JP2004343587A - 受信装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】伝送路特性推定回路26−1は、伝送信号Aの伝送路特性を推定し、推定結果を、等化回路27−1と重み制御回路12に出力する。伝送路特性推定回路26−2は、伝送信号Bの伝送路特性を推定し、推定結果を、等化回路27−2と重み制御回路12に出力する。等化回路27−1および27−2は、FFT回路25−1および25−2の出力をそれぞれ等化し、重み補正回路28−1および28−2に出力する。重み制御回路12は、伝送路特性推定回路26−1および26−2から供給された伝送路特性に基づいて、重み補正係数を算出し、重み補正回路28−1および28−2に出力する。重み補正回路28−1および28−2は、等化回路27−1および27−2の出力に、重み補正係数を乗算する。本発明は、OFDM信号を受信する電子機器に適用することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置および方法に関し、特に、OFDM信号の伝送の信頼性を向上させるようにした受信装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地上波を用いてデジタル伝送する場合、送信信号は様々な反射物により多重反射されて受信アンテナへと到達する。このことから、受信信号にはマルチパスによる周波数特性を生じる。また、送信機、受信機が移動している場合や反射物が動いている場合、時変の反射となることから、送信機から受信機までの周波数特性が変動することになり、一般にフェーディングと呼ばれる伝送特性の変動現象が発生する。
【0003】
このようなマルチパスやフェーディングに対して耐性のある方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式が注目されており、とりわけ地上波デジタル放送や無線LANなどへの応用が考えられている。OFDM方式は、受信機で適切なFFT(Fast Fourier Transform)窓位相と伝送路特性の補正(以下、等化と称する)を行うことにより、ガードインターバル以内のマルチパスの影響を排除することができる伝送方式である。OFDM方式はまた、伝送路特性の推定を容易に高速に行うことができるという特徴を有している。OFDM方式はこのような特徴を有しているため、伝送路特性の変動に対する追従性の良好な等化を行うことができ、マルチパスやフェーディングが問題となる伝送路に対して良好な伝送特性を得ることができる。
【0004】
OFDM方式は、多数の搬送波を用いるマルチキャリア方式の一種であり、情報はそれぞれの搬送波に分散されて伝送されているが、マルチパスやフェーディングに起因する伝送路レベル応答の小さな搬送波により伝送される情報においては、レベル応答の大きな搬送波により伝送される情報と比較して、伝送誤りが増大する。このような伝送路レベル応答の小さな搬送波による伝送誤りの影響を排除するために、各種のインターリーブを施すことにより伝送誤りを分散させ、後段の誤り訂正回路にて伝送誤りを訂正するようにしたものが知られている。
【0005】
ところで、OFDM方式は、受信機に大きな負担をかけることなく、マルチパスやフェーディングの影響を排除できる変調方式であるが、ダイバーシティ受信を併用することで伝送の信頼性をさらに向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ダイバーシティ技術は送受信機間に複数の伝送経路を設定して、情報を伝送する手法であり、受信機において、複数の伝送経路により伝送されて来た受信信号を合成することによって、伝送の高安定化、高信頼化を図る技術である。この複数の伝送経路からの受信信号を合成する手法として、従来、選択合成法、等利得合成法、および最大比合成法の各合成法が知られている。
【0007】
このうち最大比合成は、合成後のキャリア電力対雑音電力比(以下、C/N比(Carrier to Noise Ratio)と称する)が最大になるように、各ブランチにより受信された信号に対して適当な重み付けを行い、加算する合成法である。最大比合成法は、合成後のC/N比を最大とすることから、選択合成法、および等利得合成法と比較して、送信装置から伝送された信号を最も正確に再生することができる。
【0008】
OFDM方式は、マルチパスやフェーディングの環境においても受信機に大きな負担をかけることなくその影響を排除できる変調方式であり、さらに特許文献1に提案されているように、ダイバーシティ受信を併用することにより、さらに雑音の影響を抑え、伝送の信頼性を向上させることが期待されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−284191号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1には、複数のアンテナで受信したOFDM信号をFFT処理した後に、OFDMキャリア単位で選択合成、等利得合成、または最大比合成することについて触れられているものの、その具体的構成については記載されていない。従って、実際には、複数のアンテナで受信したOFDM信号をFFT処理した後に、OFDMキャリア単位で最大比合成することは、実現されていないという課題があった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、OFDM信号の伝送信頼性をより向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の受信装置は、複数のブランチのそれぞれに受信された伝送信号の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定手段と、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化手段と、等化手段によりブランチ毎に等化された周波数領域信号に対して重み補正係数を乗算して、重み補正する補正手段と、補正手段により重み補正された、複数のブランチの周波数領域信号を合成する合成手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、各ブランチの前記重み補正係数を算出する算出手段をさらに設けるようにし、前記補正手段には、前記算出手段により算出された前記重み補正係数により、重み補正するようにさせることができる。
【0014】
前記算出手段には、各ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗を、全ての前記ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算して、前記各ブランチの前記重み補正係数を算出するようにさせることができる。
【0015】
本発明の第1の受信方法は、複数のブランチのそれぞれに受信された伝送信号の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定ステップと、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化ステップと、等化ステップの処理によりブランチ毎に等化された周波数領域信号に対して重み補正係数を乗算して、重み補正する補正ステップと、補正ステップの処理により重み補正された、複数のブランチの周波数領域信号を合成する合成ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の受信装置は、複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定手段と、推定手段により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、周波数領域信号をブランチ毎に等化する等化手段と、等化手段によりブランチ毎に等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、複素制御値を算出する算出手段をさらに設けるようにし、前記等化手段には、各ブランチの前記周波数領域信号に対して、算出手段により算出された複素制御値を複素乗算するようにさせることができる。
【0018】
前記算出手段には、各ブランチの前記伝送路特性の共役複素数を、全ての前記ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算して、前記各ブランチの前記複素制御値を算出するようにさせることができる。
【0019】
本発明の第2の受信方法は、複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定ステップと、推定ステップの処理により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、周波数領域信号をブランチ毎に等化する等化ステップと、等化ステップの処理によりブランチ毎に等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第3の受信装置は、複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定手段と、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化手段と、等化手段により等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成手段と、推定手段により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、合成手段により合成された周波数領域信号を正規化する正規化手段とを備えることを特徴とする。
