JP2004340853A - ベルト特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト特性測定装置において、回転体の回転をベルトの回転に応答性よく追従させる。
【解決手段】ベルト特性測定装置の回転制御装置40は、位置算出部42と、ベルト滑り量算出部41と、補正量算出部45を有する。位置算出部42は、ベルトに貼り付けられた歪みセンサの回転位置を算出する。この歪みセンサの回転位置を位置指令としてモータ24を駆動するため、回転体はベルトに応答性よく追従する。なお、位置算出部42は、ベルト滑り量算出部41で求められたベルト滑り量に基づき、ベルト滑り量を補正する。また、加算器50において、位置算出部42から出力された回転位置に、補正量算出部45から出力される角度差分を加算することにより、より応答性を向上している。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転するベルトに発生する歪みや温度などの特性をセンサで検出して測定するベルト特性測定装置、特に、ベルトに追従して回転する回転体を用いてセンサの検出信号を取得するベルト特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業の様々な分野において、エンジンやモータなどの駆動装置が用いられている。このような駆動装置の回転駆動力は、回転軸に固定されたプーリと、プーリに掛けられたベルトを介して他の装置に伝達され利用されることが多い。自動車の場合について例を挙げれば、エンジンと各エンジン補機では、それぞれに設けられるプーリにベルトが掛けられ、回転駆動力が伝達される。また、無段変速型トランスミッション(CVT:Continuous Variable Transmission)では、プーリ径が変化する可変プーリにベルトが掛けられ、回転駆動力が伝達される。
【0003】
ベルトは回転中に張力、遠心力などを受ける。このようなベルトが受ける力に対してベルトを十分強固に設計するために、装置の開発段階においてベルトに発生する応力を測定することがある。この応力測定においては、歪みセンサをベルトに貼り付けて応力を測定することとなるが、その際、如何に歪みセンサの検出信号に影響を与えずに、この検出信号を動歪み計に取り出すかが問題となる。
【0004】
この問題に対して、特願2001−203350号、特開2001−310448号には、検出精度を損なわないベルト歪み測定装置の一案が提案されている。これらの文献に示されるベルト歪み測定装置では、ベルトの側方に円盤形状の回転体を設け、歪みセンサから引き出されたリード線を円盤周縁の一部に固定し、回転体をベルトに追従して回転させることで、歪みセンサの検出信号を取り出している。この方法では、ベルトには歪みセンサを貼り付けるのみであるため、歪みの測定値には測定系に起因する誤差が小さく、好適にベルトの歪みを測定することができる。
【0005】
【特許文献1】
特願2001−203350号
【特許文献2】
特開2001−310448号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した文献のベルト歪み測定装置では、回転体の回転制御を次のように行っている。すなわち、ベルトの一部にマーカを付け、これを検出することで、ベルトの1回転を検出する。また、回転体を駆動するモータにエンコーダを取り付け、回転体の1回転を検出する。そして、ベルトの1回転に要する時間と、回転体の1回転に要する時間の差分を算出し、この差分に応じてモータの現状の回転数を増加または減少させている。
【0007】
しかしながら、上記制御方法では、回転体の回転数は、ベルト及び回転体が1回転するごとに修正されるのみであり、制御が粗い。このため、ベルトの回転速度が急激に変化する場合や、ベルトが高回転数で回転する場合には、回転体の回転速度がベルトの回転速度に対して大きくずれることがあり、回転体の固定点を歪みセンサに十分に追従させることができない、という問題があった。
【0008】
なお、以上の説明では、ベルトの歪みを測定する場合について説明したが、温度など他のベルトの特性を測定する場合においても、同様な問題を指摘できる。
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明は、ベルトの歪みや温度などの特性を測定する装置において、回転体の回転をベルトの回転に応答性よく追従させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、回転するベルトに取り付けられたセンサと、前記センサに接続されるリード線が固定された固定点を有する回転体と、前記回転体の回転を制御する回転制御装置と、を備え、前記回転体を回転制御して、前記回転体の固定点を前記センサの移動に追従させることにより、前記センサの検出信号を取得するベルト特性測定装置であって、前記回転制御装置は、前記センサの回転位置を算出する位置算出部を有し、この算出された回転位置を、前記回転体の回転制御に供するものである。
