発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は医療用X線放射線写真に使用するために好適な貯蔵(刺激性)燐光体パネル、及びその製造方法に関する。
発明の背景
貯蔵燐光体の良く知られた用途はX線像の生成である。US−A 3859527ではパネル中に含まれる光刺激性燐光体でX線像を生成するための方法が開示される。パネルは入射パターンに従って変調されたX線ビームに露光され、その結果として燐光体はX線放射線パターンに含まれるエネルギーを一時的に貯蔵する。露光後ある間隔で、可視又は赤外光のビームはパネルを走査し、貯蔵されたエネルギーの光としての放出を刺激する。その光は検出されて逐次電気信号に変換され、その信号は処理されて可視像を生成する。この目的のため、燐光体は入射X線エネルギーをできるだけ多く貯蔵すべきであり、走査ビームによって刺激されるまで貯蔵されたエネルギーをできるだけ少なく放出すべきである。従って、X線露光後の即発をできるだけ低い範囲にすべきである。これは“デジタル放射線写真”又は“コンピュータ放射線写真”と称される。
上記X線記録システムではX線変換スクリーンは繰り返し使用されるので、燐光体含有層を機械的及び化学的損傷から保護するためにそれらに適当なトップコートを与えることが重要である。これはスクリーンがしばしば走査モジュールで輸送される光刺激性放射線写真スクリーンにとって特に重要である。なぜなら走査モジュールでは貯蔵されたエネルギーの刺激が行われるが、カセット中に包装されないだけでなく保護包装なしでこのように使用され取り扱われるからである。
燐光体スクリーンを使用するいかなる放射線写真システムによっても、従ってデジタル放射線写真システムによっても生成される像品質は燐光体スクリーンの構成に大きく依存する。一般に、X線の所定量の吸収において燐光体スクリーンが薄いほど、像品質は良好になるだろう。これは燐光体スクリーンの燐光体に対する結合剤の比率が低いほど、そのスクリーンで達成されうる像品質は良好になることを意味する。従って、最適なシャープネスは結合剤が全くないスクリーンが使用されるときに得られることができる。かかるスクリーンは例えば支持体上の燐光体材料の物理蒸着(それは熱蒸着、スパッタリング、電子線蒸着などであってもよい)によって製造されることができる。しかしながら、この製造方法は入手可能な全ての任意の燐光体で高品質スクリーンを製造するために使用されることができない。上述の製造方法は高い結晶対称性及び単純な化学組成を有する燐光体結晶が使用されるときに最良の結果に導く。
貯蔵スクリーン又はパネルにおけるアルカリ金属ハロゲン化物燐光体の使用は貯蔵燐光体放射線の分野で良く知られており、これらの燐光体の高い結晶対称性は構造化されたスクリーン及び結合剤のないスクリーンを与えることができる。
アルカリハロゲン化物燐光体を有する結合剤のないスクリーンが製造されるとき、かかるスクリーンを使用するときに得られうる像品質を向上するために燐光体結晶を幾つかの種類のパイル、針、タイルなどのように蒸着させることが有益であることが開示されている。例えばUS−A 4769549では結合剤のない燐光体スクリーンの像品質は燐光体層が細い柱で形成されたブロック構造を有するときに改良されうることが開示されている。例えばUS−A 5055681ではパイル状構造でアルカリハロゲン化物燐光体を含む貯蔵燐光体スクリーンが開示されている。またEP−A 1113458では燐光体が間隙によって分離された細い針状結晶として存在する蒸着されたCsBr:Eu燐光体層を有する燐光体パネルが像品質を最適化するために開示されている。
不幸にもかかる針状燐光体は極めて脆く、燐光体パネルは走査装置においてたった2,3回のサイクル後で物理的損傷を受ける傾向がある。蒸着された燐光体層の上部に保護層を適用することによってスクリーン又はパネルを補強することが提案されている。かかる保護オーバーコートはEP−A 0392474に記載されている。ポリシロキサン構造を有するオリゴマー及びフッ素樹脂の極めて有用な保護被覆を有する増感スクリーンがEP−A 0579016に記載されている。またX線変換スクリーンにおいて保護トップ層を形成するための放射線硬化性被覆の使用が例えばEP−A 0209358、JP−A 86−176900及びUS−A 4893021に記載されている。例えば、保護層は光開始剤の助けでフリーラジカル重合によって重合されるモノマー及び/又はプレポリマーによって形成されるUV硬化樹脂組成物を含む。モノマー製品は使用したプレポリマーのための溶媒であることが好ましい。貯蔵燐光体層を例えば熱硬化性樹脂のようなポリマー材料で含浸することがEP−A 0288038に開示されている。
EP−A 1316969では、支持体と蒸着された燐光体層と前記燐光体層の上部の保護層とを有する結合剤のない刺激性燐光体スクリーンにおいて、前記蒸着された燐光体が針状結晶であり、前記燐光体針状結晶が長さLとそれらの間の間隙を有し、前記保護層がLの最大0.10倍について前記間隙を満たすことを特徴とする結合剤のない刺激性燐光体スクリーンが開示されている。そうすることによってパネルの強度は増加される。同様にEP−A 1347460に記載されているようにポリマー化合物を加えて間隙を部分的に満たすことによってパネルの強度は増加される。例えばセラミック製品のための製造システムのように他の技術分野から、ポリシラザンタイプのポリマーが有利に使用され、一方これらのポリマーが例えばUS−A 5459114に開示されたような多孔質セラミックを含浸し、それによってセラミック製品の機械的強度を増大することが知られている。
像品質に関してUS−A 4947046では針状燐光体間の間隙が着色剤、染料及び/又は顔料で満たされ、前記像品質を増強しうることが開示されている。
アルカリ金属ハロゲン化物燐光体の如き刺激性又は貯蔵燐光体材料は高い湿分感受性を有することが知られている:周囲空気の湿分の吸収は燐光体の特性、さらには解像度を劣化させる。それゆえ水に対して不透過性の耐湿性バリアーが湿分(及び物理的損傷)に対して燐光体を保護するために燐光体層の上側にあることが極めて望ましい。これは例えば弱い放射線活性ラベルに対する燐光体パネルの感度を抑制しないようにするためにプラズマ保護薄パリレンポリマー被覆を有する刺激性燐光体についてUS−A 5466947に開示されたようになされる。燐光体層側から入射する放射線が光に変換されて貯蔵燐光体の刺激後に検出されるように束ねられた複数の光ファイバーによって構成される光学部品として知られる光ファイバープレート又はFOP又は像形成装置上に存在するかかる湿分感受性燐光体層を含む放射線検出装置では、燐光体粒子及び前記粒子が存在する層の保護が特に解像度の観点から極めて望まれる。
発明の目的及び概要
本発明の目的は像品質の低下を避けるために耐湿性のX線記録システムに有用な刺激性燐光体スクリーンを提供することである。
特に本発明の目的は像品質の低下を避けるために耐湿性である、同目的のために有用な結合剤のない刺激性燐光体スクリーンを提供することである。
上述の目的は請求項1に規定された特別な特徴を有する刺激性燐光体スクリーンを提供することによって実現される。本発明の好ましい例についての特別な特徴は従属請求項に開示されている。
本発明の更なる利点及び具体例は以下の記載から明らかになるだろう。
発明の詳細な記述
