JP2004343590A - ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体 - Google Patents

ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004343590A
JP2004343590A JP2003139998A JP2003139998A JP2004343590A JP 2004343590 A JP2004343590 A JP 2004343590A JP 2003139998 A JP2003139998 A JP 2003139998A JP 2003139998 A JP2003139998 A JP 2003139998A JP 2004343590 A JP2004343590 A JP 2004343590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency component
signal
stereo
power ratio
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003139998A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahide Mizushima
昌英 水島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2003139998A priority Critical patent/JP2004343590A/ja
Publication of JP2004343590A publication Critical patent/JP2004343590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Stereophonic System (AREA)

Abstract

【課題】音声、楽音、環境音の如き音響の音源の複数個から到来する複数の音響に基づいて生成される複数の音響信号が混合された2チャネルステレオ信号を周波数帯域分割し、周波数帯域分割された左右チャネルの信号のパワー比を用いて中央に定位する音源信号を強調するステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体を提供する。
【解決手段】ステレオ収音、或いはステレオ再生用に加工された2チャネル音響信号処理方法において、ステレオ信号を左右チャネル毎に複数の周波数成分に分割する過程と、各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出する過程と、パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算する過程と、左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成する過程と、再合成した信号を出力する過程とを有するステレオ音響信号処理方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体に関し、特に、音声、楽音、環境音の如き音響の音源の複数個から到来する複数の音響に基づいて生成される複数の音響信号が混合された2チャネルステレオ信号を周波数帯域分割し、周波数帯域分割された左右チャネルの信号のパワー比を用いて中央に定位する音源信号を強調するステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
2本のマイクロホンで収音し、マイクロホン間の中央に存在する音源の音響信号を強調する従来例は種々開発されている。
第1の従来例は、左右チャネルの音響信号を加算する例である。中央に存在する音源の音響は左右のマイクロホンにほぼ同相で入力するところから、収音された左右チャネルの音響信号を加算すると、音響信号の振幅は2倍になる。それ以外の、特に、壁から到来する反射音、暗騒音は、左右のマイクロホンにランダムに入力するので、左右のマイクロホンの生成する音響信号が無相関に近く、パワー加算となって約√2倍になる。その結果、中央に存在する音源に起因する音源信号は約√2倍、即ち、3dB強調される。この第1の従来例は、音響信号を線形処理するものであるので、音響信号に歪みを生じないという利点はあるが、マイクロホンが2本であれば原理的に3dBまでしか強調することはできない。また、ステレオであった原信号はモノラルになるという問題もある。
【0003】
第2の従来例(特許文献1、2 参照)は、ステレオ音響信号のままで、第1の従来例と比較してより大きな強調をすることができる例である。以下、これを説明するに、左右各々の音響信号を複数の周波数帯域に分割し、各周波数帯域毎に左右の音響信号のレベル差と位相差を求める。そして、レベル差と位相差が大きい成分に対してのみ、減衰係数を乗算し、再合成する。これにより、ステレオ信号のまま、レベル差と位相差が小さい中央に定位して聞こえる音源信号以外の音源信号が減衰係数の大きさに応じて抑圧され、中央に定位して聞こえる音源信号を相対的に強調することができる。この第2の従来例は、第1の従来例と比較すると、ステレオのままであることと、中央に定位して聞こえる音源信号以外の音源信号の抑圧量を大きくすることができることが利点であるが、音響信号処理が非線形処理となるところから、位相が乱れると共に定位感を損ね、或いは歪みを生じるという問題を内包する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−78100号 公報
