JP2004342436A - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Kenji Yasui
健治 安井
Tomotaka Nobue
等隆 信江
Kazuhiko Asada
和彦 麻田
Koji Yoshino
浩二 吉野
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Abstract

【課題】調理開始時のインピーダンス不整合時においても半導体スイッチ素子の耐圧破壊を防止する高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】加熱開始時に整合回路9のインピーダンスを調整している期間は、切り替え手段10によって電力検知回路8に第1の電力増幅器5の出力を加え、整合回路9のインピーダンス整合が完了した後は、切り替え手段10によって、第1の電力増幅器5の出力を主電力増幅器6に供給し、電力検知回路8には主電力増幅器6の出力を加えるように電力の伝達経路を切り替えるようにしたものであり、整合回路の初期整合時において、主電力増幅器から見た負荷インピーダンスが適正値から大きく外れていても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の電圧ストレス及び熱的なストレスを軽減し、信頼性を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、業務用や一般家庭用として使用される高周波による解凍や高周波誘電加熱によって食品などを加熱調理する高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、数MHzの高周波での誘電加熱により食品を解凍する高周波加熱装置はすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。また、高周波電源の回路構成としては、無電極放電灯点火装置ではあるが、発振回路の出力を主・サブの電力増幅回路によって増幅し、負荷に電力供給するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平08−255682号公報
【特許文献2】
特開平06−045087号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の高周波加熱装置に高周波電源の回路構成を単に採用しても、以下に挙げるような課題がある。すなわち、発振回路の高周波出力は微弱であるため、そのまま加熱用電力を得ることはできない。このため、主・サブの電力増幅回路を経て、食品の加熱に必要な電力まで増幅するものである。例えば、家庭用電子レンジと同等あるいはそれ以上の解凍能力を得ようとすると、加熱電極に与える電力としては200Wないしは300W程度の電力を必要とする。
【0005】
ところが、加熱する負荷となる食品はその形状、種類は多種多様であり、その種類形状によって電極間のインピーダンスは大きく変化する。したがって、整合回路を調整せずに食品を電極間に挿入した状態において、主電力増幅器から見た負荷インピーダンスは必ずしも適正な値になっているとは限らない。この状態で主電力増幅器が200Wないし300Wの電力をいきなり出力しようとすると、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に発生する電圧がその素子耐圧を超えてしまう、あるいはスイッチング損失が非常に大きい状態で動作することが継続し、半導体スイッチ素子の耐圧破壊あるいは熱による破壊を招くものであった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の電圧ストレス及び熱的なストレスを軽減し、信頼性を向上させた高周波加熱装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の高周波加熱装置は、高周波電源の出力によって被加熱物を誘電加熱する電極と、高周波電源とインピーダンス整合をとる整合回路を備え、高周波電源は、発振回路と、その出力を増幅する第1の電力増幅器と、その出力を増幅する主電力増幅器と、その出力を検出する電力検知回路と、主電力増幅器に直流電圧を供給する直流電圧源と、第1の電力増幅器の出力を主電力増幅器と電力検知回路のいずれか一方に切り替える切り替え手段とを有し、調理開始前の整合回路の初期整合時において、切り替え手段により第1の電力増幅器を整合回路に入力するようにしたものである。
【0008】