【0021】
前記推定手段により推定された全ての前記伝送路特性の絶対値の自乗和の逆数を算出する算出手段をさらに設けるようにし、前記正規化手段には、前記合成手段により合成された前記周波数領域信号に対して、算出手段により算出された逆数を乗算するようにさせることができる。
【0022】
本発明の第3の受信方法は、複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定ステップと、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化ステップと、等化ステップの処理により等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成ステップと、推定ステップの処理により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、合成ステップの処理により合成された周波数領域信号を正規化する正規化ステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の第1の受信装置においては、複数のブランチのそれぞれに受信された伝送信号の伝送路特性がブランチ毎に推定され、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号が等化され、ブランチ毎に等化された周波数領域信号に対して重み補正係数が乗算されて、重み補正され、重み補正された複数のブランチの周波数領域信号が合成される。
【0024】
本発明の第2の受信装置においては、複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性がブランチ毎に推定され、推定された全てのブランチの伝送路特性に基づいて、周波数領域信号がブランチ毎に等化され、ブランチ毎に等化された全てのブランチの周波数領域信号が合成される。
【0025】
本発明の第3の受信装置においては、複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性がブランチ毎に推定され、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号が等化され、等化された全てのブランチの周波数領域信号が合成され、推定された全てのブランチの伝送路特性に基づいて、合成された周波数領域信号が正規化される。
【0026】
本発明は、OFDM信号を受信する電子機器に適用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0028】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0029】
請求項1に記載の受信装置(例えば、図1の受信装置1)は、複数のブランチ(例えば、図1のブランチ11−1および11−2)のそれぞれに受信された伝送信号(例えば、図1の伝送信号Aおよび伝送信号B)の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定手段(例えば、図1の伝送路特性推定回路26−1および26−2)と、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化手段(例えば、図1の等化回路27−1および27−2)と、等化手段によりブランチ毎に等化された周波数領域信号に対して重み補正係数を乗算して、重み補正する補正手段(例えば、図1の重み補正回路28−1および28−2)と、補正手段により重み補正された、複数のブランチの周波数領域信号を合成する合成手段(例えば、図1の加算回路13)とを備えることを特徴とする。
【0030】
請求項2に記載の受信装置は、前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、各ブランチの前記重み補正係数を算出する算出手段(例えば、図1の重み制御回路12)をさらに設けるようにし、前記補正手段には、前記算出手段により算出された前記重み補正係数により、重み補正するようにさせることを特徴とする。
【0031】
請求項3に記載の受信装置においては、前記算出手段には、各ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗を、全ての前記ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算して、前記各ブランチの前記重み補正係数を算出するようにさせることを特徴とする。
【0032】
請求項4に記載の受信方法は、複数のブランチ(例えば、図1のブランチ11−1および11−2)のそれぞれに受信された伝送信号(例えば、図1の伝送信号Aおよび伝送信号B)の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定ステップ(例えば、図2のステップS106)と、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化ステップ(例えば、図2のステップS107)と、等化ステップの処理によりブランチ毎に等化された周波数領域信号に対して重み補正係数を乗算して、重み補正する補正ステップ(例えば、図2のステップS109)と、補正ステップの処理により重み補正された、複数のブランチの周波数領域信号を合成する合成ステップ(例えば、図1のステップS110)とを含むことを特徴とする。
【0033】
請求項5に記載の受信装置(例えば、図3の受信装置101)は、複数のブランチ(例えば、図3のブランチ111−1および111−2)により受信された伝送信号(例えば、図3の伝送信号Aおよび伝送信号B)の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定手段(例えば、図3の伝送路特性推定回路26−1および26−2)と、推定手段により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、周波数領域信号をブランチ毎に等化する等化手段(例えば、図3の等化回路121−1および121−2)と、等化手段によりブランチ毎に等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成手段(例えば、図3の加算回路113)とを備えることを特徴とする。
【0034】
請求項6に記載の受信装置は、前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、複素制御値を算出する算出手段(例えば、図3の等化制御回路112)をさらに設けるようにし、前記等化手段には、各ブランチの前記周波数領域信号に対して、算出手段により算出された複素制御値を複素乗算するようにさせることを特徴とする。
【0035】
請求項7に記載の受信装置においては、前記算出手段には、各ブランチの前記伝送路特性の共役複素数を、全ての前記ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算して、前記各ブランチの前記複素制御値を算出するようにさせることを特徴とする。
【0036】
請求項8に記載の受信方法は、複数のブランチ(例えば、図3のブランチ111−1および111−2)により受信された伝送信号(例えば、図3の伝送信号Aおよび伝送信号B)の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定ステップ(例えば、図5のステップS206)と、推定ステップの処理により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、周波数領域信号をブランチ毎に等化する等化ステップ(例えば、図5のステップS208)と、等化ステップの処理によりブランチ毎に等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成ステップ(例えば、図5のステップS209)とを含むことを特徴とする。
【0037】
請求項9に記載の受信装置(例えば、図6の受信装置201)は、複数のブランチ(例えば、図6のブランチ211−1および211−2)により受信された伝送信号(例えば、図6の伝送信号Aおよび伝送信号B)の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定手段(例えば、図6の伝送路特性推定回路26−1および26−2)と、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化手段(例えば、図6の等化回路221−1および221−2)と、等化手段により等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成手段(例えば、図6の加算回路213)と、推定手段により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、合成手段により合成された周波数領域信号を正規化する正規化手段(例えば、図6の正規化回路214)とを備えることを特徴とする。