【特許文献2】
特開2002−247699号 公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、複数の音響信号が混合した2チャネルステレオ信号を周波数帯域分割し、周波数帯域分割された左右チャネルの信号のパワー比を用いて、中央に定位する音源信号をステレオ音響信号のままで強調する上述の問題を解消したステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1:ステレオ収音、或いはステレオ再生用に加工された2チャネル音響信号処理方法において、ステレオ信号を左右チャネル毎に複数の周波数成分に分割する過程と、各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出する過程と、パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算処理すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算する過程と、左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成する過程と、再合成した信号を出力する過程とを有するステレオ音響信号処理方法を構成した。
そして、請求項2:請求項1に記載されるステレオ音響信号処理方法において周波数成分毎に左右信号を加算する過程において、パワー比が1近傍の予め決められた比率の範囲内にある周波数成分に対してのみ加算を行い、それ以外の周波数成分に対しては加算をしないステレオ音響信号処理方法を構成した。
【0007】
また、請求項3:請求項1および請求項2の内の何れかに記載されるステレオ音響信号処理方法において、更に、各周波数成分毎に左右チャネルの位相差を算出する過程と、位相差の大きい周波数成分を抑圧する減衰係数を各周波数成分毎に求める過程と、減衰係数を各々の周波数成分に乗算する過程とを有するステレオ音響信号処理方法を構成した。
ここで、請求項4:ステレオ信号入力部102を具備し、左チャネルのステレオ信号を複数の周波数成分に分割する左チャネル周波数帯域分割部103および右チャネルのステレオ信号を複数の周波数成分に分割する右チャネル周波数帯域分割部104を具備し、左右チャネルの帯域分割された信号成分について同じ周波数帯域毎にパワー比q(k) を計算するパワー比計算部105を具備し、パワー比q(k) が1の近傍の値であるか否かを各周波数帯域毎に計算する混合判定部106を具備し、混合判定部106の判定結果に基づいてパワー比q(k) が1の近傍の値であると判断された左右の信号成分f(k)、f(k)を各周波数帯域毎に加算処理すると共に、加算結果にレベル調整係数を乗算するLR混合部107を具備し、LR混合部107における処理後の出力信号を入力して左右チャネル信号を再合成する左チャネル信号合成部108および右チャネル信号合成部109を具備するステレオ音響信号処理装置を構成した。
【0008】
また、請求項5:請求項4に記載されるステレオ音響信号処理装置においてパワー比の他に各周波数成分毎に左右チャネルの位相差を算出する類似度計算部205をパワー比計算部105の代わりに具備し、位相差の大きい周波数成分を抑圧する減衰係数を各周波数成分毎に求める減衰係数計算部206を具備し、減衰係数を各々の周波数成分に乗算する左チャネル減衰係数乗算器207および右チャネル減衰係数乗算器208を具備するステレオ音響信号処理装置を構成した。
更に、請求項6:ステレオ信号を左右チャネル毎に複数周波数成分に分割し、各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出し、パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算処理すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算し、左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成し、再合成した信号を出力する指令をコンピュータに対してするステレオ音響信号処理プログラムを構成した。
【0009】
そして、請求項7:ステレオ信号を左右チャネル毎に複数の周波数成分に分割し、各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出し、各周波数成分毎に左右チャネルの位相差を算出し、パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算処理すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算し、位相差の大きい周波数成分を抑圧する減衰係数を各周波数成分毎に求め、減衰係数を各々の周波数成分に乗算し、左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成し、再合成した信号を出力する指令をコンピュータにするステレオ音響信号処理プログラムを構成した。
