JP2004341423A - 耐久性試験装置および耐久性試験方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の耐久性試験装置1は、光を出射する光源3と、光源3から出射された光のうち、500nm以上の波長の光をカットするよう配置されたダイクロイックミラー9と、ダイクロイックミラー9から出射された光のうち、380nm以下の波長の光をカットするカットフィルタ5とを備えている点に特徴を有する。カットフィルタ5は、380nm以下の波長の光の透過率が5%以下であり、390〜500nmの波長領域の光の透過率が40%以上である。また、光源3とカットフィルタ5との間の光路上には、光源3から出射された光を集光するレンズ4が設置されている。390〜500nmの波長領域の光の液晶パネル10への照射強度は、3000〜14000mW/cm2 である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐久性試験装置および耐久性試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン上に画像を投影する液晶プロジェクタ等の投射型表示装置(液晶表示装置)が知られている。このような投射型表示装置では、通常、液晶パネルを備えている。このような液晶パネルは、主として、液晶層に電圧を印加するための電極を備える2枚の基板と、これらに狭持された液晶層とで構成されており、前記電極を備える2枚の基板の液晶層に対向する面側には、それぞれ、電圧無印加時における液晶分子の配列を制御する配向膜が設けられている。配向膜としては、一般にポリイミドなどの配向性有機高分子膜で構成されたものが用いられている。
【0003】
上記のような液晶パネル、液晶表示装置においては、例えば、配向膜の構成材料や液晶分子等が経時的劣化(分解等)を起こすことにより、液晶の性能に悪影響を起こしたり、配向膜による液晶分子の配向規制力が低下して液晶分子の配向状態が乱れ、コントラストの低下などの表示品質の低下を生じることがある。
そこで、液晶パネルについては、その耐久性を評価する目的の試験が行われることがある。このような試験としては、例えば、液晶パネルを高温環境下に所定時間放置するエージング加速試験がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、近年の液晶表示装置の急速な高輝度化、小型化に伴い、耐熱性だけでなく、ポリイミド材料の耐光性が、液晶パネル、画像表示装置の製品寿命に大きな影響を与えるようになってきている。このため、上記のような試験では、液晶パネルの耐久性を適切に評価するのが困難となってきていた。
このような問題を解決する目的で、液晶パネルに光を照射し、表示品質が低下するまでの時間を計測し、液晶パネルの耐久性を評価する方法が採用されることがある。このような方法においては、通常、液晶表示装置が備える光源が用いられるが、通常の実機製品においてこのような試験を行うと、評価が終了するまでに、通常1年以上費やしてしまい、試験の効率が極めて低い。
また、試験の効率化を向上させる目的で、高エネルギーの短波長光(例えば、紫外線等)を照射する方法も考えられるが、このような方法では、液晶表示装置が備える光源を用いた試験を行った場合とは明らかに異なる劣化挙動が認められ、通常の使用条件での耐久性を判断することは実質的に不可能であった。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−12752号公報(第2頁左欄第44〜50行目)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、液晶パネルの耐久性を短時間で適正に評価することができる耐久性試験装置および耐久性試験方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の耐久性試験装置は、液晶パネルに光を照射して、前記液晶パネルの耐久性試験を行う耐久性試験装置であって、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光のうち、500nm以上の波長の光をカットするよう配置されたダイクロイックミラーと、
前記ダイクロイックミラーを透過した光のうち、380nm以下の波長の光をカットするカットフィルタとを備え、前記カットフィルタを通過した光を前記液晶パネルに照射して耐久性試験を行うことを特徴とする。
これにより、液晶パネルの耐久性を短時間で適正に評価することが可能な耐久性試験装置を提供することができる。
【0008】
本発明の耐久性試験装置では、前記カットフィルタは、380nm以下の波長の光の透過率が5%以下であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより適正に評価することができる。
本発明の耐久性試験装置では、前記カットフィルタは、390〜500nmの波長領域の光の透過率が40%以上であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより短時間で適正に評価することができる。
【0009】
本発明の耐久性試験装置では、前記液晶パネルに照射される光を集光する集光手段を備えたことが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより短時間で適正に評価することができる。
本発明の耐久性試験装置では、耐久性試験装置内の少なくとも一部を冷却する冷却手段を備えたことが好ましい。
