〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態に係るワイヤレスAVシステム(テレビ受信・再生システム)は、モニタ側(AV出力装置)とチューナを備えたワイヤレスセンタとが分離されている形態を有し、主としてワイヤレスで両者間の通信を行うシステムである。かかるシステムにおいて、モニタ側に、GUIを操作するための入力部と、該入力部において入力された入力内容に関するOSD(on screen display)を生成しモニタ側の表示部に表示させる制御を行うとともに、表示部に表示されたOSDに基づき制御データを確定し、制御データを確定させた後にその制御データをチューナ側に送る構成を有している。
以下、本発明の実施の形態に係るワイヤレスAVシステムについて、モニタ側においてテレビ放送の表示等を行うシステムを例にして説明する。モニタ側に表示されるGUIは、例えばワイヤレスAVシステムにおける様々なメニュー表示を提供するものである。
以下、本発明の一実施の形態によるワイヤレスAVシステムについて図面を参照しつつ説明を行う。図1は、本実施の形態によるワイヤレスAVシステムの構成例を示す図である。図2は、本実施の形態によるワイヤレスAVシステムにおけるワイヤレスセンタ(チューナ側装置)の構成例を示す機能ブロック図である。図3は、本実施の形態によるワイヤレスAVシステムにおけるTV本体(モニタ側装置)の構成例を示す機能ブロック図である。図4は、本実施の形態によるワイヤレスAVシステムにおいてワイヤレスセンタとTV本体との間で送受信されるデータの構造の一例を示す図である。図5は、リモートコントロール装置の構成例である。図6及び図7は、本発明の実施の形態によるワイヤレスAVシステムにおけるGUI映像の表示例を示す図である。図8は、本実施の形態によるワイヤレスAVシステムにおける処理例の流れを示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施の形態によるワイヤレスAVシステム1は、チューナ側のワイヤレスセンタ3と、バッテリー内蔵の液晶モニタ付きのTV本体(テレビ本体)5とを含んで構成されている。
また、図9に示すように、TV本体5は、バッテリー内蔵でワイヤレスである。また、リモートコントローラを備えて、ビデオデッキなどのリモコン操作ができるようになっている。また、ワイヤレスセンタ3は、BSやU/V等のアンテナやDVDプレーヤやビデオデッキ等のAV機器、CATV用セットトップボックス等に接続されている。そして、ワイヤレスセンタ3からTV本体5へ、テレビ番組等の映像及び/又は音声データがワイヤレス伝送されるようになっている。
つぎに、ワイヤレスAVシステム1の構成について具体的に説明する。図1に示すように、ワイヤレスセンタ3は、外部入力切換のための端子である、ビデオ1入力(S端子付き)端子7aと、ビデオ2入力(デコーダ入力)端子7bと、ビデオ3入力(モニタ/BS出力兼用)端子7cと、AC電源端子11a及びCar−DC端子11bと、BSアンテナ15a、UHF/VHFアンテナ15bと、ダイバーシティーアンテナ15cとを有している。一方、TV本体5は、ビデオ4入力(TV出力)端子21と、AC電源端子23a及びCar−DC端子23bと、を有している。
ワイヤレスセンタ3とTV本体5とは、例えばIEEE802.11b規格に基づく無線方式により、互いにデータの送受信を行うことが可能である。ワイヤレスセンタ3からTV本体5に向けて、無線によりMPEG2ストリーム情報が送られるとともに、その他のコマンドデータなどが両者間で双方向通信により伝送される。
つぎに、ワイヤレスセンタ3の構成例について図2を参照して説明する。図1において説明した構成要素については説明を省略する。図2に示すように、ワイヤレスセンタ3は、ワイヤレスセンタ3全体を制御するワイヤレスセンタマイコン41と、第1AVセレクタ43と、SS(Spread Spectrum:スペクトラム拡散)送受信ユニット45と、を有している。ビデオ1入力端子(外部入力1)7a,ビデオ2入力端子(外部入力2)7b,ビデオ3入力端子(外部入力3)7cは、例えばビデオデッキやDVDレコーダ等の外部装置からの映像信号および/または音声信号を第1AVセレクタへ入力するための端子である。