貯蔵燐光体パネルにおいて、特に放射線透明性支持体及び前記支持体上に形成された針状刺激性燐光体層を含む結合剤のない刺激性燐光体スクリーンにおいて、環境大気湿分に対する前記刺激性燐光体スクリーン又はパネルの適切な保護は、前記刺激性燐光体層を被覆する第一透明有機フィルム、及び前記第一透明有機フィルム上に形成された第二最外透明フィルムを与えることによって得られ、そこではシラザン又はシロキサザンタイプのポリマーフィルムの第二透明フィルムとしての存在が特に好適であることが見出された。本発明による好ましい例では前記第二透明フィルムはシラザン及びシロキサザンタイプのポリマー、それらの混合物及び前記シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーと相溶性フィルム形成ポリマーの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有するポリマーフィルムである。
そのために有用なシロキサザンポリマータイプは極めて長い間知られている:例えばUS−A 3271361では規則的なシロキサザンポリマーの製造方法が記載され、一方GB−A 1084659ではオルガノシリコンポリマーにおける又はそれと関連した改良が記載される。ずっと最近のPCT出願WO 87/05298はポリシラザン及び関連組成物、方法及び用途を記載する。その発明はまた、ポリシロキサザン及びポリヒドリドシロキサンのセラミックプリカーサとしての使用に関する。それらの化合物の極端な環境条件下での硬度、強度、構造安定性は良く知られている。ポリシラザン分子量、構造組成及び粘弾特性の制御はポリマーの扱いやすさ(可溶性、溶融性又は展性)、セラミック降伏、及び特定のセラミック製品に対する選択性を決定するのにかなりの役割を果たす。特に、扱いやすさはポリマーが結合剤として、又は形、被覆、紡績繊維などを形成するためにどのくらい有用であるかに対して大きな役割を果たす。ポリマーがより多く架橋されるほど、その粘弾特性の制御は少なくなる。従って、高度に架橋された低分子量ポリマーは繊維を紡績するために特に有用ではない。なぜならば紡績されたプレセラミック繊維は引張強度がないことが多く、それゆえ、それ自身の重量を支持できないからである。対照的に、そこで与えられたような高分子量の、実質的に線状のポリマーが極めて重要である。かかるポリマーは技術のかなりの進歩を示す。なぜならばそれらは繊維紡績プロセスにおいて鎖のからみ合い相互作用を与え、従って紡績された繊維の引張強度全体を増大するからである。“シラザン”は一つ以上のシリコン−窒素結合を含む化合物であり、一方“ポリシラザン”はオリゴマー及びポリマーシラザン、即ち二以上のモノマーシラザン単位を含む化合物を含むことを意図される。“シロキサザン”は単位[O−Si−N]を含む化合物であり、“ポリシロキサザン”の用語はオリゴマー及びポリマーシロキサザン、即ち二以上のモノマーシロキサザン単位を含む化合物を含むことを意図される。セラミック材料は多数の用途に有用なものであるとして、例えば多くの異なる種類の支持体のための被覆として与えられる。シリコンニトライド及びシリコンオキシニトライドを、例えば前記熱分解法の変形によって支持体上に与えてもよい。
高温の熱分解に耐えるように選択された支持体(例えば金属、ガラス、セラミック、繊維、グラファイト)は選択されたシラザン又はシロキサザンポリマー溶液に浸漬することによって、又はかかるポリマー溶液で塗布、スプレーなどすることによってプレセラミックポリマー材料で被覆される。ポリマー溶液はほとんどの用途に対して好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは約5〜10重量%の予め決められた濃度を有する。液体又は溶解されたポリマーは被覆前、シリコンニトライド又はシリコンカーバイドの如きセラミック粉末と混合され、所望により酸化アルミニウム、シリカ、酸化イットリウムなどの焼結助剤と混合されてもよい。架橋剤を同様に被覆混合物に含めてもよい。例えば[CH3SiHO]xの如きシロキサンオリゴマー又はポリマーをアンモニア又はアミンと反応させてこれらの種に窒素部分を導入することができる。これらの反応はポリマー中にSi−O及びSi−N結合の均一な分布を有する窒素架橋されたポリマーの形成に導くかもしれない。そのように与えられたシロキサザンは窒素又はアルゴンの如き不活性ガス下で又はアンモニア又はガス状アミン化合物下で熱分解されてシリコンオキシニトライドを含有するセラミック混合物を生成してもよい。あるいは、オリゴマー又はポリマーでありうる窒素不含シロキサン出発材料はアンモニア又はガス状アミン雰囲気下で熱分解されてシリコンオキシニトライドを直接的に与える。この場合において、窒素は熱分解前よりむしろその間にシロキサン中に導入される。シロキサンはセスキシロキサン、ポリヒドリドシロキサン、架橋ポリシロキサン又は水素、アミン、アルコキシ、スルファイド、アルケニル、アルキニルなどの潜在的な反応基を有するポリシロキサン(それは加熱中に架橋されるか又は硬化中に置換されうる)であってもよい。シリコンニトライドを含有する被覆を製造するためのそのPCT出願に記載された手順は通常の炉でなされることができる。
さらに、その方法は熱安定性、耐摩耗性、耐浸蝕性、耐摩擦性、及び耐腐蝕性シリコンニトライドセラミック被覆に導く。シリコンニトライドは極めて堅い耐久性のある材料であるので、被覆方法の多くの適用が可能である。セラミック粉末と混合された、与えられたようなプレセラミックポリマーを使用して射出成形又は圧縮成形によって三次元物品を形成してもよい。プレセラミックポリマー/セラミック粉末系は圧縮成形によって三次元体を形成するために有利に使用される。
別の適用では実質的に線状の高分子ポリシラザンが特にプレセラミック繊維紡績のために使用されることができる。浸透及び含浸法は例えばUS−A 4177230及びW.S.Coblenzら、“Emergent Process Methods for High−Technology Ceramics”、Davidら編(1984年Plenum発行)に述べられているようにさらなる可能性である。二つの一般的な方法が典型的に使用される。一つは多孔質セラミック体が真空下で液体又は溶解されたプレセラミックポリマーと接触される高真空技術である。高真空浸透の後、物品はより高い密度を達成するために熱分解される。第二の方法は高圧浸透である。加えて、多孔質セラミック体中に高い易動度を有する低分子量オリゴシラザン溶液をセラミック体及び遷移金属触媒でインキュベートした後、オリゴマー反応体の硬化を行う。その場での鎖延長又は架橋はオリゴマー出発材料の揮発性及び易動度を減少するだろう。
US−A 5459114に述べられているように、例えば前記含浸、硬化及び燃焼法の前又は後に化学蒸着(CVD)被覆を行うことによって無機ポリシラザン、無機ポリシロキサザン、ポリオルガノ(ヒドロ)シラザン、変性ポリシラザン又はポリメタロシラザンのような、そこで作られたポリシラザンは繊維の離層を最小にする。
主な繰り返し単位として[(SiH2)nNH]及び[(SiH2)mO]を含む新規なポリシロキサザンはUS−A 4869858に与えられており、そこでは連続シリコンオキシニトライド繊維を製造するための簡単な方法を提供することが目的である。ポリシロキサザンはジハロシラン又はそのアダクトをルイス塩基と、アンモニア及び水蒸気又は酸素と反応することによって製造される。ポリシロキサザンから、新規なシリコンオキシニトライド形状を製造することができ、シリコンオキシニトライド形状はシリコン、ニトライド(5mol%以上)及び酸素(5mol%以上)から本質的に構成される。