これによって、整合回路の初期整合時において、主電力増幅器から見た負荷インピーダンスが適正値から大きく外れていても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の電圧ストレス及び熱的なストレスを軽減し、信頼性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、高周波電源と、前記高周波電源の出力によって被加熱物を誘電加熱する電極と、前記電極と高周波電源との間に接続され前記高周波電源とインピーダンス整合をとる整合回路を備え、前記高周波電源は、高周波電源の発振周波数を決定する発振回路と、前記発振回路の出力を増幅する第1の電力増幅器と、第1の電力増幅器の出力を電力増幅する主電力増幅器と、前記主電力増幅器の出力を検出する電力検知回路と、前記主電力増幅器に直流電圧を供給する直流電圧源と、前記第1の電力増幅器の出力を前記主電力増幅器と前記電力検知回路のいずれか一方に切り替える切り替え手段を有し、調理開始前の前記整合回路の初期整合時においては前記切り替え手段によって前記第1の電力増幅器の出力を前記整合回路に入力するようにした高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に切り替え手段によって第1の電力増幅器の微小な出力で整合回路のインピーダンスの調整を行うので、加熱調理開始時に整合回路のインピーダンス整合が十分調整できておらずインピーダンス不整合の状態であっても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することなく整合回路のインピーダンス調整ができる。したがって、整合回路の初期整合時において、主電力増幅器から見た負荷インピーダンスが適正値から大きく外れていても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の電圧ストレス及び熱的なストレスを軽減し、信頼性を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、整合回路の初期整合時は直流電圧源の出力電圧をオフとする請求項1に記載の高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に、主電力増幅器の出力を零とすることができるので、加熱開始時にインピーダンス不整合であっても、主電力増幅器の半導体スイッチ素子に素子耐圧を超える過大な電圧が印加されたり、スイッチング損失の発生によって熱的な損傷を受けたりすることがなく、信頼性を向上することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、整合回路の初期整合が終了すると直流電圧源の出力電圧を定常出力値に漸増させるようにした請求項2に記載の高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に主電力増幅器の出力を零とすることができるので、加熱開始時にインピーダンス不整合であっても、主電力増幅器の半導体スイッチ素子に素子耐圧を超える過大な電圧が印加されたり、スイッチング損失の発生によって熱的な損傷を受けたりすることがなく、また、定常出力への移行にあたっても、急激な出力変化がないので、主電力増幅器の誤動作を防止でき、信頼性を向上することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、直流電圧源は、電力検知回路からの情報を得て入射電力を略一定に保つように前記直流電圧源の出力電圧を制御するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に、切り替え手段によって第1の電力増幅器の微小な出力で整合回路のインピーダンス調整を行うので、加熱調理開始時に整合回路のインピーダンス整合が十分調整できておらずインピーダンス不整合の状態であっても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することなく、整合回路のインピーダンス調整ができる。したがって、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の耐圧破壊の防止、あるいはスイッチング損失の増加による熱的な損傷を防止することができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、電力検知回路は、入射電力と反射電力の比である電力反射係数を算出し、前記電力反射係数が所定の値以下になると、整合回路の初期整合動作を終了し、切り替え手段は第1の電力増幅器の出力を主電力増幅器に切り替えるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に、切り替え手段によって第1の電力増幅器の微小な出力で整合回路のインピーダンスの調整を行うので、加熱調理開始時に整合回路のインピーダンス整合が十分調整できておらずインピーダンス不整合の状態であっても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することがなく、整合回路のインピーダンスの調整ができる。