さらに、ワイヤレスセンタ3は、BS(broadcasting satellite)放送を受信するBSアンテナ15aに接続されるBSチューナ33と、テレビ放送(アナログ放送またはデジタル放送)を受信するUHF/VHFアンテナ15bに接続されるU/Vチューナ31と、を有している。また、ワイヤレスセンタ3においては、ワイヤレスセンタマイコン41が出力する選局コマンド31aに基づいてテレビ番組の選局処理が行われる。選局処理が行われた後、U/Vチューナ31またはBSチューナ33から出力される信号は、映像・音声復調器35に入力し、映像信号(第一の映像のデータ)および音声信号に復調される。また、復調された音声信号は、音声切換部37において、ワイヤレスセンタマイコン41が出力する音声切換コマンド37aに基づいて音声切換処理が行われる。さらに、復調された映像信号と音声切換処理が行われた後の音声信号とは、第1AVセレクタ43に入力される。ここで、第1AVセレクタ43は、ワイヤレスセンタマイコン41からのソース選択信号43aに基づいてソース選択処理を行い、選択した映像信号および音声信号をSS送受信ユニット45に入力する。
また、ワイヤレスセンタマイコン41は、EEPROM(第1記憶手段)47に格納されている各種データを読み出すと共に、EEPROM47へ各種データを書き込むことが可能である。なお、EEPROM47は、ワイヤレスセンタマイコン41の制御プログラム、通信制御データ、さらに伝送チャネル変更プログラム等の種々のデータを記憶する電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
SS送受信ユニット45は、A/D変換器51と、MPEG2エンコーダ53と、第1のSS無線送受信エンジン55と、これらを制御する第1のSS―CPU(送信手段)57とを有している。第1AVセレクタ43から出力された映像信号および音声信号は、A/D変換器51によりA/D変換され、例えばMPEG2エンコーダ53によりMPEG2形式にエンコードされ、ワイヤレスセンタマイコン41からのTVコマンド(送受信コマンド)57aに基づいてMPEG2形式にエンコードされる。そして、このエンコードされたデータは、第1のSS―CPU57の制御の下、第1のSS無線送受信エンジン55によって、TV本体5側に送られる。また、第1のSS無線送受信エンジン55は、第1のSS―CPU57に制御されることにより、種々のコマンド(データ)をTV本体5との間で双方向に通信する。
つぎに、TV本体5の構成について図3に基づいて説明する。同図に示すように、TV本体5は、TVマイコン66と、SS送受信ユニット61と、第2AVセレクタ67と、TVモニタ(液晶ディスプレイ,表示部)71と、リモートコントロール装置(図5)の入力を受け付けるリモコン受光部75と、を有している。SS送受信ユニット61は、第2のSS無線送受信エンジン77と、MPEG2デコーダ81と、D/A変換器83と、これらを制御する第2のSS―CPU85とを有している。さらに、TV本体5は、バッテリー駆動に対応しており、それに応じてバッテリー87bとバッテリーチャージャーマイコン87aとを有している。
ここで、TVマイコン66は、EEPROM(第2記憶手段、記憶部)65に格納されている各種データを読み出すと共に、EEPROM65へ各種データを書き込むことが可能である。なお、EEPROM65は、TV本体5の制御プログラム、通信制御データ、さらに伝送チャネル変更プログラム等の種々のデータを記憶する電気的に書換可能な不揮発性メモリである。
ワイヤレスセンタ3側から送られMPEG2形式にエンコードされているストリーミング情報(上記のエンコードされたデータ)は、TVマイコン66からのTVコマンド(送受信コマンド)71を受けた第2のSS―CPU(受信手段)85の指示により、SS送受信ユニット61内の第2のSS無線送受信エンジン77において受信され、MPEG2デコーダ81においてデコードされ、D/A変換器83においてD/A変換される。さらに、D/A変換されることにより生成した映像信号および音声信号は、第2AVセレクタ67に送られる。そして、第2AVセレクタ67は、この映像信号および音声信号と、ビデオ4入力端子(外部入力4)21からの映像信号および音声信号(例えば、ビデオデッキ等の外部装置からの映像信号等)とのいずれを選択するかをTVマイコン66からのソース選択コマンド67aに基づいて選択する。ここで、選択された映像信号(第一の映像のデータ)および音声信号は、OSD合成部93aを介してTVモニタ71に送られる。これにより、第2AVセレクタ(第一映像生成手段)67により選択された映像信号に基づく映像がTVモニタ71に表示される。なお、以下では、ワイヤレスセンタ3によって受信されたテレビ放送の映像がTVモニタ71に表示されているものとするが、ここで、テレビ放送の映像とは、地上波アナログ放送、地上波デジタル放送のテレビ映像のみならず、衛星放送の映像、データ放送の映像、CATV放送の映像等も含まれる。また、TVモニタ71に表示される映像(第一の映像)は、テレビ放送用の映像に限られるものではなく、ビデオデッキやDVDレコーダからの再生映像であってもよい。
また、本実施の形態におけるTV本体5は、OSD機能を有している。以下では、OSD機能を実現するための構成について説明する。なお、本実施の形態におけるOSD機能とは、TVモニタ71に表示されている映像上の一部領域に、この映像とは異なる映像(以下、OSD映像という)を重畳して表示する機能をいう。
