JP2004343294A - 受信回路 - Google Patents
受信回路 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004343294A JP2004343294A JP2003135534A JP2003135534A JP2004343294A JP 2004343294 A JP2004343294 A JP 2004343294A JP 2003135534 A JP2003135534 A JP 2003135534A JP 2003135534 A JP2003135534 A JP 2003135534A JP 2004343294 A JP2004343294 A JP 2004343294A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- signal
- circuit
- frequency
- capacitance
- voltage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Superheterodyne Receivers (AREA)
Abstract
【課題】送信電波を確実に受信可能な受信回路を提供すること。
【解決手段】受信回路6は、ミキサ18、信号強度検出回路21、静電容量変更回路23、周波数決定回路24及びPLL回路25を備えている。ミキサの入力端子には受信信号及び局部発振信号が入力される。ミキサ18は両信号を混合して中間周波信号を生成する。信号強度検出回路21は中間周波信号の強度を検出する。受信回路6は受信信号の周波数に局部発振信号のそれを合わせるように動作する。
【選択図】 図1
【解決手段】受信回路6は、ミキサ18、信号強度検出回路21、静電容量変更回路23、周波数決定回路24及びPLL回路25を備えている。ミキサの入力端子には受信信号及び局部発振信号が入力される。ミキサ18は両信号を混合して中間周波信号を生成する。信号強度検出回路21は中間周波信号の強度を検出する。受信回路6は受信信号の周波数に局部発振信号のそれを合わせるように動作する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車においては「電波キーシステム」と呼ばれるリモコン装置が広く使われるようになってきた。電波キーシステムでは、例えば、イグニッションキーに内蔵した送信機から電波を発し、その電波を車載受信機にて受信することにより、自動車から離れた場所からでもドアロックやエンジン始動などの制御を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような送信機では狭帯域FM信号を用いており、受信機は受信する電波の周波数領域を送信機から送信される電波の周波数に一致させて該電波を受信している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−242503号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、送信機の発振回路には安定した発振周波数を一般に高価な水晶を用いた水晶発振回路が用いられており送信機のコストが高くなるため、例えば安価に手に入るSAW共振子を用いて送信機の発振回路を構成したいという要望があった。
【0006】
しかしながら、SAW共振子を用いて発振回路を構成すると、該発振回路にて生成される信号の周波数に偏差が生じるため、送信機から送信される電波にも周波数の偏差が発生することが知られている。このような場合には、受信機が受信する電波の周波数領域を送信機から送信される電波の周波数に一致させることができないため、受信機は送信された電波を好適に受信できないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、送信電波を確実に受信可能な受信回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、局部発振信号を生成する局部発振手段と、受信信号と前記局部発振信号から中間周波信号を生成するミキサと、前記中間周波信号の強度に応じた強度電圧を出力する検出手段と、前記局部発振信号の周波数を制御する基準信号を生成する信号生成手段と、前記強度電圧に基づいて前記基準信号の周波数を決定する周波数決定手段と、前記中間周波信号に基づいて受信信号を検波する検波手段を備え、前記周波数決定手段は前記強度電圧に応じて前記基準信号の周波数を変更又は保持した。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、基準信号の周波数は中間周波信号が好適な値を得られるようにその値が調整される。従って、受信信号の周波数が周囲の温度などにより変化しても強度の強い中間周波信号を得ることができ、好適に受信信号の検波が行われる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記周波数決定手段は、静電容量に基づいて前記基準信号の周波数を決定する可変容量コンデンサを備え、前記強度電圧に基づいて前記可変容量コンデンサに印加する印加電圧を変化させることで前記可変容量コンデンサの静電容量を変化させる静電容量変更手段を備えた。
【0011】
従って、請求項2に記載の発明によれば静電容量変更手段にて可変容量コンデンサの静電容量を制御することで容易に基準信号の周波数が変更される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記静電容量変更手段は前記強度電圧と基準電圧との比較結果に応じてオンオフするスイッチング素子を備え、該スイッチング素子を介して前記可変容量コンデンサに電源を供給した。
【0012】
従って、請求項3に記載の発明によれば、強度電圧と基準電圧との比較結果に応じてスイッチング素子がオンオフ制御されるため、例えばCPU等を用いて可変容量コンデンサに供給する電源の制御を行う必要がない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
図4は、リモートキーシステム1の概略構成図である。
【0014】
リモートキーシステムは、所有者(家人・運転者など)によって所持される送信機2と、ドア3におけるドア錠の近辺に設けられた制御装置4とから構成されている。そして、送信機2に設けられた操作スイッチ2aが操作されると、送信機2は所定のIDコードを含む送信信号を送信する。制御装置4は、受信アンテナ5にて送信信号を受信すると、該信号を受信信号として受信回路6に入力する。受信回路6は受信信号が入力されると、該信号をマイクロコンピュータ(マイコン)7にて読み取り可能な信号に変換し、マイコン7に出力する。
【0015】