【0038】
請求項10に記載の受信装置は、前記推定手段により推定された全ての前記伝送路特性の絶対値の自乗和の逆数を算出する算出手段(例えば、図6の正規化制御回路212)をさらに設けるようにし、前記正規化手段には、前記合成手段により合成された前記周波数領域信号に対して、算出手段により算出された逆数を乗算するようにさせることを特徴とする。
【0039】
請求項11に記載の受信方法は、複数のブランチ(例えば、図6のブランチ211−1および211−2)により受信された伝送信号(例えば、図6の伝送信号Aおよび伝送信号B)の伝送路特性をブランチ毎に推定する推定ステップ(例えば、図8のステップS306)と、ブランチ毎に、ブランチに対応する伝送路特性に基づいて、ブランチの周波数領域信号を等化する等化ステップ(例えば、図8のステップS307)と、等化ステップの処理により等化された全てのブランチの周波数領域信号を合成する合成ステップ(例えば、図8のステップS309)と、推定ステップの処理により推定された、全てのブランチの伝送路特性に基づいて、合成ステップの処理により合成された周波数領域信号を正規化する正規化ステップ(例えば、図8のステップS310)とを含むことを特徴とする。
【0040】
図1は、本発明を適用した受信装置1の一実施の形態の構成を表している。
【0041】
図1において、受信装置1は、ブランチ11−1および11−2の2つのブランチを有しており、各ブランチ11−1および11−2で受信したOFDM信号をダイバーシティ受信し、最大比合成する。なお、図1の例においては、説明を簡略化するため、ブランチの個数を2つとしているが、勿論、ブランチの個数は、3つ以上でも良い。
【0042】
放送局から、ブランチ11−1に受信された伝送信号を伝送信号Aとし、放送局からブランチ11−2に受信された伝送信号を伝送信号Bとする。放送局から発信される信号は同一であるが、発信された信号は、異なる伝送経路を経由して、それぞれ受信アンテナ21−1および21−2に受信される。従って、伝送信号Aと伝送信号Bは、異なる伝送路特性を有している。
【0043】
ブランチ11−1は、受信アンテナ21−1、高周波回路22−1、A/D(Analog to Digital)回路23−1、直交復調回路24−1、FFT回路25−1、伝送路特性推定回路26−1、等化回路27−1、および重み補正回路28−1を含む。
【0044】
受信アンテナ21−1は、伝送信号Aを捕捉する。高周波回路22−1は、受信アンテナ21−1により捕捉された伝送信号Aから、所要帯域の信号を抜き出し、抜き出された信号を所要レベルの電力に増幅し、増幅された信号をA/D回路23−1に出力する。
【0045】
A/D回路23−1は、高周波回路22−1から供給された信号を標本化および量子化し、直交復調回路24−1に出力する。
【0046】
直交復調回路24−1は、A/D回路23−1から供給された信号を直交復調し、直交復調された信号をFFT回路25−1に出力する。なお、直交復調回路24−1から出力される信号は、所謂、時間領域の信号である。
【0047】
FFT回路25−1は、直交復調回路24−1から供給された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−1および等化回路27−1に出力する。
【0048】
伝送路特性推定回路26ー1は、FFT回路25−1から入力された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性の推定値を算出し、算出された伝送路特性を等化回路27−1および重み制御回路12に出力する。なお、以下の説明において、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性をH1(ω)とする。
【0049】
等化回路27−1は、伝送路特性推定回路26−1から供給された伝送路特性H1(ω)の逆数1/H1(ω)と、FFT回路25−1から供給された信号を複素演算して、FFT回路25−1の出力を等化し、等化後の信号を重み補正回路28−1に出力する。
【0050】
重み補正回路28−1は、等化回路27−1から供給されたOFDM各搬送波に対して、重み制御回路12から供給される、OFDM各搬送波に対する重み補正係数を乗算して、OFDM搬送波単位での重み付けを行い、重み付けされた信号を加算回路13に供給する。
【0051】
ブランチ11−2は、受信アンテナ21−2、高周波回路22−2、A/D回路23−2、直交復調回路24−2、FFT回路25−2、伝送路特性推定回路26−2、等化回路27−2、および重み補正回路28−2を含む。ブランチ11−2の内部の構成は、ブランチ11−1と同様である。
【0052】
すなわち、受信アンテナ21−2は、伝送信号Bを捕捉する。高周波回路22−2は、受信アンテナ21−2により捕捉された伝送信号Bから、所要帯域の信号を抜き出し、抜き出された信号を所要レベルの電圧に増幅し、増幅された信号をA/D回路23−2に出力する。
【0053】
A/D回路23−2は、高周波回路22−2から供給された信号を標本化および量子化し、直交復調回路24−2に出力する。
【0054】
直交復調回路24−2は、A/D回路23−2から供給された信号を直交復調し、直交復調された信号をFFT回路25−2に出力する。なお、直交復調回路24−2から出力される信号は、所謂、時間領域の信号である。
【0055】
FFT回路25−2は、直交復調回路24−2から供給された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−2および等化回路27−2に出力する。
【0056】
伝送路特性推定回路26−2は、FFT回路25−2から入力された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性の推定値を算出し、算出された伝送路特性を等化回路27−2および重み制御回路12に出力する。なお、以下の説明において、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性をH2(ω)とする。
【0057】
等化回路27−2は、伝送路特性推定回路26−2から供給された伝送路特性H2(ω)の逆数1/H2(ω)と、FFT回路25−2から供給された信号を複素演算して、FFT回路25−2の出力を等化し、等化後の信号を重み補正回路28−2に出力する。
【0058】
重み補正回路28−2は、等化回路27−2から供給されたOFDM各搬送波に対して、重み制御回路12から供給される、OFDM各搬送波に対する重み補正係数を乗算して、OFDM搬送波単位での重み付けを行い、重み付けされた信号を加算回路13に供給する。
【0059】
なお、上記したように、ブランチ11−1および11−2の内部構成は、同一である。以下、ブランチ11−1および11−2のそれぞれを、個々に区別する必要がない場合、まとめてブランチ11と称する。以下、他の構成も同様とする。
【0060】
重み制御回路12は、伝送路特性推定回路26−1および26−2から供給された伝送路特性H1(ω)およびH2(ω)に基づいて、重み補正係数を算出し、算出した重み補正係数を重み補正回路28−1および28−2に出力する。
【0061】
重み制御回路12は、以下の式により、重み補正係数を算出する。なお、以下の式において、重み制御回路12から重み補正回路28−1に供給される重み補正係数をW1(ω)とし、重み制御回路12から重み補正回路28−2に供給される重み補正係数をW2(ω)とする。
【0062】
W1(ω)=|H1(ω)|2/{|H1(ω)|2+|H2(ω)|2} (1)
W2(ω)=|H2(ω)|2/{|H2(ω)|2+|H2(ω)|2} (2)
【0063】
すなわち、式(1)に示されるように、重み補正係数W1(ω)は、ブランチ11−1の伝送路特性H1(ω)の絶対値の自乗を、全てのブランチ11−1および11−2の伝送路特性(すなわちH1(ω)およびH2(ω))の絶対値の自乗の和で割り算した値である。また、式(2)に示されるように、重み補正係数W2(ω)は、ブランチ11−2の伝送路特性H2(ω)の絶対値の自乗を、全てのブランチ11−1および11−2の伝送路特性(すなわちH1(ω)およびH2(ω))の絶対値の自乗の和で割り算した値である。
【0064】
すなわち、各ブランチ11に対する重み補正係数は、各ブランチ11の伝送路特性の絶対値の自乗を、全ブランチ11の伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算した値とされる。
【0065】
加算回路13は、ブランチ11−1の重み補正回路28−1およびブランチ11−2の重み補正回路28−2から供給された信号を加算合成し、図示せぬ後段の誤り訂正回路に出力する。
【0066】
次に、図2のフローチャートを参照して、受信装置1の受信処理について説明する。
【0067】
ステップS101において、受信アンテナ21−1および21−2は、それぞれ伝送信号Aおよび伝送信号Bを捕捉する。
【0068】
ステップS102において、高周波回路22−1および22−2は、ステップS101で受信アンテナ21−1および21−2により捕捉された伝送信号Aおよび伝送信号Bから、それぞれ所要帯域の信号のみを抜き出し、所要レベルの電圧に増幅し、A/D回路23−1および23−2に出力する。
