JP2004343269A - ダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラム - Google Patents
ダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004343269A JP2004343269A JP2003135227A JP2003135227A JP2004343269A JP 2004343269 A JP2004343269 A JP 2004343269A JP 2003135227 A JP2003135227 A JP 2003135227A JP 2003135227 A JP2003135227 A JP 2003135227A JP 2004343269 A JP2004343269 A JP 2004343269A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reception
- antenna
- offset
- amplifier
- diversity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Radio Transmission System (AREA)
Abstract
【課題】受信専用アンテナの後段に増幅器を挿入し受信信号レベルを高くした場合に、増幅器を挿入したことの効果を最大限に生かしつつ、RSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行っても、受信感度を考慮したアンテナ選択が可能なダイバーシチ受信機を得る。
【解決手段】受信専用アンテナ3の受信信号レベルを高くする目的で増幅器1を挿入した場合でも、増幅器1を設けない場合と比較し、小さくなったCNRの値だけRSSIを低くする操作を行うためのオフセット回路2を設けることで、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ制御が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】受信専用アンテナ3の受信信号レベルを高くする目的で増幅器1を挿入した場合でも、増幅器1を設けない場合と比較し、小さくなったCNRの値だけRSSIを低くする操作を行うためのオフセット回路2を設けることで、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ制御が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラムに関し、特に移動体通信装置に用いて好適なダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機などの移動体通信装置では、建物、地形などの反射、回折によりフェージングが生じる。このフェージング対策として、送受信兼用のアンテナの他に、受信専用のアンテナを設けて、必要に応じてこれら2つのアンテナを切替え制御する方式のダイバーシチ受信機を用いることが知られている。
【0003】
また、近年の携帯電話機の小型化に伴い、内蔵型とすることが多い受信専用アンテナは、アンテナ自身の小型化や周囲部品の影響によって、特性が劣化する傾向にある。この受信専用アンテナの特性改善の方法として、受信専用アンテナとアンテナ切換スイッチとの間に増幅器を挿入することが考えられている。しかし、増幅器を挿入した場合、一般的に用いられている、受信信号強度(RSSI)の大きさの比較によるダイバーシチ受信機を構成すると、搬送波対雑音電力比(CNR)が小さいアンテナを選択する場合がある。
【0004】
例えば、いま、携帯電話機が置かれた場所に置いたダイポールアンテナの受信レベルが10dBμであり、送受信アンテナの利得が−5dB、受信専用アンテナの利得が−10dB、増幅器の利得が10dB、雑音指数が1.5dBであったとする。このような条件で、ダイバーシチ制御回路に入力される受信信号強度であるRSSI(Receive Signal Strength Indicator )の大きさを考える。受信処理回路の特性を無視すると、このRSSIの大きさは、送受信アンテナでは+5dBμ、受信専用アンテナでは+10dBμとなる。従って、RSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行うと、受信専用アンテナを選択することになる。
【0005】
次に、受信感度について考える。先ず、雑音レベルに着目すると、帯域幅が21kHzの受信機の場合、送受信アンテナでは、熱雑音による雑音になるので、雑音レベルは約−18dBμとなる。一方、受信専用アンテナでは、増幅器の利得により雑音レベルが高くなることと、増幅器内部で発生する雑音により、雑音レベルは約0dBμとなる。その結果、搬送波対雑音電力比であるCNR(Carier to Noise Ratio )は、送受信アンテナでは23dB、受信専用アンテナでは10dBとなる。
【0006】
CNRの大きいほうが誤り率は良いので、この場合は、送受信アンテナを選択したほうが良い。このように、増幅器を設けたときに、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行うと、CNRの小さいアンテナを選択することで誤り率の劣化が起こり、ダイバーシチ利得が小さくなることがある。
【0007】
この問題を解決したダイバーシチ受信機の構成として、例えば、図9に示すような技術を用いた携帯電話機のダイバーシチ受信機がある(特許文献1参照)。図9において、携帯電話機は、送受信アンテナ4と受信専用アンテナ3の2つのアンテナと、受信専用アンテナ3の後ろに設けられた増幅器1と、アンテナ切換スイッチ5と、受信処理回路6と、復調回路8と、ダイバーシチ制御回路9とにより構成されている。受信処理回路6の内部には、2つのレベル検出器7a,7bが設けられている。
【0008】
ここで用いられている時分割多元接続(TDMA)方式の受信機の場合、ダイバーシチ受信機の動作は次のようになっている。先ず、ダイバーシチ制御回路9が受信タイミングの直前に、アンテナ切換スイッチ5と受信処理回路6にアンテナ選択信号を送る。このアンテナ選択信号に従って、送受信アンテナ4を受信処理回路6に接続させた場合、受信処理回路6内のレベル検出器7aを選択し、受信専用アンテナ3を受信処理回路6に接続させた場合、受信処理回路6内のレベル検出器7bを選択するように制御している。