マイコン7は、受信回路6から入力された信号に含まれる送信機2のIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとを比較(IDコード照合)し、それらIDコード同士が一致したときにドアロック駆動装置8を駆動させてドア錠を解錠または施錠させる。
【0016】
このため、所有者は、機械鍵を用いることなく遠隔操作によってドア錠の施解錠を行うことができ、操作性が向上する。また、ドア錠は電子符号錠となっているため、セキュリティレベルも向上する。
【0017】
マイコン7にはバッテリ9から駆動電源が供給されている。また、バッテリ9はタイマ回路10に接続されている。タイマ回路10は、受信回路6に対して所定の周期で間欠的に給電を行うとともに、マイコン7から入力される給電信号に応答して受信回路6に駆動電源を供給する。
【0018】
マイコン7は、受信回路6から入力される受信信号に基づいて、該受信回路6が送信機2からの電波を受信しているか否かを判断する。マイコン7は受信回路6が電波を受信していないと判断すると、機能制限を行うことによって電力消費量が低減される休止モードとなる。一方、受信回路6が受信周波数の電波を受信していると判断すると、マイコン7は制御を休止モードから起動モードに切り換え、受信回路6を常時作動させるべくタイマ回路10に対して給電信号を出力する。
【0019】
タイマ回路10は、給電信号が入力されている間、受信回路6に対して継続的に給電を行う。このため、受信回路6は、マイコン7が起動モードの際には常時作動した状態となる。また、マイコン7は、IDコード照合を行い、それらIDコード同士が一致したときにドアロック駆動装置8を駆動させてドア錠を解錠または施錠させる。これに対し、各IDコード同士が一致しなかった場合マイコン7は、タイマ回路10に対する給電信号の出力を停止するとともに、制御を起動モードから休止モードに切り換える。このため、受信回路6は、再びタイマ回路10からの給電に基づいて間欠的に作動するようになる。
【0020】
図5は、送信機2に備えられる送信回路11の概略回路図である。
送信回路11は、マイコン12及び送信アンテナ13に接続されている。送信機2の操作スイッチ2aが操作されると、マイコン12は送信回路11に送信信号の生成を行う旨の信号及びIDコードを出力する。送信回路11はマイコン12から送信信号の生成を行う旨の信号及び所定のIDコードを含む信号が入力されると、搬送波を発振するとともに該搬送波にIDコードを変調して送信信号を生成し、該送信信号を送信アンテナ13に出力する。
【0021】
送信回路11は可変容量コンデンサ14、SAW共振子15及びオシレータ16を備えている。可変容量コンデンサ14はマイコン12から印加される信号の電圧に応じてその静電容量が変化し、SAW共振子15は可変容量コンデンサ14の静電容量に応じた周波数の信号を発振する。オシレータ16はSAW共振子15にて発振された信号を逓倍するとともにマイコン12から入力されたIDコードを変調し、所定の周波数を持つ送信信号を生成する。
【0022】
図1は、制御装置4に備えられる受信回路6の概略回路図である。
受信回路6は、RFアンプ17、ミキサ18、IFアンプ19、バンドパスフィルタ20を備えている。また、受信回路6は信号強度検出手段としての信号強度検出回路21、検波手段としての検波回路22、静電容量変更手段としての静電容量変更回路23、周波数決定手段としての周波数決定回路24及び局部発振手段としての位相同期ループ回路(PLL回路)25を備えている。RFアンプ17は図4に示す受信アンテナ5が接続され、該受信アンテナ5にて受信した信号を増幅してミキサ18に出力する。
【0023】
ミキサ18の入力端子にはRFアンプ17にて増幅された受信信号及びPLL回路25にて発振された局部発振信号が入力される。ミキサ18は両信号を混合して生成した中間周波信号をIFアンプ19に出力する。中間周波信号はPLL回路25から出力される局部発振信号及びRFアンプ17から入力される受信信号に応じた強度を持つ。詳しくは、中間周波信号は、受信信号と局部発振信号との周波数の差に応じた強度となる。
【0024】
IFアンプ19はミキサ18にて生成された中間周波信号を増幅してバンドパスフィルタ20に出力する。
バンドパスフィルタ20はIFアンプ19にて増幅された中間周波信号のうちの所定周波数領域の信号のみを抽出して、該信号を信号強度検出回路21に出力する。
【0025】
信号強度検出回路21はバンドパスフィルタ20から入力された中間周波信号を増幅するとともにその強度を検出する。詳しくは、信号強度検出回路21はログアンプにて構成されるリミッタアンプ26及びRSSI回路27を備えている。リミッタアンプ26はバンドパスフィルタ20から入力された信号を対数圧縮して検波回路22に出力するとともに、該入力信号の強度をRSSI回路27に出力する。
【0026】
RSSI回路27はリミッタアンプ26から入力された信号の強度に応じた強度電圧を静電容量変更回路23に出力する。具体的にはリミッタアンプ26に入力された信号が大きくなるのに伴い高い電圧を持つ強度電圧を静電容量変更回路23に出力する。
【0027】
検波回路22はリミッタアンプ26にて入力された信号に基づいて受信信号を検波する。検波回路22はFM検波回路28及び位相変換回路29を備えている。位相変換回路29はFM検波回路28に入力された信号に基づいて、外信号の位相をπ/2ずらした信号を生成する。FM検波回路28はリミッタアンプ26にて入力された信号と、位相変換回路29にて生成された信号との積により信号波を取り出すクォドラチュア検波にて受信信号の検波を行う。FM検波回路28はこのようにしてIDコードを含む信号を検波すると、該信号を図4に示すマイコン7に出力する。
【0028】
静電容量変更回路23はRSSI回路27から入力される強度電圧、即ちリミッタアンプ26に入力された信号の強度に応じて周波数決定回路24の動作を制御する。静電容量変更回路23はコンパレータ30及びスイッチング素子としてのトランジスタ31を備えている。
【0029】
コンパレータ30は、非反転入力端子がRSSI回路27及びコンデンサ32に接続されており、反転入力端子が基準電圧回路33に接続されている。コンデンサ32は非反転入力端子の他側がグランドに接地されている。基準電圧回路33は抵抗34,35を備えており、高電位電源電圧と低電位電源電圧の電位差を両抵抗34,35により分圧した基準電圧を生成する。コンパレータ30は両入力端子に入力された強度電圧と基準電圧を比較した結果に応じたレベルの信号を出力する。
【0030】
コンパレータ30の出力端子は抵抗36を介してトランジスタ31に接続されている。従って、トランジスタ31の動作はコンパレータ30よって制御される。即ち、RSSI回路27から入力された強度電圧が基準電圧よりも低い時にはコンパレータ30によってトランジスタ31がオンされ、強度電圧が基準電圧よりも高いときにはトランジスタ31がオフされる。即ち、基準電圧は、リミッタアンプ26に入力された信号の強度では好適に受信信号の検波が行えないであろうと推量される値に設定されている。