したがって、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の耐圧破壊の防止、あるいはスイッチング損失の増加による熱的な損傷を防止することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、電力検知回路は、反射電力を算出して、反射電力が所定の値以下になると、整合回路の初期整合動作を終了し、切り替え手段は第1の電力増幅器の出力を主電力増幅器に切り替えるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に、切り替え手段によって第1の電力増幅器の微小な出力で整合回路のインピーダンスの調整を行うので、加熱調理開始時に整合回路のインピーダンス整合が十分調整できておらずインピーダンス不整合の状態であっても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することなく、整合回路のインピーダンスの調整ができる。
【0015】
したがって、主電力増幅器の半導体スイッチ素子に備えられた耐圧破壊の防止、あるいはスイッチング損失の増加による熱的な損傷を防止することができると同時に、定常出力時において加熱電力を安定にすることができるので、加熱調理の仕上がりを向上することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、電力検知回路は、検出感度を切り替える構成とし、整合回路の初期整合時と定常出力時で検出電圧がほぼ等しくなるように感度を切り替えるようにした請求項5または6に記載の高周波加熱装置とすることにより、整合回路の初期整合時に、切り替え手段によって第1の電力増幅器の微小な出力で整合回路のインピーダンスの調整を行うので、加熱調理開始時に整合回路のインピーダンス整合が十分調整できておらずインピーダンス不整合の状態であっても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することなく、整合回路のインピーダンスの調整ができる。
【0017】
したがって、主電力増幅器に備えられ半導体スイッチ素子の耐圧破壊の防止、あるいはスイッチング損失の増加による熱的な損傷を防止することができる。同時に、初期整合時と定常出力時で電力検知回路の感度を切り替えその出力レベルを同じ程度にするため、初期整合時のインピーダンス調整が容易で確実に行えるようになり、定常出力に移行しても主電力変換器の損失を増加させることなく動作することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における高周波加熱装置を示している。
【0020】
図に示すように、本実施例の高周波加熱装置は、高周波電源3と、前記高周波電源3の出力によって被加熱物1を誘電加熱する電極2と、前記電極2と高周波電源3との間に接続され前記高周波電源3とインピーダンス整合をとる整合回路9を備えている。前記被加熱物1は、冷凍食品などからなり、電極2を構成する一対の導体電極2a、2bに挟み込まれるように配置され、高周波電源3から、例えば食品の解凍に適した13.56MHzや27.12MHzなどの高周波電界を加えられることで誘電加熱される。
【0021】
前記高周波電源3は、水晶発振子などによって高周波電源3の発振周波数を決定する発振回路4と、前記発振回路4の出力を一旦数十W程度に増幅する第1の電力増幅器5と、第1の電力増幅器5の出力をさらに電力増幅し被加熱物1の解凍に必要な電力まで増幅する主電力増幅器6と、前記主電力増幅器6の出力を検出する電力検知回路8と、前記主電力増幅器6に直流電圧を供給する直流電圧源7と、前記第1の電力増幅器5の出力を前記主電力増幅器6と前記電力検知回路8のいずれか一方に切り替える切り替え手段10を有し、調理開始前の前記整合回路9の初期整合時においては前記切り替え手段10によって前記第1の電力増幅器5の出力を前記整合回路9に入力するようにしている。このように切り替え手段10が作用することによって、調理開始時の初期整合を確立する段階では第1の電力増幅器5の微小な出力で整合回路9のインピーダンスを調整するため、調理開始時に整合が確立されていない状態であっても、第1の電力増幅器5に備えられた半導体スイッチ素子502の素子定格に少し余裕をもたせて設計することで、インピーダンス不整合による破壊を回避することが可能となる。
【0022】
例えば、切り替え手段10が無く初期整合時も主電力増幅器6が大電力を出力する場合、これに備えられた半導体スイッチ素子602の素子定格をインピーダンスの最悪条件で設計する必要が生じるため、主電力増幅器6全体の容積が熱的な余裕度を取るために過大となり、装置全体の大型化を招いていしまうという欠点がある。
【0023】
前記主電力増幅器6の出力電力は、電力検知回路8によって検出されることにより、直流電圧源7の出力電圧を帰還制御するように働く。また、整合回路9は、被加熱物1の形状、種類、電極2a、2b間の距離によって電極間のインピーダンスが変化しても、高周波電源3とのインピーダンス整合状態を維持するため、被加熱物1に効率よく高周波電力を伝達することができるようになっている。