また、本実施の形態におけるOSD映像(第二の映像)とは、ワイヤレスセンタ3,TVモニタ71に関連する情報に基づいて生成される映像であり、例えば、ワイヤレスセンタ3またはTVモニタ71の設定状態(選局されているチャンネル番号,出力音量,映像の明るさ等)を示す映像、受信可能なチャンネル番号を示す映像、ワイヤレスセンタ3またはTVモニタ71を操作するためのGUI映像、ワイヤレスセンタ3が受信するテレビ放送用の映像信号以外のデータに基づく映像(例えば、EPG)がある。
なお、利用者は、TVモニタ71にGUI映像をOSD表示させる場合、このGUI映像を介して、選局チャンネルの切り替え、音量調整、表示される映像の輝度調整、タイマー設定等の各種操作を行うことができる。また、利用者は、上記GUI映像に表示されている各種制御コマンドの選択、決定、取り消し等をリモートコントロール装置200(図5参照)を操作して行ってもよく、また、TV本体5に取り付けられているコントローラ(不図示)を操作して行ってもよい。
本実施の形態においては、利用者がリモートコントロール装置200を操作することによってOSD表示の指示をTV本体5に入力すると、TVマイコン(第二映像生成手段)66が、EEPROM65に格納されている各種データに基づいて、この指示に応じたOSD映像データ(第二の映像のデータ)を生成し、OSD合成部93aへ出力する(図10参照)。そして、OSD合成部(映像重畳手段)93aが、TVモニタ71に表示されているテレビ放送の映像に対してOSD映像を重畳する処理を行う。以下、このOSD合成部93aについて詳細に説明する。
OSD合成部93aは、図10に示すように、同期信号分離部193およびスイッチ194を備えている。スイッチ194は、TVマイコン66から入力するタイミング制御信号に基づいて、同期信号分離部193とTVモニタ71との接続/切断、TVマイコン66とTVモニタ71との接続/切断を切り替えるスイッチである。同期信号分離部193は、第2AVセレクタ67より送られる映像信号から映像同期信号を分離して、上記映像信号をスイッチ194へ出力すると共に、上記映像同期信号をTVマイコン66へ出力するブロックである。
以上の構成において、まず、同期信号分離部193は、入力する映像信号から映像同期信号を分離し、上記映像信号をスイッチ194へ送信すると共に、上記映像同期信号をTVマイコン66へ送信する。
ここで、TVマイコン66は、利用者からのOSD表示の指示を入力した場合、この指示に応じたOSD映像データを生成し、OSD合成部93aへ出力する。さらに、TVマイコン66は、同期信号分離部193からの映像同期信号に基づき、スイッチ194を切り替えるタイミングを示したタイミング制御信号を生成し、このタイミング制御信号をスイッチ194へ送信する。
そして、スイッチ194は、このタイミング制御信号に基づき、同期信号分離部193とTVモニタ71との接続/切断、TVマイコン66とTVモニタ71との接続/切断を切り替える。これにより、利用者からのOSD表示の指示がTV本体5に入力されると、TVマイコン66からTVモニタ71へOSD映像データが送られ、TVモニタ71上に表示されているテレビ放送の映像上にOSD映像が重畳される。
つまり、TVマイコン66から出力されるOSD映像データは、第2AVセレクタ67とTVモニタ71との間に位置するOSD合成部93aに入力される。TVマイコン66は、例えば、後述するリモートコントロール装置(図5参照)の入力キーなどを用いて入力されたコマンドをリモコン受光部75において受け取り、この受け取ったコマンドに基づいて、TVモニタ71にOSD表示を行う。
つぎに、ワイヤレスセンタ3とTV本体5との間で送受信されるデータについて詳細に説明する。図4に示すように、本実施の形態によるワイヤレスAVシステム1において、ワイヤレスセンタ3側とTV本体5側との間でやり取りされる送受信データ131は、第1のSS無線送受信エンジン55と第2のSS無線送受信エンジン77との間で、アイソサイクル(isocycle)132によって規定された一定周期毎に送受信処理を行う。送受信データパケットの構成は、ルート(R)であるワイヤレスセンタ3からリーフ(L)であるTV本体5に送られるRパケット133と、ギャップ134と、ギャップ134を挟んでリーフ(L)であるTV本体5からルート(R)であるワイヤレスセンタ3に送られるLパケット135とを有して構成されている。