【0031】
このように形成された静電容量変更回路23は、RSSI回路27にて生成される強度電圧の大きさによってトランジスタ31をオンオフ制御する。詳しくは、信号強度検出回路21に入力される信号が弱い時にはトランジスタ31をオンし、信号が強い時にはトランジスタ31をオフする。
【0032】
周波数決定回路24はPLL回路25からミキサ18に出力する信号の基準となる基準信号の生成を行う。
周波数決定回路24は抵抗37、ダイオード38、積分回路39、コンデンサ40〜42、コイル43及び信号生成手段としての水晶発振回路44を備えている。
【0033】
トランジスタ31のエミッタ端子は抵抗37を介して高電位電源に接続され、トランジスタ31のコレクタ端子はダイオード38のアノードと、積分回路39に接続されている。ダイオード38のカソードは高電位電源に接続されている。
【0034】
積分回路39はコンデンサと抵抗からなり、その出力端子はコンデンサ40とコンデンサ41の間のノード45に接続されている。積分回路39は、トランジスタ31がオンされたときに高電位電源から供給される電圧に基づき、ノード45の電位をそのコンデンサ容量と抵抗値により決定される時定数に応じて上昇させる。
【0035】
コンデンサ40,41は直列に接続されており、両コンデンサ40,41とコンデンサ42は並列に接続されている。コンデンサ40とコンデンサ42の接続点はコイル43を介して水晶発振回路44に接続されている。コンデンサ40,42は通常のコンデンサであり、コンデンサ41は可変容量コンデンサ41である。可変容量コンデンサ41は、ノード45の電圧に応じた静電容量を持つ。従って、コンデンサ40〜42の合成容量は、ノード45の電圧の変化による可変容量コンデンサ41の静電容量の変化とともに変化する。そして、コンデンサ40〜42は、その合成容量により水晶発振回路44から出力される信号の発振周波数を決定している。
【0036】
水晶発振回路44はコンデンサ40〜42の合成容量に基づいてPLL回路25にて発振される局部発振信号の基準となる基準信号を生成し、該信号をPLL回路25に出力する。
【0037】
図2はコンデンサの合成容量の変化に伴う基準信号の周波数の変化を示すグラフである。図に示すように、コンデンサ40〜42の合成容量CがC1+C2からΔCだけ減少して静電容量C1となると、それに応じて基準信号の周波数fはf2からf1まで増加する。尚、コンデンサ40〜42の合成容量は直列に接続されたコンデンサ40,41の合成容量C2と両コンデンサ40,41と並列に接続されたコンデンサ42の静電容量C1との和によって求められ、基準信号の周波数の変化幅は該コンデンサ40〜42の各静電容量にて決定される。
【0038】
このように形成された周波数決定回路24は、トランジスタ31がオンされている間コンデンサ40〜42の合成容量が変化し、出力する基準信号の周波数を変化させる。例えば、トランジスタ31がオンされと積分回路39によって可変容量コンデンサ41の印加電圧が上昇し、それに伴い可変容量コンデンサ41の静電容量が減少して基準信号の周波数が高くなる。
【0039】
PLL回路25は、周波数決定回路24より入力された信号に基づいて局部発振信号を生成する。PLL回路25は電圧制御発振器(VCO)46、分周器47及び比較器48を備えている。
【0040】
VCO46は比較器48から入力された電圧に応じた発振周波数の信号(局部発振信号)を出力する。分周器47はVCO46にて生成された信号を分周して比較器48に出力する。比較器48は、分周器47から入力される信号と周波数決定回路24から入力される基準信号の位相を比較し、該比較結果に応じた電圧を持つ信号をVCO46に出力する。このPLL回路25は、分周器47から出力される信号の周波数を基準信号のそれと一致させるように動作し、結果として基準信号の周波数を逓倍した周波数を持つ局部発振信号を生成する。この局部発振信号は、水晶発振回路44の発振周波数がコンデンサ41の静電容量、即ちRSSI回路27から出力される強度電圧、つまり中間周波信号の強度に応じて変化する。
【0041】
図3はPLL回路25にて出力される局部発振信号の周波数と、受信信号との関係を示す説明図である。図に示すように、受信回路6は、局部発振信号の周波数fcを中心として所定の帯域幅にて受信信号を受信可能であり、図5に示すSAW共振子15にて生成される送信信号Txの周波数は、素子のバラツキや周囲温度によって受信回路6の受信帯域よりも広い周波数公差の範囲内となる。
【0042】
これに対し、受信回路6は、送信信号Txの周波数公差に対応して局部発振信号の周波数が開始周波数f2から終了周波数f1までスイープ(掃引)するように構成されている、即ち周波数決定回路24のコンデンサ40〜42の静電容量が設定されている。
【0043】
次に受信回路の作用を図1〜図3に基づいて説明する。
受信アンテナ5で受信された受信信号は、RFアンプ17、ミキサ18、IFアンプ19、バンドパスフィルタ20を経て信号強度検出回路21に入力される。信号強度検出回路21はバンドパスフィルタ20にて入力された信号を検波回路22に出力するとともに、該信号の強度に応じた強度電圧を静電容量変更回路23に出力する。
【0044】
静電容量変更回路23及び周波数決定回路24は信号強度検出回路21から出力された強度電圧が低い時、即ち局部発振信号の帯域幅内に受信信号が存在しない時、トランジスタ31をオンすることで、PLL回路25から出力される局部発振信号の周波数を増加する。そして、ミキサ18から出力される中間周波信号を新たに生成すると、該中間周波信号に基づいた信号の強度を信号強度検出回路21にて検出する。
【0045】
受信回路はこのようにして局部発振信号の周波数を周波数f2から周波数f1まで徐々に増加させながら、信号強度検出回路21から出力される強度電圧にて中間周波信号の強さを検出する。
【0046】
そして、信号強度検出回路21にて十分な強度の信号が検出されると、トランジスタ31をオフして可変容量コンデンサ41の印加電圧の変更を停止する。この時の局部発振信号の周波数は送信信号Txのそれとほぼ一致しており、受信回路6は送信信号Tx(受信信号)の周波数とほぼ一致した局部発振信号により中間周波信号を生成して該受信信号を復調する。尚、可変容量コンデンサ41の印加電圧は、積分回路39を構成するコンデンサにて受信動作を完了するまで(受信信号を復調する間)保持されるようになっている。
【0047】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)信号強度検出回路21にて中間周波信号の強度を検出し、該中間周波信号の強度に応じて静電容量変更回路23にて基準信号の周波数を調整することで局部発振信号の周波数を変更するようにした。従って、受信回路6は、送信機2から送信される送信信号、即ち受信信号の周波数に局部発振信号のそれを合わせるように動作する。この結果、送信信号(受信信号)の周波数が周囲の温度などにより変化しても強度の強い中間周波信号を得ることができ、受信信号を検波回路22にて好適に検波することができる。換言すれば、送信機2に送信信号の周波数を安定にするために高価な水晶発振子を用いなくてもよいため、送信機2を安価にすることができる。
