JP2004340887A - 使用済み燃料貯蔵施設 - Google Patents
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Abstract
【課題】収納管を高密度で千鳥配置し得る構造の操作床を採用し、使用済み燃料の高密度貯蔵を実現する。
【解決手段】操作床の構造として、略ハニカム状の鋼製中空構造体21を主体としてその中空部にコンクリート22が充填された構造を採用する。鋼製中空構造体は、千鳥配置した各収納管の直上に位置してそれぞれが装入口となる鋼管23と、操作床の上面および下面の位置に配される上部鋼板24および下部鋼板25と、鋼管どうしを連結するとともに上部鋼板と下部鋼板どうしを連結するリブ鋼板26とからなる。鋼製中空構造体とその中空部に充填されるコンクリートとを構造的に一体化せしめてその全体を鋼殻コンクリート構造体とする。
【選択図】 図4
【解決手段】操作床の構造として、略ハニカム状の鋼製中空構造体21を主体としてその中空部にコンクリート22が充填された構造を採用する。鋼製中空構造体は、千鳥配置した各収納管の直上に位置してそれぞれが装入口となる鋼管23と、操作床の上面および下面の位置に配される上部鋼板24および下部鋼板25と、鋼管どうしを連結するとともに上部鋼板と下部鋼板どうしを連結するリブ鋼板26とからなる。鋼製中空構造体とその中空部に充填されるコンクリートとを構造的に一体化せしめてその全体を鋼殻コンクリート構造体とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射性物質の貯蔵施設に係わり、特に使用済み燃料を封入したキャニスタを収納管内に貯蔵する形式の使用済み燃料貯蔵施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の貯蔵施設としては冷却空気の自然対流を利用したボールト式と称される形式のものがあり、その一例を図7〜図8に示す。これは、貯蔵室1内に多数の収納管2を縦横に配列(図示例では1ブロックに3列×6列)して林立せしめ、それら収納管2内にキャニスタ3を支持束4により支持した状態で貯蔵することを基本とするものである。
【0003】
貯蔵室1の上部にはキャニスタ3を収納管2に収納する作業を行うための搬送室5を設け、貯蔵室1と搬送室5とを遮蔽性能を有する操作床6にて区画し、その操作床6には各収納管2にキャニスタ3を装入するための装入口7をそれぞれの収納管2の直上に位置して設け、各装入口7には遮蔽プラグ8を装着するようになっている。
【0004】
また、貯蔵室1に通じるように給気シャフト9および排気シャフト10を設け、排気シャフト10による煙突効果による自然通風力によってキャニスタ3を冷却するようにしている。すなわち、図7(a)に矢印で示しているように、給気シャフト9を通して外部から冷却空気が貯蔵室1に吸入され、貯蔵室1に吸入された冷却空気は、貯蔵室1の底部に確保されている下部プレナム11から収納管2内を上昇してキャニスタ3の周囲を通過することでそれを冷却し、貯蔵室1の上部に確保されている上部プレナム12から排気シャフト10を上昇して外部に放出されるようになっている。なお、そのような冷却空気の流通路の要所には遮蔽のための迷路が形成されている。
【0005】
ところで、この種の貯蔵施設では、キャニスタ3の貯蔵密度を高めるために収納管2の相互間隔を可及的に小さくすることが望まれ、また収納管2を千鳥配置することで高密度化を図ることも検討されているのであるが、従来においては特に操作床6の構造上の制約からキャニスタ3の貯蔵密度を充分に高めることは困難であった。
【0006】
すなわち、上述したように貯蔵室1と搬送室5とを区画している操作床6には各収納管2に対応する装入口7を設ける必要があることから、図7(b)に示すうに、装入口7用の開口部を多数設けつつ操作床6の構造的な強度を確保するためには、操作床6を格段に頑強な構造とする必要がある。したがって従来一般の操作床6の構造としては、たとえば図8に示すように、多数の大断面の鉄骨梁13を並列させてそれらを多数の鋼製リブ14にて連結することで全体として格子状をなす頑強な箱桁15を採用している。そのため、そのような箱桁15の隙間に装入口7を確保するようにしているが、そのような箱桁15の採用を前提とすることでは必然的に収納管2を縦横に配列するしかないし、また収納管2の相互間隔も自ずと制約されて充分な高密度化は困難であった。なお、図8における符号16は、収納管2の中間部を支持する格子状の水平フレームである。