より最近ではUS−A 6210786において、調整された物理的特性を有する繊維補強セラミックマトリックス複合(FRCMC)構造がそのセラミック形態のポリマー誘導セラミック樹脂を与えられ、またセラミック樹脂中に含まれる十分な量の繊維を与えられて、構造によって示される所望の度合いの延性を生成しており、示された延性の度合いは繊維の体積百分率とともに変化し、前記繊維は複合体とは異なる界面被覆をその上に有し、繊維と複合体の間の繊維上にある。
さらにより最近のUS−A 6368663に開示されているように、形状付与された布の表面上に形成された密集したマトリックス、及びマトリックスの間隙に形成された微細なクラックを有するマトリックスを含むセラミックベースの複合部材が提供される。その構造では、微細なクラックを有するマトリックスによってセラミック繊維の結合力は弱いので、一種の柔らかい構造が形成され、ヤング率が低下され、熱応力が低下され、耐熱衝撃性が増強される。さらに、その発明によれば、セラミックベースの複合部材の製造方法が提供され、そこではCVI(薬品蒸気浸透)処理が行われて形状付与された布の表面上にSiCマトリックスを形成した後、熱分解を行う前に塩基として有機シリコンポリマーで密集したマトリックスの間隙に浸透するためにPIP(ポリマー注入及び熱分解)処理が行われる。その発明の方法はCVI及びPIP処理を組合わせることによって構成される方法(以下、ハイブリッド処理と称される)であり、密集したマトリックスはCVI処理によってセラミック繊維のまわりに形成され、間隙はPIP処理によってマトリックスで浸透/充填される。さらに、ハイブリッド処理によって形成されたマトリックスはハイブリッドマトリックスと称される。PIP(ポリマー注入及び熱分解)処理はCVI処理と比較すると速いマトリックス形成速度を有し、短時間で繰り返し行うことができる。それゆえ、PIP処理を繰り返すことによって、CVI処理後の間隙は十分に満たされ、気密性を増強することができる。
US−A 6376431には、低濃度で複合体の内及び外表面の両方の上に本質的に均一に分布される結晶シリコンカーバイドを含む炭素/炭素複合体、並びにかかる複合体の製造方法及び複合体の用途の提供が記載されており、そこでは炭素/炭素複合体全体を通して均一に分布された少量の結晶シリコンカーバイドが摩耗の低下を生じ、摩擦係数が全く変化しないか又はわずかに増加することが発見されている。
燐光体層は一般に結合剤及びそこに分散された刺激性燐光体を含む。しかしながら、結合剤のない刺激性燐光体の凝集物を含む燐光体層も知られている。結合剤を全く含有しない燐光体層は蒸着工程又は燃焼プロセスによって形成されることができる。さらに、ポリマー材料で含浸された刺激性燐光体の凝集物を含む燐光体層が知られている。上の燐光体層のいずれかを有する放射線像貯蔵パネルを放射線像記録及び再生法のために使用することができる。
燐光体層は適当な有機溶媒に燐光体粒子及び結合剤ポリマーを含有する分散液を被覆することによって形成されることができる。被覆分散液には、結合剤ポリマー及び刺激性燐光体粒子は一般に1:1〜1:100(結合剤:燐光体(重量表示))、好ましくは1:8〜1:50(重量表示)の範囲の比で含有される。結合剤ポリマーとして、様々な種類の樹脂が知られ、本発明のために使用可能である。分散液は燐光体層を直接形成するために永久支持体上に被覆されてもよい。そうでなければ、それは仮支持体上に被覆されて、燐光体層のためのシートを形成し、次いで形成されたシートは仮支持体から剥離され、永久支持体上に積み重ねられる。その場合において、燐光体層のためのシートは公知の方法で加熱下に圧縮されてもよい。支持体の厚さ及び材料も知られており、それらは任意に決定されることができる。下塗り層及び光反射層の如き補助層は支持体上に与えられてもよい。燐光体層の厚さは20μm〜1mm、好ましくは50〜500μmの範囲である。連続多層シート(被覆された、例えばフッ素樹脂層、透明樹脂フィルム、接着剤層、及び保護層を含む)から保護フィルムを剥離し、多層シートを燐光体シート上に粘着する工程を含む手順は連続多層シートがロールに巻かれるシステムにおいて実施されることができる。連続シートがロールから巻き出された直後、保護フィルムはセパレータロールによって剥離され、次いで連続シートはむき出された表面が燐光体層の表面と接触するように燐光体シート上に重なるようになる。続いて、連続多層シート及び燐光体シートは両シートが互いに固定されるようにラミネートロールを通って一緒に圧縮される。保護フィルムが被覆された層上に与えられる場合には、フィルムは上記ラミネート工程後に剥離される。燐光体シートの燐光体層上に接着剤層、透明樹脂フィルム層及び被覆樹脂層をこの順序で含む上記連続多層シート製造法では、多層シートは予め決められたサイズの片に切断され、所望の放射線像貯蔵パネルを与える。
“蒸着された燐光体”による結合剤のない燐光体層及び前記層の製造では、それはこの明細書を通して、熱蒸着、化学蒸着、電子線蒸着、無線周波数蒸着及びパルス化レーザ蒸着からなる群から選択されたいずれかの方法によって支持体上に蒸着される燐光体を意味する。この蒸着はEP−A 1113458に記載されているような条件下で実施されることが好ましい。蒸着された燐光体層が例えばEP−A 1113458に開示されているように間隙によって分離された燐光体針状結晶を含有するとき、燐光体層は上述のように環境湿分に対して極めて敏感である。
本発明によれば、第一透明有機シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーフィルム及び前記第一透明有機シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーフィルム上に形成された第二透明フィルムを上に被覆された刺激性燐光体スクリーンが環境に存在する湿分に対してスクリーン又はパネルの優れた効果的な保護を与えることが今や見出された。ポリマーフィルムとしての前記第二透明フィルムはシラザン及びシロキサザンタイプのポリマー、それらの混合物及び前記シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーと相溶性のフィルム形成ポリマーの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有する。
選択されたシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物はいかなる好適な溶媒にも溶解されることができ、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、メトキシプロパノール及びn−ブタノールの如きアルコール;塩化メチレン及び塩化エチレンの如き塩素化炭化水素;アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びメチルイソブチルケトンの如きケトン;メチルアセテート、エチルアセテート及びブチルアセテートの如き脂肪酸とアルコールのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテルの如きエーテル;メチルグリコール;トルエンの如き芳香族炭化水素及び上述の溶媒の混合物に溶解されることができる。