【0011】
この構成では、ベルトの1回転中における回転位置が算出され、この算出された回転位置に基づいて、逐次に回転体の回転制御を行うため、回転体の回転制御を応答性よく行うことができ、より固定点をセンサに追従させることができる。
【0012】
ここで、センサの回転位置を算出するために、様々な方法を採用することができる。例えば、ベルトが掛けられたプーリの回転を検出したり、プーリの回転を制御する制御装置の制御指令を取り込むことで、プーリの回転に関する情報を取得し、この情報に基づいてベルトの回転位置を算出すればよい。また、別の方法としては、ベルトに所定間隔ごとに多数のマーカを付け、これらのマーカを検出することにより、センサの回転位置を算出してもよい。また、その他の検出値に基づき、センサの回転位置を算出してもよい。
【0013】
また、本発明に係るベルト特性測定装置において、前記ベルトがCVTを構成する可変プーリに掛けられている場合には、前記可変プーリの可変状態に関する情報を取得し、この情報に基づき、前記センサの回転位置を算出してもよい。ここで、可変プーリの可変状態に関する情報とは、例えばプーリ径の検出値や可変プーリに対する制御指令などである。
【0014】
また、本発明に係るベルト特性測定装置において、前記回転制御装置は、前記ベルトの回転状態に対応するベルト滑り量を求めるベルト滑り量算出部を有し、前記ベルト滑り量算出部により求められたベルト滑り量に基づき、前記センサの回転位置を補正することが好ましい。ここで、ベルトの回転状態とは、ベルト滑りに影響を与える様々なベルトの回転に関する状態のことであり、例えば、ベルト又はプーリの速度、加速度、若しくはこれらの変化特性、またはCVTの変速状態などである。
【0015】
また、本発明に係るベルト特性測定装置において、前記回転制御装置は、前記センサの回転位置と前記固定点の回転位置の差分を求める差分算出部を有し、前記差分算出部により求められた差分に基づき、前記センサの回転位置を補正することが好ましい。このようにセンサの回転位置を補正して調整することで、迅速に固定点をセンサに追従させることができる。すなわち、回転体の回転がベルトの回転に対して後れているときには、算出されたセンサの回転位置に、回転位置の差分を加算し、一方、回転体の回転がベルトの回転に対して先行している場合には、算出されたセンサの回転位置から、回転位置の差分を減算すればよい。
【0016】
このとき、さらに、前記差分算出部は、前記回転体の回転状態に応じて前記回転位置の差分を制限し、前記回転制御装置は、この制限された回転位置の差分に基づき、前記センサの回転位置を補正することが好ましい。このように差分を制限することにより、差分をが過大である場合に発生する回転体の制御不安定を防止し、制御の乱れを抑えることができる。
【0017】
なお、ベルト特性測定装置により測定されるベルトの特性は、例えば、歪みや温度であるが、特にこれらに限定されるものではなく、様々なベルトの特性の測定に適用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。以下の説明では、ベルトの歪みを測定するベルト歪み測定装置を一例として説明する。
【0019】
第1の実施形態.
図1は、本発明の実施形態に係るベルト歪み測定装置を含むベルト試験装置10の構成の概略を示す構成図である。ベルト試験装置10は、主要的な構成として、駆動装置であるモータ11と、このモータ11により回転駆動される駆動プーリ12と、回転自在に設けられた従動プーリ13と、を備えている。これらのプーリ12,13には、試験対象であるベルト14が掛けられ、モータ11が駆動プーリ12を回転させることにより、ベルト14が矢印方向に回転される。また、このとき、従動プーリ13はベルト14の回転に伴い回転する。なお、本実施形態では、ベルト試験装置10は、無段変速トランスミッション(以下、CVT)の機能を有している。すなわち、ベルト試験装置10の各プーリ12,13は2枚の円盤で構成され、この2枚の円盤の開き量が制御されることにより、各プーリ12,13においてベルト14が位置するプーリ径が調節され、駆動プーリ12に対する従動プーリ13の変速比が制御される。
【0020】
