JPH09198495A - 指紋照合器の指紋撮像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型低価額の指紋撮像装置を提供する。 【構成】 ライン型のイメージセンサーとライン型の測
定部を設け、指を移動させながら指紋を１ラインづつ順
次読み取る。指を測定台上で移動さす時、一定の移動量
毎に指紋像を読み取るための同期パルス発生器を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】指紋を犯人捜査の手段としてだけ
ではなく、本人の指から指紋を直接撮像し登録指紋と照
合することにより、暗照番号、鍵，ＩＤカードなどの替
わりに利用しようとする試みは古くから行われている。
近年ソフトアルゴリズムの発達によりＰＣ上で比較的小
さな規模のソフトで、例えば１００ｋバイト以下のソフ
トで、指紋照合が出来るようになった。したがってＰＣ
の暗照番号やパスワードにも使える状況にある。しかし
一方、指紋撮像部のハード部分はこのような用途にはま
だ大きく高価な物である。本発明は今後用途が拡大する
であろう指紋照合器に関し、小型安価な指紋撮像装置を
提供することである。

【０００２】

【従来の技術】代表的な例を図１に示す。明瞭な指紋像
を撮像するために全反射条件を利用するものである。光
源（１）からの光はコリメーターレンズ（２）を通りプ
リズム（３）の面（４）で全反射する。反射光はレンズ
を通ってエリア型ＣＣＤセンサー（６）に達する。反射
面（４）の像はＣＣＤセンサー（６）に結像する。指
（７）を反射面（４）に乗せると指紋の隆線が反射面に
接触して全反射条件が崩れ、指紋の像は鮮明に現れる。
これをＣＣＤセンサー（６）から読み取る。 本技術の
欠点は指先全体の像を一度に撮影するために、エリア型
センサーを使い大きくなり高価になることである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】小型安価にするには、
エリア型センサーに替えてライン型の１列センサーを使
用することを考える。撮像部はライン状であるから、指
先全体を撮像するために指をライン状の撮像部の上を動
かしてスキャンさせる。また指の移動と像の取り込みを
同期させるために、指の移動に同期したパルスが必要に
なる。小型にまとめるためのレイアウト、および同期パ
ルス発生の構造が重要課題となる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】従来の方法ではエリア型
センサーであるから光源からセンサーまでの光路は光束
が太い。本方式はライン型センサーであるから光束は板
状である。光源にはライン型のＬＥＤを用いレンズも偏
平の物を使うことが出来る。またはセルホックレンズア
レイを用いることもできる。測定台にはライン状の撮像
スリットをもうけ、隣接して前面に移動体を設ける。移
動体は前後に移動できる。移動体の下部はコード板を形
成し、直線状に光学的または磁気的なコード（目盛り）
を設ける。またコード検出器を設け、該コードを光学的
または磁気的に検出する。即ち移動体が移動すると電気
的に同期パルスを発生する。もう一つの解決策は移動体
の替わりに回転ローラーを設ける方法である。撮像スリ
ットに平行して回転ローラーを設け、回転ローラーの端
には全周に渡って光学的または磁気的なコード（目盛
り）を設ける。またコード検出器を設け、該コードを光
学的または磁気的に検出する。即ち回転ローラーが回転
すると電気的に同期パルスを発生する。

【０００５】

【作用】指を測定台の乗せ、撮像スリット上を擦すりな
がら、前面に移動すると撮像スリットには指紋の一部の
像が順次現れる。同時に移動体も前進するので同期パル
スを発生し、この同期パルスに併せてセンサーの像の１
ライン分を順次取り込んで行く。この像をＰＣ上で繋合
わせるとエリア型センサーで取り込んだ場合と同じ指紋
像を得ることが出来る。これをソフト上でコード化し、
照合する手段は従来の物がそのまま使用できる。また回
転ローラーの場合は、指を押し出すと同時に回転ローラ
ーを回す。従って指の動きに同期して同期パルスを発生
する。以下の動きは移動体の場合と同様に、撮像スリッ
トの指紋像を取り込んで行く。

