JP2004341311A - 現像装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
現像装置及びそれを備えた画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】現像処理に使用されていない帯電された現像剤を有効に活用することにより、現像剤の搬送や帯電のために用いられる進行波電界の発生用の電源に対する負荷を軽減し得る現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置2では、トナー搬送部材6が進行波電界によって、感光体ドラム1の現像領域1aに搬送されたトナー3のうち、静電潜像の顕像化に使用されていない未使用トナー3bを、トナー回収部材7が進行波電界によって搬送される。現像装置2は、トナー回収部材7が搬送した未使用トナー3bをトナー搬送部材6へ搬送する回収搬送ベルト12を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】現像装置2では、トナー搬送部材6が進行波電界によって、感光体ドラム1の現像領域1aに搬送されたトナー3のうち、静電潜像の顕像化に使用されていない未使用トナー3bを、トナー回収部材7が進行波電界によって搬送される。現像装置2は、トナー回収部材7が搬送した未使用トナー3bをトナー搬送部材6へ搬送する回収搬送ベルト12を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、進行波電界を利用して現像剤の搬送を行う現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像装置には、ローラ形状の現像スリーブを回転させることにより、現像槽内のトナーを感光体上の静電潜像上(現像領域)に搬送して、現像処理を行うものがある。
【0003】
上記現像スリーブによってトナーを搬送する現像装置では、現像槽内でトナーの帯電を行う場合が多い。このような場合、現像槽内でのトナーの攪拌等によって生じるトナー同士の接触やトナー間での摩擦により、全てのトナーが必ずしも同一の極性に帯電せず、逆極性に帯電したトナーが現像槽内に存在することがある。逆極性に帯電したトナーは、通常、現像槽内の全トナーのうち、2wt(重量)%〜5wt%程度を占める。このような逆極性に帯電したトナーが現像スリーブによって搬送されると、カブリ現象の発生や印字濃度の低下等の印字品位の低下を招来する。
【0004】
また、上記現像装置では、現像スリーブによって搬送するトナー量を規制するための層厚規制部材を設けている。該層厚規制部材は、現像スリーブに接触するように、あるいは、現像スリーブと所定の空間を有するように、配置され、現像スリーブによって搬送されるトナーの層厚を一定となるように規制している。
【0005】
しかしながら、上記層厚規制部材によってトナー量を規制すると、現像スリーブ上に、トナーが高密度に保持されて搬送される。それゆえ、現像スリーブ上に保持されるトナーの密度を低減する必要があるソフトタッチの印字が行い難くなり、階調性に富んだ表現が困難となってしまう。また、現像スリーブ上に高密度にトナーが保持されると、静電潜像の現像のために使用されなかったトナー(以下、未使用トナー)が現像スリーブ上から離脱し難い。そのため、未使用トナーが、次の現像工程で再び利用される現像メモリの発生等の不具合を招来することがある。
【0006】
さらに、上記層厚規制部材が、現像スリーブ上のトナーの層厚を揃えるためにトナーと接触すると、トナーの温度が上昇する。このとき、トナーの温度は、現像装置内の温度よりも10℃〜20℃程度高い温度となる。このようなトナーの温度上昇は、トナーを軟化させるので、層厚規制部材からの圧力によって、現像スリーブや感光体上にトナーが融着するという問題を引き起こす。その結果、現像工程において軟化したトナーが現像スリーブに融着するスペントトナーの増大や、軟化したトナーが感光体に融着する感光体のフィルミングが発生し、印字ボケや印字濃度の低下等の印字不良が引き起こされる。
【0007】
上記現像スリーブによるトナーの搬送を行う現像装置で生じる印字不良等の上記の各問題点を解決するために、進行波電界を利用してトナーの搬送や帯電を行う現像装置が提案されている(例えば、特許文献1)。すなわち、特許文献1に記載の現像装置では、搬送路内に進行波電界を発生させて、現像槽内のトナーを感光体上へ搬送するとともに、該搬送時の進行波電界によって電荷注入を行ってトナーを帯電させる。また、感光体上の静電潜像を現像するために搬送されたトナーのうち、現像に使用されなかった未使用トナーを、回収路内に発生させた進行波電界を利用して現像槽に回収している。
【0008】
このように、進行波電界によるトナーの搬送や帯電を行う現像装置を用いれば、トナーを同一極性に帯電させることができ、また、上記した現像メモリや、スペントトナーの増大、感光体のフィルミングの発生等などによる印字品位の低下等の不具合を低減することができる。
【0009】
【特許文献1】
特許第2836537号公報(登録日:平成10(1998)年10月9日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、進行波電界を利用した現像装置では、搬送路を搬送される全てのトナーが感光体上の静電潜像を現像するために用いられない場合がある。例えば、A4の記録用紙全面に文字データの印字を行う場合、記録用紙に占める文字データの黒比率(ドット数)は、5%〜40%程度である。そのため、文字データの印字を行う場合には、搬送路を搬送されたトナーの半分以上が未使用トナーとなる。上記未使用トナーは、現像槽に回収され、再利用される。例えば、上記特許文献1に記載の現像装置では、上記未使用トナーが一旦、回収路内を搬送されて現像槽内に回収され、その後、再び現像槽から搬送路へと搬送されて、再利用されている。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に記載の現像装置では、上記現像槽内への未使用トナーの回収を行うことにより、搬送路内や回収路内の搬送時には進行波電界によって帯電していた未使用トナーが、現像槽内で電荷を放出するので、未使用トナーの帯電量が希釈されてしまう。つまり、上記特許文献1に記載の現像装置では、現像槽内に回収された未使用トナー(以下、回収トナーと記載する)は、実質的に未帯電となっていると考えられる。そのため、引き続いて行われる次の現像工程にて回収トナーを再利用する場合、該回収トナーを再び所定の帯電量となるように、進行波電界による十分な荷電注入を行って、回収トナーを帯電させる必要がある。
【0012】
言い換えれば、上記特許文献1では、連続して現像工程を行う場合にも、最初の現像工程にて帯電したトナー(未使用トナー)を現像槽に一旦回収するため、現像槽内に回収された回収トナーは除電された状態となっている。そのため、最初の現像工程に引き続いて行われる次の現像工程にて、上記回収トナーを再び使用する場合には、該回収トナーに対して、進行波電界による電荷注入を再度行って、所定の帯電量にまで帯電させる必要がある。
【0013】
このように、上記特許文献1に記載の現像装置では、連続して現像工程が行われる場合にも、除電された回収トナーを再び所定の帯電量にまで帯電させなければならないという問題を有している。そのため、上記特許文献1に記載の現像装置では、進行波電界の発生用の電源に印加される電圧やパルス数が大きくなり、該電源の負荷が増大してしまうという問題がある。
【0014】
また、上記のように、回収現像剤の除電及び帯電が繰り返されると、帯電履歴による現像剤の品質劣化を引き起こすという問題もある。
【0015】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、連続して行われる現像工程時に、現像処理に使用されていない帯電された現像剤を有効に活用することにより、現像剤の搬送や帯電のために用いられる進行波電界の発生用の電源に対する負荷を軽減し得る現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像装置は、上記課題を解決するために、現像剤搬送部材が進行波電界によって、現像剤収容部に収容された現像剤を静電潜像担持体上に搬送することにより、該静電潜像担持体上の静電潜像が可視化されるとともに、上記現像剤搬送部材によって搬送された搬送現像剤のうち、上記静電潜像の可視化に使用されていない未使用現像剤を、現像剤回収部材が進行波電界によって搬送する現像装置において、上記現像剤回収部材から現像剤搬送部材へ上記未使用現像剤を搬送するための現像剤回収搬送部材を備えていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を、現像剤回収搬送部材を介して、現像剤搬送部材へ供給することができる。そのため、進行波電界によって帯電した未使用現像剤を除電することなく、現像処理に再利用することができる。従って、進行波電界によって行われる搬送現像剤への電荷注入量を低減することができるので、進行波電界を発生させるための電圧印加量やパルス数の増大等といった進行波電界に対する負荷を低減することができる。
【0018】
また、未使用現像剤を除電することなく再利用すれば、該未使用現像剤の除電及び帯電に供される回数を低減することができる。それゆえ、現像剤の帯電及び除電が繰り返し行われることによって生じる帯電履歴による現像剤の品質劣化を防止することができる。
【0019】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材は、上記現像剤回収部材によって搬送された未使用現像剤を吸着して搬送するために、該現像剤回収搬送部材を帯電させる帯電部と、該現像剤回収搬送部材によって搬送される上記未使用現像剤を上記現像剤搬送部材に供給するために、該現像剤回収搬送部材を除電する除電部とを備えていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、帯電部が現像剤回収搬送部材を帯電することにより、現像剤回収部材によって搬送された未使用現像剤を吸着して搬送することができる。また、除電部が現像剤回収搬送部材を除電することにより、該現像剤回収搬送部材に吸着して搬送される未使用現像剤を、該現像剤回収搬送部材から剥離させることができる。つまり、上記現像装置では、帯電部によって電圧を印加することにより、現像剤回収搬送部材に所定の電圧を保持させて未使用現像剤を吸着搬送するとともに、除電部による除電を行うことによって、現像剤回収搬送部材が保持している電圧を除去して、未使用現像剤を現像剤搬送部材に供給している。
【0021】
従って、現像剤回収搬送部材によって、未使用現像剤の吸着搬送を行っても、進行波電界によって帯電した未使用現像剤は、実質的に未帯電状態を経ることなく、現像剤搬送部材に供給されることになる。これにより、帯電した未使用現像剤を有効に活用して、静電潜像の可視化を行うことができる。
【0022】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記帯電部の配置位置で上記現像剤回収搬送部材に吸着した未使用現像剤が上記除電部の配置位置に到達するまでの現像剤吸着領域にて、上記現像剤回収搬送部材に対して離接可能に設けられ、かつ、上記現像剤回収搬送部材を除電する離接除電部材をさらに備えていることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、帯電部の配置位置と除電部の配置位置との間にある、未使用現像剤が現像剤回収搬送部材に吸着している現像剤吸着領域に接触するように、離接除電部材が設けられている。離接除電部材は、上記現像剤吸着領域に接触することにより、上記帯電部によって帯電している現像剤回収搬送部材を除電する。この除電によって、現像剤回収搬送部材に吸着している未使用現像剤は、該現像剤回収搬送部材から脱離するので、未使用現像剤が上記除電部の配置位置まで搬送されず、その結果、現像剤搬送部材への搬送が行われなくなる。
【0024】
このように、必要に応じて、離接除電部材を現像剤回収搬送部材に接触させることにより、現像剤回収搬送部材による未使用現像剤の搬送を制御することができる。
【0025】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材は、上記現像剤収容部に隣接するように配置されていることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤収容部は、上記離接除電部材による現像剤回収搬送部材の除電によって、該現像剤回収搬送部材から剥離した未使用現像剤を収容していることが好ましい。
【0027】
上記の各構成によれば、現像剤回収搬送部材と現像剤収容部とが互いに隣接するように配置されている。そのため、現像剤回収搬送部材に吸着している未使用現像剤が上記離接除電部材によって剥離された場合にも、剥離された未使用現像剤を現像剤収容部に好適に回収することができる。
【0028】
また、現像剤回収搬送部材から剥離された未使用現像剤が現像剤収容部に回収されれば、現像剤搬送部材へ搬送されなかった未使用現像剤を、再び現像処理に利用することができる。
【0029】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記帯電部によって帯電された現像剤回収搬送部材の帯電特性は、上記搬送現像剤の帯電特性とは逆極性であることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、現像剤回収搬送部材によって、帯電した未使用現像剤を好適に搬送することができる。
【0031】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、さらに、上記現像剤収容部内の現像剤を供給する現像剤補給部を備え、上記静電潜像の可視化に際して上記未使用現像剤を使用する場合、上記搬送現像剤は、上記現像剤回収搬送部材から搬送される未使用現像剤と、上記現像剤補給部から供給される補給現像剤とを含んでいることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、未使用現像剤を次の現像処理工程にて使用する場合に、先の現像処理工程にて、静電潜像の可視化に搬送現像剤が使用されることによって不足した搬送現像剤の不足量を、現像剤補給部から供給される補給現像剤によって補うことができる。これにより、未使用現像剤を再利用する場合にも、静電潜像の可視化を良好に行うことができるので、良好な印字品位を得ることができる。
【0033】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記補給現像剤の供給量は、上記静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に基づいて設定されていることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に応じて、補給現像剤が供給されるので、搬送現像剤が過剰となる、あるいは、不足するということはない。それゆえ、静電潜像の可視化を好適に行って、優れた印字品位を得ることができる。
【0035】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤補給部は、ローラ形状を有し、上記補給現像剤の供給は、上記現像剤補給部の回転動作、現像剤補給部の回転速度、及び現像剤補給部に印加される電圧のうちの少なくとも1つが制御されることによって制御されていることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、ローラ形状の現像剤補給部を有しているので、補給現像剤の供給を容易に制御することができる。すなわち、現像剤補給部が回転駆動すれば、補給現像剤を送り出して搬送することにより、現像剤搬送部材に補給現像剤を供給することができる。また、現像剤補給部の回転速度を制御すれば、補給現像剤を送り出す供給量を制御することができる。さらに、現像剤補給部に印加される電圧を制御すれば、現像剤補給部に吸着保持される補給現像剤量を制御することができるので、補給現像剤の供給量を制御することができる。
【0037】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤補給部に印加される電圧は、上記搬送現像剤の帯電特性とは逆極性の電圧であることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、現像剤補給部によって、補給現像剤を好適に搬送することができる。