ベルト歪み測定装置は、主要的な構成として、ベルト14に貼り付けられた歪みセンサ21と、歪みセンサ21の検出信号を計測する動歪み計22と、ベルト14の側方に配置された円盤形状の回転体23と、回転体23を回転駆動するモータ24と、モータ24の回転を制御する回転制御装置40とで構成されている。歪みセンサ21からはリード線26が引き出されており、このリード線26は回転体23の周縁の固定点25において接着剤、接着テープなどで固定され、さらに回転体23の中心に配置されるスリップリング27に接続される。動歪み計22はスリップリング27に接続されており、スリップリング27を介して歪みセンサ21からの信号を取り込み、ベルト14の歪みを計測する。
【0021】
また、ベルト14には目印となるマーカ28が付けられており、ベルト14の回転中にマーカセンサ29がマーカ28の通過を検出する。また、回転体23を駆動するモータ24にはエンコーダ30が取り付けられており、モータ24の回転が検出されている。また、同様に、駆動プーリ12および従動プーリ13にはそれぞれエンコーダ31,32が取り付けられており、各プーリ12,13の回転が検出されている。回転制御装置40は、これらの検出信号を取り込み、回転体23の回転制御に利用している。
【0022】
次に、ベルト歪み測定装置の回転制御装置40について説明する。図2は、回転制御装置40の構成を示すブロック図である。なお、図2に示される回転制御装置40の各機能ブロックは、演算処理装置(CPU)を用いてプログラムを実行することにより実現したり、アナログ回路により実現するなど、様々な態様で実現することができる。
【0023】
回転制御装置40には、4つの信号受信部46〜49が設けられている。各信号受信部46〜49は、それぞれモータ24のエンコーダ30、マーカセンサ29、駆動プーリ12のエンコーダ31、及び従動プーリ13のエンコーダ32に接続されており、これらから送られる信号を取り込んでいる。各エンコーダ30〜32に接続された信号受信部46,48,49は、各エンコーダ30〜32が検出する一連の検出信号を受信し、単位時間あたりの検出信号の数をカウントし、そのカウント数のデータを出力する。さらに、モータ24のエンコーダ30が接続された信号受信部46は、検出信号に基づいて回転体23の速度を演算し、減算器51に出力する。また、マーカセンサ29に接続された信号受信部47は、マーカセンサ29がマーカ28の通過を検出すると、そのタイミングでパルス信号を出力する。
【0024】
位置算出部42は、各信号受信部46〜49が出力する信号を取り込み、これらの信号に基づき、各タイミングにおける歪みセンサ21の回転位置を算出する。具体的には、次のような計算方法で、回転位置を算出する。
【0025】
まず、位置算出部42は、マーカセンサ29からのパルス信号を取り込むと、そのパルス信号を受信したタイミングにおける歪みセンサ21の回転位置が、ベルト14の1回転において基準となる原点位置であることを認識する。その以降のタイミングでは、信号受信部48からのカウント数の信号を受信し、この信号から歪みセンサ21の移動距離を求め、歪みセンサ21の回転位置を算出する。すなわち、駆動プーリ12においてベルト14が掛けられた位置(プーリ径)の周長さに、歪みセンサ21が原点位置を通過した後の駆動プーリ12の回転数を乗じて、歪みセンサ21の原点位置からの移動距離を求め、この移動距離をそのタイミングにおける歪みセンサ21の回転位置とする。その後、ベルトが1回転し、位置算出部42が再びマーカセンサ29からのパルス信号を取り込むと、パルス信号を受信したタイミングにおける歪みセンサ21の回転位置を原点位置とする。以降、上述の算出処理を繰り返す。
【0026】
上述したように、歪みセンサ21の1回転中における回転位置を算出することが、本実施形態の特徴的事項である。この算出された歪みセンサ21の回転位置を、位置指令とすることで、固定点25が歪みセンサ21の回転位置となるように、逐次に回転体23の回転制御を行うため、回転体23の回転制御を応答性よく行うことができ、固定点25を歪みセンサに良好に追従させることができる。なお、本実施形態では、歪みセンサ21の回転位置を算出するための方法として、プーリ12の回転を検出する方法について説明したが、他の方法で歪みセンサ21の回転位置を算出してもよい。例えば、ベルト14に多数のマーカ28を付け、これらのマーカ28を検出することにより、歪みセンサ21の回転位置を算出したり、ベルト14を回転駆動する駆動装置11の制御指令値や、その他の検出値に基づき、歪みセンサ21の回転位置を算出してもよい。
【0027】