本発明による結合剤のない貯蔵燐光体スクリーンにおける貯蔵燐光体は公知のいかなる貯蔵燐光体であってもよい。好ましくはかかる結合剤のない貯蔵燐光体スクリーンにおける貯蔵燐光体はアルカリ金属燐光体である。
好適な燐光体は例えば式Iによる燐光体である:
M1+X.aM2+X′2.bM3+X″3:cZ (I)
式中、M1+はLi,Na,K,Cs及びRbからなる群から選択された少なくとも一つの要素であり、M2+はBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Pb及びNiからなる群から選択された少なくとも一つの要素であり、M3+はSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Bi,In及びGaからなる群から選択された少なくとも一つの要素であり、ZはGa1+,Ge2+,Sn2+,Sb3+及びAs3+からなる群から選択された少なくとも一つの要素であり、X,X′及びX″は同じであっても異なってもよく、各々はF,Br,Cl,Iからなる群から選択されたハロゲン原子を表し、0≦a≦1、0≦b≦1及び0<c≦0.2である。
かかる燐光体は例えばUS−A 5736069に開示されている。
本発明の結合剤のない燐光体スクリーンに使用するために極めて好ましい貯蔵燐光体はCsX:Eu刺激性燐光体であり、XはBr及びCl又はその組合せからなる群から選択されたハロゲン化物を表し、その燐光体は下記工程を含む方法によって製造される:
− EuX′2,EuX′3及びEuOX′(但し、X′はF,Cl,Br及びIからなる群から選択された一つの要素である)からなる群から選択されたユーロピウム化合物の10−3〜5mol%と前記CsXを混合する;
− 前記混合物を450℃以上の温度で燃焼する;
− 前記混合物を冷却する;そして
− CsX:Eu燐光体を回収する。
刺激性燐光体スクリーン又はパネルにおける本発明による最も好ましい例では前記燐光体は針状の蒸着されたCsBr:Eu燐光体である。燐光体スクリーンが蒸着されたCsBr:Eu針状結晶燐光体を含むとき、親水性の湿分誘引置換基を担持しないポリマーを使用することが好ましい。蒸着されたCsBr:Eu針状結晶燐光体を有する燐光体スクリーン上の最外フィルムとして使用するための選択されたシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物は水不含(water free)で容易に保持されることができる溶媒に溶解されることが好ましい。水不含は1%wt/wt未満の水しか有さない溶媒として理解される。
燐光体層の上部に保護層を適用する前に本発明の蒸着された燐光体スクリーンにおける針状燐光体間の間隙にシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物をさらにもたらすことは除外されない。被覆溶液が燐光体針状結晶間の間隙中に浸透するような粘度を有する溶液がその場合に適用されてもよい。間隙を満たすとき、長さLを有する燐光体針状結晶で前記保護層がLの最大0.10倍又は10%について前記間隙を満たすように被覆溶液の粘度が適応されることが好ましい。間隙がより深く満たされるとき、燐光体の回復の容易性が問題である。長さLを有する燐光体針状結晶で前記保護層がLの最大0.10倍について前記間隙を満たすように保護層の粘度を調整することによって、燐光体層の強度と燐光体の回復の容易性との間の最も許容しうる妥協が達成しうることが今や見出された。
針状燐光体を有する本発明の刺激性燐光体パネルを使用するときにコンピュータ放射線写真で得られうる像品質は極めて高いが、像品質は燐光体針状結晶間の間隙が刺激波長の光を吸収する着色剤(染料及び/又は顔料)をさらに含有するときにさらに増強されることが見出された。さらなる改良は間隙が刺激時に刺激性燐光体によって放出される光を反射する着色剤とともに刺激放射線を吸収する着色剤を含有するときに実現された。アルカリ金属燐光体が本発明によるパネルに使用されるとき、刺激光は赤又は赤外光であり、そのとき着色剤は青着色剤であることが好ましい。着色剤として、有機着色剤又は無機着色剤のいずれかを使用することができる。例えば、本発明の放射線像貯蔵パネルに使用するために好適な青から緑までの範囲の実体色を有する有機着色剤としては、ZAPON FAST BLUE 3G(製造会社Hoechst AG.)、ESTROL BRILL BLUE N−3RL(製造会社Sumitomo Kagaku Co., Ltd.)、SUMIACRYL BLUE F−GSL(製造会社Sumitomo Kagaku Co., Ltd.)、D & C BLUE No.1(製造会社National Aniline Co., Ltd.)、SPIRIT BLUE(製造会社Hodogaya Kagaku Co., Ltd.)、OIL BLUE No.603(製造会社Orient Co., Ltd.)、KITON BLUE A(製造会社Ciba Geigy AG.)、AIZEN CATHILON BLUE GLH(製造会社Hodogaya Kagaku Co., Ltd.)、LAKE BLUE A.F.H.(製造会社Kyowa Sangyo Co., Ltd.)、RODALIN BLUE 6GX(製造会社Kyowa Sangyo Co., Ltd.)、PRIMOCYANINE 6GX(製造会社Inahata Sangyo Co., Ltd.)、BRILLACID GREEN 6BH(製造会社Hodogaya Kagaku Co., Ltd.)、CYANINE BLUE BNRS(製造会社Toyo Ink Co., Ltd.),LIONOL BLUE SL(製造会社Toyo Ink Co., Ltd.)などが挙げられる。例えば、本発明の放射線像貯蔵パネルに有利に使用される青から緑までの範囲の実体色を有する無機着色剤としては、ウルトラマリーンブルー、コバルトブルー、セルリアンブルーなどが挙げられる。他の有用な着色剤は商標名HELIOGEN BLUEの下でドイツのBASF AGによって販売される青着色剤及び商標名MACROLEX BLUEの下でドイツのBayer AGによって販売されるものである。
放出された光を反射することを意図される、本発明のパネルの間隙に含まれる着色剤は白色顔料であることが好ましい。極めて好適な白色顔料は例えばTiO2、ZnS、Al2O3、MgO、BaSO4などであるが、それらに限定されない。アナターゼ結晶形態のTiO2が本発明のパネルに使用するために好ましい白色顔料である。