Rパケット133は、ロングプリアンブル(1Mbps)を使用する部分と、その他のデータ部分(11MHz)と、を含んでいる。ロングプリアンブル(1Mbps)を使用する部分は、シンクロナスデータ141とPHYヘッダデータ143を含んでおり、192μsの期間である。一方、その他のデータ部分は、MACヘッダ145と、コントロールデータ(CB)147と、非同期データにより構成されるステイタスコマンドデータ151と、同期データ(アイソクロナスデータ)153とを有している。ステイタスコマンドデータ151は、ワイヤレスセンタ3からTV本体5側へ送られるステータス・コマンドを含むデータである。同期データ153はMPEG2のAVストリームデータである。
上記Rパケット133に続き、129μsのギャップ部(GAP)134が設けられ、次いで、TV本体5側からワイヤレスセンタ3に送られるLパケット135が設けられている。Lパケット135は、Rパケット133と同様に、ロングプリアンブル(1Mbps)を使用する部分161、163と、その他のデータ部分(11MHz)である、MACヘッダ部165、リトライタグ167と、非同期データ部171と、を含んでいる。非同期データ部171は、TV本体5側からワイヤレスセンタ3側へ送られるステータス・コマンドを含むデータである。後述するように、TVモニタ71に表示されたGUI上で選択され確定されたコマンドデータは、非同期データ部171に含めてTV本体5側からワイヤレスセンタ3側に送られる。ワイヤレスセンタ3側においては、上記コマンドデータに基づいて指示されたコマンドを実行する。以上説明したデータが、全体として3.6msサイクルで送られる。
図5は、TV本体5側のリモコン受光部75を介して種々の操作を行う入力部としての機能を有するリモートコントロール装置200の構成例である。図5に示すように、リモートコントロール装置200は、チャンネル番号を入力するチャンネル番号入力部201と、メニュー表示ボタン202と、選択・決定ボタン203a・203bと、アップダウン選局ボタン205と、電源スイッチ207と、(外部)入力切換ボタン208と、を有している。図6および図7は、TVモニタ71上に表示されるOSD映像の例を示す図であり、リモートコントロール装置200における入力に基づいてTVマイコン66がTVモニタ71に表示させたOSD映像の例である。
まず、図8に示すように、リモートコントロール装置200を用いてメニューボタン202を押すと(S1)、TVモニタ71には、例えば、図6(a)に示すような表示が行われる(S2)。このメニュー表示では、例として、映像調整と、省エネ設定と、本体設定と、チャンネル設定とタイマー設定とが表示されている。ここで、チャンネル設定を選択すると(S3)、図6(b)に示す表示が行われる(S4)。図6(b)に示すように、チャンネル設定に関するメニュー表示には、例えば、オートプリセットと、マニュアルメモリーと、地域番号と、実行と、が表示されている。ここではオートプリセットを選択すると(S5)、図6(c)に示すようなメニュー表示となり、ここで決定ボタン203bを押すことによりオートプリセット処理を行う旨が決定され、上下選択ボタン203aにより図7(a)に示すように実行を選択し決定ボタン203bを押すことによりオートプリセット処理の実行が確定する(S7)。上記の処理は、TV本体5側において行われる。以上の手順によりワイヤレスセンタ3側に実行させるための処理(オートプリセット処理)が確定したため、これをワイヤレスセンタ3側に対するコマンドに変換し(S7)、図4に示す非同期データ部171に含めてTV本体5側からワイヤレスセンタ3側に送る(S8)。
ワイヤレスセンタ3側において上記オートプリセットを実行する旨のコマンドを受け取ると、図7(b)に示すように、チャンネル関係の表示画面においてオートプリセット中である旨の表示がされ、オートプリセット処理が完了すると(S9)、関連する情報(チャンネル特定情報)がTV本体5側に送られ(S10)、図7(c)に示すように、ダイレクト選局ボタンに対応した選局番号の順に左上から記憶されたチャンネル番号の一覧213がTVモニタ71に表示される。図7(c)に示す例では、1,3,4,6,8,10,12のチャンネル番号は、各々同一の選局番号に対応して記憶され、13から62チャンネルのうちの38,42,46は、空きの選局番号に記憶される。リモコンにおける1チャンネルの位置には1チャンネルが、2チャンネルの位置には14チャンネルが、3チャンネルの位置には3チャンネルが、4チャンネルの位置には4チャンネルが、5チャンネルの位置には38チャンネルがというように、対応付けされている。例えばこれらの対応付けされた情報は、チャンネル特定情報として、TV本体5側に送られ、図3に示すEEPROM65に記憶される。
本実施の形態によるワイヤレスAVシステム1においては、TV本体5側に設けられたTVマイコン66において、TVモニタ71に表示されるOSD映像を生成し、処理に関する選択などを全てTV本体5側において行うことができるため、従来のようにOSD映像を含むビデオ信号をAVストリームへ変換するために表示レスポンスが劣化するという問題を解消できる。