【0024】
また、切り替え手段10は、整合回路9が加熱開始時にそのインピーダンス値を初期整合するとき、先に説明したように、第1の電力増幅器5の出力を電力検知回路8へ入力し、主電力増幅器6の動作は停止するように働く。そして、整合回路9のインピーダンスの初期整合が完了すると、第1の電力増幅器5の出力を主電力増幅器6へ供給し、主電力増幅器6は被加熱物1の加熱に必要な電力(例えば、200Wないし300W)を発生するように動作する。
【0025】
図2は、本実施例の高周波加熱装置の具体的な回路構成を示している。
【0026】
発振回路4は、水晶発振子401とロジックIC402などから構成されており、水晶発振子401の発振周波数で決定される周波数の信号を出力する。この出力信号は、第1の電力増幅器5の駆動信号として入力され、駆動回路501はこの信号を元に半導体スイッチ素子502に駆動信号を与える。半導体スイッチ素子502は、この駆動信号によってオンオフ動作を行い、10Wから20W程度の電力にまで電力増幅を行っている。
【0027】
主電力増幅器6は、第1の電力増幅器5の出力が駆動回路601に駆動用信号として入力され、駆動回路601は半導体スイッチ素子602にオンオフ信号を与えている。半導体スイッチ素子602は、駆動信号によってオンオフ制御され共振回路603を励振して第1の電力増幅器5の出力電力を被加熱物1の解凍に必要な電力(例えば、200Wないし300W)にまで増幅する。主電力増幅器6の出力電力は、電力検知回路8に入力され、整合回路9に進行する入射電力Pfと整合回路9側から反射してくる反射電力Prとして検出される。
【0028】
図3は、電力検知回路8の具体的な回路例である。入力端子INが主電力増幅器6に接続され、出力端子OUTは整合回路9に接続される。電流検出トランス801の出力と、電圧検出用のコンデンサ802、803の対と806、807の対によってそれぞれ反射電力Prと入射電力Pfを検出し、それぞれローパスフィルタ805、809によって高周波成分を除去し、それぞれの電力に相関を持った直流電圧Pf及びPrとして電力検知回路8は出力する。
【0029】
なお、電力検知回路8は、入射電力Pfと反射電力Prの比である電力反射係数を算出し、前記電力反射係数が所定の値以下になると、整合回路9の初期整合動作を終了し、切り替え手段10は第1の電力増幅器5の出力を主電力増幅器6に切り替えるようにするか、または、電力検知回路は、反射電力を算出して、反射電力が所定の値以下になると、整合回路の初期整合動作を終了し、切り替え手段10は第1の電力増幅器5の出力を主電力増幅器6に切り替えるようにしている。このように初期整合動作を行うことによって初期整合を確実に判別することができるので、初期整合に要する時間を短縮することができ、加熱調理の全体時間を短縮できる。
【0030】
したがって、使用者の利便性を図ることができる。また、インピーダンスの整合を確立した後に主電力増幅器6の出力を定常値へ増加するので、主電力増幅器6に備えられた半導体スイッチ素子602に過大な電圧を印加することがなく、素子の破壊を未然に防止することができる。
【0031】
図2に戻り、整合回路9は、可変インダクタ901及び可変コンデンサ902を備えており、電力検知回路8の反射電力Prが最小となるように可変インダクタ901、可変コンデンサ902の値を適宜調整し、被加熱物1である食品に主電力増幅器6の出力電力が効率よく伝達するように働く。
【0032】
なお、整合回路9の初期整合時は直流電圧源7の出力電圧をオフとするものであり、整合回路9の初期整合が終了すると、直流電圧源7の出力電圧を定常出力値に漸増させるようにしたものである。このように動作することによって、初期整合動作時に主電力増幅器6に直流電圧が供給されていないため、回路の発生するノイズなどによって主電力増幅器6に備えられた半導体スイッチ素子602が誤動作しスイッチング動作をしようとしても、不要な電圧を発生することが無く、半導体スイッチ素子602が損傷することを防ぐことができる。
【0033】
また、初期整合動作を終了したのち直流電源7の出力電圧を零の状態から急激に定常出力に立ち上げずに緩やかに漸増させることにより、反射電力や電力反射係数などによって主電力増幅器6の出力をフィードバック制御する際に過渡応答による出力のオーバーシュートを緩和することができるため、主電力増幅器6及び直流電源7に備えられた半導体スイッチ素子602、703に過大な電圧を発生することなく素子の損傷を防ぐことができる。このため、回路の信頼性を向上することができる。
【0034】