【0039】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤搬送部材は、電圧を印加することによって進行波電界を発生する搬送部材用電極を有し、上記現像剤回収搬送部材から現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送、及び、上記現像剤補給部から現像剤搬送部材への補給現像剤の供給が停止されると、所定時間の経過後に、上記進行波電界の発生が停止した状態となるように、上記搬送部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴としている。
【0040】
さらに、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収部材は、電圧を印加することによって進行波電界を発生する回収部材用電極を有し、上記搬送部材用電極への電圧の印加が停止されると、所定時間の経過後に、上記進行波電界の発生が停止した状態となるように、上記回収部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、現像処理が終了した後、現像剤搬送部材上の搬送現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、搬送部材用電極への電圧の印加を停止している。また、該搬送部材用電極への電圧の印加が停止した後、現像剤回収部材上の未使用現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、回収部材用電極への電圧の印加を停止している。
【0042】
従って、現像処理が行われていないために、現像剤搬送部材及び現像剤回収部材の進行波電界が生じていない状態となった場合にも、現像剤搬送部材上に搬送現像剤が残留することはなく、また、現像剤回収部材上に未使用現像剤が残留することはない。これにより、外部からの衝撃等を受けても、上記搬送現像剤や未使用現像剤は、現像剤搬送部材や現像剤回収部材上には残留していないので、飛散することはない。
【0043】
すなわち、現像工程が終了すると、通常、現像剤搬送部材や現像剤回収部材の搬送部材用電極や回収部材用電極への電圧の印加が停止され、進行波電界が発生しなくなる。そのため、現像工程の終了時点で、現像剤搬送部材や現像剤回収部材に残存する搬送現像剤や未使用現像剤は、進行波電界の影響を受けておらず、従って、外部から現像装置に対して衝撃等が与えられると、該搬送現像剤や未使用現像剤は機内飛散の原因となる。このような機内飛散によって、現像装置の各部材等に固着した現像剤は、現像装置の動作不良を引き起こす可能性があり、好ましくない。
【0044】
また、たとえ機内飛散等を引き起こさなくても、現像剤搬送部材や現像剤回収部材に残存する搬送現像剤や未使用現像剤は、時間の経過とともに、電荷を放出するため、帯電量が低下する。それゆえ、次の現像工程時に、進行波電界によって電荷注入を行っても、上記搬送現像剤や未使用現像剤を所定の帯電量にまで十分に帯電させることが困難となる可能性が高い。このような帯電量の不足は、印字時にかぶり現象を発生させる原因となり、印字品位の低下を招来するため好ましくない。
【0045】
そこで、本発明の現像装置は、上記の構成を採用することにより、現像処理後に、現像剤搬送部材上や現像剤回収部材上に、搬送現像剤や未使用現像剤が残留することがないようにすることができるので、上記機内飛散や、印字時のかぶり現象を防止することができる。
【0046】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材は、無端ベルト状であり、上記現像剤回収搬送部材の張架状態を制御するために、該現像剤回収搬送部材を圧接する圧接部材がさらに設けられていることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、無端ベルト状の現像剤回収搬送部材を用いることにより、該現像剤回収搬送部材の回動によって、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を現像剤搬送部材へ供給することができる。また、現像剤回収搬送部材を圧接する圧接部材が設けられているので、現像剤回収搬送部材の張架状態(テンション)を良好に保つことができる。
【0048】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記圧接部材は、接地されているとともに、現像剤回収搬送部材の回動方向に対して、上記除電部の配置位置よりも下流側の位置で該現像剤回収搬送部材を圧接し、該現像剤回収搬送部材上に残留する未使用現像剤を除去するようになっていることを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、圧接部材が接地されているので、圧接部材が現像剤回収搬送部材を圧接することにより、現像剤回収搬送部材の除電も行われる。圧接部材は、現像剤回収搬送部材の回動方向に対して、上記除電部の配置位置よりも下流側の位置で現像剤回収搬送部材を圧接する。それゆえ、除電部にて剥離されずに、現像剤回収搬送部材上に残留する未使用現像剤を除去することができるので、上記圧接部材は現像剤回収搬送部材をクリーニングすることができる。これにより、現像剤回収搬送部材に未使用現像剤が残存して、固着することを防止することができるので、現像剤回収搬送部材の張架状態を良好に保ち、また、未使用現像剤の搬送を良好に行うことを可能にしている。
【0050】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材を張架するとともに、該現像剤回収搬送部材を回動するように駆動させる駆動機構を備え、上記回収部材用電極への電圧の印加が停止されると、該電圧の印加の停止時に上記現像剤回収搬送部材のうちの、未使用現像剤の吸着が開始される開始位置が、少なくとも上記圧接部材によって圧接される領域に移動するまで、上記現像剤回収搬送部材が回動した後に、該回動動作が停止するように上記駆動機構の駆動が制御されていることを特徴としている。
【0051】
上記の構成によれば、回収部材用電極への電圧の印加が停止して、現像剤回収搬送部材によって未使用現像剤を搬送する必要がなくなっても、回収部材用電極への電圧の印加が停止された時点で、現像剤回収搬送部材の未使用現像剤の吸着の開始位置が、少なくとも圧接部材と接触する位置に移動するまでは、駆動機構を駆動させて、現像剤回収搬送部材を回動させている。これにより、未使用現像剤が付着した領域の現像剤回収搬送部材が、圧接部材によって必ずクリーニングされるので、現像剤回収搬送部材に未使用現像剤が残存して固着することを防止することができる。
【0052】
また、本発明の画像形成装置は、上記の現像装置を備えていることを特徴としている。
【0053】
上記の構成によれば、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を除電することなく、現像剤回収搬送部材を介して、現像剤搬送部材へ供給することができる。これにより、進行波電界を発生させるための電圧印加量やパルス数の増大等の進行波電界の負荷を低減することができる現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0054】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、印字要求に基づいて印字処理を開始する前に行われる初期化動作時に、上記現像装置に備えられている現像剤搬送部材及び現像剤回収部材に、それぞれ進行波電界が発生するように、上記搬送部材用電極及び回収部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴としている。
【0055】
上記の構成によれば、画像形成装置で行われる初期化動作とともに、現像剤搬送部材及び現像剤回収部材それぞれの搬送部材用電極及び回収部材用電極に電圧が印加されて、進行波電界が発生した状態となる。従って、上記初期化動作が終了した後に、現像剤搬送部材に搬送現像剤が供給されれば、静電潜像担持体上に搬送現像剤の搬送を即座に開始することができるので、印字処理に要する時間を短縮することができる。
【0056】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、印字処理が終了した後に、上記現像装置が有する現像剤回収搬送部材による上記現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送を停止するように、現像剤回収搬送部材を駆動する駆動機構の駆動を制御しているとともに、上記現像剤補給部による補給現像剤の供給が停止するように、該現像剤補給部の回転動作、現像剤補給部の回転速度、及び現像剤補給部に印加される電圧のうちの少なくとも1つが制御されていることが好ましい。
【0057】
上記の構成によれば、画像形成装置にて印字処理が実行されている間は、現像剤搬送部が搬送現像剤を搬送することができる。
【0058】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、上記現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送の停止は、上記離接除電部材が該現像剤回収搬送部材に接触することによって行われていることを特徴としている。
【0059】
上記の構成によれば、離接除電部材が現像剤回収搬送部材に接触するように制御することによって、現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送を停止することができる。
【0060】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、上記現像装置が有する現像剤補給部から供給される補給現像剤の供給量は、印字要求時に入力された画像情報に基づいて設定されていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、印字要求時に入力された画像情報の黒比率やドットカウント(ドット数)に基づいて算出される、静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に応じて、補給現像剤が供給される。従って、未使用現像剤を再使用する場合に、現像剤搬送部材が搬送する搬送現像剤の量を適量に設定することができる。それゆえ、静電潜像の可視化を好適に行って、優れた印字品位にて印字を行うことができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0063】
図1に示すように、本実施の形態の現像装置2は、現像槽(現像剤収容部)15、供給ローラ(現像剤補給部)5、トナー搬送部材(現像剤搬送部材)6、トナー回収部材(現像剤回収部材)7、回収搬送ベルト(現像剤回収搬送部材)12等を備えている。
【0064】
上記現像槽15は、トナー(現像剤)3を内部に収容するとともに、必要に応じて現像装置2を構成する部材を支持するものである。現像槽15は、内部に該トナー3を攪拌する又は混合するためのミキシングパドル16を備えている。該ミキシングパドル16は、現像槽15に収容されたトナー3を、後述する供給ローラ5に対して供給する。具体的には、ミキシングパドル16が回転駆動することにより、図1に示すように、現像槽15の底部にあるトナー3を汲み上げて、現像槽15の上部方向に配置された供給ローラ5に送り出している。
【0065】
供給ローラ5は、円筒状の回転ローラであり、現像槽15に収容されているトナー3をトナー搬送部材6に供給する。供給ローラ5の材質は特に限定されないが、例えば、シリコーン、ウレタン、EPDM(エチレン−プロピレン−メチレン共重合体)等のソリッドゴム(固体状ゴム)や発泡性ゴム等の弾性材料を挙げることができる。また、供給ローラ5への電圧の印加を可能とするために、上記弾性材料に、カーボンブラックやイオン導電剤を添加して、導電性を付与してもよい。この場合、供給ローラ5を図1に示す直流電源17に接続して、供給ローラ5に、搬送トナー3aの帯電特性とは逆極性の電圧を印加すれば、トナー3を供給ローラ5表面に吸着させて、トナー搬送部材6に良好に送り出すことができる。
【0066】
供給ローラ5には、該供給ローラ5の表面に当接するように層厚規制部材4が設けられている。該層厚規制部材4は、供給ローラ5の表面に形成されるトナー層の層厚を一定となるように規制する。これにより、トナー搬送部材6に供給するトナー3量を一定となるように制御することができる。
【0067】
さらに、供給ローラ5には、トナー3を帯電させるための図示しないブレードが設けられていてもよい。該ブレードは、例えば薄板形状であって、供給ローラ5と現像槽15との間でトナー3を帯電させることができるように、配置しておくことが好ましい。
【0068】
上記トナー搬送部材6及びトナー回収部材7は、現像槽15と感光体ドラム1との間で、それぞれ、後述する搬送トナー(搬送現像剤)3a及び未使用トナー(未使用現像剤)3bの搬送を行うために用いられる。
【0069】
すなわち、トナー搬送部材6は、例えば所定幅の板状に形成されてなり、その一端が、画像形成装置に備えられた感光体ドラム1側に配置され、もう一方の端部である他端が、後述する回収搬送ベルト12の一端側に配置されている。トナー搬送部材6は、現像槽15に収容されているトナー3や、回収搬送ベルト12によって搬送された後述する未使用トナー3bを、搬送トナー3aとして、上記感光体ドラム1上の現像領域1aに形成された静電潜像上に搬送する。
【0070】
そのため、トナー搬送部材6は、供給ローラ5や、回収搬送ベルト12の最頂部よりも下方に配置されることが好ましい。これにより、供給ローラ5によって送り出されたトナー3や、回収搬送ベルト12の最頂部を通過して搬送された後述する未使用トナー3bを、トナー搬送部材6上に供給することができる。
【0071】
また、トナー回収部材7は、例えば所定幅の板状に形成されてなり、上記トナー搬送部材6と所定間隔を隔てて、該トナー搬送部材6に略平行となるように配置されている。つまり、トナー回収部材7の一端は、感光体ドラム1側に配置され、もう一方の端部である他端は、上記トナー搬送部材6の他端が配置されている回収搬送ベルト12の一端側とは反対側の端部(以下、他端と記載する)側に配置されている。なお、本実施の形態では、トナー回収部材7の一端と上記トナー搬送部材6の一端とが、感光体ドラム1の現像領域1aに相当する円周方向の距離を隔てるように配置されている。
【0072】
上記トナー回収部材7は、感光体ドラム1上の静電潜像を現像するために搬送されたトナー3のうち、現像に使用されなかった未使用トナー3bを、回収搬送ベルト12表面に搬送する。そのため、トナー回収部材7の他端上に、回収搬送ベルト12の他端が配置されていることが好ましい。なお、トナー回収部材7の他端と回収搬送ベルト12の他端との間には、図4(a)(b)に示すように、未使用トナー3bが通過し得る程度の隙間が設けられていることが好ましい。これにより、トナー回収部材7上から回収搬送ベルト12表面に、未使用トナーを良好に搬送することができる。
【0073】
上記トナー搬送部材6及びトナー回収部材7は、それぞれの内部に、複数の進行波電界を発生させるための電極(搬送部材用電極)9a・電極(回収部材用電極)9bが埋設されている。
【0074】
本実施の形態では、トナー搬送部材6は、図2に示すように、長尺状の電極9a…9a(以下、9aと記載する)の4つを1組として複数組が順次連続して配設されるように絶縁材料に埋設されてなっている。具体的には、上記トナー搬送部材6は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料からなる厚さ25μm程度の基材6a上に、銅等によって形成された高さ18μm程度の電極9aを配設し、さらに該電極9a上に、ポリイミド等の絶縁材料からなる厚さ25μm程度の表面保護層6bを形成してなる。
【0075】
上記電極9aは、例えば、高さが約18μm、幅が約40μm〜350μmの微小電極であり、上記基材6a上に、約50dpi(dot per inch)〜300dpi、すなわち約500μm〜85μmのピッチの間隔を保って、互いに平行となるように配置されている。電極9aには、多層交流電源10が接続され、該多層交流電源10には、接地されたバイアス直流電源11が接続されている。そのため、電極9aには、多層交流電源10及びバイアス直流電源11から各組の電極9aに対して、4相の交流交番電圧が印加される。該交流交番電圧は、例えば、図3に示すように、所定の交流電圧波形を有し、該交流交番電圧が所定の位相差で、各組の各電極9aに対して、順次印加される(図中、▲1▼〜▲4▼)。これにより、トナー搬送部材6の表面に平行な進行波電界を発生させることができる。
【0076】
トナー搬送部材6上に発生する上記進行波電界は、回収搬送ベルト12から感光体ドラム1に向かって進行する。それゆえ、トナー搬送部材6は、図1中の矢印Xで示すように、搬送トナー3aを感光体ドラム1に向けて搬送することができる。
【0077】
上記トナー回収部材7も、上記トナー搬送部材6と同様に、内部に電極9b…9b(以下、9bと記載する)を4つ1組として複数組が配置されており、多層交流電源10及びバイアス直流電源11から、4相の交流交番電圧が印加されるようになっている。