以上、本発明に関して実施の形態に沿って説明を行ったが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。また、テレビ放送の受信を行うシステムを例にして説明したが、他のAVシステムにも適用可能である。また、ワイヤレスであるAV機器に対して適用した例に基づいて説明したが有線などによりネットワーク化されたAV機器にも適用できるのは言うまでもない。また、切換処理に関して映像のミュート処理を行うことを例にして説明したが、他の映像処理を行っても良い。
〔実施の形態2〕
本実施の形態では、実施の形態1にて説明したオートプリセット処理とは異なる態様のオートプリセット処理について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と実質的に同一の機能を奏する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。
図11は、本実施の形態に係るオートプリセット処理のうち、TV本体5側で実行される処理の手順を示したフローチャートである。
まず、TVモニタ71上に表示されているテレビ番組の映像上に、図6(a)に示すメニュー選択用映像がOSD表示されているものとする。図10に示すS11において、利用者がリモートコントロール装置200を操作して、チャンネル設定メニューを選択すると(S11)、TVマイコン66は、チャンネル設定用映像のデータをEEPROM65から読み出し、OSD合成部93aへ出力する(S12)。これにより、TVモニタ71において、図6(b)に示されるチャンネル設定用映像がOSD表示される(S13)。
ここで、利用者が、チャンネル設定用映像に表示されている各項目のうち、オートプリセット処理を選択すると(S14においてYes)、TVマイコン66は、オートプリセット処理の実行を示すコマンドを出力する(S15)。なお、その他の処理が選択された場合(S14においてNo)、その他の処理が実行される(S16)。
そして、S15においてTVマイコン66が出力したコマンドは、SS送受信ユニット61に送られる(S17)。さらに、このコマンドを受け取ったSS送受信ユニット61は、第2のSS−CPU85の制御の下、第2のSS無線送受信エンジン77を介して、ワイヤレスセンタ3にこのコマンドを送信する(S18)。これにより、ワイヤレスセンタ3側に処理が移行される(S19)。
つぎに、上記のコマンドを受け取ったワイヤレスセンタ3において実行される処理を図12に基づいて説明する。図12は、図11におけるS19の処理の詳細を示したものであり、ワイヤレスセンタ3側で実行される処理の手順を示したフローチャートである。
S18に示すコマンド(図11参照)がTV本体5から送信されると、ワイヤレスセンタ3のSS送受信ユニット45はこのコマンドを受信する(S31)。そして、受信されたコマンドは、第1のSS−CPU57の制御の下、ワイヤレスセンタマイコン41に入力される(S32)。
さらに、このコマンドを受け取ったワイヤレスセンタマイコン41は、コマンドの示す内容を解析する(S33)。ここで、コマンドの内容がオートプリセット操作を指示するものである場合(S34においてYes)、BSチューナ33およびU/Vチューナ31に対してチャンネルサーチの制御信号を出力する(S35)。なお、S33において、コマンドの内容がその他の指示である場合(S34においてNo)、その他の処理が実行される(S36)。
そして、チャンネルサーチの制御信号を受け取った両チューナ31、33は、チャンネルサーチを行い、受信可能なチャンネルと受信不可能なチャンネルとを示すチャンネル特定情報をワイヤレスセンタマイコン41へ出力する(S37)。
さらに、このチャンネル特定情報を受け取ったワイヤレスセンタマイコン41は、SS送受信ユニット45にチャンネル特定情報を送信する。そして、SS送受信ユニット45は、第1のSS−CPU57の制御の下、第1のSS無線送受信エンジン55を介して、TV本体5にチャンネル特定情報を送信する(S38)。
つぎに、ワイヤレスセンタ3から上記のチャンネル特定情報が送信された後のTV本体5側の処理について図11に基づいて説明する。
ワイヤレスセンタ3から上記のチャンネル特定情報が送信されると、このチャンネル特定情報は、第2のSS−CPU85の制御の下、第2のSS無線送受信エンジン77に受信される(S20)。そして、この受信されたチャンネル特定情報は、TVマイコン66の制御の下、EEPROM65に記憶される(S21)。
以上のように、本実施の形態のワイヤレスAVシステム1では、受信可能なチャンネルと受信不可能なチャンネルを示すチャンネル特定情報(関連データ)を、TV本体5におけるEEPROM65に記憶させている。したがって、TVモニタ71に表示されているテレビ番組の映像上に、図7(c)に示すような受信可能なチャンネルを示すOSD映像を重畳して表示する場合、TVマイコン66が、EEPROM65に記憶されているチャンネル特定情報に基づいてOSD映像のデータを生成し、OSD合成部93aが、TVモニタ71に表示されているテレビ番組の映像上にこのOSD映像を重畳して表示することになる。