【0009】
受信処理回路7内のレベル検出器7a,7bは、受信信号レベルに応じたRSSIをダイバーシチ制御回路9に出力する。レベル検出器7aは送受信アンテナ4の選択時に使用され、受信信号レベルを通常のレベルで検出し、RSSIを出力する。レベル検出器7bは受信専用アンテナ3の選択時に使用され、受信信号レベルを増幅器1の利得分低くしたレベルで検出し、RSSIを出力する。ダイバーシチ制御回路9は2つのRSSIの大きさを比較して、RSSIの高いほうのアンテナを受信処理回路6に接続するように制御する。
【0010】
この結果、受信動作中は、常に、受信レベルの高いアンテナの受信信号が、受信処理回路6を介して、復調回路8に入力され、原信号が復元されるようになっている。このように、レベル検出に差を設け、増幅器1が挿入された受信専用アンテナ3を選択しにくくすることで、受信感度が劣化することを防止しているのである。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−111466号公報(第3〜4頁、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示すように、受信専用アンテナ3の後段に増幅器1を挿入した場合、単純にRSSIの大きさの比較によるダイバーシチ選択を行うことができない。そのため、従来の技術では、増幅器1を挿入した受信専用アンテナ4を選択した場合、受信処理回路6内のレベル検出器の検出レベルを増幅器1の利得分低くしている。
【0013】
しかし、この方法では、増幅器1を挿入し、受信信号レベルを高くしたことの効果を十分に得ることができない。また、受信専用アンテナ3の検出レベルを低くしているので、RSSIも低く、ダイバーシチ制御を行っても、送受信アンテナ4を選択することが多くなり、ダイバーシチ受信機を構成することの効果があまり期待できない。
【0014】
そこで、本発明は、受信専用アンテナの後段に増幅器を挿入し受信信号レベルを高くした場合に、増幅器を挿入したことの効果を最大限に生かしつつ、RSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行っても、受信感度を考慮したアンテナ選択が可能なダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、送受信兼用アンテナと受信専用アンテナとを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機であつて、前記受信専用アンテナの受信信号を増幅する増幅器と、前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出手段と、前記検出手段の出力にオフセット制御をなすオフセット手段と、このオフセット手段の出力に基づいて前記一方のアンテナを選択する手段とを含むことを特徴する。
【0016】
本発明によるダイバーシチ制御方法は、送受信兼用アンテナと、受信専用アンテナと、前記受信専用アンテナの出力を増幅する増幅器とを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方法あつて、前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出ステップと、これら検出出力にオフセット制御をなすオフセット制御ステップと、このオフセット制御された出力に基づいて前記一方のアンテナを選択するステップとを含むことを特徴する。
【0017】
本発明によるプログラムは、送受信兼用アンテナと、受信専用アンテナと、前記受信専用アンテナの出力を増幅する増幅器とを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方法をコンピュータにより実行させるためのプログラムであつて、前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出ステップと、これら検出出力にオフセット制御をなすオフセット制御ステップと、このオフセット制御された出力に基づいて前記一方のアンテナを選択するステップとを含むことを特徴する。
【0018】
本発明の作用を述べる。受信専用アンテナの受信信号レベルを高くする目的で増幅器を挿入した場合でも、増幅器を設けない場合と比較し、小さくなったCNRの値だけRSSIを低くする操作、すなわちオフセット値の可変制御を行うためのオフセット回路を設けることで、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ制御が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第一の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。図1に示すダイバーシチ受信機は、送受信兼用のアンテナ(送受信アンテナと称す)4と、受信専用アンテナ3と、アンテナ切換スイッチ5と、受信処理回路6と、復調回路8と、ダイバーシチ制御回路9と、受信専用アンテナ3とアンテナ切換スイッチ5との間に設けられた増幅器1と、受信処理回路6とダイバーシチ制御回路9との間に設けられたオフセット回路2とにより構成されている。
【0020】
かかる構成において、ダイバーシチ受信機の動作は、次の如くである。ダイバーシチ制御回路9は、受信タイミングの直前にアンテナ切換スイッチ5とオフセット回路2にアンテナ選択信号を送り、アンテナ切換スイッチ5で択一的に選択したアンテナと、オフセット回路2のオフセット値とが同期するように制御するものである。
【0021】
受信処理回路6内のレベル検出器7は受信信号レベルに基づき受信信号強度であるRSSIを出力する。オフセット回路2は、アンテナ選択信号に応じて、オフセット値を選択し、受信処理回路6内のレベル検出器7が出力したRSSIをオフセットの値だけ低くしたRSSIをダイバーシチ制御回路9へ出力する。ダイバーシチ制御回路9は、2つのオフセット後のRSSIを比較し、2つのアンテナのうち信号レベルの高いほうのアンテナを受信処理回路6に接続するようにアンテナ切換スイッチを制御する。この結果、受信動作中は、常に、受信レベルの高いほうのアンテナの受信信号が、受信処理回路6を介して、復調回路8に入力され、原信号が復元されることになる。