【0069】
ステップS103において、A/D回路23−1および23−2は、ステップS102で所要レベルの電圧に増幅された信号を標本化および量子化する。これにより、信号は、離散した標本値s1(p)およびs2(p)となる。なお、s1(p)は、A/D回路23−1の出力であり、s2(p)は、A/D回路23−2の出力である。
【0070】
ステップS104において、直交復調回路24−1および24−2は、ステップS103でA/D回路23−1および23−2により量子化された信号を直交復調し、直交復調された信号をFTT回路25−1および25−2に出力する。
【0071】
ステップS105において、FFT回路25−1および25−2は、ステップS104で直交復調回路24−1および24−2により直交復調された信号を時間領域信号から周波数領域信号に変換し、変換後の周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−1および26−2、並びに等化回路27−1および27−2に出力する。
【0072】
ステップS106において、伝送路特性推定回路26−1は、FTT回路25−1から供給された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性H1(p)を算出し、算出された伝送路特性H1(p)を等化回路27−1および重み制御回路12に出力する。なお、伝送路特性は、上述においては、H1(ω)と記載したが、実際には、A/D回路23−1により標本化されているため、ここではH1(p)と記載する。
【0073】
また、ステップS106において、伝送路特性推定回路26−2は、FTT回路25−2から供給された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性H2(p)を算出し、算出された伝送路特性H2(p)を等化回路27−2および重み制御回路12に出力する。なお、伝送路特性は、上述においては、H2(ω)と記載したが、実際には、A/D回路23−2により標本化されているため、ここではH2(p)と記載する。
【0074】
なお、伝送路特性H1(p)およびH2(p)の算出方法は、既知のものを利用することができる。
【0075】
ステップS107において、等化回路27−1は、伝送路特性推定回路26−1から供給された伝送路特性H1(p)の逆数1/H1(p)と、FFT回路25−1から供給された信号を複素演算して等化処理を行い、等化後の信号を重み補正回路28−1に出力する。また、等化回路27−2は、伝送路特性推定回路26−2から供給された伝送路特性H2(p)の逆数1/H2(p)と、FFT回路25−2から供給された信号を複素演算して等化処理を行い、等化後の信号を重み補正回路28−2に出力する。
【0076】
ステップS108において、重み制御回路12は、ステップS106で、伝送路特性推定回路26−1により推定された伝送路特性H1(p)、および伝送路特性推定回路26−2により推定された伝送路特性H2(p)に基づいて、上述の式(1)および式(2)により、重み補正係数W1(p)およびW2(p)を算出し、算出された重み補正係数W1(p)を重み補正回路28−1に供給し、重み補正係数W2(p)を重み補正回路28−2に供給する。なお、重み補正係数は、上述においては、W1(ω)およびW2(ω)と記載したが、実際には、A/D回路23−2により標本化されているため、ここではW1(p)およびW2(p)と記載する。
【0077】
ステップS109において、重み補正回路28−1は、等化回路27−1から供給されたOFDM各搬送波に対して、重み制御回路12から供給される重み補正係数W1(p)を乗算して、OFDM搬送波単位での重み付けを行い、重み付けされた信号を加算回路13に供給する。また、重み補正回路28−2は、等化回路27−2から供給されたOFDM各搬送波に対して、重み制御回路12から供給される重み補正係数W2(p)を乗算して、OFDM搬送波単位での重み付けを行い、重み付けされた信号を加算回路13に供給する。
【0078】
ステップS110において、加算回路13は、重み補正回路28−1および28−2から供給された、それぞれで重み付けされた値を加算合成し、図示せぬ後段の誤り訂正回路に出力する。その後、信号は、誤り訂正処理が施され、伝送情報が再生される。
【0079】
以上のようにして、受信処理が実行される。
【0080】
以上のように、全てのブランチの伝送路特性推定結果H1(p)およびH2(p)を利用して、重み補正係数を算出し、この重み補正係数で各ブランチの等化処理後の出力を重み付けすることにより、OFDM搬送波毎に、そのC/N比を最大とする最大比合成を実現することが可能となる。
【0081】
なお、以上の説明においては、説明を簡略化するために、ブランチ数を2つとしたが、勿論、3つ以上でも良い。
【0082】
この場合、重み制御回路12において、重み補正係数は、以下のようにして算出される。すなわち、第p番目のOFDM搬送波に対する、第k番目のブランチの伝送路特性推定回路で推定した伝送路特性をHk(p)とし、第p番目のOFDM搬送波の重み係数をWk(p)とするとき、重み係数Wk(p)は、次の式により算出される。
【0083】
【数1】
【0084】
すなわち、式(3)は、各ブランチ11に対する重み補正係数が、各ブランチ11の伝送路特性の絶対値の自乗を、全ブランチ11の伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算した値であることを表している。
【0085】
重み制御回路12は、式(3)により算出された重み補正係数を、第k番目のブランチ、すなわちブランチ11−kの重み補正回路28−kに供給する。
【0086】
次に、本発明を適用した受信装置の図1とは異なる例を説明する。図3は、図1とは異なる受信装置101の構成例を表している。なお、図3の受信装置101において、図1の受信装置1と同一の構成には、同一の符号を付してある。
【0087】
図3において、受信装置101は、ブランチ111−1および111−2の2つのブランチを有しており、各ブランチ111−1および111−2で受信したOFDM信号を最大比合成する。なお、図3の例においては、説明を簡略化するため、ブランチの個数を2つとしているが、勿論、ブランチの個数は、3つ以上でも良い。
【0088】
放送局から、ブランチ111−1までの伝送信号を伝送信号Aとし、放送局からブランチ111−2までの伝送信号を伝送信号Bとする。放送局から発信される信号は同一であるが、発信された信号は、異なる伝送経路を経由して、それぞれ受信アンテナ21−1および21−2に受信される。従って、伝送信号Aと伝送信号Bは、異なる伝送路特性を有している。
【0089】
ブランチ111−1は、受信アンテナ21−1、高周波回路22−1、A/D回路23−1、直交復調回路24−1、FFT回路25−1、伝送路特性推定回路26−1、および等化回路121−1を含む。
【0090】
受信アンテナ21−1は、伝送信号Aを捕捉する。高周波回路22−1は、受信アンテナ21−1により捕捉された伝送信号Aから、所要帯域の信号を抜き出し、抜き出された信号を所要レベルの電力に増幅し、増幅された信号をA/D回路23−1に出力する。
【0091】
A/D回路23−1は、高周波回路22−1から供給された信号を標本化および量子化し、直交復調回路24−1に出力する。
【0092】
直交復調回路24−1は、A/D回路23−1から供給された信号を直交復調し、直交復調された信号をFFT回路25−1に出力する。なお、直交復調回路24−1から出力される信号は、所謂、時間領域の信号である。
【0093】
FFT回路25−1は、直交復調回路24−1から供給された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−1および等化回路121−1に出力する。
【0094】
伝送路特性推定回路26ー1は、FFT回路25−1から入力された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性の推定値を算出し、算出された伝送路特性を等化制御回路112に出力する。なお、以下の説明において、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性をH1(ω)とする。
【0095】
等化回路121−1は、FFT回路25−1から供給された信号、および等化制御回路112から供給される伝達関数(複素制御値)を複素演算して、FFT回路25−1の出力を補正し、補正後の信号を加算回路113に出力する。
【0096】
ブランチ111−2は、受信アンテナ21−2、高周波回路22−2、A/D回路23−2、直交復調回路24−2、FFT回路25−2、伝送路特性推定回路26−2、および等化回路121−2を含む。ブランチ111−2の内部の構成は、ブランチ111−1と同様である。
【0097】
すなわち、受信アンテナ21−2は、伝送信号Bを捕捉する。高周波回路22−2は、受信アンテナ21−2により捕捉された伝送信号Bから、所要帯域の信号を抜き出し、抜き出された信号を所要レベルの電圧に増幅し、増幅された信号をA/D回路23−2に出力する。
【0098】