【0007】
また、たとえば特許文献1に示すように、操作床6の構造を鉄筋コンクリートまたは鉄枠製の構造とすることで収納管の千鳥配置を可能とし、それにより高密度化を図ることも提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−177096号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、操作床6の構造として図8に示すような箱桁15を採用することでは高密度化が望めないものであるし、また、特許文献1に示されるように箱桁15に代えて鉄筋コンクリートや鉄枠製の構造の操作床を採用する場合であっても、操作床の構造的な強度や信頼性を充分に確保しつつ充分な高密度化を図ることは必ずしも容易ではなく、それを可能とするためには膨大な配筋が必要となる等、操作床の構造が徒に複雑になることが不可避であり、そのため広く普及するに至っていない。
【0010】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、収納管の高密度配置を可能とする構造の操作床を採用し、以て、使用済み燃料を充分に高密度で貯蔵し得る施設を実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、貯蔵室内に林立させた多数の収納管内にキャニスタを収納して貯蔵し、貯蔵室の上部にはキャニスタを搬送する搬送室を設け、搬送室と貯蔵室とを遮蔽性能を有する操作床により区画し、操作床には搬送室から収納管内へキャニスタを装入するための装入口を各収納管の直上位置に設けるとともに、装入口には遮蔽プラグを装着する構成の使用済み燃料貯蔵施設において、前記収納管は千鳥配置されているとともに、前記操作床は鋼製中空構造体を主体としてその中空部にコンクリートが充填された構造とされ、前記鋼製中空構造体は、各収納管の直上に位置して千鳥配置されることによりそれぞれが装入口となる鋼管と、操作床の上面および下面の位置に配されるとともに各鋼管の位置に装入口を確保するための開口部を有する上部鋼板および下部鋼板と、隣接している鋼管どうしを連結するとともに上部鋼板と下部鋼板どうしを連結するリブ鋼板とによる略ハニカム状の形態とされ、その鋼製中空構造体の中空部に、前記鋼管により形成される装入口を除いてコンクリートが充填されることで操作床が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明の使用済み燃料貯蔵施設において、前記操作床は、鋼製中空構造体とその中空部に充填されるコンクリートとが一体化せしめられてその全体が鋼殻コンクリート構造体とされていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の一実施形態である貯蔵施設を示す。本実施形態の貯蔵施設は基本的には図7に示した従来のものと同様のボールト式のものであって、貯蔵室1内に林立させた収納管2内にキャニスタ3を支持束4により支持して収納するものであり、かつ収納管2の上下に下部プレナム11と上部プレナム12を確保しておき、給気シャフト9から下部プレナム11、収納管2内、上部プレナム12、排気シャフト10という経路で冷却空気を流通させることでキャニスタ3の冷却を行うようにされている。
【0014】
また、本実施形態の貯蔵施設においても、貯蔵室1と搬送室5とを操作床6により区画し、操作床6には各収納管2に対応する装入口7を設け、各装入口7には遮蔽プラグ8を装着するものであり、そのような構成は従来のものと同様であるが、本実施形態の貯蔵施設ではキャニスタ3の高密度貯蔵を可能とするべく収納管2を千鳥配置しており、かつそのような千鳥配置を可能とするべく特殊な構造の操作床6を採用しており、その点で従来の貯蔵施設とは大きく異なるものとなっている。
【0015】
すなわち、本実施形態における操作床6は、図3〜図4に示すように鋼製中空構造体21を主体として、その中空部にコンクリート22を充填した構造とされている。そして、本実施形態における鋼製中空構造体21は、鋼管23と、上部鋼板24と、下部鋼板25と、リブ鋼板26とが互いに溶接されて組み立てられたものとなっている。
【0016】