これにより、液晶パネルの温度が過度に上昇するのを防止することができ、液晶パネルの耐久性を、比較的短時間でより適正に評価することができる。
【0010】
本発明の耐久性試験装置では、390〜500nmの波長領域の光の前記液晶パネルへの照射強度が、3000〜14000mW/cm2 であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより短時間で適正に評価することができる。
本発明の耐久性試験装置では、前記液晶パネルに照射される光は、380nm以下の波長の光の強度が100mW/cm2 以下であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより適正に評価することができる。
【0011】
本発明の耐久性試験方法は、請求項1ないし7のいずれかに記載の耐久性試験装置を用いて行われることを特徴とする。
これにより、液晶パネルの耐久性を短時間で適正に評価することが可能な耐久性試験方法を提供することができる。
本発明の耐久性試験方法では、光の照射時における前記耐久性試験装置内の温度が、10〜80℃であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性を、比較的短時間でより適正に評価することができる。
【0012】
本発明の耐久性試験方法は、液晶パネルに光を照射して、前記液晶パネルの耐久性を試験する耐久性試験方法であって、
光源から光を出射し、前記光源から出射された光のうち、500nm以上の波長の光と、380nm以下の波長の光とをカットして前記液晶パネルに照射することを特徴とする。
これにより、液晶パネルの耐久性を短時間で適正に評価することが可能な耐久性試験方法を提供することができる。
【0013】
本発明の耐久性試験方法では、前記光源から出射された光を集光して前記液晶パネルに照射することが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより短時間で適正に評価することができる。
本発明の耐久性試験方法では、前記液晶パネルから抜熱しつつ、光の照射を行うことが好ましい。
これにより、液晶パネルの温度が過度に上昇するのを防止することができ、液晶パネルの耐久性を、比較的短時間でより適正に評価することができる。
【0014】
本発明の耐久性試験方法では、390〜500nmの波長領域の光の前記液晶パネルへの照射強度が、3000〜14000mW/cm2であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより短時間で適正に評価することができる。
本発明の耐久性試験方法では、前記液晶パネルに照射される光は、380nm以下の波長の光の強度が100mW/cm2以下であることが好ましい。
これにより、液晶パネルの耐久性をより適正に評価することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の耐久性試験装置および耐久性試験方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の耐久性試験装置の好適な実施形態を模式的に示す図である。
本実施形態の耐久性試験装置1は、基本的には、光を出射する光源3と、光源3から出射された光を集光するレンズ4と、光源3から出射された光のうち波長350nm以下の紫外光をカットするUVカットフィルタ8と、500nm以上の波長の光をカットする(波長500nm未満の青色光を選択的に透過する)よう配置されたダイクロイックミラー9と、所定波長以下の成分をカット(反射または吸収)するカットフィルタ5と、液晶パネル10が取り付けられる液晶パネル取り付け台6と、冷却ファン(冷却手段)7と、これらを収納する筐体2とで構成される。
【0016】
筐体2は、外部筐体21と内部筐体22とを有している。そして、内部筐体22の内側に、光源3、レンズ4、UVカットフィルタ8、ダイクロイックミラー9、カットフィルタ5、液晶パネル取り付け台6および冷却ファン7が配設されている。このように、筐体2を二重構造とすることで、外部からの光の進入をより確実に遮断(遮蔽)することができ、光源3からの光のみを液晶パネル10に照射することができる。
【0017】
また、筐体2(外部筐体21および内部筐体22)には、図示しないが、被試験体である液晶パネル10の取り付け、取り出しを行うための開口部がそれぞれ設けられている。
耐久性試験装置1を用いて耐久性試験を行う際には、まず、液晶パネル取り付け台6に液晶パネル10を取り付けて固定し、光源3から光を出射させる。
【0018】
本発明で用いられる液晶パネルは、いかなる用途のものであってもよいが、以下の説明では、近年、高輝度化が急速に進行し、耐光性が製品寿命に大きな影響を与えるようになってきている液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられるものについて代表的に説明する。
光源3としては、例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプ、超高圧水銀灯、発光ダイオード等を用いることができるが、液晶パネル10が搭載される実機(液晶表示装置)が備える光源と同種のものを用いるのが好ましい。これにより、液晶パネル10の通常の使用条件での耐久性を、より適正に評価することができる。また、光源3として規格化されたものを用いることにより、試験の再現性をさらに向上させることができる。これらの光源は、単独で用いることもできるし、あるいは複数を併用することもできる。また、光照射は、通常、連続的に行われるが、断続的に行われるものであってもよい。
