JP2004344342A - 指紋照合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインセンサにて指紋の凹凸を正確に検出する。
【解決手段】載置された被検体の1次元方向の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出部11と、被検体の1次元方向と垂直方向が回転方向となるように、指紋画像情報検出部11を介して対向するように配置された、指紋画像情報検出部11上に載置された被検体の垂直方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材12,13と、1対の回転部材12,13のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成するパルス信号生成部16とを備え、生成されるパルス信号に同期して、検出された被検体の1次元方向の指紋画像情報を読み込み、読み込まれた被検体の1次元方向の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成することで実現する。
【選択図】 図2
【解決手段】載置された被検体の1次元方向の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出部11と、被検体の1次元方向と垂直方向が回転方向となるように、指紋画像情報検出部11を介して対向するように配置された、指紋画像情報検出部11上に載置された被検体の垂直方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材12,13と、1対の回転部材12,13のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成するパルス信号生成部16とを備え、生成されるパルス信号に同期して、検出された被検体の1次元方向の指紋画像情報を読み込み、読み込まれた被検体の1次元方向の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成することで実現する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の指紋情報を検出し、検出された指紋情報の照合処理をする指紋照合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
指紋センサによって指の指紋情報を読み取り、読み取った指紋情報を照合して、ユーザを識別する指紋照合装置がある。
【0003】
このような指紋照合装置で使用される指紋読み取り用のセンサは、当該指紋照合装置の中で使用されるデバイスの中でも特に高価なデバイスである。一般に、指紋読み取り用のセンサは、そのセンサ面の面積に応じて高価になっている。また、指紋読み取り用のセンサは、指紋情報を読み取る際のエラーを少なくするために、指紋が形成されている被検体である指の表面積を覆う程度の面積を必要としている。
【0004】
したがって、このような、指紋読み取りセンサのセンサ面の面積を小さくし、指紋読み取りセンサを小型化できれば、コスト面の改善及び指紋照合装置の小型化を実現することが可能となるため、指紋読み取り用のセンサをライン状に配置したラインセンサを用いた指紋照合装置が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−184490号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、指紋読み取りセンサを小型化すべくラインセンサとした場合、被検体である指の表面に形成された指紋情報を全て読み取るためには、上記ラインセンサのセンサ面に沿って指の表面を滑らせる必要がある。
【0007】
しかし、このようにラインセンサのセンサ面に指の表面を滑らせると、指の表面と、センサ面との摩擦抵抗によって、センサ面より柔らかい指の表面が歪み、変形してしまうことになる。指の表面が歪み、変形してしまうと、ラインセンサによって読み取られる指紋情報は、全く別の指紋情報となってしまうため、正確な指紋照合ができなくなってしまうといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上述したような問題を解決するために案出されたものであり、センサ面の面積が被検体である指に形成された指紋の面積に対して、非常に小さい指紋読み取りセンサを備えた指紋照合装置において、正確に指紋情報を読み取る指紋照合装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る指紋照合装置は、検体の指紋情報を検出し、検出された上記指紋情報の照合処理をする指紋照合装置において、載置された上記被検体の1次元方向の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出手段と、上記被検体の1次元方向と垂直方向が回転方向となるように、上記指紋画像情報検出手段を介して対向するように配置された、上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の上記垂直方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材と、上記被検体の移動に伴って回転する上記1対の回転部材のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、上記第1のパルス信号生成手段によって生成されるパルス信号に同期して、上記指紋画像情報検出手段で検出された、上記被検体の1次元方向の指紋画像情報を読み込む指紋画像情報読み込み手段と、上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して読み込まれた、上記被検体の1次元方向の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成する指紋画像情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明に係る指紋照合装置は、被検体の指紋情報を検出し、検出された上記指紋情報の照合処理をする指紋照合装置において、載置された上記被検体の微小領域の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出手段と、上記指紋画像情報検出手段を介して対向するように配置された、上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の所定の方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材と、上記被検体の移動に伴って回転する上記1対の回転部材のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、上記第1のパルス信号生成手段によって生成されるパルス信号に同期して、上記指紋画像情報検出手段で検出された、上記被検体の微小領域の指紋画像情報を読み込む指紋画像情報読み込み手段と、上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して読み込まれた、上記被検体の微小領域の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成する指紋画像情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る指紋照合装置の実施の形態を図面を参照にして詳細に説明する。
【0012】
図1、図2及び図3を用いて、本発明の第1の実施の形態として示す指紋照合装置10について説明をする。
【0013】
図1(a),(b)は、指紋照合装置10の外観を示した概略図である。図1(a)は、指紋照合装置10の平面図であり、図1(b)は、指紋照合装置10の側面図である。
【0014】
指紋照合装置10の筐体1には、指の指紋情報を読み取るラインセンサである指紋読み取りセンサ11と、上記指紋読み取りセンサ11で指紋情報を読み取る際に、被検体である指を、指の第1関節付近から指先へと徐々に指紋読み取りセンサ11上を通過させるように指を送る機構である第1のローラ12と、第2のローラ13とが備えられている。また、指紋照合装置10は、入出力インターフェース21を備えており、例えば、図示しないPC(Personal Computer)などの外部装置にケーブル2を介して接続され、指紋照合の結果などが送信される。
【0015】