鋼製中空構造体21を構成している鋼管23は、各収納管2の直上に位置して収納管2と同様に千鳥配置されることでそれぞれがそれ自体で装入口7となるものであり、これら鋼管23に対して遮蔽プラグ8が装着されるようになっている。また、上部鋼板24および下部鋼板25は操作床6の上面および下面を形成するもので、これら上部鋼板24および下部鋼板25には上記各鋼管23の位置に装入口7を確保するための開口部27がそれぞれ形成されている。リブ鋼板26は隣接している鋼管23どうしを連結するとともに上部鋼板24と下部鋼板25どうしをも連結することで補強リブとして機能するものである。
【0017】
なお、本実施形態における鋼製中空構造体21には、図4に示すように、最外周に位置する鋼管23に鉄骨材からなる支持梁28が外側に突出するように接合されており、この鋼製中空構造体21はそれらの支持梁28により支持されて貯蔵室1と搬送室5との間に架設されるようになっている。
【0018】
上記のように、鋼管23、上部鋼板24、下部鋼板25、リブ鋼板26とが相互に溶接されて組み立てられた鋼製中空構造体21は、その全体がいわゆるハニカム構造体と同様の形態をなすものとなっており、したがってこの鋼製中空構造体21はそれ自体で充分に軽量でありながら優れた強度を有するものとなっている。そして、その鋼製中空構造体21の中空部に、鋼管23により形成される装入口7の部分を除いてコンクリート22が充填されることで、鋼製中空構造体21とコンクリート22とによる操作床6が形成されている。
【0019】
この場合、コンクリート22は単に遮蔽材として充填することでも良く、その場合には操作床6としての構造的な強度およびコンクリート22の自重を鋼製中空構造体21のみに負担させる設計とすれば良いが、あるいは鋼製中空構造体21とコンクリート22とを構造的に一体化させてその全体を鋼殻コンクリート構造体とする設計も可能であり、その場合はコンクリート22は単なる遮蔽材ではなく構造体の一部として機能することになる。なお、鋼製中空構造体21とコンクリート22とを確実に一体化させて鋼殻コンクリート構造体とするためには、鋼製中空構造体21の内部にスタッドや凹凸等の係合部を設けておいて、コンクリート22が鋼製中空構造体21に確実に係合して一体に挙動するものとしておけば良い。
【0020】
本実施形態の貯蔵施設は、上記のような構造の操作床6を採用したことにより、従来一般の箱桁15による操作床6では不可能であった収納管2の千鳥配置が可能となり、したがって格段に高密度貯蔵が可能なものとなっている。すなわち、箱桁15による操作床6を採用している従来一般の貯蔵施設では、たとえば図7(b)に示したように収納管2を単に縦横に配列することで1ブロックに対し3列×6列=18本の貯蔵密度しか得られないが、本実施形態では図1(a)に示すように同等の面積に46本もの収納管3を設けることが可能であり、3倍もの高密度貯蔵が可能となっている。
【0021】
勿論、本実施形態の操作床6は、ハニカム構造体と同様の鋼製中空構造体21を主体としてその中空部にコンクリート22を充填した構造を採用したことにより、操作床6に要求される構造的な強度や信頼性および遮蔽性能は支障なく確保できることはもとより、従来一般の箱桁15によるものや特許文献1に示されるような鉄筋コンクリートや鉄枠によるものに比較しても充分な簡略化と軽量化を図ることができ、格段に優れた構造であるといえる。
【0022】
なお、上記実施形態では各収納管2の配列を45°の角度での千鳥配置としたが、図5に示すようにたとえば60°の角度での千鳥配置とすることも可能であり、その場合にはより高密度とすることができる。また、必要に応じて、図5(c)に示すようにリブ鋼管26を二重に設けることでも良く、その場合にはより強度を高めることができる。
【0023】
さらに、従来においては図8に示したように収納管2を格子状の水平フレーム16により支持しているのであるが、そのような支持フレーム16を設けることに代えて、図6に示すように収納管2どうしをリブ鋼板29によって相互に連結することで、千鳥配置した多数の収納管2の全体を上記の鋼製中空構造体21と同様の略ハニカム状の構造とすることも考えられる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明は、鋼管と上部鋼板と下部鋼板とリブ鋼板とからなる略ハニカム状の鋼製中空構造体を主体として、その中空部にコンクリートを充填した構造の操作床を採用したことにより、操作床の強度と信頼性を確保しつつ、またその構造の簡略化と軽量化を図りつつ、収納管を高密度で千鳥配置することが可能となり、使用済み燃料を高密度で貯蔵し得る貯蔵密度を実現することができる。
【0025】