【0078】
トナー回収部材7の構成は、トナー搬送部材6と同様であるので、詳細な説明は省略するが、トナー回収部材7上に発生する進行波電界の進行方向が、上記トナー搬送部材6上の進行波電界の進行方向とは逆方向となるように、各電極9bに、多層交流電源10及びバイアス直流電源11が接続されている。これにより、トナー回収部材7上では、該トナー回収部材7の表面に平行となる進行波電界が、感光体ドラム1から回収搬送ベルト12に向かって進行する。その結果、図1中の矢印Zで示すように、未使用トナー3bを感光体ドラム1から現像槽15に向けて搬送することができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、上記トナー搬送部材6及びトナー回収部材7に対して、共通の多層交流電源10及びバイアス直流電源11を用いているが、トナー搬送部材6、トナー回収部材7のそれぞれに対して、別々の多層交流電源及びバイアス直流電源を用いてもよい。
【0080】
また、本実施の形態では、電極9a・9bをそれぞれ4つ1組としているが、1組に含まれる電極数は、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、3つ1組として、多層交流電源及びバイアス直流電源から各電極に対して、3相の交流交番電圧を印加するようにしてもよい。
【0081】
さらに、電極9a・9bに印加される交流交番電圧の電圧波形は、特に限定されず、正弦波、三角波、矩形波、台形波やこれらの組み合わせ等であってもよい。また、電極9a・9bに印加される交流交番電圧の電圧値や周波数は、電極9a・9bの形状、トナー3の搬送速度、トナー3の材料に応じて、適切な値を設定すればよく特に限定されるものではないが、電圧値は100V〜3kV程度の範囲内であることが好ましく、周波数は100Hz〜5kHz程度の範囲内であることが好ましい。
【0082】
また、上記回収搬送ベルト12は、図1に示すように、該回収搬送ベルト12の駆動部材(駆動機構)である駆動ローラ(帯電部)12aと従動ローラ(除電部)12bとの間に、一定の張力が付与されて略平行に伸びるように張架された無端ベルトである。回収搬送ベルト12は、図1中、矢印方向に回転駆動することにより、トナー回収部材7が搬送する未使用トナーを回収搬送ベルト12表面に吸着させて、トナー搬送部材6に搬送する。また、上記回収搬送ベルト12は、トナー回収部材7が搬送する未使用トナー3bを現像槽15へ搬送する。
【0083】
そのため、互いに略平行になるように配置されてなるトナー搬送部材6とトナー回収部材7との間での未使用トナー3bの搬送が可能となるように、トナー搬送部材6の他端側及びトナー回収部材7の他端側にて、上記回収搬送ベルト12が、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7に、実質的に直交する方向に配置されている。
【0084】
また、回収搬送ベルト12上を未使用トナー3bが、重力の作用を受けて落下しないように、該回収搬送ベルト12は、図4(a)(b)に示すように、トナー回収部材7からトナー搬送部材6に向けて傾斜していることが好ましい。
【0085】
さらに、回収搬送ベルト12表面に吸着した未使用トナー3bを、現像槽15へ回収するため、回収搬送ベルト12と現像槽15とは隣接する位置に設けられていることが好ましい。具体的には、回収搬送ベルト12の外周部のうち、未使用トナー3bを吸着して搬送する領域(以下、トナー吸着領域と記載する)が現像槽15に対向するように設けられていることが好ましい。これにより、後述するように、トナー吸着領域から剥離した未使用トナー3bを現像槽15へ好適に回収することができる。
【0086】
また、回収搬送ベルト12表面に未使用トナー3bを吸着させて搬送するために、該回収搬送ベルト12には、上記駆動部材を介して電圧が印加される。本実施の形態では、駆動ローラ12aが、未使用トナー3bを回収するトナー回収部材7側に配置されている。そのため、トナー回収部材7によって搬送された未使用トナー3bを回収搬送ベルト12に吸着させるために、図4(a)に示すように、駆動ローラ12aに接続された直流電源13を設け、該直流電源13から駆動ローラ12aに電圧を印加している。それゆえ、本実施の形態では、駆動ローラ12aを介して、回収搬送ベルト12に所定の電圧が印加されることにより、該回収搬送ベルト12が帯電するので、未使用トナー3bを吸着することが可能となっている。
【0087】
なお、このとき駆動ローラ12aに印加される電圧は、駆動ローラ12aから回収搬送ベルト12に印加される電圧によって、該回収搬送ベルト12上に未使用トナー3bを吸着して搬送し得る程度の大きさの電圧を、該回収搬送ベルト12が保持できればよく、駆動ローラ12aの材質、回収搬送ベルト12の材質等に応じて適宜設定すればよい。言い換えれば、駆動ローラ12aと従動ローラ12bとの間の、駆動ローラ12aと回収搬送ベルト12とが接触しないトナー吸着領域においても、回収搬送ベルト12上へのトナー3の吸着が可能となる程度の電圧を、回収搬送ベルト12が保持することができるように、駆動ローラ12aに印加される電圧の大きさを制御すればよい。
【0088】
一方、従動ローラ12bは、図4(a)に示すように、電気的に接地されており、回収搬送ベルト12の表面に帯電した電位を除電している。つまり、本実施の形態では、従動ローラ12bを介して、帯電した回収搬送ベルト12から電荷が除去されるので、該回収搬送ベルト12の最頂部付近の位置にて、未使用トナー3bを回収搬送ベルト12から離脱させてトナー搬送部材6側に移動させることができる。
【0089】
上記駆動ローラ12a及び従動ローラ12bは、例えばSUS(ステンレス)や鉄等の金属ローラ部材、該金属ローラ部材を芯金として、その表面にゴムやフィルム、スポンジ等を被覆した被覆金属ローラ部材等によって形成すればよい。
【0090】
また、回収搬送ベルト12は、駆動ローラ12aを介して印加された電圧を保持して、未使用トナー3bを吸着して搬送するものである。そのため、印加された電圧を保持して未使用トナー3bの吸着が可能となるように、所定の抵抗値を有する半導電性材料であることが好ましい。回収搬送ベルト12が有する抵抗値は、未使用トナー3bの搬送速度や、未使用トナー3bの搬送量等に依存するが、通常、107Ω・cm〜1010Ω・cmであることが好ましい。上記範囲の抵抗値を有する回収搬送ベルト12は、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、EPDM等にカーボンブラック等の導電材料を混合し、上記範囲内の抵抗値に調整せしめた半導電性材料にて形成すればよい。
【0091】
さらに、回収搬送ベルト12の厚さは、トナー搬送部材6やトナー回収部材7の各電極9a・9b間ピッチに応じて適宜設定すればよいが、通常、5μm〜200μmとすることが好ましく、10μm〜100μmであることがより好ましい。
【0092】
また、本実施の形態では、回収搬送ベルト12は、重力に逆らって、相対的に下方に位置するトナー回収部材7から、相対的に上方に位置するトナー搬送部材6に、未使用トナー3bを搬送している。そのため、回収搬送ベルト12と現像槽15との間には、回収搬送ベルト12によって搬送されるトナー3が現像層15側へ移動することなく、回収搬送ベルト12に吸着されるように、進入防止板14が設けられている(図1)。
【0093】
上記進入防止板14は、特に、駆動ローラ12aと接触している領域の回収搬送ベルト12上に、未使用トナー3bが好適に吸着されるように、駆動ローラ12aの配置位置付近の、回収搬送ベルト12と現像槽15との間に設けられている。また、後述する離接部材19(図4(a)(b))の接地用ローラ19bと回収搬送ベルト12との接触位置にて、該回収搬送ベルト12から離脱する未使用トナー3bが、現像槽15側に移動するように、上記接触位置を超えない高さにて、進入防止板14が形成されている。
【0094】
さらに、上記回収搬送ベルト12の内周部には、図4(a)に示すように、内壁側から回収搬送ベルト12に対して、離接可能に接触する離接部材(離接除電部材)19が設けられている。離接部材19は、回転軸に支持されたソレノイド19aの先端に、電気的に接地された接地用ローラ19bを有している。離接部材19は、ソレノイド19aが回転軸を中心に回動することにより、接地用ローラ19bが回収搬送ベルト12に対して離接可能となっている。
【0095】
上記離接部材19の接地用ローラ19bは、回収搬送ベルト12のトナー吸着領域で、図4(b)に示すように、該回収搬送ベルト12の内側から接触することにより、駆動ローラ12aへの電圧印加によって帯電した回収搬送ベルト12の表面電位を除電している。これにより、接地用ローラ19bと回収搬送ベルト12との接触位置にて、回収搬送ベルト12表面に吸着した未使用トナー3bが剥がれ落ち、現像槽15に回収される。
【0096】
なお、上記したように、回収搬送ベルト12から脱離した未使用トナー3bが、進入防止板14に妨害されることなく現像槽15に回収されるように、離接部材19の接地用ローラ19bと、回収搬送ベルト12との接触位置を設定することが好ましい。
【0097】
また、上記回収搬送ベルト12には、図4(a)に示すように、該回収搬送ベルト12の外周部から押圧することにより、該回収搬送ベルト12の蛇行やたるみを防止するための圧接ローラ(圧接部材)20が設けられている。圧接ローラは、上記回収搬送ベルト12の外周部のうち、未使用トナー3bを吸着して搬送しない領域(以下、トナー未吸着領域と記載する)から、該回収搬送ベルト12を圧接することにより、回収搬送ベルト12の張架状態(テンション)を良好に保ち、未使用トナー3bの搬送を良好に行うことを可能にしている。
【0098】
上記圧接ローラ20は、電気的に接地されているので、圧接ローラ20がさらに回収搬送ベルト12を除電することができる。そのため、回収搬送ベルト12の回動方向に対して、従動ローラ12bよりも下流側に圧接ベルト20を配置することにより、従動ローラ12bの除電によって回収搬送ベルト12から脱離しなかった残存トナーも、該圧接ローラ20によって除去することができる。つまり、上記圧接ローラ20は、回収搬送ベルト12表面からトナー3を除去するクリーニング機能も備えている。
【0099】
上記構成の現像装置2は、例えば、画像形成装置等に組み込まれて、次のように現像動作を行う。
【0100】
上記画像形成装置は、例えば、スキャナ機能、コピー機能、プリント機能、FAX機能等を備えたデジタル複合機であり、上記現像装置2の他、原稿読取部、給紙部、印字部、定着装置、排紙部等を備え、さらに、現像装置2やこれらの各部材の動作を制御する制御部を備えている。このような画像形成装置に対して、印字要求がなされると、該画像形成装置を構成する各部材の初期化処理が行われる。ここで、初期化処理とは、印字処理を実行する前に、画像形成装置内の各部材が行う前処理をいい、例えば、感光体ドラム1の残留電位の調整、上記定着装置の温度調整等のウォームアップ、画像形成装置内における各種センサー類の初期化動作等を挙げることができる。
【0101】
上記画像形成装置の初期化処理の実行とともに、現像装置2に備えられたトナー搬送部材6及びトナー回収部材7の電極9a・9bには、多層交流電源10及びバイアス直流電源11から電圧が印加される。これにより、各組の電極9a・9bには、例えば、図3に示すように、所定の波形の4相の交流交番電圧が、所定の位相差で印加される。その結果、図1中の矢印Xにて示すように、トナー搬送部材6表面には、現像槽15側から感光体ドラム1に向けて進行する進行波電界が発生する。また、トナー回収部材7表面には、図1中の矢印Zにて示すように、感光体ドラム1から現像槽15側に向けて進行する進行波電界が発生する。
【0102】
このように、画像形成システムの初期化処理の実行とともに、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7の電極9a・9bに電圧が印加される。そのため、現像槽15から供給ローラ5を介して、トナー3がトナー搬送部材6上に供給されると、即座に、感光体ドラム1の現像領域1aに搬送トナー3aを搬送することができるようになっている。
【0103】
画像形成システムでの初期化処理が終了すると、印字要求時に入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム1の図1中のY方向への回転に伴って、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される。
【0104】
一方、現像装置2では、ミキシングパドル16が回転駆動し、現像槽15内のトナー3を汲み上げて、層厚規制部材4と供給ローラ5との間にトナー3を供給する。そして、感光体ドラム1上の静電潜像に対して好適にトナー3を供給し得るタイミングにて、直流電源17から供給ローラ5に電圧が印加されるとともに、供給ローラ5が回転駆動する。これにより、ミキシングパドル16によって汲み上げられたトナー3が、層厚規制部材4によって層厚が規制されて、電圧が印加された供給ローラ5表面に吸着し、供給ローラ5の回転に伴って、トナー搬送部材6方向にトナー3が送り出される。
【0105】
このとき、トナー搬送部材6上に供給されるトナー量は、供給ローラ5の回転動作や供給ローラ5の回転速度、供給ローラ5にトナー3を吸着させるための電圧の大きさに依存する。従って、供給ローラ5の回転動作や回転速度、及び供給ローラ5へ印加される電圧の大きさを制御すれば、トナー搬送部材6上に所望する量の搬送トナー3aを供給することができる。
【0106】
トナー搬送部材6上に供給された搬送トナー3aは、上記したように、トナー搬送部材6表面上に発生している進行波電界によって、感光体ドラム1方向へ搬送される(図1、X方向)。この搬送トナー3aの搬送の間、トナー搬送部材6上に生じた進行波電界により、搬送トナー3aに荷電が供給され、該搬送トナー3aが帯電する。トナー搬送部材6の感光体ドラム1側にまで搬送トナー3aが搬送されると、感光体ドラム1の表面電荷によって、現像領域1aにて搬送トナー3aが引き寄せられる。これにより、感光体ドラム1上の静電潜像が、感光体ドラム1の電位ギャップに応じて顕像化される。感光体ドラム1は、図1中のY方向に回転しているので、この回転とともに搬送トナー3aが順次、感光体ドラム1上の現像領域1aに供給され、上記静電潜像の現像が行われる。
【0107】
これに対し、トナー搬送部材6によって感光体ドラム1方向へ搬送されたが、感光体ドラム1表面には付着せず、静電潜像の現像には使用されなかった未使用トナー3bは、トナー回収部材7上に移動する。すなわち、トナー回収部材7表面には、上記したように進行波電界が発生しているので、感光体ドラム1表面に引き寄せられなかった未使用トナー3bが、該進行波電界の影響を受けてトナー回収部材7に移動し、図1中の矢印Zで示すように、現像槽15方向へと搬送される。
【0108】
本実施の形態では、トナー回収部材7の現像槽15側に、回収搬送ベルト12を配置しているため、トナー回収部材7が未使用トナー3bを現像槽側15に搬送すると、未使用トナー3bは、回収搬送ベルト12に到達する。回収搬送ベルト12は、駆動ローラ12a及び従動ローラ12bによって回転駆動されており、未使用トナー3bの回収搬送ベルト12への到達のタイミングに合わせて、直流電源13から駆動ローラ12aに、搬送トナー3aの帯電特性とは逆極性の電圧が印加される。これにより、図4(a)に示すように、回収搬送ベルト12に到達した未使用トナー3bは、回収搬送ベルト12の回転駆動に伴って、該回収搬送ベルト12表面に吸着された状態で、従動ローラ12b方向へと搬送される。なお、未使用トナー3bは、搬送トナー3aのうち、静電潜像の可視化には使用されなかったトナーであるので、搬送トナー3aと同じ極性の帯電特性を有している。
【0109】
一方、従動ローラ12bは、接地されているため、従動ローラ12bと回収搬送ベルト12との接触により、回収搬送ベルト12の表面電位が除電される。この除電により、図4(a)に示すように、回収搬送ベルト12表面に吸着していた未使用トナー3bが、該回収搬送ベルト12の最頂部付近の位置で、トナー搬送部材6方向へと剥がれ落ちる。その結果、未使用トナー3bが、トナー搬送部材6によって感光体ドラム1の現像領域1a方向に搬送され、再び現像処理工程に供されることになる。
【0110】
上記未使用トナー3bは、先の現像処理に供された搬送トナー3aの未使用分であるため、次の現像処理工程を行うためには、先の現像処理工程にて感光体ドラム1上の静電潜像の現像に使用されたトナー量を補う必要がある。そこで、本実施の形態の現像装置2では、上記未使用トナー3bがトナー搬送部材6へ送り出す際に、先の現像処理工程にて使用された量に相当する量のトナーを、補給トナー(補給現像剤)として、供給ローラ5から補給する。すなわち、回収搬送ベルト12からトナー搬送部材6への未使用トナー3bの搬送動作に同期するように、供給ローラ5が回転駆動することにより、現像槽15に収容されたトナー3が、補給トナーとしてトナー搬送部材6上に補給される。