続いて、図2(a),(b)を用いて、指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13について詳細に説明をする。図2(a)は、指紋照合装置10に備えられた指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13の配置の様子を示す側面図であり、図2(b)は、同じく指紋照合装置10に備えられた指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13の配置の様子を示す平面図である。
【0016】
指紋読み取りセンサ11は、当該指紋読み取りセンサ11に載せられた指の指紋の山谷、つまり指紋の凹凸を読み取る半導体ラインセンサである。
【0017】
例えば、指紋読み取りセンサ11は、静電容量方式で指紋の凹凸(指紋情報)を検出し、2次元画像を生成する。静電容量方式の指紋読み取りセンサ11には、指紋の凹凸のピッチよりも十分に細かい、80μmピッチに電極が配置されており、指紋の凹凸と、上記電極間に蓄積される電荷の量(静電容量)を検出する。指紋の凹部では検出される静電容量が低く、指紋の凸部では静電容量が高くなるため、この静電容量差から指紋の凹凸を表した2次元画像が生成される。
【0018】
半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11のセンサ面の面積は、当該指紋読み取りセンサ11に載せる被検体の指の指先方向をy軸とするような2次元座標空間を考えた場合に、x軸方向、つまり指の幅方向には、全ての指紋の凹凸を読み取ることができるが、y軸方向、つまり指の長さ方向には若干の指紋の凹凸しか読み取ることができないサイズとなっている。例えば、指紋読み取りセンサ11は、上記y軸方向には8ライン、つまり電極8個分の長さとなっている。
【0019】
したがって、半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11では、1回の読み取りで、被検体である指の指紋情報を全て取得することはできず、生成できる2次元画像もy軸方向には微小なサイズとなる。そこで、以下の説明においは、指紋読み取りセンサ11で生成する2次元画像は、主に指の幅方向における、指の凹凸を検出することで生成される画像であることから、擬似的な1次元方向の2次元画像として擬1次元指紋画像と呼ぶことにする。
【0020】
この指紋読み取りセンサ11で、被検体である1本の指の指紋情報をほぼ全て取得するには、指紋読み取りセンサ11に載置した指をずらしていき、指紋の凹凸を検出する領域を変更していく必要がある。
【0021】
第1のローラ12と、第2のローラ13とは、指紋読み取りセンサ11で指の指紋の凹凸を検出する際に、指の第1関節から指先に向かって徐々に指紋読み取りセンサ11上を通過させるように指を送る回転機構である。第1のローラ12と、第2のローラ13とは、その回転方向が指紋読み取りセンサ11のライン方向と垂直になるように、且つ、当該第1のローラ12と、第2のローラ13とで指紋読み取りセンサ11を挟むような位置に配置されている。
【0022】
指紋読み取りセンサ11で、被検体である指の指紋情報を取得する場合、まず、被検体である指の第1関節付近を指紋読み取りセンサ11上に載置する。そして、被検体である指を、第1のローラ12の方向へ移動させ、指紋の凹凸が形成されている第1関節より指先側を指紋読み取りセンサ11に向かって進入させる。指紋の凹凸が形成されている指は、第1のローラ12及び第2のローラ13の回転機構により指紋読み取りセンサ11に送られ、指紋読み取りセンサ11上に徐々に載置されていく。指紋読み取りセンサ11上を通過した指紋の凹凸が形成されている指は、第1のローラ12及び第2のローラ13によって、安定して指紋読み取りセンサ11に送られていく。
【0023】
従来の技術で説明したように、半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11上で指を滑らせることで、指の表面が、歪み、変形してしまうと、指表面に形成されている指紋の凹凸も歪み、変形してしまうので、正確に指紋の凹凸を検出することができなくなってしまう。
【0024】
第1のローラ12及び第2のローラ13は、この指の表面の歪み、変形を抑制することができる。例えば、第1のローラ12及び第2のローラ13が備えられていない場合、被検体である指の指紋の凹凸を検出するべく、指紋読み取りセンサ11上で滑らせると、指の表面と、指紋読み取りセンサ11の表面との摩擦抵抗により、指紋読み取りセンサ11よりも柔らかく、たわみのある指表面は歪み、変形してしまうことになる。
【0025】
第1のローラ12及び第2のローラ13を備えている場合、第1のローラ12の摩擦抵抗と、第2のローラ13の摩擦抵抗とによって指の表面は、適度に引っ張られ張力を持つことになる。つまり、第1のローラ12及び第2のローラ13との間に配置されている指紋読み取りセンサ11上に置かれる指の表面のたわみは、抑制されていることになる。したがって、指紋読み取りセンサ11と、指表面との摩擦抵抗によって生じる指表面の歪み、変形も抑制されることになり、指紋読み取りセンサ11は、指紋情報である指紋の凹凸を正確に検出することができるようになる。
【0026】
第1のローラ12又は第2のローラ13には、ロータリーエンコーダ16が備えられている。ロータリーエンコーダ16は、例えば、光学式のロータリーエンコーダであり、当該ロータリーエンコーダ16が備えられた第1のローラ12又は第2のローラ13の回転量に応じて所定の数のパルス信号を出力する。後述する画像処理部では、このパルス信号の出力タイミングに同期して指紋読み取りセンサ11で検出された指紋の凹凸を読み込むことになる。
【0027】
また、ロータリーエンコーダ16は、回転方向を特定するために2相のパルス信号(A相とB相のパルス信号)を出力するようになっている。ロータリーエンコーダ16から出力されるA相のパルス信号と、B相のパルス信号は、それぞれ位相がずれており、ロータリーエンコーダ16の回転方向、つまり時計廻りと、反時計廻りとでその出力タイミングが逆の関係になっている。具体的には、時計廻りで、ロータリーエンコーダ16の軸が回転している場合、先にA相のパルス信号が出力され、その途中で位相のずれたB相のパルス信号が出力される。逆に、時計廻りで、ロータリーエンコーダ16の軸が回転している場合、先にB相のパルス信号が出力され、その途中で位相のずれたA相のパルス信号が出力される。
【0028】
これにより、第1のローラ12又は第2のローラ13の回転方向が特定できるため、指紋読み取りセンサ11に載置させる被検体である指の第1関節方向への移動を正とした場合のみ、指紋読み取りセンサ11で検出された指紋の凹凸情報を選択的に読み込むことができる。
【0029】
また、図2(a)に示すように、第1のローラ12及び第2のローラ13が配置されている指紋読み取りセンサ11の逆側には、被検体である指の第1のローラ12からの進出を補助するガイド14や、指の第2のローラ13への進入を補助するガイド15などを備えていてもよい。
【0030】
次に、図3を用いて、指紋照合装置10の構成について詳細に説明をする。
【0031】
指紋照合装置10は、上述した指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13、第1のローラ12又は第2のローラ13に備えられたロータリーエンコーダ16などの他に、入出力インターフェース21と、インターフェースコントローラ22と、画像処理部23と、指紋照合用LSI(Large Scale Integration)24と、フラッシュメモリ25と、プログラム用RAM/ROM(Random Access Memory/Read Only Memory)26と、CPU(Central Processing Unit)27とを備えている。
【0032】
インターフェースコントローラ22と、指紋照合用LSI24と、フラッシュメモリ25と、プログラム用RAM/ROM26と、CPU27とは、バス28を介して相互に接続されている。
【0033】
入出力インターフェース21は、例えば、USB(Universal Serial Bus)の規格に基づいたインターフェースである。入出力インターフェース21の規格は、USB以外にもRS232Cなどであってもよく、本発明を限定するものではない。
【0034】
インターフェースコントローラ22は、入出力インターフェース21を介して接続される図示しない外部装置とのデータ転送を、インターフェースプロトコルに基づいて制御する。
【0035】
画像処理部23は、指紋読み取りセンサ11で検出された指紋の凹凸から生成された擬1次元指紋画像を、ロータリーエンコーダ16から出力されるパルス信号に同期して読み込み、読み込まれた複数の擬1次元指紋画像を合成して2次元の指紋画像を構築する。
【0036】