ここで、請求項8:請求項6に記載されるステレオ音響信号処理プログラムを記憶した記憶媒体を構成した。
そして、請求項9:請求項7に記載されるステレオ音響信号処理プログラムを記憶した記憶媒体を構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
この発明のステレオ音響信号処理装置は、ステレオ音響信号入力部と、2チャネルの信号を各チャネル毎に複数の周波数成分に分割する周波数帯域分割部と、各周波数成分毎にチャネル間のパワー比を計算するパワー比計算部と、予め決められたパワー比の閾値と比較する混合判定部と、比較した結果、パワー比が1に近いと判定された左右信号成分のみを周波数毎に加算し、加算された周波数成分信号を左右信号に割り振るとき左右信号のパワー加算値が一定になる重み係数を左右信号成分に乗算するLR混合部と、乗算した後各チャネル毎の各周波数成分信号を再合成する左右チャネル信号合成部と、再合成した信号を出力するステレオ信号出力部とを有する。
【0011】
先ず、入力されたステレオ信号をチャネル毎に複数の周波数成分に分割する。そして、各周波数成分毎にチャネル間の信号成分のパワー比を計算する。左右のパワーの近い成分を検出するために、パワー比1を中心にして、一定比率幅の閾値を設定しておき、その幅の中に計算されたパワー比が入るか否かを判定する。パワー比が閾値内に入った場合のみ当該左右信号成分を加算する。加算した後、左右チャネルに割り振る際、重み係数√2を左右信号成分各々に乗算する。各チャネル毎に各周波数成分を再合成し、時間波形に戻した後、出力する。
【0012】
【実施例】
この発明の第1の実施例を図1を参照して説明する。
ステレオ信号入力部102に入力される音響信号は、強調したい目的音源信号が中央に定位して知覚されるように収音されているステレオ信号、即ち、目的音源信号が左右にほぼ同位相、同レベルで収音してあればこの発明は有効である。ステレオ信号入カ部102に入力されたステレオ信号は左右のチャネル毎に処理される。以下、その処理方法を説明する。
左チャネルの信号sは、左チャネル周波数帯域分割部103によって周波数帯域分割されると共に周波数領域信号に変換される。同様に、右チャネルの信号sは右チャネル周波数帯域分割部104によって周波数帯域分割されると共に周波数領域信号に変換される。ここで、帯域分割数をNとする。左チャネルにおいて帯域分割された信号成分を低い周波数から順に、f(O)、f(1)、f(2)....f(k)....f(N−1)とする。右チャネルにおいて帯域分割された信号成分を低い周波数から順に、f(O)、f(1)、f(2)....f(k)....f(N−1)とする。これらの左チャネルの信号成分f(O)、f(1)、f(2)....f(k)....f(N−1)、および右チャネルの信号成分f(O)、f(1)、f(2)....f(k)....f(N−1)は、後で説明されるLR混合部107に供給される。
【0013】
パワー比計算部105において、f(k)、f(k)は、同じ周波数帯域毎に、パワー比q(O)、q(1)、q(2)....q(k)....q(N−1)は以下の通りに計算される。
|f(k)|≦|f(k)|のとき、
α(k)=|f(k)|∧2/|f(k)|∧2
|f(k)|>|f(k)|のとき、
α(k)=|f(k)|∧2/|f(k)|∧2 (1)
ここで、A∧2はAの二乗を表す。また、|A|はA(複素数)の大きさを示す。便宜上、パワー比で定義するため二乗しているが、二乗せずに、絶対値の比で定義しても、この発明の効果は同じである。
【0014】
次に、混合判定部106、およびLR混合部107の動作について説明する。中央付近に定位して知覚される音源信号は左右のパワー比が小さい。よって、混合判定部106において、閾値の幅を決める閾値幅決定変数をα(1以上の実数)として、q(k)が1/αから1の範囲である場合、中央定位音源成分と判断する。q(k)が1/αより小さい場合、中央定位音源成分ではない成分と判断する。これら中央定位音源成分であり、或いは中央定位音源成分ではないという混合判定結果の情報をLR混合部107に供給する。
【0015】
LR混合部107は、混合判定部106で中央定位音源成分と判断された音源信号の左右の成分f(k)、f(k)を、式(2)の通りに加算し、これにβを乗算して出力する。中央定位音源成分ではない成分と判断された音源信号の左右の成分f(k)、f(k)は、LR混合部107において式(3)の通りに加算せずにそのまま出力される。ここで、f’(k)およびf’(k)は、それぞれ、LR混合部107におけるf(k)およびf(k)の加算処理後の出力信号を示す。即ち、
1/α≦q(k)≦1のとき、
’(k)=f’(k)=β(f(k)+f(k)) (2)
1/α>q(k)のとき、
’(k)=f(k)
’(k)=f(k) (3)