【0019】
ところで、本発明においては、液晶パネル10の耐久性をより短時間で評価するために、光源3として光の照射強度の比較的大きいものを用いるのが好ましい。このような光源3を用いた場合、光源3からの光出射、液晶パネル10への光照射に伴う発熱量が大きくなる傾向があり、耐久性試験装置1内部(内部筐体22)の温度(特に、光源3の温度、液晶パネル10の温度)が過度に上昇する可能性がある。このような過度な温度上昇を生じると、光源3の寿命が短くなるばかりか、液晶パネル10の耐久性を十分に適正に評価するのが困難になる可能性がある。このような過度な温度上昇を防止する目的で、本実施形態では、光源3の背面側に冷却ファン(冷却手段)7が設置されている。この冷却ファン7を稼動させることにより、筐体2内の雰囲気を循環させて、耐久性試験装置1内部の温度上昇をより確実に防止することができ、上記のような問題の発生をより確実に防止することができる。
【0020】
また、筐体2には開口部23が設けられていることが好ましい。これにより、筐体2内の雰囲気の循環をより効率的に行い、耐久性試験装置1の内部の過度な温度上昇(特に、光源3の温度上昇、液晶パネル10の温度上昇)をより効果的に防ぐことができる。なお、開口部23は、耐久性試験装置1内部の遮光性を十分に保持することができるように形成されたものであるのが好ましい。
【0021】
レンズ(レンズ群を含む)4は、光源3から出射された光を集光する機能を有するものである。このようなレンズ(集光手段)4を有することにより、後述するUVカットフィルタ8、ダイクロイックミラー9およびカットフィルタ5を透過した光が液晶パネル10付近で焦点を結ぶようにすることができる。これにより、液晶パネル10への照射光の強度(単位面積当たりの強度)を増加させることができる。その結果、液晶パネル10の劣化を促進(加速)させることができ、耐久性試験をより短時間で適正に行うことができる。
【0022】
レンズ4は、光源3から出射された光を集光する機能を有するものであれば特に限定されないが、アクロマートアプラナートコンデンサ、アクロマートコンデンサ、アプラナートコンデンサ、アッベ型コンデンサ、位相差ターレットコンデンサ、はねのけ式コンデンサ、油浸系暗視野コンデンサ等のコンデンサレンズであるのが好ましい。レンズ(集光手段)4としてコンデンサレンズを用いることにより、光源から出射された光の集光効率を特に優れたものとすることができる。その結果、耐久性試験装置1の小型化に寄与することができるとともに、耐久性試験に要する時間のさらなる短縮を図ることができる。
【0023】
なお、レンズ4を透過した光は、UVカットフィルタ8を介して、ダイクロイックミラー9およびカットフィルタ5に入射するが、後に詳述するように、本発明ではダイクロイックミラーおよびカットフィルタが、それぞれ、波長500nm以上の光(以下、単に「長波長光」とも言う)、波長380nm以下の光(以下、単に「短波長光」とも言う。)をカットするものである。このため、レンズ4は、ダイクロイックミラー9およびカットフィルタ5を透過できる波長領域の光が液晶パネル10付近で焦点を結ぶように設計されたものであればよく(全波長領域の光が液晶パネル10付近で焦点を結ぶ必要はなく)、レンズ設計を比較的容易に行うことができる。それどころか、レンズ4が、短波長光が液晶パネル10付近で焦点を結ばないような光学特性を有するものであると、カットフィルタ5による短波長光の遮断効率が比較的低いものであっても、液晶パネル10に照射される光のうち、380nm以下の波長領域の光強度(単位面積当たりの光強度)が低下し、短波長光(380nm以下の波長領域の光)による、後述するような悪影響の発生をより効果的に防止することができる。また、同様に、レンズ4が、長波長光が液晶パネル10付近で焦点を結ばないような光学特性を有するものであると、カットフィルタ5による長波長光の遮断効率が比較的低いものであっても、液晶パネル10に照射される光のうち、500nm以上の波長領域の光強度(単位面積当たりの光強度)が低下し、長波長光(500nm以上の波長領域の光)による、後述するような悪影響の発生をより効果的に防止することができる。
【0024】
UVカットフィルタ8は、レンズ4を透過した光のうち、波長350nm以下の紫外光をカットするものである。このように、本実施形態においては、レンズ4とダイクロイックミラー9との間の光路上に、UVカットフィルタ8が設置されている。これにより、ダイクロイックミラー9等の紫外光による劣化を防ぐことができる。また、上記のように、UVカットフィルタ8が設置されることにより、耐久性試験において、液晶パネル10の紫外光による劣化(通常の使用条件での劣化が十分に反映されないような劣化)を効果的に防止することができる。
【0025】
UVカットフィルタ8は、波長350nm以下の紫外光をカットする機能を有するものであればよいが、350nm以下の波長の光の透過率が、5%以下のものであるのが好ましい。
ダイクロイックミラー9は、UVカットフィルタ8を透過した光のうち、波長500nm以下の光を分離して選択的に透過するものである。これにより、光源3からの照射光に含まれる熱線等の成分を効果的にカットし、液晶パネルの通常の使用条件に近い試験条件を得ることができる。
【0026】
そして、レンズ4により集光された光は、UVカットフィルタ8およびダイクロイックミラー9を透過し、波長380nm以下の光をカットすることができる(波長380nm以下の光の強度を低減させることができる)カットフィルタ(ハイパスフィルタ)5に入射する。このように、本発明では、光源から出射した光をダイクロイックミラーおよびカットフィルタに入射させ、該光学系を透過した光を液晶パネルに照射させる点に特徴を有する。