【0022】
オフセット回路2のオフセット値には、搬送波対雑音電力比であるCNRの劣化量を用いる。ここでの劣化量とは、増幅器1を設けない場合のCNR値と、増幅器1を設けた場合のCNR値の差を指している。例えば、増幅器1を設けない場合のCNR値が16dB、増幅器1を設けた場合のCNR値が10dBとすると、CNRの劣化量、すなわち、オフセット値は6dBとなる。従って、オフセット値は、送受信アンテナ4の選択時には、増幅器1が設けられていないためゼロとなり、受信専用アンテナ3の選択時には、増幅器1が設けられているのでCNRの劣化量となる。
【0023】
図2はオフセット量とダイバーシチ利得との関係を示した特性図である。ここでは、実際のCNRの劣化量が6dBであるものを用いて、オフセット値を変化させたときのダイバーシチ利得の変化の様子を示している。図2によると、オフセット量を変化させた時、オフセット量が6dB付近で、ダイバーシチ利得がピークになっていることが確認できる。従って、最適なオフセット量は、CNRの劣化量と等しい値であるといえる。
【0024】
次に、オフセット回路2の挿入の効果について説明する。図3は、増幅器1を挿入し、受信専用アンテナ3の受信信号レベルを高くした状態で、図1のオフセット回路2の挿入を行わない場合の構成を示すブロック図である。図3に示す構成によるダイバーシチ受信機の特性を図4に示す。
【0025】
ここで用いる特性図は、携帯電話機が置かれた場所に置いたダイポールアンテナの受信レベルと誤り率の関係を示した図である。一般に、誤り率が1%のときのレベルを感度点として定義しているので、誤り率が1%となる時の受信レベルの比較により、特性の比較を行なう。
【0026】
図4によると、ダイバーシチ動作後の特性43は、送受信アンテナ4の特性41と比較し、受信レベルが高い時に感度点になっていることが分かる。これは、ダイバーシチ動作を行うと、増幅器1の効果で、受信専用アンテナ3の受信信号レベルが高くなるので、ダイバーシチ制御回路9では受信専用アンテナ3を選択することが多くなる。しかし、選択した受信専用アンテナ3は、増幅器1の挿入により信号レベルと共に雑音レベルも高くなり、その影響でCNRの劣化が起こり、受信感度は悪くなっている。この結果、ダイバーシチ利得がマイナスになることを示している。
【0027】
これは、増幅器1を挿入し受信信号レベルを高くした場合に、単純にRSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行うと、ダイバーシチ受信機の効果が得られず、ダイバーシチ動作後の受信感度が悪くなってしまうことを示している。なお、図4において、特性42は受信専用アンテナのものである。
【0028】
これに対して図5は、図1に示す本発明の第一の実施の形態に示す構成において、増幅器1と共に、オフセット回路2を挿入し、オフセット回路2でレベル検出器7からのRSSIを、CNRの劣化量分低くするオフセットを行った場合の特性を示している。図5によると、ダイバーシチ動作後の特性43が、送受信アンテナ4の特性41と比較し、低い受信レベルで感度点になっていることが分かる。これは、ダイバーシチ制御を行うことで、受信レベルの高いほうのアンテナが選択されるので、ダイバーシチ受信機の効果が得られ、ダイバーシチ利得がプラスになっていることを示している。
【0029】
このように、受信信号レベルを高くする目的で増幅器1を挿入した場合でも、増幅器1と共にオフセット回路2を設けることで、RSSIをCNRの劣化量分低くするオフセットを行えば、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ受信機が構成できる。
【0030】
次に、図6は、本発明の第二の実施の形態を示すブロック図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。本実施の形態のダイバーシチ受信機は、オフセット回路2のオフセット値の判断にアンテナ選択信号と共に周波数信号を用いることを特徴としている。その他のダイバーシチ受信機の構成については、図1の第一の実施の形態と同様の構成になっている。
【0031】
かかる構成において、オフセット回路2は、ダイバーシチ制御回路9のアンテナ選択信号と周波数信号の2つの信号により、周波数チャンネル毎にオフセット値を変化させて、レベル検出器7からのRSSIを最適なオフセット値だけ低くする操作を行っている。この結果、細かくオフセット値を変化させることができ、よってチャンネル毎に最大のダイバーシチ利得が得られる。ダイバーシチ制御回路9では、図1の第一の実施の形態と同様に、オフセット後のRSSIの大きさの比較によりアンテナ選択を行っているので、受信感度を考慮したダイバーシチ受信機を得ることができる。
【0032】
また、第一及び第二の実施の形態では、オフセット回路2のオフセット値にCNRの差を用いていたが、RSSI表示の機能を有する受信機においては、感度点のRSSI表示の差をオフセット値として用いることができる。これは、増幅器1が設けられた受信専用アンテナ3の感度点のRSSI表示の値と、増幅器1を設けていない送受信アンテナ4の感度点のRSSI表示の値との差を、オフセット回路2のオフセット値に設定することを意味している。
【0033】
この方法でも、第一及び第二の実施の形態と同じダイバーシチ受信機が構成できるので、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ受信機を得ることができる。
【0034】
また、第一及び第二の実施の形態では、オフセット回路2を設けてRSSIのオフセット制御を行っているが、ソフトウェアを用いて、CNRのオフセット制御をソフトウェア内で処理することでも、同様の効果が期待できる。例えば、ダイバーシチ制御回路9で、RSSIの大きさを比較するソフトウェア内に、CNRの劣化量分低くするオフセットを含める方法や、受信処理回路6内のレベル検出器7の検出レベルをソフトウェアで操作し、CNRの劣化量分低くするオフセットを行う方法が考えられる。