請求項2の発明は、鋼製中空構造体とその中空部に充填するコンクリートとを一体化させて操作床全体を鋼殻コンクリート構造体としたので、特に優れた強度と信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である貯蔵施設の概略構成を示すもので、収納管の配置例を示す平面図である。
【図2】同、貯蔵室および操作床の部分立断面図である。
【図3】同、貯蔵室および操作床の要部斜視図である。
【図4】同、操作床の構造を示す分解斜視図である。
【図5】同、収納管の他の配置例を示す平面図である。
【図6】同、貯蔵室の他の例を示す要部斜視図である。
【図7】従来一般の貯蔵施設の概要を示す図である。
【図8】従来一般の箱桁による操作床の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 貯蔵室
2 収納管
3 キャニスタ
5 搬送室
6 操作床
7 装入口
8 遮蔽プラグ
21 鋼製中空構造体
22 コンクリート
23 鋼管
24 上部鋼板
25 下部鋼板
26 リブ鋼板
27 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は放射性物質の貯蔵施設に係わり、特に使用済み燃料を封入したキャニスタを収納管内に貯蔵する形式の使用済み燃料貯蔵施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の貯蔵施設としては冷却空気の自然対流を利用したボールト式と称される形式のものがあり、その一例を図7〜図8に示す。これは、貯蔵室1内に多数の収納管2を縦横に配列(図示例では1ブロックに3列×6列)して林立せしめ、それら収納管2内にキャニスタ3を支持束4により支持した状態で貯蔵することを基本とするものである。
【0003】
貯蔵室1の上部にはキャニスタ3を収納管2に収納する作業を行うための搬送室5を設け、貯蔵室1と搬送室5とを遮蔽性能を有する操作床6にて区画し、その操作床6には各収納管2にキャニスタ3を装入するための装入口7をそれぞれの収納管2の直上に位置して設け、各装入口7には遮蔽プラグ8を装着するようになっている。
【0004】
また、貯蔵室1に通じるように給気シャフト9および排気シャフト10を設け、排気シャフト10による煙突効果による自然通風力によってキャニスタ3を冷却するようにしている。すなわち、図7(a)に矢印で示しているように、給気シャフト9を通して外部から冷却空気が貯蔵室1に吸入され、貯蔵室1に吸入された冷却空気は、貯蔵室1の底部に確保されている下部プレナム11から収納管2内を上昇してキャニスタ3の周囲を通過することでそれを冷却し、貯蔵室1の上部に確保されている上部プレナム12から排気シャフト10を上昇して外部に放出されるようになっている。なお、そのような冷却空気の流通路の要所には遮蔽のための迷路が形成されている。
【0005】
ところで、この種の貯蔵施設では、キャニスタ3の貯蔵密度を高めるために収納管2の相互間隔を可及的に小さくすることが望まれ、また収納管2を千鳥配置することで高密度化を図ることも検討されているのであるが、従来においては特に操作床6の構造上の制約からキャニスタ3の貯蔵密度を充分に高めることは困難であった。
【0006】
すなわち、上述したように貯蔵室1と搬送室5とを区画している操作床6には各収納管2に対応する装入口7を設ける必要があることから、図7(b)に示すうに、装入口7用の開口部を多数設けつつ操作床6の構造的な強度を確保するためには、操作床6を格段に頑強な構造とする必要がある。したがって従来一般の操作床6の構造としては、たとえば図8に示すように、多数の大断面の鉄骨梁13を並列させてそれらを多数の鋼製リブ14にて連結することで全体として格子状をなす頑強な箱桁15を採用している。そのため、そのような箱桁15の隙間に装入口7を確保するようにしているが、そのような箱桁15の採用を前提とすることでは必然的に収納管2を縦横に配列するしかないし、また収納管2の相互間隔も自ずと制約されて充分な高密度化は困難であった。なお、図8における符号16は、収納管2の中間部を支持する格子状の水平フレームである。
【0007】