また、直流電圧源7は、商用電源10の電圧を一旦整流回路701と平滑回路702によって整流平滑し、半導体スイッチ素子703のオンオフによってトランス704を励振して、数十kHzの高周波電力をトランス704に発生する。出力平滑回路705はこの高周波電圧を再び直流に整流し、主電力増幅器6に直流電圧を供給する。制御回路706は電力検知回路8によって検出される入射電力Pf及び反射電力Prをもとに、定常出力時は、入射電力Pfが略一定となるよう、直流電圧源7の出力電圧V7outを制御し半導体スイッチ素子703のオン時間を調整するように働く。このように動作することによって、インピーダンスの整合が確立している条件では出力電力と入射電力Pfはほぼ一致するので、負荷に供給する加熱エネルギーを安定に制御することができる。このため、調理中に主電力増幅器6や直流電源7に備えられた半導体スイッチ素子602、703に印加される電圧を安定にすることができるので、耐圧を超えるような過電圧が印加されること無く素子の破壊を未然に防止することができるという効果を発揮することができる。また、加熱時間を制御することで、調理の仕上がり具合を安定にすることができるので、使用者の利便性を向上することも可能である。
【0035】
また、切り替え手段10は、一対の接点1001、1002を有しており、加熱開始時に整合回路9のインピーダンスを調整し加熱電力が有効に負荷に伝わるインピーダンス条件に設定する間は、接点1001は(b)端子側に接続し、接点1002も同じく(b)端子側に接続される。この結果、第1の電力増幅器5の出力電力は電力検知回路8へ直接入力されることになる。したがって、整合回路9以降には第1の電力増幅器5の微小な出力が供給され、電力検知回路8はこの微小な電力で反射電力Prを最小となるように整合回路9のインピーダンスを調整する。なお、定常出力時は、接点1001、1002は共に(a)端子側に接続される。
【0036】
ここで、第1の電力増幅器5及び主電力増幅器6の出力電力と半導体スイッチ素子502、602の印加電圧の関係を図4に示す。電力増幅器5、6の回路構成によってもその特性曲線は異なるが、どのような電力増幅器の回路構成であっても出力電力の増加に対して、半導体スイッチ素子502、602の印加電圧は必ず上昇する。
【0037】
負荷と整合を保っている定常出力の状態では、電力増幅器5、6と電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子502、602の印加電圧の関係は、図4の4−aに示すように、定常出力時においても半導体スイッチ素子502、602の耐電圧以下に収まっており、半導体スイッチ素子502、602が耐圧破壊を起こす心配は無いといえる。しかしながら、被調理物1の温度、形状、重量、電極2a、2bの距離などによって負荷インピーダンスは大きく変化するため、調理を開始するときは必ずしも整合状態あるいはそれに近い状態になっているとは限らない。この場合、電力増幅器の出力電力と半導体スイッチ素子502、602の印加電圧の関係は4−bあるいは4−cのようになる。4−cの場合は印加電圧が低くなるため、動作としては安全側になるが、4−bの特性を示すインピーダンスになっている場合は、所定の定常出力を加熱開始からいきなり出力しようとすると半導体スイッチ素子602の耐電圧を超える電圧を印加する可能性がある。
【0038】
しかしながら、本実施例の高周波加熱装置においては、整合回路9を調整して主電力増幅回路6との整合が確立するまでは、切り替え手段10によって第1の電力増幅器5の出力を整合回路9以降に供給し、整合回路9のインピーダンス初期整合を確立し、この間は、主電力増幅器6は動作を停止しているため、半導体スイッチ素子602にその素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することを防止することができる。また、第1の電力増幅器5の出力電力は10Wから20W程度と低いので、半導体スイッチ素子501に印加される電圧は素子耐圧に対して余裕を持って設計することが可能である。
【0039】
この結果、本実施例の高周波加熱装置においては、調理開始時に整合回路9がインピーダンスの初期整合を行っている状態でインピーダンス不整合の状態であっても、電力変換器5、6に備えられた半導体スイッチ素子502、602に過大な電圧を印加することなく、確実にインピーダンス整合を確立することができるものである。
【0040】
なお、本実施例では、発振回路4にロジックIC402を用いた構成を示したが、例えば、図5のようにロジックICを用いないでトランジスタ403と抵抗404、コンデンサ405などの受動部品によって発振回路4を構成しても、本実施例と全く同様の効果、作用を発揮することができる。また、第1の電力増幅器5、主電力増幅器6及び直流電圧源7の回路構成を、それぞれ半導体スイッチ素子を1つ用いて構成した例を示しているが、それぞれの回路を複数の半導体スイッチ素子によって回路構成しても同様な効果を得ることができるのは言うまでもない。
【0041】
(実施例2)
図6は本発明の実施例2における高周波加熱装置の電力検知回路を示すものである。
【0042】