また、本実施形態では、駆動プーリ12及び従動プーリ13は、CVTを構成する可変プーリであるため、ベルト14が掛けられる位置(プーリ径)が、各プーリ12,13において径方向に変化し、周長さが変化する。この径方向の変化に対応するために、位置算出部42は、信号受信部48,49から入力される両プーリ12,13のカウント数に基づいて周長さの変化を計算し、歪みセンサ21の回転位置を求めている。すなわち、2つの可変プーリ12,13の変速比、プーリ径などは、両プーリ12,13の回転数と一義的に対応しているため、位置算出部42は、両プーリ12,13のカウント数に基づいて、ベルト14が掛けられたプーリ径を求め、さらにそのプーリ径における周長さを求め、この周長さに回転数に乗ずることで、歪みセンサ21の回転位置を求めている。なお、以上の径変化への対処は、プーリ12,13がCVTを構成する可変プーリでない場合には省略してもよい。
【0028】
また、駆動プーリ12及び従動プーリ13の回転中に、ベルト14には滑りが生じている。特に、可変プーリ12,13がプーリ径を変化させるときには、ベルト14には大きな滑りが生じることとなる。本実施形態では、このベルト滑りによる歪みセンサ21の回転位置の誤差に対処するために、ベルト滑り量算出部41において、ベルト滑り量を求め、これに基づいて歪みセンサ21の回転位置を補正している。すなわち、ベルト14の回転状態によって、ベルト14の滑り量が変化するため、まずベルト14の回転状態を判定し、この回転状態に応じた滑り量を求め、歪みセンサ21の回転位置を補正している。
【0029】
具体的には、次のようにベルト14の滑り量を求め、算出された歪みセンサ21の位置を補正している。本実施形態では、ベルト14の試験を行うに際して、図3に示すようにベルト14の回転数を変化させている。すなわち、始めにベルト14を低速(速度V1より若干低い速度)で回転させ、それから徐々に回転数を増し高速(速度V2より若干高い速度)まで上昇させ、その後、高速の一定速度で回転を継続させる。この試験において、ベルト14の速度領域は、ベルト速度VがV1より小さい初期領域、ベルト速度VがV1以上でかつV2より小さい加速領域、ベルト速度VがV2以上の高速領域の3つの速度領域に分けることができ、各速度領域においてベルト14の滑り量が異なっている。
【0030】
そこで、ベルト滑り量算出部41は、図4に示すベルト滑り量データテーブルを有している。ベルト滑り量データテーブルは、各速度領域に対応して、それぞれ異なるベルト滑り量(%)が設定されており、速度により異なるベルト滑り量の特性が反映されている。ベルト滑り量算出部41は、信号受信部48,49から各プーリ12,13のカウント数の信号がベルト滑り量算出部41に入力されると、これらの信号に基づきベルト14の回転速度を算出し、その回転速度がいずれの速度領域に属しているかを判定し、判定された速度領域に対応するベルト滑り量Aを位置算出部42に出力する。位置算出部42は、このベルト滑り量Aと、歪みセンサ21の回転位置P1に基づき、次式の演算を行い、補正された回転位置P2を求める。
P2 = P1−P1×A/100
【0031】
なお、以上に説明した滑り量の算出は単なる一例であり、他の方法を用いることもできる。例えば、ベルト14の試験がより複雑にベルト速度を変化させるものであれば、速度領域をより細かく分割して、各分割された速度領域ごとにベルト滑り量を対応させてもよい。また、ベルト14の回転が特に滑りを生じやすいCVTの変速状態にあることを検出し、この変速状態に対応した滑り量を設定してもよい。さらに、変速状態の種類を細分し、各変速状態に応じた滑り量を設定してもよい。
【0032】
次に、補正量(差分)算出部45が行う処理について説明する。補正量算出部45は、信号受信部46,47から、回転体23を駆動するモータ24の回転数のデータと、マーカセンサ29からのパルス信号を取り込む。補正量算出部45は、マーカセンサ29からのパルス信号を受信してから次のパルス信号を受信するまでに、モータ24のエンコーダ30によりカウントされるカウント数を求め、これに基づき歪みセンサ21と固定点25の角度差分を求める。すなわち、回転体23がベルト14と同期して回転し、両部材23,14の回転数が一致している場合には、カウント数は一定の所定値となる。よって、補正量算出部45は、カウント数と所定値の差を求めることにより、歪みセンサ21と固定点25の角度差(deg)を求めている。そして、この求められた角度差分が、加算器50に出力され、歪みセンサ21の回転位置に加算される。なお、この角度差分は、固定点25が歪みセンサ21より後れて回転している場合には正の値となり、固定点25が歪みセンサ21より先行して回転している場合には負の値となる。
【0033】