また、たとえば特許文献1に示すように、操作床6の構造を鉄筋コンクリートまたは鉄枠製の構造とすることで収納管の千鳥配置を可能とし、それにより高密度化を図ることも提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−177096号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、操作床6の構造として図8に示すような箱桁15を採用することでは高密度化が望めないものであるし、また、特許文献1に示されるように箱桁15に代えて鉄筋コンクリートや鉄枠製の構造の操作床を採用する場合であっても、操作床の構造的な強度や信頼性を充分に確保しつつ充分な高密度化を図ることは必ずしも容易ではなく、それを可能とするためには膨大な配筋が必要となる等、操作床の構造が徒に複雑になることが不可避であり、そのため広く普及するに至っていない。
【0010】
上記事情に鑑み、本発明の目的は、収納管の高密度配置を可能とする構造の操作床を採用し、以て、使用済み燃料を充分に高密度で貯蔵し得る施設を実現することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、貯蔵室内に林立させた多数の収納管内にキャニスタを収納して貯蔵し、貯蔵室の上部にはキャニスタを搬送する搬送室を設け、搬送室と貯蔵室とを遮蔽性能を有する操作床により区画し、操作床には搬送室から収納管内へキャニスタを装入するための装入口を各収納管の直上位置に設けるとともに、装入口には遮蔽プラグを装着する構成の使用済み燃料貯蔵施設において、前記収納管は千鳥配置されているとともに、前記操作床は鋼製中空構造体を主体としてその中空部にコンクリートが充填された構造とされ、前記鋼製中空構造体は、各収納管の直上に位置して千鳥配置されることによりそれぞれが装入口となる鋼管と、操作床の上面および下面の位置に配されるとともに各鋼管の位置に装入口を確保するための開口部を有する上部鋼板および下部鋼板と、隣接している鋼管どうしを連結するとともに上部鋼板と下部鋼板どうしを連結するリブ鋼板とによる略ハニカム状の形態とされ、その鋼製中空構造体の中空部に、前記鋼管により形成される装入口を除いてコンクリートが充填されることで操作床が形成されていることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明の使用済み燃料貯蔵施設において、前記操作床は、鋼製中空構造体とその中空部に充填されるコンクリートとが一体化せしめられてその全体が鋼殻コンクリート構造体とされていることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の一実施形態である貯蔵施設を示す。本実施形態の貯蔵施設は基本的には図7に示した従来のものと同様のボールト式のものであって、貯蔵室1内に林立させた収納管2内にキャニスタ3を支持束4により支持して収納するものであり、かつ収納管2の上下に下部プレナム11と上部プレナム12を確保しておき、給気シャフト9から下部プレナム11、収納管2内、上部プレナム12、排気シャフト10という経路で冷却空気を流通させることでキャニスタ3の冷却を行うようにされている。
【0014】
また、本実施形態の貯蔵施設においても、貯蔵室1と搬送室5とを操作床6により区画し、操作床6には各収納管2に対応する装入口7を設け、各装入口7には遮蔽プラグ8を装着するものであり、そのような構成は従来のものと同様であるが、本実施形態の貯蔵施設ではキャニスタ3の高密度貯蔵を可能とするべく収納管2を千鳥配置しており、かつそのような千鳥配置を可能とするべく特殊な構造の操作床6を採用しており、その点で従来の貯蔵施設とは大きく異なるものとなっている。
【0015】
すなわち、本実施形態における操作床6は、図3〜図4に示すように鋼製中空構造体21を主体として、その中空部にコンクリート22を充填した構造とされている。そして、本実施形態における鋼製中空構造体21は、鋼管23と、上部鋼板24と、下部鋼板25と、リブ鋼板26とが互いに溶接されて組み立てられたものとなっている。
【0016】
鋼製中空構造体21を構成している鋼管23は、各収納管2の直上に位置して収納管2と同様に千鳥配置されることでそれぞれがそれ自体で装入口7となるものであり、これら鋼管23に対して遮蔽プラグ8が装着されるようになっている。また、上部鋼板24および下部鋼板25は操作床6の上面および下面を形成するもので、これら上部鋼板24および下部鋼板25には上記各鋼管23の位置に装入口7を確保するための開口部27がそれぞれ形成されている。リブ鋼板26は隣接している鋼管23どうしを連結するとともに上部鋼板24と下部鋼板25どうしをも連結することで補強リブとして機能するものである。
【0017】