A/D回路23−2は、高周波回路22−2から供給された信号を標本化および量子化し、直交復調回路24−2に出力する。
【0099】
直交復調回路24−2は、A/D回路23−2から供給された信号を直交復調し、直交復調された信号をFFT回路25−2に出力する。なお、直交復調回路24−2から出力される信号は、所謂、時間領域の信号である。
【0100】
FFT回路25−2は、直交復調回路24−2から供給された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−2および等化回路121−2に出力する。
【0101】
伝送路特性推定回路26−2は、FFT回路25−2から入力された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性の推定値を算出し、算出された伝送路特性を等化制御回路112に出力する。なお、以下の説明において、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性をH2(ω)とする。
【0102】
等化回路121−2は、FFT回路25−2から供給された信号、および等化制御回路112から供給される伝達関数(複素制御値)を複素演算して、FFT回路25−2の出力を補正し、補正後の信号を加算回路113に出力する。
【0103】
等化制御回路112は、伝送路特性推定回路26−1および26−2から供給された伝送路特性H1(ω)およびH2(ω)に基づいて、伝達関数(複素制御値)を算出し、算出した伝達関数(複素制御値)を等化回路121−1および121−2に出力する。
【0104】
等化制御回路112は、以下の式により、伝達関数(複素制御値)を算出する。なお、以下の説明において、等化制御回路112から等化回路121−1に供給される伝達関数(複素制御値)をE1(ω)とし、等化制御回路112から等化回路121−2に供給される伝達関数(複素制御値)をE2(ω)とする。また、伝送路特性H1(ω)の共役複素数をH1 *(ω)とし、伝送路特性H2(ω)の共役複素数をH2 *(ω)とする。
【0105】
E1(ω)=H1 *(ω)/{|H1(ω)|2+|H2(ω)|2} (4)
E2(ω)=H2 *(ω)/{|H1(ω)|2+|H2(ω)|2} (5)
【0106】
なお、受信アンテナ21−1および21−2により受信された伝送信号Aおよび伝送信号Bは、それぞれ高周波回路22−1および22−2で所要帯域が抽出され増幅された後、A/D回路23−1および23−2で量子化される。従って、A/D回路23−1から出力される信号は離散的な標本値s1(p)となり、A/D回路23−2から出力される信号は離散的な標本値s2(p)となる。よって、FFT回路25−1から出力される信号も勿論、離散値S1(p)となり、FFT回路25−2から出力される信号も離散値S2(p)となる。
【0107】
従って、伝送路特性推定回路26−1から等化制御回路112に供給される伝送路特性は離散値H1(p)となり、伝送路特性推定回路26−2から等化制御回路112に供給される伝送路特定は離散値H2(p)となる。
【0108】
すなわち、H1(p)は、ブランチ11−1の伝送路特性推定回路26−1から出力される、p番目のOFDM搬送波に対する伝送路特性を表し、H2(p)は、ブランチ11−2の伝送路特性推定回路26−2から出力される、p番目のOFDM搬送波に対する伝送路特性を表している。なお、H1(p)およびH2(p)は複素数である。
【0109】
従って、等化制御回路112により算出される伝達関数(複素制御値)は、以下のようになる。
【0110】
E1(p)=H1 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2} (6)
E2(p)=H2 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2} (7)
【0111】
式(6)および式(7)の伝達関数で、等化回路121−1および121−2により、FFT回路25−1および25−2の出力を補正することにより、FFT回路25−1および25−2の出力の等化処理、並びにブランチ11毎の重み付けをまとめて行うことができる。
【0112】
このような回路構成により、受信装置の回路規模を縮小することが可能となる。
【0113】
加算回路113は、ブランチ111−1の等化回路121−1およびブランチ111−2の等化回路121−2から供給された信号を加算合成し、加算合成後の信号を後段の図示せぬ誤り訂正回路に出力する。なお、誤り訂正回路は、加算回路113から供給されたダイバーシティ合成信号から伝送情報を再生する。
【0114】
次に、図4は、等化回路121−1の構成例を表している。図4において、等化回路121−1は、複素乗算回路とされ、FFT回路25−1から供給された離散値S1(p)に、等化制御回路112から供給された伝達関数(複素制御値)E1(p)を乗算して、FFT回路25−1の出力S1(p)を補正する。そして、等化回路27−1は、補正後の値S1(p)・E1(p)を加算回路113に出力する。
【0115】
図示はしないが、等化回路121−2も、等化回路121−1と同様の構成とされる。すなわち、等化回路121−2も複素乗算回路とされ、FFT回路25−2から供給された離散値S2(p)に、等化制御回路112から供給された伝達関数(複素制御値)E2(p)を乗算して、FFT回路25−2の出力S2(p)を補正する。そして、等化回路27−2は、補正後の値S2(p)・E2(p)を加算回路113に出力する。
【0116】
よって、図3の加算回路113は、等化回路27−1から供給された値S1(p)・E1(p)、および等化回路27−2から供給された値S2(p)・E2(p)を加算合成する。ここで、伝達関数は、式(6)および式(7)のように表されるので、加算後の値は、
{S1(p)・H1 *(p)+S2(p)・H2 *(p)}/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}
となる。加算回路113は、加算合成後の値を、後段の回路に出力する。
【0117】
次に、図5のフローチャートを参照して、受信装置101の受信処理について説明する。
【0118】
ステップS201において、受信アンテナ21−1および21−2は、それぞれ伝送信号Aおよび伝送信号Bを捕捉する。
【0119】
ステップS202において、高周波回路22−1および22−2は、ステップS201で受信アンテナ21−1および21−2により捕捉された伝送信号Aおよび伝送信号Bから、それぞれ所要帯域の信号のみを抜き出し、所要レベルの電圧に増幅し、A/D回路23−1および23−2に出力する。
【0120】
ステップS203において、A/D回路23−1および23−2は、ステップS202で所要レベルの電圧に増幅された信号を標本化および量子化する。これにより、信号は、離散した標本値s1(p)およびs2(p)となる。
【0121】
ステップS204において、直交復調回路24−1および24−2は、ステップS203でA/D回路23−1および23−2により量子化された信号を直交復調し、直交復調された信号をFTT回路25−1および25−2に出力する。
【0122】
ステップS205において、FFT回路25−1および25−2は、ステップS204で直交復調回路24−1および24−2により直交復調された信号を時間領域信号から周波数領域信号に変換し、変換後の周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−1および26−2、並びに等化回路121−1および121−2に出力する。
【0123】
ステップS206において、伝送路特性推定回路26−1および26−2は、FTT回路25−1および25−2から供給された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Aおよび伝送信号Bがそれぞれ経由してきた伝送路の伝送路特性H1(p)およびH2(p)を算出し、算出された伝送路特性を等化制御回路112に出力する。なお、伝送路特性H1(p)およびH2(p)の算出方法は、既知のものを利用することができる。
【0124】
ステップS207において、等化制御回路112は、式(6)および式(7)により伝達関数(複素制御値)を算出し、算出した伝達関数(複素制御値)を等化回路121−1および121−2に対して出力する。
【0125】
ステップS208において、等化回路121−1は、FFT回路25−1から供給された周波数領域信号S1(p)に対して、等化制御回路112から供給された複素制御値H1 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}を乗算することにより、周波数領域信号の値を補正して、乗算後の値S1(p)・H1 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}を加算回路113に出力する。また、等化回路121−2は、FFT回路25−2から供給された周波数領域信号S2(p)に対して、等化制御回路112から供給された複素制御値H2 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}を乗算することにより、周波数領域信号の値を補正して、乗算後の値S2(p)・H2 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}を加算回路113に出力する。