着色剤は上述のようなシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物を間隙中に加える前に又は前記シラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物とともに間隙中にもたらされることができる。着色剤がポリマー化合物の前に間隙中にもたらされるとき、その化合物は幅が好ましくは1〜30μmである微細な間隙中に導入されることができる。数百ナノメーターの直径を有する微細粒子の物質は前処理なしで物理的に導入されてもよい。その物質が低い融点を有する場合には、それは加熱されて導入されてもよい。その物質は好適な粘度を有する液体中に溶解又は分散されるときに間隙中に浸透されてもよく、加熱による蒸発又は改変によって付着されてもよい。その物質は気相蒸着法によって間隙中に導入されてもよい。後者の場合には好適な顔料は感熱染料昇華転写に使用されるような染料であることができる。感熱染料昇華転写に使用するための典型的かつ特定の例は例えばEP−A−209990、EP−A−209991、EP−A−216483、EP−A−218397、EP−A−227095、EP−A−227096、EP−A−229374、EP−A−235939、EP−A−247737、EP−A−257577、EP−A−257580、EP−A−258856、EP−A−400706、EP−A−279330、EP−A−279467、EP−A−285665、US−A−4743582、US−A−4753922、US−A−4753923、US−A−4757046、US−A−4769360、US−A−4771035、US−A−5026677、JP−A−84/78894、JP−A−84/78895、JP−A−84/78896、JP−A−84/227490、JP−A−84/227948、JP−A−85/27594、JP−A−85/30391、JP−A−85/229787、JP−A−85/229789、JP−A−85/229790、JP−A−85/229791、JP−A−85/229792、JP−A−85/229793、JP−A−85/229795、JP−A−86/41596、JP−A−86/268493、JP−A−86/268494、JP−A−86/268495及びJP−A−86/284489に記載されている。着色剤が燐光体針状結晶間の間隙中に気相蒸着によって導入されないとき、着色剤は本発明の燐光体パネルの間隙における適用のためにいかなる好適な溶媒にも溶解又は分散されることができる。以下、“着色剤の溶液”という用語は溶液及び分散液の両方を含めて使用される。好適な溶媒の例は例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール及びn−ブタノールの如きアルコール;塩化メチレン及び塩化エチレンの如き塩素化炭化水素;アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンの如きケトン;メチルアセテート、エチルアセテート及びブチルアセテートの如き低級脂肪酸と低級アルコールのエステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテルの如きエーテル;メチルグリコール及び上述の溶媒の混合物である。燐光体スクリーンが好ましい蒸着されたCsBr:Eu針状燐光体を含むとき、前述したように水不含に容易に保持されることができる溶媒を使用することが好ましい。ここで“水不含”とは1%wt/wt未満しか水を有さない溶媒として理解される。それゆえメチルアセテート、エチルアセテート及びブチルアセテートの如き低級脂肪酸と低級アルコールのエステル及びトルエンは好ましい溶媒である。
着色剤が溶液に分散されるとき、着色剤の平均粒子サイズが間隙の幅に適応されることが好ましい。例えばUS−A 4947046から燐光体針状結晶間の間隙が0.01〜30μmであることが知られている。
本発明の好ましい例では、間隙を満たすためのポリマー溶液は一種以上の着色剤をさらに含有し、かくして一つの工程においてスクリーンの弾性と像品質の両方がポリマーと少なくとも一種の着色剤を同時に間隙中に加えることによって向上される。
本発明による刺激性燐光体スクリーンは放射線透明性支持体;前記支持体上に形成された(好ましくは針状の)刺激性燐光体層;前記刺激性燐光体層をカバーする第一透明有機フィルム;及び前記第一透明有機フィルム上に形成された第二透明フィルムを含み、前記第二透明フィルムがシラザン及びシロキサザンタイプのポリマー、それらの混合物及び前記シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーと相溶性のフィルム形成ポリマーの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有するポリマーフィルムであることを特徴とする。
別の例では本発明による前記刺激性燐光体スクリーンは前記支持体と前記刺激性燐光体層の間に中間透明有機フィルムをさらに含む。
本発明による好ましい例では前記有機フィルムは第一有機フィルムとして単独で存在するかどうかにかかわらず、刺激性燐光体スクリーンの層配置においてその第一有機フィルムとともに中間層として存在するかどうかにかかわらず、“パリレン”フィルム、即ち、ポリパラキシリレンフィルムである。
有機“パリレン”フィルムとして使用するために好ましいポリマーはポリ(p−キシリレン)、ポリ(p−2−クロロキシリレン)、ポリ(p−2,6−ジクロロキシリレン)及びフルオロ置換ポリ(p−キシリレン)である。本発明の保護層に使用するために最も好ましいポリマーは蒸着された、好ましくは化学蒸着されたポリ−p−キシリレンフィルムである。ポリ−p−キシリレンは10〜10000の範囲の繰り返し単位を有し、各繰り返し単位は置換された又は置換されていない芳香族核基を有する。各置換基(もし存在するなら)は同じであっても異なってもよく、芳香族核上で通常置換されることができるいかなる不活性有機又は無機基であることができる。かかる置換基の例はアルキル、アリール、アルケニル、アミノ、シアノ、カルボキシル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、カルバルコキシ及び同種の基並びにヒドロキシル、ニトロ、ハロゲン及び他の同種の基の如き無機イオン(それらは通常芳香族核上で置換可能である)である。特に好ましい置換基はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルの如き低級アルキル基の如き単純な炭化水素基及び特に塩素、臭素、沃素及びフッ素のようなハロゲン基並びにシアノ基及び水素である。
塩基性薬剤として商標“PARYLENE”の下でUnion Carbide Co.によって販売される商業的に入手可能なジ−p−キシリレン組成物が好ましい。燐光体スクリーン又はパネルをカバーする耐湿性保護層のための好ましい組成物は置換されていない“PARYLENE N”、モノクロロ置換された“PARYLENE C”、ジクロロ置換された“PARYLENE D”及び“PARYLENE HT”(完全にフッ素置換されたタイプのPARYLENE N。他の“パリレン”とは反対に400℃の温度までの耐熱性及び紫外線抵抗性を有し、耐湿性は“PARYLENE C”の耐湿性と同じものをもたらす:“High Performance Coating for Electronics Resist Hydrocarbons and High Temperature”(Guy Hall著、Specialty Coating Systems,Indianapolis,www.scscookson.comによって入手可能)についての記述参照)である。技術報告はSpecialty Coating Systems,Cookson Companyによって例えば“Solvent Resistance of the parylenes”についてのものとして入手可能であり、そこではパリレンN,C及びDについての幅広い種類の有機溶媒の効果が調査されている。