’(k)、f’(k)は、左チャネル信号合成部108および右チャネル信号合成部109で再合成され、ステレオ信号出力部110より出力する。
【0016】
βは加算前後の大きさを調整するレベル調整係数である。一般に、左右のレベル差が等しくても、位相が大きく異なれば、中央には定位して知覚されない。以上の式(2)の条件を満たし、加算をすると、左右の位相差が小さい、即ち、中央に定位して知覚する音源信号の成分は、同期加算効果で振幅が約2倍になる。位相差が大きいと、パワー加算になり、パワーが約2倍になる。結果的に中央に定位して知覚される音源信号成分のみ√2倍(3dB)強調される。レベル調整係数βを1/√2にすることにより、式(2)が適用される成分のパワーと、式(3)が適用される相関の低い成分とのパワーをほぼ一致させることができ、これにより、ステレオの定位を維持しつつ中央に定位して知覚される音源信号成分のみが約3dB強調されて、第1の従来例の課題であるモノラル化されるという課題を解決することができる。
【0017】
図2を参照して第2の実施例を説明する。
類似度計算部205においては、図1におけるパワー比の他に左右の位相差も計算される。減衰係数計算部206においては、左右の位相差が大きい、換言すると類似度が小さな成分が抑圧される減衰係数g(O)、g(1)、g(2)....g(N−1)を求め、各々の周波数成分に乗算する。このまま左チャネル音源信号合成部108、右チャネル音源信号合成部109で再合成するのが従来例であるが、第2の実施例は、その前段に、LR混合部107および混合判定部106を図示される位置に付加挿入している。
ここで、類似度計算部205において計算された左右の位相差を減衰係数計算部206に供給し、周波数帯域毎の減衰係数g(O)、g(1)、g(2)....g(N−1)を求める。減衰係数計算部206において求められた減衰係数を左チャネル減衰係数乗算器207および右チャネル減衰係数乗算器208において各々の周波数成分に乗算する。左チャネル減衰係数乗算器207および右チャネル減衰係数乗算器208における積算結果はLR混合部107に供給される。
【0018】
図1の基本構成の場合と同様に、類似度計算部205でパワー比q(k) 情報を抽出して、混合判定部106で式(2)および式(3)の条件判定を実行する。これら中央定位音源成分であり、或いは中央定位音源成分ではないという混合判定部106の混合判定結果の情報はLR混合部107に供給される。
左チャネル減衰係数乗算器207および右チャネル減衰係数乗算器208における積算結果の左右チャネルの成分f(k)、f(k) について、中央定位音源成分と判断された音源信号の左右の成分f(k)、f(k)を、式(2)の通りにLR混合部107において加算出力する。中央定位音源成分ではない成分と判断された音源信号の左右の成分f(k)、f(k) は、LR混合部107において式(3)の通りに加算せずにそのまま出力される。LR混合部107における混合処理後の出力f’(k)、f’(k)は、左チャネル信号合成部108および右チャネル信号合成部109で再合成され、ステレオ信号出力部110より出力される。
【0019】
従来例のみに依っては、中央定位音源以外の抑圧効果は大きいが、非線形の処理になるために位相が乱れ、中央定位音源の定位がぼやけて知覚されることが問題としてあった。ところが、この第2の実施例は、中央付近音源の左右差がレベル差および位相差迄含めて小さくなるので中央に寄って知覚される効果があり、更に同期加算の効果も奏す。
式(2)、式(3)における閾値幅決定変数αの値を大きくして行くと、定位を中央に狭めると同時に同期加算効果も、原理的最大量である3dBにより近づいて行くが、左右何れかに定位している音源までもが中央に寄ることとなって、最終的にはαを無限大にすると、第1の従来例と同じ効果になり、モノラル化される。ステレオ効果を維持しつつ、中央定位音源を強調するには、収音状況に応じて、適当な値に閾値幅決定変数αを設定する。
【0020】
【発明の効果】
上述した通りであって、この発明は、ステレオ音楽ソースの受聴者の好みに応じた再生をし或いは環境騒音下で目的とする音声を強調して受聴する様な場合に適用され、ステレオ音響信号から中央に定位する音源信号を強調するに際して従来例の問題点を改善し、より良好な音質および定位感を保つ効果を奏す。
ところで、中央に定位して知覚する音源信号の成分は同期加算効果で振幅が約2倍になる。位相差が大きいとパワー加算になり、パワーが約2倍になる。結果的に中央に定位して知覚される音源信号成分のみ√2倍(3dB)強調されることになる。ここで、レベル調整係数βを1/√2にすると、式(2)が適用される成分のパワーと、式(3)が適用される相関の低い成分とのパワーをほぼ一致させることができ、これにより、ステレオの定位を維持しつつ中央に定位して知覚される音源信号成分のみが約3dB強調されて、第1の従来例の課題であるモノラル化されるという課題を解決することができる。
【0021】