【0027】
すなわち、本発明者は、液晶パネルの光劣化が、主として配向膜材料の光劣化に起因すること、および、配向膜の材料として広く用いられているポリイミド材料の吸収スペクトルパターンに着目し、ダイクロイックミラーとカットフィルタ(ハイパスフィルタ)とを備えた耐久性試験装置を用い、500nm以上の波長の光と、380nm以下の波長の光とをカットすることにより、通常の使用条件での耐久性が十分に反映された評価を得ることが可能な耐久性試験を短期間で行うことができることを見出した。
【0028】
これに対し、500nm以上の成分と380nm以下の成分とがカットされていない光を液晶パネルに照射した場合、通常の使用条件での耐久性を十分に反映した評価を得ることが極めて困難になる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。すなわち、耐久性試験は、液晶パネルに極端に長い時間連続して光を照射したり、集光手段により光の強度(単位面積当たりの強度)を極端に高くする等、通常の使用環境では想定されていないような過酷な条件で行われるのが一般的であるため、500nm以上の成分がカットされていない光を液晶パネルに照射した場合、熱線等により液晶パネルの温度が上昇し、通常の使用条件とは異なる評価結果となってしまう。また、波長が380nm以下の光、すなわち、1光子当たりのエネルギーの大きい光が、極端に長時間連続して照射されたり、極端に高密度で照射されることになり、通常の使用環境下では、発生し得ない光反応(光化学反応)等を起こす。このため、380nm以下の成分がカットされていない光を液晶パネルに照射した場合には、通常の使用条件での耐久性を十分に反映した評価を得ることが極めて困難になるものと考えられる。
本発明において、ダイクロイックミラーは光源から出射された光から500nm以上の波長の光をカットする機能を有するものであればよいが、500nm以上の波長の光の透過率が、10%以下のものであるのが好ましい。
【0029】
また、本発明において、カットフィルタは、ダイクロイックミラーを透過した光から380nm以下の波長の光をカットする(光の強度を低減させる)機能を有するものであればよいが、380nm以下の波長の光の透過率が、5%以下のものであるのが好ましく、1%以下のものであるのがより好ましく、0.1%以下のものであるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。なお、フィルタのカット波長を表す指標として透過限界波長(例えば透過率が72%になる波長と5%になる波長の中間値を言う)があるが、この値と実質的に除かれる波長の値が異なることは当業者の知るところである。
【0030】
上記のように、カットフィルタは、光源から出射された光から380nm以下の波長の光をカットするものであれば特に限定されないが、380nm以下の波長の光を選択的にカットするもの、すなわち、380nmを超える波長の光の透過率が高いものであるのが好ましく、特に、390〜500nmの波長領域の光の透過率が高いものであるのが好ましい。390〜500nmの波長領域の成分の光が多く含まれることにより(カットフィルタが390〜500nmの波長領域の光の透過率の高いものであると)、耐久性試験に要する時間をさらに効果的に短縮することができる。具体的には、カットフィルタ5は、390〜500nmの波長領域の光の透過率が、40%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、90%以上であるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0031】
カットフィルタ5は、いかなる構成のものであってもよいが、例えば、多層光学薄膜(特に、反射型誘電体多層膜フィルタ)等が好適に用いられる。カットフィルタ5として多層光学薄膜を用いる場合、当該多層光学薄膜の各層の構成材料や厚さ、層構成等を適宜設定することにより、上記のような光学特性(光透過性、光不透過性)を満足するように設計することができる。
【0032】
特に、本実施形態では、光源3から出射された光が、レンズ(集光手段)4に入射し、レンズ4を透過した光が、UVカットフィルタ8、ダイクロイックミラー9に入射し、UVカットフィルタ8およびダイクロイックミラー9を透過した光がカットフィルタ5に入射し、カットフィルタ5を透過した光が液晶パネル10に照射されるように、各部材が配置されている。すなわち、光源3から出射された光の光路上に、レンズ4と、UVカットフィルタ8と、ダイクロイックミラー9と、カットフィルタ5と、液晶パネル10とが、この順に配置されるようになっている。
上記のようにして380nm以下の成分がカットされた光は、液晶パネル取り付け台6に取り付けられた液晶パネル10に照射される(入射する)。
【0033】
液晶パネル10に照射される光の強度は、波長390〜500nmの範囲において3000〜14000mW/cm2であるのが好ましく、6000〜12000mW/cm2であるのがより好ましい。光強度を前記範囲とすることで、液晶パネルの通常の使用条件での耐久性を十分に反映した評価をより短時間で得ることができる。これに対し、光強度が前記下限値未満であると、耐久性試験に要する時間を十分に短縮するのが困難になる可能性がある。また、光強度が前記上限値を超えると、液晶パネル10の構成材料等によっては、液晶パネル10の光の照射部付近における発熱量が増大し、液晶パネル10の構成材料が熱分解等の反応を起こし易くなり、液晶パネルの通常の使用条件での耐久性を十分に反映した評価を得るのが困難になる可能性がある。