前述のような有機ポリマーフィルムの製造に使用するために最も好ましいポリマーはポリ(p−2−クロロキシリレン)、即ちPARYLENE Cフィルム、ポリ(p−2,6−ジクロロキシリレン)、即ちPARYLENE Dフィルム及び“PARYLENE HT”(完全にフッ素置換されたタイプのPARYLENE N)である。
パリレンは様々な源から入手可能であり、一般に印刷回路板、センサー、及び他の電気及び電子装置を保護するために使用される。パリレンが燐光体層をカバーする層として、又はさらに放射線透明性支持体と燐光体層の間の中間層として適用される特定の方法は本発明の部分を全く形成しないが、化学蒸着(CVD)によってパリレン層を適用することが好ましい。そうするための方法はEP−A 1286364に開示されている。蒸着の方法は基本的には下記のように行う:
好適なダイマー−例えばPARYLENE Nの蒸着のためのシクロ−ジ(p−キシレン)、PARYLENE Cの蒸着のためのシクロ−ジ(p−2−クロロキシレン)又はPARYLENE Dの蒸着のためのシクロ−ジ(p−2,6−ジクロロキシレン)−は加熱され、二つのラジカルに分解する。これらのラジカルは燐光体層上に蒸着され、そこでそれらは重合してポリマー層を形成する。パリレン層(PARYLENE N,C又はDのいずれか)の化学蒸着は幾つかの利点を有する。層はピンホールなしで蒸着され、バリヤー層は燐光体層の主表面上に蒸着されるだけでなく、縁上にも蒸着され、かくして燐光体層の封止が完了するからである。
好ましくはパリレン層は0.05μm〜15μm、より好ましくは1μm〜10μmの範囲の厚さを有する。
本発明によれば刺激性燐光体スクリーンは放射線透明性支持体としてアルミニウム又は非晶質炭素(a−C)支持体を有する。かかるアルミニウム又は非晶質炭素フィルム支持体(好ましくはポリマー支持体上に存在する)はたとえ貯蔵燐光体層がかなり高い温度で蒸着によって適用されたとしても低いX線吸収で支持体上に結合剤のない貯蔵燐光体スクリーンを生成するための見通しを開く。本発明に使用するために好適な非晶質炭素(a−C)フィルムは例えば日本、東京のTokyo Carbon Co,LTD、又は日本、東京のNisshinbo Industriesを通して商業的に入手可能であり、それらは“ガラス状炭素フィルム”又は“ガラス状炭素”と称される。
本発明による結合剤のない燐光体パネル又はスクリーンでは、非晶質炭素層の厚さは100μm〜3000μmの範囲であることができ、500μm〜2000μmの厚さが可撓性、強度及びX線吸収の間の妥協として好ましい。
極めて高い機械的強度は貯蔵燐光体パネルが使用される放射線写真システムにおいて特に望まれ、そこではパネルに貯蔵されたエネルギーの読み出し中、パネルはカセットから自動的に除去され、リーダを通して、しばしば正弦路を介して移動され、次いでカセット中に戻される。かかるリーダでは非晶質炭素層又はアルミニウム層上に積層された補助層を有するスクリーン又はパネルを利用することが極めて有利である。かかるリーダでは非晶質炭素層又はアルミニウム層上に積層された補助層を有するスクリーン又はパネルを利用することが極めて有利である。この補助ポリマー支持体層は公知のいかなるポリマーフィルムであることもでき、例えばポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、シンタクチックポリスチレンなどである。好ましいポリマーフィルムはポリエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどである。補助層の厚さは1μm〜500μmの範囲であることができる。かなり薄い非晶質炭素フィルム(例えば400μm)を使用してそれに500μm厚のポリマーフィルムを積層することができ、また厚い非晶質炭素フィルム(例えば2000μm)を使用してそれに薄い(例えば6μm厚)ポリマーフィルムを積層することができる。一方では非晶質炭素又はアルミニウム層、他方ではポリマー支持体フィルムの相対的厚さを幅広く変化してもよく、燐光体層の蒸着中に非晶質炭素又はアルミニウムの必要な物理的強度及びパネルの使用中の必要な可撓性によって指示されるにすぎない。
放射線透明性支持体、所望により耐湿性パリレン層で被覆されたもの、その上に形成された結合剤のない貯蔵燐光体層(好ましくは本発明による刺激性燐光体スクリーンにおける結合剤のない針状の蒸着されたCsBr:Eu燐光体である)、第一透明有機フィルム、好ましくは貯蔵燐光体層上をカバーする耐湿性パリレン層、及び第一透明有機フィルム上に形成された第二透明無機フィルム(前記第二透明フィルムはシラザン又はシロキサザンタイプのポリマーフィルムである)はスクリーン又はパネルに環境空気からの湿分に対する顕著に改良された保護を与える。
本発明の放射線像貯蔵パネルの好ましい例では、それが放射線透明性支持体(放射線透明性は特にマンモグラフィック用途に対して望まれる)、前記支持体上に形成された結合剤のない針状貯蔵燐光体層(所望により支持体と燐光体層の間に中間層を持つ)、前記貯蔵燐光体層の上をカバーする第一透明有機フィルム(好ましくは“パリレン”層であるが、それに限定されない。もし前記中間層が存在するなら中間層と同じ組成を有する)、第一透明有機フィルム上に形成されたポリシラザン又はポリシロキサザンの透明無機フィルム、及び貯蔵燐光体スクリーンに対面するように配置された像形成装置を含むことを特徴とする。上に開示されたようなかかる層配置は通常の湿分感受性でかつスクラッチ感受性の燐光体層の優れた耐湿性及び耐スクラッチ性を効果的に与え、結果として像品質を効果的な方法で保護する。
本発明の放射線像センサーは前述のような刺激性燐光体スクリーン、及び前記刺激性燐光体スクリーンに対面するように配置された像形成装置を含む。本発明による好ましい例では、放射線像センサーは刺激性燐光体スクリーン、及び前記刺激性燐光体スクリーンに対面するように配置された像形成装置を含む。本発明によれば、その好ましい例では、前記像形成装置はCCDである。
本発明のかかる貯蔵燐光体パネルを製造する方法は結合剤のない針状の蒸着されたCsBr:Eu燐光体層を放射線透明性支持体上に形成し、貯蔵燐光体層上をカバーする第一透明有機フィルムを形成し、第一透明有機フィルム上に透明無機フィルムを形成する工程を含むことをさらに特徴とする。所望により、好ましくは第一透明有機フィルムと同じ組成を有する中間フィルムを使用して放射線像貯蔵スクリーン又はパネルを製造することができ、そこでは燐光体層の耐湿性は顕著に改良される。好ましい例ではここで規定したような層が前述と同じ好ましい層であることは明らかである。
本発明によれば刺激性燐光体スクリーン又はパネルの製造方法がさらに提供され、そこでは前記スクリーンは前に開示されたような特別な特徴によって特徴付けられ、前記方法は下記工程を含む:
− 刺激性燐光体層を放射線透明性支持体上に形成する;
− 前記針状刺激性燐光体層をカバーする第一透明有機フィルムを形成する;
− 前記第一透明有機フィルム上に第二透明フィルムを形成する(前記第二透明フィルムはシラザン及びシロキサザンタイプのポリマー、それらの混合物及び前記シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーと相溶性フィルム形成ポリマーの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有するポリマーフィルムである)。