例えば、図4に示すように、指紋読み取りセンサ11は、被検体である指の凹凸を示す擬1次元指紋画像、S1、S2、S3・ ・ ・ Sn−2、Sn−1、Sn(nは、自然数)を検出する。このとき、第1のローラ12及び第2のローラ13は、指によって回転されるため、第1のローラ12又は第2のローラ13のいずれかに取り付けられたロータリーエンコーダ16も回転し、画像処理部23には、回転量に応じた所定の数のパルス信号が供給される。
【0037】
画像処理部23は、上記指紋読み取りセンサ11で検出された擬1次元指紋画像、S1、S2、S3・ ・ ・ Sn−2、Sn−1、Snを、ロータリーエンコーダ16から供給されるパルス信号に同期して読み込む。さらに、画像処理部23は、読み込んだ擬1次元指紋画像を合成し2次元の指紋画像、Sを生成する。
【0038】
なお、画像処理部23は、擬1次元指紋画像から、2次元の指紋画像、Sを合成する際に、読み込まれた擬1次元指紋画像同士で重複する箇所の画像領域があると、重複した画像領域に関してどちらか一方の重複画像を用いるように処理する。
【0039】
指紋照合用LSI24は、指紋照合処理時において、フラッシュメモリ25にあらかじめ記憶させてある指紋画像の特徴部分のみを抽出したテンプレートデータを読み出し、指紋読み取りセンサ11によって検出され、画像処理部23によって合成された2次元の指紋画像と、読み出したテンプレートデータとを比較照合する。指紋照合用LSI24で比較照合された結果は、CPU27に通知される。
【0040】
フラッシュメモリ25は、指紋照合処理の際に用いる基準となる指紋情報であるテンプレートデータが記憶される。当該指紋照合装置10を用いた指紋照合処理を実行する場合、ユーザは、あらかじめ、このフラッシュメモリ25にユーザ自身の指紋情報を登録しておく必要がある。フラッシュメモリ25に記憶される指紋情報は、指紋画像の特徴部分を抽出したテンプレートデータである。
【0041】
また、指紋照合装置10が備えるフラッシュメモリ25は、上記指紋読み取りセンサ11、画像処理部23及び指紋照合用LSI24による指紋照合処理による指紋照合結果に応じて、記憶されたデータの読み出しを可能とするような記憶領域を備えていてもよい。
【0042】
CPU27は、プログラム用RAM/ROM26に格納されているファームウェアを実行して当該指紋照合装置10の動作を統括的に制御する。CPU27は、例えば、上記ファームウェアに基づいて、画像処理部23での画像合成処理、指紋照合用LSI24での指紋照合処理を実行させる。
【0043】
このような、指紋照合装置10は、指の指紋情報を1度きりの指の載置によって検出できる半導体センサに対し、上述したようにセンサ面が僅かしかなく、指を移動させながらの指の載置によって指紋情報を検出し、擬1次元指紋画像を生成する指紋読み取りセンサ11が備えられている。しかし、指紋照合装置10は、第1のローラ12及び第2のローラ13を備えることで、指を移動させることによって生ずる被検体である指の表面の歪みや、変形を抑制することができるので、正確に指紋情報を取得することができる。
【0044】
上述した第1の実施の形態として示した指紋照合装置10では、被検体である指の指紋情報を検出するのに、半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11を用いた。
【0045】
この指紋読み取りセンサ11は、指の長さ方向に対しては、センサ面が少なく載置した指をずらさないと指紋情報を検出できない大きさのセンサ面だった。一方、指の幅方向に対しては、どのような指を載置した場合でも指紋情報を十分に検出できる大きさのセンサ面となっていた。
【0046】
図5に本発明の第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、図6に第3の実施の形態として示す指紋照合装置40は、指紋照合装置10で使用した指紋読み取りセンサ11に替えて、指の幅方向のセンサ面も減少させた指紋読み取りセンサ31が備えられている。
【0047】
このような指紋読み取りセンサ31では、1回の指紋情報の読み取りで生成できる指紋画像は、指紋読み取りセンサ11による擬1次元指紋画像よりも微小な領域の2次元の指紋画像となる。そこで、以下の説明においては、指紋読み取りセンサ31で生成する2次元画像を微小領域指紋画像と呼ぶことにする。
【0048】
まず、図5を用いて、本発明の第2の実施の形態として示す指紋照合装置30について説明をする。
【0049】
指紋照合装置30は、指紋読み取りセンサ31が、矢印A及び矢印Bとして示した指の幅方向に移動するような機械的な機構を備えている。なお、指紋照合装置30のこれ以外の構成は、指紋照合装置10と同じであるため、各機能部の詳細な説明は省略する。
【0050】
指紋照合装置30では、指紋情報をフラッシュメモリ25に登録する際、指紋読み取りセンサ31を指の幅方向に移動させて指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する。例えば、指紋読み取りセンサ31は、当該指紋読み取りセンサ31を指の幅方向に3回移動させると、指の幅を十分網羅する程度の大きさであるとする。
【0051】
この場合、まず、指紋読み取りセンサ31を、図5に示すように、指の中心となる領域(2)に移動させ、この状態で、矢印C方向に指をずらして指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する。次に、図5に示すように矢印A方向の領域(1)に指紋読み取りセンサ31を移動させ、この状態で矢印C方向に指をずらして指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。最後に、図5に示すように矢印B方向の領域(3)に指紋読み取りセンサ31を移動させ、この状態で矢印C方向に指をずらして指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。なお、ここでは、説明のため領域(2)、(1)、(3)の順で指紋読み取りセンサ31を移動させているが、指紋情報の検出はどの領域から始めてもよく、どのような順番で行ってもよい。
【0052】
このように、指紋読み取りセンサ31を移動させ、指紋情報の読み取りを繰り返すことで、被検体である指の指紋画像を全て検出することができ、フラッシュメモリ25には、画像処理部23で合成された2次元の指紋画像の特徴部分を抽出したテンプレートデータが格納されることになる。
【0053】
指紋照合処理をする場合は、指紋読み取りセンサ31を移動させる必要はなく、指の幅方向の任意の位置にある指紋読み取りセンサ31上で、被検体である指を図5に示す矢印C方向に移動させ、指紋情報を検出すれば十分である。
【0054】
次に図6を用いて、本発明の第3の実施の形態として示す指紋照合装置40について説明をする。
【0055】
指紋照合装置40は、指紋照合装置30とは異なり、指紋読み取りセンサ31が、移動することなく固定されている。また、指紋照合装置40では、矢印C方向に指紋読み取りセンサ31上を移動させる被検体である指の上記指紋読み取りセンサ31を通過する位置を規定する指ガイド部41,42,43が備えられている。さらに指ガイド部41,42,43は、指の幅方向に移動する機構を備えている。なお、指紋照合装置40のこれ以外の構成は、指紋照合装置10と同じであるため、各機能部の詳細な説明は省略する。
【0056】
指紋照合装置30では、指紋情報をフラッシュメモリ25に登録する際、指ガイド部41,42,43を指の幅方向に移動させて指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する。例えば、指紋読み取りセンサ31が、指の幅方向に対して1/3程度の大きさであるとする。
【0057】
この場合、まず、指ガイド部41,42,43を、図6に示すように、領域(2)に移動させ、この状態で、矢印C方向に指を、指ガイド部41,42,43に沿うようにずらして、指紋読み取りセンサ31で指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。次に、図6に示すように矢印A方向の領域(1)に指ガイド部41,42,43を移動させ、この状態で矢印C方向に指を、指ガイド部41,42,43に沿うようにずらして、指紋読み取りセンサ31で指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。最後に、図6に示すように矢印B方向の領域(3)に指ガイド部41,42,43を移動させ、この状態で矢印C方向に指を、指ガイド部41,42,43に沿うようにずらして指紋読み取りセンサ31で指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。なお、ここでは、説明のため領域(2)、(1)、(3)の順で指ガイド部41,42,43を移動させているが、指紋情報の検出はどの領域から始めてもよく、どのような順番で行ってもよい。