つまり、本実施の形態によれば、ワイヤレスセンタ3からのデータに基づくOSD映像を表示する場合、このOSD映像をワイヤレスセンタ3側で生成せず、TV本体5側で生成している。したがって、このOSD映像をワイヤレスセンタ3側で生成する従来の構成と比べ、テレビ番組の映像にOSD映像を重畳したデータをエンコード・デコードする必要がなく、OSD表示に関し、利用者の指示の入力に対する応答速度を向上させることが可能となる。
特に、本実施の形態のように、EEPROM65に記憶されているデータに基づいてOSD映像のデータを生成する場合、利用者からOSD映像表示の指示を入力すると、直ぐにOSD表示を行うことが可能となる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態では、GUIとしてのEPG映像(OSD映像)をTVモニタ71にOSD表示する処理について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と実質的に同一の機能を奏する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実施の形態についても組み合わせて適用し得るものとする。
また、本実施の形態のワイヤレスAVシステム1では、U/Vチューナ31からデジタル放送用地上波を受信し、このデジタル放送用地上波にはEPGデータが付加されているものとする。さらに、ワイヤレスセンタ3は、このEPGデータを受信すると、このEPGデータをTV本体5へ送信し、TV本体5において、TVマイコン66が、ワイヤレスセンタ3から送られてきたEPGデータ(関連データ)をEEPROM65に格納できる構成であるものとする。
なお、ワイヤレスセンタ3がBSチューナ33から衛星デジタル放送波を受信する構成である場合、ワイヤレスセンタ3はその放送波に付加されているEPGデータをTV本体5へ送信するようにしてもよい。
図13は、EPG映像をOSD表示する手順について示したフローチャートである。まず、利用者が、リモートコントロール装置200を操作して、EPGの表示指示を入力すると(S41)、TVマイコン66が、EPG映像のテンプレートデータをEEPROM65から読み出す(S42)。なお、このテンプレートデータとは、EPG映像をGUIとして機能させるために必要な定型データである。
さらに、TVマイコン66は、EEPROM65にEPGデータが記憶されているか否かを判定する(S43)。ここで、このEPGデータがEEPROM65に既に記憶されている場合(S43においてYes)、TVマイコン66は、このEPGデータを読み出す(S44)。また、このEPGデータがEEPROM65に記憶されていない場合(S43においてNo)、TVマイコン66は、SS送受信ユニット61を介して、EPGデータの取得の実行を示したコマンドをワイヤレスセンタ3に送信する(S45)。これに応じて、ワイヤレスセンタ3側において、ワイヤレスセンタマイコン41は、U/Vチューナ31が受信しているデジタル地上波からEPGデータを取得し、このEPGデータをTV本体5へ送信する。これにより、TVマイコン66は、EPGデータをワイヤレスセンタ3から取得することができる(S46)。
S44またはS46によってEPGデータを取得したTVマイコン66は、EPGデータに示される各番組のコンテンツ情報(番組名、出演者名等)を上記のテンプレートデータにあてはめることにより、EPG映像のデータを生成する(S47)。そして、このEPG映像のデータは、TVマイコン66からOSD合成部93aに送信される。これにより、TVモニタ71に表示されているテレビ映像上にEPG映像がOSD表示される(S48)。ここで、図14(a)の参照符300は、EPG映像の一例を示したものである。なお、同図におけるEPG映像300の各枠内には便宜上図形を示しているが、実際には番組のコンテンツ情報が表示されているものとする。
以上のように、本実施の形態のワイヤレスAVシステム1では、TV本体5側において、TVマイコン66が、EEPROM65からEPGデータを読み出すか、またはワイヤレスセンタ3からEPGデータを取得し、このEPGデータに基づいてEPG映像を生成する処理を行っている。さらに、OSD合成部93aが、TVモニタ71に表示されるテレビ放送の映像上に、このEPG映像を重畳する処理を行っている。