なお、本実施形態における鋼製中空構造体21には、図4に示すように、最外周に位置する鋼管23に鉄骨材からなる支持梁28が外側に突出するように接合されており、この鋼製中空構造体21はそれらの支持梁28により支持されて貯蔵室1と搬送室5との間に架設されるようになっている。
【0018】
上記のように、鋼管23、上部鋼板24、下部鋼板25、リブ鋼板26とが相互に溶接されて組み立てられた鋼製中空構造体21は、その全体がいわゆるハニカム構造体と同様の形態をなすものとなっており、したがってこの鋼製中空構造体21はそれ自体で充分に軽量でありながら優れた強度を有するものとなっている。そして、その鋼製中空構造体21の中空部に、鋼管23により形成される装入口7の部分を除いてコンクリート22が充填されることで、鋼製中空構造体21とコンクリート22とによる操作床6が形成されている。
【0019】
この場合、コンクリート22は単に遮蔽材として充填することでも良く、その場合には操作床6としての構造的な強度およびコンクリート22の自重を鋼製中空構造体21のみに負担させる設計とすれば良いが、あるいは鋼製中空構造体21とコンクリート22とを構造的に一体化させてその全体を鋼殻コンクリート構造体とする設計も可能であり、その場合はコンクリート22は単なる遮蔽材ではなく構造体の一部として機能することになる。なお、鋼製中空構造体21とコンクリート22とを確実に一体化させて鋼殻コンクリート構造体とするためには、鋼製中空構造体21の内部にスタッドや凹凸等の係合部を設けておいて、コンクリート22が鋼製中空構造体21に確実に係合して一体に挙動するものとしておけば良い。
【0020】
本実施形態の貯蔵施設は、上記のような構造の操作床6を採用したことにより、従来一般の箱桁15による操作床6では不可能であった収納管2の千鳥配置が可能となり、したがって格段に高密度貯蔵が可能なものとなっている。すなわち、箱桁15による操作床6を採用している従来一般の貯蔵施設では、たとえば図7(b)に示したように収納管2を単に縦横に配列することで1ブロックに対し3列×6列=18本の貯蔵密度しか得られないが、本実施形態では図1(a)に示すように同等の面積に46本もの収納管3を設けることが可能であり、3倍もの高密度貯蔵が可能となっている。
【0021】
勿論、本実施形態の操作床6は、ハニカム構造体と同様の鋼製中空構造体21を主体としてその中空部にコンクリート22を充填した構造を採用したことにより、操作床6に要求される構造的な強度や信頼性および遮蔽性能は支障なく確保できることはもとより、従来一般の箱桁15によるものや特許文献1に示されるような鉄筋コンクリートや鉄枠によるものに比較しても充分な簡略化と軽量化を図ることができ、格段に優れた構造であるといえる。
【0022】
なお、上記実施形態では各収納管2の配列を45°の角度での千鳥配置としたが、図5に示すようにたとえば60°の角度での千鳥配置とすることも可能であり、その場合にはより高密度とすることができる。また、必要に応じて、図5(c)に示すようにリブ鋼管26を二重に設けることでも良く、その場合にはより強度を高めることができる。
【0023】
さらに、従来においては図8に示したように収納管2を格子状の水平フレーム16により支持しているのであるが、そのような支持フレーム16を設けることに代えて、図6に示すように収納管2どうしをリブ鋼板29によって相互に連結することで、千鳥配置した多数の収納管2の全体を上記の鋼製中空構造体21と同様の略ハニカム状の構造とすることも考えられる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明は、鋼管と上部鋼板と下部鋼板とリブ鋼板とからなる略ハニカム状の鋼製中空構造体を主体として、その中空部にコンクリートを充填した構造の操作床を採用したことにより、操作床の強度と信頼性を確保しつつ、またその構造の簡略化と軽量化を図りつつ、収納管を高密度で千鳥配置することが可能となり、使用済み燃料を高密度で貯蔵し得る貯蔵密度を実現することができる。
【0025】
請求項2の発明は、鋼製中空構造体とその中空部に充填するコンクリートとを一体化させて操作床全体を鋼殻コンクリート構造体としたので、特に優れた強度と信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である貯蔵施設の概略構成を示すもので、収納管の配置例を示す平面図である。
【図2】同、貯蔵室および操作床の部分立断面図である。
【図3】同、貯蔵室および操作床の要部斜視図である。
【図4】同、操作床の構造を示す分解斜視図である。