【0048】
(2)PLL回路25は、周波数決定回路24から入力される基準信号と分周器47から出力される信号との位相を比較器48にて比較し、両信号の位相及び周波数の違いに応じて局部発振信号を変化させる。従って、分周器47から出力される信号は基準信号に追従して変化され、局部発振信号を基準信号にて確実に制御することができる。
【0049】
(3)コンデンサ40〜42の合成容量は、直列に接続されたコンデンサ40,41の合成容量C2と両コンデンサ40,41と並列に接続されたコンデンサ42の静電容量C1との和によって求められる。従って、コンデンサ42の静電容量C1を好適に設定することにより、コンデンサ40〜42の合成容量の最小値を設定することができ、該合成容量を元に得られる基準信号の周波数の最大値を設定することができる。従って、検出範囲を所定範囲内に抑えることにより、検出時間を短縮することができる。
【0050】
(4)可変容量コンデンサ41には積分回路39から電圧が供給されている。従って、可変容量コンデンサ41の印加電圧を積分回路39の時定数によって変更することができ、局部発振信号をスイープさせることができる。
【0051】
(5)コンデンサ40〜42の合成容量の変更は信号強度検出回路21から出力された強度電圧に応じてトランジスタ31がオンオフ制御されることにより行われる。従って、CPU等を備えることなく受信回路を構成することができる。
【0052】
(6)送信機2はSAW共振子15を用いて構成することができるため、水晶発振回路を用いた送信機に比べて落下などの衝撃に強い送信機を提供することができる。
【0053】
尚、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態において、周波数決定回路24の構成及び接続関係を適時変更してもよい。
【0054】
・上記実施の形態において、局部発振手段はPLL回路25を用いて構成されていたが、その他の回路を用いて局部発振信号を基準信号に追従させるものでもよい。
【0055】
・上記実施の形態においては、IFアンプ19により増幅された信号をバンドパスフィルタ20を介してリミッタアンプ26に入力したが、中間周波信号から受信信号を検波可能であればよく、バンドパスフィルタ20の代わりにローパスフィルタを用いてもよい。
【0056】
・上記実施の形態においては、静電容量変更回路23をトランジスタ31を備えて構成し、静電容量変更回路23に入力される強度電圧に応じてトランジスタ31の作動を制御し、周波数決定回路24から出力される基準信号の周波数を調整した。しかし、基準信号の周波数を調整する方法は他のものを用いてもよく、例えば信号強度検出回路21にて検出された中間周波信号の強度をCPUに入力し、該CPUが予め記憶された関係式などに基づき基準信号の周波数を調整してもよい。
【0057】
次に、上記実施の形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
(イ) 前記スイッチング素子と前記可変容量コンデンサとの間に積分回路が接続され、該積分回路を介して前記可変容量コンデンサに電圧を供給することを特徴とする請求項3に記載の受信回路。この構成によれば、可変容量コンデンサに供給される電圧を積分回路の時定数に応じて徐々に変化させることができ、局部発振信号をスイープさせることができる。
【0058】
(ロ) 前記局部発振手段は位相同期ループ回路を用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜3及び上記(イ)のうちのいずれか一項に記載の受信回路。この構成によれば、局部発振信号は周波数決定手段により出力される基準信号の変化に追従し、効率よく生成される。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、送信電波を確実に受信可能な受信回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】受信回路の概略ブロック回路図。
【図2】コンデンサ容量と発振周波数との関係を示す特性図。
【図3】受信回路の動作説明図。
【図4】リモートキーシステムの概略構成図。
【図5】送信回路のブロック回路図。
【符号の説明】
18…ミキサ、21…信号強度検出手段としての信号強度検出回路、22…検波手段としての検波回路、23…静電容量変更手段としての静電容量変更回路、24…周波数決定手段としての周波数決定回路、25…局部発振手段としてのPLL回路、31…トランジスタ、39…積分回路、40〜42…コンデンサ、44…信号生成手段としての水晶発振回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車においては「電波キーシステム」と呼ばれるリモコン装置が広く使われるようになってきた。電波キーシステムでは、例えば、イグニッションキーに内蔵した送信機から電波を発し、その電波を車載受信機にて受信することにより、自動車から離れた場所からでもドアロックやエンジン始動などの制御を行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような送信機では狭帯域FM信号を用いており、受信機は受信する電波の周波数領域を送信機から送信される電波の周波数に一致させて該電波を受信している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−242503号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、送信機の発振回路には安定した発振周波数を一般に高価な水晶を用いた水晶発振回路が用いられており送信機のコストが高くなるため、例えば安価に手に入るSAW共振子を用いて送信機の発振回路を構成したいという要望があった。
【0006】