そして、図2の第2の実施例は、左チャネル音源信号合成部108および右チャネル音源信号合成部109の前段に、LR混合部107および混合判定部106が付加挿入されている。換言すれば、混合判定部106およびLR混合部107を除いた部分が第2の従来例に相当する。この第2の従来例は、中央定位音源以外の抑圧効果は大きいが、非線形の処理になるところから位相が乱れ、中央定位音源の定位がぼやけて知覚されることが問題であった。ところが、混合判定部106およびLR混合部107を付加したこの第2の実施例は、中央付近音源の左右差がレベル差および位相差迄含めて小さくなるので中央に寄って知覚される効果があり、更に同期加算の効果も奏す。
【0022】
また、式(2)、式(3)における閾値幅決定変数αを大きくして行くと、定位を中央に狭めると同時に同期加算効果も、原理的最大量である3dBにより近づいて行くが、左右何れかに定位している音源までもが中央に寄ることとなり、最終的にはαを無限大にすると、第1の従来例と同じ効果になり、モノラル化される。しかし、収音状況に応じて、閾値幅決定変数αを適当な値に設定することにより、ステレオ効果を維持しつつ、中央定位音源を強調するステレオ音響信号処理装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つ目の実施例を示すブロック図。
【図2】この発明の二つ目の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
102 ステレオ信号入力部 103 左チャネル周波数帯域分割部
104 右チャネル周波数帯域分割部 105 パワー比計算部
106 混合判定部 107 LR混合部
108 左チャネル音源信号合成部 109 右チャネル音源信号合成部
110 ステレオ信号合成部 111 ステレオラウドスピーカ
112 ステレオヘッドホン 205 類似度計算部
206 減衰係数計算部 207 左チャネル減衰係数乗算器
208 右チャネル減衰係数乗算器

Claims (9)

  1. ステレオ収音、或いはステレオ再生用に加工された2チャネル音響信号処理方法において、
    ステレオ信号を左右チャネル毎に複数の周波数成分に分割する過程と、
    各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出する過程と、
    パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算する過程と、
    左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成する過程と、
    再合成した信号を出力する過程とを有することを特徴とするステレオ音響信号処理方法。
  2. 請求項1に記載されるステレオ音響信号処理方法において、
    周波数成分毎に左右信号を加算する過程において、パワー比が1近傍の予め決められた比率の範囲内にある周波数成分に対してのみ加算を行い、それ以外の周波数成分に対しては加算をしないことを特徴とするステレオ音響信号処理方法。
  3. 請求項1および請求項2の内の何れかに記載されるステレオ音響信号処理方法において、
    更に、各周波数成分毎に左右チャネルの位相差を算出する過程と、
    位相差の大きい周波数成分を抑圧する減衰係数を各周波数成分毎に求める過程と、
    減衰係数を各々の周波数成分に乗算する過程とを有することを特徴とするステレオ音響信号処理方法。
  4. ステレオ信号入力部を具備し、
    左チャネルのステレオ信号を複数の周波数成分に分割する左チャネル周波数帯域分割部および右チャネルのステレオ信号を複数の周波数成分に分割する右チャネル周波数帯域分割部を具備し、
    左右チャネルの帯域分割された信号成分について同じ周波数帯域毎にパワー比を計算するパワー比計算部を具備し、
    パワー比が1の近傍の値であるか否かを各周波数帯域毎に計算する混合判定部を具備し、
    混合判定部の判定結果に基づいてパワー比が1の近傍の値であると判断された左右の信号成分を各周波数帯域毎に加算処理すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算するLR混合部を具備し、
    LR混合部における処理後の出力信号を入力して左右チャネル信号を再合成する左チャネル信号合成部および右チャネル信号合成部を具備することを特徴とするステレオ音響信号処理装置。
  5. 請求項4に記載されるステレオ音響信号処理装置において、
    パワー比の他に各周波数成分毎に左右チャネルの位相差を算出する類似度計算部をパワー比計算部の代わりに具備し、
    位相差の大きい周波数成分を抑圧する減衰係数を各周波数成分毎に求める減衰係数計算部を具備し、
    減衰係数を各々の周波数成分に乗算する左チャネル減衰係数乗算器および右チャネル減衰係数乗算器を具備することを特徴とするステレオ音響信号処理装置。
  6. ステレオ信号を左右チャネル毎に複数の周波数成分に分割し、
    各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出し、
    パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算し、
    左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成し、再合成した信号を出力する指令をコンピュータに対してするステレオ音響信号処理プログラム。