【0111】
従って、静電潜像を可視化するために、未使用トナー3bを再利用するべく、トナー搬送部材6に未使用トナー3bを供給する場合には、該トナー搬送部材6によって、搬送される搬送トナー3aは、回収搬送ベルト12から搬送された未使用トナー3bと、供給ローラ5から供給される補給トナーとを含んでいる。
【0112】
上記供給ローラ5から補給される補給トナーの補給量は、印字要求時に入力された画像情報に基づいて決定される。すなわち、例えば、入力された画像情報中の黒比率やドットカウント(ドット数)に基づいて、静電潜像の現像に使用されたトナー量を算出し、この算出結果に応じて、補給トナーの補給量を決定すればよい。
【0113】
上記したように、供給ローラ5によって供給されるトナー量は、供給ローラ5の回転動作や回転速度、及び供給ローラ5へ印加される電圧の大きさによって制御される。従って、所望する補給量の補給トナーがトナー搬送部材6に供給されるように、供給ローラ5の回転動作や回転速度、印加電圧の大きさを制御すればよい。
【0114】
上記回収搬送ベルト12は、最頂部付近にて、未使用トナー3bをトナー搬送部材6上に搬送した後、さらに図4(a)に示す矢印方向に回転駆動することにより、トナー未吸着領域にて、圧接ローラ20に接触する。該圧接ローラ20は、電気的に接地されているので、さらに回収搬送ベルト12表面が除電される。その結果、従動ローラ12bの除電によって回収搬送ベルト12から剥離することなく、該回収搬送ベルト12上に残存した残存トナーが、回収搬送ベルト12表面から除去される。これにより、回収搬送ベルト12表面のクリーニングが行われる。
【0115】
以上のように、本実施の形態の現像装置2では、連続して現像処理を実行する場合には、先の現像処理工程にて使用されなかった未使用トナー3bを、次の現像処理工程にて再利用するとともに、先の現像処理工程にて使用されたために不足したトナー量を補給トナーとして補給して、次の現像処理工程を行っている。それゆえ、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7のそれぞれの表面の進行波電界によって、帯電した未使用トナーを有効に活用することができるので、多層交流電源10及びバイアス直流電源11の負荷を低減させることができる。
【0116】
すなわち、上記現像装置2では、連続して現像処理が行われる場合には、未使用トナーが現像槽15に一旦回収されることなく、再び現像に使用される。そのため、進行波電界によって帯電した帯電量は、回収搬送ベルト12による搬送によって多少減少すると考えられるが、現像槽15に回収された場合に比べると、帯電量の減少は小さいと考えられる。
【0117】
それゆえ、上記のように、未使用トナー3bを現像槽15に回収する工程を経ることなく、回収搬送ベルト12によって未使用トナー3bを搬送して再度使用することにより、トナー搬送部材6表面の進行波電界によって搬送された未使用トナー3b及び補給トナーを含む搬送トナー3aを、所定の帯電量にまで帯電させる際の負荷を低減することができる。つまり、未使用トナー3bを除電することなく再利用することにより、搬送トナー3aを帯電させる進行波電界の発生に必要とされる印加電圧やパルス数を低減することができる。従って、進行波電界を発生させるために電極9a・9bに電圧を印加する多層交流電源10及びバイアス直流電源11の負荷を低減することができる。
【0118】
さらに、一旦帯電した未使用トナー3bを除電することなく用いているので、トナーの除電及び帯電が繰り返されることによって生じる、帯電履歴によるトナーの品質劣化を防止することができる。
【0119】
一方、現像処理を終了する際には、以下の動作を行う。すなわち、画像形成装置での印字処理が終了すると、まず、トナー搬送部材6への補給トナー及び未使用トナー3b(以下、両者をトナーと総称する)の供給を停止する。具体的には、供給ローラ5の回転が停止することにより、該供給ローラ5からの補給トナーの供給が停止される。
【0120】
また、画像形成装置での印字処理が終了すると、図4(b)に示すように、離接部材19のソレノイド19aが回転軸を中心にして回動することにより、接地用ローラ19bが回収搬送ベルト12のトナー吸着領域に接触する。接地用ローラ19bは電気的に接地されているため、回収搬送ベルト12に接触することにより、駆動ローラ12aから印加された電圧によって回収搬送ベルト12表面に生じる電位を除去することができる。回収搬送ベルト12の表面電位が除電されると、回収搬送ベルト12表面に吸着されている未使用トナー3bが、該回収搬送ベルト12表面から剥がれ落ちる。剥がれ落ちた未使用トナー3bは、進入防止板14(図1)を越えて、現像槽15に回収される。
【0121】
また、上記接地用ローラ19bは、回収搬送ベルト12のトナー吸着領域にて、図4(b)に示すように、内周側から、回収搬送ベルト12の傾斜方向とは逆方向である現像槽15方向に突出するように、回収搬送ベルト12を押圧している。つまり、接地用ローラ19bと回収搬送ベルト12との接触位置が、回収搬送ベルト12の内周側から突出し、上記接触位置にて曲折した状態となる。従って、上記接触位置まで搬送されてきた未使用トナー3bが接触位置にて搬送方向を切り換えられることにより、回収搬送ベルト12表面から、さらに剥がれ落ちやすくなっている。
【0122】
上記のように、離接部材19が回収搬送ベルト12に接触することにより、回収搬送ベルト12によって搬送されていた未使用トナー3bが、従動ローラ12bの配置位置にまで搬送されなくなり、その結果、トナー搬送ベルト6への供給が停止される。
【0123】
上記のようにして、トナー搬送部材6への補給トナー及び未使用トナー3bの供給が停止すると、トナー搬送部材6、トナー回収部材7、回収搬送ベルト12の停止動作が行われる。
【0124】
すなわち、トナー搬送部材6は、該トナー搬送部材6上の搬送トナー3aが感光体ドラム1まで搬送される際に要する時間が経過するまでは、トナー搬送部材6の電極9aへの電圧の印加を停止せずに、進行波電界による搬送トナー3aの搬送を続行する。そして、少なくとも、トナー搬送部材6上でのトナー3の搬送が完了する時間が経過したら、電極9aへの電圧の印加を停止し、進行波電界の発生を停止させる。これにより、トナー搬送部材6上に供給された搬送トナー3aは全て、感光体ドラム1方向へ搬送されるので、現像装置2での現像処理の終了後、トナー搬送部材6上にトナーが滞留することはない。
【0125】
また、トナー回収部材7の電極9bへの電圧の印加は、上記トナー搬送部材6によって搬送された搬送トナー3aのうち、静電潜像の現像に使用されなかった未使用トナー3bが、トナー回収部材7上を回収搬送ベルト12まで搬送される際に要する時間が経過されるまでは、継続して行う。これにより、トナー回収部材7上では、進行波電界による未使用トナー3bの搬送が続行される。そして、少なくとも、トナー回収部材7上での未使用トナーの搬送が完了する時間が経過したら、電極9bへの電圧の印加を停止し、進行波電界の発生を停止させる。
【0126】
つまり、トナー回収部材7の電極9bへの電圧の印加の停止は、トナー搬送部材6の電極9aへの電圧印加終了後、トナー回収部材7上での未使用トナー3bの搬送に要する時間をさらに経過した後に行われる。従って、トナー回収部材7上に引き寄せられた未使用トナー3bは全て、回収搬送ベルト12方向へ搬送されるので、現像装置2での現像処理の終了後、トナー回収部材7上に未使用トナー3bが滞留することはない。
【0127】
上記トナー回収部材7によって、回収搬送ベルト12へ搬送された未使用トナー3bは、上記したように、駆動ローラ12aに印加された電圧により、回収搬送ベルト12表面に吸着される。そして、回収搬送ベルト12と離接部材19の接地用ローラ19bとの接触位置にて、回収搬送ベルト12の表面電位が除電されると、未使用トナー3bが回収搬送ベルト12から剥離し、現像槽15に回収される。
【0128】
回収搬送ベルト12は、該回収搬送ベルト12の、駆動ローラ12aが配置された、未使用トナー3bの吸着搬送を開始する開始位置が、少なくとも圧接ローラ20によってクリーニングされる位置である、回収搬送ベルト12の該圧接ローラ20による圧接位置に到達するまで回転駆動される。これにより、現像装置2での現像処理の終了後、回収搬送ベルト12上にトナーが残留することを防止している。好ましくは、上記開始位置が、再び該開始位置にまで戻るように、回収搬送ベルト12を1回転分回動させるとよい。
【0129】
なお、駆動ローラ12aへの電圧の印加、及び、離接部材19と回収搬送ベルト12との接触位置での回収搬送ベルト12の除電は、それぞれ、未使用トナーと回収搬送ベルト12との吸着位置、及び、上記接触位置を、トナー回収部材7から搬送された未使用トナーが全て通過した後に停止してもよく、あるいは、回収搬送ベルト12の回転駆動が停止されるタイミングで停止してもよい。
【0130】
このように、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7の各電極9a・9bへの電圧を順次停止して、進行波電界の発生を順に停止することにより、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、それぞれ搬送トナー3a及び未使用トナー3bが残留することはない。それゆえ、進行波電界によってトナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、搬送トナー3a及び未使用トナー3bが保持されない現像処理終了後に、現像装置2や該現像装置2を備えた画像形成装置に外部から衝撃等が加えられても、搬送トナー3a及び未使用トナー3bの機内飛散が生じることはない。
【0131】
また、現像処理終了後に、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に放置されているために、帯電量が低下した搬送トナー3aを再使用することはない。つまり、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、帯電した搬送トナー3a及び未使用トナー3bが放置されると、次に行われる現像処理工程時までに搬送トナー3aの帯電量が低下し、静電潜像の現像に際して搬送トナー3aの帯電量が不十分となってしまうことがある。このような帯電量不足は、カブリ現象の発生等を招来して、印字品位の低下を招く。しかしながら、本実施の形態の現像装置2では、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、搬送トナー3a及び未使用トナー3bが残留することはないので、カブリ現象の発生等が生じることはない。
【0132】
さらに、回収搬送ベルト12上に、未使用トナー3bを残留させないように、圧接ローラ20によって、クリーニングを行っている。そのため、回収搬送ベルト12上に未使用トナー3bが固着することによって生じる、回収搬送ベルト12の蛇行やたるみの発生を防止することができる。
【0133】
【発明の効果】
本発明の現像装置は、以上のように、現像剤回収部材から現像剤搬送部材へ未使用現像剤を搬送するための現像剤回収搬送部材を備えているものである。
【0134】
それゆえ、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を除電することなく、現像剤回収搬送部材を介して、現像剤搬送部材へ供給することができる。これにより、進行波電界を発生させるための電圧印加量やパルス数の増大等の進行波電界の負荷を低減することができる現像装置を提供することができるという効果を奏する。
【0135】
さらに、現像処理が終了した後、現像剤搬送部材上の搬送現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、搬送部材用電極への電圧の印加を停止している。また、該搬送部材用電極への電圧の印加が停止した後、現像剤回収部材上の未使用現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、回収部材用電極への電圧の印加を停止している。
【0136】
それゆえ、現像剤搬送部材及び現像剤回収部材の進行波電界が生じていない状態となった場合にも、現像剤搬送部材上に搬送現像剤が残留することはなく、また、現像剤回収部材上に未使用現像剤が残留することはない。これにより、搬送現像剤や未使用現像剤の機内飛散を防止することができるという効果を奏する。
【0137】
また、現像終了後に、現像剤搬送部材や現像剤回収部材に搬送現像剤や未使用現像剤が残存することなく、現像剤収容部に回収されるので、再び現像処理を行う場合には、進行波電界による電荷注入によって、搬送現像剤を所定の帯電量にまで帯電させることができる。それゆえ、搬送現像剤の帯電量の不足による、印字時のかぶり現象の発生を防止し、印字品位を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における現像装置の実施の一形態を示す概略の断面図である。
【図2】上記現像装置のトナー搬送部材を示す概略の断面図である。
【図3】上記トナー搬送部材の各電極に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】(a)(b)は、上記現像装置の回収搬送ベルトを示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(静電潜像担持体)
1a 現像領域
2 現像装置
3 トナー・補給トナー(現像剤・補給現像剤)
3a 搬送トナー(搬送現像剤)
3b 未使用トナー(未使用現像剤)
4 層厚規制部材
5 供給ローラ(現像剤補給部)
6 トナー搬送部材(現像剤搬送部材)
7 トナー回収部材(現像剤回収部材)
9a 電極(搬送部材用電極)
9b 電極(回収部材用電極)
10 多層交流電源
11 バイアス直流電源
12 回収搬送ベルト(現像剤回収搬送部材)
12a 駆動ローラ(帯電部、駆動機構)
12b 従動ローラ(除電部、駆動機構)
13 直流電源
14 進入防止板
15 現像槽(現像剤収容部)
16 ミキシングパドル
17 直流電源
19 離接部材(離接除電部材)
19a ソレノイド
19b 接地用ローラ
20 圧接ローラ(圧接部材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、進行波電界を利用して現像剤の搬送を行う現像装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像装置には、ローラ形状の現像スリーブを回転させることにより、現像槽内のトナーを感光体上の静電潜像上(現像領域)に搬送して、現像処理を行うものがある。
【0003】
上記現像スリーブによってトナーを搬送する現像装置では、現像槽内でトナーの帯電を行う場合が多い。このような場合、現像槽内でのトナーの攪拌等によって生じるトナー同士の接触やトナー間での摩擦により、全てのトナーが必ずしも同一の極性に帯電せず、逆極性に帯電したトナーが現像槽内に存在することがある。逆極性に帯電したトナーは、通常、現像槽内の全トナーのうち、2wt(重量)%〜5wt%程度を占める。このような逆極性に帯電したトナーが現像スリーブによって搬送されると、カブリ現象の発生や印字濃度の低下等の印字品位の低下を招来する。
【0004】
また、上記現像装置では、現像スリーブによって搬送するトナー量を規制するための層厚規制部材を設けている。該層厚規制部材は、現像スリーブに接触するように、あるいは、現像スリーブと所定の空間を有するように、配置され、現像スリーブによって搬送されるトナーの層厚を一定となるように規制している。
【0005】
しかしながら、上記層厚規制部材によってトナー量を規制すると、現像スリーブ上に、トナーが高密度に保持されて搬送される。それゆえ、現像スリーブ上に保持されるトナーの密度を低減する必要があるソフトタッチの印字が行い難くなり、階調性に富んだ表現が困難となってしまう。また、現像スリーブ上に高密度にトナーが保持されると、静電潜像の現像のために使用されなかったトナー(以下、未使用トナー)が現像スリーブ上から離脱し難い。そのため、未使用トナーが、次の現像工程で再び利用される現像メモリの発生等の不具合を招来することがある。
【0006】
さらに、上記層厚規制部材が、現像スリーブ上のトナーの層厚を揃えるためにトナーと接触すると、トナーの温度が上昇する。このとき、トナーの温度は、現像装置内の温度よりも10℃〜20℃程度高い温度となる。このようなトナーの温度上昇は、トナーを軟化させるので、層厚規制部材からの圧力によって、現像スリーブや感光体上にトナーが融着するという問題を引き起こす。その結果、現像工程において軟化したトナーが現像スリーブに融着するスペントトナーの増大や、軟化したトナーが感光体に融着する感光体のフィルミングが発生し、印字ボケや印字濃度の低下等の印字不良が引き起こされる。