【0126】
ステップS209において、加算回路113は、ステップS208で等化回路121−1から供給された補正済みの周波数領域信号、および等化回路121−2から供給された補正済みの周波数領域信号値を加算合成する。すなわち、
S1(p)・H1 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}+S2(p)・H2 *(p)/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}
を演算する。
【0127】
そして、加算回路113は、加算合成後の値、すなわち
{S1(p)・H1 *(p)+S2(p)・H2 *(p)}/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}
を、後段の回路に出力する。
【0128】
以上のようにして、受信処理が実行される。
【0129】
以上のように、本発明によれば、各ブランチ111−1および111−2のFFT回路25−1および25−2の出力に対して、全てのブランチ111−1および111−2に対する伝送路特性H1(p)およびH2(p)に関連付けられた伝達関数を有する等化処理を行って、加算合成することにより、OFDMキャリア毎に最大比で合成するダイバーシティ合成を可能にする。また、式(6)および式(7)のように、FFT回路25−1および25−2の出力を等化し、かつ、重み付けする伝達関数を用いることにより、図1の受信装置1と比較して、より回路規模を縮小することが可能となる。
【0130】
すなわち、図1の受信装置1と図3の受信装置101で異なる構成部分は、図1の受信装置1の等化回路27−1,27−2、重み補正回路28−1,28−2、および重み制御回路12、並びに図3の受信装置101の等化回路121−1,121−2、および等化制御回路112である。
【0131】
図1の受信装置1において、等化回路27−1および27−2は、それぞれ4個の乗算回路、2個の加算回路、および1個の複素逆数ROM(2入力2出力)により構成される。また、重み補正回路28−1および28−2は、それぞれ2個の乗算回路により構成される。また、重み制御回路12は、2個の重みROM(4入力1出力)により構成される。
【0132】
以上をまとめると、図1の受信装置1において、等化回路27−1,27−2、重み補正回路28−1,28−2、および重み制御回路12は、全体で4個の加算回路、12個の乗算回路、4個のROM(2入力2出力のROMが2個、4入力1出力のROMが1個)により構成されている。
【0133】
それに対して、図3の受信装置101において、等化回路121−1,121−2は、それぞれ4個の乗算回路、および2個の加算回路により構成される。また、等化制御回路112は、2個の等化制御ROM(4入力2出力)により構成される。
【0134】
以上をまとめると、図3の受信装置101において、等化回路121−1,121−2、および等化制御回路112は、全体で4個の加算回路、8個の乗算回路、および2個のROM(4入力2出力)により構成される。
【0135】
以上のように、図3の受信装置101は、図1の受信装置1と比較して、乗算回路の個数も、ROMの個数も少ない。従って、図3の受信装置101は、図1の受信装置1より回路規模を縮小させることができる。
【0136】
なお、以上の説明においては、説明を簡略化するために、ブランチ数を2つとしたが、勿論、3つ以上でも良い。
【0137】
この場合、等化制御回路112において、伝達関数(複素制御値)は、以下のようにして算出される。すなわち、第p番目のOFDM搬送波に対する、第k番目のブランチの伝送路特性推定回路で推定した伝送路特性をHk(p)とし、第n番目のブランチ111−nの伝達関数をEn(p)とするとき、伝達関数En(p)は、次の式により算出される。
【0138】
【数2】
【0139】
すなわち、式(8)は、各ブランチ11に対する伝達関数(複素制御値)が、各ブランチ11の伝送路特性の共役複素数を、全ブランチ11の伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算した値であることを表している。
【0140】
等化制御回路112は、式(8)により算出された伝達関数(複素制御値)を、第n番目のブランチ、すなわちブランチ11−nの等化回路121−nに供給する。
【0141】
次に、本発明を適用した受信装置のさらに異なる構成例を説明する。図6は、図1の受信装置1、および図3の受信装置101のいずれとも異なる受信装置201の構成例を表している。図6の受信装置201において、図1の受信装置1、および図3の受信装置101と同一の構成には、同一の符号を付してある。
【0142】
図6において、受信装置201は、ブランチ211−1および211−2の2つのブランチを有しており、各ブランチ211−1および211−2で受信したOFDM信号を最大比合成する。なお、図6の例においては、説明を簡略化するため、ブランチの個数を2つとしているが、勿論、ブランチの個数は、3つ以上でも良い。
【0143】
放送局から、ブランチ211−1までの伝送信号を伝送信号Aとし、放送局からブランチ211−2までの伝送信号を伝送信号Bとする。放送局から発信される信号は同一であるが、発信された信号は、異なる伝送経路を経由して、それぞれ受信アンテナ21−1および21−2に受信される。従って、伝送信号Aと伝送信号Bは、異なる伝送路特性を有している。
【0144】
ブランチ211−1は、受信アンテナ21−1、高周波回路22−1、A/D回路23−1、直交復調回路24−1、FFT回路25−1、伝送路特性推定回路26−1、および等化回路221−1を含む。
【0145】
受信アンテナ21−1は、伝送信号Aを捕捉する。高周波回路22−1は、受信アンテナ21−1により捕捉された伝送信号Aから、所要帯域の信号を抜き出し、抜き出された信号を所要レベルの電力に増幅し、増幅された信号をA/D回路23−1に出力する。
【0146】
A/D回路23−1は、高周波回路22−1から供給された信号を標本化および量子化し、直交復調回路24−1に出力する。
【0147】
直交復調回路24−1は、A/D回路23−1から供給された信号を直交復調し、直交復調された信号をFFT回路25−1に出力する。なお、直交復調回路24−1から出力される信号は、所謂、時間領域の信号である。
【0148】
FFT回路25−1は、直交復調回路24−1から供給された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−1および等化回路221−1に出力する。
【0149】
伝送路特性推定回路26ー1は、FFT回路25−1から入力された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性の推定値を算出し、算出された伝送路特性を等化回路221−1および正規化制御回路212に出力する。なお、以下の説明において、伝送信号Aが経由してきた伝送路の伝送路特性をH1(ω)とする。
【0150】
等化回路221−1は、FFT回路25−1から供給された信号に対して、伝送路特性推定回路26−1から供給される伝送路特性H1(ω)の共役複素数(以下、伝送路特性H1(ω)の共役複素数をH1 *(ω)とする)を複素演算して、FFT回路25−1の出力を等化し、等化後の信号を加算回路213に出力する。従って、図6の受信装置201においては、伝達関数E1(ω)=H1 *(ω)となる。
【0151】
ブランチ211−2は、受信アンテナ21−2、高周波回路22−2、A/D回路23−2、直交復調回路24−2、FFT回路25−2、伝送路特性推定回路26−2、および等化回路221−2を含む。ブランチ211−2の内部の構成は、ブランチ211−1と同様である。
【0152】
すなわち、受信アンテナ21−2は、伝送信号Bを捕捉する。高周波回路22−2は、受信アンテナ21−2により捕捉された伝送信号Bから、所要帯域の信号を抜き出し、抜き出された信号を所要レベルの電圧に増幅し、増幅された信号をA/D回路23−2に出力する。
【0153】
A/D回路23−2は、高周波回路22−2から供給された信号を標本化および量子化し、直交復調回路24−2に出力する。
【0154】
直交復調回路24−2は、A/D回路23−2から供給された信号を直交復調し、直交復調された信号をFFT回路25−2に出力する。なお、直交復調回路24−2から出力される信号は、所謂、時間領域の信号である。
【0155】
FFT回路25−2は、直交復調回路24−2から供給された時間領域の信号を周波数領域の信号に変換し、変換された周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−2および等化回路221−2に出力する。
【0156】
伝送路特性推定回路26−2は、FFT回路25−2から入力された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性の推定値を算出し、算出された伝送路特性を等化回路221−2および正規化制御回路212に出力する。なお、以下の説明において、伝送信号Bが経由してきた伝送路の伝送路特性をH2(ω)とする。
【0157】