  7. ステレオ信号を左右チャネル毎に複数の周波数成分に分割し、
    各周波数成分毎に左右チャネルのパワー比を算出し、
    各周波数成分毎に左右チャネルの位相差を算出し、
    パワー比に対応して周波数成分毎に左右成分を加算すると共に加算結果にレベル調整係数を乗算し、
    位相差の大きい周波数成分を抑圧する減衰係数を各周波数成分毎に求め、
    減衰係数を各々の周波数成分に乗算し、
    左右チャネル毎の各周波数成分信号を再合成し、再合成した信号を出力する指令をコンピュータに対してするステレオ音響信号処理プログラム。
  8. 請求項6に記載されるステレオ音響信号処理プログラムを記憶した記憶媒体。
  9. 請求項7に記載されるステレオ音響信号処理プログラムを記憶した記憶媒体。
JP2003139998A 2003-05-19 2003-05-19 ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体 Pending JP2004343590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003139998A JP2004343590A (ja) 2003-05-19 2003-05-19 ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003139998A JP2004343590A (ja) 2003-05-19 2003-05-19 ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004343590A true JP2004343590A (ja) 2004-12-02

Family

ID=33528852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003139998A Pending JP2004343590A (ja) 2003-05-19 2003-05-19 ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004343590A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100639814B1 (ko) 2005-07-07 2006-10-30 (주)인투미디어 멀티채널을 갖는 입체음향 재생 방법 및 상기 방법을구현한 프로그램을 기록한 기록매체
WO2006126473A1 (ja) * 2005-05-23 2006-11-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音像定位装置
JP2010504008A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド ダイアログ増幅技術
US7672466B2 (en) 2004-09-28 2010-03-02 Sony Corporation Audio signal processing apparatus and method for the same
JP2011199811A (ja) * 2010-03-24 2011-10-06 Yamaha Corp 音響処理装置
EP2398252A1 (en) * 2009-02-12 2011-12-21 Pioneer Corporation Audio signal mixer
US8442241B2 (en) 2004-10-19 2013-05-14 Sony Corporation Audio signal processing for separating multiple source signals from at least one source signal
JP2022016673A (ja) * 2019-03-06 2022-01-21 Kddi株式会社 音響信号の合成装置及びプログラム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7672466B2 (en) 2004-09-28 2010-03-02 Sony Corporation Audio signal processing apparatus and method for the same
US8442241B2 (en) 2004-10-19 2013-05-14 Sony Corporation Audio signal processing for separating multiple source signals from at least one source signal
WO2006126473A1 (ja) * 2005-05-23 2006-11-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 音像定位装置
KR100639814B1 (ko) 2005-07-07 2006-10-30 (주)인투미디어 멀티채널을 갖는 입체음향 재생 방법 및 상기 방법을구현한 프로그램을 기록한 기록매체