【0058】
このように、指紋読み取りセンサ31による指紋情報の読み取りを繰り返すことで、被検体である指の指紋情報を全て検出することができ、フラッシュメモリ25には、画像処理部23で合成された2次元の指紋画像の特徴部分を抽出したテンプレートデータが格納されることになる。
【0059】
指紋照合処理をする場合は、指ガイド部41,42,43を移動させる必要はなく、指の幅方向の任意の位置にある指ガイド部41,42,43に沿うように、指紋読み取りセンサ31上で被検体である指を図6に示す矢印C方向に移動させ、指紋情報を検出すれば十分である。
【0060】
このような、指紋照合装置30,40は、指紋読み取りセンサ11よりもさらに小さい面積のセンサ面であり、指を移動させながらの指の載置によって指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する指紋読み取りセンサ31が備えられている。しかし、指紋照合装置10と同様に、第1のローラ12及び第2のローラ13を備えることで、指を移動させることによって生ずる被検体である指の表面の歪みや、変形を抑制することができるので、正確に指紋情報を取得することができる。
【0061】
また、指紋照合装置30には指紋読み取りセンサ31を移動させる移動機構が備えられており、被検体である指の幅方向の指紋情報も検出することができる。
【0062】
指紋照合装置40には、指紋読み取りセンサ31に載置する被検体である指の指紋情報を検出する領域を規定するガイド部41,42,43が備えられており、上記ガイド部41,42,43に沿って指紋読み取りセンサ31上を移動させることで、被検体である指の幅方向の指紋情報も検出することができる。
【0063】
図7に示すように第1の実施の形態として示す指紋照合装置10、第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、第3の実施の形態として示す指紋照合装置40は、第2のローラ13の下部に被検体である指に水分を補給するために水などの液体が入れられた液体タンク51を備えていてもよい。
【0064】
第2のローラ13は、回転するたびに、液体タンク51に貯蔵されている液体をその表面に含むことができ、載置された指の表面に水分を補給することができる。被検体である指は、乾燥していると、指紋読み取りセンサ11,31で正確に指紋情報を検出できないことがある。
【0065】
したがって、図7に示すように第2のローラ13の下部に備えられた液体タンク51に入れられた液体により指の表面が適度に水分を含むため、指紋読み取りセンサ11,31において正確に指紋情報を検出することができる。
【0066】
また、図8に示すように、第1の実施の形態として示す指紋照合装置10、第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、第3の実施の形態として示す指紋照合装置40の第1のローラ12及び第2のローラ13は、連動ギア52によって、その回転動作が連動するようになされていてもよい。
【0067】
連動ギア52によって、第1のローラ12,第2のローラ13の回転動作が連動されることによって、第1のローラ12及び第2のローラ13で被検体である指の表面に与えられる張力は一定となるため、指紋読み取りセンサ11,31においてさらに正確に指紋情報を検出することができる。
【0068】
さらにまた、第1の実施の形態として示す指紋照合装置10、第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、第3の実施の形態として示す指紋照合装置40の第1のローラ12又は第2のローラ13のうちロータリーエンコーダ16が備えられていないローラに、ロータリーエンコーダ16と同様なロータリーエンコーダを取り付ける。
【0069】
そして、第1のローラ12及び第2のローラ13に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号のパルス数の差が、あるしきい値を超えた場合に指紋読み取りセンサ11又は指紋読み取りセンサ31での指紋の読み取りが失敗であることを通知する情報をアラームなどによって知らせるようにしてもよい。
【0070】
これは、例えば、どちらかのローラのみに指が載置されて指紋情報が読み取られた場合、指紋読み取りセンサ11又は指紋読み取りセンサ31と、指の表面との摩擦抵抗により、指の表面の歪みや、変形が生じるため、このような状態で指紋情報が読み取られることを防止するための機構である。
【0071】
なお、本発明の第1の実施の形態として示した指紋照合装置10、第2の実施の形態として示した指紋照合装置30、第3の実施の形態として示した指紋照合装置40で用いた、指紋読み取りセンサ11,31は、静電容量方式のラインセンサであったが、本発明はこれに限定されものではなく、光学式のラインセンサ、熱感知方式のラインセンサなど、どのようなラインセンサをも適用することが可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の指紋照合装置は、指紋画像情報を検出する際に指紋画像情報検出手段上を移動させる被検体の指の移動を支援する1対の回転部材を備えることで、指の移動による指紋情報の歪みや変形を抑制することができるので、正確な指紋画像情報を検出することを可能とする。
【0073】
これにより、被検体である指紋が形成された指と比較して、小さい指紋画像情報検出手段で正確に指紋画像情報を検出できることから、当該指紋照合装置の小型化、コスト削減を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態として示す指紋照合装置の外観を示す平面図であり、(b)は、同じく照合処理装置の外観を示す側面図である。
【図2】(a)は、同指紋照合装置が備える第1のローラ、第2のローラ、指紋読み取りセンサの外観を示した側面図であり、(b)は、同じく第1のローラ、第2のローラ、指紋読み取りセンサの外観を示した平面図である。
【図3】同指紋照合装置の構成について説明するための図である。
【図4】同指紋照合装置において、2次元の指紋画像を生成する様子について説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態として示す指紋照合装置の外観を示した平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態として示す指紋照合装置の外観を示した平面図である。
【図7】指紋読み取りセンサに載置する指に水分を供給する機構について説明するための図である。
【図8】第1のローラと、第2のローラとを連動させる機構について説明するための図である。
【符号の説明】
10,30,40 指紋照合装置、11,31 指紋読み取りセンサ、12 第1のローラ、13 第2のローラ、16 ロータリーエンコーダ、23 画像処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の指紋情報を検出し、検出された指紋情報の照合処理をする指紋照合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
指紋センサによって指の指紋情報を読み取り、読み取った指紋情報を照合して、ユーザを識別する指紋照合装置がある。
【0003】
このような指紋照合装置で使用される指紋読み取り用のセンサは、当該指紋照合装置の中で使用されるデバイスの中でも特に高価なデバイスである。一般に、指紋読み取り用のセンサは、そのセンサ面の面積に応じて高価になっている。また、指紋読み取り用のセンサは、指紋情報を読み取る際のエラーを少なくするために、指紋が形成されている被検体である指の表面積を覆う程度の面積を必要としている。
【0004】
したがって、このような、指紋読み取りセンサのセンサ面の面積を小さくし、指紋読み取りセンサを小型化できれば、コスト面の改善及び指紋照合装置の小型化を実現することが可能となるため、指紋読み取り用のセンサをライン状に配置したラインセンサを用いた指紋照合装置が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−184490号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、指紋読み取りセンサを小型化すべくラインセンサとした場合、被検体である指の表面に形成された指紋情報を全て読み取るためには、上記ラインセンサのセンサ面に沿って指の表面を滑らせる必要がある。
【0007】