つまり、本実施の形態によれば、このEPG映像を生成してテレビ放送の映像に重畳する処理をワイヤレスセンタ3側で行わず、TV本体5側で行っている。したがって、このEPG映像を生成してテレビ放送の映像に重畳する処理をワイヤレスセンタ3側で行う従来の構成と比べ、テレビ番組の映像にEPG映像を重畳した重畳映像のデータをエンコード・デコードする必要がなく、EPG映像をOSD表示する処理に関し、利用者の指示の入力に対する応答速度を向上させることが可能となる。
また、TVマイコン66が、EEPROM65に格納されているEPGデータおよびテンプレートデータに基づいてEPG映像のデータを生成する場合(S44,S47)、EPG映像をOSD表示する時にTV本体5とワイヤレスセンタ3との間において通信状態が悪化すると、TVモニタ71に表示されるテレビ番組等の映像は劣化するが、OSD表示されるEPG映像が劣化することはない。これは、既にワイヤレスセンタ3から送信されると共にEEPROMに保存されたEPGデータに基づき、TV本体5においてEPG映像のデータを生成しているため、EPG映像の表示については通信状態の良否の影響を受けないからである。
また、TVマイコン66が、EEPROM65に格納されているテンプレートデータと、EEPROM65を介さずにワイヤレスセンタ3から取得したEPGデータとに基づいてEPG映像のデータを生成する場合(S46,S47)、EPG映像をOSD表示する時にTV本体5とワイヤレスセンタ3との間において通信状態が悪化すると、OSD表示されるEPG映像のうち、番組のコンテンツ情報を示した箇所は一部劣化するが、このEPG映像の定型箇所は劣化しない。これは、通信状態が悪化しても、EPG映像の定型箇所はEEPROM65に保存されているテンプレートデータに基づいて生成されているため、この定型箇所の表示については通信状態の良否の影響を受けないからである。
さらに、図を用いて具体的に説明する。EPG映像の生成処理、テレビ番組の映像にEPG映像を重畳する処理をワイヤレスセンタ3側にておこなっている従来の構成によれば、TV本体5とワイヤレスセンタ3との間において通信状態が悪化すると、図14(b)に示すように、TVモニタ71に表示される映像全体が劣化する。
これに対し、EEPROM65に格納されているテンプレートデータと、EEPROM65を介さずにワイヤレスセンタ3から取得したEPGデータとに基づき、TV本体5側にてEPG映像のデータを生成する場合、TV本体5とワイヤレスセンタ3との間において通信状態が悪化すると、図14(c)に示すように、TVモニタ71に表示されるテレビ番組等の映像は劣化するものの、EPG映像の定型箇所は劣化していない。但し、EPGデータの取得について通信状態の良否の影響を受けるため、EPGデータに基づいて作成される番組のコンテンツ情報を示した箇所(図中の参照符b)については一部抜けが生じる。
なお、以上の各実施の形態では、TVモニタ71に表示されるテレビ番組の映像を生成する第2AVセレクタ67、TVモニタ71に表示されるテレビ番組の映像上にOSD画像を重畳するOSD合成部93aがハードウェアで実現されている場合を例にして説明したが、これに限るものではない。第2AVセレクタ67、OSD合成部93aは、上述した機能を実現するためのプログラムと、そのプログラムを実行するハードウェア(コンピュータ)との組み合わせで実現してもよい。
また、本発明の無線端末は、ベース機器との間でデータの送受信を行う無線端末であって、ベース機器から、第一の映像のデータと、上記ベース機器および/または無線端末に関連する関連データとを受信する受信手段と、上記第一の映像のデータに基づいて第一の映像を生成する第一映像生成手段と、上記関連データに基づいて第二の映像を生成する第二映像生成手段と、上記第一の映像に対して第二の映像を重畳し、重畳した映像を表示部に表示する映像重畳手段と、を含む構成であってもよい。
また、上記の目的を達成するために、本発明の無線端末の制御方法は、ベース機器との間でデータの送受信を行う無線端末の制御方法であって、ベース機器から、第一の映像のデータと、上記ベース機器および/または無線端末に関連する関連データとを受信するステップと、上記第一の映像のデータに基づいて第一の映像を生成するステップと、上記関連データに基づいて第二の映像を生成するステップと、上記第一の映像に対して第二の映像を重畳し、重畳した映像を表示部に表示するステップと、を含めてもよい。
上記構成によれば、ベース機器から第一の映像のデータを受信し、上記第一の映像のデータに基づいて第一の映像を生成すると共に、ベース機器から上記関連データを受信し、上記関連データに基づいて第二の映像を生成している。さらに、上記第一の映像に対して第二の映像を重畳し、重畳した映像を表示部に表示している。つまり、上記構成によれば、第二の映像の生成処理、および第一の映像と第二の映像との重畳処理を無線端末にて実施している。したがって、上記構成によれば、これらの処理をベース機器側で行っている従来の構成と比べ、重畳した映像のデータをエンコード・デコードする必要がないため、第一の映像と第二の映像とを重畳した映像の表示に関し、利用者の指示の入力に対する応答速度を向上できる。