US8184834B2 (en) 2006-09-14 2012-05-22 Lg Electronics Inc. Controller and user interface for dialogue enhancement techniques
US8238560B2 (en) 2006-09-14 2012-08-07 Lg Electronics Inc. Dialogue enhancements techniques
US8275610B2 (en) 2006-09-14 2012-09-25 Lg Electronics Inc. Dialogue enhancement techniques
JP2010504008A (ja) * 2006-09-14 2010-02-04 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド ダイアログ増幅技術
EP2398252A1 (en) * 2009-02-12 2011-12-21 Pioneer Corporation Audio signal mixer
EP2398252A4 (en) * 2009-02-12 2012-10-17 Pioneer Corp MIXER OF AUDIO SIGNALS
JP2011199811A (ja) * 2010-03-24 2011-10-06 Yamaha Corp 音響処理装置
JP2022016673A (ja) * 2019-03-06 2022-01-21 Kddi株式会社 音響信号の合成装置及びプログラム
JP7212747B2 (ja) 2019-03-06 2023-01-25 Kddi株式会社 音響信号の合成装置及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6546351B2 (ja) ヘッドマウントスピーカのためのオーディオエンハンスメント
JP3670562B2 (ja) ステレオ音響信号処理方法及び装置並びにステレオ音響信号処理プログラムを記録した記録媒体
RU2666316C2 (ru) Аппарат и способ улучшения аудиосигнала, система улучшения звука
JP4747835B2 (ja) オーディオ再生の効果付加方法およびその装置
EP1610588A2 (en) Audio signal processing
JP2013539283A (ja) マルチチャンネルオーディオ再生のためのアップミキシング方法及びシステム
JP2000115883A (ja) オーディオシステム
JP2006303799A (ja) 音響信号再生装置
JP2019533192A (ja) 動的サウンド調整のための雑音推定
EP2984857A1 (en) Apparatus and method for center signal scaling and stereophonic enhancement based on a signal-to-downmix ratio
US9913036B2 (en) Apparatus and method and computer program for generating a stereo output signal for providing additional output channels
JP2012508489A (ja) 下位音声形式を生成する方法
JP2004343590A (ja) ステレオ音響信号処理方法、装置、プログラムおよび記憶媒体
JP2002247699A (ja) ステレオ音響信号処理方法及び装置並びにプログラム及び記録媒体
JP7256164B2 (ja) オーディオ処理装置及びオーディオ処理方法
JPH0560100U (ja) 音響再生装置
US8300835B2 (en) Audio signal processing apparatus, audio signal processing method, audio signal processing program, and computer-readable recording medium
KR101745019B1 (ko) 오디오 시스템 및 그 제어방법
JP4335752B2 (ja) 擬似ステレオ信号生成装置および擬似ステレオ信号生成プログラム
JP2009237048A (ja) オーディオ信号補間装置
JPH10336795A (ja) 音場制御装置
JP2017163458A (ja) アップミックス装置及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050721

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20050721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070704

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070814