the following composition is applied by a bar coating method and dried at 120 to 130 ° C. for 2 to 3 minutes, and the ink receiving layer after drying has a thickness of 35 μm for inkjet recording. A sheet was prepared.
[0040]
<Paint A>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 20 parts of diallyldimethylammonium hydrochloride (trade name: Unisense CP-105, manufactured by Senka, hereinafter referred to as "DADMAC")
-Adhesive: 60 parts PVA graft acrylic copolymer emulsion (trade name: PA-82, manufactured by Daicel Chemical Industries)
[0041]
[Example 2]
An ink jet recording sheet was produced in the same manner as in Example 1 except that the coating material A having the following composition was used instead of the coating material A.
<Paint B>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 20 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
-Adhesive: 30 parts of PVA graft acrylic copolymer emulsion (trade name: PA-82, manufactured by Daicel Chemical Industries)
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0042]
[Example 3]
An ink jet recording sheet was prepared in the same manner as in Example 1, except that the paint A having the following composition was used instead of the paint A.
<Paint C>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 10 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
Dicyandiamide polyethyleneamine (trade name: Neofix E-117, manufactured by Nikka Chemical) 10 parts
-Adhesive: 60 parts PVA graft acrylic copolymer emulsion (trade name: PA-82, manufactured by Daicel Chemical Industries)
[0043]
[Example 4]
An ink jet recording sheet was produced in the same manner as in Example 1 except that the coating material A was replaced with the coating material D having the following composition.
<Paint D>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 10 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
Dicyandiamide polyethyleneamine (trade name: Neofix E-117, manufactured by Nikka Chemical) 10 parts
-Adhesive: 30 parts of PVA graft acrylic copolymer emulsion (trade name: PA-82, manufactured by Daicel Chemical Industries)
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0044]
[Example 5]
An ink jet recording sheet was prepared in the same manner as in Example 1, except that the coating material A having the following composition was used instead of the coating material A.
<Paint E>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 10 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
Dicyandiamide polyethyleneamine (trade name: Neofix E-117, manufactured by Nikka Chemical) 10 parts
-Adhesive: 30 parts of the following PVA graft acrylic copolymer (water-soluble)
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0045]
The PVA-grafted acrylic copolymer (water-soluble) used in the coating material E was obtained by adding a vinyl acetate macromer to the acrylic resin “2-ethylhexyl acrylate: 25 parts, ethylene glycol acrylate: 25 parts, acrylic acid: 25 parts”. : 25 parts obtained by graft polymerization and saponification.
[0046]
[Example 6]
Instead of paint A, paint F having the following composition was used, and paper (trade name: OK Coat, manufactured by Oji Paper, 127.9 g / m2) was used as a support. 2 A sheet for ink jet recording was produced in the same manner as in Example 1 except that (1) was used.
<Paint F>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 10 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
Dicyandiamide polyethyleneamine (trade name: Neofix E-117, manufactured by Nikka Chemical) 10 parts
-Adhesive: 30 parts of PVA graft acrylic copolymer emulsion (trade name: PA-82, manufactured by Daicel Chemical Industries)
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0047]
[Example 7]
Ink jet recording was performed in the same manner as in Example 1 except that paint G having the following composition was used in place of paint A, and a polyester film (trade name: Lumirror, manufactured by Toray, thickness 50 μm) was used as a support. Sheet was prepared.
<Paint G>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 10 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
Dicyandiamide polyethyleneamine (trade name: Neofix E-117, manufactured by Nikka Chemical) 10 parts
-Adhesive: 30 parts of PVA graft acrylic copolymer emulsion (trade name: PA-82, manufactured by Daicel Chemical Industries)
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0048]
[Comparative Example 1]
An ink jet recording sheet was prepared in the same manner as in Example 1, except that the coating material A having the following composition was used instead of the coating material A.
<Paint H>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 20 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
-Adhesive: 60 parts of an emulsion of polyvinyl alcohol (hereinafter, referred to as "acryl graft PVA copolymer") obtained by graft polymerization of an acrylic resin described below.
[0049]
In addition, the acrylic graft PVA copolymer emulsion used in Paint H was partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray): 70 parts, and hydroxyethyl acrylate (trade name: Acura) was used as a radical polymerizable vinyl monomer. Rix β HEA, manufactured by Toagosei Co., Ltd.): 30 parts obtained by graft polymerization.