【0007】
上記現像スリーブによるトナーの搬送を行う現像装置で生じる印字不良等の上記の各問題点を解決するために、進行波電界を利用してトナーの搬送や帯電を行う現像装置が提案されている(例えば、特許文献1)。すなわち、特許文献1に記載の現像装置では、搬送路内に進行波電界を発生させて、現像槽内のトナーを感光体上へ搬送するとともに、該搬送時の進行波電界によって電荷注入を行ってトナーを帯電させる。また、感光体上の静電潜像を現像するために搬送されたトナーのうち、現像に使用されなかった未使用トナーを、回収路内に発生させた進行波電界を利用して現像槽に回収している。
【0008】
このように、進行波電界によるトナーの搬送や帯電を行う現像装置を用いれば、トナーを同一極性に帯電させることができ、また、上記した現像メモリや、スペントトナーの増大、感光体のフィルミングの発生等などによる印字品位の低下等の不具合を低減することができる。
【0009】
【特許文献1】
特許第2836537号公報(登録日:平成10(1998)年10月9日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、進行波電界を利用した現像装置では、搬送路を搬送される全てのトナーが感光体上の静電潜像を現像するために用いられない場合がある。例えば、A4の記録用紙全面に文字データの印字を行う場合、記録用紙に占める文字データの黒比率(ドット数)は、5%〜40%程度である。そのため、文字データの印字を行う場合には、搬送路を搬送されたトナーの半分以上が未使用トナーとなる。上記未使用トナーは、現像槽に回収され、再利用される。例えば、上記特許文献1に記載の現像装置では、上記未使用トナーが一旦、回収路内を搬送されて現像槽内に回収され、その後、再び現像槽から搬送路へと搬送されて、再利用されている。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に記載の現像装置では、上記現像槽内への未使用トナーの回収を行うことにより、搬送路内や回収路内の搬送時には進行波電界によって帯電していた未使用トナーが、現像槽内で電荷を放出するので、未使用トナーの帯電量が希釈されてしまう。つまり、上記特許文献1に記載の現像装置では、現像槽内に回収された未使用トナー(以下、回収トナーと記載する)は、実質的に未帯電となっていると考えられる。そのため、引き続いて行われる次の現像工程にて回収トナーを再利用する場合、該回収トナーを再び所定の帯電量となるように、進行波電界による十分な荷電注入を行って、回収トナーを帯電させる必要がある。
【0012】
言い換えれば、上記特許文献1では、連続して現像工程を行う場合にも、最初の現像工程にて帯電したトナー(未使用トナー)を現像槽に一旦回収するため、現像槽内に回収された回収トナーは除電された状態となっている。そのため、最初の現像工程に引き続いて行われる次の現像工程にて、上記回収トナーを再び使用する場合には、該回収トナーに対して、進行波電界による電荷注入を再度行って、所定の帯電量にまで帯電させる必要がある。
【0013】
このように、上記特許文献1に記載の現像装置では、連続して現像工程が行われる場合にも、除電された回収トナーを再び所定の帯電量にまで帯電させなければならないという問題を有している。そのため、上記特許文献1に記載の現像装置では、進行波電界の発生用の電源に印加される電圧やパルス数が大きくなり、該電源の負荷が増大してしまうという問題がある。
【0014】
また、上記のように、回収現像剤の除電及び帯電が繰り返されると、帯電履歴による現像剤の品質劣化を引き起こすという問題もある。
【0015】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、連続して行われる現像工程時に、現像処理に使用されていない帯電された現像剤を有効に活用することにより、現像剤の搬送や帯電のために用いられる進行波電界の発生用の電源に対する負荷を軽減し得る現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の現像装置は、上記課題を解決するために、現像剤搬送部材が進行波電界によって、現像剤収容部に収容された現像剤を静電潜像担持体上に搬送することにより、該静電潜像担持体上の静電潜像が可視化されるとともに、上記現像剤搬送部材によって搬送された搬送現像剤のうち、上記静電潜像の可視化に使用されていない未使用現像剤を、現像剤回収部材が進行波電界によって搬送する現像装置において、上記現像剤回収部材から現像剤搬送部材へ上記未使用現像剤を搬送するための現像剤回収搬送部材を備えていることを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を、現像剤回収搬送部材を介して、現像剤搬送部材へ供給することができる。そのため、進行波電界によって帯電した未使用現像剤を除電することなく、現像処理に再利用することができる。従って、進行波電界によって行われる搬送現像剤への電荷注入量を低減することができるので、進行波電界を発生させるための電圧印加量やパルス数の増大等といった進行波電界に対する負荷を低減することができる。
【0018】
また、未使用現像剤を除電することなく再利用すれば、該未使用現像剤の除電及び帯電に供される回数を低減することができる。それゆえ、現像剤の帯電及び除電が繰り返し行われることによって生じる帯電履歴による現像剤の品質劣化を防止することができる。
【0019】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材は、上記現像剤回収部材によって搬送された未使用現像剤を吸着して搬送するために、該現像剤回収搬送部材を帯電させる帯電部と、該現像剤回収搬送部材によって搬送される上記未使用現像剤を上記現像剤搬送部材に供給するために、該現像剤回収搬送部材を除電する除電部とを備えていることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、帯電部が現像剤回収搬送部材を帯電することにより、現像剤回収部材によって搬送された未使用現像剤を吸着して搬送することができる。また、除電部が現像剤回収搬送部材を除電することにより、該現像剤回収搬送部材に吸着して搬送される未使用現像剤を、該現像剤回収搬送部材から剥離させることができる。つまり、上記現像装置では、帯電部によって電圧を印加することにより、現像剤回収搬送部材に所定の電圧を保持させて未使用現像剤を吸着搬送するとともに、除電部による除電を行うことによって、現像剤回収搬送部材が保持している電圧を除去して、未使用現像剤を現像剤搬送部材に供給している。
【0021】
従って、現像剤回収搬送部材によって、未使用現像剤の吸着搬送を行っても、進行波電界によって帯電した未使用現像剤は、実質的に未帯電状態を経ることなく、現像剤搬送部材に供給されることになる。これにより、帯電した未使用現像剤を有効に活用して、静電潜像の可視化を行うことができる。
【0022】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記帯電部の配置位置で上記現像剤回収搬送部材に吸着した未使用現像剤が上記除電部の配置位置に到達するまでの現像剤吸着領域にて、上記現像剤回収搬送部材に対して離接可能に設けられ、かつ、上記現像剤回収搬送部材を除電する離接除電部材をさらに備えていることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、帯電部の配置位置と除電部の配置位置との間にある、未使用現像剤が現像剤回収搬送部材に吸着している現像剤吸着領域に接触するように、離接除電部材が設けられている。離接除電部材は、上記現像剤吸着領域に接触することにより、上記帯電部によって帯電している現像剤回収搬送部材を除電する。この除電によって、現像剤回収搬送部材に吸着している未使用現像剤は、該現像剤回収搬送部材から脱離するので、未使用現像剤が上記除電部の配置位置まで搬送されず、その結果、現像剤搬送部材への搬送が行われなくなる。
【0024】
このように、必要に応じて、離接除電部材を現像剤回収搬送部材に接触させることにより、現像剤回収搬送部材による未使用現像剤の搬送を制御することができる。
【0025】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材は、上記現像剤収容部に隣接するように配置されていることが好ましい。
【0026】
さらに、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤収容部は、上記離接除電部材による現像剤回収搬送部材の除電によって、該現像剤回収搬送部材から剥離した未使用現像剤を収容していることが好ましい。
【0027】
上記の各構成によれば、現像剤回収搬送部材と現像剤収容部とが互いに隣接するように配置されている。そのため、現像剤回収搬送部材に吸着している未使用現像剤が上記離接除電部材によって剥離された場合にも、剥離された未使用現像剤を現像剤収容部に好適に回収することができる。
【0028】
また、現像剤回収搬送部材から剥離された未使用現像剤が現像剤収容部に回収されれば、現像剤搬送部材へ搬送されなかった未使用現像剤を、再び現像処理に利用することができる。
【0029】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記帯電部によって帯電された現像剤回収搬送部材の帯電特性は、上記搬送現像剤の帯電特性とは逆極性であることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、現像剤回収搬送部材によって、帯電した未使用現像剤を好適に搬送することができる。
【0031】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、さらに、上記現像剤収容部内の現像剤を供給する現像剤補給部を備え、上記静電潜像の可視化に際して上記未使用現像剤を使用する場合、上記搬送現像剤は、上記現像剤回収搬送部材から搬送される未使用現像剤と、上記現像剤補給部から供給される補給現像剤とを含んでいることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、未使用現像剤を次の現像処理工程にて使用する場合に、先の現像処理工程にて、静電潜像の可視化に搬送現像剤が使用されることによって不足した搬送現像剤の不足量を、現像剤補給部から供給される補給現像剤によって補うことができる。これにより、未使用現像剤を再利用する場合にも、静電潜像の可視化を良好に行うことができるので、良好な印字品位を得ることができる。
【0033】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記補給現像剤の供給量は、上記静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に基づいて設定されていることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に応じて、補給現像剤が供給されるので、搬送現像剤が過剰となる、あるいは、不足するということはない。それゆえ、静電潜像の可視化を好適に行って、優れた印字品位を得ることができる。
【0035】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤補給部は、ローラ形状を有し、上記補給現像剤の供給は、上記現像剤補給部の回転動作、現像剤補給部の回転速度、及び現像剤補給部に印加される電圧のうちの少なくとも1つが制御されることによって制御されていることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、ローラ形状の現像剤補給部を有しているので、補給現像剤の供給を容易に制御することができる。すなわち、現像剤補給部が回転駆動すれば、補給現像剤を送り出して搬送することにより、現像剤搬送部材に補給現像剤を供給することができる。また、現像剤補給部の回転速度を制御すれば、補給現像剤を送り出す供給量を制御することができる。さらに、現像剤補給部に印加される電圧を制御すれば、現像剤補給部に吸着保持される補給現像剤量を制御することができるので、補給現像剤の供給量を制御することができる。
【0037】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤補給部に印加される電圧は、上記搬送現像剤の帯電特性とは逆極性の電圧であることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、現像剤補給部によって、補給現像剤を好適に搬送することができる。
【0039】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤搬送部材は、電圧を印加することによって進行波電界を発生する搬送部材用電極を有し、上記現像剤回収搬送部材から現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送、及び、上記現像剤補給部から現像剤搬送部材への補給現像剤の供給が停止されると、所定時間の経過後に、上記進行波電界の発生が停止した状態となるように、上記搬送部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴としている。
【0040】
さらに、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収部材は、電圧を印加することによって進行波電界を発生する回収部材用電極を有し、上記搬送部材用電極への電圧の印加が停止されると、所定時間の経過後に、上記進行波電界の発生が停止した状態となるように、上記回収部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、現像処理が終了した後、現像剤搬送部材上の搬送現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、搬送部材用電極への電圧の印加を停止している。また、該搬送部材用電極への電圧の印加が停止した後、現像剤回収部材上の未使用現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、回収部材用電極への電圧の印加を停止している。
【0042】
従って、現像処理が行われていないために、現像剤搬送部材及び現像剤回収部材の進行波電界が生じていない状態となった場合にも、現像剤搬送部材上に搬送現像剤が残留することはなく、また、現像剤回収部材上に未使用現像剤が残留することはない。これにより、外部からの衝撃等を受けても、上記搬送現像剤や未使用現像剤は、現像剤搬送部材や現像剤回収部材上には残留していないので、飛散することはない。
【0043】
すなわち、現像工程が終了すると、通常、現像剤搬送部材や現像剤回収部材の搬送部材用電極や回収部材用電極への電圧の印加が停止され、進行波電界が発生しなくなる。そのため、現像工程の終了時点で、現像剤搬送部材や現像剤回収部材に残存する搬送現像剤や未使用現像剤は、進行波電界の影響を受けておらず、従って、外部から現像装置に対して衝撃等が与えられると、該搬送現像剤や未使用現像剤は機内飛散の原因となる。このような機内飛散によって、現像装置の各部材等に固着した現像剤は、現像装置の動作不良を引き起こす可能性があり、好ましくない。
【0044】
また、たとえ機内飛散等を引き起こさなくても、現像剤搬送部材や現像剤回収部材に残存する搬送現像剤や未使用現像剤は、時間の経過とともに、電荷を放出するため、帯電量が低下する。それゆえ、次の現像工程時に、進行波電界によって電荷注入を行っても、上記搬送現像剤や未使用現像剤を所定の帯電量にまで十分に帯電させることが困難となる可能性が高い。このような帯電量の不足は、印字時にかぶり現象を発生させる原因となり、印字品位の低下を招来するため好ましくない。
【0045】
そこで、本発明の現像装置は、上記の構成を採用することにより、現像処理後に、現像剤搬送部材上や現像剤回収部材上に、搬送現像剤や未使用現像剤が残留することがないようにすることができるので、上記機内飛散や、印字時のかぶり現象を防止することができる。
【0046】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材は、無端ベルト状であり、上記現像剤回収搬送部材の張架状態を制御するために、該現像剤回収搬送部材を圧接する圧接部材がさらに設けられていることを特徴としている。
【0047】
上記の構成によれば、無端ベルト状の現像剤回収搬送部材を用いることにより、該現像剤回収搬送部材の回動によって、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を現像剤搬送部材へ供給することができる。また、現像剤回収搬送部材を圧接する圧接部材が設けられているので、現像剤回収搬送部材の張架状態(テンション)を良好に保つことができる。