しかし、このようにラインセンサのセンサ面に指の表面を滑らせると、指の表面と、センサ面との摩擦抵抗によって、センサ面より柔らかい指の表面が歪み、変形してしまうことになる。指の表面が歪み、変形してしまうと、ラインセンサによって読み取られる指紋情報は、全く別の指紋情報となってしまうため、正確な指紋照合ができなくなってしまうといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明は上述したような問題を解決するために案出されたものであり、センサ面の面積が被検体である指に形成された指紋の面積に対して、非常に小さい指紋読み取りセンサを備えた指紋照合装置において、正確に指紋情報を読み取る指紋照合装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る指紋照合装置は、検体の指紋情報を検出し、検出された上記指紋情報の照合処理をする指紋照合装置において、載置された上記被検体の1次元方向の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出手段と、上記被検体の1次元方向と垂直方向が回転方向となるように、上記指紋画像情報検出手段を介して対向するように配置された、上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の上記垂直方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材と、上記被検体の移動に伴って回転する上記1対の回転部材のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、上記第1のパルス信号生成手段によって生成されるパルス信号に同期して、上記指紋画像情報検出手段で検出された、上記被検体の1次元方向の指紋画像情報を読み込む指紋画像情報読み込み手段と、上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して読み込まれた、上記被検体の1次元方向の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成する指紋画像情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明に係る指紋照合装置は、被検体の指紋情報を検出し、検出された上記指紋情報の照合処理をする指紋照合装置において、載置された上記被検体の微小領域の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出手段と、上記指紋画像情報検出手段を介して対向するように配置された、上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の所定の方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材と、上記被検体の移動に伴って回転する上記1対の回転部材のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、上記第1のパルス信号生成手段によって生成されるパルス信号に同期して、上記指紋画像情報検出手段で検出された、上記被検体の微小領域の指紋画像情報を読み込む指紋画像情報読み込み手段と、上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して読み込まれた、上記被検体の微小領域の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成する指紋画像情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る指紋照合装置の実施の形態を図面を参照にして詳細に説明する。
【0012】
図1、図2及び図3を用いて、本発明の第1の実施の形態として示す指紋照合装置10について説明をする。
【0013】
図1(a),(b)は、指紋照合装置10の外観を示した概略図である。図1(a)は、指紋照合装置10の平面図であり、図1(b)は、指紋照合装置10の側面図である。
【0014】
指紋照合装置10の筐体1には、指の指紋情報を読み取るラインセンサである指紋読み取りセンサ11と、上記指紋読み取りセンサ11で指紋情報を読み取る際に、被検体である指を、指の第1関節付近から指先へと徐々に指紋読み取りセンサ11上を通過させるように指を送る機構である第1のローラ12と、第2のローラ13とが備えられている。また、指紋照合装置10は、入出力インターフェース21を備えており、例えば、図示しないPC(Personal Computer)などの外部装置にケーブル2を介して接続され、指紋照合の結果などが送信される。
【0015】
続いて、図2(a),(b)を用いて、指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13について詳細に説明をする。図2(a)は、指紋照合装置10に備えられた指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13の配置の様子を示す側面図であり、図2(b)は、同じく指紋照合装置10に備えられた指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13の配置の様子を示す平面図である。
【0016】
指紋読み取りセンサ11は、当該指紋読み取りセンサ11に載せられた指の指紋の山谷、つまり指紋の凹凸を読み取る半導体ラインセンサである。
【0017】
例えば、指紋読み取りセンサ11は、静電容量方式で指紋の凹凸(指紋情報)を検出し、2次元画像を生成する。静電容量方式の指紋読み取りセンサ11には、指紋の凹凸のピッチよりも十分に細かい、80μmピッチに電極が配置されており、指紋の凹凸と、上記電極間に蓄積される電荷の量(静電容量)を検出する。指紋の凹部では検出される静電容量が低く、指紋の凸部では静電容量が高くなるため、この静電容量差から指紋の凹凸を表した2次元画像が生成される。
【0018】
半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11のセンサ面の面積は、当該指紋読み取りセンサ11に載せる被検体の指の指先方向をy軸とするような2次元座標空間を考えた場合に、x軸方向、つまり指の幅方向には、全ての指紋の凹凸を読み取ることができるが、y軸方向、つまり指の長さ方向には若干の指紋の凹凸しか読み取ることができないサイズとなっている。例えば、指紋読み取りセンサ11は、上記y軸方向には8ライン、つまり電極8個分の長さとなっている。
【0019】
したがって、半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11では、1回の読み取りで、被検体である指の指紋情報を全て取得することはできず、生成できる2次元画像もy軸方向には微小なサイズとなる。そこで、以下の説明においは、指紋読み取りセンサ11で生成する2次元画像は、主に指の幅方向における、指の凹凸を検出することで生成される画像であることから、擬似的な1次元方向の2次元画像として擬1次元指紋画像と呼ぶことにする。
【0020】
この指紋読み取りセンサ11で、被検体である1本の指の指紋情報をほぼ全て取得するには、指紋読み取りセンサ11に載置した指をずらしていき、指紋の凹凸を検出する領域を変更していく必要がある。
【0021】
第1のローラ12と、第2のローラ13とは、指紋読み取りセンサ11で指の指紋の凹凸を検出する際に、指の第1関節から指先に向かって徐々に指紋読み取りセンサ11上を通過させるように指を送る回転機構である。第1のローラ12と、第2のローラ13とは、その回転方向が指紋読み取りセンサ11のライン方向と垂直になるように、且つ、当該第1のローラ12と、第2のローラ13とで指紋読み取りセンサ11を挟むような位置に配置されている。
【0022】
指紋読み取りセンサ11で、被検体である指の指紋情報を取得する場合、まず、被検体である指の第1関節付近を指紋読み取りセンサ11上に載置する。そして、被検体である指を、第1のローラ12の方向へ移動させ、指紋の凹凸が形成されている第1関節より指先側を指紋読み取りセンサ11に向かって進入させる。指紋の凹凸が形成されている指は、第1のローラ12及び第2のローラ13の回転機構により指紋読み取りセンサ11に送られ、指紋読み取りセンサ11上に徐々に載置されていく。指紋読み取りセンサ11上を通過した指紋の凹凸が形成されている指は、第1のローラ12及び第2のローラ13によって、安定して指紋読み取りセンサ11に送られていく。
【0023】
従来の技術で説明したように、半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11上で指を滑らせることで、指の表面が、歪み、変形してしまうと、指表面に形成されている指紋の凹凸も歪み、変形してしまうので、正確に指紋の凹凸を検出することができなくなってしまう。
【0024】