【図5】同、収納管の他の配置例を示す平面図である。
【図6】同、貯蔵室の他の例を示す要部斜視図である。
【図7】従来一般の貯蔵施設の概要を示す図である。
【図8】従来一般の箱桁による操作床の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 貯蔵室
2 収納管
3 キャニスタ
5 搬送室
6 操作床
7 装入口
8 遮蔽プラグ
21 鋼製中空構造体
22 コンクリート
23 鋼管
24 上部鋼板
25 下部鋼板
26 リブ鋼板
27 開口部
Claims (2)
- 貯蔵室内に林立させた多数の収納管内にキャニスタを収納して貯蔵し、貯蔵室の上部にはキャニスタを搬送する搬送室を設け、搬送室と貯蔵室とを遮蔽性能を有する操作床により区画し、操作床には搬送室から収納管内へキャニスタを装入するための装入口を各収納管の直上位置に設けるとともに、装入口には遮蔽プラグを装着する構成の使用済み燃料貯蔵施設において、
前記収納管は千鳥配置されているとともに、前記操作床は鋼製中空構造体を主体としてその中空部にコンクリートが充填された構造とされ、
前記鋼製中空構造体は、各収納管の直上に位置して千鳥配置されることによりそれぞれが装入口となる鋼管と、操作床の上面および下面の位置に配されるとともに各鋼管の位置に装入口を確保するための開口部を有する上部鋼板および下部鋼板と、隣接している鋼管どうしを連結するとともに上部鋼板と下部鋼板どうしを連結するリブ鋼板とによる略ハニカム状の形態とされ、
その鋼製中空構造体の中空部に、前記鋼管により形成される装入口を除いてコンクリートが充填されることで操作床が形成されていることを特徴とする使用済み燃料貯蔵施設。 - 請求項1記載の使用済み燃料貯蔵施設において、前記操作床は、鋼製中空構造体とその中空部に充填されるコンクリートとが一体化せしめられてその全体が鋼殻コンクリート構造体とされていることを特徴とする使用済み燃料貯蔵施設。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003140729A JP2004340887A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 使用済み燃料貯蔵施設 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003140729A JP2004340887A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 使用済み燃料貯蔵施設 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003140729A Withdrawn JP2004340887A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 使用済み燃料貯蔵施設 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150275497A1 (en) * | 2014-04-01 | 2015-10-01 | Oldcastle Precast, Inc. | Floor drain assembly system and method of forming the same |
CN108604470A (zh) * | 2015-11-30 | 2018-09-28 | Tn美国有限责任公司 | 水平存储模块、托架组件和罐传送组件 |
-
2003
- 2003-05-19 JP JP2003140729A patent/JP2004340887A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9567739B2 (en) * | 2014-04-01 | 2017-02-14 | Oldcastle Precast, Inc. | Floor drain assembly system and method of forming the same |
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CN108604470B (zh) * | 2015-11-30 | 2022-04-05 | Tn美国有限责任公司 | 水平存储模块、托架组件和罐传送组件 |
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