【0048】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記圧接部材は、接地されているとともに、現像剤回収搬送部材の回動方向に対して、上記除電部の配置位置よりも下流側の位置で該現像剤回収搬送部材を圧接し、該現像剤回収搬送部材上に残留する未使用現像剤を除去するようになっていることを特徴としている。
【0049】
上記の構成によれば、圧接部材が接地されているので、圧接部材が現像剤回収搬送部材を圧接することにより、現像剤回収搬送部材の除電も行われる。圧接部材は、現像剤回収搬送部材の回動方向に対して、上記除電部の配置位置よりも下流側の位置で現像剤回収搬送部材を圧接する。それゆえ、除電部にて剥離されずに、現像剤回収搬送部材上に残留する未使用現像剤を除去することができるので、上記圧接部材は現像剤回収搬送部材をクリーニングすることができる。これにより、現像剤回収搬送部材に未使用現像剤が残存して、固着することを防止することができるので、現像剤回収搬送部材の張架状態を良好に保ち、また、未使用現像剤の搬送を良好に行うことを可能にしている。
【0050】
また、本発明の現像装置は、上記の現像装置において、上記現像剤回収搬送部材を張架するとともに、該現像剤回収搬送部材を回動するように駆動させる駆動機構を備え、上記回収部材用電極への電圧の印加が停止されると、該電圧の印加の停止時に上記現像剤回収搬送部材のうちの、未使用現像剤の吸着が開始される開始位置が、少なくとも上記圧接部材によって圧接される領域に移動するまで、上記現像剤回収搬送部材が回動した後に、該回動動作が停止するように上記駆動機構の駆動が制御されていることを特徴としている。
【0051】
上記の構成によれば、回収部材用電極への電圧の印加が停止して、現像剤回収搬送部材によって未使用現像剤を搬送する必要がなくなっても、回収部材用電極への電圧の印加が停止された時点で、現像剤回収搬送部材の未使用現像剤の吸着の開始位置が、少なくとも圧接部材と接触する位置に移動するまでは、駆動機構を駆動させて、現像剤回収搬送部材を回動させている。これにより、未使用現像剤が付着した領域の現像剤回収搬送部材が、圧接部材によって必ずクリーニングされるので、現像剤回収搬送部材に未使用現像剤が残存して固着することを防止することができる。
【0052】
また、本発明の画像形成装置は、上記の現像装置を備えていることを特徴としている。
【0053】
上記の構成によれば、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を除電することなく、現像剤回収搬送部材を介して、現像剤搬送部材へ供給することができる。これにより、進行波電界を発生させるための電圧印加量やパルス数の増大等の進行波電界の負荷を低減することができる現像装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【0054】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、印字要求に基づいて印字処理を開始する前に行われる初期化動作時に、上記現像装置に備えられている現像剤搬送部材及び現像剤回収部材に、それぞれ進行波電界が発生するように、上記搬送部材用電極及び回収部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴としている。
【0055】
上記の構成によれば、画像形成装置で行われる初期化動作とともに、現像剤搬送部材及び現像剤回収部材それぞれの搬送部材用電極及び回収部材用電極に電圧が印加されて、進行波電界が発生した状態となる。従って、上記初期化動作が終了した後に、現像剤搬送部材に搬送現像剤が供給されれば、静電潜像担持体上に搬送現像剤の搬送を即座に開始することができるので、印字処理に要する時間を短縮することができる。
【0056】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、印字処理が終了した後に、上記現像装置が有する現像剤回収搬送部材による上記現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送を停止するように、現像剤回収搬送部材を駆動する駆動機構の駆動を制御しているとともに、上記現像剤補給部による補給現像剤の供給が停止するように、該現像剤補給部の回転動作、現像剤補給部の回転速度、及び現像剤補給部に印加される電圧のうちの少なくとも1つが制御されていることが好ましい。
【0057】
上記の構成によれば、画像形成装置にて印字処理が実行されている間は、現像剤搬送部が搬送現像剤を搬送することができる。
【0058】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、上記現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送の停止は、上記離接除電部材が該現像剤回収搬送部材に接触することによって行われていることを特徴としている。
【0059】
上記の構成によれば、離接除電部材が現像剤回収搬送部材に接触するように制御することによって、現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送を停止することができる。
【0060】
また、本発明の画像形成装置は、上記の画像形成装置において、上記現像装置が有する現像剤補給部から供給される補給現像剤の供給量は、印字要求時に入力された画像情報に基づいて設定されていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、印字要求時に入力された画像情報の黒比率やドットカウント(ドット数)に基づいて算出される、静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に応じて、補給現像剤が供給される。従って、未使用現像剤を再使用する場合に、現像剤搬送部材が搬送する搬送現像剤の量を適量に設定することができる。それゆえ、静電潜像の可視化を好適に行って、優れた印字品位にて印字を行うことができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0063】
図1に示すように、本実施の形態の現像装置2は、現像槽(現像剤収容部)15、供給ローラ(現像剤補給部)5、トナー搬送部材(現像剤搬送部材)6、トナー回収部材(現像剤回収部材)7、回収搬送ベルト(現像剤回収搬送部材)12等を備えている。
【0064】
上記現像槽15は、トナー(現像剤)3を内部に収容するとともに、必要に応じて現像装置2を構成する部材を支持するものである。現像槽15は、内部に該トナー3を攪拌する又は混合するためのミキシングパドル16を備えている。該ミキシングパドル16は、現像槽15に収容されたトナー3を、後述する供給ローラ5に対して供給する。具体的には、ミキシングパドル16が回転駆動することにより、図1に示すように、現像槽15の底部にあるトナー3を汲み上げて、現像槽15の上部方向に配置された供給ローラ5に送り出している。
【0065】
供給ローラ5は、円筒状の回転ローラであり、現像槽15に収容されているトナー3をトナー搬送部材6に供給する。供給ローラ5の材質は特に限定されないが、例えば、シリコーン、ウレタン、EPDM(エチレン−プロピレン−メチレン共重合体)等のソリッドゴム(固体状ゴム)や発泡性ゴム等の弾性材料を挙げることができる。また、供給ローラ5への電圧の印加を可能とするために、上記弾性材料に、カーボンブラックやイオン導電剤を添加して、導電性を付与してもよい。この場合、供給ローラ5を図1に示す直流電源17に接続して、供給ローラ5に、搬送トナー3aの帯電特性とは逆極性の電圧を印加すれば、トナー3を供給ローラ5表面に吸着させて、トナー搬送部材6に良好に送り出すことができる。
【0066】
供給ローラ5には、該供給ローラ5の表面に当接するように層厚規制部材4が設けられている。該層厚規制部材4は、供給ローラ5の表面に形成されるトナー層の層厚を一定となるように規制する。これにより、トナー搬送部材6に供給するトナー3量を一定となるように制御することができる。
【0067】
さらに、供給ローラ5には、トナー3を帯電させるための図示しないブレードが設けられていてもよい。該ブレードは、例えば薄板形状であって、供給ローラ5と現像槽15との間でトナー3を帯電させることができるように、配置しておくことが好ましい。
【0068】
上記トナー搬送部材6及びトナー回収部材7は、現像槽15と感光体ドラム1との間で、それぞれ、後述する搬送トナー(搬送現像剤)3a及び未使用トナー(未使用現像剤)3bの搬送を行うために用いられる。
【0069】
すなわち、トナー搬送部材6は、例えば所定幅の板状に形成されてなり、その一端が、画像形成装置に備えられた感光体ドラム1側に配置され、もう一方の端部である他端が、後述する回収搬送ベルト12の一端側に配置されている。トナー搬送部材6は、現像槽15に収容されているトナー3や、回収搬送ベルト12によって搬送された後述する未使用トナー3bを、搬送トナー3aとして、上記感光体ドラム1上の現像領域1aに形成された静電潜像上に搬送する。
【0070】
そのため、トナー搬送部材6は、供給ローラ5や、回収搬送ベルト12の最頂部よりも下方に配置されることが好ましい。これにより、供給ローラ5によって送り出されたトナー3や、回収搬送ベルト12の最頂部を通過して搬送された後述する未使用トナー3bを、トナー搬送部材6上に供給することができる。
【0071】
また、トナー回収部材7は、例えば所定幅の板状に形成されてなり、上記トナー搬送部材6と所定間隔を隔てて、該トナー搬送部材6に略平行となるように配置されている。つまり、トナー回収部材7の一端は、感光体ドラム1側に配置され、もう一方の端部である他端は、上記トナー搬送部材6の他端が配置されている回収搬送ベルト12の一端側とは反対側の端部(以下、他端と記載する)側に配置されている。なお、本実施の形態では、トナー回収部材7の一端と上記トナー搬送部材6の一端とが、感光体ドラム1の現像領域1aに相当する円周方向の距離を隔てるように配置されている。
【0072】
上記トナー回収部材7は、感光体ドラム1上の静電潜像を現像するために搬送されたトナー3のうち、現像に使用されなかった未使用トナー3bを、回収搬送ベルト12表面に搬送する。そのため、トナー回収部材7の他端上に、回収搬送ベルト12の他端が配置されていることが好ましい。なお、トナー回収部材7の他端と回収搬送ベルト12の他端との間には、図4(a)(b)に示すように、未使用トナー3bが通過し得る程度の隙間が設けられていることが好ましい。これにより、トナー回収部材7上から回収搬送ベルト12表面に、未使用トナーを良好に搬送することができる。
【0073】
上記トナー搬送部材6及びトナー回収部材7は、それぞれの内部に、複数の進行波電界を発生させるための電極(搬送部材用電極)9a・電極(回収部材用電極)9bが埋設されている。
【0074】
本実施の形態では、トナー搬送部材6は、図2に示すように、長尺状の電極9a…9a(以下、9aと記載する)の4つを1組として複数組が順次連続して配設されるように絶縁材料に埋設されてなっている。具体的には、上記トナー搬送部材6は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料からなる厚さ25μm程度の基材6a上に、銅等によって形成された高さ18μm程度の電極9aを配設し、さらに該電極9a上に、ポリイミド等の絶縁材料からなる厚さ25μm程度の表面保護層6bを形成してなる。
【0075】
上記電極9aは、例えば、高さが約18μm、幅が約40μm〜350μmの微小電極であり、上記基材6a上に、約50dpi(dot per inch)〜300dpi、すなわち約500μm〜85μmのピッチの間隔を保って、互いに平行となるように配置されている。電極9aには、多層交流電源10が接続され、該多層交流電源10には、接地されたバイアス直流電源11が接続されている。そのため、電極9aには、多層交流電源10及びバイアス直流電源11から各組の電極9aに対して、4相の交流交番電圧が印加される。該交流交番電圧は、例えば、図3に示すように、所定の交流電圧波形を有し、該交流交番電圧が所定の位相差で、各組の各電極9aに対して、順次印加される(図中、▲1▼〜▲4▼)。これにより、トナー搬送部材6の表面に平行な進行波電界を発生させることができる。
【0076】
トナー搬送部材6上に発生する上記進行波電界は、回収搬送ベルト12から感光体ドラム1に向かって進行する。それゆえ、トナー搬送部材6は、図1中の矢印Xで示すように、搬送トナー3aを感光体ドラム1に向けて搬送することができる。
【0077】
上記トナー回収部材7も、上記トナー搬送部材6と同様に、内部に電極9b…9b(以下、9bと記載する)を4つ1組として複数組が配置されており、多層交流電源10及びバイアス直流電源11から、4相の交流交番電圧が印加されるようになっている。
【0078】
トナー回収部材7の構成は、トナー搬送部材6と同様であるので、詳細な説明は省略するが、トナー回収部材7上に発生する進行波電界の進行方向が、上記トナー搬送部材6上の進行波電界の進行方向とは逆方向となるように、各電極9bに、多層交流電源10及びバイアス直流電源11が接続されている。これにより、トナー回収部材7上では、該トナー回収部材7の表面に平行となる進行波電界が、感光体ドラム1から回収搬送ベルト12に向かって進行する。その結果、図1中の矢印Zで示すように、未使用トナー3bを感光体ドラム1から現像槽15に向けて搬送することができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、上記トナー搬送部材6及びトナー回収部材7に対して、共通の多層交流電源10及びバイアス直流電源11を用いているが、トナー搬送部材6、トナー回収部材7のそれぞれに対して、別々の多層交流電源及びバイアス直流電源を用いてもよい。
【0080】
また、本実施の形態では、電極9a・9bをそれぞれ4つ1組としているが、1組に含まれる電極数は、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、3つ1組として、多層交流電源及びバイアス直流電源から各電極に対して、3相の交流交番電圧を印加するようにしてもよい。
【0081】
さらに、電極9a・9bに印加される交流交番電圧の電圧波形は、特に限定されず、正弦波、三角波、矩形波、台形波やこれらの組み合わせ等であってもよい。また、電極9a・9bに印加される交流交番電圧の電圧値や周波数は、電極9a・9bの形状、トナー3の搬送速度、トナー3の材料に応じて、適切な値を設定すればよく特に限定されるものではないが、電圧値は100V〜3kV程度の範囲内であることが好ましく、周波数は100Hz〜5kHz程度の範囲内であることが好ましい。
【0082】
また、上記回収搬送ベルト12は、図1に示すように、該回収搬送ベルト12の駆動部材(駆動機構)である駆動ローラ(帯電部)12aと従動ローラ(除電部)12bとの間に、一定の張力が付与されて略平行に伸びるように張架された無端ベルトである。回収搬送ベルト12は、図1中、矢印方向に回転駆動することにより、トナー回収部材7が搬送する未使用トナーを回収搬送ベルト12表面に吸着させて、トナー搬送部材6に搬送する。また、上記回収搬送ベルト12は、トナー回収部材7が搬送する未使用トナー3bを現像槽15へ搬送する。
【0083】
そのため、互いに略平行になるように配置されてなるトナー搬送部材6とトナー回収部材7との間での未使用トナー3bの搬送が可能となるように、トナー搬送部材6の他端側及びトナー回収部材7の他端側にて、上記回収搬送ベルト12が、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7に、実質的に直交する方向に配置されている。
【0084】
また、回収搬送ベルト12上を未使用トナー3bが、重力の作用を受けて落下しないように、該回収搬送ベルト12は、図4(a)(b)に示すように、トナー回収部材7からトナー搬送部材6に向けて傾斜していることが好ましい。
【0085】
さらに、回収搬送ベルト12表面に吸着した未使用トナー3bを、現像槽15へ回収するため、回収搬送ベルト12と現像槽15とは隣接する位置に設けられていることが好ましい。具体的には、回収搬送ベルト12の外周部のうち、未使用トナー3bを吸着して搬送する領域(以下、トナー吸着領域と記載する)が現像槽15に対向するように設けられていることが好ましい。これにより、後述するように、トナー吸着領域から剥離した未使用トナー3bを現像槽15へ好適に回収することができる。
【0086】