しかしながら、SAW共振子を用いて発振回路を構成すると、該発振回路にて生成される信号の周波数に偏差が生じるため、送信機から送信される電波にも周波数の偏差が発生することが知られている。このような場合には、受信機が受信する電波の周波数領域を送信機から送信される電波の周波数に一致させることができないため、受信機は送信された電波を好適に受信できないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、送信電波を確実に受信可能な受信回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、局部発振信号を生成する局部発振手段と、受信信号と前記局部発振信号から中間周波信号を生成するミキサと、前記中間周波信号の強度に応じた強度電圧を出力する検出手段と、前記局部発振信号の周波数を制御する基準信号を生成する信号生成手段と、前記強度電圧に基づいて前記基準信号の周波数を決定する周波数決定手段と、前記中間周波信号に基づいて受信信号を検波する検波手段を備え、前記周波数決定手段は前記強度電圧に応じて前記基準信号の周波数を変更又は保持した。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、基準信号の周波数は中間周波信号が好適な値を得られるようにその値が調整される。従って、受信信号の周波数が周囲の温度などにより変化しても強度の強い中間周波信号を得ることができ、好適に受信信号の検波が行われる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記周波数決定手段は、静電容量に基づいて前記基準信号の周波数を決定する可変容量コンデンサを備え、前記強度電圧に基づいて前記可変容量コンデンサに印加する印加電圧を変化させることで前記可変容量コンデンサの静電容量を変化させる静電容量変更手段を備えた。
【0011】
従って、請求項2に記載の発明によれば静電容量変更手段にて可変容量コンデンサの静電容量を制御することで容易に基準信号の周波数が変更される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記静電容量変更手段は前記強度電圧と基準電圧との比較結果に応じてオンオフするスイッチング素子を備え、該スイッチング素子を介して前記可変容量コンデンサに電源を供給した。
【0012】
従って、請求項3に記載の発明によれば、強度電圧と基準電圧との比較結果に応じてスイッチング素子がオンオフ制御されるため、例えばCPU等を用いて可変容量コンデンサに供給する電源の制御を行う必要がない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき詳細に説明する。
図4は、リモートキーシステム1の概略構成図である。
【0014】
リモートキーシステムは、所有者(家人・運転者など)によって所持される送信機2と、ドア3におけるドア錠の近辺に設けられた制御装置4とから構成されている。そして、送信機2に設けられた操作スイッチ2aが操作されると、送信機2は所定のIDコードを含む送信信号を送信する。制御装置4は、受信アンテナ5にて送信信号を受信すると、該信号を受信信号として受信回路6に入力する。受信回路6は受信信号が入力されると、該信号をマイクロコンピュータ(マイコン)7にて読み取り可能な信号に変換し、マイコン7に出力する。
【0015】
マイコン7は、受信回路6から入力された信号に含まれる送信機2のIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとを比較(IDコード照合)し、それらIDコード同士が一致したときにドアロック駆動装置8を駆動させてドア錠を解錠または施錠させる。
【0016】
このため、所有者は、機械鍵を用いることなく遠隔操作によってドア錠の施解錠を行うことができ、操作性が向上する。また、ドア錠は電子符号錠となっているため、セキュリティレベルも向上する。
【0017】
マイコン7にはバッテリ9から駆動電源が供給されている。また、バッテリ9はタイマ回路10に接続されている。タイマ回路10は、受信回路6に対して所定の周期で間欠的に給電を行うとともに、マイコン7から入力される給電信号に応答して受信回路6に駆動電源を供給する。
【0018】
マイコン7は、受信回路6から入力される受信信号に基づいて、該受信回路6が送信機2からの電波を受信しているか否かを判断する。マイコン7は受信回路6が電波を受信していないと判断すると、機能制限を行うことによって電力消費量が低減される休止モードとなる。一方、受信回路6が受信周波数の電波を受信していると判断すると、マイコン7は制御を休止モードから起動モードに切り換え、受信回路6を常時作動させるべくタイマ回路10に対して給電信号を出力する。
【0019】
タイマ回路10は、給電信号が入力されている間、受信回路6に対して継続的に給電を行う。このため、受信回路6は、マイコン7が起動モードの際には常時作動した状態となる。また、マイコン7は、IDコード照合を行い、それらIDコード同士が一致したときにドアロック駆動装置8を駆動させてドア錠を解錠または施錠させる。これに対し、各IDコード同士が一致しなかった場合マイコン7は、タイマ回路10に対する給電信号の出力を停止するとともに、制御を起動モードから休止モードに切り換える。このため、受信回路6は、再びタイマ回路10からの給電に基づいて間欠的に作動するようになる。
【0020】
図5は、送信機2に備えられる送信回路11の概略回路図である。
送信回路11は、マイコン12及び送信アンテナ13に接続されている。送信機2の操作スイッチ2aが操作されると、マイコン12は送信回路11に送信信号の生成を行う旨の信号及びIDコードを出力する。送信回路11はマイコン12から送信信号の生成を行う旨の信号及び所定のIDコードを含む信号が入力されると、搬送波を発振するとともに該搬送波にIDコードを変調して送信信号を生成し、該送信信号を送信アンテナ13に出力する。
【0021】
送信回路11は可変容量コンデンサ14、SAW共振子15及びオシレータ16を備えている。可変容量コンデンサ14はマイコン12から印加される信号の電圧に応じてその静電容量が変化し、SAW共振子15は可変容量コンデンサ14の静電容量に応じた周波数の信号を発振する。オシレータ16はSAW共振子15にて発振された信号を逓倍するとともにマイコン12から入力されたIDコードを変調し、所定の周波数を持つ送信信号を生成する。
【0022】
図1は、制御装置4に備えられる受信回路6の概略回路図である。
受信回路6は、RFアンプ17、ミキサ18、IFアンプ19、バンドパスフィルタ20を備えている。また、受信回路6は信号強度検出手段としての信号強度検出回路21、検波手段としての検波回路22、静電容量変更手段としての静電容量変更回路23、周波数決定手段としての周波数決定回路24及び局部発振手段としての位相同期ループ回路(PLL回路)25を備えている。RFアンプ17は図4に示す受信アンテナ5が接続され、該受信アンテナ5にて受信した信号を増幅してミキサ18に出力する。
【0023】
ミキサ18の入力端子にはRFアンプ17にて増幅された受信信号及びPLL回路25にて発振された局部発振信号が入力される。ミキサ18は両信号を混合して生成した中間周波信号をIFアンプ19に出力する。中間周波信号はPLL回路25から出力される局部発振信号及びRFアンプ17から入力される受信信号に応じた強度を持つ。詳しくは、中間周波信号は、受信信号と局部発振信号との周波数の差に応じた強度となる。