【0034】
また、液晶パネル10に照射される光は、380nm以下の波長の光の強度が100mW/cm2以下であるのが好ましく、50mW/cm2以下であるのがより好ましく、20mW/cm2以下であるのがさらに好ましい。これにより、通常の使用条件での耐久性を十分に反映した評価をより短時間で得ることができる。これに対し、380nm以下の波長の光の強度が100mW/cm2 を超えると、前述したような本発明の効果が十分に発揮されない可能性がある。
【0035】
また、耐久性試験装置1(内部筐体22)内部の温度(液晶パネル10の温度)を高くすることにより、耐久性試験に要する時間を短縮することができる傾向があるが、温度が高くなりすぎると、液晶パネル10は、通常の使用環境とは明らかに異なる劣化挙動を示す。このようなことから、光の照射時における耐久性試験装置1(内部筐体22)内部の温度は、10〜80℃であるのが好ましく、30〜80℃であるのがより好ましく、40〜70℃であるのがさらに好ましい。耐久性試験装置1が、前述したような冷却手段(冷却ファン7)を有する場合、液晶パネル10の温度を、より確実に上記のような範囲の値とすることができるが、耐久性試験装置1は、必要に応じて、装置内部の温度(特に、液晶パネル10の温度)を上昇させるための加熱手段を有していてもよい。
【0036】
なお、本発明の耐久性試験装置は、上記のような構成を有するものに限定されない。例えば、本発明の耐久性試験装置は、まず光源からの出射光を石英光ファイバーで分岐・誘導し、石英ロッドレンズによってインテグレートした後、照射光学系を通して液晶パネルに照射するような構成のものであってもよい。これにより、光の利用効率をさらに高め、かつ照射面内における光強度の均一性を高めることができ、さらなる、耐久性試験の効率化と試験精度の向上を図ることができる。
【0037】
本発明の耐久性試験装置、耐久性試験方法で用いられる液晶パネル10は、いかなる形態のものであってもよいが、以下、その一例について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本発明によって耐久性試験が行なわれる液晶パネルは、以下に述べる構成の液晶パネルに限定されないことは言うまでもない。
図2は、液晶パネルの一例を示す模式的な縦断面図である。
図2に示すように、液晶パネル10は、液晶層11と、配向膜12、12’と、透明導電膜(透明電極)14、15と、偏光膜16、16’と、基板17、18とを有している。
【0038】
液晶層11は、主として、液晶分子で構成されている。
液晶層11を構成する液晶分子としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶分子を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。さらに、これらネマチック液晶分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。
【0039】
液晶層11の両面には、配向膜12、12’が配置されている。配向膜12、12’は、液晶層11を構成する液晶分子の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有する。
配向膜12、12’は、有機材料で構成されたものであってもよいし、無機材料で構成されたものであってもよい。また、配向膜12、12’は、有機材料と無機材料の複合体で構成されたものであってもよい。
【0040】
配向膜12、12’を構成する有機高分子材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられるが、この中でも特に、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。配向膜12、12’が、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂で構成されたものであると、製造工程において簡便に高分子膜を形成できるとともに、耐熱性、耐薬品性等に優れた特性を有するものとなる。
【0041】
また、配向膜12、12’を構成する無機材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO、SiO2等)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等が挙げられるが、この中でも特に酸化ケイ素が好ましい。酸化ケイ素は、特に優れた耐光性や耐熱性を有している。このため配向膜12、12’が、主として酸化ケイ素で構成されたものであると、液晶パネルの耐久性をさらに向上させることができる。
【0042】
前述したように、配向膜12、12’は、液晶層11を構成する液晶分子の配向状態を規制する機能(配向機能)を有するものである。このような配向機能は、例えば、上記のような材料で構成された膜に、ラビング法、光配向法等の処理(配向処理)を施すことにより、付与することができる。
ラビング法は、ローラ等を用いて、膜の表面を一定の方向に擦る(ラビングする)方法である。このような処理を施すことにより、膜はラビングした方向に異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
【0043】