第1のローラ12及び第2のローラ13は、この指の表面の歪み、変形を抑制することができる。例えば、第1のローラ12及び第2のローラ13が備えられていない場合、被検体である指の指紋の凹凸を検出するべく、指紋読み取りセンサ11上で滑らせると、指の表面と、指紋読み取りセンサ11の表面との摩擦抵抗により、指紋読み取りセンサ11よりも柔らかく、たわみのある指表面は歪み、変形してしまうことになる。
【0025】
第1のローラ12及び第2のローラ13を備えている場合、第1のローラ12の摩擦抵抗と、第2のローラ13の摩擦抵抗とによって指の表面は、適度に引っ張られ張力を持つことになる。つまり、第1のローラ12及び第2のローラ13との間に配置されている指紋読み取りセンサ11上に置かれる指の表面のたわみは、抑制されていることになる。したがって、指紋読み取りセンサ11と、指表面との摩擦抵抗によって生じる指表面の歪み、変形も抑制されることになり、指紋読み取りセンサ11は、指紋情報である指紋の凹凸を正確に検出することができるようになる。
【0026】
第1のローラ12又は第2のローラ13には、ロータリーエンコーダ16が備えられている。ロータリーエンコーダ16は、例えば、光学式のロータリーエンコーダであり、当該ロータリーエンコーダ16が備えられた第1のローラ12又は第2のローラ13の回転量に応じて所定の数のパルス信号を出力する。後述する画像処理部では、このパルス信号の出力タイミングに同期して指紋読み取りセンサ11で検出された指紋の凹凸を読み込むことになる。
【0027】
また、ロータリーエンコーダ16は、回転方向を特定するために2相のパルス信号(A相とB相のパルス信号)を出力するようになっている。ロータリーエンコーダ16から出力されるA相のパルス信号と、B相のパルス信号は、それぞれ位相がずれており、ロータリーエンコーダ16の回転方向、つまり時計廻りと、反時計廻りとでその出力タイミングが逆の関係になっている。具体的には、時計廻りで、ロータリーエンコーダ16の軸が回転している場合、先にA相のパルス信号が出力され、その途中で位相のずれたB相のパルス信号が出力される。逆に、時計廻りで、ロータリーエンコーダ16の軸が回転している場合、先にB相のパルス信号が出力され、その途中で位相のずれたA相のパルス信号が出力される。
【0028】
これにより、第1のローラ12又は第2のローラ13の回転方向が特定できるため、指紋読み取りセンサ11に載置させる被検体である指の第1関節方向への移動を正とした場合のみ、指紋読み取りセンサ11で検出された指紋の凹凸情報を選択的に読み込むことができる。
【0029】
また、図2(a)に示すように、第1のローラ12及び第2のローラ13が配置されている指紋読み取りセンサ11の逆側には、被検体である指の第1のローラ12からの進出を補助するガイド14や、指の第2のローラ13への進入を補助するガイド15などを備えていてもよい。
【0030】
次に、図3を用いて、指紋照合装置10の構成について詳細に説明をする。
【0031】
指紋照合装置10は、上述した指紋読み取りセンサ11、第1のローラ12、第2のローラ13、第1のローラ12又は第2のローラ13に備えられたロータリーエンコーダ16などの他に、入出力インターフェース21と、インターフェースコントローラ22と、画像処理部23と、指紋照合用LSI(Large Scale Integration)24と、フラッシュメモリ25と、プログラム用RAM/ROM(Random Access Memory/Read Only Memory)26と、CPU(Central Processing Unit)27とを備えている。
【0032】
インターフェースコントローラ22と、指紋照合用LSI24と、フラッシュメモリ25と、プログラム用RAM/ROM26と、CPU27とは、バス28を介して相互に接続されている。
【0033】
入出力インターフェース21は、例えば、USB(Universal Serial Bus)の規格に基づいたインターフェースである。入出力インターフェース21の規格は、USB以外にもRS232Cなどであってもよく、本発明を限定するものではない。
【0034】
インターフェースコントローラ22は、入出力インターフェース21を介して接続される図示しない外部装置とのデータ転送を、インターフェースプロトコルに基づいて制御する。
【0035】
画像処理部23は、指紋読み取りセンサ11で検出された指紋の凹凸から生成された擬1次元指紋画像を、ロータリーエンコーダ16から出力されるパルス信号に同期して読み込み、読み込まれた複数の擬1次元指紋画像を合成して2次元の指紋画像を構築する。
【0036】
例えば、図4に示すように、指紋読み取りセンサ11は、被検体である指の凹凸を示す擬1次元指紋画像、S1、S2、S3・ ・ ・ Sn−2、Sn−1、Sn(nは、自然数)を検出する。このとき、第1のローラ12及び第2のローラ13は、指によって回転されるため、第1のローラ12又は第2のローラ13のいずれかに取り付けられたロータリーエンコーダ16も回転し、画像処理部23には、回転量に応じた所定の数のパルス信号が供給される。
【0037】
画像処理部23は、上記指紋読み取りセンサ11で検出された擬1次元指紋画像、S1、S2、S3・ ・ ・ Sn−2、Sn−1、Snを、ロータリーエンコーダ16から供給されるパルス信号に同期して読み込む。さらに、画像処理部23は、読み込んだ擬1次元指紋画像を合成し2次元の指紋画像、Sを生成する。
【0038】
なお、画像処理部23は、擬1次元指紋画像から、2次元の指紋画像、Sを合成する際に、読み込まれた擬1次元指紋画像同士で重複する箇所の画像領域があると、重複した画像領域に関してどちらか一方の重複画像を用いるように処理する。
【0039】
指紋照合用LSI24は、指紋照合処理時において、フラッシュメモリ25にあらかじめ記憶させてある指紋画像の特徴部分のみを抽出したテンプレートデータを読み出し、指紋読み取りセンサ11によって検出され、画像処理部23によって合成された2次元の指紋画像と、読み出したテンプレートデータとを比較照合する。指紋照合用LSI24で比較照合された結果は、CPU27に通知される。
【0040】
フラッシュメモリ25は、指紋照合処理の際に用いる基準となる指紋情報であるテンプレートデータが記憶される。当該指紋照合装置10を用いた指紋照合処理を実行する場合、ユーザは、あらかじめ、このフラッシュメモリ25にユーザ自身の指紋情報を登録しておく必要がある。フラッシュメモリ25に記憶される指紋情報は、指紋画像の特徴部分を抽出したテンプレートデータである。
【0041】
また、指紋照合装置10が備えるフラッシュメモリ25は、上記指紋読み取りセンサ11、画像処理部23及び指紋照合用LSI24による指紋照合処理による指紋照合結果に応じて、記憶されたデータの読み出しを可能とするような記憶領域を備えていてもよい。
【0042】
CPU27は、プログラム用RAM/ROM26に格納されているファームウェアを実行して当該指紋照合装置10の動作を統括的に制御する。CPU27は、例えば、上記ファームウェアに基づいて、画像処理部23での画像合成処理、指紋照合用LSI24での指紋照合処理を実行させる。
【0043】
このような、指紋照合装置10は、指の指紋情報を1度きりの指の載置によって検出できる半導体センサに対し、上述したようにセンサ面が僅かしかなく、指を移動させながらの指の載置によって指紋情報を検出し、擬1次元指紋画像を生成する指紋読み取りセンサ11が備えられている。しかし、指紋照合装置10は、第1のローラ12及び第2のローラ13を備えることで、指を移動させることによって生ずる被検体である指の表面の歪みや、変形を抑制することができるので、正確に指紋情報を取得することができる。
【0044】
上述した第1の実施の形態として示した指紋照合装置10では、被検体である指の指紋情報を検出するのに、半導体ラインセンサである指紋読み取りセンサ11を用いた。
【0045】
この指紋読み取りセンサ11は、指の長さ方向に対しては、センサ面が少なく載置した指をずらさないと指紋情報を検出できない大きさのセンサ面だった。一方、指の幅方向に対しては、どのような指を載置した場合でも指紋情報を十分に検出できる大きさのセンサ面となっていた。
【0046】
図5に本発明の第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、図6に第3の実施の形態として示す指紋照合装置40は、指紋照合装置10で使用した指紋読み取りセンサ11に替えて、指の幅方向のセンサ面も減少させた指紋読み取りセンサ31が備えられている。
【0047】
このような指紋読み取りセンサ31では、1回の指紋情報の読み取りで生成できる指紋画像は、指紋読み取りセンサ11による擬1次元指紋画像よりも微小な領域の2次元の指紋画像となる。そこで、以下の説明においては、指紋読み取りセンサ31で生成する2次元画像を微小領域指紋画像と呼ぶことにする。
【0048】
まず、図5を用いて、本発明の第2の実施の形態として示す指紋照合装置30について説明をする。