等化回路221−2は、FFT回路25−2から供給された信号に対して、伝送路特性推定回路26−2から供給される伝送路特性H2(ω)の共役複素数(以下、伝送路特性H2(ω)の共役複素数をH2 *(ω)とする)を複素演算して、FFT回路25−2の出力を等化し、等化後の信号を加算回路113に出力する。従って、図6の受信装置201においては、伝達関数E2(ω)=H2 *(ω)となる。
【0158】
正規化制御回路212は、伝送路特性推定回路26−1および26−2から供給された伝送路特性H1(ω)およびH2(ω)に基づいて、正規化回路214の伝達関数N(ω)を発生し、発生した伝達関数N(ω)を正規化回路214に出力する。
【0159】
なお、伝達関数N(ω)は、以下の式により算出される。
【0160】
N(ω)=1/{|H1(ω)|2+|H2(ω)|2} (9)
【0161】
なお、伝達関数N(ω)は、実関数である。
【0162】
また、受信アンテナ21−1および21−2により受信された伝送信号Aおよび伝送信号Bは、それぞれ高周波回路22−1および22−2で所要帯域が抽出され増幅された後、A/D回路23−1および23−2で標本化および量子化される。従って、A/D回路23−1から出力される信号は離散的な標本値s1(p)となり、A/D回路23−2から出力される信号は離散的な標本値s2(p)となる。よって、FFT回路25−1から出力される信号も勿論、離散値S1(p)となり、FFT回路25−2から出力される信号も離散値S2(p)となる。
【0163】
従って、伝送路特性推定回路26−1から正規化制御回路212に供給される伝送路特性は離散値H1(p)となり、伝送路特性推定回路26−2から正規化制御回路212に供給される伝送路特定は離散値H2(p)となる。
【0164】
すなわち、H1(p)は、ブランチ211−1の伝送路特性推定回路26−1から出力される、p番目のOFDM搬送波に対する伝送路特性を表し、H2(p)は、ブランチ211−2の伝送路特性推定回路26−2から出力される、p番目のOFDM搬送波に対する伝送路特性を表している。なお、H1(p)およびH2(p)は複素数である。
【0165】
従って、正規化制御回路212により算出される伝達関数(複素制御値)は、以下のようになる。
【0166】
N(p)=1/{|H1(p)|2+|H2(p)|2} (10)
【0167】
加算回路213は、ブランチ211−1の等化回路221−1およびブランチ211−2の等化回路221−2から供給された信号を加算合成し、加算合成後の信号を正規化回路214に出力する。
【0168】
正規化回路214は、加算回路213から供給された値に対して、正規化制御回路212から供給された伝達関数N(p)を乗算することにより、周波数毎の振幅を一定にする。ここで、図7を参照して、正規化回路214の内部構成について詳細に説明する。
【0169】
図7において、加算回路213からの出力は、実数部(同相軸(I軸))と虚数部(直交軸(Q軸))により構成されている。正規化回路214は、実数乗算回路231および232を含んでいる。実数乗算回路231は、加算回路213から供給された実数部の値に対して、正規化制御回路212から供給された伝達関数N(p)を乗算して、図示せぬ後段の回路に出力する。また、実数乗算回路232は、加算回路213から供給された虚数部の値に対して、正規化制御回路212から供給された伝達関数N(p)を乗算して、図示せぬ後段の回路に出力する。
【0170】
図6のような回路構成としても、図3の回路構成と同様、回路規模を縮小することが可能となる。
【0171】
すなわち、図1の受信装置1と図6の受信装置201で異なる構成部分は、図1の受信装置1の等化回路27−1,27−2、重み補正回路28−1,28−2、および重み制御回路12、並びに図6の受信装置201の等化回路221−1,221−2、正規化制御回路212、および正規化回路214である。
【0172】
図1の受信装置1において、等化回路27−1,27−2、重み補正回路28−1,28−2、および重み制御回路12は、上述したように、全体で4個の加算回路、12個の乗算回路、4個のROM(2入力2出力のROMが2個、4入力1出力のROMが1個)により構成されている。
【0173】
それに対して、図6の受信装置201において、等化回路221−1,221−2は、それぞれ4個の乗算回路、および2個の加算回路により構成される。また、正規化制御回路212は、1個の正規化制御ROM(4入力1出力)により構成される。また、正規化回路214は、2個の乗算回路により構成される。
【0174】
以上をまとめると、図6の受信装置201において、等化回路221−1,221−2、正規化制御回路212、および正規化回路214は、全体で4個の加算回路、10個の乗算回路、および1個のROM(4入力1出力)により構成される。
【0175】
以上のように、図6の受信装置201は、図1の受信装置1と比較して、乗算回路の個数も、ROMの個数も少ない。従って、図6の受信装置201は、図1の受信装置1より回路規模を縮小させることができる。
【0176】
次に、図8のフローチャートを参照して、図6の受信装置201の受信処理について説明する。
【0177】
ステップS301において、受信アンテナ21−1および21−2は、それぞれ伝送信号Aおよび伝送信号Bを捕捉する。
【0178】
ステップS302において、高周波回路22−1および22−2は、ステップS301で受信アンテナ21−1および21−2により捕捉された伝送信号Aおよび伝送信号Bから、それぞれ所要帯域の信号のみを抜き出し、所要レベルの電圧に増幅し、A/D回路23−1および23−2に出力する。
【0179】
ステップS303において、A/D回路23−1および23−2は、ステップS302で所要レベルの電圧に増幅された信号を標本化および量子化する。これにより、信号は、離散した標本値s1(p)およびs2(p)となる。
【0180】
ステップS304において、直交復調回路24−1および24−2は、ステップS303でA/D回路23−1および23−2により量子化された信号を直交復調し、直交復調された信号をFTT回路25−1および25−2に出力する。
【0181】
ステップS305において、FFT回路25−1および25−2は、ステップS304で直交復調回路24−1および24−2により直交復調された信号を時間領域信号から周波数領域信号に変換し、変換後の周波数領域信号を伝送路特性推定回路26−1および26−2、並びに等化回路221−1および221−2に出力する。
【0182】
ステップS306において、伝送路特性推定回路26−1および26−2は、FTT回路25−1および25−2から供給された周波数領域信号から、既知のパイロット信号を抽出して、伝送信号Aおよび伝送信号Bがそれぞれ経由してきた伝送路の伝送路特性H1(p)およびH2(p)を算出し、算出された伝送路特性を等化回路221−1および221−2、並びに等化制御回路112に出力する。なお、伝送路特性H1(p)およびH2(p)の算出方法は、既知のものを利用することができる。
【0183】
ステップS307において、等化回路221−1は、伝達関数(複素制御値)E1(p)=H1 *(p)を算出し、この伝達関数(複素制御値)E1(p)=H1 *(p)をFFT回路25−1から供給された周波数領域信号S1(p)に対して乗算することにより、FTT回路25−1の出力を等化し、乗算された値S1(p)・H1 *(p)を加算回路213に供給する。また、等化回路221−2は、伝達関数(複素制御値)E2(p)=H2 *(p)を算出し、この伝達関数(複素制御値)E2(p)=H2 *(p)をFFT回路25−2から供給された周波数領域信号S2(p)に対して乗算することにより、FTT回路25−2の出力を等化し、乗算された値S2(p)・H2 *(p)を加算回路213に供給する。
【0184】
ステップS308において、正規化制御回路212は、伝送路特性推定回路26−1から供給された伝送路特性H1(p)、および伝送路特性推定回路26−2から供給された伝送路特性H2(p)に基づいて、式(10)により、正規化回路214の伝達関数N(p)を算出し、算出された伝達関数N(p)を正規化回路214に供給する。
【0185】
ステップS309において、加算回路213は、ステップS307で、等化回路221−1から供給された値S1(p)・H1 *(p)、および等化回路221−2から供給された値S2(p)・H2 *(p)を加算合成し、加算合成後の値{S1(p)・H1 *(p)+S2(p)・H2 *(p)}を正規化回路214に供給する。
【0186】
ステップS310において、正規化回路214は、ステップS309で加算回路213から供給された値{S1(p)・H1 *(p)+S2(p)・H2 *(p)}に対して、ステップS308で、正規化制御回路212から供給された伝達関数N(p)=1/{|H1(p)|2+|H2(p)|2}を乗算し、乗算後の値{S1(p)・H1 *(p)+S2(p)・H2 *(p)} /{|H1(p)|2+|H2(p)|2}を、図示せぬ後段の回路に出力する。
【0187】
以上のようにして、受信処理が実行される。
【0188】
以上のように、本発明によれば、各ブランチ211−1および211−2のFFT回路25−1および25−2の出力に対して、各ブランチ211−1および211−2に対する伝送路特性H1(p)およびH2(p)に関連付けられた伝達関数を有する等化処理を行って、加算合成することにより、OFDMキャリア毎に最大比で合成するダイバーシティ合成を可能にする。また、図6の受信装置201は、図3の受信装置101と同様、回路規模を縮小することができる。