【0035】
図7はこのようなソフトウェアによる制御をなす場合の本発明の第三の実施の形態の構成図である。図7において、図1と同等部分は同一符号により示している。図7を参照すると、図1のダイバーシチ制御回路9を、ソフトウェアにて動作するコンピュータであるCPU20で構成し、ダイバーシチ制御を行うようにしている。なお、21はメモリであり、CPU20のための作業用メモリであるとともに、CPU20を動作させるためのプログラムを格納したメモリでもある。
【0036】
図8はこのCPU20の動作手順を示すフローチャートである。先ず、送受信アンテナ4を選択するようスイッチ5を制御する(ステップS1)。そして、そのときのRSSIをレベル検出器7の出力により検出してメモリへ記憶する(ステップS2)。次に、受信専用アンテナ3を選択するようスイッチ5を制御し(ステップS3)、同様にレベル検出器7の出力により、RSSIを検出する(ステップS4)。この検出されたRSSIからオフセット値を減算してメモリへ記憶する(ステップS5)。しかる後に、メモリに記憶されたデータを比較して(ステップS6)、この比較結果に従ってアンテナの選択を行うのである(ステップS7)。
【0037】
なお、この第三の実施の形態においても、図6に示した第二の実施の形態における周波数信号10を考慮したオフセット制御をなすこともできることは明白である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信専用アンテナの受信信号レベルを高くする目的で増幅器を挿入した場合でも、増幅器を設けない場合と比較し、小さくなったCNRの値だけRSSIを低くする操作を行うためのオフセット回路を設けることで、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ制御が可能なダイバーシチ受信機を構成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】オフセット量とダイバーシチ利得の関係を示す特性図である。
【図3】オフセット回路を挿入しない場合の携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図4】オフセット回路を挿入しない場合の受信レベルと誤り率の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による受信レベルと誤り率の関係を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図8】図7のCPU20の動作を示すフローチャートである。
【図9】従来の携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 増幅器
2 オフセット回路
3 受信専用アンテナ
4 送受信アンテナ
5 アンテナ切換スイッチ
6 受信処理回路
7 レベル検出器
8 復調回路
9 ダイバーシチ制御回路
10 周波数信号
20 CPU
【発明の属する技術分野】
本発明はダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラムに関し、特に移動体通信装置に用いて好適なダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機などの移動体通信装置では、建物、地形などの反射、回折によりフェージングが生じる。このフェージング対策として、送受信兼用のアンテナの他に、受信専用のアンテナを設けて、必要に応じてこれら2つのアンテナを切替え制御する方式のダイバーシチ受信機を用いることが知られている。
【0003】
また、近年の携帯電話機の小型化に伴い、内蔵型とすることが多い受信専用アンテナは、アンテナ自身の小型化や周囲部品の影響によって、特性が劣化する傾向にある。この受信専用アンテナの特性改善の方法として、受信専用アンテナとアンテナ切換スイッチとの間に増幅器を挿入することが考えられている。しかし、増幅器を挿入した場合、一般的に用いられている、受信信号強度(RSSI)の大きさの比較によるダイバーシチ受信機を構成すると、搬送波対雑音電力比(CNR)が小さいアンテナを選択する場合がある。
【0004】
例えば、いま、携帯電話機が置かれた場所に置いたダイポールアンテナの受信レベルが10dBμであり、送受信アンテナの利得が−5dB、受信専用アンテナの利得が−10dB、増幅器の利得が10dB、雑音指数が1.5dBであったとする。このような条件で、ダイバーシチ制御回路に入力される受信信号強度であるRSSI(Receive Signal Strength Indicator )の大きさを考える。受信処理回路の特性を無視すると、このRSSIの大きさは、送受信アンテナでは+5dBμ、受信専用アンテナでは+10dBμとなる。従って、RSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行うと、受信専用アンテナを選択することになる。
【0005】
次に、受信感度について考える。先ず、雑音レベルに着目すると、帯域幅が21kHzの受信機の場合、送受信アンテナでは、熱雑音による雑音になるので、雑音レベルは約−18dBμとなる。一方、受信専用アンテナでは、増幅器の利得により雑音レベルが高くなることと、増幅器内部で発生する雑音により、雑音レベルは約0dBμとなる。その結果、搬送波対雑音電力比であるCNR(Carier to Noise Ratio )は、送受信アンテナでは23dB、受信専用アンテナでは10dBとなる。
【0006】
CNRの大きいほうが誤り率は良いので、この場合は、送受信アンテナを選択したほうが良い。このように、増幅器を設けたときに、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行うと、CNRの小さいアンテナを選択することで誤り率の劣化が起こり、ダイバーシチ利得が小さくなることがある。
【0007】
この問題を解決したダイバーシチ受信機の構成として、例えば、図9に示すような技術を用いた携帯電話機のダイバーシチ受信機がある(特許文献1参照)。図9において、携帯電話機は、送受信アンテナ4と受信専用アンテナ3の2つのアンテナと、受信専用アンテナ3の後ろに設けられた増幅器1と、アンテナ切換スイッチ5と、受信処理回路6と、復調回路8と、ダイバーシチ制御回路9とにより構成されている。受信処理回路6の内部には、2つのレベル検出器7a,7bが設けられている。