【0049】
指紋照合装置30は、指紋読み取りセンサ31が、矢印A及び矢印Bとして示した指の幅方向に移動するような機械的な機構を備えている。なお、指紋照合装置30のこれ以外の構成は、指紋照合装置10と同じであるため、各機能部の詳細な説明は省略する。
【0050】
指紋照合装置30では、指紋情報をフラッシュメモリ25に登録する際、指紋読み取りセンサ31を指の幅方向に移動させて指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する。例えば、指紋読み取りセンサ31は、当該指紋読み取りセンサ31を指の幅方向に3回移動させると、指の幅を十分網羅する程度の大きさであるとする。
【0051】
この場合、まず、指紋読み取りセンサ31を、図5に示すように、指の中心となる領域(2)に移動させ、この状態で、矢印C方向に指をずらして指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する。次に、図5に示すように矢印A方向の領域(1)に指紋読み取りセンサ31を移動させ、この状態で矢印C方向に指をずらして指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。最後に、図5に示すように矢印B方向の領域(3)に指紋読み取りセンサ31を移動させ、この状態で矢印C方向に指をずらして指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。なお、ここでは、説明のため領域(2)、(1)、(3)の順で指紋読み取りセンサ31を移動させているが、指紋情報の検出はどの領域から始めてもよく、どのような順番で行ってもよい。
【0052】
このように、指紋読み取りセンサ31を移動させ、指紋情報の読み取りを繰り返すことで、被検体である指の指紋画像を全て検出することができ、フラッシュメモリ25には、画像処理部23で合成された2次元の指紋画像の特徴部分を抽出したテンプレートデータが格納されることになる。
【0053】
指紋照合処理をする場合は、指紋読み取りセンサ31を移動させる必要はなく、指の幅方向の任意の位置にある指紋読み取りセンサ31上で、被検体である指を図5に示す矢印C方向に移動させ、指紋情報を検出すれば十分である。
【0054】
次に図6を用いて、本発明の第3の実施の形態として示す指紋照合装置40について説明をする。
【0055】
指紋照合装置40は、指紋照合装置30とは異なり、指紋読み取りセンサ31が、移動することなく固定されている。また、指紋照合装置40では、矢印C方向に指紋読み取りセンサ31上を移動させる被検体である指の上記指紋読み取りセンサ31を通過する位置を規定する指ガイド部41,42,43が備えられている。さらに指ガイド部41,42,43は、指の幅方向に移動する機構を備えている。なお、指紋照合装置40のこれ以外の構成は、指紋照合装置10と同じであるため、各機能部の詳細な説明は省略する。
【0056】
指紋照合装置30では、指紋情報をフラッシュメモリ25に登録する際、指ガイド部41,42,43を指の幅方向に移動させて指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する。例えば、指紋読み取りセンサ31が、指の幅方向に対して1/3程度の大きさであるとする。
【0057】
この場合、まず、指ガイド部41,42,43を、図6に示すように、領域(2)に移動させ、この状態で、矢印C方向に指を、指ガイド部41,42,43に沿うようにずらして、指紋読み取りセンサ31で指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。次に、図6に示すように矢印A方向の領域(1)に指ガイド部41,42,43を移動させ、この状態で矢印C方向に指を、指ガイド部41,42,43に沿うようにずらして、指紋読み取りセンサ31で指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。最後に、図6に示すように矢印B方向の領域(3)に指ガイド部41,42,43を移動させ、この状態で矢印C方向に指を、指ガイド部41,42,43に沿うようにずらして指紋読み取りセンサ31で指紋情報を検出し微小領域指紋画像を生成する。なお、ここでは、説明のため領域(2)、(1)、(3)の順で指ガイド部41,42,43を移動させているが、指紋情報の検出はどの領域から始めてもよく、どのような順番で行ってもよい。
【0058】
このように、指紋読み取りセンサ31による指紋情報の読み取りを繰り返すことで、被検体である指の指紋情報を全て検出することができ、フラッシュメモリ25には、画像処理部23で合成された2次元の指紋画像の特徴部分を抽出したテンプレートデータが格納されることになる。
【0059】
指紋照合処理をする場合は、指ガイド部41,42,43を移動させる必要はなく、指の幅方向の任意の位置にある指ガイド部41,42,43に沿うように、指紋読み取りセンサ31上で被検体である指を図6に示す矢印C方向に移動させ、指紋情報を検出すれば十分である。
【0060】
このような、指紋照合装置30,40は、指紋読み取りセンサ11よりもさらに小さい面積のセンサ面であり、指を移動させながらの指の載置によって指紋情報を検出し、微小領域指紋画像を生成する指紋読み取りセンサ31が備えられている。しかし、指紋照合装置10と同様に、第1のローラ12及び第2のローラ13を備えることで、指を移動させることによって生ずる被検体である指の表面の歪みや、変形を抑制することができるので、正確に指紋情報を取得することができる。
【0061】
また、指紋照合装置30には指紋読み取りセンサ31を移動させる移動機構が備えられており、被検体である指の幅方向の指紋情報も検出することができる。
【0062】
指紋照合装置40には、指紋読み取りセンサ31に載置する被検体である指の指紋情報を検出する領域を規定するガイド部41,42,43が備えられており、上記ガイド部41,42,43に沿って指紋読み取りセンサ31上を移動させることで、被検体である指の幅方向の指紋情報も検出することができる。
【0063】
図7に示すように第1の実施の形態として示す指紋照合装置10、第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、第3の実施の形態として示す指紋照合装置40は、第2のローラ13の下部に被検体である指に水分を補給するために水などの液体が入れられた液体タンク51を備えていてもよい。
【0064】
第2のローラ13は、回転するたびに、液体タンク51に貯蔵されている液体をその表面に含むことができ、載置された指の表面に水分を補給することができる。被検体である指は、乾燥していると、指紋読み取りセンサ11,31で正確に指紋情報を検出できないことがある。
【0065】
したがって、図7に示すように第2のローラ13の下部に備えられた液体タンク51に入れられた液体により指の表面が適度に水分を含むため、指紋読み取りセンサ11,31において正確に指紋情報を検出することができる。
【0066】
また、図8に示すように、第1の実施の形態として示す指紋照合装置10、第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、第3の実施の形態として示す指紋照合装置40の第1のローラ12及び第2のローラ13は、連動ギア52によって、その回転動作が連動するようになされていてもよい。
【0067】
連動ギア52によって、第1のローラ12,第2のローラ13の回転動作が連動されることによって、第1のローラ12及び第2のローラ13で被検体である指の表面に与えられる張力は一定となるため、指紋読み取りセンサ11,31においてさらに正確に指紋情報を検出することができる。
【0068】
さらにまた、第1の実施の形態として示す指紋照合装置10、第2の実施の形態として示す指紋照合装置30、第3の実施の形態として示す指紋照合装置40の第1のローラ12又は第2のローラ13のうちロータリーエンコーダ16が備えられていないローラに、ロータリーエンコーダ16と同様なロータリーエンコーダを取り付ける。
【0069】
そして、第1のローラ12及び第2のローラ13に取り付けられたロータリーエンコーダから出力されるパルス信号のパルス数の差が、あるしきい値を超えた場合に指紋読み取りセンサ11又は指紋読み取りセンサ31での指紋の読み取りが失敗であることを通知する情報をアラームなどによって知らせるようにしてもよい。
【0070】
これは、例えば、どちらかのローラのみに指が載置されて指紋情報が読み取られた場合、指紋読み取りセンサ11又は指紋読み取りセンサ31と、指の表面との摩擦抵抗により、指の表面の歪みや、変形が生じるため、このような状態で指紋情報が読み取られることを防止するための機構である。