本実施例において、電力検知回路8は、その検出感度を切り替えるように構成しており、例えば、図に示すように、電力検知回路8の出力端子に接続しているローパスフィルタ805、809の入力抵抗を、整合回路9の初期整合時と定常出力時で切り替えて、その検出感度を切り替えている。なお、その他の構成は実施例1と同じである。
【0043】
出力感度切り替え時の電力検知回路8の出力特性は、図7に示すようになり、定常出力時と整合回路9の初期整合時とでその特性を切り替えている。整合回路9の初期整合時には第1の電力増幅器5の出力を電力検知回路8に入力するので、定常時に比べると微小な電力しか供給されない。このため、感度の切り替えを設けないと、整合回路9の初期整合時は、電力検知回路8の出力が非常に微小なものとなってしまい、整合回路9の整合完了判定が非常に困難となる。しかしながら、本実施例の電力検知回路8は、整合回路9の初期整合時にはその出力電圧が高くなるように感度を切り替えるので、整合回路9の初期整合を精度良く調整することが可能となる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高周波加熱装置によれば、整合回路の初期整合時に切り替え手段によって第1の電力増幅器の微小な出力で整合回路のインピーダンスの調整を行うので、加熱調理開始時に整合回路のインピーダンス整合が十分調整できておらずインピーダンス不整合の状態であっても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子に素子耐圧を超えるような過大な電圧を印加することなく整合回路のインピーダンス調整ができる。したがって、整合回路の初期整合時において、主電力増幅器から見た負荷インピーダンスが適正値から大きく外れていても、主電力増幅器に備えられた半導体スイッチ素子の電圧ストレス及び熱的なストレスを軽減し、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における高周波加熱装置を示すブロック図
【図2】同高周波加熱装置の具体的な回路図
【図3】同高周波加熱装置の電力検知回路の回路図
【図4】同高周波加熱装置の電力増幅器の出力電力と半導体スイッチ素子の印加電圧の関係を示した図
【図5】同高周波加熱装置の発振回路の他例を示す回路図
【図6】本発明の実施例2における高周波加熱装置の電力検知回路の回路図
【図7】同高周波加熱装置の電力増幅器の出力電力と電力検知回路の検知出力の関係を示した図
【符号の説明】
1 被調理物
2 電極
3 高周波電源
4 発振回路
5 第1の電力増幅器
6 主電力増幅器
7 直流電圧源
8 電力検知回路
9 整合回路
10 切り替え手段

Claims (7)

  1. 高周波電源と、前記高周波電源の出力によって被加熱物を誘電加熱する電極と、前記電極と高周波電源との間に接続され前記高周波電源とインピーダンス整合をとる整合回路を備え、前記高周波電源は、高周波電源の発振周波数を決定する発振回路と、前記発振回路の出力を増幅する第1の電力増幅器と、第1の電力増幅器の出力を電力増幅する主電力増幅器と、前記主電力増幅器の出力を検出する電力検知回路と、前記主電力増幅器に直流電圧を供給する直流電圧源と、前記第1の電力増幅器の出力を前記主電力増幅器と前記電力検知回路のいずれか一方に切り替える切り替え手段を有し、調理開始前の前記整合回路の初期整合時においては前記切り替え手段によって前記第1の電力増幅器の出力を前記整合回路に入力するようにした高周波加熱装置。
  2. 整合回路の初期整合時は直流電圧源の出力電圧をオフとする請求項1に記載の高周波加熱装置。
  3. 整合回路の初期整合が終了すると直流電圧源の出力電圧を定常出力値に漸増させるようにした請求項2に記載の高周波加熱装置。
  4. 直流電圧源は、電力検知回路からの情報を得て入射電力を略一定に保つように前記直流電圧源の出力電圧を制御するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  5. 電力検知回路は、入射電力と反射電力の比である電力反射係数を算出し、前記電力反射係数が所定の値以下になると、整合回路の初期整合動作を終了し、切り替え手段は第1の電力増幅器の出力を主電力増幅器に切り替えるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  6. 電力検知回路は、反射電力を算出して、反射電力が所定の値以下になると、整合回路の初期整合動作を終了し、切り替え手段は第1の電力増幅器の出力を主電力増幅器に切り替えるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  7. 電力検知回路は、検出感度を切り替える構成とし、整合回路の初期整合時と定常出力時で検出電圧がほぼ等しくなるように感度を切り替えるようにした請求項5または6に記載の高周波加熱装置。
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