光配向法は、直線偏光紫外線等の光を膜の表面付近に照射することにより、膜を構成する高分子のうち、特定方向を向いている分子のみを選択的に反応させる方法である。このような処理を施すことにより、膜は異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
配向膜12の外表面側(液晶層11と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜(透明電極)14が配置されている。同様に、配向膜12’の外表面側(液晶層11と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜(透明電極)15が配置されている。
【0044】
透明導電膜14、15は、これらの間で通電を行うことにより、液晶層11の液晶分子を駆動する(配向を変化させる)機能を有する。
透明導電膜14、15間での通電の制御は、透明導電膜に接続された制御回路(図示せず)から供給する電流を制御することにより行われる。
透明導電膜14、15は、導電性を有しており、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
【0045】
透明導電膜14の外表面側(配向膜12と対向する面とは反対の面側)には、基板17が配置されている。同様に、透明導電膜15の外表面側(配向膜12’と対向する面とは反対の面側)には、基板18が配置されている。
基板17、18は、前述した液晶層11、配向膜12、12’、透明導電膜14、15、および後述する偏光膜16、16’を支持する機能を有している。基板17、18の構成材料は、特に限定されず、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等が挙げられる。この中でも特に、石英ガラス等のガラスで構成されたものであるのが好ましい。これにより、そり、たわみ等の生じにくい、より安定性に優れた液晶パネルを得ることができる。なお、図2では、シール材、配線等の記載は省略した。
【0046】
基板17の外表面側(透明導電膜14と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)16が配置されている。同様に、基板18の外表面側(透明導電膜15と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)16’が配置されている。
偏光膜16、16’の構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光膜としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
【0047】
偏光膜としては、例えば、上記材料で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いることができる。
このような偏光膜16、16’を配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
偏光膜16、16’の偏光軸の方向は、通常、配向膜12、12’の配向方向に応じて決定される。
【0048】
上記では、本発明の耐久性試験装置、耐久性試験方法で用いられる液晶パネルの一例について説明したが、本発明で用いられる液晶パネルはこれに限定されず、いかなる構成、種類のものであってもよいことは言うまでもない。例えば、TFT基板(液晶駆動基板)および液晶パネル用対向基板を備えたTFT液晶パネルでもよい。また、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いた液晶パネルでもよい。また、本発明の耐久性試験装置、耐久性試験方法で用いられる液晶パネルは、実際に、投射型表示装置等の液晶表示装置に搭載されるものと同一の構成を有するものに限定されず、その構成が簡略化されたものであってもよい。言い換えると、液晶表示装置(実機)に搭載される液晶パネルは、例えば、本発明の耐久性試験装置、耐久性試験方法で用いられる液晶パネルに、他の構成部材が追加されたものや、本発明の耐久性試験装置、耐久性試験方法で用いられる液晶パネルに各種加工が施されたもの等であってもよい。
【0049】
以上、本発明の耐久性試験装置および耐久性試験方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、レンズが、光源とダイクロイックミラーとの間に配設された場合を例に挙げて説明したが、本発明の耐久性試験装置はこれに限定されるものではなく、レンズがダイクロイックミラーとカットフィルタとの間、またはカットフィルタと液晶パネルとの間に配設されていてもよい。
【0050】
また、UVカットフィルタ8、ダイクロイックミラー9、カットフィルタ5の配置は、前述したようなものに限定されない。例えば、UVカットフィルタ8は、ダイクロイックミラー9とカットフィルタ5との間の光路上に設置されていてもよい。
また、前述した実施形態では、耐久性試験装置が、UVカットフィルタを有するものとして説明したが、このようなUVカットフィルタは、必ずしも設置されなくてもよい。
【0051】
また、本発明においては、複数のカットフィルタを組み合わせて用いてもよく、例えば、互いに、異なる波長領域の光をカットする複数のカットフィルタを組み合わせて用いてもよい。
また、前述した実施形態では、冷却ファンが、光源の背面側に配設された場合を例に挙げて説明したが、本発明の耐久性試験装置はこれに限定されるものではなく、冷却ファンは、いかなる部位に配設されていてもよい。
【0052】