【0024】
IFアンプ19はミキサ18にて生成された中間周波信号を増幅してバンドパスフィルタ20に出力する。
バンドパスフィルタ20はIFアンプ19にて増幅された中間周波信号のうちの所定周波数領域の信号のみを抽出して、該信号を信号強度検出回路21に出力する。
【0025】
信号強度検出回路21はバンドパスフィルタ20から入力された中間周波信号を増幅するとともにその強度を検出する。詳しくは、信号強度検出回路21はログアンプにて構成されるリミッタアンプ26及びRSSI回路27を備えている。リミッタアンプ26はバンドパスフィルタ20から入力された信号を対数圧縮して検波回路22に出力するとともに、該入力信号の強度をRSSI回路27に出力する。
【0026】
RSSI回路27はリミッタアンプ26から入力された信号の強度に応じた強度電圧を静電容量変更回路23に出力する。具体的にはリミッタアンプ26に入力された信号が大きくなるのに伴い高い電圧を持つ強度電圧を静電容量変更回路23に出力する。
【0027】
検波回路22はリミッタアンプ26にて入力された信号に基づいて受信信号を検波する。検波回路22はFM検波回路28及び位相変換回路29を備えている。位相変換回路29はFM検波回路28に入力された信号に基づいて、外信号の位相をπ/2ずらした信号を生成する。FM検波回路28はリミッタアンプ26にて入力された信号と、位相変換回路29にて生成された信号との積により信号波を取り出すクォドラチュア検波にて受信信号の検波を行う。FM検波回路28はこのようにしてIDコードを含む信号を検波すると、該信号を図4に示すマイコン7に出力する。
【0028】
静電容量変更回路23はRSSI回路27から入力される強度電圧、即ちリミッタアンプ26に入力された信号の強度に応じて周波数決定回路24の動作を制御する。静電容量変更回路23はコンパレータ30及びスイッチング素子としてのトランジスタ31を備えている。
【0029】
コンパレータ30は、非反転入力端子がRSSI回路27及びコンデンサ32に接続されており、反転入力端子が基準電圧回路33に接続されている。コンデンサ32は非反転入力端子の他側がグランドに接地されている。基準電圧回路33は抵抗34,35を備えており、高電位電源電圧と低電位電源電圧の電位差を両抵抗34,35により分圧した基準電圧を生成する。コンパレータ30は両入力端子に入力された強度電圧と基準電圧を比較した結果に応じたレベルの信号を出力する。
【0030】
コンパレータ30の出力端子は抵抗36を介してトランジスタ31に接続されている。従って、トランジスタ31の動作はコンパレータ30よって制御される。即ち、RSSI回路27から入力された強度電圧が基準電圧よりも低い時にはコンパレータ30によってトランジスタ31がオンされ、強度電圧が基準電圧よりも高いときにはトランジスタ31がオフされる。即ち、基準電圧は、リミッタアンプ26に入力された信号の強度では好適に受信信号の検波が行えないであろうと推量される値に設定されている。
【0031】
このように形成された静電容量変更回路23は、RSSI回路27にて生成される強度電圧の大きさによってトランジスタ31をオンオフ制御する。詳しくは、信号強度検出回路21に入力される信号が弱い時にはトランジスタ31をオンし、信号が強い時にはトランジスタ31をオフする。
【0032】
周波数決定回路24はPLL回路25からミキサ18に出力する信号の基準となる基準信号の生成を行う。
周波数決定回路24は抵抗37、ダイオード38、積分回路39、コンデンサ40〜42、コイル43及び信号生成手段としての水晶発振回路44を備えている。
【0033】
トランジスタ31のエミッタ端子は抵抗37を介して高電位電源に接続され、トランジスタ31のコレクタ端子はダイオード38のアノードと、積分回路39に接続されている。ダイオード38のカソードは高電位電源に接続されている。
【0034】
積分回路39はコンデンサと抵抗からなり、その出力端子はコンデンサ40とコンデンサ41の間のノード45に接続されている。積分回路39は、トランジスタ31がオンされたときに高電位電源から供給される電圧に基づき、ノード45の電位をそのコンデンサ容量と抵抗値により決定される時定数に応じて上昇させる。
【0035】
コンデンサ40,41は直列に接続されており、両コンデンサ40,41とコンデンサ42は並列に接続されている。コンデンサ40とコンデンサ42の接続点はコイル43を介して水晶発振回路44に接続されている。コンデンサ40,42は通常のコンデンサであり、コンデンサ41は可変容量コンデンサ41である。可変容量コンデンサ41は、ノード45の電圧に応じた静電容量を持つ。従って、コンデンサ40〜42の合成容量は、ノード45の電圧の変化による可変容量コンデンサ41の静電容量の変化とともに変化する。そして、コンデンサ40〜42は、その合成容量により水晶発振回路44から出力される信号の発振周波数を決定している。
【0036】
水晶発振回路44はコンデンサ40〜42の合成容量に基づいてPLL回路25にて発振される局部発振信号の基準となる基準信号を生成し、該信号をPLL回路25に出力する。
【0037】
図2はコンデンサの合成容量の変化に伴う基準信号の周波数の変化を示すグラフである。図に示すように、コンデンサ40〜42の合成容量CがC1+C2からΔCだけ減少して静電容量C1となると、それに応じて基準信号の周波数fはf2からf1まで増加する。尚、コンデンサ40〜42の合成容量は直列に接続されたコンデンサ40,41の合成容量C2と両コンデンサ40,41と並列に接続されたコンデンサ42の静電容量C1との和によって求められ、基準信号の周波数の変化幅は該コンデンサ40〜42の各静電容量にて決定される。
【0038】
このように形成された周波数決定回路24は、トランジスタ31がオンされている間コンデンサ40〜42の合成容量が変化し、出力する基準信号の周波数を変化させる。例えば、トランジスタ31がオンされと積分回路39によって可変容量コンデンサ41の印加電圧が上昇し、それに伴い可変容量コンデンサ41の静電容量が減少して基準信号の周波数が高くなる。
【0039】
PLL回路25は、周波数決定回路24より入力された信号に基づいて局部発振信号を生成する。PLL回路25は電圧制御発振器(VCO)46、分周器47及び比較器48を備えている。
【0040】
VCO46は比較器48から入力された電圧に応じた発振周波数の信号(局部発振信号)を出力する。分周器47はVCO46にて生成された信号を分周して比較器48に出力する。比較器48は、分周器47から入力される信号と周波数決定回路24から入力される基準信号の位相を比較し、該比較結果に応じた電圧を持つ信号をVCO46に出力する。このPLL回路25は、分周器47から出力される信号の周波数を基準信号のそれと一致させるように動作し、結果として基準信号の周波数を逓倍した周波数を持つ局部発振信号を生成する。この局部発振信号は、水晶発振回路44の発振周波数がコンデンサ41の静電容量、即ちRSSI回路27から出力される強度電圧、つまり中間周波信号の強度に応じて変化する。