【0189】
なお、図6の例においては、説明を簡単にするために、ブランチ数を2つとしたが、ブランチ数を3以上とすることでダイバーシティ効果をさらに向上させることが可能である。
【0190】
ブランチ数をN(N≧3)とした場合、第n番目(ただし、1≦n≦N)のブランチ11−nの等化回路27−nに対する伝達関数En(ω)、および正規化回路214の伝達関数N(ω)は、それぞれ次のようになる。
【0191】
En(ω)=Hn *(ω)
【0192】
【数3】
【0193】
【発明の効果】
以上のように、第1の本発明によれば、OFDM信号を受信することができる。特に、OFDMキャリア毎に最大比で合成するダイバーシティ合成が可能となる。従って、よりOFDM信号の伝送の信頼性を向上させることが可能となる。
【0194】
第2の本発明によれば、OFDM信号を受信することができる。特に、OFDMキャリア毎に最大比で合成するダイバーシティ合成が可能となる。従って、よりOFDM信号の伝送の信頼性を向上させることが可能となる。さらに、回路規模を縮小することが可能となる。
【0195】
第3の本発明によれば、OFDM信号を受信することができる。特に、OFDMキャリア毎に最大比で合成するダイバーシティ合成が可能となる。従って、よりOFDM信号の伝送の信頼性を向上させることが可能となる。さらに、回路規模を縮小することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の受信装置の受信処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明を適用した受信装置の構成例を示す他のブロック図である。
【図4】図3の等化回路の処理を説明する図である。
【図5】図3の受信装置の受信処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明を適用した受信装置の構成例を示す、さらに他のブロック図である。
【図7】図6の正規化回路の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図8】図6の受信装置の受信処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 受信装置, 11−1,11−2 ブランチ, 12 重み制御回路, 13 加算回路, 21−1,21−2 受信アンテナ, 22−1,22−2高周波回路, 23−1,23−2 A/D回路, 24−1,24−2 直交復調回路, 25−1,25−2 FFT回路, 26−1,26−2 伝送路特性推定回路, 27−1,27−2 等化回路, 28−1,28−2 重み補正回路, 101 受信装置, 111−1,111−2 ブランチ, 112等化制御回路, 113 加算回路, 121−1,121−2 等化回路,201 受信装置, 211−1,211−2 ブランチ, 212 正規化制御回路, 214 正規化回路, 221−1,221−2 等化回路, 231,232 実数乗算回路
Claims (11)
- OFDM信号を受信する受信装置において、
複数のブランチのそれぞれに受信された伝送信号の伝送路特性を前記ブランチ毎に推定する推定手段と、
前記ブランチ毎に、前記ブランチに対応する前記伝送路特性に基づいて、前記ブランチの周波数領域信号を等化する等化手段と、
前記等化手段により前記ブランチ毎に等化された前記周波数領域信号に対して重み補正係数を乗算して、重み補正する補正手段と、
前記補正手段により重み補正された、複数の前記ブランチの前記周波数領域信号を合成する合成手段と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、各ブランチの前記重み補正係数を算出する算出手段をさらに備え、
前記補正手段は、前記算出手段により算出された前記重み補正係数により、重み補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。 - 前記算出手段は、各ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗を、全ての前記ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算して、前記各ブランチの前記重み補正係数を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。 - OFDM信号を受信する受信装置の受信方法において、
複数のブランチのそれぞれに受信された伝送信号の伝送路特性を前記ブランチ毎に推定する推定ステップと、
前記ブランチ毎に、前記ブランチに対応する前記伝送路特性に基づいて、前記ブランチの周波数領域信号を等化する等化ステップと、
前記等化ステップの処理により前記ブランチ毎に等化された前記周波数領域信号に対して重み補正係数を乗算して、重み補正する補正ステップと、
前記補正ステップの処理により重み補正された、複数の前記ブランチの前記周波数領域信号を合成する合成ステップと
を含むことを特徴とする受信方法。 - OFDM信号を受信する受信装置において、
複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性を前記ブランチ毎に推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、周波数領域信号を前記ブランチ毎に等化する等化手段と、
前記等化手段により前記ブランチ毎に等化された全ての前記ブランチの前記周波数領域信号を合成する合成手段と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、複素制御値を算出する算出手段をさらに備え、
前記等化手段は、各ブランチの前記周波数領域信号に対して、前記算出手段により算出された前記複素制御値を複素乗算する
ことを特徴とする請求項5に記載の受信装置。 - 前記算出手段は、各ブランチの前記伝送路特性の共役複素数を、全ての前記ブランチの前記伝送路特性の絶対値の自乗和で割り算して、前記各ブランチの前記複素制御値を算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の受信装置。 - OFDM信号を受信する受信装置の受信方法において、
複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性を前記ブランチ毎に推定する推定ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、周波数領域信号を前記ブランチ毎に等化する等化ステップと、
前記等化ステップの処理により前記ブランチ毎に等化された全ての前記ブランチの前記周波数領域信号を合成する合成ステップと
を含むことを特徴とする受信方法。 - OFDM信号を受信する受信装置において、
複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性を前記ブランチ毎に推定する推定手段と、
前記ブランチ毎に、前記ブランチに対応する前記伝送路特性に基づいて、前記ブランチの周波数領域信号を等化する等化手段と、
前記等化手段により等化された全ての前記ブランチの前記周波数領域信号を合成する合成手段と、
前記推定手段により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、前記合成手段により合成された前記周波数領域信号を正規化する正規化手段と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記推定手段により推定された全ての前記伝送路特性の絶対値の自乗和の逆数を算出する算出手段をさらに備え、
前記正規化手段は、前記合成手段により合成された前記周波数領域信号に対して、前記算出手段により算出された前記逆数を乗算する
ことを特徴とする請求項9に記載の受信装置。 - OFDM信号を受信する受信装置の受信方法において、
複数のブランチにより受信された伝送信号の伝送路特性を前記ブランチ毎に推定する推定ステップと、
前記ブランチ毎に、前記ブランチに対応する前記伝送路特性に基づいて、前記ブランチの周波数領域信号を等化する等化ステップと、
前記等化ステップの処理により等化された全ての前記ブランチの前記周波数領域信号を合成する合成ステップと、
前記推定ステップの処理により推定された、全ての前記ブランチの前記伝送路特性に基づいて、前記合成ステップの処理により合成された前記周波数領域信号を正規化する正規化ステップと
を含むことを特徴とする受信方法。
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JP2015029256A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-02-12 | 三菱電機株式会社 | 受信装置及び受信方法 |
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2003
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090707 |