本実施形態では、上述したように歪みセンサ21の回転位置に対して、歪みセンサ21と固定点25の角度差分を加算することにより、モータ24の制御の応答性を向上し、より良好に固定点25を歪みセンサ21に追従させている。すなわち、単に、歪みセンサ21の回転位置を位置指令として回転体駆動モータ24を制御すると、歪みセンサ21と固定点25の角度差が大きい場合には、固定点25が歪みセンサ21の位置に到達するまでに時間がかかることがある。これに対し、本実施形態では、位置指令である歪みセンサ21の回転位置に、歪みセンサ21と固定点25の角度差分に比例した補正量が加算されて補正されるため、固定点25を歪みセンサ21の位置により迅速に到達させることができる。
【0034】
また、補正量算出部45は、上記の補正量算出処理にあたり、次の処理を行っている。補正量算出部45には、モータ24の回転数の信号に基づいて回転体23の回転速度を演算する。次に、補正量算出部45は、図5に示す補正量最適データテーブルを参照して、演算された回転体23の回転速度に対応する補正量の限界値を求める。この補正量上限データテーブルは、回転体23の各速度領域について、回転体23の制御を安定して行うことができる補正量の限界値が設定されたデータテーブルであり、各データは実験的に求められる。次に、補正量算出部45は、既述の処理により算出された角度差分と、補正量の限界値を比較し、角度差分が限界値以下である場合には、角度差分を補正量として加算器50に出力する。一方、角度差分が限界値より大きい場合には、その限界値を補正量として加算器50に出力する。加算器50は、位置算出部42から出力された歪みセンサ21の回転位置に、この補正量を加算する。本実施形態では、上述したように補正量を制限するため、回転体23の制御を収束させ、制御が乱れることを防止することができる。なお、この補正量を制限する処理は、この処理を付加しなくても回転体23の制御が不安定とならない場合には必要がない。
【0035】
同期速度出力部43は、加算器50から、以上説明した処理により求められた位置指令を取り込み、これに対して例えば時間微分などを行い、速度指令を演算する。そして、減算器51において、同期速度出力部43から出力された速度指令から、信号受信部46から出力された回転体23の速度検出値が減算され、その減算値が指令値としてモータ駆動部44に出力される。このモータ駆動部44は、インバータなどを内部に備えており、入力された指令値に応じた電流を生成する。この電流はモータ24に供給され、これにより固定点25が歪みセンサ21に追従するように回転体23が回転駆動される。
【0036】
次に、上述した位置算出部42,ベルト滑り量算出部41、及び補正量算出部45が行う処理の流れについて説明する。
【0037】
図6は、位置算出部42が行う処理を示すフローチャートである。位置算出部42は、信号受信部47から信号が入力されると、これに対応して処理を開始する(S601)。まず、位置算出部42は、各信号受信部46〜49からの信号を受信して取り込み(S602)、これらの信号に基づき歪みセンサ21の回転位置を算出する(S603)。この歪みセンサ21の回転位置の算出は、既述したとおりである。次に、位置算出部42は、ベルト滑り量算出部41からベルト滑り量のデータを取得し、算出された歪みセンサ21の回転位置を、ベルト滑り量に基づいて補正し(S604)、この補正された回転位置を加算器50に出力する。その後、各信号受信部46〜49から信号が継続して入力されている場合には、位置算出部42はステップS602〜ステップS605の処理を繰り返す。一方、各信号受信部46〜49から信号が入力されなくなると、位置算出部42は、ベルト試験装置10が運転を停止したことを判定して(S606)、処理を終了する(S607)。
【0038】
図7は、ベルト滑り量算出部41が行う処理を示すフローチャートである。ベルト滑り量算出部41は、信号受信部48,49から信号が入力されると、これに対応して処理を開始する(S701)。まず、ベルト滑り量算出部41は、信号受信部48,49から駆動プーリ12及び従動プーリ13の回転数のデータを受信して取り込み(S702)、これらに基づきベルト14の回転速度を算出する(S703)。そして、このベルト14の回転速度がV1より小さい場合には、速度領域として“初期領域”を選択する(S704,S705)。また、ベルト14の回転速度がV1以上であり且つV2より小さい場合には、速度領域として“加速領域”を選択する(S706,S707)。また、ベルト14の回転速度がV2以上である場合には、速度領域として“高速領域”を選択する(S708,S709)。次に、ベルト滑り量算出部41は、選択された速度領域に対応するベルト滑り量を、ベルト滑り量データテーブルから取得し(S710)、このベルト滑り量を位置算出部42に出力する(S711)。その後、処理を終了する(S712)。