【0041】
図3はPLL回路25にて出力される局部発振信号の周波数と、受信信号との関係を示す説明図である。図に示すように、受信回路6は、局部発振信号の周波数fcを中心として所定の帯域幅にて受信信号を受信可能であり、図5に示すSAW共振子15にて生成される送信信号Txの周波数は、素子のバラツキや周囲温度によって受信回路6の受信帯域よりも広い周波数公差の範囲内となる。
【0042】
これに対し、受信回路6は、送信信号Txの周波数公差に対応して局部発振信号の周波数が開始周波数f2から終了周波数f1までスイープ(掃引)するように構成されている、即ち周波数決定回路24のコンデンサ40〜42の静電容量が設定されている。
【0043】
次に受信回路の作用を図1〜図3に基づいて説明する。
受信アンテナ5で受信された受信信号は、RFアンプ17、ミキサ18、IFアンプ19、バンドパスフィルタ20を経て信号強度検出回路21に入力される。信号強度検出回路21はバンドパスフィルタ20にて入力された信号を検波回路22に出力するとともに、該信号の強度に応じた強度電圧を静電容量変更回路23に出力する。
【0044】
静電容量変更回路23及び周波数決定回路24は信号強度検出回路21から出力された強度電圧が低い時、即ち局部発振信号の帯域幅内に受信信号が存在しない時、トランジスタ31をオンすることで、PLL回路25から出力される局部発振信号の周波数を増加する。そして、ミキサ18から出力される中間周波信号を新たに生成すると、該中間周波信号に基づいた信号の強度を信号強度検出回路21にて検出する。
【0045】
受信回路はこのようにして局部発振信号の周波数を周波数f2から周波数f1まで徐々に増加させながら、信号強度検出回路21から出力される強度電圧にて中間周波信号の強さを検出する。
【0046】
そして、信号強度検出回路21にて十分な強度の信号が検出されると、トランジスタ31をオフして可変容量コンデンサ41の印加電圧の変更を停止する。この時の局部発振信号の周波数は送信信号Txのそれとほぼ一致しており、受信回路6は送信信号Tx(受信信号)の周波数とほぼ一致した局部発振信号により中間周波信号を生成して該受信信号を復調する。尚、可変容量コンデンサ41の印加電圧は、積分回路39を構成するコンデンサにて受信動作を完了するまで(受信信号を復調する間)保持されるようになっている。
【0047】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)信号強度検出回路21にて中間周波信号の強度を検出し、該中間周波信号の強度に応じて静電容量変更回路23にて基準信号の周波数を調整することで局部発振信号の周波数を変更するようにした。従って、受信回路6は、送信機2から送信される送信信号、即ち受信信号の周波数に局部発振信号のそれを合わせるように動作する。この結果、送信信号(受信信号)の周波数が周囲の温度などにより変化しても強度の強い中間周波信号を得ることができ、受信信号を検波回路22にて好適に検波することができる。換言すれば、送信機2に送信信号の周波数を安定にするために高価な水晶発振子を用いなくてもよいため、送信機2を安価にすることができる。
【0048】
(2)PLL回路25は、周波数決定回路24から入力される基準信号と分周器47から出力される信号との位相を比較器48にて比較し、両信号の位相及び周波数の違いに応じて局部発振信号を変化させる。従って、分周器47から出力される信号は基準信号に追従して変化され、局部発振信号を基準信号にて確実に制御することができる。
【0049】
(3)コンデンサ40〜42の合成容量は、直列に接続されたコンデンサ40,41の合成容量C2と両コンデンサ40,41と並列に接続されたコンデンサ42の静電容量C1との和によって求められる。従って、コンデンサ42の静電容量C1を好適に設定することにより、コンデンサ40〜42の合成容量の最小値を設定することができ、該合成容量を元に得られる基準信号の周波数の最大値を設定することができる。従って、検出範囲を所定範囲内に抑えることにより、検出時間を短縮することができる。
【0050】
(4)可変容量コンデンサ41には積分回路39から電圧が供給されている。従って、可変容量コンデンサ41の印加電圧を積分回路39の時定数によって変更することができ、局部発振信号をスイープさせることができる。
【0051】
(5)コンデンサ40〜42の合成容量の変更は信号強度検出回路21から出力された強度電圧に応じてトランジスタ31がオンオフ制御されることにより行われる。従って、CPU等を備えることなく受信回路を構成することができる。
【0052】
(6)送信機2はSAW共振子15を用いて構成することができるため、水晶発振回路を用いた送信機に比べて落下などの衝撃に強い送信機を提供することができる。
【0053】
尚、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態において、周波数決定回路24の構成及び接続関係を適時変更してもよい。
【0054】
・上記実施の形態において、局部発振手段はPLL回路25を用いて構成されていたが、その他の回路を用いて局部発振信号を基準信号に追従させるものでもよい。
【0055】
・上記実施の形態においては、IFアンプ19により増幅された信号をバンドパスフィルタ20を介してリミッタアンプ26に入力したが、中間周波信号から受信信号を検波可能であればよく、バンドパスフィルタ20の代わりにローパスフィルタを用いてもよい。
【0056】
・上記実施の形態においては、静電容量変更回路23をトランジスタ31を備えて構成し、静電容量変更回路23に入力される強度電圧に応じてトランジスタ31の作動を制御し、周波数決定回路24から出力される基準信号の周波数を調整した。しかし、基準信号の周波数を調整する方法は他のものを用いてもよく、例えば信号強度検出回路21にて検出された中間周波信号の強度をCPUに入力し、該CPUが予め記憶された関係式などに基づき基準信号の周波数を調整してもよい。
【0057】
次に、上記実施の形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
(イ) 前記スイッチング素子と前記可変容量コンデンサとの間に積分回路が接続され、該積分回路を介して前記可変容量コンデンサに電圧を供給することを特徴とする請求項3に記載の受信回路。この構成によれば、可変容量コンデンサに供給される電圧を積分回路の時定数に応じて徐々に変化させることができ、局部発振信号をスイープさせることができる。
【0058】