また、前述した実施形態では、冷却手段として冷却ファンを用いる構成について説明したが、冷却手段は、耐久性試験装置内の少なくとも一部を冷却する機能を有するものであればいかなるものであってもよい。
また、本発明の耐久性試験装置は、上述した部材以外の部材を備えたものであってもよい。より具体的には、本発明の耐久性試験装置は、ミラー、ビームスプリッタ、プリズム等の光学部品や、耐久性試験装置内の湿度を調節するための加湿装置、除湿装置等を備えたものであってもよい。これにより、例えば、耐久性試験装置の小型化等を図ったり、より好適な条件で耐久性試験を行うことができる。
【0053】
また、前述した実施形態では、液晶パネルは、液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に用いられるものとして説明したが、本発明に適用される液晶パネルの用途はいかなるものであってもよく、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話(PHSを含む)、テレビ、PDA等に用いられる液晶パネルに適用してもよい。
【0054】
【実施例】
図1に示したような耐久性試験装置を用いて、液晶パネルに光を照射し、該液晶パネルの耐久性試験を行った。
なお、被試験体として用いる液晶パネルは、以下のようにして製造した。
[液晶パネルの製造]
以下のようにして、図2に示すような液晶パネルを製造した。
基板17として、厚さ約1.2mmの未加工の石英ガラス基板(透明基板)を用意し、この基板17上に厚さ0.15μmのITO膜(透明導電膜14)をスパッタリング法により形成した。
【0055】
次に、この透明導電膜14上に、配向膜12を以下のようにして形成した。
まず、ポリイミド系樹脂の溶液(JSR株式会社製:AL20703)を用いて、スピンコート法により、透明導電膜14の表面に平均厚さ30nmの膜を形成した。
このようにして形成された膜に、プレチルドが2〜3°となるように、ラビング処理を施し、配向膜12(平均厚さ:30nm)とした。
【0056】
また、別途用意した基板18(石英ガラス製)の表面上にも、上記と同様にして、透明導電膜15、配向膜12’を積層した。
透明導電膜14、配向膜12が形成された基板17と、透明導電膜15、配向膜12’が形成された基板18とを、シール材を介して接合した。この接合は、液晶層11を構成する液晶分子が左ツイストするように配向膜の配向方向が90°ずれるように行った。
【0057】
次に、配向膜12−配向膜12’間に形成された空隙部の封入孔から液晶(メルク社製:MJ99247)を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞いだ。形成された液晶層11の厚さは、約3μmであった。
その後、基板17の外表面側と、基板18の外表面側とに、それぞれ、偏光膜16、偏光膜16’を接合することにより、図2に示すような構造の液晶パネル10を製造した。偏光膜16、16’としては、ポリビニルアルコール(PVA)で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いた。なお、偏光膜16、偏光膜16’の接合方向は、それぞれ、配向膜12、配向膜12’の配向方向に基づき決定した。すなわち、電圧印可時には入射光が透過せず、電圧無印可時には入射光が透過するように、偏光膜16、偏光膜16’を接合した。
【0058】
(実施例1)
まず、図1に示したような耐久性試験装置1を製造した。光源としては、出力320Wの超高圧水銀ランプ(UHEランプ)を用い、レンズ4としては、コンデンサレンズを用い、UVカットフィルタ8としては、350nm以下の波長の光の透過率が5%以下のものを用い、ダイクロイックミラー9としては500nm以上の波長の光の透過率が10%以下のものを用いた。カットフィルタ5としては、反射型の誘電体多層膜(透過限界波長:385nm、380nm以下の波長の光の透過率:0.5%以下、390〜500nmの波長領域の光の透過率:90%以上)を用いた。
【0059】
この耐久性試験装置1を用いて、前記のようにして製造した液晶パネル10の耐久性試験を以下のようにして行った。
まず、光源3および冷却ファン7を所定時間稼動させ、耐久性試験装置1内の温度を50℃にした。
次に、光源3および冷却ファン7の運転を中止し、液晶パネル10を液晶パネル取り付け台6に取り付けた。
【0060】
次に、耐久性試験装置1(内部筐体22)の内部を遮光状態とし、その後、冷却ファン7とともに、光源3の運転を再開し、液晶パネル10への光の照射を開始した。
液晶パネル10への光の照射強度は、8430mW/cm2 であり、そのうち、380nm以下の波長の光の強度は、およそ15mW/cm2、390〜500nmの波長領域の光の強度は、8200mW/cm2以上であった。
また、上記のような耐久性試験は、耐久性試験装置1(内部筐体22)の内部の温度が48〜52℃に保持されるように、冷却ファン7の回転数を制御しつつ行った。
【0061】
(実施例2)
カットフィルタ5として、反射型の誘電体多層膜(透過限界波長:417nm、380nm以下の波長の光の透過率:0.1%以下、波長:400nmの光の透過率:1%以下、波長:425nmの光の透過率:80%以上)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルの耐久性試験を行った。
【0062】
液晶パネルへの光の照射強度は、5820mW/cm2 であり、そのうち、380nm以下の波長の光の強度は、3mW/cm2 以下、390〜500nmの波長領域の光の強度は、5500mW/cm2以上であった。