【0008】
ここで用いられている時分割多元接続(TDMA)方式の受信機の場合、ダイバーシチ受信機の動作は次のようになっている。先ず、ダイバーシチ制御回路9が受信タイミングの直前に、アンテナ切換スイッチ5と受信処理回路6にアンテナ選択信号を送る。このアンテナ選択信号に従って、送受信アンテナ4を受信処理回路6に接続させた場合、受信処理回路6内のレベル検出器7aを選択し、受信専用アンテナ3を受信処理回路6に接続させた場合、受信処理回路6内のレベル検出器7bを選択するように制御している。
【0009】
受信処理回路7内のレベル検出器7a,7bは、受信信号レベルに応じたRSSIをダイバーシチ制御回路9に出力する。レベル検出器7aは送受信アンテナ4の選択時に使用され、受信信号レベルを通常のレベルで検出し、RSSIを出力する。レベル検出器7bは受信専用アンテナ3の選択時に使用され、受信信号レベルを増幅器1の利得分低くしたレベルで検出し、RSSIを出力する。ダイバーシチ制御回路9は2つのRSSIの大きさを比較して、RSSIの高いほうのアンテナを受信処理回路6に接続するように制御する。
【0010】
この結果、受信動作中は、常に、受信レベルの高いアンテナの受信信号が、受信処理回路6を介して、復調回路8に入力され、原信号が復元されるようになっている。このように、レベル検出に差を設け、増幅器1が挿入された受信専用アンテナ3を選択しにくくすることで、受信感度が劣化することを防止しているのである。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−111466号公報(第3〜4頁、図1)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示すように、受信専用アンテナ3の後段に増幅器1を挿入した場合、単純にRSSIの大きさの比較によるダイバーシチ選択を行うことができない。そのため、従来の技術では、増幅器1を挿入した受信専用アンテナ4を選択した場合、受信処理回路6内のレベル検出器の検出レベルを増幅器1の利得分低くしている。
【0013】
しかし、この方法では、増幅器1を挿入し、受信信号レベルを高くしたことの効果を十分に得ることができない。また、受信専用アンテナ3の検出レベルを低くしているので、RSSIも低く、ダイバーシチ制御を行っても、送受信アンテナ4を選択することが多くなり、ダイバーシチ受信機を構成することの効果があまり期待できない。
【0014】
そこで、本発明は、受信専用アンテナの後段に増幅器を挿入し受信信号レベルを高くした場合に、増幅器を挿入したことの効果を最大限に生かしつつ、RSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行っても、受信感度を考慮したアンテナ選択が可能なダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、送受信兼用アンテナと受信専用アンテナとを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機であつて、前記受信専用アンテナの受信信号を増幅する増幅器と、前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出手段と、前記検出手段の出力にオフセット制御をなすオフセット手段と、このオフセット手段の出力に基づいて前記一方のアンテナを選択する手段とを含むことを特徴する。
【0016】
本発明によるダイバーシチ制御方法は、送受信兼用アンテナと、受信専用アンテナと、前記受信専用アンテナの出力を増幅する増幅器とを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方法あつて、前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出ステップと、これら検出出力にオフセット制御をなすオフセット制御ステップと、このオフセット制御された出力に基づいて前記一方のアンテナを選択するステップとを含むことを特徴する。
【0017】
本発明によるプログラムは、送受信兼用アンテナと、受信専用アンテナと、前記受信専用アンテナの出力を増幅する増幅器とを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方法をコンピュータにより実行させるためのプログラムであつて、前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出ステップと、これら検出出力にオフセット制御をなすオフセット制御ステップと、このオフセット制御された出力に基づいて前記一方のアンテナを選択するステップとを含むことを特徴する。
【0018】
本発明の作用を述べる。受信専用アンテナの受信信号レベルを高くする目的で増幅器を挿入した場合でも、増幅器を設けない場合と比較し、小さくなったCNRの値だけRSSIを低くする操作、すなわちオフセット値の可変制御を行うためのオフセット回路を設けることで、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ制御が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第一の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。図1に示すダイバーシチ受信機は、送受信兼用のアンテナ(送受信アンテナと称す)4と、受信専用アンテナ3と、アンテナ切換スイッチ5と、受信処理回路6と、復調回路8と、ダイバーシチ制御回路9と、受信専用アンテナ3とアンテナ切換スイッチ5との間に設けられた増幅器1と、受信処理回路6とダイバーシチ制御回路9との間に設けられたオフセット回路2とにより構成されている。
【0020】
かかる構成において、ダイバーシチ受信機の動作は、次の如くである。ダイバーシチ制御回路9は、受信タイミングの直前にアンテナ切換スイッチ5とオフセット回路2にアンテナ選択信号を送り、アンテナ切換スイッチ5で択一的に選択したアンテナと、オフセット回路2のオフセット値とが同期するように制御するものである。