上述の製造方法の好ましい例では前記有機フィルムはポリパラキシリレンフィルムである。
本発明による放射線像貯蔵パネルの製造方法は特別な例では、透明有機フィルム(好ましくはパリレンフィルム)でカバーされている又はカバーされていない放射線透明性支持体上に(好ましくは蒸着された針状の)貯蔵燐光体層を形成し、貯蔵燐光体パネル上をカバーする第一透明有機フィルム(パリレン組成を有する)を形成し、第一透明有機フィルム上に透明無機フィルムを形成する工程を含み、前記第二透明フィルムはシラザン又はシロキサザンタイプのポリマーフィルムであり、さらに貯蔵燐光体層と反対に像形成装置を配置する工程を含むことを特徴とする。
透明無機フィルムは第一透明有機フィルム上に形成されているので、本発明は貯蔵燐光体パネルの耐湿性が顕著に改良される放射線像センサーの製造を提供する。
本発明によれば、下記工程を含む刺激性燐光体スクリーン又はパネルの製造方法が提供される:
− 針状刺激性燐光体層を放射線透明性支持体上に形成する;
− 前記針状刺激性燐光体層をカバーする第一透明有機フィルムを形成する;
− 前記第一透明有機フィルム上に第二透明無機フィルムを形成する(前記第二透明無機フィルムはシラザン又はシロキサザンタイプのポリマーフィルムである)。
本発明は放射線透明性支持体上に結合剤のない針状刺激性燐光体層を製造するための方法をさらに包含し、前記方法は下記工程を含む:
− 支持体上に光刺激性燐光体を蒸着し、燐光体針状結晶及びそれらの間の間隙を有する燐光体層を形成する;
− 前記蒸着された燐光体上にポリマーの溶液を適用する;
− 所望により前記燐光体層から前記溶液の過剰を拭う(ディップコーティング、スプレーコーティング、バーコーティング及びシーブコーティングの場合には要求されない);
− 燐光体スクリーンを乾燥する。
また、本発明はCsX:Eu刺激性燐光体(但し、XはBr、Cl及びその組合せからなる群から選択されたハロゲン化物を表す)を含有する結合剤のない針状刺激性燐光体層を放射線透明性支持体上に製造するための方法を包含し、その方法は下記工程を含む:
− EuX′2,EuX′3及びEuOX′(但し、X′はF,Cl,Br,I及びそれらの組合せからなる群から選択される)からなる群から選択されたユーロピウム化合物及びCsXの多数の加熱可能な容器を支持体とともに少なくとも10−1mbarに排気された蒸着室にもたらす;
− 物理蒸着、化学蒸着又は微粒化技術からなる群から選択された方法によって、ユーロピウムの10−3〜5mol%をドープされたCsX燐光体が前記支持体上に形成されるような比で前記CsX及び前記ユーロピウム化合物の両方を支持体上に蒸着する;
− 前記蒸着された燐光体上にシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物の溶液を適用する;及び
− 燐光体スクリーンを乾燥する。
さらに、本発明は放射線透明性支持体上に結合剤のない針状の刺激性燐光体層を製造するための方法を包含し、前記燐光体層はCsX:Eu刺激性燐光体を含有し、前記方法は下記工程を含む:
− CsX:Eu燐光体(但し、XはCl,Br及びそれらの組合せからなる群から選択される)を有する加熱可能な容器を支持体とともに少なくとも10−1mbarに排気された蒸着室にもたらす;
− 物理蒸着、化学蒸着又は微粒化技術からなる群から選択される方法によって前記CsX:Eu燐光体を蒸着して針状燐光体層を有する蒸着された燐光体層を形成する;
− 前記蒸着された燐光体上にシラザン又はシロキサザンタイプのポリマー化合物の溶液を適用する;及び
− 燐光体スクリーンを乾燥する。
本発明による貯蔵燐光体パネルは貯蔵燐光体パネルの透明無機フィルム上に形成された第二透明有機フォルムをさらに含んでもよい。その場合において透明無機ポリシラザン又はポリシロキサザンフィルム上に形成された第二透明有機フィルム(好ましくはパリレンフィルムであるが、これに限定されない)はもしポリシラザン又はポリシロキサザンを別として無機粒子がSiO2,Al2O3,TiO2,In2O3,SnO2,MgO,SiN、MgF2,LiF、CaF2及びSiNOからなる群から選択されて存在するなら透明無機フィルムが剥離するのを防止しうる。
好ましくは所望により存在する中間層と同じ組成を有する第一透明有機フィルムが好ましい例ではパリレンについて蒸着された後に支持体全体をカバーしうるので、貯蔵燐光体層の湿分からの優れた保護が与えられる。
本発明は例示のみによって与えられた以下のさらなる詳細な記述から十分に理解されるが、それらは本発明を限定するものとして見なすべきでない。
本発明の適用性のさらなる範囲は前述に与えられた記述及び以下のさらなる記述から当業者に明らかであるが、特定の記載は本発明の好ましい例を示しながら例示だけのために与えられるにすぎず、本発明の精神及び範囲内で様々な変更及び修正をなしうることは理解されるべきである。
貯蔵燐光体パネルにおけるアルミニウムから作られた支持体の一つの表面は入射放射線を可視光に変換するように適応された柱状構造を有する貯蔵燐光体で形成されることが好ましい。EuドープされたCsBrはその層で使用されることが好ましい。
前記アルミニウム支持体上に形成された貯蔵燐光体の全ての表面は支持体自体とともに、第一ポリパラキシリレンフィルム(第一透明有機フィルム)でカバーされ、一方燐光体層側上の第一ポリパラキシリレンフィルムの表面はポリシロキサザンフィルム(透明無機フィルム)で形成される。
他方、放射線像センサーは像形成装置が貯蔵燐光体パネルに取付けられた構造を有する。
貯蔵燐光体パネルを作る好ましい工程は次のように行う:(1.0mmの厚さを有する)アルミニウム支持体の一つの表面上に、EuをドープされたCsBrの柱状結晶が蒸着法によって生長され、貯蔵燐光体層を形成する。貯蔵燐光体層を形成するCsBr:Euは湿分吸収性が高く、従ってそれを保護なしで暴露すると空気中の蒸気を吸収することによって潮解するだろう。湿分感受性層の潮解を防止するために、第一ポリパラキシリレンフィルムは化学蒸着(CDV)技術によって形成される。針状燐光体が前に蒸着されたアルミニウム支持体はCVD装置中に入れられ、第一ポリパラキシリレンフィルムは10μmの厚さを得るために形成される。結果として、第一ポリパラキシリレンフィルムは刺激性針状燐光体層及びアルミニウム支持体(その側には柱状針状燐光体はない)の全ての表面上に形成される。柱状針状貯蔵燐光体の先部分は不均一であるので、第一ポリパラキシリレンフィルムは前記柱状針状貯蔵燐光体層の先部分のための平板化層としても作用する。
続いてポリシロキサザンフィルムは貯蔵燐光体側上に第一ポリパラキシリレンフィルムをスプレーすることによって約10μmの厚さで形成される。ポリシロキサザンフィルムは貯蔵燐光体層の耐スクラッチ性を改良することが目的であるので、それは貯蔵燐光体層をカバーする領域に形成される。この工程が行われるとき、貯蔵燐光体の製造が完了する。
放射線像センサーは燐光体パネルの貯蔵燐光体層側での例えば像形成装置としてのCCDの取付けによってさらに製造される。
アルミニウムから作られた支持体は上述の好ましい例では支持体として使用されたが、好ましいX線透過性を有する限り、いかなる支持体も使用可能であることは明らかであり、たとえば非晶質炭素(a−C)から作られた支持体、グラファイト炭素から作られた支持体、Beから作られた支持体、SiCから作られた支持体などを使用してもよい。