なお、上記の第一の映像には、上記ベース機器が受信するテレビ放送の映像、ビデオデッキまたはDVD(Digital Versatile Disc)レコーダから再生される映像が含まれる。また、テレビ放送用の映像には、地上波アナログ放送、地上波デジタル放送のテレビ映像のみならず、衛星放送の映像、データ放送の映像、CATV放送を受信したセットトップボックスから出力される映像(CATV放送の映像)も含まれる。また、上記の関連データには、例えば、ベース機器および/または無線端末の設定状態を示すデータ、ベース機器が受信するテレビ放送に関するデータ(例えば、EPGデータ)等が含まれる。また、上記の第二の映像には、上記ベース機器および/または無線端末を操作するためのGUI映像、上記ベース機器および/または無線端末の設定状態を示した画像、EPG(Electronic Program Guide)映像等がある。
本発明の無線端末は、上記構成に加えて、上記受信手段が受信する上記関連データを記憶する記憶部を含み、上記第二映像生成手段は、上記記憶部に記憶されている関連データに基づいて、第二の映像を生成する構成であってもよい。
上記構成によれば、ベース機器から受信した関連データは記憶部に記憶されることになる。従って、利用者から上記重畳した映像を表示する指示が入力された時点で、既に関連データが記憶部に記憶されていれば、直ぐに第二の映像を生成できる。
なお、無線端末とベース機器との間で通信状態が悪化しても、利用者から上記重畳した映像を表示する指示が入力された時点で既に記憶部に関連データが記憶されていれば、悪化した通信状態の影響を受けずに第二の映像を生成することができ、第二の映像を劣化させることなく表示部に表示させることができる。
本発明の無線端末は、上記構成に加えて、上記第二映像生成手段は、上記無線端末が保持するテンプレートデータに対して上記関連データを付加することにより第二の映像を生成する構成であってもよい。
上記構成によれば、第二の映像とは、テンプレートデータ(定型データ)に対して上記関連データを付加することにより生成されるものであるため、第二の映像には定型箇所と非定型箇所とがある。ここで、上記のテンプレートデータは無線端末が所持しているものであるため、無線端末とベース機器との間で通信状態が悪化しても、上記重畳した映像における第二の映像の定型箇所については通信状態の悪化の影響を受けない。
これに対し、従来のように、第二の映像の生成処理および第一の映像と第二の映像とを重畳する処理をベース機器側で行った場合、無線端末とベース機器との間で通信状態が悪化すると、第二の映像の定型箇所を含め、重畳した映像全体が劣化してしまう。
本発明の無線端末は、上記構成に加えて、上記第一の映像とは、テレビ放送の映像であり、上記関連データとは、EPGデータであってもよい。
上記構成によれば、EPGデータに基づいて第二の映像を生成し、この第二の映像をテレビ放送の映像に重畳して表示している。したがって、利用者からすれば、番組ガイドを確認しながら、テレビ番組を鑑賞することが可能になる。なお、テレビ放送用の映像には、地上波アナログ放送、地上波デジタル放送のテレビ映像のみならず、衛星放送の映像、データ放送の映像、CATV放送を受信したセットトップボックスから出力される映像(CATV放送の映像)も含まれる。
本発明のベース機器は、上記無線端末へ上記第一の映像のデータおよび上記関連データを送信する送信手段を含む構成であってもよい。
上記構成によれば、第二の映像の生成処理、および第一の映像と第二の映像との重畳処理を無線端末にて実施していることになる。したがって、これらの処理をベース機器側で行っている構成と比べ、重畳した映像のデータをエンコード・デコードする必要がないため、第一の映像と第二の映像とを重畳した映像の表示に関し、利用者の指示の入力に対する応答速度を向上できる。
本発明のワイヤレスシステムは、上記無線端末と、上記無線端末へ上記第一の映像のデータおよび上記関連データを送信する送信手段を含むベース機器と、から構成されてもよい。
上記構成によれば、第二の映像の生成処理、および第一の映像と第二の映像との重畳処理を無線端末にて実施していることになる。したがって、これらの処理をベース機器側で行っている構成と比べ、重畳した映像のデータをエンコード・デコードする必要がないため、第一の映像と第二の映像とを重畳した映像の表示に関し、利用者の指示の入力に対する応答速度を向上できる。
なお、上記無線端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記無線端末をコンピュータにて実現させる無線端末の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。