【0021】
受信処理回路6内のレベル検出器7は受信信号レベルに基づき受信信号強度であるRSSIを出力する。オフセット回路2は、アンテナ選択信号に応じて、オフセット値を選択し、受信処理回路6内のレベル検出器7が出力したRSSIをオフセットの値だけ低くしたRSSIをダイバーシチ制御回路9へ出力する。ダイバーシチ制御回路9は、2つのオフセット後のRSSIを比較し、2つのアンテナのうち信号レベルの高いほうのアンテナを受信処理回路6に接続するようにアンテナ切換スイッチを制御する。この結果、受信動作中は、常に、受信レベルの高いほうのアンテナの受信信号が、受信処理回路6を介して、復調回路8に入力され、原信号が復元されることになる。
【0022】
オフセット回路2のオフセット値には、搬送波対雑音電力比であるCNRの劣化量を用いる。ここでの劣化量とは、増幅器1を設けない場合のCNR値と、増幅器1を設けた場合のCNR値の差を指している。例えば、増幅器1を設けない場合のCNR値が16dB、増幅器1を設けた場合のCNR値が10dBとすると、CNRの劣化量、すなわち、オフセット値は6dBとなる。従って、オフセット値は、送受信アンテナ4の選択時には、増幅器1が設けられていないためゼロとなり、受信専用アンテナ3の選択時には、増幅器1が設けられているのでCNRの劣化量となる。
【0023】
図2はオフセット量とダイバーシチ利得との関係を示した特性図である。ここでは、実際のCNRの劣化量が6dBであるものを用いて、オフセット値を変化させたときのダイバーシチ利得の変化の様子を示している。図2によると、オフセット量を変化させた時、オフセット量が6dB付近で、ダイバーシチ利得がピークになっていることが確認できる。従って、最適なオフセット量は、CNRの劣化量と等しい値であるといえる。
【0024】
次に、オフセット回路2の挿入の効果について説明する。図3は、増幅器1を挿入し、受信専用アンテナ3の受信信号レベルを高くした状態で、図1のオフセット回路2の挿入を行わない場合の構成を示すブロック図である。図3に示す構成によるダイバーシチ受信機の特性を図4に示す。
【0025】
ここで用いる特性図は、携帯電話機が置かれた場所に置いたダイポールアンテナの受信レベルと誤り率の関係を示した図である。一般に、誤り率が1%のときのレベルを感度点として定義しているので、誤り率が1%となる時の受信レベルの比較により、特性の比較を行なう。
【0026】
図4によると、ダイバーシチ動作後の特性43は、送受信アンテナ4の特性41と比較し、受信レベルが高い時に感度点になっていることが分かる。これは、ダイバーシチ動作を行うと、増幅器1の効果で、受信専用アンテナ3の受信信号レベルが高くなるので、ダイバーシチ制御回路9では受信専用アンテナ3を選択することが多くなる。しかし、選択した受信専用アンテナ3は、増幅器1の挿入により信号レベルと共に雑音レベルも高くなり、その影響でCNRの劣化が起こり、受信感度は悪くなっている。この結果、ダイバーシチ利得がマイナスになることを示している。
【0027】
これは、増幅器1を挿入し受信信号レベルを高くした場合に、単純にRSSIの大きさの比較によるダイバーシチ制御を行うと、ダイバーシチ受信機の効果が得られず、ダイバーシチ動作後の受信感度が悪くなってしまうことを示している。なお、図4において、特性42は受信専用アンテナのものである。
【0028】
これに対して図5は、図1に示す本発明の第一の実施の形態に示す構成において、増幅器1と共に、オフセット回路2を挿入し、オフセット回路2でレベル検出器7からのRSSIを、CNRの劣化量分低くするオフセットを行った場合の特性を示している。図5によると、ダイバーシチ動作後の特性43が、送受信アンテナ4の特性41と比較し、低い受信レベルで感度点になっていることが分かる。これは、ダイバーシチ制御を行うことで、受信レベルの高いほうのアンテナが選択されるので、ダイバーシチ受信機の効果が得られ、ダイバーシチ利得がプラスになっていることを示している。
【0029】
このように、受信信号レベルを高くする目的で増幅器1を挿入した場合でも、増幅器1と共にオフセット回路2を設けることで、RSSIをCNRの劣化量分低くするオフセットを行えば、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ受信機が構成できる。
【0030】
次に、図6は、本発明の第二の実施の形態を示すブロック図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。本実施の形態のダイバーシチ受信機は、オフセット回路2のオフセット値の判断にアンテナ選択信号と共に周波数信号を用いることを特徴としている。その他のダイバーシチ受信機の構成については、図1の第一の実施の形態と同様の構成になっている。
【0031】
かかる構成において、オフセット回路2は、ダイバーシチ制御回路9のアンテナ選択信号と周波数信号の2つの信号により、周波数チャンネル毎にオフセット値を変化させて、レベル検出器7からのRSSIを最適なオフセット値だけ低くする操作を行っている。この結果、細かくオフセット値を変化させることができ、よってチャンネル毎に最大のダイバーシチ利得が得られる。ダイバーシチ制御回路9では、図1の第一の実施の形態と同様に、オフセット後のRSSIの大きさの比較によりアンテナ選択を行っているので、受信感度を考慮したダイバーシチ受信機を得ることができる。
【0032】
また、第一及び第二の実施の形態では、オフセット回路2のオフセット値にCNRの差を用いていたが、RSSI表示の機能を有する受信機においては、感度点のRSSI表示の差をオフセット値として用いることができる。これは、増幅器1が設けられた受信専用アンテナ3の感度点のRSSI表示の値と、増幅器1を設けていない送受信アンテナ4の感度点のRSSI表示の値との差を、オフセット回路2のオフセット値に設定することを意味している。
【0033】
この方法でも、第一及び第二の実施の形態と同じダイバーシチ受信機が構成できるので、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ受信機を得ることができる。