(ロ) 前記局部発振手段は位相同期ループ回路を用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜3及び上記(イ)のうちのいずれか一項に記載の受信回路。この構成によれば、局部発振信号は周波数決定手段により出力される基準信号の変化に追従し、効率よく生成される。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、送信電波を確実に受信可能な受信回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】受信回路の概略ブロック回路図。
【図2】コンデンサ容量と発振周波数との関係を示す特性図。
【図3】受信回路の動作説明図。
【図4】リモートキーシステムの概略構成図。
【図5】送信回路のブロック回路図。
【符号の説明】
18…ミキサ、21…信号強度検出手段としての信号強度検出回路、22…検波手段としての検波回路、23…静電容量変更手段としての静電容量変更回路、24…周波数決定手段としての周波数決定回路、25…局部発振手段としてのPLL回路、31…トランジスタ、39…積分回路、40〜42…コンデンサ、44…信号生成手段としての水晶発振回路。
Claims (3)
- 局部発振信号を生成する局部発振手段と、
受信信号と前記局部発振信号から中間周波信号を生成するミキサと、
前記中間周波信号の強度に応じた強度電圧を出力する検出手段と、
前記局部発振信号の周波数を制御する基準信号を生成する信号生成手段と、
前記強度電圧に基づいて前記基準信号の周波数を決定する周波数決定手段と、
前記中間周波信号に基づいて受信信号を検波する検波手段を備え、
前記周波数決定手段は前記強度電圧に応じて前記基準信号の周波数を変更又は保持することを特徴とする受信回路。 - 前記周波数決定手段は、静電容量に基づいて前記基準信号の周波数を決定する可変容量コンデンサを備え、
前記強度電圧に基づいて前記可変容量コンデンサに印加する印加電圧を変化させることで前記可変容量コンデンサの静電容量を変化させる静電容量変更手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の受信回路。 - 前記静電容量変更手段は前記強度電圧と基準電圧との比較結果に応じてオンオフするスイッチング素子を備え、該スイッチング素子を介して前記可変容量コンデンサに電源を供給することを特徴とする請求項2に記載の受信回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135534A JP2004343294A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 受信回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135534A JP2004343294A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 受信回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004343294A true JP2004343294A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33525771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003135534A Pending JP2004343294A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | 受信回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004343294A (ja) |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003135534A patent/JP2004343294A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0435607B1 (en) | Transponder | |
RU2576524C2 (ru) | Система беспроводной связи | |
JP3003668B2 (ja) | 車載機器遠隔制御装置 | |
EP1835628B1 (en) | Wireless receiver and wireless transmitter | |
US20060234670A1 (en) | Transceiver with closed loop control of antenna tuning and power level | |
JP2008101344A (ja) | 車両制御システム | |
JP2005299305A (ja) | 携帯機、車載機およびキーレスエントリー装置 | |
US20130196610A1 (en) | Wireless communication system | |
US7376448B2 (en) | Heterodyne receiver and communication system with demodulator switchable between demodulation schemes based on received status signal | |
US8890633B2 (en) | Resonant circuit with automated trimming capabilities | |
JP2004343294A (ja) | 受信回路 | |
JP2009027510A (ja) | 受信装置 | |
JP3248451B2 (ja) | 車載機器遠隔制御装置 | |
US6876265B2 (en) | System and method for using a saw based RF transmitter for AM modulated transmission in a TPM | |
JP2009071359A (ja) | 受信機及び通信制御システム | |
JPH07142961A (ja) | 受信装置 | |
US20030164034A1 (en) | System and method for using a saw based RF transmitter for FM transmission in a TPM | |
CA1335826C (en) | Angle modulator | |
JPH0354426Y2 (ja) | ||
JP2009027636A (ja) | 無線信号の受信装置 | |
JP2003046402A (ja) | 遠隔操作用受信装置 | |
JP3877254B2 (ja) | キーレスエントリ受信機 | |
JP3876076B2 (ja) | キーレスエントリ制御システム | |
JPH11350810A (ja) | キーレスエントリ受信機 | |
JP2000054701A (ja) | キーレスエントリ受信機 |