【０００６】

【実施例】以下本発明を図面に基づいて説明する。 〔実施例１〕図２から図４までは第一実施例を示す。図
２は指紋撮像装置の外観を示し、測定台（１１）、撮像
スリット（１２）、移動体（１３）を示している。図３
は指紋撮像装置の内部を示し、図４は光学的な説明のた
めの断面図である。図２において、測定台（１１）の右
部分に撮像スリット（１２）を設け、移動体（１３）を
溝（１４）とピン（１５）によって左右に移動可能とす
る。図３に示すごとく、移動体（１３）の下部には直線
状の目盛りを有するコード板（１７）を設ける。図３、
図４において、まず指紋撮像のための光路を説明する。
図３において２本の一点破線の上のものは指紋撮像の代
表的な中心部の光の進路（１８ａから２５ａ）をしめし
ている。また図４において側面から見た光の進路を一点
破線で示す。ライン型光源（１８）から発する光は反射
板（１９）で光路変更しプリズム（２０）に入射する。
プリズムの上面（２２）は全反射条件を満たしており、
光は再びプリズム（２０）から出て反射板（２３）で光
路変更後セルフォックレンズアレイ（２４）を通ってラ
イン型イメージセンサー（２５）に捕らえられる。指
（２６）がプリズムの上面（２２）に乗せられた状態で
は、指紋の隆線が反射面（２２）に接触すると全反射条
件が崩れ一部の光はプリズムの外部へ逃げてしまう。指
紋の隆線以外の部分はそのまま全反射するために指紋の
鮮明な像が出現する。そのためにも、全反射面（２２）
への入射角は臨界角度に出来るだけ近いことが必要であ
る。全反射面（２２）の像はセルフォックレンズアレイ
（２４）によりライン型イメージセンサー（２５）に結
像する。次に同期パルス発生に付いて説明する。図３に
おい２本の一点破線の下ものが同期パルス発生の光の進
路（１８ｂから２５ｂ）を示している。図４においては
側面から見た光の進路を示すが、たまたま指紋撮像の光
路と同一である。ライン型光源（１８）の一番端の光
（１８ｂ）は同じく反射板（１９）で光路変更後プリズ
ム（１９）には入らず、側面を通って移動体（１３）の
下部にあるコード板（１７）を照明する。コード板上の
目盛りの像は反射板（２３）によって反射されセルフォ
ックレンズアレイ（２４）をとおりライン型イメージセ
ンサー（２５）の一番端の素子（２５ｂ）に結像する。
コード検出器は光源（１８）、反射板（１９、２３）、
セルフォックレンズアレイ（２４）、ライン型イメージ
センサー（２５）から構成される。明確には図示されな
いが、光源（１８）、反射板（１９、２３）、セルフォ
ックレンズアレイ（２４）、ライン検出器（２５）はプ
リント基板（２７）に固定する。一方プリズム（２
０）、移動体（１３）は測定台（１１）に固定した構造
である。

【０００７】本装置に置いて作用を説明する。まず指
（２６）を測定台（１１）の上に乗せると、プリズムの
上面（２２）に指紋の像が現れ、ライン型イメージセン
サー（２５）に投影される。この指紋の像と目盛りの像
を同時に一定の時間間隔で（たとえば１０ｍｓ間隔）メ
モリーに読み込み、目盛り像の変化をソフト的に監視す
る----即ち移動体（１３）の移動を監視する。次に指
（２６）を右に移動するとソフト的に移動体が一定量移
動したことを検出し同期パルスを発生する。この同期パ
ルスで指紋像をサンプリングし、別のメモリに保管す
る。この様に移動体の一定量移動検出毎に１ラインの指
紋像を取り込む。例えば指の移動０．１ｍｍ毎に像を取
り込み１５０回の取り込みが終了すると撮像完了とし、
メモリーには長さ１５ｍｍの指紋像が取り込まれたこと
になる。以降は照合作業となるが省略する。

【０００８】〔実施例２〕図５から図６は第２実施例を
示す。図５は正面図、図６は平面図を示す。但し図６で
はケースの上面は省略してある。第一実施例に於ける同
期パルス発生を回転ローラと磁気検出器で構成したもの
である。その外は原理的には第一実施例と同じである。
図５、図６において、測定台（３１）に長方形の撮像ス
リット（３２）とプリズム（３３）を設ける。ライン型
光源（３４）から発射された光はプリズム（３３）に入
り、プリズムのＡ面（３５），Ｂ面（３６）で全反射し
て、セルフォックレンズアレイ（３７）を通ってライン
型イメージセンサー（３８）にはいる。プリズムＢ面
（３６）は撮像面であるから、全反射条件は第一実施例
と同様臨界角に近いことが重要である。またＢ面（３
６）の像はライン型イメージセンサー（３８）に結ぶ。
一方、プリズムに平行して回転ローラー（３９）を設
け、両軸（４０、４１）を回転可能に支持する。ローラ
ーの片端には全周に磁気的なコード（目盛り）を有する
コード板（４２）を設ける。ＭＲ素子からなるコード検
出器（４３）により該目盛りを検出し、ローラー回転時
にはプリント基板上（４４）の回路により同期パルスを
発生する。これら一連の部品はプリント基板（４４）に
設置される。