[0050]
[Comparative Example 2]
An ink jet recording sheet was produced in the same manner as in Example 1 except that the coating material A having the following composition was used instead of the coating material A.
<Paint I>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 20 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
Adhesive: 30 parts of an acrylic graft PVA copolymer emulsion described below
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0051]
The acrylic graft PVA copolymer emulsion used in Paint I was prepared by adding 70 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray) to hydroxyethyl acrylate (trade name: Acura) as a radical polymerizable vinyl monomer. Rix β HEA, manufactured by Toagosei Co., Ltd.): 30 parts obtained by graft polymerization.
[0052]
[Comparative Example 3]
An ink jet recording sheet was produced in the same manner as in Example 1, except that the paint A having the following composition was used instead of the paint A.
<Paint J>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 20 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
-Adhesive: 60 parts of ethylene-vinyl chloride copolymer (trade name: Sumilite 1010, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.)
[0053]
[Comparative Example 4]
An ink jet recording sheet was produced in the same manner as in Example 1, except that the paint A having the following composition was used instead of the paint A.
<Paint K>
-100 parts of amorphous silica (trade name: Mizukasil P-78F, manufactured by Mizusawa Chemical Industries)
-Cationic polymer compound: 20 parts of DADMAC (trade name: Unisense CP-105, manufactured by SENKA)
-Adhesive: 30 parts of ethylene-vinyl chloride copolymer (trade name: Sumilite 1010, manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.)
30 parts of partially saponified polyvinyl alcohol (trade name: PVA420, manufactured by Kuraray)
[0054]
With respect to the recording sheets obtained in the above Examples and Comparative Examples, the print density and the water resistance of the recording sheets were evaluated by the following methods. Table 1 shows the results.
[Evaluation method of print density]
100% yellow, 100% magenta using UV ink (pigment ink, manufactured by Hewlett-Packard) or imaging ink (dye ink, manufactured by Hewlett-Packard) using an inkjet plotter (trade name: Designjet 2500CP, manufactured by Hewlett-Packard) Printing was performed at a ratio of 100% for cyan and 100% for black.
[0055]
The print density was evaluated by visually observing the densities of the print sample using the UV ink and the print sample using the imaging ink on the recording sheet, and evaluated according to the following criteria.
A Most excellent
B is excellent
C Normal
D inferior
E Worst
C or higher is a level that can withstand practical use.
[0056]
[Evaluation method of water resistance of recording sheet]
The ink jet recording sheet having the ink receiving layer coating formed on the support was immersed in water for 10 minutes, and then torn by hand, and the strength was evaluated according to the following criteria.
○ Best
△ Normal
× poorest
△ or above is a level that can be put to practical use.
[0057]
[Table 1]
Here, "PVA" refers to partially saponified polyvinyl alcohol, "DADMAC" refers to diallyldimethylammonium hydrochloride, and "guanidine" refers to dicyandiamide polyethyleneamine.
[0058]
As shown in Table 1, when Example 1 is compared with Comparative Examples 1 and 3, the PVA-grafted acrylic copolymer is more used than the acrylic-grafted PVA copolymer or the ethylene-vinyl chloride copolymer as the adhesive. The print density was better when the coalescence was used.
[0059]
Further, comparing Example 1 and Example 2, when polyvinyl alcohol was used in combination with the PVA-grafted acrylic copolymer as the adhesive, the printing density was further improved.
[0060]
In addition, comparing Example 2 with Comparative Examples 2 and 4, the PVA-grafted acrylic copolymer was more effective than using polyvinyl alcohol in combination with the acrylic-grafted PVA copolymer or ethylene-vinyl chloride copolymer as the adhesive. When polyvinyl alcohol was used in combination, the print density was better.
[0061]
Comparing Example 4 with Example 5, the printing density was good regardless of whether the PVA-grafted acrylic copolymer as the adhesive was an emulsion or a water-soluble resin, and no difference was observed.
[0062]
Also, comparing Example 1 with Example 3 and Example 2 with Example 4, rather than using diallyldimethylammonium hydrochloride alone as the cationic polymer compound, diallyldimethylammonium hydrochloride and dicyandiamide polyethyleneamine are used in combination. The printing density was further improved by the application.
[0063]
Comparing Example 5, Example 6, and Example 7, the water resistance of the recording sheet was better when using synthetic paper or polyester film as the support than using paper.
[0064]
【The invention's effect】
As described above in detail, the ink jet recording sheet of the present invention has a high print density and a high water resistance.