【0071】
なお、本発明の第1の実施の形態として示した指紋照合装置10、第2の実施の形態として示した指紋照合装置30、第3の実施の形態として示した指紋照合装置40で用いた、指紋読み取りセンサ11,31は、静電容量方式のラインセンサであったが、本発明はこれに限定されものではなく、光学式のラインセンサ、熱感知方式のラインセンサなど、どのようなラインセンサをも適用することが可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の指紋照合装置は、指紋画像情報を検出する際に指紋画像情報検出手段上を移動させる被検体の指の移動を支援する1対の回転部材を備えることで、指の移動による指紋情報の歪みや変形を抑制することができるので、正確な指紋画像情報を検出することを可能とする。
【0073】
これにより、被検体である指紋が形成された指と比較して、小さい指紋画像情報検出手段で正確に指紋画像情報を検出できることから、当該指紋照合装置の小型化、コスト削減を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態として示す指紋照合装置の外観を示す平面図であり、(b)は、同じく照合処理装置の外観を示す側面図である。
【図2】(a)は、同指紋照合装置が備える第1のローラ、第2のローラ、指紋読み取りセンサの外観を示した側面図であり、(b)は、同じく第1のローラ、第2のローラ、指紋読み取りセンサの外観を示した平面図である。
【図3】同指紋照合装置の構成について説明するための図である。
【図4】同指紋照合装置において、2次元の指紋画像を生成する様子について説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態として示す指紋照合装置の外観を示した平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態として示す指紋照合装置の外観を示した平面図である。
【図7】指紋読み取りセンサに載置する指に水分を供給する機構について説明するための図である。
【図8】第1のローラと、第2のローラとを連動させる機構について説明するための図である。
【符号の説明】
10,30,40 指紋照合装置、11,31 指紋読み取りセンサ、12 第1のローラ、13 第2のローラ、16 ロータリーエンコーダ、23 画像処理部
Claims (12)
- 被検体の指紋情報を検出し、検出された上記指紋情報の照合処理をする指紋照合装置において、
載置された上記被検体の1次元方向の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出手段と、
上記被検体の1次元方向と垂直方向が回転方向となるように、上記指紋画像情報検出手段を介して対向するように配置された、上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の上記垂直方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材と、
上記被検体の移動に伴って回転する上記1対の回転部材のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、
上記第1のパルス信号生成手段によって生成されるパルス信号に同期して、上記指紋画像情報検出手段で検出された、上記被検体の1次元方向の指紋画像情報を読み込む指紋画像情報読み込み手段と、
上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して読み込まれた、上記被検体の1次元方向の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成する指紋画像情報処理手段とを備えること
を特徴とする指紋照合装置。 - 上記指紋画像情報検出手段は、静電容量方式によって、当該指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の指紋画像情報を検出すること
を特徴とする請求項1記載の指紋照合装置。 - 上記1対の回転部材のうち、上記指紋画像情報検出手段に載置された上記被検体の移動方向とは逆側に配置された回転部材の表面に、水分を供給する水分供給手段を備えること
を特徴とする請求項1記載の指紋照合装置。 - 上記一対の回転部材の回転動作を連動させるギアを備えること
を特徴とする請求項1記載の指紋照合装置。 - 上記1対の回転部材において、他方の回転部材の回転量に応じて、所定の数のパルス信号生成する第2のパルス信号生成手段と、
上記第1のパルス信号生成手段で生成されるパルス信号と、上記第2のパルス信号生成手段で生成されるパルス信号のパルス数の差が所定のしきい値を超えたことに応じて、上記指紋画像情報検出手段によって検出された指紋画像情報がエラーであること通知する通知手段とを備えること
を特徴とする請求項1記載の指紋照合装置。 - 被検体の指紋情報を検出し、検出された上記指紋情報の照合処理をする指紋照合装置において、
載置された上記被検体の微小領域の指紋情報を指紋画像情報として検出する指紋画像情報検出手段と、
上記指紋画像情報検出手段を介して対向するように配置された、上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の所定の方向への移動を支援する回転自在な1対の回転部材と、
上記被検体の移動に伴って回転する上記1対の回転部材のいずれか一方の回転量に応じて、パルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、
上記第1のパルス信号生成手段によって生成されるパルス信号に同期して、上記指紋画像情報検出手段で検出された、上記被検体の微小領域の指紋画像情報を読み込む指紋画像情報読み込み手段と、
上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して読み込まれた、上記被検体の微小領域の複数の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成する指紋画像情報処理手段とを備えること
を特徴とする指紋照合装置。 - 上記指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の上記回転部材によって支援される上記所定の移動方向と垂直な方向に、上記指紋画像情報検出手段を移動させる移動手段を備え、
上記指紋画像情報処理手段は、上記移動手段によって上記指紋画像情報検出手段が移動される毎に上記指紋画像情報読み込み手段によって、上記パルス信号に同期して、読み込まれた上記被検体の複数の微小領域の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成すること
を特徴とする請求項6記載の指紋照合装置。 - 上記所定の移動方向と垂直な方向において、上記指紋画像情報検出手段上に載置する上記被検体の載置位置を規定する載置位置規定手段と、
上記載置位置規定手段を上記所定の移動方向と垂直な方向に移動させる移動手段とを備え、
上記指紋画像情報検出手段は、上記移動手段によって上記載置位置規定手段が移動される毎に、上記指紋画像情報読み込み手段によって上記パルス信号に同期して、読み込まれた上記被検体の複数の微小領域の指紋画像情報を合成し、2次元の指紋画像情報を生成すること
を特徴とする請求項6記載の指紋照合装置。 - 上記指紋画像情報検出手段は、静電容量方式によって、当該指紋画像情報検出手段上に載置された上記被検体の指紋画像情報を検出すること
を特徴とする請求項6記載の指紋照合装置。 - 上記1対の回転部材のうち、上記指紋画像情報検出手段に載置された上記被検体の移動方向とは逆側に配置された回転部材の表面に、水分を供給する水分供給手段を備えること
を特徴とする請求項6記載の指紋照合装置。 - 上記一対の回転部材の回転動作を連動させるギアを備えること
を特徴とする請求項6記載の指紋照合装置。 - 上記1対の回転部材において、他方の回転部材の回転量に応じて、所定の数のパルス信号生成する第2のパルス信号生成手段と、
上記第1のパルス信号生成手段で生成されるパルス信号と、上記第2のパルス信号生成手段で生成されるパルス信号のパルス数の差が所定のしきい値を超えたことに応じて、上記指紋画像情報検出手段によって検出された指紋画像情報がエラーであること通知する通知手段とを備えること
を特徴とする請求項6記載の指紋照合装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-05-21 JP JP2003143873A patent/JP2004344342A/ja not_active Withdrawn
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