また、回収搬送ベルト12表面に未使用トナー3bを吸着させて搬送するために、該回収搬送ベルト12には、上記駆動部材を介して電圧が印加される。本実施の形態では、駆動ローラ12aが、未使用トナー3bを回収するトナー回収部材7側に配置されている。そのため、トナー回収部材7によって搬送された未使用トナー3bを回収搬送ベルト12に吸着させるために、図4(a)に示すように、駆動ローラ12aに接続された直流電源13を設け、該直流電源13から駆動ローラ12aに電圧を印加している。それゆえ、本実施の形態では、駆動ローラ12aを介して、回収搬送ベルト12に所定の電圧が印加されることにより、該回収搬送ベルト12が帯電するので、未使用トナー3bを吸着することが可能となっている。
【0087】
なお、このとき駆動ローラ12aに印加される電圧は、駆動ローラ12aから回収搬送ベルト12に印加される電圧によって、該回収搬送ベルト12上に未使用トナー3bを吸着して搬送し得る程度の大きさの電圧を、該回収搬送ベルト12が保持できればよく、駆動ローラ12aの材質、回収搬送ベルト12の材質等に応じて適宜設定すればよい。言い換えれば、駆動ローラ12aと従動ローラ12bとの間の、駆動ローラ12aと回収搬送ベルト12とが接触しないトナー吸着領域においても、回収搬送ベルト12上へのトナー3の吸着が可能となる程度の電圧を、回収搬送ベルト12が保持することができるように、駆動ローラ12aに印加される電圧の大きさを制御すればよい。
【0088】
一方、従動ローラ12bは、図4(a)に示すように、電気的に接地されており、回収搬送ベルト12の表面に帯電した電位を除電している。つまり、本実施の形態では、従動ローラ12bを介して、帯電した回収搬送ベルト12から電荷が除去されるので、該回収搬送ベルト12の最頂部付近の位置にて、未使用トナー3bを回収搬送ベルト12から離脱させてトナー搬送部材6側に移動させることができる。
【0089】
上記駆動ローラ12a及び従動ローラ12bは、例えばSUS(ステンレス)や鉄等の金属ローラ部材、該金属ローラ部材を芯金として、その表面にゴムやフィルム、スポンジ等を被覆した被覆金属ローラ部材等によって形成すればよい。
【0090】
また、回収搬送ベルト12は、駆動ローラ12aを介して印加された電圧を保持して、未使用トナー3bを吸着して搬送するものである。そのため、印加された電圧を保持して未使用トナー3bの吸着が可能となるように、所定の抵抗値を有する半導電性材料であることが好ましい。回収搬送ベルト12が有する抵抗値は、未使用トナー3bの搬送速度や、未使用トナー3bの搬送量等に依存するが、通常、107Ω・cm〜1010Ω・cmであることが好ましい。上記範囲の抵抗値を有する回収搬送ベルト12は、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、EPDM等にカーボンブラック等の導電材料を混合し、上記範囲内の抵抗値に調整せしめた半導電性材料にて形成すればよい。
【0091】
さらに、回収搬送ベルト12の厚さは、トナー搬送部材6やトナー回収部材7の各電極9a・9b間ピッチに応じて適宜設定すればよいが、通常、5μm〜200μmとすることが好ましく、10μm〜100μmであることがより好ましい。
【0092】
また、本実施の形態では、回収搬送ベルト12は、重力に逆らって、相対的に下方に位置するトナー回収部材7から、相対的に上方に位置するトナー搬送部材6に、未使用トナー3bを搬送している。そのため、回収搬送ベルト12と現像槽15との間には、回収搬送ベルト12によって搬送されるトナー3が現像層15側へ移動することなく、回収搬送ベルト12に吸着されるように、進入防止板14が設けられている(図1)。
【0093】
上記進入防止板14は、特に、駆動ローラ12aと接触している領域の回収搬送ベルト12上に、未使用トナー3bが好適に吸着されるように、駆動ローラ12aの配置位置付近の、回収搬送ベルト12と現像槽15との間に設けられている。また、後述する離接部材19(図4(a)(b))の接地用ローラ19bと回収搬送ベルト12との接触位置にて、該回収搬送ベルト12から離脱する未使用トナー3bが、現像槽15側に移動するように、上記接触位置を超えない高さにて、進入防止板14が形成されている。
【0094】
さらに、上記回収搬送ベルト12の内周部には、図4(a)に示すように、内壁側から回収搬送ベルト12に対して、離接可能に接触する離接部材(離接除電部材)19が設けられている。離接部材19は、回転軸に支持されたソレノイド19aの先端に、電気的に接地された接地用ローラ19bを有している。離接部材19は、ソレノイド19aが回転軸を中心に回動することにより、接地用ローラ19bが回収搬送ベルト12に対して離接可能となっている。
【0095】
上記離接部材19の接地用ローラ19bは、回収搬送ベルト12のトナー吸着領域で、図4(b)に示すように、該回収搬送ベルト12の内側から接触することにより、駆動ローラ12aへの電圧印加によって帯電した回収搬送ベルト12の表面電位を除電している。これにより、接地用ローラ19bと回収搬送ベルト12との接触位置にて、回収搬送ベルト12表面に吸着した未使用トナー3bが剥がれ落ち、現像槽15に回収される。
【0096】
なお、上記したように、回収搬送ベルト12から脱離した未使用トナー3bが、進入防止板14に妨害されることなく現像槽15に回収されるように、離接部材19の接地用ローラ19bと、回収搬送ベルト12との接触位置を設定することが好ましい。
【0097】
また、上記回収搬送ベルト12には、図4(a)に示すように、該回収搬送ベルト12の外周部から押圧することにより、該回収搬送ベルト12の蛇行やたるみを防止するための圧接ローラ(圧接部材)20が設けられている。圧接ローラは、上記回収搬送ベルト12の外周部のうち、未使用トナー3bを吸着して搬送しない領域(以下、トナー未吸着領域と記載する)から、該回収搬送ベルト12を圧接することにより、回収搬送ベルト12の張架状態(テンション)を良好に保ち、未使用トナー3bの搬送を良好に行うことを可能にしている。
【0098】
上記圧接ローラ20は、電気的に接地されているので、圧接ローラ20がさらに回収搬送ベルト12を除電することができる。そのため、回収搬送ベルト12の回動方向に対して、従動ローラ12bよりも下流側に圧接ベルト20を配置することにより、従動ローラ12bの除電によって回収搬送ベルト12から脱離しなかった残存トナーも、該圧接ローラ20によって除去することができる。つまり、上記圧接ローラ20は、回収搬送ベルト12表面からトナー3を除去するクリーニング機能も備えている。
【0099】
上記構成の現像装置2は、例えば、画像形成装置等に組み込まれて、次のように現像動作を行う。
【0100】
上記画像形成装置は、例えば、スキャナ機能、コピー機能、プリント機能、FAX機能等を備えたデジタル複合機であり、上記現像装置2の他、原稿読取部、給紙部、印字部、定着装置、排紙部等を備え、さらに、現像装置2やこれらの各部材の動作を制御する制御部を備えている。このような画像形成装置に対して、印字要求がなされると、該画像形成装置を構成する各部材の初期化処理が行われる。ここで、初期化処理とは、印字処理を実行する前に、画像形成装置内の各部材が行う前処理をいい、例えば、感光体ドラム1の残留電位の調整、上記定着装置の温度調整等のウォームアップ、画像形成装置内における各種センサー類の初期化動作等を挙げることができる。
【0101】
上記画像形成装置の初期化処理の実行とともに、現像装置2に備えられたトナー搬送部材6及びトナー回収部材7の電極9a・9bには、多層交流電源10及びバイアス直流電源11から電圧が印加される。これにより、各組の電極9a・9bには、例えば、図3に示すように、所定の波形の4相の交流交番電圧が、所定の位相差で印加される。その結果、図1中の矢印Xにて示すように、トナー搬送部材6表面には、現像槽15側から感光体ドラム1に向けて進行する進行波電界が発生する。また、トナー回収部材7表面には、図1中の矢印Zにて示すように、感光体ドラム1から現像槽15側に向けて進行する進行波電界が発生する。
【0102】
このように、画像形成システムの初期化処理の実行とともに、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7の電極9a・9bに電圧が印加される。そのため、現像槽15から供給ローラ5を介して、トナー3がトナー搬送部材6上に供給されると、即座に、感光体ドラム1の現像領域1aに搬送トナー3aを搬送することができるようになっている。
【0103】
画像形成システムでの初期化処理が終了すると、印字要求時に入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム1の図1中のY方向への回転に伴って、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される。
【0104】
一方、現像装置2では、ミキシングパドル16が回転駆動し、現像槽15内のトナー3を汲み上げて、層厚規制部材4と供給ローラ5との間にトナー3を供給する。そして、感光体ドラム1上の静電潜像に対して好適にトナー3を供給し得るタイミングにて、直流電源17から供給ローラ5に電圧が印加されるとともに、供給ローラ5が回転駆動する。これにより、ミキシングパドル16によって汲み上げられたトナー3が、層厚規制部材4によって層厚が規制されて、電圧が印加された供給ローラ5表面に吸着し、供給ローラ5の回転に伴って、トナー搬送部材6方向にトナー3が送り出される。
【0105】
このとき、トナー搬送部材6上に供給されるトナー量は、供給ローラ5の回転動作や供給ローラ5の回転速度、供給ローラ5にトナー3を吸着させるための電圧の大きさに依存する。従って、供給ローラ5の回転動作や回転速度、及び供給ローラ5へ印加される電圧の大きさを制御すれば、トナー搬送部材6上に所望する量の搬送トナー3aを供給することができる。
【0106】
トナー搬送部材6上に供給された搬送トナー3aは、上記したように、トナー搬送部材6表面上に発生している進行波電界によって、感光体ドラム1方向へ搬送される(図1、X方向)。この搬送トナー3aの搬送の間、トナー搬送部材6上に生じた進行波電界により、搬送トナー3aに荷電が供給され、該搬送トナー3aが帯電する。トナー搬送部材6の感光体ドラム1側にまで搬送トナー3aが搬送されると、感光体ドラム1の表面電荷によって、現像領域1aにて搬送トナー3aが引き寄せられる。これにより、感光体ドラム1上の静電潜像が、感光体ドラム1の電位ギャップに応じて顕像化される。感光体ドラム1は、図1中のY方向に回転しているので、この回転とともに搬送トナー3aが順次、感光体ドラム1上の現像領域1aに供給され、上記静電潜像の現像が行われる。
【0107】
これに対し、トナー搬送部材6によって感光体ドラム1方向へ搬送されたが、感光体ドラム1表面には付着せず、静電潜像の現像には使用されなかった未使用トナー3bは、トナー回収部材7上に移動する。すなわち、トナー回収部材7表面には、上記したように進行波電界が発生しているので、感光体ドラム1表面に引き寄せられなかった未使用トナー3bが、該進行波電界の影響を受けてトナー回収部材7に移動し、図1中の矢印Zで示すように、現像槽15方向へと搬送される。
【0108】
本実施の形態では、トナー回収部材7の現像槽15側に、回収搬送ベルト12を配置しているため、トナー回収部材7が未使用トナー3bを現像槽側15に搬送すると、未使用トナー3bは、回収搬送ベルト12に到達する。回収搬送ベルト12は、駆動ローラ12a及び従動ローラ12bによって回転駆動されており、未使用トナー3bの回収搬送ベルト12への到達のタイミングに合わせて、直流電源13から駆動ローラ12aに、搬送トナー3aの帯電特性とは逆極性の電圧が印加される。これにより、図4(a)に示すように、回収搬送ベルト12に到達した未使用トナー3bは、回収搬送ベルト12の回転駆動に伴って、該回収搬送ベルト12表面に吸着された状態で、従動ローラ12b方向へと搬送される。なお、未使用トナー3bは、搬送トナー3aのうち、静電潜像の可視化には使用されなかったトナーであるので、搬送トナー3aと同じ極性の帯電特性を有している。
【0109】
一方、従動ローラ12bは、接地されているため、従動ローラ12bと回収搬送ベルト12との接触により、回収搬送ベルト12の表面電位が除電される。この除電により、図4(a)に示すように、回収搬送ベルト12表面に吸着していた未使用トナー3bが、該回収搬送ベルト12の最頂部付近の位置で、トナー搬送部材6方向へと剥がれ落ちる。その結果、未使用トナー3bが、トナー搬送部材6によって感光体ドラム1の現像領域1a方向に搬送され、再び現像処理工程に供されることになる。
【0110】
上記未使用トナー3bは、先の現像処理に供された搬送トナー3aの未使用分であるため、次の現像処理工程を行うためには、先の現像処理工程にて感光体ドラム1上の静電潜像の現像に使用されたトナー量を補う必要がある。そこで、本実施の形態の現像装置2では、上記未使用トナー3bがトナー搬送部材6へ送り出す際に、先の現像処理工程にて使用された量に相当する量のトナーを、補給トナー(補給現像剤)として、供給ローラ5から補給する。すなわち、回収搬送ベルト12からトナー搬送部材6への未使用トナー3bの搬送動作に同期するように、供給ローラ5が回転駆動することにより、現像槽15に収容されたトナー3が、補給トナーとしてトナー搬送部材6上に補給される。
【0111】
従って、静電潜像を可視化するために、未使用トナー3bを再利用するべく、トナー搬送部材6に未使用トナー3bを供給する場合には、該トナー搬送部材6によって、搬送される搬送トナー3aは、回収搬送ベルト12から搬送された未使用トナー3bと、供給ローラ5から供給される補給トナーとを含んでいる。
【0112】
上記供給ローラ5から補給される補給トナーの補給量は、印字要求時に入力された画像情報に基づいて決定される。すなわち、例えば、入力された画像情報中の黒比率やドットカウント(ドット数)に基づいて、静電潜像の現像に使用されたトナー量を算出し、この算出結果に応じて、補給トナーの補給量を決定すればよい。
【0113】
上記したように、供給ローラ5によって供給されるトナー量は、供給ローラ5の回転動作や回転速度、及び供給ローラ5へ印加される電圧の大きさによって制御される。従って、所望する補給量の補給トナーがトナー搬送部材6に供給されるように、供給ローラ5の回転動作や回転速度、印加電圧の大きさを制御すればよい。
【0114】
上記回収搬送ベルト12は、最頂部付近にて、未使用トナー3bをトナー搬送部材6上に搬送した後、さらに図4(a)に示す矢印方向に回転駆動することにより、トナー未吸着領域にて、圧接ローラ20に接触する。該圧接ローラ20は、電気的に接地されているので、さらに回収搬送ベルト12表面が除電される。その結果、従動ローラ12bの除電によって回収搬送ベルト12から剥離することなく、該回収搬送ベルト12上に残存した残存トナーが、回収搬送ベルト12表面から除去される。これにより、回収搬送ベルト12表面のクリーニングが行われる。
【0115】
以上のように、本実施の形態の現像装置2では、連続して現像処理を実行する場合には、先の現像処理工程にて使用されなかった未使用トナー3bを、次の現像処理工程にて再利用するとともに、先の現像処理工程にて使用されたために不足したトナー量を補給トナーとして補給して、次の現像処理工程を行っている。それゆえ、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7のそれぞれの表面の進行波電界によって、帯電した未使用トナーを有効に活用することができるので、多層交流電源10及びバイアス直流電源11の負荷を低減させることができる。
【0116】
すなわち、上記現像装置2では、連続して現像処理が行われる場合には、未使用トナーが現像槽15に一旦回収されることなく、再び現像に使用される。そのため、進行波電界によって帯電した帯電量は、回収搬送ベルト12による搬送によって多少減少すると考えられるが、現像槽15に回収された場合に比べると、帯電量の減少は小さいと考えられる。
【0117】
それゆえ、上記のように、未使用トナー3bを現像槽15に回収する工程を経ることなく、回収搬送ベルト12によって未使用トナー3bを搬送して再度使用することにより、トナー搬送部材6表面の進行波電界によって搬送された未使用トナー3b及び補給トナーを含む搬送トナー3aを、所定の帯電量にまで帯電させる際の負荷を低減することができる。つまり、未使用トナー3bを除電することなく再利用することにより、搬送トナー3aを帯電させる進行波電界の発生に必要とされる印加電圧やパルス数を低減することができる。従って、進行波電界を発生させるために電極9a・9bに電圧を印加する多層交流電源10及びバイアス直流電源11の負荷を低減することができる。
【0118】
さらに、一旦帯電した未使用トナー3bを除電することなく用いているので、トナーの除電及び帯電が繰り返されることによって生じる、帯電履歴によるトナーの品質劣化を防止することができる。
【0119】
一方、現像処理を終了する際には、以下の動作を行う。すなわち、画像形成装置での印字処理が終了すると、まず、トナー搬送部材6への補給トナー及び未使用トナー3b(以下、両者をトナーと総称する)の供給を停止する。具体的には、供給ローラ5の回転が停止することにより、該供給ローラ5からの補給トナーの供給が停止される。