【0034】
また、第一及び第二の実施の形態では、オフセット回路2を設けてRSSIのオフセット制御を行っているが、ソフトウェアを用いて、CNRのオフセット制御をソフトウェア内で処理することでも、同様の効果が期待できる。例えば、ダイバーシチ制御回路9で、RSSIの大きさを比較するソフトウェア内に、CNRの劣化量分低くするオフセットを含める方法や、受信処理回路6内のレベル検出器7の検出レベルをソフトウェアで操作し、CNRの劣化量分低くするオフセットを行う方法が考えられる。
【0035】
図7はこのようなソフトウェアによる制御をなす場合の本発明の第三の実施の形態の構成図である。図7において、図1と同等部分は同一符号により示している。図7を参照すると、図1のダイバーシチ制御回路9を、ソフトウェアにて動作するコンピュータであるCPU20で構成し、ダイバーシチ制御を行うようにしている。なお、21はメモリであり、CPU20のための作業用メモリであるとともに、CPU20を動作させるためのプログラムを格納したメモリでもある。
【0036】
図8はこのCPU20の動作手順を示すフローチャートである。先ず、送受信アンテナ4を選択するようスイッチ5を制御する(ステップS1)。そして、そのときのRSSIをレベル検出器7の出力により検出してメモリへ記憶する(ステップS2)。次に、受信専用アンテナ3を選択するようスイッチ5を制御し(ステップS3)、同様にレベル検出器7の出力により、RSSIを検出する(ステップS4)。この検出されたRSSIからオフセット値を減算してメモリへ記憶する(ステップS5)。しかる後に、メモリに記憶されたデータを比較して(ステップS6)、この比較結果に従ってアンテナの選択を行うのである(ステップS7)。
【0037】
なお、この第三の実施の形態においても、図6に示した第二の実施の形態における周波数信号10を考慮したオフセット制御をなすこともできることは明白である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信専用アンテナの受信信号レベルを高くする目的で増幅器を挿入した場合でも、増幅器を設けない場合と比較し、小さくなったCNRの値だけRSSIを低くする操作を行うためのオフセット回路を設けることで、RSSIの大きさの比較によるアンテナ選択を行っても、受信感度を考慮したダイバーシチ制御が可能なダイバーシチ受信機を構成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】オフセット量とダイバーシチ利得の関係を示す特性図である。
【図3】オフセット回路を挿入しない場合の携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図4】オフセット回路を挿入しない場合の受信レベルと誤り率の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による受信レベルと誤り率の関係を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態による携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【図8】図7のCPU20の動作を示すフローチャートである。
【図9】従来の携帯電話機のダイバーシチ受信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 増幅器
2 オフセット回路
3 受信専用アンテナ
4 送受信アンテナ
5 アンテナ切換スイッチ
6 受信処理回路
7 レベル検出器
8 復調回路
9 ダイバーシチ制御回路
10 周波数信号
20 CPU
Claims (13)
- 送受信兼用アンテナと受信専用アンテナとを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機であつて、
前記受信専用アンテナの受信信号を増幅する増幅器と、
前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出手段と、
前記検出手段の出力にオフセット制御をなすオフセット手段と、
このオフセット手段の出力に基づいて前記一方のアンテナを選択する手段とを含むことを特徴する受信機。 - 前記オフセット手段は、前記検出手段の択一的検出に同期して前記オフセット制御をなすことを特徴とする請求項1記載の受信機。
- 前記オフセット手段は、前記増幅器を経た受信信号強度に対して所定オフセット値を減算するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の受信機。
- 前記オフセット手段は、前記増幅器を設けたときと設けないときの各搬送波対雑音電力比の差を、前記所定オフセット値とすることを特徴とする請求項3記載の受信機。
- 前記前記オフセット手段は、前記増幅器を設けたときと設けないときの各感度点の受信信号強度の差を、前記所定オフセット値とすることを特徴とする請求項3記載の受信機。
- 前記オフセット手段は、受信周波数チャネル毎に前記所定オフセット値を制御するようにしたことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の受信機。
- 送受信兼用アンテナと、受信専用アンテナと、前記受信専用アンテナの出力を増幅する増幅器とを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方法あつて、
前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出ステップと、
これら検出出力にオフセット制御をなすオフセット制御ステップと、
このオフセット制御された出力に基づいて前記一方のアンテナを選択するステップとを含むことを特徴するダイバーシチ制御方法。 - 前記オフセット制御ステップは、前記検出ステップにおける択一的検出に同期して前記オフセット制御をなすことを特徴とする請求項7記載のダイバーシチ制御方法。
- 前記オフセット制御ステップは、前記増幅器を経た受信信号強度に対して所定オフセット値を減算するようにしたことを特徴とする請求項7または8記載のダイバーシチ制御方法。