【0039】
図8は、補正量算出部45が行う処理を示すフローチャートである。補正量算出部45は、信号受信部47から信号が入力されると、これに対応して処理を開始する(S801)。まず、補正量算出部45は、マーカセンサ29がマーカ28を検出したことを示すパルス信号を信号受信部47から取り込み(S802)、このパルス信号が受信されてから次のパルス信号が受信されるまで、信号受信部46からのカウント数の累積値を求め(S803)、歪みセンサ21と固定点25の角度差分を算出する(S804)。次に、補正量算出部45は、信号受信部46からのカウント数のデータに基づき、回転体23の回転速度を算出し(S805)、補正量上限データテーブルから補正量の限界値を取得する(S806)。そして、算出された角度差分と、補正量の限界値を比較し(S807)、角度差分が限界値を超えていない場合には角度差分を補正量として出力する(S808)。一方、角度差分が限界値を超えている場合には、補正量の限界値を補正量として出力する(S809)。その後、継続して信号受信部46,47から信号が受信されている場合には、上述したステップS802〜ステップS809の処理を繰り返す。一方、各信号受信部46,47から信号が入力されなくなると、補正量算出部45は、ベルト試験装置10が運転を停止したことを判定して(S810)、処理を終了する(S811)。
【0040】
なお、上記に説明した本実施形態に係るベルト歪み測定装置によれば、上述した諸々の効果が得られるほか、ベルト歪み測定装置を簡易に構成することができるといった効果も得られる。すなわち、測定対象であるベルトの回転速度は高く、また回転中にベルト滑りなどの誤差も生じているため、上記の制御を一般的に入手可能な市販の制御装置で実現しようとすると、非常に高価な制御装置が必要となる。これに対して、本実施形態では、ベルト滑り量や補正量限界値などの処理をデータテーブルを活用して簡略化しているため、比較的安価な制御装置を用いて上記の複雑な処理に対応している。
【0041】
第2の実施形態.
次に、第2の実施形態に係るベルト歪み測定装置について説明する。図9に、第2の実施形態に係るベルト歪み測定装置の構成の概略を示す構成図を示す。
【0042】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、CVTを構成する可変プーリ12,13の周囲に、各可変プーリ12,13の変速状態を検出するためのセンサが設けられている。図9には、このようなセンサの3つの例が示されている。
【0043】
第1のセンサの例は、可変プーリ12,13の側面方向に設けられた測距センサ71,72である。各測距センサ71,72は、それ自体から各可変プーリ12,13までの距離を測定する。これにより可変プーリ12,13の開き量が求められるため、変速状態が検出される。
【0044】
第2のセンサの例は、各可変プーリ12,13に掛けられたベルト14に対向して設けられた測距センサ73,74である。各測距センサ73,74は、それ自体からベルト14までの距離を測定する。これにより可変プーリ12,13のプーリ径が求められ、変速状態が検出される。
【0045】
第3のセンサの例は、各可変プーリ12,13の開き量を調節するための油圧を計測する圧力センサ78,79である。各可変プーリ12,13の開き具合は、一般に、油圧ポンプ75で加圧された作動油を、各可変プーリ12,13に対応して設けられた可変バルブ76,77で圧力を調節し、各プーリ12,13に供給することで制御されている。よって、各可変バルブ76,77とそれに対応する可変プーリ12,13の間にそれぞれ圧力センサ78,79を設け、作動油の圧力を測定することで、各可変プーリ12,13の変速状態を求めることができる。
【0046】
ベルト滑り量算出部41は、上述したいずれかのセンサの検出値を取り込む。また、第1の実施形態と同様に、プーリ12,13の回転をエンコーダ31,32で検出し、その回転数の信号を取り込む。そして、ベルト滑り量データテーブルを参照して、検出された変速状態と回転数に対応する滑り量を選択する。この滑り量は、位置算出部42に出力され、歪みセンサ21の回転位置に乗じられ、ベルト滑りが補正される。
【0047】
本実施形態では、上述の処理により、ベルト滑り量をより正確に補正している。すなわち、ベルト14の速度変化には、プーリ12,13の加減速によるものと、可変プーリ12,13のプーリ径変化によるものとがあり、これらの2つの要因によってベルト14の滑り量は変化する。本実施形態では、このようなベルト滑り量を変化させる2つの要因を検出し、この2つの検出値に基づいてベルト滑り量を求めることで、より正確にベルト滑り量を算出し、好適な制御を実現している。