また、上記のような耐久性試験は、耐久性試験装置1(内部筐体22)の内部の温度が48〜52℃に保持されるように、冷却ファン7の回転数を制御しつつ行った。
【0063】
(比較例)
カットフィルタ5を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして、液晶パネルの耐久性試験を行った。
液晶パネルへの光の照射強度は、11170mW/cm2 であり、そのうち、380nm以下の波長の光の強度は、2020mW/cm2 であった。
【0064】
また、上記のような耐久性試験は、耐久性試験装置1(内部筐体22)の内部の温度が48〜52℃に保持されるように、冷却ファン7の回転数を制御しつつ行った。
そして、光を照射した状態で、液晶パネルの状態を観察し、非通電時における劣化現象が確認されるまでの時間を測定した。
【0065】
また、上記と同様な方法で製造された液晶パネルを搭載し、グレー表示をする信号を送った状態での運転と停止とを2時間間隔で繰り返し14ヶ月間行った液晶表示装置(セイコーエプソン社製:「ELP−7000」)から取り出された液晶パネル(参考例)と、前記各実施例および比較例で試験を行った液晶パネルとについて、それぞれ劣化状態(劣化挙動)を観察した。
これらの結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示すように、本発明の耐久性試験装置、耐久性試験方法では、劣化現象が確認されるまでの時間が大幅に短縮され、かつ、通常の使用条件で耐久性試験を行った液晶パネル(参考例)と同様な劣化挙動を示すことが確認された。特に、実施例1では、劣化現象の発現が確認されるまでの時間をより効果的に短縮することができた。
これに対し、比較例では、劣化現象が確認されるまでの時間は短縮されたものの、劣化挙動が、通常の使用条件で耐久性試験を行った液晶パネル(参考例)とは大きく異なり、液晶パネルの耐久性を適正に判断するのに適していないことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐久性試験装置の実施形態を模式的に示す図である。
【図2】液晶パネルの一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1……耐久性試験装置 2……筐体 21……外部筐体 22……内部筐体 23……開口部 3……光源 4……レンズ 5……カットフィルタ 6……液晶パネル取り付け台 7……冷却ファン 8……UVカットフィルタ 9……ダイクロイックミラー 10……液晶パネル 11……液晶層 12、12’……配向膜 14、15……透明導電膜 16、16’……偏光膜 17、18……基板
Claims (14)
- 液晶パネルに光を照射して、前記液晶パネルの耐久性試験を行う耐久性試験装置であって、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光のうち、500nm以上の波長の光をカットするよう配置されたダイクロイックミラーと、
前記ダイクロイックミラーを透過した光のうち、380nm以下の波長の光をカットするカットフィルタとを備え、前記カットフィルタを通過した光を前記液晶パネルに照射して耐久性試験を行うことを特徴とする耐久性試験装置。 - 前記カットフィルタは、380nm以下の波長の光の透過率が5%以下である請求項1に記載の耐久性試験装置。
- 前記カットフィルタは、390〜500nmの波長領域の光の透過率が40%以上である請求項1または2に記載の耐久性試験装置。
- 前記液晶パネルに照射される光を集光する集光手段を備えた請求項1ないし3のいずれかに記載の耐久性試験装置。
- 耐久性試験装置内の少なくとも一部を冷却する冷却手段を備えた請求項1ないし4のいずれかに記載の耐久性試験装置。
- 390〜500nmの波長領域の光の前記液晶パネルへの照射強度が、3000〜14000mW/cm2 である請求項1ないし5のいずれかに記載の耐久性試験装置。
- 前記液晶パネルに照射される光は、380nm以下の波長の光の強度が100mW/cm2 以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の耐久性試験装置。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の耐久性試験装置を用いて行われることを特徴とする耐久性試験方法。
- 光の照射時における前記耐久性試験装置内の温度が、10〜80℃である請求項8に記載の耐久性試験方法。
- 液晶パネルに光を照射して、前記液晶パネルの耐久性を試験する耐久性試験方法であって、
光源から光を出射し、前記光源から出射された光のうち、500nm以上の波長の光と、380nm以下の波長の光とをカットして前記液晶パネルに照射することを特徴とする耐久性試験方法。 - 前記光源から出射された光を集光して前記液晶パネルに照射する請求項10に記載の耐久性試験方法。
- 前記液晶パネルから抜熱しつつ、光の照射を行う請求項10または11に記載の耐久性試験方法。
- 390〜500nmの波長領域の光の前記液晶パネルへの照射強度が、3000〜14000mW/cm2である請求項10ないし12のいずれかに記載の耐久性試験方法。
- 前記液晶パネルに照射される光は、380nm以下の波長の光の強度が100mW/cm2以下である請求項10ないし13のいずれかに記載の耐久性試験方法。
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