【0120】
また、画像形成装置での印字処理が終了すると、図4(b)に示すように、離接部材19のソレノイド19aが回転軸を中心にして回動することにより、接地用ローラ19bが回収搬送ベルト12のトナー吸着領域に接触する。接地用ローラ19bは電気的に接地されているため、回収搬送ベルト12に接触することにより、駆動ローラ12aから印加された電圧によって回収搬送ベルト12表面に生じる電位を除去することができる。回収搬送ベルト12の表面電位が除電されると、回収搬送ベルト12表面に吸着されている未使用トナー3bが、該回収搬送ベルト12表面から剥がれ落ちる。剥がれ落ちた未使用トナー3bは、進入防止板14(図1)を越えて、現像槽15に回収される。
【0121】
また、上記接地用ローラ19bは、回収搬送ベルト12のトナー吸着領域にて、図4(b)に示すように、内周側から、回収搬送ベルト12の傾斜方向とは逆方向である現像槽15方向に突出するように、回収搬送ベルト12を押圧している。つまり、接地用ローラ19bと回収搬送ベルト12との接触位置が、回収搬送ベルト12の内周側から突出し、上記接触位置にて曲折した状態となる。従って、上記接触位置まで搬送されてきた未使用トナー3bが接触位置にて搬送方向を切り換えられることにより、回収搬送ベルト12表面から、さらに剥がれ落ちやすくなっている。
【0122】
上記のように、離接部材19が回収搬送ベルト12に接触することにより、回収搬送ベルト12によって搬送されていた未使用トナー3bが、従動ローラ12bの配置位置にまで搬送されなくなり、その結果、トナー搬送ベルト6への供給が停止される。
【0123】
上記のようにして、トナー搬送部材6への補給トナー及び未使用トナー3bの供給が停止すると、トナー搬送部材6、トナー回収部材7、回収搬送ベルト12の停止動作が行われる。
【0124】
すなわち、トナー搬送部材6は、該トナー搬送部材6上の搬送トナー3aが感光体ドラム1まで搬送される際に要する時間が経過するまでは、トナー搬送部材6の電極9aへの電圧の印加を停止せずに、進行波電界による搬送トナー3aの搬送を続行する。そして、少なくとも、トナー搬送部材6上でのトナー3の搬送が完了する時間が経過したら、電極9aへの電圧の印加を停止し、進行波電界の発生を停止させる。これにより、トナー搬送部材6上に供給された搬送トナー3aは全て、感光体ドラム1方向へ搬送されるので、現像装置2での現像処理の終了後、トナー搬送部材6上にトナーが滞留することはない。
【0125】
また、トナー回収部材7の電極9bへの電圧の印加は、上記トナー搬送部材6によって搬送された搬送トナー3aのうち、静電潜像の現像に使用されなかった未使用トナー3bが、トナー回収部材7上を回収搬送ベルト12まで搬送される際に要する時間が経過されるまでは、継続して行う。これにより、トナー回収部材7上では、進行波電界による未使用トナー3bの搬送が続行される。そして、少なくとも、トナー回収部材7上での未使用トナーの搬送が完了する時間が経過したら、電極9bへの電圧の印加を停止し、進行波電界の発生を停止させる。
【0126】
つまり、トナー回収部材7の電極9bへの電圧の印加の停止は、トナー搬送部材6の電極9aへの電圧印加終了後、トナー回収部材7上での未使用トナー3bの搬送に要する時間をさらに経過した後に行われる。従って、トナー回収部材7上に引き寄せられた未使用トナー3bは全て、回収搬送ベルト12方向へ搬送されるので、現像装置2での現像処理の終了後、トナー回収部材7上に未使用トナー3bが滞留することはない。
【0127】
上記トナー回収部材7によって、回収搬送ベルト12へ搬送された未使用トナー3bは、上記したように、駆動ローラ12aに印加された電圧により、回収搬送ベルト12表面に吸着される。そして、回収搬送ベルト12と離接部材19の接地用ローラ19bとの接触位置にて、回収搬送ベルト12の表面電位が除電されると、未使用トナー3bが回収搬送ベルト12から剥離し、現像槽15に回収される。
【0128】
回収搬送ベルト12は、該回収搬送ベルト12の、駆動ローラ12aが配置された、未使用トナー3bの吸着搬送を開始する開始位置が、少なくとも圧接ローラ20によってクリーニングされる位置である、回収搬送ベルト12の該圧接ローラ20による圧接位置に到達するまで回転駆動される。これにより、現像装置2での現像処理の終了後、回収搬送ベルト12上にトナーが残留することを防止している。好ましくは、上記開始位置が、再び該開始位置にまで戻るように、回収搬送ベルト12を1回転分回動させるとよい。
【0129】
なお、駆動ローラ12aへの電圧の印加、及び、離接部材19と回収搬送ベルト12との接触位置での回収搬送ベルト12の除電は、それぞれ、未使用トナーと回収搬送ベルト12との吸着位置、及び、上記接触位置を、トナー回収部材7から搬送された未使用トナーが全て通過した後に停止してもよく、あるいは、回収搬送ベルト12の回転駆動が停止されるタイミングで停止してもよい。
【0130】
このように、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7の各電極9a・9bへの電圧を順次停止して、進行波電界の発生を順に停止することにより、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、それぞれ搬送トナー3a及び未使用トナー3bが残留することはない。それゆえ、進行波電界によってトナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、搬送トナー3a及び未使用トナー3bが保持されない現像処理終了後に、現像装置2や該現像装置2を備えた画像形成装置に外部から衝撃等が加えられても、搬送トナー3a及び未使用トナー3bの機内飛散が生じることはない。
【0131】
また、現像処理終了後に、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に放置されているために、帯電量が低下した搬送トナー3aを再使用することはない。つまり、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、帯電した搬送トナー3a及び未使用トナー3bが放置されると、次に行われる現像処理工程時までに搬送トナー3aの帯電量が低下し、静電潜像の現像に際して搬送トナー3aの帯電量が不十分となってしまうことがある。このような帯電量不足は、カブリ現象の発生等を招来して、印字品位の低下を招く。しかしながら、本実施の形態の現像装置2では、トナー搬送部材6及びトナー回収部材7上に、搬送トナー3a及び未使用トナー3bが残留することはないので、カブリ現象の発生等が生じることはない。
【0132】
さらに、回収搬送ベルト12上に、未使用トナー3bを残留させないように、圧接ローラ20によって、クリーニングを行っている。そのため、回収搬送ベルト12上に未使用トナー3bが固着することによって生じる、回収搬送ベルト12の蛇行やたるみの発生を防止することができる。
【0133】
【発明の効果】
本発明の現像装置は、以上のように、現像剤回収部材から現像剤搬送部材へ未使用現像剤を搬送するための現像剤回収搬送部材を備えているものである。
【0134】
それゆえ、現像剤回収部材によって回収された未使用現像剤を除電することなく、現像剤回収搬送部材を介して、現像剤搬送部材へ供給することができる。これにより、進行波電界を発生させるための電圧印加量やパルス数の増大等の進行波電界の負荷を低減することができる現像装置を提供することができるという効果を奏する。
【0135】
さらに、現像処理が終了した後、現像剤搬送部材上の搬送現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、搬送部材用電極への電圧の印加を停止している。また、該搬送部材用電極への電圧の印加が停止した後、現像剤回収部材上の未使用現像剤を全て搬送するための所定時間を経てから、回収部材用電極への電圧の印加を停止している。
【0136】
それゆえ、現像剤搬送部材及び現像剤回収部材の進行波電界が生じていない状態となった場合にも、現像剤搬送部材上に搬送現像剤が残留することはなく、また、現像剤回収部材上に未使用現像剤が残留することはない。これにより、搬送現像剤や未使用現像剤の機内飛散を防止することができるという効果を奏する。
【0137】
また、現像終了後に、現像剤搬送部材や現像剤回収部材に搬送現像剤や未使用現像剤が残存することなく、現像剤収容部に回収されるので、再び現像処理を行う場合には、進行波電界による電荷注入によって、搬送現像剤を所定の帯電量にまで帯電させることができる。それゆえ、搬送現像剤の帯電量の不足による、印字時のかぶり現象の発生を防止し、印字品位を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における現像装置の実施の一形態を示す概略の断面図である。
【図2】上記現像装置のトナー搬送部材を示す概略の断面図である。
【図3】上記トナー搬送部材の各電極に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図4】(a)(b)は、上記現像装置の回収搬送ベルトを示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(静電潜像担持体)
1a 現像領域
2 現像装置
3 トナー・補給トナー(現像剤・補給現像剤)
3a 搬送トナー(搬送現像剤)
3b 未使用トナー(未使用現像剤)
4 層厚規制部材
5 供給ローラ(現像剤補給部)
6 トナー搬送部材(現像剤搬送部材)
7 トナー回収部材(現像剤回収部材)
9a 電極(搬送部材用電極)
9b 電極(回収部材用電極)
10 多層交流電源
11 バイアス直流電源
12 回収搬送ベルト(現像剤回収搬送部材)
12a 駆動ローラ(帯電部、駆動機構)
12b 従動ローラ(除電部、駆動機構)
13 直流電源
14 進入防止板
15 現像槽(現像剤収容部)
16 ミキシングパドル
17 直流電源
19 離接部材(離接除電部材)
19a ソレノイド
19b 接地用ローラ
20 圧接ローラ(圧接部材)
Claims (20)
- 現像剤搬送部材が進行波電界によって、現像剤収容部に収容された現像剤を静電潜像担持体上に搬送することにより、該静電潜像担持体上の静電潜像が可視化されるとともに、上記現像剤搬送部材によって搬送された搬送現像剤のうち、上記静電潜像の可視化に使用されていない未使用現像剤を、現像剤回収部材が進行波電界によって搬送する現像装置において、
上記現像剤回収部材から現像剤搬送部材へ上記未使用現像剤を搬送するための現像剤回収搬送部材を備えていることを特徴とする現像装置。 - 上記現像剤回収搬送部材は、上記現像剤回収部材によって搬送された未使用現像剤を吸着して搬送するために、該現像剤回収搬送部材を帯電させる帯電部と、
該現像剤回収搬送部材によって搬送される上記未使用現像剤を上記現像剤搬送部材に供給するために、該現像剤回収搬送部材を除電する除電部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。 - 上記帯電部の配置位置で上記現像剤回収搬送部材に吸着した未使用現像剤が上記除電部の配置位置に到達するまでの現像剤吸着領域にて、上記現像剤回収搬送部材に対して離接可能に設けられ、かつ、上記現像剤回収搬送部材を除電する離接除電部材をさらに備えていることを特徴とする請求項2記載の現像装置。
- 上記現像剤回収搬送部材は、上記現像剤収容部に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の現像装置。
- 上記現像剤収容部は、上記離接除電部材による現像剤回収搬送部材の除電によって、該現像剤回収搬送部材から剥離した未使用現像剤を収容していることを特徴とする請求項3又は4記載の現像装置。
- 上記帯電部によって帯電された現像剤回収搬送部材の帯電特性は、上記搬送現像剤の帯電特性とは逆極性であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の現像装置。
- さらに、上記現像剤収容部内の現像剤を供給する現像剤補給部を備え、
上記静電潜像の可視化に際して上記未使用現像剤を使用する場合、上記搬送現像剤は、上記現像剤回収搬送部材から搬送される未使用現像剤と、上記現像剤補給部から供給される補給現像剤とを含んでいることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の現像装置。 - 上記補給現像剤の供給量は、上記静電潜像の可視化に使用された現像剤の使用量に基づいて設定されていることを特徴とする請求項7記載の現像装置。
- 上記現像剤補給部は、ローラ形状を有し、
上記補給現像剤の供給は、上記現像剤補給部の回転動作、現像剤補給部の回転速度、及び現像剤補給部に印加される電圧のうちの少なくとも1つが制御されることによって制御されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の現像装置。 - 上記現像剤補給部に印加される電圧は、上記搬送現像剤の帯電特性とは逆極性の電圧であることを特徴とする請求項9に記載の現像装置。
- 上記現像剤搬送部材は、電圧を印加することによって進行波電界を発生する搬送部材用電極を有し、
上記現像剤回収搬送部材から現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送、及び、上記現像剤補給部から現像剤搬送部材への補給現像剤の供給が停止されると、所定時間の経過後に、上記進行波電界の発生が停止した状態となるように、上記搬送部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の現像装置。 - 上記現像剤回収部材は、電圧を印加することによって進行波電界を発生する回収部材用電極を有し、
上記搬送部材用電極への電圧の印加が停止されると、所定時間の経過後に、上記進行波電界の発生が停止した状態となるように、上記回収部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴とする請求項11記載の現像装置。 - 上記現像剤回収搬送部材は、無端ベルト状であり、
上記現像剤回収搬送部材の張架状態を制御するために、該現像剤回収搬送部材を圧接する圧接部材がさらに設けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の現像装置。 - 上記圧接部材は、接地されているとともに、現像剤回収搬送部材の回動方向に対して、上記除電部の配置位置よりも下流側の位置で該現像剤回収搬送部材を圧接し、
該現像剤回収搬送部材上に残留する未使用現像剤を除去するようになっていることを特徴とする請求項13記載の現像装置。 - 上記現像剤回収搬送部材を張架するとともに、該現像剤回収搬送部材を回動するように駆動させる駆動機構を備え、
上記回収部材用電極への電圧の印加が停止されると、該電圧の印加の停止時に上記現像剤回収搬送部材のうちの、未使用現像剤の吸着が開始される開始位置が、少なくとも上記圧接部材によって圧接される領域に移動するまで、上記現像剤回収搬送部材が回動した後に、該回動動作が停止するように上記駆動機構の駆動が制御されていることを特徴とする請求項13又は14記載の現像装置。 - 請求項1ないし15のいずれか1項に記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項11ないし15のいずれか1項に記載の現像装置を備え、
印字要求に基づいて印字処理を開始する前に行われる初期化動作時に、上記現像装置に備えられている現像剤搬送部材及び現像剤回収部材に、それぞれ進行波電界が発生するように、上記搬送部材用電極及び回収部材用電極への電圧の印加が制御されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9ないし15のいずれか1項に記載の現像装置を備え、
印字処理が終了した後に、上記現像装置が有する現像剤回収搬送部材による上記現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送を停止するように、現像剤回収搬送部材を駆動する駆動機構の駆動を制御しているとともに、上記現像剤補給部による補給現像剤の供給が停止するように、該現像剤補給部の回転動作、現像剤補給部の回転速度、及び現像剤補給部に印加される電圧のうちの少なくとも1つが制御されていることを特徴とする画像形成装置。 - 上記現像剤搬送部材への未使用現像剤の搬送の停止は、上記離接除電部材が該現像剤回収搬送部材に接触することによって行われていることを特徴とする請求項18記載の画像形成装置。
- 上記現像装置が有する現像剤補給部から供給される補給現像剤の供給量は、印字要求時に入力された画像情報に基づいて設定されていることを特徴とする請求項18又は19記載の画像形成装置。
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