【0048】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、等価な範囲で様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、ベルト試験装置にベルト歪み測定装置を設けたが、量産される車両にベルト歪み測定装置を設け、その測定値を車両の制御に利用することも可能である。また、ベルトの歪みに限らず、温度など他の特性を測定してもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、回転制御装置が、歪みセンサの回転位置を算出する位置算出部を有し、この算出された回転位置を回転体の回転制御に供するため、算出された回転位置に基づいて逐次に回転体の回転制御を行い、固定点を歪みセンサに良好に追従させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト試験装置の構成の概略を示す構成図である。
【図2】ベルト歪み測定装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ベルト試験におけるベルト速度変化を示すグラフである。
【図4】ベルト滑り量データテーブルを示す図である。
【図5】補正量上限データテーブルを示す図である。
【図6】位置算出部の処理を示すフローチャートである。
【図7】ベルト滑り量算出部の処理を示すフローチャートである。
【図8】補正量算出部の処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態に係るベルト試験装置の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
10 ベルト試験装置、11 モータ(駆動装置)、12 駆動プーリ、13従動プーリ、14 ベルト、21 歪みセンサ、22 動歪み計、23 回転体、24 モータ、25 固定点、26 リード線、27 スリップリング、28 マーカ、29 マーカセンサ、30〜32 エンコーダ、40 回転制御装置、41 ベルト滑り量算出部、42 位置算出部、43 同期速度出力部、44 モータ駆動部、45 補正量算出部、46〜49 信号受信部、50 加算器、51 減算器。

Claims (7)

  1. 回転するベルトに取り付けられたセンサと、
    前記センサに接続されるリード線が固定された固定点を有する回転体と、
    前記回転体の回転を制御する回転制御装置と、を備え、
    前記回転体を回転制御して、前記回転体の固定点を前記センサの移動に追従させることにより、前記センサの検出信号を取得するベルト特性測定装置であって、
    前記回転制御装置は、
    前記センサの回転位置を算出する位置算出部を有し、
    この算出された回転位置を、前記回転体の回転制御に供することを特徴とするベルト特性測定装置。
  2. 請求項1に記載のベルト特性測定装置であって、
    前記ベルトは、少なくとも1つのプーリに掛けられており、
    前記位置算出部は、前記プーリの回転に関する情報に基づき、前記センサの回転位置を算出することを特徴とするベルト特性測定装置。
  3. 請求項1に記載のベルト特性測定装置であって、
    前記回転制御装置は、
    前記ベルトの回転状態に対応するベルト滑り量を求めるベルト滑り量算出部を有し、
    前記ベルト滑り量算出部により求められたベルト滑り量に基づき、前記センサの回転位置を補正することを特徴とするベルト特性測定装置。
  4. 請求項3に記載のベルト特性測定装置であって、
    前記ベルトの回転状態は、前記ベルトの回転速度であることを特徴とするベルト特性測定装置。
  5. 請求項3に記載のベルト特性測定装置であって、
    前記ベルトの回転状態は、前記ベルトの変速状態であることを特徴とするベルト特性測定装置。
  6. 請求項1に記載のベルト特性測定装置であって、
    前記回転制御装置は、
    前記センサの回転位置と前記固定点の回転位置の差分を求める差分算出部を有し、
    前記差分算出部により求められた差分に基づき、前記センサの回転位置を補正することを特徴とするベルト特性測定装置。
  7. 請求項6に記載のベルト特性測定装置であって、
    前記差分算出部は、前記回転体の回転状態に応じて前記回転位置の差分を制限し、
    前記回転制御装置は、この制限された回転位置の差分に基づき、前記センサの回転位置を補正することを特徴とするベルト特性測定装置。
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