- 前記オフセット制御ステップは、前記増幅器を設けたときと設けないときの各搬送波対雑音電力比の差を、前記所定オフセット値とすることを特徴とする請求項9記載のダイバーシチ制御方法。
- 前記前記オフセット制御ステップは、前記増幅器を設けたときと設けないときの各感度点の受信信号強度の差を、前記所定オフセット値とすることを特徴とする請求項9記載のダイバーシチ制御方法。
- 前記オフセット制御ステップは、受信周波数チャネル毎に前記所定オフセット値を制御するようにしたことを特徴とする請求項7〜11いずれか記載のダイバーシチ制御方法。
- 送受信兼用アンテナと、受信専用アンテナと、前記受信専用アンテナの出力を増幅する増幅器とを有し、これらアンテナからの受信信号強度に基づき一方のアンテナを選択するようにしたダイバーシチ受信機におけるダイバーシチ制御方法をコンピュータにより実行させるためのプログラムであつて、
前記送受信兼用アンテナの受信信号強度及び前記増幅器を経た受信信号強度を、択一的に検出する検出ステップと、
これら検出出力にオフセット制御をなすオフセット制御ステップと、
このオフセット制御された出力に基づいて前記一方のアンテナを選択するステップとを含むことを特徴するコンピュータ読取り可能なプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135227A JP2004343269A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | ダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135227A JP2004343269A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | ダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004343269A true JP2004343269A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33525542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003135227A Pending JP2004343269A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | ダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004343269A (ja) |
-
2003
- 2003-05-14 JP JP2003135227A patent/JP2004343269A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3444270B2 (ja) | アレーアンテナ受信装置の校正システム | |
EP1041736B1 (en) | Diversity receiver for burst OFDM signal transmission | |
US6226507B1 (en) | Apparatus and method for selecting between a plurality of antennas utilized by a microcellular communications terminal for reception of a signal | |
US7830997B2 (en) | Diversity receiving device | |
JPH0884104A (ja) | 無線通信装置 | |
EP1998471A1 (en) | Adaptive control device | |
KR100548321B1 (ko) | 동위상 합성 다이버시티 수신 장치 및 방법 | |
US20100034331A1 (en) | Frequency synchronization apparatus | |
JP2002237764A (ja) | 通信装置、及び通信制御方法 | |
JP2001016134A (ja) | Cdma用受信装置及びそのパス探索方法 | |
JP4299344B2 (ja) | 移動通信端末および受信ダイバーシチ切断方法 | |
JP2004343269A (ja) | ダイバーシチ受信機及びダイバーシチ制御方法並びにプログラム | |
EP1447926A1 (en) | SPACE DIVERSITY RECEIVER, OPERATION CONTROL METHOD THEREOF, AND PROGRAM | |
JP4378263B2 (ja) | 受信装置 | |
JP4116504B2 (ja) | ダイバーシチ受信装置および電子装置 | |
JP2006319637A (ja) | 受信装置 | |
JP2008136255A (ja) | ダイバーシチ受信装置および電子装置 | |
JP2927378B2 (ja) | ダイバーシチ受信装置 | |
JP2010118785A (ja) | 携帯端末装置、送受信性能補正方法及びそのプログラム | |
JP4328611B2 (ja) | スペクトラム拡散通信装置 | |
JPH11122154A (ja) | 無線信号受信装置 | |
JP4728772B2 (ja) | 遅延プロファイル生成回路及びその方法並びにそれを用いた受信機、プログラム | |
JP2001028509A (ja) | ダイバーシチ受信装置及び携帯端末 | |
JP2006129234A (ja) | 無線機及びその自動利得制御プログラム | |
JPH04337931A (ja) | ダイバーシチ受信方式 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060713 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060718 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060919 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061031 |