【０００９】本装置において、作用を説明する。まず指
（４５）を測定台（３１）に乗せ、右上方向に動かす。
指は撮像スリット（３２）を擦すりながら、かつ回転ロ
ーラー（３９）を回転させる。ローラーの一定量回転毎
に同期パルスを発生し、１ラインの指紋像を取り込んで
行く。指の移動にともなって順次指紋像を取り込む方法
は第１実施例と同じであるから省略する。

【００１０】

【発明の効果】請求項１の記載の発明のよれば、本発明
の目的とする小型安価な装置の実現が可能となった。そ
の一番の理由はラインセンサーを採用することであっ
た。２次元の像を扱うのに対し、１次元の像を取り扱う
ために、ＣＣＤ，光源、レンズ、のコスト低下を可能と
し、同期パルスの発生器のコストアップ分を補って余り
ある結果となった。また光路の短縮は小型化を容易に
し、指紋照合をより身近な装置に適用できると思われ
る。また副次的効果として、プリズムの測定面は指によ
ってこすられているので、常にクリーンに保たれてい
る。指を乗せたとき測定台はライン状でよいために指と
測定面の接触が容易となり指紋の測定面積が大きくなっ
た。などの理由により従来の平面型測定方法に比較して
鮮明な像の撮像が可能である。

【００１１】請求項２の記載の発明によれば、同期パル
ス発生器の部品を削減し、更に小型化できる。

【００１２】請求項３の記載の発明によれば、光束がラ
イン状で十分であることから光源、レンズをライン型と
し更なる小型が可能になる。

【００１３】本発明では２つの実施例を示したが、光
源、レンズ、プリズム、同期パルス発生方法、などに異
なる物を例示した。しかしこれらの様ざまな組合せは容
易に考えられる物であり、実施例に限定するものではな
い。例えば光源にはＬＥＤアレイ、線型白熱ランプ。レ
ンズにはセルフォックレンズアレイ、光ファイバー、一
般的な光学レンズ。プリズムの形状は様々の物が可能で
あり、同期パルスの発生方法も光学的、磁気的な様々な
方法がある。

【００１４】また全反射を利用した撮像方法を例示した
が、画像処理の煩雑さを厭わなければ、指紋は直接撮像
でも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の方法の例である。

【図２】本発明の第１実施例の外観を示す。

【図３】本発明の第１実施例の内部構造を示す。

【図４】本発明の第１実施例の原理を説明するための断
面図である。

【図５】本発明の第２実施例の断面図である。

【図６】本発明の第２実施例の平面図である。

【符号の説明】

７、２６、４５ 指 １１、３１ 測定台 １２、３２ 撮像スリット １３ 移動体 １７、４２ コード板 １８、３４ 光源 １８、１９、２３、２４、２５ コード検出器 ２５、３８ ライン型イメージセンサー ３９ 回転ローラー ４３ コード検出器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定台、光源、プリズム、レンズ、イメ
   ージセンサーなどからなる指紋撮像装置において、測定
   台（１１）に設けた長方形の撮像スリット（１２）、該
   撮像スリットに平行して設けた移動体（１３）または回
   転ローラ（３８）、該移動体（１３）の移動または回転
   ローラー（３８）の回転に直結するコード板（１７、４
   １）、コード板上のコードを検出するコード検出器（１
   ８、２５、３１）、および撮像スリット（１２）の結像
   位置に設けたライン型イメージセンサー（２５）からな
   ることを特徴とする指紋照合器の指紋撮像装置。
2. 【請求項２】 移動体（１３）または回転ローラー（３
   ８）のコード板（１７、４１）のコード検出器は指紋検
   出のライン型イメージセンサー（２５）の一部の素子で
   あることを特徴とする請求項１の指紋照合器の指紋撮像
   装置。
3. 【請求項３】 光源（１８）はライン型、結像レンズ
   （２４）はセルフォックレンズアレイであることを特徴
   とする請求項１の指紋照合器の指紋撮像装置。