さらにポリシロキサザンフィルムは上述の例では貯蔵燐光体側上に第一ポリパラキシリレンフィルムの表面上に形成されるが、それは貯蔵燐光体パネルの前記表面側だけでなく、第一ポリパラキシリレンフィルムの全表面にわたって形成されることが有利である。
上述の例では、本発明による好ましい有機フィルム層として使用されるポリパラキシリレンはポリパラキシリレンだけでなく、ポリモノクロロパラキシリレン、ポリジクロロパラキシリレン、ポリテトラクロロパラキシリレン、ポリフルオロパラキシリレン、ポリジメチルパラキシリレン及びポリジエチルパラキシリレンも包含し、それらに限定されない。
本発明によれば第三透明フィルム層を形成する追加の工程を含む方法が述べられ、前記第三透明フィルム層は前記第二透明フィルム層をカバーするポリマーフィルムである。さらに本発明のさらなる例では、厚いトップコート層を得るために、前記第三透明フィルム層は、シラザン及びシロキサザンタイプのポリマー、それらの混合物及び前記シラザン又はシロキサザンタイプのポリマーと相溶性のフィルム形成ポリマーの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有するポリマーフィルム層である。
本発明の貯蔵燐光体パネルは貯蔵燐光体パネル上をカバーする第一透明有機フィルム上に形成される透明無機フィルムを有するので、貯蔵燐光体層の耐湿性はその上に一以上の透明無機フィルムを被覆することによって顕著に改良されることができる。
最外有機フィルムが透明無機フィルム層上にさらに形成される場合には、この透明有機フィルムは透明無機フィルムが頻繁な使用後に剥離するのを防止しうる。
本発明をその好ましい例と関連した実施例において以下説明するが、本発明をそれらの例に限定することを意図しないことが理解されるだろう。
実施例
燐光体スクリーンの製造
CsBr:Eu燐光体スクリーン層をCsBr及びEuOBrの熱蒸着によって被覆した。
それゆえCsBrはEuOBrと混合され、真空蒸着室中の容器に置かれた。燐光体は1.5mmの厚さ及び40mmの円直径を有するアルミニウム支持体上に蒸着された。
容器と支持体の間の距離は10cmであった。蒸着中、支持体は12r.p.m.の速度で回転された。
蒸着の開始前、蒸着室は4×10−5mbarの圧力に排気された。蒸着プロセス中、Arは蒸着室中に不活性ガスとして導入された。
幾つかの異なる保護被覆適用技術で試験するために好適な試験材料を与えるために幾つかのスクリーンが製造された。
パリレンCを低温、低圧適用技術によって燐光体スクリーン上に適用した。ダイマークロロジパラキシリレンを150℃で蒸発し、690℃でモノマーに分解した。モノマー蒸気を蒸着室に案内し、そこで燐光体スクリーン表面上で重合を行った。
試料を10μm厚さの被覆で被覆した。
30gのトルエン及び30gのメチルエチルケトンの溶媒混合物における20gのKion Corporation,Columbus,Ohio、米国のポリシラザンKion VL20の溶液を作った。これに10gのポリメチルメタクリレート−コ−ブチルメタクリレートの30重量%溶液を加えた。熱開始剤として、5gのターシャリブチルパーオキシ−2−エチルヘキシル−カーボネートをその溶液中に混合すると、クリアで無色の溶液になった。溶液をパリレン層を有する燐光体スクリーン上にディップコートすることによって適用し、20時間90℃で乾燥オーブン中で硬化した。高い耐摩耗性を有する硬化されたポリシラザン−アクリレート被覆はクリアで、透明で、無色の層(被覆A)であり、約10μmの厚さを有していた。
第二適用(被覆B)では、2gのポリシラザンを10gのトルエンに溶解した。これに、2gのジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の20重量%溶液を強い均質化操作下で液滴状で加えた。30分の撹拌後、溶液をパリレン層を有する燐光体スクリーン上にバーコートによって適用し、120℃で一時間硬化した。
硬化された被覆は高い耐摩耗性と弾性及び透明性を併せ持っていた。
被覆Cでは、20gのメチルエチルケトンに20g溶解することによってポリシラザン溶液を作った。これに、20gのServo、オランダのServocure RT184を20gのUCB Radcure、ベルギーのEbecryl 1290とともに加えた。溶液を2時間撹拌することによって均質化した。次いで、4gのCiba、ドイツのDarocur 1173を加えた。ラッカーをシーブ印刷によって適用し、少なくとも200mW/cm2の強度を有する強いUVA光で硬化した。
別の適用(被覆D)では、ポリシロキサザン及びウレタンアクリレートの溶液を、パリレン被覆を有する燐光体スクリーン上にスプレーし、60℃で20時間大気湿分の影響下で硬化すると、6μmの耐摩耗性の、クリアで、弾性の、脆くない層になった。
適用されたポリマー溶液は、400gのメチルエチルケトン及び300gのメトキシプロパノールに溶解された、7.5gのポリ(オキシ−1,2−エタンジイル−ヒドロ−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ))−エーテル、2.5gの2−エチル−2(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、5gのヘキサンジオール−ジアクリレート、15gのヘキサ官能ウレタンアクリレートオリゴマー及び60gのKion Corporation,Columbus、米国によるKion ML33/C33の混合物であった。
厚い被覆を適用するときの硬化中の収縮によるクラック及び不整を避けるために、多層(ポリシラザンプリカーサ溶液の二重又は三重被覆)の適用によって前記厚い被覆を与えることが推奨される。
適用された被覆の摩耗抵抗はASTM D1044に記載されているようにCalibrase CS10F要素、サンドベーパP220及び各要素上に250gの負荷でTeledyne Taber 5130 Abraserを使用することによって評価された。層の質量損失は100サイクル後に分析測定された。
雰囲気湿度に対する抵抗力を評価するため、試料を25℃で87%の相対湿度の規定された雰囲気を有するデシケータに一週間保管した。重量測定による水吸収量(mgで表示)を表面積(cm3で表示)に対して測定した。示されたような組成を有するスクリーンに対する両試験の結果を以下の表1にまとめる。
ASTM D1044に記載されているようにCalibrase CS10F要素、サンドペーパP220及び各要素上で250gの負荷でTeledyne Taber 5130 Abraserを使用することによって、100サイクル後に測定すると、3mg以下の本発明のスクリーンの表面層の質量損失、及び0.20mg/cm2以下の水吸収量が明らかに示された。
これらの結果は本発明による結合剤のない燐光体スクリーンに適用された保護層組合せの摩耗(スクラッチ)及び湿分抵抗性の有効性を明らかに示す。
放射線検出器における燐光体スクリーン又はパネルの縁及び上側の両方において、貯蔵燐光体スクリーン又はパネルを製造し、湿分に対する優れた保護を与えることがかくして達成されうることが示された。
本発明の好ましい例を詳細に記載したが、特許請求の範囲に規定された発明の範囲から逸脱せずに多数の変更をその中でなしうることが当業者には明らかであろう。